JP2018202628A - 不織布複合シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】多層ナノファイバシート10を低コストで連続して生産すること。【解決手段】多層ナノファイバシート10の製造方法は、合成高分子からなる繊維及びセルロース系繊維の少なくとも1種以上からなる第1不織布12aに、大気雰囲気下でプラズマを照射して大気圧プラズマ処理を施した被プラズマ処理不織布12bを得る大気圧プラズマ処理工程と、大気圧プラズマ処理工程で得られた被プラズマ処理不織布12bと、フィルム13bの面上に配され且つ水溶性高分子を主基材として水溶性酸及び炭酸水素塩を含有している静電紡糸不織布11bとを用い、該静電紡糸不織布11bの表面に被プラズマ処理不織布12bを配して、互いに熱プレスして貼り合わせ多層ナノファイバシート10を得る貼り合せ工程とを備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、不織布複合シートの製造方法に関する。
近年、水溶性高分子化合物のナノファイバに、化粧料や各種の機能性成分を保持させた複合シートが種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような複合シートでは、ナノファイバを湿潤させると、該ナノファイバが水に溶解することで該ナノファイバの保持する機能性成分が水中に溶け出す。そして、溶け出した機能性成分が水中で反応性がある場合、これら機能性成分が反応することで反応生成物を生成する。生成される反応生成物としては、例えば、二酸化炭素であり、複合シートをヒトの皮膚に付着させた状態でナノファイバが溶解して二酸化炭素が生成されると、二酸化炭素が皮膚や皮膚組織、筋肉等の血行を促進し、それによって新陳代謝が活発になって美容効果が得られる。
特開2016−124859号公報
ところで、例えば上述のように反応生成物として二酸化炭素を発生させる場合、ナノファイバには水溶性酸及び炭酸水素塩等を保持させることが好ましい。炭酸水素塩として炭酸水素ナトリウムを用いた場合、水溶性高分子化合物のナノファイバシートを他のシートに固着させて複合シートにする際に加熱すると、熱による炭酸水素ナトリウムの分解が進行してしまい、結果的に加熱箇所の不活性化を伴ってしまう。例えば、炭酸水素ナトリウムの分解が進行すると水が発生し、水溶性高分子化合物のナノファイバシートが溶け出すおそれがある。またナノファイバシートが溶け出すと、二酸化炭素も発生して複合シートの機能が低下するおそれもある。また、複合シートにする際に60℃以上に加熱すると、ナノファイバシートがフィルム化してしまい、風合いも低下してしまう。そこで、簡単かつ低温で複合シートを形成する複合シートの製造方法が望まれていた。
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る不織布複合シートの製造方法を提供することにある。
本発明は、不織布複合シートの製造方法であって、合成高分子からなる繊維及びセルロース系繊維の少なくとも1種以上からなる第1不織布に、大気雰囲気下でプラズマを照射して大気圧プラズマ処理を施した被プラズマ処理不織布を得る大気圧プラズマ処理工程と、前記大気圧プラズマ処理工程で得られた前記被プラズマ処理不織布と、該被プラズマ処理不織布とは別の第2不織布又はフィルムの面上に配され且つ水溶性高分子を主基材として酸及び炭酸水素塩を含有している静電紡糸不織布とを用い、該静電紡糸不織布の表面に前記被プラズマ処理不織布を配して、互いに熱プレスして貼り合わせた不織布複合シートを得る貼り合せ工程とを備える、不織布複合シートの製造方法を提供するものである。
本発明の不織布複合シートの製造方法によれば、不織布複合シートを簡単かつ低温で製造可能になり、該不織布複合シートを低コストで連続して生産することができる。
図1は、本発明の好ましい一実施形態の製造方法で製造された多層ナノファイバシートの構造を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の好ましい一実施形態の多層ナノファイバシートの製造に用いられる大気圧プラズマ処理装置を模式的に示す正面図である。 図3は、図2に示す大気圧プラズマ処理装置のプラズマ照射ヘッドのプラズマ発生部分を模式的に示す部分拡大断面図である。 図4は、本発明の好ましい一実施形態の多層ナノファイバシートの製造に用いられるヒートプレス装置を模式的に示す正面図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の不織布複合シートの製造方法の好ましい一実施形態は、ナノファイバを含むナノファイバ層11を有する多層ナノファイバシート10の製造方法である。図1には、本実施形態の製造方法で製造された多層ナノファイバシート10の構造を模式的に示す断面図が示されている。
図1に示すように、不織布複合シートの一例である多層ナノファイバシート10は、後述する静電紡糸不織布11bにより形成されるナノファイバ層11を有している。このナノファイバ層11の一方の面側には、後述する大気圧プラズマ処理が施された被プラズマ処理不織布12b(図2及び図3参照)により形成される多孔質層12が配置されている。またナノファイバ層11の他方の面側には、被プラズマ処理不織布12bとは別の第2不織布又はフィルム13bにより形成される基材層13が配置されている。ナノファイバ層11と多孔質層12とは直接に接しており、両層間に他の層は介在していない。同様に、ナノファイバ層11と基材層13とは直接に接しており、両層間に他の層は介在していない。尤も、このことはナノファイバ層11と多孔質層12との間に他の層が一層以上介在することを妨げるものではない。同様に、ナノファイバ層11と基材層13との間に他の層が一層以上介在することを妨げるものではない。
図1に示すように、多層ナノファイバシート10では、多孔質層12の外面及び基材層13の外面が、多層ナノファイバシート10の外面をなしている。多層ナノファイバシート10では、多孔質層12の外面が肌対向面となり、基材層13の外面が非肌対向面となるように使用される。なお、多層ナノファイバシート10は、具体的な用途に応じて、多孔質層12の外面及び/又は基材層13の外面に、他の層が一層以上積層されていてもよい。
多層ナノファイバシート10では、ナノファイバ層11は、図1に示すように、ナノファイバを含む層である。本明細書においてナノファイバとは、その太さを円相当直径で表した場合、一般に10nm以上3000nm以下、特に10nm以上1000nm以下のものである。ナノファイバの太さは、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)観察によって、繊維を10000倍に拡大して観察し、その二次元画像から欠陥(ナノ繊維の塊、ナノ繊維の交差部分、ポリマー液滴)を除いた繊維を任意に10本選び出し、繊維の長手方向に直交する線を引き繊維径を直接読み取ることで測定することができる。
ナノファイバ層11は、多層ナノファイバシート10では、ナノファイバのみから構成されていてもよく、あるいはナノファイバに加えて他の構造材料を含んでいてもよい。他の構造材料としては、例えばナノファイバ以外の繊維や粒子などが挙げられる。ナノファイバ層11がナノファイバに加えて他の構造材料を含んでいる場合には、ナノファイバ層11に占めるナノファイバの質量は、1質量%以上100質量%未満であることが好ましい。
ナノファイバ層11には、多層ナノファイバシート10では、1種又は2種以上のナノファイバを含有させることができる。ナノファイバ層11がナノファイバを1種類のみ含有する場合には、該ナノファイバとして水溶性高分子化合物を主基材として含有するものを用いる。ナノファイバ層11がナノファイバを2種類以上含む場合には、少なくとも1種類のナノファイバとして水溶性高分子化合物を主基材として含有するものを用いる。場合によっては、ナノファイバ層11は、第1の水溶性高分子化合物を主基材として含有する第1のナノファイバと、第2の水溶性高分子化合物を主基材として含有する第2のナノファイバとを少なくとも含んでもよい。このように、ナノファイバ層11が水溶性高分子化合物を主基材とするナノファイバを少なくとも含むことによって、ナノファイバ層11は、その全体として水溶性を呈することになる。
本明細書において水溶性高分子化合物とは、1気圧・23℃の環境下において、水溶性高分子化合物1gを秤量したのちに、10gのイオン交換水に浸漬し、24時間経過後、浸漬した水溶性高分子化合物の0.5g以上が水に溶解する性質を有するものをいう。
水溶性高分子化合物としては、水溶性中性多糖又は水溶性水性樹脂を用いることができる。水溶性中性多糖としては、例えば、プルラン、グルコマンナン、グアーガムの少なくとも1種以上を用いることができる。これら水溶性中性多糖の高分子のうち、複合化ナノファイバの調製が容易である観点から、プルラン、グルコマンナン、グアーガムを用いることが好ましい。水溶性中性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレングリコールの少なくとも1種以上を用いることができる。これら高分子のうち、複合化ナノファイバの調製が容易である観点から、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド及びポリプロピレングリコールを用いることが好ましい。
ナノファイバが水溶性高分子化合物を含有するため、該ナノファイバに他の成分を含有させることもできる。他の成分としては、例えば薬用成分、保湿成分、各種ビタミン、香料、紫外線防御剤、界面活性剤、着色顔料、体質顔料、染料、安定剤、防腐剤、及び酸化防止剤などが挙げられる。これらの成分は単独で使用することもでき、あるいは2種以上を組み合わせて一つのナノファイバに含有させることもできる。更に、第1の成分を第1のナノファイバに含有させ、且つ第2の成分を第2のナノファイバに含有させることもできる。この場合、第1のナノファイバに含有させる第1の成分及び第2のナノファイバに含有させる第2の成分としては、例えば水溶性酸及び炭酸水素塩が挙げられる。これらの成分を用いることで、多層ナノファイバシート10を二酸化炭素の発生が可能なものとすることができる。この場合、第1のナノファイバを構成する水溶性高分子化合物と、第2のナノファイバを構成する水溶性高分子化合物とは、同種のものでもよく、あるいは異種のものでもよい。
水溶性酸としては、例えば、水溶性を有する有機酸又は無機酸を用いることができる。そのような有機酸としては、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸;グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸;グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、イタ酒石酸、クエン酸、イソクエン酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、α−オキシ酪酸、グリセリン酸、タルトロン酸、サリチル酸、没食子酸、トロパ酸、アスコルビン酸、グルコン酸等のオキシ酸;が挙げられ、これらの少なくとも1種以上が用いられる。一方、無機酸としては、リン酸、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム、酸性ヘキサメタリン酸ナトリウム、酸性ヘキサメタリン酸カリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、スルファミン酸が挙げられ、これらの少なくとも1種以上が用いられる。水溶性酸としては、複合化ナノファイバの調製が容易である観点から、クエン酸等のオキシ酸が好ましく用いられる。
炭酸水素塩としては、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素セシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水酸化マグネシウムが挙げられ、これらの少なくとも1種以上が用いられる。炭酸水素塩としては、複合化ナノファイバの調製が容易である観点から、炭酸水素ナトリウムが好ましく用いられる。
ナノファイバ層11の坪量は、好ましくは0.01g/m2以上であり、更に好ましくは0.1g/m2以上であり、また、好ましくは100g/m2以下であり、更に好ましくは50g/m2以下である。具体的には、好ましくは0.01g/m2以上100g/m2以下であり、更に好ましくは0.1g/m2以上50g/m2以下である。ナノファイバ層11がこの範囲の坪量を有することで、多層ナノファイバシート10と対象物との密着性が良好になる。ナノファイバ層11の坪量は、多層ナノファイバシート10の表面にコールドスプレーを吹き付け冷却して各層の接着力を低下させ、多層ナノファイバシート10からナノファイバ層11を形成する静電紡糸不織布11bを丁寧に剥す。そして、剥した静電紡糸不織布11bを50mm×50mmに切り出し、切り出した該静電紡糸不織布11bの質量をはかりで計量し、シート面積で除法して算出することで測定することができる。
ナノファイバ層11における水溶性酸の含有量としては、水溶性高分子化合物と水溶性酸と炭酸水素塩の合計質量に対し、0.5質量%以上であることが好ましく、2.5質量%以上であることが更に好ましく、上限値は40質量%以下であることが好ましい。水溶性酸の含有量は例えば有機酸であれば液体クロマトグラフィー法、無機酸であれば誘導結合プラズマ質量分析法または蛍光X線分析法で測定することができる。
また、ナノファイバ層11における炭酸水素塩の含有量としては、水溶性高分子化合物と水溶性酸と炭酸水素塩の合計質量に対し、0.5質量%以上であることが好ましく、2.5質量%以上であることが更に好ましく、上限値は40質量%以下であることが好ましい。炭酸水素塩の含有量は誘導結合プラズマ質量分析法または蛍光X線分析法で測定することができる。但し、水溶性酸の構成元素に応じて前記分析法のうち適当なものを選択しなければならない。
ナノファイバ層11の一方の面側に配されている多孔質層12は、図1に示すように、多数の細孔を有する多孔性の層である。ここでいう多孔性とは、液体を透過させる透液性のある構造のことである。多孔質層12が有する細孔はオープンセルの構造を有することが好ましい。多孔質層12の態様としては、例えば、繊維集合体の層やオープンセルの構造を有する海面状体の層などが挙げられる。
多孔質層12は、多層ナノファイバシート10では、繊維集合体の層であり、図2及び図3に示すように、合成高分子からなる繊維及びセルロース系繊維の少なくとも1種以上からなる第1不織布12aに大気雰囲気下でプラズマを照射して大気圧プラズマ処理を施した被プラズマ処理不織布12bから形成されている。大気圧プラズマ処理が施される第1不織布12aとしては、合成高分子からなる繊維の1種以上からなる第1不織布12aでは、メルトブローン法、スパンボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法、エアレイド法等により製造された不織布を用いることができる。これらの製法のうち、繊維表面の全体または一部が工程油剤で被覆されず且つ繊維表面が有効に大気圧プラズマ処理されやすいようにする観点から、メルトブローン法又はスパンボンド法を用いて製造された不織布であることが好ましい。合成高分子からなる繊維とセルロース系繊維の1種以上からなる第1不織布12aでは、スパンレース法、エアレイド法等により製造された不織布を用いることができる。セルロース系繊維の1種以上からなる第1不織布12aとしては、これらの製法のうち、不織布の柔らかい風合いを保持して且つ不織布を構成する各繊維表面の全体または一部が工程油剤で実質的に被覆されず繊維表面が有効に大気圧プラズマ処理されやすいようにする観点から、スパンレース法を用いて製造された不織布であることが好ましい。なお、これらの第1不織布12aを構成する繊維ないしストランドは、その太さが、ナノファイバの範疇であってもよく、あるいはそれよりも太いものであってもよい。
多孔質層12がどのような形態のものであっても、該多孔質層12は水不溶性のものであることが有利である。この理由は、多孔質層12が水不溶性であれば、液状物を用いて多層ナノファイバシート10を肌に貼付する場合に多孔質層12が溶解することを阻止できるからである。したがって、多孔質層12が、例えば、繊維集合体の層である場合には、該繊維集合体を構成する第1不織布12aが水不溶性のものであることが好ましい。なお、水不溶性とは、1気圧・23℃の環境下において、多孔質層12を1g秤量したのちに、10gのイオン交換水に浸漬し、24時間経過後、浸漬した多孔質層12の0.5g以上が溶解しない性質を有するものをいう。この観点から、多孔質層12を構成する合成高分子としては、水不溶性高分子化合物であることが好ましい。
多孔質層12を構成する水不溶性高分子化合物としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、若しくはポリ乳酸(PLA)といったポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、若しくはポリメタクリル酸樹脂等のアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、又はポリアミドイミド樹脂などが挙げられる。これらの水不溶性高分子化合物は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
多孔質層12は、その厚さが3μm以上であることが好ましく、5μm以上であることが更に好ましく、10μm以上であることが一層好ましい。また多孔質層12は、その厚さが1000μm以下であることが好ましく、500μm以下であることが更に好ましく、450μm以下であることが一層好ましい。具体的には、多孔質層12は、その厚さが3μm以上1000μm以下であることが好ましく、5μm以上500μm以下であることが更に好ましく、10μm以上450μm以下であることが一層好ましい。多孔質層12の厚さは、以下のように測定する。最初に、多層ナノファイバシート10の表面にコールドスプレーを吹き付けて各層の接着力を低下させ、多層ナノファイバシート10から多孔質層12を形成する被プラズマ処理不織布12bを丁寧に剥す。次に、剥した被プラズマ処理不織布12bを50mm×50mmで切り出す。そして、ミツトヨのSuperライトマチックVL−50AHを用い、0.01Nの荷重をかけた状態で50mm×50mmの面積の領域を5点測定し、その平均値を多孔質層12の厚さとする。以下の説明において、多孔質層12の厚さというときには、この方法で測定した値のことである。多孔質層12の厚さをこの範囲に設定することで、例えば、使用者の指先の湿り気に起因してナノファイバ層11が意図せず溶解してしまうことや、ナノファイバ層11の溶解液が皮膚に多量に移行してしまうこと、それにより皮膚上でべたつき使用感が悪化してしまうこと、及びそれに起因してナノファイバを構成する水溶性高分子化合物の乾燥物が皮膚上に多量に残存してしまい、カス状になって使用感を損なうこと等を効果的に防止することができる。また、ナノファイバ層11の溶解液に含まれる有効成分が、大気圧プラズマ処理された多孔質層12を介して皮膚に容易に到達することができ、有効成分が皮膚へ浸透しやすくなるという利点もある。
ナノファイバ層11の他方の面側に配されている基材層13は、図1に示すように、多層ナノファイバシート10のハンドリング性を向上させるために用いられる。この目的のために基材層13は、適度な剛性があるものが好ましい。この観点から、基材層13はそのテーバーこわさが、0.01mN・m以上であることが好ましく、0.02mN・m以上であることが更に好ましい。また、0.4mN・m以下であることが好ましく、0.3mN・m以下であることが更に好ましい。具体的には、0.01mN・m以上0.4mN・m以下であることが好ましく、0.02mN・m以上0.3mN・m以下であることが更に好ましい。テーバーこわさは、JIS P8125−2000に規定される「こわさ試験方法」により測定される。
基材層13は、上述の観点から、水不溶性のものであることが有利である。なお、「水不溶性」の定義は先に述べたとおりである。この観点から、基材層13は水不溶性高分子化合物から構成されていることが好ましい。
基材層13を形成する水不溶性高分子化合物としては、例えばポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、若しくはポリ乳酸(PLA)といったポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、若しくはポリメタクリル酸樹脂等のアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、又はポリアミドイミド樹脂などが挙げられる。これらの水不溶性高分子化合物は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
基材層13の形態に特に制限はなく、例えば、フィルム13bや繊維集合体(例えば第2不織布)を用いることができる。基材層13は通気性が低いものであることが望ましく、その観点からは基材層13はフィルム13bであることが好ましい。基材層13の通気性を透気抗度(ガーレー、JIS P8117:2009)で表した場合、その値は30s/100ml以上であることが好ましい。基材層13の通気性が低いことは、多層ナノファイバシート10を例えば皮膚に貼付した場合、皮膚の閉塞性が高まり、ナノファイバ層11に含まれる有効成分や、多層ナノファイバシート10の貼付に用いられる液状物に含まれる有効成分が、効果的に皮膚に浸透する点から有利である。
基材層13がフィルム13bである場合、該フィルム13bとしては、各種の熱可塑性樹脂により形成されたフィルムが挙げられ、安価で容易に入手出来る等の観点から、延伸ポリプロピレンフィルムや高密度ポリエチレンフィルム等の、ポリオレフィン樹脂を素材とするフィルム、又はポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂を素材とするフィルムが好ましく用いられる。また、静電紡糸法を用いてフィルム13bの上にナノファイバ層11を形成させる場合、ナノファイバ層11と接触する側のフィルム13bの表面は、後述するリモート方式の大気圧プラズマ処理またはダイレクト方式の大気圧プラズマ処理をなされていることがナノファイバ層11をフィルム13bの表面に強固に固着できる点で更に好ましい。また、フィルム13bの厚さとしては、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることが更に好ましい。また、500μm以下であることが好ましく、300μm以下であることが更に好ましい。具体的には、5μm以上500μm以下であることが好ましく、10μm以上300μm以下であることが更に好ましい。基材層13を形成するフィルム13bの厚さは、以下のように測定する。最初に、多層ナノファイバシート10の表面にコールドスプレーを吹き付けて各層の接着力を低下させ、多層ナノファイバシート10から基材層13を形成するフィルム13bを丁寧に剥す。次に、剥したフィルム13bを50mm×50mmで切り出す。そして、ミツトヨのSuperライトマチックVL−50AHを用い、0.01Nの荷重をかけた状態で50mm×50mmの面積の領域を5点測定し、その平均値を基材層13の厚さとする。以下の説明において、フィルム13bである場合の基材層13の厚さというときには、この方法で測定した値のことである。
基材層13が第2不織布である場合、該第2不織布としては、メルトブローン不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布等が挙げられ、ナノファイバ層11を密着させやすい観点から、メルトブローン不織布またはスパンボンド不織布が好ましく用いられる。また、静電紡糸法を用いて第2不織布の上にナノファイバ層11を形成させる場合、ナノファイバ層11と接触する側の第2不織布の表面は、後述するリモート方式の大気圧プラズマ処理またはダイレクト方式の大気圧プラズマ処理をなされていることがナノファイバ層11を第2不織布の表面に強固に固着できる点で更に好ましい。第2不織布の坪量としては、7g/m2以上であることが好ましく、10g/m2以上であることが更に好ましい。また、50g/m2以下であることが好ましく、30g/m2以下であることが更に好ましい。具体的には、7g/m2以上50g/m2以下であることが好ましく、10g/m2以上30g/m2以下であることが更に好ましい。なお、第2不織布の坪量とは、多層ナノファイバシート10の表面にコールドスプレーを吹き付けて多層ナノファイバシート10から第2不織布を剥し、剥した第2不織布の坪量とする。
基材層13が透明又は半透明のフィルムの形態であることは、液状物を用いて多層ナノファイバシート10を皮膚に貼付した場合に、貼付部位の皮膚の状態や、ナノファイバ層11の溶解状態を、基材層13を通じて視認することができる観点からも有利である。また、皮膚の状態変化や、ナノファイバ層11の溶解状態の変化がサインとなり、使用者に効果感を与えることもできる。
多層ナノファイバシート10では、図1に示すように、基材層13とナノファイバ層11と多孔質層12とが積層された状態で固着している。固着とは、多層ナノファイバシート10を指で把持し、該シート10を曲げたり指でこすったりしても3層がばらばらにならず一体化した状態が維持される程度に各層間が結合している状態をいう。つまり剥離不能に積層されていることを言う。ただし、ここでいう固着の定義において、多層ナノファイバシート10に加わる外力は、通常シートを触る場合に生じる程度の外力を想定しており、故意に力を加えて層間剥離させるような強い外力は想定していない。
多層ナノファイバシート10における固着の程度は、剥離強度を尺度として評価できる。多層ナノファイバシート10を構成する各層のうちの少なくとも1層が剥離する強度を剥離強度と定義する。この剥離強度が0.01N以上である場合を固着状態とする。剥離強度の具体的な測定方法は、後述する製造方法において詳述する。
次に、本発明の不織布複合シートの製造方法を、前述した一実施形態の多層ナノファイバシート10の製造方法を例にとり図2〜図4を参照して説明する。本実施形態の多層ナノファイバシート10の製造方法を説明するに当たり、先に、本実施形態の多層ナノファイバシート10の多孔質層12を形成する被プラズマ処理不織布12bの製造に用いられる大気圧プラズマ処理装置20、及び多層ナノファイバシート10の製造に用いられるヒートプレス装置30について説明する。
図2には、本実施形態の多層ナノファイバシート10の製造に用いられる大気圧プラズマ処理装置20が模式的に示されている。図3には、図2に示すプラズマ照射ヘッド21のプラズマ発生部分が模式的に示されている。図4には、本実施形態の多層ナノファイバシート10の製造に用いられるヒートプレス装置30が模式的に示されている。
図2に示すように、大気圧プラズマ処理装置20は、ハウジング内で対象物にプラズマを照射するバッチ式のプラズマ処理装置と異なり、大気雰囲気下で対象物(本実施形態では第1不織布12a)にプラズマを照射するプラズマ処理装置である。また大気圧プラズマ処理装置20は、第1及び第2電極の間に対象物を配して該対象物の表面に大気圧プラズマ処理を行うダイレクト方式と異なり、第1及び第2電極24a,24bの間、つまりグロー放電等させる第1及び第2電極24a,24b間のギャップ24d(図3参照)と対向する位置に対象物(本実施形態では第1不織布12a)を配して該対象物の表面に大気圧プラズマ処理を行うリモート方式の装置である。
大気圧プラズマ処理装置20は、図2に示すように、大気雰囲気下でプラズマを発生させるプラズマ照射ヘッド21と、大気圧プラズマ処理が施される第1不織布12aを搬送する搬送ベルト22と、搬送ベルト22で搬送される第1不織布12aを吸引するバキュームボックス23とを備えている。
大気圧プラズマ処理装置20の備えるプラズマ照射ヘッド21は、図2に示すように、搬送ベルト22と対向配置されており、搬送ベルト22で搬送される第1不織布12aの表面に向けてプラズマを照射できるようになっている。好適に、プラズマ照射ヘッド21は、第1不織布12aに向けてプラズマを照射するプラズマ照射部24と、第1不織布12aに向けて熱風を吹き付ける加熱部25とを有している。加熱部25は、筐体21aの下端部において、プラズマ照射部24よりも第1不織布12aの搬送方向の上流側に配されている。
プラズマ照射ヘッド21の有するプラズマ照射部24は、プラズマ照射ヘッド21を構成する筐体21aの下端部に取り付けられており、搬送ベルト22と間隔を空けて配されている。プラズマ照射部24と搬送ベルト22との間隔(距離)としては、大気圧プラズマの副生熱で多孔質層12aを損傷させず、更に大気圧プラズマの強度が減衰しきらないうちに大気圧プラズマ処理をする観点から、多孔質層12aのプラズマ被照射面より1mm以上であることが好ましく、3mm以上であることが更に好ましい。また、20mm以下であることが好ましく、15mm以下であることが更に好ましい。具体的には、1mm以上20mm以下であることが好ましく、3mm以上15mm以下であることが更に好ましい。
またプラズマ照射部24は、大気圧プラズマ処理装置20では、図3に示すように、互いに対向配置される第1電極24a及び第2電極24bと、第1及び第2電極24a,24b間のギャップ24dに向けてガスを噴射するガス噴射ノズル(図示せず)とを有している。第1及び第2電極24a,24bは、銅、アルミニウム、真鍮、耐食性の高いステンレス(SUS304等)、チタン、13クロム鋼などの導電性の高い金属材料により形成されており、搬送ベルト22による第1不織布12aの搬送方向と直交する幅方向に延びる略直方体形状に形成されている。またプラズマ照射部24の第1電極24aの表面(第2電極24bと対向する面)には、誘電被膜24cが形成されている。誘電被膜24cとしては、アルミナ、チタニア、ジルコア等のセラミック材料等を用いることができる。尚、誘電被膜24cは無くても大気圧プラズマ発生においては特に支障がなく、誘電被膜24cが無い場合には更に強い大気圧プラズマを発生させることができる点で有効である。プラズマ照射部24は、大気圧プラズマ処理装置20では、第1電極24aが不図示の電源に接続され、第2電極24bが接地されている。
対向配置する第1及び第2電極24a,24bの間隔としては、大気圧プラズマを安定して発生させる観点から、0.5mm以上であることが好ましく、1mm以上であることが更に好ましい。また、70mm以下であることが好ましく、50mm以下であることが更に好ましい。具体的には、0.5mm以上70mm以下であることが好ましく、1mm以上50mm以下であることが更に好ましい。
プラズマ照射部24の有するガス噴射ノズル(図示せず)は、大気圧プラズマ処理装置20では、第1電極24a及び第2電極24bの上方に配されており、第1電極24a及び第2電極24bのギャップ24dに向けてガスを噴射することができるようになっている。
プラズマ照射ヘッド21の有する加熱部25は、大気圧プラズマ処理装置20では、図2に示すように、プラズマ照射ヘッド21を構成する筐体21aの下端部に取り付けられている。加熱部25は、第1不織布12aにおける大気圧プラズマ処理が施される予定の処理対象領域に対して熱風を噴射するように配されている。
大気圧プラズマ処理装置20の備える搬送ベルト22は、図2に示すように、プラズマ照射ヘッド21の下方に間隔を空けて配されており、大気圧プラズマ処理される第1不織布12aを搬送できるようになっている。搬送ベルト22は、搬送方向と直交する幅方向の長さが、搬送する第1不織布12aの幅方向の長さよりも長くなっている。また、搬送ベルト22は、厚さ方向に多数の開孔が形成されている。
大気圧プラズマ処理装置20の備えるバキュームボックス23は、図2に示すように、搬送ベルト22を介して、プラズマ照射ヘッド21と対向配置されている。バキュームボックス23は、吸引ファン(図示せず)を有しており、搬送ベルト22により搬送される第1不織布12a及び被プラズマ処理不織布12bをプラズマが照射される照射面とは反対側の非照射面側から吸引するようになっている。バキュームボックス23による搬送ベルト22により搬送される第1不織布12a及び被プラズマ処理不織布12bに対する吸引力としては、第1不織布12a及び被プラズマ処理不織布12bが搬送ベルト22上を滑ることなく搬送される程度であればよい。
図4に示すように、ヒートプレス装置30は、前述した基材層13を形成する第2不織布又はフィルム13bの上に固着したナノファイバ層11を形成する静電紡糸不織布11bと、多孔質層12を形成する被プラズマ処理不織布12bとを積層した状態で貼り合わせる装置である。ヒートプレス装置30は、これらを熱プレスにより貼り合わせて固着させることで多層ナノファイバシート10を形成するようになっている。
好適に、ヒートプレス装置30は、図4に示すように、第2不織布又はフィルム13bの面上に配された静電紡糸不織布11bと該静電紡糸不織布11bの表面に被プラズマ処理不織布12bとを積層配置したものを載置する基台部31と、基台部31に対して接離自在に形成された加圧部32とを備えている。加圧部32は、昇降自在に形成されており、基台部31に載置された第2不織布又はフィルム13bの面上に配された静電紡糸不織布11bと、該静電紡糸不織布11bの表面に積層配置された被プラズマ処理不織布12bとを加圧可能に形成されている。加圧部32は、ヒートプレス装置30では、図4に示すように、レバー33を回動させることにより基台部31に対して接離自在に昇降するようになっている。
また加圧部32は、電源(図示せず)に接続されており、基台部31と対向する加圧面32aの温度を調整可能になっている。加圧部32は、摘み34を回すことで温度を調整可能になっている。
本実施形態では、多層ナノファイバシート10のナノファイバ層11を形成する静電紡糸不織布11bは、静電紡糸法を用いた静電紡糸装置によって製造できる。静電紡糸不織布11bは、静電紡糸装置では、捕集用基材上に製造される。製造された静電紡糸不織布11bは、捕集用基材から剥され、例えば接着剤により基材層13を形成する第2不織布又はフィルム13bに接着される。なお、静電紡糸不織布11bを形成する静電紡糸装置については、例えば、特開2016−124854に記載の装置を用いることができる。
次に、上述した装置を用いた本発明の好ましい一実施形態の多層ナノファイバシート10の製造方法について説明する。
本実施形態の多層ナノファイバシート10の製造方法は、合成高分子からなる繊維及びセルロース系繊維の少なくとも1種以上からなる第1不織布12aに、大気雰囲気下でプラズマを照射して大気圧プラズマ処理を施した被プラズマ処理不織布12bを得る大気圧プラズマ処理工程と、大気圧プラズマ処理工程で得られた被プラズマ処理不織布12bと、被プラズマ処理不織布12bとは別の第2不織布又はフィルム13bの面上に配され且つ水溶性高分子を主基材として酸及び炭酸水素塩を含有している静電紡糸不織布11bとを用い、該静電紡糸不織布11bの表面に被プラズマ処理不織布12bを配して、互いに熱プレスして貼り合わせて多層ナノファイバシート10を得る貼り合せ工程とを備えている。また、多層のナノファイバシート10の製造方法は、大気圧プラズマ処理工程の前工程に、第1不織布12aにおける大気圧プラズマ処理が施される予定の処理対象領域に対して、該第1不織布12aを構成する繊維原料のガラス転移点Tg以上の加熱処理を行う加熱処理工程を備えている。本実施形態では、貼り合わせ工程において、基材層13を形成するフィルム13bの面上に、ナノファイバ層11を形成する静電紡糸不織布11bを接着剤で接合し、更に静電紡糸不織布11bの表面に多孔質層12を形成する被プラズマ処理不織布12b配したものを互いに熱プレスして貼り合わせて多層ナノファイバシート10を得ている。以下、本実施形態の多層ナノファイバシート10の製造方法について詳述する。
先ず、多層ナノファイバシート10のナノファイバ層11を形成する静電紡糸不織布11bを上述した静電紡糸装置にて製造する。静電紡糸法を用いた静電紡糸装置では、静電紡糸不織布11bは捕集用基材上に製造されるので、捕集用基材上に静電紡糸不織布11bが製造されると該静電紡糸不織布11bを捕集用基材から剥し、基材層13を形成するフィルム13bの面上に配して接着剤にて互いに接着する。
静電紡糸不織布11bの製造とは別に、上述した大気圧プラズマ処理装置20を用いて多孔質層12を形成する被プラズマ処理不織布12bを製造する(大気圧プラズマ処理工程)。被プラズマ処理不織布12bの製造においては、先ず、大気雰囲気下にて、大気圧プラズマ処理が施される第1不織布12aを搬送ベルト22にて所定の搬送速度で搬送する。搬送ベルト22による第1不織布12aの搬送速度としては、より短時間で第1不織布12aを大気圧プラズマの副生熱で損傷させずに大気圧プラズマ処理を行う観点から、10m/min以上であることが好ましく、25m/min以上であることが更に好ましい。また、100m/min以下であることが好ましく、80m/min以下であることが更に好ましい。具体的には、10m/min以上100m/min以下であることが好ましく、25m/min以上80m/min以下であることが更に好ましい。
第1不織布12aを搬送ベルト22で搬送すると、本実施形態では、搬送ベルト22にて搬送される第1不織布12aに対して、プラズマ照射ヘッド21の有する加熱部25が噴射する熱風により予め加熱処理を行う(加熱処理工程)。好適に、加熱処理工程では、第1不織布12aにおける大気圧プラズマ処理が施される予定の処理対象領域に対して熱風による加熱処理を行う。
加熱部25が噴射する熱風の温度としては、より短時間で第1不織布12aを大気圧プラズマの副生熱で損傷させずに大気圧プラズマ処理を行う観点から、第1不織布12aにおける大気圧プラズマ処理が施される予定の処理対象領域に対して、第1不織布12aを構成する繊維原料のガラス転移点Tg以上であることが好ましく、上限の熱風温度としては、第1不織布12aを構成する繊維原料が融点Tmを有する場合は融点Tm以下、第1不織布12aを構成する繊維原料が融点Tmを有さず温度Tpを境に流動を開始する性質を有する場合は流動開始点Tp以下、第1不織布12aを構成する繊維原料が融点Tmも流動開始点Tpも有さず、ある温度を超えて熱分解する性質を有する場合は熱分解温度Td以下、とすることが好ましい。なお、ここでいう熱風の温度とは、第1不織布12aの表面位置での熱風の温度を意味する。第1不織布12aに該第1不織布12aを構成する繊維原料のガラス転移点Tg以上融点Tm、又は流動開始点Tp、又は熱分解温度Td以下の熱風を噴射することで、第1不織布12aを損傷することなく適度に加熱できる。
また加熱部25が噴射する熱風の流量としては、第1不織布12aを有効に加熱する観点から、10L/min以上であることが好ましく、15L/min以上であることが更に好ましい。また、30L/min以下であることが好ましく、25L/min以下であることが更に好ましい。具体的には、10L/min以上30L/min以下であることが好ましく、15L/min以上25L/min以下であることが更に好ましい。
次いで、第1不織布12aの前記処理対象領域が加熱処理されると、第1不織布12aの処理対象領域に大気圧プラズマ処理を施す。本実施形態においては、大気圧プラズマ処理工程では、大気圧プラズマ処理にリモート方式が用いられている。好適に、大気圧プラズマ処理装置20では、プラズマ照射ヘッド21の有するプラズマ照射部24の第1及び第2電極24a,24bを印加する。第1及び第2電極24a,24bを印加すると、ギャップ24dの上方に位置するガス噴射ノズル(図示せず)からギャップ24dに向けてガスを噴射する。ガス噴射ノズル(図示せず)が噴射するガスとしては、放電を安定して発生させることができるものであればよく、例えば、大気圧下で放電開始電圧2kV/cm以上のガスが好ましい。このようなガスとしては、窒素、酸素、水素、メタン、アンモニア、空気、水蒸気等を単独又は混合して用いることができる。
ガス噴射ノズルが噴射するガスの流量としては、安定してプラズマ化したガスを第1不織布12aに安定して照射するようにする観点から、5L/min以上であることが好ましく、15L/min以上であることが更に好ましい。また、50L/min以下であることが好ましく、40L/min以下であることが更に好ましい。具体的には、5L/min以上50L/min以下であることが好ましく、15L/min以上40L/min以下であることが更に好ましい。
ギャップ24dの上方からギャップ24dに向けてガスを噴射すると、ギャップ24d内でグロー放電が発生し、ギャップ24dの下方に位置する第1不織布12aに向けてプラズマが照射される。ギャップ24dから第1不織布12aに向けて照射されるプラズマにより、第1不織布12aはプラズマ処理される。本実施形態では、この大気圧プラズマ処理にリモート方式を用いることで、プラズマが照射される照射面のみならず、第1不織布12aの内部から照射面とは反対側の非照射面までプラズマ処理を施すことができる。このように、大気圧プラズマ処理にて、第1不織布12a表面に加え、その内部及び裏側までプラズマ処理を施すことによって親水化がなされると、多層ナノファイバシート10の使用時に、化粧水等の機能剤を浸透させやすくなる。
また、本実施形態では、大気圧プラズマ処理工程にて、第1不織布12aにリモート方式の大気圧プラズマ処理を施しながら、該第1不織布12aのプラズマを照射している照射面とは反対側の非照射面側から吸引する。好適に、搬送ベルト22の下方に配されている上述したバキュームボックス23を用いて、第1不織布12aの非照射面側から搬送ベルト22を介して吸引している。搬送ベルト22には、多数の開孔が形成されているので、搬送ベルトの下方に配されたバキュームボックス23にて第1不織布12aの非照射面側から吸引可能となっている。第1不織布12aにリモート方式の大気圧プラズマ処理を施しながら第1不織布12aの非照射面から吸引することで、第1不織布12aの照射面(表面)から非照射面(裏面)に亘ってプラズマ処理が施され易くなる。
プラズマ処理工程では、第1不織布12aの片面又は両面に少なくとも1回以上の大気圧プラズマ処理を施すことが好ましい。本実施形態では、第1不織布12aの片面に少なくとも1回以上の大気圧プラズマ処理を施している。第1不織布12aの片面又は両面に少なくとも1回以上の大気圧プラズマ処理を施すことで、第1不織布12aにおける静電紡糸不織布11bとの接合面とその反対側の面からの水系液体の浸透が容易になる。
次いで、フィルム13bに接着された静電紡糸不織布11bと、プラズマ処理工程にて得られた被プラズマ処理不織布12bとを用い、静電紡糸不織布11bの表面に被プラズマ処理不織布12bを配して、互いに熱プレスして多層ナノファイバシートを得る(貼り合せ工程)。静電紡糸不織布11bの表面とは、静電紡糸不織布11bのフィルム13bとの接着面とは反対側の面をいう。尚、被プラズマ処理不織布12bは、フィルム13bに接着された静電紡糸不織布11bの表面に照射面側を対向させて配してもよく、非照射面側を対向させて配してもよい。そして、これらを前述したヒートプレス装置30の基台部31に載置する。
フィルム13bに接着された静電紡糸不織布11b及び被プラズマ処理不織布12bを基台部31に載置すると、ヒートプレス装置30の加圧部32を所定の温度に加熱する。加圧部32による加熱温度としては、静電紡糸不織布11bと被プラズマ処理不織布12bを接着剤を用いずに安定して接着させる観点から、30℃以上であることが好ましく、35℃以上であることが更に好ましい。また、60℃以下であることが好ましく、50℃以下であることが更に好ましい。具体的には、30℃以上60℃以下であることが好ましく、35℃以上50℃以下であることが更に好ましい。
加圧部32を加熱すると、レバー33を回動させて加圧部32を基台部31に向けて降下させ、フィルム13bに接着された静電紡糸不織布11b及び被プラズマ処理不織布12bを加圧する。加圧部32による加圧圧力としては、多層ナノファイバシート10の風合い等の質感を保ち且つ、静電紡糸不織布11bと被プラズマ処理不織布12bを接着剤を用いずに安定して接着させる観点から、 2MPa以上であることが好ましい。また、10MPa以下であることが好ましい。具体的には、2MPa以上10MPa以下であることが好ましい。
加圧部による加圧時間としては、多層ナノファイバシート10の風合い等の質感を保ち且つ、静電紡糸不織布11bと被プラズマ処理不織布12bを接着剤を用いずに安定して接着させる観点から、1秒以上であることが好ましく、3秒以上であることが更に好ましい。また、10秒以下であることが好ましく、7秒以下であることが更に好ましい。具体的には、1秒以上10秒以下であることが好ましく、3秒以上7秒以下であることが更に好ましい。このようにして、多層ナノファイバシート10を得ることができる。
以上のように、本実施形態の多層ナノファイバシート10の製造方法は、大気雰囲気下で多孔質層12を形成する予定の第1不織布12aにプラズマ処理を行うプラズマ処理工程を備えている。その為、大気圧プラズマ処理工程により得られた被プラズマ処理不織布12bとナノファイバ層11を形成する静電紡糸不織布11bとを加圧及び加熱により貼り合わせて多層ナノファイバシートを得る貼り合せ工程において、低温で貼り合せることができる。これにより、例えば二酸化炭素を発生させるためにナノファイバには水溶性酸及び炭酸水素塩等を保持させた場合においても、熱による炭酸水素ナトリウムの分解が進行し、加熱箇所が不活性化してしまうことを抑制することができる。例えば、炭酸水素ナトリウムの分解が進行すると水が発生し、水溶性高分子化合物のナノファイバシートが溶け出すことを抑制することができる。また二酸化炭素が発生して多層ナノファイバシート10の機能が低下してしまうことも抑制することができる。更に60℃以下で貼り合せることができるので、多層ナノファイバシート10の風合いの低下も抑制することができる。このように、本実施形態の多層ナノファイバシート10の製造方法によれば、多層ナノファイバシート10を低コストで連続して生産することができる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されない。例えば、前記実施形態の多層ナノファイバシート10の製造方法は、貼り合せ工程において、フィルム13bに接着された静電紡糸不織布11bと被プラズマ処理不織布12bとを貼り合せたが、第2不織布に接着された静電紡糸不織布11bと被プラズマ処理不織布12bとを貼り合せてもよい。
また例えば、大気圧プラズマ処理工程にて、リモート方式の大気圧プラズマ処理を施したが、第1及び第2電極の間に対象物を配して該対象物の表面に大気圧プラズマ処理を行うダイレクト方式の大気圧プラズマ処理を施してもよい。
また例えば、大気圧プラズマ処理工程にて第1不織布12aの片面に少なくとも1回以上の大気圧プラズマ処理を施したが、両面に少なくとも1回以上の大気圧プラズマ処理を施してもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明の範囲は、かかる実施例に限定されない。
<静電紡糸不織布及びフィルムの積層体の製造>
基材層を形成するフィルムとして、厚さ50μmのポリプロピレン(PP)フィルムを準備した。
プルランのナノファイバからなる静電紡糸不織布を形成した。静電紡糸不織布を形成するナノファイバの太さは600nmであり、ナノファイバの坪量は18.7g/m2であった。二酸化炭素を発生させる第1の成分は水溶性酸であり、水溶性酸としてクエン酸を用いた。ナノファイバ層におけるクエン酸の含有量は10.6g/m2であった。同様に、二酸化炭素を発生させる第2の成分は炭酸水素塩であり、炭酸水素塩として炭酸水素ナトリウムを用いた。ナノファイバ層における炭酸水素ナトリウムの含有量は8.1g/m2であった。
準備したPPフィルムの一面に製造した静電紡糸不織布を接着剤で接着して、静電紡糸不織布及びフィルムの積層体を得た。この積層体を幅60mm、長さ150mmにカットした。
〔実施例1〕
<1.被プラズマ処理不織布の製造>
図2に示す大気圧プラズマ処理装置20と同様の基本構成を有する大気圧プラズマ処理装置を用意した。そして、この大気圧プラズマ処理装置を用いて、被プラズマ処理不織布を製造した。被プラズマ処理不織布に用いられる不織布としては、ユニチカ株式会社製のスパンボンド不織布(商標名:エルベス、銘柄S0203WDO、坪量20g/m2、繊維は芯鞘繊維であり、芯部をポリエステル、鞘部をポリエチレンで構成)を用いた。
プラズマ照射ヘッドとして、プラズマ処理装置(富士機械製造株式会社製、製品名:Tough Plasma FPE20)のプラズマ照射ヘッドを用いた。プラズマ照射ヘッドの有する加熱部が噴射する熱風の流量は20L/minであり、熱風温度(不織布表面温度)は80℃であった。
プラズマ照射ヘッドの有するプラズマ照射部と搬送ベルトとの間隔は10mmであった。プラズマ照射ヘッドの有するガス噴射ノズルが噴射するガスを窒素として、流量30L/minで不織布に向けて噴射させた。
被プラズマ処理不織布をA4サイズ(幅210mm×長さ297mm)にカットし、搬送ベルトにて搬送し、搬送速度50m/minでプラズマ照射ヘッドの下方を通過させ、大気圧プラズマ処理を施した。プラズマ照射ヘッドの下方では、バキュームボックス23にて不織布のプラズマ照射面と反対側の非照射面から吸引した。
この大気圧プラズマ処理を3回行い、被プラズマ処理不織布を得た。この被プラズマ処理不織布を幅60mm、長さ150mmにカットした。
<2.多層ナノファイバシートの製造>
図3に示すヒートプレス装置30と同様の基本構成を有するヒートプレス装置を用意した。そして、このヒートプレス装置を用いて、実施例1の多層ナノファイバシートを製造した。
PPフィルムに静電紡糸不織布を接着した積層体と、被プラズマ処理不織布とを用い、PPフィルムに静電紡糸不織布を接着した積層体の静電紡糸不織布側の表面に被プラズマ処理不織布を配した。ヒートプレス装置を用いて、これを、圧力10MPa、プレス温度30℃にて5秒間熱プレスした。このようにして、実施例1の多層ナノファイバシートを得た。
〔実施例2〕
<1.被プラズマ処理不織布の製造>における大気圧プラズマ処理の回数を5回とした以外は実施例1と同様にして、実施例2の多層ナノファイバシートを得た。
〔実施例3〕
<1.被プラズマ処理不織布の製造>における大気圧プラズマ処理の回数を5回とし、<2.多層ナノファイバシートの製造>におけるヒートプレス装置による圧力を2MPa、プレス温度35℃とした以外は実施例1と同様にして、実施例3の多層ナノファイバシートを得た。
〔実施例4〕
<1.被プラズマ処理不織布の製造>における大気圧プラズマ処理の回数を1回とし、<2.多層ナノファイバシートの製造>におけるヒートプレス装置によるプレス温度35℃とした以外は実施例1と同様にして、実施例4の多層ナノファイバシートを得た。
〔実施例5〕
<1.被プラズマ処理不織布の製造>における大気圧プラズマ処理の回数を5回とし、<2.多層ナノファイバシートの製造>におけるヒートプレス装置によるプレス温度35℃とした以外は実施例1と同様にして、実施例5の多層ナノファイバシートを得た。
〔実施例6〕
<2.多層ナノファイバシートの製造>におけるヒートプレス装置による圧力を2MPa、プレス温度40℃とした以外は実施例1と同様にして、実施例6の多層ナノファイバシートを得た。
〔実施例7〕
<1.被プラズマ処理不織布の製造>における大気圧プラズマ処理の回数を1回とし、<2.多層ナノファイバシートの製造>におけるヒートプレス装置による圧力を2MPa、プレス温度50℃とした以外は実施例1と同様にして、実施例7の多層ナノファイバシートを得た。
〔実施例8〕
<1.被プラズマ処理不織布の製造>における大気圧プラズマ処理の回数を1回とし、<2.多層ナノファイバシートの製造>におけるヒートプレス装置による圧力を5MPa、プレス温度50℃とした以外は実施例1と同様にして、実施例8の多層ナノファイバシートを得た。
〔比較例1〕
大気圧プラズマ処理を行わないこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の多層ナノファイバシートを得た。
〔比較例2〕
大気圧プラズマ処理を行わず、多層ナノファイバシートの製造におけるヒートプレス装置による圧力を5MPa、プレス温度50℃とした以外は実施例1と同様にして、比較例2の多層ナノファイバシートを得た。
〔評価〕
実施例及び比較例で得られた多層ナノファイバシートについて、シート接合状態、剥離強度、シート外観、二酸化炭素発生機能及び多孔質層側の風合いを、以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
〔シート接合状態〕
5名のパネラーに多層ナノファイバシートを指で摘ませて、曲げたり指でこすったりしても3層がばらばらにならず一体化した状態が維持される程度に各層間が接合しているか否かを評価させた。評価は、以下の基準で行った。
A 接合状態が良好であった
B 一応、接合していた
C 接合していなかった
〔剥離強度〕
JIS Z 0237:2009に規定する90°引きはがし(T型剥離)粘着力の測定法に準じて測定した。測定対象の積層体から幅30mm×長さ100mm以上の帯状物をサンプリングして試験片とした。20℃、65%RHの環境下にて、引張試験機(島津製作所製、オートグラフ(登録商標)AG−IS 100N)チャック間に試験片の長手方向両端部を挟み、その状態で剥離速度300mm/minで90°方向に引き剥がし(剥離長さ50mm)、剥離強度を測定した。単位はN/30mmとした。
〔シート外観〕
5名のパネラーに多層ナノファイバシートを目視させて、多層ナノファイバシートの外観を評価させた。評価は、以下の基準で行った。
A 良好であった
B 普通
C 接合していないので悪い
〔二酸化炭素発生機能〕
実施例1〜8及び比較例1及び2で得られた多層ナノファイバシートを50mm×50mmの大きさにカットし、被プラズマ処理不織布12b側よりイオン交換水を5mL添加し、外観を目視により観察した。連続的に泡が発生する様子が見えたものを二酸化炭素発生機能を有とした。
〔多孔質層側の風合い〕
5名のパネラーに多層ナノファイバシートの多孔質層を指で触れさせて、多孔質層の手触りを評価させた。評価は、以下の基準で行った。
A 良好であった
B 普通
C 接合していないので悪い
表1に示す結果から明らかなように、各実施例の多層ナノファイバシートは、接合状態が良好であり、剥離強度が高いことが判る。また各実施例の多層ナノファイバシートは、シート外観及び多孔質層側の風合いが良好であり、二酸化炭素発生機能も有していることが判る。これに対して、大気圧プラズマ処理を施していない比較例1及び比較例2の多層ナノファイバシートは、低温(50℃以下)で多孔質層を形成するシートがナノファイバ層を形成する静電紡糸不織布に接合されていないことが判る。また比較例1及び比較例2の多層ナノファイバシートは、多孔質層を形成するシートがナノファイバ層を形成する静電紡糸不織布に接合されていないことから、シート外観及び多孔質層側の風合いが悪いことが判る。このことから、各実施例の多層ナノファイバシートの製造方法によれば、大気圧プラズマ処理を施していない比較例1及び比較例2の多層ナノファイバシートの製造方法に比べて、多層ナノファイバシートを低コストで連続して生産することができることが期待できる。
10 多層ナノファイバシート
11 ナノファイバ層
11b 静電紡糸不織布
12 多孔質層
12a 第1不織布
12b 被プラズマ処理不織布
13 基材層
13b フィルム
20 大気圧プラズマ処理装置
21 プラズマ照射ヘッド21
22 搬送ベルト
23 バキュームボックス
24 プラズマ照射部24
24a 第1電極
24b 第2電極
24c 誘電被膜
24d ギャップ
25 加熱部
30 ヒートプレス装置
31 基台部
32 加圧部
33 レバー
34 摘み部

Claims (10)

  1. 不織布複合シートの製造方法であって、
    合成高分子からなる繊維及びセルロース系繊維の少なくとも1種以上からなる第1不織布に、大気雰囲気下でプラズマを照射して大気圧プラズマ処理を施した被プラズマ処理不織布を得る大気圧プラズマ処理工程と、
    前記大気圧プラズマ処理工程で得られた前記被プラズマ処理不織布と、該被プラズマ処理不織布とは別の第2不織布又はフィルムの面上に配され且つ水溶性高分子を主基材として酸及び炭酸水素塩を含有している静電紡糸不織布とを用い、該静電紡糸不織布の表面に前記被プラズマ処理不織布を配して、互いに熱プレスして貼り合わせた不織布複合シートを得る貼り合せ工程とを備える、不織布複合シートの製造方法。
  2. 前記大気圧プラズマ処理工程では、大気圧プラズマ処理にリモート方式を用いる、請求項1に記載の不織布複合シートの製造方法。
  3. 前記大気圧プラズマ処理工程では、前記不織布にリモート方式の大気圧プラズマ処理を施しながら、該不織布のプラズマを照射している照射面とは反対側の非照射面側から吸引する、請求項2に記載の不織布複合シートの製造方法。
  4. 前記大気圧プラズマ処理工程の前工程に、前記第1不織布における大気圧プラズマ処理が施される予定の処理対象領域に対して、該第1不織布を構成する繊維原料のガラス転移点Tg以上の加熱処理を行う加熱処理工程を備える、請求項1〜3の何れか1項に記載の不織布複合シートの製造方法。
  5. 前記大気圧プラズマ処理工程では、前記第1不織布の両面に少なくとも1回以上の大気圧プラズマ処理を施す、請求項1〜4の何れか1項に記載の不織布複合シートの製造方法。
  6. 前記第1不織布が、スパンボンド法、メルトブローン法又はスパンレース法の何れかの製法により製造された不織布である、請求項1〜5の何れか1項に記載の不織布複合シートの製造方法。
  7. 前記第1不織布を構成する合成高分子からなる繊維が、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィンとポリエステルの複合繊維、ポリオレフィンの複合繊維、及びポリアミドとポリオレフィンの複合繊維の少なくとも1種以上である、請求項1〜6の何れか1項に記載の不織布複合シートの製造方法。
  8. 前記静電紡糸不織布の含有する前記水溶性高分子は、水溶性中性多糖又は水溶性中性樹脂である、請求項1〜7の何れか1項に記載の不織布複合シートの製造方法。
  9. 前記水溶性中性多糖は、プルラン、グルコマンナン及びグアーガムの少なくとも1種以上である、請求項8に記載の不織布複合シートの製造方法。
  10. 前記水溶性中性樹脂は、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド及びポリプロピレングリコールの少なくとも1種以上である、請求項8に記載の不織布複合シートの製造方法。
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