JP2018207439A - スキャナー、スキャンデータの生産方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スキャンデータの画質を向上させる。【解決手段】原稿からの光を反射する凹面を複数備えた第1鏡と、前記凹面で反射された光を検知するセンサーと、光路における前記第1鏡と前記センサーとの間に位置し、前記凹面に1対1に対応する絞りを複数備えた絞り部材と、前記絞り部材に設けられ隣り合う前記絞りの間から突出した壁と、を備えるスキャナーを構成する。【選択図】図1
Description
本発明は、スキャナー、スキャンデータの生産方法に関する。
従来、主走査ライン上の互いに一部重複する部分範囲を当該部分範囲に対応するセンサーチップで読み取り、複数のセンサーチップでそれぞれ読み取った複数の部分範囲のスキャンデータを合成して当該主走査ラインのスキャンデータを生成するスキャナーが知られている(例えば特許文献1)。
原稿の主走査ライン上の互いに一部重複する部分範囲からの光がセンサーに入射するまでの光路に各部分範囲に対応する凹面鏡がそれぞれ設けられ、各凹面鏡に対応して絞りがそれぞれ設けられる場合、各絞りを通過するように設計された原稿の部分範囲からの光のみならず当該光以外の意図しない光(迷光)も当該絞りを通過することがある。迷光が絞りを通過してセンサーに入射するとスキャンデータの画質が低下するという問題がある。
本発明は、スキャンデータの画質向上を目的とする。
本発明は、スキャンデータの画質向上を目的とする。
上記目的を達成するためスキャナーは、原稿からの光を反射する凹面を複数備えた第1鏡と、凹面で反射された光を検知するセンサーと、光路における第1鏡とセンサーとの間に位置し、凹面に1対1に対応する絞りを複数備えた絞り部材と、絞り部材に設けられ隣り合う絞りの間から突出した壁と、を備える。
この構成によれば、各絞りの間に設けられた壁によって、絞りを通過するように意図された光以外の光(迷光)が絞りを通過することを防止できる。その結果、迷光がセンサーに入射することを防止でき、迷光によるスキャンデータの画質低下を防止できる。
この構成によれば、各絞りの間に設けられた壁によって、絞りを通過するように意図された光以外の光(迷光)が絞りを通過することを防止できる。その結果、迷光がセンサーに入射することを防止でき、迷光によるスキャンデータの画質低下を防止できる。
さらに、上記目的を達成するためのスキャナーにおいて、センサーは、凹面と1対1に対応するセンサーチップを複数備えており、原稿の主走査ライン上の既定範囲からの光は、第1凹面によって反射され第1凹面に対応する第1センサーチップに入射するとともに、第2凹面によって反射され第2凹面に対応する第2センサーチップに入射する構成であっても良い。
すなわち、原稿の主走査ライン上において第1センサーチップが読み取る部分範囲と第2センサーチップが読み取る部分範囲とは一部が重複する(重複する範囲が既定範囲に相当する)。したがってこの構成の場合、既定範囲のスキャンデータに基づいて第1センサーチップに対応する部分範囲のスキャンデータと第2センサーチップに対応する部分範囲のスキャンデータとを結合することによって、1主走査ラインのスキャンデータを生成することができる。
すなわち、原稿の主走査ライン上において第1センサーチップが読み取る部分範囲と第2センサーチップが読み取る部分範囲とは一部が重複する(重複する範囲が既定範囲に相当する)。したがってこの構成の場合、既定範囲のスキャンデータに基づいて第1センサーチップに対応する部分範囲のスキャンデータと第2センサーチップに対応する部分範囲のスキャンデータとを結合することによって、1主走査ラインのスキャンデータを生成することができる。
さらに、上記目的を達成するためのスキャナーにおいて、センサーチップは主走査方向に並び、センサーチップは主走査方向に並ぶ複数の光電変換素子を備えており、壁は、第1凹面に対応する第1センサーチップの主走査方向における端部に位置する光電変換素子に入射する主光線を遮らない高さで絞り部材から突出する構成であっても良い。
壁は、センサーチップの端部に位置する光電変換素子に入射するように設計された光の少なくとも主光線を遮らない高さで設けられているため、当該主光線をセンサーチップに入射させることができる。
壁は、センサーチップの端部に位置する光電変換素子に入射するように設計された光の少なくとも主光線を遮らない高さで設けられているため、当該主光線をセンサーチップに入射させることができる。
さらに、上記目的を達成するためのスキャナーにおいて、壁は、当該壁の両側の絞りに隣接する構成であっても良い。
この構成によると、各絞りに隣接して設けられた壁によって迷光を遮ることができる。
この構成によると、各絞りに隣接して設けられた壁によって迷光を遮ることができる。
さらに、上記目的を達成するためのスキャナーにおいて、壁は、絞り部材から光路における原稿側に突出する構成であっても良い。
この構成によると、絞り部材から光路の原稿側における迷光が絞りを通過することを防止できる。
この構成によると、絞り部材から光路の原稿側における迷光が絞りを通過することを防止できる。
さらに、上記目的を達成するためのスキャナーにおいて、壁は、絞り部材から光路におけるセンサー側に突出する構成であっても良い。
この構成によると、絞り部材から光路のセンサー側における迷光がセンサーに入射することを防止できる。
この構成によると、絞り部材から光路のセンサー側における迷光がセンサーに入射することを防止できる。
上記目的を達成するためのスキャンデータを生産方法は、原稿からの光を反射する凹面を複数備えた第1鏡と、凹面で反射された光を検知するセンサーと、光路における第1鏡とセンサーとの間に位置し、凹面に1対1に対応する絞りを複数備えた絞り部材と、絞り部材に設けられ隣り合う絞りの間から突出した壁と、を備えるスキャナーを用いて、原稿からの光をセンサーで読み取って原稿のスキャンデータを生産する。
この方法によれば、各絞りの間に設けられた壁によって、絞りを通過するように意図された光以外の光(迷光)が絞りを通過することを防止できる。その結果、迷光がセンサーに入射することを防止でき、迷光によるスキャンデータの画質低下を防止できる。
この方法によれば、各絞りの間に設けられた壁によって、絞りを通過するように意図された光以外の光(迷光)が絞りを通過することを防止できる。その結果、迷光がセンサーに入射することを防止でき、迷光によるスキャンデータの画質低下を防止できる。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)スキャナーの構成:
(2)遮光壁の構成:
(2−1)第1鏡における壁:
(2−2)絞り部材における壁:
(2−3)第2鏡における壁:
(2−4)センサー基板における壁:
(3)スキャン処理:
(4)他の実施形態:
(1)スキャナーの構成:
(2)遮光壁の構成:
(2−1)第1鏡における壁:
(2−2)絞り部材における壁:
(2−3)第2鏡における壁:
(2−4)センサー基板における壁:
(3)スキャン処理:
(4)他の実施形態:
(1)スキャナーの構成:
図1は、本発明の一実施例にかかるスキャナー1のブロック図である。スキャナー1は、コントローラー10と搬送装置40と通信部70と操作部80と2系統の読取部(光源、センサー、光学系等)を備える。コントローラー10は、図示しない記録媒体と、当該記録媒体からプログラムを読み出して実行するプロセッサー(特定の処理を実行するように回路が構成されたASIC等の専用回路であってもよいし、ASIC等とCPUとが協働していてもよい)を備える。
図1は、本発明の一実施例にかかるスキャナー1のブロック図である。スキャナー1は、コントローラー10と搬送装置40と通信部70と操作部80と2系統の読取部(光源、センサー、光学系等)を備える。コントローラー10は、図示しない記録媒体と、当該記録媒体からプログラムを読み出して実行するプロセッサー(特定の処理を実行するように回路が構成されたASIC等の専用回路であってもよいし、ASIC等とCPUとが協働していてもよい)を備える。
コントローラー10はスキャナー1の各部を制御し、読取部の出力に基づいてスキャンデータを生成(生産)する。操作部80は、利用者に対して種々の情報を提供する出力部と、利用者による入力操作を受け付ける入力部とを備えている。コントローラー10は、操作部80を制御して読取条件の選択肢やスキャン指示等を行うための情報を出力部に表示させる。利用者は、当該出力部の出力に基づいて読取条件の選択や読取開始指示等を入力することができる。
読取開始指示が入力されると、コントローラー10は、スキャナー1の各部を制御し、原稿を読み取るための動作(例えば、原稿の搬送等)を行わせる。この動作により、読取部からスキャンデータが出力されると、コントローラー10がスキャンデータを生成する。通信部70は、外部の装置(本実施形態においては、外部のコンピューター90)と通信を行うための装置であり、コントローラー10は、任意の情報をコンピューター90に送信し、コンピューター90から各種の指示等を受け取ることができる。
本実施形態において、コントローラー10がスキャンデータを生成すると、コントローラー10は通信部70を介してスキャンデータをコンピューター90に送信する。むろん、スキャンデータは、種々の態様で利用されてよく、スキャナー1が備える図示しない記録媒体に保存されてもよいし、可搬型の記録媒体に保存されてもよいし、通信部70を介してコンピューター90以外の装置に提供されてもよい。
本実施形態にかかるスキャナー1は、図示しないADF(オートドキュメントフィーダー)と原稿台との双方を備えており、いずれかの方式から選択された方式によって原稿が読取位置で読み取られる。本実施形態にかかるスキャナー1は、第1の読取部と第2の読取部とを備えており、第1の読取部はADFで搬送される搬送原稿(のおもて面)と、原稿台に載置される載置原稿とのいずれも読み取ることができる。第2の読取部は、搬送原稿(の裏面。おもて面と逆の面)を読み取ることができ、載置原稿を読み取ることはできない。
第1の読取部は、図1に示す第1センサー21,第1光源31,副走査装置41,第1光学系51を備えている。副走査装置41は、第1センサー21、第1光源31、第1光学系51を副走査方向に往復移動させることが可能な装置である。第2の読取部は、図1に示す第2センサー22,第2光源32,第2光学系52を備えており、副走査装置41に類する装置は備えられていない。すなわち、第2センサー22,第2光源32,第2光学系52は、スキャナー1内に固定的に配置される。そして、第2光源32からの光が搬送原稿の搬送経路内の所定位置に照射され、搬送原稿からの光が第2光学系52を経て第2センサー22に検知されることで読み取りが行われる。
第1センサー21および第2センサー22は、複数のセンサーチップを備えている。各センサーチップは、1方向に延びるセンサーであり当該1方向に複数の光電変換素子が並べられてラインセンサーを構成している。本実施形態において、各センサーチップには3列の光電変換素子列が構成されており、各列の光電変換素子のそれぞれには赤(R),緑(G),青(B)の各色のフィルターが設けられている。本実施形態においては、当該光電変換素子列が延びる方向が副走査方向(搬送原稿の搬送方向)に垂直になるように配置される(当該光電変換素子列が延びる方向を主走査方向と呼ぶ)。
なお、第1センサー21が備える複数のセンサーチップは主走査方向に既定の間隔で並べられている。第2センサー22が備える複数のセンサーチップは主走査方向に隣接した状態で並べられており、異なるセンサーチップの間で隣り合う光電変換素子の間隔が、他の位置における光電変換素子の間隔と同一である。従って、第2センサー22においては、複数のセンサーチップが隣接するように並べられて、実質的に主走査方向の1ライン分の読み取りを行うラインセンサーを形成している。
第1光源31および第2光源32は、搬送原稿の搬送経路に設けられた読取領域(照射位置)に照明光を照射するランプを備えている。なお、原稿が載置原稿として読み取られる場合、照射位置は副走査方向に移動し得る。照射位置に存在する物体(原稿や白基準板等)にて反射した光は第1センサー21や第2センサー22が備える各センサーチップで受光され、各センサーチップは各光電変換素子での光の受光量に応じた信号を生成する。
第1センサー21および第2センサー22は、図示しないアナログフロントエンドを備えている。アナログフロントエンドは、光の受光量に応じて光電変換素子が出力した信号にゲインを作用させて出力する回路やA/D変換する回路を含む。本実施形態においてアナログフロントエンドは、当該ゲインを示す情報を記録する記録媒体を備えており、アナログフロントエンドにおいては、当該ゲインを示す情報に基づいて、第1センサー21および第2センサー22の黒レベルを最小の出力値、白レベルを最大の出力値にするゲイン調整を行う。
なお、本実施形態において、第1光源31および第2光源32は白色光を出力する光源である。第1センサー21および第2センサー22が備える光電変換素子列は、RGB各色のフィルターを備えているため、白色光が照射された原稿からの光に基づいてRGB各色のスキャンデータを生成することができる。
搬送装置40は、原稿を搬送する機構である。搬送装置40は、搬送原稿を第1光源31からの光の照射位置および第2光源32からの光の照射位置に搬送し、さらに、搬送原稿をスキャナー1の外部へ搬送する機構である。
図2は、搬送装置40の搬送経路を模式的に示す図である。搬送経路は、図示しない樹脂製の部材によって搬送原稿の通路が形成されることによって構成され、経路の複数の位置で搬送原稿が搬送ローラー40a,40bで挟まれることによって搬送原稿が当該経路を搬送される。図2においては、太い実線の曲線によって搬送経路を示している。搬送経路内において光源による照射位置は破線で示されており、当該照射位置内において主走査方向(X軸,Z軸に垂直な方向)の1ライン分が第1センサー21および第2センサー22によって読み取られる。
第1読取部を構成する第1センサー21,第1光源31,第1光学系51は、図2に示す第1ユニットU1内に形成されており、原稿台T上の照射位置を挟んで反対側には基準板61が配置されている。すなわち、第1センサー21において複数のセンサーチップは、主走査方向に既定の間隔だけ離れた位置に配置されており、原稿台上の原稿からの光を複数の光路によって複数のセンサーチップに導くことによって1列の読み取りを行うように構成されている。
従って、原稿上の1列の領域からの光は主走査方向の端部が重複する複数の領域からの光に分割され、分割された光のそれぞれが各センサーチップに結像する。このため、本実施形態においては、第1センサー21が備える各センサーチップの出力を合成して1ライン分のスキャンデータを生成する必要がある。そこで、本実施形態においては、基準板61に合成の目印となる合成マークが形成されている。合成マークは、隣接する領域の端部において各領域が重複する部位に形成されており、原稿台に原稿が存在しない状態で合成マークが読み取られることにより、各センサーチップの出力において同一の位置が読み取られた光電変換素子が特定される。
また、基準板61にはゲイン調整のための白基準板および黒基準板が形成されており、白基準板の測定結果によって白レベルが決定され、黒基準板の測定結果によって黒レベルが決定される。なお、基準板61においては、可動部が形成され、合成マーク、白基準板、黒基準板の中から選択された対象が可動部によって移動されて照射位置に配置されるように構成されていても良い。基準板62には、基準板61と同様に白基準板および黒基準板が形成されている。
図2において、副走査装置41は、副走査方向(X軸方向)に第1ユニットU1を往復動作させることが可能な装置である。搬送原稿を読み取る際には、副走査装置41は、第1ユニットU1を図2に示す既定の位置に配置する。そして、当該既定の位置に第1ユニットU1が配置された状態で読取が行われる。原稿台Tに載置された載置原稿を読み取る場合(いわゆるフラットベッドでの読み取りが行われる場合)、副走査装置41は、第1センサー21、第1光源31、第1光学系51を副走査方向に移動させて載置原稿を読み取る。従って、載置原稿においては、図2に示す破線の直線と当該直線に接続された一点鎖線の直線の部分が照射位置(原稿の読取領域)となり、当該照射位置は副走査方向に移動し得る。
第2読取部を構成する第2センサー22,第2光源32,第2光学系52は、図2に示す第2ユニットU2内に形成されている。搬送原稿を読み取る際には、第1ユニットU1によって一方の面(おもて面)の読取が行われ、裏面の読取を行う必要がある場合には第2ユニットU2によって裏面の読取が行われる。本実施形態において、第2読取部(第2ユニットU2)はいわゆるCIS(Contact Image Sensor)である。
第1光学系51は、第1センサー21に原稿の画像を縮小しつつ結像させる部材(縮小光学系)を備えている。すなわち、第1光学系51は、第1光源31の光が原稿に照射されることで生じる原稿からの光をセンサーチップに導く光路を形成する部材を備える。光路は種々の構造によって提供されて良く、種々の部材、例えば、絞り部材やレンズ、反射鏡等のいずれかまたは組み合わせによって構成可能である。
図3は、本実施形態における第1光学系51の光路を示す図であり、視線を主走査方向と平行にした状態で示している。図3においては、原稿Pに光を照射する第1光源31と第1光学系51(51a〜51h)と第1センサー21とを示している。第1光学系51は複数の凹面を備えた第1鏡51aと、複数の凹面を備えた第2鏡51bと、絞りとして機能する複数の開口部を備えた絞り部材51cと迷光を遮光するための壁(51d〜51h)を備えており、原稿Pの主走査方向(X軸、Z軸に垂直な方向)の1ライン分の光を、主走査方向に一部で重複する複数の領域に分割し、各領域の像を縮小することによってセンサーチップ21aに導く構成等が採用されている。なお図3においては、主走査ライン(読み取りライン)上の任意の位置からの反射光である光束を3本の線で示している。具体的には、当該光束の中心の光線である主光線を一点鎖線、当該光束の外側の光線を二点鎖線で示している。
図4は、主走査方向を横方向とした状態で光学系による作用を模式的に示している。図4においては、入射光と出射光とが重畳するとわかりづらいため、第1鏡51aの各凹面51aiと第2鏡51bの各凹面51biは等価なレンズに置き換えたものとして楕円形で図示され、入射光に対して出射光がレンズの反対側に出る形で表現されている。同図に示すように、第1鏡51aの各凹面51aiと絞り部材51cの各絞り51ci(開口部)とは1対1に対応している。また、第1鏡51aの各凹面51aiと第2鏡51bの各凹面51biとは1対1に対応している。また、第1鏡51aの各凹面51aiと第1センサー21の各センサーチップ21aとは、1対1に対応している。なお、第1センサー21の各センサーチップ21aは基板210に配置されている。
図4においては、原稿Pからの光が第1光学系51を経てセンサーチップ21aに導かれる様子が示されており、原稿Pからの光の光路を破線および一点鎖線で模式的に示している。すなわち、センサーチップ21aは、主走査方向(Y軸方向)に並んでおり、原稿Pにおいて主走査方向において一部重複しながら隣接する各領域の像は、原稿Pの各領域に対応した第1光学系51の各部材で縮小される。そして、原稿Pの各領域の像は、各領域に対応した各センサーチップ21aに結像する。すなわち、主走査方向の長さLPの領域の像は長さdのセンサーチップ21aに結像する。
なお、第2光学系52においては、等倍結像の光学系が採用されており、像が縮小されることなく第2センサー22に結像される。従って、コントローラー10は、第2センサー22の出力に対して合成処理を行う必要はなく、他の画像処理(切り出し処理やエッジ強調等)を実施し、スキャンデータとして取得する。
一方、第1センサー21においては、原稿Pの同一位置を重複して読み取るため、コントローラー10が、隣接するセンサーチップが出力したデータを一部が重複する位置で合成してスキャンデータを生成する。具体的には、コントローラー10は、基準板61に形成された合成マークの読み取り結果に基づいて、センサーチップ21aの出力を重ねる。すなわち、第1センサー21は、図4に示すように、複数個のセンサーチップ21aによって構成されており、各センサーチップ21aは異なる位置に配置される。
異なるセンサーチップ21aで同一位置が読み取られると、各センサーチップ21aの端部で当該同一位置が読み取られた状態になる。当該同一位置は、基準板61の合成マークが配置される位置であるため、原稿が存在しない状態で合成マークが読み取られると、各センサーチップ21aは、合成マークを読み取ったデータを出力する。図5は、センサーチップ21aが備える光電変換素子を示す模式図であり、光電変換素子を丸で示している。図5において、合成マークは副走査方向に延びる線であり、合成マークの周囲の部分は白色である。
当該合成マークは、隣接するセンサーチップ21aの双方で読み取られる。図5においては、合成マークを読み取ったセンサーチップ21aの光電変換素子を黒に着色して模式的に示しており、合成マークをハッチングによって模式的に示し、合成マークを読み取った光電変換素子に重ねて示している。また、隣接するセンサーチップ21aの一方を上部左側に配置し、他方を下部右側に配置し、合成マークを読み取った光電変換素子が縦方向に並ぶようにセンサーチップ21aの模式図を配置している。ここでは、隣接するセンサーチップ21aの一方を第1センサーチップ21a1、他方を第2センサーチップ21a2と呼ぶ。
第1センサーチップ21a1、第2センサーチップ21a2は、主走査方向にならぶ各光電変換素子の受光量に対応した出力をシリアルデータとして出力する。そこで、コントローラー10は、第1センサーチップ21a1の出力を解析し、端部から5個目および6個目の光電変換素子E5,E6で合成マークを検出したことを特定する。また、コントローラー10は、第2センサーチップ21a2の出力を解析し、端部から4個目および5個目の光電変換素子E4,E5で合成マークを検出したことを特定する。この場合、コントローラー10は、第1センサーチップ21a1の5個目および6個目の光電変換素子E5,E6と、第2センサーチップ21a2の4個目および5個目の光電変換素子E4,E5とが同一位置を読み取ったとみなし、各センサーチップ21aに対応づけて各素子の位置を図示しないメモリに記録する。
そして、コントローラー10は、以上の処理を主走査方向の端に位置するセンサーチップ21aから順に実施し、各センサーチップ21aで同一位置を読み取った素子の位置を特定する。なお、第1センサー21を構成する複数のセンサーチップ21aにおいて、端に位置するセンサーチップ以外は第1センサーチップ21a1、第2センサーチップ21a2のいずれにもなり得る。例えば、あるセンサーチップ21aが第1センサーチップ21a1となり、隣接する第2センサーチップ21a2となった場合において、当該第2センサーチップ21a2を第1センサーチップ21a1と見なすと、逆側に隣接する他のセンサーチップ21aが第2センサーチップ21a2となる。以上のようにして同一位置を読み取る光電変換素子の位置が特定されると、原稿Pが読み取られた際に、コントローラー10は、当該位置に基づいて各センサーチップ21aが出力を合成することにより、1ライン分のスキャンデータを生成する。
(2)遮光壁の構成:
第1光学系51は、図3および図4で示した光路の光以外の迷光が各センサーチップ21aに入射することを防止するために壁(51d〜51h)を備えている。
第1光学系51は、図3および図4で示した光路の光以外の迷光が各センサーチップ21aに入射することを防止するために壁(51d〜51h)を備えている。
(2−1)第1鏡における壁:
図3に示す壁51dは、第1鏡51aに設けられた遮光壁である。図6に示すように、壁51dは、隣り合う2つの凹面(51ai)の間に設けられた壁51dmと、壁51dmと壁51dmとをつなぐ壁51dsと、を備えている。壁51dmは、隣り合う2つの凹面に隣接して設けられている。壁51dmは、隣り合う2つの凹面がなす稜線部Rから突出しており、稜線部Rと壁51dmとの間に隙間はない(壁51dmの底部と稜線部Rとは密着している)。言い換えると、壁51dは、Z方向から見ると格子形状(あるいは梯子形状)になっており、その壁51dの1つの開口からは1つの凹面が覗くようになっている。壁51dmの突端部Toは、稜線部Rの形状に沿った凹形状である。壁51dsは、壁51dmとともに凹面51aiの縁を囲む。壁51dsが壁51dmと接続することにより、壁51dmの強度が増し壁51dmの光路に対する角度が安定する。壁51dmの形状(壁の厚さや高さ)について図7を参照しながら具体的に説明する。
図3に示す壁51dは、第1鏡51aに設けられた遮光壁である。図6に示すように、壁51dは、隣り合う2つの凹面(51ai)の間に設けられた壁51dmと、壁51dmと壁51dmとをつなぐ壁51dsと、を備えている。壁51dmは、隣り合う2つの凹面に隣接して設けられている。壁51dmは、隣り合う2つの凹面がなす稜線部Rから突出しており、稜線部Rと壁51dmとの間に隙間はない(壁51dmの底部と稜線部Rとは密着している)。言い換えると、壁51dは、Z方向から見ると格子形状(あるいは梯子形状)になっており、その壁51dの1つの開口からは1つの凹面が覗くようになっている。壁51dmの突端部Toは、稜線部Rの形状に沿った凹形状である。壁51dsは、壁51dmとともに凹面51aiの縁を囲む。壁51dsが壁51dmと接続することにより、壁51dmの強度が増し壁51dmの光路に対する角度が安定する。壁51dmの形状(壁の厚さや高さ)について図7を参照しながら具体的に説明する。
図7は、原稿Pからの反射光がセンサーチップ21aに入射するまでの光路と壁とを示す模式図である。第1鏡51aに設けられている複数の凹面のうち、注目する凹面を第1凹面51a1と呼び、第1凹面51a1の隣の凹面を第2凹面51a2と呼ぶ。また、図7において第1鏡51aの凹面と第2鏡51bの凹面は凸レンズとして図示されている。また、図7において、原稿Pの主走査ライン(読み取りライン)上の任意の位置からの反射光である光束(円錐形)は3本の線(光束の中心の光線である主光線は一点鎖線、光束の外側の光線は二点鎖線)で示されている。なお、本実施形態において壁51dmの厚さ(幅Wdm)は一定であり、第1凹面51a1と第2凹面51d2との間の壁51dmは第1凹面51a1と第2凹面51d2とから等距離の位置に設けられている。
原稿Pの主走査ライン上の範囲P1(端部P1Lから端部P1Rまでの範囲)からの反射光は、第1鏡51aの第1凹面51a1、第1絞り51c1、第2鏡51bの第1凹面51b1を経て第1センサーチップ21a1に入射する。また、原稿Pの主走査ライン上の範囲P2(端部P2Lから端部P2Rまでの範囲)からの反射光は、第1鏡51aの第2凹面51a2、第2絞り51c2、第2鏡51bの第2凹面51b2を経て第2センサーチップ21a2に入射する。範囲P1と範囲P2との重複部分(以降、既定範囲と呼ぶ)は第1センサーチップ21a1および第2センサーチップ21a2の両方のセンサーチップで読み取られる。当該既定範囲の主走査方向における長さはqである。
既定範囲の第2凹面51a2側の端部P1Rからの反射光は、第1センサーチップ21a1に対しては第1センサーチップ21a1の端部S1L(第2センサーチップ21a2から遠い方の端部)に入射する。既定範囲の第1凹面51a1側の端部P2Lからの反射光は、第2センサーチップ21a2に対しては、第2センサーチップ21a2の第1センサーチップ21a1から遠い方の端部S2Rに位置する光電変換素子に入射する。なお端部P1Rからの反射光は、第2センサーチップ21a2に対しては、端部S2Rより第1センサーチップ21a1側の光電変換素子に入射し、端部P2Lからの反射光は、第1センサーチップ21a1に対しては、端部S1Lより第2センサーチップ21a2側の光電変換素子に入射する。
仮に第1鏡51aの凹面と凹面の間の壁51dmが設けられていない場合、例えば、第1鏡51aの第2凹面51a2で反射した光の一部が第2凹面51a2に対応する第2絞り51c2ではなく隣の第1絞り51c1を通過してしまう現象を防止できない状況等が発生し、迷光による画質低下を招く。壁51dmにより、当該現象の発生を防止できる。当該現象の発生を防止するためには壁51dmの高さは高い方が望ましいが、凹面ごとに決められた主走査ライン上の範囲(P1やP2等)からの光を凹面で反射するためには次のように上限を定めることができる。
すなわち、第1凹面51a1に注目すると、範囲P1と範囲P2との重複部である既定範囲の第2凹面51a2側の端部P1Rからの少なくとも主光線が遮られない高さである必要がある。したがって第1鏡51aの第1凹面51a1と第2凹面51a2との間に設けられる壁51dmは、次式(1)で示される高さHdmで稜線部Rの点p02からから突出している。
0<Hdm<L−(q+Wdm)/(2tanθ2)・・・(1)
0<Hdm<L−(q+Wdm)/(2tanθ2)・・・(1)
ここで、Lは第1鏡51aを経てセンサーチップ21aに結像する像のピントが合う位置である仮想面から第1鏡51aまでの距離である。当該仮想面に原稿Pが位置するように原稿台T(図7においては不図示)と第1光学系51との相対位置が設計されている。以降では、仮想面に原稿Pの読み取り面が位置しているとして説明を行う。Lは、より具体的には、点p02から原稿Pの端部P1RまでのXZ平面と平行な平面における距離である。なお図6に示すように第1鏡51aは主走査方向(Y軸方向)に延びるように配置されており、壁51dmは、第1鏡51aの稜線部RからXZ平面と平行な方向に突出している。点p02について図8および図9を用いて説明する。
図8は図6に示した第1鏡51aの斜視図から理解を容易にするためにX軸負方向側の壁51dsを除いた斜視図である。図9は、第1凹面51a1と第2凹面51a2の間の壁51dmをY軸負方向からY軸正方向に向かって見た模式図である。点p01は、範囲P1と範囲P2の重複部である既定範囲の第2凹面51a2側の端部P1R(図7参照)からの反射光の主光線Rcが第1凹面51a1に入射する点である。端部P1Rからの主光線Rcを壁51dmの第1凹面51a1側の側面(XZ平面に平行な面)に投影した場合の線を図9に示すように線Rccとする。点p02は、第1凹面51a1と第2凹面51d2とがなす稜線部Rの第1凹面側の稜線(図8、図9参照)と線Rccの交点である。
式(1)においてθ2は、図7に示すように、端部P1Rから第1凹面51a1に入射する主光線Rcと原稿Pの主走査ラインとを含む平面における主走査ラインの垂線と主光線Rcとのなす角である。Wdmは、第1凹面51a1と第2凹面51a2とから等距離の位置に設けられる壁51dmの主走査方向(Y軸方向)における幅である。点p05は、線Rccと主光線Rcとの交点である。なお、既定範囲qのY軸方向における中点のY座標と、壁51dmのY軸方向における中点のY座標とは一致しており、壁51dmはXZ平面に平行である。したがって式(1)における(q+Wdm)/(2tanθ2)は、線k1の長さを意味している。したがって壁51dmは、図9に示すように、点p02から線Rccと平行な方向における長さ(高さHdm)が(L−k1)より小さくなるように形成されている。壁51dmの高さHdmが(L−k1)より小さく形成されていることにより、既定範囲の端部P1Rから第1凹面51a1に入射する主光線Rcを少なくとも遮光しない壁51dmを構成することができる。
なお、端部P1Rから第1凹面51a1側に入射する光束において主光線Rcが少なくとも壁51dmによって遮られることがなければ、当該光束において主光線Rcより外側であって最も第2凹面51a2側に近い光線Reは壁51dmによって遮られたとしても、合成マークを用いた合成を実現できる。すなわち合成マーク周辺の光量が低下したスキャンデータによって合成マークを用いた合成を実現可能である。また、端部P1Rからの反射光の光束は第2センサーチップ21a2において主光線より外側の光線も含めて検知されるため、端部P1Rに相当する位置の合成後のスキャンデータの画質には影響しない。なお、壁51dmの点p02からの高さHdmを光線Reも遮らない高さとするためには、高さHdmは次式(2)を満たせばよい。
0<Hdm<L−(q+Wdm)/(2tanθ1)・・・(2)
0<Hdm<L−(q+Wdm)/(2tanθ1)・・・(2)
式(2)においてθ1は、図7に示すように、端部P1Rから第1凹面51a1に入射する光束の最も第2凹面51a2側の光線Reと原稿Pの主走査ラインとを含む平面(主走査ラインと主光線Rcとを含む平面と同一平面)における主走査ラインの垂線と光線Reとのなす角である。点p04は、線Rcc(端部P1Rからの光線Reを壁51dmの第1凹面51a1側の側面(XZ平面に平行な面)に投影した場合の線でもある)と光線Reとの交点である。式(2)における(q+Wdm)/(2tanθ1)は、線k2の長さを意味している。なお、図7〜図9においては、壁51dmは点p02からの高さHdmが式(2)も満たすように形成されていることを示している。すなわちHdm<L−k2であることを図示している。
第1鏡51aに設けられている他の壁51dmについても、上記した第1凹面51a1と第2凹面51a2の間の壁51dmと同様の形状で形成されている。
なお、壁51dm同士をつなぐ壁51dsは、壁51dmと壁51dmとの間の凹面の副走査方向(X軸方向)における端部と接して設けられている。凹面のX軸方向における端部と壁51dsとの間に隙間はない。壁51dsは、凹面への入射光の光束と凹面からの反射光の光束に干渉しない高さで形成されていればよく、凹面への入射光側の壁51dsの高さと凹面からの反射光側の壁51dsの高さとは同じであっても異なっていても良い。本実施形態では、図6に示すように、入射光側の壁51dsの方が反射光側の壁51dsよりも高く形成されている。
以上のように、第1鏡51aの各凹面に対応する主走査ライン上の範囲の光以外の意図しない光(迷光)を、凹面と凹面との間に設けられた壁51dmによって遮光することができる。その結果、迷光がセンサーチップ21aに入射することを防止でき、迷光によるスキャンデータの画質低下を防止できる。
(2−2)絞り部材における壁:
次に、図3に示すように絞り部材51cに設けられている壁51eと壁51fについて説明する。絞り部材51cは主走査方向(Y軸方向)に延びる板状の部材であり、主走査方向に複数の絞り(開口部)が形成されている。図7に示すように、第1凹面51a1に対応する絞りを第1絞り51c1、第2凹面51a2に対応する絞りを第2絞り51c2と呼ぶ。図10は絞り部材51cを光路における原稿P側から見た図である。図11は図10のf11−f11線における断面図、図12は図10のf12−f12線における断面図である。
次に、図3に示すように絞り部材51cに設けられている壁51eと壁51fについて説明する。絞り部材51cは主走査方向(Y軸方向)に延びる板状の部材であり、主走査方向に複数の絞り(開口部)が形成されている。図7に示すように、第1凹面51a1に対応する絞りを第1絞り51c1、第2凹面51a2に対応する絞りを第2絞り51c2と呼ぶ。図10は絞り部材51cを光路における原稿P側から見た図である。図11は図10のf11−f11線における断面図、図12は図10のf12−f12線における断面図である。
壁51eは絞り部材51cから光路において原稿P側に突出する遮光壁であり、図10に示すように絞り部材51cに形成された複数の絞りと絞りとの間に設けられた壁51emと、壁51em同士をつなぐ壁51esとを含んで構成される。壁51esが一対の壁51emと接続していることにより、壁51emの強度が増し、壁51emの絞り部材51cの表面に対する角度が安定する。また、壁51fは、絞り部材51cから光路においてセンサーチップ側に突出する遮光壁であり、図10で示した壁51eと同様に、複数の絞りと絞りの間に設けられた壁51fmと、壁51fm同士をつなぐ壁51fsとを含んで構成される。壁51fsが一対の壁51fmと接続していることにより、壁51fmの強度が増し、壁51fmの絞り部材51cの表面に対する角度が安定する。
図11に示すように、第1絞り51c1の両側に設けられた壁51emは、主光線Rc(ここでは、第1絞り51c1に対応する第1センサーチップ21a1の主走査方向における両方の端部の光電変換素子に入射する2つの主光線)を遮らない高さおよび位置で絞り部材51cから突出している。図11に示すように、第1センサーチップ21a1の主走査方向における両方の端部の光電変換素子に入射する光束において主光線Rcだけでなく最も外側の光線Reも遮らない高さHemおよび位置で壁51emが設けられてもよい。絞り部材51cに設けられた他の壁51emも上記と同様の形状で設けられている。壁51emと壁51emとをつなぐ壁51esは、図12に示すように、対応するセンサーチップ(第1センサーチップ21a1)に入射する光束を遮らない高さHesで設けられる。絞り部材51cに設けられた他の壁51esも同様の形状で設けられている。
第1絞り51c1の両側に設けられた壁51fmは、第1絞り51c1に対応する第1センサーチップ21a1の主走査方向における両方の端部に入射する主光線Rcを遮らない高さおよび位置で絞り部材51cから突出している。図11に示すように、第1センサーチップ21a1に入射する光束において主光線Rcだけでなく第2絞り51c2に最も近い光線Reも遮らない高さHfmおよび位置に壁51fmが設けられてもよい。絞り部材51cに設けられた他の壁51fmも同様の形状で設けられている。壁51fmと壁51fmとをつなぐ壁51fsは、図12に示すように、対応するセンサーチップ(第1センサーチップ21a1)に入射する光束を遮らない高さHfsで設けられる。絞り部材51cに設けられた他の壁51fsも同様の形状で設けられている。
以上のように、絞り部材51cに壁51eおよび壁51fが設けられることにより、迷光によるスキャンデータの画質低下を防止できる。仮に、絞りと絞りの間であって原稿P側の壁51emが設けられていない場合、例えば、第1絞り51c1に対応する第1鏡51aの第1凹面51a1以外の凹面(例えば第2凹面51a2)からの反射光が当該第1絞り51c1を通過する現象を防止できず、迷光による画質低下を招く場合がある。また仮に、絞りと絞りの間であってセンサー側の壁51fmが設けられていない場合、例えば、第1絞り51c1を通過した光の一部が当該第1絞り51c1に対応する第2鏡51bの第1凹面51b1以外の凹面(例えば第2凹面51b2)に入射してしまう現象を防止できず、迷光による画質低下を招く場合がある。しかし、絞り部材51cに壁51emや壁51fmが設けられていることによって上記の現象を防止できる。
(2−3)第2鏡における壁:
次に、第2鏡51bに設けられた壁51g(図3参照)について説明する。第2鏡51bは、複数の凹面を備えており、第1鏡51aの複数の凹面でそれぞれ反射された光を対応する凹面によって対応するセンサーチップ21aに向けて反射する。図13は第2鏡51bの凹面が形成された面を示す図である。図13には、第1絞り51c1に対応する第1凹面51b1と第2絞り51c2に対応する第2凹面51b2が図示されている。図14は図13のf14−f14線における断面図、図15は図13のf15−f15線における断面図である。図16は、図13のf16−f16線における断面図である。
次に、第2鏡51bに設けられた壁51g(図3参照)について説明する。第2鏡51bは、複数の凹面を備えており、第1鏡51aの複数の凹面でそれぞれ反射された光を対応する凹面によって対応するセンサーチップ21aに向けて反射する。図13は第2鏡51bの凹面が形成された面を示す図である。図13には、第1絞り51c1に対応する第1凹面51b1と第2絞り51c2に対応する第2凹面51b2が図示されている。図14は図13のf14−f14線における断面図、図15は図13のf15−f15線における断面図である。図16は、図13のf16−f16線における断面図である。
図13に示すように、壁51gは、第2鏡51bの凹面と凹面の間に設けられた壁51gm(第2壁に相当する)と、壁51gmと壁51gmとをつなぐ壁51gsとを備えている。第1凹面51b1と第2凹面51b2の間に設けられた壁51gmは、当該壁51gmの両側の凹面に隣接して設けられている。壁51gmは、第1凹面51b1と第2凹面51b2がなす稜線部Rから突出しており、稜線部Rと壁51gmとの間に隙間はない。壁51gmの突端部Toは図16に示すように稜線部Rの形状に沿った凹形状である。壁51gsは、壁51gmとともに第1凹面51b1や第2凹面51b2の縁を囲む。壁51gsが壁51gmと接続することにより、壁51gmの強度が増し光路に対する壁51gmの角度が安定する。
図14において、細い一点鎖線は、対応する絞りを通過し第2鏡51bの凹面に入射する入射光の光束における主光線を示しており、細い二点鎖線は、当該光束の外側の光線を示している。また図14において、太い一点鎖線は、第2鏡51bの凹面から対応するセンサーチップ21aに向けて反射する反射光の光束における主光線を示しており、太い二点鎖線は、当該光束の外側の光線を示している。第1凹面51b1の両端に設けられた壁51gmは、第1凹面51b1に対応する第1センサーチップ21a1の主走査方向(Y軸方向)における両方の端部にそれぞれ位置する光電変換素子に入射する光束のうち主光線に干渉しない形状(高さHgm、幅Wgm)で稜線部Rから突出するように構成されている。
図15において、細い一点鎖線は、第1凹面51b1に対応する第1絞り51c1を通過し第1凹面51b1に入射する入射光の光束における主光線を示しており、細い二点鎖線は、当該光束の外側の光線を示している。また図15において、太い一点鎖線は、第1凹面51b1から対応する第1センサーチップ21a1に向けて反射する反射光の光束における主光線を示しており、太い二点鎖線は、当該光束の外側の光線を示している。壁51gmと壁51gmとをつなぐ壁51gsは、図15に示すように、第2鏡51bの凹面への入射光の光束および当該凹面からの反射光の光束を遮らない高さHgsで第2鏡51bに設けられている。
以上のように、第2鏡51bの凹面と凹面との間に壁51gmが設けられていることにより、迷光によるスキャンデータの画質低下を防止できる。仮に、第2鏡51bの凹面と凹面との間の壁51gmが設けられていない場合、例えば、第1凹面51b1に対応する第1センサーチップ21a1以外のセンサーチップ(例えば第2センサーチップ21a2)に第1凹面51b1からの反射光の一部が入射する現象を防止できず、迷光による画質低下を招く場合がある。しかし、第2鏡51bに壁51gmが設けられていることによって上記の現象を防止できる。
(2−4)センサー基板における壁:
次に、センサーチップ21aが配置されている基板210に設けられた壁51h(図3参照)について説明する。図17は、基板210を示す平面図である。図18は、図17のf18−f18線における断面図、図19は、図17のf19−f19線における断面図である。図17に示すように、壁51hは、基板210上に主走査方向に平行に配列された複数のセンサーチップ21aの間に設けられた壁51hmと、壁51hm同士をつなぐ壁51hsとを含んで構成される。一対の壁51hmと、一対の壁51hsとによって1つのセンサーチップ21aが囲まれる。
次に、センサーチップ21aが配置されている基板210に設けられた壁51h(図3参照)について説明する。図17は、基板210を示す平面図である。図18は、図17のf18−f18線における断面図、図19は、図17のf19−f19線における断面図である。図17に示すように、壁51hは、基板210上に主走査方向に平行に配列された複数のセンサーチップ21aの間に設けられた壁51hmと、壁51hm同士をつなぐ壁51hsとを含んで構成される。一対の壁51hmと、一対の壁51hsとによって1つのセンサーチップ21aが囲まれる。
図18および図19において、一点鎖線は、第2鏡51bからセンサーチップ21aへの入射光の光束における主光線を示しており、二点鎖線は、当該光束における外側の光線を示している。図18に示すように、壁51hmは、対応するセンサーチップ21aの主走査方向における両方の端部に位置する光電変換素子に入射する光束の主光線に干渉しない形状で形成されている。すなわち本実施形態においては、壁51hmは基板210に対して垂直に形成されており、センサーチップ21aのY軸方向の端部においてはセンサーチップ21aの内側から外側に向かって入射する主光線は、壁51hmによって遮られない。また、壁51hmと壁51hmとをつなぐ壁51hsは、図19に示すように、第1センサーチップ21a1に入射する光束に干渉しない高さHhsで形成されている。なお図19に示す光束の結像部分S3には、原稿Pの主走査ラインの同じ位置の光を受光するRGB3色の光電変換素子が位置している。
以上のように、基板210に配置されたセンサーチップ21aの間において基板210から突出する壁51hmが設けられていることにより、迷光によるスキャンデータの画質低下を防止できる。仮に、壁51hmが設けられていない場合、例えば、第1センサーチップ21a1に対応する第2鏡51bの第1凹面51b1以外の凹面(例えば第2凹面51b2)からの反射光の一部が第1センサーチップ21a1に入射する現象を防止できず、迷光による画質低下を招く。しかし、基板210に壁51hmが設けられていることによって上記の現象を防止できる。
(3)スキャン処理:
次に、スキャン処理の手順を図20に示すフローチャートに沿って説明する。利用者が操作部80によって原稿の読取解像度や給紙方法(ADF、原稿台のいずれか)を直接的または間接的に指定してスキャン指示を行うと、コントローラー10は、当該スキャン指示を受け付け、図4に示すスキャン処理を開始する。スキャン処理が開始されると、コントローラー10は、原稿の読取解像度、給紙方法を含むスキャン設定を取得する(ステップS100)。なお、ここで利用者は、搬送原稿からの光を読み取る場合に設定可能な複数の原稿の読取解像度からいずれかを選択して解像度を設定することができる。
次に、スキャン処理の手順を図20に示すフローチャートに沿って説明する。利用者が操作部80によって原稿の読取解像度や給紙方法(ADF、原稿台のいずれか)を直接的または間接的に指定してスキャン指示を行うと、コントローラー10は、当該スキャン指示を受け付け、図4に示すスキャン処理を開始する。スキャン処理が開始されると、コントローラー10は、原稿の読取解像度、給紙方法を含むスキャン設定を取得する(ステップS100)。なお、ここで利用者は、搬送原稿からの光を読み取る場合に設定可能な複数の原稿の読取解像度からいずれかを選択して解像度を設定することができる。
次に、コントローラー10は、シェーディング測定を行う。すなわち、センサーチップにおいて検知可能な光量の下限は黒レベル、検知可能な光量の上限は白レベルであるが、黒レベルと白レベルはセンサーや光源等の特性に依存して変動し得る。例えば、暗電流等のノイズやセンサー毎の製造誤差、経時変化等によってセンサーの特性が変動し、この変動に応じて黒レベルと白レベルとが変動し得る。そこで、高品質のスキャンを行うためには、原稿の読み取りの前にシェーディング測定が行われ、黒レベルと白レベルの少なくとも一方が特定されていることが好ましい。
本実施形態においてコントローラー10は、まず、白レベルを測定する(ステップS105)。すなわち、原稿の読み取りを行う前に、コントローラー10は、第1読取部(両面スキャンの場合は第2読取部も対象となる)を制御し、基準板61の白基準板を読み取る。この結果、第1センサー21(両面スキャンの場合は第2センサー22も)からは白基準板の測定結果を示す出力が取得されるため、コントローラー10は、当該出力を白レベルとして取得する。
次に、コントローラー10は、黒レベルを測定する(ステップS110)。すなわち、原稿の読み取りを行う前に、コントローラー10は、第1読取部(両面スキャンの場合は第2読取部も対象となる)を制御し、基準板61の黒基準板を読み取る。この結果、第1センサー21(両面スキャンの場合は第2センサー22も)からは黒基準板の測定結果を示す出力が取得されるため、コントローラー10は、当該出力を黒レベルとして取得する。
次にコントローラー10は、合成マークを測定する(ステップS115)。すなわち、原稿の読み取りを行う前に、コントローラー10は、第1読取部を制御し、基準板61の合成マークを読み取る。この結果、第1センサー21が備える複数のセンサーチップから合成マークを読み取った結果が出力される。なお、本実施形態において第2センサー22の出力は合成する必要がないため、合成マークの読み取りは行われない。
次に、コントローラー10は、同一位置を読み取る光電変換素子を特定する(ステップS120)。例えば、図5に示す例であれば、コントローラー10は、第1センサーチップ21a1の光電変換素子E5,E6と、第2センサーチップ21a2の光電変換素子E4,E5とが同一位置を読み取る光電変換素子であると特定する。コントローラー10は、同様の処理を各センサーチップ21aについて実施し、同一位置を読み取る光電変換素子を各センサーチップについて特定する。
次に、コントローラー10は、白レベルおよび黒レベルを設定する(ステップS125)。すなわち、コントローラー10は、ステップS105において測定された白レベルとステップS110において測定された黒レベルとに基づいて、各光電変換素子の白レベルおよび黒レベルを設定する。具体的には、コントローラー10は、ステップS105において測定された白レベルとステップS110において測定された黒レベルから、実効検出領域における白レベルと黒レベルの間の強度を測定できるようにゲインを設定する。
次に、コントローラー10は、給紙方法がADFであるか否かを判定する(ステップS130)。すなわち、コントローラー10は、ステップS100で取得されたスキャン設定を参照し、給紙方法がADF、原稿台のいずれであるのかを判定する。ステップS130において、給紙方法がADFであると判定されない場合、すなわち原稿台で読み取りを行う場合、コントローラー10は、副走査を開始する(ステップS135)。すなわち、コントローラー10は、副走査装置41に対して制御信号を出力し、第1センサー21、第1光源31、第1光学系51を副走査方向に移動させる。
副走査が行われている間に、コントローラー10は原稿の読み取りを行う(ステップS140)。すなわち、第1センサー21を制御して読み取りを行わせ、第1センサー21から各センサーチップ21aでの読み取り結果を取得する。次に、コントローラー10は、各センサーチップ21aの出力に対して信号処理を行う(ステップS145)。すなわち、コントローラー10は、各センサーチップ21aの出力をデジタル化し、ステップS125で設定した白レベル及び黒レベルに従ったゲイン調整や、ステップS120において特定された光電変換素子が1画素の出力となるように合成を行う合成処理や、明度や色の変換処理や、原稿の切り出し処理や、エッジ強調処理、等の処理を行う。このような処理は、ステップS140においてライン順次に読み取られた結果のそれぞれについて実施されたり、全ての読取結果がそろったところで実施されたりする。
次に、コントローラー10は、スキャンデータを出力する(ステップS150)。すなわち、コントローラー10は、ステップS145において合成されたデータが1ページ分蓄積されると、1ページ分のスキャンデータを生成(生産)し、通信部70を介してスキャンデータをコンピューター90に出力する。
ステップS130において、給紙方法がADFであると判定された場合、コントローラー10は、原稿の搬送を開始する(ステップS155)。すなわち、コントローラー10は、副走査装置41に対して制御信号を出力し、第1読取部を既定の読取位置に配置する。そして、コントローラー10は、搬送装置40に制御信号を出力し、原稿を搬送経路内で搬送する。
原稿が搬送されている間に、コントローラー10は原稿の読み取りを行う(ステップS160)。すなわち、第1センサー21を制御して読み取りを行わせ、第1センサー21から各センサーチップ21aでの読み取り結果を取得する。なお、ステップS100において両面読み取りが設定されている場合、コントローラー10は、第2センサー22を制御して読み取りを行わせ、第2センサー22から読み取り結果を取得する。次に、コントローラー10は、出力に対して信号処理を行う(ステップS165)。すなわち、コントローラー10は、各センサーチップ21aの出力(両面の場合は第2センサー22の出力も)をデジタル化し、ステップS125で設定した白レベル及び黒レベルに従ったゲイン調整や、ステップS120において特定された光電変換素子が1画素の出力となるように合成を行う合成処理や、明度や色の変換処理や、原稿の切り出し処理や、エッジ強調処理、等の処理を行う。このような処理は、ステップS160においてライン順次に読み取られた結果のそれぞれについて実施されたり、全ての読取結果がそろったところで実施されたりする。なお、第2センサー22から読み取り結果は合成の必要がないため合成対象とはなっていない。
次に、コントローラー10は、スキャンデータを出力する(ステップS170)。すなわち、コントローラー10は、ステップS165において合成されたデータが1ページ分蓄積されると、切り出し処理やエッジ強調等の画像処理を行って1ページ分のスキャンデータを生成(生産)し、通信部70を介してスキャンデータをコンピューター90に出力する。両面読み取りの場合、コントローラー10は、165において合成された1ページ分のデータとステップS160において読み取られた裏面1ページ分のデータとによってスキャンデータを生成(生産)し、コンピューター90に出力する。
(4)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、本発明の一実施形態にかかるスキャナーは、他の目的にも使用される電子機器である複合機等に備えられていても良い。
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、本発明の一実施形態にかかるスキャナーは、他の目的にも使用される電子機器である複合機等に備えられていても良い。
さらに、合成マークの態様は各種の態様を採用可能であり、2本の線や他の形状の図形であっても良い。さらに、合成の際には、副走査方向におけるセンサーチップのずれ(傾き等)を解消するように合成されても良い。さらに、原稿の同一位置を読み取った光電変換素子の出力を重ねる場合、一方のスキャンデータと他方のスキャンデータとの統計値(平均値等)が取得されても良いし、両画像のいずれか一方が採用されてもよい。
さらに、読み取りを行って生成したスキャンデータは、コンピューター90に対して出力するほかに、自装置に装着されたUSBメモリ等の記憶媒体に出力してスキャンデータを記憶させたり、印刷機構に出力してスキャンデータを印刷(すなわちコピー)させたり、自装置のモニターに表示出力してもよい。あるいは、エリア検出画像をコンピューター90に対して出力し、コンピューター90のドライバプログラム又はアプリケーションプログラムに画像解析を行わせ、合成を行わせることで最終的なスキャンデータを生成させてもよい。この場合、コンピューター90をスキャナーの一部とみなすことができる。
第1鏡は、原稿からの光を反射する複数の凹面を備えていればよい。すなわち、第1鏡は、原稿からの光の進行方向を反射によって変化させ、センサーに誘導する光路を形成することができればよい。原稿からの光は、光源から光が原稿に照射されることによって原稿から出力される光であれば良く、多くの場合は反射光であるが蛍光等であっても良い。第1鏡は、複数の凹面を備えている。すなわち、各凹面で異なる光路を形成することが可能であり、原稿からの光を複数の光路を通して各光路に対応した複数のセンサーチップに誘導することができればよい。また、凹面は、例えば、平行入射光を焦点に集光させるように反射する面で構成可能であり、原稿からの光が示す像の大きさを変化させる光学系(例えば、像の大きさを縮小する縮小光学系)として構成可能な面であれば良い。
凹面の数は任意であり、少なくとも主走査方向の複数の領域からの光を複数のセンサーチップに導く構成であれば良い。例えば、センサーが備えるセンサーチップの数に対応した数である構成等が採用可能である。また、同一光路内において複数の鏡が設けられていても良い。例えば、2個の凹面による2回の反射を経て光が結像する構成が採用されていてもよい。また、凹面の焦点距離や曲率等は限定されず、スキャナーの大きさや光学系の構成等に応じて変化しても良い。
センサーは、凹面で反射された光を検知する光電変換素子列を有するセンサーチップを複数個備えていれば良い。すなわち、センサーは、複数の凹面で反射した光を複数のセンサーチップで読み取ることができればよい。複数のセンサーチップのそれぞれには複数の光電変換素子を備える光電変換素子列が形成されており、光電変換素子が並ぶ列方向が主走査方向である。
なお、センサーチップにおいては、少なくとも主走査方向に光電変換素子列が並んでいれば良く、副走査方向の複数の位置に光電変換素子が存在しても良い。後者の場合、センサーチップ内で副走査方向の複数の位置に光電変換素子が存在しても良いし、センサーチップが副走査方向に並ぶことによって副走査方向の複数の位置に光電変換素子が存在しても良い。なお、副走査方向の複数の位置に光電変換素子が存在する構成において、副走査方向の複数の位置に存在する光電変換素子は、異なる色の像の形成に利用されても良いし、結合されることによって主走査方向の1ライン分の像を形成するために利用されても良い。
絞り部材は、凹面で反射された光の光路における第1鏡とセンサーとの間に位置し、凹面と一対一で対応する絞りを複数備えていればよい。すなわち、各凹面で反射される各光が形成する各光路に絞りが設けられ、当該光路の光が絞りによって絞られた後にセンサーチップに結像する構成であれば良い。絞りは、凹面と一対一に対応していれば良い。従って、各凹面に対応する絞りが必ず存在するが、各絞りには複数個の凹面が対応していても良い。例えば、光路内に複数個の凹面が存在し、1個の絞りによってセンサーチップに光が結像する構成であっても良い。
縮小光学系によって導かれた光を検知するセンサーは、第1鏡の凹面で反射された光を検知することができればよく、種々の構成を採用可能である。例えば、上記実施形態で示したように、主走査方向に配置された複数のセンサーチップによって構成されていてもよいし、主走査方向に長手方向が平行となるように配置された1つのラインセンサーによって構成されてもよい。
なお、原稿からの光を第1鏡の対応する凹面に向けて反射する凹面を複数備えた第3鏡と、光路における第3鏡と第1鏡との間に位置し壁とは異なる絞りと、を備えても良い。すなわち、上記実施形態における第2鏡51bが第1鏡に相当し、上記実施形態における第1鏡51aが第3鏡に相当すると解釈してもよい。
また、上記実施形態において第1鏡の凹面間に設けられた壁や、第2鏡の凹面間に設けられた壁は、当該壁の両側の凹面に隣接する構成であったが、既定範囲の端部からの反射光の主光線を遮らない高さで設けられていればよく、種々の構成を採用可能である。例えば図21に示すように壁51gmは両側の凹面51biから離れて設けられていてもよいし、図22に示すように、第1凹面51b1と第2凹面51b2との間において、第1凹面51b1に対する遮光壁として機能する壁51gm1と第2凹面51b2に対する遮光
壁として機能する壁51gm2とは別々に構成されてもよい。
壁として機能する壁51gm2とは別々に構成されてもよい。
また、上記実施形態において第1鏡の凹面と凹面の間の壁の突端部は、第1鏡の凹面同士でなす稜線部の形状に沿った形状であったが、壁の突端部の形状は、既定範囲の端部からの反射光の主光線を遮らない高さであればよくどのような形状であってもよい。例えば突端部の形状は平坦であってもよい。
また、上記実施形態においては、絞り部材の第1絞りと第2絞りとの間に設けられた壁は、第1絞りに対する壁と第2絞りに対する壁とが別々に形成されていたが、既定範囲の端部からの反射光の主光線を遮らない高さで設けられていればよく、種々の構成を採用可能である。例えば、図23に示すように、第1絞り51c1と第2絞りc2との間にあって第1絞り51c1に対する遮光壁として機能する壁と第2絞り51c2に対する遮光壁として機能する壁は、壁51em1として一体に形成されてもよい。また、図24に示すように、絞りと絞りの間に設けられる壁51em2は、当該壁の両側の絞りに隣接してもよい。
また、上記実施形態においては、基板上の第1センサーチップと第2センサーチップとの間の壁は、第1センサーチップに対する遮光を目的とした壁と第2センサーチップに対する遮光を目的とした壁とが別々に形成されていたが、既定範囲の端部からの反射光の主光線を遮らない形状で設けられていればよく、種々の構成を採用可能である。例えば図25に示すように、第1センサーチップ21a1に対する遮光を目的とした壁と第2センサーチップ21a2に対する遮光を目的とした壁は、壁51hm1として一体に形成されてもよい。また、上記のように一体に形成された壁は、図26に示す壁51hm2のように両側のセンサーチップに隣接して設けられても良い。
なお、上記実施形態で示した壁は、一部が省略されたり、異なる部材の壁が繋がって構成されるなど、種々の変形を加えても良い。例えば、壁51d、壁51e、壁51f、壁51g、壁51hはいずれか1つ又は複数が省略されていてもよく、壁51d、壁51e、壁51f、壁51g、壁51hのうちいずれか1つのみを備えて他は備えていないものでもよい。また、壁51dと壁51eは連結していてもよい。また、壁51fと壁51gとは連結していてもよい。また、壁51gと壁51hとは連結していてもよい。また、壁51ds、壁51es、壁51fs、壁51gs、壁51hsは省略されてもよい。
また、上記実施形態で示した鏡を等価なレンズに置き換えてもよい。鏡を追加して光路を曲げるようにしてもよい。センサーもカラーフィルターを備えておらず、センサー自体は色を識別することはないモノクロセンサーであってもよい。
1…スキャナー、10…コントローラー、21…第1センサー、21a…センサーチップ、21a1…第1センサーチップ、21a2…第2センサーチップ、22…第2センサー、31…第1光源、32…第2光源、40…搬送装置、40a,40b…搬送ローラー、41…副走査装置、51…第1光学系、51a…第1鏡、51a1…第1凹面、51a2…第2凹面、51ai…凹面、51b…第2鏡、51b1…第1凹面、51b2…第2凹面、51bi…凹面、51c…絞り部材、51d…壁、51dm…壁、51ds…壁、51e…壁、51em…壁、51em1…壁、51em2…壁、51es…壁、51f…壁、51fm…壁、51fs…壁、51g…壁、51gm…壁、51gm1…壁、51gm2…壁、51gs…壁、51h…壁、51hm…壁、51hm1…壁、51hm2…壁、51hs…壁、52…第2光学系、61…基準板、62…基準板、70…通信部、80…操作部、90…コンピューター、210…基板、P…原稿、R…稜線部、Rc…主光線、Rcc…線、Re…光線、T…原稿台、To…突端部
Claims (7)
- 原稿からの光を反射する凹面を複数備えた第1鏡と、
前記凹面で反射された光を検知するセンサーと、
光路における前記第1鏡と前記センサーとの間に位置し、前記凹面に1対1に対応する絞りを複数備えた絞り部材と、
前記絞り部材に設けられ隣り合う前記絞りの間から突出した壁と、
を備えるスキャナー。 - 前記センサーは、前記凹面と1対1に対応するセンサーチップを複数備えており、
前記原稿の主走査ライン上の既定範囲からの光は、第1凹面によって反射され前記第1凹面に対応する第1センサーチップに入射するとともに、第2凹面によって反射され前記第2凹面に対応する第2センサーチップに入射する、
請求項1に記載のスキャナー。 - 前記センサーチップは主走査方向に並び、
前記センサーチップは主走査方向に並ぶ複数の光電変換素子を備えており、
前記壁は、前記第1凹面に対応する前記第1センサーチップの主走査方向における端部に位置する前記光電変換素子に入射する主光線を遮らない高さで前記絞り部材から突出する、
請求項2に記載のスキャナー。 - 前記壁は、当該壁の両側の絞りに隣接する、
請求項1〜請求項3のいずれかに記載のスキャナー。 - 前記壁は、前記絞り部材から光路における前記原稿側に突出する、
請求項1〜請求項4のいずれかに記載のスキャナー。 - 前記壁は、前記絞り部材から光路における前記センサー側に突出する、
請求項1〜請求項5のいずれかに記載のスキャナー。 - 原稿からの光を反射する凹面を複数備えた第1鏡と、
前記凹面で反射された光を検知するセンサーと、
光路における前記第1鏡と前記センサーとの間に位置し、前記凹面に1対1に対応する絞りを複数備えた絞り部材と、
前記絞り部材に設けられ隣り合う前記絞りの間から突出した壁と、
を備えるスキャナーを用いて、前記原稿からの光を前記センサーで読み取って前記原稿のスキャンデータを生産するスキャンデータの生産方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017114067A JP2018207439A (ja) | 2017-06-09 | 2017-06-09 | スキャナー、スキャンデータの生産方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2017114067A Pending JP2018207439A (ja) | 2017-06-09 | 2017-06-09 | スキャナー、スキャンデータの生産方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2018207439A (ja) |
-
2017
- 2017-06-09 JP JP2017114067A patent/JP2018207439A/ja active Pending
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RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
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