JP2018203567A - 光ファイバ母材の製造装置および光ファイバ母材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光ファイバ母材の製造装置の排気ダクトの腐食を防止する。【解決手段】光ファイバ母材Mの製造装置1Aは、反応容器10と、反応容器内に設置されたバーナ11と、反応容器に接続された排気ダクト16と、排気ダクト内に冷却用ガスを給気する給気ダクト15と、排気ダクトのうち、反応容器内から排出された排気ガスEと冷却用ガスSとの合流部Cにおける内面の温度が40℃以上となるように、排気ダクトの温度を調整する温調部17と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバ母材の製造装置および光ファイバ母材の製造方法に関する。
光ファイバ母材を製造する方法として、VAD法やOVD法などのスート法が広く用いられている。これらのスート法に用いられる製造装置として、下記特許文献1では、反応容器と、反応容器内に設置されたバーナと、反応容器に接続された排気ダクトと、を備えた構成を開示している。バーナは、ガラス原料ガスや酸素ガス、水素ガスなどを噴射してガラス微粒子を生成し、このガラス微粒子を、反応容器内で回転するターゲットに付着させる。ターゲットに付着しなかったガラス微粒子は、排気ガスとともに、排気ダクトを通じて排出される。
また、この特許文献1では、反応容器には金属製の排気ダクトを接続し、この金属製の排気ダクトの下流側に樹脂を含む排気ダクトを接続し、さらに冷却用ガスを給気する給気ダクトを金属製の排気ダクトに接続する構成を開示している。このように、樹脂を含む排気ダクトを用いることで装置のコストダウンを図ることができる。また、樹脂を含む排気ダクトは、金属製の排気ダクトよりも耐熱温度が低いが、冷却用ガスによって、樹脂を含む排気ダクトの耐熱温度以下まで排気ガスを冷却することができる。
特開2005−162573号公報
ところで、このようなスート法では、反応容器内で、ガラス微粒子とともに塩化水素が生成される。冷却用ガスを排気ダクト内に給気すると、排気ダクトが局所的に冷却され、排気ダクトの内面で塩化水素および水分を含んだガスが冷却されて結露し、塩酸が生成されてしまう場合がある。特に、反応容器近傍の排気ダクトは、耐熱性が要求されるため金属製である場合が多く、塩酸によって腐食してしまうおそれがある。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、光ファイバ母材の製造装置の排気ダクトの腐食を防止することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1態様に係る光ファイバ母材の製造装置は、反応容器と、前記反応容器内に設置されたバーナと、前記反応容器に接続された排気ダクトと、前記排気ダクト内に冷却用ガスを給気する給気ダクトと、前記排気ダクトのうち、前記反応容器内から排出された排気ガスと前記冷却用ガスとの合流部における内面の温度が40℃以上となるように、前記排気ダクトの温度を調整する温調部と、を備える。
上記態様に係る光ファイバ母材の製造装置によれば、排気ガスと冷却用ガスとの合流部における内面の温度が40℃以上となるように、温調部が排気ダクトの温度を調整する。これにより、排気ダクトが冷却用ガスによって冷却され局所的に低温になることを防ぎ、排気ガスに含まれる塩化水素および水分が、合流部の内面で結露して塩酸が生成されてしまうのを抑えることができる。従って、排気ダクトが金属製であったとしても、塩酸による排気ダクトの腐食を防止することができる。
また、前記排気ダクトは、前記反応容器に接続された金属製の上流側排気ダクトと、前記上流側排気ダクトの下流側に接続された、樹脂を含む下流側排気ダクトと、を含んでいてもよい。
この場合、反応容器に接続されているために高温となる上流側排気ダクトの耐熱性を確保しつつ、樹脂を含む下流側排気ダクトを用いることで、排気ダクト全体の軽量化およびコストダウンを図ることができる。
また、前記温調部は、前記排気ダクトのうち、少なくとも前記給気ダクトが開口する開口部に設けられていてもよい。
この場合、排気ダクトのうち特に低温となりやすい給気ダクトの開口部に温調部を設けることで、塩酸の生成をより効果的に防ぐことができる。
また、前記温調部は、断熱部材、加熱部材、およびヒートパイプのうち少なくとも一つを有していてもよい。
温調部として断熱部材を用いた場合には、排気ダクトのうち高温になっている部分の熱を合流部に伝えて、この合流部を簡易的に温めることができる。さらに、断熱部材によって合流部を保温することで、例えば外気によって排気ダクトが冷却されることも防止することができる。
温調部として加熱部材を用いた場合には、この加熱部材によって、合流部を確実に温めることができる。
温調部としてヒートパイプを用いた場合には、ヒートパイプの蒸発部を排気ダクトのうち高温となる反応容器側に位置させ、ヒートパイプの凝縮部を合流部の近傍に位置させることで、反応容器で生じた熱を合流部に効率よく伝えて、合流部を温めることができる。
また、上記課題を解決するために、本発明の第2態様に係る光ファイバ母材の製造装置は、反応容器と、前記反応容器内に設置されたバーナと、前記反応容器に接続された排気ダクトと、前記排気ダクトの内面における最も低い温度が40℃以上となるように前記排気ダクトの温度を調整する温調部と、を備えている。
上記態様の光ファイバ母材の製造装置によれば、排気ダクトの内面における最も低い温度を40℃以上とすることで、排気ダクト内で塩酸が生成されて、排気ダクトが腐食してしまうのを防止することができる。
また、上記光ファイバ母材の製造装置を用いて光ファイバ母材を製造することで、例えば排気ダクトが塩酸によって腐食することで不純物が反応容器内に入り込むのを防ぎ、高品質な光ファイバ母材を製造することができる。
本発明の上記態様によれば、光ファイバ母材の製造装置の排気ダクトの腐食を防止することができる。
第1実施形態に係る光ファイバ母材の製造装置の概略構成図である。 第2実施形態に係る光ファイバ母材の製造装置の概略構成図である。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係る光ファイバ母材の製造装置の構成を、図1を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため縮尺を適宜変更している。
図1に示すように、本実施形態の光ファイバ母材の製造装置(以下、単に製造装置1Aという)は、VAD法によって光ファイバ母材を製造するものである。
製造装置1Aは、反応容器10と、コア用バーナ11と、クラッド用バーナ12と、連結ダクト13、14と、給気ダクト15と、排気ダクト16と、温調部(temperature keeping portion)17と、を備えている。
(反応容器)
反応容器10内には、反応容器10の外部から石英ガラスロッドRが導入されている。石英ガラスロッドRは、反応容器10内で回転させられる。
コア用バーナ11およびクラッド用バーナ12は、反応容器10内に設置されている。これらのバーナ11、12は、SiClガス、GeClガス、Oガス、Hガス、不活性ガスなどを、回転する石英ガラスロッドRに向けて吹き付ける。
製造装置1AはVAD法を採用しており、反応容器10内では、下記数式(1)に示す火炎加水分解反応が生じる。
SiCl + 2HO →SiO +4HCl …(1)
すなわち、反応容器10内では、ガラス微粒子(SiO)とともに塩化水素(HCl)が生成される。
生成されたガラス微粒子が石英ガラスロッドRに付着して堆積することで、スートが形成される。なお、各バーナ11、12とスートとの距離を一定に保つため、石英ガラスロッドRは、スートの形成に伴って上方に引き上げられる。
このようにして、石英ガラスロッドRの周囲にスートを堆積させ、これを焼結してガラス化させることで、光ファイバ母材Mが製造される。
また、この光ファイバ母材Mを溶融させて線引きすることで、光ファイバが製造される。
連結ダクト13、14は、反応容器10に接続されている。連結ダクト13、14は、反応容器10と排気ダクト16とを連結する。連結ダクト13、14のうち、給気ダクト15に近い連結ダクト13には、第1温度センサS1が設けられている。第1温度センサS1は、反応容器10から排出される排気ガスEの温度を測定することができる。
(排気ダクト)
排気ダクト16は、反応容器10に接続された金属製の上流側排気ダクト16aと、上流側排気ダクト16aの下流側に接続された、樹脂を含む下流側排気ダクト16bと、を含んでいる。
上流側排気ダクト16aは、連結ダクト13、14を介して、反応容器10に接続されている。上流側排気ダクト16aは、耐熱性が要求されるため、金属によって形成されている。上流側排気ダクト16aに用いられる金属としては、アルミニウム、チタンなどを採用することができる。
下流側排気ダクト16bは、上流側排気ダクト16aの下流側に接続されている。下流側排気ダクト16b内は負圧となっている。このため、反応容器10内の排気ガスEは、連結ダクト13、14および上流側排気ダクト16aを通じて、下流側排気ダクト16b内へと吸引される。なお、排気ガスEは、下流側排気ダクト26bの下流側に設けられた排ガス処理装置(不図示)に導入され、除塵・除害処理された後に放出される。
下流側排気ダクト16bは、フッ素系樹脂、塩化ビニル樹脂、FRP(繊維強化プラスチック)などの樹脂を含む材料によって形成されている。このため、下流側排気ダクト16bは、金属製の上流側排気ダクト16aと比較して、酸性の液体などによる腐食には強いが、耐熱温度は低い。また、下流側排気ダクト16bは樹脂を含んでいるため、金属製の上流側排気ダクト16aと比較して軽量かつ安価である。
上記したように、下流側排気ダクト16bは耐熱温度が比較的低い。そこで、上流側排気ダクト16aには、この上流側排気ダクト16a内に冷却用ガスSを給気する給気ダクト15が接続されている。給気ダクト15は、上流側排気ダクト16a内に開口している。以下、上流側排気ダクト16aのうち、給気ダクト15が開口する部分を開口部15aという。排気ダクト16の外面のうち、開口部15aの近傍には、第2温度センサS2が設けられている。第2温度センサS2は、排気ダクト16の外面の温度を測定することができる。なお、排気ダクト16の内面の温度は、排気ダクト16の外面の温度から算出することができる。
給気ダクト15が上流側排気ダクト16a内に給気する冷却用ガスSは、常温の空気であってもよいし、その他の気体であってもよい。給気ダクト15が冷却用ガスSを上流側排気ダクト16a内に給気することで、反応容器10から排出された高温の排気ガスEが冷却される。これにより、下流側排気ダクト16bに到達する排気ガスEの温度を、下流側排気ダクト16bの耐熱温度以下とすることができる。
ところで、上流側排気ダクト16aのうち、排気ガスEと冷却用ガスSとの合流部Cは、冷却用ガスSによって局所的に冷やされることになる。このように、上流側排気ダクト16aが局所的に冷やされると、上流側排気ダクト16a内の水分および塩化水素(数式(1)参照)を含むガスが凝縮し、塩酸として付着(結露)してしまう場合がある。特に、上流側排気ダクト16aのうち、給気ダクト15からの冷却用ガスが流入する開口部15aおよび合流部Cは低温になりやすく、塩酸が結露しやすい。上流側排気ダクト16aは先述の通り、耐熱性を確保するために金属で形成されているため、塩酸によって腐食してしまうおそれがある。
このような腐食を防ぐためには、金属製である上流側排気ダクト16a内を、塩酸が結露しない温度に調整することが有効である。塩酸の沸点はその濃度に依存するが、例えば濃度38%で48℃である。また、塩酸の濃度が高くなると、その沸点は低下する。これらのことを考慮して、上流側排気ダクト16a内を、塩酸が揮発しやすい温度(例えば40℃以上)に調整することが望ましい。
(温調部)
そこで本実施形態の製造装置1Aは、上流側排気ダクト16aのうち、反応容器10内から排出された排気ガスEと、給気ダクト15から給気された冷却用ガスSと、の合流部Cにおける温度を調節する温調部17を備えている。温調部17は、上流側排気ダクト16aのうち、少なくとも開口部Cの外表面に設けられている。温調部17としては、シリコンスポンジなどの断熱部材、電気ヒータなどの加熱部材、若しくはヒートパイプなどの熱輸送部材を用いることができる。なお、ヒートパイプとは、作動流体と、作動流体に毛管力を発生させるウイックと、をコンテナ内に封入したものであり、作動流体の相転移を利用して熱を輸送するものである。
温調部17として断熱部材を用いた場合には、上流側排気ダクト16aのうち高温になっている部分の熱を合流部Cに伝えて、この合流部Cを簡易的に温めることができる。さらに、断熱部材によって合流部Cを保温することで、例えば外気によって合流部Cが冷却されることも防止することができる。
温調部17として加熱部材を用いた場合には、この加熱部材によって、合流部Cを確実に温めることができる。
温調部17としてヒートパイプを用いる場合には、例えばヒートパイプの蒸発部を上流側排気ダクト16aのうち高温となる反応容器10側に位置させ、ヒートパイプの凝縮部を合流部Cの近傍に位置させるとよい。これにより、反応容器10で生じた熱を合流部Cに効率よく伝えて、合流部Cを温めることができる。
なお、温調部17として、断熱材、加熱部材、およびヒートパイプを組み合わせて用いてもよい。例えば排気ダクト16の外側に加熱部材を取り付けて、この加熱部材ごと排気ダクト16を断熱部材で覆うことで温調部17を構成した場合には、加熱部材による熱を断熱部材で閉じ込めることにより、合流部Cをさらに効率よく温めることができる。同様に、ヒートパイプと断熱部材とを組み合わせてもよい。
このように、温調部17は、上流側排気ダクト16aを加熱若しくは保温し、合流部Cの内面で結露が発生してしまうのを抑える役割を果たす。これにより、塩化水素および水分を含む排気ガスEが凝縮して塩酸が生成され、上流側排気ダクト16aが腐食してしまうのを抑えることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態の製造装置は、光ファイバ母材をOVD法(外付け法)によって製造する点が、第1実施形態と異なる。
図2に示すように、本実施形態の光ファイバ母材の製造装置(以下、単に製造装置1Bという)は、OVD法によって光ファイバ母材を製造するものである。
製造装置1Bは、反応容器20と、バーナ21と、連結ダクト22〜24と、給気ダクト25と、排気ダクト26と、温調部27と、を備えている。
反応容器20内には、石英ガラスロッドRが配置されている。石英ガラスロッドRは、反応容器20内で回転させられる。
バーナ21は、反応容器20内に設置されている。バーナ21は、SiClガス、GeClガス、Oガス、Hガス、不活性ガスなどを石英ガラスロッドRに吹き付けながら、石英ガラスロッドRの長手方向に沿って往復運動する。
製造装置1BはOVD法を採用しており、反応容器20内では、第1実施形態で示した数式(1)と同様の火炎加水分解反応が生じる。すなわち、反応容器20内では、ガラス微粒子(SiO)とともに塩化水素(HCl)が生成される。
生成したガラス微粒子が石英ガラスロッドRに付着して堆積することで、スートが形成される。これを焼結させてガラス化することで光ファイバ母材が製造され、光ファイバ母材を溶融させて線引きすることで光ファイバが製造される。
連結ダクト22〜24は、反応容器20に接続されている。連結ダクト22〜24は、反応容器20と排気ダクト26とを連結する。
排気ダクト26は、反応容器20に接続された金属製の上流側排気ダクト26aと、上流側排気ダクト26aの下流側に接続された、樹脂を含む下流側排気ダクト26bと、を含んでいる。
上流側排気ダクト26aは、連結ダクト22〜24を介して、反応容器20に接続されている。上流側排気ダクト26aは、耐熱性が要求されるため、金属によって形成されている。上流側排気ダクト26aに用いられる金属としては、アルミニウム、チタンなどを採用することができる。
下流側排気ダクト26bは、上流側排気ダクト26aの下流側に接続されている。下流側排気ダクト26bは、フッ素系樹脂、塩化ビニル樹脂、FRP(繊維強化プラスチック)などの樹脂を含む材料によって形成されている。このため、下流側排気ダクト26bは、金属製の上流側排気ダクト26aと比較して、酸性の液体などによる腐食には強いが、耐熱温度は低い。
下流側排気ダクト26b内は負圧となっている。このため、反応容器20内の排気ガスEは、連結ダクト22〜24および上流側排気ダクト26aを通じて、下流側排気ダクト26b内へと吸引される。なお、排気ガスEは、下流側排気ダクト26bの下流側に設けられた排ガス処理装置(不図示)に導入され、除塵・除害処理された後に放出される。
上流側排気ダクト26aには、この上流側排気ダクト26a内に冷却用ガスSを給気する給気ダクト25が接続されている。給気ダクト25は、上流側排気ダクト26a内に開口している。以下、上流側排気ダクト26aのうち、給気ダクト25に接続された部分を開口部25aという。
給気ダクト25が上流側排気ダクト26a内に給気する冷却用ガスSは、常温の空気であってもよいし、その他の気体であってもよい。給気ダクト25が冷却用ガスSを上流側排気ダクト26a内に給気することで、反応容器20から排出された高温の排気ガスEが冷却される。これにより、下流側排気ダクト26bに到達する排気ガスEの温度を、下流側排気ダクト26bの耐熱温度以下とすることができる。
温調部27は、上流側排気ダクト26aのうち、排気ガスEと冷却用ガスSとの合流部Cを覆っており、塩酸が結露しないように、この合流部Cの温度を調整する。温調部27としては、シリコンスポンジなどの断熱部材、電気ヒータなどの加熱部材、若しくはヒートパイプなどの熱輸送部材を用いることができる。また、これらの部材を組み合わせて、温調部27を構成してもよい。
以上説明した第2実施形態の構成でも、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
以下、具体的な実施例を用いて、上記実施形態を説明する。なお、以下の実施例は本発明を限定するものではない。
本実施例では、図1に示すような製造装置1Aによって光ファイバ母材Mを製造した際の、温調部17による塩酸の結露防止効果を確認した。この結果を、下記表1に示す。
Figure 2018203567
表1の「排気ガス温度」は、図1の連結ダクト13に設けられた温度センサS1の検出結果に基づいて得られた、反応容器10から排出された排気ガスEの温度である。本実施例では、この排気ガス温度は60℃若しくは150℃となった。
表1の「ダクト表面温度」は、温度センサS2による、上流側排気ダクト16aと給気ダクト15との接続部の、外面における温度の測定結果である。本実施例では、このダクト表面温度は、18℃〜95℃の範囲となった。
表1の「ダクト内面温度(計算値)」は、上記「ダクト表面温度」の数値に基づいて算出した、開口部15aの内面の温度である。本実施例では、この計算値は、20℃〜100℃の範囲となった。
表1の「温調部の構成」は、温調部17の構成を示している。例えば実施例1では、温調部17として断熱材(シリコンスポンジ)とヒータとを組み合わせて用いている。また、比較例1〜3では、温調部17を設けなかった。
表1の「排気ダクト内部の結露」は、光ファイバ母材Mを製造後、上流側排気ダクト16aの内面に、塩酸が結露していたか否かを示している。
(比較例)
表1に示すように、温調部17を設けなかった比較例1〜3では、ダクト内面温度が20℃〜30℃の範囲となった。また、上流側排気ダクト16aの内面に塩酸の結露が確認された。これは、上流側排気ダクト16aの合流部Cが冷却用ガスSによって局所的に冷やされ、排気ガスE内に含まれる水分と塩化水素とが凝縮することで、塩酸が生成されてしまったと考えられる。
(実施例)
一方、温調部17を設けた実施例1〜5では、ダクト内面温度が40℃〜100℃の範囲となった。また、排気ダクト内部に塩酸の結露が確認されなかった。これは、上流側排気ダクト16aの合流部Cの内面が、冷却用ガスSによって局所的に低温となってしまうのを、温調部17が抑止したことによる。つまり、合流部Cの内面の温度が、塩化水素および水素を含むガスが凝縮する温度以上となったことで、塩酸の結露を防止することができた。
以上説明したように、比較例1〜3と実施例1〜5との対比から、合流部Cの内面を40℃以上とすることで、塩酸の結露および上流側排気ダクト16aの腐食を防止可能であることが判る。
また、上記実施例では、上流側排気ダクト16aのうち、特に給気ダクト15の開口部15aが局所的に低温となりやすい。従って、少なくともこの開口部15aに温調部17を設けることで、塩酸の生成をより効果的に防止することができる。
また、上記実施例では、塩化水素を含む排気ガスEが存在する部分のうち、開口部15aが最も低温となりやすかった。しかしながら、製造装置1Aの構成によっては、製造装置1Aの開口部15a以外の部分が低温となることも考えられる。このことを考慮すると、製造装置1Aのうち、金属製の排気ダクトの内面における最も低い温度が40℃以上となるように温調部17を設けるとよい。この点は、製造装置1Bについても同様である。
また、上記したいずれかの製造装置を用いて光ファイバ母材Mを製造することで、例えば排気ダクトが腐食することで不純物が反応容器内に入り込むのを防ぎ、高品質な光ファイバ母材を製造することができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、VAD法若しくはOVD法によって光ファイバ母材Mを製造する製造装置1A、1Bについて説明したが、本発明は他の製法を採用した製造装置についても同様に適用することができる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
1A、1B…光ファイバ母材の製造装置 10、20…反応容器 11…コア用バーナ 12…クラッド用バーナ 13、14…連結ダクト 15…給気ダクト 16…排気ダクト 16a…上流側排気ダクト 16b…下流側排気ダクト 17…温調部 22〜24…連結ダクト 25…給気ダクト 25a…開口部 26…排気ダクト 26a…上流側排気ダクト 26b…下流側排気ダクト 27…温調部 C…合流部 E…排気ガス M…光ファイバ母材 S…冷却用ガス

Claims (7)

  1. 反応容器と、
    前記反応容器内に設置されたバーナと、
    前記反応容器に接続された排気ダクトと、
    前記排気ダクト内に冷却用ガスを給気する給気ダクトと、
    前記排気ダクトのうち、前記反応容器内から排出された排気ガスと前記冷却用ガスとの合流部における内面の温度が40℃以上となるように、前記排気ダクトの温度を調整する温調部と、
    を備える、光ファイバ母材の製造装置。
  2. 前記排気ダクトは、
    前記反応容器に接続された金属製の上流側排気ダクトと、
    前記上流側排気ダクトの下流側に接続された、樹脂を含む下流側排気ダクトと、
    を含む、請求項1に記載の光ファイバ母材の製造装置。
  3. 前記温調部は、前記排気ダクトのうち、少なくとも前記給気ダクトが開口する開口部に設けられている、請求項1または2に記載の光ファイバ母材の製造装置。
  4. 前記温調部は、断熱部材、加熱部材、およびヒートパイプのうち少なくとも一つを有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の光ファイバ母材の製造装置。
  5. 前記温調部は、加熱部材を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の光ファイバ母材の製造装置。
  6. 反応容器と、
    前記反応容器内に設置されたバーナと、
    前記反応容器に接続された排気ダクトと、
    前記排気ダクトの内面における最も低い温度が40℃以上となるように前記排気ダクトの温度を調整する温調部と、
    を備える、光ファイバ母材の製造装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の光ファイバ母材の製造装置を用いて、光ファイバ母材を製造する、光ファイバ母材の製造方法。
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