JP2018514577A - ビス(フルオロスルホニル)−イミドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、高温でのビス(フルオロスルホニル)−イミドおよびその誘導体の製造方法に関する。

Description

本発明は、高温でのビス(フルオロスルホニル)−イミドおよびその誘導体の製造方法に関する。
発明の背景
以下の文章では、特に断りのない限り、以下の意味が使用される。
ACN アセトニトリル;
CISI 式(2)の化合物であるビス(クロロスルホニル)−イミド;
Figure 2018514577
CSI 式(3)の化合物であるクロロスルホニルイソシアネート;
Figure 2018514577
CSOS、CSA クロロスルホン酸;
DCB ジクロロベンゼン(特記しない限り1,2−ジクロロベンゼン);
DCE ジクロロエタン(特記しない限り1,2−ジクロロエタン);
DCM ジクロロメタン;
DFACl ジフルオロ酢酸クロリド;
DFAF ジフルオロ酢酸フルオリド;
ハロゲン F、Cl、BrまたはI、好ましくはF、ClまたはBr、より好ましくはFまたはCl。
HFSI 式(1)の化合物であるビス(フルオロスルホニル)−イミド;
Figure 2018514577
LiFSI 式(4)の化合物であるリチウムビス(フルオロスルホニル)−イミド;
Figure 2018514577
TEA トリエチルアミン;
TFACl トリフルオロ酢酸クロリド;
TFAF トリフルオロ酢酸フルオリド;
VN バレロニトリル;
重量%(wt%)、重量%(% by weight) 重量%(percent by weight)。
HFSIは、リチウムイオン電池のような電気化学的装置において、HFSIのリチウム塩LiFSIの形態である電解質の製造に使用される、中間体である。
WO2009/123328A1号には、対称または非対称のクロロスルホニルイミドと第11族から第15属および第4周期から第6周期(ヒ素およびアンチモンを除く)の元素からなる群から選択される少なくとも1つの元素を含むフッ化物化合物との反応によって、溶媒中で、それぞれ対称または非対称のフルオロスルホニルイミドの金属塩を製造する方法を開示し、これらの金属塩は、その後、第2の工程において、陽イオン交換反応にて様々なアミンと対称および非対称のフルオロスルホニルイミドとの塩に変換される。
US2015/0246812A1号は、反応が有機溶媒中で行われる、対称および非対称のクロロスルホニルイミドからの対称および非対称のフルオロスルホニルイミドの製造方法を開示する。
WO2015/012897A1号は、HFを用いてClSIからFSIを製造する方法を開示し、この反応によって生成されたHClは、HFSIを少なくとも80%の収率で生成するために、反応中に選択的に除去される。反応は、周囲圧力(例えば、大気圧)で行われる。反応時間は3時間よりもはるかに長い。両方の要件、即ち、比較的長い反応時間および反応中にHClを反応混合物から分離するための要件は、反応を連続的に実施する場合、反応中にHClの必要な分離のための装置を備えた特別な連続攪拌タンク反応器(「CSTR」)機構を必要とする。連続的に作用する簡単な管状反応器で反応を行うことにより、問題が生じる。
Clの代わりにBrおよびIをFに対して交換すること、即ち、水素ビス(ハロスルホニル)イミド(HXSI)(各Xは独立して、Cl、Br、またはIのような非フルオロハロゲン化物である)をフッ化水素により交換して水素ビス(フルオロスルホニル)イミド(HFSI)を生成することも開示されている。
WO2015/004220A1号は、高温での連続反応におけるイミドジスルフリル化合物の製造方法を開示する。
米国特許第7,919,629B2号は、蒸留したClSIとHFとの反応を実施例10に開示し、とりわけ、130℃で2時間の実施例に対し、55%という収率を報告している。
必ずしも溶媒を必要とせず、必ずしも金属塩を必要とせず、わずかな工程しか有さず、高収率でHFSIを生成し、バッチ式および連続式反応器における連続様式の両方で行うことができ、ならびに連続式管状反応器でも行うことができる、HFSIの製造方法が必要であった。
この方法は、WO2015/012897A1号に開示されているような収率を高めるためのHClの分離を反応中に必要とすべきではなく、比較的短い反応時間で反応を行うことができるべきである。
予想外にも、ClSIから出発して、溶媒を必要とせず、金属塩を必要とせず、わずかな工程しか有さず、ClSI中のHFまたはその逆の難溶性および乏しい混和性かかわらずHFSIを高収率で生成する、バッチ式または連続式の両方で、および連続式管状反応器でも行うことができるHFSIの製造方法が見出された。この方法は、短い反応時間を特徴とする。
予想外にも、この方法は、反応によって形成されるHClの分離を反応中に必要とせず、なお良好な収率でHFSIを提供する。これは、WO2015/012897A1号の開示の観点から予想外であった。さらに、HFとの反応において、ClSI、CSIおよびクロロスルホン酸を含む混合物の使用が、US7,919,629B2号に開示されるようなClSI単独の使用よりも大幅に高い収率を提供することは予想外であった。これは、本明細書において、比較例(i)対実施例7で例示される。
この反応は、先行技術の開示と比較して比較的短い反応時間で行うことができ、バッチ式だけでなく、連続様式においても、および連続式管状反応器においても、反応を行うことを可能にする。
国際公開第2009/123328号 米国特許出願公開第2015/0246812号明細書 国際公開第2015/012897号 国際公開第2015/004220号 米国特許第7,919,629号明細書
本発明の主題は、式(I)の化合物の製造方法であり、
Figure 2018514577
この方法は工程STEP1を含み;
STEP1は反応REAC1−1を含み;
REAC1−1において、混合物MIXTURE−TRIPLEは温度TEMP1−1でHFと反応し、TEMP1−1は少なくとも80℃であり;
MIXTURE−TRIPLEは、3つの成分、即ち、式(II)の化合物、式(III)の化合物および式(IV)の化合物を含み;
Figure 2018514577
Figure 2018514577
XはX1またはX2と同一であり;
X1およびX2は同一または異なっており、互いに独立してF、Cl、Br、J、RESFおよびトリルからなる群から選択され;
RESFは、置換されていないかまたは置換基OCFで置換されているフッ化C1−9アルキルであり;
n+は、H、Li、Na、K、Mg2+、Ca2+、Zn2+、Cu2+、Al3+、Ti3+、Fe2+、Fe3+、B3+
Figure 2018514577
、[N(R20)(R21)(R22)R23]および[P(R20)(R21)(R22)R23]からなる群から選択され;
R20、R21、R22およびR23は同一または異なっており、互いに独立してH、C1−8アルキル、C5−6シクロアルキル、フェニル、ベンジル、ビニルおよびアリルからなる群から選択され;
nは1、2または3である。
「XはX1またはX2と同一である」という表現は、Xが式(III)の化合物に由来する(XがX1であることを意味する)か、またはXが式(IV)の化合物に由来する(XがX2であることを意味する)ことを意味する。
好ましくは、XはX2と同一であり、それはXが式(IV)の化合物に由来することを意味する。
「フッ化アルキル」は、少なくとも1つのHがFと交換されることを意味する。
好ましくは、RESFは、置換されていないかまたは置換基OCFで置換されているフッ素C1−6アルキルであり;
より好ましくは、RESFは、置換されていないかまたは置換基OCFで置換されているフッ化C1−4アルキルであり;
さらにより好ましくは、RESFは、置換されていないかまたは置換基OCFで置換されているフッ化C1−2アルキルである。
特に、本明細書中の任意のRESFは、ペルフルオロアルキルである。
RESFの特定の実施形態は、例えば、CF、CHF、CHF、C、CHF、C、C、CF、C、CHF、C、C、CF、C、C、C、CF、C11、C10F、COCF、COCF、COCF、CFOCF、C13、C12F、C15、C17およびC19であり;
好ましくはCF、CHF、CHF、フルオロエチル、ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、ペルフルオロ−n−プロピル、フルオロプロピル、ペルフルオロイソプロピル、フルオロブチル、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル、ペルフルオロ−n−ブチル、ペルフルオロイソブチル、ペルフルオロ−t−ブチル、ペルフルオロ−sec−ブチル、フルオロペンチル、ペルフルオロペンチル、ペルフルオロイソペンチル、ペルフルオロ−t−ペンチル、フルオロヘキシル、ペルフルオロ−n−ヘキシルおよびペルフルオロイソヘキシルであり;
より好ましくは、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルおよびペルフルオロ−n−プロピルであり;
さらにより好ましくは、トリフルオロメチルおよびペンタフルオロエチルである。
好ましくは、
X1およびX2は同一または異なっており、互いに独立してF、Cl、Br、J、RESFからなる群から選択され、RESFは好ましくはC1−6ペルフルオロアルキルおよびトリルであり;
n+は、H、Li、Na、K、Mg2+、Ca2+、Zn2+、Cu2+、Al3+、Ti3+、Fe2+、Fe3+、B3+
Figure 2018514577
、[N(R20)(R21)(R22)R23]および[P(R20)(R21)(R22)R23]からなる群から選択され;
R20、R21、R22およびR23は同一または異なっており、互いに独立してH、C1−8アルキル、C5−6シクロアルキル、フェニル、ベンジル、ビニルおよびアリルからなる群から選択され;
nは1、2または3である。
より好ましくは、
X1およびX2は同一または異なっており、互いに独立してF、Cl、Br、RESFからなる群から選択され、RESFは好ましくはC1−6ペルフルオロアルキルおよびトリルであり;
n+は、H、Li、Na、K、Mg2+、Al3+
Figure 2018514577
および[N(R20)(R21)(R22)R23]からなる群から選択され;
R20、R21、R22およびR23は同一または異なっており、互いに独立してH、C1−4アルキル、フェニル、ベンジル、ビニルおよびアリルからなる群から選択され;
nは1、2または3である。
さらにより好ましくは、
X1およびX2は同一または異なっており、互いに独立してF、ClおよびRESFからなる群から選択され、RESFは好ましくはC1−4ペルフルオロアルキルであり;
n+は、H、Li、Na
Figure 2018514577
および[N(R20)(R21)(R22)R23]からなる群から選択され;
R20、R21、R22およびR23は同一または異なっており、互いに独立してHおよびC1−4アルキルからなる群から選択され;
nは1である。
特に、
X1およびX2は同一または異なっており、互いに独立してClおよびRESFからなる群から選択され、RESFは好ましくはC1−2ペルフルオロアルキルであり;
n+は、H、Li、Na
Figure 2018514577
および[N(R20)(R21)(R22)R23]からなる群から選択され;
R20、R21、R22およびR23は同一または異なっており、互いに独立してC1−4アルキルであり;
nは1である。
より特には、
X1およびX2は同一または異なっており、互いに独立してClおよびCFであり;
n+は、H、Li、Naからなる群から選択され;
nは1である。
さらにより特には、
X1およびX2は同一または異なっており、互いに独立してClおよびCFであり;
n+はHであり;
nは1である。
式(I)の化合物の特定の実施形態は、式(1)の化合物および式(1−CF3)の化合物である。
Figure 2018514577
式(II)の化合物の特定の実施形態は、式(2)の化合物および式(2−CF3)の化合物である。
Figure 2018514577
式(IV)の化合物の特定の実施形態は、クロロスルホン酸およびトリフルオロメチルスルホン酸である。
特定の一実施形態では、
式(I)の化合物は式(1)の化合物であり、
式(II)の化合物は式(2)の化合物であり、
式(III)の化合物は式(3)の化合物であり、
式(IV)の化合物はクロロスルホン酸であり、
それはX、X1およびX2がClであり、Rn+がHであり、nが1であることを意味する。
別の特定の実施形態では、
式(I)の化合物は式(1−CF3)の化合物であり、
式(II)の化合物は式(2−CF3)の化合物であり、
式(III)の化合物は式(3)の化合物であり、
式(IV)の化合物はトリフルオロメチルスルホン酸であり、
それはX1がClであり、Rn+がHであり、XおよびX2がCFであり、nが1であることを意味する。
好ましくは、REAC1−1は圧力PRESSURE1−1で行われる。
好ましくは、PRESSURE1−1は少なくとも周囲圧力、より好ましくは少なくとも2バール、さらにより好ましくは少なくとも5バール、非常にさらにより好ましくは少なくとも10バール、大変非常にさらにより好ましくは少なくとも20バール、特に少なくとも30バール、より特には少なくとも40バール、さらにより特には少なくとも45バール、非常にさらにより特には少なくとも50バール、大変非常にさらにより特には少なくとも55バール、具体的には少なくとも60バール、より具体的には少なくとも65バール、さらにより具体的には少なくとも70バール、非常にさらにより具体的には少なくとも75バール、大変非常にさらにより具体的には少なくとも80バールである。
圧力の上限は、主に、装置および圧力を提供しそして/またはその圧力に耐えるその能力によって決定される。純粋にこのような考察から、本発明を限定するものではないが、PRESSURE−1は、好ましくは1000バールまで、より好ましくは750バールまで、さらにより好ましくは600バールまで、特に500バールまでである。
PRESSURE1−1の下限のいずれかをPRESSURE1−1の上限のいずれかと組み合わせることができる;
好ましくはPRESSURE1−1は、周囲圧力から1000バールまで、より好ましくは2から1000バールまで、さらにより好ましくは5から1000バールまで、非常にさらにより好ましくは10から1000バールまで、大変非常により好ましくは20から1000、特に30から1000バールまで、より特には40から1000バールまで、さらにより特には45から1000バールまで、非常さらにより特には50から1000バールまで、具体的には55から1000バールまで、より具体的には60から1000バールまで、さらにより具体的には65から1000バールまで、非常にさらにより具体的には70から750バールまで、大変非常にさらにより具体的には75から600バールまで、非常に大変非常にさらにより具体的には80から500バールまでである。
好ましくは、TEMP1−1は、少なくとも80℃、より好ましくは少なくとも90℃、さらにより好ましくは少なくとも100℃、特に少なくとも110℃、より特には少なくとも120℃、さらにより特には少なくとも125℃、具体的には少なくとも130℃、より具体的には少なくとも135℃、さらにより具体的には少なくとも140℃、非常にさらにより具体的には少なくとも145℃、大変非常にさらにより具体的には少なくとも 150℃、非常に大変非常にさらにより具体的には少なくとも155℃、とても非常に大変非常にさらにより具体的には少なくとも160℃である。
温度の上限は、主に、高温での成分の滞留時間によって決定され、滞留時間が短いほど温度は高くなり得、また、高温での選択された装置の材質の腐食に対する耐性も高くなり得る。純粋にこのような考察から、本発明を限定するものではないが、TEMP1−1は、好ましくは300℃まで、より好ましくは290℃まで、さらにより好ましくは280℃まで、特に270℃まで、より特には260℃まで、さらにより特には250℃まで、具体的には240℃まで、より具体的には230℃までであることができる。
好ましくは、TEMP1−1は80から300℃まで、より好ましくは90から300℃まで、100から300℃まで、さらにより好ましくは110から290℃まで、特に120から280℃まで、より特には130から280℃まで、さらにより特には130から280℃まで、具体的には140から280℃まで、より具体的には145から280℃まで、さらにより具体的には150から250℃まで、非常にさらにより具体的には150から230℃まで、大変非常にさらにより具体的には155から230℃までである。
TEMP1−1の所与の最小点、最大点および/または範囲のいずれかは、PRESSURE1−1の所与の最小点、最大点および/または範囲のいずれかと組み合わせることができる。
好ましくは、MIXTURE−TRIPLEとHFとの混合物を装置DEVICE1−1中でTEMP1−1になるまで加熱し、DEVICE1−1中でREAC1−1が起こる。
好ましくは、TIME1−1は、混合物が、好ましくはDEVICE1−1中で、好ましくはTEMP1−1になるまで、加熱に曝される時間である。TIME1−1の間、REAC1−1が起こる。従って、TIME1−1は好ましくは滞留時間であり、好ましくはDEVICE1−1における混合物の滞留時間である。
好ましくは、TIME1−1は1分間から2時間まで、より好ましくは2分間から1.5時間まで、さらにより好ましくは5分間から1時間まで、特に5分間から30分間までである。
好ましくは、REAC1−1において生成されるHClは、REAC1−1の間に選択的に除去されず、式(I)の化合物を少なくとも80%の収率で生成し;
より好ましくは、REAC1−1中に生成されるHClは、REAC1−1の間に選択的に除去されず、より高い収率で式(I)の化合物を生成し;
さらにより好ましくは、REAC1−1中に生成されるHClは、REAC1−1の間に選択的に除去されない。
別の好ましい実施形態では、REAC1−1において生成されるHClは、選択的に除去されず、式(I)の化合物を少なくとも80%の収率で生成し;
より好ましくは、REAC1−1中に生成されるHClは、選択的に除去されず、より高い収率で式(I)の化合物を生成し;
さらにより好ましくは、REAC1−1中に生成されるHClは、選択的に除去されない。
MIXTURE−TRIPLEは、例えば、3つの成分を混合することによって、既知の方法に従って調製することができる。
式(II)の化合物、式(III)の化合物、および式(IV)の化合物の3成分化合物以外のMIXTURE−TRIPLE中の他の成分は、例えば、溶媒であってもよい。そのような溶媒は、MIXTURE−TRIPLEの3成分に対しておよびHFに対して不活性である任意の溶媒であり得る。このような溶媒の例は、US2015/0246812A1に開示されている。
有機溶媒としては、特に、エステル類、ニトリル類またはジニトリル類、エーテル類またはジエーテル類、アミン類またはホスフィン類を言及することができ、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトニトリル、プロピオニトリル、イソブチロニトリル、グルタロニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、ピリジン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィンおよびジエチルイソプロピルホスフィンなど、好ましくは酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフランおよびメチルテトラヒドロフランが挙げられる。
好ましくは、MIXTURE−TRIPLEにおける3つの成分の総含有率は、50から100%まで、より好ましくは75から100%まで、さらにより好ましくは90から100%まで、特に95から100%まで、より特には97.5から100%まで、さらにより特には98から100%までであり、%はMIXTURE−TRIPLEの総重量に基づく重量%である。
好ましい実施形態において、MIXTURE−TRIPLEは、3つの成分、即ち、式(II)の化合物、式(III)の化合物および式(IV)の化合物を含む。
別の好ましい実施形態では、MIXTURE−TRIPLEは、3つの成分、即ち、式(II)の化合物、式(III)の化合物、および式(IV)の化合物から本質的になる。
別の好ましい実施形態では、MIXTURE−TRIPLE中の3つの成分の相対比は、
2から99%までの式(II)の化合物、
49から0.5%までの式(III)の化合物、および
49から0.5%までの式(IV)の化合物であり;
より好ましくは、
2から98%までの式(II)の化合物、
49から1%までの式(III)の化合物、および
49から1%までの式(IV)の化合物であり;
さらにより好ましくは、
2から96%までの式(II)の化合物、
49から2%までの式(III)の化合物、および
49から2%までの式(IV)の化合物であり;
特に、
50から96%までの式(II)の化合物、
25から2%までの式(III)の化合物、および
25から2%までの式(IV)の化合物であり;
より特には、
70から96%までの式(II)の化合物、
15から2%までの式(III)の化合物、および
15から2%までの式(IV)の化合物であり;
さらにより特には、
75から96%までの式(II)の化合物、
12.5から2%までの式(III)の化合物、および
12.5から2%までの式(IV)の化合物であり;
具体的には、
75から94%までの式(II)の化合物、
12.5から3%までの式(III)の化合物、および
12.5から3%までの式(IV)の化合物であり;
より具体的には、
75から92%までの式(II)の化合物、
12.5から4%までの式(III)の化合物、および
12.5から4%までの式(IV)の化合物であり;
%は重量%であり、MIXTURE−TRIPLE中の3つの成分の総合重量に基づき、3つの成分の相対比は合計で100%になる。
好ましくは、HFのモル量は、式(II)の化合物のモル量に基づいて、2から40倍まで、より好ましくは2から20倍まで、さらにより好ましくは2から12.5倍まで、特に2から10倍まで、より特には2から5倍まで、さらにより特には2から4倍まで、具体的には2から3倍まで、より具体的には2から2.5倍までである。
原理的には、式(II)の化合物のモル量に対して、準化学量論量、即ち、2当量未満で、HFを使用することも可能である。当然のことながら、そのような場合、収率は、式(II)の化合物に関してより低くなる。しかし、この実施形態も本発明に含まれる。従って、好ましくは、HFのモル量は、式(II)の化合物のモル量に基づいて、0.1から40倍まで、より好ましくは0.2から40倍まで、さらにより好ましくは0.5から40倍まで、特に1から40倍まで、より特には1.5から40倍まで、さらにより特には1.75から40倍までである。
好ましくは、残基X1およびX2の少なくとも1つはCl、BrまたはJ、より好ましくはClまたはBr、さらにより好ましくはClである。
好ましくは、HFの量の下限LOWLIMITは、残基X1およびX2の一方のみがCl、BrまたはJである場合、式(II)の化合物のモル量に基づいて1当量であり;
LOWLIMITは、残基X1およびX2の両方が同一であるかまたは異なっており、Cl、BrおよびJからなる群から選択される場合、2当量である。
好ましくは、HFのモル量は、式(II)の化合物のモル量に基づいて、LOWLIMITから40倍まで、より好ましくはLOWLIMITから20倍まで、さらにより好ましくはLOWLIMITから12.5倍まで、特にLOWLIMITから10倍まで、より特にはLOWLIMITから5倍まで、さらにより特にはLOWLIMITから4倍まで、具体的にはLOWLIMITから3倍まで、より具体的にはLOWLIMITから2.5倍までである。
原理的には、式(II)の化合物のモル量に関して、準化学量論量、即ち、LOWLIMIT未満でHFを使用することも可能である。当然のことながら、そのような場合、収率は、式(II)の化合物に関してより低くなる。しかし、この実施形態も本発明に含まれる。従って、HFのモル量は、式(II)の化合物のモル量に基づいて、LOWLIMITの0.1から40倍まで、より好ましくは0.2から40倍まで、さらにより好ましくは0.5から40倍まで、特に1から40倍まで、より特には1.5から40倍まで、さらにより特には1.75から40倍までであっても、好ましい。
これらのより低い範囲のいずれも、本明細書に与えられた上限範囲のいずれかと組み合わせることができ、その逆も可能である。
好ましくは、REAC1−1は連続的に行われる。
好ましい実施形態では、STEP1は、工程STEP1−1および工程STEP1−3の2つの連続する工程を含み;
STEP1−1において、MIXTURE−TRIPLEとHFとの混合物である、混合物MIXTURE1−1は、装置DEVICE1−1中でTEMP1−1まで加熱され、REAC1−1がDEVICE1−1で起こって反応混合物をもたらし、
STEP1−3において、DEVICE1−1からの反応混合物は、背圧調整のための装置である装置DEVICE1−3を通る。
好ましくは、STEP1は、STEP1−3の前または後のいずれか、好ましくはSTEP1−1とSTEP1−3との間で行われる、第3の工程STEP1−2を含み、STEP1−2では、DEVICE1−1からの反応混合物は、反応混合物を冷却するための装置である装置DEVICE1−2を通る。
好ましくは、反応混合物は、DEVICE1−2もしくはDEVICE1−3またはDEVICE1−2とDEVICE1−3との組み合わせの、反応混合物に対する作用によって、冷却される。
DEVICE1−1、DECIVE1−2およびDEVICE1−3は連続して作動する装置である。
時間TIME1−2は、反応混合物が、好ましくはTEMP1−2にまで冷却される時間である。好ましくは、冷却を、DEVICE1−2の作動、DEVICE1−3の作動、またはDEVICE1−2およびDEVICE1−3の作動によって行うことができる。従って、TIME1−2は、好ましくは滞留時間であり、好ましくはDEVICE1−2および/またはDEVICE1−3における反応混合物の滞留時間である。
好ましくは、TIME1−2は、0.1秒間から2時間まで、より好ましくは0.5秒間から1時間まで、さらにより好ましくは1秒間から30分間まで、特に10秒間から30分間まで、より特には25秒間から25分間まで、さらにより特には1分間から25分間までである。
STEP1−2の冷却は、好ましくはTEMP1−2の温度になるまで行われ、好ましくは、TEMP1−2は、0から150℃まで、より好ましくは10から100℃まで、さらにより好ましくは10から50℃まで、特に15から40℃まで、より特には15から30℃までである。
好ましくは、本方法は、さらに工程STEP1−4を含み、STEP1−4はSTEP1−3の後に行われ、STEP1−4では、DEVICE1−3からの反応混合物は、反応混合物中の液体成分から気体成分を分離するための装置である装置DEVICE1−4を通る。
REAC1−1の副生成物は、HClである。
好ましくは、MIXTURE1−1は、DEVICE0−1に供給され、DEVICE1−1を通過する間に、最初に供給されたMIXTURE1−1が、REAC1−1によって徐々に反応混合物に変換される。
DEVICE1−1は、チューブ、マイクロリアクター、シェルおよびチューブ熱交換器、プレート熱交換器、および流体から熱を交換することを目的とする任意の一般的な装置からなる群から選択されることが好ましく;
より好ましくは、DEVICE1−1はチューブであり;
さらに好ましくは、DEVICE1−1はコイル状のチューブである。
DEVICE1−2は、チューブ、マイクロリアクター、シェルおよびチューブ熱交換器、プレート熱交換器、および反応混合物から熱を交換することを目的とする任意の一般的な装置からなる群から選択されることが好ましく;
より好ましくは、DEVICE1−2はチューブであり;
さらに好ましくは、DEVICE1−2はコイル状のチューブである。
特に、DEVICE1−1およびDEVICE1−2は、コイル状のチューブである。
DEVICE1−3は、従来の背圧制御装置であることが好ましい。
好ましくは、DEVICE1−4は、気体成分を液体から分離することができる装置であり、この目的に適した任意の既知の装置をこの目的に使用することができ、より好ましくは、DEVICE1−4は、容器、カラムまたはサイクロンである。
好ましくはDEVICE1−1における加熱を、任意の既知の手段で行うことができ、好ましくは、該加熱は、電気加熱または流体の熱媒体による加熱によって行われる。
好ましくはDEVICE1−2における冷却を、任意の既知の手段で行うことができ、好ましくは、該冷却は、流体の冷却媒体によって行われる。
反応の規模、ひいては方法が行われる装置の規模に依存して、反応混合物の冷却は、反応混合物に対するDEVICE1−2の作用、即ち、反応混合物がDEVICE1−2を通過する間だけでなく、さらに反応混合物に対するDEVICE1−3の作用によっても行われ、即ち、DEVICE1−3を通る通過は、冷却に寄与する。これは、特に、反応の規模が比較的小さい場合、例えば、この方法が実験室規模で行われる場合に当てはまり、一方、該方法が生産規模で行われる場合には、通常、冷却は、主にDEVICE1−2を通過する間に行われる。
別の実施形態では、特に生産規模では、DEVICE1−3の作用により、膨張および圧力解放によって冷却を達成することもできる。
また、DEVICE1−2を通過する間の冷却と、DEVICE1−3によって行われる膨張による冷却との組み合わせも可能である。
従って、この説明がDEVICE1−2における冷却について言及する場合、この言及は、DEVICE1−3における冷却ならびにDEVICE1−2およびDEVICE1−3の両装置における冷却も含む。
好ましくは、DEVICE1−1における加熱およびDEVICE1−2における冷却は、チューブ・イン・チューブ機構の形態、チューブ・イン・コンテナ機構の形態、シェルおよびチューブ熱交換器、プレート熱交換器または混合物もしくは反応混合物からの熱を交換することを目的とする任意の一般的な装置の形態で実現され;
より好ましくは、DEVICE1−1での加熱およびDEVICE1−2での冷却は、チューブ・イン・チューブ機構の形態またはチューブ・イン・コンテナ機構の形態で実現される。
REAC1−1は、好ましくはDEVICE1−1において、混合物をTEMP1−1まで、好ましくはDEVICE1−1中で、加熱することによって引き起こされる。
DEVICE1−1中および好ましくはDEVICE1−2中のPRESSURE1−1は、DEVICE1−3によって制御され、維持される。
HFおよびMIXTURE−TRIPLEは、予備混合物としてDEVICE1−1に供給されてもよく、またはDEVICE1−1に別々に供給されて、DEVICE1−1中で混合されてもよい。
DEVICE1−1の前にまたはDEVICE1−1の中で、HFおよびMIXTURE−TRIPLEを混合する目的のために、混合のための任意の適切な設備を使用することができ、これらは、技術水準において公知であり、例えば、TまたはYピース等の一般的な分岐接続、またはスタティックミキシング装置が挙げられる。
好ましくは、DEVICE1−1におけるTEMP1−1までの加熱は、HFおよびMIXTURE−TRIPLEの両方がDEVICE1−1中に存在する場合にのみ行われる。
HFおよびMIXTURE−TRIPLEの供給は、別々にまたは混合物の形態で、装置DEVICE1−0によって行われる。
DEVICE1−0は、ポンプ等の、圧力を背景にして流体を搬送するために従来から使用されている加圧装置である。HFおよびMIXTURE−TRIPLEがDEVICE1−1に別々に供給される場合、DEVICE1−0は、好ましくは各成分試薬に対してそれぞれの装置を有し、即ち、HFを搬送するための装置DEVICE1−0−HFとMIXTURE−TRIPLEを搬送するための装置DEVICE1−0−MIXTRIPとを有する。
好ましくは、DEVICE1−1およびDEVICE1−2は、作動の間、互いに永久的な流体接続状態であり、両方ともPRESSURE1−1の下にある。
好ましくは、DEVICE1−0は、DEVICE1−3に対しDEVICE1−1中およびDEVICE1−2中でPRESSURE1−1を構築する装置であり、これはTEMP1−1でREAC1−1を実行するために必要である。
より好ましくは、HFとMIXTURE−TRIPLEとは、予備混合された後に、DEVICE1−1に供給される。
PRESSURE1−1は、選択されたTEMP1−1における蒸気圧のために必要とされる圧力であってもよく、PRESSURE1−1はまた、蒸気圧よりも高くてもよい。蒸気圧よりも高いPRESSURE1−1を選択する際の考慮事項は、例えば、DEVICE1−0の要件とすることができる。特に、REAC1−1が連続的に行われる場合、通常、蒸気圧より高いPRESSURE1−1が選択され、そして蒸気圧より高く設定される。
DEVICE1−1および任意のDEVICE1−2が、構造上の制約または密度変動等のために、チューブ、特にコイル状チューブである場合、ホットスポットまたはコールドスポットが、それらを回避する努力にもかかわらず発生し得る。従って、本明細書で言及される全ての温度は、起こり得るホットスポットまたはコールドスポットの観点から、平均温度であることが意図される。
DEVICE1−3に使用できる従来の背圧制御装置は、不連続に、即ち、交互に開閉することにより作動し、圧力を保持しながら生成物流を放出する。これは当然、圧力の変動につながる。PRESSURE1−1のこれらの起こり得る変動を考慮して、本明細書で言及される全ての圧力は、平均圧力であることが意図される。
HFおよびMIXTURE−TRIPLEの混合物およびREAC1−1から生じる反応混合物と接触する全ての部分は、それぞれの条件下で化学薬品の攻撃に耐性のあるそれぞれの材料、即ち、ステンレス鋼、ハステロイ(例えば、ハステロイBまたはハステロイC)、チタン、タンタル、炭化ケイ素、窒化ケイ素等から製造され、それらはまた、不動態化処理されてもよく、またはPTFEのような化学薬品に対して不活性な材料で裏打ちされてもよい。
式(I)の化合物は、DEVICE1−3から使用することができる。
好ましくは、いかなる気体成分も、式(I)の化合物から分離される。この分離は、好ましくはDEVICE1−4で行われる。従って、式(I)の化合物は、DEVICE1−3またはDEVICE1−4から、好ましくはさらに精製することなく、任意のその後の反応に使用することができる。DEVICE1−3またはDEVICE1−4からの生成物をさらに精製することができ、好ましくは、DEVICE1−3またはDEVICE1−4から得られた液相は、あらゆる残留低沸点残留物を除去することによってさらに精製され、好ましくは、この精製は、薄膜蒸発器、拭き取り薄膜蒸発器、流下膜式蒸留、蒸留、精留、フラッシュ蒸留または短路蒸留を使用して、より好ましくは拭き取り薄膜蒸発器を使用して、行われる。
好ましくは、工程STEP0において、MIXTURE−TRIPLEが調製され;
STEP0は、STEP1の前に実行され;
STEP0は、反応REAC0−1を含み;
REAC0−1は、式(III)の化合物と式(IV)の化合物との反応である。
好ましくは、REAC0−1における式(IV)の化合物のモル量は、式(III)の化合物のモル量の0.5から1.5倍まで、より好ましくは0.75から1.25倍まで、さらにより好ましくは0.85から1.15倍までである。
好ましくは、REAC0−1は、温度TEMP0−1で行われ、TEMP0−1は、180から300℃まで、より好ましくは190から280℃まで、さらにより好ましくは200から260℃まで、特に210から255℃まで、より特には220から255℃までである。
好ましくは、REAC0−1は、時間TIME0−1で行われ、TIME0−1は、0.5秒間から4時間まで、より好ましくは1秒間から2時間まで、さらにより好ましくは1分間から1時間まで、特に2分間から30分間まで、より特には2分間から20分間まで、さらにより特には3分間から17分間までである。
REAC0−1は、圧力PRESSURE0−1にて行われ、好ましくはPRESSURE0−1は、10から1000バールまで、より好ましくは20から600バールまで、さらにより好ましくは50から500バールまで、特に60から400バールまで、より特には65から300バールまで、さらには65から200バールまで、具体的には65から150バールまでである。
好ましくは、REAC0−1は、連続的に行われる。
好ましい実施形態では、STEP0は、1つの工程STEP0−1を含み;
STEP0−1は、反応REAC0−1を含み;
STEP0−1では、式(III)の化合物および式(IV)の化合物の混合物MIXTURE0−1がDEVICE0−1中でTEMP0−1になるまで加熱されて、REAC0−1がDEVICE0−1で起こり、反応混合物が生じる。
別のより好ましい実施形態では、STEP0は、別の工程STEP0−3を含み;
STEP0−3は、STEP0−1の後に実行され;
STEP0−3では、DEVICE0−1からの反応混合物は、背圧調整のための装置である装置DEVICE0−3を通る。
別のより好ましい実施形態では、STEP0は、別の工程STEP0−2を含み;
STEP0−2は、STEP0−1の後またはSTEP0−3の後に実行され;
STEP0−2では、DEVICE0−1またはDEVICE0−3からの反応混合物は、反応混合物を冷却するための装置である装置DEVICE0−2を通る。
別の好ましい実施形態では、STEP0は、STEP0−1、STEP0−2およびSTEP0−3の3つの工程全てを含み;
好ましくは、STEP0−2は、STEP0−1の後かつSTEP03の前に実行される。
好ましくは、反応混合物は、DEVICE0−2もしくはDEVICE0−3またはDEVICE0−2とDEVICE0−3との組み合わせの、反応混合物に対する作用によって、冷却される。
好ましくは、DEVICE0−1、DECIVE0−2およびDEVICE0−3は、連続して作動する装置である。
好ましくは、この方法は、STEP0−3の後に行われる別の工程STEP0−4を含み、STEP0−4では、DEVICE0−3からの反応混合物は、反応混合物からCOを分離するための装置である装置DEVICE0−4を通る。
好ましくは、REAC0−1は、管状反応器中で行われる。
好ましくは、MIXTURE0−1は、DEVICE0−1に供給され、DEVICE01を通過する間に、最初に供給されたMIXTURE0−1は、REAC0−1によって徐々に反応混合物に変換される。
好ましくは、DEVICE0−1からの反応混合物は、MIXTURE−TRIPLEである。
DEVICE0−1は、チューブ、マイクロリアクター、シェルおよびチューブ熱交換器、プレート熱交換器および混合物からの熱を交換することを目的とする任意の一般的な装置からなる群から選択されることが好ましく;
より好ましくは、DEVICE0−1は、チューブであり;
さらに好ましくは、DEVICE0−1は、コイル状のチューブである。
DEVICE0−2は、チューブ、マイクロリアクター、シェルおよびチューブ熱交換器、プレート熱交換器および混合物からの熱を交換することを目的とする任意の一般的な装置からなる群から選択されることが好ましく;
より好ましくは、DEVICE0−2は、チューブであり;
さらに好ましくは、DEVICE0−2は、コイル状のチューブである。
特に、DEVICE0−1およびDEVICE0−2は、コイル状のチューブである。
好ましくは、DEVICE0−3は、従来の背圧調整装置である。
好ましくは、DEVICE0−4は、気体COを液体から分離することができる装置であり、この目的に適した任意の既知の装置をこの目的のために使用することができ、より好ましくは、DEVICE0−4は、カラム、サイクロンまたは容器である。
好ましくは、DEVICE0−1における加熱を、任意の既知の手段で行うことができ、好ましくは、該加熱は、電気加熱または流体の熱媒体による加熱によって行われる。
DEVICE0−2における冷却を、任意の既知の手段で行うことができ、好ましくは、該加熱は、流体の冷却媒体によって行われる。
反応の規模、ひいてはこの方法が行われる装置の規模に依存して、反応混合物の冷却は、反応混合物に対するDEVICE0−2の作用によって、即ち、反応混合物のDEVICE0−2の通過中に行われるか、またはそれは反応混合物に対するDEVICE0−3の作用によって行われてもよく、即ち、DEVICE0−3の通過が冷却に寄与してもよい。これは、特に、反応の規模が比較的小さい場合、例えば、この方法が実験室規模で行われる場合に当てはまり、一方この方法が生産規模で行われる場合、冷却は、通常、主にDEVICE0−2を通過する間に行われる。
別の実施形態では、特に生産規模では、DEVICE0−3の作用による膨張および圧力解放によって、冷却を達成することもできる。
また、DEVICE0−2の通過時の冷却とDEVICE0−3の作用による膨張による冷却との組み合わせも、可能である。
好ましくは、DEVICE0−1における加熱およびDEVICE0−2における冷却は、チューブ・イン・チューブ機構の形態、チューブ・イン・コンテナ機構の形態、シェルおよびチューブ熱交換器、プレート熱交換器または混合物または反応混合物からの熱を交換することを目的とする任意の一般的な装置の形態で実現され;
より好ましくは、DEVICE0−1での加熱およびDEVICE0−2での冷却は、チューブ・イン・チューブ機構の形態またはチューブ・イン・コンテナ機構の形態で実現される。
REAC0−1は、好ましくはDEVICE0−1において、MIXTURE0−1をTEMP0−1まで加熱することによって引き起こされる。
STEP0−2における冷却は、好ましくは、温度TEMP0−2になるまで行われ、好ましくは、TEMP0−2は0から180℃まで、より好ましくは0から150℃まで、さらにより好ましくは10から120℃まで、特に15から100℃まで、より特には15から90℃まで、さらにより特には15から85℃まで、具体的には20から85℃までである。
好ましくは、REAC0−1は、DEVICE0−2においてもしくはDEVICE0−3において、または両方において反応混合物を冷却すること、好ましくはTEMP0−2までの冷却によって、停止される。
式(2)の化合物を式(3)の化合物とクロロスルホン酸との反応によりREAC0−1において調製する場合、式(2)の純粋な化合物の融点は、約35℃である。したがって、反応混合物中の式(3)の残留化合物および残留クロロスルホン酸が当然に反応後の反応混合物の融点を低下させ、TEMP0−2の値をより低くすることから、TEMP0−2の考えられる最低値は、反応の変換によって支配される。
DEVICE0−1におけるおよび任意選択のDEVICE0−2におけるPRESSURE0−1は、DEVICE0−3によって制御および保持される。
TIME0−1は、MIXTURE0−1が加熱に、そしてTEMP0−1にさらされる時間である。TIME0−1の間、REAC0−1が起こる。従って、TIME0−1は滞留時間であり、REAC0−1がDEVICE0−1中で起こる場合、TIME0−1は、好ましくは、DEVICE0−1における混合物の滞留時間である。
時間TIME0−2は、反応混合物がTEMP0−2になるまで冷却される時間である。冷却は、DEVICE0−2の作動、DEVICE0−3の作動、またはDEVICE0−2およびDEVICE0−3の作動によって行うことができる。冷却は、反応を停止させる。従って、TIME0−2は、滞留時間であり、好ましくは、DEVICE0−2、DEVICE0−3、またはその両方における反応混合物の滞留時間である。
好ましくは、TIME0−2は、0.1秒間から2時間まで、より好ましくは0.5秒間から1時間まで、さらにより好ましくは1秒間から30分間まで、特に10秒間から30分間まで、より特には25秒間から25分間まで、さらにより特には1分間から25分間までである。
好ましくは、TIME0−2は、TIME0−1の0.0001から0.5倍まで、より好ましくは0.001から0.3倍までである。
式(III)の化合物および式(IV)の化合物は、予備混合物としてDEVICE0−1に供給されてもよく、または別々にDEVICE0−1に供給されて、DEVICE0−1において混合されてもよい。
DEVICE0−1の前またはDEVICE0−1の中における混合の目的のために、混合のための任意の適切な設備を使用することができ、これらは、技術水準で公知であり、例えば、TまたはYピース等の一般的な分岐接続、またはスタティックミキシング装置が挙げられる。
好ましくは、DEVICE0−1におけるTEMP0−1までの加熱は、式(III)の化合物および式(IV)の化合物がDEVICE0−1中に混合物として存在するようになった後にのみ行われる。
別々にまたは混合物の形態の式(III)の化合物および式(IV)の化合物の供給は、装置DEVICE0−0によって行われる。
DEVICE0−0は、ポンプ等の、圧力を背景にして流体を搬送するために従来から使用されている加圧装置である。式(III)の化合物および式(IV)の化合物がDEVICE0−1に別々に供給される場合、好ましくは、DEVICE0−0は、それぞれの成分に対してそれぞれの装置を有し、即ち、式(III)の化合物を搬送するための装置DEVICE0−0−COMP3と、式(IV)の化合物を搬送するための装置DEVICE0−0−CSAとを有する。
好ましくは、DEVICE0−1および任意のDEVICE0−2および任意のDEVICE0−3は、作動の間、互いに永久的な流体接続状態であり、両方ともPRESSURE0−1の下にある。
好ましくは、DEVICE0−0は、DEVICE0−1およびDEVICE0−2において、DEVICE0−3に対してPRESSURE0−1を構築する装置であり、TEMP0−1においてREAC0−1を実行するために必要である。
より好ましくは、式(III)の化合物および式(IV)の化合物は、周囲圧力および周囲温度で混合され、次にDEVICE0−1に供給される。
DEVICE0−1および/またはDEVICE0−2がチューブ、特にコイル状のチューブである場合、構造上の制約または密度変動等により、ホットスポットまたはコールドスポットが、それらを回避する努力にもかかわらず生じる可能性がある。従って、言及されたあらゆる温度は、起こりうるホットスポットまたはコールドスポットの点を考慮して、平均温度であることが意図される。
DEVICE0−3のために使用することができる従来の背圧調整装置は、通常、不連続に作動し、即ち、開閉することによって、圧力を保持しながら生成物流を放出する。これは当然、圧力の変動につながる。従って、PRESSURE0−1は、平均圧力であることが意図される。
MIXTURE0−1および反応混合物と接触する全ての部分は、それぞれの条件下で化学薬品の攻撃に耐性のあるそれぞれの材料、即ち、ステンレス鋼、ハステロイ(例えば、ハステロイBまたはハステロイC)、チタン、タンタル、炭化ケイ素、窒化ケイ素等から作られており、それらはまた、不動態化処理されてもよく、または化学薬品に対して不活性な材料、例えば、PTFEで裏打ちされてもよい。
MIXTURE−TRIPLEは、さらなる精製なしで、DEVICE0−1、DEVICE0−2、DEVICE0−3またはDEVICE0−4、好ましくはDEVICE0−3またはDEVICE0−4からREAC1−1のために使用することができ、さらに精製する場合には、好ましくは、MIXTURE−TRIPLE、例えば、DEVICE0−4から得られる液相は、あらゆる低沸点残留物を除去することによってさらに精製され、好ましくは、この精製は、薄膜蒸発器、拭き取り薄膜蒸発器、流下膜蒸発、蒸留、精留、フラッシュ蒸留または短路蒸留によって;より好ましくは拭き取り薄膜蒸発器によって行われる。
特に好ましい実施形態では、REAC0−1およびREAC1−1は、好ましくは成分の流れを中断することなく、連続的かつ継続的に行われ、好ましくはDEVICE0−1およびDEVICE1−1は接続されており、好ましくは、(例えばDEVICE0−2を介して)流体接続されている。
この場合、DEVICE0−3、DEVICE0−4およびDEVICE1−0は、必ずしも必要とされるものではなく、むしろPRESSURE0−1およびPRESSURE1−1は同一であってもよく、DEVICE0−0により、DEVICE1−3の作動に対して構築することができる。
装置の全機構の寸法および構造に依存して、DEVICE0−2もまた必ずしも必要とされるものではないか、またはDEVICE0−2は、DEVICE0−1およびDEVICE1−1を接続するチューブ等の装置(単数または複数)によって簡単に実現することができる。
好ましくは、DEVICE0−1または任意のDEVICE0−2からの反応混合物を、REAC1−1のためのMIXTURE−TRIPLEとして使用することができ;
より好ましくは、任意のDEVICE0−2からの反応混合物は、REAC1−1のためのMIXTURE−TRIPLEとして使用され得;
さらにより好ましくは、DEVICE0−1からの反応混合物をDEVICE0−2中で120から210℃まで、好ましくは120から200℃まで、より好ましくは120から180℃までの温度TEMP0−2にまで冷却し;次いでDEVICE0−2からの混合物は、DEVICE1−1において、REAC1−1のためのMIXTURE−TRIPLEとして使用される。
別の好ましい実施形態において、任意のDEVICE0−3または任意のDEVICE0−4からの反応混合物を、REAC1−1のためのMIXTURE−TRIPLEとして使用することができる。
別の好ましい実施形態では、PRESSURE0−1およびPRESSURE1−1は同一ではなく、より好ましくは、PRESSURE1−1は、PRESSURE0−1よりも低く;
より好ましくは、DEVICE0−3からの反応混合物が、REAC1−1のためのMIXTURE−TRIPLEとして使用され;
さらにより好ましくは、DEVICE0−4からの反応混合物が、REAC1−1のためのMIXTURE−TRIPLEとして使用される。
DEVICE0−1またはDEVICE0−2からの反応混合物がREAC1−1のためのMIXTURE−TRIPLEとして直接使用される場合、STEP0−1の後のあらゆる冷却、好ましくはSTEP0−2における冷却は、REAC0−1からの反応混合物の場合のように徹底的である必要はなく、即ち、DEVICE0−1、DEVICE0−2またはDEVICE0−3からの反応混合物は、REAC1−1のためのMIXTURE−TRIPLEとして直ちに使用されず、その間に幾分かの時間間隔がある。この場合、STEP0−1の後のあらゆる冷却、例えば、STEP0−2における冷却は、冷却後の目標温度がREAC0−1から得られた反応混合物の分解温度未満であることを確実にすべきであることが、好ましい。
方法:
HFSIの収率を、特に断らない限り、溶媒としてのD−アセトニトリル中でベンゼンスルホニルフルオリドを内部基準として使用する19F−NMRによって決定した。
材料
混合物MIXTURE−TRIPLE−90−5−5を、WO2015/004220A1号の実施例15に従って調製する。このWO2015/004220A1号の実施例15に記載された95%の変換率は、混合物中に5%の残留CSIが存在することを意味する。従って、当量のクロロスルホン酸が、混合物中にも存在すると考えられる。従って、MIXTURE−TRIPLE−90−5−5は、式(2)の化合物約90%、式(3)の化合物5%およびクロロスルホン酸5%を含み、%はMIXTURE−TRIPLE−90−5−5の総重量に基づく重量%である。
混合物MIXTURE−TRIPLE−85−7.5−7.5を、WO2015/004220A1号の実施例5に従って調製する。このWO2015/004220A1号の実施例5に記載された92.4%の変換率は、混合物中に7.6%の残留CSIが存在することを意味する。従って、当量のクロロスルホン酸が混合物中にも存在すると考えられる。従って、MIXTURE−TRIPLE−85−7.5−7.5は、式(2)の化合物およそ85%、式(3)の化合物およそ7.5%およびクロロスルホン酸およそ7.5%を含み、%はMIXTURE−TRIPLE−85−7.5−7.5の総重量に基づく重量%である。
[実施例1]
本実施例を、以下を用いて実施した。
・ DEVICE1−0−HF:ISCOテレダイン(Teledyne)製ピストンポンプ260D
・ DEVICE1−0−MIXTRIP:ISCOテレダイン製ピストンポンプ260D
・ DEVICE1−1は、ハステロイCで作られた3.8mLの内部容積VOLUME1を有する1/8インチのコイル状のチューブである。加熱のために、コイル状のチューブ・イン・コンテナ機構を使用した。加熱媒体は従来の油であった。
・ DEVICE1−2は、ハステロイCで作られた約1.5mLの内部容積を有する1/8インチのコイル状のチューブである。冷却を、このチューブと室温を有する空気とを単に接触させることによって行った。
・ DEVICE1−3:0.01というCv値を有するSAMSON Microvalveタイプ3510−7の空気圧制御バルブ。
・ DEVICE1−4:本質的にHClおよび過剰のHFである、あらゆる気体成分を、ステンレス鋼製の換気された容器内で反応混合物から分離した。
MIXTURE−TRIPLE−90−5−5を、HFと同時に、80バールのPRESSURE1−1にてDEVICE1−1に供給した(MIXTURE−TRIPLE−90−5−5をDEVICE1−0−MIXTRIPによって0.118mL/分の流速で供給し、HFをDEVICE1−0−HFによって0.137ml/分の流速で供給した)。TIME1−1は約15分間、TEMP1−1は160℃であった。これらの流速から得られたHF:MIXTURE−TRIPLE−90−5−5のモル比は、約8:1であった。次いで、DEVICE1−1からの反応混合物を、DEVICE1−2において、室温であるTEMP1−2にまで冷却した。TIME1−2は約5.9分間であった。次にDEVICE1−3によって膨張させ、DEVICE1−4に入れた。収集した液体は、HFSIであり、19F NMRにより確認された。
収率は、MIXTURE−TRIPLE−90−5−5中の式(2)の化合物に基づいて、89%であった。
[実施例2]
MIXTURE−TRIPLE−90−5−5をDEVICE1−0−MIXTRIPにより0.198ml/分の流速で供給し、HFをDEVICE1−0−HFによって0.057ml/分の流速で供給したことを唯一の相違点として、実施例1を繰り返し、これらの流速から、約2:1であるHF:MIXTURE−TRIPLE−90−5−5のモル比を得た。
他のパラメータは、実施例1と同じであった。
収率は、MIXTURE−TRIPLE−90−5−5中の式(2)の化合物に基づいて、72%であった。
[実施例3]
本実施例を、以下を用いて実施した。
・ DEVICE0−0:ISCOテレダイン製ピストンポンプ260D
・ DEVICE1−0−HF:ISCOテレダイン製ピストンポンプ260D
・ DEVICE0−1:ハステロイCで作られた5mLの内部容積VOLUME0を有する1/8インチのコイル状のチューブ。加熱のために、コイル状のチューブ・イン・コンテナ機構を使用した。加熱媒体は従来の油であった。
・ DEVICE1−1は、ハステロイBで作られた3.8mLの内部容積VOLUME1を有する1/8インチのコイル状のチューブである。加熱のために、コイル状のチューブ・イン・コンテナ機構を使用した。加熱媒体は従来の油であった。
・ DEVICE1−2はハステロイCで作られた約1.5mLの内部容積を有する1/8インチのコイル状のチューブである。冷却は、このチューブを室温を有する空気と単に接触させることによって行った。
・ DEVICE1−3:0.01というCv値を有するSAMSON Microvalveタイプ3510−7の空気圧制御バルブ。
・ DEVICE1−4:停止目的ならびに全てのHClおよびHFを中和するために、15重量%のNaOH水溶液を充填したガラス容器。
CSOSおよび式(3)の化合物の等モル混合物を、DEVICE0−0により、80バールのPRESSURE0−1にて0.77ml/分の流速で、DEVICE0−1に供給した。DEVICE0−1のTEMP0−1は、230℃であり、TIME0−1は約5分間であった。
得られた本実施例のMIXTURE−TRIPLEの流れを、DEVICE0−1から出した。
このMIXTURE−TRIPLEの試料を採取し、分析により式(3)の化合物約10.7重量%の含有率を明らかにした。これは、このMIXTURE−TRIPLE中の3成分の相対比が、
80%の式(2)の化合物、
10%の式(3)の化合物、および
10%のクロロスルホン酸
であることを意味し、
%はこのMIXTURE−TRIPLEの総重量に基づく重量%である。
次いで、このMIXTURE−TRIPLEの流れに、DEVICE1−0−HFにより0.24ml/分の流速で80バールのPRESSURE1−1にて、室温のHFを供給し、このMIXTURE−TRIPLEとHFとの混合物を生じさせ、この混合物をDEVICE 1−1に入れた。DEVICE1−1のTEMP1−1は、160℃であり、TIME1−1は、約3分間であった。これらの流速から得られたHF:このMIXTURE−TRIPLEのモル比は、約3:1であった。次いでDEVICE1−1から出した反応混合物をDEVICE1−2に入れた。TEMP1−2は、室温であった。次いで、DEVICE1−2から出した反応混合物をDEVICE1−3によって膨張させ、次に停止目的のためにDEVICE1−4に供給した。反応混合物の試料を、DEVICE1−3とDEVICE1−4との間で採取し、この試料を水と混合し(試料1重量部および水9重量部)、19F NMRで分析し、それがHFSIであることを確認した。
収率は、式(3)の化合物に基づいて、70%であった。
[実施例4]
以下の相違点を除いて、実施例1を繰り返した。
MIXTURE−TRIPLE−90−5−5を、DEVICE1−0−MIXTRIPにより1.07ml/分の流速で供給した。
HFを、DEVICE1−0−HFにより0.46ml/分の流速で供給した。
TIME1−1は、約2.5分間であった。
これらの流速から得られたHF:MIXTURE−TRIPLE−90−5−5のモル比は、約3:1であった。
TIME1−2は、約1.5分間であった。
収率は、MIXTURE−TRIPLE−90−5−5中の式(2)の化合物に基づいて、90%であった。
[実施例5]
以下の相違点を除いて実施例1を繰り返した。
MIXTURE−TRIPLE−85−7.5−7.5を、DEVICE1−0−MIXTRIPにより1.22g/分の流速で供給した。
HFを、DEVICE1−0−HFにより0.18g/分の流速で供給した。
TIME1−1は、約5分間であった。
これらの流速から得られたHF:MIXTURE−TRIPLE−85−7.5−7.5のモル比は、約1.9:1であった。
これらの条件下で、HFSIを生成した。
収率61.6%
[実施例6]
実施例5に従って調製した234.9gのHFSIを、10から20℃までの温度を維持しながら水(373g)およびTEA(285.2g)の溶液に加えた。次いで、TEA(125.6g)の添加によりpH値を9に調整した。次に混合物をVNで抽出した(それぞれ140gで2回)。有機層を合わせて(475.68g、21.69重量%HFSI、ACN中の定量的19F−NMRにより決定)、25℃にて水(それぞれ153.6gで2回)で抽出した。有機層にNH(3.91g)を加え、それにより再び水層を形成し、これを分離させて捨てた。次いで、有機層にLiOH水溶液(95.81g、約12.5重量%、LiOH×HO「電池グレード」および水から調製)を加え、形成した水層を分離させて捨て、次いで水性LiOH(95.61g、約12.5重量%、LiOH×HO「電池グレード」および水から調製)を添加した。水層を再び分離させて、捨てた。VN/TEA中のLiFSIの溶液を得た(414.83g)。
溶液を60℃にて真空下(30ミリバール)で濃縮し、濾過してLIFSIの溶液(140.22g、36.71重量%)を得た。次いで、このLiFSI溶液を60℃にて真空下(約7ミリバール)で蒸留した。蒸留の間、DCB(543g)を連続的に添加し、それと同時に蒸留物(467g)を回収して、その間、蒸留容器中の容積をほぼ常に同じに維持した。DCBの添加が完了した後、結晶が形成した。この結晶を濾過によって収集し、DCMで洗浄した(それぞれ50gで2回)。この結晶を真空下、60℃で乾燥させた。LiFSI(40.23g)を、白色固体として得た。
比較例(i)
US7,919,629B2号の実施例10のうち、130℃で2時間の実験を繰り返した。
収率は55%であった。これは、その実験におけるMichotによる報告と同じ収率である。
[実施例7]
報告された1gのClSIの代わりに1gのMIXTURE TRIPLE−85−7.5−7.5を使用したという差異を用いて、比較例(i)を繰り返した。
収率は82%であり、比較例(i)においてClSIで得られた収率55%よりもかなり高い。
[実施例8から14]
実施例5を、表1に記載の差異を用いて繰り返した。
これらの条件下で、HFSIを生成した。
Figure 2018514577
[実施例15]
実施例を、以下を用いて実施した。
・ DEVICE1−0−HF:ISCOテレダイン製ピストンポンプ260D
・ DEVICE1−0−MIXTRIP:ISCOテレダイン製ピストンポンプ260D
・ DEVICE1−1は、ハステロイCで作られた32mLの内部容積VOLUME1を有する1/4インチのコイル状のチューブである。加熱のために、コイル状のチューブ・イン・コンテナ機構を使用した。加熱媒体は従来の油であった。
・ DEVICE1−2はハステロイCで作られた約1.5mLの内部容積を有する1/8インチのチューブである。冷却を、このチューブと室温を有する空気とを単に接触させることによって行った。
・ DEVICE1−3:0.01というCv値を有するSAMSON Microvalveタイプ3510−7の空気圧制御バルブ。
・ DEVICE1−4:本質的にHClおよび過剰のHFである、あらゆる気体成分を、テフロン(登録商標)製の換気された容器内で反応混合物から分離した。
MIXTURE−TRIPLE−85−7.5−7.5を、HFと同時に、50バールのPRESSURE1−1にてDEVICE1−1に供給した(MIXTURE−TRIPLE−85−7.5−7.5をDEVICE1−0−MIXTRIPにより4.6ml/分の流速で供給し、HFをDEVICE1−0−HFにより1.77ml/分の流速で供給した)。TIME1−1は約5分間であり、TEMP1−1は160℃であった。これらの流速から得られたHF:MIXTURE−TRIPLE−85−7.5−7.5のモル比は、約2.4:1であった。次いで、DEVICE1−1からの反応混合物を、DEVICE1−2において、室温であるTEMP1−2まで冷却した。TIME1−2は、約15秒間であった。次にDEVICE1−3によって膨張させ、DEVICE1−4に入れた。収集した液体は、HFSIであり、19F NMRにより確認された。
収率は、MIXTURE−TRIPLE−85−7.5−7.5中の式(2)の化合物に基づいて、89%であった。

Claims (15)

  1. 式(I)の化合物の製造方法であって、
    Figure 2018514577
    この方法は工程STEP1を含み;
    STEP1は反応REAC1−1を含み;
    REAC1−1において、混合物MIXTURE−TRIPLEは温度TEMP1−1でHFと反応し、TEMP1−1は少なくとも80℃であり;
    MIXTURE−TRIPLEは、3つの成分、即ち、式(II)の化合物、式(III)の化合物および式(IV)の化合物を含み;
    Figure 2018514577
    Xは、X1またはX2と同一であり;
    X1およびX2は、同一または異なっており、互いに独立して、F、Cl、Br、J、RESFおよびトリルからなる群から選択され;
    RESFは、置換されていないかまたは置換基OCFで置換されているフッ化C1−9アルキルであり;
    n+は、H、Li、Na、K、Mg2+、Ca2+、Zn2+、Cu2+、Al3+、Ti3+、Fe2+、Fe3+、B3+
    Figure 2018514577

    [N(R20)(R21)(R22)R23]および[P(R20)(R21)(R22)R23]からなる群から選択され;
    R20、R21、R22およびR23は、同一または異なっており、互いに独立して、H、C1−8アルキル、C5−6シクロアルキル、フェニル、ベンジル、ビニルおよびアリルからなる群から選択され;
    nは、1、2または3である、前記方法。
  2. X1およびX2は、同一または異なっており、互いに独立して、F、Cl、Br、RESFおよびトリルからなる群から選択され;
    n+は、H、Li、Na、K、Mg2+、Al3+
    Figure 2018514577
    および[N(R20)(R21)(R22)R23]からなる群から選択され;
    R20、R21、R22およびR23は、同一または異なっており、互いに独立して、H、C1−4アルキル、フェニル、ベンジル、ビニルおよびアリルからなる群から選択され;
    nは、1、2または3である、請求項1に記載の方法。
  3. TEMP1−1は80から300℃である、請求項1または2に記載の方法。
  4. MIXTURE−TRIPLE中の3つの成分の総含有率は50から100%であり、%はMIXTURE−TRIPLEの総重量に基づく重量%である、請求項1から3の一項以上に記載の方法。
  5. MIXTURE−TRIPLE中の3つの成分の相対比は、
    2から99%の式(II)の化合物、
    49から0.5%の式(III)の化合物、および
    49から0.5%の式(IV)の化合物であり;
    %は重量%であり、MIXTURE−TRIPLE中の3つの成分の総合重量に基づき、3つの成分の相対比は合計で100%になる、請求項1から4の一項以上に記載の方法。
  6. REAC1−1は連続的に行われる、請求項1から5の一項以上に記載の方法。
  7. STEP1は、工程STEP1−1および工程STEP1−3の2つの連続する工程を含み;
    STEP1−1において、MIXTURE−TRIPLEとHFとの混合物であるMIXTURE1−1が、装置DEVICE1−1中でTEMP1−1まで加熱され、REAC1−1がDEVICE1−1中で起こり、反応混合物をもたらし、
    STEP1−3において、DEVICE1−1からの反応混合物が、装置DEVICE1−3を通り、DEVICE1−3は背圧調整のための装置である
    請求項1から6の一項以上に記載の方法。
  8. STEP1は、STEP1−1とSTEP1−3との間で行われる、第3の工程STEP1−2を含み、
    STEP1−2において、DEVICE1−1からの反応混合物が、装置DEVICE1−2を通り、DEVICE1−2は反応混合物を冷却するための装置である
    請求項7に記載の方法。
  9. この方法はさらに工程STEP1−4を含み、STEP1−4はSTEP1−3の後に行われ、
    STEP1−4において、DEVICE1−3からの反応混合物が、装置DEVICE1−4を通り、DEVICE1−4は反応混合物中の液体成分から気体成分を分離するための装置である
    請求項7または8に記載の方法。
  10. 工程STEP0において、MIXTURE−TRIPLEが調製され;
    STEP0はSTEP1の前に行われ;
    STEP0は反応REAC0−1を含み;
    REAC0−1は、式(III)の化合物と式(IV)の化合物との反応である
    請求項1から9の一項以上に記載の方法。
  11. REAC0−1は温度TEMP0−1で行われ、TEMP0−1は180から300℃である、請求項10に記載の方法。
  12. REAC0−1は連続的に行われる、請求項10または11に記載の方法。
  13. STEP0は1つの工程STEP0−1を含み;
    STEP0−1は反応REAC0−1を含み;
    STEP0−1において、式(III)の化合物および式(IV)の化合物の混合物MIXTURE0−1が、DEVICE0−1中でTEMP0−1まで加熱され、REAC0−1がDEVICE0−1中で起こり、反応混合物が生じる
    請求項10から12の一項以上に記載の方法。
  14. STEP0はもう1つの工程STEP0−2を含み;
    STEP0−2はSTEP0−1の後に行われ;
    STEP0−2において、DEVICE0−1からの反応混合物が、装置DEVICE0−2を通り、DEVICE0−2は反応混合物を冷却するための装置である
    請求項13に記載の方法。
  15. REAC0−1およびREAC1−1は連続的かつ継続的に行われる、請求項10から14の一項以上に記載の方法。
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