JP2023540427A - Hsv-1遺伝子編集のためのガイドrnaおよびその方法 - Google Patents

Hsv-1遺伝子編集のためのガイドrnaおよびその方法 Download PDF

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Abstract

ガイドRNA(gRNA)が提供され、そのgRNAは、Cas9タンパク質を1型単純ヘルペスウイルス(HSV-1)のICP6遺伝子中の標的配列に標的化して特異的切断事象を提供可能であるガイド配列を含み、その標的配列は野生型HSV-1と比較してGATC挿入を含む。HSV-1遺伝子編集システム、および上記gRNAを使用することによって所望される組換えHSV-1を生成するための遺伝子編集方法もまた、提供される。

Description

(分野)
本明細書において開示される実施形態は、遺伝子編集の分野に関し、特に、1型単純ヘルペスウイルス(HSV-1)のCas9媒介性遺伝子編集のための人工ガイドRNA(gRNA)に関する。上記gRNAを使用することによるCas9媒介性遺伝子編集方法が、さらに開示される。
(背景)
1型単純ヘルペスウイルス(HSV-1;その分類学的名称であるヒトアルファヘルペスウイルス1によってもまた公知である)は、ヘルペスウイルス科シンプレックスウイルス属の二本鎖DNAウイルスである。HSV-1は、152,000ヌクレオチドを含む。過去数十年間において、HSV-1は、がんを処置するための種々の腫瘍溶解性ウイルスを生成するために改変されてきた。それらのうち、組換えHSV-1株OrienX010(ICP34.5-/-、ICP47-、ICP6-)は、臨床試験進行中である腫瘍溶解性ウイルスであり、元のICP34.5遺伝子に2コピー挿入されたヒトGM-CSF遺伝子と、ICP6遺伝子内の未公開の不活性化改変とを含む。
CRISPR/Cas9媒介性相同組換えが、特に遺伝子挿入のために、HSV-1の遺伝子編集を改善するために使用されている(Dong Wangら(2018)、Cancer Gene Ther.、25(5~6):93~105)。しかし、種々のHSV-1変異体の間の差異に起因して、既存の遺伝子編集方法は、全ての種類のHSV-1変異体に適用可能であるわけではない。特に、CRISPR/Cas9システムを使用して上記HSV-1変異体OrienX010の改変されたICP6遺伝子領域を編集することは、容易には達成できない。
現在、そのような種類のHSV-1変異体のための効率的な遺伝子編集方法を開発する必要性が、依然として存在する。
Dong Wangら、Cancer Gene Ther.(2018)25(5~6):93~105
(要旨)
本明細書において開示される実施形態は、ガイドRNA(gRNA)に関し、そのgRNAは、Cas9タンパク質を1型単純ヘルペスウイルス(HSV-1)のICP6遺伝子中の標的配列に標的化して特異的な切断事象を提供可能であるガイド配列を含み、その標的配列は野生型HSV-1と比較してGATC挿入を含む。
一部の実施形態は、上記のgRNAをコードする第1のポリヌクレオチドに関する。
一部の実施形態はまた、ベクターに関し、そのベクターは、適切なプロモーターに作動可能に連結された上記の第1のポリヌクレオチドを含み、そのベクターは、Cas9タンパク質をコードする第2のポリヌクレオチドを必要に応じてさらに含む。
一部の実施形態はまた、1つの上記のベクターと、Cas9タンパク質をコードする第2のポリヌクレオチドを含む第2のベクターとを含む。ベクターシステムに関する
一部の実施形態はまた、gRNAとCas9タンパク質とを発現可能である上記のベクターまたはベクターシステムで形質転換された、形質転換体細胞に関する。
一部の実施形態はまた、上記のgRNAとCas9タンパク質とを含む、Cas9/gRNA複合体に関する。
一部の実施形態はまた、HSV-1のための遺伝子編集システムに関し、そのシステムは、
(a)ICP6遺伝子中に標的配列を含むHSV-1株であって、その標的配列は野生型HSV-1と比較してGATC挿入を含む、HSV-1株;
(b)gRNAとCas9タンパク質とを発現可能である、上記のベクターまたはベクターシステム;ならびに
(c)上流相同性アームと外因性遺伝子と下流相同性アームとを順次に含む標的化ポリヌクレオチドであって、その上流相同性アームおよび下流相同性アームは、別々に、上記HSV-1の標的ドメインの5’領域および3’領域と相同であり、その標的配列は上記HSV-1の標的ドメイン内に位置する、標的化ポリヌクレオチド;
を含む。
本発明はまた、組換えHSV-1を生成するための遺伝子編集方法に関し、その方法は、
(a)HSV-1株を提供する工程であって、そのHSV-1株はICP6遺伝子中に標的配列を含み、その標的配列は野生型HSV-1と比較してGATC挿入を含む、工程;
(b)gRNAとCas9タンパク質とを発現可能である上記のベクターまたはベクターシステムを構築する工程;
(c)相同組換えを介して上記HSV-1の標的ドメイン中に外因性遺伝子を挿入可能である、標的化ポリヌクレオチドを含む直鎖DNAを調製する工程;
(d)そのベクターまたはベクターシステムを細胞に形質転換して第1の形質転換体細胞を得る工程;
(e)その直鎖DNAをその第1の形質転換体細胞に形質転換して第2の形質転換体細胞を得る工程;および
(f)その第2の形質転換体細胞にそのHSV-1株を感染させてCRISPR/Cas9媒介性相同組換えをその第2の形質転換体細胞において生じさせる工程であって、そのgRNAはそのCas9タンパク質をその標的配列に標的化して特異的切断事象を提供し、その後、その外因性遺伝子は相同組換えを介してその標的ドメインに挿入される、工程;
を含む。
本発明はまた、上記の遺伝子編集方法によって生成された、組換えHSV-1に関する。
図1は、HSV-1標的株の部分的ICP6配列(配列番号17)およびHSV-1株17の配列アラインメント比較を示す。
図2は、gRNA切断効率アッセイのゲル電気泳動結果を示す。レーン1はDNAマーカーを含み、レーン2~7はgRNA1~6についての結果を示し、レーン8は、Cas9インビトロ切断キット(Inovogen Tech.Co.、カタログ番号PC1400)において提供された陽性対照を含む。
図3は、プラスミド「pCas9-ICP6gRNA-Neo」の遺伝子地図を示す。
図4は、HSV-1のICP6座位にEGFPを挿入するための本発明のCas9/gRNA媒介性相同組換えの概念を示す図式である。
図5は、得られた組換えHSV-1の2段階PCR同定のゲル電気泳動結果を示す。レーン2~6は(プライマー対HSV1-GFP-KI-F1およびHSV1-GFP-KI-R1を用いた)第1段階PCRの結果であり、レーン2~5は、それぞれ組換えHSV-1サンプル1~4からのPCR産物を含み、レーン6はHSV-1標的株からのPCR産物を含む。レーン8~12は(プライマー対HSV1-GFP-KI-F2およびHSV1-GFP-KI-R2を用いた)第2段階PCRの結果であり、レーン8~11は、それぞれ組換えHSV-1サンプル1~4からのPCR産物を含み、レーン12はHSV-1標的株からのPCR産物を含む。レーン1,7および13はDNAマーカーを含む。
図6はプラーク精製の結果を示す。緑色蛍光プラークが灰色の矢印によって示されており、緑色蛍光のないプラークが黒色の矢印によって示されている。上側のパネルは、蛍光顕微鏡によって観察された結果を示した。下側のパネルは、非蛍光式光学顕微鏡によって観察された結果を示した。
(発明の詳細な説明)
別な様式で定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、以下の定義は、本発明を記載するために使用される種々の用語の意味および範囲を示し定義するために示される。
(定義)
本明細書において使用される場合、用語「ガイドRNA」、「gRNA」、「シングルガイドRNA」および「sgRNA」は、本明細書において互換可能に使用され、Casタンパク質に結合し得てそのCasタンパク質を標的配列(例えばDNA配列)内の特定の位置に標的化するのを助け得るRNA分子(または集団としての一群のRNA分子)を指す。「gRNA機能性」を有する天然に存在しない(人工)gRNAは、天然に存在するガイドRNAの機能(例えばCasタンパク質と会合すること、または特異的切断事象を提供するためにCasタンパク質と会合したそのガイドRNAによって行われる機能)のうちの1つもしくはそれ以上を有する、gRNAである。
用語「CRISPR関連タンパク質」または「Casタンパク質」とは、野生型Casタンパク質、そのフラグメント、またはそれらのバリアントを指す。用語「Cas9」または「Cas9タンパク質」または「Cas9ヌクレアーゼ」または「CRISPR関連タンパク質9」とは、gRNAと会合可能であり標的DNA配列を切断する、RNA誘導型DNAヌクレアーゼ、そのフラグメント、またはそれらの変異体もしくはバリアントを指す。概して、Cas9タンパク質は、gRNA結合ドメインとDNA切断ドメインとを含む。
一部の実施形態において、Cas9タンパク質は、PAM配列(すなわちNGG)を認識するRNA誘導型DNAヌクレアーゼである。一部の実施形態において、Cas9タンパク質は、Streptococcus pyogenes由来のRNA誘導型DNAヌクレアーゼである。
用語「Cas9/gRNA複合体」とは、標的DNAにて特異的切断事象を協同的に提供し得る、Cas9タンパク質とガイドRNAとを含む複合体を指す。
用語「ガイド配列」とは、標的DNAの標的配列と相補的な、ガイドRNAの配列を指す。概して、ガイド配列は、A、U、CおよびGからなる約20ヌクレオチドのRNA分子である。
用語「標的配列」とは、Cas9/gRNA複合体によって標的化されて切断される、DNA配列を指す。その標的配列は、gRNAのガイド配列と相補的であり、プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列の5’末端に位置する。その標的配列は、約15~約25ヌクレオチドの配列である。一部の実施形態において、その標的配列は、20ヌクレオチドの配列である。
用語「プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)」とは、Cas9タンパク質によって標的化される標的配列のすぐ後に続く2~6塩基対のDNA配列を指し、そのCas9タンパク質が特異的切断事象を提供するのを助ける。例えば、PAM配列は、NGG(例えば、CGG、AGG、TGGおよびGGG)である。
用語「特異的切断事象」とは、Cas9/gRNA複合体によって引き起こされる特異的DNA切断を指し、その切断プロセス中に生じるオフターゲット効果は存在しない。
用語「ベクター」とは、それが連結されている別の核酸を輸送可能な核酸分子を指す。1つの種類のベクターは「プラスミド」であり、それは、さらなるDNAセグメントが、例えば標準的分子クローニング技術によって挿入され得る、環状二本鎖DNAループを指す。
用語「形質転換体細胞」とは、細胞外DNA(外因性、人工または改変型)で形質転換またはトランスフェクトされた細胞を指し、その中に含まれている遺伝子を発現し得る。
用語「相同組換え修復(HDR)」とは、修復を誘導するために相同性テンプレートを使用して二本鎖DNA切断を正確におよび精密に修復する、細胞中の機構を指す。HDRの最も一般的な形態は、相同組換え(HR)であり、これは、ヌクレオチド配列が2つの類似または同一のDNA分子間で交換される型の遺伝的組換えである。
用語「相同組換え(HR)」とは、2つの相同なDNA分子間で生じるDNAの交差を指す。相同組換えは、細胞において外因性遺伝子を挿入するためまたは所望される遺伝子を欠失させるための、一般的な方法である。
用語「標的化ポリヌクレオチド」とは、相同組換えを介するDNAの交差のために使用される合成された配列を指し、それは、上流相同性アームと下流相同性アームとを概して含み、(挿入または欠失の目的に依存して)外因性遺伝子を必要に応じて含む。用語「標的化ベクター」とは、標的化ポリヌクレオチドを含むベクターを指す。
用語「標的ドメイン」とは、相同組換えのために選択されるHSV-1の配列を指す。その標的ドメインは、標的化ポリヌクレオチドの上流相同性アームに相同な5’領域と、その標的化ポリヌクレオチドの下流相同性アームに相同な3’領域とを通常は含む。標的配列がHSV-1の標的ドメイン内に位置し、その標的配列において生じた特異的切断事象は、その標的ドメインにおける相同組換えを増強する。
(詳細な説明)
詳細には、本発明は、Casタンパク質を1型単純ヘルペスウイルス(HSV-1)のICP6遺伝子中の標的配列に標的化して特異的切断事象を提供可能であるガイド配列を含む、人工ガイドRNA(gRNA)に関し、その標的配列は野生型HSV-1と比較してGATC挿入を含む。特に、本明細書において使用されるCasタンパク質はCas9タンパク質である。
一局面において、本発明は、上記のgRNAに関し、そのICP6遺伝子は、GATC配列を挿入することによって引き起こされた不活性化ICP6タンパク質を発現する。別の局面において、そのICP6遺伝子は不活性化ICP6遺伝子である。
一実施形態において、そのICP6遺伝子は、配列番号17のヌクレオチド25~64に対応する配列を含む。別の実施形態において、そのICP6遺伝子は配列番号17を含む。
本明細書において適用されるHSV-1は、上記のICP6遺伝子特徴(すなわちGATC挿入)を有するあらゆるHSV-1変異体であり得る。一実施形態において、本明細書において適用されるHSV-1は、配列番号17のヌクレオチド25~64に対応する配列を含む。一実施形態において、本明細書において適用されるHSV-1は配列番号17を含む。例えば、使用されるHSV-1は、配列番号17を生じるようにそのICP6遺伝子中にGTAC配列を挿入されている、野生型HSV-1またはHSV-1株CL-1(CGMCC 1736)またはHSV-1株17であり得る。
別の局面において、使用されるHSV-1は、配列番号17を生じるようにそのICP6遺伝子中にGTAC配列を挿入されている、あらゆる既存の改変型HSV-1であり得る。例えば、使用されるHSV-1は、配列番号17を生じるようにそのICP6遺伝子中に挿入されたGATC配列を含む、株OrienX010であり得る。
別の局面において、本発明は、上記のgRNAに関し、その標的配列は、配列番号17のヌクレオチド25~64のうちの20ヌクレオチドセグメントの配列である。一実施形態において、その標的配列は、配列番号17のうちの20ヌクレオチドセグメントの配列を含む。
別の実施形態において、その標的配列は、配列番号18、19、20、21、22および23からなる群より選択される配列を含む。特定の実施形態において、その標的配列は、配列番号18、19、20、21、22および23からなる群より選択される。例えば、その標的配列は配列番号21である。
別の局面において、本発明は、上記のgRNAに関し、そのガイド配列は、配列番号24、25、26、27、28および29からなる群より選択される配列を含む。一実施形態において、そのガイド配列は、配列番号24、25、26、27、28および29からなる群より選択される配列である。例えば、そのガイド配列は配列番号27である。
概して、人工gRNAは、標的遺伝子中の標的配列と相補的なガイド配列と、Cas9タンパク質に結合し、標的配列切断を引き起こすためのCas9/gRNA複合体を形成するCas9関連配列とを含む。一部の実施形態において、そのガイド配列は、HSV-1のICP6遺伝子中の標的配列と相補的である。gRNAのCas9関連配列をコードするDNA配列は、例えば、
である。
特定の局面において、本発明は、gRNAをコードする第1のポリヌクレオチドに関し、そのgRNAは、上記のガイド配列およびCas9関連配列を含む。
特定の局面において、本発明は、適切なプロモーターに作動可能に連結された上記のgRNAをコードする第1のポリヌクレオチドを含むベクターに関し、それは、Cas9タンパク質をコードする第2のポリヌクレオチドを必要に応じてさらに含む。
特に、本発明は、適切なプロモーターに作動可能に連結された上記のgRNAをコードする第1のポリヌクレオチドと、Cas9タンパク質をコードする第2のポリヌクレオチドとを含む、ベクターに関する。例えば、本発明のベクターは、実施例3において構築されるプラスミドpCas9-ICP6gRNA-Neoであり得る。別の局面において、gRNAを発現するための適切なプロモーターはU6プロモーターであり得る。
特定の局面において、本発明は、第1のベクターと第2のベクターとを含むベクターシステムに関し、その第1のベクターは、上記のgRNAをコードする第1のポリヌクレオチドを含み、その第2のベクターは、Cas9タンパク質をコードする第2のポリヌクレオチドを含む。
別の局面において、本発明は、gRNAとCas9タンパク質とを発現可能である上記のベクターまたはベクターシステムで形質転換された、形質転換体細胞に関する。特に、本明細書において使用される形質転換体細胞としては、Vero細胞、BHK細胞またはHEK293細胞が挙げられるがこれらに限定はされない。一実施形態において、その形質転換体細胞はVero細胞である。
特定の局面において、本発明は、上記のgRNAとCas9タンパク質とを含む、Cas9/gRNA複合体に関する。
特定の局面において、本発明は、HSV-1のための遺伝子編集システムに関し、その遺伝子編集システムは、
(a)ICP6遺伝子中に標的配列を含むHSV-1株であって、その標的配列は野生型HSV-1と比較してGATC挿入を含む、HSV-1株;
(b)上記のgRNAとCas9タンパク質とを発現可能である、上記のベクターまたはベクターシステム;ならびに
(c)上流相同性アームと外因性遺伝子と下流相同性アームとを順次に含む標的化ポリヌクレオチドであって、その上流相同性アームおよび下流相同性アームは、別々に、上記HSV-1の標的ドメインの5’領域および3’領域と相同であり、その標的配列は上記HSV-1の標的ドメイン内に位置する、標的化ポリヌクレオチド;
を含む。
特定の局面において、本発明は、組換えHSV-1を生成するための遺伝子編集方法に関し、その遺伝子編集方法は、
(a)HSV-1株を提供する工程であって、そのHSV-1株はICP6遺伝子中に標的配列を含み、その標的配列は野生型HSV-1と比較してGATC挿入を含む、工程;
(b)上記のgRNAとCas9タンパク質とを発現可能である上記のベクターまたはベクターシステムを構築する工程;
(c)相同組換えを介して上記HSV-1の標的ドメイン中に外因性遺伝子を挿入可能である、標的化ポリヌクレオチドを含む直鎖DNAを調製する工程;
(d)そのベクターまたはベクターシステムを形質転換体細胞に形質転換して第1の形質転換体を得る工程;
(e)その直鎖DNAをその第1の形質転換体に形質転換して第2の形質転換体を得る工程;
(f)その第2の形質転換体にそのHSV-1株を感染させてCRISPR/Cas9媒介性相同組換えをその形質転換体において生じさせる工程であって、そのgRNAはそのCas9タンパク質をその標的配列に標的化して特異的切断事象を提供し、その後、その外因性遺伝子は相同組換えを介してその標的ドメインに挿入される、工程;
を含む。
本発明の遺伝子編集方法において、そのICP6遺伝子は、GATC配列を挿入することによって引き起こされた不活性化ICP6遺伝子である。別の実施形態において、そのICP6遺伝子は部分的に欠失されている。特定の実施形態において、そのICP6遺伝子は、配列番号17のヌクレオチド25~64に対応する配列を含む。特に、そのICP6遺伝子は配列番号17を含む。
本発明の遺伝子編集方法において、その標的配列は、配列番号18、19、20、21、22および23からなる群より選択される配列を含む。一実施形態において、その標的配列は、配列番号18、19、20、21、22および23からなる群より選択される。特定の実施形態において、その標的配列は配列番号21である。
特に、工程(c)の直鎖DNAは、上記標的化ポリヌクレオチドを含む相同組換え(HR)標的化ベクターを制限酵素で消化することによって得られる。所望される標的化ポリヌクレオチドを挿入するために使用されるHR標的化ベクターは、市販のベクター(例えばpEASY-Bluntクローニングベクター)であり得る。
特に、工程(c)の標的化ポリヌクレオチドは、上流相同性アームと上記外因性遺伝子と下流相同性アームとを順次に含み、その上流相同性アームおよび下流相同性アームは、別々に、上記HSV-1の標的ドメインの5’領域および3’領域と相同であり、その標的配列は上記HSV-1の標的ドメイン内に位置する。
特に、上記HSV-1の標的ドメインは、5’領域にある上流相同性アームと、3’領域にある下流相同性アームとを含み、Cas9/gRNAシステムによって切断される標的配列が、その標的ドメイン内に位置する。一実施形態において、上記HSV-1の標的ドメインは、部分的ICP6遺伝子セグメントとUL40遺伝子とを含み、その上流相同性アームはその部分的ICP6遺伝子セグメントの上流配列と相同であり、その下流相同性アームはその部分的ICP6遺伝子セグメントの下流配列およびUL40遺伝子と相同であり、Cas9/gRNAシステムによって切断される標的配列が、その部分的ICP6遺伝子セグメント内に位置する(図4において示されるとおり)。
上記上流相同性アームは、上記HSV-1の標的ドメインの5’領域と相同である。一実施形態において、その上流相同性アームは配列番号12の配列を含む。上記下流相同性アームは、上記HSV-1の標的ドメインの3’領域と相同である。一実施形態において、その下流相同性アームは配列番号13の配列を含む。
本明細書において使用される外因性遺伝子としては、以下をコードし得る遺伝子が挙げられるが、これらに限定はされない:(1)レポーター(例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)、増強型緑色蛍光タンパク質(EGFP)、mCherry、DsRed、tdTomatoもしくはZsGreen);(2)免疫調節性サイトカイン(例えば、GM-CSF、インターロイキン(すなわち、IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9およびIL-10)、インターフェロン(IFN)ならびに腫瘍壊死因子(すなわち、TNF-αおよびTNF-β));(3)治療抗体もしくはその機能的フラグメント(例えば、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、抗CTLA4抗体、抗LAG3抗体および抗TIM3抗体);4)免疫応答を調節するための融合タンパク質;(5)ケモカイン(例えば、CCL5、CCL20およびCCL21);(6)腫瘍アポトーシス関連因子(例えば、腫瘍壊死因子(TNF)関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)およびP53遺伝子);(7)抗血管形成因子(例えば、エンドスタチンおよび血管内皮増殖インヒビター(VEGI));(8)腫瘍関連遺伝子発現を阻害するためのスモールRNA(例えば、miRNA、siRNA、shRNAおよびlncRNA);または(9)腫瘍関連抗原(TAA)もしくは腫瘍特異的抗原(TSA)(例えば、αフェトプロテイン(AFP)、黒色腫関連抗原(MAGE)、HER2、EGFR、PSA、TRP-2、EpCAM、GPC3、メソテリン(MSLN)、CD20、CD40、およびPD-L1)。
特定の局面において、本発明は、上記の遺伝子編集方法によって生成された、組換えHSV-1に関する。
(実施例)
本発明は、本発明のgRNAおよびHSV-1遺伝子編集方法を示す以下の実施例によってさらに例証されるが、これらに限定はされない。
(材料)
HSV-1株CL-1を、2006年6月14日に受託番号CGMCC 1736でChina General Microbiological Culture Collection Center(CGMCC)に寄託した。HSV-1株CL-1は、HSV-1株17(NCBIアクセッション番号:NC_001806)と99.5%配列類似性を有する。
HSV-1株CL-1のゲノム(151180bp)を、CN1283803CまたはCN101376893Bにおいて記載された相同組換え方法を使用することによって改変して、HSV-1株OrienX010(ICP34.5-/-、ICP47、ICP6)(本明細書において以後は「HSV-1標的株」と呼ぶ)を得た。簡単に述べると、そのような遺伝的改変は、ICP34.5遺伝子の欠失(513~1259ヌクレオチドおよび123999~124745ヌクレオチドにて2コピー)およびICP47遺伝子の欠失(144230~144496ヌクレオチドにて)、ならびに元のICP34.5遺伝子位置へのヒトGM-CSF遺伝子の挿入を含んだ。さらに、GATC配列を88251~88252ヌクレオチド間の部位(元のICP6遺伝子は85327~88740ヌクレオチドに位置した)に挿入して、フレームシフト変異および上記ICP6遺伝子の不活性化を生じた。従って、得られたHSV-1標的株は、配列番号17に示される部分的ICP6配列を有し、配列番号17は上記GATC挿入を含む。
図1において示されるとおり、HSV-1標的株の部分的ICP6配列(配列番号17)とHSV-1株17(NCBIアクセッション番号:NC_001806)との配列アラインメント比較を、実施した。HSV-1標的株の部分的ICP6配列(配列番号17)は、HSV-1株17のゲノムDNAの89324~89390ヌクレオチドと、上記GATC挿入以外は同一である。得られたHSV-1標的株およびそのゲノムDNAを精製し、以下の実験のために適切な条件で保存した。
本明細書において使用される配列を、手早い概説のために表1に要約する。
表1
(実施例1)
(gRNAのガイド配列の設計)
GATC挿入を含むHSV-1のICP6部分的配列(配列番号17)を標的として選択し、それを使用してgRNAのガイド配列を設計した。それらのガイド配列は、そのGATC挿入を網羅する20ヌクレオチドのICP6標的配列と相補的である。
生成されたDNA配列プールのうち、上記GATC挿入を網羅する6個のICP6標的配列を、候補として選んだ。6個のICP6標的配列およびそれらの対応するPAM配列を表1に示した。
表1
(注記:「+」はDNAのセンス鎖を意味する。「-」はDNAのアンチセンス鎖を意味する。PAMはプロトスペーサー隣接モチーフを意味する。下線は、挿入されたGTACまたはその部分を意味する。)
表1のICP6標的配列1~6のうちの1つを各々が標的にするgRNA1~6の6個のガイド配列を、表2に示す。これらのガイド配列を含むgRNA1~6をさらに分析して、それらの切断効率を評価した。
表2
(実施例2)
(設計したgRNAのインビトロ切断効率アッセイ)
切断効率アッセイを、Cas9インビトロ切断キット(Inovogen Tech.Co.、カタログ番号PC1400)を使用し製造者の指示に従うことによって、実施した。簡単に述べると、Cas9タンパク質(キット由来)と表2の設計したgRNAとICP6標的DNAフラグメントとを、Cas9反応緩衝液(キット由来)中で温度37℃にて30分間、共インキュベートすることによって、Cas9切断反応を実施し、その後、その反応を、温度85℃にて10分間インキュベートすることによって停止させた。それらの結果を、DNAゲル電気泳動によって観察した。
それらのgRNAを、市販のsgRNAインビトロ転写キット(Inovogen Tech.Co.、カタログ番号PC1380)を使用することによって、合成されたポリヌクレオチドテンプレート(以下に示すとおり)から転写および取得し、その後、精製プロセスを行った。
(N20は、表1に示される、選択したICP6標的配列であった)。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を、DNAテンプレートとしての材料の節において開示したHSV-1標的株のゲノムDNAと、プライマー対ICP6-FおよびICP6-R(配列番号30および31)とを使用することによって実施して、ICP6標的DNAフラグメント(594bp)を合成した。その際、変性温度、プライマーアニーリング温度およびプライマー伸長温度は、それぞれ98℃、61℃、および72℃であり、反応サイクルは35回であった。
その切断効率アッセイの結果を、図2に示す。ゲル電気泳動は、gRNA4(レーン5)が高い切断活性を示し、594bpよりも小さい2つのバンドのDNA切断産物を生成したことを、明らかにした。その594bpのバンドは、切断されていないICP6標的DNAフラグメントを示した。gRNA1、2、3、5および6(すなわち、レーン2、3、4、6および7)は全て、弱い切断活性を示し、少量のDNA切断産物しか生成しなかった。
上記の結果によれば、gRNA4が、HDRを増強するgRNAである最も高い可能性を有する。従って、ICP6標的配列4(配列番号21)を、以下の発現プラスミド構築およびCRISPR/Cas9媒介性相同組換えのために選択した。
(実施例3)
(Cas9/gRNA発現プラスミドpCas9-ICP6gRNA-Neoの構築)
ICP6標的配列4(配列番号21)をプラスミドpX330-U6-Chimeric_BB-CBh-hSpCas9(Addgene、カタログ番号42230)中にクローニングするために、2つの部分的に相補的なオリゴヌクレオチドICP6gRNA4-FおよびICP6gRNA4-R(配列番号1および2)を、4ヌクレオチド突出とともに、以下のとおりに合成した
それらの部分的に相補的なオリゴを、アニーリングプログラムによってアニーリングさせて、4ヌクレオチド突出を有する二本鎖DNAを形成させた。付着末端を有するその二本鎖DNA(所望されるICP6標的配列4を含む)を、BbsIで予め消化したプラスミドpX330-U6-Chimeric_BB-CBh-hSpCas9中にクローニングして、pX330-ICP6gRNAと呼ぶプラスミドを得た。そのICP6標的配列4の首尾良いクローニングを、プライマー対U6-seq-F2およびICP6gRNA4-R(配列番号16および2)を用いたPCRと、アガロースゲル電気泳動(PCR産物は243bpである)とによって確認した。
その後、プラスミドpX330-ICP6gRNAをDNAテンプレートとして使用し、プライマー対MluI-gRNA-FおよびSpeI-sgRNA-R(配列番号3および4)を使用することによってPCRを実施して、U6-ICP6gRNAフラグメント(配列番号5)を増幅した。その際、変性温度、プライマーアニーリング温度およびプライマー伸長温度は、それぞれ98℃、58℃、および72℃であり、反応サイクルは35回であった。そのPCR産物を、1%アガロースゲル電気泳動によって分析および確認した(474bp)。増幅されたU6-ICP6gRNAフラグメントを再利用し、さらなる使用のために制限酵素MluIおよびSpeIによって消化した。
Cas9遺伝子をプラスミドpcDNA3.1(Invitrogen、カタログ番号V79020)中にクローニングして、pcDNA3.1-Cas9と呼ぶプラスミドを得た。その後、得られたプラスミドpcDNA3.1-Cas9を、制限酵素MluIおよびSpeIによって消化した。
その後、そのMluI/SpeIで予め切断したU6-ICP6gRNAフラグメントとプラスミドpcDNA3.1-Cas9とをT4 DNAリガーゼを介して連結して、(図3および配列番号36において示される)「pCas9-ICP6gRNA-Neo」と呼ぶプラスミドを得た。
その後、プラスミドpCas9-ICP6gRNA-Neoを、Trans1-T1ファージ耐性化学的コンピテント細胞(TransGen Biotech、カタログ番号CD501)中にトランスフェクトした。トランスフェクトされた細胞を、選択用培養培地において37℃にて一晩インキュベートした。トランスフェクトされた細胞のシングルコロニーを選択し、そのようなトランスフェクションを、プライマー対MluI-gRNA-FおよびSpeI-sgRNA-R(配列番号3および4)を用いるPCRと、1%アガロースゲル電気泳動(PCR産物は474bpである)とによって確認した。プラスミドpCas9-ICP6gRNA-Neoを含む得られたトランスフェクトされた細胞を、さらなる使用のために保存した。
(実施例4)
(プラスミドpCas9-ICP6gRNA-NeoでトランスフェクトしたVero細胞の調製)
実施例3において得られた、プラスミドpCas9-ICP6gRNA-Neoを含むトランスフェクトされた細胞を、LB培地において37℃にて一晩培養し、その後、EasyPure(登録商標)HiPure Plasmid MaxiPrep Kit(TransGen Biotech、カタログ番号EM121)を使用し製造者のプロトコルに従うことによって、プラスミドDNA抽出に供した。抽出されたプラスミドpCas9-ICP6gRNA-Neoを、CutSmart(登録商標)緩衝液(New England Biolabs、カタログ番号B7204S)における制限酵素MluI-HF(NEB)の使用によって処理して直鎖にし、その後、精製した。
得られた直鎖プラスミドpCas9-ICP6gRNA-Neoを、市販の試薬Lipofectamine(商標)3000(Invitrogen(商標)、カタログ番号L3000008)を使用し製造者のプロトコルに従うことによって、Vero細胞(ATCC(登録商標)CCL-81(商標))中にトランスフェクトした。簡単に述べると、5μgの直鎖プラスミドpCas9-ICP6gRNA-Neo、5μlのP3000(商標)試薬(Invitrogen(商標)、カタログ番号L3000008)と250μlのOpti-MEM(商標)培地(Gibco(商標)、カタログ番号31985088)とを混合することによって、希釈したプラスミドDNAを調製した。5μlのLipofectamine(商標)3000試薬と250μlのOpti-MEM(商標)培地とを混合することによって、希釈したLipofectamine(商標)3000試薬を得た。DNA-脂質複合体を、上記の希釈したプラスミドDNAと希釈したLipofectamine(商標)3000試薬とを混合した後に室温にて5分間インキュベーションを行うことによって、調製した。
その後、トランスフェクションのために、そのDNA-脂質複合体(直鎖プラスミドpCas9-ICP6gRNA-Neoを含む)をVero細胞とともに共インキュベートし、それらを、2mLの完全増殖培地を含む6ウェルプレートに細胞密度4×10細胞/ウェルにて播種した。24時間インキュベートした後、選択用抗生物質G418(Geneticin(商標)、Gibco(商標)、カタログ番号10131027)を最終濃度800μg/mlで含む5~10mLの増殖培地を、細胞増殖条件に依存して2日毎または3日毎に新しくした。約15日間のインキュベーションの後、プラスミドpCas9-ICP6gRNA-NeoでトランスフェクトしたそのVero細胞(本明細書において以後は「Vero-ICP6細胞」と呼ぶ)は安定に増殖した。これを以下の実験のために保存した。
(実施例5)
(相同組換え標的化ベクターの構築)
相同組換え(HR)標的化ベクターを構築するために、上流/下流相同性アーム(配列番号12および13)と外因性EGFP遺伝子(配列番号14)とを含む標的化ポリヌクレオチド(配列番号15)を、以下のとおりに調製した。
上流相同性アーム(UHA;配列番号12)をPCRによって合成し、その際、材料の節において開示したHSV-1標的株のゲノムDNAをDNAテンプレートとして使用し、プライマー対はICP6-SOE-F1およびICP6-SOE-R1(配列番号6および7)であり、変性温度、プライマーアニーリング温度およびプライマー伸長温度は、それぞれ98℃、63℃、および72℃であり、反応サイクルは35回であった。そのPCR産物(1534bp)を1%アガロースゲル電気泳動によって確認し、その後、さらなる使用のために回収した。
下流相同性アーム(DHA;配列番号13)をPCRによって合成し、その際、材料の節において開示したHSV-1標的株のゲノムDNAをDNAテンプレートとして使用し、プライマー対はICP6-SOE-F3およびΜL40-SOE-R3(配列番号8および9)であり、変性温度、プライマーアニーリング温度およびプライマー伸長温度は、それぞれ98℃、62℃、および72℃であり、反応サイクルは35回であった。そのPCR産物(1194bp)を1%アガロースゲル電気泳動によって確認し、その後、さらなる使用のために回収した。
外因性EGFP遺伝子(配列番号14)をPCRによって合成し、その際、pEGFPN1(Clontech)をDNAテンプレートとして使用し、プライマー対はEGFP-SOE-F2およびEGFP-SOE-R2(配列番号10および11)であり、変性温度、プライマーアニーリング温度およびプライマー伸長温度は、それぞれ別個に98℃、60℃、および72℃であり、反応サイクルは35回であった。そのPCR産物(1628bp)を1%アガロースゲル電気泳動によって確認し、その後、さらなる使用のために回収した。
その後、その上流相同性アーム(UHA;配列番号12)と外因性EGFP遺伝子(配列番号14)とをオーバーラップ・エクステンション(overlap-extension)PCRによって一緒に連結して、UHA-EGFPフラグメント(3133bp)を生成した。そのUHA-EGFPフラグメントと下流相同性アーム(DHA;配列番号13)とを別のオーバーラップ・エクステンションPCRによって一緒に連結して、UHA-EGFP-DHAフラグメント(本明細書において以後は「標的化ポリヌクレオチド」と呼ぶ;配列番号15)を生成した。最終的なオーバーラップしたPCR産物(4300bp)を1%アガロースゲル電気泳動によって確認し、その後、さらなる使用のために回収した。
HR標的化ベクターを、その標的化ポリヌクレオチド(配列番号15)を市販のpEASY-Bluntクローニングベクター(TransGen Biotech、カタログ番号CB101-01)中にクローニングすることによって得、その後、それをTrans1-T1ファージ耐性化学的コンピテント細胞(TransGen Biotech、カタログ番号CD501)中にトランスフェクトした。そのトランスフェクトされた細胞を、選択用LB培地において37℃にて一晩インキュベートした。トランスフェクトされた細胞のシングルコロニーを選択し、そのようなトランスフェクションを、プライマー対ICP6-SOE-F1およびΜL40-SOE-R3(配列番号6および9)を用いるPCRと、その後の1%アガロースゲル電気泳動(PCR産物は4300bpである)とによって確認した。そのようにして得られた、そのHR標的化ベクターを含むトランスフェクトされた細胞を、さらなる使用のために保存した。
(実施例6)
(HSV-1におけるCRISPR/Cas9媒介性相同組換え)
そのHR標的化ベクターを、EasyPure(登録商標)HiPure Plasmid MaxiPrep Kit(TransGen Biotech、カタログ番号EM121)を使用することによって、実施例5において得られたトランスフェクトされた細胞から収集し、その後、CutSmart(登録商標)緩衝液(New England Biolabs、カタログ番号B7204S)における制限酵素EcoRV-HF(New England Biolabs、カタログ番号R3195S)の使用によって処理して、直鎖にした。そのようにして得られた直鎖HR標的化ベクターを、一般的な精製方法を使用することによって精製した。
その直鎖HR標的化ベクターを、市販の試薬Lipofectamine(商標)3000(Invitrogen(商標)、カタログ番号L3000008)を使用し製造者のプロトコルに従うことによって、実施例4において得られたVero-ICP6細胞中にトランスフェクトした。簡単に述べると、5μgの直鎖HR標的化ベクターと5μlのP3000(商標)試薬と125μlのOpti-MEM(商標)培地とを混合することによって、希釈したプラスミドDNAを調製した。5μlのLipofectamine(商標)3000試薬と125μlのOpti-MEM(商標)培地とを混合することによって、希釈したLipofectamine(商標)3000試薬を得た。DNA-脂質複合体を、上記の希釈したプラスミドDNAと希釈したLipofectamine(商標)3000試薬とを混合した後に室温にて15分間インキュベーションを行うことによって、調製した。
その後、トランスフェクションのために、そのDNA-脂質複合体(直鎖HR標的化ベクターを含む)をVero-ICP6細胞(直鎖プラスミドpCas9-ICP6gRNA-Neoを含む)とともに共インキュベートし、それらを、2mLの完全増殖培地を含む6ウェルプレートに細胞密度4×10細胞/ウェル、温度37℃にて8時間播種した。8時間のインキュベーションの後、上記の培養培地に、材料の節において開示したHSV-1標的株を含む2mLの基本培養培地を添加し(MOI=1)、ウイルス感染を引き起こした。ウイルス誘導性細胞変性効果が、培養期間中に観察された。細胞変性効果が80%にまで増加した時点(約48時間)で、ウイルス感染したVero細胞を含む培養培地を収集し、さらなる使用のために-80℃にて保存した。
(実施例7)
(組換えHSV-1の同定)
同定のために、実施例6において収集した上記ウイルス感染したVero細胞を3回の凍結/融解サイクル(-80℃/30℃)に供し、その後、3000rpm(ThermoFisher、遠心分離機参照番号75005297;ローターカタログ番号75003331)にて10分間遠心分離して、組換えHSV-1を含む上清を得た。プロテイナーゼK(20mg/ml)および10%のSDSをその上清に添加し、その後、それを58℃にて2時間、98℃にて10分間、4℃にて5分間インキュベートした。インキュベーションの後、15000gで遠心分離を5分間実施し、その上清を、以下のPCR実験におけるDNAテンプレートとしての使用のために収集した。
2つのPCRを使用して、HSV-1の正確な相同組換えを確認した。図4において示すとおり、外因性遺伝子(EGFP)を正確な相同組換えによって挿入し、図4において示すとおり、2つのプライマー対の各々を、そのEGFP遺伝子の部分および下流HRアームのセグメントを増幅するために設計した。
第1段階PCRにおいて、材料の節において得られたHSV-1標的株のゲノムDNAをDNAテンプレートとして使用し、プライマー対はHSV1-GFP-KI-F1およびHSV1-GFP-KI-R1(配列番号32および33)であり、変性温度、プライマーアニーリング温度およびプライマー伸長温度は、それぞれ98℃、60℃、および72℃であり、反応サイクルは35回であった。そのPCR産物(2214bp)を1%アガロースゲル電気泳動によって確認し、その後、次のPCRのためのDNAテンプレートとしての使用のために回収した。
第2段階PCRにおいて、得られた第1のPCR産物(2214bp)をDNAテンプレートとして使用し、プライマー対はHSV1-GFP-KI-F2およびHSV1-GFP-KI-R2(配列番号34および35)であり、変性温度、プライマーアニーリング温度およびプライマー伸長温度は、それぞれ98℃、60℃、および72℃であり、反応サイクルは35回であった。そのPCR産物(2063bp)を1%アガロースゲル電気泳動によって確認した。
組換えHSV-1の第1のPCRについてのサンプル1~4に関する結果を、それぞれ図5のレーン2~5に示し、第2段階PCRの結果をそれぞれレーン8~11に示す。EGFP遺伝子中で開始して下流HRアームにまで伸長する、意図したアンプリコンに対応するバンドが組換えHSV-1サンプル3および4について観察され(第1段階PCRについてレーン4~5、同様に第2段階PCRについてレーン10~11)、これは、相同組換えがそれらのサンプルにおいて首尾良く完了したことを示した。
(実施例8)
(組換えHSV-1の精製)
その組換えHSV-1を、プラーク精製方法を使用することによって精製した。簡単に述べると、上記Vero細胞を、完全増殖培地を含む6ウェルプレートに細胞密度8×10細胞/ウェルで播種し、37℃にて一晩培養した。その後、元の培地を取り除き、1mLの希釈した組換えウイルス溶液を各ウェルに添加して、37℃にて2時間、共インキュベートした。共インキュベーションの後、残りのウイルス溶液を捨て、1.8%の低融点アガロース(Sigma、カタログ番号A9045)を含む2mLの完全増殖培地を添加して、カバー層を形成した。そのプレートを逆さにし、37℃にてインキュベートした。そのプレートを、細胞変性効果について毎日点検した。
明白な細胞損傷が観察された後(約48時間)、1.8%の低融点アガロースと希釈したニュートラルレッド(Sigma、カタログ番号N2889)とを含む2mLの完全増殖培地を添加して、別のカバー層を形成した。そのプレートを再び逆さにし、37℃にて24時間インキュベートした。緑色蛍光プラークを、蛍光顕微鏡を使用することによって観察した。
図6において示すとおり、それらの緑色蛍光プラークを収集した。その後、それらの緑色蛍光プラークを選択し精製し、プラーク全てが緑色蛍光プラークになるまで、プラーク精製を少なくとも3回実施した。それらの緑色蛍光プラークは、HVS-1標的株のCRISPR/Cas9媒介性相同組換えが、開示したgRNAの使用によって首尾良く完了したことを示した。

Claims (30)

  1. ガイドRNA(gRNA)であって、
    Cas9タンパク質を1型単純ヘルペスウイルス(HSV-1)のICP6遺伝子中の標的配列に標的化して切断事象を提供可能であるガイド配列
    を含み、該標的配列は野生型HSV-1と比較してGATC挿入を含む、gRNA。
  2. 前記ICP6遺伝子が、GATC配列を挿入することによって引き起こされた不活性化ICP6タンパク質を発現する、請求項1に記載のgRNA。
  3. 前記ICP6遺伝子が不活性化ICP6遺伝子である、請求項1に記載のgRNA。
  4. 前記ICP6遺伝子が、配列番号17のヌクレオチド25~64に対応する配列を含む、請求項1に記載のgRNA。
  5. 前記ICP6遺伝子が配列番号17を含む、請求項1に記載のgRNA。
  6. 前記標的配列が、配列番号17のヌクレオチド25~64に対応する配列範囲から選択される20ヌクレオチドの配列である、請求項5に記載のgRNA。
  7. 前記標的配列が、配列番号17から選択される20ヌクレオチドの配列を含む、請求項5に記載のgRNA。
  8. 前記標的配列が、配列番号18、19、20、21、22および23からなる群より選択される配列を含む、請求項5に記載のgRNA。
  9. 前記標的配列が配列番号18、19、20、21、22および23からなる群より選択される、請求項5に記載のgRNA。
  10. 前記標的配列が配列番号21である、請求項5に記載のgRNA。
  11. 前記ガイド配列が、配列番号24、25、26、27、28および29からなる群より選択される配列を含む、請求項1に記載のgRNA。
  12. 前記ガイド配列が、配列番号24、25、26、27、28および29からなる群より選択される配列である、請求項1に記載のgRNA。
  13. 前記ガイド配列が配列番号27である、請求項1に記載のgRNA。
  14. 請求項1~13のいずれか一項に記載のgRNAをコードする、第1のポリヌクレオチド。
  15. 適切なプロモーターに作動可能に連結された請求項14に記載の第1のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
  16. Cas9タンパク質をコードする第2のポリヌクレオチドをさらに含む、請求項15に記載のベクター。
  17. 請求項15に記載の1種のベクターと、Cas9タンパク質をコードする第2のポリヌクレオチドを含む第2のベクターとを含む、ベクターシステム。
  18. gRNAとCas9タンパク質とを発現可能である請求項16に記載のベクターまたは請求項17に記載のベクターシステムで形質転換された、形質転換体細胞。
  19. Vero細胞である、請求項18に記載の形質転換体細胞。
  20. 請求項1~13のいずれか一項に記載のgRNAとCas9タンパク質とを含む、Cas9/gRNA複合体。
  21. HSV-1のための遺伝子編集システムであって、
    (a)ICP6遺伝子中に標的配列を含むHSV-1株であって、該標的配列は野生型HSV-1と比較してGATC挿入を含む、HSV-1株;
    (b)gRNAとCas9タンパク質とを発現可能である、請求項16に記載のベクターまたは請求項17に記載のベクターシステム;ならびに
    (c)上流相同性アームと外因性遺伝子と下流相同性アームとを順次に含む標的化ポリヌクレオチドであって、該上流相同性アームおよび該下流相同性アームは、別々に、該HSV-1の標的ドメインの5’領域および3’領域と相同であり、該標的配列は該HSV-1の標的ドメイン内に位置する、標的化ポリヌクレオチド;
    を含む、遺伝子編集システム。
  22. 組換えHSV-1を生成するための遺伝子編集方法であって、
    (a)HSV-1株を提供する工程であって、該HSV-1株はICP6遺伝子中に標的配列を含み、該標的配列は野生型HSV-1と比較してGATC挿入を含む、工程;
    (b)gRNAとCas9タンパク質とを発現可能である請求項16に記載のベクターまたは請求項17に記載のベクターシステムを構築する工程;
    (c)相同組換えを介して該HSV-1の標的ドメイン中に外因性遺伝子を挿入可能である、標的化ポリヌクレオチドを含む直鎖DNAを調製する工程;
    (d)該ベクターまたは該ベクターシステムを形質転換体細胞に形質転換して第1の形質転換体を得る工程;
    (e)該直鎖DNAを該第1の形質転換体に形質転換して第2の形質転換体を得る工程;および
    (f)該第2の形質転換体に該HSV-1株を感染させてCRISPR/Cas9媒介性相同組換えを該第2の形質転換体において生じさせる工程であって、該gRNAは該Cas9タンパク質を該標的配列に標的化して特異的切断事象を提供し、その後、該外因性遺伝子は相同組換えを介して該標的ドメインに挿入される、工程;
    を含む、遺伝子編集方法。
  23. 前記ICP6遺伝子が配列番号17を含む、請求項22に記載の遺伝子編集方法。
  24. 前記標的配列が、配列番号18、19、20、21、22および23からなる群より選択される配列を含む、請求項22に記載の遺伝子編集方法。
  25. 前記標的配列が、配列番号18、19、20、21、22および23からなる群より選択される、請求項22に記載の遺伝子編集方法。
  26. 前記標的配列が配列番号21である、請求項22に記載の遺伝子編集方法。
  27. 工程(c)の標的化ポリヌクレオチドが上流相同性アームと前記外因性遺伝子と下流相同性アームとを順次に含み、該上流相同性アームおよび該下流相同性アームは、別々に、前記HSV-1の標的ドメインの5’領域および3’領域と相同であり、前記標的配列は該HSV-1の該標的ドメイン内に位置する、請求項22に記載の遺伝子編集方法。
  28. 前記上流相同性アームが配列番号12を含む、請求項27に記載の遺伝子編集方法。
  29. 前記下流相同性アームが配列番号13を含む、請求項27に記載の遺伝子編集方法。
  30. 請求項22に記載の遺伝子編集方法によって生成された組換えHSV-1。
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