JP2018200611A - 自律走行システム - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1の移動受信機のように、衛星測位システムを利用して作業車両の位置情報を算出する場合には、天候や障害物等の外部環境に起因して、位置情報の精度が低下するおそれがある。特許文献1に記載の作業車両では、移動受信機によって算出された位置情報の精度が低下したときには、自律走行を停止させるようにしている。
この発明の目的は、外部環境により作業車両の位置情報の精度が低下しても自律走行および作業を継続することが可能な自律走行システムを提供することである。
この発明の一実施形態では、前記作業車両は、前記第1算出部によって算出された第1位置情報の精度を評価する第1評価部を備え、前記所定条件は少なくとも第1条件を含み、前記第1条件は、前記第1評価部により、前記第1位置情報の精度が低精度であると評価されることである。
この発明の一実施形態では、前記通信端末は、前記第2算出部によって算出された第2位置情報の精度を評価する第2評価部を備え、前記所定条件は、前記第1条件とは異なる第2条件をさらに含み、前記第2条件は、前記第2評価部により、前記第2位置情報の精度が高精度であると評価されることである。
この発明の一実施形態では、前記作業車両は、前記通信端末を着脱可能に支持する支持部と、前記支持部に対する前記通信端末の装着を検出する検出部を備え、前記複数の条件は、前記第1条件および前記第2条件とは異なる第3条件をさらに含み、前記第3条件は、前記検出部が前記支持部に対する前記通信端末の装着を検出することである。
この発明の一実施形態では、前記制御部は、前記第2位置情報に基づいて自律走行制御を実行している場合において、前記第2条件または第3条件が成立しなくなった場合は、自律走行制御を停止し、前記第1条件が成立しなくなった場合は、前記第1位置情報に基づいて自律走行制御を実行することが可能である。
この構成では、第1位置情報に基づく自律走行制御の実行中に、第1位置情報の精度が低精度となったときにおいて、第2位置情報の精度が低精度であるかまたは通信端末が支持部に装着されていない場合に、自律走行制御が行われるのを防止できる。
第1基準局と第3基準局とが異なる場合において、少なくとも一方の基準局の認識自己位置に誤差が存在している場合には、走行経路生成時に算出される第1位置情報の実際位置に対するずれ量と、自律走行時に算出される第1位置情報の実際位置に対するずれ量とが異なる。実際位置とは、作業車両の実際の位置をいう。ずれ量とは、主として経度方向のずれ量および緯度方向のずれ量をいう。このため、自律走行時に、作業車両が作業場(例えば、圃場)を逸脱するおそれがある。
本実施形態では、作業車両としてトラクタを例にとって説明するが、作業車両は、田植え機、コンバイン、土木・建設作業装置、除雪車、乗用型作業機、歩行型作業機等であってもよい。自律走行(自動走行)とは、トラクタが自動的に制御されることにより、予め定められた自律走行経路に沿ってトラクタが走行することをいう。自律作業とは、作業機が自動的に制御されることにより、自律走行経路に予め設定された作業位置において作業機が作業を行うことをいう。これに対して、手動走行・手動作業とは、トラクタおよび作業機が手動操作に基づいて制御されることにより、走行および作業が行われることをいう。
トラクタ1は、圃場内を自律走行する車体部としての走行機体2を備えている。走行機体2には、例えば、耕耘機、プラウ、施肥機、草刈機、播種機等の種々の作業機を選択して装着することができるが、本実施形態においては、作業機3としてロータリ耕耘機が装着されている。
走行機体2の前部にはボンネット9が配置されている。本実施形態では、このボンネット9内に、トラクタ1の駆動源であるエンジン10、燃料タンク(図示略)等が収容されている。このエンジン10は、例えばディーゼルエンジンにより構成することができるが、これに限るものではなく、例えばガソリンエンジンにより構成してもよい。また、駆動源として、エンジン10に代えてまたは加えて電気モータを採用してもよい。
アクセルレバー15は、エンジン10の出力回転数を設定するための操作具である。リバーサレバー26は、トラクタ1の前進、後進および停止を切り換えるための操作具である。主変速レバー27は、リバーサレバー26で指示した方向にトラクタ1が走行する速度を無段階で変更するための操作具である。
副変速レバー19は、トランスミッション22内の走行副変速ギア機構の変速比を切り換えるための操作具である。
作業機昇降スイッチ28は、走行機体2に装着された作業機3の高さを所定範囲内で昇降操作するための操作具である。作業機下降速度調整ノブ75は、作業機3が下降するときの速度を調整するための操作具である。
機体フレーム21は、トラクタ1の前部における支持部であって、直接または防振部材等を介してエンジン10を支持している。トランスミッション22は、エンジン10からの動力を変化させてフロントアクスル23およびリアアクスル24に伝達する。フロントアクスル23は、トランスミッション22から入力された動力を前輪7に伝達する。リアアクスル24は、トランスミッション22から入力された動力を後輪8に伝達する。
耕耘爪25の回転軸線25cが、図1、図2および図4に示されている。この作業機3を図4に示す作業高さまで下降させることで、回転する耕耘爪25が土壌に接触し、当該作業高さに対応する所定深さでの圃場の耕耘作業を行うことができる。また、耕耘爪25の回転を停止したり、作業機3を図1に示す非作業高さまで上昇させたりすることで、耕耘作業を停止させることができる。ユーザは、作業機昇降スイッチ28を操作することによって、作業機3を昇降させることができる。また、後述する制御装置4(図5参照)による自動制御によって、作業機3を昇降させることができる。
トラクタ1は、走行機体2の動作(前進、後進、停止、旋回等の動作)と、作業機3の動作(昇降、駆動、停止等の動作)とを制御するための制御装置4を備える。
制御装置4には、トラクタ1の各部を制御するための複数のコントローラが電気的に接続されている。複数のコントローラは、エンジンコントローラ31、車速コントローラ32、操向コントローラ33、昇降コントローラ34およびPTOコントローラ35を含む。
PTOコントローラ35は、PTO軸の回転を制御するものである。具体的には、トラクタ1は、PTO軸(動力伝達軸)への動力の伝達/遮断を切り換えるためのPTOクラッチ45を備えている。この構成で、PTOコントローラ35は、制御装置4から入力される制御信号に基づいて、PTOクラッチ45を切り換えて、PTO軸を介して作業機3を回転駆動させたり、停止させたりすることができる。
制御装置4は、マイクロコンピュータを含んでいる。マイクロコンピュータは、CPU、記憶部(ROM、RAM、不揮発性メモリ)51を備えている。記憶部51には、プログラムおよび各種データが記憶される。本実施形態では、記憶部51には、通信端末100によって生成された1または複数の自律走行経路データが記憶されている。マイクロコンピュータは、記憶部51に記憶されている所定のプログラムを実行することによって、複数の機能処理部として機能するようになっている。この複数の機能処理部には、第1算出部52と、第1評価部53と、第1制御部(自律走行制御部)54とが含まれる。
第1評価部53は、第1算出部52によって算出された第1位置情報の精度が高いか低いかを評価する。例えば、第1算出部52によって算出された走行機体2の測位情報の精度が所定精度以上である場合には、第1評価部53は、第1算出部52によって算出された第1位置情報の精度が高いと評価する。一方、第1算出部52によって算出された走行機体2の測位情報の精度が所定精度よりも低い場合には、第1評価部53は、第1算出部52によって算出された第1位置情報の精度が低いと評価する。より具体的には、GNSS−RTK法においては、第1位置情報としてFIX解が得られることにより精度が高いと評価され、FIX解が得られるまで(例えば推測解が得られているとき)は精度が低いと評価される。
本実施形態では、制御装置4の電源がオンされると、第1制御部54は、基準局信号受信用アンテナ47によって受信される信号に基づいて、第1位置情報の算出のために使用される第1基準局を自動的に選択する。第1位置情報の算出のために使用される第1基準局とは、第1位置情報の算出のために使用される測位補正情報の送信元の基準局をいう。通常、トラクタ1に最も近い位置に存在する基準局が第1基準局として設定される。このようにして選択された第1基準局を特定するための情報は、記憶部51に記憶される。なお、ユーザによる通信端末100の操作に基づいて、第1位置情報の算出のために使用される第1基準局を変更できるようになっている。
通信端末100は、制御装置101を備えている。制御装置101には、操作表示装置102、衛星信号受信用アンテナ103、基準局信号受信用アンテナ104、図示しない操作キー等が電気的に接続されている。また、制御装置101には、無線通信用アンテナ105が無線通信部106を介して接続されている。本実施形態では、無線通信部106は、無線LANアダプタ(Wi−Fiアダプタ)から構成されている。
衛星信号受信用アンテナ103および基準局信号受信用アンテナ104は、通信端末100の位置情報の算出に使用されるアンテナである。無線通信部106および無線通信用アンテナ105は、通信端末100がトラクタ1の制御装置4と無線通信を行うために使用されるアンテナである。
第2評価部123は、第2算出部122によって算出された第2位置情報の精度が高いか低いかを評価する。例えば、第2算出部122によって算出された通信端末100の測位情報の精度が所定精度以上である場合には、第2評価部123は、第2算出部122によって算出された第2位置情報の精度が高いと評価する。一方、第2算出部122によって算出された通信端末100の測位情報の精度が所定精度よりも低い場合には、第2評価部123は、第2算出部122によって算出された第2位置情報の精度が低いと評価する。
本実施形態では、通信端末100の電源がオンされると、第2制御部124は、基準局信号受信用アンテナ104によって受信される信号に基づいて、第2位置情報の算出のために使用される第2基準局を自動的に選択する。第2位置情報の算出のために使用される第2基準局とは、第2位置情報の算出のために使用される測位補正情報の送信元の基準局をいう。通常、通信端末100に最も近い位置に存在する基準局が第2基準局として設定される。このようにして選択された第2基準局を特定するための情報は、記憶部121に記憶される。なお、ユーザによる通信端末100の操作に基づいて、第2位置情報の算出のために使用される第2基準局を変更できるようになっている。
自律走行経路Pは、圃場60内において、作業開始位置Sと作業終了位置Eとを結ぶように生成される。この自律走行経路Pは、直線状の複数の作業路P1と、互いに隣接する2つの作業路P1の端部同士を交互に接続する接続路P2とから構成されている。複数の作業路P1は圃場60内の作業領域61に設定され、複数の接続路P2は圃場60内の非作業領域62に設定される。なお、本実施形態において作業領域とは自律作業が行われる領域であることを意味し、非作業領域とは、自律作業が行われない領域であることを意味するものとする。従って非作業領域は手動作業が行われる領域であってよい。以下、特筆なき限り、「走行」は自律走行を意味し、「作業」は自律作業を意味するものとする。
以下において、第1算出部52によって算出される第1位置情報に基づいて自律走行制御が行われる制御モードを第1自律走行制御モードといい、第2算出部122によって算出される第2位置情報に基づいて自律走行制御が行われる制御モードを第2自律走行制御モードという場合がある。第1制御部54は、第1評価部53の評価結果、第2評価部123の評価結果および着脱センサ30の出力信号に基づいて、自律走行制御モードを切り換えたり、自律走行制御を停止させたりする。自律走行制御モードの切換および自律走行制御の停止に関する第1制御部54の動作の詳細については、後述する。
ここでは、説明の便宜上、第2位置情報を算出するために使用される第2基準局は、第1位置情報を算出するために使用される第1基準局と同一の基準局であるとする。
自律走行制御処理が開始されると、第1制御部54は、第1位置情報に基づいて、トラクタ1が自律走行終了位置に到達したか否かを判別する(ステップS1)。自律走行終了位置は、自律走行を終了すべき位置を意味し、例えば、図7で説明した作業終了位置Eである。
次に、第1制御部54は、第1評価部53によって第1位置情報の精度が高精度であると評価されているか否かを判別する(ステップS3)。第1位置情報の精度が高精度であると評価されている場合には(ステップS3:YES)、第1制御部54はステップS1に戻る。ステップS1でトラクタ1が自律走行終了位置に到達していなければ(ステップS1:NO)、第1制御部54はステップS2に移行するので、第1位置情報に基づく自律走行制御が継続して実行されることになる。
前記ステップS8において、第1位置情報の精度が高精度であると評価されている場合には(ステップS8:YES)、第1制御部54はステップS1に戻る。ステップS1でトラクタ1が自律走行終了位置に到達していなければ(ステップS1:NO)、第1制御部54はステップS2に移行するので、第2自律走行制御モードから第1自律走行制御モードに制御モードが切り換えられることになる。
前記ステップS3または前記ステップS8において、トラクタ1が自律走行終了位置に到達していると判別された場合には(ステップS2またはS7:YES)、第1制御部54は、自律走行制御を終了する(ステップS12)。具体的には、第1制御部54は、トラクタ1の走行を停止させる。これにより、今回の自律走行制御処理は終了する。
第1位置情報に基づく自律走行制御中に、第1位置情報の精度が低精度になったときには、第2位置情報の精度が高精度でありかつ通信端末100が支持部6に装着されているという条件を満たしているか否かが判別される(図8AのS3〜S5参照)。この条件を満たしていれば、第2算出部122によって算出される第2位置情報に基づいて自律走行制御が行われる(図8BのS7参照)。これにより、制御モードが第1自律制御モードから第2自律制御モードに切り換えられる。
通信端末100は支持部6に着脱可能に装着されるので、第2位置情報には通信端末100の装着誤差(取付誤差)に起因する誤差が含まれるおそれがある。したがって、第2位置情報に基づいて自律走行制御が行われる場合には、第1位置情報に基づいて自律走行制御が行われる場合に比べて、経路追従性が低下するおそれがある。前述の実施形態では、第2位置情報に基づいて自律走行制御が行われているときに、第1位置情報の精度が高精度になったときには、第1位置情報に基づいて自律走行制御が実行されるため、自律走行時において、経路追従性が低下するのを極力抑制することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
2 走行機体
3 作業機
6 通信端末支持部
30 着脱センサ
52 第1算出部
53 第1評価部
54 第1制御部(制御部)
100 通信端末
122 第2算出部
123 第2評価部
124 第2制御部
Claims (7)
- 予め定められた走行経路に沿って自律走行する作業車両と、前記作業車両に対して所定の制御信号を送信可能な通信端末を備えた自律走行システムであって、
前記作業車両は、前記走行経路に沿って前記作業車両を自律走行させる自律走行制御を実行可能な制御部と、衛星測位システムを利用して前記作業車両の位置を表す第1位置情報を算出する第1算出部とを備え、
前記通信端末は、衛星測位システムを利用して前記通信端末の位置を表す第2位置情報を算出する第2算出部を備え、
前記制御部は、前記第1位置情報に基づいて自律走行制御を実行しているときに所定条件が成立した場合は、前記第1位置情報に代えて、前記第2位置情報に基づいて自律走行制御を実行することが可能であることを特徴とする自律走行システム。 - 前記作業車両は、前記第1算出部によって算出された第1位置情報の精度を評価する第1評価部を備え、
前記所定条件は少なくとも第1条件を含み、
前記第1条件は、前記第1評価部により、前記第1位置情報の精度が低精度であると評価されることであることを特徴とする請求項1に記載の自律走行システム。 - 前記通信端末は、前記第2算出部によって算出された第2位置情報の精度を評価する第2評価部を備え、
前記所定条件は、前記第1条件とは異なる第2条件を含み、
前記第2条件は、前記第2評価部により、前記第2位置情報の精度が高精度であると評価されることであることを特徴とする請求項2に記載の自律走行システム。 - 前記作業車両は、前記通信端末を着脱可能に支持する支持部と、前記支持部に対する前記通信端末の装着を検出する検出部を備え、
前記複数の条件は、前記第1条件および前記第2条件とは異なる第3条件を含み、
前記第3条件は、前記検出部が前記支持部に対する前記通信端末の装着を検出することであることを特徴とする請求項3に記載の自律走行システム。 - 前記制御部は、前記第2位置情報に基づいて自律走行制御を実行している場合において、前記第2条件または第3条件が成立しなくなった場合は、自律走行制御を停止し、前記第1条件が成立しなくなった場合は、前記第1位置情報に基づいて自律走行制御を実行することが可能であることを特徴とする請求項4に記載の自律走行システム。
- 前記制御部は、前記第1位置情報に基づいて自律走行制御を実行している場合において、前記第1条件が成立する一方、前記第2条件または前記第3条件が非成立であるときは自律走行制御を停止することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の自律走行システム。
- 前記第1算出部は、複数の測位衛星から受信した衛星信号に基づいて算出される前記作業車両の測位情報と、所定の第1基準局から受信した測位補正情報とに基づいて、前記第1位置情報を算出するように構成されており、
前記第2算出部は、複数の測位衛星から受信した衛星信号に基づいて算出される前記通信端末の測位情報と、前記第1基準局と同じまたは異なる所定の第2基準局から受信した測位補正情報とに基づいて、前記第2位置情報を算出するように構成されており、
前記走行経路には特定の第3基準局が対応付けられており、
前記制御部は、前記第1基準局と前記第3基準局とが同一である場合に、自律走行制御を実行可能であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の自律走行システム。
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