JP2022152423A - 円筒形電池 - Google Patents

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智通 上田
Tomomichi Ueda
篤 見澤
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Abstract

【課題】電極体を外装缶に円滑に挿入でき、電極体におけるテープのエッジに起因する損傷を抑制できる円筒形電池を提供すること。【解決手段】円筒形電池10が、長尺状の正極11と長尺状の負極12とがセパレータ13を介して巻回された電極体14と、電極体14を収容する有底筒状の外装缶16を備える。電極体14は、その終端部を固定するテープ39を有する。外装缶16の内周面におけるテープ39に少なくとも対向する箇所に凹部45が設けられる。テープ39の厚さ方向の少なくとも一部が凹部45に収容される。【選択図】図1

Description

本開示は、円筒形電池に関する。
従来、円筒形電池としては、特許文献1に記載されているものがある。この円筒形電池は、電極体の最外周の終端部にテープが貼着されている。そのテープで電極体の最外周を固定して、電極体を外装缶に円滑に挿入できるようにしている。
特開2009-199974号公報
電池の充放電サイクルに伴い電極体が膨張すると、電極体においてテープが貼着されている部分は、電極体においてテープが巻かれていない部分との比較においてテープの厚さの分だけ膨張が許容されずに外装缶からテープを介してより大きな圧力を受ける。特に、、テープのエッジに起因して電極体が損傷し易くなる。
そこで、本開示の目的は、電極体を外装缶に円滑に挿入でき、電極体におけるテープのエッジに起因する損傷を抑制できる円筒形電池を提供することにある。
上記課題を解決するため、本開示の円筒形電池は、長尺状の正極と長尺状の負極とがセパレータを介して巻回された電極体と、電極体を収容する有底筒状の外装缶を備え、電極体は、最外周を固定するテープを有し、外装缶の内周面におけるテープに少なくとも対向する箇所に凹部が設けられ、テープの厚さ方向の少なくとも一部が凹部に収容されている。
本開示に係る円筒形電池によれば、電極体を外装缶に円滑に挿入でき、電極体におけるテープのエッジに起因する損傷を抑制できる。
本開示の一実施形態に係る円筒形電池の軸方向の断面図である。 円筒形電池における、外装缶と電極体の位置関係を示す模式図である。 外装缶に凹部を形成するDI工法について説明する模式図である。 外装缶の模式断面図である。 変形例の円筒形電池における図2に対応する模式図である。
以下、図面を参照しながら、本開示に係る円筒形電池の実施形態について詳細に説明する。なお、本開示の円筒形電池は、一次電池でもよく、二次電池でもよい。また、水系電解質を用いた電池でもよく、非水系電解質を用いた電池でもよい。以下では、一実施形態である円筒形電池10として、非水電解質を用いた非水電解質二次電池(リチウムイオン電池)を例示するが、本開示の円筒形電池はこれに限定されない。
以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて新たな実施形態を構築することは当初から想定されている。以下の実施形態では、図面において同一構成に同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、複数の図面には、模式図が含まれ、異なる図間において、各部材における、縦、横、高さ等の寸法比は、必ずしも一致しない。本明細書では、説明の便宜上、円筒形電池10の軸方向(高さ方向)の封口体17側を「上」とし、軸方向の外装缶16の底部側を「下」とする。以下で説明される構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素であり、必須の構成要素ではない。
図1は、本開示の一実施形態に係る円筒形電池10の軸方向の断面図である。図1に示すように、円筒形電池10は、巻回型の電極体14、非水電解質(図示せず)、電極体14及び非水電解質を収容する有底筒状で金属製の外装缶16、及び外装缶16の開口部を塞ぐ封口体17を備える。電極体14は、長尺状の正極11と長尺状の負極12が長尺状の2枚のセパレータ13を介して巻回された巻回構造を有する。
負極12は、リチウムの析出を防止するために、正極11よりも一回り大きな寸法で形成される。即ち、負極12は、正極11より長手方向及び幅方向(短手方向)に長く形成される。また、2枚のセパレータ13は、少なくとも正極11よりも一回り大きな寸法で形成され、例えば正極11を挟むように配置される。負極12は、電極体14の巻き始め端を構成してもよい。しかし、一般的には、セパレータ13が負極12の巻き始め側端を超えて延出し、セパレータ13の巻き始め側端が電極体14の巻き始め端となる。
非水電解質は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解した電解質塩とを含む。非水溶媒には、例えばエステル類、エーテル類、ニトリル類、アミド類、およびこれらの2種以上の混合溶媒等を用いてもよい。非水溶媒は、これら溶媒の水素原子の少なくとも一部をフッ素等のハロゲン原子で置換したハロゲン置換体を含有してもよい。なお、非水電解質は液体電解質に限定されず、ゲル状ポリマー等を用いた固体電解質であってもよい。電解質塩には、LiPF等のリチウム塩が使用される。
正極11は、正極集電体と、正極集電体の両面に形成された正極合剤層とを有する。正極集電体には、アルミニウム、アルミニウム合金など、正極11の電位範囲で安定な金属箔、当該金属を表層に配置したフィルム等を用いることができる。正極合剤層は、正極活物質、導電剤、及び結着剤を含む。正極11は、例えば正極集電体上に正極活物質、導電剤、及び結着剤等を含む正極合剤スラリーを塗布し、塗膜を乾燥させた後、圧縮して正極合剤層を集電体の両面に形成することにより作製できる。なお、正極合剤層は、正極集電体の片面のみに形成されてもよい。
正極活物質は、リチウム含有金属複合酸化物を主成分として構成される。リチウム含有金属複合酸化物に含有される金属元素としては、Ni、Co、Mn、Al、B、Mg、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Zn、Ga、Sr、Zr、Nb、In、Sn、Ta、W等が挙げられる。好ましいリチウム含有金属複合酸化物の一例は、Ni、Co、Mn、Alの少なくとも1種を含有する複合酸化物である。
正極合剤層に含まれる導電剤としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛等の炭素材料が例示できる。正極合剤層に含まれる結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のフッ素樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂などが例示できる。これらの樹脂と、カルボキシメチルセルロース(CMC)又はその塩等のセルロース誘導体、ポリエチレンオキシド(PEO)などが併用されてもよい。
負極12は、負極集電体と、負極集電体の両面に形成された負極合剤層を有する。負極集電体には、銅、銅合金など、負極12の電位範囲で安定な金属箔、当該金属を表層に配置したフィルム等を用いることができる。負極合剤層は、負極活物質、及び結着剤を含む。負極12は、例えば負極集電体上に負極活物質、及び結着剤等を含む負極合剤スラリーを塗布し、塗膜を乾燥させた後、圧縮して負極合剤層を集電体の両面に形成することにより作製できる。なお、負極合剤層は、負極集電体の片面のみに形成されてもよい。
負極活物質には、一般的に、リチウムイオンを可逆的に吸蔵、放出する炭素材料が用いられる。好ましい炭素材料は、鱗片状黒鉛、塊状黒鉛、土状黒鉛等の天然黒鉛、塊状人造黒鉛、黒鉛化メソフェーズカーボンマイクロビーズ等の人造黒鉛などの黒鉛である。負極合剤層には、負極活物質として、ケイ素(Si)を含有するSi材料が含まれていてもよい。また、負極活物質には、Si以外のリチウムと合金化する金属、当該金属を含有する合金、当該金属を含有する化合物等が用いられてもよい。
負極合剤層に含まれる結着剤には、正極11の場合と同様に、フッ素樹脂、PAN、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂等を用いてもよいが、好ましくはスチレン-ブタジエンゴム(SBR)又はその変性体を用いる。負極合剤層には、例えばSBR等に加えて、CMC又はその塩、ポリアクリル酸(PAA)又はその塩、ポリビニルアルコールなどが含まれていてもよい。
セパレータ13には、イオン透過性及び絶縁性を有する多孔性シートが用いられる。多孔性シートの具体例としては、微多孔薄膜、織布、不織布等が挙げられる。セパレータ13の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、セルロースなどが好ましい。セパレータ13は、単層構造、積層構造のいずれでもよい。セパレータ13の表面には、耐熱層などが形成されてもよい。
図1に示すように、正極11には、正極リード20が接合され、負極12の長手方向の巻き始め側には、負極リード21が接合される。円筒形電池10は、電極体14の上方に絶縁板18を有し、電極体14の下方に絶縁板19を有する。正極リード20は、絶縁板18の貫通孔を通って封口体17側に延び、負極リード21は、絶縁板19の貫通孔を通って外装缶16の底部68側に延びる。正極リード20は、封口体17の底板23の下面に溶接等で接続される。封口体17の天板を構成する端子板27が底板23と電気的に接続され、端子板27が正極端子となる。また、負極リード21は、金属製の外装缶16の底部68の内面に溶接等で接続され、外装缶16が負極端子となる。
円筒形電池10は、外装缶16と封口体17との間に配置される樹脂製のガスケット28を更に備える。ガスケット28は、外装缶16と封口体17に挟持され、封口体17を外装缶16に対して絶縁する。ガスケット28は、電池内部の気密性を保つためのシール材の役割と、外装缶16と封口体17を絶縁する絶縁材としての役割を有する。外装缶16は、軸方向の一部に環状の溝入れ部34を有する。
溝入れ部34は、例えば、側面の一部を、径方向内側にスピニング加工して径方向内方側に窪ませることで形成できる。外装缶16は、溝入れ部34を含む有底筒状部30と、環状の肩部38を有する。有底筒状部30は、電極体14と非水電解質を収容し、肩部38は、有底筒状部30の開口側の端部から径方向内方側に折り曲げられて該内方側に延びる。肩部38は、外装缶16の上端部を内側に折り曲げて封口体17の周縁部にかしめる際に形成される。封口体17は、肩部38と溝入れ部34の間にガスケット28を介して外装缶16にかしめ固定される。このようにして、円筒形電池10の内部空間を密閉する。
封口体17は、電極体14側から順に、底板23、下弁体24、絶縁部材25、上弁体26、及び端子板27が積層された構造を有する。封口体17を構成する各部材は、例えば円板形状又はリング形状を有し、絶縁部材25を除く各部材は互いに電気的に接続されている。底板23は、少なくとも1つの貫通孔23aを有する。また、下弁体24と上弁体26は、各々の中央部で接続され、各々の周縁部の間には絶縁部材25が介在している。
円筒形電池10が異常発熱して、円筒形電池10の内圧が上昇すると、下弁体24が上弁体26を端子板27側に押し上げるように変形して破断し、下弁体24と上弁体26の間の電流経路が遮断される。さらに内圧が上昇すると、上弁体26が破断して、端子板27の貫通孔27aからガスが排出される。このガスの排出により、円筒形電池10の内圧が過度に上昇して円筒形電池10が破裂することを防止でき、円筒形電池10の安全性を高くできる。
次に、円筒形電池10の放熱構造、テープ39による電極体14の固定構造、及び外装缶のテープ収容構造について説明する。円筒形電池10では、電極体14の最外周には、負極12が配置される。テープ39は、電極体14の終端部を固定するように負極12の巻き終わり側の端部の外面に貼着される。負極12の巻き終わり側の端部は、その外面に負極合剤層が配置されなくて負極集電体が露出する露出部33を有する。この露出部33は、電極体14の最外周面42に配置される。つまり、電極体14の最外周面42には、負極集電体の露出部33とともにテープ39が配置されている。テープ39は、電極体14の終端部を固定できる材料であれば如何なる材料で作製されていてもよい。テープ39としては、例えば、基材層と、接着剤層とで構成される2層テープを採用できる。
基材層は、無機粒子を含有してもよく、又は、無機粒子を含有せずに有機材料のみで構成されてもよい。基材層の構成材料に占める有機材料の割合は、例えば、90質量%以上、95質量%以上、又は略100質量%でもよい。基材層の主成分としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のエステル系樹脂、ポリイミド(PI)、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド等を採用できる。基材層の主成分として、それらの樹脂のうちの1種類を単独で採用してもよく、それらの樹脂のうちの2種類以上を組み合わせて採用してもよい。
接着剤層は、電極体14に対する接着性をテープ39に付与するための層である。接着剤層は、基材層の一方の面上に接着剤を塗工して形成される。接着剤層は、絶縁性、耐電解液性等に優れた接着剤(樹脂)を用いて構成されることができる。接着剤層を構成する接着剤は、加熱することで粘着性を発現するホットメルト型又は加熱により硬化する熱硬化型であってもよく、室温で粘着性を有するものでもよい。接着剤層は、例えば、アクリル系接着剤、又は合成ゴム系接着剤によって構成される。
テープ39は、2層テープに限定するものではなく、例えば基材層と接着剤層との間に無機粒子含有層を形成した3層テープでもよい。3層テープを用いることにより、粘着テープの耐熱性を向上できる。無機粒子含有層は、層を構成する樹脂マトリックス中に無機粒子が分散した層構造を有してもよい。無機粒子含有層は、例えば無機粒子を含有する樹脂溶液を基材層の一方の面上に塗工して形成される。無機粒子含有層を構成する樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、及びこれらの共重合体等を例示できる。無機粒子含有層として、それらの樹脂のうちの1種類を単独で採用してもよく、それらの樹脂のうちの2種類以上を組み合わせて採用してもよい。
図2は、円筒形電池10における、外装缶16と電極体14の位置関係を示す模式図である。テープ39は、電極体14の最外周面42に周方向に全周に亘って配置される。これによって、電極体14の終端部が電極体14の他の部分に固定される。図2に示すように、テープ39は、電極体14の軸方向の両端部のみに配置され、電極体14の軸方向の第1端部(上端部)に配置された第1テープ部39aと電極体14の軸方向の第2端部(下端部)に配置された第2テープ部39bで構成される。
外装缶16の内周面におけるテープ39に少なくとも径方向に対向する箇所には凹部45が設けられる。詳しくは、凹部45は、第1テープ部39aに径方向に対向する箇所に設けられた環状の第1凹部45aと、第2テープ部39bに径方向に対向する箇所に設けられた環状の第2凹部45bで構成される。第2凹部45bは、第1凹部45aに対して軸方向に間隔をおいて位置する。第1テープ部39aは第1凹部45aに収容され、第2テープ部39bは第2凹部45bに収容される。
本実施形態によれば、テープ39によって電極体14の終端部を固定できるので、電極体14の巻回構造を保持することができる。よって、電極体14を外装缶16内に円滑に挿入でき、円筒形電池10の量産性を向上できる。
また、外装缶16の内周面においてテープ39に径方向に対応する箇所に凹部45が設けられているので、テープ39の厚さ方向の少なくとも一部が凹部45内に収容される。したがって、内周面に凹部を有さない外装缶を採用した場合との比較において、電極体14の最外周面42においてテープ39が配置されている個所と、テープ39が配置されていない箇所のそれぞれが外装缶16の内周面から受ける圧力を均一化できる。よって、テープ39のエッジに起因する電極体14の損傷を抑制できる
また、テープ39が、電極体14の軸方向の両端部のみに配置され、軸方向に間隔をおいて設けられた凹部45に収容されている。したがって、電極体14の最外周面42の軸方向の中央部に位置する露出部33を、外装缶16の内周面に密着させた状態で接触させることができる。よって、円筒形電池10の充放電時に電極体14で生じた熱を露出部33を介して効率的に放熱でき、電極体14を効率的に冷却できる。したがって、電極体14の熱劣化を抑制でき、充放電を繰り返したときの容量維持率を高くできる。
また、外装缶16と露出部33が接触することで、長尺状の負極集電体32の巻き終わり側の端部が負極端子としての外装缶16に電気的に接続される。したがって、長尺状の負極集電体32の巻き始め側を負極リード21を用いて外装缶16に電気的に接続できると共に、負極集電体32の巻き終わり側も外装缶16に電気的に接続できるので、負極12から外装缶16に至る経路の電気抵抗を低減でき、電力損失を低減できる。
一般的に、電極体を外装缶に挿入する際には、電極体の最外周部は、その軸方向の両端部が外装缶に引っ掛かり易い。これに対し、本実施形態のように、テープ39を最外周面42の軸方向の両端部に配置すると、最外周部分の外装缶16への引っ掛かりを大きく抑制できる。したがって、電極体14を外装缶16内に円滑に挿入でき、円筒形電池10の量産性が向上する。
テープ39を収容するための凹部45は、外装缶16の内周面に全周に亘って環状に設けられる。したがって、テープを電極体の最外周面の全周に亘って配置しない場合において、外装缶に対するテープの周方向の相対位置が如何なる位置であっても、テープを凹部に収容できる。よって、電極体を外装缶に挿入するときの外装缶に対する電極体の相対位置の自由度を大きくできる。
なお、本開示の円筒形電池では、外装缶16と露出部33の接触のみで、負極12を外装缶16に電気的に接続して負極リードを省略してもよい。又は、電極体の最外周にセパレータを配置してもよい。そして、電極体の長手方向の巻き始め側の端部と巻き終わり側の端部のうちの少なくとも一方に設けた負極集電体の露出部に負極リードを接合して、その負極リードを外装缶に接合してもよい。
次に、上述の凹部45を有する外装缶16の作製方法について説明する。図3は、外装缶16に凹部45を形成するDI(Drawing Ironing)工法について説明する模式図である。この方法では、先ず、図3に示すように、カップ状の形状を画定する2つの金型60,61で平板状の鋼板62を挟んで鋼板62に曲げ加工を施すことで、鋼板62をカップ状に成形する。次に、カップ状の鋼板62内に外装缶16の電極体配置空間に対応する形状を有するパンチ65を配置する。また、内径が異なる複数の環状のダイス85,86,87を、内径が大きい順に複数枚重ねて固定する。その後、パンチ65を内部に配置したカップの鋼板62を、その底側から重ねて固定された複数のダイス85,86,87の内径が大きい側から小さい側に通過させる。このようにして、カップ状の鋼板62にしごき加工を施してカップ状の鋼板62の外径を徐々に小さくして、軸方向に一定の外径を有する有底の筒状部材71を作製する。
有底の筒状部材71の内部にはパンチ65が嵌合している。パンチ65は、軸方向に間隔をおいて位置する2つの凹部45a,45bに対応する形状の2つの環状の凸部65a,65bを有する。このことから、筒状部材71の筒状部においてパンチ65の2つの環状の凸部65a,65bに径方向に対向する箇所71aの肉厚が、それ以外の箇所71bの肉厚よりも薄くなる。その後、図3に示すように、パンチ65を筒状部材71から抜き取ることで外装缶16を作製できる。なお、外装缶16の作製方法はDI工法に限定されない。
図3に示すように、パンチ65の凸部65a,65bの軸方向の両端部に、軸方向の外側に行くにしたがって徐々に外径が小さくなるテーパ部64a,64bが設けられている。このようにして、図4に示すように、外装缶16の凹部45の軸方向の両端部に、軸方向の外側に行くにしたがって徐々に内径が小さくなるテーパ部46a,46bが形成される。テーパ部46a,46bと凹部45の底部47の間に湾曲面部が介在してもよい。パンチ65にテーパ部64a,64bを設けることで筒状部材71からパンチ65を容易に抜き取ることができる。また、外装缶16にテーパ部46a,46bが形成されることで、テープ39の電極体14に対する軸方向の貼着位置にバラツキが生じた場合でも、テープ39のエッジに起因する電極体14の損傷を効果的に抑制できる。
[実施例1]
(正極の作製)
正極活物質としてLiNi0.88Co0.09Al0.03で表されるリチウムニッケル複合酸化物を用いた。この正極活物質100質量部に、炭素導電剤としてのアセチレンブラック1質量部と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン0.9質量部を混合し、更に、NMP(N-メチル-2-ピロリドン)を適量加えることにより正極合剤スラリーを調製した。この正極合剤スラリーをアルミニウム製の正極集電体の両面に塗布し、乾燥・圧延して正極を作製した。
(負極の作製)
黒鉛粉末を95質量部、Si酸化物を5質量部になるように混合した。その後、増粘剤にカルボキシメチルセルロース(CMC)を1質量部、結着剤としてのスチレンブタジエンゴム(SBR)0.1質量部を水に分散させ、負極合剤スラリーを調製した。この負極合剤スラリーを銅箔製の負極集電体の両面に塗布し、乾燥・圧延して負極を作製した。
(電極体の作製)
正極及び負極を、ポリエチレン製微多孔膜からなるセパレータを介して巻回することにより、最外周に負極が位置する電極体を作製した。また、最外周の負極の外周面に負極集電体である銅箔が露出する露出部を設けた。また、負極の巻き始め側に負極リードを溶接し、最外周の露出部の終端部をテープで固定した。テープとしては、厚み0.03mm、幅9mmのものを使用した。正極リードとして、アルミニウム製のリードを用い、負極リードとして、ニッケル製のリードを用いた。
(外装缶の作製)
外装缶は、ニッケルめっき鋼板を円形に打ち抜き、DI工法で有底の円筒缶を作製した。このとき、図3に示す形状を有するパンチを用いて、電極体の最外周に貼着されるテープに対向する部分のパンチの外径をテープの厚み分大きく設定した。これにより、外装缶の内周面に凹部を設けた。また、外装缶の凹部に上述のテーパ部と湾曲面部を設けた。凹部の底部の幅を9mmとし、凹部の深さを0.03mmとした。
(非水電解質の調製)
エチレンカーボネート(EC)とジメチルメチルカーボネート(DMC)とからなる混合溶媒(体積比でEC:DMC=1:3)80質量部に、ビニレンカーボネート(VC)5質量部を添加し、LiPFを1.5モル/リットル溶解させて非水電解質を調製した。
(円筒形電池の作製)
上記の電極体、外装缶、及び非水電解質を用いて、円筒形の非水電解質二次電池を作製した。電極体のテープを外装缶の凹部に収容させた。
[実施例2]
外装缶の凹部の深さを0.024mmとしたこと以外は実施例1と同様にして実施例2の円筒形電池を作製した。
[実施例3]
外装缶の凹部の深さを0.036mmとしたこと以外は実施例1と同様にして実施例3の円筒形電池を作製した。
[比較例]
外装缶に凹部を設けないこと以外は実施例1と同様にして比較例の円筒形電池を作製した。
[サイクル試験]
作製した各円筒形電池を、0.5Itの定電流で充電して4.2Vに到達した後、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Itになるまで充電した。また、0.5Itの定電流で電圧が2.5Vになるまで放電した。この充放電サイクルを100回繰り返した後、電池を分解して、電極体におけるテープのエッジに起因する変形の有無を目視で確認した。その結果を表1に示す。
Figure 2022152423000002
表1に示すように、外装缶においてテープに径方向に対向する箇所に凹部を設けなかった比較例では、電極体におけるテープの軸方向のエッジに起因する変形が確認された。一方、外装缶においてテープに径方向に対向する箇所に凹部を設けた実施例1~3では、電極体におけるテープの軸方向のエッジに起因する変形が見られなかった。このことから、外装缶においてテープに径方向に対向する箇所に凹部を設けると、電極体におけるテープのエッジに起因する損傷を抑制できる。
なお、上記実施例では、凹部の深さが、テープの厚さの80%以上120%以下の場合の電極体の変形の有無を確認した。しかし、外装缶においてテープに径方向に対向する箇所に設ける凹部の深さが如何なる寸法であっても、その深さに対応するテープの厚さ部分の少なくとも一部を凹部内に収容でき、テープのエッジに起因して電極体内に生じる応力を低減できる。したがって、外装缶においてテープに径方向に対向する箇所に凹部を設けると、凹部の深さの寸法がどのような値であっても、電極体におけるテープのエッジに起因する損傷を抑制できる。
また、本開示は、上記実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項およびその均等な範囲において種々の改良や変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、テープ39を電極体14の軸方向の両端部に配置する場合について説明した。しかし、テープを電極体の軸方向の片側端部のみに配置してもよい。又は、テープを電極体の軸方向の中央部を含む範囲に固定してもよく、例えば、テープを電極体の軸方向の中央部のみに配置してもよい。
また、テープ39を電極体14の最外周の周方向の全周に亘って配置して、そのテープ39を外装缶16の内周面に設けた環状の凹部45に収容する場合について説明した。しかし、図5、すなわち、変形例の円筒形電池110における図2に対応する模式図に示すように、テープ139を電極体14の最外周における終端部を含む周方向の一部のみに配置してもよい。また、その場合において、外装缶116の内周面におけるテープ139に対向する箇所を含む領域に環状でない凹部145を設けてもよい。そして、テープ139の少なくとも厚さ方向の一部を凹部145に収容してもよい。そのような凹部145は、外装缶116を作製するDI工法で用いるパンチに環状でない凸部を設けることで容易に形成できる。
10,110 円筒形電池、 11 正極、 12 負極、 13 セパレータ、 14 電極体、 16,116 外装缶、 17 封口体、 20 正極リード、 21 負極リード、 28 ガスケット、 30 有底筒状部、 32 負極集電体、 33 露出部、 34 溝入れ部、 38 肩部、 39,139 テープ、 39a 第1テープ部、 39b 第2テープ部、 42 最外周面、 45,145 凹部、 45a 第1凹部、 45b 第2凹部、46a,46b テーパ部 47 底部 60,61 金型、 62 鋼板、 64a,64b テーパ部、 65 パンチ、 65a,65b 凸部、 68 底部、 71 筒状部材、 85,86,87 ダイス。

Claims (6)

  1. 長尺状の正極と長尺状の負極とがセパレータを介して巻回された電極体と、
    前記電極体を収容する有底筒状の外装缶と、を備え、
    前記電極体は、前記電極体の終端部を固定するテープを有し、
    前記外装缶の内周面における前記テープに少なくとも対向する箇所に凹部が設けられ、
    前記テープの厚さ方向の少なくとも一部が前記凹部に収容されている、円筒形電池。
  2. 前記凹部が、前記内周面に全周に亘って設けられている、請求項1に記載の円筒形電池。
  3. 前記負極が、長尺状の負極集電体、及び前記負極集電体の少なくとも一方側面に設けられた負極合剤層を有し、
    前記電極体の最外周面の少なくとも一部に前記負極集電体が露出する露出部が配置され、
    前記露出部の少なくとも一部が、前記内周面に接触している、請求項1又は2に記載の円筒形電池。
  4. 前記テープが、前記電極体の軸方向の第1端部に配置された第1テープ部と、前記電極体の前記軸方向の第2端部に配置された第2テープ部で構成される、請求項3に記載の円筒形電池。
  5. 前記凹部における前記軸方向の前記外装缶の開口側の端部が、前記軸方向の前記開口側に行くにしたがって内径が小さくなるテーパ形状を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の円筒形電池。
  6. 前記凹部が、前記テープの厚さの80%以上120%以下の深さを有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の円筒形電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023176696A1 (ja) * 2022-03-14 2023-09-21 株式会社村田製作所 二次電池、電池パック、電子機器、電動工具、電動式航空機、および電動車両

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