JP2018507186A - レブリン酸からのガンマバレロラクトンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、レブリン酸からのガンマバレロラクトンの製造方法に関する。
ガンマバレロラクトン(GVL、5−メチルブチロラクトン)は、とりわけ、ポリアミド6,6またはポリアミド4,6(「Stanyl」とも言われる)などのポリアミドの製造用の重要な前駆体であるアジピン酸(1,6−ヘキサン二酸)の製造に使用することができる貴重な化合物である。GVLを製造するためのレブリン酸の水素化は、L.E.Manzer,Appl.Catal.A,2004,272,249−256;J.P.Lange,J.Z.Vestering and R.J.Haan,Chem.Commun.,2007,3488−3490;R.A.Bourne,J.G.Stevens,J.Ke and M.Poliakoff,Chem.Commun.,2007,4632−4634;H.S.Broadbent,G.C.Campbell,W.J.Bartley and J.H.Johnson,J.Org.Chem.,1959,24,1847−1854;R.V.Christian,H.D.Brown and R.M.Hixon,J.Am.Chem.Soc.,1947,69,1961−1963;L.P.Kyrides and J.K.Craver,米国特許第2,368,366号明細書,1945;H.A.Schuette and R.W.Thomas,J.Am.Chem.Soc.,1930,52,3010−30121;国際公開第2012/175439号パンフレット;米国特許出願公開第2006/0100449号明細書;および米国特許出願公開第2003/0055270号明細書に記載されている。
本発明は、レブリン酸(LA)からのガンマバレロラクトン(GVL)の製造方法であって、前記方法が、
(a)液相で水素と、金属および担体を含む固体触媒系とを含む水素化反応にLAをかけて、GVL、ヒドロキシペンタン酸(4HPA)、および水を含む第1反応混合物をもたらす工程と;
(b)前記第1反応混合物から水を除去する工程と;
(c)工程b)において得られた混合物を、前記4−HPAをGVLに転化するのに好適な条件下でのさらなる反応にかけて、さらなる反応混合物をもたらす工程と
を含む方法に関する。
第1態様では、本発明は、レブリン酸(LA)からのガンマバレロラクトン(GVL)の製造方法であって、前記方法が、
(a)液相で水素と、金属および担体を含む固体触媒系とを含む水素化反応にLAをかけて、GVL、ヒドロキシペンタン酸(4HPA)、および水を含む第1反応混合物をもたらす工程と;
(b)前記第1反応混合物から水を除去する工程と;
(c)工程b)において得られた混合物を、前記4−HPAをGVLに転化するのに好適な条件下でのさらなる反応にかけて、さらなる反応混合物をもたらす工程と
を含む方法に関する。
本発明の方法の第1工程において、LAは、液相で水素と、金属および担体を含む固体触媒系との存在下で水素化されて第1反応混合物をもたらす。
工程(b)において、水が、工程(a)において得られた第1反応混合物から除去される。水は、GVLと一緒に後続蒸留塔頂留分中の水の存在を防ぐために除去される。
工程(c)において、工程(b)において得られた第1反応混合物は、前記4−HPAをGVLに転化するのに好適な条件下でのさらなる反応にかけられて、さらなる反応混合物をもたらす。GVLへの4−HPAの転化速度は、いったん水が除去されると実質的に増加するであろう。転化速度は、さらなる反応において温度をさらに上げることによってさらに増加させられ得る。転化速度はまた、例えば硫酸もしくはリン酸のような、酸性の均一もしくは不均一触媒を使用することによって、またはあるいはまた例えばZSM5のような酸性の固体触媒を使用することによって高められ得る。十分混合される特性またはプラグフロー特性を有してもよい異なるタイプの後反応器が、用いられてもよい。プラグフロー特性は、転化速度を高めるであろう。
d)さらなる反応混合物から水を除去して、少なくとも部分的に脱水されたさらなる反応混合物をもたらす工程
をさらに含む。
− 任意選択的に少なくとも部分的に脱水された−さらなる反応混合物を工程(b)にリサイクルして戻す工程
を含む。
− 任意選択的に少なくとも部分的に脱水された−さらなる反応混合物を蒸留工程にかけて留出物と蒸留残留物とをもたらす工程と;
− 前記蒸留残留物の少なくとも一部を工程(a)にリサイクルして戻す工程と
を含む。
− 任意選択的に少なくとも部分的に脱水された−さらなる反応混合物を蒸留工程にかけて留出物と蒸留残留物とをもたらす工程と;
− 前記蒸留残留物の少なくとも一部を工程(c)にリサイクルして戻す工程と
を含む。
(a)液相で水素と、金属および担体を含む固体触媒系とを含む水素化反応にLAをかけて、少なくともGVLおよびヒドロキシペンタン酸(4HPA)、ならびに水を含む第1反応混合物をもたらす工程と;
(b)第1反応混合物から水を除去する工程と;
(c)工程b)において得られた混合物を、前記4−HPAをGVLに転化するのに好適な条件下でのさらなる反応にかけて、さらなる反応混合物をもたらす工程と;
(d)任意選択的に、さらなる反応混合物から水を除去する工程と;
(e)工程(c)または工程(d)において得られたさらなる反応混合物を蒸留工程にかけてGVLを含む留出物と蒸留残留物とをもたらす工程と;
(f)前記蒸留残留物の少なくとも一部を工程(a)にリサイクルして戻す工程と
を含む方法を提供する。
レブリン酸は、Acros Organics,Geel,Belgiumから入手した。ガンマバレロラクトンは、シクロヘキシルベンゼンを外部標準として使用するGC分析によって測定した。5%Ru/C(Ru:C比、1:20)と58.45%水とを含有するEscat 4401、CAS[7740−18−8](還元された)は、Strem Chemicals,Newburyport,Mass.,USAから購入した。
150mLオートクレーブ(Parr Instrument Company,Moline,Ill.,USA)に、レブリン酸(80g、0.68モル)、水(0.80g、0.44モル)および5重量%Ru/C触媒(0.80g)を装入した。次にオートクレーブを窒素で3回、その後水素で3回パージした。オートクレーブを1500RPMで攪拌し、2.06MPa水素に加圧し、110℃まで加熱した。次に、試料を適時採取した。反応生成物をGC/MSおよび1H−NMRによって分析した。45分後にレブリン酸の完全転化およびガンマ−バレロラクトンへの93%収率が得られた。1H−NMR分析は、4−ヒドロキシペンタン酸への7%収率を示した。生成物混合物の含水率は、(カール−フィッシャー滴定法)を用いて15重量%であると測定された。
実施例1の実験における45分反応時間での最後の試料を採取した後、反応器の液体内容物を、触媒を除去するためのフィルターを通して過度の圧力によって押し出し、室温まで直接冷却し、大気状態まで圧抜きした。30gの収穫液体反応生成物を、100mlの恒温ガラス容器に供給した。容器を真空系に連結し、攪拌下に容器内容物を110℃まで加熱した。供給物中に元々存在した水と化学的に生成した水とをできるだけ多く追い出すために、容器をそれらの条件で30分間保った。30分後に、容器を大気条件に戻し、内容物を室温まで急冷した。GC/MSおよび1H−NMRによる得られた生成物の分析は、ガンマ−バレロラクトンへの最終収率が98.2%であり、4−ヒドロキシペンタン酸への最終収率が1.8%であることを示した。
実施例2と並行して、実施例1に由来する別の30gの触媒を含まない反応生成物を、第2の100ml恒温ガラス容器に供給し、実施例2に記載されたのと同じ手順を適用した。唯一の相違は、真空系が容器に連結される前に0.30gのZeolite ZSM5をまた添加したことであった。さて、110℃でおよび真空下に30分の攪拌後に、ガンマ−バレロラクトンへの最終的に得られた収率は99.6%であり、4−ヒドロキシペンタン酸への収率は0.4%であった。
75重量%GVL、14重量%LAおよび11重量%水を含有する300.2gの混合物を、25段を有するSpalt塔に供給した。バッチ蒸留を、おおよそ20ミリバール頭部圧力で実施した。第1蒸留留分において主に水が除去された。収穫GVL塔頂生成物は、元々の供給物中の全GVLの58%が蒸留されるまで他の有機不純物を本質的に含まなかった。その時点で蒸留塔の塔頂および塔底温度は、それぞれ、84℃および108℃であった。次の蒸留留分において他の有機不純物が77%までの蒸留生成物中に現れた。化学分析は、この生成物が主として、LAの脱水生成物である、アンゲリカラクトンであることを示した。アンゲリカラクトンは、GVLよりも低い沸点を有し、GVL生成物を汚染するであろう。表は、得られたすべてのさらなる蒸留留分を示す。表1は、全GVLの77%が蒸留された後に依然として高純度GVLが得られたことを示す。蒸留の塔底温度はそのとき113℃であった。次の蒸留留分後に全GVLの89%が蒸留され、129℃の塔底温度に達した。この留分中の0.69重量%のアンゲリカラクトン不純物レベルを考慮すると、129℃の塔底温度は、GVL精製にとって、およびLA脱水反応によるLA損失にとって決定的に重要であるに近いと考えられ得る。次の留分は、望ましくないLA脱水反応が、さらにより高い塔底温度でさらに速くなり、規格外GVLおよびアンゲリカラクトン形成による大きなLA損失につながることを示す。
Claims (14)
- レブリン酸(LA)からのガンマバレロラクトン(GVL)の製造方法であって、前記方法が、
a)液相で水素と、金属および担体を含む固体触媒系とを含む水素化反応にLAをかけて、GVL、ヒドロキシペンタン酸(4HPA)、および水を含む第1反応混合物をもたらす工程と;
b)前記第1反応混合物から水を除去する工程と;
c)工程b)において得られた前記混合物を、前記4−HPAをGVLに転化するのに好適な条件下でのさらなる反応にかけて、さらなる反応混合物をもたらす工程と
を含む方法。 - 工程b)および工程c)が統合される請求項1に記載の方法。
- 工程(c)が130℃以下の温度でおよび50ミリバール以下の圧力で実施される請求項1または2に記載の方法。
- 工程(c)が工程a)から切り離して実施される請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 工程(c)の前に、前記固体触媒が前記第1反応混合物から除去される請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 工程(a)における前記金属がPt、Pd、および/またはRuから選択される請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記金属が固体担体上に担持される請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
- 水の前記除去が蒸留またはストリッピングによって行われる請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
- 前記さらなる反応が酸性の均一もしくは不均一触媒の存在下で行われる請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
- d)前記さらなる反応混合物から水を除去して、少なくとも部分的に脱水されたさらなる反応混合物をもたらす工程
をさらに含む請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。 - 工程b)、c)、およびd)が統合される請求項10に記載の方法。
- − 任意選択的に少なくとも部分的に脱水された−さらなる反応混合物を工程(b)にリサイクルして戻す工程
をさらに含む請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。 - − 任意選択的に少なくとも部分的に脱水された−さらなる反応混合物を蒸留工程にかけて留出物と蒸留残留物とをもたらす工程と;
− 前記蒸留残留物の少なくとも一部を工程(a)にリサイクルして戻す工程と
をさらに含む請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。 - レブリン酸(LA)からのガンマバレロラクトン(GVL)の製造方法であって、前記方法が、
a)液相で水素と、金属および担体を含む固体触媒系とを含む水素化反応にLAをかけて、GVL、ヒドロキシペンタン酸(4HPA)、および水を含む第1反応混合物をもたらす工程と;
b)前記第1反応混合物から水を除去する工程と;
c)工程b)において得られた前記混合物を、前記4−HPAをGVLに転化するのに好適な条件下でのさらなる反応にかけて、さらなる反応混合物をもたらす工程と;
d)任意選択的に、前記さらなる反応混合物から水を除去する工程と;
e)工程(c)または工程(d)において得られた前記さらなる反応混合物を蒸留工程にかけてGVLを含む留出物と蒸留残留物とをもたらす工程と;
f)前記蒸留残留物の少なくとも一部を工程(a)にリサイクルして戻す工程と
を含む方法。
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