JP2018206711A - 二次電池及び二次電池の製造方法 - Google Patents

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洋昭 増田
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Abstract

【課題】合剤層平坦部領域の表面は平滑な状態を保ちつつ、合剤層端部領域の盛り上がりを抑制した電極を有する二次電池提供。【解決手段】電極箔11a上に合剤層11bを塗布し、合剤層塗布領域と合剤層未塗布領域とを有する電極とを備え、合剤層11bが合剤層平坦部領域11b1と、平坦部領域と合剤層未塗布領域との間に配置される合剤層端部領域11b2とからなり、電極箔は、合剤層平坦部領域11b1と対向する第一領域11a1と、前記合剤層未塗布領域である第二領域11a2と、第一領域11a1及び第二領域11a2との間に配置される第三領域11a3とを有し、合剤層端部領域11b2は第三領域11a3に配置され、第三領域11a3は、第一領域11a1及び第二領域11a2よりも表面粗さが粗くなっている電極を有する二次電池。【選択図】図4

Description

本発明は、二次電池、特にリチウムイオン電池の電極構造及びその製造方法に関する。
本技術分野の背景技術として、特開平6−140045公報がある。この公報では「集電体上に設けられた電極活物質を少なくとも含み、かつ該集電体表面が粗面である電極を用いることを特徴とする二次電池。本発明により、放電容量が劣化しない電極およびそれを用いた二次電池を提供することができた。」と記載されている。
特開平6-140045号公報
電極を製造するための塗布工程の課題として、乾燥後の塗布面において、塗布平坦面に対して端部の合剤層厚みが厚くなる(塗布面端部の合剤が盛り上がる)現象がある。この現象が起こると、電極の幅方向に対し合剤密度が極端に変化するため、電極が撓みやすくなり、積層または捲回して電極群を形成する際に、正負極の対向位置を合わせることが難しくなる。また、塗布面端部にのみ電流密度が集中することで、均一な充放電反応が阻害され電池特性が悪くなる可能性がある。
特許文献1では、金属箔を粗面にすることで合剤スラリと集電体との濡れ性が向上し、端部の盛り上がりが抑制されると考えられる。一方でこの方法では、乾燥後の塗布面平坦部の粗さが、平滑な集電体を用いた塗布面よりも粗くなる場合がある。表面が粗くなることで、合剤層の凸部が塗工装置のローラ等に接触し、合剤層が剥がれる可能性がある。
上記のように合剤層が剥がれると、電極塗布面に未塗布部が発生し、合剤密度も不均一になり、電極群内の均一な充放電反応を阻害してしまう。
上記課題を解決するために、本発明では例えば以下の構成を採用する。本発明の二次電池は、電極箔上に合剤層を塗布し、合剤層塗布領域と合剤層未塗布領域とを有する電極とを備え、合剤層が合剤層平坦部領域と、平坦部領域と合剤層未塗布領域との間に配置される合剤層端部領域とからなり、電極箔は、合剤層平坦部領域と対向する第一領域と、前記合剤層未塗布領域である第二領域と、前記第一領域及び第二領域との間に配置される第三領域とを有し、合剤層端部領域は第三領域に配置され、第三領域は、第一領域及び第二領域よりも表面粗さが粗くなっている。
上記の解決手段により、合剤層平坦部領域の表面は平滑な状態を保ちつつ、かつ合剤層端部領域の盛り上がりを抑制した電極を形成できる。この電極を用いることによって、均一に積層された電極群を形成でき、電極群内での均一な充放電反応が期待できる。
円筒形二次電池の断面図 円筒形二次電池の分解斜視図 発電要素の分解断面斜視図 実施例1の電極断面図 実施例1を実現するための塗布工程図 実施例1を実現するための加工用ローラ図
以下、本発明による蓄電素子の実施の形態について説明する。
図1は、円筒形二次電池の一実施の形態を示す拡大断面図である。
円筒形二次電池1は、底部を有し、上部が開口された円筒形の電池缶2および電池缶2の上部を封口するハット型の電池蓋3で構成される電池容器4を有する。電池容器4の内部には、以下に説明する発電用の各構成部材が収容され、非水電解液5が注入されている。
円筒形の電池缶2には、上端側に設けられた開口部2b側に電池缶2の内側に突き出した溝2aが形成されている。
電池缶2の内部には、発電要素10が配置されている。発電要素10は、軸方向に沿う中空部を有する細長い円筒形の軸芯15と、軸芯15の周囲に捲回された正極電極および負極電極およびセパレータとを備える。円筒形状の軸芯15の中空部は、軸方向(図面の上下方向)で軸方向に垂直な面の断面形状が異なる。中空部の上方での断面形状は平行部と曲線部で形成されるトラック形状をしている。中空部の下方での断面形状は上方の平行部の幅よりも小さい径の円形である。この上方の中空部15aに円筒状の正極集電リング27が圧入されている。正極集電リング板27は、円盤状の基部27aと、この基部27aの内周部において軸芯15側に向かって突出し、軸芯15の内面に圧入される下部筒部27bと、外周縁において電池蓋3側に突き出す上部筒部27cとを有する。正極集電リング27はこの下部筒部27bにより軸芯15の上端部に固定、支持されている。正極集電リング27の基部27aには、注液された非水電解液5を発電要素10に浸透させるための開口部27dおよび開口部27eが形成されている。
正極電極の正極タブ16は、正極集電リング27の上部筒部27cに溶接されている。正極集電リング27は例えばアルミニウム系金属により形成され、上部筒部27cの外周には、正極電極の正極タブ16および押え部材28が溶接されている。多数の正極タブ16は、正極集電リング27の上部筒部27cの外周に密着させておき、正極タブ16の外周に押え部材28をリング状に巻き付けて仮固定し、この状態で超音波溶接により接合される。
軸芯15の下端部の外周には、外径が径小とされた段部15bが形成され、この段部15bに負極集電リング21が圧入されて固定されている。負極集電リング21は、例えば、銅系金属により形成され、円盤状の基部21aに軸芯15の段部15bに圧入される開口部21bが形成され、外周縁に、電池缶2の底部側に向かって突き出す外周筒部21cが形成されている。負極集電リング21の基部21aには、軸芯15の中空軸に注液された非水電解液5を発電要素10に浸透させるための開口部21d(図2参照)が形成されている。
負極電極の負極タブ17は、負極集電リング21の外周筒部21cに接合される。
負極集電リング21の外周筒部21cの外周には、負極電極の負極タブ17および押え部材22が溶接されている。多数の負極タブ17を、負極集電板21の外周筒部21cの外周に密着させておき、負極タブ17の外周に押え部材22をリング状に巻き付けて仮固定し、この状態で溶接される。負極集電リング21の基部21aには、接続リード板50が、抵抗溶接、或いはレーザ溶接等により接合されている。
多数の正極タブ16は、正極集電リング27に溶接され、多数の負極タブ17が負極集電リング21に溶接されることにより、正極集電リング27、負極集電リング21および発電要素10が一体的にユニット化された発電ユニット20が構成される。電池缶2の内部には、非水電解液5が所定量注入されている。非水電解液5の一例として、リチウム塩がカーボネート系溶媒に溶解した溶液が上げられる。
図2は円筒形二次電池の分解斜視図である。
円筒形状の軸芯15の中空部の上方には、円筒状の正極集電リング27が圧入されている。正極集電リング27は、例えば、アルミニウム系金属により形成されている。正極集電リング27の基部27aには、電池内部で発生するガスを放出するための開口部27dが形成されている。正極集電リング27に形成された開口部27eは、接続リード板50を電池缶2に溶接するための電極棒(図示せず)を挿通するためのものである。電極棒を正極集電リング27に形成された開口部27eから軸芯15の中空部に差し込み、その先端部で接続リード板50を電池缶2の底部2cの内面に押し付けて抵抗溶接を行う。これにより発電ユニット20は電池缶2の底部2cに固定される。また、負極集電リング21に接続されている電池缶2は一方の出力端子として作用し、発電要素10に蓄電された電力を電池缶2から取り出すことができる。正極集電リング27の基部27aの上面には、複数のアルミニウム箔が積層されて構成されたフレキシブルな接続部材33が、その一端部を溶接されて接合されている。
正極集電リング27の上部筒部27c上には、電池蓋ユニット30が配置されている。電池蓋ユニット30は、リング形状をした絶縁板34、絶縁板34に設けられた開口部34aに嵌入された接続板35、接続板35に溶接されたダイアフラム37およびダイアフラム37に、かしめと溶接により固定された電池蓋3により構成される。
絶縁板34は、円形の開口部34aを有する絶縁性樹脂材料からなるリング形状を有し、正極集電リング27の上部筒部27c上に載置されている。
絶縁板34は、開口部34aおよび下方に突出する側部34bを有している。絶縁板34の開口部34a内には接続板35が嵌合されている。接続板35の下面には、接続部材33の他端部が溶接されて接合されている。
接続板35は、アルミニウム系金属で形成され、中央部を除くほぼ全体が均一でかつ、中央側が少々低い位置に撓んだ、ほぼ皿形状を有している。接続板35の中心には、薄肉でドーム形状に形成された突起部35aが形成されており、突起部35aの周囲には、複数の開口部35bが形成されている。開口部35bは、電池内部に発生するガスを放出する機能を有している。接続板35の突起部35aはダイアフラム37の中央部の底面に抵抗溶接または摩擦攪拌接合により接合されている。ダイアフラム37はアルミニウム系金属で形成され、ダイアフラム37の中心部を中心とする円形の切込み37aを有する。切込み37aはプレスにより上面側をV字形状に押し潰して、残部を薄肉にしたものである。ダイアフラム37は、電池の安全性確保のために設けられており、電池の内圧が上昇すると、切込み37aにおいて開裂し、内部のガスを放出する機能を有する。
ダイアフラム37は周縁部において電池蓋3の周縁部を固定している。ダイアフラム37は図2に図示されるように、当初、周縁部に電池蓋3側に向かって垂直に起立する側壁37bを有している。この側壁37b内に電池蓋3を収容し、かしめ加工により、側壁37bを電池蓋3の上面側に屈曲して固定する。
電池蓋3は、炭素鋼等の鉄で形成され、表裏両面にニッケルめっきが施されており、ダイアフラム37に接触する円盤状の周縁部3aと、この周縁部3aから上方に突出す筒部3bを有するハット型を有する。筒部3bには開口部3cが形成されている。この開口部3cは、電池内部に発生するガス圧によりダイアフラム37が開裂した際、ガスを電池外部に放出するためのものである。電池蓋3は一方の電力出力端として作用し、電池蓋3から蓄電された電力を取り出すことができる。
電池蓋ユニット30の下側には、ダイアフラム37と電池蓋3とのかしめ部を覆う絶縁部材からなるガスケット43が設けられている。ガスケット43は、ゴムで形成されており、限定する意図ではないが、1つの好ましい材料の例として、フッ素系樹脂をあげることができる。
ガスケット43は、リング状の基部43aの周側縁に、上部方向に向けてほぼ垂直に起立して形成された外周壁部43bを有する形状を有している。
そして、プレス等により、電池缶2と共にガスケット43の外周壁部43bを屈曲して基部43aと外周壁部43bにより、ダイアフラム37と電池蓋3を軸方向に圧接するようにかしめ加工される。これにより、電池蓋3、ダイアフラム37、絶縁板34および接続板35が一体に形成された電池蓋ユニット30がガスケット43を介して電池缶2に固定されると共に、絶縁板34が発電ユニット20の正極集電リング27に当接し、発電ユニット20を電池缶2の缶底側に押しつけている。
図3は、発電要素10の構造の詳細を示すための分解断面斜視図である。
発電要素10は、軸芯15の周囲に、正極電極11、負極電極12、および第1、第2のセパレータ13、14が捲回された構造を有する。
軸芯15は、例えば、PP(ポリプロピレン)のような絶縁材により形成され、中空円筒形状を有する。軸芯15には、第1のセパレータ13、負極電極12、第2のセパレータ14および正極電極11が、順に積層され、捲回されている。最内周の負極電極12の内側には第1のセパレータ13および第2のセパレータ14が数周(図3では、1周)捲回されている。第1のセパレータ13および第2のセパレータ14は、絶縁性の多孔質体で形成されている。
最内周(軸芯側)では、負極電極12の捲き始めが正極電極11の捲き始めよりも周方向に延出している。また、最外周(電池缶側)では負極電極12が正極電極11よりも外周側に捲回されており、負極電極12の捲き終わりが正極電極11の捲き終わりよりも周方向に延出されている。最外周の負極電極12の外周に第2のセパレータ14が捲回されている。最外周の第2のセパレータ14終端が接着テープ19で止められる。尚、最外周で第1のセパレータ13および第2のセパレータ14が数回、捲回された後、接着テープ19で止められることもある。
正極電極11は、アルミニウム箔により形成され長尺な形状を有し、正極金属箔11aと、この正極金属箔11aの両面に正極合剤が塗布された正極合剤層11bを有する。正極金属箔11aの長手方向に延在する上方側の側縁は、正極合剤が塗布されず正極金属箔11aが露出した正極箔露出部11cとなっている。この正極箔露出部11cには、軸芯15の軸に沿って上方に突き出す多数の正極タブ16が等間隔に一体的に形成されている。
正極合剤は正極活物質と、正極導電材と、正極バインダとからなる。正極活物質として、コバルト、マンガン、ニッケル等のリチウム酸化物が挙げられる。導電助剤として、カーボンブラックなどが挙げられる。
正極バインダとして、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やフッ素ゴムなどが挙げられる。スラリの溶媒として、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)が挙げられる。
正極合剤を正極金属箔11aに塗布する方法の例として、ロール塗工法、スリットダイ塗工法、等が挙げられる。正極合剤に分散溶液を混練したスラリを、厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に均一に塗布し、乾燥させた後、プレスし、裁断する。正極合剤の塗布厚さの一例としては片側約40μmである。正極金属箔11aを裁断する際、正極タブ16を一体的に形成する。すべての正極タブ16の長さは、ほぼ同じである。
負極電極12は、銅箔により形成され長尺な形状を有する負極金属箔12aと、この負極金属箔12aの両面に負極合剤が塗布された負極合剤層12bとを有する。負極金属箔12aの長手方向に延在する下方側の側縁は、負極合剤が塗布されず銅箔が露出した負極箔露出部12cとなっている。この負極箔露出部12cには、軸芯15の軸に沿って正極タブ16とは反対方向に延出された、多数の負極タブ17が等間隔に一体的に形成されている。
負極合剤は、負極活物質と、負極バインダと、増粘剤とからなる。負極活物質としては、黒鉛炭素が挙げられる。
負極合剤を負極金属箔12aに塗布する方法の例として、ロール塗工法、スリットダイ塗工法等が挙げられる。
負極合剤に分散溶媒を混練したスラリを、厚さ10μmの圧延銅箔の両面に均一に塗布し、乾燥させた後、裁断する。負極合剤の塗布厚さの一例としては片側約40μmである。負極金属箔12aをプレスにより裁断する際、負極タブ17を一体的に形成する。すべての負極タブ17の長さは、ほぼ同じである。
第1、第2のセパレータ13、14の幅は、負極電極12の負極合剤層12bの幅よりも大きい。負極電極12の負極合剤層12bの幅は、正極電極11の正極合剤層11bの幅よりも大きい。負極合剤層12bの幅および長さを正極合剤層11bの幅および長さよりも大きくして、正極合剤層11bの全領域を負極合剤層12bで覆う構造とされている。リチウムイオン二次電池の場合、正極活物質であるリチウムがイオン化してセパレータを浸透し、負極活物質に吸蔵される。この場合、負極側に負極活物質が形成されておらず負極金属箔12aが表出していると負極金属箔12aにリチウムが析出し、内部短絡を発生する原因となる。上記の如く、正極合剤層11bの全領域を負極合剤層12bで覆うことにより、このようなリチウム析出に伴う内部短絡を防止することができる。
第1のセパレータ13および第2のセパレータ14は、それぞれ、例えば、厚さ40μmのポリエチレン製多孔膜で形成されている。
続いて本発明の特徴となる点について説明する。なお、以下では説明を簡単にするため、正極電極11を例にとって説明する。
図4は本発明の実施例となる電極断面図である。正極の場合、正極電極11は、正極金属箔11aと正極合剤層11bで構成される。このとき、正極合剤層11bは正極合剤層平坦部11b1と正極合剤端部領域11b2から構成される。一方で正極金属箔11aは、正極合剤層平坦部11b1と対向する領域を第一領域11a1、金属箔が露出した領域を第二領域11a2、第一領域11a1と第二領域11a2との間に配置される第三領域11a3から構成されている。
この正極金属箔11は第三領域11a3のみ粗面化処理されており、濡れ性が向上している。本実施例では、この第三領域11a3に対向して正極合剤端部領域11b2が設けられている。言い換えると、正極合剤端部領域11b2が第三領域11a3領域内に収まるような形になっている。このような構成にすることによって、合剤層端部が盛上る現象を抑制することできる。
続いて図5を用いて、本実施例を実現するための塗布工程を説明する。図5は塗布工程を示す図である。
本実施例の塗布工程は、ロールツーロール方式のスリットダイ塗工法により塗布する工程である。ラインに送り出された金属箔11aに、粗面を設けた表面加工用ローラ60を通すことで金属箔11aの第三領域11a3に粗面を形成する。表面加工用ローラ60に金属箔11aが押付けられ、粗面が転写されることを利用した加工方法である。張力が弱い場合は、表面加工用ローラ60を同一ラインに複数設置してもかまわない。その後、通常ローラ61を通過し、バックアップローラ62上でダイヘッド63から吐出されたスラリが金属箔上に塗布される。そしてその後、乾燥工程、電極圧縮工程を経ることによって正極電極11が完成する。
図6は、本実施例で使用する表面加工用ローラ60を示す図である。
通常ローラは、通過する金属箔を傷つけないように鏡面加工されているが、本発明では第三領域11a3を形成するために一部に粗面加工が施された表面加工用ローラ60を用いる。本実施例では1列塗工を想定しており、第一領域となるローラ中央部の鏡面部60aに対し、この鏡面部60aの両端に第三領域となる表面加工用粗面60bが二箇所設けられている。そしてその表面加工用粗面の側には再度鏡面部60cがも設けられる構成となっており、金属箔の端部領域を傷つけないような構成となっている。表面加工用粗面60bの幅は電極の大きさ等によって異なるが、本実施例では3mmから10mm程度である。また、多列塗工の場合、加工用粗面60bは二箇所より多く設けても構わない。
また、上述したように表面加工用ローラ60よりも外側の領域は鏡面部60cとなっている必要がある。この領域は集電用のタブとして利用され、金属箔表面が粗いと溶接等で接着する際に密着力が弱くなる可能性があるためである。また、特に金属箔端部は亀裂が入りやすく、粗面加工すると切れることも考えられるので、本発明のように表面加工用ローラ60よりも外側は鏡面領域となっている。
スリットダイ塗工などで合剤層端部が盛上る現象は、金属箔やスラリの濡れ性の問題や、塗布時のビード形成が不十分であること等が考えられる。通常は、塗布するスラリの流動性を良くして濡れ性を向上させる方法や、ダイヘッドとバックアップローラとの位置関係など装置の調整により、ビードを形成する方法などが考えられる。前者の方法では、スラリの固形分を下げることで流動性が良くなり濡れ性も上がるが、液体成分が多くなるため乾燥し難くなる。後者の方法では、スラリ毎に塗工装置の最適条件を検討する必要があり、場合によっては設備の調整可能な範囲で塗布できる条件が出ないことも考えられる。
従って上記方法以外では、本発明のように、金属箔表面の濡れ性を向上させることにより合剤層端部の盛り上がりを抑制する方法が考えられる。固体表面の濡れ性に関しては、一般的にYoungの式およびWenzelの式が有効である。金属箔とスラリ溶媒の接触角は90°未満であるため、濡れ易い固体表面であることが言える。濡れ易い固体表面を粗面にすることでさらに濡れ易くなるため、金属箔表面を粗く加工することが濡れ性の向上に繋がると考えられる。
また、金属箔の表面粗さに関しては、通常の金属箔表面は光沢がありRy=1μm未満と平滑であるため、Ry=1μm以上が必要となる。また、金属箔の厚みが20μm程度とすると、Ry=20μm以上では表裏の粗さの影響で金属箔が撓みやすくなり、シワが入ると亀裂が入る可能性がある。したがって、金属箔の表面粗さはRy=1μm以上20μm未満とした。
また、金属箔表面を粗くする別の方法としては、強酸などで金属箔表面を腐食させて加工する方法が考えられる。正極の場合、アルミニウム箔を溶解する、例えば塩酸のような試薬を塗布することで金属箔表面を腐食させて粗くすることができる。但し、この方法は、他の金属を溶かしてしまうことが懸念される。正極合剤中の活物質まで溶かしてしまう可能性があるため、合剤を塗布する前に腐食液を十分に乾燥させる必要がある。また、塗工装置自体を腐食させてしまう可能性があるため、使用する装置や試薬濃度等に注意する必要がある。
なお上述の通り、本実施例では正極電極11についてのみ説明したが、当然負極電極12に対しても適用できる。負極電極12に適用した場合は図4、図5に示すカッコ書きの番号が各構成と対応することとなる。
以上、本発明について簡単にまとめる。
本発明に記載の二次電池(1)は、電極箔(11a、12a)上に合剤層(11b、12b)を塗布し、合剤層塗布領域と合剤層未塗布領域とを有する電極(11、12)とを備え、合剤層(11b、12b)が合剤層平坦部領域(11b1)と、平坦部領域(11b1)と合剤層未塗布領域との間に配置される合剤層端部領域(11b2、12b2)とからなり、電極箔(11a、12a)は、合剤層平坦部領域(11b1、12b1)と対向する第一領域(11a1、12a1)と、前記合剤層未塗布領域である第二領域(11a2、12a2)と、前記第一領域(11a1、12a1)及び第二領域(11a2、12a2)との間に配置される第三領域(11a3、12a3)とを有し、合剤層端部領域(11b2、12b2)は第三領域(11a3、12a3)に配置され、第三領域(11a3、12a3)は、第一領域(11a1、12a1)及び第二領域(11a2、12a2)よりも表面粗さが粗くなっている。
このような構成にすることによって、乾燥後に布面平坦部の粗さを平坦な状態に保ちつつ、かつ合剤層端部領域の盛り上がりを抑制した電極を形成できる。
また、本発明に記載の二次電池(1)は、第三領域(11a3、12a3)の粗さRyが1μm以上20μm以下である。このような構成にすることによって、十分に濡れ性を確保でき、かつ電極箔の撓みを抑制できる。
また、本発明に記載の二次電池(1)は、第三領域(11a3、12a3)の幅が3mm以上10mm以下である。
また、本発明に記載の二次電池(1)は、合剤層がニッケル又はマンガン又はコバルトの遷移金属のリチウム酸化物と、カーボンブラック及びポリフッ化ビニリデンからなる正極合剤層である。
また、本発明に記載の二次電池(1)の製造方法は、電極箔(11a、12a)上に合剤層(11b、12b)を塗布し、合剤層塗布領域と合剤層未塗布領域とを有する電極と、を備え、電極箔(11a、12a)には、合剤層塗工工程前にローラ(60)の押圧力によって電極箔(11a、12a)の一部に粗面化処理を施し、電極箔(11a、12a)の粗面化処理部(11a3、12a3)に対向して合剤層端部領域(11b、12b)が形成されるように合剤層が塗布される。
また、本発明に記載の二次電池(1)の製造方法は、電極箔(11a、12a)上に合剤層(11b、12b)を塗布し、合剤層塗布領域と合剤層未塗布領域とを有する電極と、を備え、電極箔(11a、12a)には、合剤層塗工工程前に腐食によって電極箔(11a、12a)の一部に粗面化処理を施し、電極箔(11a、12a)の粗面化処理部(11a3、12a3)に対向して合剤層端部領域(11b、12b)が形成されるように合剤層が塗布される。
1 円筒形二次電池
2 電池缶
2a 溝
2b 開口部
3 電池蓋
3a 周縁部
3b 筒部
3c 開口部
4 電池容器
5 非水電解液
10 発電要素
11 正極電極
11a 正極金属箔
11a1 正極金属箔の第一領域
11a2 正極金属箔の第二領域
11a3 正極金属箔の第三領域
11b 正極合剤層
11b1 正極合剤層の平坦部領域
11b2 正極合剤層の端部領域
12 負極電極
12a 負極金属箔
12a1 負極金属箔の第一領域
12a2 負極金属箔の第二領域
12a3 負極金属箔の第三領域
12b 負極合剤層
12b1 負極合剤層の平坦部領域
12b2 負極合剤層の端部領域
13 第1のセパレータ
14 第2のセパレータ
15 軸芯
15a 上方の中空部
15b 段部
16 正極タブ
17 負極タブ
19 接着テープ
20 発電ユニット
21 負極集電板
21a 基部
21b 開口部
21c 外周筒部
21d 開口部
22 押え部材
27 正極集電板
27a 基部
27b 下部筒部
27c 上部筒部
27d 開口部
27e 開口部
28 押え部材
30 電池蓋ユニット
33 接続部材
34 絶縁板
34a 開口部
34b 側部
35 接続板
35a 突起部
35b 開口部
37 ダイアフラム
37a 切込み
37b 側壁
43 ガスケット
43a 基部
43b 外周壁部
50 接続リード板
60 加工用ローラ
60a 鏡面部
60b ローラ加工用粗面
60c 鏡面部
61 通常ローラ
62 バックアップローラ
63 ダイコーターヘッド

Claims (6)

  1. 電極箔上に合剤層を塗布し、合剤層塗布領域と合剤層未塗布領域とを有する電極と、を備えた二次電池において、
    前記合剤層は合剤層平坦部領域と、当該合剤層平坦部領域と前記合剤層未塗布領域との間に配置される合剤層端部領域とからなり、
    前記電極箔は、前記合剤層平坦部領域と対向する第一領域と、前記合剤層未塗布領域である第二領域と、前記第一領域及び第二領域との間に配置される第三領域とを備え、
    前記合剤層端部領域は前記第三領域に配置され、
    前記第三領域は、前記第一領域及び前記第二領域よりも表面粗さが粗いことを特徴とする二次電池。
  2. 請求項1に記載の二次電池において、
    前記第三領域の粗さRyが1μm以上20μm以下であることを特徴とする二次電池。
  3. 請求項1又は2に記載の二次電池において、
    前記第三領域の幅は3mm以上10mm以下であることを特徴とする二次電池。
  4. 請求項1乃至3に記載の二次電池において、
    前記合剤層は、ニッケル又はマンガン又はコバルトの遷移金属のリチウム酸化物と、カーボンブラック及びポリフッ化ビニリデンからなる正極合剤層であることを特徴とする二次電池。
  5. 電極箔上に合剤層を塗布し、合剤層塗布領域と合剤層未塗布領域とを有する電極と、を備えた二次電池の製造方法において、
    前記電極箔には、合剤層塗工工程前にローラの押圧力によって前記電極箔の一部に粗面化処理を施し、
    前記粗面化処理部に対向して前記合剤層端部領域が形成されるように前記合剤層が塗布されることを特徴とする二次電池の製造方法。
  6. 電極箔上に合剤層を塗布し、合剤層塗布領域と合剤層未塗布領域とを有する電極と、を備えた二次電池の製造方法において、腐食によって前記電極箔の一部に粗面化処理を施し、
    前記粗面化処理部に対向して前記合剤層端部領域が形成されるように前記合剤層が塗布されることを特徴とする二次電池の製造方法。
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