JP2017048920A - ウォームホイール、ウォーム減速機、及び、電動式パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この様な複合型のウォームホイールは、回転軸に外嵌固定される部分を、円輪状のハブにより構成し、ウォームと噛合する部分を合成樹脂製のギヤ部により構成している。この様な複合型のウォームホイールによれば、ギヤ部を合成樹脂製とする事で、ウォームホイールの外周面に歯部を形成する作業が容易になり、加工コストの低減を図れると共に、ウォームホイールとウォームとの噛合部で発生する歯打ち音の低減も図れる。図13は、特許文献1に記載された、複合型のウォームホイール4aを示している。
又、前記ハブの外周面の軸方向両端部に存在する1対の肩部のうち、前記ウォームホイールを所定方向に回転駆動する際に前記ギヤ部に作用する(第一の)噛み合い反力に関して前記ハブの軸方向の分力の作用方向とは反対側に位置する一方の肩部に、1乃至複数の(第一の)溝部を形成している。
更に、該溝部のうち、円周方向に関する位相が前記ギヤ部のうちで前記噛み合い反力が作用する部分と一致する部分の底面を、この噛み合い反力のうち、前記ハブの軸方向及び径方向の分力の合力の作用方向に対し直交する(実質的に直交する場合を含む)方向に傾斜させている。
尚、上記内容は、前記噛み合い反力のうち前記ハブの軸方向及び径方向の分力の合力の作用方向と前記ハブの中心軸との為す角度をθとした場合に、前記溝部の底面(傾斜面部)が、このハブの中心軸に対して90−θ度だけ傾斜している、と表現する事もできる。
或いは、請求項3に記載した発明の様に、前記溝部を、前記ハブの円周方向に連続する状態で形成する事ができる。尚、この場合に、前記一方の肩部に形成する溝部の数は1個となり、この溝部により面取り部が構成される。
又、上述した請求項2に記載した発明の様に、前記溝部を、前記ハブの円周方向に離隔した状態で不連続に形成する場合には、例えば請求項5に記載した発明の様に、該溝部の底面を、例えば円周方向中間部から円周方向両側に向かう程溝深さが浅くなる凹曲面とする事もできる。
又、本発明のウォームホイールを実施する場合には、例えば、前記溝部の底面を平坦面状とする事もできる。
そして、該第二の溝部のうち、円周方向に関する位相が前記ギヤ部のうちで前記第二の噛み合い反力が作用する部分と一致する部分の底面を、この第二の噛み合い反力のうち、前記ハブの軸方向及び径方向の分力の合力の作用方向に対し直交する(実質的に直交する場合を含む)方向に傾斜させる事ができる。
或いは、例えば請求項10に記載した発明の様に、前記第二の溝部を、前記ハブの円周方向に離隔した状態で不連続に形成し、該第二の溝部の底面を、例えば円周方向中間部から円周方向両側に向かう程溝深さが浅くなる凹曲面とする事もできる。
或いは、前記第二の溝部の底面を平坦面状とする事もできる。
特に本発明のウォーム減速機の場合には、前記ウォームホイールを、本発明のウォームホイールとしている。
このうちの回転軸は、ステアリングホイールの操作に基づいて回転し、操舵輪に対し回転量に応じた舵角を付与するものである。
又、前記電動モータは、前記回転軸に補助力を付与する為のものである。
更に、前記ウォーム減速機は、前記電動モータの出力軸と前記回転軸との間に設けられて、該出力軸の回転を該回転軸に伝達するものである。
特に本発明の電動式パワーステアリング装置の場合には、前記ウォーム減速機を、本発明のウォーム減速機としている。
即ち、本発明のウォームホイールの場合には、ハブの外周面の軸方向両端部に設けられた1対の肩部のうち、ウォームホイールを所定方向に回転駆動する際にギヤ部に作用する噛み合い反力に関して前記ハブの軸方向の分力の作用方向とは反対側に位置する一方の肩部に、1乃至複数の溝部を形成し、該溝部の底面を、前記噛み合い反力のうち、前記ハブの軸方向及び径方向の分力の合力の作用方向に対し直交する方向に傾斜させている。
この為、前記ウォームホイールを所定方向に回転駆動する際に前記ギヤ部に作用する、前記噛み合い反力の軸方向及び径方向の分力の合力を、この合力に対し直交する状態で形成された前記溝部の底面によって支承できる。従って、前記ギヤ部に作用する噛み合い反力に基づき、該ギヤ部と前記ハブとが、該ハブの軸方向に相対変位する(ずれ動く)事を効果的に防止できる。又、前記溝部を形成する事で、前記ギヤ部と前記ハブとの接触面積を増やす事ができる為、これらギヤ部とハブとの結合力を向上させる事もできる。
この様に、本発明の場合には、ハブの外周面のうち軸方向端部に存在する肩部に溝部を形成するだけで、ハブとギヤ部との分離防止を効果的に図れる為、前述した従来構造の場合の様に、ハブの外周面全体にローレット加工を形成する場合に比べて、加工コストの低減を図れる。又、前記噛み合い反力を前記溝部の底面によって効果的に支承でき、前記従来構造の場合の様に、ハブの外周面を深く加工しなくて済む為、該ハブの径方向に関する厚さ寸法の増加を抑えられ、重量の増加を抑えられる。
以上の様に、本発明のウォームホイールによれば、加工コスト及び重量の増加を抑制しつつ、ハブとギヤ部との分離防止を効果的に図れる。
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜5を参照しつつ説明する。本例の電動式パワーステアリング装置に組み込むウォーム減速機を構成するウォームホイール4bは、複合型で、ハブ11aと、ギヤ部12aとにより構成されている。
尚、図示の例では、前記ハブ11aの中心軸に対する前記各底面21a、21aの傾斜角度と、前記ハブ11aの中心軸に対する前記各底面21b、21bの傾斜角度とを同じ(およそ40〜45度)としているが、本発明を実施する場合には、これら両傾斜角度を互いに異ならせる(例えば一方を10〜30度、他方を60〜80度などに設定する)事もできる。又、前記ハブ11aの中心軸に対する前記各底面21a、21a及び前記各底面21b、21bの傾斜角度は、40〜45度の範囲に限らず、噛み合い反力に応じて、10〜80度程度としても良い。
即ち、本例のウォームホイール4bの場合には、前記1対の肩部19a、19bのうち、前記ウォームホイール4bを前記所定方向に回転駆動する際に前記ギヤ部12aに作用する噛み合い反力のうち、前記ハブ11aの軸方向の分力(F1x)の作用方向とは反対側に位置する一方の肩部19aに、前記各第一の溝部20a、20aを形成している。そして、該第一の溝部20a、20aの底面21a、21aを、前記噛み合い反力のうち、前記ハブ11aの軸方向の分力(F1x)及び径方向の分力(F1y)の合力(F1xy)の作用方向に対し直交する仮想線L1を母線とし、且つ、前記ハブ11aの中心軸をその中心軸とする仮想円すい筒面上に存在させている。この為、前記ウォームホイール4bを前記ウォーム7aにより前記所定方向に回転駆動する際に前記ギヤ部12aに作用する、前記噛み合い反力の前記合力(F1xy)を、前記各第一の溝部20a、20aのうち、円周方向に関して前記ギヤ部12aと前記ウォーム7aとの噛合部に整合する位置(及びその近傍)に存在する第一の溝部20a、20aの底面21a、21aによって効果的に支承する事ができる。従って、前記ギヤ部12aに作用する噛み合い反力に基づき、該ギヤ部12aと前記ハブ11aとが、該ハブ11aの軸方向に{ギヤ部12aがハブ11aに対して図1、3及び図4の(B)の右側に}相対変位する(ずれ動く)事を効果的に防止できる。
以上の様に、本例のウォームホイール4bによれば、加工コスト及び重量の増加を抑制しつつ、前記ハブ11aと前記ギヤ部12aとの分離防止を効果的に図れる。
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図6を参照しつつ説明する。本例のウォームホイール4cの場合には、ハブ11bの一方の肩部19aに設けられた第一の溝部20a、20aと、該ハブ11bの他方の肩部19bに設けられた第二の溝部20b、20bとを、該ハブ11bの外周面に形成した連続凹溝26により、該ハブ11bの軸方向に連続させている。そして、該連続凹溝26内にも、ギヤ部12bを構成する合成樹脂を入り込ませている。この様に、本例の場合には、前記第二の溝部20a、前記連続凹溝26、前記第二の溝部20bを連続させた状態で、前記合成樹脂を入り込ませている為、前記ギヤ部12bと前記ハブ11bとの結合力を向上させる事ができる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様である。
前述した実施の形態の第1例の変形例である、本発明の実施の形態の第3例に就いて、図7を参照しつつ説明する。前記実施の形態の第1例では、第一の溝部20a及び第二の溝部20bを、部分円すい筒面(略平坦面状)である底面21a、21bと、この底面21a、21bの円周方向両端部から径方向外方に略直角に折れ曲がった、平坦面である1対の側面33、33とから構成していた。これに対し、本例の場合には、ハブ11cの両肩部19a、19bに設ける第一の溝部20c及び第二の溝部20dを、円周方向中央部から円周方向両側に向かう程、前記各肩部19a、19bからの溝深さが浅くなる凹曲面(部分凹円筒面)である底面21c、21dと、この底面21c、21dの円周方向両端部から径方向外方に略直角に折れ曲がった(立ち上がった)、略直角三角形状の平坦面(ハブ11cの中心軸を含む仮想平面上に存在する面)である1対の側面33a、33aとから構成している。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様である。
前述した実施の形態の第3例の変形例(第1例の変形例の2例)である、本発明の実施の形態の第4例に就いて、図8を参照しつつ説明する。前記実施の形態の第3例では、第一の溝部20c及び第二の溝部20dを、凹曲面である底面21c、21dと、この底面21c、21dの円周方向両端部に設けた1対の側面33a、33aとから構成していた。これに対し、本例の場合には、ハブ11dの両肩部19a、19bに設ける第一の溝部20e及び第二の溝部20fを、円周方向中央部から円周方向両側に向かう程、前記各肩部19a、19bからの溝深さが浅くなる凹曲面(部分凹円筒面)である底面21e、21fのみから構成しており、これら各底面21e、21fの円周方向両側に側面を設けていない。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例及び第3例の場合と同様である。
図9に示した、本発明を適用可能なピニオンアシスト式の電動式パワーステアリング装置は、下端部にピニオン軸を結合した入力軸28をハウジング29内に支持しており、このハウジング29の側方に電動モータ5を支持している。そして、該電動モータ5により、図示しないウォーム減速機を介して、前記ピニオン軸に回転方向の補助力を付与する様にしている。そして、このピニオン軸の下端部外周面に設けたピニオンを、ラック30に噛合させて、1対のタイロッド10(図11参照)を、ステアリングホイール1に付与された操作力よりも大きな力で押し引きする。
2 ステアリングシャフト
3 ハウジング
4、4a、4b ウォームホイール
5 電動モータ
6 出力軸
7、7a ウォーム
8 中間シャフト
9 ステアリングギヤユニット
10 タイロッド
11、11a、11b、11c、11d ハブ
12、12a、12b ギヤ部
13、13a 取付孔
14 ローレット部
15 凹部
16、16a ウォームホイール歯
17 出力軸
18 環状凹部
19a、19b 肩部
20a、20c、20e 第一の溝部
20b、20d、20f 第二の溝部
21a、21b、21c、21d、21e、21f 底面
22 抑え部
23 トーションバー
24 ハウジング
25 トルクセンサ
26 連続凹溝
27 底面
28 入力軸
29 ハウジング
30 ラック
31 第二のピニオン軸
32 ハウジング
33、33a 側面
Claims (12)
- 円輪状のハブと、このハブの径方向外端部を覆う状態で設けられた合成樹脂製のギヤ部とを備えたウォームホイールであって、
前記ハブの外周面の軸方向両端部に存在する1対の肩部のうち、前記ウォームホイールを所定方向に回転駆動する際に前記ギヤ部に作用する噛み合い反力に関して前記ハブの軸方向の分力の作用方向とは反対側に位置する一方の肩部に、1乃至複数の溝部が形成されており、
該溝部のうち、円周方向に関する位相が前記ギヤ部のうちで前記噛み合い反力が作用する部分と一致する部分の底面が、この噛み合い反力のうち、前記ハブの軸方向及び径方向の分力の合力の作用方向に対し直交する方向に傾斜している
事を特徴とするウォームホイール。 - 前記溝部が、前記ハブの円周方向に離隔した状態で不連続に形成されている、請求項1に記載したウォームホイール。
- 前記溝部が、前記ハブの円周方向に連続する状態で形成されている、請求項1に記載したウォームホイール。
- 前記溝部の底面が、前記噛み合い反力のうち前記ハブの軸方向及び径方向の分力の合力の作用方向に対し直交する仮想線を母線とし、前記ハブの中心軸をその中心軸とする仮想円すい筒面上に存在している、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したウォームホイール。
- 前記溝部の底面が、円周方向両側に向かう程溝深さが浅くなる凹曲面である、請求項2に記載したウォームホイール。
- 前記1対の肩部のうち、前記ウォームホイールを前記所定方向とは逆方向に回転駆動する際に前記ギヤ部に作用する第二の噛み合い反力に関して前記ハブの軸方向の分力の作用方向とは反対側に位置する他方の肩部に、1乃至複数の第二の溝部が形成されており、
該第二の溝部のうち、円周方向に関する位相が前記ギヤ部のうちで前記第二の噛み合い反力が作用する部分と一致する部分の底面が、この第二の噛み合い反力のうち、前記ハブの軸方向及び径方向の分力の合力の作用方向に対し直交する方向に傾斜している、請求項1〜5のうちの何れか1項に記載したウォームホイール。 - 前記一方の肩部に設けられた溝部と、前記他方の肩部に設けられた第二の溝部とが、それぞれ等ピッチで配置されている、請求項6に記載したウォームホイール。
- 前記一方の肩部に設けられた溝部と、前記他方の肩部に設けられた第二の溝部とが、前記ハブの外周面に形成された連続凹溝により軸方向に連続している、請求項7に記載したウォームホイール。
- 前記第二の溝部の底面が、前記第二の噛み合い反力のうち前記ハブの軸方向及び径方向の分力の合力の作用方向に対し直交する第二の仮想線を母線とし、前記ハブの中心軸をその中心軸とする仮想円すい筒面上に存在している、請求項6〜8のうちの何れか1項に記載したウォームホイール。
- 前記第二の溝部が、前記ハブの円周方向に離隔した状態で形成されており、該第二の溝部の底面が、円周方向両側に向かう程溝深さが浅くなる凹曲面である、請求項6〜8のうちの何れか1項に記載したウォームホイール。
- ウォームとウォームホイールとを互いに噛合させて成るウォーム減速機に於いて、
該ウォームホイールが、請求項1〜10のうちの何れか1項に記載したウォームホイールである事を特徴とするウォーム減速機。 - ステアリングホイールの操作に基づいて回転し、操舵輪に対し回転量に応じた舵角を付与する回転軸と、該回転軸に補助力を付与する為の電動モータと、該電動モータの出力軸と前記回転軸との間に設けられて、該出力軸の回転を前記回転軸に伝達するウォーム減速機とを備えた電動式パワーステアリング装置に於いて、
該ウォーム減速機が、請求項11に記載したウォーム減速機である事を特徴とする電動式パワーステアリング装置。
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Cited By (1)
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JP2019195937A (ja) * | 2018-05-09 | 2019-11-14 | キヤノン株式会社 | 歯車、歯車の製造方法、および歯車の製造に用いる射出成形金型 |
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2016
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019195937A (ja) * | 2018-05-09 | 2019-11-14 | キヤノン株式会社 | 歯車、歯車の製造方法、および歯車の製造に用いる射出成形金型 |
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