JP2018500433A - 高圧フリーラジカル重合によって形成されるエチレン系ポリマーの生成量及び品質を制御するためのプロセス - Google Patents

高圧フリーラジカル重合によって形成されるエチレン系ポリマーの生成量及び品質を制御するためのプロセス Download PDF

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Abstract

本発明は、エチレン系ポリマーを調製するためのプロセスを提供し、該プロセスは、a)クラス1開始剤系、b)クラス2開始剤系、c)クラス3開始剤系、またはd)これらの組み合わせから選択される少なくとも1つの開始剤系の存在下で、かつ1000バール(100MPa)以上の注入口圧力(P2)で、かつ少なくとも1つのハイパー圧縮器と、少なくとも1つの反応部を備える少なくとも1つの反応器を備える反応器構成と、を備える反応器システムにおいて、エチレンを重合することを含み、注入口圧力(P2)は、より高い注入口圧力(P1)で、かつ異なるハイパー圧縮器処理量で、かつ少なくとも1つの反応部に対して異なる最高温度で、及び任意に、反応器構成に供給される異なる量のCTA系で操作されること以外は、同じ反応器システムにおけるものである類似重合と比較して少なくとも200バール低減され、本プロセスに関して、「最高温度クラス開始剤系(複数可)(Y)の総反応器消費の比率」は、次の方程式D:0.95*x^((P1−P2)/10MPa)<Y<1.04*z^((P1−P2)/10MPa)(方程式D)と一致し、式中、xは、0.97以上であり、zは、1.03以下である。本発明は、エチレン系ポリマーを調製するためのプロセスも提供し、該プロセスは、a)クラス1開始剤系、b)クラス2開始剤系、c)クラス3開始剤系、またはd)これらの組み合わせから選択される少なくとも1つの開始剤系の存在下で、かつ1000バール(100MPa)以上の注入口圧力(P2)で、かつ少なくとも1つの反応部を備える少なくとも1つの反応器を備える反応器構成を備える反応器システムにおいて、エチレンを重合することを含み、注入口圧力(P2)が、より高い注入口圧力(P1)で、かつ少なくとも1つの反応部に対して異なる最高温度で、及び任意に、反応器構成に供給される異なる量のCTA系で操作されること以外は、同じ反応器構成における類似重合と比較して少なくとも200バール低減され、本プロセスに関して、「最高温度クラス開始剤系(複数可)(Y)の総反応器消費の比率」は、次の方程式D:0.95*x^((P1−P2)/10MPa)<Y<1.04*z^((P1−P2)/10MPa)(方程式D)と一致し、式中、xは、0.97以上であり、zは、1.03以下である。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2014年12月30日出願の米国仮出願第62/097,826号の利益を主張し、これは参照により本明細書に組み込まれる。
LDPE(低密度ポリエチレン)プラスチックの顧客需要は、時間の経過とともに急速に増加しており、LDPEプラント設計の連続的なアップスケーリングをもたらしている。第一世代の高圧LDPEトレインのトレイン容量は、3〜10KTAであったが、1970年代の間に60〜80KTAに増大した(G.Luft,Chem.−Ing.−Tech.,Hochdruck−Polyaethylen,Vol.51(1979)Nr.10,pages 960−969)。トレイン容量は、1990年代に200KTAにさらに上昇し、現在では、350KTAを超える容量のLDPEトレインが設計され、操作されている。さらに昔は、LDPEプラントは、複数のLDPE反応器トレイン、例えば、各50KTAの4トレインで構成された。現在では、LDPEプラントは、単一の400KTAトレインで構成することができる。600KTA以上のより大きいトレインが、予期されている。複数のトレインを有するLDPEプラントは、エチレンの変更、電力供給、及び顧客需要により容易に適応されると同時に、日々のポリマー生成量は、トレインレベルでの信頼性の課題による影響を受けにくくなる。単一の大きなトレインの操作は、投資費用及び操作費用を減少させるが、信頼性の課題に起因する日々のポリマー生成量における大きな変動が、エチレン及び電力供給の信頼性をより強く要求する。
従来の低密度ポリエチレン(LDPE)は、オートクレーブ反応器及び/または管反応器のいずれかで高圧(例えば、160MPa〜400MPa)技術を用いて生成されることは、良く知られている。フリーラジカル剤として既知である開始剤系は一般的に、反応器に沿って複数の位置で注入され、このため、オートクレーブ反応器システム及び/または管状反応器システムにおいて複数の反応部を作成する。重合は通常、130℃〜360℃の範囲の温度でのフリーラジカル開始剤系の供給によって起こる。
通常操作中、トレインは、生産率を最大化するために好ましい一組のプロセス条件で操作されることが予期される。しかしながら、状況によっては、トレインの生成量は、内部問題または外部問題に起因して低減され(または停止され)なければならない。内部のトレイン問題は、押出、ペレット化、圧縮、またはペレット輸送システムの(一時的な)障害を含み得、一方外部問題には、エチレン生産、貯蔵、または輸送システムの問題によるエチレン供給の低減を含み得る。トレイン生成量を低減させる別の理由は、LDPE製品に対する需要の一時的及び/または季節的な不足であり得る。需要の不足は、プラントを停止させ、時々、製品供給を確保するために、長期のトレイン停止の前に製品を生産させ、保管させることがある。これは、拡張した製品在庫のための貯蔵容量への投資を余儀なくさせるだろう。
高圧トレインの操作停止は、停止及び始動の間に生産の相当量の損失を生じるため、好ましくない。また、プラントの始動にはさらなる努力が必要とされ、より多くの等級外製品が生産され、反応器付着物またはさらに暴走反応(エチレン分解生成物)等のプロセスを不安定にする危険性が上昇する。
公開番号第WO2010/081685号は、フリーラジカル重合開始剤系の第1の注入位置への供給が、第1の反応部の反応混合物の温度が20℃を超えないような水準まで分断されるか、または低減される、少なくとも2つの開始剤注入位置を有するフリーラジカル重合開始剤系の存在下で、エチレンの単独重合または共重合のための高圧管状反応器の生成量を低減させるための方法を記載する。しかしながら、提案される方法論の大きな欠点は、ポリマー特性、例えば、長鎖分岐、短鎖分岐、分子量分布、ならびに密度が制御されず、大きく変動し、等級外製品の生産することである。等級外製品は、少なくとも1つの、製品規格外の著しい特性特徴を有する。
製品需要の低減、供給原料の供給の低減、またはいくつかの他の制限(複数可)に起因して、LDPEトレインの生成量を低減させる必要がある場合に、一定の製品品質でポリマー生成量を低減させるために使用することができる新たな重合プロセスが依然として必要とされている。生成量が低減される期間中に維持されたポリマー特性を有する高圧エチレン系ポリマーを生産することができる新たなプロセスに対する重要な必要性も存在する。これらの必要性が、以下の発明により満たされた。
本発明は、エチレン系ポリマーを調製するためのプロセスを提供し、該プロセスは、a)クラス1開始剤系、b)クラス2開始剤系、c)クラス3開始剤系、またはd)これらの組み合わせから選択される少なくとも1つの開始剤系の存在下で、かつ1000バール(100MPa)以上の注入口圧力(P)で、かつ少なくとも1つのハイパー圧縮器と、少なくとも1つの反応部を備える少なくとも1つの反応器を備える反応器構成と、を備える反応器システムにおいて、エチレンを重合することを含み、
注入口圧力(P)は、より高い注入口圧力(P)で、かつ異なるハイパー圧縮器処理量で、かつ少なくとも1つの反応部に対して異なる最高温度で、及び任意に、反応器構成に供給される異なる量のCTA系で操作されること以外は、同じ反応器システムにおける類似重合と比較して少なくとも200バール低減され、
プロセスに関して、「最高温度クラス開始剤系(複数可)(Y)の総反応器消費の比率」が、次の方程式Dと一致し、
式中、xは、0.97以上であり、zは、1.03以下である。
本発明は、エチレン系ポリマーを調製するためのプロセスも提供し、該プロセスは、a)クラス1開始剤系、b)クラス2開始剤系、c)クラス3開始剤系、またはd)これらの組み合わせから選択される少なくとも1つの開始剤系の存在下で、かつ1000バール(100MPa)以上の注入口圧力(P)で、かつ少なくとも1つの反応部を備える少なくとも1つの反応器を備える反応器構成を備える反応器システムにおいて、エチレンを重合することを含み、
注入口圧力(P)は、より高い注入口圧力(P)で、かつ少なくとも1つの反応部に対して異なる最高温度で、及び任意に、反応器構成に供給される異なる量のCTA系で操作されること以外は、同じ反応器構成における類似重合と比較して少なくとも200バール低減され、
プロセスに関して、「最高温度クラス開始剤系(複数可)(Y)の総反応器消費の比率」が、次の方程式Dと一致し、
式中、xは、0.97以上であり、zは、1.03以下である。
管状反応器を収容する重合スキームを描写する。 3つの比較重合、CP1、CP3、及びCP4に対する「反応器長さに対する反応器温度」のグラフを描写する。 1つの比較重合CP1及び1つの本発明の重合IP5に対する「反応器長さに対する反応器温度」のグラフを描写する。 2つの比較重合(CP1、CP4)及び1つの本発明の重合(IP5)から調製されるポリマーの長鎖分岐(LCBf)レベルを示す。
本明細書に記載される本発明のプロセスを使用して、高圧フリーラジカル重合によって形成されるエチレン系ポリマーの生成量及び品質を制御することができることが発見されている。これらのプロセスは、製品需要の低減、1つ以上の供給原料の供給の低減、またはいくつかの他の制限(複数可)によってポリマー生成量を低減させる必要がある場合に特に必要とされる。上で考察されるように、本発明は、エチレン系ポリマーを調製するためのプロセスを提供し、該プロセスは、a)クラス1開始剤系、b)クラス2開始剤系、c)クラス3開始剤系、またはd)これらの組み合わせから選択される少なくとも1つの開始剤系の存在下で、かつ1000バール(100MPa)以上の注入口圧力(P)で、かつ少なくとも1つのハイパー圧縮器と、少なくとも1つの反応部を備える少なくとも1つの反応器を備える反応器構成と、を備える反応器システムにおいて、エチレンを重合することを含み、
注入口圧力(P)は、より高い注入口圧力(P)で、かつ異なるハイパー圧縮器処理量で、かつ少なくとも1つの反応部に対して異なる最高温度で、及び任意に、反応器構成に供給される異なる量のCTA系で操作されること以外は、同じ反応器システムにおける類似重合と比較して少なくとも200バール低減され、
プロセスに関して、「最高温度クラス開始剤系(複数可)(Y)の総反応器消費の比率」が、次の方程式Dと一致し、
式中、xは、0.97以上であり、zは、1.03以下である。
本発明は、エチレン系ポリマーを調製するためのプロセスも提供し、該プロセスは、a)クラス1開始剤系、b)クラス2開始剤系、c)クラス3開始剤系、またはd)これらの組み合わせから選択される少なくとも1つの開始剤系の存在下で、かつ1000バール(100MPa)以上の注入口圧力(P)で、かつ少なくとも1つの反応部を備える少なくとも1つの反応器を備える反応器構成を備える反応器システムにおいて、エチレンを重合することを含み、
注入口圧力(P)が、より高い注入口圧力(P)で、かつ少なくとも1つの反応部に対して異なる最高温度で、及び任意に、反応器構成に供給される異なる量のCTA系で操作されること以外は、同じ反応器構成における類似重合と比較して少なくとも200バール低減され、
プロセスに関して、「最高温度クラス開始剤系(複数可)(Y)の総反応器消費の比率」が、次の方程式Dと一致し、
式中、xは、0.97以上であり、zは、1.03以下である。
本発明のプロセスは、本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
以下の実施形態は、上述の本発明のプロセスの各々に適用する。
一実施形態において、P>Pである。
一実施形態において、「1反応部(Qi)当たりの高温ペルオキシドの比率」は、次の方程式Bと一致し、
式中、aは、0.96以上であり、bは、1.04以下である。
一実施形態において、反応器構成は、少なくとも1つの管状反応器、少なくとも1つのオートクレーブ反応器、またはオートクレーブ反応器に続く管状反応器を含む。
一実施形態において、エチレン系ポリマーは、低密度ポリエチレン(LDPE)である。
一実施形態において、エチレン系ポリマーは、エチレン系インターポリマーである。
一実施形態において、エチレン系ポリマーは、エチレン系コポリマーである。
一実施形態において、エチレン系ポリマーは、0.1〜100g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。さらなる実施形態において、エチレン系ポリマーは、0.15〜80g/10分、さらに0.2〜60g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。
本発明のエチレン系ポリマーは、本明細書に記載の通り、2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
本発明の組成物は、本明細書に記載の通り、2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
本発明の物品は、本明細書に記載の通り、2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
本発明のプロセスは、本明細書に記載の通り、2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
プロセス
高度分岐エチレン系ポリマーを生成するために、高圧フリーラジカルで開始する重合プロセスが、一般的に使用される。2つの異なる高圧フリーラジカルで開始する重合反応器の種類が、知られている。第1の種類において、1つ以上の反応部を有する撹拌オートクレーブ槽が使用される。好適な、オートクレーブ反応器は、0.1〜1mで異なる内径及び1〜20で異なるL/D比を有する寸法を有し得るが、これらに限定されない。オートクレーブ反応器は、通常、開始剤及び/またはモノマー供給のための複数の注入位置を有する。第2の種類において、1つ以上の反応部を有するジャケット付き管が、反応器として使用される。好適な、反応器長さは、100〜4000メートル(m)または500〜3500mであり得るが、これらに限定されない。高圧反応器内の圧力水準は、反応器の出口における制御弁(降下弁)によって制御される。管状反応器は典型的に、プロセス速度の一時的な上昇によって壁層を除去する、または低減させるために、断続的圧力脈動またはバンプを使用する。
反応部の開始は、いずれの種類の反応器についても、一般的に、反応開始剤、エチレン、CTA(もしくはテロマー)、またはコモノマー(複数可)、及びこれらの任意の組み合わせの側部注入によって画定される。高圧プロセスは、1つ以上の反応部を有するオートクレーブもしくは管状反応器、またはオートクレーブと管状反応器との組み合わせ(それぞれが1つ以上の反応部を備える)内で実施することができる。
高圧重合プロセスは、エチレン系再循環流及びエチレン系供給流を加圧し供給するために、ブースタ圧縮器(ブースタ)、一次圧縮器(一次)、及びハイパー圧縮器(ハイパー)または二次圧縮器を含む、種々の圧縮装置を用いる。
吐出し圧力対吸引圧力の比率は、使用される圧縮器段の数を決定する。ガス吐出し温度は、段圧比を決定する限定因子のうちの1つである。加えて、最大許容吐出し温度は、ピストンリング、ロッドリング、o型リング、及びガスケットを含む、使用される密閉材料の許容操作温度の関数である。また、高い吸引温度も圧縮馬力を減少させる(Compressor handbook,Hanlon 2001)。さらにより高い吸引温度は、エチレンの密度を減少させ、より少ないエチレン処理量(ASPEN及びPC SAFT計算)を生じさせる。より低い吸引圧力及びより高い吸引温度の組み合わせは、圧縮比を維持し、モータ負荷及び機械的荷重の制約を超えることなく、エチレン処理量を低減させるために非常に効果的である。
一実施形態において、反応器システムは、ハイパー圧縮器を備える。一実施形態において、ハイパー圧縮器の処理速度は、1時間当たり30メートルトン以上、さらに1時間当たり50メートルトン以上、さらに1時間当たり70メートルトン以上、さらに1時間当たり100メートルトン≧100以上である。一実施形態において、ハイパー圧縮器の処理速度は、1時間当たり30〜400メートルトンである。一実施形態において、ハイパー圧縮器の容量は、40,000kg/時間〜400,000kg/時間である。一実施形態において、ハイパー圧縮器の最大吐出し圧力は、150MPa〜450MPaである。
一実施形態において、反応器システムは、一次圧縮器を備える。一実施形態において、一次圧縮器の処理速度は、1時間当たり10〜150メートルトンである。
一実施形態において、本発明のプロセスは、少なくとも1つの管状反応器、少なくとも1つのオートクレーブ反応器、オートクレーブ反応器が続く管状反応器、または管状反応器が続くオートクレーブ反応器を備える、反応器構成で行われる。
ある実施形態において、本発明のプロセスは、少なくとも1つのオートクレーブ及び/または管状反応器を備える反応器構成で行われる。
一実施形態において、本発明のプロセスは、管状反応器を備える反応器構成で行われる。
一実施形態において、本発明のプロセスは、管状反応器及びオートクレーブ反応器を備える反応器構成で行われる。さらなる実施形態において、管状反応器は、オートクレーブ反応器の下流にある。
一実施形態において、注入口圧力(P)は、1100バール(110MPa)以上である。さらなる実施形態において、注入口圧力(P)は、1100バール(110MPa)超である。
一実施形態において、注入口圧力(P)は、1200バール(120MPa)以上である。さらなる実施形態において、注入口圧力(P)は、1200バール(120MPa)超、さらに1250バール(125MPa)超、さらに1300バール(130MPa)超である。
一実施形態において、ハイパー圧縮器注入口圧力は、類似重合のハイパー圧縮器注入口圧力と比較して10バールを超えて低減される。
一実施形態において、ハイパー圧縮器注入口圧力は、類似重合のハイパー圧縮器注入口圧力と比較して20バールを超えて低減される。
一実施形態において、ハイパー圧縮器注入口圧力は、類似重合のハイパー圧縮器注入口圧力と比較して30バールを超えて低減される。
一実施形態において、ハイパー圧縮器注入口圧力は、類似重合のハイパー圧縮器注入口圧力と比較して40バール以上低減される。
一実施形態において、ハイパー圧縮器注入口圧力は、類似重合のハイパー圧縮器注入口圧力と比較して50バールを超えて低減される。
一実施形態において、ハイパー圧縮器注入口圧力は、類似重合のハイパー圧縮器注入口圧力と比較して60バールを超えて低減される。
一実施形態において、ハイパー圧縮器注入口圧力は、類似重合のハイパー圧縮器注入口圧力と比較して70バールを超えて低減される。
一実施形態において、ハイパー圧縮器注入口圧力は、類似重合のハイパー圧縮器注入口圧力と比較して80バールを超えて低減される。
一実施形態において、ハイパー圧縮器注入口圧力は、類似重合のハイパー圧縮器注入口圧力と比較して90バールを超えて低減される。
一実施形態において、ハイパー圧縮器注入口圧力は、類似重合のハイパー圧縮器注入口圧力と比較して100バールを超えて低減される。
一実施形態において、反応器注入口圧力(P)は、少なくとも100バール低減される。
一実施形態において、反応器注入口圧力(P)は、少なくとも150バール低減される。
一実施形態において、反応器注入口圧力(P)は、少なくとも200バール低減される。
一実施形態において、反応器注入口圧力(P)は、少なくとも250バール低減される。
一実施形態において、反応器注入口圧力(P)は、少なくとも300バール低減される。
一実施形態において、反応器注入口圧力(P)は、少なくとも350バール低減される。
一実施形態において、反応器注入口圧力(P)は、少なくとも400バール低減される。
一実施形態において、反応器注入口圧力(P)は、少なくとも500バール低減される。
一実施形態において、本発明のプロセスは、少なくとも2回繰り返される減圧ステップまたはいわゆるバンプをさらに含み、減圧ステップは、圧力制御弁の開口部を拡大し、次いで、その開口部を元の重合条件の間に使用される位置まで下げることを含み、圧力制御弁は、反応器構成の反応器の最後に位置する。一般的に、圧力制御弁を使用して実施される減圧ステップは、0.5〜2秒間の間に生じる。バンプは、反応器内の熱伝達を改善し、反応器壁におけるポリマー蓄積または付着物蓄積を除去するために適用される。バンプは、反応器内の熱伝達を改善し、反応器壁におけるポリマーまたは付着物蓄積を除去するために適用される。
一実施形態において、減圧ステップは、重合の10秒間〜10分間の時間間隔において少なくとも1回実際され、このため、各時間間隔(10秒間〜10分間)内で少なくとも1つの減圧ステップが行われる。さらなる実施形態において、時間間隔は、好ましくは5分間未満、より好ましくは3分間未満、及び最も好ましくは2分間未満である。別の実施形態において、時間間隔は、好ましくは10秒間以上、より好ましくは30秒間以上、及び最も好ましくは1分間以上である。
一実施形態において、減圧ステップは、10秒間以内、より好ましくは6秒間以内、及び最も好ましくは4秒間以内に完了する。
一実施形態において、減圧ステップは、5秒間以内、より好ましくは3秒間以内、及び最も好ましくは1.5秒間以内に完了する。
一実施形態において、減圧ステップは、2秒間以内、より好ましくは1秒間以内、及び最も好ましくは0.5秒間以内に完了する。
一実施形態において、減圧ステップは、反応器注入口圧力を一時的に、少なくとも30バール、さらに少なくとも50バール、さらに少なくとも60バール、及びさらに少なくとも80バール減少させる。
一実施形態において、減圧ステップは、反応器注入口圧力を一時的に、少なくとも100バール、さらに少なくとも120バール、さらに少なくとも150バール、及びさらに少なくとも200バール減少させる。
一実施形態において、本発明のプロセスは、減圧ステップを伴わずに操作される。
一実施形態において、ハイパー圧縮器注入口圧力は、類似重合のハイパー圧縮器注入口圧力と比較して100バールを超えて低減され、同時にハイパー圧縮器注入口温度は、類似重合のハイパー圧縮器注入口温度と比較して5℃を超えて上昇する。
一実施形態において、ハイパー圧縮器注入口圧力は、類似重合のハイパー圧縮器注入口圧力と比較して30バールを超えて低減され、同時にハイパー圧縮器注入口温度は、類似重合のハイパー圧縮器注入口温度と比較して5℃を超えて上昇する。
一実施形態において、ハイパー圧縮器注入口圧力は、類似重合のハイパー圧縮器注入口圧力と比較して50バールを超えて低減され、同時にハイパー圧縮器注入口温度は、類似重合のハイパー圧縮器注入口圧力と比較して5℃を超えて上昇する。
一実施形態において、ハイパー圧縮器注入口圧力は、類似重合のハイパー圧縮器注入口圧力と比較して70バールを超えて低減され、同時にハイパー圧縮器注入口温度は、類似重合のハイパー圧縮器注入口温度と比較して5℃を超えて上昇する。
一実施形態において、ハイパー圧縮器注入口圧力は、類似重合のハイパー圧縮器注入口圧力と比較して40バールを超えて低減され、同時にハイパー圧縮器注入口温度は、類似重合のハイパー圧縮器注入口温度と比較して10℃を超えて上昇する。
一実施形態において、ハイパー圧縮器注入口圧力は、類似重合のハイパー圧縮器注入口圧力と比較して60バールを超えて低減され、同時にハイパー圧縮器注入口温度は、類似重合のハイパー圧縮器注入口温度と比較して10℃を超えて上昇する。
一実施形態において、ハイパー圧縮器注入口圧力は、類似重合のハイパー圧縮器注入口圧力と比較して80バールを超えて低減され、同時にハイパー圧縮器注入口温度は、類似重合のハイパー圧縮器注入口温度と比較して10℃を超えて上昇する。
一実施形態において、ハイパー圧縮器注入口圧力は、類似重合のハイパー圧縮器注入口圧力と比較して40バールを超えて低減され、同時にハイパー圧縮器注入口温度は、類似重合のハイパー圧縮器注入口温度と比較して15℃を超えて上昇する。
一実施形態において、ハイパー圧縮器注入口圧力は、類似重合のハイパー圧縮器注入口圧力と比較して60バールを超えて低減され、同時にハイパー圧縮器注入口温度は、類似重合のハイパー圧縮器注入口温度と比較して15℃を超えて上昇する。
一実施形態において、ハイパー圧縮器注入口圧力は、類似重合のハイパー圧縮器注入口圧力と比較して80バールを超えて低減され、同時にハイパー圧縮器注入口温度は、類似重合のハイパー圧縮器注入口温度と比較して15℃を超えて上昇する。
多くの場合、CTAが、分子量を制御するのに使用される。一実施形態において、1つ以上のCTAが、本発明の重合プロセスに添加される。CTAは、一般的には、次の群のうちの少なくとも1つを含む:アルカン、アルデヒド、ケトン、アルコール、エーテル、エステル、メルカプタン、またはホスフィン。さらなる実施形態において、CTAは、アルカン、不飽和炭化水素、ケトン、アルデヒド、アルコール、またはエーテルのうちの少なくとも1つの基を含む。好ましくは、CTAは、飽和炭化水素、不飽和炭化水素、ケトン、アルデヒド、アルコール、エーテル、エステル、メルカプタン、またはホスフィンからなる群から選択される。より好ましくは、CTAは、飽和炭化水素、不飽和炭化水素、ケトン、アルデヒド、アルコール、及びエーテルからなる群から選択される。例となるCTAには、プロピレン、イソブタン、n−ブタン、1−ブテン、メチルエチルケトン、アセトン、エチルアセテート、プロピオンアルデヒド、ISOPAR−C、−E、及び−H(ExxonMobil Chemical Co.)、ならびにイソプロパノールが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、使用されるCTAの量は、反応混合物の総重量に基づいて、0.03〜10重量パーセントである。
CTAが重合に添加される(本発明のプロセス)一実施形態において、反応部1への供給物中のCTAの濃度に対する反応部i(i≧2かつ反応部iが反応部1の下流にある)への供給物中のCTAの濃度の比率は、1.0以上、または1.5超、または2.0超である。さらなる実施形態において、反応部1への供給物中のCTAの濃度は、1.0超、または1.5超、または2.0超である。
CTAが重合に添加される(本発明のプロセス)一実施形態において、反応部1への供給物中のCTAの濃度に対する反応部i(i≧2かつ反応部iが反応部1の下流にある)への供給物中のCTAの濃度の比率は、1.0未満、または0.8未満、または0.6未満、または0.4未満である。
一実施形態において、プロセスには、エチレンが、1反応器周期当たり部分的にだけ転化または消費されるため、エチレン効率を向上させるために、高圧及び低圧再循環ループが含まれる。一般的に、1反応器周期当たりの転化レベルは、10%〜40%であり、管状反応器の転化レベルは、その範囲のより高い方の端にあり、オートクレーブ反応器の転化レベルは、その範囲の低い方の端にある。
一実施形態において、重合は、国際特許公開第WO2013/059042号に記載される通り、管状反応器内で起こる。この特許公開は、多区域反応器を使用し、エチレン対CTA比率、つまりポリマー特性を制御するための、新しいエチレンを供給する別の場所を記載する。新しいエチレンは、所望のエチレン対CTA比率を達成するために、同時に複数の場所に添加され得る。同様の方法で、国際特許公開第WO2013/078018号に記載される通り、ポリマー特性を制御するために、新しいCTA添加点の追加が慎重に選択され得る。新しいCTAは、所望のCTA対エチレン比率を達成するために、複数の場所で同時に添加され得る。
一実施形態において、重合は、オートクレーブ反応器内で起こる。
一実施形態において、重合は、組み合わせたオートクレーブ及び管状反応器内で起こる。一実施形態において、重合は、管状反応器内で起こる。一実施形態において、重合は、オートクレーブ、オートクレーブ−管状、及び/または管状性質の複数の並列反応器からなる反応器システムで起こる。一実施形態において、重合は、2つの反応器内で起こる。
一実施形態において、重合は、複数の、または少なくとも2つの反応部を備える1つの反応器内で起こる。
一実施形態において、重合は、少なくとも2つの反応部、反応部1及び反応部i(i≧2)を備え、反応部iが反応部1の下流にある反応器構成で起こる。ある実施形態において、iは、2〜5、または2〜6、または2〜7、または2〜8である。一実施形態において、i=2である。
一実施形態において、エチレンは、第1の反応部に供給され、第1の反応部に供給されるエチレンは、重合に供給される総エチレンの少なくとも10パーセントである。一実施形態において、第1の反応部に供給されるエチレンは、重合に供給される総エチレンの10〜100パーセント、または20〜80パーセント、または25〜75パーセント、または30〜70パーセント、または40〜60パーセントである。
一実施形態において、反応器システムへのエチレン系供給流の数は、1〜8、または1〜6、または1〜4、または1〜3、または1〜2、または1のみである。
一実施形態において、反応器システム内の反応器へのエチレン系供給流の数は、1〜6、または1〜5、または1〜4、または1〜3、または1〜2、または1のみである。
一実施形態において、エチレン系ポリマーは、エチレン及び1つ以上のコモノマー、及び好ましくは1つのコモノマーを含む。コモノマーには、α−オレフィン、アクリレート、メタクリレート、及び無水物(それぞれが、典型的に20個以下の炭素原子を有する)が挙げられるが、これらに限定されない。合わせたモノマーとCTA官能基を有するα−オレフィンコモノマーは、3〜10個の炭素原子を有し得るか、または代替例において、α−オレフィンコモノマーは、3〜8個の炭素原子を有し得る。例となるα−オレフィンコモノマーには、プロピレン、1ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、及び4メチル−1−ペンテン、ならびにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、α−オレフィンコモノマーは、プロピレン、1−ブテン、及びこれらの組み合わせから選択される。
フリーラジカル開始剤系が一般的に、本発明のエチレン系ポリマーを生成するために使用される。フリーラジカル開始剤系は、本明細書において使用する場合、化学的手法及び/または放射手法によって発生したフリーラジカルを指す。例となるフリーラジカル開始剤系には、これらに限定されないが、環状ペルオキシド、ジアシルペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、ヒドロペルオキシド、ペルオキシカーボネート、ペルオキシジカーボネート、ペルオキシエステル、及びペルオキシケタールを含む有機ペルオキシドを含む。好ましい開始剤系は、t−ブチルペルオキシピバレート、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルペルオキシアセテート、及びt−ブチルペルオキシ−2−ヘキサノエート、またはこれらの混合物である。さらに、酸素は、開始剤として使用することができる。一実施形態において、これらの有機ペルオキシド開始剤は、重合可能なモノマーの重量に基づいて、0.001〜0.2重量%の量で使用される。
ペルオキシド開始剤は、ある特定の時間間隔におけるそれらのそれぞれの半減期温度によって、特徴付けし、分類することができる。例えば、0.1時間半減期温度は、(0.1時間(または6分間)に)大気圧で開始剤の50モル%がラジカルに解離される温度を示す。
AkzoNobelは、それらの小冊子(「Initiators for High Polymers」June 2006)において、それらの市販の有機ペルオキシド開始剤の(大気圧での)0.1、1.0、及び10時間半減期温度を示す。高圧反応器システムにおける5分未満の、及び個別の反応器部における2分未満の典型的な滞留時間により、「0.1時間半減期温度」が、有機ペルオキシド開始剤の分類及び選択に関連している。有機ペルオキシドは、(大気圧で)以下のクラスに分類することができる:
クラス1:70〜120℃の0.1時間半減期温度を有する低温開始剤系。例えば、低温ペルオキシド系。これらのペルオキシドは一般的に、重合を始めるために使用される。クラス1開始剤のいくつかの例が、以下の表Aに示される。
クラス2:120〜150℃の0.1時間半減期温度を有する中温開始剤系。例えば、中温ペルオキシド系。クラス2開始剤のいくつかの例が、以下の表Aに示される。
クラス3:150℃を超える0.1時間半減期温度を有する高温開始剤系。例えば、高温ペルオキシド系。クラス3開始剤のいくつかの例が、以下の表Aに示される。
いくつかのペルオキシドの例が、以下の表Aに列記される。
酸素は、中間有機ヒドロペルオキシドの形成の間ずっと働くと考えられ、一般的に180℃から始まる温度で分解し、したがって酸素は、高温開始剤(クラス3)と見なすことができる。
有機ペルオキシドは、多くの場合、最低温度の開始剤クラスによって温度発達を始める、及び/または速めるために、より低い及びより高い温度の開始剤系の混合物に適用されるが、それぞれ、オートクレーブ反応部の最大区域温度及び管状反応器部の最大ピーク温度である制御温度は、最高温度の開始剤クラスによって制御及び決定される。
したがって、反応部の温度制御は、各区域に供給される最高温度クラスの開始剤のモル合計の関数であり、さらに、適用されるより高温のペルオキシドが重合ラジカルに解離する、及び/または重合ラジカルを発生する効率の影響を受ける場合がある。
溶媒で希釈される可能性があり、反応部iに注入される単一のまたは複数の開始剤の混合物は、反応部iに対する開始系と称される。
一実施形態において、酸素は、単独で、または他の開始剤、例えば、クラス1、クラス2、及び/またはクラス3開始剤と組み合わせて使用される。
一実施形態において、開始剤の効果及び効率は、有効な重合ラジカルを形成するための、いわゆる束縛効果または可能性の影響を受ける(参照文献を参照されたい)。
一実施形態において、開始剤は、少なくとも1つの反応部に添加され、開始剤は、255℃を超える、好ましくは260℃を超える1秒間半減期温度を有する。さらなる実施形態において、そのような開始剤は、320℃〜350℃のピーク重合温度で使用される。さらなる実施形態において、開始剤系は、環構造に組み込まれる少なくとも1つのペルオキシド基を含む。そのような開始剤の例には、TRIGONOX301(3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−1,4,7−トリペルオキソナン、クラス3)及びTRIGONOX311(3,3,5,7,7−ペンタメチル−1,2,4−トリオキセパン、クラス3)(共にAkzo Nobelから入手可能)、ならびにHMCH−4−AL(3,3,6,6,9,9−ヘキサメチル−1,2,4,5−テトロキソナン、クラス3)(United Initiatorsから入手可能)が挙げられるが、これらに限定されない。国際公開第02/14379号及び同第01/68723号も参照されたい。
一実施形態において、少なくとも1つの開始剤系は、ペルオキシドを含む。
一実施形態において、少なくとも1つの開始剤系は、tert−ブチルペルオキシピバレート、tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサン酸、tert−ブチルペルオキシアセテート、ジ−tert−アミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシル)ヘキサン、tert−ブチルクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、またはTRIGONOX145−E85から選択される開始剤を含む。
一実施形態において、少なくとも1つの開始剤系は、tert−ブチルペルオキシピバレート、tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサン酸、tert−ブチルペルオキシアセテート、ジ−tert−アミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシル)ヘキサン、tert−ブチルクミルペルオキシド、またはジ−tert−ブチルペルオキシドから選択される開始剤を含む。
一実施形態において、反応器の第1の注入口で測定される重合圧力は、1000バール〜4000バール、または1400〜3600バール、または1800〜3200バールである。
最終物品加工ステップ及び最終用途に応じて、異なる製品品質目標が、各製品等級に対して設定される。メルトインデックス、密度、及び溶融弾性は、製品品質及び生産される製品の一貫性を記載する、及び測定するための主要パラメータである。メルトインデックスは平均分子量を反映し、CTA系のレベル及び寄与を変動させることによって調節/制御することができる。短鎖分岐(SCB)レベルは、製品密度に対する指標であり、この密度は一般的に、ある特定の範囲、例えば、0.922±0.002g/cc内に収まるように制御される。長鎖分岐(LCB)レベルは、分子量分布、また結果として必然的に粘弾特性、例えば溶融強度にかなりの影響を与え、これは、溶断及び流延膜、発泡剤、押出コーティング等の用途に重要である。LCBレベルに関しては、個々の等級の生産に対して、わずかな変動(例えば、参照値に対して±5%)のみが許容される。個々の等級は、最終製品用途に必要とされる溶融弾性水準応じて、異なるLCB目標レベルを必要とし得る。LCB目標レベルからのより大きい偏差は、加工及び光学的外観(例えば、光沢及び曇り)に強い偏差を有する製品を生じ、ゆえに、これらのより大きい偏差で生産される製品は、規格外または等級外に分類される。SCB及びLCBレベルのような特性は、適用される重合温度及び圧力水準の影響を強く受ける。さらに、LCBレベルは、反応器システムにおけるポリマーレベルプロファイルの影響も受ける。
一実施形態において、エチレン系ポリマーの各等級に対する模擬LCBレベルは、製品等級の目標水準から±10.0%未満で変動してもよい。一実施形態において、エチレン系ポリマーの各等級に対する模擬LCBレベルは、製品等級の目標水準から±8.0%未満で変動してもよい。一実施形態において、エチレン系ポリマーの各等級に対する模擬LCBレベルは、製品等級の目標水準から±6.5%未満で変動してもよい。一実施形態において、エチレン系ポリマーの各等級に対する模擬LCBレベルは、製品等級の目標水準から±5.0%未満で変動してもよい。一実施形態において、エチレン系ポリマーの各等級に対する模擬LCBレベルは、製品等級の目標水準から±4.0%未満で変動してもよい。
一実施形態において、エチレン系ポリマーの各等級に対する模擬SCBレベルは、製品等級の目標水準から10.0%未満で変動してもよい。一実施形態において、エチレン系ポリマーの各等級に対する模擬SCBレベルは、製品等級の目標水準から8.0%未満で変動してもよい。一実施形態において、エチレン系ポリマーの各等級に対する模擬SCBレベルは、製品等級の目標水準から6.0%未満で変動してもよい。一実施形態において、エチレン系ポリマーの各等級に対する模擬SCBレベルは、製品等級の目標水準から±4.0%未満で変動してもよい。
一実施形態において、反応器構成への総エチレン系供給流は、1時間当たり20〜400トン、または1時間当たり40〜300トン、または1時間当たり50〜250トン、または1時間当たり80〜240トン、または1時間当たり100〜220トンである。
一実施形態において、最大ポリマー生産率は、1時間当たり10〜125トン、または1時間当たり20〜100トン、または1時間当たり40〜100トンである。
本発明のプロセスは、本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
添加剤
本発明の組成物は、1つ以上の添加剤を含み得る。添加剤には、安定剤、可塑剤、帯電防止剤、顔料、染料、核形成剤、充填剤、スリップ剤、難燃剤、加工助剤、煙抑制剤、粘度調整剤、及び粘着防止剤が挙げられるが、これらに限定されない。ポリマー組成物は、例えば、本発明のポリマーの重量に基づいて10%未満の合わせた重量の1つ以上の添加剤を含み得る。
一実施形態において、本発明のポリマーは、1つ以上の安定剤、例えば、IRGANOX1010、IRGANOX1076、及びIRGAFOS168等の酸化防止剤で処理される。一般に、ポリマーは、押出または他の溶融プロセスの前に、1つ以上の安定剤で処理される。
本発明の組成物は、本発明のエチレン系ポリマーに加えて、少なくとも1つの他のポリマーをさらに含み得る。本発明のポリマーと他のポリマーとのブレンド及び混合物が、調製され得る。本発明のポリマーとブレンドするのに好適なポリマーには、天然及び合成ポリマーが挙げられる。ブレンドのための例となるポリマーには、プロピレン系ポリマー(共に、衝撃変性ポリプロピレン、イソタクチックポリプロピレン、アタクチックポリプロピレン、及びランダムプロピレン/エチレンコポリマー)、複数の反応器のPE(米国特許第6,545,088号(Kolthammerら)、同第6,538,070号(Cardwellら)、同第6,566,446号(Parikhら)、同第5,844,045号(Kolthammerら)、同第5,869,575号(Kolthammerら)、及び同第6,448,341号(Kolthammerら)に開示される生成物等の、不均質に分岐したPE及び均質に分岐したPEの「反応器中」組成物)を含む、高圧フリーラジカルLDPE、不均質に分岐したLLDPE(典型的にチーグラーナッタ触媒作用を介する)、均質に分岐した線状または実質的に線状のPE(典型的にメタロセン触媒作用を含むシングルサイトを介する)を含む様々な種類のエチレン系ポリマー、エチレン−酢酸ビニル(EVA)、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、ポリスチレン、衝撃変性ポリスチレン、ABS、スチレン/ブタジエンブロックコポリマー及びそれらの水素化誘導体(SBS及びSEBS)、ならびに熱可塑性ポリウレタンが挙げられる。他のエチレン系ポリマーには、オレフィンプラストマーと、エラストマー(例えば、AFFINITYプラストマー及びENGAGEエラストマー(The Dow Chemical Company)、ならびにEXACT(ExxonMobil Chemical Co.)の商標名称の下で入手可能なポリマー)等の、均質のポリマーが挙げられる。プロピレン系コポリマー(例えば、VERSIFYプラストマー及びエラストマー(The Dow Chemical Company)、ならびにVISTAMAXX(ExxonMobil Chemical Co.)の商標名称の下で入手可能なポリマーもまた、本発明のポリマーを含むブレンド中の構成成分として有用であり得る。
用途
本発明のポリマー、ポリマーブレンド、及び組成物は、様々な基材(例えば、紙、ボール紙、または金属)上への押出コーティング;単層膜及び多層膜;中空成形、射出成形、またはロト成形物品等の成形物品;コーティング;繊維;ならびに織物または不織布を含む有用な物品を生成するための、種々の従来の熱可塑性成形加工プロセスで使用され得る。
本発明のポリマーは、限定されないが、透明収縮性膜、照合収縮膜、流延伸縮性膜、サイレージ膜、伸縮性覆い、密閉剤、及びおむつの裏面シートを含む種々の膜に使用され得る。
他の好適な用途には、ワイヤ及びケーブル、ガスケット及び歯形、接着剤、履物の構成要素、ならびに自動車内装部品が挙げられるが、これらに限定されない。
定義
それに反して述べられないか、文脈から含意されるか、または当分野において慣例ではない限り、全ての部及びパーセントは、重量に基づき、全ての試験方法は、本出願の出願日現在で最新である。
「組成物」という用語は、本明細書において使用する場合、組成物ならびに組成物の材料から形成される反応生成物及び分解生成物を含む材料の混合物を含む。
「ポリマー」という用語は、同じまたは異なる種類のモノマーかに関わらず、モノマーを重合することによって調製される化合物を指す。ポリマーという一般名称は、したがって、以下に定義される通り、(微量の不純物が、ポリマー構造内に組み込まれ得るという理解のもとで、1種類のモノマーから調製されるポリマーを指す)ホモポリマーという用語、及び「インターポリマー」という用語を、包含する。微量の不純物が、ポリマー内に、及び/またはポリマー内部に組み込まれてもよい。
「インターポリマー」という用語は、少なくとも2つの異なる種類のモノマーの重合によって調製されるポリマーを指す。「インターポリマー」という一般名称には、(2つの異なるモノマーから調製されるポリマーを指す)コポリマー、及び2つを超える異なる種類のモノマーから調製されるポリマーが含まれる。
「エチレン系ポリマー」という用語は、ポリマーの重量に基づいて過半量の重合エチレン、及び任意選択的に、少なくとも1つのコモノマーを含むポリマーを指す。
「エチレン系インターポリマー」という用語は、インターポリマーの重量に基づいて、過半量の重合エチレンを含み、少なくとも1つのコモノマーを含むインターポリマーを指す。
「エチレン系コポリマー」という用語は、コポリマーの重量に基づいて過半量の重合エチレン、唯一のモノマーの種類としてのコモノマーを含むコポリマーを指す。
「エチレン供給流」または「エチレン系供給」または「エチレン系供給流」または「エチレン供給」という用語は、本明細書において使用する場合、反応部への供給流を指し、供給流の構成成分の全てのモル量に基づいて過半量のエチレンを含有する。任意に、さらなる連鎖移動剤、コモノマー、他のプロセス構成成分(潤滑油、溶媒等のようなもの)及び/または不純物(例えば、開始剤分解生成物である)のうちの1つが、供給流中に存在し得る。
「高圧重合プロセス」という用語は、本明細書において使用する場合、少なくとも1000バール(100MPa)の高圧で実施されるフリーラジカル重合プロセスを指す。
「支流」または「側部供給流」という用語は、本明細書において使用する場合、連続反応部への、エチレンが豊富な供給流、CTA系供給流、及び/または開始剤系を指す。
本明細書において使用する場合、「反応器システム」という用語は、ポリマーを重合及び単離するために使用される装置を指す。そのような装置には、1つ以上の反応器、反応器予熱器(複数可)、モノマー−反応器冷却装置(複数可)、ハイパー圧縮器(複数可)、一次圧縮器(複数可)、及び/またはブースタ圧縮器(複数可)が挙げられるが、これらに限定されない。
「反応器構成」という用語は、本明細書において使用する場合、ポリマーを重合するために使用される1つ以上の反応器、及び任意に1つ以上の反応器予熱器を指す。そのような反応器には、オートクレーブ反応器(複数可)、管状反応器(複数可)、ならびにオートクレーブ反応器及び管状反応器の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
「注入口圧力」または「反応器注入口圧力」という用語は、本明細書において使用する場合、反応器構成の第1の注入口における圧力レベルを指す。
「反応部」という用語は、本明細書において使用する場合、重合反応が、フリーラジカル、またはフリーラジカルに解離するか、及び/もしくはフリーラジカルを発生する構成成分の添加によって開始または再開される反応器部を指す。一般的に、反応媒体は、反応器の周りのジャケットを通して流れる熱伝達媒体によって加熱及び/または冷却される。反応部は、新しいエチレン、及びフリーラジカルまたはフリーラジカルに解離する、及び/もしくはフリーラジカルを発生する構成成分の添加から始まることもある。
「第1の反応部」という用語は、本明細書において使用する場合、重合が、ラジカル及び/またはラジカルに解離する、及び/もしくはラジカルを発生する構成成分の添加によって開始される第1の反応器部を指す。第1の反応部は、ラジカル、ならびに/またはラジカルに解離する、及び/もしくはラジカルを発生する構成成分、さらに任意に、新しい再循環エチレン及び/またはコモノマー(複数可)の新たな供給が存在する点で終了する。
「反応部の最高温度」という語句は、本明細書において使用する場合、反応部において、例えば、オートクレーブ反応部(一般的に最大部温度と述べられる)及び管状反応部(一般的にピーク温度と述べられる)において測定される最高温度を指す。
ハイパー圧縮器(または二次圧縮器)は、例えば、各々が一次から流入する、a)HPR(高圧再循環)から流入するエチレン系構成成分、及び/またはb)エチレン系構成成分のうちの少なくとも1つを、各々、その注入口圧力において反応器への供給に必要とされる圧力レベルにまで供給流を圧縮する装置である。この圧縮は、1つまたは複数の圧縮段階で行うことができ、中間冷却と組み合わせることができる。ハイパーは、往復プランジャー圧縮器を備え、単一または複数の圧縮器フレーム(複数可)で構成され得る。
「ハイパー圧縮器処理量」という用語は、本明細書において使用する場合、供給物構成成分、例えば、圧縮され、反応器構成に供給されるエチレン系供給物構成成分の実量を指す。二次処理量は、吸引側における、供給物構成成分、例えば、エチレン系構成成分の圧縮体積及び密度の関数である。二次圧縮器の吸引側における圧力及び温度条件は、圧縮されるべき供給物構成成分、例えばエチレン系構成成分の密度を画定する。ハイパー圧縮器の処理量は、1時間当たり30〜400メートルトンの範囲であり得る。
「ハイパー圧縮器注入口圧力」という用語は、本明細書において使用する場合、ハイパー圧縮器システムの吸引側における圧力を指す。
「ハイパー圧縮器注入口温度」という用語は、本明細書において使用する場合、ハイパー圧縮器システムの吸引側における温度を指す。
本明細書で使用される「エチレン系供給物構成成分」という用語は、反応部への注入口において反応部に添加される、エチレン(新しい及び/または再循環された)、及び任意にCTA(新しい及び/または再循環された)、溶媒(新しい及び/または再循環された)、コモノマー(複数可)(新しい及び/または再循環された)、ならびに/または他の構成成分(例えば、新しい及び/もしくは再循環された潤滑油(複数可)、酸化防止剤(複数可)、エタン、メタン、ならびに/または開始剤解離生成物を含むが、これらに限定されない)を指す。一実施形態において、エチレン系供給物構成成分は、エチレン(新しい及び/または再循環された)、及び任意にCTA(新しい及び/または再循環された)、溶媒(新しい及び/または再循環された)、コモノマー(複数可)(新しい及び/または再循環された)、ならびに/または、新しい及び/もしくは再循環された潤滑油(複数可)、酸化防止剤(複数可)、エタン、メタン、ならびに/または開始剤解離生成物から選択される他の構成成分を含む。別の実施形態において、エチレン系供給物構成成分は、エチレン(新しい及び/または再循環された)、及び任意にCTA(新しい及び/または再循環された)、溶媒(新しい及び/または再循環された)、コモノマー(複数可)(新しい及び/または再循環された)、ならびに/または、新しい及び/もしくは再循環された潤滑油(複数可)、酸化防止剤(複数可)、エタン、メタン、開始剤(例えば、酸素)、ならびに/または開始剤解離生成物から選択される他の構成成分を含む。
「新しい」という用語は、エチレン系供給物構成成分(すなわち、「新しいエチレン」、「新しいCTA」)を参照して本明細書で使用するとき、外部の供給源(複数可)から提供され、再循環源(複数可)から内部で提供されない反応物質を指す。例えば、ある実施形態において、新しいエチレンは、プロセス及びポリマー中の残留エチレンから、重合によって消費された、及び/または例えば、エチレンパージを通じて失ったエチレンを補うのに必要な「補給エチレン」として使用される。
「再循環された」という用語は、反応物質を参照して本明細書で使用するとき(すなわち、「再循環エチレン」、「再循環CTA」)、高圧分離器(複数可)及び/または低圧分離器(複数可)でポリマーから分離され、反応器に戻される/圧縮される未反応反応物質を指す。
「供給」、「供給流」、または「供給流」という用語は、本明細書において使用する場合、注入口において反応部に添加される新しい及び/または再循環された構成成分(例えば、エチレン、開始剤、CTA、及び/または溶媒)を指す。
「CTA系」という用語は、一般的にメルトインデックスを制御するために重合プロセスに添加される単一のCTA、またはCTAの混合物を含む。CTA系は、水素原子を、ラジカルを含有する成長ポリマー分子に移動することができ、それによりCTA分子にラジカルが形成される構成成分を含み、それは次いで、新たなポリマー鎖を開始することができる。CTAは、テロゲンまたはテロマーとしても既知である。
「開始剤系」という用語は、各々一般的に、重合プロセスに添加される溶媒(例えば、炭化水素溶媒)中に溶解される、単一の開始剤、または開始剤の混合物を含む。
「注入位置」という用語は、本明細書において使用する場合、(重合プロセスで使用される)装置の注入口の場所を指し、そこで供給流が装置に追加される。
「供給条件」という用語は、本明細書において使用する場合、反応器に供給される構成成分、例えば、エチレン、CTA、開始剤、及び/またはコモノマー(複数可)のモルの流れを指す。
「反応器長さ」という用語は、本明細書において使用する場合、余熱部分、複数の反応部、及び圧力降下前の冷却重合を含む、反応器の長さを指す。
製品樹脂(例えば、LDPE)の製品特性または品質は、反応器設計、供給条件、ならびに個別の反応部の注入口圧力及び温度条件等の反応器操作条件によって決定される。
一般的に、各製品樹脂(例えば、LDPE)に関して、製品の調製法は、目標とする製品品質範囲を満たしながら、最適化されたプロセス条件及び生成量でこの樹脂を生産するために開発される。
一般的に各樹脂は、メルトインデックスをCTA供給流及び分子量分布(MWD)で制御し、及び/またはレオロジー特性を反応器システムの温度設定点条件を微調整することによって制御しながら、製品の調製法の値で生産される。
「製品規格」という用語は、本明細書において使用する場合、例えば、メルトインデックス、密度、MWD、及び/またはレオロジー特性等の基礎製品の必要範囲及びレベルを指す。製品は、指定された基礎製品特性の必要範囲内で生産及び分析される場合、主に販売可能な製品である。
「圧縮比」という用語は、本明細書において使用する場合、圧縮ステップ及び/または圧縮器の吐出圧力と吸引圧力との間の比率を指す。
「モータ負荷」という用語は、本明細書において使用する場合、エチレン系供給流を吸引条件から吐出条件に圧縮するために圧縮器によって必要とされるエネルギーを指す。
「ターンダウン比」という用語は、本明細書において使用する場合、ポリマー生成量(低減された)と、標準操作条件でのポリマー生成量との比率を指す。ターンダウン比またはポリマー生成量減少は、実験の章で考察されるように、各事例(または重合)のポリマー生成量と、「基準」例(または重合)のポリマー生成量との比率によって決定される。
「標準操作条件」という用語は、本明細書において使用する場合、目標生成量及び目標とする製品特性で個別の製品等級を作製するためのプロセス条件を指す。
「CTA活性」または「連鎖移動活性計数(Cs値)」という用語は、本明細書において使用する場合、「連鎖移動の速度」と「エチレン伝搬の速度」との比率を指す。以下に提供されるMortimerの参照文献を参照されたい。
ブースタ圧縮器(ブースタ)は、a)LPS(低圧分離器)から流入する低圧再循環物と、b)任意選択的に、再循環圧縮器のパッキン漏れとを、それぞれ一次圧縮器の注入口側で必要な圧力レベルにまで圧縮する装置である。この圧縮は、1つまたは複数の圧縮段階で行うことができ、中間冷却と組み合わせることができる。ブースタは、単一のまたは複数の圧縮器フレームで構成され得、一次圧縮器フレーム(複数可)と組み合わせることができる可能性がある。
一次圧縮器(一次)は、a)新しい流入するエチレン、及び/またはb)ブースタから流入する低圧再循環物、及び/またはc)再循環圧縮器のパッキン漏れを、それぞれハイパー圧縮器の注入口側で必要な圧力レベルにまで圧縮する装置である。この圧縮は、1つまたは複数の圧縮段階で行うことができ、中間冷却と組み合わせることができる。一次は、単一のまたは複数の圧縮器フレームで構成され得、ブースタ圧縮器フレーム(複数可)と組み合わせることができる可能性がある。
「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する」、及びこれらの誘導体という用語は、任意の追加の構成成分、ステップ、または手順の存在が特に開示されているか否かに関わらず、それを除外することを意図しない。誤解を避けるために、「含む(comprising)」という用語の使用を通して特許請求される全ての組成物は、それに反して述べられない限り、ポリマーのものかに関わらず、任意の追加の添加剤、アジュバント、または化合物を含み得る。対照的に、「から本質的になる」という用語は、あらゆる後続の列挙の点から、操作性に必要不可欠ではないものを除き、あらゆる他の構成成分、ステップ、または手順を除外する。「からなる」という用語は、特に描写または列挙されていないあらゆる構成成分、ステップ、または手順を除外する。
本明細書で使用される「長鎖分岐頻度(LCBf)」という用語は、ポリエチレンに転化される1000個のC原子(または500個のエチレン単位)当たりの長鎖分岐をもたらす、後述される、ポリマーステップへの移動に関連する比率を指す。一般的にLCBfは、全ポリマーの平均数である。この比率は、NMRによって決定するか、またはシミュレーションによって計算することができる。本明細書で使用される数は、シミュレーションによって得られる。シミュレーションによって得られるLCBfは、ポリマー反応RLCB速度及び伝搬速度Rに対する移動の比率であり、この比率に500を乗じる。RLCB=kLCB*[ラジカル]*[ポリマー]及びR=k*[ラジカル]*[エチレン]。RLCB/Rの比率は、転化される1エチレン単位当たりのLCB形成の頻度のみを示すだろう。全ポリマーの合計LCBfを得るために、比率は、温度、圧力、ならびに使用される反応器の転化及びポリマー形成プロファイル上で積分しなければならない。これは一般的に、CiTのPrediciのようなシミュレーションソフトウェア、または類似プログラムにおいて行われ、これらは微分方程式を解くことができる。
本明細書で使用される「短鎖分岐頻度(SCBf)」という用語は、ポリエチレンに転化される1000個のC原子(または500個のエチレン単位)当たりの短鎖分岐をもたらす、後述される、バックバイティング(またはSCB形成)ステップに関連する比率を指す。一般的にSCBfは、全ポリマーの平均数である。この比率は、NMRによって決定するか、またはシミュレーションによって計算することができる。本明細書で使用される数は、シミュレーションによって得られる。シミュレーションによって得られるSCBfは、バックバイティング反応RSCB速度及び伝搬速度Rの比率であり、この比率に500を乗じる。RSCB=kSCB*[ラジカル]及びR=k*[ラジカル]*[エチレン]。RSCB/Rの比率は、転化される1エチレン単位当たりのSCB形成の頻度のみを示すだろう。全ポリマーの合計SCBfを得るために、比率は、温度、圧力、ならびに使用される反応器の転化及びポリマー形成プロファイル上で積分しなければならない。これは一般的に、CiTのPrediciのようなシミュレーションソフトウェア、または類似プログラムにおいて行われ、これらは微分方程式を解くことができる。
試験方法
メルトインデックス−メルトインデックス、またはI2をASTM D1238(190℃/2.16kgの条件)に従って測定し、10分間当たりのグラムでの溶出量を報告した。ASTM D1238(190℃/10kgの条件)に従ってI10を測定し、10分間当たりのグラムでの溶出量を報告した。
実験
流れ図の説明
図1は、管状反応器を備える模擬高圧重合プロセスの一般化したフロースキームを示す。流れ(1)は、一次圧縮器によって、ブースタの出口と一緒に流れ(2)へと圧縮される新しいエチレン供給流である。流れ(2)は、高圧再循環流れ(18)と組み合わされ、ライン(3)を通してハイパーの吸引注入口に分配される。ハイパーは、エチレン供給流を、高圧管状反応器(反応器)に供給するのに十分な水準にまで加圧する。描写されていないが、フロースキームは、ハイパーの注入口の上部に、流れ(2)と流れ(18)との部分的組み合わせ及び/または分布を含み得る。
流れ(4)及び/または(5)は、CTA系新供給を描写する。CTA新供給は、原則として、支流(8)及び前方流れ(9)に供給及び/または分配される主要圧縮流れに自由に分配され得る。CTA新供給(4)及び/または(5)は、注入口(複数可)、段間(複数可)、ハイパーの出口(複数可)、及び/または反応部の注入口(複数可)に供給され得る。CTA系は、単一の及び/または複数の構成成分から構成されてもよく、異なる組成物を含み得る。
流れ(6)及び/または流れ(7)は、コモノマー供給の可能性を描写する。コモノマー供給は、原則として、支流(8)及び/または前方流れ(9)に供給及び/または分配される主要圧縮流れに自由に分配され得る。コモノマー流れ(6)及び/または(7)は、注入口(複数可)、段間(複数可)、ハイパーの出口(複数可)に、反応器への個別のエチレン供給流に、及び/または反応部内に直接、供給され得る。ハイパーの吐出し温度は、一般的に60〜100℃の範囲である。第1の反応部へのエチレン供給は、一般的に130〜180℃の温度まで予熱されるが、側部供給のエチレンは、ハイパーの吐出し温度で反応器に供給されるか、または反応器への供給前に冷却される。
反応器内で、各反応部の注入口で注入及び/または活性化されるフリーラジカル開始系(複数可)の助けを借りて、重合は開始される。各反応部内の最高温度は、各反応部の開始時に、開始系の濃度及び/または供給量を調整することによって設定点で制御される。反応の終了及び複数の冷却ステップを適用させた後、反応混合物を(10)で減圧及び/または冷却し、高圧分離器(HPS)内で分離する。HPSは、反応混合物を少量のワックス及び/または同伴ポリマーを含有するエチレンが豊富な流れ(15)と、ポリマーが豊富な流れ(11)とに分離し、さらなる分離のためにLPSに送られる。エチレン流(15)を冷却し、流れ(17)中で洗浄する。流れ(16)は、不純物及び/または不活性成分を除去するためのパージ流である。
LPSで分離されるポリマーは、(12)でさらに処理される。LPSで除去されたエチレン(13)は、ブースタに供給され、ここで圧縮中に、溶媒、潤滑油、及び他の構成成分等の凝縮物質が、流れ(14)を通して回収及び除去される。ブースタの出口を、補給エチレン流(1)と合わせ、一次圧縮器によってさらに圧縮する。
重合シミュレーション
適用する反応スキーム及び運動での重合シミュレーションモデルは、以下で論じられるように、Gotoらによって記載されている。他の反応器及び製品のモデル化フレームワークは、Aspen Technology,Inc.(Burlington,Massachusetts,USA)のASPEN PLUS、及びDr.Wulkow Computing in Technology GmbH(CiT)(Rastede,Germany)のPREDICIを通じて入手可能である。これらのモデルフレームワークによって予期されるプロセス及び製品の応答は、反応器パラメータ、適用される反応スキーム、及び運動パラメータによって決定される。適用する反応スキーム及び運動パラメータは、以下に記載される。
重合シミュレーションを、S.Goto et al;Journal of Applied Polymer Science:Applied Polymer Symposium,36,21−40,1981(表題:Computer model for commercial high pressure polyethylene reactor based on elementary reaction rates obtained experimentally)に記載される、GotoのLDPEシミュレーションモデルを用いて達成した。
Gotoらによって使用された運動データは、次の参照文献:K.Yamamoto,M.Sugimoto;Rate constant for long chain−chain branch formation in free−radical polymerization of ethylene;J.Macromol.Science−Chem.,A13(8),pp.1067−1080(1979)に記載される、異なる温度、圧力、及びポリマー濃度で実施した高圧フリーラジカルポリエチレン重合実験から得た。素反応ステップは、Gotoらによって次のように記載されている:i)エチレンの伝搬、ii)ラジカルの停止、iii)バックバイティングまたはSCB形成、iv)ポリマーの移動またはLCB形成、v)ビニル形成をもたらす第二級ラジカルのベータ脱離、及びvi)ビニリデン形成をもたらす第三級ラジカルのベータ脱離。
主反応に対する運動データについては、表1を参照されたく、表中、koは、前指数または頻度因子であり、Eaは、温度依存を反映する活性化エネルギーであり、ΔVは、圧力依存を反映する活性化体積である。全ての運動定数は、ko、Ea、及びΔV値がバックバイティングの値であり、これらが、圧力及び温度条件の関数として、高圧ポリエチレン中のメチル分岐(C13NMR技法によって分析される)をより反映するために最適化されたことを除いて、Gotoらからである。
選択されたCTAの運動データが、表2に示される。運動定数は、Mortimerにより決定されたCs値(ks/kp)上の運動定数(以下の参照文献を参照されたい)、及びGotoらによって示されている通りのエチレン伝搬運動(表1を参照されたい)の助けを借りて計算された。
参照文献:
一般手順:G.Luft,Chem.−Ing.−Tech.,Hochdruck−Polyaethylen,Vol.51(1979)Nr.10,pages 960−969。ペルオキシド効率:T.van der Molen et al,Ing.Chim.Ital,“Light−off”temperature and consumption of 16 initiators in LDPE production,Vol.18,N.1−2,Feb 1982,pages 7−15。
連鎖移動活性及びコモノマー反応性スキームデータは、次に記載されている:P.Ehrlich,G.A.Mortimer,Fundamentals of the free radical polymerization of ethylene,Adv.Polymer Sci.,Vol.7,386−448(1970)、G.Mortimer,Journal of Polymer Science:Part A−1;Chain transfer in ethylene polymerization;Vol.4,p881−900(1966)、G.Mortimer,Journal of Polymer Science:Part A−1,Chain transfer in ethylene polymerization.Part IV.Additional study at 1360 atm and 130℃;Vol.8,p1513−1523(1970)、G.Mortimer,Journal of Polymer Science:Part A−1,Chain transfer in ethylene polymerization.Part V.The effect of temperature;Vol.8,p1535−1542(1970)、G.Mortimer,Journal of Polymer Science:Part A−1,Chain transfer in ethylene polymerization Part V.The effect of pressure,Vol.8,p1543−1548(1970)、及びG.Mortimer,Journal of Polymer Science:Part A−1,Chain transfer in ethylene polymerization VII.Very reactive and depleteable transfer agents,Vol.10,p163−168(1972)。S.Goto et al;Journal of Applied Polymer Science:Applied Polymer Symposium,36,21−40,1981(表題:Computer model for commercial high pressure polyethylene reactor based on elementary reaction rates obtained experimentallyのLDPEシミュレーションモデルを参照されたい。M.Buback et al.,Macromol.Chem.Phys.2007,208,p.772−783,Initiator efficiency of tert−alkyl Peroxyesters in High−Pressure Ethene Polymerization。
管状反応器シミュレーションの詳細
60メートルトン/時間のエチレン系処理量を用いて、265MPaの注入口圧力で操作する高圧管状反応器に関して重合をシミュレーションした。反応器構成は、全長1500m(4つの反応部)を備え、内管直径は、第1の反応部に対して40mm、及び他の反応部に対して60mmの間で異なる。ハイパー圧縮器から流入するエチレン系の流れは、50/50/0/0(前方に50%及び第2の反応部側に50%のエチレン)に分かれて、反応器に供給される。開始剤及びCTAは、複数の反応部を作成するように異なる場所で反応器に注入され、このようにして、4つのピーク温度プロファイルを作成し、全体の転化を高める。反応部を冷却するための冷却水温度は、反応器の第1の部分に対して180℃の注入口温度に操作され、一方残りの部分は、160℃の冷却水注入口温度に操作される。シミュレーションは、開始温度(140℃)で行われ、プロピオンアルデヒド(PA)またはプロピレン(C3=)のいずれかを連鎖移動剤(CTA)として使用した。
序章で言及されたように、ハイパー圧縮器の容量は、通常固定されており、ほんのわずかにしか変動することができない。ポリマー生成量を低減するために、特許公開WO2010/081685は、製品特性を変動/流動しながら、1つ以上の反応部が外される方法を示す。本発明において、発明者らは、反応部を操作停止するための代替案を提案する。驚くことに、発明者らは、操作圧力を低下させることにより製品品質が維持され得ることを発見した。より低い操作圧力は、開始剤効率に起因してより低いピーク温度を生じ、それにより、ポリマー生成量が低減される。さらに、より低い操作圧力は、圧力及び/または温度条件を減少させることによって、圧縮器システムに過負荷を掛けることなく、ハイパー圧縮器の吸引側でガス密度の低下を可能にする。ハイパー圧縮器の吸引側におけるより低いエチレン密度が、より低いエチレン処理量を生じることに留意することが重要である。圧力及び/または温度がエチレン密度及びハイパー処理量に与える影響が、表3に示される。基準シミュレーション(CP1)に対するハイパー圧縮器条件は、20℃の吸引温度、及び吐出し圧力と吸引圧力との比率10に基づいている。圧縮器の吸引側で温度及び/または圧力を変更する場合、ハイパー圧縮器の処理量は、基準処理量に、吸引側で圧力及び温度を変更した後の密度と基準の吸引側密度との比率を掛けることによって計算することができる。表3に示されるように、ハイパー圧縮器において同じモータ及び機械的負荷を保ちながら、ハイパー処理量の14%の減少が大いに可能である。
反応器圧力が開始剤効率に与える影響
表1は、温度及び圧力が、活性化エネルギー(Ea)及び活性化体積(ΔV)を介して、伝搬速度及びラジカル停止速度に著しい影響を有することを示す。ペルオキシド効率は、比率
[数]
の影響を受け、そのため、温度及び/または圧力の上昇とともに増加し、温度及び/または圧力の低下とともに減少する。例えば、Theo van der Molenら(上述の参照文献を参照されたい)は、その論文「Light−off temperature and consumption of 16 initiators in LDPE production」において、高圧LDPE反応器において、ある特定の温度水準に達するまでの開始剤の消費は、操作圧力の影響を強く受けることを示す。このため、開始剤系の量を増加させずに操作圧力を低下させることは、所与の反応器システムに対してより低い最大区域またはピーク温度(複数可)及びより低いモノマー転化レベルをもたらす。
個別の反応部(複数可)または反応器システム全体における、より高温の開始系の消費に対する所望の操作範囲を規定するために、以下の方程式及び限度が開発され、検証された。
異なる反応器注入口圧力に対する1反応部当たりの最高温度クラス開始剤系(例えば、高温ペルオキシド系)の比率:
式中:
PO:最高温度クラス開始剤の消費モル
POi:反応部iにおける最高温度クラス開始剤の消費モル
P2:本発明の重合の注入口圧力(P)(単位MPa)。
P1:対応する比較重合の注入口圧力(単位MPa)
i:i番目の反応部
N:反応部の総数
POP1:反応器注入口圧力P1での最高温度クラス開始剤の消費モル。
POP2:反応器注入口圧力P2での最高温度クラス開始剤の消費モル。
POP1,iは、反応器注入口圧力P1で反応部iにおいて使用された最高温度クラスの開始剤のモル量である。
POP2,iは、反応器注入口圧力P2で反応部iにおいて使用された最高温度クラスの開始剤のモル量である。
係数0.9及び1.1は、1反応部当たりのペルオキシド消費の正規変動性を反映するために使用される。
式中、aは、好ましくは0.96以上であり、より好ましくは0.97以上であり、及び最も好ましくは0.98以上である。さらなる実施形態において、aは、1.00以下である。
式中、bは、好ましくは1.04以下であり、より好ましくは1.03以下であり、及び最も好ましくは1.02以下である。さらなる実施形態において、bは、1.00以上である。
それぞれ、調製法(P1)対本発明の値(P2)における、反応器注入口圧力に対する最高温度クラスの開始剤系(複数可)(例えば、高温ペルオキシド開始剤系)の総反応器消費の比率(Y):
[数]
は、反応器注入口圧力P1で反応部内の最高温度クラスの開始剤のモル量のn反応部を有する反応器の合計である。
[数]
は、反応器注入口圧力P2で反応部内の最高温度クラスの開始剤のモル量のn反応部を有する反応器の合計である。
式中、xは、好ましくは0.97以上、より好ましくは0.98以上であり、及び最も好ましくは0.99以上である。さらなる実施形態において、xは、1.00以下である。
ここで、zは、好ましくは1.03以下、より好ましくは1.02以下、及び最も好ましくは1.01以下である。さらなる実施形態において、zは、1.00以上である。
管状反応器に対する比較重合
全てのシミュレーションは、表4Bで報告され、CP1は基準を反映する。各実施例の各反応部に対する開始剤の流れは、基準CP1に対して100%に正規化された。CP2、3、及び4に関して、PO流れを調節して、同じピーク温度を保持した。CP3及びCP4において、POの流れのいくつかが外された。CP1(基準)は、302℃のピーク温度を維持しながら、4つの反応部全てに開始剤の流れを供給し、制御することを示す。当業者は、これらの温度設定で操作するために好適な開始剤種類及び混合物を選択することができる。好適な開始剤種類及び混合物は、WO2010/081685A1で言及されている。CP1.1及びCP1.2は、各反応部に注入される開始剤系の量の、それぞれ10%の減少及び増加の影響を示す。開始剤種類及び混合物の選択は、ある特定のピーク温度範囲に達するために重要であるが、本発明には無関係である。CP2は、より高い冷却水温度(195℃)を使用すること以外は、CP1と同じ反応器操作条件を示す。CP3及びCP4は、他の供給流全てを調節することによって、ハイパー圧縮器処理量以外はCP1と同じに保持されたピーク温度、水の沸点、ならびに製品MI(1MI)を保ったまま、それぞれ1つ及び2つの停止された反応部に開始剤を供給することによって、WO2010/081685 A1の本発明の事例を反映する。
CP5〜6では、CTA(PA)流を通して適応された開始剤の流れ及び製品のメルトインデックス(それぞれ、10及び0.25g/10分)を除いて、全ての条件を維持した。CP7は、CTA剤としてプロピレンを使用して「1のMI」をシミュレーションした。プロピレンのコモノマー活性は、製品密度を低下させる追加のメチルSCB形成を引き起こす。
オートクレーブ−管状反応器システムに対する比較シミュレーション
オートクレーブ反応器が250mm及びL/D=3の内法寸法を有し、一方管状反応器が20mmの内径及び320mの長さを有する、オートクレーブ−管状反応器システムに対してシミュレーション(CP8)を実施した。オートクレーブ反応器は、撹拌器を備え、上部反応部及び底部反応部においてバッフルによって分割される。両方の反応部において、エチレン、開始剤、及びCTAが注入される。オートクレーブ出口は、320mの長さの管状反応器(20mmの管内径)に与えられ、反応は、開始剤の注入によって2回再活性化される。シミュレーションは、2000バールの反応器注入口圧力及び2,000kg/時間の2つのエチレン供給流に対して行われる。シミュレーション研究は、CTAとしてプロピオンアルデヒド(PA)のみを使用する。
本発明の重合
全ての実施例(IP1〜10)は、本発明のシミュレーション結果を表す。IP1〜3は、それぞれ、200、400、及び600バール低減された反応器注入口圧力を除いて、CP1の開始剤及びCTAの流速を維持しながら、シミュレーションされた。反応器注入口圧力の低下がエチレン伝搬速度に与える影響により、ピーク温度は減少した。IP4では、注入口圧力及びハイパー処理量は、それぞれ600バール及び14%低減される。IP5は、CTA濃度が1MIに達するように調節されること以外は、IP4と同じ条件でシミュレーションされる。
新たな1〜3(本発明)は、IP5と比較した開始系の変動を示すが、製品品質目標を保つ。新たな4及び5(比較)は、IP5と比較した開始系の変動を示すが、製品品質目標を上回る。
表3は、吸引温度及び圧力がエチレンの密度に与える影響を示す。吐出し圧力と吸引圧力との比率は、10で保持される。データは、ASPEN及びPC SAFT計算(共にASPEN PLUSから入手可能)から得た。
表4Aは、組み合わせたオートクレーブ−管状反応器システムに対するシミュレーション条件を示す。表4Bは、管状反応器に対するシミュレーション条件を示す。表5は、上で考察された方程式を使用して、総反応部(Y)及び各反応部(Qi)に対する高温ペルオキシド比率を示す。
*各重合に関して、オートクレーブ反応器内の各反応部(2つの反応部1及び2)に対して、クラス1(tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート)開始剤系を使用した。管状反応器内の各反応部(反応部3及び4)に対して、クラス1開始剤系とクラス3開始剤系との混合物を使用した。反応部3及び反応部4に対して、40重量%のクラス1(tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート)開始剤系、及び60重量%のクラス3(ジ−tert−ブチルペルオキシド)開始剤系を使用した。各重量%は、管状反応部の各々において使用される2つの開始剤の総重量に基づく開始剤の重量パーセントを表す。
*各重合に関して、各反応器部においてクラス1開始剤系とクラス3開始剤系との混合物を使用した。各反応部1及び反応部2に対して、80重量%のクラス1(tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、113℃の0.1時間半減期温度)開始剤系、及び20重量%のクラス3(ジ−tert−ブチルペルオキシド、164℃の0.1時間半減期温度)開始剤系を使用した。反応部3及び反応部4に対して、30重量%のクラス1(tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート)開始剤系、及び70重量%のクラス3(ジ−tert−ブチルペルオキシド)開始剤系を使用した。各重量%は、管状反応部の各々において使用される2つの開始剤の総重量に基づく開始剤の重量パーセントを表す。
*比較実施例に関して、P1=P2である。
**実施例IP5.4は、最高温度開始剤系が極めて少量であるため、方程式Dを満たさない。
***実施例IP5.5は、最高温度開始剤系が極めて多量であるため、方程式Dを満たさない。
製品品質目標及び制御:
製品特性、すなわち、メルトインデックス、LCBレベル、及びSCBレベルを反映するために、以下のパラメータをシミュレーションした。メルトインデックスは、平均分子量を反映し、CTA系のレベル及び寄与を変動させることによって調節/制御することができる。最もシミュレーションされた比較の実施例では、メルトインデックスを目標で制御するために、CTAレベルを調節することなく、予期されるメルトインデックス及び数分子量(Mn)が示される。プロセス条件の変更がポリマー特性に与える影響(例えば、LCBレベル及びSCBレベル)は、CP1からCP4にかけて上昇し、CP2に対しては中程度であり、CP3及びCP4に対しては極端であるが、IP1〜IP5に対しては、影響はごくわずかである。
SCBレベルは、製品密度に対する指標であり、この密度は、ある特定の範囲、例えば、0.922±0.002g/ccにわたって異なることが許容される。LCBレベルは、分子量分布、また結果として必然的にレオロジー特性、例えば、溶融強度にかなりの影響を与え、これは、溶断膜及び流延膜、発泡剤、ならびに押出コーティング等の用途に重要である。したがって一般的に、「規格内」または主要材料の生産に対して、LCBレベルのわずかな変動(例えば、比較製品に対して±5%)のみが許容される。より大きい偏差は、溶断膜または流延膜等の用途に対して、ポリマー特性が著しく逸脱した性能を有する製品をもたらす。例えば、光学的外観(例えば、光沢及び/または曇りの著しい変化)が規格外であり、したがって、ポリマー製品は、「規格外」または「等級外」材料に分類されるだろう。
比較重合1〜4及び本発明の重合1〜5
表6は、予期される転化、ならびに長鎖分岐(LCBf)、短鎖分岐(SCBf)、及び数平均分子量(Mn)に関するポリマーの特性を要約する。ポリマー生成量の低減、またはターンダウン比は、各事例のポリマー生成量と「基準」例(CP1)のポリマー生成量との比率によって定義される。CP2では、ポリマー生成量は、冷却水温度を上昇させることによって低減される。結果は、冷却水温度の上昇がポリマー生成量に与える影響は、4.1%低減され、一方LCBレベルは、10%低減されることを示す。
示されるように、1つまたは2つの反応部への開始剤系の注入を停止することによって、エチレン転化は、CP3及びCP4に対して、それぞれ27%及び20.8%低減され、はるかに少ないポリマーが生成され、このため、ターンダウン比がそれぞれ、86.4%(CP3)及び66.8%(CP4)に低下することを示す。これらの事例に対する反応器温度プロファイルが、図2に示される。しかしながら、シミュレーションされたポリマー特性は、はるかに低いLCBレベル及びSCBレベルを示す。当業者であれば、LCBレベルは、生成されるポリマーのMWD及びレオロジー特性にかなりの影響を与えることを知っている。これは、CP3及びCP4が、基準CP1から著しく逸脱しているMWD及びレオロジー特性を有し、このため、等級外製品と見なされることを示す。
WO2010/081685に開示される重合とは対照的に、本発明の重合(IP1〜IP5)から得られるシミュレーション結果は、反応器注入口圧力を低下させることにより、ポリマー生成量、また結果としてターンダウン比を低減することが可能であることを示す(IP1〜IP3を参照されたい)。本発明のプロセスは、反対の影響と組み合わせる、例えば、ピーク温度を低下させることは、概して、LCBfを低減させ、MWDを狭めるが、しかしながら、より低い圧力レベルで操作することにより、LCBfを増加させ、MWDを拡大するように、ポリマー特性の釣り合いを取りながら、適用される開始剤系の効率を低減させることによって、より少ないポリマー生成量を使用する。Mn値及びSCBレベルに対しても同様の傾向が観察される。
IP4及びIP5のような、より最適な事例では、反応器圧力及びハイパー処理量の両方は、それぞれ、600バール及び14%低減され、これは、処理量を低減させ、エチレン転化レベルを(CP1の31.2%と比較して)28.9%に低下させることによって、ポリマー生成量の20%の低減をもたらす。IP4及びIP5の両方は、ポリマー生成量のより大きな低減を示すが、驚くことに、LCBレベル及びSCBレベル等の主要なポリマーパラメータは、所望のレベルで維持されている。
CP1及びIP5の温度プロファイルが、図3に示される。圧力及びハイパー処理量の低減に起因して、IP5のピーク温度が比較例(CP1)よりも低いことがわかる。図4には、CP1ならびにCP4及びIP5の2つの極端な事例のポリマーのLCBレベルが示される。興味深いことに、本発明のシミュレーションの全てにおいて、ポリマー特性が保たれるが、同時にSCBf及びLCBfの著しく異なる値が、CP3及びCP4において観察される。これは、本発明の重合では、等級外生産の回避がはるかに容易であり、さらに著しい生成量の低減を達成できることを示す。
さらに、本発明の重合は、著しい生成量の低減及びポリマー特性の維持を可能にするが、より高いクラスの開始剤の分布及び/または消費は、方程式Dの提案される限度内で変動する。これらの利点は、実施例「IP5.1〜IP5.5」に示され、CP1.1及びCP1.2に示されるプロセスの安定性及び/または開始系の効果において従来の変動性によって達成される利点を上回る。
比較重合5〜6及び本発明の重合6及び7
MI(メルトインデックス)がターンダウン比に与える影響は、10g/10分及び0.25g/10分のメルトインデックスに関して研究され、そのデータが表5に示される(10MIに対してCP5及びIP6、0.25MIに対してCP6及びIP7)。「1MI製品」と同様に、ポリマー生成量は、20%低減された。驚くことに、「MI事例」の全てにおいて、ポリマー生成量は20%低減され、約80%の全体ターンダウン比をもたらすことがわかった。これは、ターンダウン比が、幅広いMIと無関係であり、より幅広い「1MI」事例に対する結果が、より低い及びより高いメルトインデックスに対して推定され得ることを示す。
比較重合7及び本発明の重合8
異なるCTA及び/またはモノマーCTAがターンダウン比に与える影響を研究するために、プロピレンをCTAとしてシミュレーションした(CP7及びIP8を参照されたい)。モノマーCTAであるプロピレンは、二重官能性を有し、それにより、モノマーとして反応して、ポリマー中にメチル分岐を形成することができ、連鎖移動剤として反応し、ビニル不飽和を形成し、新たな分子を始めることができる。PAとプロピレンとの間の連鎖移動活性及び運動パラメータの差により、所望のMIに達するために、はるかに高い濃度のプロピレンが必要とされる(表5のCP1及びIP5、CP7及びIP8を参照されたい)。プロピレンであるモノマーCTAに関しても、本発明のシミュレーションIP10は、同様の製品特性、及び比較シミュレーションCP7に対して著しく低減されたポリマー生成量をもたらす。
オートクレーブ−管反応器における本発明の重合(CP8及びIP9−10)
オートクレーブベースの構成がターンダウン比及びポリマー特性に与える影響を、CP8、IP9、及びIP10で研究した。実施例は、2つの管状反応部が続く2つのオートクレーブ部から構成されるオートクレーブベースのシステムに対するものである。シミュレーションは、「2g/10分」のメルトインデックスを有する製品に対して行われた。本発明の重合において、LCBfのレベルは、それぞれ、9%及び7%増加した。これらの増加は、許容される変動(5%)をわずかに上回るが、しかしながら、これらのレベルは、方程式Dの限度内で注入される開始系の量を低下させることによって、素早く容易に調節することができる。
驚くことに、ハイパーまたは二次圧縮器システムの吸引圧力を任意に低下させながら、反応器注入口圧力を低下させることは、所望の製品品質を維持しながら、エチレン系ポリマーの重合のための高圧フリーラジカル反応器システムのポリマー生成量を低減させるのに有効な方法であることがわかった。ポリマー生成量の低減、またはターンダウン比は、圧力レベル(複数可)の低減の関数である。驚くことに、この効果は、管状及びオートクレーブベースの反応器の両方において観察された。ポリマー還元電位は、製品のメルトインデックスまたはCTA中のモノマー官能性の有無に影響を受けないことがわかった。本発明の操作は、予想外に、メルトインデックス及びLCBレベルのわずかな変化のみをもたらす。これらの変化は、CTAレベル、反応器部温度、及び/または、及びピーク区域温度の微調節で容易に補正することができる。個別の反応部(複数可)または反応器システム全体における、最高温度クラスの開始剤系の消費に対する所望の操作範囲を規定するために、方程式及び限度を得たことが重要である。以下の表6は、本研究の比較重合及び本発明の重合に対する転化レベル、ターンダウン比、及びポリマー全体の特性を列記する。

Claims (15)

  1. エチレン系ポリマーを調製するためのプロセスであって、a)クラス1開始剤系、b)クラス2開始剤系、c)クラス3開始剤系、またはd)これらの組み合わせから選択される少なくとも1つの開始剤系の存在下で、かつ1000バール(100MPa)以上の注入口圧力(P)で、かつ、少なくとも1つのハイパー圧縮器と、少なくとも1つの反応部を備える少なくとも1つの反応器を備える反応器構成と、を備える反応器システムにおいて、エチレンを重合することを含み、
    前記注入口圧力(P)が、より高い注入口圧力(P)で、かつ異なるハイパー圧縮器処理量で、かつ少なくとも1つの反応部に対して異なる最高温度で、及び任意に、前記反応器構成に供給される異なる量のCTA系で操作されること以外は、同じ反応器システムにおける類似重合と比較して少なくとも200バール低減され、
    前記プロセスに関して、「最高温度クラス開始剤系(複数可)(Y)の総反応器消費の比率」が、次の方程式Dと一致し、
    式中、xが、0.97以上であり、zが、1.03以下である、プロセス。
  2. エチレン系ポリマーを調製するためのプロセスであって、a)クラス1開始剤系、b)クラス2開始剤系、c)クラス3開始剤系、またはd)これらの組み合わせから選択される少なくとも1つの開始剤系の存在下で、かつ1000バール(100MPa)以上の注入口圧力(P)で、かつ少なくとも1つの反応部を備える少なくとも1つの反応器を備える反応器構成を備える反応器システムにおいて、エチレンを重合することを含み、
    前記注入口圧力(P)が、より高い注入口圧力(P)で、かつ少なくとも1つの反応部に対して異なる最高温度で、及び任意に、前記反応器構成に供給される異なる量のCTA系で操作されること以外は、同じ反応器構成における類似重合と比較して少なくとも200バール低減され、
    前記プロセスに関して、「最高温度クラス開始剤系(複数可)(Y)の総反応器消費の比率」が、次の方程式Dと一致し、
    式中、xが、0.97以上であり、zが、1.03以下である、プロセス。
  3. 前記「1反応部(Qi)当たりの最高温度の開始剤系の比率」が、次の方程式Bと一致し、
    aが、0.96以上であり、bが、1.04以下である、請求項1または請求項2に記載のプロセス。
  4. 前記反応器構成が、少なくとも1つの管状反応器、少なくとも1つのオートクレーブ反応器、オートクレーブ反応器が続く管状反応器、または管状反応器が続くオートクレーブ反応器を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプロセス。
  5. 前記エチレン系ポリマーが、LDPEである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロセス。
  6. 前記ハイパー圧縮器注入口圧力が、前記類似重合の前記ハイパー圧縮器注入口圧力と比較して50バール(5MPa)を超えて低減される、請求項1、3〜5のいずれか一項に記載のプロセス。
  7. 前記ハイパー圧縮器注入口圧力が、前記類似重合の前記ハイパー圧縮器注入口と比較して100バール(10MPa)を超えて低減される、請求項1、3〜6のいずれか一項に記載のプロセス。
  8. 前記注入口圧力(P)が、1100バール(110MPa)以上である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のプロセス。
  9. 注入口圧力(P)が、1200バール(120MPa)以上である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のプロセス。
  10. 前記少なくとも1つの開始剤系が、ペルオキシドを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載のプロセス。
  11. 前記少なくとも1つの開始剤系が、tert−ブチルペルオキシピバレート、tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサン酸、tert−ブチルペルオキシアセテート、ジ−tert−アミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシル)ヘキサン、tert−ブチルクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、またはTRIGONOX145−E85から選択される開始剤を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載のプロセス。
  12. 方程式Bに関して、前記値aが、1.00以下であり、前記値bが、1.00以上である、請求項3〜11のいずれか一項に記載のプロセス。
  13. 方程式Dに関して、前記値xが、1.00以下であり、前記値zが、1.00以上である、請求項1〜12のいずれか一項に記載のプロセス。
  14. 前記反応器構成への前記総エチレン系供給流が、1時間当たり40〜400トンである、請求項1〜13のいずれか一項に記載のプロセス。
  15. 前記最大ポリマー生産が、1時間当たり10〜100トンである、請求項1〜14のいずれか一項に記載のプロセス。

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