JP2018199644A - 歯茎への収斂感付与剤及びこれを含有する口腔用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】アスコルビン酸エステル又はその塩による歯茎の引き締め感が向上し、歯茎への引き締め感(収斂感)付与効果が優れる歯茎への収斂感付与剤及びこれを含有する口腔用組成物を提供する。【解決手段】(A)アスコルビン酸エステル又はその塩と、(B)アルギン酸プロピレングリコールとからなり、(A)/(B)が質量比として0.4〜60である歯茎への収斂感付与剤、及びこれを含有する口腔用組成物。更に、(C)カラギーナン、キサンタンガム及びカルボキシメチルセルロースナトリウムから選ばれる少なくとも1種の粘結剤を、(B)/(C)が質量比として0.01〜2.5で含有する上記口腔用組成物。更に、(D)ソルビット及び/又はグリセリンを含有する上記口腔用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、アスコルビン酸エステル又はその塩による歯茎の引き締め感が向上し、歯茎への引き締め感(収斂感)付与効果が優れる歯茎への収斂感付与剤及びこれを含有する口腔用組成物に関する。
アスコルビン酸は、生体中で酵素活性発現に重要な役割を演じ、多様な生理活性を持つことが知られている。特にプロリル及びリジルヒドロキシラーゼの補酵素として作用し、コラーゲン合成に必須であるとされている。このため、コラーゲンの破壊に伴う歯肉炎、歯周炎の予防又は治療に有用であり、出願人はアスコルビン酸誘導体であるアスコルビン酸エステル又はその塩を含有する口腔用組成物の開発を行ってきた(特許文献1、2;特開2015−110664号公報、特開2013−129600号公報)。更に、特許文献3(特開2005−239655号公報)にも口腔用組成物へのアスコルビン酸エステル又はその塩の応用に関する提案がなされている。
一方、口腔用製剤において、実際の有効性と共に、歯茎への実効感は、ユーザーの歯みがき行動への意識を高めるために重要である。歯茎への実効感としては、適度な引き締め感が、ユーザーの満足感を高める傾向があり、アスコルビン酸エステル又はその塩を含有する口腔用組成物においても、歯茎への実効感として有効である。
特開2015−110664号公報 特開2013−129600号公報 特開2005−239655号公報 特開2013−119520号公報 国際公開第2012/073601号 国際公開第2012/073602号
しかしながら、アスコルビン酸エステル又はその塩は、歯茎への使用感が比較的穏やかであり、引き締め感を満足に与えることができなかった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、アスコルビン酸エステル又はその塩による歯茎の引き締め感が向上し、歯茎への引き締め感(収斂感)付与効果が優れる歯茎への収斂感付与剤及びこれを含有する口腔用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、アスコルビン酸エステル又はその塩にアルギン酸プロピレングリコールを特定割合で併用すると、アスコルビン酸エステル又はその塩による歯茎の引き締め感が増強して発現し、歯茎への収斂感付与剤として有効であることを見出した。即ち、本発明によれば、(A)アスコルビン酸エステル又はその塩と(B)アルギン酸プロピレングリコールとを(A)/(B)が質量比として0.4〜60の範囲内で併用することで、歯茎に適度かつ満足な引き締め感を与える優れた収斂感付与効果を与え、この(A)及び(B)成分の併用系を口腔用組成物に配合することによって、アスコルビン酸エステル又はその塩を含有する口腔用組成物において、優れた収斂感付与効果を得ることができることを知見し、本発明をなすに至った。
更に詳述すると、後述の比較例にも示すように、口腔用組成物において、アスコルビン酸エステル又はその塩による歯茎の引き締め感は低く、また、アルギン酸プロピレングリコールによる歯茎の引き締め感はほとんど認められず、両者の併用によって引き締め感が向上するとは到底考えられない。しかし、本発明では、(A)及び(B)成分を併用すると、(A)/(B)が質量比として0.4〜60の範囲内において、意外にも、両者が相乗的に作用し、歯茎の引き締め感を増強する優れた収斂感付与効果を奏する(後述の実施例)。このような格別な作用効果は、本発明の(A)及び(B)成分の併用系によってのみ得られるものであり、(A)又は(B)成分の配合量又は配合比率が不適切な場合は劣り、また、(B)成分に代えてアルギン酸ナトリウムを(A)成分と併用した場合は劣る(後述の比較例)。
本発明では、更に、(C)カラギーナン、キサンタンガム及びカルボキシメチルセルロースナトリウムから選ばれる少なくとも1種の粘結剤を、(B)/(C)の質量比が特定範囲内で配合すると、(A)及び(B)成分の併用によって生じる製剤変色を経時でも十分に抑制し、外観安定性が向上する。また更に、(D)ソルビット及び/又はグリセリンを特定量配合すると、(A)及び(B)成分の併用によって生じる渋味、苦味及び異味を十分に抑制し、味の良い使用感を与えることもできる。
口腔用組成物へのアルギン酸プロピレングリコールの応用に関する技術は特許文献4〜6(特開2013−119520号公報、国際公開第2012/073601号、国際公開第2012/073602号)に提案されているが、これらはアルギン酸プロピレングリコールによる泡性能改善又は歯周病原因菌の歯面付着抑制である。特許文献4〜6から、本発明の(A)及び(B)成分による収斂感付与効果の向上は予測し得ない。
従って、本発明は、下記の歯茎への収斂感付与剤及び口腔用組成物を提供する。
〔1〕
(A)アスコルビン酸エステル又はその塩を0.1〜5質量%、及び
(B)アルギン酸プロピレングリコールを0.01〜0.6質量%
を含有し、かつ(A)/(B)が質量比として0.4〜60であることを特徴とする口腔用組成物。
〔2〕
更に、(C)カラギーナン、キサンタンガム及びカルボキシメチルセルロースナトリウムから選ばれる少なくとも1種の粘結剤を0.1〜2質量%含有し、(B)/(C)が質量比として0.01〜2.5である〔1〕に記載の口腔用組成物。
〔3〕
更に、(D)ソルビット及び/又はグリセリンを2〜50質量%含有する〔1〕又は〔2〕に記載の口腔用組成物。
〔4〕
歯磨剤組成物である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の口腔用組成物。
〔5〕
(A)アスコルビン酸エステル又はその塩と、
(B)アルギン酸プロピレングリコールと
からなり、(A)/(B)が質量比として0.4〜60である歯茎への収斂感付与剤。
〔6〕
歯磨剤組成物用である〔5〕に記載の歯茎への収斂感付与剤。
本発明によれば、アスコルビン酸エステル又はその塩による歯茎の引き締め感が向上し、歯茎への引き締め感(収斂感)付与効果が優れる歯茎への収斂感付与剤及びこれを含有する口腔用組成物を提供できる。本発明によれば、歯茎への実効感を高めることもできる。
以下、本発明につき更に詳述する。本発明の歯茎への収斂感付与剤は、(A)アスコルビン酸エステル又はその塩及び(B)アルギン酸プロピレングリコールを有効成分とする。
(A)アスコルビン酸エステル又はその塩としては、アスコルビン酸リン酸エステル又はその塩を使用できる。
アスコルビン酸リン酸エステル又はその塩としては、アスコルビン酸の2,3,5,6位のいずれかの水酸基の1つ又は2つ以上がリン酸、ポリリン酸等の化合物のエステルとなったものであり、例えば、アスコルビン酸−2−リン酸エステル、アスコルビン酸−3−リン酸エステル、アスコルビン酸−6−リン酸エステル、アスコルビン酸−2−ポリリン酸エステル等が挙げられ、その塩類としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩が挙げられる。特に組成物の安定性の点から、アスコルビン酸の2位又は3位の水酸基がリン酸エステル化された誘導体が好ましく、より好ましくはアスコルビン酸−2−リン酸エステルのマグネシウム塩やナトリウム塩である。
(B)アルギン酸プロピレングリコールは、(A)成分と併用することで、歯茎に引き締め感を与える収斂感付与効果の向上作用を奏する。
アルギン酸プロピレングリコールは、コンブ、ワカメに代表される褐藻類に特有な天然多糖類アルギン酸の耐酸性、耐塩性を高めるためカルボキシル基にプロピレングリコール基を導入しエステルとしたアルギン酸プロピレングリコールを使用でき、市販されているものを使用できる。具体的には、(株)フードケミファ製の商品名;ダックロイド、(株)キミカ製の商品名;キミロイド、昆布酸等が挙げられる。
アルギン酸プロピレングリコールのアルギン酸骨格は、β−1,4結合するD−マンヌロン酸[M]と、α−1,4結合するL−グルロン酸[G]からなる。かかるD−マンヌロン酸とL−グルロン酸との量的比率(M/G比 モル比)は、1を超えるものが、収斂感付与効果の点から好ましく、上限は2以下である。なお、2を超えるものは市販されていない。
アルギン酸からエステル化によりアルギン酸プロピレングリコールを合成する際には、反応条件によりカルボキシル基の置換度、即ちエステル化度が変化する。収斂感付与効果の点から、カルボキシル基のエステル化度は70%以上、特に70〜95%が好ましい。なお、エステル化度が95%を超えるものは市販されていない。
アルギン酸プロピレングリコールの粘度は、後述するB型粘度計による測定法による1%水溶液の20℃での粘度(以下、同様)が10〜150mPa・s、特に10〜60mPa・sの範囲が、収斂感付与効果の点から、好ましい。
(B)アルギン酸プロピレングリコールは、市販品を使用できる。具体的には、下記の市販品が挙げられる。
アルギン酸プロピレングリコール
商品名 昆布酸503:
1%水溶液粘度18mPa・s(ローターNo.1、60rpm)、M/G比=1.3、エステル化度=80%、(株)キミカ製
商品名 キミロイドBF:
1%水溶液粘度20mPa・s(ローターNo.1、60rpm)、M/G比=1.3、エステル化度=80%、(株)キミカ製
商品名 キミロイドLLV:
1%水溶液粘度24mPa・s(ローターNo.1、60rpm)、M/G比=1.3、エステル化度=80%、(株)キミカ製
商品名 キミロイドNLS−K:
1%水溶液粘度55mPa・s(ローターNo.1、60rpm)、M/G比=1.3、エステル化度=80%、(株)キミカ製
商品名 キミロイドLV:
1%水溶液粘度90mPa・s(ローターNo.1、30rpm)、M/G比=1.3、エステル化度=80%、(株)キミカ製
商品名 キミロイドMV:
1%水溶液粘度148mPa・s(ローターNo.1、30rpm)、M/G比=1.3、エステル化度=80%、(株)キミカ製
商品名 ダックロイドLF:
1%水溶液粘度21mPa・s(ローターNo.1、60rpm)、M/G比=0.8、エステル化度=75%、(株)フードケミファ製
商品名 ダックロイドPF:
1%水溶液粘度51mPa・s(ローターNo.1、60rpm)、M/G比=0.8、エステル化度=75%、(株)フードケミファ製
なお、上記粘度は、BL型粘度計により、各々適切な測定条件を設定して測定した値であり、具体的には下記方法による測定値である。
粘度測定法((株)フードケミファ製 ダックロイド)
アルギン酸プロピレングリコールを4g採取し600mL容量のビーカーに入れ、そこに攪拌棒で攪拌しながら精製水396gを少しずつ加える。初めに少量の水でよく溶解し、ある程度溶けたら全量の水を入れる。その後1時間膨潤させ、1時間後、高速攪拌機(ホモミキサー)により12,000回転/分で1分間攪拌する。この溶液を300mLトールビーカーに入れて、20℃水槽に静置させておく。泡が上に上がり、ビーカーの溶液の色が澄明になったら、上の泡を薬さじ等で取り除く。温度計をビーカーの中に入れて検液が20℃に達したことを確認し、粘度測定を行う。
粘度計:東京計器 BL型粘度計(ローター:No.1、回転数:60rpm、測定時間:1分)
粘度測定法((株)キミカ製 キミロイド、昆布酸)
300mLトールビーカーに精製水297gをとり、スターラー又はスリーワンモーターで攪拌しながらこれにアルギン酸プロピレングリコールを3.0g加えて完全に溶解する。次に、20℃恒温水槽に1時間静置後、BL型粘度計を用いて正確に1分後の粘度を測定する。
粘度計:東京計器 BL型粘度計
測定条件
・1%水溶液粘度が10〜80mPa・sの場合:ローターNo.1、回転数60rpm
・1%水溶液粘度が80mPa・sを超えて160mPa・s以下の場合:ローターNo.1、回転数30rpm
・1%水溶液粘度が160mPa・sを超えて400mPa・s以下の場合:ローターNo.2、回転数60rpm
・1%水溶液粘度が400mPa・sを超えて800mPa・s以下の場合:ローターNo.2、回転数30rpm
・1%水溶液粘度が800mPa・sを超えて1,600mPa・s以下の場合:ローターNo.3、回転数60rpm
測定時間:1分
(A)成分と(B)成分との配合割合を示す(A)/(B)は、質量比として0.4〜60であり、好ましくは0.6〜50である。(A)/(B)の質量比が0.4に満たないと、収斂感付与効果が劣り、歯茎の引き締め感が低く、60を超えると、収斂感付与効果が低下し、歯茎の引き締め感が劣る。
本発明にかかわる(A)及び(B)成分からなる歯茎への収斂感付与剤は、特に口腔用組成物、具体的にはペースト状、ジェル状又は液状の歯磨剤(練歯磨、ジェル状歯磨、液状歯磨、液体歯磨等)、洗口剤、マウススプレー、塗布剤、貼付剤等に好適に配合することができる。中でも歯磨剤として好適である。
この場合、歯茎への収斂感付与剤として(A)及び(B)成分は、前記特定の比率で規定されるが、口腔用組成物に応用する場合は、歯茎への収斂感付与効果の点から、(A)及び(B)成分の配合量がそれぞれ後述の範囲内が好ましく、これらを満たす濃度で使用することが好ましい。
(A)アスコルビン酸エステル又はその塩の配合量は、組成物全体の0.1〜5%(質量%、以下同様)が好ましく、より好ましくは0.2〜4%である。配合量が多いほど歯周疾患の予防効果が高まると共に歯茎への収斂感付与効果が向上し、上記範囲内であると、歯茎の引き締め感が十分に優れる。5%以下であると、歯茎への収斂感付与効果が十分に維持される。
(B)アルギン酸プロピレングリコールの配合量は、組成物全体の0.01〜0.6%が好ましく、より好ましくは0.05〜0.5%である。配合量が前記範囲内であると、歯茎への収斂感付与効果が十分に優れる。0.01%に満たないと歯茎への収斂感付与効果が改善しない場合があり、0.6%を超えると歯茎への収斂感付与効果が低下する場合がある。
本発明の口腔用組成物には、更に、(C)カラギーナン、キサンタンガム及びカルボキシメチルセルロースナトリウムから選ばれる1種又は2種以上の粘結剤を配合できる。(C)成分を配合すると、(A)及び(B)成分による製剤変色を経時においても十分に抑制できる。(C)成分としては、製剤変色の抑制の点から、特にカラギーナン、キサンタンガムが好ましく、より好ましくはキサンタンガムである。
(C)特定の粘結剤の配合量は、組成物全体の0.1〜2%が好ましく、より好ましくは0.2〜1.5%であり、この範囲内であると製剤変色を十分に抑えることができる。なお、カラギーナン、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウムのそれぞれの好ましい配合量は、上記(C)成分の配合量の範囲と同様である。
更に、本発明では、粘結剤として、本発明の効果を妨げない範囲で上記の(B)成分、更には(C)成分以外の物質を配合できる。例えば、有機粘結剤としては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、メチルセルロース、カチオン化セルロース、グアガム、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、ポリアクリル酸ナトリウムが挙げられる。無機粘結剤としては、ゲル化性シリカ、ゲル化性アルミニウムシリカ、ビーガム、ラポナイト、モンモリロナイトが挙げられる。これら有機粘結剤の配合量は、好ましくは0.1〜2%、特に0.1〜1%であり、無機粘結剤の配合量は、好ましくは0.1〜10%、特に0.1〜7%である。前記任意の有機粘結剤は、上記(C)成分との合計量が2%以下の配合量となる範囲で使用することが好ましい。
(B)成分と(C)成分との配合割合を示す(B)/(C)は、製剤変色の改善の点から、質量比として0.01〜2.5が好ましく、より好ましくは0.04〜2.5、更に好ましくは0.05〜2である。この範囲内であると、製剤変色をより抑制できる。
本発明では、更に、(D)ソルビット及び/又はグリセリンを配合できる。(D)成分を配合すると、(A)及び(B)成分の併用によって生じる渋味、苦味及び異味を抑えて使用感(渋味・苦味・異味のなさ)を十分に改善できる。
(D)成分の配合量は、組成物全体の2〜50%が好ましく、より好ましくは3〜45%である。この範囲内であると、使用感(渋味・苦味・異味のなさ)をより改善できる。
更に、本発明では、湿潤剤として、本発明の効果を妨げない範囲で上記以外の物質を配合できる。例えば、多価アルコールとしてプロピレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール、平均分子量200〜6,000(医薬部外品原料規格記載の平均分子量)のポリエチレングリコール、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、糖アルコールとして還元でんぷん糖化物、キシリトール、エリスリトールが挙げられる。これら湿潤剤の配合量は、好ましくは2〜45%、特に3〜42%である。これらは、上記(D)成分の配合量範囲内で使用することが好ましい。
本発明の口腔用組成物の剤形・形状は特に限定されず、例えば、液体(溶液、乳液、懸濁液等)、半固体(ゲル、クリーム、ペースト等)、固体(錠剤、粒子状剤、カプセル剤、フィルム剤、混練物、溶融固体、ロウ状固体、弾性固体等)等の任意の剤形に調製することができる。また、前記調製された製剤は、例えば、歯磨剤(練歯磨、液体歯磨、液状歯磨、粉歯磨等)、洗口剤、塗布剤、貼付剤、口中清涼剤、食品(例えば、チューインガム、錠菓、キャンディ、グミ、フィルム、トローチ等)等の各種製品として利用することができるが、口腔用途の範囲で、前記に限定されないが歯磨剤であることが好ましい。
本発明の口腔用組成物には、上記各成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲において、口腔用組成物に使用し得る公知の添加成分(薬理学的に許容される担体)を配合することができる。かかる添加成分としては、例えば、研磨剤、界面活性剤、色素、香料、甘味剤、pH調整剤、有効成分等が挙げられ、剤形に応じて適宜選択し得る。
以下に添加成分の具体例を示すが、本発明の口腔用組成物に配合可能な成分はこれらに制限されるものではない。
研磨剤:シリカゲル、沈降シリカ、アルミノシリケート、ジルコノシリケート等のシリカ系研磨剤、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ゼオライト、ケイ酸ジルコニウム、ハイドロキシアパタイト、合成樹脂系研磨剤(配合量は通常、組成物全体の2〜40%、特に10〜25%)
界面活性剤:アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤
アニオン性界面活性剤:ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロイルメチルタウリン等のアシルアミノ酸塩、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル・ナトリウム、アルキルリン酸エステル塩
カチオン性界面活性剤:塩化ジステアリルメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム
非イオン性界面活性剤:ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の糖アルコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等の多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などのエーテル型の界面活性剤、ラウリン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド
両イオン性界面活性剤:2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、N−ラウリルジアミノエチルグリシン、N−ミリスチルジアミノエチルグリシン等のN−アルキルジアミノエチルグリシン、N−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリンベタインナトリウム
界面活性剤の配合量は、組成物全体の0.2〜15%、特に0.5〜10%が好ましい。
色素:青色1号、黄色4号、緑色3号等の法定色素、カラメル等の天然色素及び酸化チタン
香料:メントール、アネトール、カルボン、オイゲノール、リモネン、n−デシルアルコール、シトロネロール、α−テルピネオール、シトロネリルアセテート、シネオール、リナロール、エチルリナロール、ワニリン、チモール、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、桂皮油、ピメント油、桂葉油、シソ油、冬緑油、丁字油、ユーカリ油等の口腔用組成物用の香料(配合量は通常、組成物全体の0.000001〜2%)。
甘味剤:サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ペリラルチン
pH調整剤:クエン酸、乳酸、リンゴ酸等の有機酸又はこれらの塩類、塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等の無機化合物(組成物のpHは好ましくは5〜9、特に7〜9であり、この範囲内でpH調整剤を使用し得る。)
有効成分:フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム等のフッ素含有化合物、デキストラナーゼ等の酵素、カチオン性殺菌剤、ノニオン性殺菌剤等の殺菌剤、トラネキサム酸等の抗炎症剤(配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量。)
以下、実施例及び比較例、処方例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は特に断らない限りいずれも質量%を示す。
また、各例中の主な原料の詳細を下記に示す。
(A)リン酸L−アスコルビルマグネシウム:和光純薬工業(株)製、アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、生化学用
(B)
アルギン酸プロピレングリコール(B−1):商品名 キミロイドBF
1%水溶液粘度20mPa・s(ローターNo.1、60rpm)、
M/G比=1.3、エステル化度=80%、(株)キミカ製
アルギン酸プロピレングリコール(B−2):商品名 キミロイドNLS−K
1%水溶液粘度55mPa・s(ローターNo.1、60rpm)、
M/G比=1.3、エステル化度=80%、(株)キミカ製
アルギン酸プロピレングリコール(B−3):商品名 キミロイドMV
1%水溶液粘度148mPa・s(ローターNo.1、30rpm)、
M/G比=1.3、エステル化度=80%、(株)キミカ製
(C)キサンタンガム:DSP五経フード&ケミカル(株)製、エコーガム
(C)カラギーナン:三晶(株)製、PJ−JPE
(C)カルボキシメチルセルロースナトリウム:ダイセル化学(株)製、CMCダイセル
1180
(D)ソルビット液(70%):三菱商事フードテック(株)製、70%ソルビット液
(D)グリセリン(85%):阪本薬品工業(株)製
[実施例、比較例]
実験1:
表1〜3に示す組成の歯磨剤組成物を常法によって調製し、下記方法で歯茎の引き締め感を評価した。結果を表に併記した。
(1−1);歯茎の引き締め感(歯茎への収斂感付与効果)の評価方法
専門家パネラー10名を用いた官能試験を実施した。歯磨剤組成物約0.5gを市販品歯ブラシにのせて3分間ブラッシングを行い、使用中に感じた歯茎の実効感として歯茎の引き締め感を評価した。下記の4段階の評点基準に従って官能評価し、10名の評価結果の平均値を求め、下記の評価基準で評価した。
評点基準
4点:歯茎の引き締め感を十分感じた
3点:歯茎の引き締め感を感じた
2点:歯茎の引き締め感をあまり感じなかった
1点:歯茎の引き締め感を感じなかった
評価基準
◎:3.5点以上4.0点以下
○:3.0点以上3.5点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
(○以上を合格とした。)
Figure 2018199644
Figure 2018199644
Figure 2018199644
実験2:
表4、5に示す組成の歯磨剤組成物を常法によって調製し、上記方法で歯茎の引き締め感を評価し、かつ下記方法で製剤変色を評価した。更に、表5に示す組成物については、下記方法で使用感も評価した。結果を表に併記した。
(2−1);製剤変色(経時での製剤変色のなさ)の評価方法
口径8mmのラミネートチューブに充填した歯磨剤組成物の各組成3本を50℃で3ヶ月間又は−5℃で1ヶ月間保存した後、わら半紙上に10cm押し出し、専門家パネラー5名の官能評価により、−5℃保存品に比べた50℃保存品の色調変化を観察した。下記の4段階の評点基準に従って官能評価し、5名の評価結果の平均値を求め、下記の評価基準で評価した。
評点基準
4点:変色がまったくない
3点:変色がほとんどない
2点:変色がやや認められる
1点:著しく変色が認められる
評価基準
◎:3.5点以上4.0点以下
○:3.0点以上3.5点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
(○以上を合格とした。)
(2−2);使用感(渋味・苦味・異味のなさ)の評価方法
専門家パネラー10名を用いた官能試験を実施した。歯磨剤組成物約0.5gを市販品歯ブラシにのせて3分間ブラッシングを行い、使用中に感じた渋味・苦味・異味のなさを評価した。下記の4段階の評点基準に従って官能評価し、10名の評価結果の平均値を求め、下記の評価基準で評価した。
評点基準
4点:渋味・苦味・異味がまったくない
3点:渋味・苦味・異味がほとんどない
2点:渋味・苦味・異味がややある
1点:渋味・苦味・異味がかなりある
評価基準
◎:3.5点以上4.0点以下
○:3.0点以上3.5点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
(○以上を合格とした。)
Figure 2018199644
Figure 2018199644
以下に処方例を示す。上記と同様の使用原料を用いた。
[処方例1]歯磨剤
(A)リン酸L−アスコルビルマグネシウム 0.3%
(B)アルギン酸プロピレングリコール(B−1) 0.1
(C)キサンタンガム 0.8
(D)ソルビット液(70%) 60
無水ケイ酸 12
サッカリンナトリウム 0.2
増粘性シリカ 6
酸化チタン 0.5
プロピレングリコール 3
クエン酸 0.1
水酸化ナトリウム 0.1
ラウリル硫酸ナトリウム 1.5
香料 0.8
精製水 バランス
合計 100%
(A)/(B)の質量比;3
(B)/(C)の質量比;0.125
[処方例2]洗口液
(A)リン酸L−アスコルビルマグネシウム 0.3%
(B)アルギン酸プロピレングリコール(B−1) 0.1
(C)キサンタンガム 0.1
(D)グリセリン(85%) 6
プロピレングリコール 3
キシリトール 3
エタノール 2
クエン酸 0.015
クエン酸ナトリウム 0.12
リン酸一水素二ナトリウム 0.1
香料 0.2
精製水 バランス
合計 100%
(A)/(B)の質量比;3
(B)/(C)の質量比;1

Claims (6)

  1. (A)アスコルビン酸エステル又はその塩を0.1〜5質量%、及び
    (B)アルギン酸プロピレングリコールを0.01〜0.6質量%
    を含有し、かつ(A)/(B)が質量比として0.4〜60であることを特徴とする口腔用組成物。
  2. 更に、(C)カラギーナン、キサンタンガム及びカルボキシメチルセルロースナトリウムから選ばれる少なくとも1種の粘結剤を0.1〜2質量%含有し、(B)/(C)が質量比として0.01〜2.5である請求項1記載の口腔用組成物。
  3. 更に、(D)ソルビット及び/又はグリセリンを2〜50質量%含有する請求項1又は2記載の口腔用組成物。
  4. 歯磨剤組成物である請求項1〜3のいずれか1項記載の口腔用組成物。
  5. (A)アスコルビン酸エステル又はその塩と、
    (B)アルギン酸プロピレングリコールと
    からなり、(A)/(B)が質量比として0.4〜60である歯茎への収斂感付与剤。
  6. 歯磨剤組成物用である請求項5記載の歯茎への収斂感付与剤。
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