JP2018501782A - 運動ニューロン前駆細胞を持続的に成長させる方法及び医薬組成物 - Google Patents

運動ニューロン前駆細胞を持続的に成長させる方法及び医薬組成物 Download PDF

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蘇鴻麟
潘宏川
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林欣栄
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Abstract

本発明は、運動ニューロン前駆細胞を嗅神経鞘細胞で構築されたニッチにおいて培養して、運動ニューロン前駆細胞が自己複製及び成熟ニューロンに誘導分化する能力を長期間保持するようにし、それによって、運動ニューロンに対する保護効果を効果的に果たす、運動ニューロン前駆細胞を持続的に成長させる方法、及び医薬組成物を提供する。本発明で開示された方法により得られた運動ニューロン前駆細胞は、運動ニューロン損傷に関連する疾患を治療する医薬組成物の有効成分として使用できる。

Description

本発明は、神経幹細胞の成長を維持する方法に関し、特に運動ニューロン前駆細胞を持続的に成長させる方法、及び医薬組成物に関する。
全能胚性幹細胞は所望した神経細胞コミュニティー(cell community)を生産する材料として使用でき、今まで、有望な細胞置換療法である(Kozubenko N et al., 2010; Mandai M et al., 2010; Boddington SE et al., 2010)。一般的には、胚性幹細胞の分化ステップには、神経誘導因子及び領域形成因子(regional patterning factors)を順に提供して、細胞分化及び細胞運命転換(cell fate conversion)を誘導し、発達段階の胚シングルを与えることを含み、それによって、胚性幹細胞が体外で個体の体内での初期発育を再現できる(Muguruma K et al., 2012; Willerth SM、 2011)。例えば、BMPシグナルを抑制することによって、単一胚と胚性幹細胞のいずれにも原始神経上皮前駆細胞(neuroepithelial progenitor cells、EPCs)を発生できる。EPCsに更にソニックヘッジホッグ(sonic hedgehog、SHH)及びレチノイン酸(retinoic acid、RA)を供給することによって、脊髄運動ニューロンを発生できる。以前の研究に示すように、胚性幹細胞から誘導する神経細胞は胚における正常なニューロンに類似し、ニューロンの正常な生理機能、例えば神経伝達物質の放出及び活動電位(action potential)の発生の機能を有する。疾患モデル動物に胚性幹細胞から誘導するニューロンを移植することで、その運動能力と挙動を回復できるものの、その成功率は移植されたニューロンの高活性と高生存率に依存する(Lopez−Gonzalez R et al., 2009; Harper JM et al., 2004; Chiba S et al., 2003)。
脊髄及び脳幹の運動ニューロンは生理的且つ病理学的に重要であるため、特別なニューロン集団として幅広く研究されている(Lopez−Gonzalez R et al., 2012; Chipman PH et al., 2012; Jessell TM et al., 2011; Thonhoff JR et al., 2009)。発達過程において、複数の運動ニューロンの特異的転写因子(lineage−specific transcription factors)が発見されたが(Chipman PH et al., 2012; Wu CY et al., 2012; Takazawa T et al., 2012; Wada T et al., 2009)、脳室周囲と海馬回の神経幹細胞集団に比べて、従来、運動ニューロン群の自己複製及び維持に対する分子基礎についての研究がほぼなかった。遺伝子組換えマウスの研究結果から明らかなように、ソニックヘッジホッグ及びその下流Gli経路は運動ニューロン前駆細胞成長の重要因子である(Wu SM et al., 2012; Oh S et al., 2009; Ruiz i Altaba A、 1998)が、ただし、現在、運動ニューロン前駆細胞集団の成長がその他の分泌因子に繋がるかどうかはまだ不明である。この他、運動ニューロン集団の低収率及び低純度が原因で、運動ニューロン増殖についての研究が制限されてしまう。脊髄ニューロンとマウスN18神経芽細胞を融合することによって、不死化運動ニューロンのハイブリッド細胞株を作成して入手できるが(Raimondi A et al., 2006; Cashman NR et al., 1992)、該不死化ハイブリッド運動ニューロン細胞株は多核を有するとともに遺伝子が異常で、持続的に増殖でき、さらに、たとえば長細い軸索と伝導活動電位を有するような運動ニューロンの典型的な形態や機能を反映できない。
嗅神経鞘細胞(Olfactory ensheathing cells、OECs)は、末梢神経系のシュワン細胞(Schwann cells)に類似し、嗅神経細胞繊維に分布している神経膠細胞である(Mackay−Sim A et al., 2011; Su Z et al., 2010; Raisman G et al., 2007)。嗅神経鞘細胞は、嗅神経軸索が間質組織を介して成長し且つ嗅覚ニューロンを保護する神経栄養因子を複数種分泌するように誘導する。嗅神経鞘細胞を同定するには、グリア線維性酸性タンパク質(glial fibrillary acidic protein、GFAP)、s100、p75及び中間フィラメントタンパク質(nestin intermediate filaments)の発現によって認識される。嗅神経鞘細胞と神経幹細胞を共培養することにより、神経幹細胞の分化と神経突起(neurites)の形成を促進できるが、神経幹細胞の成長と複製を促進できない。
幹細胞移植は退行性神経疾患及び中枢神経系病変に有効な治療方法として期待される。具体的に、幹細胞移植とは、幹細胞を損傷された中枢神経部位又はその付近に送達して、損傷された中枢神経系の神経細胞を再生することである。従来の研究から分かるように、嗅神経鞘細胞又は神経前駆細胞の移植は、脳損傷、たとえば筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis、ALS)や脊髄損傷(Mackay−Sim A et al., 2011)に罹る実験用げっ歯動物の機能的改善に有用である。しかしながら、従来の研究では実験時間が数ヶ月だけで、且つ神経損傷の関連症状を一時的に改善する効果だけを果たし、該短期間の治療効果は移植細胞の低生存率との関連性が高い。具体的には、対象は被移植細胞に対し局所的炎症や拒否反応を発生させることから、被移植細胞の生存に適当なニッチや成長因子を提供できない場合が多く、被移植細胞が複製できなかったり細胞活性が低下したりすると、被移植細胞が宿主の細胞と統合できなくなる。従って、移植細胞の低生存率によって、治療効果が持続できないことを招く恐れがある。
本発明の主な目的は、運動ニューロン前駆細胞を嗅神経鞘細胞で構築されたニッチにおいて培養して、運動ニューロン前駆細胞が自己複製を長期間維持するとともに成熟ニューロンへの誘導分化能力を有するようにし、それによって、運動ニューロンに対する保護効果を効果的に果たす、運動ニューロン前駆細胞を持続的に成長させる方法を提供することである。
本発明の別の目的は、有効量の運動ニューロン前駆細胞及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物を提供することである。該医薬組成物を運動ニューロン損傷の関連疾患、たとえば脳卒中、脊髄損傷、神経退化性疾患等に罹る患者に投予することによって、対象の神経機能回復及び運動ニューロン成長促進の効果を果たす。
上記目的を達成させるために、本発明に係る一実施例は、運動ニューロン前駆細胞を嗅神経鞘細胞で構築されて成長に適合する培養ニッチにおいて培養して、該運動ニューロン前駆細胞が自己複製を維持するとともに成熟運動神経細胞への分化能力を有するようにする、運動ニューロン前駆細胞の活性を持続的に維持する方法を提供する。
好ましくは、該培養ニッチは嗅神経鞘細胞を含む培地である。
ここで、低密度で運動ニューロン前駆細胞を培養する。
ここで、少なくとも1つの該運動ニューロン前駆細胞を嗅神経鞘細胞に接種して培養する。
好ましくは、該培養ニッチは嗅神経鞘細胞を前処理したものの、嗅神経鞘細胞を含まない培地であり、ここで、高密度で運動ニューロン前駆細胞を培養する。
本発明に係る方法によれば、該運動ニューロン前駆細胞を該培養ニッチにおいて連続的に10世代以上拡大培養し、且つ、1つの該運動ニューロン前駆細胞は細胞コミュニティー(cell community)を形成できる。
本発明の別の実施例は、有効量の運動ニューロン前駆細胞及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物を開示する。該運動ニューロン前駆細胞を嗅神経鞘細胞で構築されたニッチにおいて前処理する。
好ましくは、該運動ニューロン前駆細胞を嗅神経鞘細胞で前処理する。
好ましくは、該運動ニューロン前駆細胞を嗅神経鞘細胞を先に処理して得た培地で前処理する。
好ましくは、該医薬組成物はさらに嗅神経鞘細胞を含む。
好ましくは、該運動ニューロン前駆細胞と該嗅神経鞘細胞を等比率にして前処理する。
本発明に係る医薬組成物は運動ニューロン疾患を治療する用途がある。
好ましくは、該疾患は脳卒中、脊髄損傷、退行性神経疾患、筋萎縮性側索硬化症又は運動ニューロンが死亡していく任意の疾患である。
本発明の有益な効果は、本発明で提供した運動ニューロン前駆細胞を持続的に成長させる方法及び医薬組成物は、運動ニューロン前駆細胞が自己複製を長期間維持するとともに成熟ニューロンへの誘導分化能力を有するようにし、それによって、運動ニューロンに対する保護効果を効果的に果たし、更に対象の神経損傷部位を修復又は再生し、運動ニューロン疾患を効果的に治療するという効果を実現することである。
嗅神経鞘細胞を培養した4日目の外形である。 嗅神経鞘細胞を培養した7日目の外形である。 嗅球の嗅神経鞘細胞、嗅粘膜の嗅神経鞘細胞及び子ハムスターの線維芽細胞のそれぞれの免疫細胞染色結果である。 蛍光活性化細胞選別技術によりp75抗体で染色した嗅神経鞘細胞を分析し、ここで、赤色はp75抗体で染色された嗅神経鞘細胞、青色は未染色細胞を示す。 嗅神経鞘細胞の成長曲線図である。 HB9::GFP胚性幹細胞とマウス骨芽細胞株PA6の共培養プロセスの模式図である。 マウス骨芽細胞株と共培養した8日目のHB9::GFP細胞である。 HB9::GFP胚性幹細胞を異なる処理条件で培養するプロセスの模式図である。 1つのHB9::GFP細胞を嗅神経鞘細胞に接種して一週間培養して形成する細胞コミュニティー(cell community)の結果である。 1つのHB9::GFP細胞をマイトマイシンCで処理した嗅神経鞘細胞に接種して、一週間培養した後の結果である。 嗅神経鞘細胞で増殖したHB9::GFP細胞をPA6細胞に接種して培養した後の結果である。 免疫染色法による各群ラットのCD11b発現の分析結果である。 各群ラットのCD11b発現の統計分析結果であり、ここで、*はP<0.05、**はP<0.01を示す。 免疫染色法による各群ラットの運動ニューロンのコリンアセチルトランスフェラーゼ発現の分析結果である。 各群ラットの運動ニューロンのコリンアセチルトランスフェラーゼ発現の統計分析結果であり、ここで、*はP<0.05、**はP<0.01を示す。
断らない限り、本発明の明細書及び請求項に使用される技術及び科学用語の意味は、本発明の当業者の普通の理解と同様である。矛盾になる場合は、本発明の内容を基準にする。
「HB9::GFP 胚性幹細胞」は未分化で且つ蛍光をもっていない胚性幹細胞であり、その染色体にHB9遺伝子のプロモーター及び緑色蛍光タンパク質(green fluorescent protein、 GFP)を有する外来遺伝子を持っている。
「HB9::GFP 細胞」は胚性幹細胞から誘導する運動ニューロン前駆細胞又は成熟した運動ニューロンであり、緑色蛍光を有する。該緑色蛍光タンパク質の発現は運動ニューロン特異的プロモーターHB9により制御される(Miles GB et al., 2004; Wichterle H et al., 2002)。HB9は運動ニューロンの特異的転写因子(Arber S et al., 1999)であり、従って、運動ニューロンでしか緑色蛍光蛋白の発現が検出できない(Miles GB et al., 2004; Soundararajan P et al., 2006)。本発明の実施例では、HB9::GFP細胞について、嗅神経鞘細胞による運動ニューロンの増殖効率への影響を検討し、さらに嗅神経鞘細胞と共培養する運動ニューロンの増殖能力を量化する。
「有効量」とは、期待される特定効果を果たすのに必要な化合物又は活性成分の量を意味し、組成物に対する重量比率で表示する。本発明の当業者であれば、該有効量は特定効果を果たすための投予方法によって異なることが理解されるべきである。一般的には、活性成分又は化合物の組成物における量は、該組成物の重量の約1%−約100%、好ましくは約30%−約100%である。
「薬学的に許容可能な担体」は、医薬製品に使用可能な任意の担体を意味し、該担体は組成物の形態に応じて、固体、半固体又は液体とする。例として、担体は、ゼラチン、乳化剤、炭化水素類混合物、水、グリセリン、生理食塩水、緩衝生理食塩水、ラノリン、パラフィン、蜜蝋、シメチコン、エタノールを含むが、これらに制限されない。
「医薬組成物」は、有効量の特定効果を果たすのに必要な化合物又は活性成分、及び少なくとも1種の担体を含む。本発明の当業者であれば、組成物の剤型は、特定効果を果たすための投予方法によって異なることが理解されるべきであり、例えば、錠剤、粉剤、注射剤等が挙げられ、さらに、該担体は、組成物の剤型に応じて固体、半固体又は液体である。
「投予」とは薬物を対象の特定部位、特定細胞、特定ターゲットに送達する手段、又はそれと対象を接触させて作用する方法を意味し、一般的には、投予方法は、経口投与、塗布投与、噴霧投与、吸入投与、注射投与等を含むが、これらに制限されない。
以下、本発明の効能を詳細に説明するために、いくつかの実施例をもって詳細説明するが、該実施例は説明するための示例に過ぎず、使用されるいずれの用語も本発明の明細書及び請求項の範囲や意味を制限するものではない。
なお、以下、動物試験に関わる実施例はすべて、台湾台中栄民総医院の論理委員会の審査を通過する。また、断らない限り、以下の実施例における幹細胞を培養・分化するためのすべての基本培地及び添加成分は市販品(Invitrogen)である。
実施例1:胚性幹細胞の維持及び分化
米国のコロンビア大学から、HB9::GFP遺伝子組換えマウスから分離したHB9遺伝子組換え胚性幹細胞(以下、HB9::GFP 胚性幹細胞と略称する)を入手し、該細胞は運動ニューロン前駆細胞及び成熟運動ニューロン(以下、HB9::GFP 細胞と略称する)に分化できる。
該HB9::GFP 胚性幹細胞を、マイトマイシンC(mitomycin C)で処理したマウス胚線維芽細胞を含有する高グルコースDMEM培地に保持し、15%ウシ胎仔血清、2mMのグルタミン、0.1mMの非必須アミノ酸、1mMのピルビン酸、0.1mMの2−メルカプトエタノール(2−mercaptoethanol、Sigma−Aldrich)及び1000U/mlの白血病阻害因子(Chemicon)を添加する。
詳細な神経分化方法は、本発明の当業者が先行技術の内容に基づいて周知することであり、無血清胚様体様(serum−free embryoid−body−like、SFEB)(Watanabe K et al., 2005)、neurobasal/N2B27培地(Ying QL et al., 2003)及び間質細胞由来誘導活性方法(stroma cell−derived inducing activity methods、SDIA methods)(Kawasaki H et al., 2000)が含まれる。
胚性幹細胞の分化が開始する初日を0日目とし、3−5日目に0.1μMのレチノイン酸(Sigma−Aldrich)を分化培地に加え、培養する5−7日のそれぞれに、200μMの外因性ソニックヘッジホッグ(R&D Systems)又は2μMの2,6,9−三置換プリン化合物(Purmorphamine、PU、Tocris)を添加して置換する。
実施例2:嗅神経鞘細胞の培養及び精製
約250〜300グラムのSDラット(Sprague−Dawley Rat)を用いて、該ラットの嗅粘膜(olfactory mucosa、OM)又は嗅球から嗅神経鞘細胞を分離した。該嗅神経鞘細胞を選択培地において連続的に培養して、顕微鏡下で4日目と7日目の細胞外形を観察し、結果を図1に示す。図1から明らかなように、該嗅神経鞘細胞は典型的な紡錘状である。
次に、嗅粘膜及び嗅球から分離した嗅神経鞘細胞及び子ハムスターの線維芽細胞(baby hamster kidney fibroblast cells、BHK−21 cell)を免疫細胞染色法で分析した。上記各該細胞を4%パラホルムアルデヒド(paraformaldehyde)で固定して、0.3%のトリトン(Triton−X 100)で各該細胞を貫通した後、S100及びp75の一次抗体で免疫反応を行い、次に0.1%Tween−20のリン酸緩衝液で洗浄し、さらに蛍光標識を有する適当な二次抗体と反応させ、DAPIで核反応染色を行い、最後に正立顕微鏡(Nikon ECLIPSE 80I)又は共焦点顕微鏡(LSM510 Meta、 Zeiss)で免疫染色結果を観察し、結果を図2に示す。ここで、図中、上方の赤色はp75抗体で染色された結果、図中、下方の赤色はS100で免疫染色された結果、図中、青色はすべてDAPI染色結果である。
該嗅神経鞘細胞をp75抗体で染色して、蛍光活性化細胞選別技術(Fluorescence Activated Cell Sorter、FACS)により分析し、次に、トリパンブルー(trypan blue)で死亡細胞を除去し、該嗅神経鞘細胞の細胞数を分析して、その成長曲線を記録し、結果を図3A及び図3Bに示す。
図2の結果から明らかなように、培養された嗅神経鞘細胞はほぼすべて、嗅神経鞘細胞マーカー、たとえばp75、s100を示す。それに対して、子ハムスターの線維芽細胞はp75及びs100抗原を示さない。それは、本培養方法が高純度嗅神経鞘細胞を発生できることを示す。また、図3Aの結果から明らかなように、未染色嗅神経鞘細胞(図中の青色部分)に比べて、大部分の嗅神経鞘細胞はp75抗体で染色でき(図中の赤色部分)、さらに、該嗅神経鞘細胞は増殖でき、細胞数が二倍になる時間(a double time)は約28〜32時間であった。
実施例3:マウス骨芽細胞株と胚性幹細胞から誘導する運動ニューロンとの共培養
図4に示すように、実施例1におけるマウス由来のHB9::GFP胚性幹細胞とマウス骨芽細胞株(PA6細胞)を先行文献(Pan HC et al., 2011)に開示された下記培養プロセスによって共培養する。0−3日に10%のKSR(Knockout serum replacement)培地、3−5日にレチノイン酸を含有するKSR培地、5−7日にレチノイン酸及び2,6,9−三置換プリン化合物を含有するNB培地(neurobasal medium、Invitrogen)を用いて、共培養した。次に、NB培地で培養し、8日目の該HB9::GFP 細胞を観察して、図5に示す。
図5の結果から明らかなように、マウス骨芽細胞株PA6と共培養する該HB9::GFP 細胞は運動ニューロンに分化して緑色蛍光タンパク質を発現できるようになり、運動ニューロンとして典型的な外形をしている。また、本願の発明人等による以前の研究から分かるように、マウス胚性幹細胞から誘導する運動ニューロンはコリンアセチルトランスフェラーゼ及び運動ニューロンの特異的タンパク質MNR2(Pan HC et al., 2011)を発現でき、それにより、HB9::GFP胚性幹細胞はマウス骨芽細胞株PA6と共培養した後に、機能を有する成熟運動ニューロンに分化することが明らかなになった。
実施例4:嗅神経鞘細胞によるHB9::GFP細胞の自己複製能力の維持
図6に示すように、まず、実施例1又は実施例3で開示された方法によりHB9::GFP胚性幹細胞を5日間培養した。この時、緑色蛍光が分化した胚性幹細胞に反映し始め、緑色蛍光を示す細胞は卵円形で、神経突起がなく、従って、この段階の緑色蛍光細胞は運動ニューロン前駆細胞であり、8日間培養した成熟運動ニューロンと異なる。
培養の5日目に、フローサイトメーター(Influx、nozzle 100 m、25 psi、Becton−Dickinson)を用いて緑色蛍光を示す単一のHB9::GFP細胞を選別した。次に、100 cells/mLの低密度条件で細胞培養を行い、単一のHB9::GFP細胞をそれぞれ嗅神経鞘細胞、PA6細胞及びマトリゲルに接種して、1週間培養した。
1週間培養したところ、単一のHB9::GFP細胞は図7に示すように嗅神経鞘細胞でしかコロニー(colony)を形成できず、且つ、該HB9::GFP細胞が形成する細胞コミュニティー(cell community)は嗅神経鞘細胞で10世代以上継代しても緑色蛍光タンパク質を発現でき、それに対して、該HB9::GFP細胞はPA6細胞又はマトリゲルに接種する場合は、均一に分布して成熟運動神経細胞に分化できるものの、自己複製及び成長ができなかったことを見出した。
さらに、選別した単一のHB9::GFP細胞をマイトマイシンCで処理した嗅神経鞘細胞に接種して、その細胞複製能力を失わせた。1週間培養後、結果は図8に示されるとおりである。図8の結果から明らかなように、細胞複製ができない嗅神経鞘細胞はHB9::GFP細胞の増殖効率を低下させ、HB9::GFP細胞は5世代以下しか継代できない。
この他、選別した単一のHB9::GFP細胞を、10000 cells/mLの高密度条件下で培養して、嗅神経鞘細胞と接触させずに、嗅神経鞘細胞で1日間培養した条件培地(conditional media)と共培養した。2日間毎に培養液を交換して、2週間培養した。この培養結果から、単一のHB9::GFP細胞は嗅神経鞘細胞と接触させなくても、細胞コミュニティー(cell community)を形成して複製し、さらに継代し続けることができることを見出した。
上記結果から示すように、健康な嗅神経鞘細胞と共培養し、又は嗅神経鞘細胞を培養した条件培地と培養することにより、それぞれ運動ニューロン前駆細胞の自己複製を保持できる特異的ニッチ(niches)を提供できるため、HB9::GFP細胞を保持する重要なニッチ因子となっている。
実施例5:運動ニューロンの分化能力
フローサイトメーター(Influx、nozzle 100 μm、25 psi、Becton−Dickinson)を用いて、嗅神経鞘細胞と共培養して得た単一の5世代目のHB9::GFP細胞を選別した。選別した該HB9::GFP細胞をPA6細胞に接種して、3日間培養後、観察したところ、大部分の細胞が、図9に示すように、迅速に軸索を延ばして、成熟運動ニューロンになり、分化した運動ニューロンとして典型的な形態を示す。図9に示すように、嗅神経鞘細胞で増殖するHB9::GFP細胞はまだ分化能力を維持し、成熟運動ニューロンに分化できる。
実施例6:脊髄損傷動物モデルの作成
本実施例では、脊髄損傷動物モデルの作成方法について、先行文献(Cheng FC、 et al., 2012; Cheng FC et al., 2010; Yang DY et al., 2012)を参照すればよい。
250〜300グラムのSDラットを用いて、4%イソフルランで麻酔導入し、次に、1−2%イソフルランで麻酔状態を維持した。鎖骨に平行した胸骨から腋下までの水平方向の切開部を介して右側の腕神経叢と接触した。大胸筋を除去して、完全な頭部静脈を得た。鎖骨下における血管を固定して、胴体下部を解剖した。鉗子を用いてC7神経根を脊髄から5分間抜いた後、傷口を縫合して、脊髄損傷ラットの作成に供した。
実施例7:動物試験
実施例6で作成した脊髄損傷ラットを4群に分けて、脊髄損傷2週間後、該ラットのそれぞれについて脊椎T7−T8で完全椎弓切除術を行って、損傷を引き起こす脊髄前角(ventral horn)及び反対側の健康な部位で、条件が異なる細胞移植を行い、そのうち、第1群では、2μlのリン酸塩緩衝液を用い、第2群では、5x10個の嗅神経鞘細胞を移植し、第3群では、5x10個のHB9::GFP細胞を移植し、第4群では、2.5x10個の移植嗅神経鞘細胞を用いて2.5 x10個のHB9::GFP細胞を1日間前処理(pretreatment)して、HB9::GFP細胞を複製させ、次に移植する。
細胞移植手段としてマイクロインジェクションが使用される。脊柱右側のマイクロインジェクションは、細胞を、脊椎T8及びT9の正中線からの0.75ミリメートル及び深さ1.2ミリメートルで白質に、20分間かけて注射し、注射が終了した後、5分間保持し、脊柱左側のマイクロインジェクションは、細胞を、脊椎T8及びT9の正中線からの0.5ミリメートル及び深さ1.2ミリメートルで、前角に20分間かけて注射し、注射が終了した後、5分間保持した。各群ラットに移植して1週間後、各群ラットを麻酔して、25ミリリットルのリン酸塩緩衝液及び100ミリリットルの4%パラホルムアルデヒドで灌流して、それぞれ脊髄を取って免疫組織化学染色を行い、CD11b、コリンアセチルトランスフェラーゼの発現を観察し、結果を図10A、図10B及び図11A、図11Bに示す。
脊髄損傷ラットのミクログリア細胞(microglial cells)が過度に活性化されて、神経細胞炎症を引き起こすため、ミクログリア細胞はCD11bを大量で発現させ、且つ運動ニューロンは破壊される。図10A、図10B及び図11A、図11Bの結果から明らかなように、第1群のラットはCD11b発現量が他の群より遥かに高く、且つ、コリンアセチルトランスフェラーゼで脊髄前角の運動ニューロンをキャリブレーションした結果、第1群のラットの運動ニューロンが深刻に損傷されていることを示した。第1群ラットに比べ、第4群のラットは、CD11b発現量が著しく低下し、コリンアセチルトランスフェラーゼを発現させる大量の運動ニューロンが検出できることにより、その内在性運動ニューロンの大部分が損傷されていないことを示した。また、第4群のラットと第2群のラット又は第3群のラットを比較して明らかなように、運動ニューロン又は嗅神経鞘細胞単独を移植する場合に比べて、運動ニューロンと嗅神経鞘細胞の両方の移植は宿主の運動ニューロンに対し相乗した修復効果を果たす。
上記実施例の結果から明らかなように、本発明に係る運動ニューロン前駆細胞の活性を持続的に維持する方法は、運動ニューロン前駆細胞が健康な嗅神経鞘細胞の存在するニッチにおいて、その自己複製能力を維持できるようにし、運動ニューロンに先行技術より優れた保護効果を提供する。さらに、培養過程において得られた該運動ニューロン前駆細胞は、分化条件でも成熟運動ニューロンに分化でき、運動ニューロンの成長及び神経機能の回復に寄与する。上記方法によれば、本発明で提供した医薬組成物及び処理方式は、自己複製能力と分化能力を有する運動ニューロン前駆細胞を対象に移植して、まず該運動ニューロン前駆細胞を複製して、次に対象の神経損傷部位を修復又は再生することによって、運動ニューロン疾患を効果的に治療する効能を実現する。
以上は各該実施例をもって本発明を詳細に説明したが、当業者が本発明の精神を脱逸することなく、明細書の実施例についてなさる簡単な修正や変化はいずれも本案の請求項に含まれるべきである。
参照文献
Kozubenko N, Turnovcova K, Kapcalova M, Butenko O, Anderova M, et al. (2010) Analysis of in vitro and in vivo characteristics of human embryonic stem cell−derived neural precursors. Cell Transplant 19: 471−486.
Mandai M, Ikeda H, Jin ZB, Iseki K, Ishigami C, et al. (2010) Use of lectins to enrich mouse ES−derived retinal progenitor cells for the purpose of transplantation therapy. Cell Transplant 19: 9−19.
Boddington SE, Henning TD, Jha P, Schlieve CR, Mandrussow L, et al. (2010) Labeling human embryonic stem cell−derived cardiomyocytes with indocyanine green for noninvasive tracking with optical imaging: an FDA−compatible alternative to firefly luciferase. Cell Transplant 19: 55−65.
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Claims (15)

  1. 運動ニューロン前駆細胞を持続的に成長させる方法であって、
    運動ニューロン前駆細胞を嗅神経鞘細胞で構築された培養ニッチにおいて培養して、該運動ニューロン前駆細胞が自己複製を維持するとともに成熟運動神経細胞への分化能力を有するようにすることを特徴とする方法。
  2. 前記培養ニッチは嗅神経鞘細胞を含む培地であることを特徴とする請求項1に記載の運動ニューロン前駆細胞の活性を持続的に維持する方法。
  3. 前記培養ニッチは嗅神経鞘細胞を前処理したものの、嗅神経鞘細胞を含まない培地であることを特徴とする請求項1に記載の運動ニューロン前駆細胞の活性を持続的に維持する方法。
  4. 低密度で培養することを特徴とする請求項2に記載の運動ニューロン前駆細胞の活性を持続的に維持する方法。
  5. 高密度で培養することを特徴とする請求項3に記載の運動ニューロン前駆細胞の活性を持続的に維持する方法。
  6. 少なくとも1つの前記運動ニューロン前駆細胞を嗅神経鞘細胞に接種して培養することを特徴とする請求項2に記載の運動ニューロン前駆細胞の活性を持続的に維持する方法。
  7. 前記運動ニューロン前駆細胞を前記培養ニッチにおいて連続的に10世代以上拡大培養することを特徴とする請求項1に記載の運動ニューロン前駆細胞の活性を持続的に維持する方法。
  8. 単一の前記運動ニューロン前駆細胞が前記培養ニッチで細胞コミュニティー(cell community)を形成することを特徴とする請求項1に記載の運動ニューロン前駆細胞を持続的に成長させる方法。
  9. 有効量の運動ニューロン前駆細胞及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物であって、
    前記運動ニューロン前駆細胞を嗅神経鞘細胞で構築されたニッチにおいて前処理することを特徴とする医薬組成物。
  10. 前記運動ニューロン前駆細胞を嗅神経鞘細胞で前処理することを特徴とする請求項9に記載の医薬組成物。
  11. 前記運動ニューロン前駆細胞を、嗅神経鞘細胞を先に処理して得た培地で前処理することを特徴とする請求項9に記載の医薬組成物。
  12. さらに嗅神経鞘細胞を含有することを特徴とする請求項9に記載の医薬組成物。
  13. 前記運動ニューロン前駆細胞と前記嗅神経鞘細胞を等比率にして前処理することを特徴とする請求項9に記載の医薬組成物。
  14. 請求項9に記載の医薬組成物の運動ニューロン疾患を治療する薬物の製造における用途。
  15. 前記疾患は、脳卒中、脊髄損傷、退行性神経疾患、筋萎縮性側索硬化症及び運動ニューロンが死亡していくことを症状とする疾患からなる群から選ばれることを特徴とする請求項14に記載の用途。
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