以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略断面図であり、ここではタンデム方式のカラープリンターについて示している。カラープリンター100本体内には4つの画像形成部Pa、Pb、Pc及びPdが、搬送方向上流側(図1では左側)から順に配設されている。これらの画像形成部Pa〜Pdは、異なる4色(シアン、マゼンタ、イエロー及びブラック)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像及び転写の各工程によりシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの画像を順次形成する。
これらの画像形成部Pa〜Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム1a、1b、1c及び1dがそれぞれ配設されており、さらに図1において反時計回り方向に回転する中間転写ベルト8が各画像形成部Pa〜Pdに隣接して設けられている。
パソコン等の上位装置から画像データが入力されると、先ず、帯電装置2a〜2dによって感光体ドラム1a〜1dの表面を一様に帯電させる。次いで露光装置5によって画像データに応じて光照射し、各感光体ドラム1a〜1d上に画像データに応じた静電潜像を形成する。現像装置3a〜3dには、トナーコンテナ4a〜4dによりシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各色のトナーを含む二成分現像剤(以下、単に現像剤ともいう)が所定量充填されており、現像装置3a〜3dによって感光体ドラム1a〜1d上に現像剤中のトナーが供給され、静電的に付着する。これにより、露光装置5からの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
帯電装置2a〜2dは、感光体ドラム1a〜1dに接触して感光体ドラム1a〜1d表面を帯電させる帯電ローラー21(図2参照)を有している。本発明においては、発生するオゾン量を少なくし、且つ帯電電圧電源52(図3参照)のコストを低減するために、直流電圧のみからなる帯電電圧を帯電ローラー21に印加している。
現像装置3a〜3dは、感光体ドラム1a〜1dに対向する現像ローラー30(図2参照)を備える。現像装置3a〜3d内にはキャリアおよびトナーからなる二成分現像剤が収容されており、攪拌搬送部材(図示せず)によって現像ローラー30に二成分現像剤が供給され、現像ローラー30上に磁気ブラシが形成される。また、現像ローラー30には、現像電圧電源53(図3参照)から直流電圧に交流電圧を重畳した現像電圧が印加される。
現像電圧を印加された現像ローラー30が図2の反時計回り方向に回転すると、現像電位と感光体ドラム1a〜1dの露光部の電位との電位差により、現像ローラー30表面に担持された磁気ブラシからトナーが感光体ドラム1a〜1dに供給される。トナーは時計回り方向に回転する感光体ドラム1a〜1d上の露光部に順次付着し、感光体ドラム1a〜1d上の静電潜像がトナー像に現像される。
そして、一次転写ローラー6a〜6dにより一次転写ローラー6a〜6dと感光体ドラム1a〜1dとの間に所定の転写電圧で電界が付与され、感光体ドラム1a〜1d上のシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックのトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。一次転写後に感光体ドラム1a〜1dの表面に残留したトナー等はクリーニング装置7a〜7dにより除去される。
クリーニング装置7a〜7dは、感光体ドラム1a〜1dの表面に残留するトナーを除去するクリーニングブレード71(図2参照)を備える。クリーニングブレード71としては、例えばポリウレタンゴム製のブレードが用いられる。
トナー像が転写される転写紙Pは、カラープリンター100内の下部に配置された用紙カセット16a内に収容されるか、或いはカラープリンター100の側面に配置された手差しトレイ16bに載置されている。用紙カセット16a内または手差しトレイ16b上の転写紙Pは、給紙ローラー12aおよびレジストローラー対12bを介して用紙搬送路17内を所定のタイミングで中間転写ベルト8に隣接して設けられた二次転写ローラー9と中間転写ベルト8のニップ部(二次転写ニップ部N、図2参照)へ搬送される。トナー像が二次転写された転写紙Pは定着部13へと搬送される。中間転写ベルト8の表面に残留したトナー等はベルトクリーニングユニット19により除去される。
定着部13に搬送された転写紙Pは、定着ローラー対13aにより加熱及び加圧されてトナー像が転写紙Pの表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された転写紙Pは、そのまま(或いは分岐部14によって反転搬送路18に振り分けられ、両面に画像が形成された後)用紙搬送路17から排出ローラー対15を介して排出トレイ20に排出される。
図2は、本実施形態のカラープリンター100に搭載される中間転写ユニット31周辺の構成を示す側面断面図である。図2に示すように、中間転写ユニット31は、上流側のテンションローラー10と下流側の駆動ローラー11とに掛け渡された中間転写ベルト8と、中間転写ベルト8を介して感光体ドラム1a〜1dに接触する一次転写ローラー6a〜6dと、バックアップローラー22a、22bと、ベルトクリーニングユニット19と、ローラー接離機構32と、を有する。駆動ローラー11にはギア列(図示せず)を介してベルト駆動モーター40が連結されている。
ベルトクリーニングユニット19は、ハウジング内に、ファーブラシ23、回収ローラー25、スクレーパー27、搬送スパイラル29を備えている。ファーブラシ23は、中間転写ベルト8を介してテンションローラー10と対向配置されている。ファーブラシ23は、中間転写ベルト8の移動方向に対しカウンター方向(図2の反時計回り方向)に回転することにより、中間転写ベルト8上に残存するトナーや紙粉等の異物(以下、トナー等という)を掻き取る。回収ローラー25に接触するファーブラシ23のブラシ部分は電気抵抗値1〜900MΩ程度の導電性の繊維で形成されている。
回収ローラー25は、ファーブラシ23の表面に接触しながらファーブラシ23と逆方向(図2の時計回り方向)に回転することにより、ファーブラシ23に付着したトナー等を回収する。回収ローラー25にはベルトクリーニング電圧電源55が接続されており、中間転写ベルト8のクリーニング時にトナーと逆極性(ここでは負極性)のクリーニング電圧が印加される。また、テンションローラー10はグランドに接地(アース)されている。その結果、中間転写ベルト8から掻き取られたトナー等はファーブラシ23のブラシ部分に電気的及び機械的に回収され、さらに回収ローラー25に電気的に移動する。搬送スパイラル29は、スクレーパー27によって回収ローラー25から掻き落とされたトナー等をハウジングの外部の廃トナー回収容器(図示せず)へ搬送する。
ローラー接離機構32は、4本の一次転写ローラー6a〜6dが、それぞれ中間転写ベルト8を介して感光体ドラム1a〜1dに圧接される4色圧接状態としたカラーモード(多色印字モード)と、一次転写ローラー6dのみが中間転写ベルト8を介して感光体ドラム1dに圧接される3色離間状態としたモノクロモード(単色印字モード)と、に切り替え可能である。
図3は、カラープリンター100に用いられる制御経路の一例を示すブロック図である。なお、カラープリンター100を使用する上で装置各部の様々な制御がなされるため、カラープリンター100全体の制御経路は複雑なものとなる。そこで、ここでは制御経路のうち、本発明の実施に必要となる部分を重点的に説明する。
制御部90は、中央演算処理装置としてのCPU(Central Processing Unit)91、読み出し専用の記憶部であるROM(Read Only Memory)92、読み書き自在の記憶部であるRAM(Random Access Memory)93、一時的に画像データ等を記憶する一時記憶部94、カウンター95、カラープリンター100内の各装置に制御信号を送信したり操作部60からの入力信号を受信したりする複数(ここでは2つ)のI/F(インターフェイス)96を少なくとも備えている。また、制御部90は、装置本体内部の任意の場所に配置可能である。
ROM92には、カラープリンター100の制御用プログラムや、制御上の必要な数値等、カラープリンター100の使用中に変更されることがないようなデータ等が収められている。RAM93には、カラープリンター100の制御途中で発生した必要なデータや、カラープリンター100の制御に一時的に必要となるデータ等が記憶される。カウンター95は、印字枚数を積算してカウントする。
また、制御部90は、カラープリンター100における各部分、装置に対し、CPU91からI/F96を通じて制御信号を送信する。また、各部分、装置からその状態を示す信号や入力信号がI/F96を通じてCPU91に送信される。制御部90が制御する各部分、装置としては、例えば、画像形成部Pa〜Pd、露光装置5、一次転写ローラー6a〜6d、二次転写ローラー9、電圧制御回路51、操作部80等が挙げられる。
電圧制御回路51は、帯電電圧電源52、現像電圧電源53、転写電圧電源54、ベルトクリーニング電圧電源55と接続され、制御部90からの出力信号によりこれらの各電源を作動させるものであり、これらの各電源は、電圧制御回路51からの制御信号によって、帯電電圧電源52は帯電装置2a〜2d内の帯電ローラー21に、現像電圧電源53は現像装置3a〜3d内の現像ローラー30に、転写電圧電源54は一次転写ローラー6a〜6dおよび二次転写ローラー9に、ベルトクリーニング電圧電源55はベルトクリーニングユニット19の回収ローラー25に、それぞれ所定の電圧を印加する。
操作部80には、液晶表示部81、各種の状態を示すLED82が設けられており、ユーザーは操作部80のストップ/クリアボタンを操作して画像形成を中止し、リセットボタンを操作してカラープリンター100の各種設定をデフォルト状態にする。液晶表示部81は、カラープリンター100の状態を示したり、画像形成状況や印字部数を表示したりするようになっている。カラープリンター100の各種設定はパソコンのプリンタードライバーから行われる。
前述したように、接触帯電方式の帯電装置2a〜2dを用いる本実施形態のカラープリンター100では、クリーニングブレード71をすり抜けたトナー外添剤が帯電ローラー21表面へ付着すると帯電ローラー21の部分的な抵抗上昇を発生し、縦筋やカブリ画像等の画像不具合が発生する。
特に、中間転写ベルト8の移動方向に対し最下流(図2の右側)に位置する画像形成部Pdには、中間転写ベルト8によって上流側の画像形成部Pa〜Pcで転写されたトナーおよび外添剤が運ばれるため、クリーニング装置7dへのトナー回収量は上流側のクリーニング装置7a〜7cよりも増加する。その結果、クリーニング装置7dのクリーニングブレード71のエッジ部にトナー外添剤が滞留し易くなり、クリーニングブレード71のエッジ部からすり抜ける外添剤量が増加する。
また、中間転写式のカラープリンター100でモノクロ印字を行う場合、1枚目の画像形成時の待ち時間短縮のために、中間転写ベルト8の移動方向に対し最下流に位置する画像形成部Pdのみを使用したモノクロ画像形成を行う場合が多い。その場合、最下流の画像形成部Pdが使用される頻度は高くなる。従って、帯電装置2dの帯電ローラー21が特にトナー外添剤によって汚染され易くなる。
さらに、現像剤中のトナーからトナー外添剤が脱離し易い場合、クリーニングブレード71のエッジ付近に滞留するトナー外添剤粒子が増加するため、トナー外添剤のすり抜け量も増加する。特に、画質向上のために近年開発が進む高円形度トナーは、トナー母粒子の表面積が小さいためにトナー外添剤の付着力が低下し、トナー外添剤がトナー母粒子から脱離し易くなっている。
トナー外添剤の脱離を促進する要因の一つとして、トナーに加わる負荷が挙げられる。直流電圧に交流電圧を重畳した現像電圧を印加する現像方式では、感光体ドラム1a〜1dと現像ローラー30とが対向する現像領域で交流電圧によりトナーを振動させ、トナーが感光体ドラム1a〜1d上の静電潜像に移動し易くしている。一方、交流電圧による振動によってトナーへ負荷が加わり、トナー外添剤が脱離し易くなる。
つまり、トナー外添剤の脱離を抑制するためには交流電圧のピークツーピーク値(振幅)を低下させてトナーへ掛かる負荷を小さくすればよい。ここで、交流電圧のピークツーピーク値を低下させると感光体ドラム1a〜1d上へトナーが移動し難くなり、画像均一性を損なう方向となる。カラー画像では画質の低下が目立ち易いため問題となるが、モノクロ画像ではカラー画像に比べて画質の低下が目立ち難い。
そこで、本実施形態のカラープリンター100では、画像形成部Pdのみを用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードにおいて現像装置3dの現像ローラー30に印加する現像電圧の交流成分のピークツーピーク値(振幅)を、画像形成部Pa〜pdを用いてカラー画像を形成するカラーモードに比べて小さくする。さらに、モノクロモードにおいて現像装置3dの現像ローラー30に印加する現像電圧の交流成分のピークツーピーク値は、モノクロ画像に交流電圧の不足に起因するピッチムラが発生するピークツーピーク値の上限値よりも大きい電圧に設定することが好ましい。
図4は、本実施形態のカラープリンター100におけるモノクロモードとカラーモードでの現像電圧の印加制御例を示すフローチャートである。必要に応じて図1〜図3を参照しながら、図4のステップに沿って現像電圧の印加制御について説明する。
パソコン等の上位機器からの印字命令を受信すると(ステップS1)、制御部90は印字命令がモノクロ印字であるか否かを判断する(ステップS2)。モノクロ印字である場合は(ステップS2でYes)、モノクロモード(3色離間状態)であるか否かを判定し(ステップS3)、モノクロモードでない場合は(ステップS3でNo)制御部90からローラー接離機構32に制御信号が送信され、一次転写ローラー6a〜6cを感光体ドラム1a〜1cから離間させるとともに一次転写ローラー6dのみを中間転写ベルト8を介して感光体ドラム1dに圧接する3色離間動作を行う(ステップS4)。ステップS3でモノクロモードである場合は(ステップS3でYes)そのまま次のステップへ進む。
次に、制御部90は電圧制御回路51に制御信号を送信し、現像電圧電源53から現像装置3a〜3cの現像ローラー30に印加する現像電圧の交流成分(交流電圧)のピークツーピーク値をVpp1(第1の電圧、例えば1400V)に設定し、現像装置3dの現像ローラー30に印加する現像電圧の交流成分のピークツーピーク値をVpp1よりも小さいVpp2(第2の電圧、例えば1000V)に設定する(ステップS5)。
一方、ステップS2において印字命令がモノクロ印字でない場合(ステップS2でNo)は、カラー印字であるためカラーモード(4色接触状態)であるか否かを判定する(ステップS6)。カラーモードでない場合は(ステップS6でNo)制御部90からローラー接離機構32に制御信号が送信され、中間転写ベルト8を介して一次転写ローラー6a〜6dの全てを感光体ドラム1a〜1dに圧接する4色接触動作を行う(ステップS7)。ステップS6でカラーモードである場合は(ステップS6でYes)そのまま次のステップへ進む。
次に、制御部90は電圧制御回路51に制御信号を送信し、現像電圧電源53から現像装置3a〜3dの現像ローラー30に印加する現像電圧の交流成分(交流電圧)のピークツーピーク値をVpp1(例えば1400V)に設定する(ステップS8)。
その後、印字が開始される(ステップS9)。モノクロ印字の場合は画像形成部Pdにおいて画像形成が行われ、感光体ドラム1d上に形成されたトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。また、カラー印字の場合は画像形成部Pa〜Pdにおいて画像形成が行われ、感光体ドラム1a〜1d上に形成されたトナー像が中間転写ベルト8上に順次一次転写される。さらに、用紙カセット16aまたは手差しトレイ16bから給紙ローラー12a、レジストローラー対12bを介して二次転写ローラー9に転写紙Pが搬送され、中間転写ベルト8上のトナー像が転写紙Pに二次転写される。そして、印字が終了したか否かが判断され(ステップS10)、印字が終了した場合は処理を終了する。
図4の制御によれば、画像形成部Pdのみを用いたモノクロ印字時において現像装置3dの現像ローラーへ印加する現像電圧の交流成分のピークツーピーク値を低下することでトナー外添剤の脱離が抑制される。その結果、クリーニングブレード71をすり抜けるトナー外添剤量も減少するため、帯電装置2dの帯電ローラー21の汚染が低減される。従って、帯電ローラー21の汚染による画像不具合の発生を効果的に抑制するとともに、帯電装置2dの帯電ローラー21の寿命を延長することができる。
また、カラー印字時においては現像装置3dの現像ローラー30へ印加する現像電圧の交流成分のピークツーピーク値を低下させないため、カラー画像の画質低下も抑制することができる。
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば上記実施形態においては、現像ローラー30上に形成された磁気ブラシを用いて感光体ドラム1a〜1dにトナーを供給する二成分現像式の現像装置3a〜3dを用いている。上記の構成に代えて、現像ローラー30を挟んで感光体ドラム1a〜1dと反対側にトナー供給ローラーを配置し、トナー供給ローラー上に形成された磁気ブラシを用いてトナー供給ローラーから現像ローラー30にトナーのみを移動させ、現像ローラー30から感光体ドラム1a〜1dにトナーを供給する方式の現像装置3a〜3dを用いることもできる。
また、本発明は図1に示したようなカラープリンター100に限られるものではなく、カラー複写機、カラー複合機、ファクシミリ等の、他の中間転写式のカラー画像形成装置にも適用できるのはもちろんである。以下、実施例を用いて本発明の効果を更に詳細に説明する。
現像ローラーへ印加する現像電圧の交流成分のピークツーピーク値を変化させてモノクロ印字を行った場合の帯電ローラー21の汚染による画像不良の抑制効果について調査した。試験機として、図1に示したようなカラープリンター100(TASKalfa7551ci、京セラドキュメントソリューションズ社製)を用いた。そして、常温(25℃)環境下でブラックの画像形成部Pdにおいて帯電ローラー21に印加する帯電電圧を1000Vとして感光体ドラム1dを帯電させた。その後、現像電圧の直流成分を350Vに固定し、交流成分のピークツーピーク値をデフォルト値(1400V)、およびデフォルト値から1200V、1000V、900Vに低下させて印字率10%のモノクロハーフ画像を30万枚連続印字した。各条件における帯電ローラー21の汚染による画像不良、および現像電圧の交流成分の不足によるピッチムラの発生を比較した。
評価基準は、帯電ローラー21の汚染による画像不良については印字枚数30万枚まで画像不良の発生がなかった場合を○、印字枚数20〜25万枚以内で画像不良が発生した場合を△、印字枚数20万枚以内で画像不良が発生した場合を×とした。現像電圧の交流成分の不足によるピッチムラについてはハーフ画像においてピッチムラの発生が見られない場合を○、ハーフ画像においてピッチムラが少し発生するが一般画像(文字やソリッド画像)でのピッチムラの発生がない場合を△、一般画像でもピッチムラが発生した場合を×とした。結果を表1に示す。
表1から明らかなように、現像電圧の交流成分を1200V、1000Vに低下させた試験例2、3では、印字枚数が20万枚を越えるまで帯電ローラー21の汚染による縦筋画像やカブリ画像が発生しなかった。また、現像電圧の交流成分の不足によるピッチムラもハーフ画像において少し発生する程度であり、モノクロモードでは実用上問題のないレベルであった。
これに対し、現像電圧の交流成分を1400Vから低下させなかった試験例1では、ハーフ画像においてピッチムラの発生は見られなかったが、印字枚数20万枚以内で帯電ローラー21の汚染による縦筋画像やカブリ画像が発生した。また、現像電圧の交流成分を900Vまで低下させた試験例4では、印字枚数30万枚まで帯電ローラー21の汚染による縦筋画像やカブリ画像は発生しなかったが、現像電圧の交流成分の不足によるピッチムラが一般画像においても発生し、モノクロモードであっても実用上問題となるレベルであった。
以上の結果より、モノクロモードにおいて現像電圧の交流成分を所定量低下させることで、現像電圧の交流成分の不足によるピッチムラの発生と、帯電ローラー21の汚染による画像不良の発生を実用上問題のないレベルに抑制できることが確認された。