JP2018203038A - 鞍乗型車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンからライダーに伝達される振動を低減することを可能にする鞍乗型車両を提供する。
【解決手段】スイングアーム6がエンジン5から後方に延び、一対のサイドケースがスイングアーム6の左方および右方に配置される。スイングアーム6は、単一のリアショックアブソーバ7により車体フレーム3に支持される。複数の振動吸収支持部材90A,90Bによりエンジン5が車体フレーム3に支持される。各振動吸収支持部材90A,90Bは、外筒と内筒との間にラバー部材が配置される構造を有する。エンジン5はエンジン支持軸291,292を用いて内筒に取り付けられ、車体フレーム3はエンジンブラケット210,220を用いて外筒91に取り付けられる。ラバー部材は、外筒の内面に接触する突出部と、外筒の内面に接触しない凹部とを有する。スイングアーム6は、エンジン5に対してリジッドにかつ軸回転可能に連結されている。
【選択図】図2
【解決手段】スイングアーム6がエンジン5から後方に延び、一対のサイドケースがスイングアーム6の左方および右方に配置される。スイングアーム6は、単一のリアショックアブソーバ7により車体フレーム3に支持される。複数の振動吸収支持部材90A,90Bによりエンジン5が車体フレーム3に支持される。各振動吸収支持部材90A,90Bは、外筒と内筒との間にラバー部材が配置される構造を有する。エンジン5はエンジン支持軸291,292を用いて内筒に取り付けられ、車体フレーム3はエンジンブラケット210,220を用いて外筒91に取り付けられる。ラバー部材は、外筒の内面に接触する突出部と、外筒の内面に接触しない凹部とを有する。スイングアーム6は、エンジン5に対してリジッドにかつ軸回転可能に連結されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、エンジンおよびスイングアームを備える鞍乗型車両に関する。
特許文献1に記載された自動二輪車では、ダウンチューブおよびメインフレームで囲まれたスペースにV型エンジンが配置されている。エンジンは、3つの円筒状防振ゴムを用いてダウンチューブの1箇所およびメインフレームの2箇所に支持されている。メインフレームの後部にリアアーム(スイングアーム)が回転可能に支持されている。リアアームの後端には後輪が回転可能に取り付けられている。また、リアアームの後端近傍には、リアショックアブソーバが取り付けられている。エンジンのギヤボックスのギヤにつながる軸に駆動スプロケットが取り付けられている。駆動スプロケットと後輪の従動スプロケットとの間にチェーンが掛け渡されている。
特許文献1に記載された自動二輪車においては、3つの円筒状防振ゴムによりエンジンから車体に伝わる振動が低減される。運転の快適性を確保するためには、エンジンからの振動をさらに低減することが求められる。
本発明の目的は、エンジンからライダーに伝達される振動を低減することを可能にする鞍乗型車両を提供することである。
エンジンから車体に伝わる振動をさらに低減するためには、エンジンの振動が十分に吸収されるように円筒状防振ゴムの厚みを大きくすることが考えられる。
まず、本発明者は、エンジンから伝わる振動をさらに低減させるため、円筒状防振ゴムの厚みを大きくした。その結果、円筒状防振ゴムの厚みが大きくなることによって円筒状防振ゴムの変形量が大きくなる。そのため、特に車両前後方向における車体フレームとエンジンとの相対位置の変化量が大きくなる。つまり、駆動スプロケットと従動スプロケットとの間の距離が従来の円筒状防振ゴムを用いる場合に比べて大きく変化する。それにより、チェーンまたはベルト等の動力伝達部材と駆動スプロケットとの間、あるいは動力伝達部材と従動スプロケットとの間で歯飛び(tooth jumping)が生じる可能性が高くなる。歯飛びとは、動力伝達部材のうちスプロケットの一のギアに噛み合っている部分が、一時的に当該一のギアから離間した後、他のギアに噛み合うことをいう。この場合、駆動系の信頼性が低下する。
そこで、本発明者は、エンジンとスイングアームとをリジッドに連結することを考えた。それにより、駆動スプロケットと従動スプロケットとの間の距離を一定に保つことが可能となる。しかし、エンジンとスイングアームとがリジッドに連結された構成では、走行状態によって駆動輪、スイングアームおよびエンジンと車体フレームとの相対位置の変化量が大きくなりやすい。特に、円筒状防振ゴムの厚みが大きいと、駆動輪、スイングアームおよびエンジンと車体フレームとの相対位置の変化量はより大きくなりやすい。それにより、運転の快適性が低下する。
またここで、スイングアームの左右に一対のサイドケースが配置された構成においては、スイングアームの右端と左端との間の位置に単一のリアショックアブソーバを配置することにより、できるだけサイドケースの容量を確保することが望まれる。しかし、一対のリアショックアブソーバによりスイングアームを支持し、駆動輪、スイングアームおよびエンジンと車体フレームとの相対位置を規制する場合に比べて、単一のリアショックアブソーバでは相対位置の変化に対しての規制が難しい。特に、円筒状防振ゴムの厚みが大きいと、駆動輪、スイングアームおよびエンジンと車体フレームとの相対位置の変化に対する規制はより難しい。それにより、運転の快適性が低下する。
そこで、本発明者は、エンジンからライダーに伝達される振動を低減することにより運転の快適性を確保すべく、試作および検討を繰り返した。その結果、本発明者は、エンジンの上下方向の振動に対してのみダンバー機能が生じていれば運転者への快適性が損なわれないことを見出した。また、エンジンの他の方向の揺れを規制することにより運転の快適性が向上することを見出した。この知見に基づく発明は以下の通りである。
(1)本発明に係る鞍乗型車両は、車体フレームと、車体フレームにエンジンを支持する複数の振動吸収支持部材と、エンジンにより回転される駆動輪と、車両前後方向においてエンジンから後方に延びるとともに、車両前後方向においてエンジンよりも後方の位置で駆動輪を回転可能に支持するスイングアームと、車両平面視でスイングアームの左方および右方に配置される一対のサイドケースと、スイングアームを車体フレームに支持する単一のリアショックアブソーバと、車体フレームに対してエンジンの上下方向の振動を許容しかつ車体フレームに対してエンジンのピッチングを規制するようにエンジンと車体フレームとを連結するピッチング規制部材と、車体フレームに対してエンジンの上下方向の振動を許容しかつ車体フレームに対してエンジンのヨーイングを規制するようにエンジンと車体フレームとを連結するヨーイング規制部材と、車体フレームに対してエンジンの上下方向の振動を許容しかつ車体フレームに対してエンジンのローリングを規制するようにエンジンと車体フレームとを連結するローリング規制部材とを備え、車両平面視で、リアショックアブソーバは、エンジンと駆動輪との間の位置でかつスイングアームの右端と左端との間の位置に配置され、スイングアームはエンジンに対してリジッドにかつ軸回転可能に連結され(rigidly and pivotally connected)、複数の振動吸収支持部材の各々は、外筒と、外筒内に配置される内筒と、外筒と内筒との間に設けられるラバー部材とを含み、エンジンは内筒に取り付けられ、車体フレームは外筒に取り付けられ、ラバー部材は、外筒の内面に接触する第1部分と、外筒の内面に接触しない第2部分とを有し、外筒および内筒の半径方向におけるラバー部材の最大厚みは、内筒の内径の2分の1以上である。
その鞍乗型車両においては、車両前後方向においてスイングアームがエンジンから後方に延び、一対のサイドケースが車両平面視でスイングアームの左方および右方に配置される。スイングアームは、単一のリアショックアブソーバにより車体フレームに支持される。エンジンよりも後方の位置で駆動輪がスイングアームにより支持される。単一のリアショックアブソーバは、エンジンと駆動輪との間の位置でかつスイングアームの右端と左端との間の位置に配置される。それにより、一対のサイドケースが設けられる構成において、駆動輪と一対のサイドケースとの間に一対のリアショックアブソーバを設ける必要がない。したがって、サイドケースの容量を確保することができるとともに、鞍乗型車両の車両幅方向の大型化が抑制される。
車体フレームに複数の振動吸収支持部材によりエンジンが支持される。各振動吸収支持部材は、外筒と内筒との間にラバー部材が配置される構造を有する。エンジンは内筒に取り付けられ、車体フレームは外筒に取り付けられる。ラバー部材は、外筒の内面に接触する第1部分と、外筒の内面に接触しない第2部分とを有する。さらに、外筒および内筒の半径方向におけるラバー部材の最大厚みは、内筒の内径の2分の1以上である。これにより、各振動吸収支持部材は高い振動吸収能力を有する。
スイングアームは、エンジンに対してリジッドにかつ軸回転可能に連結されている。そのため、エンジンの動力により回転する駆動スプロケットとスイングアームに回転可能に設けられる従動スプロケットとの間の距離が変化しない。その一方、路面の状態によって駆動輪およびスイングアームに発生する振動等によりエンジンの揺れが生じる。
エンジンと車体フレームとはピッチング規制部材により連結される。それにより、車体フレームに対するエンジンのピッチングが規制される。また、エンジンと車体フレームとはヨーイング規制部材により連結される。それにより、車体フレームに対するエンジンのヨーイングが規制される。さらに、エンジンと車体フレームとはローリング規制部材により連結される。それにより、車体フレームに対するエンジンのローリングが規制される。ピッチング規制部材、ヨーイング規制部材およびローリング規制部材は、エンジンの上下方向の振動を許容するように設けられる。したがって、エンジンの揺れの方向は上下方向に限定される。
この場合、エンジンの上下方向の揺れが許容されつつ複数の振動吸収支持部材によりエンジンの振動が吸収される。それにより、エンジンから車体フレームに伝達される振動が低減される。
これらの結果、エンジンからライダーに伝達される振動が低減され、運転の快適性を確保することが可能となる。
(2)ラバー部材の第1部分は内筒から外筒に向かって突出する複数の突出部を含み、第2部分は複数の突出部間の複数の凹部を含んでもよい。
この場合、ラバー部材が均等に伸縮することができる。
(3)複数の振動吸収支持部材の各々は、ラバー部材の複数の凹部に設けられる複数の伸縮量規制部材を含み、複数の伸縮量規制部材は、ラバー部材の伸縮量を一定範囲内に規制してもよい。
この場合、エンジンの揺れが一定範囲内に規制される。
(4)鞍乗型車両は、車両幅方向に延びる軸部材をさらに備え、複数の振動吸収支持部材は、第1の振動吸収支持部材を含み、軸部材は、第1の振動吸収支持部材の内筒内に挿入され、エンジンおよびスイングアームは軸部材に取り付けられてもよい。
この場合、軸部材を用いてスイングアームがエンジンに対してリジッドにかつ軸回転可能に連結されるとともに、エンジンが軸部材を用いて第1の振動吸収支持部材の内筒に取り付けられる。それにより、部品点数が削減される。
(5)複数の振動吸収支持部材は、車両前後方向において第1の振動吸収支持部材よりも前方で車体フレームにエンジンを支持する第2の振動吸収支持部材を含んでもよい。
この場合、少ない数の振動吸収支持部材によりエンジンを車体フレームに対して安定に支持することができる。
(6)第2の振動吸収部材の外筒および内筒の半径方向におけるラバー部材の最大厚みは、内筒の内径以上であってもよい。
この場合、第2の振動吸収支持部材によりエンジンの振動が十分に吸収される。
(7)ピッチング規制部材は、車両平面視で車両前後方向に延びかつ上下に配置される第1および第2のピッチング規制部材を含み、第1のピッチング規制部材は、車両幅方向に平行な第1の軸の周りで揺動可能にエンジンに取り付けられかつ車両幅方向に平行な第2の軸の周りで揺動可能に車体フレームに取り付けられ、第2のピッチング規制部材は、車両幅方向に平行な第3の軸の周りで揺動可能にエンジンに取り付けられかつ車両幅方向に平行な第4の軸の周りで揺動可能に車体フレームに取り付けられてもよい。
この場合、エンジンが上下の第1および第2のピッチング規制部材により車体フレームに連結されることにより、車体フレームに対するエンジンのピッチングが規制される。リアショックアブソーバからの反力に抗してエンジンが車体フレームに支持される。また、エンジンの前後移動が規制される。一方、第1および第2のピッチング規制部材が揺動することにより、車体フレームに対してエンジンが上下方向に移動することができる。
(8)ヨーイング規制部材は、車両平面視で車両前後方向に延びかつ車体フレームの左方および右方にそれぞれ配置される第1および第2のヨーイング規制部材を含み、第1のヨーイング規制部材は、車両幅方向に平行な第5の軸の周りで揺動可能にエンジンに取り付けられかつ車両幅方向に平行な第6の軸の周りで揺動可能に車体フレームに取り付けられ、第2のヨーイング規制部材は、車両幅方向に平行な第7の軸の周りで揺動可能にエンジンに取り付けられかつ車両幅方向に平行な第8の軸の周りで揺動可能に車体フレームに取り付けられてもよい。
この場合、エンジンが左右の第1および第2のヨーイング規制部材により車体フレームに連結されることにより、車体フレームに対するエンジンのヨーイングが規制される。それにより、エンジンにリジッドに連結されるスイングアームの左右への揺動が防止される。一方、第1および第2のヨーイング規制部材が揺動することにより、車体フレームに対してエンジンが上下方向に移動することができる。
(9)ローリング規制部材は、車両平面視で車両幅方向に延びるように配置され、車両前後方向に平行な第9の軸の周りで回転可能にエンジンに取り付けられかつ車両前後方向に平行な第10の軸の周りで回転可能に車体フレームに取り付けられてもよい。
この場合、エンジンが車両幅方向に延びるローリング規制部材により車体フレームに連結されることにより、車体フレームに対するエンジンのローリングが規制される。一方、ローリング規制部材が揺動することにより、車体フレームに対してエンジンが上下方向に移動することができる。
(10)ローリング規制部材は、車両前後方向においてピッチング規制部材およびヨーイング規制部材よりも前方に配置されてもよい。
この場合、車体フレームに対するエンジンの支持の安定性が向上する。
本発明によれば、エンジンからライダーに伝達される振動を低減することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態に係る鞍乗型車両について図面を参照しつつ説明する。以下の説明においては、鞍乗型車両の一例として自動二輪車を説明する。
(1)自動二輪車の概略構成
図1は本発明の一実施の形態に係る自動二輪車の側面図である。図1では、自動二輪車100が路面に対して垂直に起立した状態が示される。図1以降の図面においては、自動二輪車100の前後方向L、幅方向Wおよび上下方向Hが適宜矢印で示される。以下の説明では、前後方向Lにおいて矢印が向かう方向を前方と呼び、その逆の方向を後方と呼ぶ。また、幅方向Wにおいて矢印が向かう方向を左方と呼び、その逆の方向を右方と呼ぶ。上下方向Hにおいて矢印が向かう方向を上方と呼び、その逆の方向を下方と呼ぶ。
図1は本発明の一実施の形態に係る自動二輪車の側面図である。図1では、自動二輪車100が路面に対して垂直に起立した状態が示される。図1以降の図面においては、自動二輪車100の前後方向L、幅方向Wおよび上下方向Hが適宜矢印で示される。以下の説明では、前後方向Lにおいて矢印が向かう方向を前方と呼び、その逆の方向を後方と呼ぶ。また、幅方向Wにおいて矢印が向かう方向を左方と呼び、その逆の方向を右方と呼ぶ。上下方向Hにおいて矢印が向かう方向を上方と呼び、その逆の方向を下方と呼ぶ。
図1に示すように、本実施の形態に係る自動二輪車100は、いわゆるクルーザータイプの自動二輪車である。自動二輪車100の車両本体部1は、フロントフォーク2、車体フレーム3、リアフレーム4、V型エンジン5およびスイングアーム6を備える。図1では、車体フレーム3、リアフレーム4およびスイングアーム6が太い一点鎖線で示される。車体フレーム3は、ヘッドパイプ3Hおよびメインフレーム3Mを含む。メインフレーム3Mは、ヘッドパイプ3Hから後方かつ下方に延びるように形成されている。
フロントフォーク2はヘッドパイプ3Hに取り付けられる。フロントフォークの下端部に前輪FWが回転可能に設けられている。エンジン5は、複数の振動吸収部材(ラバーマウント)を介して車体フレーム3に支持されている。複数の振動吸収部材を用いた車体フレーム3におけるエンジン5の支持状態の詳細は後述する。リアフレーム4は、車体フレーム3の後端部から後方に延びるように設けられる。
ヘッドパイプ3Hの上方にハンドル11が設けられ、ハンドル11の後方に燃料タンク12が設けられている。燃料タンク12は、メインフレーム3Mにより支持される。燃料タンク12の後方にシート13が設けられている。シート13は、主としてリアフレーム4により支持される。シート13の後方にリアケース14が設けられている。
スイングアーム6は、前後方向Lにおいてエンジン5から後方に延びるように設けられている。具体的には、スイングアーム6は、エンジン5とともに車体フレーム3に支持され、リアフレーム4の下方で車体フレーム3の後端下部から後方に延びるように設けられている。車体フレーム3におけるスイングアーム6の支持状態の詳細は後述する。スイングアーム6の後端部に後輪RWが回転可能に設けられている。後輪RWは、エンジン5により発生される動力により回転する。
車両側面視でリアフレーム4およびスイングアーム6の後半部に重なるように、左右一対のサイドケース15が設けられる。左右のサイドケース15は、幅方向Wにおいてリアフレーム4の後半部を挟み込むようにリアフレーム4に取り付けられている。
(2)車体フレーム3、エンジン5およびスイングアーム6
図2および図3は、車体フレーム3におけるエンジン5の支持状態を示す側面図および平面図である。図4は、車体フレーム3におけるスイングアーム6の支持状態を示す平面図である。図2〜図4では、エンジン5の外縁が太い一点鎖線により模式的に示され、スイングアーム6の外縁が太い二点鎖線により模式的に示される。また、図4では、スイングアーム6の形状の理解を容易にするために、スイングアーム6にハッチングが付される。さらに、図4では、幅方向Wにおける車両本体部1の中心を通るように前後方向Lに延びる車両中心線CLが一点鎖線で示される。
図2および図3は、車体フレーム3におけるエンジン5の支持状態を示す側面図および平面図である。図4は、車体フレーム3におけるスイングアーム6の支持状態を示す平面図である。図2〜図4では、エンジン5の外縁が太い一点鎖線により模式的に示され、スイングアーム6の外縁が太い二点鎖線により模式的に示される。また、図4では、スイングアーム6の形状の理解を容易にするために、スイングアーム6にハッチングが付される。さらに、図4では、幅方向Wにおける車両本体部1の中心を通るように前後方向Lに延びる車両中心線CLが一点鎖線で示される。
図2および図3に示すように、メインフレーム3Mは、左右一対のダウンチューブ31、トップチューブ32、左右一対の上下部材33、上クロスパイプ34および下クロスパイプ35を含む。
左のダウンチューブ31は、ヘッドパイプ3Hの下端後部から左後下方の位置まで延びて湾曲し、後方へ向かって延びる。右のダウンチューブ31は、ヘッドパイプ3Hの下端後部から右後下方の位置まで延びて湾曲し、後方へ向かって延びる。トップチューブ32は、ヘッドパイプ3Hの上端後部から後下方へ向かって延びる。トップチューブ32の後部は左右に分岐している。左の上下部材33は、上下方向Hに延び、左のダウンチューブ31の後端部とトップチューブ32の左の後端部とを連結する。右の上下部材33は、上下方向Hに延び、右のダウンチューブ31の後端部とトップチューブ32の右の後端部とを連結する。上クロスパイプ34は、幅方向Wに延び、左右の上下部材33の上端部を連結する。下クロスパイプ35は、幅方向Wに延び、左右の上下部材33の下端部を連結する。なお、図3ではトップチューブ32が点線で示される。また、図3および図4では、下クロスパイプ35の図示が省略されている。
左右のダウンチューブ31の前部には、左右一対のエンジンブラケット210が取り付けられている。各エンジンブラケット210には、振動吸収支持部材90Aが取り付けられている。左右の振動吸収支持部材90Aは、幅方向Wにおいて互いに対向する。左右の振動吸収支持部材90Aをつなぐようにエンジン支持軸291が設けられている。
また、左右の上下部材33には、左右一対のエンジンブラケット220が取り付けられている。各エンジンブラケット220には、振動吸収支持部材90Bが取り付けられている。左右の振動吸収支持部材90Bは、幅方向Wにおいて互いに対向する。左右の振動吸収支持部材90Bをつなぐようにエンジン支持軸292が設けられている。
図2および図3では、エンジンブラケット210,220、振動吸収支持部材90A,90Bおよびエンジン支持軸291,292の形状の理解を容易にするために、エンジンブラケット210,220および振動吸収支持部材90A,90Bにハッチングが付され、エンジン支持軸291,292にドットパターンが付されている。
エンジン5の前端部は、エンジン支持軸291、一対の振動吸収支持部材90Aおよび一対のエンジンブラケット210を介して左右のダウンチューブ31に支持される。エンジン5の後端部は、エンジン支持軸292、一対の振動吸収支持部材90Bおよび一対のエンジンブラケット220を介して左右の上下部材33に支持される。以下の説明では、エンジン5の前端部のうちダウンチューブ31に支持される部分を被支持部5Aと呼び、エンジン5の後端部のうち上下部材33に支持される部分を被支持部5Bと呼ぶ。被支持部5A,5Bには、エンジン支持軸291,292を挿入するための貫通孔が形成されている。
スイングアーム6の前端部は、エンジン5の後端部とともに、エンジン支持軸292、振動吸収支持部材90Bおよびエンジンブラケット220を介して左右の上下部材33に支持される。この状態で、スイングアーム6は、エンジン5に対してリジッドにかつエンジン支持軸292の周りで回転可能に連結されている。
図4に示すように、スイングアーム6は、左右一対のアーム前部61、アーム中間部62および左右一対のアーム後部63から構成される。アーム中間部62は、車両平面視で車両中心線CLに重なる。左右のアーム前部61は、アーム中間部62の左側部および右側部からそれぞれ前方に延び、エンジン支持軸292に連結される。それにより、左右のアーム前部61の前端部は、エンジン支持軸292、一対の振動吸収支持部材90Bおよび一対のエンジンブラケット220を介して左右の上下部材33に支持される。以下の説明では、各アーム前部61のうちエンジン支持軸292に連結されて上下部材33に支持される部分を被支持部6Bと呼ぶ。被支持部6Bには、エンジン支持軸292を挿入するための貫通孔が形成されている。左右のアーム後部63は、アーム中間部62の左右両側部からそれぞれ後方に延びる。左右のアーム後部63の後端部は、前後方向Lにおいてエンジン5よりも後方の位置で後輪RWを回転可能に支持する。
図2に示すように、車両側面視で左右の上下部材33の後端部に重なりかつ略上下方向Hに延びるように単一のリアショックアブソーバ7が設けられている。図4に示すように、車両平面視で、リアショックアブソーバ7は、前後方向Lにおけるエンジン5と後輪RWとの間の位置でかつ幅方向Wにおけるスイングアーム6の右端と左端との間の位置に配置されている。
上クロスパイプ34にショックアブソーバブラケット71が取り付けられている。リアショックアブソーバ7の上端部は、ショックアブソーバブラケット71に接続されている。図2に示すように、リアショックアブソーバ7の下端部には、第1のリンク部材72が接続されている。下クロスパイプ35にショックアブソーバブラケット73が取り付けられている。ショックアブソーバブラケット73と第1のリンク部材72とをつなぐように第2のリンク部材74が設けられている。スイングアーム6のアーム中間部62(図4)の下面には、下方に突出するようにショックアブソーバ接続部64が形成されている。ショックアブソーバ接続部64は、第1のリンク部材72に接続されている。
リアショックアブソーバ7とショックアブソーバブラケット71との接続部、リアショックアブソーバ7と第1のリンク部材72との接続部、ショックアブソーバブラケット73と第2のリンク部材74との接続部、第2のリンク部材74と第1のリンク部材72との接続部、およびリンク部材72とショックアブソーバ接続部64との接続部の各々では、一方の部材と他方の部材とが幅方向Wに平行な軸の周りで相対的に回転可能となっている。このような構成により、スイングアーム6のショックアブソーバ接続部64が、リンク部材72を介してリアショックアブソーバ7の下端部に支持される。この場合、後輪RWに発生する振動がスイングアーム6および第1のリンク部材72を通してリアショックアブソーバ7に伝達される。リアショックアブソーバ7は、伝達された振動を吸収する。
車体フレーム3におけるエンジン5の支持状態の詳細を説明する。図5は図2のA−A線断面図であり、図6は図2のB−B線断面図である。図5および図6では、車体フレーム3の図示が省略されている。
エンジン5の支持に用いられる振動吸収支持部材90A,90Bは、それぞれ略円柱形状を有する。各振動吸収支持部材90A,90Bには、その中心軸に沿うようにエンジン支持軸291,292を挿入するための貫通孔99が形成されている。振動吸収支持部材90A,90Bは、各部の寸法を除いて基本的に同じ構成を有する。振動吸収支持部材90A,90Bの詳細は後述する。
図5に示すように、左右のエンジンブラケット210の各々には、略円筒形状を有する嵌合部211が形成されている。嵌合部211は、振動吸収支持部材90Aの外径とほぼ同じ内径を有し、振動吸収支持部材90Aを嵌め込み可能に形成されている。
図5のエンジン支持軸291としてボルトが用いられる。左右のエンジンブラケット210にそれぞれ振動吸収支持部材90Aが嵌め込まれた状態で、左右の振動吸収支持部材90Aの間にエンジン5の被支持部5Aが配置される。また、被支持部5Aと左右の振動吸収支持部材90Aとの間にそれぞれ平板状のリング部材219が配置される。この状態で、エンジン支持軸291が、左の振動吸収支持部材90Aの貫通孔99から左のリング部材219、被支持部5Aの貫通孔および右のリング部材219を通して右の振動吸収支持部材90Aの貫通孔99に挿入される。このとき、エンジン支持軸291の頭部291hは、左の振動吸収支持部材90Aの左方に位置する。右の振動吸収支持部材90Aの右方では、エンジン支持軸291の先端部にナットNが取り付けられる。
図6に示すように、左右のエンジンブラケット220の各々には、略円筒形状を有する嵌合部221が形成されている。嵌合部221は、振動吸収支持部材90Bの外径とほぼ同じ内径を有し、振動吸収支持部材90Bを嵌め込み可能に形成されている。
図6のエンジン支持軸292として中空ボルトが用いられる。左右のエンジンブラケット220にそれぞれ振動吸収支持部材90Bが嵌め込まれた状態で、左右の振動吸収支持部材90Bの間にエンジン5の被支持部5Bが配置される。また、被支持部5Bと左右の振動吸収支持部材90Bとの間にそれぞれスイングアーム6の左右の被支持部6Bが配置される。左右の被支持部6Bの貫通孔には、それぞれ予め円筒形状を有するカラー部材228が挿入されている。各カラー部材228の一端部にはフランジが形成されている。各カラー部材228は、フランジが被支持部5Bに接触するように被支持部6Bの貫通孔に挿入される。さらに、左の振動吸収支持部材90Bと左の被支持部6Bとの間および右の振動吸収支持部材90Bと右の被支持部6Bとの間にそれぞれ平板状のリング部材229が配置される。この状態で、エンジン支持軸292が、左の振動吸収支持部材90Bの貫通孔99から左のリング部材229、左の被支持部6Bの貫通孔、被支持部5Bの貫通孔、右の被支持部6Bの貫通孔および右のリング部材229を通して右の振動吸収支持部材90Bの貫通孔99に挿入される。このとき、エンジン支持軸292の頭部292hは、左の振動吸収支持部材90Bの左方に位置する。右の振動吸収支持部材90Bの右方では、エンジン支持軸292の先端部にナットNが取り付けられる。
エンジン支持軸292の両端部には、それぞれアダプタブッシュ293が取り付けられている。左のエンジンブラケット220においては、エンジン支持軸292の左端に設けられるアダプタブッシュ293から後方に一定距離離間した位置に、左方に突出する台座部222が形成されている。右のエンジンブラケット220においては、エンジン支持軸292の右端に設けられるアダプタブッシュ293から後方に一定距離離間した位置に、右方に突出する台座部222が形成されている。左のアダプタブッシュ293と、左の台座部222とをつなぐようにヨーイング規制部材400Aが設けられている。右のアダプタブッシュ293と、右の台座部222とをつなぐようにヨーイング規制部材400Bが設けられている。各ヨーイング規制部材400A,400Bおよびその周辺部の構造、ならびにヨーイング規制部材400A,400Bの機能についての詳細は後述する。
図7は、図5および図6の振動吸収支持部材90A,90Bの構成を説明するための図である。図7(a)では、振動吸収支持部材90A,90Bをその中心軸の方向に沿って見た外観図が示される。図7(b)に図7(a)のC−C線断面図が示され、図7(c)に図7(a)のD−D線断面図が示される。
図7(a)〜(c)に示すように、振動吸収支持部材90A,90Bの各々は、外筒91、内筒92、複数(本例では4つ)の伸縮量規制部材93およびラバー部材94を含む。外筒91、内筒92および複数の伸縮量規制部材93はステンレスまたはアルミニウム合金等の金属により構成される。
外筒91および内筒92は軸方向に同じ長さを有する。内筒92は外筒91内に配置される。内筒92の内周面により振動吸収支持部材90A,90Bの上記の貫通孔99が形成される。複数の伸縮量規制部材93の各々は、内筒92および外筒91と同じ長さを有する帯状部材であり、内筒92の中心軸に平行に延びるように、内筒92の外周面に接続されている。内筒92の周方向において、複数の伸縮量規制部材93は、等角度間隔で配置されている。各伸縮量規制部材93は、内筒92の外周面から外筒91および内筒92の半径方向に延びている。
ラバー部材94は、外筒91と内筒92との間に設けられ、複数(本例では4つ)の突出部95および複数(本例では4つ)の凹部96を含む。各突出部95は、内筒92の周方向において隣り合う2つの伸縮量規制部材93間に形成されている。また、各突出部95は、内筒92の外周面から外筒91および内筒92の半径方向に延び、外筒91の内周面に接触する。各凹部96は、内筒92の周方向において隣り合う2つの突出部95間に形成される。各凹部96の一部は、伸縮量規制部材93の外表面を被覆する。
外筒91および内筒92の半径方向における各伸縮量規制部材93とその伸縮量規制部材93を被覆するラバー部材94の凹部96との最大合計厚みTT(図7(c))は、外筒91の内径と内筒92の外径との差分の2分の1よりも小さい。それにより、外筒91および内筒92の中心軸が一致する状態でラバー部材94の凹部96は外筒91の内周面に接触しない。
図7(b)に示すように、外筒91および内筒92の半径方向におけるラバー部材94の最大厚み(突出部95の厚み)T95は、内筒92の内径(貫通孔99の内径)I92の2分の1以上に設定されている。これにより、振動吸収支持部材90A,90Bの各々は、高い振動吸収能力を有する。したがって、エンジン5およびスイングアーム6において発生する振動がエンジン支持軸291,292を通して振動吸収支持部材90A,90Bに吸収される。特に、本実施の形態では、エンジン5の前端部(被支持部5A)を支持する振動吸収支持部材90Aにおいて、外筒91および内筒92の半径方向におけるラバー部材94の最大厚みT95が内筒92の内径I92以上に設定される。この場合、振動吸収支持部材90Aによりエンジン5の振動が十分に吸収される。
上記のように、振動吸収支持部材90A,90Bにおいては、ラバー部材94の複数の突出部95が外筒91および内筒92の周方向に等角度間隔で並ぶとともに、複数の凹部96が周方向に等角度間隔で並ぶ。それにより、ラバー部材94が均等に収縮することができる。
ここで、各振動吸収支持部材90A,90Bに振幅の大きい振動が加わるとラバー部材94の突出部95の変形量が大きくなる。このような場合でも、外筒91と内筒92との間には、金属製の複数の伸縮量規制部材93が存在する。複数の伸縮量規制部材93は、外筒91の内周面と内筒92の外周面とが接触することを防止し、ラバー部材94の突出部95の伸縮量を一定範囲内に規制する。それにより、車体フレーム3とエンジン5との間の相対位置の変化量が過剰に大きくなることが抑制され、エンジン5の揺れが一定範囲内に規制される。
なお、振動吸収支持部材90A,90Bにおいて、外筒91の内周面にはラバーが被覆されてもよい。それにより、外筒91の内側で、金属製の伸縮量規制部材93が外筒91に直接接触することが抑制される。また、振動吸収支持部材90A,90Bにおいては、その軸方向における両端部に、貫通孔99に対応する貫通孔を有する円盤状の蓋部材が設けられてもよい。蓋部材が振動吸収支持部材90A,90Bの端面を覆うことにより、振動吸収支持部材90A,90Bの内部に異物が進入することが防止される。蓋部材は、例えばラバーにより形成される。
(3)エンジン5のピッチング、ヨーイングおよびローリング対策
上記のように、エンジン5およびスイングアーム6に発生する振動の大部分が振動吸収支持部材90A,90Bに吸収される。それにより、車体フレーム3とエンジン5およびスイングアーム6との相対位置が変化すると、車体フレーム3に対するエンジン5のピッチング、ヨーイングおよびローリングが大きくなる。そこで、本実施の形態では、車体フレーム3とエンジン5との間に2つのピッチング規制部材、2つのヨーイング規制部材、および1つのローリング規制部材が設けられる。
上記のように、エンジン5およびスイングアーム6に発生する振動の大部分が振動吸収支持部材90A,90Bに吸収される。それにより、車体フレーム3とエンジン5およびスイングアーム6との相対位置が変化すると、車体フレーム3に対するエンジン5のピッチング、ヨーイングおよびローリングが大きくなる。そこで、本実施の形態では、車体フレーム3とエンジン5との間に2つのピッチング規制部材、2つのヨーイング規制部材、および1つのローリング規制部材が設けられる。
図8〜図11は、ピッチング規制部材、ヨーイング規制部材およびローリング規制部材の取付位置および取付状態の概略を説明するための図である。図8〜図11では、エンジン5の外縁が太い実線で模式的に示されている。また、図2および図3の例と同様に、エンジンブラケット210,220および振動吸収支持部材90A,90Bにハッチングが付される。さらに、図8では、エンジン支持軸291,292にドットパターンが付されている。
図8では車体フレーム3およびエンジン5の側面図が示され、図9では車体フレーム3およびエンジン5の平面図が示されている。図10では図8のE−E線断面図が示され、図11では車体フレーム3およびエンジン5の正面図が示される。図9においては、車体フレーム3のうちトップチューブ32(図2)、上クロスパイプ34(図2)および下クロスパイプ35(図2)の図示が省略されている。
図8に示すように、ピッチング規制部材300A,300Bは、車両側面視でエンジン支持軸292を上下方向Hから挟み込むように上下に配置されている。ピッチング規制部材300Aはエンジン支持軸292よりも上方の位置で前後方向Lに延びるように設けられている。他方のピッチング規制部材300Bはエンジン支持軸292よりも下方の位置で、前後方向Lに延びるように設けられている。
図9に示すように、一対の上下部材33の間には、上ピッチングブラケット390が設けられている。上ピッチングブラケット390は、上下方向Hにおける一対の上下部材33の略中央部分に位置し、連結部391および左右一対の支持部392を有する。連結部391は、幅方向Wに延び上下部材33の互いに対向する部分をつなぐように一対の上下部材33に取り付けられている。一対の支持部392は、幅方向Wに一定距離離間した状態で連結部391の略中央部から前方に延びている。車体フレーム3に支持されたエンジン5においては、上ピッチングブラケット390の一対の支持部392の前方に左右一対の上ピッチング支持部5Cが形成されている。
ピッチング規制部材300Aの一端は、一対の上ピッチング支持部5Cの間に配置され、幅方向Wに延びる連結軸710によりエンジン5に取り付けられている。この状態で、ピッチング規制部材300Aの一端は、連結軸710の周りで揺動可能となっている。一方、ピッチング規制部材300Aの他端は、一対の支持部392の間に配置され、幅方向Wに延びる連結軸720により上ピッチングブラケット390を介して車体フレーム3に取り付けられている。この状態で、ピッチング規制部材300Aの他端は、連結軸720の周りで揺動可能となっている。
図10に示すように、下クロスパイプ35の略中央部には、左右一対の支持部材39が取り付けられている。一対の支持部材39は、幅方向Wに一定距離離間した状態で下クロスパイプ35の略中央部から上方に延びている。車体フレーム3に支持されたエンジン5においては、一対の支持部材39の上端部の前方に左右一対の下ピッチング支持部5Dが形成されている。
ピッチング規制部材300Bの一端は、一対の下ピッチング支持部5Dの間に配置され、幅方向Wに延びる連結軸730によりエンジン5に取り付けられている。この状態で、ピッチング規制部材300Bの一端は、連結軸730の周りで揺動可能となっている。一方、ピッチング規制部材300Bの他端は、一対の支持部材39の上端部の間に配置され、幅方向Wに延びる連結軸740により一対の支持部材39を介して車体フレーム3に取り付けられている。この状態で、ピッチング規制部材300Bの他端は、連結軸740の周りで揺動可能となっている。
このように、エンジン5が上下のピッチング規制部材300A,300Bにより車体フレーム3に連結されることにより、車体フレーム3に対するエンジン5のピッチングが規制される。それにより、リアショックアブソーバ7からの反力に抗してエンジン5が車体フレーム3に支持される。また、エンジン5の前後移動が規制される。一方、ピッチング規制部材300A,300Bが揺動することにより、車体フレーム3に対してエンジン5が上下方向Hに移動することができる。
図9に示すように、車両平面視で、ヨーイング規制部材400Aは車体フレーム3の左の上下部材33よりも左方に配置され、ヨーイング規制部材400Bは車体フレーム3の右の上下部材33よりも右方に配置されている。ヨーイング規制部材400A,400Bは、前後方向Lに延びるように設けられている。
ヨーイング規制部材400A,400Bの取付状態の詳細は、上記の図6に示されている。図6に示すように、左のヨーイング規制部材400Aの一端は、幅方向Wに延びる連結軸750により左のアダプタブッシュ293に取り付けられている。この状態で、ヨーイング規制部材400Aの一端は、連結軸750の周りで揺動可能となっている。一方、左のヨーイング規制部材400Aの他端は、幅方向Wに延びる連結軸760により左のエンジンブラケット220の台座部222に取り付けられている。この状態で、ヨーイング規制部材400Aの他端は、連結軸760の周りで揺動可能となっている。
また、右のヨーイング規制部材400Bの一端は、幅方向Wに延びる連結軸770により右のアダプタブッシュ293に取り付けられている。この状態で、ヨーイング規制部材400Bの一端は、連結軸770の周りで揺動可能となっている。一方、右のヨーイング規制部材400Bの他端は、幅方向Wに延びる連結軸780により右のエンジンブラケット220の台座部222に取り付けられている。この状態で、ヨーイング規制部材400Bの他端は、連結軸780の周りで揺動可能となっている。
このように、エンジン5がエンジン支持軸292および左右のアダプタブッシュ293を介して左右のヨーイング規制部材400A,400Bにより車体フレーム3に連結されることにより、車体フレーム3に対するエンジン5のヨーイングが規制される。それにより、エンジン5にリジッドに連結されるスイングアーム6の左右への揺動が防止される。一方、ヨーイング規制部材400A,400Bが揺動することにより、車体フレーム3に対してエンジン5が上下方向Hに移動することができる。
図8および図9に示すように、車体フレーム3の左のダウンチューブ31のうちエンジンブラケット210の取付位置よりも上方の部分にローリングブラケット590が設けられている。
図11に示すように、ローリングブラケット590は、左のダウンチューブ31の左側縁から左方に突出する支持部591を有する。車体フレーム3に支持されたエンジン5においては、ローリングブラケット590の支持部591の右方にローリング支持部5Eが形成されている。上下方向Hにおける支持部591の高さとローリング支持部5Eの高さとはほぼ同じである。
ローリング規制部材500は、ローリング支持部5Eと支持部591とをつなぐように設けられる。図9および図11に示すように、ローリング規制部材500は、車両平面視および車両正面視で幅方向Wに延びる。
具体的には、ローリング規制部材500の一端は、図11に示すように、車両正面視でローリング支持部5Eに重なるようにローリング支持部5Eの前方に配置され、前後方向Lに延びる連結軸790によりエンジン5に取り付けられている。この状態で、ローリング規制部材500の一端は、連結軸790の周りで揺動可能となっている。一方、ローリング規制部材500の他端は、車両正面視でローリングブラケット590に重なるように、支持部591の後方に配置され、前後方向Lに延びる連結軸800により支持部591に取り付けられている。この状態で、ローリング規制部材500の他端は、連結軸800の周りで揺動可能となっている。
このように、エンジン5が幅方向Wに延びるローリング規制部材500により車体フレーム3に連結されることにより、車体フレーム3に対するエンジン5のローリングが規制される。一方、ローリング規制部材500が揺動することにより、車体フレーム3に対してエンジン5が上下方向Hに移動することができる。さらに、本例では、ローリング規制部材500は、前後方向Lにおいて一対のピッチング規制部材300A,300Bおよび一対のヨーイング規制部材400A,400Bよりも前方に配置されている。この場合、車体フレーム3に対するエンジン5の支持の安定性が向上する。
(4)実施の形態の効果
本実施の形態に係る自動二輪車100においては、前後方向Lにおいてスイングアーム6がエンジン5から後方に延び、一対のサイドケース15が車両平面視でスイングアーム6の左方および右方に配置される。スイングアーム6は、単一のリアショックアブソーバ7により車体フレーム3に支持される。エンジン5よりも後方の位置で後輪RWがスイングアーム6により支持される。単一のリアショックアブソーバ7は、エンジン5と後輪RWとの間の位置でかつスイングアーム6の右端と左端との間の位置に配置される。それにより、一対のサイドケース15が設けられる構成において、後輪RWと一対のサイドケース15との間に一対のリアショックアブソーバを設ける必要がない。したがって、サイドケース15の容量を確保することができるとともに、自動二輪車100の幅方向Wの大型化が抑制される。
本実施の形態に係る自動二輪車100においては、前後方向Lにおいてスイングアーム6がエンジン5から後方に延び、一対のサイドケース15が車両平面視でスイングアーム6の左方および右方に配置される。スイングアーム6は、単一のリアショックアブソーバ7により車体フレーム3に支持される。エンジン5よりも後方の位置で後輪RWがスイングアーム6により支持される。単一のリアショックアブソーバ7は、エンジン5と後輪RWとの間の位置でかつスイングアーム6の右端と左端との間の位置に配置される。それにより、一対のサイドケース15が設けられる構成において、後輪RWと一対のサイドケース15との間に一対のリアショックアブソーバを設ける必要がない。したがって、サイドケース15の容量を確保することができるとともに、自動二輪車100の幅方向Wの大型化が抑制される。
複数の振動吸収支持部材90A,90Bによりエンジン5が車体フレーム3に支持される。各振動吸収支持部材90A,90Bは、外筒91と内筒92との間にラバー部材94が配置される構造を有する。エンジン5はエンジン支持軸291,292を用いて内筒92に取り付けられ、車体フレーム3はエンジンブラケット210,220を用いて外筒91に取り付けられる。ラバー部材94は、外筒91の内面に接触する突出部95と、外筒91の内面に接触しない凹部96とを有する。外筒91および内筒92の半径方向におけるラバー部材94の最大厚み(突出部95の厚み)T95は、内筒92の内径の2分の1以上である。これにより、各振動吸収支持部材90A,90Bは高い振動吸収能力を有する。
スイングアーム6は、エンジン5に対してリジッドにかつエンジン支持軸292の周りで回転可能に連結されている。そのため、エンジン5の動力により回転する駆動スプロケットとスイングアーム6に後輪RWとともに回転可能に設けられる従動スプロケットとの間の距離が変化しない。その一方、路面の状態によって後輪RWおよびスイングアーム6に発生する振動等によりエンジン5の揺れが生じる。
エンジン5と車体フレーム3とはピッチング規制部材300A,300Bにより連結される。それにより、車体フレーム3に対するエンジン5のピッチングが規制される。また、エンジン5と車体フレーム3とはヨーイング規制部材400A,400Bにより連結される。それにより、車体フレーム3に対するエンジン5のヨーイングが規制される。さらに、エンジン5と車体フレーム3とはローリング規制部材500により連結される。それにより、車体フレーム3に対するエンジン5のローリングが規制される。ピッチング規制部材300A,300B、ヨーイング規制部材400A,400Bおよびローリング規制部材500は、エンジン5の上下方向Hの振動を許容するように設けられる。したがって、エンジン5の揺れの方向は上下方向Hに限定される。
この場合、エンジン5の上下方向Hの揺れが許容されつつ複数の振動吸収支持部材90A,90Bによりエンジン5の振動が吸収される。それにより、エンジン5から車体フレーム3に伝達される振動が低減される。
これらの結果、エンジン5からライダーに伝達される振動が低減され、運転の快適性を確保することが可能となる。
エンジン5およびスイングアーム6は、左右一対の振動吸収支持部材90Bの内筒92に挿入されるエンジン支持軸292に取り付けられている。この場合、エンジン支持軸292を用いてスイングアーム6がエンジン5に対してリジッドにかつエンジン支持軸292の周りで回転可能に連結されるとともに、エンジン5がエンジン支持軸292を用いて振動吸収支持部材90Bの内筒92に取り付けられる。それにより、部品点数が削減される。
本実施の形態では、エンジン5が左右一対の振動吸収支持部材90Aと左右一対の振動吸収支持部材90Bとにより車体フレーム3に支持される。したがって、少ない数の振動吸収支持部材90A,90Bによりエンジン5を車体フレーム3に対して安定に支持することができる。
(5)上のピッチング規制部材300Aの取付構造の詳細
図12は、上のピッチング規制部材300Aの取付構造をより詳細に説明するための断面図である。図12に示すように、本実施の形態では連結軸710,720としてボルトが用いられる。ピッチング規制部材300Aの両端には、連結軸710,720を挿入するための貫通孔THが形成されている。ピッチング規制部材300Aの一端に形成された貫通孔THにカラー部材301およびベアリング302を介して連結軸710が挿入されている。ピッチング規制部材300Aの他端に形成された貫通孔THにカラー部材およびベアリングを介して連結軸710が挿入されている。これにより、ピッチング規制部材300Aの両端は、連結軸710,720の周りでそれぞれ円滑に揺動する。
図12は、上のピッチング規制部材300Aの取付構造をより詳細に説明するための断面図である。図12に示すように、本実施の形態では連結軸710,720としてボルトが用いられる。ピッチング規制部材300Aの両端には、連結軸710,720を挿入するための貫通孔THが形成されている。ピッチング規制部材300Aの一端に形成された貫通孔THにカラー部材301およびベアリング302を介して連結軸710が挿入されている。ピッチング規制部材300Aの他端に形成された貫通孔THにカラー部材およびベアリングを介して連結軸710が挿入されている。これにより、ピッチング規制部材300Aの両端は、連結軸710,720の周りでそれぞれ円滑に揺動する。
(6)下のピッチング規制部材300Bの取付構造
図13は、下のピッチング規制部材300Bの取付構造をより詳細に説明するための断面図である。図13に示すように、本実施の形態では連結軸730,740としてボルトが用いられる。ピッチング規制部材300Bの両端には、連結軸730,740を挿入するための貫通孔THが形成されている。ピッチング規制部材300Bの一端に形成された貫通孔THにカラー部材301およびベアリング302を介して連結軸730が挿入されている。ピッチング規制部材300Bの他端に形成された貫通孔THにカラー部材301およびベアリング302を介して連結軸740が挿入されている。これにより、ピッチング規制部材300Bの両端は、連結軸730,740の周りでそれぞれ円滑に揺動する。
図13は、下のピッチング規制部材300Bの取付構造をより詳細に説明するための断面図である。図13に示すように、本実施の形態では連結軸730,740としてボルトが用いられる。ピッチング規制部材300Bの両端には、連結軸730,740を挿入するための貫通孔THが形成されている。ピッチング規制部材300Bの一端に形成された貫通孔THにカラー部材301およびベアリング302を介して連結軸730が挿入されている。ピッチング規制部材300Bの他端に形成された貫通孔THにカラー部材301およびベアリング302を介して連結軸740が挿入されている。これにより、ピッチング規制部材300Bの両端は、連結軸730,740の周りでそれぞれ円滑に揺動する。
(7)左のヨーイング規制部材400Aの取付構造
図14は、左のヨーイング規制部材400Aの取付構造をより詳細に説明するための断面図である。図14に示すように、本実施の形態では連結軸750,760としてボルトが用いられる。ヨーイング規制部材400Aの両端には、連結軸750,760を挿入するための貫通孔THが形成されている。ヨーイング規制部材400Aの一端に形成された貫通孔THにカラー部材401およびオイルレスブッシュ402を介して連結軸750が挿入されている。ヨーイング規制部材400Aの他端に形成された貫通孔THにカラー部材401およびオイルレスブッシュ402を介して連結軸760が挿入されている。各オイルレスブッシュ402の両端にはシール部材403が設けられている。これにより、ヨーイング規制部材400Aの両端は、連結軸750,760の周りでそれぞれ円滑に揺動する。
図14は、左のヨーイング規制部材400Aの取付構造をより詳細に説明するための断面図である。図14に示すように、本実施の形態では連結軸750,760としてボルトが用いられる。ヨーイング規制部材400Aの両端には、連結軸750,760を挿入するための貫通孔THが形成されている。ヨーイング規制部材400Aの一端に形成された貫通孔THにカラー部材401およびオイルレスブッシュ402を介して連結軸750が挿入されている。ヨーイング規制部材400Aの他端に形成された貫通孔THにカラー部材401およびオイルレスブッシュ402を介して連結軸760が挿入されている。各オイルレスブッシュ402の両端にはシール部材403が設けられている。これにより、ヨーイング規制部材400Aの両端は、連結軸750,760の周りでそれぞれ円滑に揺動する。
右のヨーイング規制部材400Bの取付構造は、左のヨーイング規制部材400Aの上記の取付構造と同じである。したがって、ヨーイング規制部材400Bの両端は、連結軸770,780の周りでそれぞれ円滑に揺動する。
(8)ローリング規制部材500の取付構造
図15は、ローリング規制部材500の取付構造をより詳細に説明するための断面図である。図15に示すように、本実施の形態では連結軸790,800としてボルトが用いられる。ローリング規制部材500の両端には、連結軸790,800を挿入するための貫通孔THが形成されている。ローリング規制部材500の一端に形成された貫通孔THにラバーダンパー501を介して連結軸790が挿入されている。ローリング規制部材500の他端に形成された貫通孔THにラバーダンパー501を介して連結軸800が挿入されている。これにより、エンジン5で発生する振動の一部が各ラバーダンパー501により吸収される。
図15は、ローリング規制部材500の取付構造をより詳細に説明するための断面図である。図15に示すように、本実施の形態では連結軸790,800としてボルトが用いられる。ローリング規制部材500の両端には、連結軸790,800を挿入するための貫通孔THが形成されている。ローリング規制部材500の一端に形成された貫通孔THにラバーダンパー501を介して連結軸790が挿入されている。ローリング規制部材500の他端に形成された貫通孔THにラバーダンパー501を介して連結軸800が挿入されている。これにより、エンジン5で発生する振動の一部が各ラバーダンパー501により吸収される。
(9)他の実施の形態
(a)上記実施の形態では、エンジン5は、一対の振動吸収支持部材90Aおよび一対の振動吸収支持部材90Bにより車体フレーム3に支持されるが、エンジン5は、より多数の振動吸収支持部材により車体フレーム3に支持されてもよい。例えば、エンジン5の前端部が一対の振動吸収支持部材90Aにより車体フレーム3に支持され、エンジン5の後端部が一対の振動吸収支持部材90Bにより車体フレーム3に支持されるとともに、エンジン5の中央部が新たな一対の振動吸収支持部材により車体フレーム3に支持されてもよい。
(a)上記実施の形態では、エンジン5は、一対の振動吸収支持部材90Aおよび一対の振動吸収支持部材90Bにより車体フレーム3に支持されるが、エンジン5は、より多数の振動吸収支持部材により車体フレーム3に支持されてもよい。例えば、エンジン5の前端部が一対の振動吸収支持部材90Aにより車体フレーム3に支持され、エンジン5の後端部が一対の振動吸収支持部材90Bにより車体フレーム3に支持されるとともに、エンジン5の中央部が新たな一対の振動吸収支持部材により車体フレーム3に支持されてもよい。
(b)上記実施の形態では、各振動吸収支持部材90A,90Bに設けられるラバー部材94の突出部95の数(凹部96の数)は4であるが、本発明はこれに限定されない。ラバー部材94の突出部95の数(凹部96の数)は、3であってもよいし、5または6以上であってもよい。なお、この場合、各振動吸収支持部材90A,90Bに設けられる伸縮量規制部材93の数は、突出部95の数と同じであることが好ましい。
(c)上記実施の形態では、ローリング規制部材500は、エンジン5前部のローリング支持部5Eと左のダウンチューブ31とを連結するが、本発明はこれに限定されない。ローリング規制部材500は、ローリング支持部5Eと右のダウンチューブ31とを連結してもよい。また、ローリング規制部材500は、エンジン5の後部における任意の部分と一対の上下部材33のうちのいずれか一方とを連結してもよい。
(d)上記実施の形態は、本発明をクルーザータイプの自動二輪車に適用した例であるが、これに限らず、スクータータイプの自動二輪車、レーシングタイプの自動二輪車、自動四輪車、自動三輪車もしくはATV(All Terrain Vehicle;不整地走行車両)等の他の車両に本発明を適用してもよい。
(10)実施の形態の各部と請求項の各構成要素との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各構成要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各構成要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記の実施の形態においては、自動二輪車100が鞍乗型車両の例であり、後輪RWが駆動輪の例であり、リアショックアブソーバ7が単一のリアショックアブソーバの例であり、複数の突出部95が第1部分および複数の突出部95の例であり、複数の凹部96が第2部分および複数の凹部96の例であり、エンジン支持軸291,292が軸部材の例であり、振動吸収支持部材90A,90Bが第1の振動吸収支持部材の例であり、振動吸収支持部材90Aが第2の振動吸収支持部材の例である。
また、ピッチング規制部材300Aが第1のピッチング規制部材の例であり、ピッチング規制部材300Bが第2のピッチング規制部材の例であり、連結軸710が第1の軸の例であり、連結軸720が第2の軸の例であり、連結軸730が第3の軸の例であり、連結軸740が第4の軸の例である。
また、ヨーイング規制部材400Aが第1のヨーイング規制部材の例であり、ヨーイング規制部材400Bが第2のヨーイング規制部材の例であり、連結軸750が第5の軸の例であり、連結軸760が第6の軸の例であり、連結軸770が第7の軸の例であり、連結軸780が第8の軸の例であり、連結軸790が第9の軸の例であり、連結軸800が第10の軸の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の構成要素を用いることもできる。
1…車両本体部,2…フロントフォーク,3…車体フレーム,3H…ヘッドパイプ,3M…メインフレーム,4…リアフレーム,5…エンジン,5A,5B,6B…被支持部,5C…上ピッチング支持部,5D…下ピッチング支持部,5E…ローリング支持部,6…スイングアーム,7…リアショックアブソーバ,11…ハンドル,12…燃料タンク,13…シート,14…リアケース,15…サイドケース,31…ダウンチューブ,32…トップチューブ,33…上下部材,34…上クロスパイプ,35…下クロスパイプ,39…支持部材,61…アーム前部,62…アーム中間部,63…アーム後部,64…ショックアブソーバ接続部,71,73…ショックアブソーバブラケット,72…第1のリンク部材,219,229…リング部材,74…第2のリンク部材,90A,90B…振動吸収支持部材,91…外筒,92…内筒,93…伸縮量規制部材,94…ラバー部材,95…突出部,96…凹部,99,TH…貫通孔,100…自動二輪車,210,220…エンジンブラケット,211,221…嵌合部,222…台座部,228,301,401…カラー部材,291,292…エンジン支持軸,291h,292h…頭部,293…アダプタブッシュ,300A,300B…ピッチング規制部材,302…ベアリング,390…上ピッチングブラケット,391…連結部,392,591…支持部,400A,400B…ヨーイング規制部材,402…オイルレスブッシュ,403…シール部材,500…ローリング規制部材,501…ラバーダンパー,590…ローリングブラケット,710,720,730,740,750,760,770,780,790,800…連結軸,N…ナット,RW…後輪
Claims (10)
- 車体フレームと、
前記車体フレームにエンジンを支持する複数の振動吸収支持部材と、
前記エンジンにより回転される駆動輪と、
車両前後方向において前記エンジンから後方に延びるとともに、車両前後方向において前記エンジンよりも後方の位置で前記駆動輪を回転可能に支持するスイングアームと、
車両平面視で前記スイングアームの左方および右方に配置される一対のサイドケースと、
前記スイングアームを前記車体フレームに支持する単一のリアショックアブソーバと、
前記車体フレームに対して前記エンジンの上下方向の振動を許容しかつ前記車体フレームに対して前記エンジンのピッチングを規制するように前記エンジンと前記車体フレームとを連結するピッチング規制部材と、
前記車体フレームに対して前記エンジンの上下方向の振動を許容しかつ前記車体フレームに対して前記エンジンのヨーイングを規制するように前記エンジンと前記車体フレームとを連結するヨーイング規制部材と、
前記車体フレームに対して前記エンジンの上下方向の振動を許容しかつ前記車体フレームに対して前記エンジンのローリングを規制するように前記エンジンと前記車体フレームとを連結するローリング規制部材とを備え、
車両平面視で、前記リアショックアブソーバは、前記エンジンと前記駆動輪との間の位置でかつ前記スイングアームの右端と左端との間の位置に配置され、
前記スイングアームは前記エンジンに対してリジッドにかつ軸回転可能に連結され(rigidly and pivotally connected)、
前記複数の振動吸収支持部材の各々は、外筒と、前記外筒内に配置される内筒と、前記外筒と前記内筒との間に設けられるラバー部材とを含み、
前記エンジンは前記内筒に取り付けられ、前記車体フレームは前記外筒に取り付けられ、
前記ラバー部材は、前記外筒の内面に接触する第1部分と、前記外筒の内面に接触しない第2部分とを有し、
前記外筒および前記内筒の半径方向における前記ラバー部材の最大厚みは、前記内筒の内径の2分の1以上である、鞍乗型車両。 - 前記ラバー部材の前記第1部分は前記内筒から前記外筒に向かって突出する複数の突出部を含み、前記第2部分は前記複数の突出部間の複数の凹部を含む、請求項1記載の鞍乗型車両。
- 前記複数の振動吸収支持部材の各々は、前記ラバー部材の前記複数の凹部に設けられる複数の伸縮量規制部材を含み、
前記複数の伸縮量規制部材は、前記ラバー部材の伸縮量を一定範囲内に規制する、請求項2記載の鞍乗型車両。 - 車両幅方向に延びる軸部材をさらに備え、
前記複数の振動吸収支持部材は、第1の振動吸収支持部材を含み、
前記軸部材は、前記第1の振動吸収支持部材の前記内筒内に挿入され、前記エンジンおよび前記スイングアームは前記軸部材に取り付けられた、請求項1〜3のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。 - 前記複数の振動吸収支持部材は、車両前後方向において前記第1の振動吸収支持部材よりも前方で前記車体フレームに前記エンジンを支持する第2の振動吸収支持部材を含む、請求項4記載の鞍乗型車両。
- 前記第2の振動吸収支持部材の前記外筒および前記内筒の半径方向における前記ラバー部材の最大厚みは、前記内筒の内径以上である、請求項5記載の鞍乗型車両。
- 前記ピッチング規制部材は、車両平面視で車両前後方向に延びかつ上下に配置される第1および第2のピッチング規制部材を含み、
前記第1のピッチング規制部材は、車両幅方向に平行な第1の軸の周りで揺動可能に前記エンジンに取り付けられかつ車両幅方向に平行な第2の軸の周りで揺動可能に前記車体フレームに取り付けられ、
前記第2のピッチング規制部材は、車両幅方向に平行な第3の軸の周りで揺動可能に前記エンジンに取り付けられかつ車両幅方向に平行な第4の軸の周りで揺動可能に前記車体フレームに取り付けられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。 - 前記ヨーイング規制部材は、車両平面視で車両前後方向に延びかつ前記車体フレームの左方および右方にそれぞれ配置される第1および第2のヨーイング規制部材を含み、
前記第1のヨーイング規制部材は、車両幅方向に平行な第5の軸の周りで揺動可能に前記エンジンに取り付けられかつ車両幅方向に平行な第6の軸の周りで揺動可能に前記車体フレームに取り付けられ、
前記第2のヨーイング規制部材は、車両幅方向に平行な第7の軸の周りで揺動可能に前記エンジンに取り付けられかつ車両幅方向に平行な第8の軸の周りで揺動可能に前記車体フレームに取り付けられる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。 - 前記ローリング規制部材は、車両平面視で車両幅方向に延びるように配置され、車両前後方向に平行な第9の軸の周りで回転可能に前記エンジンに取り付けられかつ車両前後方向に平行な第10の軸の周りで回転可能に前記車体フレームに取り付けられる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
- 前記ローリング規制部材は、車両前後方向において前記ピッチング規制部材および前記ヨーイング規制部材よりも前方に配置される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
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