JP2018506602A - 強誘電性接着剤組成物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、2〜50%の接着性マトリックス、5〜85%の強誘電成分を含む強誘電性接着剤組成物に関し、全重量パーセントは、組成物の総重量の重量に基づいており、前記強誘電成分は強誘電相である。本発明による強誘電性接着剤組成物は、センサ、エミッタまたはエネルギーハーベスタの発電機として使用することができる。さらに、本発明はまた、2つの導電性素子の間に本発明による強誘電性接着剤組成物を含む装置も含む。
Description
本発明は、強誘電性接着剤組成物に関する。本発明による組成物は接着性が高く、良好な強誘電性応答を維持する。
強誘電性は、電界がキュリー温度(Tc)と呼ばれる特定の温度未満で除去された場合の永久残留分極(Pr)を示す特定の材料の物性として定義される。また、この分極は、適切な方向に電界を印加することによって反転させることができる。これらの材料は、典型的には非線形系の可変電界下でのヒステリシス挙動を示す。特定の電界が抗電界(Ec)として知られる反対方向に印加される場合、分極を相殺することができる。
現在、強誘電材料が要求される用途では、強誘電性セラミックまたは強誘電性ポリマーが使用されている。強誘電性ポリマーは非常に低い接着性を示す一方で、強誘電性セラミックは接着性を全く有さない。したがって、これらの材料を任意の基板に永久に固定する必要がある場合、別個の接着剤を使用して接着する必要がある。
上記の材料は、圧電性および焦電性の両方であり、電界の作用下で変形または加熱することができることを意味する。なお、これらの加工は可逆的であり、変形または温度の変化は電気出力を生成する。したがって、これらの材料は、(電圧変動が監視される)センサ用途、または(残留機械的エネルギーを有用な電気エネルギーに変換する)エネルギーハーベスト用途において興味深い。一方、これらの材料は電界の形状に敏感であるため、AC電界下の場合に機械波を生成する変換器用途に一般的に使用されている。
最新の圧電素子は、目的が異なる接着樹脂に組み込まれている。強誘電性セラミックとの複合材料、および強誘電性ポリマーと非強誘電性ポリマーとの組み合わせという2つの主な方法が最も一般的であることが判明している。
強誘電性セラミックは、複合材料をもたらすポリマー樹脂と混合される。この方法は広く使用されており、非常によく知られているが、ほとんどの場合、ポリマー樹脂はその接着性のために使用されず、むしろ結合剤として使用される。これにより、(過度に脆い)機械的特性および(一般に加工することが困難な)強誘電体系の加工性が改善される。
圧電性セラミックの加工における改善は、流延するかまたは塗料のように塗布することができる0〜3つの複合材料を調製することによって行われている。これらの複合材料は、フッ素化ポリマーと、40%〜60%の体積分率のPZT圧電粒子とを含み、圧電特性を評価する前に硬化されて(10分間、3〜5kV/mm)ポーリングされる。これらの複合材料は、約30 pC/Nの圧電係数(d33)を有する。
あるいは、エポキシ樹脂が、PZT/エポキシ圧電性塗料中の結合剤として使用される。これらの複合塗料は、振動検出を要求するNDT用途において、圧電センサのように作用するように、片側から取り付けられたフィルムに加工されている。
あるいは、分散粒子の圧電性および焦電性を使用して電界下でマトリックスを加熱し、こうして接着樹脂を硬化させる代替方法を提供している。
一研究において、圧電性は、(非常に低い応答を示す)接着性マトリックス自体、または、30%の体積分率まで充填される(より高い圧電性の寄与をもたらす)圧電粒子の分散のいずれかによってもたらされる。粒子の充填の有無にかかわらず、系の圧電応答は、系の期待される接着性能に関連する。これらの複合材料は、エポキシ樹脂をマトリックスとして使用し、石英粒子を圧電粒子として使用する。これらの複合材料自体をセンサとして使用して、疲労実験中に誘起された応力のために接着剤に発生した電荷を読み取ることにより、接着された構造接合部の信頼性が監視される。(被接着面の減少による)層間剥離が発生すると、電荷の急激な増加が検出される。
あるいは、組成物の一部として特定のフルオロポリマーを使用するポリマーコーティングが開発されている。しかし、これらの組成物では、フルオロポリマーはその強誘電特性のために使用されているのではなく、その耐化学薬品性のために使用されている。したがって、フルオロポリマーは、これらのコーティング用組成物中の強誘電相には存在しない。フルオロポリマーベースの強誘電性ポリマーは誘電特性を有するが、また優れたバリア性も有することはよく知られている。それら強誘電性ポリマーは、その化学的性質によって非常に不活性な物質となる。それにもかかわらず、この特性は基材への接着を妨げ、コーティングの要件を満たすために、接着性を改善するための代替樹脂を組み込むことが必要である。
強誘電材料はまた、受信センサ(加速度計、ジャイロスコープ、衝撃波センサ、衝撃センサ、応力歪みセンサおよび受信変換器)として、および、エミッタ(レベルセンサ、超音波距離センサ、流量測定センサ、非破壊評価SHM用変換器、高強度超音波洗浄用、高強度超音波溶接用およびアクチュエータとしての音波探知機およびハイドロフォン)として広く業界で使用されている。
強誘電体が広く使用されている別の重要な分野は医療診断(超音波走査)の分野であり、医療用具(外科用ナイフ、気泡検出器、吸入器のエアロゾル生成、衝撃波結石破砕または洗浄用具)として使用されている。
消費者市場におけるいくつかの例には、スピーカ、楽器用ピックアップ、マイクロフォン、ライタ、キーパッド、プリンタ、新たに開発されたエネルギーハーベスタなどが挙げられる。
上述したように、これらは全て強誘電性セラミックまたは強誘電性ポリマーを使用して適用され、その後、別の接着剤を使用して取り付けられる。強誘電特性を有する接着剤は、界面を回避するので、加工を単純化し、かつ系の品質を改善する。
したがって、別の接着剤を使用せずにそれ自体で基材に接着し、かつ、良好な強誘電性応答を提供しながら良好な接着強度を有する構造用接着剤として作用することができる強誘電性接着剤組成物が必要とされている。
本発明は、2〜50%の接着性マトリックス、5〜85%の強誘電成分を含む強誘電性接着剤組成物に関し、全重量パーセントは、組成物の総重量の重量に基づいており、前記強誘電成分は強誘電相である。
さらに、本発明は、構造用接着剤としての本発明による強誘電性接着剤組成物の使用に関する。
本発明はまた、本発明による強誘電性接着剤組成物をセンサ、エミッタまたはエネルギーハーベスタの発電機として使用することも含む。
さらに、本発明はまた、2つの導電性素子の間に本発明による強誘電性接着剤組成物を含む装置も含む。
以下の節において、本発明をより詳細に説明する。このように記載された各態様は、それとは逆に明確に示されていない限り、任意の1つ以上の他の態様と組み合わせてもよい。特に、好ましいかまたは有利であると示される任意の特徴は、好ましいかまたは有利であると示される他の任意の1つ以上の特徴と組み合わせてもよい。
本発明の文脈では、使用される用語は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて以下の定義に従って解釈される。
本明細書で使用されるように、単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」および「その(the)」は、文脈上明確に他の意味に解釈すべき場合を除いて、単数および複数の指示対象の両方を含む。
本明細書中で使用される場合、用語「含んでいる(comprising)」、「含む(comprises)」および「からなる(comprised of)」は、「含んでいる(including)」、「含む(includes)」または「含んでいる(containing)」、「含む(contains)」と同義語であり、包括的または無制限であり、追加の引用されていない部材、要素または方法ステップは排除されない。
数値終点の列挙には、それぞれの範囲内に含まれる全ての数および分数ならびに列挙された終点が含まれる。
量、濃度、その他の数値またはパラメータを、範囲、好ましい範囲、または好ましい上限値および好ましい下限値の形式で表現する場合、得られた範囲が文脈上明確に言及されているかどうかを考慮することなく、任意の上限値または好ましい値と任意の下限値または好ましい値とを組み合わせることで得られた任意の範囲が具体的に開示されていると理解すべきである。
本明細書に引用される全ての参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
他に定義されない限り、技術的および科学的用語を含む本発明の開示に使用される全ての用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものとする。さらなる指針により、本発明の教示をより良く理解するために用語定義が含まれる。
本発明は、強誘電特性を備えた構造用接着剤を提供する。強誘電性接着系は、単一の材料(接着剤組成物)において単純化される。強誘電特性を有する接着剤組成物は、機械的に弱い領域および欠陥の原因である界面が回避されるので、系を単純化し、かつその品質を改善する。
本発明は、強誘電特性を有する接着剤を提供する一方で、本発明は、接着性を有する強誘電材料を提供する。
本発明による強誘電性接着剤組成物の強誘電性応答および圧電性が実証されている。
本発明は、a) 2〜50%の接着性マトリックス、b) 5〜85%の強誘電成分を含む強誘電性接着剤組成物を提供し、全重量パーセントは、組成物の総重量の重量に基づいており、前記強誘電成分は強誘電相である。
本発明による強誘電性接着剤組成物は、高い接着性および強誘電特性を示す。
本発明による強誘電性接着剤組成物の各必須成分について以下に詳細に説明する。
接着性マトリックス
接着性マトリックス
本発明による強誘電性接着剤組成物は、接着性マトリックスを含む。強誘電性接着剤組成物に使用される接着性マトリックスは、現在業界で使用されている任意の接着剤から選択されてもよいが、接着性マトリックスは、マトリックス間の望ましくない相分離を回避するかまたは最小限に抑えるために、使用される強誘電成分に適合しなければならない。適切な強誘電成分は、接着性マトリックス中に緊密に/微細に分散されなければならない。さらに、適切な接着性マトリックスは、ポーリングが行われる場合に電界が組成物に印加されるという事実のために、電界に対して耐性がなければならない。
本明細書において「接着性マトリックス」とは、強誘電成分を取り囲み、強誘電成分を結合させて強誘電相に保ち、さらに、接着すべき表面間に必要な粘着力を提供する接着剤または樹脂あるいは結合剤を意味している。
本発明での使用に適した接着性マトリックスは、好ましくはホットメルト接着剤、熱可塑性物質、1液型または2液型のポリウレタン、1液型または2液型のポリエポキシド、(メタ)アクリレート、シアノアクリレートおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
一実施形態では、強誘電性接着剤は、強誘電性ホットメルト接着剤である。一実施形態では、強誘電性接着剤は、強誘電性熱硬化接着剤である。別の実施形態では、強誘電性接着剤は、強誘電性の1液型または2液型のポリウレタン接着剤である。さらに、別の実施形態では、強誘電性接着剤は、強誘電性(メタ)アクリレート系接着剤である。さらに、別の実施形態では、強誘電性接着剤は、強誘電性シアノアクリレート系接着剤である。
本発明での使用に適したアクリレート樹脂およびメタクリレート樹脂は、脂肪族、脂環式および芳香族のアクリレートおよびメタクリレートから選択される。
さらに、本発明で使用するための特定の反応性(メタ)アクリレート系モノマーには、ジメタクリル酸トリエチレングリコール(TGM)、アルコキシル化ジ(メタ)アクリル酸ヘキサンジオール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、ジアクリル酸トリシクロデカンジメタノール、メタクリル酸ジシクロペンタジエニル、エトキシル化ジ(メタ)アクリル酸ビスフェノールA、イソシアヌル酸トリアクリル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)、ジメタクリル酸ポリブタジエンウレタン、およびジメタクリル酸ポリブタジエン、ならびにエポキシアクリレート樹脂が含まれるがこれらに限定されず、これらは全てSartomer Company社から市販されている。
本発明での使用に適した他の反応性(メタ)アクリレート系モノマーには、メタクリル酸2−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]エチル、アクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−N−モルホリノエチル、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチル、3−(2−アミノ−3−ピリジル)アクリル酸エチル、3−(2−アルニノ−5−メチルピリジン−3−イル)アクリル酸(E)メチル、3−(2−アミノ−4−メトキシピリジン−3−イル)アクリル酸メチルが含まれるがこれらに限定されず、これらは全てAldrich社から市販されている。
本発明での使用に適したさらなる反応性モノマーには、メタクリル酸ヒドロキシプロピル(HPMA)、メタクリル酸ヒドロキシエチル(HEMA)、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸亜鉛、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸n−ラウリル、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸n−ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸2−フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,9−ノナンジオール、(メタ)アクリル酸パーフルオロオクチルエチル、ジ(メタ)アクリル酸1,10−デカンジオール、(メタ)アクリル酸ノニルフェノールポリプロポキシレート、およびアクリル酸ポリペントキシレートテトラヒドロフルフリルが含まれるがこれらに限定されず、これらは全て共栄社化学株式会社から市販されている。
本発明で使用されるさらに好適な反応性(メタ)アクリレート系モノマーには、根上工業株式会社から入手可能なジアクリル酸ポリカーボネートウレタン、Radcure Specialties、Inc.から入手可能なアクリル化脂肪族ウレタンオリゴマー、Radcure Specialties、Inc.から入手可能なアクリル酸ポリエステルオリゴマーが含まれる。
本発明での使用に適したマレイミド系樹脂には、N−ブチルフェニルマレイミドおよびN−エチルフェニルマレイミドが含まれるが、これらに限定されない。
他の好適なマレイミド系樹脂は、以下の式I〜IVを有するものである。
本発明での使用に適したエポキシ樹脂は、脂肪族、脂環式および芳香族のエポキシ樹脂から選択される。
本発明での使用に適した脂環式エポキシ樹脂には、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−カルボン酸3,4−エポキシシクロヘキサン、アジピン酸ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)、および2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)−シクロヘキサン付加物が含まれる。
本発明での使用に適した多官能性芳香族エポキシ樹脂には、ビスフェノール−Aおよびビスフェノール−Fの単官能および多官能グリシジルエーテル、2,6−(2,3−エポキシプロピル)フェニルグリシジルエーテル、フェノール−ホルムアルデヒドノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル、テトラグリシジル4,4’−ジアミノジフェニルメタン、エポキシノボラック樹脂(例えば、ポリ(フェニルグリシジルエーテル)−コ−ホルムアルデヒド)、(ビフェニル樹脂とエピクロロヒドリンとの反応により調製された)ビフェニルエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノールエポキシ樹脂、エポキシナフタレン樹脂、エポキシ官能性ブタジエンアクリロニトリルコポリマーなどが含まれるが、これらに限定されない。
本発明での使用に適した他のエポキシには、環状構造の一部である2つのエポキシド基とエステル結合とを含む3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−カルボン酸3,4−エポキシシクロヘキサン、2つのエポキシド基を含み、その1つが環状構造の一部である二酸化ビニルシクロヘキセン、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−カルボン酸3,4−エポキシシクロヘキサン、および二酸化ジシクロペンタジエンが含まれる。
本発明での使用に適したオキセタン樹脂は、脂肪族、脂環式および芳香族のオキセタン樹脂から選択される。
本発明での使用に適したオキセタン化合物には、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシ−メチルオキセタン、3−メチル−3−ブロモメチルオキセタン、3−エチル−3−ブロモメチルオキセタン、3−メチル−3−アルキルブロモメチルオキセタン、3−エチル−3−アルキルブロモメチルオキセタン、3−メチル−3−トシルメチルオキセタン、および3−エチル−3−トシルメチルオキセタンが含まれる。
本発明での使用に適した他のオキセタン化合物には、3−エチル−3−(ヒドロキシメチル)オキセタンと以下のようにして得られる共反応化合物から調製されたものが含まれ、この化合物は、3−エチル−3−(ヒドロキシメチル)オキセタンとジイソシアン酸m−テトラメチル−キシレンとの反応によって得られ、式(V)を有する。
3−エチル−3−(ヒドロキシメチル)オキセタンとアゼライン酸クロリドとの反応により、式(VI)を有する化合物が得られ、
3−エチル−3−(ヒドロキシメチル)オキセタンとテレフタル酸クロリドとの反応により、式(VII)を有する化合物が得られ、
3−エチル−3−(ヒドロキシメチル)オキセタンと1,3,5−ベンゼン−トリカルボニルトリクロリドとの反応により、式(VIII)を有する化合物が得られる。
本発明での使用に適したポリウレタンは、遊離イソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマーであり、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種のポリオールを化学量論的過剰量で少なくとも1種のポリイソシアネートと反応させることによって調製される。
ポリウレタンを形成するための本発明での使用に適したポリイソシアネートは、1,5−ジイソシアン酸ナフタレン、ジイソシアン酸4,4’−ジフェニルメタン(MDI)、ジイソシアン酸2,4’−ジフェニルメタン、ジイソシアン酸2,2’−ジフェニルメタン、水素化または部分的に水素化されたMDI(H12MDI、H6MDI)、ジイソシアン酸キシレン(XDI)、ジイソシアン酸メタ−テトラメチルキシリレン(TMXDI)、ジイソシアン酸ジアルキレンジフェニルメタン、ジイソシアン酸テトラアルキレンジフェニルメタン、ジイソシアン酸4,4’−ジベンジル、ジイソシアン酸1,3−フェニレン、ジイソシアン酸1,4−フェニレン、ジイソシアン酸トルエン(TDI)の異性体、ジイソシアン酸1−メチル−2,4−シクロヘキサン、1,6−ジイソシアネート−2,2,4−トリメチルヘキサン、ジイソシアン酸イソホロン(IPDI)、ジイソシアン酸4,4’−ジシクロヘキシルメタン(H12MDI)、塩素化および臭素化ジイソシアン酸塩、リン含有ジイソシアン酸塩、テトラメトキシブタン−1、ナフタレン1,5−ジイソシアン酸塩(NDI)、1,4−ジイソシアン酸ブタン、ジイソシアン酸1,6ヘキサメチレン(HDI)、ジイソシアン酸ジシクロヘキシルメタン、ジイソシアン酸2,2,4−トリメチル−ヘキサン−2,3,3−トリメチル−ヘキサメチレン、ジイソシアン酸1,4−シクロヘキサン、ジイソシアン酸1,3−シクロヘキサン、エチレンジイソシアン酸塩、トリイソシアン酸メチレントリフェニル(MIT)、フタル酸−ビス−イソシアナトエチルエステル、例えば1−クロロ−メチルフェニル−2,4−ジイソシアン酸塩、1−ブロモメチル−フェニル−2,6−ジイソシアン酸塩および3,3−ビス−クロロ−メチル−4,4’−ジフェニルジイソシアン酸塩などの反応性ハロゲン原子を含むジイソシアン酸塩からなる群から選択される。他の好適なジイソシアネートは、ジイソシアン酸トリメチルヘキサメチレン、1,4−ジイソシアナトブタン、1,12−ジイソシアナト−ドデカンおよびダイマー脂肪酸ジイソシアネート、ジイソシアン酸リジンである。
ポリウレタンを形成するための本発明での使用に適したポリエーテルポリオールは、低分子量の多価アルコールとアルキレンオキシドとの反応生成物である。アルキレンオキシドは、好ましくは2〜4個の炭素原子を有する。好適な例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン異性体、ヘキサンジオール、酸化4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルエチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレン、またはそれらの2つ以上の混合物の反応生成物である。さらに、ポリエーテルポリオールを形成するための、例えば、グリセリン、トリメチロールエタンまたはトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールまたは糖アルコールなどの多官能性アルコールとアルキレンオキシドとの反応生成物も適している。本発明におけるさらに好適なポリオールは、テトラヒドロフラン(ポリ−THF)の重合によって形成される。これらのポリエーテルポリオールは、従来の方法で調製されて市販されている。
上記のポリエーテルポリオールの中でも、第2級ヒドロキシル基のいくつかが形成される条件下で、低分子量アルコールと酸化プロピレンとの反応生成物もまた特に適切である。
例えば、好適なのは200〜5000g/mol、好ましくは400〜4000g/molの分子量を有するポリエーテルポリオールである(数平均分子量(Mn)はDIN55672-1:2007-08に従ってGPCにより測定される)。これは、(OH価がDIN53240-2:2007-11に決定される)二官能性ポリエーテルポリオールにおけるヒドロキシル560-22mgKOH/g、好ましくは280〜28mgKOH/gに相当する。好ましいポリオールは、分子中に2または3個のOH基、特に、20〜500mgKOH/gのヒドロキシル価を有するジオールである。
さらに、ポリエステルポリオールは、ポリウレタンを形成する本発明での使用に適している。そのようなポリエステルポリオールは、多価アルコール、好ましくは二価アルコール、任意には少量の多官能性三官能性アルコールのアルコールと、好ましくは二官能性および/または三官能性カルボン酸との反応生成物を含むことが好ましい。遊離ポリカルボン酸の代わりに、対応するポリカルボン酸無水物、または、好ましくは1〜3個の炭素原子を有するアルコールとの対応するポリカルボン酸エステルを使用することができる。このようなポリエステルポリオールの調製に適したものには、特にヘキサンジオール、ブタンジオール、プロパンジオール、エチレングリコール、1,4−ヒドロキシメチルシクロヘキサン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチレン、およびこのようなアルコールの混合物が含まれる。
本発明により使用されるポリエステルポリオールは、多価アルコール、好ましくは二価アルコール、任意には少量の多官能性三官能性アルコールのアルコールと、好ましくは二官能性および/または三官能性カルボン酸との反応生成物を含むことが好ましい。遊離ポリカルボン酸の代わりに、対応するポリカルボン酸無水物、または、好ましくは1〜3個の炭素原子を有するアルコールとの対応するポリカルボン酸エステルを使用することができる。
このようなポリエステルポリオールの調製に適したものには、特にヘキサンジオール、ブタンジオール、プロパンジオール、エチレングリコール、1,4−ヒドロキシメチルシクロヘキサン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチレン、およびこのようなアルコールの混合物が含まれる。
ポリカルボン酸は、脂肪族、脂環式、芳香族または複素環、またはその両方であってもよい。ポリカルボン酸は、例えば、アルキル基、アルケニル基、エーテル基またはハロゲンで任意に置換されていてもよい。好適なポリカルボン酸として、例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、グルタル酸無水物、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、ダイマー脂肪酸またはトリマー脂肪酸、またはこれらの2種以上の混合物が挙げられる。トリカルボン酸には、好ましくはクエン酸およびトリメリト酸が好適である。上記の酸を、単独で、または2種以上の混合物として使用してもよい。特に、2つまたは3つの末端OH−基含有ポリエステルポリオールが適切である。
本発明で使用するためにポリウレタンの製造に特に好適なポリエステルポリオールは、液体、非晶質または結晶のコポリエステルまたはそれらの混合物であり、このようなポリエステルポリオールは、例えばEvonik Industries AG社のDynacollの名称で提供されている。好ましくは、これらのポリエステルポリオールは、(DIN 53240-2:2007-11に従って測定される)10〜200mgKOH/gのヒドロキシル価、および(DIN EN ISO 2114 正誤表1:2006-11に従って測定される)4mgKOH/g以下、好ましくは2mgKOH/g以下である酸価を有する。
本発明での使用に適したシアノアクリレートモノマーには、2−シアノアクリル酸エチル、シアノアクリル酸n−ブチル、シアノアクリル酸2−オクチル、2−シアノアクリル酸メチル、シアノアクリル酸β−メトキシエチル、シアノアクリル酸イソブチル、シアノアクリル酸β−エトキシエチル、シアノアクリル酸2−エチルヘキシル、シアノアクリル酸2−フェニルエチル、シアノアクリル酸シクロヘキセニル、シアノアクリル酸ネオペンチル、シアノアクリル酸オクタデシル、シアノアクリル酸プロパルギル、シアノアクリル酸テトラヒドロフルフリルが含まれるが、これらに限定されない。
本発明での使用に適した市販の接着性マトリックス材料は、例えばSartomer社のCN1963、Momentive社のエピコート232およびDow Chemicals社のD.E.R 331である。
本発明による強誘電性接着剤組成物は、組成物の総重量の2重量%〜50重量%、好ましくは3重量%〜30重量%、より好ましくは4重量%〜28重量%の接着性マトリックスを含む。
より多くの量が強誘電特性に否定的に干渉し、強誘電性応答を全く持たないかまたは強誘電性応答が非常に不良な組成物をもたらすため、本発明による組成物中の接着性マトリックスの量は理想的である。さらに、より低いレベル(組成物の総重量の2.0重量%未満)は、強誘電性接着剤組成物の接着性を低下させる。
強誘電成分
強誘電成分
本発明による強誘電性接着剤組成物は、強誘電相にある有機または無機の強誘電成分を含む。
「強誘電相」という用語は、本明細書では、材料が特定の対称性を有する一定量の結晶相を含み、強誘電性応答を提供することを意味する。
当業者であれば、X線回折または示差走査熱量測定(DSC)またはフーリエ変換赤外(FTIR)を用いて標準的な測定を行うことによって、成分が強誘電相にあるかどうかを決定する方法を知っている。あるいは、強誘電相は、材料の強誘電性応答を測定することによって決定することができる。組成物が強誘電相にない場合、強誘電性応答も存在しないことを意味する。
強誘電成分は、接着剤、より具体的には構造用接着剤のための新規な物性を提供する。電界下では、分極が制御され、形状(圧電性)および温度(焦電性)の変化が誘発される。これらの物性は逆にも作用し、形状、温度、分極の変化が電気出力を生成する。
強誘電成分は、電界が印加された場合のヒステリシス分極挙動によって特徴付けられ(図1)、それら強誘電成分はキュリー温度(Tc)と呼ばれる特定の温度未満である。最初に、それら強誘電成分は、任意の誘電材料のように電界の影響下で分極されるが、電界が除去されると、これらの材料を独特にする特定の分極が残留する(Pr)。この残留分極は、印加された電界の方向に応じて自由に配向され、こうして、2つの分化状態(双極子「上向き」および双極子「下向き」)を作り出すことができる。
図1は、市販のコポリマーフィルムの強誘電性ヒステリシスループを示す。強誘電成分は、電気刺激(Pr)を受けていないにもかかわらず、正味の分極を示すことによって特徴付けされる。別の関連する特徴は、系の分極をゼロにするために印加すべき、要求される電界として定義される抗電界(Ec)である。これらの材料とは対照的に、電界が印加されず、かつEcが常にゼロでない限り、典型的な誘電材料は正味の分極を示さない。
強誘電性ヒステリシスループを得た後に材料の強誘電性が確認されると、強誘電性応答を高めるためにポーリングを行わなければならない。ポーリングは、全ての双極子を同じ方向に配向するために特定の時間に特定の温度で高い電界を印加することで構成される。印加される電界は、Ecよりも高くなければならない。このステップは、より長い時間印加された高電界が、何らかの欠陥を呈する場合に、サンプル中に電気的破壊を誘発する可能性があるため、重要である。
強誘電成分は、セラミック粉末またはポリマーを含み、溶解していても溶解していなくてもよく、処理された表面を有していてもよい。本発明での使用に適した有機強誘電成分は、110℃〜170℃のTcを示す。さらに、本発明での使用に適した強誘電成分は、マトリックス間の望ましくない相分離を回避するために、選択された接着性マトリックスに適合しなければならない。
強誘電成分の種類および量は、接着剤組成物の強誘電性応答に影響を及ぼす。
本発明での使用に適した有機強誘電成分は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン三フッ化エチレン(P(VDF-TrFE))、ポリフッ化ビニリデンヘキサフルオロプロピレン(P(VDF-HFP))、ポリフッ化ビニリデン三フッ化エチレンクロロフルオロエチレン(P(VDF-TrFE-CFE))2−メチルベンズイミダゾール、塩化ジイソプロピルアンモニウム、臭化ジイソプロピルアンモニウム、クロコン酸、TTF-PMDI塩およびそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは前記有機強誘電成分は、ポリフッ化ビニリデン三フッ化エチレン(P(VDF-TrFE))である。
本発明での使用に適した無機強誘電成分は、酸化バリウムチタン(BTO)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ニオブ酸カリウムナトリウム(KNN)およびこれらの混合物からなる群から選択される。
好ましい強誘電成分は、ポリフッ化ビニリデン三フッ化エチレン(P(VDF-TrFE))、酸化バリウムチタン(BTO)、ジルコン酸鉛(PZT)およびそれらの混合物からなる群から選択される。
本発明で使用される好適な市販の強誘電成分は、例えば、T&Partners Praha社のPZTおよびArkema社のPVDF Kynar 740である。
本発明による強誘電性接着剤組成物は、組成物の総重量の5重量%〜85重量%、好ましくは7重量%〜80重量%、より好ましくは10重量%〜78重量%の強誘電成分を含む。
強誘電成分の量が過度に多い場合、強誘電性接着剤組成物の接着性は低下する。一方では、強誘電成分の量が過度に少ない場合、強誘電体応答が不良になるか、強誘電性応答が全く得られない。
溶媒
溶媒
本発明による強誘電性接着剤組成物は、溶媒をさらに含んでもよい。本発明においては、種々の公知の有機溶媒を使用することができる。本発明での使用に適した溶媒は、フルオロポリマーの溶解度に基づいて、場合によっては、使用される接着性マトリックスの溶解度および接着剤組成物が基材に塗布される方法に基づいて選択することができる。接着剤組成物が基材に塗布される方法に関しては、特に組成物の粘度が重要である。粘度に影響を及ぼす要因の1つは溶媒である。さらに、接着剤が塗布される基材と溶媒との相溶性が役割を果たす。
非常に好ましい実施形態では、強誘電性接着剤組成物は、強誘電成分および接着性マトリックスに加えて溶媒を含む。
本発明での使用に適した溶媒は、アルコール、ケトン、エステル、グリコールエステル、グリコールエーテル、エーテル、アミド、有機硫黄化合物およびそれらの混合物からなる群から選択することができる。
好ましくは、前記溶媒は、アセトン、酢酸アミル、エチル3−エトキシプロピオネート(EEP、Eastman)、ジエチルグリコール、モノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチレンエーテル、カルビトール、酢酸カルビトール、ブチルカルビトール、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、グルタル酸ジメチルとコハク酸ジメチルとの混合物(DBE-9)、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、水、エタノールおよびこれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、前記溶媒は、アセトン、グルタル酸ジメチルとコハク酸ジメチルの混合物(DBE-9)、メチルエチルケトン(MEK)およびそれらの混合物からなる群から選択される。
強誘電成分を形成するフルオロポリマーは非常に不活性であり、したがって溶解し難い。好ましい溶媒によって、最良の溶解度がもたらされ、したがって、強誘電性接着剤組成物の改善された均質性がもたらされる。
本発明で使用される好適な市販の溶媒は、例えばSigma-Aldrich社のDBE-9である。
本発明による強誘電性接着剤組成物は、組成物の総重量の30重量%〜90重量%、好ましくは50重量%〜90重量%、より好ましくは55重量%〜85重量%の溶媒を含む。
本発明による強誘電性接着剤組成物中の溶媒の理想的な量は、用途に依存する。しかし、溶媒量が過度に多いと、組成物の固形分が過度に低くなり、接合界面が過度に薄くなる可能性があり、被覆率が十分でないことがある。一方、溶媒量が過度に少ないと、組成物の形成および均質なフィルムの形成に悪影響を与える。
開始剤
開始剤
本発明による強誘電性接着剤組成物は、開始剤をさらに含んでもよい。当業者は、主に樹脂の重合が必要な場合に、本発明による強誘電性接着剤組成物中で開始剤が要求されるかまたは必要とされる時期を決定することができる。例えば、接着性マトリックスが(メタ)アクリレートを含む場合に開始剤が使用される。
本発明においては、種々の公知の開始剤を使用することができる。本発明での使用に適した開始剤は、使用される接着性マトリックスとの相溶性に基づいて選択することができる。
本発明での使用に適した開始剤は、例えば過酸化ベンゾイル(BPO)、過酸化ジクミル(DCP)、炭酸tert−ブチルペルオキシ(2−エチルヘキシル)(TBPEHC)、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン(2-H-2-MPPh)およびそれらの混合物からなる群から選択される。
本発明での使用に適した市販の開始剤は、例えばUnited Initiators社の炭酸tert−ブチルペルオキシ(2−エチルヘキシル)(TBPEHC)およびAlfa Aesar社のBPOである。
開始剤が強誘電性接着剤組成物中に存在する場合、前記組成物は、好ましくは組成物の総重量の0.01重量%〜5重量%、好ましくは0.03重量%〜1重量%、より好ましくは0.05重量%〜0.7重量%の開始剤を含む。
本発明による強誘電性接着剤組成物中の開始剤の理想的な量は、接着性マトリックスに依存する。しかし、開始剤量が過度に多い場合、強誘電材料のポリマーネットワーク形成が妨げられるため、強誘電性応答が主に低下する。
硬化剤
硬化剤
本発明による強誘電性接着剤組成物は、硬化剤をさらに含んでもよい。硬化剤が要求される場合、その選択は、使用されるポリマー化学および使用される加工条件に依存する。当業者は、本発明による強誘電性接着剤組成物中で硬化剤が要求されるかまたは必要とされる時期を決定することができる。例えば、接着性マトリックスがエポキシ樹脂を含む場合に硬化剤が使用される。
米国特許第4,139,524号明細書および米国特許第4,162,358号明細書に示されているように、エポキシ樹脂の硬化に脂肪族アミンまたは芳香族アミンなどのアミンを使用することが知られている。例えば、Jefferson Chemical Company、Inc.による1978年著作権所有の「Jeffamine(登録商標)Polyoxypropyleneamines」と題された技術パンフレットによって示されたような、この主題に関する重要な技術文献がある。Beckerらによる米国特許第3,847,726号明細書は、結合剤が、ポリオキシプロピレンアミン、フェノールおよびホルムアルデヒドのマンニッヒ縮合物が一成分である多成分硬化混合物でエポキシ樹脂を硬化させることによって形成されたエポキシドである、金属シート積層体を開示している。
本発明での使用に適した硬化剤は、例えば、ポリプロピレングリコール130ビス(2−アミノプロピルエーテル)、ジシアンジアミド、1,6−ジアミノヘキサン、1,8−ジアミノオクタン、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
本発明での使用に適した市販の硬化剤は、例えばHuntsman Chemicals社のJeffamine D-230である。
エポキシド反応性硬化剤(アミン)で最適な物性を得るためには、エポキシ系接着性マトリックスと硬化剤とをほぼ化学量論量で反応させることが望ましい。ポリエポキシド組成物の硬化に使用される硬化剤の量は、使用される硬化剤のアミン当量に依存する。アミン基の総当量数は、好ましくは化学量論量が最も好ましい硬化性エポキシ樹脂組成物中に存在するエポキシド当量数の0.8〜1.2倍である。
硬化剤が強誘電性接着剤組成物中に存在する場合には、好ましくは組成物の総重量の0.5重量%〜30重量%、好ましくは1重量%〜20重量%、より好ましくは1重量%〜8重量%の硬化剤が含まれる。
任意成分
任意成分
上述の成分に加えて、本発明による強誘電性接着剤組成物は、追加の成分をさらに含んでもよい。所望の物性を提供するために、追加の成分を強誘電性接着剤組成物に含めてもよい。典型的に接着剤組成物に用いられ、本発明による強誘電性接着剤組成物に用いることができる各種添加剤としては、表面活性剤、界面活性剤、湿潤剤、酸化防止剤、チキソトロープ剤、強化繊維、シラン官能性パーフルオロエーテル、リン酸官能性パーフルオロエーテル、チタン酸塩、ワックス、フェノールホルムアルデヒド、空気放出剤、流動添加剤、接着促進剤、レオロジー調整剤、およびスペーサビーズが挙げられる。任意成分は、本発明による強誘電性接着剤組成物において利用される結合剤の使用のために望ましい物性の均衡を得るために特に選択される。
存在する場合、強誘電性接着剤組成物は、組成物の総重量の約10重量%までの任意成分を含んでもよい。
好ましくは、本発明による強誘電性接着剤組成物は、実施例に記載の試験方法に従って測定された1.0μC/cm2以上、好ましくは1.4μC/cm2以上の永久残留分極値(Pr)を有する。非常に好ましい実施形態では、永久残留分極値(Pr)は、1.5μC/cm2〜15μC/cm2、より好ましくは1.5μC/cm2〜7.0μC/cm2である。
好ましくは、本発明による強誘電性接着剤組成物は、実施例に記載の試験方法に従って測定された3.0pC/N以上、好ましくは3.5pC/N以上の圧電歪み係数d33を有する。非常に好ましい実施形態において、d33係数は、3.9pC/N〜25pC/N、より好ましくは3.9pC/N〜20pC/Nである。
好ましくは、本発明による強誘電性接着剤組成物の固形分は25%~100%である。いくつかの実施形態では、固形分は40%であってもよく、いくつかの実施形態では、固形分は75%に近くてもよい。
理想的な固形分によって、基材に理想的な被覆率がもたらされ、理想的なフィルム厚がもたらされる。さらに、理想的な固形分は、強誘電性応答に対しても好影響を与える。
本発明の強誘電性接着剤組成物はペースト状であるが、インク、フィルム、積層体、テープ、またはホットメルトの形態であってもよく、好ましくは組成物はペースト状である。
本発明による強誘電性接着剤組成物を、全成分を混合するいくつかの方法で調製することができる。
一実施形態では、本発明による強誘電性接着剤組成物の調製は、以下のステップを含む。
1) 接着性マトリックス中に強誘電成分を分散させるステップ、および
2) 任意成分を添加して、均質な混合物が形成されるまでスピードミキサで混合するステップ。
1) 接着性マトリックス中に強誘電成分を分散させるステップ、および
2) 任意成分を添加して、均質な混合物が形成されるまでスピードミキサで混合するステップ。
別の実施形態では、本発明による強誘電性接着剤組成物の調製は、以下のステップを含む。
1) 強誘電成分を溶媒中に溶解させるステップ、
2) ステップ1の溶液中に接着性マトリックスを溶解させるステップ、および
3) 任意成分を添加して、均質な混合物が形成されるまでスピードミキサで混合するステップ。
1) 強誘電成分を溶媒中に溶解させるステップ、
2) ステップ1の溶液中に接着性マトリックスを溶解させるステップ、および
3) 任意成分を添加して、均質な混合物が形成されるまでスピードミキサで混合するステップ。
本発明による強誘電性接着剤組成物は、構造用接着剤として使用することができる。
用語「構造的接着剤」は、本明細書では、ガラス転移温度未満で通常使用される比較的強い接着剤である接着剤を意味しており、このような接着剤は、著しい応力を掛けることができ、構造的用途に役立ち、この接着剤は、接合表面の物理的構造の一部として役割を果たす。
本発明による強誘電性接着剤組成物は構造用接着剤であり、したがって、文字通りに、接着剤として使用される組立品の構造の一部である。本発明による強誘電性接着剤組成物は、組立品の特定の要件に対する性能仕様を満たすように設計されている。これは、接着では重要な課題であることが多く、構造的完全性を確保する上で非常に重要である。
一実施形態では、導電性素子の表面への本発明による強誘電性接着剤組成物の塗布は、以下のステップを含む。
1) 本発明による強誘電性接着剤組成物を導電性素子の表面に塗布するステップ、
2) (存在する場合)溶媒を蒸発させるステップ、
3) 接着剤組成物を硬化させるステップ、
4) アニーリングするステップ、および
5) ポーリングするステップ。
1) 本発明による強誘電性接着剤組成物を導電性素子の表面に塗布するステップ、
2) (存在する場合)溶媒を蒸発させるステップ、
3) 接着剤組成物を硬化させるステップ、
4) アニーリングするステップ、および
5) ポーリングするステップ。
いくつかの実施形態では、ステップ2および3を同時に行うことができる。そして、いくつかの他の実施形態では、ステップ2,3および4を同時に行うことができる。
別の実施形態では、導電性素子の表面への本発明による強誘電性接着剤組成物の塗布は、以下のステップを含む。
1) 本発明による強誘電性接着剤組成物を導電性素子の表面に塗布するステップ、
2) (存在する場合)溶媒を蒸発させるステップ、
3) 強誘電性接着剤層の上部に第2の導電性素子を適用するステップ、
4) 接着剤組成物を硬化させるステップ、
5) アニーリングするステップ、および
6) ポーリングするステップ。
1) 本発明による強誘電性接着剤組成物を導電性素子の表面に塗布するステップ、
2) (存在する場合)溶媒を蒸発させるステップ、
3) 強誘電性接着剤層の上部に第2の導電性素子を適用するステップ、
4) 接着剤組成物を硬化させるステップ、
5) アニーリングするステップ、および
6) ポーリングするステップ。
本発明による強誘電性接着剤組成物を、様々な技術によって基材(好ましくは導電性素子)の表面に塗布することができる。本明細書での使用に適した非限定的な技術は、例えば、ロール印刷、バーコーティング、ローラコーティングおよび分配である。
(存在する場合)溶媒の蒸発は、室温で、または加熱によって行うことができる。
アニーリングは、様々な温度および様々な時間にわたって行うことができる。例えば、100℃〜140℃および1時間〜24時間である。当業者は、所望の結果を達成するために温度および時間を調整する方法を知っている。
ポーリングは、少なくとも60秒間行われる。
本明細書で使用される好適な導電性素子の非限定的な例として、任意の導電材料または導電面を有する材料であり、例えば金属、銀インク被覆基材(例えばPET)などの金属被覆基材、例えば金が基材上にスパッタリングされた金属被覆基材が挙げられる。
本発明による強誘電性接着剤組成物は、センサ、エミッタまたはエネルギーハーベスタの発電機として使用することができる。
好適なセンサは、例えば圧力センサであり得、好適なエミッタは、例えば音響変換器であり得る。
エミッタ、センサまたはエネルギーハーベスタ用の発電機のような装置を提供することができ、ここで、前記装置は、2つの導電性素子の間に本発明による強誘電性接着剤組成物を含む。
強誘電材料を追加の接着剤で導電性素子の表面に接着する必要もなく、前記装置を製造することができる。
本発明による強誘電性接着剤組成物を導電性素子の表面に塗布することによって、前記装置を製造することができ、この塗布は、1) 本発明の強誘電性接着剤組成物を導電性素子の表面に塗布するステップと、2) (存在する場合)溶媒を蒸発させるステップと、3) 強誘電性接着剤層の上部に第2の導電性素子を適用するステップと、4) 接着剤組成物を硬化させるステップと、5) アニーリングするステップと、6) ポーリングを行うステップとを含む。
好ましい一実施形態では、本発明による強誘電性接着剤組成物は、3〜30%の接着性マトリックスと、7〜80%の強誘電成分とを含み、ここで、全重量パーセントは、組成物の総重量の重量に基づいており、前記強誘電成分は、強誘電相である。
別の好ましい実施形態では、本発明による強誘電性接着剤組成物は、4〜28%の接着性マトリックスと、10〜78%の強誘電成分とを含み、ここで、全重量パーセントは、組成物の総重量の重量に基づいており、前記強誘電成分は、強誘電相である。
別の好ましい実施形態では、本発明による強誘電性接着剤組成物は、3〜30%の接着性マトリックス、7〜80%の強誘電成分、および30%〜90%の溶媒を含み、ここで、全重量パーセントは、組成物の総重量の重量に基づいており、前記強誘電成分は、強誘電相である。
別の好ましい実施形態では、本発明による強誘電性接着剤組成物は、4〜28%の接着性マトリックス、10〜78%の強誘電成分、および55%〜85%の溶媒を含み、ここで、全重量パーセントは、組成物の総重量の重量に基づいており、前記強誘電成分は、強誘電相である。
別の好ましい実施形態では、本発明による強誘電性接着剤組成物は、4〜28%の接着性マトリックス、10〜78%の強誘電成分、55%〜85%の溶媒、および1%〜8%の硬化剤を含み、ここで、全重量パーセントは、組成物の総重量の重量に基づいており、前記強誘電成分は、強誘電相である。
さらに別の好ましい実施形態では、本発明による強誘電性接着剤組成物は、4~28%の接着性マトリックス、10〜78%の強誘電成分、55%〜85%の溶媒、および0.03%〜0.7%の開始剤を含み、ここで、全重量パーセントは、組成物の総重量の重量に基づいており、前記強誘電成分は、強誘電相である。
本発明による強誘電性接着剤組成物は、系の形態が一定に保たれるという事実により、強誘電性応答を維持しながら高い接着性をもたらす。一定の形態は、強誘電成分を接着性マトリックス中に均一に分散させ、相分離を最小限に抑えることによって達成される。
本発明による強誘電性接着剤組成物により、選択された材料間の相溶性によって良好な強誘電性応答がもたらされる。
組成物
実施例1〜16の強誘電性接着剤組成物は、以下、Sartomer社のCN1963アクリレート、Momentive社のエピコート828および232エポキシ、Dow Chemicals社のDER 331エポキシ、Sartomer社のCN104A60およびCN104B80エポキシ−アクリレート、および、Henkel社の24-468Aビスマレイミドの接着性マトリックスを含む。
実施例中の強誘電性接着剤組成物は、Solvay社のP(VDF-TrFE)およびAlfa Aesar社のBTOのような有機強誘電成分を含む。
これらの系のための溶媒は、アセトン、メチルエチルケトン(Alfa Aesar社のMEK)、n,n−ジメチルホルムアミド(Alfa Aesar社のDMF)およびDBE-9(Sigma-Aldrich社)を含む。
以下の実施例で使用される開始剤は、Alfa Aesar社のBPO過酸化ベンゾイル、Alfa Aesar社のDCP過酸化ジクミル、United Initiators社のTBPEHC 炭酸tert−ブチルペルオキシ(2−エチルヘキシル)、およびSigma-Aldrich社の2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノンを含む。
以下の実施例で使用される硬化剤は、Huntsman Chemicals社のJeffamine D-230を含む。
強誘電性接着剤組成物を調製するために、強誘電成分および接着性マトリックスを混合した後、使用されるいずれかの任意成分を添加する。
表1には、実施例1〜16の詳細な組成物を示す。
強誘電特性評価を実施するために、フィルムを以下のように調製する。
強誘電成分を、混合された接着性マトリックス中に分散させ、任意成分をこの混合物に添加する。その後、200μmのコーティングギャップで溶液をバーコーティングすることによってフィルムを調製する。
フィルム流延を、強誘電特性評価用の電極のように作用する導電性基材(金属化PET)上で行う。流延後、溶媒を、適切な温度で適切な時間で蒸発させ、詳細については特定の場合ごとに表2に示す。これらの材料には硬化ステップは要求されない。要求される場合、フィルムは、系に応じて130℃で一定時間アニーリングされる。最終的なフィルムの厚さは5μm〜60μm、好ましくは20μmである。
強誘電性接着フィルムを乾燥させた後、銀含有インクを用いて、金属スパッタリングによって、または導電片を用いて、上部電極を配置する。
各実施例のサンプル調製のための重要なパラメータを表2に示す。
強誘電性の測定は、2周期の外部交流電界を低周波数(freq.)でサンプルに適用することで構成される。そのためには、高電圧のAC電源が必要である。電界は、材料中で若干の電荷を発生させるサンプルを分極し、この電荷は、電荷増幅器で測定されてオシロスコープTDS200で視覚化される。サンプル領域で分割された電荷によって、印加された電界ごとに分極値が得られる。この試験から、残留分極(Pr)、抗電界(Ec)が特定の周波数で測定される。
強誘電性接着剤組成物のポーリング
強誘電性接着剤組成物のポーリング
強誘電性特性評価を行った後、ポーリング電界(Eポーリング)は、Ecを上回らなければならないことを考慮して決定される。その後、材料は、少なくとも60秒間、Eポーリング電界の下でポーリングされる。
強誘電性接着剤組成物のd33係数測定
強誘電性接着剤組成物のd33係数測定
ポーリングを行った後、ピエゾd33メータPM-3500(KCF Technologies、Inc)を用いてd33係数(圧電歪み係数)を測定した。低周波数の振動力(0.25Nおよび110Hz)をサンプルおよび基準セラミックに印加し、圧電効果によって両方の材料に若干の電荷が生成される。基準のd33を知ることで、サンプルのd33が直接比較によって得られる。
強誘電性接着剤の接着性
強誘電性接着剤の接着性
接着性を、強誘電接着剤について接着剤の特性評価ISO4587に従って測定する。ステンレススチール重ねせん断試料を強誘電性接着剤組成物で被覆し、存在する場合、溶媒蒸発後に溶媒を除去する。その後、別の重ねせん断試料を被覆試料上に置いて、クリップを用いて固定する。次に、接着樹脂の熱硬化のためにセットアップをオーブンに置く。引張強度試験をインストロン3366を用いて行った。
結果を表3にまとめる。
注記-Prの列に“−”が付されている全ての材料について、Pr=0は強誘電材料ではなく誘電材料であることを意味し、その他の全ての強誘電体パラメータは何ら意味も持たない。
強誘電成分を接着性マトリックスに組み込むことにより、強誘電性応答がこれらの接着性マトリックスに明らかにもたらされる。全ての対照実施例(接着性マトリックスのみ)は、強誘電的挙動の代わりに明確な誘電的挙動を示す。さらに、いくつかの接着性マトリックスにおいて、強誘電性ポリマーの存在は、恐らくフルオロポリマーとアクリレート含有ポリマーとの良好な相溶性によって、これらの構造用接着剤の機械的耐性を改善することが証明されている。
組成物
組成物
実施例17〜26の強誘電性接着剤組成物は、以下、Henkel社のSuperglue3、AFINITICA社のベータ−シアノアクリル酸メトキシエチル(BMECA)、シアノアクリル酸n−ブチル(nBuCA)、および2−シアノアクリル酸オクチル(2-OCA)の接着性マトリックスを含む。
実施例17〜26の強誘電性接着剤組成物は、Solvay社のP(VDF-TrFE)などの有機強誘電成分を含む。これらの系のための溶媒は、アセトンおよびメチルエチルケトン(Alfa Aesar社のMEK)を含む。
表4に、実施例17〜26の詳細な組成物を示す。
強誘電特性評価を実施するために、フィルムを以下のように調製した。強誘電成分を溶媒中に分散させ、次いで接着性マトリックスを添加した。材料を混合した。その後、250μmのコーティングギャップで溶液をバーコーティングすることによってフィルムを調製した。
フィルム流延を、強誘電特性評価用の電極のように作用する導電性基材(金属化PET)上で行った。流延後、溶媒を、適切な温度で適切な時間で蒸発させ、詳細については特定の場合ごとに表5に示す。フィルムを130℃で15時間アニーリングした。最終的なフィルムの厚さは9μm〜25μmの間で変化する。その後、上部電極を金属スパッタリングによってフィルム上に堆積させた。
各実施例のサンプル調製のための重要なパラメータを表5に示す。
強誘電性の測定を、実施例1〜16について上述した通りに行う。強誘電性接着剤組成物のポーリングを実施例1〜16について上述した通りに行う。強誘電性接着剤組成物のd33係数の測定を、実施例1〜16について上述した通りに行う。強誘電性接着剤の接着性を、実施例1〜16について上述した通りに測定する。結果を表6にまとめる。
注記-Prの列に“−”が付されている全ての材料について、Pr=0は強誘電材料ではなく誘電材料であることを意味し、その他の全ての強誘電体パラメータは何ら意味も持たない。
強誘電成分を接着性マトリックスに組み込むことにより、強誘電性応答がこれらの接着性マトリックスに明らかにもたらされる。全ての対照実施例(接着性マトリックスのみ)は、強誘電的挙動の代わりに明確な誘電的挙動を示す。
Claims (10)
- 強誘電性接着剤組成物であって、
a) 2〜50%の接着性マトリックスと、
b) 5〜85%の強誘電成分とを含み、
全ての重量パーセントは組成物の総重量の重量に基づいており、前記強誘電成分は強誘電相中にある、強誘電性接着剤組成物。 - 前記接着性マトリックスが、ホットメルト接着剤、熱硬化接着剤、熱可塑性物質、1液型または2液型のポリウレタン、1液型または2液型のポリエポキシド、1液型または2液型のシリコーンポリマー、(メタ)アクリレート、シアノアクリレートおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の強誘電性接着剤組成物。
- 前記強誘電成分が、酸化バリウムチタン(BTO)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ニオブ酸カリウムナトリウム(KNN)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン三フッ化エチレン(P(VDF-TrFE))、ポリフッ化ビニリデンヘキサフルオロプロピレン(P(VDF-HFP))、ポリフッ化ビニリデン三フッ化エチレンクロロフルオロエチレン(P(VDF-TrFE-CFE))2−メチルベンズイミダゾール、塩化ジイソプロピルアンモニウム、臭化ジイソプロピルアンモニウム、クロコン酸、TTF-PMDI塩およびそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは前記強誘電成分は、酸化バリウムチタン(BTO)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ポリフッ化ビニリデン三フッ化エチレン(P(VDF-TrFE))およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1または2に記載の強誘電性接着剤組成物。
- 組成物が、好ましくは組成物の総重量の3重量%〜30重量%、より好ましくは4重量%〜28重量%の接着性マトリックスを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の強誘電性接着剤組成物。
- 組成物が、好ましくは組成物の総重量の7重量%〜80重量%、より好ましくは10重量%〜78重量%の強誘電成分を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の強誘電性接着剤組成物。
- アルコール、ケトン、エステル、グリコールエステル、グリコールエーテル、エーテル、アミド、有機硫黄化合物およびそれらの混合物からなる群から選択される溶媒をさらに含む、請求項1〜5のいずれかに記載の強誘電性接着剤組成物。
- 組成物が、組成物の総重量の30重量%〜90重量%、好ましくは50重量%〜90重量%、より好ましくは55重量%〜85重量%の溶媒を含む、請求項6に記載の強誘電性接着剤組成物。
- 構造用接着剤としての請求項1〜7のいずれかに記載の強誘電性接着剤組成物の使用。
- センサ、エミッタまたはエネルギーハーベスタの発電機としての、請求項8に記載の強誘電性接着剤組成物の使用。
- 2つの導電性素子間に請求項1〜7のいずれかに記載の強誘電性接着剤組成物を含む装置。
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