JP2018204660A - ウォームホイール、ウォーム減速機、及びウォームホイールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属製の内側ホイール素子に対する合成樹脂製の外側ホイール素子の保持力を確保しつつ、この外側ホイールの外周面に設けられるウォームホイール歯部の製造誤差を抑えられる構造を実現する。
【解決手段】内側ホイール素子15aの軸方向片側面に設けられた第一環状凹部22の内面を構成する外径側周面に、円周方向に関する凹凸部23を設ける。内側ホイール素子15aの外周面を、円筒面部24とする。内側ホイール素子15aの径方向外端部及び中間部を外側ホイール素子16aに包埋すると共に、この外側ホイール素子16aを構成する合成樹脂の一部を、凹凸部23を構成する複数の凹部に入り込ませる。外側ホイール素子16aの外周面に設けたウォームホイール歯部19aの歯先円の直径及び歯底円の直径を、それぞれ軸方向に関して変化させない。
【選択図】図2
【解決手段】内側ホイール素子15aの軸方向片側面に設けられた第一環状凹部22の内面を構成する外径側周面に、円周方向に関する凹凸部23を設ける。内側ホイール素子15aの外周面を、円筒面部24とする。内側ホイール素子15aの径方向外端部及び中間部を外側ホイール素子16aに包埋すると共に、この外側ホイール素子16aを構成する合成樹脂の一部を、凹凸部23を構成する複数の凹部に入り込ませる。外側ホイール素子16aの外周面に設けたウォームホイール歯部19aの歯先円の直径及び歯底円の直径を、それぞれ軸方向に関して変化させない。
【選択図】図2
Description
本発明は、金属製部分と合成樹脂製部分とを組み合わせて成るウォームホイールと、このウォームホイールを含んで構成されるウォーム減速機と、このウォームホイールの製造方法とに関する。
図10〜15は、特許文献1等に記載されて従来から知られている電動式パワーステアリング装置の1例を示している。後端部にステアリングホイール1を取り付けられたステアリングシャフト2の前端部は、ハウジング3内に回転自在に支持されており、このステアリングシャフト2により回転駆動される部分にウォームホイール4が固定されている。一方、電動モータ5の出力軸にはウォーム軸6が連結されている。そして、このウォーム軸6の軸方向中間部外周面に設けられたウォーム歯部18と、前記ウォームホイール4の外周面に設けられたウォームホイール歯部19とを噛合させる事により、前記電動モータ5から前記ウォームホイール4に対して、所定方向に所定の大きさの補助トルク(補助動力)を付与する事が可能となっている。
前記ウォームホイール4は、補助トルクの出力部となる出力軸7の軸方向中間部に外嵌固定されており、この出力軸7と共に回転する。この出力軸7は、前記ハウジング3内に、軸方向中間部の両端寄り部分を1対の転がり軸受8a、8bにより回転のみ可能に支持された状態で、トーションバー9を介して、前記ステアリングシャフト2の前端部に結合されている。前記電動モータ5は、トルクセンサ10が検出する、前記ステアリングホイール1から前記ステアリングシャフト2に加えられる操舵トルクの方向及び大きさに応じて前記ウォーム軸6を回転駆動し、前記出力軸7に補助トルクを付与する。この出力軸7の回転は、1対の自在継手11a、11b及び中間シャフト12を介して、ステアリングギヤユニット13の入力部となるピニオン軸14に伝達され、操舵輪に所望の舵角が付与される。
又、図示の例の場合、前記ウォームホイール4は、金属製の内側ホイール素子15と、合成樹脂製の外側ホイール素子16とを組み合わせて成る。即ち、前記ウォームホイール4は、前記出力軸7に外嵌固定される部分を、金属製で円輪状の前記内側ホイール素子15とし、前記ウォームホイール歯部19を含む部分を、合成樹脂製の前記外側ホイール素子16としている。そして、この様に外側ホイール素子16を合成樹脂製とする事により、前記ウォームホイール4の外周面にウォームホイール歯部19を形成する作業の容易化(低コスト化)、及び、前記ウォーム軸6のウォーム歯部18と前記ウォームホイール4のウォームホイール歯部19との噛合部で発生する歯打ち音の低減を図れる様にしている。
又、前記外側ホイール素子16は、合成樹脂製であり、射出成形に伴って(インサート成形により)、前記内側ホイール素子15の径方向外端部を全周に亙り包埋している。又、前記内側ホイール素子15の外周面には、円周方向に関する(歯車状の)凹凸部17が設けられており、この凹凸部17を構成する複数の凹部に前記外側ホイール素子16を構成する合成樹脂の一部を入り込ませる事で、前記内側ホイール素子15に対する前記外側ホイール素子16の回転方向の保持力を高めている。
上述した様な従来構造の場合には、前記外側ホイール素子16の外周面に設けられたウォームホイール歯部19の製造誤差を低減する面から、改良の余地がある。
即ち、上述した従来構造の場合には、前記内側ホイール素子15の外周面に円周方向に関する凹凸部17を設けると共に、この凹凸部17を構成する複数の凹部に前記外側ホイール素子16を構成する合成樹脂の一部を入り込ませている。この為、前記外側ホイール素子16のうち、前記凹凸部17に対して径方向外側に重畳する部分の径方向の肉厚は、前記ウォームホイール歯部19を構成する複数の歯20、20が位置する部分ごとに、互いに異なった大きさになる場合がある(図14〜15参照)。この様な場合には、これら複数の歯20、20が位置する部分ごとに、射出成形時の成形収縮量が異なる{径方向の肉厚が大きい部分(例えば図15のα部)で大きくなり、径方向の肉厚が小さい部分(例えば図15のβ部)で小さくなる}為、成形後の前記複数の歯20、20の大きさに差が生じ、この事に起因して、前記ウォームホイール歯部19にピッチ誤差等の製造誤差が生じる可能性がある。
即ち、上述した従来構造の場合には、前記内側ホイール素子15の外周面に円周方向に関する凹凸部17を設けると共に、この凹凸部17を構成する複数の凹部に前記外側ホイール素子16を構成する合成樹脂の一部を入り込ませている。この為、前記外側ホイール素子16のうち、前記凹凸部17に対して径方向外側に重畳する部分の径方向の肉厚は、前記ウォームホイール歯部19を構成する複数の歯20、20が位置する部分ごとに、互いに異なった大きさになる場合がある(図14〜15参照)。この様な場合には、これら複数の歯20、20が位置する部分ごとに、射出成形時の成形収縮量が異なる{径方向の肉厚が大きい部分(例えば図15のα部)で大きくなり、径方向の肉厚が小さい部分(例えば図15のβ部)で小さくなる}為、成形後の前記複数の歯20、20の大きさに差が生じ、この事に起因して、前記ウォームホイール歯部19にピッチ誤差等の製造誤差が生じる可能性がある。
本発明は、上述の様な事情に鑑み、金属製の内側ホイール素子に対する合成樹脂製の外側ホイール素子の保持力を確保しつつ、この外側ホイール素子の外周面に設けられるウォームホイール歯部の製造誤差を抑えられる構造及び製造方法を実現すべく発明したものである。
本発明のウォームホイールは、内側ホイール素子と、外側ホイール素子とを備える。
前記内側ホイール素子は、金属により円環状に造られたもので、軸方向片側面に全周に亙り軸方向に凹む状態で設けられた第一環状凹部と、この第一環状凹部の内面を構成する外径側周面に設けられた円周方向に関する凹凸部とを備えると共に、外周面が軸方向に関して直径が変化しない円筒面部になっている。
又、前記外側ホイール素子は、合成樹脂製であって、前記内側ホイール素子の表面のうち、前記第一環状凹部の内面を構成する内径側周面から、前記内側ホイール素子の外周面を経て、この内側ホイール素子の軸方向他側面の径方向内端寄り部分に至るまでの連続した範囲を全周に亙り覆う様に、前記内側ホイール素子を包埋していると共に、前記合成樹脂の一部が前記凹凸部を構成する凹部に入り込んでいる。又、前記外側ホイール素子は、外周面にウォームホイール歯部を有すると共に、このウォームホイール歯部のうち、少なくとも前記内側ホイール素子の外周面である円筒面部と径方向に重畳する部分の歯先円の直径及び歯底円の直径が、それぞれ軸方向に関して変化していない。
前記内側ホイール素子は、金属により円環状に造られたもので、軸方向片側面に全周に亙り軸方向に凹む状態で設けられた第一環状凹部と、この第一環状凹部の内面を構成する外径側周面に設けられた円周方向に関する凹凸部とを備えると共に、外周面が軸方向に関して直径が変化しない円筒面部になっている。
又、前記外側ホイール素子は、合成樹脂製であって、前記内側ホイール素子の表面のうち、前記第一環状凹部の内面を構成する内径側周面から、前記内側ホイール素子の外周面を経て、この内側ホイール素子の軸方向他側面の径方向内端寄り部分に至るまでの連続した範囲を全周に亙り覆う様に、前記内側ホイール素子を包埋していると共に、前記合成樹脂の一部が前記凹凸部を構成する凹部に入り込んでいる。又、前記外側ホイール素子は、外周面にウォームホイール歯部を有すると共に、このウォームホイール歯部のうち、少なくとも前記内側ホイール素子の外周面である円筒面部と径方向に重畳する部分の歯先円の直径及び歯底円の直径が、それぞれ軸方向に関して変化していない。
本発明のウォームホイールを実施する場合には、例えば、請求項2に記載した発明の様に、前記内側ホイール素子の軸方向他側面に全周に亙り軸方向に凹む状態で第二環状凹部が設けられており、且つ、前記外側ホイール素子は、前記内側ホイール素子の表面のうち、前記第一環状凹部の内面を構成する内径側周面から、前記内側ホイール素子の外周面を経て、前記第二環状凹部の内面を構成する内径側周面に至るまでの連続した範囲を全周に亙り覆う様に、前記内側ホイール素子を包埋している構成を採用する事ができる。
上述の様な請求項2に記載した発明を実施する場合には、例えば、請求項3に記載した発明の様に、前記第二環状凹部の内面を構成する外径側周面と内径側周面とのうち、少なくとも一方の周面に、前記内側ホイール素子の中心軸に対し、軸方向他側に向かうに従って前記第二環状凹部の径方向に関する幅寸法が大きくなる方向に傾斜した傾斜面部が設けられている構成を採用する事ができる。
上述の様な請求項3に記載した発明を実施する場合には、例えば、請求項4に記載した発明の様に、前記第二環状凹部の内面を構成する外径側周面に、前記傾斜面部と、前記内側ホイール素子の中心軸に対して傾斜しない非傾斜面部との、双方が設けられている構成を採用する事ができる。
上述の様な請求項3〜4に記載した発明を実施する場合には、例えば、請求項5に記載した発明の様に、前記第二環状凹部の内面を構成する内径側周面に、前記傾斜面部と、前記内側ホイール素子の中心軸に対して傾斜しない非傾斜面部との、双方が設けられている構成を採用する事ができる。
本発明のウォームホイールを実施する場合には、例えば、請求項6に記載した発明の様に、前記外側ホイール素子の軸方向他側面の径方向内端部(例えば、この外側ホイール素子の軸方向他側面のうち、前記第二環状凹部の径方向内端部と同じ径方向位置)に、径方向外側に隣接する部分よりも軸方向他側に張り出した張出部が設けられている構成を採用する事ができる。
本発明のウォームホイールを実施する場合には、例えば、前記凹凸部が前記第一環状凹部の内面を構成する外径側周面の軸方向全長に亙り形成されており、前記合成樹脂の一部が前記凹凸部を構成する凹部の全体に入り込んでいる構成を採用する事ができる。
本発明のウォームホイールを実施する場合には、例えば、前記内側ホイール素子の外周面である円筒面部の軸方向両端縁に対して(直接又は面取り部を介して)連続する部分である、前記内側ホイール素子の軸方向両側面の径方向外端部が、それぞれ前記内側ホイール素子の中心軸に対して直交する平面部になっている構成を採用する事ができる。これにより、前記内側ホイール素子の外周面である円筒面部の軸方向両端縁を、それぞれ円周方向に関して軸方向位置が変化しない円形状とする事ができる。
又、本発明を実施する場合には、例えば、前記凹凸部を構成する複数ずつの凹部及び凸部が、前記ウォームホイールの軸方向と平行に形成されている構成を採用する事ができる。
又は、前記ウォームホイール歯部を構成する複数の歯が、前記ウォームホイールの軸方向に対して所定方向に傾斜した方向に形成されていると共に、前記凹凸部を構成する複数ずつの凹部及び凸部が、前記ウォームホイールの軸方向に対して前記所定方向と反対方向に傾斜した方向に形成されている構成を採用する事ができる。
又は、前記ウォームホイール歯部を構成する複数の歯が、前記ウォームホイールの軸方向に対して所定方向に傾斜した方向に形成されていると共に、前記凹凸部を構成する複数ずつの凹部及び凸部が、前記ウォームホイールの軸方向に対して前記所定方向と反対方向に傾斜した方向に形成されている構成を採用する事ができる。
本発明のウォーム減速機は、ハウジングと、回転軸と、ウォームホイールと、ウォーム軸とを備える。
このうちの回転軸は、前記ハウジングに対し回転自在に支持されている。
又、前記ウォームホイールは、外周面にウォームホイール歯部を有し、前記回転軸に外嵌固定されている。
又、前記ウォーム軸は、外周面の軸方向中間部にウォーム歯部を有し、このウォーム歯部を前記ウォームホイール歯部に噛合させた状態で、前記ハウジングに対し回転自在に支持されている。
特に、本発明のウォーム減速機の場合には、前記ウォームホイールが、本発明のウォームホイールである。
このうちの回転軸は、前記ハウジングに対し回転自在に支持されている。
又、前記ウォームホイールは、外周面にウォームホイール歯部を有し、前記回転軸に外嵌固定されている。
又、前記ウォーム軸は、外周面の軸方向中間部にウォーム歯部を有し、このウォーム歯部を前記ウォームホイール歯部に噛合させた状態で、前記ハウジングに対し回転自在に支持されている。
特に、本発明のウォーム減速機の場合には、前記ウォームホイールが、本発明のウォームホイールである。
本発明のウォーム減速機を実施する場合には、例えば、請求項8に記載した発明の様に、前記ウォームホイールの軸方向他側に隣り合う部分に、内輪と外輪とこれら内輪の外周面と外輪の内周面との間に設けられた複数個の転動体とを備えた、前記回転軸を前記ハウジングに対して回転可能に支持する為の転がり軸受を設置する事ができる。
又、前記ウォームホイールを構成する前記外側ホイール素子の軸方向他側面を、前記内輪の軸方向片側面及び前記外輪の軸方向片側面と軸方向に対向させる事ができる。
又、前記外側ホイール素子の軸方向他側面と前記内輪の軸方向片側面との間の軸方向距離を、前記外側ホイール素子の軸方向他側面と前記外輪の軸方向片側面との間の軸方向距離よりも小さくする事ができる。
又、前記ウォームホイールを構成する前記外側ホイール素子の軸方向他側面を、前記内輪の軸方向片側面及び前記外輪の軸方向片側面と軸方向に対向させる事ができる。
又、前記外側ホイール素子の軸方向他側面と前記内輪の軸方向片側面との間の軸方向距離を、前記外側ホイール素子の軸方向他側面と前記外輪の軸方向片側面との間の軸方向距離よりも小さくする事ができる。
上述の請求項8に記載した発明を実施する場合には、例えば、請求項9に記載した発明の様に、前記ウォームホイールを、請求項6に記載したウォームホイールとし、且つ、前記張出部の軸方向他側面を、前記内輪の軸方向片側面と軸方向に対向させる事ができる。
別な言い方をすれば、上述の請求項8に記載した発明を実施する場合には、前記外側ホイール素子の軸方向他側面のうち、前記内輪の軸方向片側面と軸方向に対向する部分に、前記外輪の軸方向片側面と軸方向に対向する部分よりも軸方向他側に張り出した張出部を設ける事ができる。
別な言い方をすれば、上述の請求項8に記載した発明を実施する場合には、前記外側ホイール素子の軸方向他側面のうち、前記内輪の軸方向片側面と軸方向に対向する部分に、前記外輪の軸方向片側面と軸方向に対向する部分よりも軸方向他側に張り出した張出部を設ける事ができる。
本発明のウォームホイールの製造方法は、本発明のウォームホイールを対象とする製造方法である。
この様な本発明のウォームホイールの製造方法は、前記外側ホイール素子を射出成形により造るのと同時に、この外側ホイール素子を前記内側ホイール素子に対して結合する、インサート成形を実施する際に、前記外側ホイール素子の軸方向他側の径方向内端部に、ディスクゲートの径方向外端部を位置させる事を特徴とする。
この様な本発明のウォームホイールの製造方法は、前記外側ホイール素子を射出成形により造るのと同時に、この外側ホイール素子を前記内側ホイール素子に対して結合する、インサート成形を実施する際に、前記外側ホイール素子の軸方向他側の径方向内端部に、ディスクゲートの径方向外端部を位置させる事を特徴とする。
上述の様な本発明のウォームホイール、ウォーム減速機、及びウォームホイールの製造方法によれば、金属製の内側ホイール素子に対する合成樹脂製の外側ホイール素子の保持力を確保しつつ、この外側ホイール素子の外周面に設けられるウォームホイール歯部の製造誤差を抑えられる。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜6により説明する。
図1は、本例のウォーム減速機を組み込んだ電動式パワーステアリング装置を示している。後端部にステアリングホイール1(図10参照)を取り付けられたステアリングシャフト2の前端部は、ハウジング3内に回転自在に支持されており、このステアリングシャフト2により回転駆動される部分にウォームホイール4aが固定されている。一方、電動モータ5の出力軸にはウォーム軸6(図11参照)が連結されている。そして、このウォーム軸6の軸方向中間部外周面に設けられたウォーム歯部18と、前記ウォームホイール4aの外周面に設けられたウォームホイール歯部19aとを噛合させる事により、前記電動モータ5から前記ウォームホイール4aに対して、所定方向に所定の大きさの補助トルク(補助動力)を付与する事が可能となっている。
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜6により説明する。
図1は、本例のウォーム減速機を組み込んだ電動式パワーステアリング装置を示している。後端部にステアリングホイール1(図10参照)を取り付けられたステアリングシャフト2の前端部は、ハウジング3内に回転自在に支持されており、このステアリングシャフト2により回転駆動される部分にウォームホイール4aが固定されている。一方、電動モータ5の出力軸にはウォーム軸6(図11参照)が連結されている。そして、このウォーム軸6の軸方向中間部外周面に設けられたウォーム歯部18と、前記ウォームホイール4aの外周面に設けられたウォームホイール歯部19aとを噛合させる事により、前記電動モータ5から前記ウォームホイール4aに対して、所定方向に所定の大きさの補助トルク(補助動力)を付与する事が可能となっている。
前記ウォームホイール4aは、特許請求の範囲に記載した回転軸に相当する、補助トルクの出力部となる出力軸7の軸方向中間部に外嵌固定されており、この出力軸7と共に回転する。この出力軸7は、前記ハウジング3内に、軸方向中間部の両端寄り部分を1対の転がり軸受8a、8bにより回転のみ可能に支持された状態で、トーションバー9を介して、前記ステアリングシャフト2の前端部に結合されている。前記電動モータ5は、トルクセンサ10が検出する、前記ステアリングホイール1から前記ステアリングシャフト2に加えられる操舵トルクの方向及び大きさに応じて前記ウォーム軸6を回転駆動し、前記出力軸7に補助トルクを付与する。この出力軸7の回転は、1対の自在継手11a、11b及び中間シャフト12を介して、ステアリングギヤユニット13の入力部となるピニオン軸14(図10参照)に伝達され、操舵輪に所望の舵角が付与される。
尚、図示の例の場合、前記1対の転がり軸受8a、8bはそれぞれ、前記出力軸7に外嵌支持された内輪33a、33bと、前記ハウジング3に内嵌支持された外輪34a、34bと、これら内輪33a、33bの外周面に設けられた内輪軌道と外輪34a、34bの内周面に設けられた外輪軌道との間に転動自在に設けられた、それぞれが転動体である複数個の玉35a、35bとを備えた、玉軸受である。但し、本発明を実施する場合には、前記1対の転がり軸受8a、8bとして、円筒ころ軸受や円すいころ軸受等の他の種類の転がり軸受を採用する事もできる。
前記ウォームホイール4aは、内側ホイール素子15aと、外側ホイール素子16aとを組み合わせて成る。
前記内側ホイール素子15aは、金属により円環状(略円輪状)に造られたもので、径方向中央部に、前記出力軸7の軸方向中間部をトルク伝達を可能に内嵌固定する為の嵌合孔21を有している。
前記内側ホイール素子15aは、金属により円環状(略円輪状)に造られたもので、径方向中央部に、前記出力軸7の軸方向中間部をトルク伝達を可能に内嵌固定する為の嵌合孔21を有している。
又、前記内側ホイール素子15aの軸方向片側面(図1〜3及び図6に於ける左側面)には、全周に亙り、軸方向に凹む状態で第一環状凹部22が設けられている。
この第一環状凹部22の内面を構成する内径側周面と外径側周面と底面(軸方向片側面)とのうち、外径側周面には、この外径側周面の軸方向の全長及び全周に亙り、円周方向に関して凹部26と凸部27とを交互に(図示の例では等ピッチに)配置して成る、円周方向に関する(歯車状の)凹凸部23が設けられている。本例の場合、この凹凸部23を構成する複数ずつの凹部26及び凸部27(別な言い方をすれば、これら凹部26と凸部27との境界)は、図3に於ける上半部に破線(隠れ線)で示す様に、前記内側ホイール素子15a(前記ウォームホイール4a)の軸方向(図1〜3及び図6に於ける左右方向)に対して平行に形成されている。
又、前記第一環状凹部22の内面を構成する内径側周面は、単なる円筒面状の円筒面部36になっている。
又、前記第一環状凹部22の内面を構成する底面は、前記内側ホイール素子15aの中心軸に対して直交する円輪状の平面部37aになっている。
この第一環状凹部22の内面を構成する内径側周面と外径側周面と底面(軸方向片側面)とのうち、外径側周面には、この外径側周面の軸方向の全長及び全周に亙り、円周方向に関して凹部26と凸部27とを交互に(図示の例では等ピッチに)配置して成る、円周方向に関する(歯車状の)凹凸部23が設けられている。本例の場合、この凹凸部23を構成する複数ずつの凹部26及び凸部27(別な言い方をすれば、これら凹部26と凸部27との境界)は、図3に於ける上半部に破線(隠れ線)で示す様に、前記内側ホイール素子15a(前記ウォームホイール4a)の軸方向(図1〜3及び図6に於ける左右方向)に対して平行に形成されている。
又、前記第一環状凹部22の内面を構成する内径側周面は、単なる円筒面状の円筒面部36になっている。
又、前記第一環状凹部22の内面を構成する底面は、前記内側ホイール素子15aの中心軸に対して直交する円輪状の平面部37aになっている。
又、前記内側ホイール素子15aの軸方向他側面(図1〜3及び図6に於ける右側面)には、全周に亙り、軸方向に凹む状態で第二環状凹部38が設けられている。
この第二環状凹部38の内面を構成する内径側周面と外径側周面と底面(軸方向他側面)とのうち、外径側周面は、軸方向に関して、片側(片端部及び中間部)に設けられた外径側傾斜面部39と、他側(他端部)に設けられた外径側円筒面部40との、互いの軸方向端縁同士を連続させて成る。このうちの外径側傾斜面部39は、特許請求の範囲に記載した傾斜面部に相当する部位であり、前記内側ホイール素子15aの中心軸に対し、軸方向他側に向かうに従って前記第二環状凹部38の径方向に関する幅寸法が大きくなる方向(径方向外側に向かう方向)に傾斜した、部分円すい面状に形成されている。これに対し、前記外径側円筒面部40は、特許請求の範囲に記載した非傾斜面部に相当する部位であり、前記内側ホイール素子15aの中心軸に対して傾斜しない、単なる円筒面状に形成されている。
又、前記第二環状凹部38の内面を構成する内径側周面は、内径側傾斜面部41のみから成る。この内径側傾斜面部41は、特許請求の範囲に記載した傾斜面部に相当する部位であり、前記内側ホイール素子15aの中心軸に対し、軸方向他側に向かうに従って前記第二環状凹部38の径方向に関する幅寸法が大きくなる方向(径方向内側に向かう方向)に傾斜した、部分円すい面状に形成されている。
又、前記第二環状凹部38の内面を構成する底面は、前記内側ホイール素子15aの中心軸に対して直交する円輪状の平面部37bになっている。
この第二環状凹部38の内面を構成する内径側周面と外径側周面と底面(軸方向他側面)とのうち、外径側周面は、軸方向に関して、片側(片端部及び中間部)に設けられた外径側傾斜面部39と、他側(他端部)に設けられた外径側円筒面部40との、互いの軸方向端縁同士を連続させて成る。このうちの外径側傾斜面部39は、特許請求の範囲に記載した傾斜面部に相当する部位であり、前記内側ホイール素子15aの中心軸に対し、軸方向他側に向かうに従って前記第二環状凹部38の径方向に関する幅寸法が大きくなる方向(径方向外側に向かう方向)に傾斜した、部分円すい面状に形成されている。これに対し、前記外径側円筒面部40は、特許請求の範囲に記載した非傾斜面部に相当する部位であり、前記内側ホイール素子15aの中心軸に対して傾斜しない、単なる円筒面状に形成されている。
又、前記第二環状凹部38の内面を構成する内径側周面は、内径側傾斜面部41のみから成る。この内径側傾斜面部41は、特許請求の範囲に記載した傾斜面部に相当する部位であり、前記内側ホイール素子15aの中心軸に対し、軸方向他側に向かうに従って前記第二環状凹部38の径方向に関する幅寸法が大きくなる方向(径方向内側に向かう方向)に傾斜した、部分円すい面状に形成されている。
又、前記第二環状凹部38の内面を構成する底面は、前記内側ホイール素子15aの中心軸に対して直交する円輪状の平面部37bになっている。
又、前記内側ホイール素子15aの外周面(軸方向両端縁部に面取り部が設けられる場合には、これらの面取り部を除いた部分)は、前記内側ホイール素子15a(前記ウォームホイール4a)の中心軸と平行な母線を有し、軸方向に関して直径が変化しない単一円筒面状の円筒面部24になっている。又、この円筒面部24の軸方向両端縁に対して(直接又は前記面取り部を介して)連続する部分である、前記内側ホイール素子15aの軸方向片側面の径方向外端部(前記第一環状凹部22よりも径方向外側に位置する部分)、及び、前記内側ホイール素子15aの軸方向他側面の径方向外端部(前記第二環状凹部38よりも径方向外側に位置する部分)は、それぞれ前記内側ホイール素子15aの中心軸に対して直交する円輪状の平面部25a、25bになっている。
別な言い方をすれば、前記内側ホイール素子15aは、互いに同心に配置された内径側環状部28及び外径側環状部29と、これら内径側環状部28の外周面と外径側環状部29の内周面との軸方向中間部同士を連結する円輪状の連結部30とを備えている。そして、前記外径側環状部29の外周面が円筒面部24になっており、この外径側環状部29の軸方向両側面が平面部25a、25bになっており、前記内径側環状部28の外周面の軸方向片端部と前記外径側環状部29の内周面の軸方向片端部と前記連結部30の軸方向片側面とにより三方を囲まれた部分が第一環状凹部22になっており、前記内径側環状部28の外周面の軸方向他端部と前記外径側環状部29の内周面の軸方向他端部と前記連結部30の軸方向他側面とにより三方を囲まれた部分が第二環状凹部38になっている。又、前記外径側環状部29の内周面のうち、軸方向片端部が凹凸部23になっており、軸方向他端部が外径側傾斜面部39及び外径側円筒面部40になっている。又、前記内径側環状部28の外周面のうち、軸方向片端部が円筒面部36になっており、軸方向他端部が内径側傾斜面部41になっている。
尚、前記内側ホイール素子15aを構成する金属としては、鉄鋼等の鉄合金の他、銅合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金等の各種の金属を採用する事ができる。又、前記内側ホイール素子15aを成形する為の加工としては、各種の切削加工や塑性加工を採用する事ができる。但し、歩留まり良く低コストに成形するには、塑性加工(鍛造、プレス、フローフォーミング等)を採用するのが好ましい。
一方、前記外側ホイール素子16aは、合成樹脂を射出成形する事により造られたもので、この射出成形に伴って(インサート成形により)、前記内側ホイール素子15aの一部分を、全周に亙り包埋している。具体的には、前記外側ホイール素子16aは、前記内側ホイール素子15aの表面のうち、前記第一環状凹部22の内面を構成する内径側周面(前記円筒面部36)から、前記内側ホイール素子16aの外周面(前記円筒面部24)を経て、前記第二環状凹部38の内面を構成する内径側周面(前記内径側傾斜面部41)に至るまでの連続した範囲を全周に亙り覆う様に、前記内側ホイール素子15aの一部分(径方向外端部及び中間部)を包埋している。この状態で、前記合成樹脂の一部は、前記第一環状凹部22と前記第二環状凹部38とのそれぞれに入り込んで、このうちの第一環状凹部22に入り込んだ部分が円環状の第一抑え部31を構成すると共に、前記第二環状凹部38に入り込んだ部分が円環状の第二抑え部42を構成している。又、この状態で、前記第一抑え部31を構成する合成樹脂の一部は、前記凹凸部23を構成する複数の凹部26、26(円周方向に隣り合う凸部27、27同士の間部分)の全体に入り込んで、前記凹凸部23の表面全体を覆う事により、この凹凸部23と係合する(この凹凸部23と合致する形状を有する)、回転保持部32を構成している。又、前記第一抑え部31の肉厚(前記複数の凹部26、26に入り込んだ部分の肉厚を除く)は、全体的にほぼ等しくなっており、前記第二抑え部42の肉厚も、全体的にほぼ等しくなっている。又、前記外側ホイール素子16aの軸方向他側面のうち、前記第二環状凹部38の径方向内端部と同じ径方向位置に、全周に亙り、この第二環状凹部38の内側(前記第二抑え部42の軸方向他側面)から軸方向他側に張り出す状態で、張出部43が設けられている。
又、前記外側ホイール素子16aの外周面には、ウォームホイール歯部19aが形成されている。図3の上半部に示す様に、このウォームホイール歯部19aを構成する複数の歯の形成方向は、前記ウォームホイール4aの軸方向に対して傾斜している。又、本例の場合、このウォームホイール歯部19aの歯先円の直径及び歯底円の直径は、それぞれ軸方向に関して変化していない。
本例の場合、前記外側ホイール素子16aを射出成形により造るのと同時に、この外側ホイール素子16aを前記内側ホイール素子15aに対して結合する、インサート成形を実施する際には、図6に示す様に、前記内側ホイール素子15aを複数の金型を組み合わせて成る金型装置44にセットした状態で、これら内側ホイール素子15aと金型装置44との間に画成される円環状のキャビティ45内に、前記内側ホイール素子15aの軸方向他側面側に設けられた、ランナー46及びディスクゲート47から、溶融樹脂を送り込む。このうちのディスクゲート47の径方向外端部(外周部)は、前記キャビティ45のうち、前記外側ホイール素子16aの軸方向他側の径方向内端部(前記張出部43)が形成される部分に位置しており、又、前記ランナー46は、前記ディスクゲート47の中心部から軸方向他側に伸長する状態で設けられている。この様なランナー46及びディスクゲート47から前記キャビティ45内に送り込まれた溶融樹脂は、前記内側ホイール素子15aの軸方向他側面に沿って内径側から外径側に流れ、その一部が前記第二環状凹部38内に入り込む。この際に、本例の場合には、この第二環状凹部38の内面を構成する内径側周面及び外径側周面に、前記内径側傾斜面部41及び前記外径側傾斜面部39を設けている為、溶融樹脂は、流れを大きく乱す事なく、前記キャビティ45のうちで前記外側ホイール素子16aの径方向外端部が形成される部分に入り込む。又、前記キャビティ45内に送り込まれた溶融樹脂は、前記第一抑え部31に対応する部分に達して停止する。当該部分で、他の方向から流れてきた溶融樹脂と突き当たる事はない。この結果、射出成形により得られる前記外側ホイール素子16aに、強度的に弱い、ウェルド等が生じる事を防止できる。前記キャビティ45内で冷却及び固化された合成樹脂は、金型装置44を開いて、複数の金型同士を分離してから、前記外側ホイール素子16aの軸方向他側の径方向内端部に対応する部分で全周に亙って切断し、必要に応じて仕上げ加工を施す事により、前記ウォームホイール4aが得られる。尚、この際に、本例の場合には、前記ディスクゲート47の径方向外端部に位置する合成樹脂の一部(本来切除すべき部分)を切除せずに残す事で、前記張出部43を形成する。これにより、歩留まりを良くし、この張出部43を低コストで形成できる様にしている。
尚、前記外側ホイール素子16aを構成する合成樹脂としては、ポリアミド66(PA66)の他、ポリアミド46(PA46)、ポリアミド9T(PA9T)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアセタール(POM)等の各種の合成樹脂を採用する事ができる。又、これらの合成樹脂には、必要に応じて、ガラス繊維、ポリエチレン繊維、カーボン繊維、アラミド繊維等の各種の強化繊維を混入する事ができる。
本例の電動式パワーステアリング装置を組み立てた状態で、前記外側ホイール素子16aの軸方向他側面は、前記ウォームホイール4aの軸方向他側に隣り合う部分に設置された、前記転がり軸受8aを構成する内輪33aの軸方向片側面と外輪34aの軸方向片側面とに対し、それぞれ隙間を介して軸方向に対向している。具体的には、前記外側ホイール素子16aの軸方向他側面のうち、前記張出部43に対応する部分が、前記内輪33aの軸方向片側面と軸方向に対向し、前記第二抑え部42の径方向中間部に対応する部分が、前記外輪34aの軸方向片側面と軸方向に対向している。ここで、本例の場合、前記内輪33aの軸方向片側面と前記外輪34aの軸方向片側面とは、軸方向に関してほぼ同位置に存在しているのに対し、前記外側ホイール素子16aの軸方向他側面のうち、前記張出部43に対応する部分(この張出部43の軸方向他側面)は、前記第二抑え部42の径方向中間部に対応する部分(この第二抑え部42の径方向中間部の軸方向他側面)よりも、(少なくとも前記張出部43の軸方向寸法分だけ、)軸方向他側に位置している。この為、前記外側ホイール素子16aの軸方向他側面(前記張出部43の軸方向他側面)と前記内輪33aの軸方向片側面との間の軸方向距離Xは、前記外側ホイール素子16aの軸方向他側面(前記第二抑え部42の径方向中間部の軸方向他側面)と前記外輪34aの軸方向片側面との間の軸方向距離Yよりも小さくなっている(X<Y)。
上述の様に構成する本例のウォームホイール4a及びウォーム減速機によれば、金属製の内側ホイール素子15aに対する合成樹脂製の外側ホイール素子16aの保持力を確保しつつ、この外側ホイール素子16aの外周面に設けられるウォームホイール歯部19aの製造誤差を抑えられる。この点に就いて、以下に説明する。
前記ウォームホイール4aを通じて前記出力軸7に補助トルクを付与する際には、前記ウォームホイール4aのウォームホイール歯部19aと前記ウォーム軸7のウォーム歯部18との噛合部に作用する噛み合い反力の軸方向成分に基づいて、前記ウォームホイール4aに対し、図2に矢印で示す様に、倒れ方向のモーメントMが加わる。
これに対して、本例の場合、前記内側ホイール素子15aの軸方向両側面には、それぞれ全周に亙り、第一環状凹部22及び第二環状凹部38が設けられている。そして、前記外側ホイール素子16aは、前記内側ホイール素子15aの表面のうち、前記第一環状凹部22の内面を構成する内径側周面(前記円筒面部36)から、前記内側ホイール素子16aの外周面(前記円筒面部24)を経て、前記第二環状凹部38の内面を構成する内径側周面(前記内径側傾斜面部41)に至るまでの連続した範囲を全周に亙り覆う様に、前記内側ホイール素子15aの一部分を包埋している。即ち、本例の場合には、前記外側ホイール素子16aが、前記内側ホイール素子15aのうち、径方向外端部だけでなく、径方向中間部をも包埋している。この為、径方向外端部のみを包埋している場合に比べて、前記内側ホイール素子15aに対する前記外側ホイール素子16aの前記モーメントM方向の保持力を大きくできる。
又、本例の場合には、前記外側ホイール素子16aを構成する合成樹脂の一部が、前記第一環状凹部22に入り込んで円環状の第一抑え部31を構成すると共に、前記第二環状凹部38に入り込んで円環状の第二抑え部42を構成している。この為、前記第一環状凹部22と前記第一抑え部31との係合、及び、前記第二環状凹部38と前記第二抑え部42との係合に基づいて、前記内側ホイール素子15aに対する前記外側ホイール素子16aの前記モーメントM方向の保持力を大きくできる。
更に、本例の場合には、前記第二環状凹部38の内面を構成する外径側周面の軸方向他端部に、外径側円筒面部40が設けられている。この為、当該外径側周面の全体が前記外径側傾斜面部39になっている(前記外径側円筒面部40が設けられていない)場合に比べて、前記モーメントMに対する、前記第二環状凹部38と前記第二抑え部42との係合力を大きくできる。この結果、前記内側ホイール素子15aに対する前記外側ホイール素子16aの前記モーメントM方向の保持力を大きくできる。
これに対して、本例の場合、前記内側ホイール素子15aの軸方向両側面には、それぞれ全周に亙り、第一環状凹部22及び第二環状凹部38が設けられている。そして、前記外側ホイール素子16aは、前記内側ホイール素子15aの表面のうち、前記第一環状凹部22の内面を構成する内径側周面(前記円筒面部36)から、前記内側ホイール素子16aの外周面(前記円筒面部24)を経て、前記第二環状凹部38の内面を構成する内径側周面(前記内径側傾斜面部41)に至るまでの連続した範囲を全周に亙り覆う様に、前記内側ホイール素子15aの一部分を包埋している。即ち、本例の場合には、前記外側ホイール素子16aが、前記内側ホイール素子15aのうち、径方向外端部だけでなく、径方向中間部をも包埋している。この為、径方向外端部のみを包埋している場合に比べて、前記内側ホイール素子15aに対する前記外側ホイール素子16aの前記モーメントM方向の保持力を大きくできる。
又、本例の場合には、前記外側ホイール素子16aを構成する合成樹脂の一部が、前記第一環状凹部22に入り込んで円環状の第一抑え部31を構成すると共に、前記第二環状凹部38に入り込んで円環状の第二抑え部42を構成している。この為、前記第一環状凹部22と前記第一抑え部31との係合、及び、前記第二環状凹部38と前記第二抑え部42との係合に基づいて、前記内側ホイール素子15aに対する前記外側ホイール素子16aの前記モーメントM方向の保持力を大きくできる。
更に、本例の場合には、前記第二環状凹部38の内面を構成する外径側周面の軸方向他端部に、外径側円筒面部40が設けられている。この為、当該外径側周面の全体が前記外径側傾斜面部39になっている(前記外径側円筒面部40が設けられていない)場合に比べて、前記モーメントMに対する、前記第二環状凹部38と前記第二抑え部42との係合力を大きくできる。この結果、前記内側ホイール素子15aに対する前記外側ホイール素子16aの前記モーメントM方向の保持力を大きくできる。
又、本例の場合には、前記第一環状凹部22の内面を構成する外径側周面に円周方向に関する凹凸部23が設けられていると共に、前記第一抑え部31を構成する合成樹脂の一部が、前記凹凸部23を構成する複数の凹部26、26の全体に入り込んで、前記凹凸部23の表面全体を覆う事により、この凹凸部23と係合する(この凹凸部23と合致する形状を有する)、回転保持部32を構成している。この為、本例の場合には、前記内側ホイール素子15aに対する前記外側ホイール素子16aの回転方向の保持力を確保できる。特に、本例の場合には、前記凹凸部23が、前記第一環状凹部22の内面を構成する外径側周面の軸方向の全長に亙り設けられている為、当該回転方向の保持力を大きくできる。
又、本例の場合、前記内側ホイール素子15aの外周面は、軸方向に関して直径が変化しない円筒面部24になっている。これと共に、前記外側ホイール素子16aの外周面に設けられたウォームホイール歯部19aの歯先円の直径及び歯底円の直径は、それぞれ軸方向に関して変化していない。この為、前記外側ホイール素子16aのうち、前記内側ホイール素子15aの外周面である円筒面部24に対して径方向外側に重畳する部分の径方向の肉厚は、前記ウォームホイール歯部19aを構成する複数の歯20a、20aが位置する部分で、互いにほぼ(実質的に)等しくなっている。
更に、本例の場合には、前記内側ホイール素子15aの外周面である円筒面部24の軸方向両端縁に対して連続する部分である、前記内側ホイール素子15aの軸方向両側面の径方向外端部は、それぞれ前記内側ホイール素子15aの中心軸に対して直交する円輪状の平面部25a、25bになっている。換言すれば、前記内側ホイール素子15aの外周面である円筒面部24の軸方向両端縁は、それぞれ円周方向に関して軸方向位置が変化しない円形状になっている。
この為、本例の場合には、前記外側ホイール素子16aのうち、前記内側ホイール素子15aの外周面に対して径方向外側に重畳する部分の径方向の肉厚は、軸方向両端縁部を含めた軸方向の全長に亙り、前記ウォームホイール歯部19aを構成する複数の歯20a、20aが位置する部分で、互いにほぼ等しくなっている。従って、本例の場合には、図5に示す様に、前記複数の歯20a、20aが位置する部分の射出成形時の成形収縮量を互いにほぼ等しくする事ができる。この結果、成形後の前記複数の歯20a、20aの大きさ(径方向の厚さ)をほぼ等しくする事ができ、この事に起因して、前記ウォームホイール歯部19aに関するピッチ誤差等の製造誤差を抑えられる。
更に、本例の場合には、前記内側ホイール素子15aの外周面である円筒面部24の軸方向両端縁に対して連続する部分である、前記内側ホイール素子15aの軸方向両側面の径方向外端部は、それぞれ前記内側ホイール素子15aの中心軸に対して直交する円輪状の平面部25a、25bになっている。換言すれば、前記内側ホイール素子15aの外周面である円筒面部24の軸方向両端縁は、それぞれ円周方向に関して軸方向位置が変化しない円形状になっている。
この為、本例の場合には、前記外側ホイール素子16aのうち、前記内側ホイール素子15aの外周面に対して径方向外側に重畳する部分の径方向の肉厚は、軸方向両端縁部を含めた軸方向の全長に亙り、前記ウォームホイール歯部19aを構成する複数の歯20a、20aが位置する部分で、互いにほぼ等しくなっている。従って、本例の場合には、図5に示す様に、前記複数の歯20a、20aが位置する部分の射出成形時の成形収縮量を互いにほぼ等しくする事ができる。この結果、成形後の前記複数の歯20a、20aの大きさ(径方向の厚さ)をほぼ等しくする事ができ、この事に起因して、前記ウォームホイール歯部19aに関するピッチ誤差等の製造誤差を抑えられる。
又、本例の場合には、前記凹凸部23を構成する複数ずつの凹部26及び凸部27は、軸方向に対して平行に形成されている。この為、前記凹凸部23が存在する事によって生じる、合成樹脂の成形収縮に伴う前記外側ホイール素子16aの変形を抑えられ、この外側ホイール素子16aを精度良く成形する事ができる。
又、本例の場合には、前記外側ホイール素子16aの軸方向他側面(前記張出部43の軸方向他側面)と前記内輪33aの軸方向片側面との間の軸方向距離Xが、前記外側ホイール素子16aの軸方向他側面(前記第二抑え部42の径方向中間部の軸方向他側面)と前記外輪34aの軸方向片側面との間の軸方向距離Yよりも小さくなっている(X<Y)。この為、例えば、万が一、前記ハウジング3に対する前記出力軸7の軸方向位置を規制する部位が破損し、この出力軸7と共に前記ウォームホイール4aが軸方向他側に変位したとしても、前記外側ホイール素子16aの軸方向他側面は、前記内輪33aの軸方向片側面及び前記外輪34aの軸方向片側面のうち、前記内輪33aの軸方向片側面のみと(前記張出部43の軸方向他側面が)接触し、前記外輪34aの軸方向片側面には(前記第二抑え部42の径方向中間部の軸方向他側面が)接触しない為、前記ウォームホイール4aの回転がロックされる事を防止できる。
[実施の形態の第2例]
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図7により説明する。
本例の場合には、ウォームホイール4bを構成する内側ホイール素子15bの軸方向他側面に設けられた第二環状凹部38aの構成が、上述した実施の形態の第1例の場合と異なる。本例の場合、この第二環状凹部38aの内面を構成する内径側周面は、軸方向片側(片半部)に設けられた、特許請求の範囲に記載した非傾斜面部に対応する内径側円筒面部48と、軸方向他側(他半部)に設けられた内径側傾斜面部41との、互いの軸方向端縁同士を連続させて成る。
この様な構成を有する本例の場合には、前記第二環状凹部38aの内面を構成する内径側周面の軸方向片半部に、内径側円筒面部48が設けられている為、当該内径側周面の全体が前記内径側傾斜面部41になっている(前記内径側円筒面部48が設けられていない)場合に比べて、モーメントMに対する、前記第二環状凹部38aと、外側ホイール素子16bを構成する第二抑え部42aとの係合力を大きくできる。この結果、前記内側ホイール素子15bに対する前記外側ホイール素子16bの前記モーメントM方向の保持力を大きくできる。
その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図7により説明する。
本例の場合には、ウォームホイール4bを構成する内側ホイール素子15bの軸方向他側面に設けられた第二環状凹部38aの構成が、上述した実施の形態の第1例の場合と異なる。本例の場合、この第二環状凹部38aの内面を構成する内径側周面は、軸方向片側(片半部)に設けられた、特許請求の範囲に記載した非傾斜面部に対応する内径側円筒面部48と、軸方向他側(他半部)に設けられた内径側傾斜面部41との、互いの軸方向端縁同士を連続させて成る。
この様な構成を有する本例の場合には、前記第二環状凹部38aの内面を構成する内径側周面の軸方向片半部に、内径側円筒面部48が設けられている為、当該内径側周面の全体が前記内径側傾斜面部41になっている(前記内径側円筒面部48が設けられていない)場合に比べて、モーメントMに対する、前記第二環状凹部38aと、外側ホイール素子16bを構成する第二抑え部42aとの係合力を大きくできる。この結果、前記内側ホイール素子15bに対する前記外側ホイール素子16bの前記モーメントM方向の保持力を大きくできる。
その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第3例]
本発明の実施の形態の第3例に就いて、図8により説明する。
本例の場合には、ウォームホイール4cを構成する内側ホイール素子15cの軸方向他側面に設けられた第二環状凹部38bの構成が、上述した実施の形態の第1例の場合と異なる。本例の場合、この第二環状凹部38bの内面を構成する内径側周面は、軸方向片側(片半部)に設けられた内径側傾斜面部41と、軸方向他側(他半部)に設けられた、特許請求の範囲に記載した非傾斜面部に対応する内径側円筒面部48aとを、軸方向他側を向いた円輪状の段差面49により連続させて成る。
この様な構成を有する本例の場合には、前記第二環状凹部38bの内面を構成する内径側周面の軸方向他半部に、内径側円筒面部48aが設けられている為、当該内径側周面の全体が前記内径側傾斜面部41になっている(前記内径側円筒面部48aが設けられていない)場合に比べて、モーメントMに対する、前記第二環状凹部38bと、外側ホイール素子16cを構成する第二抑え部42bとの係合力を大きくできる。この結果、前記内側ホイール素子15cに対する前記外側ホイール素子16cの前記モーメントM方向の保持力を大きくできる。
その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
本発明の実施の形態の第3例に就いて、図8により説明する。
本例の場合には、ウォームホイール4cを構成する内側ホイール素子15cの軸方向他側面に設けられた第二環状凹部38bの構成が、上述した実施の形態の第1例の場合と異なる。本例の場合、この第二環状凹部38bの内面を構成する内径側周面は、軸方向片側(片半部)に設けられた内径側傾斜面部41と、軸方向他側(他半部)に設けられた、特許請求の範囲に記載した非傾斜面部に対応する内径側円筒面部48aとを、軸方向他側を向いた円輪状の段差面49により連続させて成る。
この様な構成を有する本例の場合には、前記第二環状凹部38bの内面を構成する内径側周面の軸方向他半部に、内径側円筒面部48aが設けられている為、当該内径側周面の全体が前記内径側傾斜面部41になっている(前記内径側円筒面部48aが設けられていない)場合に比べて、モーメントMに対する、前記第二環状凹部38bと、外側ホイール素子16cを構成する第二抑え部42bとの係合力を大きくできる。この結果、前記内側ホイール素子15cに対する前記外側ホイール素子16cの前記モーメントM方向の保持力を大きくできる。
その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第4例]
本発明の実施の形態の第4例に就いて、図9により説明する。
本例の場合には、ウォームホイール4dを構成する内側ホイール素子15dの軸方向片側面に設けられた第一環状凹部22aの構成が、上述した実施の形態の第1例の場合と異なる。本例の場合、この第一環状凹部22aの内面のうち、外径側周面に設けられた凹凸部23aを構成する複数ずつの凹部26a及び凸部27aは、前記ウォームホイール4dの中心軸に対し、外側ホイール素子16dの外周面に設けられたウォームホイール歯部19aを構成する複数の歯20a、20aの傾斜方向と逆方向に傾斜した状態で形成されている。
この様に本例の場合には、前記ウォームホイール4dの中心軸に対する、前記ウォームホイール歯部19aを構成する複数の歯20a、20aの傾斜方向と、前記凹凸部23aを構成する複数ずつの凹部26a及び凸部27aの傾斜方向とを、互いに逆方向とする事により、ウォーム軸6(図11参照)から前記ウォームホイール4dにトルクを伝達する際に、前記凹凸部23aを構成する複数の凹部26a、26aから前記外側ホイール素子16dを構成する合成樹脂が軸方向片側に向けて抜け出ない方向に力が加わる様にしている。
その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
本発明の実施の形態の第4例に就いて、図9により説明する。
本例の場合には、ウォームホイール4dを構成する内側ホイール素子15dの軸方向片側面に設けられた第一環状凹部22aの構成が、上述した実施の形態の第1例の場合と異なる。本例の場合、この第一環状凹部22aの内面のうち、外径側周面に設けられた凹凸部23aを構成する複数ずつの凹部26a及び凸部27aは、前記ウォームホイール4dの中心軸に対し、外側ホイール素子16dの外周面に設けられたウォームホイール歯部19aを構成する複数の歯20a、20aの傾斜方向と逆方向に傾斜した状態で形成されている。
この様に本例の場合には、前記ウォームホイール4dの中心軸に対する、前記ウォームホイール歯部19aを構成する複数の歯20a、20aの傾斜方向と、前記凹凸部23aを構成する複数ずつの凹部26a及び凸部27aの傾斜方向とを、互いに逆方向とする事により、ウォーム軸6(図11参照)から前記ウォームホイール4dにトルクを伝達する際に、前記凹凸部23aを構成する複数の凹部26a、26aから前記外側ホイール素子16dを構成する合成樹脂が軸方向片側に向けて抜け出ない方向に力が加わる様にしている。
その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
尚、本発明を実施する場合には、上述した各実施の形態の構成を適宜組み合わせて実施する事ができる。
[実施の形態の変形例]
本発明の実施の形態の変形例に就いて、図16により説明する。
上記実施の形態の第1例乃至第4例においては、外側ホイール素子16a〜16dは、内側ホイール素子15a、15bの外周面(前記円筒面部24)から、第一環状凹部22側においては、第一環状凹部22の内面を構成する内径側周面(円筒面部36)に至るまで連続しており、第二環状凹部38〜38b側においては第二環状凹部38〜38bの内面を構成する内径側周面(前記内径側傾斜面部41)に至るまで連続している。本例の場合には、外側ホイール素子16bは、内側ホイール素子15bの外周面(前記円筒面部24)から、夫々第一環状凹部22及び第二環状凹部38aの径方向の中間位置程度まで連続させている。外側ホイール素子16bがこの様に夫々の環状凹部の中間位置程度までの連続であっても、凹凸部23を有する第一環状凹部22及び外径側円筒面部40を有する第二環状凹部38a存在する為、図13に示す様な従来のウォームホイールよりも外側ホイール素子16bと内側ホイール素子15bとの結合強度を向上させることができる。
本発明の実施の形態の変形例に就いて、図16により説明する。
上記実施の形態の第1例乃至第4例においては、外側ホイール素子16a〜16dは、内側ホイール素子15a、15bの外周面(前記円筒面部24)から、第一環状凹部22側においては、第一環状凹部22の内面を構成する内径側周面(円筒面部36)に至るまで連続しており、第二環状凹部38〜38b側においては第二環状凹部38〜38bの内面を構成する内径側周面(前記内径側傾斜面部41)に至るまで連続している。本例の場合には、外側ホイール素子16bは、内側ホイール素子15bの外周面(前記円筒面部24)から、夫々第一環状凹部22及び第二環状凹部38aの径方向の中間位置程度まで連続させている。外側ホイール素子16bがこの様に夫々の環状凹部の中間位置程度までの連続であっても、凹凸部23を有する第一環状凹部22及び外径側円筒面部40を有する第二環状凹部38a存在する為、図13に示す様な従来のウォームホイールよりも外側ホイール素子16bと内側ホイール素子15bとの結合強度を向上させることができる。
本発明のウォームホイール及びウォーム減速機は、電動式パワーステアリング装置に限らず、各種の機械装置に組み込んで使用する事ができる。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 ハウジング
4、4a〜4d ウォームホイール
5 電動モータ
6 ウォーム軸
7 出力軸
8a、8b 転がり軸受
9 トーションバー
10 トルクセンサ
11a、11b 自在継手
12 中間シャフト
13 ステアリングギヤユニット
14 ピニオン軸
15、15a〜15d 内側ホイール素子
16、16a〜16d 外側ホイール素子
17 凹凸部
18 ウォーム歯部
19、19a ウォームホイール歯部
20、20a 歯
21 嵌合孔
22、22a 第一環状凹部
23、23a 凹凸部
24 円筒面部
25a、25b 平面部
26、26a 凹部
27、27a 凸部
28 内径側環状部
29 外径側環状部
30 連結部
31、31a 第一抑え部
32 回転保持部
33a、33b 内輪
34a、34b 外輪
35a、35b 玉
36 円筒面部
37a、37b 平面部
38、38a、38b 第二環状凹部
39 外径側傾斜面部
40 外径側円筒面部
41 内径側傾斜面部
42、42a、42b、42c 第二抑え部
43 張出部
44 金型装置
45 キャビティ
46 ランナー
47 ディスクゲート
48、48a 内径側円筒面部
49 段差面
2 ステアリングシャフト
3 ハウジング
4、4a〜4d ウォームホイール
5 電動モータ
6 ウォーム軸
7 出力軸
8a、8b 転がり軸受
9 トーションバー
10 トルクセンサ
11a、11b 自在継手
12 中間シャフト
13 ステアリングギヤユニット
14 ピニオン軸
15、15a〜15d 内側ホイール素子
16、16a〜16d 外側ホイール素子
17 凹凸部
18 ウォーム歯部
19、19a ウォームホイール歯部
20、20a 歯
21 嵌合孔
22、22a 第一環状凹部
23、23a 凹凸部
24 円筒面部
25a、25b 平面部
26、26a 凹部
27、27a 凸部
28 内径側環状部
29 外径側環状部
30 連結部
31、31a 第一抑え部
32 回転保持部
33a、33b 内輪
34a、34b 外輪
35a、35b 玉
36 円筒面部
37a、37b 平面部
38、38a、38b 第二環状凹部
39 外径側傾斜面部
40 外径側円筒面部
41 内径側傾斜面部
42、42a、42b、42c 第二抑え部
43 張出部
44 金型装置
45 キャビティ
46 ランナー
47 ディスクゲート
48、48a 内径側円筒面部
49 段差面
Claims (10)
- 内側ホイール素子と、外側ホイール素子とを備え、
前記内側ホイール素子は、金属により円環状に造られたもので、軸方向片側面に全周に亙り軸方向に凹む状態で設けられた第一環状凹部と、この第一環状凹部の内面を構成する外径側周面に設けられた円周方向に関する凹凸部とを備えると共に、外周面が軸方向に関して直径が変化しない円筒面部になっており、
前記外側ホイール素子は、合成樹脂製であって、前記内側ホイール素子の表面のうち、前記第一環状凹部の内面を構成する内径側周面から、前記内側ホイール素子の外周面を経て、この内側ホイール素子の軸方向他側面の径方向内端寄り部分に至るまでの連続した範囲を全周に亙り覆う様に、前記内側ホイール素子を包埋していると共に、前記合成樹脂の一部が前記凹凸部を構成する凹部に入り込んでおり、且つ、外周面にウォームホイール歯部を有すると共に、このウォームホイール歯部のうち、少なくとも前記内側ホイール素子の外周面である円筒面部と径方向に重畳する部分の歯先円の直径及び歯底円の直径が、それぞれ軸方向に関して変化していない
ウォームホイール。 - 前記内側ホイール素子の軸方向他側面に全周に亙り軸方向に凹む状態で第二環状凹部が設けられており、
前記外側ホイール素子は、前記内側ホイール素子の表面のうち、前記第一環状凹部の内面を構成する内径側周面から、前記内側ホイール素子の外周面を経て、前記第二環状凹部の内面を構成する内径側周面に至るまでの連続した範囲を全周に亙り覆う様に、前記内側ホイール素子を包埋している
請求項1に記載したウォームホイール。 - 前記第二環状凹部の内面を構成する外径側周面と内径側周面とのうち、少なくとも一方の周面に、前記内側ホイール素子の中心軸に対し、軸方向他側に向かうに従って前記第二環状凹部の径方向に関する幅寸法が大きくなる方向に傾斜した傾斜面部が設けられている
請求項2に記載したウォームホイール。 - 前記第二環状凹部の内面を構成する外径側周面に、前記傾斜面部と、前記内側ホイール素子の中心軸に対して傾斜しない非傾斜面部との、双方が設けられている
請求項3に記載したウォームホイール。 - 前記第二環状凹部の内面を構成する内径側周面に、前記傾斜面部と、前記内側ホイール素子の中心軸に対して傾斜しない非傾斜面部との、双方が設けられている
請求項3〜4のうちの何れか1項に記載したウォームホイール。 - 前記外側ホイール素子の軸方向他側面の径方向内端部に、径方向外側に隣接する部分よりも軸方向他側に張り出した張出部が設けられている
請求項1〜5のうちの何れか1項に記載したウォーム減速機。 - ハウジングと、
前記ハウジングに対し回転自在に支持された回転軸と、
外周面にウォームホイール歯部を有し、前記回転軸に外嵌固定されたウォームホイールと、
外周面の軸方向中間部にウォーム歯部を有し、このウォーム歯部を前記ウォームホイール歯部に噛合させた状態で、前記ハウジングに対し回転自在に支持されたウォーム軸と、を備えたウォーム減速機であって、
前記ウォームホイールが請求項1〜6のうちの何れか1項に記載したウォームホイールである事を特徴とするウォーム減速機。 - 前記ウォームホイールの軸方向他側に隣り合う部分に、内輪と外輪とこれら内輪の外周面と外輪の内周面との間に設けられた複数個の転動体とを備えた、前記回転軸を前記ハウジングに対して回転可能に支持する為の転がり軸受が設置されており、
前記ウォームホイールを構成する前記外側ホイール素子の軸方向他側面は、前記内輪の軸方向片側面及び前記外輪の軸方向片側面と軸方向に対向しており、
前記外側ホイール素子の軸方向他側面と前記内輪の軸方向片側面との間の軸方向距離が、前記外側ホイール素子の軸方向他側面と前記外輪の軸方向片側面との間の軸方向距離よりも小さくなっている
請求項7に記載したウォーム減速機。 - 前記ウォームホイールが、請求項6に記載したウォームホイールであり、
前記張出部の軸方向他側面が、前記内輪の軸方向片側面と軸方向に対向している
請求項8に記載したウォーム減速機。 - 請求項1〜6のうちの何れか1項に記載したウォームホイールの製造方法であって、
前記外側ホイール素子を射出成形により造るのと同時に、この外側ホイール素子を前記内側ホイール素子に対して結合する、インサート成形を実施する際に、前記外側ホイール素子の軸方向他側の径方向内端部にディスクゲートの径方向外端部を位置させる事を特徴とする
ウォームホイールの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017109200A JP2018204660A (ja) | 2017-06-01 | 2017-06-01 | ウォームホイール、ウォーム減速機、及びウォームホイールの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=64956871
Family Applications (1)
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JP2017109200A Pending JP2018204660A (ja) | 2017-06-01 | 2017-06-01 | ウォームホイール、ウォーム減速機、及びウォームホイールの製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2018204660A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021042839A (ja) * | 2019-09-13 | 2021-03-18 | 日本精工株式会社 | ウォームホイールユニット及びその製造方法、ウォーム減速機 |
WO2022009523A1 (ja) * | 2020-07-07 | 2022-01-13 | 日本精工株式会社 | ウォームホイールの製造方法及びウォームホイール |
WO2022264559A1 (ja) * | 2021-06-17 | 2022-12-22 | 株式会社ジェイテクト | 歯車、及びステアリング装置 |
-
2017
- 2017-06-01 JP JP2017109200A patent/JP2018204660A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021042839A (ja) * | 2019-09-13 | 2021-03-18 | 日本精工株式会社 | ウォームホイールユニット及びその製造方法、ウォーム減速機 |
JP7283319B2 (ja) | 2019-09-13 | 2023-05-30 | 日本精工株式会社 | ウォームホイールユニット及びその製造方法、ウォーム減速機 |
WO2022009523A1 (ja) * | 2020-07-07 | 2022-01-13 | 日本精工株式会社 | ウォームホイールの製造方法及びウォームホイール |
JPWO2022009523A1 (ja) * | 2020-07-07 | 2022-01-13 | ||
JP7327673B2 (ja) | 2020-07-07 | 2023-08-16 | 日本精工株式会社 | ウォームホイールの製造方法及びウォームホイール |
WO2022264559A1 (ja) * | 2021-06-17 | 2022-12-22 | 株式会社ジェイテクト | 歯車、及びステアリング装置 |
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