JP2018502078A - 安定凍結単純ヘルペスウイルス配合物 - Google Patents

安定凍結単純ヘルペスウイルス配合物 Download PDF

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    • C12N2710/00011Details
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Abstract

1回又は複数回の凍結/融解サイクル中及び/又は凍結温度のすぐ上〜周辺温度の範囲の温度で液状での長期貯蔵中に、感染力を維持し、かつウイルス安定性の改善をもたらす、生ウイルス組成物。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(E)の下、2014年12月18日出願の米国特許出願第62/093,663号の優先権を主張し、その出願は、本明細書中参照として援用される。
単純ヘルペスウイルスなどの生きたウイルスは、概して、−80℃より高い貯蔵温度での長期間の安定性がない。熱安定性の欠如は、そうしたウイルス、特に液状配合物に含まれる治療用ウイルスに難題をもたらしている。そうした治療用ウイルス組成物は、それらの治療上有効な感染力を維持するために、凍結されて貯蔵及び輸送されなければならず、解凍後すぐに使用されなければならない。
熱安定性の欠如は、製造、貯蔵、及び輸送の費用を上昇させる操作上の難題をもたらす。製造操作中、例えば、凍結/融解サイクルは、最善ではない製造工程歩留まり及び供給チェーンに必要な柔軟性の欠如を招く可能性がある。貯蔵及び輸送もまた難題をもたらすものであり、煩雑な取り扱い及び複雑な供給チェーンをもたらす。
熱安定性の欠如はまた、商業上の難題ももたらす。安定な貯蔵寿命を保証するために−80℃貯蔵を必要とする生ウイルス組成物は、医療提供者にとって複雑な貯蔵及び取り扱いプロトコルを招く。そうした制約は、不適切に貯蔵された場合又は全製品が使用されない場合などの返品のリスクを増大させる。このことは、消費者が負担する費用を上昇させる可能性がある。
本発明は、複数回の凍結/融解サイクル中ならびに低温及び周辺温度での長期貯蔵中の感染力を安定化及び保存するのに使用することができる生ウイルス配合物を提供する。本配合物は、安定性及び/又は感染力を低下させることなく柔軟性を提供することにより、ウイルスの製造、輸送、貯蔵、及び使用中の制約を減らす。
腫瘍溶解性免疫療法の分野が成長するにつれて、腫瘍溶解性ウイルス組成物の治療使用が増加してきている。1回又は複数回の凍結/融解サイクル中及び/又は凍結温度のすぐ上〜周辺温度の範囲の温度での液状での長期貯蔵中、感染力を維持しかつ改善されたウイルス安定性を提供する改善を生ウイルス組成物に行うことは、どのようなものであっても、操作上の利点となると思われ、医療提供者及び患者の利便性及び柔軟性を大きく上昇させると思われる。本発明は、そのような組成物を提供することにより、この要求を満たす。
1つの実施形態において、本発明は、単純ヘルペスウイルス、タンパク質、少なくとも1種類の糖、塩化ナトリウム、及びpH7.4のリン酸ナトリウムを含み、凍結されている、生ウイルス組成物を提供する。
1つの実施形態において、組成物は、2℃〜少なくとも25℃で、解凍及び貯蔵することができる。関連する実施形態において、生ウイルス組成物は、2℃〜少なくとも25℃で解凍された後、再び凍結されて、少なくとも−30℃の温度で貯蔵される。
別の実施形態において、組成物は、2℃〜8℃で、解凍及び貯蔵することができる。関連する実施形態において、生ウイルス組成物は、2℃〜8℃で解凍された後、再び凍結されて、少なくとも−30℃の温度で貯蔵される。
別の実施形態において、タンパク質は、部分加水分解ゼラチン又はヒト血清アルブミンである。
別の実施形態において、部分加水分解ゼラチンの濃度は、0.01%〜1%(w/v)である。
別の実施形態において、ヒト血清アルブミンの濃度は、0.25%〜1%である。
別の実施形態において、少なくとも1種類の糖は、ソルビトール、ミオイノシトール、又はスクロースである。関連する実施形態において、ソルビトールの濃度は、2%(w/v)である。関連する実施形態において、ミオイノシトールの濃度は、4%(w/v)である。関連する実施形態において、スクロースの濃度は、9%(w/v)〜15%(w/v)である。
別の実施形態において、塩化ナトリウムの濃度は、145mMである。
別の実施形態において、塩化ナトリウムの濃度は、約145mMである。
別の実施形態において、リン酸ナトリウムの濃度は、100mMである。
別の実施形態において、リン酸ナトリウムの濃度は、約100mMである。
別の実施形態において、リン酸ナトリウムの濃度は、102mMである。
別の実施形態において、リン酸ナトリウムの濃度は、約102mMである。
別の実施形態において、部分加水分解ゼラチンは、ブタのものである。
別の実施形態において、ウイルスは、単純ヘルペスウイルス1型である。
別の実施形態において、単純ヘルペスウイルスは、臨床分離株である。
別の実施形態において、単純ヘルペスウイルスは、再発性口唇ヘルペス由来の臨床分離株である。
別の実施形態において、単純ヘルペスウイルス1型株は、JS1株、17+株、F株、及びKOS株からなる群より選択される。
別の実施形態において、単純ヘルペスは、1つ又は複数の機能遺伝子を欠いている。関連する実施形態において、単純ヘルペスウイルスは、機能的なICP34.5をコードする遺伝子を欠いている。関連する実施形態において、単純ヘルペスウイルスは、機能的なICP47をコードする遺伝子を欠いている。関連する実施形態において、単純ヘルペスウイルスは、さらに、機能的なICP6をコードする遺伝子、機能的な糖タンパク質Hをコードする遺伝子、又は機能的なチミジンキナーゼをコードする遺伝子を欠いている。関連する実施形態において、単純ヘルペスウイルスは、機能的なvhsをコードする遺伝子を欠いている。別の関連する実施形態において、単純ヘルペスウイルスは、機能的なUL43をコードする遺伝子を欠いている。関連する実施形態において、単純ヘルペスウイルスは、機能的なVMWをコードする遺伝子、機能的なICPOをコードする遺伝子、機能的なICP4をコードする遺伝子、機能的なICP22をコードする遺伝子、又は機能的なICP27をコードする遺伝子を欠いている。関連する実施形態において、単純ヘルペスウイルスの修飾は、Us11遺伝子が初期遺伝子として発現するようになされている。関連する実施形態において、単純ヘルペスウイルスは、1つ又は複数の異種遺伝子及び/又はウイルス遺伝子を含む。関連する実施形態において、異種遺伝子及び/又はウイルス遺伝子は、サイトトキシン、免疫調節タンパク質、腫瘍抗原、プロドラッグ活性化因子、腫瘍抑制因子、プロドラッグ変換酵素、細胞同士の融合を引き起こすことができるタンパク質、TAP阻害因子、ウイルスタンパク質Us11、アンチセンスRNA分子、又はリボザイムをコードする遺伝子からなる群より選択される。別の関連する実施形態において、異種遺伝子及び/又はウイルス遺伝子は、IL−12、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、シトシンデアミナーゼ、テナガザル白血病膜融合糖タンパク質、ウシヘルペスウイルス(BHV)UL49.5ポリペプチド、又はウイルスタンパク質Us11をコードする遺伝子からなる群より選択される。
別の実施形態において、単純ヘルペスウイルスは、talimogene laherparepvec(タリモジーン・ラハーパレプベック)、Seprehvir(商標)(HSV−1716)、G207、OrienX010、NV1020、M032、ImmunoVEX、NSC−733972、HF−10、BV−2711、JX−594、Myb34.5、AE−618、Brainwel(商標)、Heapwel(商標)、及びOncoVEXGALV/CDからなる群より選択される。
別の実施形態において、患者の腫瘍細胞を殺傷する方法であって、本方法は、その必要がある対象に、上記の生ウイルス組成物を、患者の腫瘍細胞を殺傷するのに有効な条件下で、投与することを含む。関連する実施形態において、生ウイルス組成物は、チェックポイント阻害剤と併用で投与される。関連する実施形態において、生ウイルス組成物は、チェックポイント阻害剤の前、同時、又は後に投与される。関連する実施形態において、腫瘍細胞は、星状細胞腫、乏突起膠腫、髄膜腫、神経線維腫、神経膠芽腫、上衣腫、シュワン細胞腫、神経線維肉腫、髄芽細胞腫、黒色腫細胞、膵臓癌細胞、前立腺癌細胞、乳癌細胞、肺癌細胞、結腸癌細胞、肝癌細胞、中皮腫、膀胱癌細胞、及び類表皮癌細胞からなる群より選択される。関連する実施形態において、患者は、ヒトである。関連する実施形態において、投与は、注射により行われる。
別の実施形態において、感染力は、同じ生ウイルス組成物からタンパク質を除いたものと比較して、上昇している。
凍結/融解安定性に対する緩衝液及び塩含有量の効果。黒塗りひし形、実線:10mMのNaphos、白抜き丸形、点線、10mMのKphos、黒塗り丸形、実線:100mMのKphos;黒塗り四角、実線:73mMのNaCl;白抜き四角、点線:0mMのNaCl、及び黒塗りひし形、点線:対照。 凍結/融解安定性に対する糖濃度の効果。黒塗り四角、実線:9%ソルビトール、白抜き四角、点線:15%ソルビトール、及び黒塗りひし形、点線:対照。 凍結/融解安定性に対する糖濃度の効果。黒塗り四角、実線、9%ソルビトール、黒塗り三角、実線:15%スクロース、白抜き四角、点線:9%トレハロース、及び白抜き三角、点線:15%トレハロース。 凍結/融解中の安定性に対するタンパク質/糖の組み合わせの効果。黒塗り四角、実線:9%スクロース、2%抗ストレプトアビジンmAb、白抜き四角、点線:9%スクロース、2%phゼラチン、黒塗り丸形、実線:4%rHSA、白抜き丸形、点線:4%phゼラチン、及び黒塗りひし形、点線:対照。 2〜8℃での液体安定性に対する糖及びタンパク質賦形剤の効果。黒塗り四角、実線:2%rHSA、白抜き四角、点線:2%phゼラチン;黒塗り丸形、実線:15%トレハロース、白抜き丸形、点線:15%スクロース、黒塗り三角、実線:9%スクロース、2%rHSA、及び黒塗りひし形、点線:対照。 25℃での液体安定性に対する糖及びタンパク質賦形剤の効果。黒塗り四角、実線:2%rHSA、白抜き四角、点線:2%phゼラチン、白抜き丸形、点線:15%スクロース、黒塗り三角、実線:9%スクロース及び2%rHSA、ならびに黒塗りひし形、点線:対照。 凍結/融解サイクル中の安定性に対するrHSA及びphゼラチン濃度の効果。黒塗り四角、実線:1%rHSA、黒塗り三角、実線:2%rHSA、黒塗り丸形、実線:4%rHSA、白抜き四角、点線:1%phゼラチン、白抜き三角、点線:2%phゼラチン、白抜き丸形、点線:4%phゼラチン、及び黒塗りひし形、点線:対照。 25℃での液体貯蔵中の安定性に対するrHSA及びphゼラチン濃度の効果。黒塗り四角、実線:1%rHSA、黒塗り三角、実線:2%rHSA、黒塗り丸形、実線:4%rHSA、白抜き四角、点線:1%phゼラチン、白抜き三角、点線:2%phゼラチン、白抜き丸形、点線:4%phゼラチン、及び黒塗りひし形、点線:対照。 2〜8℃での液体貯蔵中の安定性に対するrHSA及びphゼラチン濃度の効果。黒塗り四角、実線:1%rHSA、黒塗り三角、実線:2%rHSA、黒塗り丸形、実線:4%rHSA、白抜き四角、点線:1%phゼラチン、白抜き三角、点線:2%phゼラチン、及び白抜き丸形、点線:4%phゼラチン、黒塗りひし形、点線:対照。 25℃での液体安定性に対するrHSAのグレード及び供給元の違いの効果。黒塗り四角、実線:2%phゼラチン、黒塗り丸形、実線:2%Sigma、白抜き三角、点線:2%Novozyme Alpha、白抜き丸形、点線:2%Novozyme Albix、及び白抜きひし形、点線:2%Novozyme Prime。 25℃での液体安定性に対するrHSAのグレード及び供給元の違いの効果。黒塗り四角、実線:2%phゼラチン、黒塗り丸形、実線:2%Sigma、白抜き三角、点線:1%Novozyme Alpha、白抜き丸形、点線:2%Novozyme Alpha、及び白抜きひし形、点線:4%Novozyme Alpha。 25℃での液体安定性に対するrHSAのグレード及び供給元の違いの効果。黒塗り四角、実線:2%phゼラチン、黒塗り丸形、実線:2%Sigma、白抜き三角、点線:1%Novozyme Albix、白抜き丸形、点線:2%Novozyme Albix、及び白抜きひし形、点線:4%Novozyme Albix。 25℃での液体安定性に対するrHSAのグレード及び供給元の違いの効果。黒塗り四角、実線:2%phゼラチン、黒塗り丸形、実線:2%Sigma、白抜き三角、点線:1%Novozyme Prime、白抜き丸形、点線:2%Novozyme Prime、及び白抜きひし形、点線:4%Novozyme Prime。 10PFU/mLでの凍結/融解サイクル中の安定性に対する0.25〜1.0%phゼラチンの効果。黒塗り四角、実線:0.25%phゼラチン、黒塗り丸形、実線:0.5%phゼラチン、黒塗り三角、実線:1.0%phゼラチン、及び黒塗りひし形、点線:対照。 10PFU/mLでの凍結/融解サイクル中の安定性に対する0.25〜1.0%phゼラチンの効果。黒塗り四角、実線:0.25%phゼラチン、黒塗り丸形、実線:0.5%phゼラチン、黒塗り三角、実線:1.0%phゼラチン、及び黒塗りひし形、点線:対照。 10PFU//mLで2〜8℃での液体安定性に対する0.25〜1.0%phゼラチンの効果。黒塗り四角、実線:0.25%phゼラチン、黒塗り丸形、実線:0.5%phゼラチン、黒塗り三角、実線:1.0%phゼラチン、及び黒塗りひし形、点線:対照。 10PFU/mLで2〜8℃での液体安定性に対する0.25〜1.0%phゼラチンの効果。黒塗り四角、実線:0.25%phゼラチン、黒塗り丸形、実線:0.5%phゼラチン、黒塗り三角、実線:1.0%phゼラチン、及び黒塗りひし形、点線:対照。 10PFU/mLで25℃での液体安定性に対する0.25〜1.0%phゼラチンの効果。黒塗り四角、実線:0.25%phゼラチン、黒塗り丸形、実線:0.5%phゼラチン、黒塗り三角、実線:1.0%phゼラチン、及び黒塗りひし形、点線:対照。 10PFU/mLで25℃での液体安定性に対する0.25〜1.0%phゼラチンの効果。黒塗り四角、実線:0.25%phゼラチン、黒塗り丸形、実線:0.5%phゼラチン、黒塗り三角、実線:1.0%phゼラチン、及び黒塗りひし形、点線:対照。 10PFU/mLで2〜8℃での液体安定性に対する0.01%〜0.5%phゼラチンの効果。黒塗り四角、実線:0.01%phゼラチン、黒塗り三角、実線:0.05%phゼラチン、白抜き丸形、実線:0.1%phゼラチン、星形、点線:0.25%phゼラチン。黒塗り丸形、実線:0.5%phゼラチン、及び黒塗りひし形、点線:対照。 10PFU/mLで25℃での液体安定性に対する0.01%〜0.5%phゼラチンの効果。黒塗り四角、実線:0.01%phゼラチン、黒塗り三角、実線:0.05%phゼラチン、白抜き丸形、実線:0.1%phゼラチン、星形、点線:0.25%phゼラチン。黒塗り丸形、実線:0.5%phゼラチン、及び黒塗りひし形、点線:対照。 10PFU/mLでの凍結/融解サイクル中の安定性に対する0.25〜2.0%の効果。黒塗り四角、実線:0.25%rHSA、黒塗り三角、実線:0.5%rHSA、白抜き三角、実線:1.0%rHSA、星形、実線:2.0%rHSA、及び黒塗りひし形、点線:対照。 10PFU/mLでの凍結/融解サイクル中の安定性に対する0.25〜2.0%の効果。黒塗り四角、実線:0.25%rHSA、黒塗り三角、実線:0.5%rHSA、白抜き三角、実線:1.0%rHSA、星形、実線:2.0%rHSA、及び黒塗りひし形、点線:対照。 10PFU/mLで2〜8℃での液体安定性に対する0.25〜2.0%rHSAの効果、経時的、週単位。黒塗り四角、実線:0.25%rHSA、黒塗り三角、実線:0.5%rHSA、白抜き三角、実線:1.0%rHSA、星形、実線:2.0%rHSA、及び黒塗りひし形、点線:対照。 10PFU/mLで2〜8℃での液体安定性に対する0.25〜2.0%rHSAの効果、経時的、週単位。黒塗り四角、実線:0.25%rHSA、黒塗り三角、実線:0.5%rHSA、白抜き三角、実線:1.0%rHSA、星形、実線:2.0%rHSA、及び黒塗りひし形、点線:対照。 10PFU/mLで25℃での安定性液体安定性に対する0.25〜2.0%rHSAの効果、経時的、日数単位。黒塗り四角、実線:0.25%rHSA、黒塗り三角、実線:0.5%rHSA、白抜き三角、実線:1.0%rHSA、星形、実線:2.0%rHSA、及び黒塗りひし形、点線:対照。 10PFU/mLで25℃での安定性液体安定性に対する0.25〜2.0%rHSAの効果、経時的、週単位。黒塗り四角、実線:0.25%rHSA、黒塗り三角、実線:0.5%rHSA、白抜き三角、実線:1.0%rHSA、星形、実線:2.0%rHSAand黒塗りひし形、点線:対照。 10PFU/mLで−30℃での長期凍結安定性、時間は週単位。黒塗り四角:0.5%phゼラチン、黒塗り丸形:0.5%rHSA、及び黒塗りひし形、点線:対照。 10PFU/mLで−30℃での長期凍結安定性、時間は週単位。黒塗り四角:0.5%phゼラチン、黒塗り丸形:0.5%rHSA、及び黒塗りひし形、点線:対照。 10PFU/mLで−70℃での長期凍結安定性、時間は週単位。黒塗り四角:0.5%phゼラチン、黒塗り丸形:0.5%rHSA、及び黒塗りひし形、点線:対照。 B)10PFU/mLで−70℃での長期凍結安定性、時間は週単位。黒塗り四角:0.5%phゼラチン、黒塗り丸形:0.5%rHSA、及び黒塗りひし形、点線:対照。 10PFU/mLでの凍結/融解サイクル中の安定性。黒塗り四角:0.5%phゼラチン、黒塗り丸形:0.5%rHSA、及び黒塗りひし形、点線:対照。 10PFU/mLでの凍結/融解サイクル中の安定性。黒塗り四角:0.5%phゼラチン、黒塗り丸形:0.5%rHSA、及び黒塗りひし形、点線:対照。 10PFU/mLで2〜8℃での長期液体安定性、時間は週単位。黒塗り四角:0.5%phゼラチン、黒塗り丸形:0.5%rHSA、及び黒塗りひし形、点線:対照。 10PFU/mLで2〜8℃での長期液体安定性、時間は週単位。黒塗り四角:0.5%phゼラチン、黒塗り丸形:0.5%rHSA、及び黒塗りひし形、点線:対照。 10PFU/mLで25℃での長期液体安定性、時間は週単位。黒塗り四角:0.5%phゼラチン、黒塗り丸形:0.5%rHSA、及び黒塗りひし形、点線:対照。 10PFU/mLで25℃での長期液体安定性、時間は週単位。黒塗り四角:0.5%phゼラチン、黒塗り丸形:0.5%rHSA、及び黒塗りひし形、点線:対照。 10PFU/mLを2〜8℃での静置貯蔵、時間は週単位。黒塗り四角、点線:緩衝液+0.5%phゼラチン、黒塗り丸形、点線:緩衝液+0.5%rHSA、黒塗りひし形、点線:緩衝液対照。黒塗り四角、実線:配合物+0.5%phゼラチン、黒塗り丸形、実線:配合物+0.5%rHSA、及び黒塗りひし形、実線:配合物対照。 10PFU/mLを−70℃で凍結させ、次いで2〜8℃で貯蔵(1回の凍結融解サイクル)、時間は週単位。黒塗り四角、点線:緩衝液+0.5%phゼラチン、黒塗り丸形、点線:緩衝液+0.5%rHSA、黒塗りひし形、点線:緩衝液対照。黒塗り四角、実線:配合物+0.5%phゼラチン、黒塗り丸形、実線:配合物+0.5%rHSA、及び黒塗りひし形、実線:配合物対照。 10PFU/mLを2〜8℃での静置貯蔵、時間は週単位。黒塗り四角、点線:緩衝液+0.5%phゼラチン、黒塗り丸形、点線:緩衝液+0.5%rHSA、黒塗りひし形、点線:緩衝液対照。黒塗り四角、実線:配合物+0.5%phゼラチン、黒塗り丸形、実線:配合物+0.5%rHSA、及び黒塗りひし形、実線:配合物対照。 10PFU/mLを−70℃で凍結させ、次いで2〜8℃で貯蔵(1回の凍結融解サイクル)、時間は週単位。黒塗り四角、点線:緩衝液+0.5%phゼラチン、黒塗り丸形、点線:緩衝液+0.5%rHSA、黒塗りひし形、点線:緩衝液対照。黒塗り四角、実線:配合物+0.5%phゼラチン、黒塗り丸形、実線:配合物+0.5%rHSA、及び黒塗りひし形、実線:配合物対照。
本明細書中記載される本発明は、複数回の凍結/融解サイクル中ならびに凍結温度近く及び周辺温度での長期貯蔵中の感染力の安定化及び保存に使用することができる生ウイルス組成物を提供する。本組成物は、凍結融解に柔軟性を提供することにより、製造、輸送、貯蔵、及び使用中の難題を減少させる。本発明の生ウイルス組成物は、凍結/融解サイクル中に及び、液体状態で生じる損傷から生ウイルスを保護し、本発明の生ウイルス組成物は、−30℃以下の温度での凍結貯蔵中の良好な安定性を維持しながら、2〜8℃又は周辺温度での安定性を提供する。
ヘルペスウイルス粒子は、細胞由来の二重膜に包まれた正二十面体タンパク質カプシドに内包された二本鎖DNAゲノムからなる複雑構造体である。カプシドと脂質エンベロープの間には、テグメントとして知られるウイルスタンパク質の層が挟まれている[1、2]。膜エンベロープの存在は、多くの様々な種類の動物ウイルスを差別化する特徴である。生ウイルスを安定化する組成物の配合において、脂質エンベロープは、ウイルス粒子に顕著な物理的不安定性を与えているらしく、このため、このクラスのウイルスの安定化は、特にアデノウイルス、レオウイルス、及びポリオウイルスなどの非エンベロープ哺乳類ウイルスと比較して、困難になっている。例えば、2〜8℃での貯蔵では、アデノウイルス5型は、2年間安定であることが示されているが、ポリオウイルス及びレオウイルスでは、少なくとも1年間である[3〜5]。ポックスウイルスは、同様な温度で同様な程度の貯蔵安定性を示す、唯一のエンベロープ動物ウイルスと思われる。しかしながら、ポックスウイルスは、二重のエンベロープ及び他にも構造的差異を有していることから、他のエンベロープ動物ウイルスとは構造的に異なる[6、7]。実際、ポックスウイルスは、保管された組織、環境試料、及び2〜8℃で研究室貯蔵された乾燥試料で、60年超という長期貯蔵が観察されることにより実証されるほどに非常に安定である[8〜12]。
米国で認可された生エンベロープウイルス製品のうち[13]、1種類(ポックスウイルスワクチン;ACAM2000)以外は全て、PHGを含有する(表1)(もっとも、上記のとおり、ポックスウイルスは、様々な環境で特に安定であることが既知である)。表1に示すとおり、PHGを用いる生ウイルス配合物であっても、凍結乾燥を必要とし、このことは、PHGの使用が、液体組成物の、例えば2〜8℃での適切な貯蔵安定性を付与するのに不十分であることを示す。FluMist(登録商標)は、凍結乾燥しなくても、液体組成物として2〜8℃で貯蔵可能であるが、もっともそれは約18週間という比較的短期間である。対照的に、本発明の組成物は、生ウイルス液体配合物が、これまでの生ウイルス液体配合物を超えて大幅に向上した2〜8℃で少なくとも9ヶ月(39週間)という貯蔵安定性を示すことを可能にする。
Figure 2018502078
本発明の組成物は、凍結融解の損傷によるウイルスの不活性化も防ぐ。効力(又は活性)を低下させることなく製剤又は中間生成物を凍結及び融解できる能力は、極めて大きな価値がある。なぜなら、それにより、製造プロセス設計、ラベリング、梱包操作、最終製品の供給チェーン流通、及び医療提供者の取り扱いに柔軟性をもたらすからである。例えば、凍結融解の損傷から保護されている生ウイルス配合物は、偶然溶解された又は未使用の場合に再凍結させることができ、したがって、薬物損失量を減少させる。しかしながら、生物製剤は、大抵、凍結融解操作による損傷をなにか受けるものであり、したがって、通常は、効力の損失を最小限にするために、1回の凍結融解サイクルに限定される[14、15]。表1に列挙した生ウイルス製品のなかで、凍結乾燥製品のどれも、再構築後に再凍結することはできない。また、FluMist(登録商標)は、後で解凍して使用するために凍結するということはできない。図10E及び図10Fに示すとおり、本発明の組成物は、10回の凍結融解サイクルを経ても効力を維持しており、一方、対照は、それぞれ、力価を>2log及び>1logで失う。図9A及び図9Bに示すとおり、このメリットは、比較的広範囲のPGH濃度にわたって実現される。
そのうえ、本明細書中記載される組成物にPHGを加えることで、肉眼視できる粒子及び肉眼視できない粒子の形成を防ぐことができた。製品の外観は、重要な製品特質である;指定の外観基準を満たさない製品は、関連するウイルスロットの廃棄又は回収となる場合もあり得る。粒子の形成は、製造中であろうとその後(例えば、貯蔵中)であろうと、全ての生物製剤に対する重大な懸念である。組成物にPHGを加えることで、製造後(図11A及び図12A)でも凍結融解後(図11B及び図12B)でも、最終製品中に存在する粒子の量が大幅に減少した。なお、PHGが存在しない場合、組成物には、高レベルの粒子が出現した。これは、PHGが粒子形成をそのように高い度合いで防ぐことの最初の報告であると思われる。
したがって、本発明は、単純ヘルペスウイルス、タンパク質、少なくとも1種類の糖、塩化ナトリウム、及びリン酸ナトリウムをpH7〜8で含み、凍結されている生ウイルス組成物を提供する。本発明はまた、単純ヘルペスウイルス、タンパク質、少なくとも1種類の糖、塩化ナトリウム、及びpH7.4のリン酸ナトリウムを含み、凍結されている生ウイルス組成物を提供する。1つの実施形態において、生ウイルス組成物は、2℃〜少なくとも25℃で解凍及び貯蔵される。別の実施形態において、生ウイルス組成物は、2℃〜25℃で解凍及び貯蔵される。別の実施形態において、ウイルス組成物は、2℃〜8℃で解凍及び貯蔵される。別の実施形態において、解凍後、生ウイルス組成物は再凍結される。さらに別の実施形態において、解凍後、生ウイルス組成物は、−30℃以下の温度で、再凍結及び貯蔵される。
実施形態によっては、ウイルス組成物は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20回、解凍、貯蔵、及び再凍結される(すなわち、凍結/融解サイクルに供される)。実施形態によっては、ウイルス組成物は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20回、解凍、貯蔵、及び再凍結される(すなわち、凍結/融解サイクルに供される)。
別の実施形態において、タンパク質は、部分加水分解ゼラチン(PHG)又はヒト血清アルブミンである。実施形態によっては、PHGの濃度は、0.01%〜1%(w/v)である。1つの実施形態において、部分加水分解ゼラチンは、ブタのものである。実施形態によっては、PHGの濃度は、0.01%〜4%、0.1%〜4%、0.1%〜3.5%、0.1%〜3%、0.1%〜2.5%、0.1%〜2%、0.1%〜1.5%、0.01%〜1%、0.1%〜1%、0.2%〜1%、0.3%〜1%、0.4%〜1%、0.3%〜0.9%、0.3%〜0.8%、0.3%〜0.7%、0.3%〜0.6%、又は0.4%〜0.6%(w/v)である。実施形態によっては、PHGの濃度は、約0.01%〜約4%、約0.1%〜約4%、約0.1%〜約3.5%、約0.1%〜約3%、約0.1%〜約2.5%、約0.1%〜約2%、約0.1%〜約1.5%、約0.01%〜約1%、約0.1%〜約1%、約0.2%〜約1%、約0.3%〜約1%、約0.4%〜約1%、約0.3%〜約0.9%、約0.3%〜約0.8%、約0.3%〜約0.7%、約0.3%〜約0.6%、又は約0.4%〜約0.6%(w/v)である。他の実施形態において、PHGの濃度は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、又は約4%(w/v)である。他の実施形態において、PHGの濃度は、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、又は4%(w/v)である。特定の実施形態において、PHGの濃度は、約0.5%(w/v)である。さらに別の実施形態において、PHGの濃度は、0.5%(w/v)である。別の特定の実施形態において、ブタPHGの濃度は、約0.5%(w/v)である。さらに別の実施形態において、ブタPHGの濃度は、0.5%(w/v)である。タンパク質がヒト血清アルブミンである実施形態において、ヒト血清アルブミンの濃度は、約0.25%〜約4%、約0.25%〜約3.5%、約0.25%〜約3%、約0.25%〜約2.5%、約0.25%〜約2%、約0.25%〜約1.5%、又は約0.25%〜約1%(w/v)である。タンパク質がヒト血清アルブミンである他の実施形態において、ヒト血清アルブミンの濃度は、0.25%〜4%、0.25%〜3.5%、0.25%〜3%、0.25%〜2.5%、0.25%〜2%、0.25%〜1.5%、又は0.25%〜1%(w/v)。
別の実施形態において、少なくとも1種類の糖は、ソルビトール、ミオイノシトール、又はスクロースである。実施形態によっては、ソルビトールの濃度は、2%(w/v)である。他の実施形態において、ソルビトールの濃度は、約2%(w/v)である。他の実施形態において、ソルビトールの濃度は、約0.5%、約1%、約1.5%、約1.6%、約1.7%、約1.8%、約1.9%、約2%、約2.1%、約2.2%、約2.3%、約2.4%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、又は約5%(w/v)である。他の実施形態において、ソルビトールの濃度は、0.5%、1%、1.5%、1.65、1.7%、1.8%、1.9%、2%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、又は5%(w/v)である。他の実施形態において、ソルビトールの濃度は、約0.01%〜約5%、約0.1%〜約5%、約0.5%〜約5%、約0.5%〜約4%、約0.5%〜約3%、約1%〜約3%、約1.5%〜約2.5%、約1.6%〜約2.4%、約1.7%〜約2.3%、約1.8%〜約2.2%、又は約1.9%〜約2.1%(w/v)である。他の実施形態において、ソルビトールの濃度は、0.01%〜5%、0.1%〜5%、0.5%〜5%、0.5%〜4%、0.5%〜3%、1%〜3%、1.5%〜2.5%、1.6%〜2.4%、1.7%〜2.3%、1.8%〜2.2%、又は1.9%〜2.1%(w/v)である。少なくとも1種類の糖がミオイノシトールである実施形態において、ミオイノシトールの濃度は、4%(w/v)である。別の実施形態において、ミオイノシトールの濃度は、約4%(w/v)である。少なくとも1種類の糖がスクロースである実施形態において、スクロースの濃度は、9%(w/v)〜15%(w/v)である。別の実施形態において、スクロースの濃度は、約9%(w/v)〜約15%(w/v)。
1つの実施形態において、塩化ナトリウムの濃度は、145mMである。別の実施形態において、塩化ナトリウムの濃度は、約145mMである。実施形態によっては、塩化ナトリウムの濃度は、10〜500mM、10〜300mM、50〜300mM、50〜250mM、100〜250mM、100〜200mM、100〜190mM、100〜180mM、110〜180mM、120〜180mM、120〜170mM、130〜170mM、130〜160mM、140〜160mM、又は140〜150mMである。実施形態によっては、塩化ナトリウムの濃度は、約10〜約500mM、約10〜約300mM、約50〜約300mM、約50〜約250mM、約100〜約250mM、約100〜約200mM、約100〜約190mM、約100〜約180mM、約110〜約180mM、約120〜約180mM、約120〜約170mM、約130〜約170mM、約130〜約160mM、約140〜約160mM、又は約140〜約150mMである。実施形態によっては、塩化ナトリウムの濃度は、135mM、136mM、137mM、138mM、139mM、140mM、141mM、142mM、143mM、144mM、145mM、146mM、147mM、148mM、149mM、150mM、151mM、152mM、153mM、154mM、又は155mMである。実施形態によっては、塩化ナトリウムの濃度は、約135mM、約136mM、約137mM、約138mM、約139mM、約140mM、約141mM、約142mM、約143mM、約144mM、約145mM、約146mM、約147mM、約148mM、約149mM、約150mM、約151mM、約152mM、約153mM、約154mM、又は約155mMである。
1つの実施形態において、リン酸ナトリウムの濃度は、100mMである。別の実施形態において、リン酸ナトリウムの濃度は、約100mMである。別の実施形態において、リン酸ナトリウムの濃度は、102mMである。さらに別の実施形態において、リン酸ナトリウムの濃度は、約102mMである。実施形態によっては、リン酸ナトリウムの濃度は、10〜500mM、10〜300mM、50〜300mM、50〜250mM、50〜150mM、60〜140mM、70〜130mM、80〜120mM、90〜110mM、91〜109mM、92〜108mM、93〜107mM、94〜106mM、95〜105mM、96〜104mM、97〜103mM、98〜102mM、又は99〜101mMである。実施形態によっては、リン酸ナトリウムの濃度は、約10〜約500mM、約10〜約300mM、約50〜約300mM、約50〜約250mM、約50〜約150mM、約60〜約140mM、約70〜約130mM、約80〜約120mM、約90〜約110mM、約91〜約109mM、約92〜約108mM、約93〜約107mM、約94〜約106mM、約95〜約105mM、約96〜約104mM、約97〜約103mM、約98〜約102mM、又は約99〜約101mMである。実施形態によっては、リン酸ナトリウムの濃度は、90mM、91mM、92mM、93mM、94mM、95mM、96mM、97mM、98mM、99mM、100mM、101mM、102mM、103mM、104mM、105mM、106mM、107mM、108mM、109mM、又は110mMである。実施形態によっては、リン酸ナトリウムの濃度は、約90mM、約91mM、約92mM、約93mM、約94mM、約95mM、約96mM、約97mM、約98mM、約99mM、約100mM、約101mM、約102mM、約103mM、約104mM、約105mM、約106mM、約107mM、約108mM、約109mM、又は約110mMである。
特定の実施形態において、本発明は、単純ヘルペスウイルス、部分加水分解ゼラチン、ソルビトール、塩化ナトリウム、及びpH7〜8又はpH7.4のリン酸ナトリウムを含む組成物を提供する。別の実施形態において、組成物は、単純ヘルペスウイルス1型、部分加水分解ブタゼラチン、ソルビトール、塩化ナトリウム、及びpH7〜8又はpH7.4のリン酸ナトリウムを含む。別の実施形態において、組成物は、単純ヘルペスウイルス1型、濃度約0.5%(w/v)の部分加水分解ブタゼラチン、濃度約2%(w/v)のソルビトール、濃度約145mMの塩化ナトリウム、及び濃度約100mMのリン酸ナトリウムを、pH7〜8で、含む。別の実施形態において、組成物は、単純ヘルペスウイルス1型、濃度約0.5%(w/v)の部分加水分解ブタゼラチン、濃度約2%(w/v)のソルビトール、濃度約145mMの塩化ナトリウム、及び濃度約102mMのリン酸ナトリウムを、pH7〜8で、含む。別の実施形態において、組成物は、単純ヘルペスウイルス1型、濃度約0.5%(w/v)の部分加水分解ブタゼラチン、濃度約2%(w/v)のソルビトール、濃度約145mMの塩化ナトリウム、及び濃度約100mMの約pH7.4のリン酸ナトリウムを含む。別の実施形態において、組成物は、単純ヘルペスウイルス1型、濃度約0.5%(w/v)の部分加水分解ブタゼラチン、濃度約2%(w/v)のソルビトール、濃度約145mMの塩化ナトリウム、及び濃度約102mMの約pH7.4のリン酸ナトリウムを含む。別の実施形態において、組成物は、単純ヘルペスウイルス1型、濃度約0.5%(w/v)の部分加水分解ブタゼラチン、濃度2%(w/v)のソルビトール、濃度145mMの塩化ナトリウム、及び濃度100mMのpH7.4のリン酸ナトリウムを含む。別の実施形態において、組成物は、単純ヘルペスウイルス1型、濃度0.5%(w/v)の部分加水分解ブタゼラチン、濃度2%(w/v)のソルビトール、濃度145mMの塩化ナトリウム、及び濃度102mMのpH7.4のリン酸ナトリウムを含む。上記の実施形態において、単純ヘルペスウイルス1型は、talimogene laherparepvecの場合がある。
本明細書中使用される場合、「約」という用語は、示される値から5%の変分があることを示すか、又はある範囲の値の場合は、その範囲の下限及び上限の両方から5%の変分があることを意味する。
1つの実施形態において、生ウイルス組成物の感染力は、同じ生ウイルス組成物からタンパク質を除いたものと比較して、上昇している。ウイルス感染力(力価)は、本明細書中記載されるものなどのプラークアッセイをはじめとする、当業者に既知の方法により測定することができる。
本発明のウイルスは、単純ヘルペスウイルス1型(HSV1)又は単純ヘルペス2型(HSV2)株に由来する場合も、それらの誘導株に由来する場合もあるが、好ましくはHSV1に由来する。誘導株として、HSV1株及びHSV2株由来のDNAを含有するタイプ間組換え株が挙げられる。そのようなタイプ間組換え株は、例えば、Thompson et al., (1998) Virus Genes 1(3); 275 286、及びMeignier et al., (1998) J. Infect. Dis. 159; 602 614に記載されている。
単純ヘルペスウイルス株は、臨床分離株に由来する場合がある。そのような株は、感染した個体、例えば再発性口唇ヘルペスの個体などから単離される。臨床分離株は、米国特許第7,063,835号及び米国特許第7,223,593号に記載されるとおり、所望の能力又は特性について、例えば、標準の実験室株と比較してin vitro及び/又はin vivoで腫瘍及び/又は他の細胞中での複製が向上しているかどうかでスクリーニングされる場合がある。これらの特許はそれぞれ、そのまま全体が参照として援用される。1つの実施形態において、単純ヘルペスウイルスは、再発性口唇ヘルペスに由来する臨床分離株である。
単純ヘルペスウイルス1型ウイルス株として、JS1株、17+株、F株、及びKOS株、Patton株が挙げられるが、これらに限定されない。
単純ヘルペスウイルスは、例えば、それらの前駆体株と比較して、修飾されたウイルスが1つ又は複数の機能的ウイルス遺伝子を欠くように修飾される場合がある。本明細書中使用される場合、「機能的ウイルス遺伝子を欠いた」は、単純ヘルペスウイルスにより機能的ウイルスタンパク質がその遺伝子から発現されることが二度とないように、遺伝子(複数可)が、単純ヘルペスゲノムにおいて部分的又は完全に、消去、置換、再編、又はいずれにしろ改変されることを意味する。
修飾可能な遺伝子の例として、ICP34.5(γ34.5)などのタンパク質をコードする病原性遺伝子が挙げられる。ICP34.5は、HSV感染中に病原性因子として作用し、非分裂細胞での複製を制限し、ウイルスを非病原性にする。修飾可能な別のウイルス遺伝子は、ICP47をコードする遺伝子であり、ICP47は、感染した宿主細胞の表面での主要組織適合遺伝子複合体クラスIの発現を下方制御し、抗原ペプチド輸送体(TAP)と結合して、小胞体での抗原ペプチド輸送及びMHCクラスI分子の担持をブロックする。その他にICP6があるが、これは、リボヌクレオチドレダクターゼの巨大サブユニットであり、非分裂細胞でのヌクレオチド代謝及びウイルスDNA合成に関与するが、分裂細胞では関与しない。アシクロビルからモノリン酸アシクロビルへのホスホリル化に関与するチミジンキナーゼ、ビリオントランス活性化因子タンパク質vmw65、糖タンパク質H、vhs、ICP43、ならびにICP4、ICP27、ICP22、及び/又はICP0をコードする中間初期遺伝子も、修飾される場合がある。
修飾は、単純ヘルペスウイルス遺伝子の発現のタイミングを改変するようになされる場合もある。例えば、Us11は、Us11遺伝子をUs12プロモーター下に配置することにより、初期遺伝子として発現させることができる。Mulvey et al. (1999) J Virology, 73:4, 3375−3385、米国特許番号US5824318、Mohr & Gluzman(1996) EMBO 15: 4759−4766。
修飾単純ヘルペスウイルスの例として、HSVゲノムの長反復領域のBamHI s断片の各コピー(0〜0−02及び0−81〜0.83マップ単位)内に位置する759bpの欠失、「a」配列の18bpのDR〜エレメントの1つの完全コピーの除去、及び最初期(1E)遺伝子1の5’末端からll05bp上流での終了を有する単純ヘルペスウイルス1型のSeprehvir(商標)(HSV1716)17+株が挙げられるが、これらに限定されない。MacLean et al., (1991) Journal of General Virology 79:631−639)を参照。
G207は、野生型HSV−1のF株に由来する腫瘍溶解性HSV−1であり、HSV神経毒性の主要決定因子、ICP34.5遺伝子の両コピー中の欠失、ならびに感染細胞タンパク質6(ICP6)をコードするUL39へのE.coliのlacZ遺伝子の不活性化挿入、を有する。Mineta et al. (1995) Nat Med. 1:938−943を参照。
OrienX010は、γ34.5の両コピー及びICP47遺伝子の欠失ならびにICP6遺伝子の中断及びヒトGM−CSF遺伝子の挿入を持つ単純ヘルペスウイルスである。Liu et al., (2013) World Journal of Gastroenterology 19(31):5138−5143を参照。
NV1020は、ICP34.5の1つのコピー、UL24、及びUL56.34、35を含む、長(L)領域及び短(S)領域の接続領域が除去された、単純ヘルペスウイルスである。除去された領域は、HSV−2のUSのDNA(US2、US3(PK)、gJ、及びgG)の断片で置き換えられた。Todo, et al. (2001) Proc Natl Acad Sci USA. 98:6396−6401を参照。
M032は、ICP34.5遺伝子の両方のコピーの除去及びインターロイキン12の挿入がある単純ヘルペスウイルスである。Cassady and Ness Parker, (2010) The Open Virology Journal 4:103−108を参照。
talimogene laherparepvecは、臨床株、HSV−1のJS1株に由来し、欧州培養細胞保存機関(ECAAC)に受入番号01010209で寄託されている。talimogene laherparepvecでは、ICP34.5及びICP47をコードするHSV−1ウイルス遺伝子が、機能的に除去されている。ICP47の機能的除去は、腫瘍選択性を低下させることなく、腫瘍細胞でのウイルス成長を促進する遺伝子であるUS11のより早い発現を招く。ヒトGM−CSFのコード配列がウイルスゲノムに挿入されている。Liu et al., Gene Ther 10:292−303, 2003を参照。
ImmunoVEX HSV2は、vhs、ICP47、ICP34.5、UL43、及びUS5をコードする遺伝子が機能的に除去された単純ヘルペスウイルス(HSV−2)である。
OncoVEXGALV/CD、もまたHSV−1のJS1株に由来し、これは、ICP34.5及びICP47をコードする遺伝子が機能的に除去されており、シトシンデアミナーゼ及びテナガザル白血病膜融合糖タンパク質をコードする遺伝子がICP34.5遺伝子の代わりにウイルスゲノムに挿入されている。
修飾単純ヘルペスウイルスのさらなる例として、NSC−733972、HF−10、BV−2711、JX−594、Myb34.5、AE−618、Brainwel(商標)、及びHeapwel(商標)が挙げられる。
ヘルペスウイルス株及びそのような株の作り方は、米国特許番号US5824318;US6764675;US6,770,274;US7,063,835;US7,223,593;US7749745;US7744899;US8273568;US8420071;US8470577;WIPO公開番号:WO199600007;WO199639841;WO199907394;WO200054795;WO2006002394;WO201306795;中国特許番号:CN128303,CN10230334,及びCN10230335;Varghese and Rabkin, (2002) Cancer Gene Therapy 9:967−97ならびにCassady and Ness Parker, (2010) The Open Virology Journal 4:103−108にも記載されている。
本発明の単純ヘルペスウイルスは、1つ又は複数の異種遺伝子も含む場合がある。異種遺伝子とは、ウイルスのゲノムに導入される遺伝子であって、通常はそのウイルスのゲノムで見つからない遺伝子又は異なる種由来のウイルスで発現する遺伝子の相同体であり、異なる核酸配列を有しており、異なる生化学機構を介して作用するものを示す。異種遺伝子は、1つ又は複数のタンパク質、例えば、サイトトキシン、免疫調節タンパク質(すなわち、抗原に対する宿主の免疫応答を増強又は抑制するタンパク質)、腫瘍抗原、プロドラッグ活性化因子、腫瘍抑制因子、プロドラッグ変換酵素、細胞同士の融合を引き起こすことができるタンパク質、TAP阻害因子、アンチセンスRNA分子、又はリボザイムをコードする場合がある。免疫調節タンパク質の例として、例えば、サイトカインが挙げられる。サイトカインとして、インターロイキン、例えばIL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−20;α、β、もしくはγ−インターフェロン、腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)、CD40L、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、及び顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、ケモカイン(好中球活性化タンパク質(NAP)、マクロファージ走化性因子及び活性化因子(MCAF)、RANTES、ならびにマクロファージ炎症性ペプチドMIP−1a及びMIP−1bなど)、補体成分及びそれらの受容体、免疫系アクセサリー分子(例えば、B7.1及びB7.2)、接着分子(例えば、ICAM−1、2、及び3)、ならびに接着受容体分子が挙げられる。腫瘍抗原として、ヒトパピローマウイルスのE6抗原及びE7抗原、EBV由来タンパク質、MUC1などのムチン、黒色腫チロシナーゼ、及びMZ2−Eが挙げられる。プロドラッグ活性化因子として、ニトロレダクターゼ及びシトクロムp450が挙げられ、腫瘍抑制因子として、p53が挙げられる。プロドラッグ変換酵素として、シトシンデアミナーゼが挙げられる。細胞同士の融合を引き起こすことができるタンパク質として、テナガザル白血病膜融合糖タンパク質が挙げられる。TAP阻害因子として、ウシヘルペスウイルス(BHV)UL49.5ポリペプチドが挙げられる。細胞又は病原体mRNAの発現をブロックするのに使用可能なアンチセンスRNA分子。欠損細胞RNAを修復する、又は望ましくない細胞もしくは病原体にコードされたRNAを破壊するように設計されたリボザイム(例えば、ハンマーヘッド型又はヘアピン系リボザイム)であることが可能なRNA分子。
同じく含まれるものとして、複数のウイルス遺伝子の単純ヘルペスゲノムへの挿入、例えばウイルスタンパク質Us11をコードする遺伝子のコピーを1つ又は複数挿入することがある。
本発明の生ウイルス組成物は、ヒト又は動物の治療方法に使用される場合がある。詳細には、本発明の生ウイルス組成物は、癌治療方法に使用される場合がある。
本発明の生ウイルス組成物は、様々な腫瘍及び癌の治療に使用することができる。本発明はまた、腫瘍の治療を必要としている患者で、その個体に有効量の生ウイルス組成物を投与することにより腫瘍を治療する方法も提供する。本明細書中使用される場合、「患者」又は「対象」という用語は、同義で使用されて哺乳類を意味し、哺乳類として、ヒト又は非ヒト哺乳類、例えば、ウシ、ウマ、イヌ、ヒツジ、又はネコが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、患者は、ヒトである。
本発明の生ウイルス組成物は、患者の任意の固形腫瘍の治療に使用することができる。例えば、本発明の生ウイルス組成物は、前立腺癌、乳癌、肺癌、肝臓癌、腎細胞癌、子宮内膜癌、膀胱癌、結腸癌、もしくは子宮頸癌;腺癌;黒色腫;リンパ腫;神経膠腫;軟部組織及び骨肉腫などの肉腫;又は頭頚部癌、及び好ましくは膀胱癌の患者に投与することができる。
本発明の生ウイルス組成物は、全ての種類の癌、新生物、又は悪性腫瘍を含む患者の癌の治療に使用することができ、そのような癌として、白血病、細胞腫、及び肉腫が挙げられる。癌の例として、乳癌、脳癌、子宮頸癌、結腸癌、頭頚部癌、肝臓、腎臓癌、肺癌、非小細胞肺癌、黒色腫、中皮腫、卵巣癌、肉腫、胃癌、子宮癌、及び髄芽細胞腫が挙げられる。同じく、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、卵巣癌、横紋筋肉腫、原発性血小板増加症、原発性マクログロブリン血症、原発性脳腫瘍、悪性膵インスリノーマ、悪性カルチノイド、膀胱癌、前悪性皮膚病変、精巣癌、リンパ腫、甲状腺癌、神経芽細胞腫、食道癌、泌尿生殖器癌、悪性高カルシウム血症、子宮内膜癌、副腎皮質癌、膵内分泌及び外分泌新生物、ならびに前立腺癌。
ある特定の実施形態において、本明細書中提供される本発明の生ウイルス組成物は、星状細胞腫、乏突起膠腫、髄膜腫、神経線維腫、神経膠芽腫、上衣腫、シュワン細胞腫、神経線維肉腫、髄芽細胞腫、黒色腫細胞、膵臓癌細胞、前立腺癌細胞、乳癌細胞、肺癌細胞、結腸癌細胞、肝癌細胞、中皮腫、及び類表皮癌細胞からなる群より選択される腫瘍細胞を殺傷するのに有用である。
本発明の生ウイルス組成物は、他の治療手法と組み合わせて使用することも可能であり、そのような手法として、制限なく、放射線、化学療法、温熱療法、治療タンパク質、及び手術が挙げられる。生ウイルス組成物は、その他の治療手法の前、同時、又は後に投与することができる。
治療タンパク質として、免疫チェックポイント阻害剤が挙げられる。本明細書中使用される場合、「免疫チェックポイント阻害剤」という用語は、1種又は複数のチェックポイントタンパク質を、完全又は部分的に、減少、阻害、干渉、又は調節する分子を示す。
チェックポイントタンパク質は、T細胞活性化又は機能を調節する。多数のチェックポイントタンパク質が知られており、例えば、CTLA−4及びそのリガンドであるCD80及びCD86;ならびにPD1とそのリガンドPDL1及びPDL2がある。これらのタンパク質は、T細胞反応の同時刺激又は阻害相互作用を担当する。免疫チェックポイントタンパク質は、自己寛容ならびに生理学的免疫応答の期間及び幅を調節及び維持する。免疫チェックポイント阻害剤は、抗体を含むか、抗体に由来する。
チェックポイント阻害剤として、細胞障害性Tリンパ球抗原4(CTLA−4)阻害因子が挙げられる。CTLA−4の阻害因子として、トレメリムマブ、イピリムマブ(10D1、MDX−D010としても知られ、Yervoy(商標)の名前で市販されている)、ならびに米国特許番号第:5,811,097;5,811,097;5,855,887;6,051,227;6,207,157;6,682,736;6,984,720;及び7,605,238号に記載される抗CTLA−4抗体が挙げられる。
他の免疫チェックポイントタンパク質として、プログラム細胞死1(PD−1)ならびにプログラム細胞死リガンド1及び2(PDL1)(PDL2)が挙げられる。PD1ならびにPDL1及びPDL2を阻害する分子の例として、ニボルマブ(MDX1106、BMS936558、ONO4538)、PD−1と結合しそのリガンドPD−L1及びPD−L2によるPD−1の活性化をブロックする全ヒトIgG4抗体;キイトルーダ(商標)として市販されているペムブロリズマブ(ランブロリズマブ、MK−3475、又はSCH900475);MPDL3280A、遺伝子改変抗PDL1抗体(アテゾリズマブ);CT−011;AMP−224;BMS−936559(MDX−1105−01)、ならびに米国特許番号第7,488,802号;同7,943,743号;同8,008,449号;同8,168,757号;同8,217,149号,及びPCT公開特許出願番号第:W003042402、WO2008156712、W02010089411、W02010036959、WO2011066342、WO2011159877、WO2011082400、及びWO2011161699に記載されるものが挙げられる。
他の免疫チェックポイント阻害剤として、リンパ球活性化遺伝子−3(LAG−3)阻害因子、例えばIMP321など、可溶性Ig融合タンパク質;B7阻害因子、例えば抗B7−H3抗体MGA271などが挙げられる。同じく挙げられるのは、TIM3(T細胞免疫グロブリンドメイン及びムチンドメイン3)阻害因子である。
医師は、投薬量が所望の効果を達成するものに到達するまで、生ウイルス組成物を投与することができる。したがって、組成物は、直接注射又は他の適切な投与様式により、単回用量として投与される場合も、経時的に2回以上の用量(各用量は、所望の分子を同量で含んでも含まなくてもよい)として投与される場合もある。本発明の生ウイルス組成物は、例えば、1回又は複数回、例えば、ある期間にわたり定期的に投与される場合がある。一般に、本発明の生ウイルス組成物は、患者が、選択した1つ又は複数の指標についてベースラインを超える医療上関連する度合いの改善を表すまで投与することができる。
1つの実施形態において、生ワクチン組成物は、talimogene laherparepvecを含む。組成物は、第1週の1日目に上限4.0mlの10プラーク形成単位/mL(PFU/mL)の用量で、続いて第4週の1日目及びその後2週間(±3日)ごとに上限4.0mlの10PFU/mLの用量で、腫瘍内注射により、注射可能な皮膚、皮下、及び結節腫瘍へと投与される。腫瘍(複数可)に注射されるtalimogene laherparepvecの推奨量は、腫瘍(複数可)の大きさに依存する。全ての合理的に注射可能な病変(超音波誘導の有無に関わらず注射可能な皮膚、皮下、及び結節疾患)に、個々の投薬場面で利用可能な最大投薬量が注射されるべきである。各治療日において、注射の優先順位付けは、以下のとおりに推奨される:最後の注射以降に出現したあらゆる新規の注射可能な腫瘍;腫瘍の大きさによる、最大の腫瘍から開始する;以前は注射不可能であったが現在注射可能なあらゆる腫瘍(複数可)。
本明細書中特に記載がない限り、本発明に関して使用される科学用語及び技術用語は、当業者により一般的に理解される意味を有するものとする。さらに、文脈から要求されない限り、単数形の用語は、複数形も含むものとし、複数形の用語は、単数形も含むものとする。一般に、本明細書中記載される、細胞及び組織培養、分子生物学、免疫学、微生物学、遺伝学、ならびにタンパク質及び核酸の化学及びハイブリダイゼーションに関して使用される命名法及びそれらの技術は、当該分野で周知でありかつ一般的に使用されるものである。本発明の方法及び技法は、特に記載がない限り、一般に、当該分野で周知の従来方法に従って、ならびに本明細書全体を通じて引用及び記載される様々な一般参照及びより具体的な参照に記載されるとおりに行われる。特定される全ての特許及び他の公報は、そのまま全体が参照として本明細書中明白に援用される。
実施例1
腫瘍溶解性ウイルスとともに使用するための、ブタ部分加水分解ゼラチン(phゼラチン)を含有する配合物を開発した。この配合物は、凍結条件下での長期貯蔵、複数回の凍結/融解サイクル、ならびに2〜8℃及び25℃での液体貯蔵中の、感染力の低下から腫瘍溶解性ウイルスを保護する。また、配合物は、phゼラチンを含まない配合物と比較して、肉眼視できる粒子及び肉眼視できない粒子両方の形成を減少させた。この配合物は、製造、梱包、及びラベリング中、phゼラチンを含まない配合物に勝る利点を提供し、医療提供者の利便性及び柔軟性を大きく上昇させる。
試料調製
この実施例では、腫瘍溶解性単純ヘルペスウイルス(HSV−1)talimogene laherparepvec(Lui et al., (2003) Gene Therapy, 10:292−303)を、10PFU/mL及び10PFU/mLの濃度で使用した。ウイルス濃度が10PFU/mLの場合、濃厚賦形剤原液(すなわち10〜20%w/vのphゼラチン又は組換えHSA)を、所望の最終賦形剤濃度を達成する体積で加えることにより、試料を調製した。腫瘍溶解性HSV−1濃度が10PFU/mLの場合、10PFU/mL材料を所望の緩衝液に単純希釈することにより、試料を調製した。腫瘍溶解性HSV−1濃度が10PFU/mLの場合、濃厚賦形剤原液及び緩衝液を濃厚腫瘍溶解性HSV−1溶液に加えることにより、試料を調製した。試料は、FluoroTec(登録商標)コーティングしたクロロブチルエラストマー栓(West Pharmaceuticals Inc.Exton.PA)の付いたすぐに使用できる2cc crystal zenith樹脂バイアル(West)に入れて、Flip−off(登録商標)TruEdge(登録商標)シール(West)で密閉した。
プラークアッセイ
試験試料を感受性指標細胞に漸増添加し、細胞変性効果(CPE)を観察し、その後のプラーク形成単位(PFU)を計数する(検出限度≧2.08Log10PFU/mL)ことにより、感染性腫瘍溶解性HSV−1の量を定量した。
簡単に述べると、L−グルタミン(Life Technologies、Carlsbad、CA)、10%ウシ胎児血清(Thermo−Fisher、Waltham、MA)、ならびに抗生物質ストレプトマイシン及びペニシリン(Life Technologies、Carlsbad、CA)を補充したDMEM(Life Technologies、Carlsbad、CA)中で、BHK(ベビーハムスター腎臓;ATCC、Manassas、VA)細胞を増殖させた。試験の1日前に、BHK細胞を12ウェルプレートに播種した。試験試料は、系列希釈して、単層の感染に使用した。ウイルスを吸着させるための最初のインキュベーション期間後、カルボキシメチルセルロース(CMC)を含有するオーバーレイ培地及び増殖培地で細胞を覆い、37℃及び5%CO2で72時間インキュベートした。続いて、接種菌液を吸引し、PBS洗浄してから、細胞を0.01%グルタルアルデヒド溶液(Sigma−Aldrich、St Louis、MO)で固定した。次いで、細胞を2%クリスタルバイオレット溶液(Sigma−Aldrich)で染色して、プラークを可視化した。ウイルス力価を求めるため、試験試料の各希釈液について形成されたプラークを計数し、試験した2つ組の平均から最終力価を求めた(Log10PFU/mL)。
肉眼視できない粒子の分析
肉眼視できない粒子は、2つの技法により観測した:光遮断法(HIAC)及びマイクロフローイメージング(MFI)。
HIAC
肉眼視できない粒子を、Ryco HIACパーティクルカウンター(Beckman Coulter、Brea、CA)を用いて光遮断法により観測した。15ミクロン粒子計数標準試料(Duke Scientific、Thermo Fisher Scientific、Waltham、MA)を分析してから、試料を試験した。肉眼視できない粒子の計数は、0.2mLの注入量で4回行った。最後の3回の読みを平均し、mLあたりの累積数として記録した。
MFI
肉眼視できない粒子の分析を、100μmシランコートフローセルを備えたマイクロフローイメージング(MFI)装置(4200 Protein Simple、Santa Clara、CA)で行った。各測定前に、システムに水を流して照明を最適化し、欠点のないベースラインにした。各試料について、合計1mLを流速0.2mL/分でセルにポンプで送りこんだ。最初の0.35mLは、フローセルをパージするのに使用し、残りの0.65mLを分析した。≧2μmの粒子の合計数を記録した。
凍結融解安定性
1回及び5回の凍結/融解サイクル後にウイルス感染力を試験することにより、複数の要因をスクリーニングした。
緩衝液及び塩
リン酸ナトリウムは、凍結状態では結晶化し、凍結状態のpHの大幅な低下を招くことが知られている。対して、リン酸カリウムは結晶化しない。
配合:2%(w/v)ソルビトール、4%(w/v)ミオイノシトール、145mMのNaCl、及び100mMのリン酸ナトリウム、pH7.4、対照として使用。対照配合を修飾して、リン酸ナトリウム濃度を100mMから10mMへと下げるか、10又は100mMのリン酸カリウムに置き換えた。NaCl濃度を73mMに下げるか又は完全に除去した配合も試験した。表1を参照。
Figure 2018502078
試料を10PFU/mlで調製した。感染力(力価)を、上記のとおりプラークアッセイにより求めた。試料を少なくとも1日間−70℃で凍結に供し、次いで室温で2時間以内で解凍した。解凍した試料を再び少なくとも1日間−70℃で凍結に供し、次いで室温で2時間以内で解凍し、毎回この凍結/融解サイクルを行った(1回又は合計で5回のサイクル)。
リン酸ナトリウムを減らす又はリン酸カリウムに置き換えると、感染力の低下が、凍結/融解サイクル後に依然として見られ、これらのどちらも、対照に勝るどのような利点も提供しないと見なされた。同様に、NaCl濃度の低下は、対照と比較して、凍結/融解サイクル中のウイルスの安定性に何の効果も有さなかった。(図1)。
糖類
糖類は、凍結防止賦形剤として一般的に使用されるので、凍結/融解サイクル中の腫瘍溶解性HSV−1安定性に対する糖類の効果について、様々な糖をある範囲の濃度で試験した。
対照配合を修飾して、ミオイノシトールを除外し、ソルビトールを9%又は15%(w/v)いずれかに増加させた。試料の第二群では、対照配合を修飾して、ミオイノシトール及びソルビトールの両方を除外し、9%又は15%トレハロース(w/v)あるいは9又は15%スクロース(w/v)に置き換えた。表2を参照。
Figure 2018502078
試料を10PFU/mlで調製した。試料を、上記のとおり1回又は5回の凍結融解サイクルに供した。感染力(力価)を、プラークアッセイにより求めた。
9%及び15%ソルビトールを含む配合物は、腫瘍溶解性HSV−1安定性に大幅な上昇をもたらしつつ、5回の凍結/融解サイクル後の感染力に変化はなかった。同様に、スクロースを15%ならびにトレハロースを9%及び15%含む配合物は、凍結/融解ストレスに対する保護を提供した。スクロースを9%含む配合物は、凍結/融解ストレスに対する保護を提供しなかった。(図2A及び図2B)。
糖類及びタンパク質
次いで、高糖含量と安定化タンパク質の組み合わせを、凍結/融解中の腫瘍溶解性HSV−1安定性に対する効果について試験した。対照配合を、ミオイノシトール及びソルビトールを除外し、9%スクロース(w/v)及び2%(w/v)抗ストレプトアビジンmAb(施設内製造)又は2%ブタ部分加水分解ゼラチン(phゼラチン)(w/v)(Gelita、Sergeant Bluff、IA)に置き換えた。実験の第二セットでは、対照配合を維持したまま、4%phゼラチン(w/v)又は4%組換えヒト血清アルブミン(rHSA)(Novozymes、Franklinton、NC)(w/v)を加えた。表3を参照。
試料を10PFU/mlで調製した。試料を、1回又は5回の凍結融解サイクルに供した。感染力(力価)を、プラークアッセイにより求めた。
Figure 2018502078
安定化タンパク質rHSA、phゼラチン、又は抗ストレプトアビジンmAbの添加は、凍結/融解ストレスに対する保護を提供しつつ、5回の凍結/融解サイクル後の感染力に低下はなかった。9%(w/v)スクロース、又は2%(w/v)ソルビトール及び4%(w/v)ミオイノシトールの対照組み合わせの存在下、phゼラチンも凍結/融解ストレスに対する保護に同等に有効であった。図3を参照。
凍結/融解安定性は、糖濃度を上昇させることにより、又は安定化タンパク質を加えることにより、改善された。腫瘍溶解性HSV−1は、試験した全ての配合物で感染力を低下させることなく5回の凍結/融解サイクルに耐えた。このことは、3種のまったく異なるタンパク質が凍結/融解ストレスに対する保護を提供できることを実証する。3種のタンパク質のうち、rHSA及びphゼラチンが最善の安定性を提供し、しかもこれらは治療用配合物での使用が承認されていることから、これらをその後の試験に選択した。
液体貯蔵
凍結/融解ストレスに対する保護となったこれら糖類及びタンパク質を、2〜8℃及び25℃での腫瘍溶解性HSV−1液体安定性に対する効果について試験した。実験の1つの組では、対照配合を修飾して、ソルビトール及びミオイノシトールを、15%トレハロース、15%スクロース、又は9%ソルビトール、及び2%rHSAに置き換えた。実験の別の組では、対照配合は維持して、2%rHSA又は2%phゼラチンを加えた。表4を参照。
Figure 2018502078
試料を、試験配合物に10PFU/mLで希釈し、−70℃で少なくとも1日間凍結させ、次いで2〜8℃又は25℃で貯蔵することにより調製した。それより高温では、腫瘍溶解性HSV−1は安定性の低下を示すので、試料を、2〜8℃に14日間及び25℃に3日間維持して、配合物間の違いを検出した。感染力(力価)を、プラークアッセイにより求めた。
ソルビトール及びミオイノシトールを15%トレハロースに置き換えると、2〜8℃でも25℃でも液体貯蔵中の腫瘍溶解性HSV−1を安定化しなかった。15%スクロースに置き換えると、一貫性のない結果が得られ、いくらかの安定性が25℃で観測されたが、2〜8℃では観測されなかった。対照的に、2%rHSA又は2%phゼラチンを加えると、2%ソルビトール+4%ミオイノシトール又は9%スクロースいずれかの存在下、両方の温度で液体貯蔵中の良好な安定性が提供された。図4A及び図4Bを参照。
まとめると、安定化タンパク質(phゼラチン又はrHSAいずれか)の添加は、凍結/融解及び液体貯蔵中の安定性の改善をもたらした。糖含量を修飾することで、凍結/融解中のさらなる安定性がもたらされたが、液体貯蔵中については比較的効果が小さかった。したがって、安定化タンパク質の様々なレベル及び種類の効果にさらに集中した。
実施例2
タンパク質濃度
凍結/融解及び液体安定性を合わせて改善することは、製造、梱包、及びラベリングに実質的な利点をもたらすだろう。2〜8℃で貯蔵できる能力は、医療提供者に、大きく改善された柔軟性及び利便性を提供するだろう。
対照配合は維持したまま、1%、2%、もしくは4%phゼラチン、又は1%、2%、もしくは4%rHSAを加えた。試料を10PFU/mlで調製した。感染力(力価)を、上記のとおりプラークアッセイにより求めた。試料を、上記のとおり5回の凍結/融解サイクルに供した。
rHSA及びphゼラチンの濃度を変化させて、腫瘍溶解性HSV−1安定性に対するタンパク質濃度の効果を求めた。phゼラチン及びrHSAの両方とも、試験した全範囲にわたって、凍結/融解サイクル中の保護を提供した。図5を参照。
次いで、2〜8℃及び25℃での腫瘍溶解性HSV−1液体安定性に対する様々なタンパク質濃度の効果を、試験した。対照配合は維持したまま、1%、2%、もしくは4%phゼラチン、又は1%、2%、もしくは4%rhHSAを加えた。試料を10PFU/mlで調製し、−70℃で少なくとも1日間凍結させ(前凍結)、次いで2〜8℃及び25℃で貯蔵した。感染力(力価)を、プラークアッセイにより求めた。
phゼラチン配合物は、液体貯蔵中に非常に良好な結果を出し、25℃で3日後に活性が低下していなかった。対照的に、rHSA含有配合物は全て、同期間にわたって感染力の低下を示した。また、rHSAを含有する配合物は、実際のところ、rHSA濃度が上昇するにつれて25℃での結果が悪くなった。感染力のわずかな変化が、2〜8℃でこの期間中に観察された;図6A及び図6Bを参照。
rHSAのグレード
rHSAの量が増加した配合物ほど同量のphゼラチンの場合よりも安定性が悪かったのは何故なのかを明らかにするため、rHSAそのものを試験した。この結果は、rHSAの成分、例えば混入物又はrHSAを安定化するために添加された化合物などによるのではないかと仮定した。そうでなければ、この結果は、rHSAそのものの効果による可能性がある。
4種の異なるグレードのrHSAを、25℃で液体貯蔵中の腫瘍溶解性HSV−1を安定化する能力について試験した。対照配合は維持したまま、2%Sigma、1%、2%、又は4%Novozyme Alpha、1%、2%、又は4%Novozyme Albix、あるいは1%、2%、又は4%Novozyme Prime rHSAを加えた。また、対照配合に2%phゼラチンを加えたものも調製した。表5を参照。配合物を、上記のとおり2週間25℃で液体安定性について試験した。
Figure 2018502078
各rHSAグレードは、異なるレベルの純度及びrHSAを安定化させるための他の成分を有していた。Sigma材料は、研究用グレードであり、安定化効果が最も低かった。Novozymes製の3種のグレード品(Alpha、Abix、及びPrime)は、極めて高純度のものであったが、それぞれ異なるレベルの他成分を有していた。Novozyme rHSAグレード品は、Sigmaグレード品よりも高い安定性をもたらしたが、Novozyme rHSA間に差はなかった。また、3種のNovozyme rHSAは全て、濃度を上げて加えた場合に安定性の悪化を示した。最後に、phゼラチンと同様な結果を出したrHSAグレード品はなかった。図7A〜図7Dを参照。
タンパク質の下限
10及び10PFU/mL濃度の腫瘍溶解性HSV−1を安定化するために必要なrHSA及びphゼラチンの最小量を求めるために、さらにスクリーニングを行った。
対照配合は維持したまま、0.25%、0.5%、及び1%w/vのphゼラチンならびに0.25%、0.5%、及び1%w/vのrHSA(Novozyme Prime)を加えた。10及び10PFU/ml濃度の腫瘍溶解性HSV−1の試料を調製した。1組の試料は、上記のとおり5回の凍結/融解サイクルに供した。2組の試料は、上記のとおり、一方は、2〜8℃で4週間、もう一方は25℃で2週間、液体安定性について試験した。感染力(力価)を、プラークアッセイにより求めた。
phゼラチンは、10及び10PFU/mLのウイルス濃度の両方で、試験した全範囲、0.25%〜1%w/vにわたり、凍結/融解サイクル中、ならびに2〜8℃及び25℃での液体貯蔵中の保護をもたらした(図8A〜図8F)。rHSA含有配合物は全て、10及び10PFU/mLのウイルス濃度の両方で、試験したタンパク質濃度の全範囲にわたり、2〜8℃及び25℃での液体貯蔵中の感染力の低下を示したが、凍結融解サイクル中の感染力の低下は見られなかった(図9A〜図9F)。
phゼラチンのレベルを下げて試験する追加スクリーニングを行った。対照配合は維持したまま、0.01%〜0.5%(w/v)のphゼラチンを加えた。腫瘍溶解性HSV−1濃度が10及び10PFU/mlの試料を調製し、上記のとおり、2〜8℃及び25℃での液体安定性について試験した。感染力(力価)を、プラークアッセイにより求めた。phゼラチンは、試験したタンパク質濃度(0.01%〜0.5%)の全範囲にわたり、液体貯蔵中の保護をもたらした。図8G及び図8Hを参照。
長期安定性
対照配合物と比較したタンパク質含有配合物の安定性を求めるために長期試験を行った。腫瘍溶解性HSV−1を、10PFU/mL及び10PFU/mLで、対照配合物に、又は0.5%(w/v)rHSAもしくはphゼラチンを含有する対照配合物に配合した。試料を、上記のとおり2〜8℃及び25℃で液体貯蔵中;−30℃及び−70℃で凍結貯蔵、ならびに10回の凍結融解サイクル中に、上記のとおり評価した。感染力(力価)を、上記のとおりプラークアッセイにより求めた。
phゼラチンを含有する配合物は、再び、評価した全ての貯蔵条件で優れた安定性をもたらした。rHSAを含有する配合物は、−30℃(図10A及び図10B)及び−70℃(図10C及び図10D)で凍結状態で貯蔵された配合物、及び10回の凍結融解サイクルに供された場合(図10E及び図10F)に限って同様な安定性をもたらした(アッセイの誤差内)。しかしながら、液状での貯蔵に関して、phゼラチン配合物は、より高い安定化効果を示し、その効果は、10PFU/mL濃度の腫瘍溶解性HSV−1を2〜8℃(図10G及び図10H)及び25℃(図10I及び図10J)で貯蔵した場合に最も顕著であった。2〜8℃で39週間貯蔵後、phゼラチン含有配合物は、1.7logの低下を示したのに対し、rHSA含有配合物は、2.9logの低下を示した。対照配合物は、2〜8℃で12週間貯蔵後、全ての活性を失った。25℃で4週間貯蔵中、phゼラチン含有配合物は、2.3logの低下を示したのに対し、rHSA含有配合物は、3.6logの低下を示した。対照配合物は、25℃で2週間貯蔵後、全ての活性を失った。
配合物の粒子検査
20%(w/v)rHSA又はphゼラチン(又は等体積の対照配合緩衝液)を加えて、最終濃度を10PFU/mLのウイルス及び0.5%安定化タンパク質にすることにより、腫瘍溶解性HSV−1を配合した。次いで、シリコーンオイルフリー使い捨てシリンジ(NORM−JECT(登録商標)Luer Slip Centric Ti、Bellefonte、PA)を用いて溶液を0.22μmフィルター(Sterivex(商標)EMD Millipore、Billerica、MA)に通して、無粒子出発物質を生成した。
1組の試料は、上記のとおり、2〜8℃で貯蔵し(静的)、2組目の試料は、−70℃で凍結させ、次いで2〜8℃で貯蔵した(1回の凍結融解サイクル)。
サブビジブル分析又は目視観察により粒子を測定した。
0.5%(w/v)のrHSA又はphゼラチンいずれかを含有する配合物は、サブビジブル分析技法により測定した場合、対照配合物に比べて粒子形成の減少を示した(図11A〜図11B及び図12A〜図12B)。また、濃度10PFU/mLの腫瘍溶解性HSV−1は、対照配合物中で肉眼視できる粒子を形成したが、0.5%phゼラチン又はrHSAを含有する配合物では形成しなかった。
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Claims (38)

  1. 単純ヘルペスウイルス、タンパク質、少なくとも1種類の糖、塩化ナトリウム、及びpH7.4のリン酸ナトリウムを含み、凍結されている、生ウイルス組成物。
  2. 前記組成物は、2℃〜少なくとも25℃で解凍及び貯蔵される場合がある、請求項1に記載の生ウイルス組成物。
  3. 解凍に続いて、前記生ウイルス組成物は、少なくとも−30℃の温度で再度凍結及び貯蔵される、請求項2に記載の生ウイルス。
  4. 前記組成物は、2℃〜8℃で解凍及び貯蔵される場合がある、請求項1に記載の生ウイルス組成物。
  5. 解凍に続いて、前記生ウイルス組成物は、少なくとも−30℃の温度で再度凍結及び貯蔵される、請求項4に記載の生ウイルス。
  6. 前記タンパク質は、部分加水分解ゼラチン又はヒト血清アルブミンである、請求項1に記載の生ウイルス組成物。
  7. 前記部分加水分解ゼラチンの濃度は、0.01%〜1%(w/v)である、請求項1に記載の生ウイルス組成物。
  8. 前記ヒト血清アルブミンの濃度は、0.25%〜1%である、請求項1に記載の生ウイルス組成物。
  9. 少なくとも1種類の糖は、ソルビトール、ミオイノシトール、又はスクロースである、請求項1に記載の生ウイルス組成物。
  10. 前記ソルビトールの濃度は、2%(w/v)である、請求項9に記載の生ウイルス組成物。
  11. 前記ミオイノシトールの濃度は、4%(w/v)である、請求項9に記載の生ウイルス組成物。
  12. 前記スクロースの濃度は、9%(w/v)〜15%(w/v)である、請求項9に記載の生ウイルス組成物。
  13. 前記塩化ナトリウムの濃度は、145mMである、請求項1に記載の生ウイルス組成物。
  14. 前記リン酸ナトリウムの濃度は、102mMである、請求項1に記載の生ウイルス組成物。
  15. 前記部分加水分解ゼラチンは、ブタのものである、請求項1に記載の生ウイルス組成物。
  16. 前記ウイルスは、単純ヘルペスウイルス1型である、請求項1に記載の生ウイルス組成物。
  17. 前記単純ヘルペスウイルスは、臨床分離株である、請求項1に記載の生ウイルス組成物。
  18. 前記単純ヘルペスウイルスは、再発性口唇ヘルペスに由来する臨床分離株である、請求項1に記載の生ウイルス組成物。
  19. 前記単純ヘルペスウイルス1型株は、JS1株、17+株、F株、及びKOS株からなる群より選択される、請求項1に記載の生ウイルス組成物。
  20. 前記単純ヘルペスは、1つ又は複数の機能遺伝子を欠いている、請求項1に記載の生ウイルス組成物。
  21. 前記単純ヘルペスウイルスは、機能的なICP34.5をコードする遺伝子を欠いている、請求項20に記載の生ウイルス組成物。
  22. 前記単純ヘルペスウイルスは、機能的なICP47をコードする遺伝子を欠いている、請求項20に記載の生ウイルス組成物。
  23. 前記単純ヘルペスウイルスは、さらに、機能的なICP6をコードする遺伝子、機能的な糖タンパク質Hをコードする遺伝子、又は機能的なチミジンキナーゼをコードする遺伝子を欠いている、請求項20に記載の生ウイルス組成物。
  24. 前記単純ヘルペスウイルスは、機能的なvhsをコードする遺伝子を欠いている、請求項20に記載の生ウイルス組成物。
  25. 前記単純ヘルペスウイルスは、機能的なUL43をコードする遺伝子を欠いている、請求項24に記載の生ウイルス組成物。
  26. 前記単純ヘルペスウイルスは、機能的なVMWをコードする遺伝子、機能的なICPOをコードする遺伝子、機能的なICP4をコードする遺伝子、機能的なICP22をコードする遺伝子、又は機能的なICP27をコードする遺伝子を欠いている、請求項20に記載の生ウイルス組成物。
  27. 前記単純ヘルペスウイルスへの修飾は、Us11遺伝子が初期遺伝子として発現するようになされたものである、請求項20に記載の生ウイルス組成物。
  28. 前記単純ヘルペスウイルスは、1つ又は複数の異種遺伝子及び/又はウイルス遺伝子を含む、請求項20に記載の生ウイルス組成物。
  29. 前記異種遺伝子及び/又はウイルス遺伝子は、サイトトキシン、免疫調節タンパク質、腫瘍抗原、プロドラッグ活性化因子、腫瘍抑制因子、プロドラッグ変換酵素、細胞同士の融合を引き起こすことができるタンパク質、TAP阻害因子、ウイルスタンパク質Us11、アンチセンスRNA分子、又はリボザイムをコードする遺伝子からなる群より選択される、請求項28に記載の生ウイルス組成物。
  30. 前記異種遺伝子及び/又はウイルス遺伝子は、IL−12、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、シトシンデアミナーゼ、テナガザル白血病膜融合糖タンパク質、ウシヘルペスウイルス(BHV)UL49.5ポリペプチド、又はウイルスタンパク質Us11をコードする遺伝子からなる群より選択される、請求項28に記載の生ウイルス組成物。
  31. 前記単純ヘルペスウイルスは、talimogene laherparepvec、Seprehvir(商標)、G207、OrienX010、NV1020、M032、ImmunoVEX、及びOncoVEXGALV/CDからなる群より選択される、請求項1に記載の生ウイルス組成物。
  32. 患者の腫瘍細胞を殺傷する方法であって、腫瘍細胞を殺傷する必要がある対象に、該患者の腫瘍細胞を殺傷するのに有効な条件下、請求項1に記載の生ウイルス組成物を投与することを含む、前記方法。
  33. 前記生ウイルス組成物は、チェックポイント阻害剤と併用で投与される、請求項32に記載の患者の腫瘍細胞を殺傷する方法。
  34. 前記生ウイルス組成物は、チェックポイント阻害剤の前、同時、又は後に投与される、請求項33に記載の腫瘍細胞を殺傷する方法。
  35. 前記腫瘍細胞は、星状細胞腫、乏突起膠腫、髄膜腫、神経線維腫、神経膠芽腫、上衣腫、シュワン細胞腫、神経線維肉腫、髄芽細胞腫、黒色腫細胞、膵臓癌細胞、前立腺癌細胞、乳癌細胞、肺癌細胞、結腸癌細胞、肝癌細胞、中皮腫、膀胱癌細胞、及び類表皮癌細胞からなる群より選択される、請求項32に記載の方法。
  36. 前記患者は、ヒトである、請求項32に記載の方法。
  37. 前記投与は、注射により行われる、請求項32に記載の方法。
  38. 感染力は、同じ生ウイルス組成物からタンパク質を除いたものと比較して、上昇している、請求項1に記載の生ウイルス組成物。
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