JP2018501859A - かみそりカートリッジのガード構造体 - Google Patents
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Abstract
提供されるのは、かみそりカートリッジであって、そのかみそりカートリッジは、刃先を有する少なくとも1つの刃、少なくとも1つの刃を保持する刃ユニット、及び刃ユニットの前側に位置付けられるガードを備え、そのガードは、刃ユニットに接合される固定端部と、自由端部とを有し、固定端部と自由端部との間の回動軸は、刃ユニットから遠位側に位置し、自由端部が回動軸の周りで回動する。
Description
本発明は、かみそりカートリッジに関し、より詳細にはかみそりカートリッジのガード構造体に関する。
一般に、安全かみそりのカートリッジは、かみそりカートリッジが取り付けられたハンドルによって、剃毛される皮膚の表面全体にわたって移動する刃先を有する少なくとも1つの刃を備える刃ユニットを有している。かかるカートリッジは、刃の切れ味が不充分な程度にまで低下した時点で、そのカートリッジを新しいカートリッジに交換することができるように、ハンドルに着脱可能に装着されてもよく、あるいは、刃が鈍くなった時点でかみそり全体を廃棄することを想定して、ハンドルに永久的に取り付けられてもよい。カミソリカートリッジは、通常、刃の前側の皮膚と接触するガードと、ひげ剃り中に刃の背後の皮膚と接触するキャップとを含む。キャップ及びガードは、剃毛時の皮膚に対する刃の向き及び位置を決定するパラメータである、いわゆる「剃毛幾何構造」を確立しやすくするものであり、このパラメータは、かみそりの剃毛性能及び効率に大きく影響する。ガードは一般に剛性であってもよく、例えば、刃のための支持を提供するフレーム又はプラットフォーム構造とともに一体化形成される。
ガードは、多くの剃毛かみそりに設けられており、皮膚を引き伸ばすように意図されている。しかしながら、これらのガードはまた、皮膚に対して毛を押し付ける傾向も有している。加えて、一部の標準的な剃毛かみそりガードは、一般に剛性のある硬質な表面を有しており、人体に見られる皮膚の起伏、特に、男性の顎の線の周りの起伏、並びに女性の膝及び脇の下の周りの起伏に対して適合する能力が最小限にとどまる。例えば、皮膚の管理、効率性、及び安全性のような、特にユーザーの皮膚に対する適合性が改善された、適切な剃毛性能属性をより容易に提供することができる、ガード構造体を有することが望まれる。既知のガード及びキャップ構造体を有する様々なかみそりが、開示されてきた。例えば、米国特許第5092042号、同第5003694号、同第5056222号、同第5689883号、同第5903979号、及び同第5915791号、並びに米国特許出願公開第2003/0204954号、及び同第2003/0217470号を参照のこと。説明されてきたかみそりの多くの実施の形があるが、特に、どのようにかみそりが皮膚に接触するのかということに関して、異なる剃毛体験を提供することができる、新たなタイプのかみそりに対するニーズが依然として存在する。
1つの実施形態では、かみそりカートリッジが提供され、そのかみそりカートリッジは、刃先を有する少なくとも1つの刃、少なくとも1つの刃を保持する刃ユニット、及び刃ユニットの前側に位置付けられるガードを備え、ガードは、前記刃ユニットに接合される固定端部と、自由端部とを有し、前記刃ユニットから遠位側に位置付けられる回動軸は、自由端部が回動軸の周りを回動するように固定端部と自由端部とを動作可能に接続している。1つの実施形態では、自由端部は、少なくとも部分的に又は完全に、固定端部を覆って配設され、ギャップは、自由端部と刃ユニットとの間に存在する。自由端部は、湾曲したプロファイルを有し得る。自由端部は、第1材料から形成され得、第2材料の層は、自由端部上に配設され得る。かみそりカートリッジのこの実施形態のある特定の実装形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。第1材料は、第2材料と異なっていてもよい。第2材料は、かみそりカートリッジの、皮膚に接触する表面に用いるのに好適な、様々な異なる材料から選択され得る。好適な材料の非限定的な例としては、熱可塑性エラストマー(例えばフィン又はその他の一般的に用いられている表面処理を加えるように、異なる肌触りを提供するため、滑らかなものであっても、滑らかでないものであってもよく、例えば、米国特許出願公開第2010/0313424号、米国特許第6675479号、同第6651342号、及び同第8186062号を参照のこと)、潤滑性の材料(例えば本明細書に記載されるような潤滑剃毛剤、Venus Embraceかみそり上に存在するもの若しくは例えば米国特許第5711076号、及び米国特許出願公開第2012/0090189号に記載のもののようなモイスチャーリボン)、又はそれらの組み合わせ(例えば熱可塑性エラストマーが潤滑性の材料でコーティングされたもの)が挙げられる。1つの実施形態では、第1材料は、固定端部を形成する材料と同じものであり、第2材料は、自由端部の皮膚接触面の一部又は全体上に存在する、コーティング又はその他の特徴部である。
自由端部と刃ユニットとの間のギャップは、約0.5mm〜約2.5mmであり得る。固定端部と自由端部との間の回動軸は、刃ユニットの底面よりも下にあり得る。ガードの自由端部は、刃ユニットの剃毛平面よりも上方に延びていてよい。ガードは、刃ユニットの前側に、約1mm〜約10mm延びていてよい。固定端部と自由端部との間の回動軸は、約0.1mm〜約10mmの厚さを有し得る。
別の実施形態では、かみそりカートリッジが提供され、そのかみそりカートリッジは、刃先を有する少なくとも1つの刃、少なくとも1つの刃を保持する刃ユニット、及び刃ユニットの前側に位置付けられるガードを備え、ガードは、固定端部と、自由端部と、端部同士を接続する回動軸とを有し、回動軸は、刃ユニットから遠位側に位置付けられ、自由端部は、回動軸と刃ユニットとの間に位置付けられる。かみそりカートリッジのこの実施形態のある特定の実装形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。自由端部は、湾曲したプロファイルを有し得る。固定端部は、刃ユニットの第1端部及び/又は第2端部と回動軸との間に位置付けられ得る。固定端部は、自由端部の周辺部の周りに位置付けられ得る。固定端部は、キャップと回動軸との間に延びていてよい。固定端部は、刃ユニットと回動軸との間に延びていてよい。固定端部と自由端部との間の回動軸は、刃ユニットの底面よりも下にあり得る。ガードの自由端部は、刃ユニットの剃毛平面よりも上方に延びていてよい。ガードは、刃ユニットの前側に、約1mm〜約10mm延びていてよい。固定端部と自由端部との間の回動軸は、約0.1mm〜約10mmの厚さを有し得る。
本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
本発明の実施形態を、添付の図面を参照しつつ、例として、以下に更に説明するが、添付の図面において、実質的に同一の要素を示すために同様の符号が用いられている。
本発明のかみそりカートリッジの1つの実施形態の斜視図である。
図1のかみそりカートリッジの側面図である。
本発明のかみそりカートリッジに組み込まれ得るガードの概略図である。
本発明のかみそりカートリッジに組み込まれ得る別のガードの概略図である。
図1を参照すると、本開示1つの実施形態が示されており、この図は、刃ユニット12、キャップ14、及びガード16を含む、かみそりカートリッジ10を図示している。1つ以上の刃18が、刃ユニット12に搭載され得る。刃18は、一対のクリップ20で刃ユニット12に固定され得るが、当業者に既知のその他の固定方法を用いてもよく、例としては、ワイヤラッピング、冷間成形、熱間かしめ、インサート成形、接着剤等が挙げられるが、それらに限られない。5つの刃18が図示されているが、刃ユニット12は、より多くの又はより少ない枚数の刃18を有し得ることを理解すべきである。刃ユニット12は、刃ユニット12の背後に位置付けられキャップ14を含み得るが、刃ユニット12の背後とは、あって、刃18の刃先に対向する、刃ユニット12一方の側に配設されていることを意味するよう意図されている。ガード16は、キャップ14に対向する刃ユニット12の前側に位置付けられているが、これは言い換えると、ガード16は、刃18の刃先の前側に配設されているということである。
本明細書で使用されるとき、「前側」及び「背後」という用語は、かみそりカートリッジの特徴部同士の間の相対的位置を定めるものである。例えば、刃ユニットの「前側の」特徴部は、かみそりカートリッジにより処理される表面が、刃ユニット内の刃の刃先に接触する前に、その特徴部に接触するように位置付けられている。例えば、かみそりカートリッジが、その意図された切断方向にストロークされる場合、ガードは刃ユニットの前側にある。刃ユニットの「背後」の特徴部は、かみそりカートリッジにより処理される表面が、刃ユニット内の刃の刃先に接触した後に、その特徴部に接触するように位置付けられている。例えば、かみそりカートリッジが、その意図された切断方向にストロークされる場合、キャップは刃ユニットの背後にある。
刃ユニット12は、例えば、ポリフェニレンオキシド(PPO)とポリスチレンとのブレンド、高衝撃性ポリスチレン、ポリプロピレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、又はそれらの任意の組み合わせのような、半剛性材料から射出成形され得る。半剛性材料により、刃ユニット12が、剃毛中に一貫した幾何構造を維持することが可能となり得る。刃ユニット12は、通常の剃毛条件下では、折れ曲がったり屈曲したりしないように十分な剛性を有し得るが、そのことは、かみそりカートリッジ10の剃毛幾何構造に悪影響を及ぼし得る。
キャップ14は、刃ユニット12の背後に位置付けられている。ある特定の実施形態では、キャップ14は、ブレードユニット12の三方の周囲を囲む刃ユニット12の第1端部22及び第2端部24の周りに更に延び得、ガード16は第4側部の前側に配設されている。他の実施形態では、キャップ14は、刃ユニット12の背後のみに位置付けられ得るが、刃ユニット12の端部22、24には位置付けられない。キャップ14は、滑らかな表面を有し、剃毛補助剤を刃ユニット12の背後に送達することにより、皮膚に対して潤滑性を提供し得る。ある特定の実施形態では、キャップ14は、例えば、潤滑性、皮膚保湿性、及びコンディショニング性等を提供する、剃毛補助剤を含み得る。キャップ14は、キャップ14がかみそりカートリッジ10の意図された寿命にわたって(例えば、刃が、効果的に剃毛するには切れ味が悪くなるまで)長持ちするように、十分な耐摩耗性を有し得る。他の実施形態では、キャップ14は、通常の剃毛条件下では摩耗しない半剛性ポリマー材料から射出成形され得るが、そのような材料の例は、PPOとポリスチレンとのブレンド、高衝撃ポリスチレン、ポリプロピレン、ABS、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、高密度ポリエチレン(HPDE)、アセタール、ナイロン、又はそれらの任意の組み合わせ等である。ポリマー材料は、皮膚の表面に対する摩擦を減少させることが当業者に知られている、シリコーン、二硫化モリブデン、又はその他の潤滑剤のような材料が充填されていてもよい。当業者であれば、様々な剃毛補助剤/皮膚係合部材が、本発明と共に使用することができることを理解するであろう。皮膚と係合部材は、任意の刃の前方及び/又は後方に位置付けることができ、例えば、キャップ上に、ガード上に、及び/又は本発明のガードの自由端部上に位置付けることができる。本明細書での使用に適した周知の皮膚コンディショニング組成物の非限定的な例としては、米国特許第7,581,318号、同第7,069,658号、同第6,944,952号、同第6,594,904号、同第6,302,785号、同第6,182,365号、同第D424,745号、同第6,185,822号、同第6,298,558号、及び同第5,113,585号、並びに米国特許出願公開第2009/0223057号に記載されるようなひげ剃り補助剤及び潤滑ストリップが挙げられる。
本明細書において説明されるガード16は、一般に、かみそりカートリッジ10のハウジングを越えて延びるが、かみそりカートリッジ10は一般に、刃ユニット12とキャップ14とを含む。ガード16は、刃18と概ね平行に延び、刃ユニット12の前側に位置付けられる。ガード16は、刃ユニット12に接合される固定端部30と、回動軸34の周りで固定端部に取り付けられる自由端部32とを有する。回動軸は、自由端部が回動軸の周りで回動するように固定端部と自由端部とを動作可能に接続する。本明細書で使用されるとき、「動作可能に接続する」とは、使用中に、自由端部が固定端部にしっかりと取り付けられたままでありながら、自由端部が回動軸の周りで蝶番式に回転するのを可能にする任意の様式で、自由端部が、恒久的又は着脱可能に固定端部に回動軸の周りで取り付けられているということを意味する。1つの実施形態では、固定端部及び自由端部は同じ構造体から形成される(すなわち、かみそりのハウジングの一部分が、刃ユニットから離れるように延びて、回動軸の周りで自らの上に折り返される1つの実施形態のようなもの)。当業者ならば、本明細書において図示され、説明される例も、他の類似の実施のあり方も、本発明の範囲内であるということを理解するであろう。1つの実施形態では、自由端部は、少なくとも部分的に又は完全に固定端部を覆うように配設され、ギャップは、自由端部と刃ユニットとの間に存在する。
ガード16は、刃18に対して横方向に偏向し、皮膚の輪郭に追従する。理論に縛られずに言えば、皮膚に適合することにより、本明細書において説明したようなガード16は、皮膚伸張を向上させ、剃毛中にユーザーの皮膚に対してより心地よい感触を提供し、肌に密着した剃毛を提供する助けとなり得ると考えられる。ユーザーの皮膚の輪郭に適合するためのガード16の柔軟性は、ユーザーの皮膚に接触するガード16の表面積を増やす傾向を有し、皮膚伸張を向上させ、剃毛中にユーザーによって加えられる力をより均一に分配し得る。ガード16は、刃ユニット12及び/又はキャップ14から隔離された(例えば、遠くにかつ隣接せずに位置付けられる)回動軸を独自に有する。ガード16内での回動点の位置により、ガードの輪郭運動が、少なくとも、刃18に最も近いガード16の点にあるようにし、それにより、皮膚を引き伸ばすし、切断の直前に毛を望ましい位置に置く助けとなり得る。理論に縛られずに言えば、本発明のガードは、使用中に、新しいかつ異なる剃毛体験を提供することができると考えられる。更に、使用条件によって、本ガードはユーザーに、異なるかつより好ましい皮膚の引き伸ばし、又は、下向きの剃毛ストロークを加えたときに、異なる抵抗感を提供することができると考えられる。
1つの実施形態では、ガードは、1つ以上の潤滑部材を備える。かかる潤滑部材は、任意追加的にキャップ上で利用可能な潤滑部材に用いられるのと同じ材料から作られることも、又は異なる材料で作られることもできる。別の実施形態では、ガードは1枚以上のフィンを備える。例えば、米国特許出願公開第2010/0313424号及び米国特許第6,675,479号を参照のこと。1つの実施形態では、ガードは、1つ以上の潤滑部材と、1枚以上のフィンとを備える。
図2は、かみそりカートリッジ10の側面図である。図2でより明確にわかるように、回動軸34は、ガード16の固定端部30と自由端部32との間に存在する。自由端部32は、少なくとも部分的に、固定端部30を覆うように配設され、それにより、回動軸34は、自由端部32の、刃18に対する概ね横方向の動きを可能にする。ハウジング、刃ユニット、キャップ、及び、ガードの様々な構成要素(例えば、固定端部)は、かみそりカートリッジの個別の要素として説明されているが、それらは、例えばそれらが一体構造体として射出成形される場合のように、同一の材料で形成され得ることを当業者ならば理解するであろう。
図2に図示されているように、固定端部30は、かみそりカートリッジ10の剃毛平面36より下方の点で、刃ユニット12に接合され得る。本明細書で使用されるとき、「剃毛平面」とは、刃18の2つ以上の刃先に正接する平面を意味するよう意図されている。例えば、ガード16に最も近い刃18と、ガード16から最も遠い刃18は、剃毛平面に正接し、剃毛平面を画定し得る。追加的な刃18が、剃毛平面36より上方、下方、又はその平面上に位置付けられ得る。別の実施形態では、ガード16の固定端部30は、キャップ14に接合され得る。例えば、キャップ14は刃ユニット12の端部22、24の周りに延び、固定端部30の少なくとも一部分と接続され得る。これは、ガード16の、かみそりカートリッジ10への唯一の接続部であってよく、あるいは、ガード16は、キャップ14と刃ユニット12の両方に接続されていてよい。ガード16が、固定端部30の接続を介してのみキャップ14に接合される場合、開口部は、刃ユニット12の前側に、ガード16とキャップ14との接続点の間に存在し得る。ガード16は、インサート成形又は共射出成形によって、刃ユニット12及び/又はキャップ14に接合され得る。また、例えば接着剤、ワイヤラッピング、機械的締結具等のような、当業者に既知のその他の機械的又は化学的アセンブリ/固定方法も、ガード16を接合するために用いられ得る。固定端部30は、刃ユニット12により支持され得、通常の剃毛力の下で自由端部32が屈曲するのを容易にするため、自由端部32は支持されていなくてもよい。
1つの実施形態では、自由端部32は、少なくとも部分的に、固定端部30を覆って配設される。一部の実施形態では、自由端部は、その全体が固定端部を覆って配設されるが、それはすなわち、ユーザーが剃毛かみそりを、剃毛平面に垂直方向に上面から見た場合に、自由端部のいかなる部分も、固定端部の対応する部分を超えて延びてはいないということを意味する。1つの実施形態では、同じ上面から見た場合、固定端部全体は自由端部によって覆い隠され得る。本明細書で使用されるとき、「〜を覆って配設される」という用語は、1つの特徴部の位置が、別の特徴部よりも、剃毛平面の近くに位置しているということを意味するように一般に意図される。例えば、図2の実施形態では、自由端部32は、固定端部を覆って配設されているが、それは、自由端部が固定端部30よりも剃毛平面の近くに位置付けられているためである(平面よりも下方、又は上方のいずれか)。
自由端部32は、固定端部30を覆うように配設され、それにより、回動軸34は、自由端部32の、刃18に対して概ね横方向の動きを可能にする。図2に図示されているような自由端部32は、概ね湾曲したプロファイルを有するが、例えば直線的なもの、角度をなしているものなど他の多くのプロファイルも可能である。自由端部32の少なくとも一部分は、剃毛平面36よりも上方に延びている。剃毛平面の上方に延びることにより、ガード16がまずユーザーの皮膚に係合する。回動軸34は、通常の剃毛条件中の負荷下で、自由端部32が剃毛平面36に下向きに又はそれよりも下方に偏向するような自由端部32の動きを可能にし、剃毛中、心地よさの感覚及び密着感をユーザーに提供し得る。図2に示すように、自由端部32と刃ユニット12との間にギャップ38が存在し得る。ギャップ38は、毛が刃18まで、邪魔されることなく通過する通路を提供し得る。ギャップ38は、シェービングクリームのような剃毛準備剤が通過するためのスペースを更に提供し、ガード16が剃毛準備剤、剃毛された毛等で詰まってしまうのを防止する助けとなり得る。ギャップ38はまた、かみそりカートリッジ10の洗い流しやすさを、一般に改善するための助けにもなり得る。自由端部32と刃ユニット12との間のギャップ38は、約0.5ミリメートル(「mm」)〜約2.5mmであり得るが、具体的には約0.75mm〜約2mmで、より具体的には約1mm〜約1.5mmであり得る。
既に述べたように、回動軸34は、通常の剃毛条件中の負荷の下場合に、自由端部32が下向きに偏向するような自由端部32の動きを可能にし、剃毛中、心地よさの感覚及び密着感をユーザーに提供する。負荷を取り除いたとき、例えばかみそりカートリッジ10を皮膚から離したときには、自由端部32は、概ね元の位置に戻る。剃毛ストローク中、ガード16の自由端部32は、刃18に対して横方向に偏向する。自由端部32が偏向する量は、剃毛中にガード16が皮膚の輪郭に追従するにつれて変化し得る。かみそりカートリッジ10が皮膚の表面をわたって滑走するにつれて、ガード16が皮膚を引き伸ばして、皮膚のふくらみを減らすことができる(このようなふくらみは、切り傷の要因となり得る)。
図3を参照すると、ガード16の自由端部32を表す概略図が示されている。自由端部32は、第1位置40と第2位置42との間で動くことが可能である。第1位置40において、自由端部32の少なくとも一部分が、刃ユニット12に対して横方向に延びる長手方向軸44を有し得る。第1位置40においては、自由端部32には負荷がかからない場合がありそのため、自由端部は刃ユニット12に対して偏向していない。剃毛中、かみそりカートリッジ10の力が皮膚の表面に対し負荷Pをかけ得るが、それにより、自由端部32が偏向し、結果として第2位置42に至るようになっている。第2位置42において(例えば、剃毛中)、自由端部32の少なくとも一部分が、長手方向軸44に対してある角度で(例えば、長手方向軸44より下方に)偏向した長手方向軸46を有し得る。長手方向軸44(及び/又は刃ユニット12)に対する、自由端部32の長手方向軸46のたわみ角α1は、約5°〜約40°、具体的には約10°〜約30°、より具体的には約15°〜約25°であり得る。図3は、たわみ角α1を結果として生じる自由端部32の曲がりを図示しているが、たわみ角を結果として生じる自由端部の湾曲なしで、自由端部が距離d1だけ直線的に偏向する場合もあり得るということも理解すべきである。自由端部32が回動軸34の周りで単に偏向するというよりもむしろ曲がるかどうかは、自由端部32のプロファイル、回動軸及び/又は自由端部の厚さ、自由端部と固定端部30との間のギャップ64、それらの組み合わせ等次第であり得るが、望ましい偏向距離及び/又は角度をもたらすガード16のこのような構造は、当業者の技術の範囲内である。
負荷をかけることにより、自由端部32は、約0.1mm〜約4mm、具体的には、約0.5mm〜約3mm、かつより具体的には約1mm〜約2mmの距離d1だけ偏向し得る。かかった負荷により距離d1だけ自由端部32を偏向させるのに必要となる力は、自由端部32の長さに沿ってどこに負荷Pがかかるか次第で、並びにガード16の幾何構造及び寸法次第で変化し得る。自由端部32を偏向させるのに必要とされる力を大きくする又は小さくするために、自由端部32の幅及び支持されていない長さ、並びに回動軸34の厚さt1はすべて、変化し得る。例えば、十分な可撓性を提供し得るガード16の1つの特定の実施形態は、厚さが約0.1mm〜約10mm、約0.5mm〜約5mm、又は約1mm〜約2.5mmの回動軸34を含み得る。加えて、刃ユニットに対する回動軸34の位置付けが、ガード16の可撓性及び負荷要件に影響を及ぼし得る。1つの実施形態では、回動軸34は、刃ユニット12の底面62の平面60よりも下方に位置付けられる(図2に図示のとおり)。本明細書において説明したような回動軸は、一体構造体としてガードを形成する能力のため、主に一体蝶番として言及され及び図示されてきたものであるが、例えば、蝶番、継ぎ手、それらの組み合わせ等のような、その他の周知の回動機構も使用し得ることは理解すべきである。
支持構造は、本明細書において説明し図示したようなもの(自由端部が折り畳まれ/固定端部を覆うように配設され、回動軸を介して取り付けられるもの)であり得るが、異なる設計を有してもよく、例えば、固定端部が自由端部と概ね同一平面をなしているもの(例えば、固定端部が、1つ又は一対の支持アームを備え、そのアームが自由端部の周りを包み込み、図2に示されているのと同様の位置、すなわち最前方の刃から遠位側に離れた位置で、自由端部に取り付けられているもの)であってもよい。これは、図4に図示されている実施形態と類似のものであり得るが、固定端部の、自由端部より下方にある部分が開口部となっているものである。1つの実施形態では、開口部は、由端部全体又は自由端部の一部分だけと同じ、周辺部のおおまかな形状を有し得る。そのような実施形態では、一部の例においては、自由端部の一部分(すなわち、刃ユニットに最も近い部分)が、固定端部の方向に、少なくとも部分的に開口部を通って押し戻され得る。しかしながら、力が加えられた場合に、又は自由端部が剃毛平面より下方に、剃毛平面より約0.1mm下方に、剃毛平面より約0.5mm下方に、又は剃毛平面より約1mm下方に通過しないよう、回動軸において十分な抵抗があることが、本発明の実施形態にとって好ましい場合があり得ることを当業者は理解するであろう。1つの実施形態では、固定端部は開口部を形成し、自由端部の少なくとも一部分が、その開口部を覆って配設される。
自由端部の底面(すなわち、皮膚接触面に対向する面)を、露出させて、カートリッジ全体の洗い流しやすさを補助し、毛、剃毛準備剤、又はその他の剃毛くずが、装置の様々な構造内にはまり込んでしまう可能性を最小限にする。
またギャップ64も、自由端部32と固定端部30との間に存在し得るが、そこでは自由端部が固定端部を覆うように配設されている。ギャップ64を有するかみそりカートリッジの実施形態では、距離d1は、ギャップ64の大きさに、少なくとも部分的に依存して変化し得る。図2に示すように、ギャップ64は、ガード16の自由端部32の遠位端部と、刃ユニット12に概ねより近い固定端部30の一部分との間に存在する。1つの実施形態では、固定端部30は、自由端部32の偏向に対して、ハードストップを提供し得る。言い換えると、距離d1は、ギャップ64の長さに等しくなるであろう。別の実施形態では、距離d1がギャップ64の長さよりも短くなるように、ガード16が(例えば、一体蝶番として動作し得る、回動軸34の必要な厚さを決定することにより)設計され得る。自由端部32と固定端部30との間のギャップ64は、約0.5mm〜約5mm、具体的には約1mm〜約4mm、及びより具体的には約1.5mm〜約2.5mmであり得る。
図4を参照すると、本開示の別の実施形態が示されており、この図は、刃ユニット102、キャップ104、及びガード106を含む、かみそりカートリッジ100を図示している。刃ユニット102は、刃先を有する少なくとも1つの刃107を含む。キャップ104は、刃ユニット102の背後に位置付けられている。ガード106は、刃ユニット102の前側に位置付けられている。ガード106は、固定端部108、自由端部110、及び、両端部108、110を接続する回動軸112を含む。回動軸112は、刃ユニット102から遠位側に位置付けられるが、自由端部110は、回動軸112と刃ユニット102との間に位置付けられる。固定端部108は、刃ユニット102又はキャップ104に接続され得る。例えば、固定端部108は、刃ユニット102の第1端部114及び/又は第2端部116と、回動軸112との間に位置付けられ得る。別の例では、固定端部108は、自由端部110の周辺部118周りに位置付けられ得る。再び、回動軸112が遠位側に位置していることにより、回動軸112よりも、刃107の刃先により近くに配設されている、ガード106の自由端部110の輪郭運動を可能にする。
ガード16は、刃ユニット12の長さの少なくとも一部分に沿って延びる。1つの実施形態では、ガード16は、刃ユニット12の全長に沿って延び得る。別の実施形態では、ガード16は、刃ユニット12の一部分だけに沿って延び得る。更に別の実施形態では、ガード16は、ガード16の長さが刃ユニット12の端部22、24の一方又は両方を超えて延びるように、刃ユニット12の全長を超えて延び得る。図1に図示されているように、ガード16は、概ね長方形の断面形状を有するが、例えば、円形、正方形、三角形、楕円形、台形、それらの組み合わせ等の多くの断面形状が可能でありる。ガード16は、ガードが刃ユニット12の前方に延びる距離として測定した場合、約1mm〜約5mm、具体的には約1.5mm〜約4mm、より具体的には約2mm〜約3mmの深さを有し得る。
ガード16は一般に、平面状又は非平面状の表面を有し得るが、連続的であっても非連続的であってもよく、パターン化されていてもよく、又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。ガード16は、(例えば、ハウジングとして)単一の材料を用いる低コスト及び製造簡素性のために、射出成形法により製造され得る。ガード16は、単一の材料から、固定端部、自由端部、及び回動軸を形成して作られ得るが、その材料は、ガードの自由端部の所望の偏向を可能とするような好適な可撓性を、回動軸に提供する。あるいは、ガード16の固定端部30及び自由端部32を第1材料から形成し、回動軸34を第2材料から形成することができる。加えて、自由端部32の上面66は、皮膚に係部分であるが、この上面66は、第2材料の層70を含んでいてよい。第2材料は、自由端部32がそれからなっている第1材料とは異なるものであり得る。1つの実施形態では、ガード16は、ポリスチレン、ポリフェニレンオキシド、ポリプロピレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、高衝撃ポリスチレン、及びそれらの組み合わせ等のような、硬質プラスチック材料から完全に構成されていてよい。別の実施形態では、例えば自由端部32、回動軸34、及び/又は層70のような、ガード16の少なくとも一部分は、ガード16の残りの部分とは異なる材料から構成されていてよい。例えば、自由端部32が刃18に対して横方向に屈曲するのを容易にするため、自由端部32、回動軸34、及び/又は層70は、弾力性のある材料を含み得る。弾力性のある材料はまた、より剛性の高い材料と比べて、皮膚に対する触感も改善し、皮膚を引き伸ばすという点でも改善をもたらし得る。例えば、弾力性のある材料は、約20〜約70、具体的には、約30〜約60、より具体的には、約40〜約50のショアA硬さを有し得る。自由端部32、回動軸34及び/又は層70は、熱可塑性エラストマー(TPE)又はゴムから成形され得るが、その例としては、シリコーン、天然ゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、スチレンブタジエンスチレン(SBS)TPE、スチレンエチレンブタジエンスチレン(SEBS)TPE、ポリエステルTPE、ポリアミドTPE、ポリウレタンTPE、ポリオレフィン系TPE、及びこれらのTPEの任意のブレンド(例えば、ポリエステル/SEBSブレンド)が挙げられるが、それらに限られない。
1つの実施形態では、上面66は、濡れるとつるつる滑るようになる、非摩耗材料で作られ得る。好適な非摩耗材料の例としては、金属、ガラス、及び硬質プラスチックが挙げられ、又は、例えばテフロン若しくはセラミックコーティングのような、滑りやすさを高めるためのコーティングを含むこともできる。1つの実施形態では、非摩耗性の上面66は、ポリオキシメチレン、PVC、又は、濡れた状況又は乾燥した状況で皮膚に接触した場合に、高い摩擦係数を有しない、他の市販の硬質プラスチック材料で作られ得る。
本開示のかみそりカートリッジは、電動式又は手動式の、使い捨て又は再装填可能なかみそりシステムで用いられ得る。かみそりカートリッジはまた、複数の刃を含み得る。例えば、米国特許第7,168,173号は、Gillette社から市販される、複数の刃を備えるかみそりカートリッジを含む、Fusion(登録商標)かみそりについて一般的に記載している。
本明細書の全体を通して与えられるあらゆる最大数値の限定は、それよりも小さいあらゆる数値限定を、こうしたより小さい数値限定があたかも本明細書に明示的に記載されているかのように含むものと理解すべきである。本明細書を通して与えられるあらゆる最小数値の限定は、それよりも大きいあらゆる数値限界を、こうしたより大きい数値限定があたかも本明細書に明示的に記載されているかのように含む。本明細書を通して与えられるあらゆる数値範囲は、こうしたより広い数値範囲内にあらゆるより狭い数値範囲を、より狭い数値範囲があたかも本明細書にすべて明示的に記載されているかのように含む。
特に指定のない限り、本明細書、実施例、及び特許請求の範囲において、本明細書のすべての部、比、及び百分率は、重量基準であり、すべての数値限定は、当該分野により提供される通常の程度の精度で使用される。更に、本明細書で使用されるとき、ある群がその群の要素のリスト「で構成される(comprising of)」ものとして述べられている場合、その群はまた、群の要素の同じリスト「から本質的になる(consist essentially of)」又は「からなる(consist of)」場合がある。
本明細書で開示する寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限られるとして理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
あらゆる相互参照又は関連特許若しくは関連出願を含む、本明細書に引用されるすべての文献は、明確に除外ないしは別の方法で限定されない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いずれの文書の引用も、それが、本明細書において開示若しくは特許請求されるいかなる発明に関しても、先行技術であること、又はそれが単独で、若しくは任意の他の参考文献(1つ又は複数)との任意の組み合わせにおいて、任意のかかる発明を教示、提唱、若しくは開示することを認めるものではない。更に、本文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考により組み込まれる文書における同じ用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲では、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義を優先するものとする。
本発明の特定の実施形態を例解及び説明してきたが、当業者には、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、種々の他の変更及び修正を行うことができることは明らかであろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのようなすべての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。
Claims (14)
- 刃先を有する少なくとも1つの刃18、
前記少なくとも1つの刃を保持する刃ユニット12、及び
前記刃ユニットの前側に位置付けられるガード16、を備え、前記ガード16は、前記刃ユニットに接合される固定端部30と、自由端部32とを有し、前記刃ユニットから遠位側に位置付けられる回動軸34は、前記自由端部が前記回動軸の周りで回動するように前記固定端部と前記自由端部とを動作可能に接続する、かみそりカートリッジ10。 - 前記自由端部が、少なくとも部分的に、前記固定端部を覆って配設される、請求項1に記載のかみそりカートリッジ。
- 前記自由端部が、湾曲したプロファイルを有する、請求項1又は2に記載のかみそりカートリッジ。
- 前記自由端部が、第1材料から形成され、好ましくは熱可塑性エラストマーである第2材料の層が、前記自由端部上に配設される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のかみそりカートリッジ。
- 前記ギャップが、約0.5mm〜約2.5mmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のかみそりカートリッジ。
- 前記回動軸が、前記刃ユニットの底面よりも下にある、請求項1〜5のいずれか一項に記載のかみそりカートリッジ。
- 前記自由端部が、前記刃ユニットの剃毛平面よりも上方に延びる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のかみそりカートリッジ。
- 前記ガードが、前記刃ユニットの約1mm〜約5mm前方に延びる、請求項1〜7のいずれか一項に記載のかみそりカートリッジ。
- 刃先を有する少なくとも1つの刃18、
前記少なくとも1つの刃を保持する刃ユニット12、及び
前記刃ユニットの前方に位置付けられるガード16、を備え、前記ガード16は、固定端部30と、自由端部32と、前記自由端部を前記固定端部に接続する回動軸34とを有し、前記回動軸は、前記刃ユニットから遠位側に位置付けられ、前記自由端部は、前記回動軸と前記刃ユニットとの間に位置付けられる、かみそりカートリッジ10。 - 前記固定端部が、開口部を形成し、前記自由端部の少なくとも一部分が、前記開口部を覆って配設される、請求項9に記載のかみそり。
- 前記固定端部が、前記刃ユニットの第1端部及び/又は第2端部と前記回動軸との間に位置付けられる、請求項9又は10に記載のかみそりカートリッジ。
- 前記固定端部がキャップと前記回動軸との間に延びる、請求項9〜11のいずれか一項に記載のかみそりカートリッジ。
- 前記固定端部が、前記刃ユニットと前記回動軸との間に延びる、請求項9〜12のいずれか一項に記載のかみそりカートリッジ。
- 前記回動軸が、前記刃ユニットの底面よりも下にある、請求項9〜13のいずれか一項に記載のかみそりカートリッジ。
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