JP2018199538A - 携帯端末、プログラム、エレベータの群管理システム、及びエレベータシステム - Google Patents

Abstract

【課題】乗場の近傍に配置した行先階登録装置ではなく携帯端末を利用して行先階の登録を行う場合において、利用者到着予定時刻に基づいて戸開待機を適切に制御できる携帯端末、プログラム、エレベータの群管理システム、及びエレベータシステムを提供する。【解決手段】携帯端末１００のＣＰＵ１０１は、エレベータホールまでの距離／時間の設定画面において、利用者が出発階及び行先階の入力操作を行う場所とエレベータホールの所定乗車位置との間の距離または移動時間を示す距離／時間情報を入力させる画面を表示させて、利用者にタッチパネル式表示部１０４を介して距離／時間情報を入力させ、無線通信部１０５を介して、群管理制御装置１０に距離／時間情報を送信する。【選択図】図７

Description

本発明は、携帯端末、プログラム、エレベータの群管理システム、及びエレベータシステムに関する。

特許文献１は、乗車前に利用者による行先階の登録を受け付ける行先階登録装置を乗場の近傍に配置したエレベータシステムを開示している。このエレベータシステムでは、利用者到着予定時刻に基づいて戸開待機を制御する。

特許第５８５５９２２号公報

近年、携帯端末による行先階の登録を受け付け可能としたエレベータシステムが導入されつつある。

本発明は、乗場の近傍に配置した行先階登録装置ではなく携帯端末を利用して行先階の登録を行う場合において、利用者到着予定時刻に基づいて戸開待機を適切に制御できる携帯端末、プログラム、エレベータの群管理システム、及びエレベータシステムを提供する。

本発明の第１の態様において、携帯端末が提供される。
携帯端末は、
利用者による入力操作を受け付ける操作部と、
複数台のエレベータの運行を制御する群管理制御装置との間で無線通信を行う無線通信部と、
制御部と、
制御部から出力される画像信号に基づく表示を行う表示部と、を備える。
制御部は、
所定の設定画面において、利用者が出発階及び行先階の入力操作を行う場所とエレベータホールの所定乗車位置との間の距離または移動時間を示す距離／時間情報を入力させる画面を表示させて、利用者に操作部を介して距離／時間情報を入力させ、
無線通信部を介して、群管理制御装置に距離／時間情報を送信する。

本発明の第２の態様において、コンピュータを、本発明の携帯端末として機能させるプログラムが提供される。

本発明の第３の態様において、エレベータの群管理システムが提供される。
エレベータの群管理システムは、
携帯端末との間で無線通信を行う無線通信部と、
制御部と、を備える。
制御部は、
無線通信部を介して、携帯端末から、出発階及び行先階の情報と、利用者が出発階及び行先階の入力操作を行う場所とエレベータホールの所定乗車位置との間の距離または移動時間を示す距離／時間情報を受信したときに、複数台のエレベータのうちのいずれかのエレベータを割り当てるとともに入力操作が行われたときから割り当てられたエレベータが出発階から出発するまでの時間を設定し、
割り当てられたエレベータが出発階に到着した際、入力操作が行われたときから設定した時間が経過するまでの間は、割り当てられたエレベータの戸開を維持して、割り当てられたエレベータを待機させる。

本発明の第４の態様において、エレベータシステムが提供される。
エレベータシステムは、
本発明の携帯端末と、
本発明のエレベータの群管理システムと、を有する。

本発明によれば、利用者が出発階及び行先階の入力操作を行う場所とエレベータホールの所定乗車位置との間の距離または移動時間を、携帯端末を利用して利用者に入力させることで、携帯端末を利用して行先階の登録を行うエレベータシステムにおいて、利用者に応じた適切な利用者到着予定時刻を設定でき、かつ利用者到着予定時刻に基づいて適切に戸開待機を制御できるようになる。

実施の形態１におけるエレベータシステムの構成を示すブロック図 実施の形態１におけるエレベータシステムを適用したビルの階床の一例を示した平面図 実施の形態１における群管理制御装置のハードウェア構成の一例を示したブロック図 実施の形態１における携帯端末のハードウェア構成の一例を示したブロック図 実施の形態１における携帯端末の表示部における表示の一例を示した図 携帯端末の表示部における表示の一例を示した図 携帯端末の表示部における表示の一例を示した図 携帯端末の表示部における表示の一例を示した図 携帯端末の表示部における表示の一例を示した図 携帯端末の表示部における表示の一例を示した図 携帯端末の表示部における表示の一例を示した図 携帯端末の表示部における表示の一例を示した図 携帯端末の表示部における表示の一例を示した図 携帯端末の表示部における表示の一例を示した図 実施の形態１における携帯端末の動作の一例を示したフローチャート 実施の形態１における群管理制御装置の動作の一例を示したフローチャート 実施の形態１における出発階から割当エレベータが出発するまでの時間の設定方法の一例を説明した図 実施の形態１における出発階から割当エレベータが出発するまでの時間の設定方法の一例を説明した図 実施の形態１における出発階から割当エレベータが出発するまでの時間の設定方法の一例を説明した図 実施の形態２における携帯端末の表示部における表示の一例を示した図 実施の形態２における携帯端末の表示部における表示の一例を示した図 実施の形態２における携帯端末の動作の一例を示したフローチャート 実施の形態３における携帯端末の表示部における表示の一例を示した図 実施の形態３における携帯端末の表示部における表示の一例を示した図 実施の形態３における携帯端末の表示部における表示の一例を示した図 実施の形態３における携帯端末の動作の一例を示したフローチャート 実施の形態３における群管理制御装置の動作の一例を示したフローチャート 実施の形態４における携帯端末の表示部における表示の一例を示した図 実施の形態４における携帯端末の動作の一例を示したフローチャート 実施の形態４における携帯端末の動作の一例を示したフローチャート 実施の形態５における群管理制御装置の動作の一例を示したフローチャート

本発明の実施の形態に係る携帯端末、プログラム、エレベータの群管理システム、及びエレベータシステムについて図面を参照して説明する。

（実施の形態１）
１．構成
１−１．エレベータシステム
図１は、実施の形態１におけるエレベータシステムの構成を示すブロック図である。図２は、実施の形態１におけるエレベータシステムを適用したビルの階床の一例を示した平面図である。

本実施の形態におけるエレベータシステムは、群管理制御装置１０、複数台のエレベータ制御装置２０、複数台のエレベータ３０、無線ルータ４０、携帯端末１００を有する。図１では、６台のエレベータ３０（Ａ号機〜Ｆ号機）を有するエレベータシステムを例示しているが、本発明は、２〜５台のエレベータあるいは７台以上のエレベータを有するエレベータシステムにも適用可能である。群管理制御装置１０及び携帯端末１００は、エレベータの群管理システムを構成する。

複数台のエレベータ３０の各々は、乗りかご、昇降モータ、ドアモータ、釣合おもり等を備える。

エレベータ制御装置２０は、複数台のエレベータ３０の各々に対応させて設けられている。複数台のエレベータ制御装置２０の各々は、群管理制御装置１０から出力される制御信号に基づいて対応エレベータの昇降モータやドアモータの駆動を制御することで、対応エレベータの乗りかごを昇降させるとともに、乗りかごのドアを開閉させる。また、エレベータ制御装置２０は、対応エレベータの現在位置（現在位置する階床）を検知し、現在位置を示す信号を群管理制御装置１０に送信する。

携帯端末１００は、例えば利用者の所持するスマートフォン、タブレット端末等のコンピュータにアプリケーションプログラム（以下「プログラム」という）を導入することで構成される。なお、携帯端末１００は専用端末として構成されてもよい。

無線ルータ４０は、例えばＥｔｈｅｒｎｅｔ（登録商標）等の有線ＬＡＮ規格やＷｉｆｉ（登録商標）等の無線ＬＡＮ規格に準拠したデバイスであり、ビルの各階床のエレベータホールまたはその近傍に配置され、群管理制御装置１０と携帯端末１００との間の通信を可能とする。

エレベータシステムは、行先階登録方式を採用している。群管理制御装置１０は、複数台のエレベータ３０の運転を統合的に制御する装置である。本実施形態では、乗車前に携帯端末１００を利用して出発階及び行先階を登録するように構成されている。携帯端末１００での出発階及び行先階の登録は、エレベータホールから離れた場所でも行うことができる。群管理制御装置１０は、携帯端末１００を利用して登録された出発階及び行先階を、複数台のエレベータ３０のいずれかに割り当て、割り当てたエレベータの識別情報（以下「エレベータ名」という）を携帯端末１００に送信する。携帯端末１００は、割り当てられたエレベータ名を表示する。利用者は、割り当てられたエレベータの乗場に移動し、到着したエレベータに乗車する。

以下、群管理制御装置１０及び携帯端末１００の構成及び動作を中心に具体的に説明する。

１−２．群管理制御装置
図３は、群管理制御装置１０のハードウェア構成の一例を示したブロック図である。

群管理制御装置１０は、コンピュータを利用して構成されており、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）１１と、メモリ１２と、記憶装置１３と、第１通信インタフェース１４と、第２通信インタフェース１５と、バス１６とを備える。

ＣＰＵ１１は、記憶装置１３からプログラムやデータを読み出し、読み出したプログラムに基づいてデータ等を利用しつつ演算処理を実行することで、群管理制御装置１０における各種の機能を実現させる。

メモリ１２は、ＣＰＵ１１がプログラムに基づく演算処理を実行する際に一時的に生成されるデータを格納する。メモリ１２は、例えばＤＲＡＭ（Ｄｙｎａｍｉｃ Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）で構成される。

記憶装置１３は、プログラムや各種データを格納する。記憶装置１３は、例えば、ＥＥＰＲＯＭ（Ｅｌｅｃｔｒｉｃａｌｌｙ Ｅｒａｓａｂｌｅ Ａｎｄ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｒｅａｄ−ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）、ＨＤＤ（Ｈａｒｄ Ｄｉｓｋ Ｄｒｉｖｅ）、ＳＳＤ（Ｓｏｌｉｄ Ｓｔａｔｅ Ｄｒｉｖｅ）で構成される。各種データには、本実施形態における群管理制御装置１０の群管理制御等で用いられる種々のデータが含まれる。

第１通信インタフェース１４は、例えばシリアル通信インタフェースで構成され、エレベータ制御装置２０との間で指令やデータを送受信する。

第２通信インタフェース１５は、例えばＥｔｈｅｒｎｅｔ（登録商標）等の有線ＬＡＮ規格にしたがった有線通信インタフェースで構成され、無線ルータ４０を介して、携帯端末１００との間で指令やデータを送受信する。

バス１６は、上記の各構成要素間を、双方向に通信可能に接続する。

１−３．携帯端末
図４は、携帯端末１００のハードウェア構成の一例を示したブロック図である。

携帯端末１００は、コンピュータを利用して構成されており、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）１０１と、メモリ１０２と、記憶装置１０３と、タッチパネル式表示部１０４と、無線通信部１０５と、バス１０６とを備える。携帯端末１００は、例えば、コンピュータを利用して構成されるスマートフォン、タブレット端末等である。

ＣＰＵ１０１は、記憶装置１０３からプログラムやデータを読み出し、読み出したプログラムに基づいてデータ等を利用しつつ演算処理を実行することで、携帯端末１００における各種の機能を実現させる。

メモリ１０２は、ＣＰＵ１０１がプログラムに基づく演算処理を実行する際に一時的に生成されるデータを格納する。メモリ１０２は、例えばＤＲＡＭ（Ｄｙｎａｍｉｃ Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）で構成される。

記憶装置１０３は、プログラムや各種データを格納する。記憶装置１０３は、例えば、ＥＥＰＲＯＭ（Ｅｌｅｃｔｒｉｃａｌｌｙ Ｅｒａｓａｂｌｅ Ａｎｄ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｒｅａｄ−ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）、ＳＳＤ（Ｓｏｌｉｄ Ｓｔａｔｅ Ｄｒｉｖｅ）で構成される。プログラムには、本実施形態における携帯端末１００の各種の機能を実現させるプログラム（アプリケーションプログラム）が含まれる。各種データには、本実施形態における携帯端末１００の表示部に表示される種々の表示画面を構成する画像の画像データが含まれる。

タッチパネル式表示部１０４は、ＣＰＵ１０１によって生成された画像信号が示す画像を表示する。また、タッチパネル式表示部１０４は、画面に対するタッチ操作を受け付けて、タッチ位置を示す信号を出力する。タッチパネル式表示部１０４は、例えばタッチ位置検出部が一体形成された液晶ディスプレイまたは有機ＥＬディスプレイや、タッチ位置検出パネルが外面に積層された液晶ディスプレイまたは有機ＥＬディスプレイで構成される。

無線通信部１０５は、例えばＷｉｆｉ（登録商標）等の無線ＬＡＮ規格にしたがった無線通信インタフェースを有し、無線ルータ４０を介して、群管理制御装置１０との間で指令やデータを送受信する。

バス１０６は、上記の各構成要素間を、双方向に通信可能に接続する。

２．動作
本実施形態のエレベータシステムの動作について説明する。

２−１．初期設定
まず、携帯端末１００でアプリケーションプログラムを利用する際の初期設定について説明する。

図５〜図８は、携帯端末１００のタッチパネル式表示部１０４（以下では適宜省略して「表示部１０４」という）における表示の一例を示した図である。なお、ここで行った初期設定の内容は利用開始後に変更することができる。

携帯端末１００に導入されたアプリケーションプログラムを初めて起動した場合、図５に示す基本設定画面が表示される。基本設定画面には、３個の設定ボタンＢｓ１〜Ｂｓ３と、完了ボタンＢｃが表示される。

設定ボタンＢｓ１は、接続先の群管理制御装置１０のＩＰアドレスを設定するためのボタンである。設定ボタンＢｓ１がタッチされると、ＣＰＵ１０１は、表示部１０４に、図６に示す接続先ＩＰアドレス設定画面を表示させる。接続先ＩＰアドレス設定画面には、ＩＰアドレス入力枠Ｆａと、決定ボタンＢｄが表示される。ＩＰアドレス入力枠Ｆａ内に、ＩＰアドレスが入力され、決定ボタンＢｄがタッチされると、ＣＰＵ１０１は、入力されたＩＰアドレスを記憶装置１０３に記憶させ、図５の基本設定画面を表示させる。なお、ＩＰアドレス入力枠Ｆａ内へのＩＰアドレスの入力は、ＩＰアドレス入力枠Ｆａをタッチしてキーボードを表示させることで、キーボードを利用して入力することができる。

設定ボタンＢｓ２は、エレベータホールまでの距離／時間を設定するためのボタンである。設定ボタンＢｓ２がタッチされると、ＣＰＵ１０１は、表示部１０４に、図７に示すエレベータホールまでの距離／時間の設定画面を表示させる。この設定画面には、距離入力枠Ｆ１１と、時間入力枠Ｆ１２と、決定ボタンＢｄが表示される。距離入力枠Ｆ１１と、時間入力枠Ｆ１２とのうちいずれか任意の一方のみに設定できる。なお、ここでのエレベータホールまでの距離／時間としては、エレベータホールの入口から最も遠いエレベータの乗車位置を想定して、利用者に設定してもらう。これは、最も遠いエレベータでも間に合って乗車できるようにするためである。図２に示すビルの例では、ビル入口からエレベータホールに向かう場合、Ｅ号機が最も遠くなる。このような場合、Ｅ号機を想定して距離／時間を設定する。距離入力枠Ｆ１１がタッチされると、例えば５ｍ、１０ｍ、１５ｍなどの５ｍ刻みの選択肢が登録されたプルダウンメニューが表示され、いずれかの選択肢がタッチされると、タッチされた選択肢の距離が距離入力枠Ｆ１１内に表示される。時間入力枠Ｆ１２がタッチされると、例えば５秒、１０秒、１５秒などの５秒刻みの選択肢が登録されたプルダウンメニューが表示され、いずれかの選択肢がタッチされると、タッチされた選択肢の時間が時間入力枠Ｆ１２内に表示される。距離入力枠Ｆ１１と、時間入力枠Ｆ１２とのうちのいずれかへの入力が完了し、決定ボタンＢｄがタッチされると、ＣＰＵ１０１は、設定された距離または時間を記憶装置１０３に記憶させ、表示部１０４に、図５の基本設定画面を表示させる。

なお、選択肢は、例えば１ｍ（１秒）刻みで表示させてもよい。または、１０ｍ（１５秒）までは１ｍ（１秒）刻み、１０ｍ（１５秒）から３０ｍ（３０秒）までは５ｍ（３秒）刻み、３０ｍ（３０秒）以上は１０ｍ（５秒）などのように距離または時間が大きくなるほど大きな間隔となるように選択肢を設定してもよい。

また、利用者の利用頻度の高い階床に応じて距離／時間を設定できるようにしてもよい。例えば、ビルがオフィスビルである場合は、ロビー階と、自己が勤務する階床のそれぞれについて距離／時間を設定できるようにしてもよい。

設定ボタンＢｓ３は、エレベータ到着等通知を設定するためのボタンである。設定ボタンＢｓ３がタッチされると、ＣＰＵ１０１は、表示部１０４に、図８に示すエレベータ到着等通知設定画面を表示させる。エレベータ到着等通知設定画面には、エレベータが到着したとき等のブザーのＯＮ／ＯＦＦを設定するためのスライダＳＬ１と、エレベータが到着したとき等のバイブレーションのＯＮ／ＯＦＦを設定するためのスライダＳＬ２と、決定ボタンＢｄが表示される。スライダＳＬ１がＯＮまたはＯＦＦにスライドされ、及び／またはスライダＳＬ２がＯＮまたはＯＦＦにスライドされ、決定ボタンＢｄがタッチされると、ＣＰＵ１０１は、設定されたＯＮまたはＯＦＦを示す情報を記憶装置１０３に記憶させ、表示部１０４に、図５の基本設定画面を表示させる。

２−２．呼び登録
初期設定完了後に利用者により携帯端末１００にアプリケーションプログラムの起動操作がなされたときの携帯端末１００の動作を説明する。

図９〜図１３は、携帯端末１００の表示部１０４における表示の一例を示した図である。図１４は、実施の形態１における携帯端末１００の動作の一例を示したフローチャートである。

前述した初期設定の完了後に利用者により携帯端末１００にアプリケーションプログラムの起動操作がなされると、携帯端末１００は、Ｗｉｆｉルータを介して群管理制御装置１０との間の通信の接続処理を行い、通信が確立すると、群管理制御装置１０からエレベータ基本情報を受信する（Ｓ１０１）。なお、接続先のＩＰアドレスの設定が完了していない場合には、ＩＰアドレスの設定を促すために、図５の基本設定画面が表示される。エレベータ基本情報には、建物名、群管理名、階床情報、階床名情報、サービス階情報が含まれる。建物名は、エレベータシステムが配置された建物の名称である。群管理名は、複数台のエレベータを１つの群としたときのエレベータ群の名称である。例えば、Ａバンク、Ｂバンク、Ｃバンク等である。階床情報は、ビル内に存在する階床を示す１，２，３等の数値である。階床名情報は、階床に対して付与された名称を示す情報である。階床名情報は、例えば「ロビー階」、「食堂階」、「駐車場階」等の名称を示す。階床名は付与されない場合もある。

携帯端末１００のＣＰＵ１０１は、図９に示す出発階選択画面を表示部１０４に表示させる（Ｓ１０２）。出発階選択画面には、建物名、群管理名、複数の階床ボタン、設定メニューボタンが表示される。本例では、建物名として「フジ彦根ビル」、群管理名として「Ａバンク」、複数の階床ボタンとして１１階〜２０階の各階床のボタンが表示されている。なお、１１階〜２０階という範囲は、ビルが有する複数の階床の一部であり、例えば画面上でスライド操作を行うことで階床の表示範囲を上下にスクロールできる。複数の階床ボタンのうち実線の枠で示されている階床ボタンは、選択可能な階床であることを示し、点線の枠で示されている階床ボタンは、選択不可能な階床であることを示す。なお、選択可能な階床ボタンと選択不可能な階床ボタンは、これらの差を認識できるものであれば、色の相違、色の濃度差、明るさの差等で表示してもよい。

設定メニューボタンは、図５の基本設定画面を表示させるためのボタンであり、設定メニューボタンがタッチされると、ＣＰＵ１０１は、表示部１０４に、図５の基本設定画面を表示させる。

図９の出発階選択画面において、選択可能な階床の階床ボタンがタッチされると（Ｓ１０３でＹＥＳ）、ＣＰＵ１０１は、図１０の行先階選択画面を表示させる（Ｓ１０４）。なお、選択不可能な階床の階床ボタンがタッチされた場合、ＣＰＵ１０１は、画面に何も変化を生じさせない。なお、選択できないことを報知する案内を表示させてもよい。

図１０の行先階選択画面は、図９の出発階選択画面と同様の画面構成を有している。図１０の行先階選択画面は、図９の出発階選択画面で出発階として「１２階」が選択された例を示しており、選択された「１２階」の階床ボタンが他の階床ボタンとは異なる態様で表示される。異なる態様としては、選択されたことを認識できるものであれば、例えば、色の相違、色の濃度差、明るさの差等があげられる。

図１０の行先階選択画面において、選択可能な階床の階床ボタンがタッチされると（Ｓ１０５でＹＥＳ）、ＣＰＵ１０１は、群管理制御装置１０に、図９の出発階選択画面で選択された出発階を示す出発階情報と、図１０の行先階選択画面で選択された行先階を示す行先階情報と、図７のエレベータホールまでの距離／時間の設定画面で設定された距離／時間情報を送信する（Ｓ１０６）。

送信した出発階情報、行先階情報、及び距離／時間情報に対する応答として、群管理制御装置１０から、割り当てられたエレベータ（以下「割当エレベータ」という）の名称（以下「割当エレベータ名」という）の情報（以下「割当エレベータ情報」という）を受信すると（Ｓ１０７でＹＥＳ）、ＣＰＵ１０１は、表示部１０４に、図１１に示す割当エレベータ案内画面を一定時間表示させる（Ｓ１０８）。割当エレベータ案内画面には、上記同様の建物名、群管理名、設定メニューボタンとともに、割当エレベータ情報が示す割当エレベータ名が表示される。図１１では、「Ｃ」号機が割り当てられた例を示している。一定時間は例えば数秒である。この表示により、利用者は、自己が利用すべきエレベータを認識することができる。なお、建物名、群管理名、設定メニューボタンは、基本設定画面以外の画面では共通して表示される内容であるので、以下では適宜説明を省略する。

割当エレベータ情報の受信後、さらに、群管理制御装置１０から、割当エレベータの位置情報、方向情報、停止予定階情報を受信すると（Ｓ１０９でＹＥＳ）、ＣＰＵ１０１は、表示部１０４に、図１２Ａに示す割当エレベータの現在位置及び運転方向を示す位置・方向表示画面を表示させる（Ｓ１１０）。ここで、位置情報は、割り当てられたエレベータが現在位置する階床を示す情報である。方向情報は、割り当てられたエレベータの現在の運転方向（走行している方向または走行しようとしている方向。上方向／下方向）を示す情報である。停止予定階情報は、割り当てられたエレベータが現在位置する階床から出発階に到着するまでに途中で停止する全ての階床（停止予定階）を示す情報である。位置・方向表示画面には、割当エレベータ名と、割当エレベータが現在位置する階床を示す数値と、運転方向を示すマークが表示される。上方向のマークは例えば上向き三角「▲」であり、下方向のマークは例えば下向きの逆三角「▼」で示される。図１２Ａでは、割当エレベータである「Ｃ」号機が、現在９階に位置しており、上方向（▲）に運転している例を示している。この表示により、利用者は、自己が利用すべきエレベータを認識することができる。なお、これらの表示の下方には、図９の出発階選択画面、及び図１０の行先階選択画面で設定された出発階及び行先階が表示される。本例では「１２」階及び「１８」階が表示される。

割当エレベータが出発階に到着するまでの間、群管理制御装置１０から、携帯端末１００に、随時、更新した位置情報、停止予定階情報、及び方向情報が送信される。更新された位置情報、停止予定階情報、及び方向情報を受信した場合（Ｓ１０９でＹＥＳ）、ＣＰＵ１０１は、表示部１０４に、更新された位置情報、停止予定階情報、及び方向情報に基づいて、エレベータの位置・方向表示画面を更新表示させる（Ｓ１１０）。更新された位置情報、停止予定階情報、及び方向情報を受信するのは、例えば、割当エレベータの運行状態に変化が生じたときである。運行状態の変化とは、例えば、割当エレベータが隣接する階床に移動したことや、割当エレベータに別の利用者の呼びが割り当てられたことである。例えば、割当エレベータが、図１２Ａの現在位置から１０階に移動した場合、現在位置の階床の表示が図１２Ｂに示すように１０階に更新される。なお、随時とは、例えば０．１秒周期等の一定周期であってもよい。

割当エレベータが出発階の直前の階床を出発または通過すると（Ｓ１１１でＹＥＳ）、ＣＰＵ１０１は、表示部１０４に、図１３に示す到着案内画面を表示する（Ｓ１１２）。割当エレベータが出発階の直前の階床を出発または通過した場合、間もなく出発階に到着することとなるため、このタイミングで到着案内画面を表示させる。到着案内画面では、図１２Ａ，図１２Ｂの位置・方向表示画面の現在位置する階床の表示に代えて「到着します」という表示が行われる。この表示により、利用者は、自己が利用すべき割当エレベータが出発階に到着することを認識し、乗車準備を行うことができる。

なお、到着案内画面を表示させる際、ＣＰＵ１０１は、図８のエレベータ到着等通知設定画面でブザーやバイブレーションがＯＮに設定されている場合、スピーカやバイブレータ（特に図示していないが一般的なものでよい）を作動させて、音（音声）やバイブレーションを発生させる。

ここで、ＣＰＵ１０１は、割当エレベータが出発階の直前の階床を出発または通過したか否かの判断を、位置情報と方向情報とに基づいて行う。具体的には、ＣＰＵ１０１は、更新された位置情報、及び方向情報を受信する都度、運転方向から判断できる出発階の直前の階床と、位置情報が示す階床とが一致するか否かを判断し、両者が一致後に不一致となった場合、割当エレベータが出発階の直前の階床を出発または通過したと判断する。

割当エレベータが出発階に到着すると（Ｓ１１３でＹＥＳ）、ＣＰＵ１０１は、アプリ終了情報の送信等を含むアプリケーションプログラムの終了処理を行い（Ｓ１１４）、本フローチャートに基づく処理を終了する。このように終了処理を自動的に行うことにより、利用者において自己でアプリケーションプログラムを終了させる処理が不要となり、利用者の操作が軽減される。また、携帯端末１００のバッテリの電力消費が抑制される。さらに、自動的に終了処理が行われるため、接続されていた無線ＬＡＮの周波数が開放され、他の利用者がアプリケーションプログラムを立ち上げたときの群管理制御装置１０との間の適切な接続性や応答性が得られる。

ここで、ＣＰＵ１０１は、割当エレベータが出発階に到着したか否かの判断を、位置情報と出発階情報とに基づいて行う。具体的には、ＣＰＵ１０１は、更新された位置情報を受信する都度、出発階と、位置情報が示す階床とが一致するか否かを判断し、両者が一致する場合、割当エレベータが出発階に到着したと判断する。

図１５Ａは、実施の形態１における群管理制御装置１０の動作の一例を示したフローチャートである。

図１５Ａのフローチャートに基づく処理は、携帯端末１００においてアプリケーションプログラムが利用者によって起動された後、Ｗｉｆｉルータを介して、携帯端末１００と群管理制御装置１０との間で通信が確立したときに開始する。

通信が確立すると、群管理制御装置１０は、携帯端末１００に、エレベータ基本情報を送信する（Ｓ２０１）。エレベータ基本情報には、群管理制御装置１０が設置されている建物名、群管理名、階床情報、階床名情報、サービス階情報が含まれる。

群管理制御装置１０は、携帯端末１００から、出発階情報、行先階情報、及び距離／時間情報を受信すると（Ｓ２０２でＹＥＳ）、呼びを複数台のエレベータの中から最適なエレベータに割り当てる（Ｓ２０３）。最適な割当エレベータの決定は、出発階情報、行先階情報、及び距離／時間情報に基づいて、例えばエレベータシステムの運行効率等が向上するように行われる。群管理制御装置１０は、割当エレベータを決定すると、出発階情報が示す出発階に割当エレベータを停止させるために、当該出発階を乗場呼びとして登録する。行先階情報が示す行先階についてはかご呼びとして登録する。

群管理制御装置１０は、携帯端末１００に、割当エレベータ名の情報（割当エレベータ情報）を送信する（Ｓ２０４）。

また、群管理制御装置１０は、携帯端末１００に、割当エレベータの位置情報、方向情報、及び停止予定階情報を送信する（Ｓ２０５）。ここで、群管理制御装置１０は、割当エレベータの現在位置（現在位置する階床）を、対応するエレベータ制御装置２０から随時送信されてくる現在位置を示す信号に基づいて常時把握している。また、群管理制御装置１０は、全てのエレベータについて、未応答の呼びに応答するための運行予定を管理しており、これらに基づき現在の運転方向及び停止予定階を常時把握している。これらに基づいて、群管理制御装置１０は、割当エレベータの位置情報、方向情報、及び停止予定階情報を生成する。

群管理制御装置１０は、携帯端末１００からアプリ終了情報を受信したか否かを判断する（Ｓ２０６）。

アプリ終了情報を受信していない場合（Ｓ２０６でＮＯ）、群管理制御装置１０は、割当エレベータの運行状態に変化があったか否かを判断する（Ｓ２０７）。運行状態の変化とは、例えば、割当エレベータが隣接する階床に移動したことや、割当エレベータに別の利用者の呼びが割り当てられたことである。

エレベータの運行状態に変化がある場合（Ｓ２０７でＹＥＳ）、群管理制御装置１０は、ステップＳ２０５に戻り、割当エレベータに関して最新の位置情報、方向情報、停止予定階情報を送信する。

エレベータの運行状態に変化がない場合（Ｓ２０７でＮＯ）、群管理制御装置１０は、ステップＳ２０６の判断を再度実行する。

アプリ終了情報を受信した場合（Ｓ２０６でＹＥＳ）、群管理制御装置１０は、携帯端末１００との間の通信を切断し、当該携帯端末１００との間の処理を終了する（Ｓ２０８）。

ここで、本実施形態のエレベータシステムでは、割当エレベータの出発階への到着予定時刻が、利用者が割当エレベータの乗場に到着する予定の時刻である利用者到着予定時刻よりも早い場合は、割当エレベータの戸開延長を行って割当エレベータを利用者の出発階に待機させるように構成している。このような制御を行う場合における、出発階から割当エレベータが出発するまでの時間の設定方法について、図１５Ｂ、図１５Ｃ、図１５Ｄを参照して説明する。なお、この時間の設定は、呼びに割り当てるエレベータを決定する際に（ステップＳ２０３）及び携帯端末１００に割当エレベータの位置情報、方向情報、停止予定階情報を送信する際に（ステップＳ２０５）行われる。

図１５Ｂ、図１５Ｃ、図１５Ｄは、出発階から割当エレベータが出発するまでの時間の設定方法の一例を説明した図である。

図１５Ｂは、利用者到着予定時刻が割当エレベータ到着予定時刻よりも早い場合を示している。図１５Ｂに示すように、「出発階から割当エレベータが出発するまでの時間」は、「出発階情報、行先階情報受信時刻（呼び登録時刻）」から「戸閉開始時刻」までの時間であり、「出発階に割当エレベータが到着するまでの時間」＋「到着から出発までの時間」で示すことができる。

「出発階から割当エレベータが出発するまでの時間」の起点は、出発階情報、行先階情報の受信時刻（図１５ＡのステップＳ２０２でＹＥＳの時刻）とする。群管理制御装置１０における処理は、非常に速い速度で行われるため、上記受信時刻は呼び登録時刻や割当時刻と実質的に等しい。

「出発階に割当エレベータが到着するまでの時間」は、例えば、現在位置と出発階と停止予定階との間の移動距離及び停止回数に基づいて求めることができる。なお、移動速度や加速度を考慮して求めてもよい。あるいは、階床間移動時間テーブル等を利用して求めてもよい。

「到着から出発までの時間」は、「到着後に戸が全開するまでの時間」と「戸開待機時間」とを加算した時間として求めることができる。「戸開待機時間」とは、戸が全開後に全開状態を維持する時間である。「戸開待機時間」は、かごに乗車するのに必要な時間であるが、かごから降車する者がある場合は、降車に必要な時間を勘案して増加される。

利用者移動時間は、図１５ＡのステップＳ２０２で携帯端末１００から受信したエレベータホールまでの距離／時間情報に基づいて設定される。時間の情報として受信した場合は、利用者移動時間として、利用者が選択した時間値が用いられる。一方、距離の情報として受信した場合は、利用者が選択した距離値と所定の利用者移動速度とに基づいて利用者移動時間を求め、求めた値が用いられる。所定の利用者移動速度は、例えば平均的利用者の移動速度であり、記憶装置１３に予め格納されている。なお、携帯端末１００上でのエレベータホールまでの距離／時間の設定の説明で先に述べたたように、距離／時間は、エレベータホールの入口から最も遠いエレベータの乗車位置を想定して利用者に設定してもらう。そのため、利用者移動時間は、エレベータホールの入口から最も遠いエレベータの乗車位置に対して設定されることとなる。そのため、利用者は、最も遠いエレベータが割り当てられた場合でも間に合って乗車できる。

そのため、図１５Ｂに示す例では、「出発階から割当エレベータが出発するまでの時間」は、「出発階に割当エレベータが到着するまでの時間」と「到着後に戸が全開するまでの時間」と「戸開待機時間」とを加算した値として求めることができる。

図１５Ｃの例では、「利用者到着予定時刻」が「割当エレベータ到着予定時刻」及び「戸開待機終了予定時刻」よりも遅い。この場合、「出発階から割当エレベータが出発するまでの時間」として、「利用者移動時間」と等しい時間を設定する。なお、「戸開待機終了予定時刻」が「利用者到着予定時刻」よりも早いため、戸開延長を行い、割当エレベータを出発階に待機させる。「戸開延長時間」は、「出発階から割当エレベータが出発するまでの時間」から、「出発階に割当エレベータが到着するまでの時間」と「到着後に戸が全開するまでの時間」と「戸開待機時間」とを減算した時間となる。

図１５Ｄの例では、「利用者到着予定時刻」が「割当エレベータ到着予定時刻」よりも遅いが、「戸開待機終了予定時刻」よりも早い。したがって、戸開延長を行わなくても、利用者は割当エレベータに乗車可能である。この場合、「出発階から割当エレベータが出発するまでの時間」として、「出発階に割当エレベータが到着するまでの時間」と「到着後に戸が全開するまでの時間」と「戸開待機時間」とを加算した値として求めることができる。

なお、複数の利用者の呼びが同一のエレベータに割り当てられた場合、複数人の「利用者到着予定時刻」が存在することとなるが、この場合、最も遅い「利用者到着予定時刻」に基づいて「戸閉開始時刻」を設定する。例えば、新たに同一のエレベータに利用者が割り当てられ、その利用者の「利用者到着予定時刻」が、現在設定されている「利用者到着予定時刻」よりも遅い場合は、新たな利用者の「利用者到着予定時刻」に基づいて、図１５Ｂ、図１５Ｃ、図１５Ｄのいずれかにより、「出発階から割当エレベータが出発するまでの時間」が設定される。つまり、新たな呼びが登録された場合において、新たな利用者の「利用者到着予定時刻」が、現在設定されている「利用者到着予定時刻」よりも遅い場合は、「出発階から割当エレベータが出発するまでの時間」が更新されることとなる。また、割当エレベータに新たな呼びが割り当てられた場合には、「割当エレベータ到着予定時刻」が更新されることによって「出発階から割当エレベータが出発するまでの時間」が更新されることとなる。

本実施の形態では、利用者移動時間の設定を利用者が自ら携帯端末１００で設定した時間／距離に基づいて設定する。そのため、利用者が自己の歩行速度や登録位置に基づいて適切な値を設定できる。ここで、利用者移動時間の設定は、建物内の各階床のエレベータ乗場付近に設置された各Ｗｉｆｉルータ等のアンテナのうち、どのアンテナが携帯端末１００からの電波を検知したかに基づいて行うことも考えられるが、この場合、Ｗｉｆｉルータ等のアンテナが配置された固定位置に基づいて一律に設定されることとなり、利用者の実際位置毎に適切な利用者移動時間が設定されるとは限らない。そのため、乗り遅れ等が生じる可能性がある。アンテナによる利用者位置の自動検出の精度を上げる方法として、多くのアンテナ設備を狭い範囲に複数配置することが考えられるが、この場合、多くの設備が必要となり、コストも増加する。しかし、本実施の形態では、利用者が自己の歩行速度や操作位置に基づいて適切な値を設定することで、乗り遅れ等を抑制することができるとともに、自動検出のための設備を不要とすることができる。

３．まとめ
本実施の形態において、携帯端末１００が提供される。
携帯端末１００は、
利用者による入力操作を受け付けるタッチパネル式表示部１０４（操作部）と、
複数台のエレベータ３０の運行を制御する群管理制御装置１０との間で無線通信を行う無線通信部１０５と、
ＣＰＵ１０１（制御部）と、
ＣＰＵ１０１（制御部）から出力される画像信号に基づく表示を行う表示部１０４と、を備える。
ＣＰＵ１０１（制御部）は、
所定の設定画面において、利用者が出発階及び行先階の入力操作を行う場所とエレベータホールの所定乗車位置との間の距離または移動時間を示す距離／時間情報を入力させる画面を表示させて、利用者にタッチパネル式表示部１０４（操作部）を介して距離／時間情報を入力させ、
無線通信部１０５を介して、群管理制御装置１０に距離／時間情報を送信する。

本実施の形態において、コンピュータを、本実施の形態の携帯端末１００として機能させるプログラムが提供される。

本実施の形態において、エレベータの群管理システムが提供される。
エレベータの群管理システムは、
携帯端末１００との間で無線通信を行う無線ルータ４０（無線通信部）と、
ＣＰＵ１１（制御部）と、を備える。
ＣＰＵ１１（制御部）は、
無線ルータ４０（無線通信部）を介して、携帯端末１００から、出発階及び行先階の情報と、利用者が出発階及び行先階の入力操作を行う場所とエレベータホールの所定乗車位置との間の距離または移動時間を示す距離／時間情報を受信したときに、複数台のエレベータ３０のうちのいずれかのエレベータを割り当てるとともに入力操作が行われたときから割り当てられたエレベータが出発階から出発するまでの時間を設定し、
割り当てられたエレベータが出発階に到着した際、入力操作が行われたときから設定した時間が経過するまでの間は、割り当てられたエレベータの戸開を維持して、割り当てられたエレベータを待機させる。

本実施の形態のエレベータの群管理システムにおいて、
ＣＰＵ１１（制御部）は、割り当てられたエレベータの識別情報を、無線ルータ４０（無線通信部）を介して、携帯端末１００に送信する。

本実施の形態のエレベータの群管理システムにおいて、
ＣＰＵ１１（制御部）は、いずれかのエレベータを割り当てた際、現在の時点から割り当てられたエレベータが前記出発階から出発するまでの時間を示す時間情報を、無線ルータ４０（無線通信部）を介して、携帯端末１００に送信する。

本実施の形態のエレベータの群管理システムにおいて、
ＣＰＵ１１（制御部）は、割り当てたエレベータの運行状態に変化が生じたときは、無線ルータ４０（無線通信部）を介して、携帯端末１００に、更新した時間情報を送信する。

本実施の形態において、本実施の形態の携帯端末１００と、本実施の形態のエレベータの群管理システムと、を有するエレベータシステムが提供される。

本実施の形態によれば、利用者が出発階及び行先階の入力操作を行う場所とエレベータホールの所定乗車位置との間の距離または移動時間を、携帯端末１００を利用して利用者に入力させることで、携帯端末１００を利用して行先階の登録を行うエレベータシステムにおいて、利用者に応じた適切な利用者到着予定時刻を設定でき、かつ利用者到着予定時刻に基づいて適切に戸開待機を制御できるようになる。

（実施の形態２）
実施の形態２におけるエレベータシステムについて説明する。実施の形態１では割当エレベータの現在位置及び運転方向を、図１２Ａで示したような現在位置の階床を示す数値と運転方向を示すマーク（▲または▼）で示した位置・方向表示画面により表示した。本実施の形態では、割当エレベータの現在位置及び運転方向を、図１２Ａの位置・方向表示画面に代えて、移動経路表示画面で表示する。以下、図１６Ａ、図１６Ｂ、図１７を参照して説明する。

１．構成等
図１６Ａ、図１６Ｂは、実施の形態２における携帯端末１００の表示部１０４における表示の一例を示した図である。

図１６Ａに示す移動経路表示画面では、上部に割当エレベータ名が表示されるとともに、下部に出発階及び行先階が表示され、それらの間に、移動経路図が運行線図的にグラフィカルに示されている。移動経路図では、割当エレベータが移動する範囲に含まれる全ての階床名が上下方向（縦方向）に並べて表示される。また、割当エレベータが現在位置している階床であることを示すかご状のオブジェクト「□」と、出発階であることを示すオブジェクト「●」と、途中停止階であることを示すオブジェクト「■」が、該当する階床の横に表示される。また、これらのオブジェクトを、割当エレベータがたどる順に結んだ線が表示される。現在位置している階床を示すオブジェクト「□」及び出発階であることを示すオブジェクト「●」は、途中停止階であることを示すオブジェクト「■」よりも大きく示すとともに、色を異ならせている。図１６Ａでは、１３階の横に、割当エレベータが現在位置していることを示すオブジェクト「□」が表示され、１２階の横に出発階であることを示すオブジェクト「●」が表示され、１４階、１０階、６階、９階の横に、途中停止階であることを示すオブジェクト「■」が表示されている。これは、割当エレベータが１３階→１４階→１０階→６階→９階→１２階と移動してくることを示している。このように割当エレベータの移動経路を運行線図的に表示することで、現在階から「上昇→下降→上昇」を経て出発階に到着する間の移動状況を一挙に表示できる。そのため、利用者は、割当エレベータが出発階に到着するまでの状況を、直感的かつ包括的に認識できる。

ここで、移動経路表示画面は、ＣＰＵ１０１が、更新された位置情報、方向情報、及び停止予定階情報を受信する都度、更新される。図１６Ｂは、図１６Ａの移動経路表示画面の表示後、何度か更新された移動経路表示画面を示す。図１６Ｂの移動経路表示画面では、割当エレベータが８階まで移動している。また、図１６Ａの移動経路表示画面の表示後、他の利用者の新たな呼びが割当てエレベータに割り当てられたことで、７階が新たな停止予定階となったことが示されている。このように更新されることで、オブジェクトをつなぐ線が短くなっていき、利用者は、割当エレベータが出発階に近づいて来ていることを直感的に認識できる。さらに、本実施の形態では、携帯端末１００で登録を行った利用者の出発階、行先階、割当エレベータ等に応じた個別の表示を行うことができる。

図１７は、実施の形態２における携帯端末１００の動作の一例を示したフローチャートである。

図１７のフローチャートでは、図１４のフローチャートのステップＳ１１０に代えて、ステップＳ１１０Ａが設けられている。それ以外は実施の形態１の図１４のフローチャートと同じである。以下では、変更のあるステップに関して説明する。

ステップＳ１１０Ａにおいて、携帯端末１００のＣＰＵ１０１は、割当エレベータの現在位置、運転方向、停止予定階等を示す移動経路表示画面を表示させる。

群管理制御装置１０における制御は、実施の形態１と全く同一でよい。

本実施の形態によると、移動経路および停止予定階が分かるため、割当てられたエレベータが出発階に到着するまでの凡その時間が推測でき、それにより以下の様な効果が得られる。例えば、エレベータホールから離れた位置で、携帯端末１００で呼び登録を行った場合であっても利用者は歩調を合わせてエレベータホールへ向かうことができる。また、後述する実施の形態３のように、割当エレベータが出発階に到着するまでの時間を表示した場合には、到着時間が増加した場合に理由が把握しやすく、到着時間の増加に対する不満を緩和できる。

ここで、本実施形態の移動経路表示画面の効果について、特許第５１６７０４６号公報のかご内表示器の表示画面と対比して説明する。

特許第５１６７０４６号公報では、現在階の近くの５階床で停止予定階を示すのであるが、本実施形態では呼びを登録時に割当エレベータが居る階床から利用者の出発階（乗車希望階）の間の全階床で停止予定階を示すことができる。例えば、呼び登録時の階から「下降→上昇→下降」を経て乗車希望階に達する場合、「下降→上昇→下降」すべてを一挙に表示することができる。また、特許第５１６７０４６号公報では、かご内乗客全員に対する共通表示であるが、本実施形態では携帯端末１００を有する利用者毎の個別表示であるため、利用者の乗車希望階に応じた表示を行うことができる。

２．まとめ
本実施の形態において、携帯端末１００が提供される。
携帯端末１００は、
利用者による入力操作を受け付けるタッチパネル式表示部１０４（操作部）と、
複数台のエレベータ３０の運行を制御する群管理制御装置１０との間で無線通信を行う無線通信部１０５と、
ＣＰＵ１０１（制御部）と、
ＣＰＵ１０１（制御部）から出力される画像信号に基づく表示を行う表示部１０４と、を備える。
ＣＰＵ１０１（制御部）は、
タッチパネル式表示部１０４（操作部）で出発階及び行先階の入力操作があったときに、無線通信部１０５を介して、群管理制御装置１０に出発階及び行先階を示す情報を送信し、
送信した情報に対する応答として、群管理制御装置１０から、無線通信部１０５を介して、出発階及び行先階に対して割り当てられたエレベータが現在位置している階床を示す位置情報、及び割り当てられたエレベータが現在位置している階床から出発階に到着するまでに途中で停止する全ての階床を示す停止予定階情報を受信した場合、
表示部１０４に、位置情報、及び停止予定階情報に基づいて、割り当てられたエレベータの移動経路を表示させる。

本実施の形態の携帯端末１００において、
ＣＰＵ１０１（制御部）は、最初の受信後に、更新された位置情報及び停止予定階情報を受信した場合、表示部１０４に、更新された位置情報及び停止予定階情報に基づいて、移動経路を更新表示させる。

本実施の形態の携帯端末１００において、
移動経路は、割り当てられたエレベータが現在位置している階床、出発階、及び途中で停止する全ての階床を示し、階床順に上下方向に並べられた複数のオブジェクトと、これらのオブジェクトを、割り当てられたエレベータがたどる順に結んだ線とで示される。

本実施の形態において、コンピュータを、本実施の形態の携帯端末１００として機能させるプログラムが提供される。

本実施の形態において、エレベータの群管理システムが提供される。
エレベータの群管理システムは、
携帯端末１００との間で無線通信を行う無線ルータ４０（無線通信部）と、
ＣＰＵ１１（制御部）と、を備える。
ＣＰＵ１１（制御部）は、
無線ルータ４０（無線通信部）を介して、携帯端末１００から出発階及び行先階の情報を受信したときに、複数台のエレベータ３０のうちのいずれかのエレベータを割り当て、
割り当てられたエレベータが現在位置している階床を示す位置情報、及び割り当てられたエレベータが現在位置している階床から出発階に到着するまでに途中で停止する全ての階床を示す停止予定階情報を、無線ルータ４０（無線通信部）を介して、携帯端末１００に送信する。

本実施の形態のエレベータの群管理システムにおいて、
ＣＰＵ１１（制御部）は、割り当てたエレベータの運行状態に変化が生じたときは、携帯端末１００に、無線ルータ４０（無線通信部）を介して、更新した位置情報、及び停止予定階情報を送信する。

本実施の形態において、本実施の形態の携帯端末１００と、本実施の形態のエレベータの群管理システムと、を有するエレベータシステムが提供される。

本実施の形態によれば、実施の形態１で説明した効果が得られるだけでなく、さらに、携帯端末１００の表示部１０４に、割り当てられたエレベータが現在位置する階床から出発階に到着するまでの移動経路を表示させることができる。そのため、利用者は、例えば、行先階を登録した後の乗場までの歩き方や乗場での待ち方を調整することができる。よって、携帯端末１００を利用して行先階の登録を行った利用者の、割り当てられたエレベータに乗車するまでの利便性を向上させることができる。

（実施の形態３）
実施の形態３におけるエレベータシステムについて説明する。実施の形態３では、実施の形態１で説明した割当エレベータ案内画面、及び位置・方向表示画面、実施の形態２で説明した移動経路表示画面において、さらに追加情報として、「現在の時点から割当エレベータが出発階から出発するまでの時間」を表示する。これは、実施の形態１で詳しく説明した「割当エレベータが出発階から出発するまでの時間」のうち、現在の時点までに経過した時間を差し引いた時間である。

１．構成等
図１８〜図２０は、実施の形態３における携帯端末１００の表示部１０４における表示の一例を示した図である。

図１８は、図１１の割当エレベータ案内画面に、上記「現在の時点から割当エレベータが出発階から出発するまでの時間」を意味する「出発までの時間」を表示した例を示す。図１８の割当エレベータ案内画面の例では、割当エレベータ名の下方に「出発までの時間」が「約５０秒です」と示されている。「現在の時点から割当エレベータが出発階から出発するまでの時間」は、群管理制御装置１０において算出され、群管理制御装置１０から携帯端末１００に送信されてくる。

図１９は、図１２Ａの位置・方向表示画面に、上記「出発までの時間」を表示した例を示す。図１９の位置・方向表示画面の例では、割当エレベータ名の上方に「出発までの時間」が「約４５秒」であることが示されている。図１９の位置・方向表示画面は、図１８の割当エレベータ案内画面を数秒間表示した後に表示されるため、図１８に比べ「出発までの時間」が「約４５秒」に減っている。

図２０は、図１６Ａの移動経路表示画面に、上記「出発までの時間」を表示した例を示す。図２０の移動経路表示画面の例では、移動経路図の上方に「出発までの時間」が「約４５秒」であることが示されている。図１９の移動経路表示画面は、図１８の割当エレベータ案内画面を数秒間表示した後に表示されるため、図１８に比べ「出発までの時間」が「約４５秒」に減っている。

本実施の形態によると、図１８〜図２０のように、利用者に割り当てられた割当エレベータが、現在の時点から当該利用者の出発階から出発するまでの時間を意味する「出発までの時間」が利用者毎に表示される。そのため、各利用者は、出発階及び行先階の登録操作を行った場所から割当エレベータの乗場に移動する行程において、あとどのくらいの時間のうちに、割当エレベータに乗車すればよいかを認識できる。そのため、歩調の調整等が可能となり、乗り遅れが抑制される。

図２１は、実施の形態３における携帯端末１００の動作の一例を示したフローチャートである。

図２１のフローチャートでは、実施の形態１の図１４のフローチャートのステップＳ１０７，Ｓ１０８，Ｓ１０９，Ｓ１１０に代えて、ステップＳ１０７Ａ，Ｓ１０８Ａ，Ｓ１０９Ａ，Ｓ１１０Ｂが設けられている。それ以外は実施の形態１の図１４のフローチャートと同じである。以下では、変更のあるステップに関して説明する。

携帯端末１００のＣＰＵ１０１は、割当エレベータ情報と、「現在の時点から割当エレベータが出発階から出発するまでの時間」の情報（以下「時間情報」という）を受信したか否かを判断する（Ｓ１０７Ａ）。

これらの情報を受信した場合（Ｓ１０７ＡでＹＥＳ）、ＣＰＵ１０１は、表示部１０４に、図１８の割当エレベータ名と、「現在の時点から割当エレベータが出発階から出発するまでの時間」を意味する「出発までの時間」を示す割当エレベータ案内画面を一定時間表示させる（Ｓ１０８Ａ）。一定時間は実施の形態１同様に数秒である。

携帯端末１００のＣＰＵ１０１は、群管理制御装置１０から、割当エレベータの位置情報、方向情報、停止予定階情報、時間情報を受信したか否かを判断する（Ｓ１０９Ａ）。

これらの情報を受信していない場合（Ｓ１０９ＡでＮＯ）、ＣＰＵ１０１は、再度ステップＳ１０９Ａの判断を実行し、これらの情報を受信した場合（Ｓ１０９ＡでＹＥＳ）、ＣＰＵ１０１は、図１９の位置・方向表示画面を表示させる。その際、時間情報が示す上記「出発までの時間」をあわせて表示させる（Ｓ１１０Ｂ）。

なお、図２０の移動経路表示画面に関しては、図２１のステップ１１０Ｂで位置・方向表示画面に代えて、移動経路表示画面を表示させるものとすればよい。

図２２は、実施の形態３における群管理制御装置１０の動作の一例を示したフローチャートである。

図２２のフローチャートでは、実施の形態１の図１５ＡのフローチャートのステップＳ２０４，Ｓ２０５に代えて、ステップＳ２０４Ａ，Ｓ２０５Ａが設けられている。それ以外は実施の形態１の図１５Ａのフローチャートと同じである。以下では、変更のあるステップに関して説明する。

群管理制御装置１０のＣＰＵ１１は、呼びに割り当てるエレベータを決定すると（Ｓ２０３）、携帯端末１００に、割当エレベータ名の情報（割当エレベータ情報）と、「現在の時点から割当エレベータが出発階から出発するまでの時間」を示す時間情報を送信する（Ｓ２０４Ａ）。

次に、群管理制御装置１０のＣＰＵ１１は、携帯端末１００に、割当エレベータの位置情報、方向情報、停止予定階情報，及び時間情報を送信する（Ｓ２０５Ａ）。

なお、本実施形態では、時間情報を受信していることから、図１３の到着案内画面は時間情報に基づいて表示させるようにしてもよい。例えば時間情報が示す「現在の時点から割当エレベータが出発階から出発するまでの時間」が５秒以下となったときに、到着案内画面を表示させる。この制御を行う場合、図２１のステップＳ１１１の出発階の直前の階床を出発したか否かの判断に代えて、時間情報が示す「現在の時点から割当エレベータが出発階から出発するまでの時間」が５秒以下になったか否かを判断すればよい。

２．まとめ
本実施の形態の携帯端末１００において、
ＣＰＵ１０１（制御部）は、
送信した情報に対する応答として、群管理制御装置１０から、無線通信部１０５を介して、出発階及び行先階が割り当てられたエレベータが現在の時点から出発階から出発するまでの時間を示す時間情報を受信した場合、
表示部１０４に、時間情報が示す時間を表示させる。

本実施の形態の携帯端末１００において、
時間情報の受信後に、更新された時間情報を受信した場合、表示部１０４に、更新された時間情報が示す時間を更新表示させる。

本実施の形態の群管理制御装置１０において、
ＣＰＵ１１（制御部）は、割り当てたエレベータの運行状態に変化が生じたときは、無線ルータ４０（無線通信部）を介して、携帯端末１００に、更新した時間情報を送信する。

本実施の形態によれば、実施の形態１や２で説明した効果が得られるだけでなく、さらに、携帯端末１００の表示部１０４に、割り当てられたエレベータと、割り当てられたエレベータが現在の時点から出発階から出発するまでの時間を表示させることができる。そのため、利用者は、出発階及び行先階の登録操作を行った場所から移動する行程において、あとどのくらいの時間のうちに、割り当てられたエレベータに乗車すればよいかを認識できる。そのため、歩調の調整等が可能となり、乗り遅れが抑制される。

（実施の形態４）
実施の形態４におけるエレベータシステムについて説明する。実施の形態４では、利用者の誤乗車を抑制可能なように構成されている。以下、詳しく説明する。

１．構成等
利用者の出発階において、当該利用者の割当エレベータに、当該利用者の行先階方向とは逆方向の呼びが登録されており、かつ当該割当エレベータが当該利用者の行先階方向とは逆方向に先に出発するような場合、当該利用者が誤乗車する可能性がある。

これを防止するため、ＣＰＵ１０１は、割当エレベータが出発階に到着した際に、割当エレベータの位置情報、方向情報、停止予定階情報に基づいて、出発階からの出発方向が行先階に向かう方向とは逆方向であるか否かを判断し、逆方向であるときは、乗車禁止案内画面を表示させる。

図２３は、実施の形態４における携帯端末１００の表示部１０４における表示の一例を示した図である。

図２３に示す乗車禁止案内画面では、「お待ちください」、「下にまいります」というメッセージとともに、乗車禁止マークが表示される。これにより、利用者は、到着したエレベータに乗車すべきでないことを認識できる。そのため、誤乗車が抑制される。

なお、乗車禁止案内画面を表示させる際、ＣＰＵ１０１は、図８のエレベータ到着等通知設定画面でブザーやバイブレーションがＯＮに設定されている場合、スピーカやバイブレータ（特に図示していないが一般的なものでよい）を作動させて、音（音声）やバイブレーションを発生させる。なお、図８の設定画面とは別に、乗車禁止案内画面を表示させる際に対応した専用設定画面（不図示）を設けて、ブザーやバイブレーションのＯＮ／ＯＦＦを選択させるようにすることも可能である。

図２４は、実施の形態４における携帯端末１００の動作の一例を示したフローチャートである。

図２４のフローチャートでは、実施の形態１の図１４のフローチャートに対して、ステップＳ１２１，Ｓ１２２が追加で設けられている。それ以外は実施の形態１の図１４のフローチャートと同じである。以下では、変更のあるステップに関して説明する。

携帯端末１００のＣＰＵ１０１は、割当エレベータが逆方向で出発階に到着したか否かを判断する（Ｓ１２１）。具体的には、当該利用者の割当エレベータに、当該利用者の行先階方向とは逆方向の呼びが登録されており、かつ当該出発階から当該割当エレベータが当該利用者の行先階方向とは逆方向に出発するか否かを判断する。

ここで、ＣＰＵ１０１は、出発方向が行先階に向かう方向とは逆方向であるか否かの判断を、例えば、位置情報及び停止予定階情報に基づいて行う。具体的には、ＣＰＵ１０１は、更新された位置情報、停止予定階情報、及び方向情報を受信する都度、停止予定階情報に含まれている全ての停止予定階の中に、出発階と同じ階床の停止予定階が含まれる否かを判断し、含まれる場合、当該停止予定階と現在位置の階床とが一致するか否かを判断する。これらが一致する場合、出発階からの出発方向が、行先階に向かう方向とは逆方向であると判断する。割当エレベータが１周する間に、出発階と、当該出発階に至る経路の途中の停止予定階とが同じとなる場合、両者の出発方向は逆方向となる。そのため、出発階からの出発方向が行先階に向かう方向とは逆方向であると判断できる。なお、このときさらに、運転方向が同じであるか否かを判断してももちろんよい。

逆方向に先に出発することがない場合（Ｓ１２１でＮＯ）、携帯端末１００のＣＰＵ１０１は、前述したステップＳ１１１を実行する。

逆方向に先に出発する場合（Ｓ１２１でＹＥＳ）、携帯端末１００のＣＰＵ１０１は、表示部１０４に、図２３の乗車禁止案内画面を表示させる。

群管理制御装置１０における制御は、実施の形態１と全く同一でよい。

本実施形態では、実施の形態１の構成を基準として乗車禁止案内画面を表示させる場合を説明したが、実施の形態２、３の構成を基準として、上記のステップＳ１２１，Ｓ１２２の処理を追加で設けることで、乗車禁止案内画面を表示させることももちろん可能である。

ここで、乗車禁止案内画面を携帯端末１００で表示させることの効果について、乗場の表示器で表示させる場合と対比して説明する。

乗場表示では出発方向の表示から乗車可否を悟らせることとなるが、スマホ表示では乗車可否そのものを伝えられるので、認知が容易である。携帯端末１００での表示の場合、伝えたいメッセージを明確に伝えることができる。具体的には、乗場表示の場合、次にエレベータが移動する方向を示しているに過ぎず、その情報から乗車して良いかの判断は利用者に委ねられる。一方、携帯端末１００での表示の場合は、到着したエレベータに対して、割当号機のエレベータが到着したことを伝える到着案内と乗車禁止を伝える乗車禁止案内をそれぞれの場合に合わせて表示させることができる。

また、乗場表示は乗場で待つ人々に共通な表示であり、人それぞれで乗車可否を判断してもらう必要があるが、携帯端末１００の表示では所持者である利用者に特化して乗車可否を伝えられるので、利用者における認知が容易となる。具体的には、携帯端末１００の表示の場合、乗場で待つ利用者の内、実際に注意をしたい個人に対して案内される。より具体的には、上へ行きたい利用者と下へ行きたい利用者が、同じ乗場でエレベータを待っている場合、乗場表示では、同じ乗場表示を確認し、利用者自らが「乗車禁止」のメッセージが自分宛てかを判断する必要がある。一方、携帯端末１００の表示では、事前に出発階および行先階を登録しているので、例えば上行きのエレベータが到着する場合には、上行きのエレベータを待つ利用者には到着案内が表示され、下行きのエレベータを待つ利用者には乗車禁止案内が表示される。つまり、携帯端末１００によりどのようなメッセージを表示するかが判断されるため、利用者はメッセージ内容から何かを判断する必要がない。また、表示内容もより具体的にできる。

さらに、携帯端末１００の表示では、利用者は、乗場表示を見ていられる場所にいたり、乗場表示を見る姿勢をとっていたりする必要がないため、到着を待っていたり、やり過ごしたりする等、行動の自由度が高くなる。また、携帯端末１００の表示の場合、エレベータホールのどの場所に居ても正しくメッセージを伝えることができる。これに対し、乗場表示では、乗場表示の見えにくい場所やエレベータから少し離れた場所でエレベータを待っていた場合、エレベータの到着に気付いても乗場表示のメッセージを正しく読み取ることができない可能性がある。しかし、携帯端末１００の表示では、どの場所に居ても手元でメッセージを確認できる。

２．まとめ
本実施の形態において、携帯端末１００が提供される。
携帯端末１００は、
利用者による入力操作を受け付けるタッチパネル式表示部１０４（操作部）と、
複数台のエレベータ３０の運行を制御する群管理制御装置１０との間で無線通信を行う無線通信部１０５と、
ＣＰＵ１０１（制御部）と、
ＣＰＵ１０１（制御部）から出力される画像信号に基づく表示を行う表示部１０４と、を備える。
ＣＰＵ１０１（制御部）は、
タッチパネル式表示部１０４（操作部）で出発階及び行先階の入力操作があったときに、無線通信部１０５を介して、群管理制御装置１０に出発階及び行先階を示す情報を送信し、
送信した情報に対する応答として、群管理制御装置１０から、無線通信部１０５を介して、割り当てられたエレベータの識別情報、割り当てられたエレベータが現在位置している階床を示す位置情報、割り当てられたエレベータの運転方向を示す方向情報、及び割り当てられたエレベータが現在位置している階床から出発階に到着するまでに途中で停止する階床を示す停止予定階情報を受信するとともに、
その後、割り当てたエレベータの運行状態に変化が生じたときに、群管理制御装置１０から、更新された位置情報、方向情報、及び停止予定階情報を受信し、
割り当てられたエレベータが出発階に到着するか否かを位置情報に基づいて判断するとともに、
割り当てられたエレベータが出発階に到着すると判断した場合、出発階からの出発方向が行先階に向かう方向とは逆方向であるか否かを各情報に基づいて判断し、逆方向であるときは、乗車禁止の案内を表示部１０４に表示させる。

本実施の形態において、コンピュータを、本実施の形態の携帯端末１００として機能させるプログラムが提供される。

本実施の形態において、エレベータの群管理システムが提供される。
エレベータの群管理システムは、
携帯端末１００との間で無線通信を行う無線ルータ４０（無線通信部）と、
ＣＰＵ１１（制御部）と、を備える。
ＣＰＵ１１（制御部）は、
無線ルータ４０（無線通信部）を介して、携帯端末１００から出発階及び行先階の情報を受信したときに、複数台のエレベータ３０のうちのいずれかのエレベータを割り当て、
割り当てられたエレベータの識別情報、割り当てられたエレベータが現在位置している階床を示す位置情報、割り当てられたエレベータの運転方向を示す方向情報、及び割り当てられたエレベータが現在位置している階床から出発階に到着するまでに途中で停止する階床を示す停止予定階情報を、無線ルータ４０（無線通信部）を介して、携帯端末１００に送信し、
その後、割り当てたエレベータの運行状態に変化が生じたときは、携帯端末１００に、更新した位置情報、方向情報、及び停止予定階情報を、無線ルータ４０（無線通信部）を介して携帯端末１００に送信する。

本実施の形態において、本実施の形態の携帯端末１００と、本実施の形態のエレベータの群管理システムと、を有するエレベータシステムが提供される。

本実施の形態によれば、実施の形態１〜３で説明した効果が得られるだけでなく、さらに、乗車すべきでないエレベータが到着した際、携帯端末１００の表示部１０４に、乗車禁止案内を表示させることができる。そのため、利用者が誤乗車することを抑制できる。特に、携帯端末１００の利用者毎に、当該利用者の行先階や割り当てられたエレベータに応じて乗車禁止を報知することができる。乗場の共通表示で表示する場合、利用者は、見誤ったり、共通表示を視認できる場所で待機したりする必要があるが、本実施の形態によれば、利用者毎に特化して乗車禁止を報知できるとともに、利用者は適宜な場所で待機することができる。

（実施の形態５）
実施の形態５におけるエレベータシステムについて説明する。実施の形態４では、割当エレベータが利用者の出発階において逆方向に出発する場合にのみ、乗車禁止案内を表示する。実施の形態５では、上記場合以外に、割当エレベータ以外のエレベータが出発階に到着した場合にも、前述した図２３の乗車禁止案内画面を表示させる。乗車禁止案内画面の内容は実施の形態４と同じであるが、携帯端末１００及び群管理制御装置１０における処理が異なる。以下、相違点を中心に説明する。

１．構成等
図２５は、実施の形態５における携帯端末１００の動作の一例を示したフローチャートである。

図２５のフローチャートでは、実施の形態４の図２４のフローチャートのステップＳ１０９、Ｓ１２１に代えて、ステップＳ１０９Ｂ、Ｓ１２１Ａが設けられている。それ以外は実施の形態４の図２４のフローチャートと同じである。以下では、変更のあるステップに関して説明する。

携帯端末１００のＣＰＵ１０１は、全てのエレベータの位置情報、方向情報、停止予定階情報を受信したか否かを判断する（Ｓ１０９Ｂ）。複数台のエレベータ３０の各々について乗車禁止とすべきか否かの判断を行う必要があるためである。

携帯端末１００のＣＰＵ１０１は、割当エレベータ以外のエレベータが出発階に到着または割当エレベータが逆方向で出発階に到着したか否かを判断する（Ｓ１２１Ａ）。具体的には、当該利用者の割当エレベータに、当該利用者の行先階方向とは逆方向の呼びが登録されており、かつ当該出発階から当該割当エレベータが当該利用者の行先階方向とは逆方向に出発するか否かを判断する。さらに、利用者の出発階から割当エレベータ以外のエレベータが出発するか否かを判断する。

ステップＳ１２１ＡでＮＯの場合、携帯端末１００のＣＰＵ１０１は、前述したステップＳ１１１を実行する。

ステップＳ１２１ＡでＹＥＳの場合、携帯端末１００のＣＰＵ１０１は、表示部１０４に、図２３の乗車禁止案内画面を表示させる。

群管理制御装置１０における制御は、実施の形態１と全く同一でよい。

図２６は、実施の形態５における群管理制御装置１０の動作の一例を示したフローチャートである。

図２６のフローチャートでは、実施の形態１（実施の形態４）の図１５ＡのフローチャートのステップＳ２０５に代えて、ステップＳ２０５Ｂが設けられている。それ以外は実施の形態１の図１５Ａのフローチャートと同じである。以下では、変更のあるステップに関して説明する。

群管理制御装置１０のＣＰＵ１１は、携帯端末１００に全てのエレベータの位置情報、方向情報、停止予定階情報を送信する（Ｓ２０５Ｂ）。

本実施形態では、実施の形態１の構成を基準として乗車禁止案内画面を表示させる場合を説明したが、実施の形態２、３の構成を基準として、上記のステップＳ１０９Ｂ、Ｓ１２１Ａ、Ｓ２０５Ｂの処理を設けることで、乗車禁止案内画面を表示させることももちろん可能である。

２．まとめ
本実施の形態において、携帯端末１００が提供される。
携帯端末１００は、
利用者による入力操作を受け付けるタッチパネル式表示部１０４（操作部）と、
複数台のエレベータ３０の運行を制御する群管理制御装置１０との間で無線通信を行う無線通信部１０５と、
ＣＰＵ１０１（制御部）と、
ＣＰＵ１０１（制御部）から出力される画像信号に基づく表示を行う表示部１０４と、を備える。
ＣＰＵ１０１（制御部）は、
タッチパネル式表示部１０４（操作部）で出発階及び行先階の入力操作があったときに、無線通信部１０５を介して、群管理制御装置１０に出発階及び行先階を示す情報を送信し、
送信した情報に対する応答として、群管理制御装置１０から、割り当てられたエレベータの識別情報、各エレベータが現在位置している階床を示す位置情報、各エレベータの運転方向を示す方向情報、及び各エレベータが現在位置している階床から出発階に到着するまでに途中で停止する階床を示す停止予定階情報を受信するとともに、
その後、いずれかのエレベータの運行状態に変化が生じたときに、少なくとも運行状態に変化が生じたエレベータについて、群管理制御装置１０から、更新された位置情報、停止予定階情報、及び方向情報を受信し、
各エレベータが出発階に到着するか否かを位置情報に基づいて判断するとともに、
割り当てられたエレベータが出発階に到着すると判断した場合、出発階からの出発方向が行先階に向かう方向とは逆方向であるか否かを各情報に基づいて判断し、逆方向であるときは、乗車禁止の案内を表示部１０４に表示させるとともに、
割り当てられたエレベータ以外のエレベータが出発階に到着すると判断した場合、乗車禁止の案内を表示部１０４に表示させる。

本実施の形態において、コンピュータを、本実施の形態の携帯端末１００として機能させるプログラムが提供される。

本実施の形態において、エレベータの群管理システムが提供される。
エレベータの群管理システムは、
携帯端末１００との間で無線通信を行う無線ルータ４０（無線通信部）と、
ＣＰＵ１１（制御部）と、を備える。
ＣＰＵ１１（制御部）は、
無線ルータ４０（無線通信部）を介して、携帯端末１００から出発階及び行先階の情報を受信したときに、複数台のエレベータ３０のうちのいずれかのエレベータを割り当て、
割り当てられたエレベータの識別情報、各エレベータが現在位置している階床を示す位置情報、各エレベータの運転方向を示す方向情報、及び各エレベータが現在位置している階床から出発階に到着するまでに途中で停止する階床を示す停止予定階情報を、無線ルータ４０（無線通信部）を介して、携帯端末１００に送信し、
その後、いずれかのエレベータの運行状態に変化が生じたときは、少なくとも運行状態に変化が生じたエレベータについて、携帯端末１００に、更新した位置情報、方向情報、及び停止予定階情報を、無線ルータ４０（無線通信部）を介して携帯端末１００に送信する。

本実施の形態において、本実施の形態の携帯端末１００と、本実施の形態のエレベータの群管理システムと、を有するエレベータシステムが提供される。

本実施の形態によれば、実施の形態１〜３で説明した効果が得られるだけでなく、さらに、乗車すべきでないエレベータが到着した際、携帯端末１００の表示部１０４に、乗車禁止案内を表示させることができる。そのため、利用者が誤乗車することを抑制できる。特に、携帯端末１００の利用者毎に、当該利用者の行先階や割り当てられたエレベータに応じて乗車禁止を報知することができる。乗場の共通表示で表示する場合、利用者は、見誤ったり、共通表示を視認できる場所で待機したりする必要があるが、本実施の形態によれば、利用者毎に特化して乗車禁止を報知できるとともに、利用者は適宜な場所で待機することができる。

（他の実施の形態）
前記実施の形態において、本発明の複数の態様を説明した。しかし、本発明の具体的態様は、上述した実施の形態に限られず、これらの実施の形態を組み合わせたものとすることもできる。

前記実施の形態の携帯端末１００では、エレベータの利用の都度、出発階及び行先階を登録する。しかし、出発階及び行先階は一度入力された場合、記憶装置１０３に記憶され、無線ルータ４０との間で無線通信可能となったときに、記憶されている出発階及び行先階を表示部１０４に表示させ、「登録してもよいですか」等の表示を出すようにしてもよい。

また、前記実施の形態では、携帯端末１００が、スマートフォンやタブレット型コンピュータで構成されている場合を例示した。しかし、本発明において、携帯端末は、ノートブック型コンピュータ等の携帯可能な端末機器で構成されてもよい。

１０ 群管理制御装置
１１ ＣＰＵ
１２ メモリ
１３ 記憶装置
１４ 第１通信インタフェース
１５ 第２通信インタフェース
１６ バス
２０ エレベータ制御装置
３０ エレベータ
４０ 無線ルータ
１００ 携帯端末
１０１ ＣＰＵ
１０２ メモリ
１０３ 記憶装置
１０４ タッチパネル式表示部
１０５ 無線通信部
１０６ バス

Claims (10)

1. 利用者による入力操作を受け付ける操作部と、
   複数台のエレベータの運行を制御する群管理制御装置との間で無線通信を行う無線通信部と、
   制御部と、
   前記制御部から出力される画像信号に基づく表示を行う表示部と、を備え、
   前記制御部は、
   所定の設定画面において、利用者が出発階及び行先階の入力操作を行う場所とエレベータホールの所定乗車位置との間の距離または移動時間を示す距離／時間情報を入力させる画面を表示させて、前記利用者に前記操作部を介して前記距離／時間情報を入力させ、
   前記無線通信部を介して、前記群管理制御装置に前記距離／時間情報を送信する、
   携帯端末。
2. 前記制御部は、
   送信した情報に対する応答として、前記群管理制御装置から、前記無線通信部を介して、前記出発階及び行先階が割り当てられたエレベータが現在の時点から前記出発階から出発するまでの時間を示す時間情報を受信した場合、
   前記表示部に、前記時間情報が示す時間を表示させる、
   請求項１に記載の携帯端末。
3. 前記時間情報の受信後に、更新された時間情報を受信した場合、前記表示部に、更新された時間情報が示す時間を更新表示させる、
   請求項２に記載の携帯端末。
4. コンピュータを、請求項１から３のいずれか１項に記載の携帯端末として機能させるプログラム。
5. 携帯端末との間で無線通信を行う無線通信部と、
   制御部と、を備え、
   前記制御部は、
   前記無線通信部を介して、前記携帯端末から、出発階及び行先階の情報と、利用者が出発階及び行先階の入力操作を行う場所とエレベータホールの所定乗車位置との間の距離または移動時間を示す距離／時間情報を受信したときに、複数台のエレベータのうちのいずれかのエレベータを割り当てるとともに前記入力操作が行われたときから前記割り当てられたエレベータが前記出発階から出発するまでの時間を設定し、
   前記割り当てられたエレベータが前記出発階に到着した際、前記入力操作が行われたときから前記設定した時間が経過するまでの間は、前記割り当てられたエレベータの戸開を維持して、前記割り当てられたエレベータを待機させる、
   エレベータの群管理システム。
6. 前記制御部は、前記割り当てられたエレベータの識別情報を、前記無線通信部を介して、前記携帯端末に送信する、
   請求項５に記載のエレベータの群管理システム。
7. 前記制御部は、いずれかのエレベータを割り当てた際、現在の時点から前記割り当てられたエレベータが前記出発階から出発するまでの時間を示す時間情報を、前記無線通信部を介して、前記携帯端末に送信する、
   請求項６に記載のエレベータの群管理システム。
8. 前記制御部は、前記割り当てたエレベータの運行状態に変化が生じたときは、前記無線通信部を介して、前記携帯端末に、更新した時間情報を送信する、
   請求項７に記載のエレベータの群管理システム。
9. 請求項１に記載の携帯端末と、
   請求項５に記載のエレベータの群管理システムと、を有する、
   エレベータシステム。
10. 請求項２に記載の携帯端末と、
    請求項７に記載のエレベータの群管理システムと、を有する、
    エレベータシステム。

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