JP2018203092A - 手押し車および手押し車に用いる前輪持ち上げユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】歩行車100は、左右一対の前輪220および後輪230を有する歩行車本体200と、歩行車本体200の前輪220を電動で持ち上げるための前輪持ち上げ機構300とを備える。前輪持ち上げ機構300は、単一のアタッチメント部材、接地体、電動昇降部および電装箱を備え、接地体を支持するとともに、接地体を、地面から離間している離間位置と、地面から受ける反力により前輪220を押し上げるように接地している接地位置との間で上下方向に直線的に移動させる。
【選択図】図1
Description
このような構成であれば前輪フレームを有するタイプの手押し車であれば、本発明に係る前輪持ち上げ機構を容易に取り付けることができ、使用者が既に所有している手押し車や、既製の手押し車に容易に取り付けることができる。
このような構成であれば、前輪持ち上げ機構は単一のアタッチメント部材により左右一対の前輪フレームに取り付けられるので、左右の前輪フレームを介して左右の前輪をバランスよく持ち上げることができる。また、単一のアタッチメント部材により取り付けることができるので、取付け作業を容易にできる。さらには取付けのための部品数を削減できるので、コストを削減できる。
このような構成であれば、接地体を離間位置と接地位置との間で移動することができるので、段差を乗り越える必要があるときのみ、接地体を離間位置から接地位置に移動させて段差を乗り越させることができる。
このような構成であれば、前輪持ち上げ時の力点である接地体の接地位置が、支点である後輪から遠くなるため、電動昇降部はより小さな力で前輪を押し上げることができる。そのため、電動昇降部の駆動力を小さくすることができるので、製造コストを削減できる。また、持ち上げ時に電動昇降部全体にかかる応力が小さくなるので、耐久性が向上する。なお、“手押し車の前輪よりも前方に位置している”とは、手押し車が真っすぐ前進できる状態において、その前輪の最も前方の部分よりも前方に位置することを意味する。
このようなものであれば、転動体が回転自在であるため、転動体が接地位置にある場合には、前輪を持ち上げた状態で手押し車を前方に押すことで、転動体および後輪が転がり、持ち上げられた前輪をより容易に段差の上に移動させることができる。
複数の電動昇降部を有する場合には、当該複数の電動昇降部の動作を同期させる必要があり、制御が複雑になり製造コストが増加する。一方、電動昇降部を一つのみ有する構成とすることで、制御を容易にすることができ、製造コストを低減することができる。
以下、各構成部材について説明する。
歩行車本体200は、骨格を形成する本体フレーム210と、本体フレーム210の端部に取り付けられた左右一対の前輪220、後輪230およびハンドル240を有する。
図2は、歩行車本体200の側面図を示す。使用者は左右一対のハンドル240を握ることで、自身の体重の一部を歩行車本体200に分散させることができる。そしてハンドル240を前方に押すことにより前輪220および後輪230を回転させ、歩行車本体200によって自身の体を支えながら、歩行車100を前方に進めることができる。
前輪持ち上げ機構300は、上述した歩行車本体200の後輪230が接地している状態で前輪220を電動で持ち上げる(すなわち、地面から離間させる)ものである。図1および図2に示すように、前輪持ち上げ機構300は、歩行車本体200の前輪フレーム212に固定されている。
図5は、アタッチメント部材310の、前輪フレーム212への取付け構造を示す図である。図5に示すように、前輪220のネジ222を、第1要素部312の下面側から貫通孔316に通し、第1要素部312の上面側から突出した当該ネジに前輪フレーム212のネジ穴212aを嵌め込むことにより、前輪220と前輪フレーム212との間に第1要素部312を固定することができる。本実施形態の前輪持ち上げ機構300は、このような貫通孔316を設けたアタッチメント部材310を有することで、前輪フレーム212に着脱可能に取り付けられることができる。
図6は、電動昇降部330の側面図であり、接地体320の移動前および移動後の状態を示す図である。電動昇降部330により、接地体320は、離間位置P(図6(a))と、接地位置Q(図6(b))との間を移動することができる。本実施形態の接地体320は、接地位置Qにある時に前輪220よりも前方に位置するように構成されている。
なお、本実施形態では、接地位置Qにある接地体320が、左右一対の前輪220からの等しい距離になるように構成されている。これにより、左右の前輪220をバランスよく持ち上げることができる。
次に、電動昇降部330の構成について説明する。
ハウジング332は、上下方向に延びた略直方体形状のものであり、スライド部材334、モータ336および回転−直動変換機構338を内部に収納するものである。本実施形態のハウジング332は、アタッチメント部材310に設けた一対の貫通孔316からの距離が等しくなり、かつ左右一対の前輪220から距離が等しくなるように第2要素部314に接合されている。
図6に示すように、接地体320が離間位置Pにある時、スライド部材334の大半はハウジング332の内部に格納されている。スライド部材334が、ハウジング332から突出するように下方向にスライド移動することで、接地体320は離間位置Pから接地位置Qまで移動する。
図7に示すように、ハウジング332内において、スライド部材334は、モータ336に連結する回転−直動変換機構338に取り付けられている。
モータ336は、回転−直動変換機構338に回転駆動力を与える電動機であり、正逆回転可能なものである。回転−直動変換機構338は、モータ336の回転駆動力を、上下方向の直動駆動力に変換するものである。具体的には、図7に示すように、カップリング337を介してモータ336の回転軸336aに連結されているネジ軸338aと、ネジ軸338aに取り付けられ、ネジ軸338aの延伸方向に移動可能なスライドブロック338bとを具備するものである。スライドブロック338bは、スライド部材334に接合されており、これにより、スライドブロック338bの移動に合わせてスライド部材334を移動させることができる。
なお、電装箱340の一面(例えば上面)には、制御基板とバッテリとを通電するための電源スイッチ342が設けられている。
また電装箱340は、その外周面の一部が、第1要素部312および第2要素部314に密着するようにアタッチメント部材310に取り付けられている。本実施形態では、底面が第1要素部312に密着し、側面が第2要素部314に密着するようにアタッチメント部材310に取り付けられている。このようなものであれば、アタッチメント部材310に対して、電装箱340を強固に取り付けることができるので、歩行車100が障害物に衝突した際に、アタッチメント部材310から電装箱340が脱落することを防止できる。
次に、図8を参照して、上述した本実施形態の歩行車100が、段差を乗り越える動作を説明する。
このように構成された本実施形態に係る歩行車100によれば、前輪持ち上げ機構によって電動で前輪を持ち上げることができるので、使用者は、手動によりハンドルを押し下げて前輪を持ち上げる動作を行うことなく前輪を容易に段差の上に移動させることができる。そして手動によりハンドルを引き上げて後輪を段差の上に移動させることで歩行車を、容易に段差を乗り越えさせることができる。
なお本発明は、上述した実施形態に限られるものではない。
なおこの実施形態においては、接地体420は、滑り止め機能を有する部材であることが好ましい。例えば、裏面に凸凹形状が施された、滑り止め機能を有する脚ゴムなどの部材であることが好ましい。このようなものであれば、接地体420が地面に接した際に、地面との間の高い摩擦力を有することができる。そのため、この状態で電動昇降部430による回転駆動力が働くと、接地体420は、水平方向に大きくずれることなく回転支点として働き、電動昇降部430、アタッチメント部材410、前輪フレーム212および前輪220をより容易に回転移動させることができ、前方かつ上方により容易に持ち上げることができる。
このような形態であれば、操作ボタンを少なくできるので、段差を乗り越えるための操作スイッチ350の操作をより容易にすることができる。
このようなものであれば、段差を乗り越える際に、使用者が操作スイッチ350を操作する動作を省略することができ、歩行車100の利便性を向上することができる。また、段差を乗り越える際に使用者は手元を気にする必要がないので、段差に躓く等によりバランスを崩して転倒するリスクを低減することができる。
段差検知手段の態様としては、レーザー距離計、音波距離計又はステレオカメラ等を利用した非接触型のものであってよい。段差検知手段はまた、先端に接触センサを有し、段差に物理的に接触することにより段差を検出することができる接触型のものであってもよい。
なお段差検知手段は、前輪220と段差との間の距離を測距できるように構成されていてもよい。このような場合、歩行車100を押し進めて、前輪220と段差との間の距離が予め設定した所定の値以下になった時に、制御基板がモータ336を正転させて、接地体320を接地位置Qに自動的に移動させるように構成してもよい。
またこのような実施形態においては、前輪持ち上げ機構300は後輪フレーム214に取り付けられるものであってもよい。このような形態であっても、接地位置Qにある接地体320が、歩行車100の重心よりも前方に位置するものであれば、前輪220を持ち上げることができ、歩行車100を前方に押し進めて、前輪220を段差の上に移動させることができる。
なお、前輪持ち上げ機構300は、歩行車本体200が有する2つの前輪220が360°旋回した場合であっても、電動昇降部330および転動体320と、前輪220とが接触しないように構成されていることが好ましい。
このような形態であれば、左右の前輪フレーム212の間の距離が異なる様々な歩行車に対して、前輪持ち上げ機構300を取り付けることができる。そのため、使用者が既に所有している歩行車や、既製の歩行車により容易に取り付けることができる。
このような形態であれば、アタッチメント部材310の長手方向の長さを調節することで、左右の前輪フレーム212の間の距離が異なる様々な歩行車に対して、前輪持ち上げ機構300を取り付けることができる。そのため、使用者が既に所有している歩行車や、既製の歩行車により容易に取り付けることができる。
このような固定部材を有していれば、歩行車本体200を分解することなく、前輪持ち上げ機構300を取り付けることができるので、取付け作業が容易になる。
また、接地体320は、回転軸を有する車輪ではなく、自由に回転可能なボールであってもよい。
200:歩行車本体
210:本体フレーム
212:前輪フレーム
212a:ネジ穴
214:後輪フレーム
216:連結フレーム
220:前輪
222:ネジ
230:後輪
240:ハンドル
300:前輪持ち上げ機構
310:アタッチメント部材
312:第1要素部
314:第2要素部
316:貫通孔
320:接地体
330:電動昇降部
332:ハウジング
334:スライド部材
336:モータ
336:回転軸
337:カップリング
338:回転−直動変換機構
338a:ネジ軸
338b:スライドブロック
340:電装箱
342:電源スイッチ
350:操作スイッチ
410:アタッチメント部材
420:接地体
430:電動昇降部
432:回転軸
434:回転部材
436:アーム部材
Claims (8)
- 前輪および後輪を有し、押して使用される手押し車であって、
前記後輪が接地している状態で前記前輪を電動で持ち上げる前輪持ち上げ機構を有することを特徴とする手押し車。 - 前記前輪を支持する前輪フレームを更に有し、
前記前輪持ち上げ機構は前記前輪フレームに着脱可能に固定されている請求項1記載の手押し車。 - 左右一対の前輪と、前記一対の前輪のそれぞれを支持する左右一対の前輪フレームを有し、
前記前輪持ち上げ機構は、前記一対の前輪フレームにかけ渡されて固定される単一のアタッチメント部材を有する請求項2記載の手押し車。 - 前記前輪持ち上げ機構は、
接地体と、
前記接地体を支持し、前記接地体を上下方向に移動させる電動昇降部とを有し、
前記電動昇降部は、前記接地体を、地面から離間している離間位置と、地面から受ける反力により前記前輪を押し上げるように接地している接地位置との間で移動させるものである請求項1〜3のいずれか1項記載の手押し車。 - 前記接地位置にある前記接地体は、前記手押し車の前輪よりも前方に位置している請求項4記載の手押し車。
- 前記接地体は回転自在な転動体である、請求項4または5記載の手押し車。
- 前記前輪持ち上げ機構は、前記電動昇降部を一つのみ有する請求項4〜6のいずれか1項記載の手押し車。
- 前輪および後輪を有し、押して使用される手押し車に着脱可能に取付けられるものであって、
前記後輪が接地している状態で前記前輪を電動で持ち上げることを特徴とする前輪持ち上げユニット。
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JP2017111597A JP2018203092A (ja) | 2017-06-06 | 2017-06-06 | 手押し車および手押し車に用いる前輪持ち上げユニット |
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