JP2018199472A - 乗物用内装材の組付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的簡易な方法で剛性を備えた乗物用内装材の組付構造を提供する。【解決手段】サービスホール14,15を有するドアパネル10に対し、乗物室内側から乗物用内装材20を組み付ける、乗物用内装材20の組付構造であって、ドアパネル10には、サービスホール14,15を乗物室内側から覆う樹脂製のサービスホールカバー40が配され、乗物用内装材20は、その一部を構成する内装材構成部材25を備え、内装材構成部材25には、その意匠面から凹ませてなる溝部35,36が形成され、乗物用内装材20は、内装材構成部材25における溝部35,36がサービスホールカバー40によって支持されるように、ドアパネル10に対して組み付けられてなることを特徴とする。【選択図】図2
Description
本発明は、乗物用内装材の組付構造に関する。
従来、車両に代表される乗物の軽量化を図る手法として、ドアトリム等の内装材の板厚を薄くすることが行われている。ところが、板厚の設定を薄くし過ぎると射出成形時に材料が所望の方向・部位に流れにくいという課題が発生する。そこで、下記特許文献1に記載されているような、プレス成形による板材を用いることがある。
具体的には、平坦なシート状に成形したものをプレス成形により所望の形状としている。この場合、板厚をより薄く設定することができるため軽量化は実現可能となる一方、剛性面で劣ってしまうが、プレス成形を用いるため、射出成形では可能な補強リブやドアインナパネルに対する当て部材等を当該板材の成形時に設けることが難しい。そこで、完成した板材の表面に不織布による表皮層を配する等して剛性を確保しているが、より簡易な方法で板材に剛性を持たせることが求められている。
本発明は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、比較的簡易な方法で剛性を備えた乗物用内装材の組付構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の乗物用内装材の組付構造は、サービスホールを有するドアパネルに対し、乗物室内側から乗物用内装材を組み付ける、乗物用内装材の組付構造であって、前記ドアパネルには、前記サービスホールを乗物室内側から覆う樹脂製のサービスホールカバーが配され、前記乗物用内装材は、その一部を構成する内装材構成部材を備え、前記内装材構成部材には、その意匠面から凹ませてなる溝部が形成され、前記乗物用内装材は、前記内装材構成部材における前記溝部が前記サービスホールカバーによって支持されるように、前記ドアパネルに対して組み付けられてなることを特徴とする。
このような乗物用内装材の組付構造によると、ドアパネルに対し乗物室内側に配される乗物用内装材の一部を構成する内装材構成部材に形成された溝部が、ドアパネルに配される樹脂製のサービスホールカバーによって支持される構造であるため、乗物用内装材(主に内装材構成部材)が室内側からの荷重に対する剛性を備えたものとなる。例えば内装材構成部材に溝部が形成されていない場合、サービスホールカバーによる支持によって剛性を持たせようとすると、支持を確実にするためには内装材構成部材(特にプレス成形品の場合)の裏面に別途当て部材等を取り付ける必要があるが、本願発明によると、そのような別部材を設けることなく、溝部によって支持が確実となる。また、溝部をサービスホールカバーによって支持する構造としたため、ドアパネルの設計変更等を必要とせず、比較的その形状変更を行いやすい樹脂製のサービスホールカバーを、溝部を支持可能な形状に適宜設計することで支持構造を成立させることができる。
上記乗物用内装材の組付構造において、前記内装材構成部材は、少なくともその一部が乗物室内側に張り出すアームレスト部を構成するものとされ、前記溝部は、前記アームレスト部に形成され、前記サービスホールカバーは、少なくともその一部が前記アームレスト部の下方まで突出する突出部を有し、前記突出部が、前記溝部を下方から支持するものとすることができる。
このような乗物用内装材の組付構造によると、通常、乗員による上方からの荷重がかかるアームレスト部において、当該アームレスト部に形成された溝部をサービスホールカバーの突出部が下方から支持する構造であるため、アームレスト部への荷重を受けることが可能となり、剛性を備えたものとなる。
上記乗物用内装材の組付構造において、前記内装材構成部材は、プレス成形品とされ、前記溝部は、前記アームレスト部において前後方向に沿った筋状のものとすることができる。このような乗物用内装材の組付構造によると、内装材構成部材がプレス成形によって構成される薄板状のものであっても、筋状の溝部を設けているために該筋方向と交わる向きにおける内装材構成部材自体の剛性を高めることができ、そのような内装材の剛性を高めるための構造を利用してサービスホールカバーによる支持を実現できるため好都合である。
本発明によれば、比較的簡易な方法で剛性を備えた乗物用内装材の組付構造を提供することができる。
以下、本発明の実施形態1について図1〜図4を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態では、乗物用内装材として、例えば車両の内装材であるドアトリムを例として説明する。図1,2において、矢印IN及びOUTは、車室内側方向(乗物室内側方向)及び車室外側方向(乗物室外側方向)をそれぞれ示し、図1において矢印F及びRは、車両前方(乗物前方)及び車両後方(乗物後方)をそれぞれ示す。また、以下の説明においても、上下前後とは、各部材が車両に配された状態における方向をそれぞれ示すものとする。図1は、本実施形態に係る車両用ドア1を構成するドアパネル10、サービスホールカバー40、及びドアトリム20(本発明の「乗物用内装材」に相当)を示す分解斜視図である。
ドアパネル10は、図2に示すように、ドアアウタパネル11とドアインナパネル12とから構成されている。ドアアウタパネル11とドアインナパネル12との間には、ウインドウガラス13を昇降するための昇降機構(図示しないウインドウレギュレータや電気モータなど)等の機能部品が配されている。ドアインナパネル12には、これらの機能部品の組み付け作業や保守作業などを行うためのサービスホール14,15が形成されている。
ドアトリム20は、ドアパネル10に対し乗物室内側から組み付けられる部材であり、例えば、ポリプロピレン等の合成樹脂材料などからなるトリムボード21を主体として構成される。なお、トリムボード21は、1つのボード部材で構成されていてもよく、2以上のボード部材を適宜組み合わせて構成されていてもよい。図1に示すように、ドアトリム20における車両上下方向における中央部付近は、車両前後方向に沿って延びる形のオーナメント部材25(本発明の「内装材構成部材」に相当)によって構成されている。また、オーナメント部材25の前方には、図示しないスイッチベースが取り付けられるためのスイッチベース用開口部22が形成されており、オーナメント部材25の下方には、ドアポケット23やスピーカーグリル24等が設けられている。
オーナメント部材25は、図1,2に示すように、少なくともその一部が車室内側に張り出すアームレスト部30を構成するものとされている。アームレスト部30は、車両前後方向かつ車室内外方向に沿って延在し肘置き面として機能する上面部31と、上面部31の車室内側端から車両下方に向かって延設された側面部33と、を有している(図2参照)。上面部31には、その意匠面31Aから凹ませてなる溝部35,36が互いに平行しつつ車両前後方向に沿った筋状に形成されている。溝部35,36は、それぞれ断面視略V字状の溝部とされており、上面部31の裏面31B側に突出するように形成されている。
オーナメント部材25には、例えばFROS(Fiber Reinforcement Olefin Sheet)に代表される軽量なシート基材が用いられ、図3に示すように、プレス成形により製造される。具体的には、シート状にした基材を上型91と下型92との間でプレス成形することにより、その一部が車室内側に張り出すアームレスト部30を備えたオーナメント部材25が完成する。このとき、溝部35,36は傾斜コマ95,96を用いたアンダーカット処理により形成される。傾斜コマ95,96は、プレス成形前には所定の位置に収納されており、プレス成形時に押し出されてアンダーカット処理を行う。その後、脱型時(上型91の上昇時)に傾斜コマ95,96も後退する。ただし、図4に示すオーナメント部材225のように、アームレスト部230に形成される溝部235,236の形状及び角度を考慮すれば、アンダーカット処理によらずとも、上型291及び下型292によるプレス成形工程のみで、溝部235,236を形成することができる。
ドアパネル10に配されるサービスホールカバー40は、樹脂製とされ、図1に示すように、正面視において略方形状をなしており、サービスホール14,15を車室内側から一括して覆う部材である。サービスホールカバー40は、車両ドア1に配された際に少なくともその一部が、ドアトリム20におけるアームレスト部30の下方まで突出する突出部43を有している。より具体的には、ドアインナパネル12と略平行かつサービスホール14に対向する位置に配される第1面部41と、第1面部41から車室内側方向に張り出すとともにドアトリム20におけるアームレスト部30の上面部31と略平行となる突出部43と、突出部43における車室内側端から下方に延びるとともにサービスホール15に対向する位置に配される第2面部42とにより構成されている。つまり、第1面部41から第2面部42にかけて、断面視略階段状とされている。特に突出部43周辺の形状は、ドアトリム20のアームレスト部30周辺に倣った形状とも言える。
サービスホールカバー40が有する突出部43が、ドアトリム20のアームレスト部30に形成された溝部35,36を下方から支持する位置関係となるように、当該サービスホールカバー40及びドアトリム20はそれぞれドアパネル10に対し組み付けられている。ここで溝部35,36の溝底部35B,36Bが、突出部43に接触している必要はなく、組付時には一定の空隙があり、アームレスト部30に対して上方からの荷重がかかった際に突出部43によって溝部35,36(ひいては上面部31)が支持される位置関係とされていれば良い。このようにサービスホールカバー40における突出部43によって支持されるアームレスト部30の溝部35,36は、そのまま車室内の意匠としても援用可能である。
<作用・効果>
以上説明したようなドアトリム20(乗物用内装材)の組付構造によると、ドアパネル10に対し乗物室内側に配されるドアトリム20が備えるオーナメント部材25(内装材構成部材)に形成された溝部35,36が、ドアパネル10に配される樹脂製のサービスホールカバー40によって支持される構造であるため、オーナメント部材25が室内側からの荷重に対する剛性を備えたものとなる。例えばオーナメント部材25に溝部35,36が形成されていない場合、サービスホールカバー40による支持によってオーナメント部材25に剛性を持たせようとすると、支持を確実にするためにプレス成形品のオーナメント部材25の裏面に別途当て部材等を取り付ける必要があるが、本願発明によると、そのような別部材を設けることなく、溝部35,36によって支持が確実となる。また、溝部35,36をサービスホールカバー40によって支持する構造としたため、ドアパネル10側の設計変更等を必要とせず、比較的その形状変更を行いやすい樹脂製のサービスホールカバー40を、溝部35,36を支持可能な形状に適宜設計することで支持構造を成立させることができる。また、オーナメント部材25の成形後に別工程を必要としないため、コスト削減にも寄与する。
以上説明したようなドアトリム20(乗物用内装材)の組付構造によると、ドアパネル10に対し乗物室内側に配されるドアトリム20が備えるオーナメント部材25(内装材構成部材)に形成された溝部35,36が、ドアパネル10に配される樹脂製のサービスホールカバー40によって支持される構造であるため、オーナメント部材25が室内側からの荷重に対する剛性を備えたものとなる。例えばオーナメント部材25に溝部35,36が形成されていない場合、サービスホールカバー40による支持によってオーナメント部材25に剛性を持たせようとすると、支持を確実にするためにプレス成形品のオーナメント部材25の裏面に別途当て部材等を取り付ける必要があるが、本願発明によると、そのような別部材を設けることなく、溝部35,36によって支持が確実となる。また、溝部35,36をサービスホールカバー40によって支持する構造としたため、ドアパネル10側の設計変更等を必要とせず、比較的その形状変更を行いやすい樹脂製のサービスホールカバー40を、溝部35,36を支持可能な形状に適宜設計することで支持構造を成立させることができる。また、オーナメント部材25の成形後に別工程を必要としないため、コスト削減にも寄与する。
また、通常、乗員による上方からの荷重がかかるアームレスト部30において、当該アームレスト部30に形成された溝部35,36をサービスホールカバー40の突出部43が下方から支持する構造であるため、アームレスト部30への荷重を受けることが可能となり、剛性を備えたものとなる。また、オーナメント部材25がプレス成形によって構成される薄板状のものであっても、車両前後方向に沿った筋状の溝部35,36を設けているために該筋方向と交わる向き(車幅方向)におけるオーナメント部材25(アームレスト部30)自体の剛性を高めることができ、そのような内装材の剛性を高めるための構造を利用してサービスホールカバー40による支持を実現できるため好都合である。
<その他の実施形態>
本発明は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、オーナメント部材25のうちアームレスト部30における上面部31に2本の溝部35,36を設けたが、これに限定されず、例えば上面部31に3本以上の溝部を設けても良い。また、図5に示すように、オーナメント部材325の一部が構成するオーナメント部50にいわゆる格子状の溝部55を設け、当該オーナメント部50の車室外側に配されるサービスホールカバー40によって当該溝部55を支持可能とし、オーナメント部50に対する車室内側からの荷重に対する剛性を備えた構造としてもよい。
本発明は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、オーナメント部材25のうちアームレスト部30における上面部31に2本の溝部35,36を設けたが、これに限定されず、例えば上面部31に3本以上の溝部を設けても良い。また、図5に示すように、オーナメント部材325の一部が構成するオーナメント部50にいわゆる格子状の溝部55を設け、当該オーナメント部50の車室外側に配されるサービスホールカバー40によって当該溝部55を支持可能とし、オーナメント部50に対する車室内側からの荷重に対する剛性を備えた構造としてもよい。
10…ドアパネル、14,15…サービスホール、20…ドアトリム(乗物用内装材)25…オーナメント部材(内装材構成部材)、31M…意匠面、35,36…溝部、40…サービスホールカバー
Claims (3)
- サービスホールを有するドアパネルに対し、乗物室内側から乗物用内装材を組み付ける、乗物用内装材の組付構造であって、
前記ドアパネルには、前記サービスホールを乗物室内側から覆う樹脂製のサービスホールカバーが配され、
前記乗物用内装材は、その一部を構成する内装材構成部材を備え、
前記内装材構成部材には、その意匠面から凹ませてなる溝部が形成され、
前記乗物用内装材は、前記内装材構成部材における前記溝部が前記サービスホールカバーによって支持されるように、前記ドアパネルに対して組み付けられてなることを特徴とする乗物用内装材の組付構造。 - 前記内装材構成部材は、少なくともその一部が乗物室内側に張り出すアームレスト部を構成するものとされ、
前記溝部は、前記アームレスト部に形成され、
前記サービスホールカバーは、少なくともその一部が前記アームレスト部の下方まで突出する突出部を有し、
前記突出部が、前記溝部を下方から支持することを特徴とする請求項1に記載の乗物用内装材の組付構造。 - 前記内装材構成部材は、プレス成形品とされ、
前記溝部は、前記アームレスト部において前後方向に沿った筋状のものとされることを特徴とする請求項2に記載の乗物用内装材の組付構造。
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JP2017106169A JP2018199472A (ja) | 2017-05-30 | 2017-05-30 | 乗物用内装材の組付構造 |
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Cited By (1)
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JP2020152219A (ja) * | 2019-03-20 | 2020-09-24 | ダイハツ工業株式会社 | 車両用トリム |
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2017
- 2017-05-30 JP JP2017106169A patent/JP2018199472A/ja active Pending
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JP2020152219A (ja) * | 2019-03-20 | 2020-09-24 | ダイハツ工業株式会社 | 車両用トリム |
JP7362978B2 (ja) | 2019-03-20 | 2023-10-18 | ダイハツ工業株式会社 | 車両用トリム |
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