JP2018205455A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】分離エアの風速が高い場合でも非接触温度測定部へのエアの流れ込みを抑制することで、定着性能に影響する温度検知ずれを防ぐことが可能な定着装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】定着装置は、回転しながら用紙のトナー像を定着させる定着ベルト61と、定着ベルト61を加圧して定着ベルト61とともに定着ニップNPを形成する下加圧ローラー65と、用紙を定着ベルト61から分離させるための分離エアを定着ニップNPに向けて送風するエア分離ユニットと、定着ベルト61の温度を検知するための非接触温度センサー68と、定着ベルト61の軸方向に沿って配置され、エア分離ユニットからの分離エア(エアーフローAF)を前記非接触温度センサー68よりも上流側で逃がす通気口と、を備え、通気口は、定着ベルト61の軸方向における非接触温度センサー68の検知面と対応する位置に設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。
従来、トナー像を用紙上に形成する電子写真方式の画像形成装置(複写機、プリンター、ファクシミリ、これらの複合機)では、加熱ローラー及び定着ベルト、或いは定着ローラーなどの定着部材の熱を用いて、用紙に形成されたトナー像を加熱して定着させる定着装置が備えられている。
定着装置において、加熱回転体の温度は、赤外線による温度上昇を検知する非接触温度センサーにより測定され、かかるセンサーの検知温度に基づいて温度制御が行われる。また、定着装置では、定着分離性の悪い条件での用紙の定着ニップに対する分離性を確保するために、分離用のエア(分離エア)を噴出口から噴出し、定着ニップを通過した直後の用紙に分離エアを吹き付ける送風部を備えたものもある。
このような構成の定着装置では、送風部から吹き付けられた分離エアの気流が非接触温度センサーに流れ込むと、非接触温度センサーの誤検知、すなわち、加熱回転体の実際の温度と非接触温度センサーの検知温度とが一致しない問題が発生し得る。このように実際の温度と検知された温度とのずれが起きると、用紙の厚みや表面性状、搬送速度に応じて細かく設定されている温度制御が困難になり、定着性能の低下を引き起こす。
かかる問題に関し、特許文献1に記載の技術では、分離エアの流量を制御するために、突起部材を用いて分離エアが通過する間隙を調整する構成が記載されている。
特開2005−292786号公報
しかしながら、一般に分離エアの風量は非常に多いため、特許文献1に記載の技術は、間隙を非常に狭くする必要があり、このため突起部材が定着部材に接触する可能性があり、かかる間隙(ギャップ)の管理が難しいという問題点がある。
本発明の目的は、非接触温度測定部へのエアの流れ込みを抑制することで、定着性能に影響する温度検知ずれを防ぐことが可能な定着装置および画像形成装置を提供することである。
本発明に係る定着装置は、
回転しながら用紙のトナー像を定着させる定着部材と、
前記定着部材を加圧して前記定着部材とともに定着ニップを形成する加圧部材と、
前記用紙を前記定着部材から分離させるための分離エアを前記定着ニップに向けて送風する送風部と、
前記定着部材の温度を検知するための非接触温度測定部と、
前記定着部材の軸方向に沿って配置され、前記送風部からの分離エアを前記非接触温度測定部よりも上流側で逃がす通気口と、を備え、
前記通気口は、前記定着部材の前記軸方向における前記非接触温度測定部の検知面と対応する位置に設けられている。
本発明に係る定着装置は、用紙にトナー像を形成する画像形成部と、上記の定着装置を備える。
本発明によれば、非接触温度測定部へのエアの流れ込みを抑制することで、定着性能に影響する温度検知ずれを防ぐことができる。
本実施の形態における画像形成装置の全体構成を概略的に示す図である。 本実施の形態における画像形成装置の制御系の主要部を示す図である。 従来の定着装置における分離エアの流れ等を説明する図であり、図3Aは非接触温度センサーに流れ込む分離エアの流路を示す図、図3Bは非接触温度センサーの位置を図3Aの右側から示す図である。 通気口を設けない従来構成における、分離エアに基づく検知ずれ等について説明する信号特性図であり、図4Aは分離エアが弱の設定の場合、図4Bは分離エアが強の設定の場合を、それぞれ示す。 本実施の形態における通気口の配置例および分離エアの流れを示す図である。 通気口を非接触温度センサーと対応する位置に設けた例を示し、定着部の筐体の上方から表す図である。 通気口を設けた本実施の形態における、分離エアが強の設定の場合の信号特性図である。 通気口を開閉可能に構成した例を示す図である。 通気口を塞いだ状態における、分離エアの風速と、非接触温度センサーによる検知ズレ量と、の関係を示すグラフである。 通気口の他の配置例を示す図である。 整流部材を設けた場合の通気口の配置等について説明する図である。 図11の構成において、通気口を非接触温度センサーに対応する位置に設けた例を示す図である。
以下、本実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施の形態に係る画像形成装置1の全体構成を概略的に示す図である。図2は、本実施の形態に係る画像形成装置1の制御系の主要部を示す図である。
図1に示すように、画像形成装置1は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。すなわち、画像形成装置1は、感光体ドラム413上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルト421に一次転写し、中間転写ベルト421上で4色のトナー像を重ね合わせた後、給紙トレイユニット51a〜51cから送出された用紙Sに二次転写することにより、画像を形成する。
また、画像形成装置1には、YMCKの4色に対応する感光体ドラム413を中間転写ベルト421の走行方向に直列配置し、中間転写ベルト421に一回の手順で各色トナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
図2に示すように、画像形成装置1は、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60、および制御部100等を備える。
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103等を備える。CPU101は、ROM102から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM103に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各ブロックの動作を集中制御する。このとき、記憶部72に格納されている各種データが参照される。記憶部72は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブで構成される。
制御部100は、通信部71を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部100は、例えば、外部の装置から送信された画像データを受信し、この画像データ(入力画像データ)に基づいて用紙Sにトナー像を形成させる。通信部71は、例えばLANカード等の通信制御カードで構成される。
画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11および原稿画像走査装置12(スキャナー)等を備えて構成される。
自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿Dを搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された多数枚の原稿Dの画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることができる。
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿またはコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー12aの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データには、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
操作表示部20は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部21および操作部22として機能する。表示部21は、制御部100から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部22は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部100に出力する。
画像処理部30は、入力画像データに対して、初期設定またはユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。例えば、画像処理部30は、制御部100の制御下で、階調補正データ(階調補正テーブル)に基づいて階調補正を行う。また、画像処理部30は、入力画像データに対して、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を施す。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部40が制御される。
画像形成部40は、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K、中間転写ユニット42等を備える。
Y成分、M成分、C成分、K成分用の画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。図示及び説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、又はKを添えて示す。図1では、Y成分用の画像形成ユニット41Yの構成要素についてのみ符号が付され、その他の画像形成ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号が省略されている。
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414、およびドラムクリーニング装置415等を備える。
感光体ドラム413は、例えばアルミニウム製の導電性円筒体(アルミ素管)の周面に、アンダーコート層(UCL:Under Coat Layer)、電荷発生層(CGL:Charge Generation Layer)、電荷輸送層(CTL:Charge Transport Layer)を順次積層した負帯電型の有機感光体(OPC:Organic Photo-conductor)である。電荷発生層は、電荷発生材料(例えばフタロシアニン顔料)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネイト)に分散させた有機半導体からなり、露光装置411による露光により一対の正電荷と負電荷を発生する。電荷輸送層は、正孔輸送性材料(電子供与性含窒素化合物)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネイト樹脂)に分散させたものからなり、電荷発生層で発生した正電荷を電荷輸送層の表面まで輸送する。
制御部100は、感光体ドラム413を回転させる駆動モーター(図示略)に供給される駆動電流を制御することにより、感光体ドラム413を一定の周速度で回転させる。
帯電装置414は、光導電性を有する感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。露光装置411は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム413に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。感光体ドラム413の電荷発生層で正電荷が発生し、電荷輸送層の表面まで輸送されることにより、感光体ドラム413の表面電荷(負電荷)が中和される。感光体ドラム413の表面には、周囲との電位差により各色成分の静電潜像が形成される。
現像装置412は、例えば二成分現像方式の現像装置であり、感光体ドラム413の表面に各色成分のトナーを付着させることにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。
ドラムクリーニング装置415は、感光体ドラム413の表面に摺接されるドラムクリーニングブレード等を有し、一次転写後に感光体ドラム413の表面に残存する転写残トナーを除去する。
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、一次転写ローラー422、複数の支持ローラー423、二次転写ローラー424、及びベルトクリーニング装置426等を備える。
中間転写ベルト421は無端状ベルトで構成され、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも1つは駆動ローラーで構成され、その他は従動ローラーで構成される。例えば、K成分用の一次転写ローラー422よりもベルト走行方向下流側に配置されるローラー423Aが駆動ローラーであることが好ましい。これにより、一次転写部におけるベルトの走行速度を一定に保持しやすくなる。駆動ローラー423Aが回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。
一次転写ローラー422は、各色成分の感光体ドラム413に対向して、中間転写ベルト421の内周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、一次転写ローラー422が感光体ドラム413に圧接されることにより、感光体ドラム413から中間転写ベルト421へトナー像を転写するための一次転写ニップが形成される。
二次転写ローラー424は、駆動ローラー423Aのベルト走行方向下流側に配置されるバックアップローラー423Bに対向して、中間転写ベルト421の外周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、二次転写ローラー424がバックアップローラー423Bに圧接されることにより、中間転写ベルト421から用紙Sへトナー像を転写するための二次転写ニップが形成される。
一次転写ニップを中間転写ベルト421が通過する際、感光体ドラム413上のトナー像が中間転写ベルト421に順次重ねて一次転写される。具体的には、一次転写ローラー422に一次転写バイアスを印加し、中間転写ベルト421の裏面側(一次転写ローラー422と当接する側)にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は中間転写ベルト421に静電的に転写される。
その後、用紙Sが二次転写ニップを通過する際、中間転写ベルト421上のトナー像が用紙Sに二次転写される。具体的には、二次転写ローラー424に二次転写バイアスを印加し、用紙Sの裏面側(二次転写ローラー424と当接する側)にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は用紙Sに静電的に転写される。トナー像が転写された用紙Sは定着部60に向けて搬送される。
ベルトクリーニング部426は、中間転写ベルト421の表面に摺接するベルトクリーニングブレード等を有し、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残留する転写残トナーを除去する。なお、二次転写ローラー424に代えて、二次転写ローラーを含む複数の支持ローラーに、二次転写ベルトがループ状に張架された構成(いわゆるベルト式の二次転写ユニット)を採用してもよい。
定着部60は、用紙Sの定着面(トナー像が形成されている面)側に配置される定着面側部材を有する上側定着部60A、用紙Sの裏面(定着面の反対の面)側に配置される裏面側支持部材を有する下側定着部60B、及び加熱源60C等を備える。定着面側部材に裏面側支持部材が圧接されることにより、用紙Sを狭持して搬送する定着ニップ(ニップ部)が形成される。
定着部60は、トナー像が二次転写され、搬送されてきた用紙Sを定着ニップで加熱、加圧することにより、用紙Sにトナー像を定着させる。定着部60は、定着器の外装部材である筐体600内にユニットとして配置される。また、かかる筐体600内には、エアを吹き付けることにより、定着面側部材から用紙Sを分離させるエア分離ユニット60Dが配置されている。
用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52および搬送経路部53等を備える。給紙部51を構成する3つの給紙トレイユニット51a〜51cには、坪量やサイズ等に基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類ごとに収容される。搬送経路部53は、レジストローラー対53a等の複数の搬送ローラー対を有する。
給紙トレイユニット51a〜51cに収容されている用紙Sは、最上部から一枚ずつ送出され、搬送経路部53により画像形成部40に搬送される。このとき、レジストローラー対53aが配設されたレジストローラー部により、給紙された用紙Sの傾きが補正されるとともに搬送タイミングが調整される。そして、画像形成部40において、中間転写ベルト421のトナー像が用紙Sの一方の面に一括して二次転写され、定着部60において定着工程が施される。画像形成された用紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により機外に排紙される。
次に、図1および図3(3A、3B)を参照し、定着装置としての定着部60の構成について説明する。
図1および図3Aに示すように、上側定着部60Aは、定着面側部材である無端状の定着ベルト61、加熱ローラー62、上加圧ローラー63、非接触温度センサー68、等を有する(ベルト加熱方式)。定着ベルト61は、加熱ローラー62と上加圧ローラー63とに所定のベルト張力(例えば、400N)で張架されている。
定着ベルト61は、例えばPI(ポリイミド)からなる基体の外周面を弾性層として耐熱性のシリコンゴムで被覆し、さらに、表層に耐熱性樹脂であるPFA(パーフルオロアルコキシ)のチューブを被覆またはコーティングをしてなる。
定着ベルト61は、トナー像が形成された用紙Sに接触して、当該トナー像を用紙Sに定着許容温度範囲で加熱定着する。ここで、定着許容温度範囲とは、用紙S上のトナーを溶融するのに必要な熱量を供給しうる温度であり、画像形成される用紙Sの紙種等によって異なる。
加熱ローラー62は、定着ベルト61を加熱する。加熱ローラー62は、定着ベルト61を加熱する加熱源60Cを内蔵しており、加熱回転体としての役割を担う。加熱ローラー62は、例えば、ハロゲンヒーターであり、アルミニウム等から形成された円筒状の芯金における外周面をPTFEでコーティングした樹脂層で被覆された構成である。
加熱源60Cの温度は、制御部100によって制御される。加熱源60Cによって加熱ローラー62が加熱され、その結果、定着ベルト61が加熱される。
上加圧ローラー63は、例えば鉄等の金属から形成された中実の芯金を、弾性層として耐熱性のシリコンゴムで被覆し、さらに、低摩擦で耐熱性樹脂であるPTFEでコーティングした樹脂層で被覆したものである。上加圧ローラー63は、定着部60における主駆動源(図示せず)により駆動回転する下加圧ローラー65に定着ベルト61を介して圧接される。
非接触温度センサー68は、定着ベルト61及び加熱ローラー62の温度を測定するための例えば赤外線検知方式のセンサーであり、図3Aに示すように、定着ベルト61及び加熱ローラー62に近接して位置する。非接触温度センサー68は、例えば、定着ベルト61及び加熱ローラー62から放射される赤外線を検知する第1の受光素子と、温度補償用として周囲温度を測定する第2の受光素子とを備え、かかる2つの受光素子の出力を演算することにより、定着ベルト61及び加熱ローラー62の温度を測定する。非接触温度センサー68は、測定した加熱ローラー62の温度を検知信号として制御部100に出力する。制御部100は、非接触温度センサー68の検知信号に基づいて加熱源60Cの温度を制御する。
非接触温度センサー68の各受光素子は、定着ベルト61の表面に対向する。非接触温度センサー68は、図3Aに示すように、センサーの本体を覆う上側カバー部材681および下側カバー部材682を有する。かかるカバー部材681,682は、非接触温度センサー68の受光素子等に風や異物などが侵入することを防止する役割を担う。
また、非接触温度センサー68は、加熱ローラー62の温度をより正確に測定するために、図3Bに示すように、加熱ローラー62の軸方向に沿って複数設けられている。図3Bに示す例では、非接触温度センサー68は、加熱ローラー62の軸方向の略中央に位置する第1センサー68Aと、かかる第1センサー68Aの右側に位置する第2センサー68Bと、からなる。ここで、図3Bは、図3Aの右側から見た図であり、加熱ローラー62と非接触温度センサー68(68A,68B)の受光面(検知面)とを抽出して示している。
下側定着部60Bは、例えば裏面側支持部材である下加圧ローラー65を有する(ローラー加圧方式)。下加圧ローラー65は、アルミニウム製の基材部(芯金)の外周面を、弾性層として耐熱性のシリコンゴムで被覆し、さらに、弾性層の外周面を表面離型層としてPFAチューブの樹脂層で被覆したものである。下加圧ローラー65は、定着ベルト61及び上加圧ローラー63に対向位置し、これら定着ベルト61及び上加圧ローラー63を加圧する。
制御部100は、主駆動源(駆動モーター)を制御して、加圧部材としての下加圧ローラー65を図中反時計回り方向に回転させる。駆動モーターの駆動制御(例えば、回転のオン/オフ、周速度等)は、制御部100によって行われる。
下加圧ローラー65には、ハロゲンヒーター等の加熱源65Aが内蔵されている。この加熱源65Aが発熱することにより、下加圧ローラー65は加熱される。制御部100は、加熱源65Aに供給する電力を制御し、下加圧ローラー65を所定温度に制御する。
下加圧ローラー65は、定着ベルト61を介して上加圧ローラー63に所定の定着荷重で圧接される。このようにして、定着ベルト61と下加圧ローラー65との間には、用紙Sを狭持して搬送する定着ニップNPが形成される。
下加圧ローラー65が図中反時計回り方向に駆動回転すると、定着ベルト61が図中時計回り方向に従動回転する。これに伴い、上加圧ローラー63は、図中時計回り方向に従動回転する。また、加熱ローラー62は、図中時計回り方向に従動回転する。用紙Sの定着時に、定着ベルト61の周速度は、下加圧ローラー65の周速度と同等となる。
エア分離ユニット60Dは、定着ニップNPを通過する用紙を定着ベルト61から分離させるための分離エアを定着ニップNPに向けて吹き付ける送風部としての役割を担う。エア分離ユニット60Dは、分離エアを発生させるファンを備えたファン送風部66およびファン送風部66により発生した分離エアの流れを定着ニップNPに導く送風ダクト67を備える。送風ダクト67の先端67aは、分離エアを定着ニップNPに向けて噴出する噴出口となる。エア分離ユニット60Dは、定着ニップNPの用紙排出側から定着ベルト61に向けて、ファン送風部66から分離エアを送風する。図3中、ファン送風部66から送風され送風ダクト67の先端67aに向けて供給される分離エアの気流(エアフロー)を矢印AFで示す。
定着部60において、上側定着部60A、下側定着部60Bおよび加熱源60Cは、定着ニップNPで用紙Sを加熱、加圧しながら搬送することにより、未定着のトナー像を記録材としての用紙S上に定着させる。エア分離ユニット60Dは、定着ニップNPを通過した用紙Sの先端に分離エアを吹き付けることにより、定着ベルト61から用紙Sを分離させる。これにより、定着ニップNPを通過した用紙Sが定着ベルト61の表面に巻き付いて分離せず、巻き付きジャム等を発生させることを防止することができる。
より具体的には、エア分離ユニット60Dにおいて、ファン送風部66から送風される分離エア(エアフローAF)の強度(風速)は、用紙Sの種類、カラーまたはモノクロ印刷の別、印字率、などによって異なる。本実施の形態では、エアフローAFの強度は、用紙Sの厚みが薄くなるほど強くなり、印字率が高くなるほど強くなり、モノクロ印刷よりもカラー印刷の方が強くなる。また、画像形成装置のウォームアップ状態やアイドリング状態では、エアフローAFの強度はゼロであり、ファン送風部66から分離エアは送風されない。したがって、制御部100は、印刷ジョブの実行時において、用紙の種類、カラーまたはモノクロ印刷の別、印字率、装置の状態を判定し、かかる判定結果に基づいたエアフローAFの強度となるように、ファン送風部66を駆動制御する。
ところで、上記のような構成を備えた定着装置では、ファン送風部66から供給される分離エア(エアフローAF)の風速が高い場合に、かかる分離エアに基づく気流が定着ベルト61と非接触温度センサー68との間隙に流れ込むことにより、非接触温度センサー68の誤検知等を発生させる問題がある。
かかる問題を、図3Aを参照して説明する。ファン送風部66から供給され送風ダクト67の先端部67aを通過するエアフローAFは、定着ニップNPを通過した用紙Sなどに当たった後、用紙Sの搬送方向に向かう気流(図3A中の矢印AF参照)と、定着ベルト61の回転方向に沿って上方に向かう気流(図3A中の矢印AF参照)とに分かれる。ここで、後者の矢印AFで示す気流は、定着ベルト61に沿って流れ、図3Aに示すように、筐体600の天板に達した後に、非接触温度センサー68(68A,68B)の上側カバー部材681の先端681aに当たり、図中の矢印AF21およびAF22に示すような2つの気流に分かれる。以下、矢印AF21で示す気流を第1の気流、AF22で示す気流を第2の気流と呼ぶ。
第1の気流は、定着ベルト61と非接触温度センサー68の上側カバー部材681との間隙を通って非接触温度センサー68の受光面(検知面)に流れ込むことで、非接触温度センサー68の検知温度のずれ及びこれに伴う温度制御の困難性や定着性能の低下等の問題を引き起こす原因となる。
また、第2の気流は、非接触温度センサー68の背面を回り込んで、筐体600の内側面から突起するリブ(図3A中に示さない)などに当たり、定着ベルト61と非接触温度センサー68の下側カバー部材682との間隙を通って非接触温度センサー68の受光面(検知面)に流れ込む。したがって、第2の気流も、非接触温度センサー68の検知温度のずれ及びこれに伴う温度制御の困難性や定着性能の低下等の問題を引き起こす原因となる。
以下、これら第1の気流と第2の気流とを総称して「乱流」と呼び、図4A及び図4Bを参照してかかる乱流発生による問題点について、より詳しく説明する。
図4Aはファン送風部66から供給されるエアフローAFの強度が弱い分離エア弱の設定の場合、図4BはかかるエアフローAFの強度が強い分離エア強の設定の場合における信号特性図であり、それぞれ、横軸に定着処理開始時からの経過時間を、縦軸に温度を示している。ここで、図4Aに示す分離エア弱の設定では、送風ダクト67の先端67aから吹き付けられる分離エア(エアフローAF)の風速は、5m/秒であった。他方、図4Bに示す分離エア強の設定では、送風ダクト67の先端67aから吹き付けられるエアフローAFの風速は、10m/秒であった。
図4Aと図4Bを比較して明らかなように、エアフローAFの風速が低い5m/秒の場合には、目標温度(設定値)に対する実際の温度及び非接触温度センサー68の検知温度が略等しくなっており、非接触温度センサー68の検知温度のずれは問題にならない。言い換えると、上述した乱流は、ファン送風部66から供給されるエアフローAFの風速が低い場合には発生しない。
これに対して、エアフローAFの風速を10m/秒に高くした場合には、実際の温度に対して非接触温度センサー68の検知温度が大きくずれる問題が発生し、さらには、図4B中に破線の円で囲った領域において非接触温度センサー68の検知信号にノイズが発生する問題が発生した。このような検知温度のずれやノイズが発生すると、定着処理における温度制御等を正常に行うことが困難になる。言い換えると、従来構成の定着装置では、送風ダクト67の先端67aから吹き付けられるエアフローAFの風速が10m/秒程度に高くなると、非接触温度センサー68のカバー部材681,682における風の侵入を防止する機能が十分に発揮できなくなる。
かかる問題に鑑みて、本実施の形態では、エアフローAF(分離エア)に基づく乱流の発生を防止する構造としており、具体的には、図5に示すように、送風ダクト67から送られて来る気体(矢印AFに示すエアフロー)を非接触温度センサー68よりも上流側で逃がすための通気口610を設けている。通気口610は、送風ダクト67から送られて来る気体を定着部60の筐体600の外部に逃がす役割を担い、図5に示す例では、筐体600の天板における、矢印AFに示すエアフローの進行方向(流路)に対応した位置に設けられている。
このような構造とすることにより、矢印AFに示すエアフローの大部分は通気口610から筐体600の外部に抜けて行き、エアフローの強度が高い場合でも、図3で上述した矢印AF21およびAF22に示す第1および第2の気流による乱流の発生が防止される。
一方で、筐体600に通気口610を設ける構成では、加熱ローラー62の保温性ひいては省エネルギーの観点での課題がある。特に、図5に示すように、通気口610を加熱ローラー62の上方かつ比較的近い位置に設ける構成では、加熱ローラー62の熱が通気口610から逃げやすくなり、この結果、加熱ローラー62の加熱源60Cに供給される電力量が増える問題点がある。
そこで、本実施の形態では、図6に示すように、通気口610を、加熱ローラー62の軸方向の全体に設けるのではなく、非接触温度センサー68(68A,68B)に対応する位置に限定して設けることとした。具体的には、通気口610は、第1センサー68Aに対応して設けられた第1通気口610Aと、第2センサー68Aに対応して設けられた第2通気口610Bとからなる。
ここで、第1通気口610Aは第1センサー68Aの受光面に対応する位置すなわち加熱ローラー62の軸方向における略中央に設けられている。また、第2通気口610Bは、第2センサー68Bの受光面に対応する位置すなわち加熱ローラー62の軸方向における第1通気口610Aの右側に設けられている。第1通気口610Aの幅は第1センサー68Aの受光面の幅と略同一であり、第2通気口610Bの幅は、第2センサー68Bの受光面の幅と略同一である。
このような構成とすることで、加熱ローラー62の熱が通気口610を介して筐体600の外部に逃げることを抑制しながら、非接触温度センサー68(68A,68B)に乱流が流れ込むことを防止することができる。
図7は、上述した通気口610(610A,610B)を設けた本実施の形態において、分離エアの強度を強の設定として定着処理を行った場合の信号特性図である。図4Bに示す従来構成の場合と同じ条件とするため、図7の例でも、送風ダクト67の先端67aから吹き付けられるエアフローAFの風速を10m/秒とした。図7に示すように、本実施の形態によれば、分離エアの風速が高い場合でも、実際の温度とセンサー検知温度との間の検知ずれが殆ど発生しておらず、かつ、検知ノイズも発生していないことが分かる。
このように、本実施の形態の定着装置および画像形成装置によれば、分離エアの風速が高くなった場合でも非接触温度センサー68へのエアの流れ込みを抑制することができ、定着性能に影響する温度検知ずれを防ぐことが可能になる。
図4Aで上述したように、ファン送風部66から供給されるエアフローAFの強度が弱い分離エア弱の設定の場合、通気口610(610A,610B)が設けられていない従来構成においても非接触温度センサー68の検知温度のずれは問題にならない。言い換えると、分離エア弱の場合、通気口610(610A,610B)が無い構成の方が加熱ローラー62の保温性ひいては省エネルギー性が高いことになる。
このため、加熱ローラー62の保温性ひいては省エネルギー性をさらに推し進める観点からは、通気口610(610A,610B)の大きさ(開口面積)を可変にする構成を設けることが望ましい。通気口610(610A,610B)の大きさを可変とした構成例を図8に示す。
図8に示す例では、筐体600の天板に設けられたシャッター部材620の開閉を制御部100で制御することにより、通気口610(610A,610B)の実効的な開口面積を調整する。ここで、シャッター部材620は、通気口610(610A,610B)を覆うことができる形状を有し、制御部100の制御の下、図示しないアクチュエーターを介して、図中の両矢印方向に開閉(往復移動)する。
ところで、画像形成装置1において、非接触温度センサー68(68A,68B)により検知された温度と実際の温度との差異(検知ズレ量)が小さければ特に問題は発生しないが、検知ズレ量がある程度大きくなると、用紙S上に所望の画像が得られない等の定着上の問題が生じる。具体的には、画像形成装置1において、検知ズレ量が5℃以下であれば印刷時において特に問題は発生しないが、他方、検知ズレ量が5℃を越えると、例えば制御部100による印刷画像の光沢の制御において、用紙S上のトナー画像に所望する光沢度が得られなくなる等の定着上の問題が生じる。
ここで、図9は、従来構成と同等の状態すなわち通気口610(610A,610B)を塞いだ状態において、送風ダクト67の先端67aから吹き付けられる分離エアの風速と、非接触温度センサー68(68A,68B)による検知ズレ量との関係を示すグラフである。図示のように、分離エアの風速が2m/s以下であれば、通気口610が塞がれた状態において、非接触温度センサー68による検知温度と実際の温度とのズレ量が5℃以下になることが分かる。
したがって、本実施の形態では、制御部100は、分離エアの風速が閾値(この例では2m/s)以下であれば、通気口610を塞ぐすなわち全閉状態とするようにシャッター部材620の位置を制御する。他方、制御部100は、分離エアの風速が閾値(2m/s)を越えている場合、通気口610(610A,610B)を開いて上述した乱流の原因となる気流を通気口610から逃がすようにシャッター部材620の位置を制御する。ここで、制御部100は、分離エアの風速が閾値(2m/s)を越える場合、分離エアの風速(強度)に比例して通気口610(610A,610B)の開口度を上げるようにシャッター部材620を駆動制御する。
このように、分離エアの風速に応じて通気口610の開口度を調節する制御を行うことにより、非接触温度センサー68による検知温度と実際の温度とのズレの値を出来るだけ小さくしながら、加熱ローラー62の保温性ひいては省エネルギー性を確保することができる。
図10は、通気口610の他の配置例を示す。図示の例では、通気口610は、図5と同様に筐体600の天板に設けられており、他方、矢印AFに示すエアフローの進行方向(流路)における図5よりも下流側の領域すなわち非接触温度センサー68の上方に配置されている。
かかる構成例によれば、矢印AFに示すエアフローは、図中に矢印で示すように、加熱ローラー62に沿って非接触温度センサー68の方向に進行するが、エアフローの流路中に設けられた通気口610から筐体600の外部に逃げて行くため、上述した乱流(図3の矢印AF21、AF22参照)は発生しない。
より詳しくは、非接触温度センサー68の方向に進行するエアの大部分が通気口610から筐体600の外部に進行することで、筐体600内の気圧が下がり、第1の気流(図3の矢印AF21参照)が生じなくなる。また、エアが通気口610から筐体600の外部に逃げることで、非接触温度センサー68の背面を回り込む第2の気流(図3の矢印AF22参照)が発生しなくなる。したがって、エアフローの強度が高い場合でも、図3で上述した矢印AF21およびAF22に示す第1および第2の気流による乱流の発生が有効に防止される。
かかる構成においても、加熱ローラー62の保温性ひいては省エネルギー性の観点からは、通気口610は、加熱ローラー62の軸方向の全体ではなく、図6で上述したように、非接触温度センサー68(68A,68B)に対応する位置に限定して2つ設けるようにする。
また、加熱ローラー62の保温性ひいては省エネルギー性をさらに推し進める観点からは、図8で上述したように、通気口610(610A,610B)の面積を可変とするシャッター部材620を設け、シャッター部材620の開閉を制御部100で制御するとよい。
図11は、通気口610のさらに他の配置例を示しており、図11に示す例では、乱流抑制部として、送風ダクト67から送られて来る気体を整流する整流部材80を設けている。ここで、整流部材80は、加熱ローラー62及び定着ベルト61の回転方向における、非接触温度センサー68よりも上流側の位置に設けられている。
整流部材80は、図11に示すように、側面から視た形状が楔形であり、加熱ローラー62及び定着部材である定着ベルト61と対向するように、定着部60における筐体600の内面に取り付けられている。整流部材80は、厚みの大きい一端側が加熱ローラー62及び定着ベルト61の回転方向上流側(図3中の左側)の上方に位置し、厚みの小さい他端側が非接触温度センサー68の上方に位置するように、筐体600の天板に固定されている。
また、整流部材80における下面すなわち定着ベルト61に対向する側の面は、定着ベルト61の回転方向上流側から、第1の角度で傾斜する第1傾斜面81と、第1傾斜面81に連続し、第2の角度で傾斜する第2傾斜面82と、を備えている。この例では、筐体600の天板(水平面)に対して、第2傾斜面82は第1傾斜面81よりも小さい角度で傾斜している。
整流部材80の第1傾斜面81は、主に、上方に向かうエア(図3A中の矢印AF参照)を定着ベルト61との隙間に導入し、かかる狭い隙間にエアを導入することによってエアの流速を速くする役割を担う。また、第2傾斜面82は、主に、定着ベルト61との隙間に導入したエアの流れを整える役割を担う。
かかる整流部材80を設けた構成では、図3Aで上述した第1の気流(矢印AF21参照)の発生防止には有効であり、整流部材80によって整流されたエアは、図11に示すように、非接触温度センサー68(68A,68B)の背面に回り込むように流れる。他方、この整流部材80のみでは、上述した第2の気流(図3A中の矢印AF22参照)の発生まで防止することはできず、したがって、第2の気流が非接触温度センサー68(68A,68B)の検知面に流れ込むことを抑制する効果まで担保することはできない。
そこで、この例では、整流部材80を通過して非接触温度センサー68(68A,68B)の検知面に至る分離エア(気流AF)の流路において、非接触温度センサー68(68A,68B)の背面側にあたる筐体600の側面に通気口610を設けている。
かかる構成例によれば、矢印AFに示すエアフローは、加熱ローラー62と整流部材80との間隙に沿って進行し、整流部材80によって整流され非接触温度センサー68(68A,68B)の背面に回り込むように流れる。そして、非接触温度センサー68(68A,68B)の背面に回り込んだエアフローの大部分が通気口610から筐体600の外部に流出し、非接触温度センサー68(68A,68B)の検知面に達する乱流(図3の矢印AF21、AF22参照)は発生しない。したがって、エアフローの強度が高い場合でも、図3で上述した矢印AF21およびAF22に示す第1および第2の気流による乱流の発生が有効に防止される。
かかる構成においても、加熱ローラー62の保温性ひいては省エネルギー性の観点からは、通気口610は、加熱ローラー62の軸方向の全体ではなく、例えば図12に示すように、非接触温度センサー68(68A,68B)に対応する位置に限定して設けるとよい。図12に示す例では、通気口610は、第1センサー68Aに対応して設けられた第1通気口610Aと、第2センサー68Aに対応して設けられた第1通気口610Aとからなる。
なお、通気口610(610A,610B)を筐体600の側面に設ける場合、加熱ローラー62の保温性ひいては省エネルギーの観点からは、エアフローの流路中、出来るだけ下方の位置に通気口610(610A,610B)を設けるとよい。このため、図11および図12に示す例では、通気口610(610A,610B)は、エアフロー(図3の矢印AF22参照)の流路における最も下流側(すなわち非接触温度センサー68(68A,68B)よりも若干下方の位置)に対応する筐体600の側面に配置されている。
また、加熱ローラー62の保温性ひいては省エネルギー性をさらに推し進める観点からは、図8で上述したように、通気口610(610A,610B)の面積を可変とするシャッター部材620を設け、シャッター部材620の開閉を制御部100で制御するとよい。
このように、本実施の形態の定着装置および画像形成装置によれば、分離エアの風速が高くなった場合でも非接触温度センサー68へのエアの流れ込みを抑制することができ、定着性能に影響する温度検知ずれを防ぐことが可能になる。
上述した実施の形態では、上側定着部60Aとして定着ベルト61を備えた熱ベルト定着方式のものであり、定着ベルト61が定着部材として機能する場合を例示した。上側定着部60Aの他の例として、定着ベルト61を備えていない熱ローラー定着方式のものであってもよく、この場合、下加圧ローラー65に圧接して定着ニップNPを形成する定着ローラーが定着部材として機能する。
その他、上記実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
1 画像形成装置
40 画像形成部
60 定着部(定着装置)
60A 上側定着部
60D エア分離ユニット
61 定着ベルト(定着部材)
62 加熱ローラー
65 下加圧ローラー(加圧部材)
66 ファン送風部(送風部)
67 送風ダクト(ダクト)
67a 送風ダクトの先端
68 非接触温度センサー(非接触温度測定部)
68A 第1センサー
68B 第2センサー
80 整流部材(乱流抑制部)
100 制御部
600 定着部の筐体
610 通気口
620 シャッター部材
681 上側カバー部材
682 下側カバー部材
NP 定着ニップ
S 用紙

Claims (9)

  1. 回転しながら用紙のトナー像を定着させる定着部材と、
    前記定着部材を加圧して前記定着部材とともに定着ニップを形成する加圧部材と、
    前記用紙を前記定着部材から分離させるための分離エアを前記定着ニップに向けて送風する送風部と、
    前記定着部材の温度を検知するための非接触温度測定部と、
    前記定着部材の軸方向に沿って配置され、前記送風部からの分離エアを前記非接触温度測定部よりも上流側で逃がす通気口と、を備え、
    前記通気口は、前記定着部材の前記軸方向における前記非接触温度測定部の検知面と対応する位置に設けられている、
    定着装置。
  2. 前記通気口を開閉するシャッター部材と、前記分離エアの風速に応じて前記シャッター部材を駆動制御する制御部と、を有する、
    請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記送風部は、前記分離エアの送風方向を前記定着ニップに向けるダクトを有し、
    前記制御部は、前記ダクトの先端部から前記定着ニップに向けて流れる前記分離エアの風速が閾値以下の場合に前記通気口を塞ぐように前記シャッター部材を駆動制御する、
    請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記制御部は、前記分離エアの風速が前記閾値を越える場合、前記分離エアの風速に比例して前記通気口の開口度を上げるように前記シャッター部材を駆動制御する、
    請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記送風部は、前記分離エアの送風方向を前記定着ニップに向けるダクトを有し、
    前記通気口は、前記ダクトから前記非接触温度測定部までの前記分離エアの流路に沿った位置に設けられている、
    請求項1から4のいずれかに記載の定着装置。
  6. 前記通気口は、前記非接触温度測定部の背面側に設けられている、
    請求項5に記載の定着装置。
  7. 前記定着装置の筐体の天板に設けられ、前記定着部材と対向して配置され、前記非接触温度測定部の近傍における前記分離エアに基づく乱流の発生を抑制するための整流部材を有する、
    請求項6に記載の定着装置。
  8. 前記整流部材は、側面視の形状が楔形である、請求項7に記載の定着装置。
  9. 記録材にトナー像を形成する画像形成部と、
    請求項1から8のいずれかに記載の定着装置と、
    を備えた画像形成装置。
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