JP2018199806A - 接着剤組成物及び偏光板 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な密着性を与える接着剤組成物、及びそれを用いた偏光板を提供する。【解決手段】カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体(A)と、オキサゾリン基含有重合体(B)とを含む接着剤組成物、並びに、偏光子と該偏光子の上に接着剤層を介して積層される(メタ)アクリル系樹脂フィルムとを含み、該接着剤層が上記接着剤組成物から形成された層である偏光板が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、接着剤組成物、及びそれを用いた偏光板に関する。
液晶表示装置に代表される画像表示装置等に広く用いられている偏光板は通常、偏光子の片面又は両面に保護フィルムのような熱可塑性樹脂フィルムを積層貼合した構成を有する。偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとの貼合には通常、接着剤が用いられる。該接着剤としては、活性エネルギー線硬化性接着剤や水系接着剤が知られている〔例えば、特開2009−008860号公報(特許文献1)〕。
特開2009−008860号公報
本発明の目的は、良好な密着性を与える接着剤組成物、及びそれを用いた偏光板を提供することにある。
本発明は、以下に示す接着剤組成物及び偏光板を提供する。
[1] カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体(A)と、オキサゾリン基含有重合体(B)とを含む、接着剤組成物。
[2] オキサゾリン基含有重合体(B)が水溶性の重合体である、[1]に記載の接着剤組成物。
[3] オキサゾリン基含有重合体(B)の含有量が、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体(A)100質量部に対して100質量部以上1000質量部以下である、[1]又は[2]に記載の接着剤組成物。
[4] 偏光子と(メタ)アクリル系樹脂フィルムとの貼合に用いられる、[1]〜[3]のいずれかに記載の接着剤組成物。
[5] 偏光子と、
前記偏光子の上に接着剤層を介して積層される(メタ)アクリル系樹脂フィルムと、
を含み、
前記接着剤層が、[1]〜[4]のいずれかに記載の接着剤組成物から形成された層である、偏光板。
良好な密着性を与える接着剤組成物、及びそれを用いた偏光板を提供することができる。
本発明に係る偏光板の層構成の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る偏光板の層構成の他の一例を示す概略断面図である。
<接着剤組成物>
本発明に係る接着剤組成物は、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体(A)と、オキサゾリン基含有重合体(B)とを含む。接着剤組成物は、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体(A)及びオキサゾリン基含有重合体(B)以外の成分を含んでいてもよい。
本発明に係る接着剤組成物は、良好な密着性を示すことができ、偏光板を作製するために用いることができる。より具体的には、偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとの貼合に用いられる接着剤組成物として有用である。
また、本発明に係る接着剤組成物は、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体(A)及びオキサゾリン基含有重合体(B)を含むことから、良好なポットライフ(接着剤組成物として使用できる寿命)を示すことができる。
なお、本明細書において接着剤組成物に含まれる又は含まれ得る各成分として例示する化合物は、特に断りのない限り、単独で、又は、複数種を組み合わせて使用することができる。
〔1〕カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体(A)
カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体(A)は、カルボキシル基又はその誘導体が側鎖に導入されることによって変性されたポリビニルアルコール系重合体である。
カルボキシル基の誘導体としては、カルボキシレートアニオン基が挙げられる。カルボキシレートアニオン基の対イオンとなるカチオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン;アンモニウムイオン、スルホニウムイオン、ホスホニウムイオン等の有機カチオン等が挙げられる。好ましいカチオンの一例は、ナトリウムイオンである。
カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体(A)の主鎖を構成する上記ポリビニルアルコール系重合体は、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるビニルアルコールホモポリマー(完全ケン化ポリビニルアルコール又は部分ケン化ポリビニルアルコール)であってもよいし、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体をケン化処理して得られるポリビニルアルコール系共重合体であってもよい。
酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、及びアンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。
本明細書において「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルからなる群より選択される少なくとも1種を表す。「(メタ)アクリロイル」及び「(メタ)アクリレート」等の表記についても同様である。
カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体(A)のケン化度は通常、80モル%以上100モル%以下であり、好ましくは85モル%以上(例えば88モル%以上)である。
カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体(A)のケン化度は、JIS K 6726:1994に準じて測定することができる。
カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体(A)のカルボキシル基(又はその誘導体)による変性度(変性量)は、通常0.1モル%以上である。変性度がこの範囲にあると良好な密着性を示しやすい傾向にある。カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体(A)の上記変性度は、好ましくは0.5モル%以上40モル%以下であり、より好ましくは1モル%以上20モル%以下である。変性度は、例えば、H−NMRによって測定することができる。
密着性、接着剤層の耐水性の観点から、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体(A)の平均重合度は、100以上3000以下であることが好ましく、500以上3000以下であることがより好ましい。
カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体(A)の平均重合度は、JIS K 6726:1994に準じて測定することができる。
カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体(A)は、市販品を用いてもよく、例えば、AP−17、AF−17(日本酢ビ・ポバール(株))、ゴーセネックスTシリーズ(日本合成化学(株)製)、KL−506、KL−318、KL−118等のKLシリーズ、KM−618、KM−118等のKMシリーズ(いずれも(株)クラレ製)等が挙げられる。
〔2〕オキサゾリン基含有重合体(B)
オキサゾリン基含有重合体(B)は、分子内にオキサゾリン基を有する重合体であり、側鎖にオキサゾリン基を有する重合体であることが好ましい。重合体の主鎖は特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル骨格、スチレン骨格等から選択される1種以上の骨格からなることができる。
オキサゾリン基含有重合体(B)は、上記主鎖の側鎖にオキサゾリン基を有することができる。
オキサゾリン基含有重合体(B)の好ましい一例は、(メタ)アクリル骨格からなる主鎖を含み、その主鎖の側鎖にオキサゾリン基を有するオキサゾリン基含有(メタ)アクリル系重合体である。
オキサゾリン基含有重合体(B)が側鎖にオキサゾリン基を有する場合、主鎖とオキサゾリン基との間に連結基があってもよいが、主鎖とオキサゾリン基とが直接結合している重合体であることが好ましい。
オキサゾリン基としては、例えば、2−オキサゾリン基、3−オキサゾリン基、4−オキサゾリン基等が挙げられる。オキサゾリン基は、好ましくは2−オキサゾリン基等である。
オキサゾリン基含有重合体(B)の数平均分子量は、好ましくは5000以上であり、より好ましくは10000以上である。数平均分子量が上記範囲であると良好な密着性を示しやすい傾向にある。オキサゾリン基含有重合体(B)の数平均分子量は、通常100000以下である。
オキサゾリン基含有重合体(B)の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による標準ポリスチレン換算値として測定することができる。
オキサゾリン基含有重合体(B)のオキサゾリン基量(オキサゾリン基含有重合体(B)固形分1gあたりのオキサゾリン基のモル数)は、好ましくは0.4mmol/g・solid以上10mmol/g・solid以下である。オキサゾリン基量が過度に高いと良好な密着性が得られにくく、オキサゾリン基量が上記の範囲より小さいと、接着剤層の耐水性が低下するおそれがある。このような観点から、オキサゾリン基含有重合体(B)のオキサゾリン基量は、より好ましくは3mmol/g・solid以上9mmol/g・solid以下である。
オキサゾリン基含有重合体(B)は、接着剤組成物が水系接着剤組成物(接着剤成分が水に溶解されているか、又は水に分散されている接着剤)である場合、水系、すなわち水溶性の重合体であるか、又は水分散性の重合体であることが好ましい。接着剤層の光学特性の観点から、オキサゾリン基含有重合体(B)は、好ましくは水溶性の重合体である。
オキサゾリン基含有重合体(B)は、市販品を用いてもよい。具体的には、株式会社日本触媒製 エポクロスWS−300、エポクロスWS−500、エポクロスWS−700(いずれも商品名)等のオキサゾリン基含有アクリルポリマー;株式会社日本触媒製 エポクロスK−1000シリーズ、エポクロスK−2000シリーズ、エポクロスRPSシリーズ(いずれも商品名)等のオキサゾリン基含有アクリル/スチレンポリマーが挙げられる。
オキサゾリン基含有重合体(B)は、2種以上を併用して使用することができる。
密着性、接着剤層の光学特性及び耐水性の観点より、オキサゾリン基含有重合体(B)は、エポクロスWS−300、エポクロスWS−700等のオキサゾリン基含有アクリルポリマーであることが好ましい。
接着剤組成物におけるオキサゾリン基含有重合体(B)の含有量は、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体(A)100質量部に対して、通常100質量部以上1000質量部以下であり、好ましくは120質量部以上900質量部以下であり、より好ましくは150質量部以上850質量部以下である。オキサゾリン基含有重合体(B)の含有量がこの範囲であると良好な密着性を示しやすい傾向にある。
オキサゾリン基含有重合体(B)の含有量は、接着剤組成物の全体量を100質量%とするとき、好ましくは0.1質量%以上30質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは1質量%以上15質量%以下である。オキサゾリン基含有重合体(B)の含有量を上記の範囲以内にすることは、密着性、接着剤層の光学特性及び耐水性の観点から好ましい。
〔3〕その他の成分
接着剤組成物は、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体(A)及びオキサゾリン基含有重合体(B)以外のその他の成分を含むことができる。
その他の成分としては、多価アルデヒド、メラミン系化合物、ジルコニア化合物、亜鉛化合物、グリオキザール、グリオキザール誘導体、水溶性エポキシ樹脂等の硬化性成分や架橋剤;カップリング剤、粘着付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、加水分解防止剤等の添加剤が挙げられる。
接着剤組成物は、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体(A)以外の他のポリビニルアルコール系重合体を含むことができる。他のポリビニルアルコール系重合体を含有させることにより、より高い密着性を示す接着剤組成物となり得る。
他のポリビニルアルコール系重合体としては、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコールのようなポリビニルアルコール重合体、ポリビニルアルコール重合体の変性物である変性ポリビニルアルコール系重合体(カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体(A)以外)が挙げられる。
カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体(A)以外の変性ポリビニルアルコール系重合体としては、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、メチロール基変性ポリビニルアルコール、アミノ基変性ポリビニルアルコール、カルボニル変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
他のポリビニルアルコール系重合体は、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるビニルアルコールホモポリマー(完全ケン化ポリビニルアルコール又は部分ケン化ポリビニルアルコール)に限らず、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体をケン化処理して得られるポリビニルアルコール系共重合体であってもよい。
酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、及びアンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。
中でも、密着性向上の観点から、他のポリビニルアルコール系重合体は、変性ポリビニルアルコール系重合体を含むことが好ましく、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール重合体(C)を含むことがより好ましい。
他のポリビニルアルコール系重合体のケン化度は通常、85モル%以上100モル%以下であり、90モル%以上(例えば95モル%以上)が好ましい。
他のポリビニルアルコール系重合体のケン化度は、JIS K 6726:1994に準じて測定することができる。
アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール重合体(C)のアセトアセチル基による変性度(変性量)は、通常0.1モル%以上である。変性度がこの範囲にあると密着性を高めやすい傾向にある。該変性度は、好ましくは0.5モル%以上40モル%以下であり、より好ましくは1モル%以上20モル%以下である。変性度は、例えば、H−NMRによって測定することができる。
密着性、接着剤層の耐水性の観点から、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール重合体(C)の平均重合度は、100以上3000以下であることが好ましく、500以上3000以下であることがより好ましい。
アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール重合体(C)の平均重合度は、JIS K 6726:1994に準じて測定することができる。
接着剤組成物が他のポリビニルアルコール系重合体を含む場合、接着剤組成物における他のポリビニルアルコール系重合体の含有量は、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体(A)100質量部に対して、通常1質量部以上100質量部以下であり、好ましくは2質量部以上50質量部以下である。他のポリビニルアルコール系重合体の含有量がこの範囲であると密着性を高める効果が発現されやすい傾向にある。
接着剤組成物は、溶剤を含むことが好ましい。溶剤としては、水、有機溶剤、又はこれらの混合物が挙げられる。溶剤は、好ましくは水を含むが、水と水溶性の有機溶剤とを併用してもよい。有機溶剤としては、エタノール、1−メトキシ−2−プロパノール等が挙げられる。
溶剤の主成分は、水であることが好ましい。主成分とは、全溶剤の50質量%以上を占めることを意味する。
接着剤組成物の固形分濃度は、通常0.5質量%以上20質量%以下であり、好ましくは1質量%以上15質量%以下である。
固形分濃度とは、接着剤組成物に含まれる溶剤以外の成分の合計濃度をいう。
接着剤組成物におけるカルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体(A)の濃度は、通常0.1質量%以上30質量%以下であり、好ましくは0.5質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは1質量%以上15質量%以下である。カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体(A)の濃度が上記の下限値未満となると、十分な密着性が得られにくくなり、上記の上限値を超えると、接着剤組成物の粘度が上昇し、配管の目詰まり等の不具合が発生する可能性がある。
接着剤組成物は、好ましくは水系接着剤である。すなわち、接着剤組成物は、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体(A)及びオキサゾリン基含有重合体(B)等の成分を、水を含む溶剤に溶解させた溶液であるか、水を含む溶剤にカルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体(A)及びオキサゾリン基含有重合体(B)等の成分を分散させた分散体(例えばエマルション)であることが好ましい。
接着剤組成物の25℃における粘度は、50mPa・sec以下であることが好ましく、2mPa・sec以上30mPa・sec以下であることがより好ましく、4mPa・sec以上20mPa・sec以下であることがさらに好ましい。25℃における粘度が50mPa・secを超えると、均一に塗工することが難しくなって塗工ムラを生じる可能性があり、また、配管の目詰まり等の不具合が発生する可能性がある。
接着剤組成物の25℃における粘度は、E型粘度計によって測定することができる。
接着剤組成物の25℃におけるpHは3以上10以下であることが好ましく、4以上9以下であることがより好ましい。接着剤組成物のpHが3未満である場合には、接着剤層の耐水性が十分に発現できない可能性があり、接着剤組成物のpHが10を超える場合には、接着剤組成物のポットライフが短くなる可能性がある。
接着剤組成物のpHは、ハンディpHメーター(例えば、HORIBA製「D−51」)を用いて測定することができる。
<偏光板>
上記本発明に係る接着剤組成物は、偏光板を構成する偏光子と、その上に積層される保護フィルムのような熱可塑性樹脂フィルムとを接着するための接着剤として好適に用いることができる。
本発明に係る偏光板は、偏光子と、その少なくとも一方の面に上記本発明に係る接着剤組成物から形成される接着剤層を介して積層される熱可塑性樹脂フィルムとを含むものである。
1つの好ましい実施形態に係る偏光板において該接着剤層は、上記本発明に係る接着剤組成物の硬化物層である。
本発明に係る偏光板は、偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとを上記本発明に係る接着剤組成物を用いて接着しているので、偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとの間の密着性が良好となり得る。
〔1〕偏光板の構成
本発明に係る偏光板の層構成の例を図1及び図2に示す。
図1に示されるように本発明に係る偏光板は、偏光子30と、その一方の面に第1接着剤層15を介して積層貼合される第1熱可塑性樹脂フィルム10とを含むものであることができる。
第1接着剤層15と第1熱可塑性樹脂フィルム10とは直接接していることが好ましい。
偏光子30と第1接着剤層15とは直接接していることが好ましい。
また図2に示されるように本発明に係る偏光板は、偏光子30と、その一方の面に第1接着剤層15を介して積層貼合される第1熱可塑性樹脂フィルム10と、偏光子30の他方の面に第2接着剤層25を介して積層貼合される第2熱可塑性樹脂フィルム20とを含むものであってもよい。
第1接着剤層15と第1熱可塑性樹脂フィルム10とは直接接していることが好ましい。
偏光子30と第1接着剤層15とは直接接していることが好ましい。
第2接着剤層25と第2熱可塑性樹脂フィルム20とは直接接していることが好ましい。
偏光子30と第2接着剤層25とは直接接していることが好ましい。
偏光板が第1接着剤層15及び第2接着剤層25を有する場合、いずれか一方が本発明に係る接着剤組成物から形成されるものであってもよいし、両接着剤層が本発明に係る接着剤組成物から形成されるものであってもよい。
両接着剤層が本発明に係る接着剤組成物から形成される場合において、これらの接着剤組成物は、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
図1及び図2の例に限らず、本発明に係る偏光板は、上記以外の他の層(又はフィルム)を含むことができる。他の層としては、例えば、第1熱可塑性樹脂フィルム10、第2熱可塑性樹脂フィルム20及び/又は偏光子30の外面に積層される粘着剤層;該粘着剤層の外面に積層されるセパレートフィルム(「剥離フィルム」とも呼ばれる。);第1熱可塑性樹脂フィルム10、第2熱可塑性樹脂フィルム20及び/又は偏光子30の外面に積層されるプロテクトフィルム(「表面保護フィルム」とも呼ばれる。);第1熱可塑性樹脂フィルム10、第2熱可塑性樹脂フィルム20及び/又は偏光子30の外面に接着剤層や粘着剤層を介して積層される光学機能性フィルム(又は層)等が挙げられる。
〔2〕偏光子
偏光子30は、自然光からある一方向の直線偏光を選択的に透過する機能を有するフィルムである。偏光子30としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素としてのヨウ素を吸着・配向させたヨウ素系偏光子、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素としての二色性染料を吸着・配向させた染料系偏光子、及びリオトロビック液晶状態の二色性染料をコーティングし、配向・固定化した塗布型偏光子等が挙げられる。これらの偏光子は、自然光からある一方向の直線偏光を選択的に透過し、もう一方向の直線偏光を吸収するため吸収型偏光子と呼ばれている。
偏光子30は、吸収型偏光子に限定されず、自然光からある一方向の直線偏光を選択的に透過し、もう一方向の直線偏光を反射する反射型偏光子、又はもう一方向の直線偏光を散乱する散乱型偏光子でも構わないが、視認性に優れる点から吸収型偏光子が好ましい。中でも、偏光子30は、ポリビニルアルコール系樹脂で構成されるポリビニルアルコール系偏光子であることがより好ましく、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素や二色性染料等の二色性色素を吸着・配向させたポリビニルアルコール系偏光子であることがさらに好ましく、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素を吸着・配向させたポリビニルアルコール系偏光子であることが特に好ましい。
ポリビニルアルコール系偏光子を構成するポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体との共重合体等が挙げられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、及びアンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は通常、85モル%以上100モル%以下であり、98モル%以上が好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマール又はポリビニルアセタール等を用いることもできる。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、通常1000以上10000以下であり、1500以上5000以下が好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、JIS K 6726:1994に準拠して求めることができる。
このようなポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、偏光子30の原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法が採用される。ポリビニルアルコール系原反フィルムの厚みは、例えば150μm以下であり、好ましくは100μm以下(例えば50μm以下)であり、通常5μm以上である。
偏光子30は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程;ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより二色性色素を吸着させる工程;二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理(架橋処理)する工程;及び、ホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を含む方法によって製造できる。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの一軸延伸は、二色性色素の染色前、染色と同時、又は染色の後に行うことができる。一軸延伸を染色の後で行う場合、この一軸延伸は、ホウ酸処理の前又はホウ酸処理中に行ってもよい。また、これらの複数の段階で一軸延伸を行ってもよい。
一軸延伸にあたっては、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。また一軸延伸は、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、水等の溶剤を用いてポリビニルアルコール系樹脂フィルムを膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。延伸倍率は、通常3倍以上8倍以下である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色する方法としては、例えば、該フィルムを二色性色素が含有された水溶液に浸漬する方法等が挙げられる。二色性色素としては、ヨウ素や二色性有機染料が用いられる。なお、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理の前に水への浸漬処理を施しておくことが好ましい。
ヨウ素による染色処理方法としては、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬する方法等が挙げられる。この水溶液におけるヨウ素の含有量は、水100質量部あたり0.01質量部以上1質量部以下であることができる。ヨウ化カリウムの含有量は、水100質量部あたり0.5質量部以上20質量部以下であることができる。また、この水溶液の温度は、20℃以上40℃以下であることができる。
一方、二色性有機染料による染色処理方法としては、二色性有機染料を含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬する方法等が挙げられる。二色性有機染料を含有する水溶液は、硫酸ナトリウム等の無機塩を染色助剤として含有していてもよい。この水溶液における二色性有機染料の含有量は、水100質量部あたり1×10−4質量部以上10質量部以下であることができる。この水溶液の温度は、20℃以上80℃以下であることができる。
二色性色素による染色後のホウ酸処理方法としては、染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸含有水溶液に浸漬する方法等が挙げられる。二色性色素としてヨウ素を用いる場合、このホウ酸含有水溶液は、ヨウ化カリウムを含有することが好ましい。ホウ酸含有水溶液におけるホウ酸の量は、水100質量部あたり2質量部以上15質量部以下であることができる。この水溶液におけるヨウ化カリウムの量は、水100質量部あたり0.1質量部以上20質量部以下であることができる。この水溶液の温度は、50℃以上であることができ、例えば50℃以上85℃以下である。
ホウ酸処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは通常、水洗処理される。水洗処理は、例えば、ホウ酸処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬することにより行うことができる。水洗処理における水の温度は通常、5℃以上40℃以下である。水洗後に乾燥処理を施して、偏光子30が得られる。
乾燥処理は、熱風乾燥機や遠赤外線ヒーターを用いて行うことができる。この偏光子30の片面又は両面に保護フィルム等としての熱可塑性樹脂フィルムを接着剤組成物を用いて貼合することにより、偏光板を得ることができる。
また、偏光子30の製造方法の他の例として、例えば、特開2000−338329号公報や特開2012−159778号公報に記載の方法が挙げられる。この方法では、基材フィルムの表面にポリビニルアルコール系樹脂を含有する溶液を塗布して樹脂層を設けた後、基材フィルムと樹脂層からなる積層フィルムを延伸し、次いで染色処理、架橋処理等を施して、樹脂層から偏光子層(偏光子層)を形成する。基材フィルムと偏光子層からなるこの偏光性積層フィルムは、偏光子層面に保護フィルム等としての熱可塑性樹脂フィルムを貼合した後、基材フィルムを剥離除去して、図1に示される構成の偏光板とすることができる。基材フィルムの剥離によって露出した偏光子層面にさらに熱可塑性樹脂フィルムを貼合すれば、図2に示される構成の偏光板となる。
偏光子30の厚みは、40μm以下とすることができ、好ましくは30μm以下(例えば20μm以下、さらには15μm以下、なおさらには10μm以下又は8μm以下)である。特開2000−338329号公報や特開2012−159778号公報に記載の方法によれば、薄膜の偏光子30をより容易に製造することができ、偏光子30の厚みを、例えば20μm以下、さらには15μm以下、なおさらには10μm以下又は8μm以下とすることがより容易になる。偏光子30の厚みは、通常2μm以上である。偏光子30の厚みを小さくすることは、偏光板、ひいては画像表示装置の薄型化に有利である。
〔3〕熱可塑性樹脂フィルム
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20はそれぞれ、透光性を有する(好ましくは光学的に透明な)熱可塑性樹脂、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)等のポリオレフィン系樹脂;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等のセルロースエステル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;又はこれらの混合物、共重合物等からなるフィルムであることができる。
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20はそれぞれ、延伸されていないフィルム、又は一軸若しくは二軸延伸されたフィルムのいずれであってもよい。二軸延伸は、2つの延伸方向に同時に延伸する同時二軸延伸でもよく、第1方向に延伸した後でこれとは異なる第2方向に延伸する逐次二軸延伸であってもよい。
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び/又は第2熱可塑性樹脂フィルム20は、偏光子30を保護する役割を担う保護フィルムであってもよいし、位相差フィルム等の光学機能を併せ持つ保護フィルムであることもできる。
位相差フィルムは、画像表示素子である液晶セルによる位相差の補償等を目的として使用される光学機能性フィルムである。例えば、上記熱可塑性樹脂からなるフィルムを延伸(一軸延伸又は二軸延伸等)したり、該熱可塑性樹脂フィルム上に液晶層等を形成したりすることにより、任意の位相差値が付与された位相差フィルムとすることができる。
鎖状ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の鎖状オレフィンの単独重合体のほか、2種以上の鎖状オレフィンからなる共重合体を挙げることができる。
環状ポリオレフィン系樹脂は、ノルボルネンやテトラシクロドデセン(別名:ジメタノオクタヒドロナフタレン)又はそれらの誘導体を代表例とする環状オレフィンを重合単位として含む樹脂の総称である。環状ポリオレフィン系樹脂としては、環状オレフィンの開環(共)重合体及びその水素添加物、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレン等の鎖状オレフィン又はビニル基を有する芳香族化合物との共重合体、並びにこれらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性した変性(共)重合体等が挙げられる。
中でも、環状オレフィンとしてノルボルネンや多環ノルボルネン系単量体等のノルボルネン系単量体を用いたノルボルネン系樹脂が好ましく用いられる。
セルロースエステル系樹脂は、セルロースにおけるヒドロキシル基の少なくとも一部が酢酸エステル化されている樹脂であり、一部が酢酸エステル化され、一部が他の酸でエステル化されている混合エステルであってもよい。セルロースエステル系樹脂は、好ましくはアセチルセルロース系樹脂である。
アセチルセルロース系樹脂としては、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等が挙げられる。
ポリエステル系樹脂は、エステル結合を有する、上記セルロースエステル系樹脂以外の樹脂であり、多価カルボン酸又はその誘導体と多価アルコールとの重縮合体からなるものが一般的である。
ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリシクロへキサンジメチルテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチルナフタレート等が挙げられる。
中でも、機械的性質、耐溶剤性、耐スクラッチ性、コスト等の観点からポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。ポリエチレンテレフタレートとは、繰返し単位の80モル%以上がエチレンテレフタレートで構成される樹脂をいい、他の共重合成分に由来する構成単位を含んでいてもよい。
他の共重合成分としては、ジカルボン酸成分やジオール成分が挙げられる。
ジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、4,4’−ジカルボキシジフェニル、4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニル)エタン、アジピン酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、1,4−ジカルボキシシクロヘキサン等が挙げられる。
ジオール成分としては、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
ジカルボン酸成分やジオール成分は、必要に応じてそれぞれ2種類以上を組み合わせて用いることもできる。
また、上記ジカルボン酸成分やジオール成分とともに、p−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシエトキシ安息香酸、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸を併用することも可能である。
他の共重合成分として、アミド結合、ウレタン結合、エーテル結合、カーボネート結合等を有するジカルボン酸成分及び/又はジオール成分が少量用いられてもよい。
ポリカーボネート系樹脂は、炭酸とグリコール又はビスフェノールとから形成されるポリエステルである。中でも、分子鎖にジフェニルアルカンを有する芳香族ポリカーボネートは、耐熱性、耐候性及び耐酸性の観点から好ましく使用される。
ポリカーボネートとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のビスフェノールから誘導されるポリカーボネートが挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂は、例えば、メタクリル酸エステルを主たる単量体とする(50質量%以上含有する)重合体であることができ、メタクリル酸エステルと他の共重合成分とが共重合されている共重合体であることが好ましい。
1つの好ましい実施形態において(メタ)アクリル系樹脂は、共重合成分としてメタクリル酸メチルを含むか、又はメタクリル酸メチルとアクリル酸メチルとを含む。
アクリル酸メチル以外の他の共重合成分としては、例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−、i−又はt−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等のメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸エステル類;
アクリル酸エチル、アクリル酸n−、i−又はt−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアクリル酸エステル類;
2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(1−ヒドロキシエチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸n−、i−又はt−ブチル等のヒドロキシアルキルアクリル酸エステル類;
メタクリル酸、アクリル酸等の不飽和酸類;
クロロスチレン、ブロモスチレン等のハロゲン化スチレン類;
ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の置換スチレン類;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;
無水マレイン酸、無水シトラコン酸等の不飽和酸無水物類;
フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド類;
等の単官能単量体が挙げられる。
上記他の単官能単量体は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記他の共重合成分として多官能単量体が用いられてもよい。
多官能単量体としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のエチレングリコール又はそのオリゴマーの両末端ヒドロキシル基を(メタ)アクリル酸でエステル化したもの;
プロピレングリコール又はそのオリゴマーの両末端ヒドロキシル基を(メタ)アクリル酸でエステル化したもの;
ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の2価アルコールのヒドロキシル基を(メタ)アクリル酸でエステル化したもの;
ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、又はこれらのハロゲン置換体の両末端ヒドロキシル基を(メタ)アクリル酸でエステル化したもの;
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールを(メタ)アクリル酸でエステル化したもの、並びにこれら末端ヒドロキシル基にグリシジル(メタ)アクリレートのエポキシ基を開環付加させたもの;
コハク酸、アジピン酸、テレフタル酸、フタル酸、これらのハロゲン置換体等の二塩基酸、又はこれらのアルキレンオキサイド付加物等にグリシジル(メタ)アクリレートのエポキシ基を開環付加させたもの;
アリール(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン等の芳香族ジビニル化合物;
等が挙げられる。
中でも、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレートが好ましく用いられる。
(メタ)アクリル系樹脂は、共重合体が有する官能基間の反応によって変性されたものであってもよい。該反応としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルのメチルエステル基と2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルのヒドロキシル基との高分子鎖内脱メタノール縮合反応、(メタ)アクリル酸のカルボキシル基と2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルのヒドロキシル基との高分子鎖内脱水縮合反応等が挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度は、好ましくは80℃以上160℃以下である。ガラス転移温度は、メタクリル酸エステル系単量体とアクリル酸エステル系単量体との重合比、それぞれのエステル基の炭素鎖長及びそれら有する官能基の種類、並びに単量体全体に対する多官能単量体の重合比の調整によって制御可能である。
(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度を高めるための手段として、高分子の主鎖に環構造を導入することも有効である。環構造は、環状酸無水物構造、環状イミド構造及びラクトン構造等の複素環構造であることが好ましい。具体的には、無水グルタル酸構造、無水コハク酸構造等の環状酸無水物構造;グルタルイミド構造、コハクイミド構造等の環状イミド構造;ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン環構造が挙げられる。
主鎖中の環構造の含有量を大きくするほど(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度を高くすることができる傾向にある。
環状酸無水物構造、環状イミド構造は、無水マレイン酸、マレイミド等の環状構造を有する単量体を共重合させることによって導入する方法;重合後脱水・脱メタノール縮合反応により環状酸無水物構造を導入する方法;アミノ化合物を反応させて環状イミド構造を導入する方法等によって導入することができる。
ラクトン環構造を有する樹脂(重合体)は、高分子鎖にヒドロキシル基とエステル基とを有する重合体を調製した後、得られた重合体におけるヒドロキシル基とエステル基とを、加熱により、必要に応じて有機リン化合物等の触媒の存在下に環化縮合させてラクトン環構造を形成する方法によって得ることができる。
(メタ)アクリル系樹脂及びそれから形成される熱可塑性樹脂フィルムは、必要に応じて添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、滑剤、ブロッキング防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、耐光剤、耐衝撃性改良剤、界面活性剤等を挙げることができる。
これらの添加剤は、熱可塑性樹脂フィルムを構成する熱可塑性樹脂として、(メタ)アクリル系樹脂以外の他の熱可塑性樹脂を用いる場合にも使用することができる。
(メタ)アクリル系樹脂は、フィルムへの製膜性やフィルムの耐衝撃性等の観点から、衝撃性改良剤であるアクリル系ゴム粒子を含有していてもよい。アクリル系ゴム粒子とは、アクリル酸エステルを主体とする弾性重合体を必須成分とする粒子であり、実質的にこの弾性重合体のみからなる単層構造のものや、この弾性重合体を1つの層とする多層構造のものが挙げられる。
上記弾性重合体の例として、アクリル酸アルキルを主成分とし、これに共重合可能な他のビニル系単量体及び架橋性単量体を共重合させた架橋弾性共重合体が挙げられる。
弾性重合体の主成分となるアクリル酸アルキルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルへキシル等、アルキル基の炭素数が1以上8以下程度のものが挙げられ、炭素数4以上のアルキル基を有するアクリル酸アルキルが好ましく用いられる。
上記アクリル酸アルキルに共重合可能な他のビニル系単量体としては、分子内に重合性炭素−炭素二重結合を1個有する化合物を挙げることができ、より具体的には、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステル;スチレン等の芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル等のビニルシアン化合物等が挙げられる。
上記架橋性単量体としては、分子内に重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個有する架橋性の化合物を挙げることができ、より具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリレート類;アリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のアルケニルエステル;ジビニルベンゼン等が挙げられる。
ゴム粒子を含まない(メタ)アクリル系樹脂からなるフィルムと、ゴム粒子を含む(メタ)アクリル系樹脂からなるフィルムとの積層体を、偏光子30に貼合される熱可塑性樹脂フィルムとすることもできる。また、(メタ)アクリル樹脂とは異なる樹脂からなる位相差発現層の片面又は両面に、(メタ)アクリル系樹脂層が形成され、位相差が発現されたものを、偏光子30に貼合される熱可塑性樹脂フィルムとすることもできる。
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20の少なくともいずれか一方は、(メタ)アクリル系樹脂を含むフィルム((メタ)アクリル系樹脂フィルム)であることが好ましく、該(メタ)アクリル系樹脂フィルムは、本発明に係る接着剤組成物から形成される接着剤層を介して偏光子30に積層貼合されることが好ましい。
本発明に係る接着剤組成物は、熱可塑性樹脂フィルムが(メタ)アクリル系樹脂フィルムである場合においてとりわけ、良好な密着性(通常環境下での密着性及び湿熱環境(高温高湿環境)下に置かれた後の密着性)を示すことができる。したがって、本発明に係る接着剤組成物は、偏光子と(メタ)アクリル系樹脂フィルムとの貼合に好適に用いることができる。
(メタ)アクリル系樹脂フィルムは、好ましくは(メタ)アクリル系樹脂からなる。
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び/又は第2熱可塑性樹脂フィルム20は、紫外線吸収剤を含有していてもよい。偏光板を液晶表示装置等の画像表示装置に適用する場合、紫外線吸収剤を含有する熱可塑性樹脂フィルムを画像表示素子(例えば液晶セル)の視認側に配置することで、画像表示素子の紫外線による劣化を抑制することができる。
紫外線吸収剤としては、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等が挙げられる。
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20は、同じ熱可塑性樹脂で構成されるフィルムであってもよいし、互いに異なる熱可塑性樹脂で構成されるフィルムであってもよい。第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20は、厚み、添加剤の有無やその種類、位相差特性等において同じであってもよいし、異なっていてもよい。
1つの実施形態において、第1熱可塑性樹脂フィルム10は(メタ)アクリル系樹脂フィルムであり、第2熱可塑性樹脂フィルム20はポリオレフィン系樹脂フィルム、セルロースエステル系樹脂又はポリエステル系樹脂フィルムである。
他の実施形態において、第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20は、(メタ)アクリル系樹脂フィルムである。
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び/又は第2熱可塑性樹脂フィルム20は、その外面(偏光子30とは反対側の表面)にハードコート層、防眩層、反射防止層、光拡散層、帯電防止層、防汚層、導電層等の表面処理層(コーティング層)を備えていてもよい。
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20の厚みはそれぞれ、通常5μm以上200μm以下であり、好ましくは10μm以上120μm以下、より好ましくは10μm以上85μm以下、さらに好ましくは15μm以上65μm以下である。第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20の厚みはそれぞれ、50μm以下であってもよく、40μm以下であってもよい。第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20の厚みを小さくすることは、偏光板、ひいては画像表示装置の薄型化に有利である。
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20の接着剤組成物が塗布される面においては、密着性向上の観点より、ケン化処理、プラズマ処理、コロナ処理、プライマー処理等の表面改質処理を行ってもよいし、工程の簡素化の観点より、表面改質処理を実施しなくてもよい。
第1熱可塑性樹脂フィルム10又は第2熱可塑性樹脂フィルム20が酢酸セルロース系樹脂フィルムの場合は、密着性向上の観点から、ケン化処理を行うことが好ましい。ケン化処理としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのようなアルカリの水溶液に浸漬する方法が挙げられる。
〔4〕偏光板の製造、及び接着剤層
偏光子30の一方の面に第1接着剤層15を介して第1熱可塑性樹脂フィルム10を積層接着することにより、図1に示される構成の偏光板を得ることができ、偏光子30の他方の面に第2接着剤層25を介して第2熱可塑性樹脂フィルム20をさらに積層接着することにより、図2に示される構成の偏光板を得ることができる。
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20(以下、これらを総称して単に「熱可塑性樹脂フィルム」ともいう。)の双方を有する偏光板を製造する場合、これらの熱可塑性樹脂フィルムは、段階的に片面ずつ積層接着してもよいし、両面の熱可塑性樹脂フィルムを同時に積層接着してもよい。
図1に示される構成の偏光板において第1接着剤層15は、本発明に係る接着剤組成物から形成される。第1接着剤層15は、本発明に係る接着剤組成物の硬化物層であり得る。
図2に示される構成の偏光板において第1接着剤層15及び第2接着剤層25は、それらの少なくともいずれか一方が本発明に係る接着剤組成物から形成される。第1接着剤層15及び/又は第2接着剤層25は、本発明に係る接着剤組成物の硬化物層であり得る。
図2に示される構成の偏光板において第1接着剤層15及び第2接着剤層25は、いずれか一方が本発明に係る接着剤組成物から形成され、他方が本発明に係る接着剤組成物とは異なる他の接着剤組成物から形成されてもよい。
他の接着剤組成物としては、従来公知の水系接着剤又は活性エネルギー線硬化性接着剤が挙げられる。
水系接着剤としては、例えば、主成分としてポリビニルアルコール系樹脂又はウレタン樹脂を用いた従来公知の接着剤組成物が挙げられる。
接着剤の主成分としてポリビニルアルコール系樹脂を用いる場合、該ポリビニルアルコール系樹脂は、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール樹脂、変性ポリビニルアルコール系樹脂であってもよい。
ポリビニルアルコール系樹脂は、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるビニルアルコールホモポリマーのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体をケン化処理して得られるポリビニルアルコール系共重合体であってもよい。
ポリビニルアルコール系樹脂を含む水系接着剤は、接着性を向上させるために、多価アルデヒド、メラミン系化合物、ジルコニア化合物、亜鉛化合物、グリオキザール、グリオキザール誘導体、水溶性エポキシ樹脂等の硬化性成分や架橋剤を含有することができる。
主成分としてウレタン樹脂を含む水系接着剤としては、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とグリシジルオキシ基を有する化合物とを含む水系接着剤が挙げられる。ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とは、ポリエステル骨格を有するウレタン樹脂であって、その中に少量のイオン性成分(親水成分)が導入されたものである。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、紫外線、可視光、電子線、X線等の活性エネルギー線の照射によって硬化する接着剤である。活性エネルギー線硬化性接着剤を用いる場合、偏光板が有する接着剤層は、当該接着剤の硬化物層である。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、カチオン重合によって硬化するエポキシ系化合物を硬化性成分として含有する接着剤であることができ、好ましくは、かかるエポキシ系化合物を硬化性成分として含有する紫外線硬化性接着剤である。エポキシ系化合物とは、分子内に平均1個以上、好ましくは2個以上のエポキシ基を有する化合物を意味する。エポキシ系化合物は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
エポキシ系化合物としては、芳香族ポリオールの芳香環に水素化反応を行って得られる脂環式ポリオールに、エピクロロヒドリンを反応させることにより得られる水素化エポキシ系化合物(脂環式環を有するポリオールのグリシジルエーテル);脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ系化合物;脂環式環に結合したエポキシ基を分子内に1個以上有するエポキシ系化合物である脂環式エポキシ系化合物等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、硬化性成分として、上記エポキシ系化合物の代わりに、又はこれとともにラジカル重合性である(メタ)アクリル系化合物を含有することができる。(メタ)アクリル系化合物としては、分子内に1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートモノマー;官能基含有化合物を2種以上反応させて得られ、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートオリゴマー等の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物を挙げることができる。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、カチオン重合によって硬化するエポキシ系化合物を硬化性成分として含む場合、光カチオン重合開始剤を含有することが好ましい。光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩;芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩;鉄−アレン錯体等を挙げることができる。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、(メタ)アクリル系化合物等のラジカル重合性成分を含む場合、光ラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、ベンゾインエーテル系開始剤、チオキサントン系開始剤、キサントン、フルオレノン、カンファーキノン、ベンズアルデヒド、アントラキノン等を挙げることができる。
偏光子30と熱可塑性樹脂フィルムとの接着は、偏光子30の貼合面及び/又は熱可塑性樹脂フィルムの貼合面に接着剤組成物を塗工するか、又は偏光子30と熱可塑性樹脂フィルムとの間に接着剤組成物を注入し、接着剤組成物の層を介して両者のフィルムを重ね、例えば貼合ロール等を用いて上下から押圧して貼合する工程を含むことができる。
接着剤組成物層の形成には、例えば、ドクターブレード、ワイヤーバー、ダイコーター、カンマコーター、グラビアコーター等の種々の塗工方式が利用できる。また、偏光子30及び熱可塑性樹脂フィルムを両者の貼合面が内側となるように連続的に供給しながら、その間に接着剤組成物を流延させる方式であってもよい。
上記貼合する工程の後、偏光子30と接着剤組成物層と熱可塑性樹脂フィルムとを含む積層体に対して、加熱処理を施すことが好ましい。加熱処理の温度は、例えば40℃以上100℃以下であり、好ましくは50℃以上90℃以下である。加熱処理によって接着剤組成物層に含まれる溶剤を除去することができる。また、接着剤組成物が硬化性の接着剤組成物である場合には、該加熱処理によって硬化・架橋反応を進行させることができる。
接着剤組成物を適用する前に、偏光子30及び熱可塑性樹脂フィルムの貼合面の一方又は両方に対して、ケン化処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、プライマー処理、アンカーコーティング処理等の易接着処理(表面活性化処理)を施してもよい。
活性エネルギー線硬化性接着剤を用いる場合、必要に応じて接着剤組成物層の乾燥を行った後、活性エネルギー線を照射して接着剤組成物層を硬化させる。
活性エネルギー線を照射するために用いる光源は、紫外線、電子線、X線等を発生できるものであればよい。特に波長400nm以下に発光分布を有する、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等が好適に用いられる。
本発明に係る接着剤組成物から形成される接着剤層の厚みは、偏光板において、例えば10nm以上10μm以下であり、好ましくは20nm以上5μm以下であり、より好ましくは30nm以上1μm以下であり、さらに好ましくは40nm以上500nm以下である。上述の従来公知の水系接着剤から形成される接着剤層もこれと同程度の厚みを有することができる。
活性エネルギー線硬化性接着剤から形成される接着剤層の厚みは、例えば10nm以上20μm以下、好ましくは100nm以上10μm以下、より好ましくは500nm以上5μm以下である。
第1接着剤層15と第2接着剤層25とは、厚みが同じであってもよいし、異なっていてもよい。
〔5〕偏光板のその他の構成要素
〔5−1〕光学機能性フィルム
偏光板は、所望の光学機能を付与するための、偏光子30以外の他の光学機能性フィルムを備えることができ、その好適な一例は位相差フィルムである。
上述のように、第1熱可塑性樹脂フィルム10及び/又は第2熱可塑性樹脂フィルム20が位相差フィルムを兼ねることもできるが、熱可塑性樹脂フィルムとは別途に位相差フィルムを積層することもできる。後者の場合、位相差フィルムは、粘着剤層や接着剤層を介して第1熱可塑性樹脂フィルム10及び/又は第2熱可塑性樹脂フィルム20の外面に積層することができる。また、第1熱可塑性樹脂フィルム10又は第2熱可塑性樹脂フィルム20の代わりに位相差フィルムを積層することもできる。その具体例を挙げれば、例えば図1に示される偏光子30の一方の面に第1熱可塑性樹脂フィルム10が貼合された片面保護偏光板における偏光子30の他方の面に、位相差フィルムを貼合した構成である。この場合、位相差フィルムは、粘着剤層又は接着剤層を介して偏光子30の表面に積層することができる。
位相差フィルムとしては、透光性を有する熱可塑性樹脂の延伸フィルムから構成される複屈折性フィルム;ディスコティック液晶又はネマチック液晶が配向固定されたフィルム;基材フィルム上に上記の液晶層が形成されたもの等が挙げられる。
基材フィルムは通常、熱可塑性樹脂からなるフィルムであり、熱可塑性樹脂の一例は、トリアセチルセルロース等のセルロースエステル系樹脂である。
複屈折性フィルムを形成する熱可塑性樹脂としては、第1及び第2熱可塑性樹脂フィルム10,20について記述したものを使用することができる。
偏光板に含まれ得る他の光学機能性フィルム(光学部材)の例は、集光板、輝度向上フィルム、反射層(反射フィルム)、半透過反射層(半透過反射フィルム)、光拡散層(光拡散フィルム)等である。これらは一般的に、偏光板が液晶セルの背面側(バックライト側)に配置される偏光板である場合に設けられる。
集光板は、光路制御等を目的に用いられるもので、プリズムアレイシートやレンズアレイシート、ドット付設シート等であることができる。
輝度向上フィルムは、偏光板を適用した液晶表示装置における輝度を向上させる目的で使用される。具体的には、屈折率の異方性が互いに異なる薄膜フィルムを複数枚積層して反射率に異方性が生じるように設計された反射型偏光分離シート、コレステリック液晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層を基材フィルム上に支持した円偏光分離シート等が挙げられる。
反射層、半透過反射層、光拡散層は、偏光板を反射型、半透過型、拡散型の光学部材とするためにそれぞれ設けられる。反射型の偏光板は、視認側からの入射光を反射させて表示するタイプの液晶表示装置に用いられ、バックライト等の光源を省略できるため、液晶表示装置を薄型化しやすい。半透過型の偏光板は、明所では反射型として、暗所ではバックライトからの光で表示するタイプの液晶表示装置に用いられる。また拡散型の偏光板は、光拡散性を付与してモアレ等の表示不良を抑制した液晶表示装置に用いられる。反射層、半透過反射層及び光拡散層は、公知の方法により形成することができる。
〔5−2〕粘着剤層
本発明に係る偏光板は、これを液晶セル等の画像表示素子、又は他の光学部材に貼合するための粘着剤層を含むことができる。粘着剤層は、図1に示される構成の偏光板においては偏光子30の外面、図2に示される構成の偏光板においては第1熱可塑性樹脂フィルム10又は第2熱可塑性樹脂フィルム20の外面に積層することができる。
粘着剤層に用いられる粘着剤としては、(メタ)アクリル系樹脂や、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂等をベースポリマーとするものを用いることができる。中でも、透明性、粘着力、信頼性、耐候性、耐熱性、リワーク性等の観点から、(メタ)アクリル系粘着剤が好ましい。
(メタ)アクリル系粘着剤には、メチル基やエチル基やn−、i−又はt−ブチル基等の炭素数が20以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等の官能基含有(メタ)アクリル系モノマーとを、ガラス転移温度が好ましくは25℃以下、より好ましくは0℃以下となるように配合した、重量平均分子量が10万以上の(メタ)アクリル系樹脂がベースポリマーとして有用である。
偏光板への粘着剤層の形成は、例えば、トルエンや酢酸エチル等の有機溶剤に粘着剤組成物を溶解又は分散させて粘着剤液を調製し、これを偏光板の対象面に直接塗工して粘着剤層を形成する方式や、離型処理が施されたセパレートフィルム上に粘着剤層をシート状に形成しておき、それを偏光板の対象面に移着する方式等により行うことができる。
粘着剤層の厚みは、その接着力等に応じて決定されるが、1μm以上50μm以下の範囲が適当であり、好ましくは2μm以上40μm以下である。
偏光板は、上記のセパレートフィルムを含み得る。セパレートフィルムは、ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂等からなるフィルムであることができる。中でも、ポリエチレンテレフタレートの延伸フィルムが好ましい。
粘着剤層は、必要に応じて、ガラス繊維、ガラスビーズ、樹脂ビーズ、金属粉や他の無機粉末からなる充填剤、顔料、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等を含むことができる。
帯電防止剤としては、例えば、イオン性化合物、導電性微粒子、導電性高分子等を挙げることができるが、イオン性化合物が好ましく用いられる。
イオン性化合物を構成するカチオン成分は無機カチオンでも有機カチオンでもよい。
有機カチオンとしては、ピリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、アンモニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン等が挙げられ、無機カチオンとしてはリチウムイオン、カリウムイオン等が挙げられる。
一方、イオン性化合物を構成するアニオン成分としては、無機アニオンでも有機アニオンでもよいが、帯電防止性能に優れるイオン性化合物を与えることから、フッ素原子を含むアニオン成分が好ましい。フッ素原子を含むアニオン成分としては、ヘキサフルオロホスフェートアニオン[(PF )]、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン[(CFSO]アニオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン[(FSO]アニオン等が挙げられる。
〔5−3〕プロテクトフィルム
本発明に係る偏光板は、その表面(典型的には熱可塑性樹脂フィルム表面)を保護するためのプロテクトフィルムを含むことができる。プロテクトフィルムは、例えば画像表示素子や他の光学部材に偏光板が貼合された後、それが有する粘着剤層ごと剥離除去される。
プロテクトフィルムは、例えば、基材フィルムとその上に積層される粘着剤層とで構成される。粘着剤層については上述の記述が引用される。
基材フィルムを構成する樹脂は、例えば、ポリエチレンのようなポリエチレン系樹脂、ポリプロピレンのようなポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートのようなポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等の熱可塑性樹脂であることができる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂である。
<液晶パネル及び液晶表示装置>
本発明に係る偏光板は、液晶パネル及び液晶表示装置に用いることができる。液晶パネルは、液晶セルとその両面に配置される偏光板とを含む。液晶表示装置は、液晶パネルとバックライトとを含む。
本発明に係る偏光板は、液晶セルの片面又は両面に配置することができる。偏光板と液晶セルとの貼着には、粘着剤層を用いることができる。
液晶セルは、任意のものでよく、例えば、薄膜トランジスタ型に代表されるアクティブマトリクス駆動型の液晶セル、スーパーツイステッドネマチック型に代表される単純マトリクス駆動型の液晶セルなど、種々の液晶セルを使用して液晶パネル及び液晶表示装置を形成することができる。液晶セルの両面に設ける偏光板は、同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。
本発明に係る偏光板は、有機EL装置等の他の画像表示装置にも好適に用いることができる。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ない限り、質量基準である。
表1において、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体(A)及びオキサゾリン基含有重合体(B)はそれぞれ(A)、(B)と略記されている。
(製造例1:メタ(アクリル)系樹脂フィルムの作製)
(メタ)アクリル系樹脂として、メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル=96%/4%(質量比)の共重合体を用意した。またゴム粒子として、最内層がメタクリル酸メチルに少量のメタクリル酸アリルを用いて重合された硬質の重合体からなり、中間層がアクリル酸ブチルを主成分とし、さらにスチレン及び少量のメタクリル酸アリルを用いて重合された軟質の弾性体からなり、最外層がメタクリル酸メチルに少量のアクリル酸エチルを用いて重合された硬質の重合体からなる三層構造の弾性体粒子であって、中間層である弾性体までの平均粒径が240nmのものを用意した。なお、このゴム粒子において、最内層と中間層との合計質量は、粒子全体の70%であった。
上記(メタ)アクリル系樹脂68.5質量%、上記ゴム粒子29.6質量%、及び株式会社ADEKA社製の紫外線吸収剤「アデカスタブLA31」1.9質量%をスーパーミキサーで混合し、二軸押出機で溶融混練してペレットとした。このペレットを、65mmφ一軸押出機に投入し、設定温度275℃のT型ダイを介して押し出し、鏡面を有する二本のポリシングロールフィルムの両面を挟み込んで冷却し、厚さ60μmの(メタ)アクリル系樹脂フィルムを得た。
(製造例2:偏光子の作製)
平均重合度約2,400、ケン化度99.9モル%以上で厚さ60μmのポリビニルアルコールフィルムを、30℃の純水に浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の質量比が0.02/2/100の水溶液に30℃で浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の質量比が12/5/100の水溶液に56.5℃で浸漬した。引き続き、8℃の純水で洗浄した後、65℃で乾燥して、ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向された偏光子を得た。延伸は、主に、ヨウ素染色及びホウ酸処理の工程で行い、トータル延伸倍率は5.5倍、得られた偏光子の厚みは23μmであった。
<実施例1>
(1)接着剤組成物の調製
表1に示される成分を表1に示される配合量で、溶剤としての純水とともに混合して、接着剤組成物(接着剤水溶液)を調製した。表1に示される各成分の配合量の単位は質量部であり、各成分の配合量は固形分換算での量である。得られた接着剤組成物における固形分濃度(ここでいう固形分濃度とは、接着剤組成物における成分(A)及び(B)の合計濃度を意味する。他の例においても同様。)は、6.0質量%とした。
(2)偏光板の作製
上記製造例1で作製した(メタ)アクリル系樹脂フィルムの片面にコロナ処理を施し、その(メタ)アクリル系樹脂フィルムの、コロナ処理を施した面と、ケン化処理を施したトリアセチルセルロース(TAC)フィルム〔コニカミノルタオプト(株)製の商品名「KC2UAW」、厚み:25μm〕の片面に、上記(1)で調製した接着剤組成物をバーコータを用いて塗工した。接着剤組成物層が偏光子側となるように、上記製造例2で作製した偏光子の一方の面に(メタ)アクリル系樹脂フィルムを積層し、他方の面にケン化済みTACフィルムを積層して、(メタ)アクリル系樹脂フィルム/接着剤組成物層/偏光子/接着剤組成物層/TACフィルムの層構成を有する積層体を得た。この積層体を熱風乾燥機に通すことにより80℃、300秒間の加熱処理を行った後、25℃で72時間養生させて、偏光板を作製した。
(3)初期密着性の評価
上記(2)で得られた偏光板における(メタ)アクリル系樹脂フィルムと偏光子との間の初期密着性を下記に従って評価した。
偏光板における(メタ)アクリル系樹脂フィルムの表面にコロナ放電処理を施し、そのコロナ放電処理面に(メタ)アクリル系粘着剤シートを貼合して粘着剤層付の偏光板とした。得られた粘着剤層付偏光板から、幅25mm、長さ約200mmの試験片を裁断し、その粘着剤層面をソーダガラス基板に貼合した。
次いで、(メタ)アクリル系樹脂フィルムと偏光子との間にカッターの刃を入れ、長さ方向に端から30mm剥離し、その剥離部分を万能引張試験機〔(株)島津製作所製の商品名「AG−1」〕のつかみ部でつかんだ。この状態の試験片を、温度23℃相対湿度55%の雰囲気中にて、JIS K 6854−2:1999「接着剤−はく離接着強さ試験方法−第2部:180度はく離」に準じて、つかみ移動速度300mm/分で180度はく離試験を行い、つかみ部の30mmを除く170mmの長さにわたる平均剥離力を求めて、これを密着力とした。結果を表1に示す。表1中、「※」は、密着力が高いために、上記はく離試験を行うと、(メタ)アクリル系樹脂フィルムと偏光子との界面でのはく離が生じる前に(メタ)アクリル系樹脂フィルム又は偏光子が破断してしまったことを意味する。
また、得られた密着力の測定値に基づき、(メタ)アクリル系樹脂フィルムと偏光子との間の初期密着性を以下のように評価した。結果を併せて表1に示す。
A:密着力が1Nを超える。
B:密着力が1N未満である。
<実施例2〜8、比較例1>
配合成分及びそれらの配合量を表1に示されるとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして接着剤組成物を調製した。
得られた接着剤組成物における固形分濃度を表1に併せて示す。
また、得られた接着剤組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製し、(メタ)アクリル系樹脂フィルムと偏光子との間の初期密着力を測定するとともに、初期密着性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2018199806
表1に示される各成分の詳細は次のとおりである。
a1:日本酢ビ・ポバール株式会社製の商品名「AP−17」〔カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、平均重合度:1700、ケン化度:88〜90モル%〕
a2:日本酢ビ・ポバール株式会社製の商品名「AF−17」〔カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、平均重合度:1700、ケン化度:96.5モル%以上〕
b1:株式会社日本触媒製の商品名「エポクロス WS−300」〔2−オキサゾリン基を側鎖として有するオキサゾリン基含有アクリル系重合体の水溶液、固形分濃度:10質量%、オキサゾリン価(理論値):130g solid/eq.、オキサゾリン基量(理論値):7.7mmol/g,solid、数平均分子量:4×10、重量平均分子量:12×10
また、実施例8の接着剤組成物については、調製後から12時間ごとに以下の(4)〜(6)の評価をそれぞれ行い、合計168時間まで以下の(4)〜(6)の評価を行った。結果を表2に示す。
(4)接着剤組成物のゲル化の有無
調製した接着剤組成物を、温度23℃相対湿度55%の環境下にて保管し、12時間ごとに、調製した接着剤組成物を観察し、ゲル化の発生の有無を確認した。ゲル化が起きない場合を「A」とし、ゲル化が起きた場合を「B」とした。
(5)接着剤組成物の密着性の経時変化
調製した接着剤組成物を、温度23℃相対湿度55%の環境下にて保管し、12時間ごとに、保管した接着剤組成物を用いて上記実施例1の(2)と同様にして偏光板を作製した。作製した偏光板について、上記実施例1の(3)と同様にして密着性を評価し、密着性の変化の有無を確認した。初期密着力(1.5N)と比較して、密着力が1N未満となった場合を密着性に変化があるとし、それ以外の場合を密着性に変化がないとした。密着性に変化がなかった場合を「A」とし、密着性に変化があった場合を「B」とした。
(6)偏光板の光学特性の経時変化
調製した接着剤組成物を、温度23℃相対湿度55%の環境下にて保管し、12時間ごとに、保管した接着剤組成物を用いて上記実施例1の(2)と同様にして偏光板を作製した。得られた偏光板の一方の保護フィルム面にコロナ処理を施し、そのコロナ放電処理面に(メタ)アクリル系粘着剤シートを貼合して粘着剤層付の偏光板とした。得られた粘着剤層付偏光板からそれぞれ30mm×30mmのサイズに裁断し、剥離フィルムを剥し、その粘着層側に無アルカリガラス〔商品名「EAGLE XG」、コーニング社製〕を貼合した。各サンプルに温度50℃、圧力5kg/cm(490.3kPa)で1時間オートクレーブ処理を施した後、温度23℃相対湿度55%の環境下で24時間放置した。このサンプルについて、紫外可視分光光度計(UV2450、(株)島津製作所製)にオプションアクセサリーの「偏光フィルム付フィルムホルダー」をセットして、波長380〜700nmの範囲における偏光板の透過軸方向と吸収軸方向の透過スペクトルを測定し、それらをもとに、偏光度Py(単位:%)を求めた。
上記のとおり求めた偏光度Py(単位:%)に変化の有無を確認した。接着剤組成物を調製した直後に作製した偏光板における偏光度Pyと比較して、偏光度Pyの値が、1.0%以上変化した場合を光学特性に変化があるとした。偏光度Pyの値に1.0%以上変化がなかった場合を「A」とし、1.0%以上変化があった場合を「B」とした。
Figure 2018199806
実施例8に記載の接着剤組成物は、調製してから168時間経過してもゲル化の発生がなく、良好であった。また、実施例8に記載の接着剤組成物を調製してから168時間経過した接着剤組成物を用いて偏光板を作製しても密着性に変化がなく、良好であった。また、実施例8に記載の接着剤組成物を調製してから168時間経過した接着剤組成物を用いて作製した偏光板の光学特性にも変化がなく、良好であった。本発明に係る接着剤組成物は良好なポットライフを示した。
10 第1熱可塑性樹脂フィルム、15 第1接着剤層、20 第2熱可塑性樹脂フィルム、25 第2接着剤層、30 偏光子。

Claims (5)

  1. カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体(A)と、オキサゾリン基含有重合体(B)とを含む、接着剤組成物。
  2. オキサゾリン基含有重合体(B)が水溶性の重合体である、請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. オキサゾリン基含有重合体(B)の含有量が、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体(A)100質量部に対して100質量部以上1000質量部以下である、請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
  4. 偏光子と(メタ)アクリル系樹脂フィルムとの貼合に用いられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  5. 偏光子と、
    前記偏光子の上に接着剤層を介して積層される(メタ)アクリル系樹脂フィルムと、
    を含み、
    前記接着剤層が、請求項1〜4のいずれか1項に記載の接着剤組成物から形成された層である、偏光板。
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