JP2018199170A - 切断用ブレード - Google Patents
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Abstract
【課題】切粉排出性や冷却効率を高めつつ、ブレード破損と誤判断されるような不具合は防止でき、かつブレード剛性を高めることができて、高精度な切断加工を安定して行うことが可能な切断用ブレードを提供すること。【解決手段】円板状をなし、外周縁部に切れ刃1Aが形成されたブレード本体1と、前記ブレード本体1の中心軸O方向を向く面1Bに分散して複数形成された窪み状の切粉保持穴6と、を備えたことを特徴とする。前記切粉保持穴6は、該切粉保持穴6の開口縁から穴中心に向かうに従い徐々に深さが深くなることが好ましい。前記切粉保持穴6は、該切粉保持穴6の周縁部から穴中心にわたって深さが一定であってもよい。【選択図】図8
Description
本発明は、例えば半導体製品などに用いられる電子材料部品等の被切断材を切断加工する切断用ブレードに関する。
切断用ブレードは、例えば半導体製品などに用いられる電子材料部品等の被切断材を切断することによって個片化する加工等(以下、切断加工という)に用いられる。
切断用ブレードは、円板状をなすブレード本体と、ブレード本体の外周縁部に形成された切れ刃と、を備えている。ブレード本体は、樹脂相(樹脂の固相)や金属相(金属の固相)等の結合相(結合剤)に、ダイヤモンドやcBN等の砥粒、及びフィラーが分散されて形成されている。
切断用ブレードは、円板状をなすブレード本体と、ブレード本体の外周縁部に形成された切れ刃と、を備えている。ブレード本体は、樹脂相(樹脂の固相)や金属相(金属の固相)等の結合相(結合剤)に、ダイヤモンドやcBN等の砥粒、及びフィラーが分散されて形成されている。
従来、例えば下記特許文献1に示されるような切断用ブレード(薄刃砥石)が知られている。この切断用ブレードの外周縁部には、該切断用ブレードを中心軸(回転軸)方向に貫通して径方向に延びるスリットが形成されている。スリットが設けられることにより、切断加工時に生じた切粉(切屑)を該スリット内に一時的に保持することができ、外部へと排出しやすくできる。また、切断加工時に切断部位に供給される冷却水(切削水)を、スリット内に一時的に保持して、切れ刃近傍や加工面に安定して到達させやすくなる。
ところで、切断用ブレードが装着される切断機(ダイサー)には、光学式ブレード破損検出装置が設けられている。しかしながら、上記従来の切断用ブレードはスリットが形成されているため、光がスリットを透過してしまい破損と誤判断されるおそれがある。つまり、装置がスリットをブレード破損(割れ)と判断して運転を規制してしまう場合があり、生産性に影響する。
また、切断用ブレードを貫通するスリットが形成されていることで、切粉排出性や冷却効率は向上されるものの、ブレード剛性を高めることは難しかった。
また、切断用ブレードを貫通するスリットが形成されていることで、切粉排出性や冷却効率は向上されるものの、ブレード剛性を高めることは難しかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、切粉排出性や冷却効率を高めつつ、ブレード破損と誤判断されるような不具合は防止でき、かつブレード剛性を高めることができて、高精度な切断加工を安定して行うことが可能な切断用ブレードを提供することを目的としている。
本発明の一態様に係る切断用ブレードは、円板状をなし、外周縁部に切れ刃が形成されたブレード本体と、前記ブレード本体の中心軸方向を向く面に分散して複数形成された窪み状の切粉保持穴と、を備えたことを特徴とする。
本発明の切断用ブレードによれば、ブレード本体の中心軸方向を向く面に、該面から凹む窪み状の切粉保持穴が複数形成されている。ブレード本体の中心軸方向を向く面に切粉保持穴が分散配置されていることによって、切断加工時に生じた切粉(切屑)を該切粉保持穴内に一時的に保持することができ、外部へと排出しやすくすることができる。また、切断加工時に切断部位に供給される冷却水(切削水)を、切粉保持穴内に一時的に保持して、切れ刃近傍や加工面(つまり被切断材の加工溝内)に安定して到達させ、冷却効率を向上することができる。また、切れ刃近傍及び加工面に到達した冷却水により切粉排出性を高めることができる。
切粉保持穴は、窪み状(凹状、ディンプル状)に形成されており、ブレード本体を貫通してはいないので、この切断用ブレードが装着される切断機(ダイサー)において、光学式ブレード破損検出装置の光が切粉保持穴を透過することはなく、ブレード破損と誤判断されるような不具合が確実に防止されて、安全装置の機能を十分に生かすことができ、かつ生産性が良好に維持される。
また、従来のようなブレード本体を貫通するスリットに比べて、本発明ではブレード本体を貫通しない切粉保持穴を該ブレード本体の中心軸方向を向く面上に分散配置したので、ブレード本体に局部的な強度低下や集中荷重が生じるような不具合を効果的に抑制でき、ブレード剛性を確実に高めることができる。
また、ブレード本体の中心軸方向を向く面に切粉保持穴が分散されていることによって、被切断材の加工面(切断面)と切断用ブレードとの摩擦抵抗(接触抵抗)が顕著に低減される。これにより、切れ刃近傍及び加工面の温度上昇を抑えることができ、上述した切粉保持穴の作用効果と相俟って、加工面精度のさらなる向上や工具寿命延長の効果を得ることができる。
具体的に、切粉保持穴は、従来のスリットとは異なり、ブレード剛性を維持しつつ互いの配置間隔を狭めることが容易であり、例えば0.1mm程度の狭い間隔をあけて連続的に配列することができる。このため、切粉保持穴の開口面積及び容量を、従来のスリットの開口面積及び容量に比べて同等又はそれ以上に大きく設定することも容易であり、さらなる効果の向上が期待できる。
以上より本発明によれば、切粉排出性や冷却効率を高めつつ、ブレード破損と誤判断されるような不具合は防止でき、かつブレード剛性を高めることができて、高精度な切断加工を長期にわたり安定して行うことができる。
また、上記切断用ブレードにおいて、前記切粉保持穴は、該切粉保持穴の開口縁から穴中心に向かうに従い徐々に深さが深くなることが好ましい。
この場合、切粉保持穴が、その開口縁から穴中心(穴底の中心)に向かうに従い徐々に深さが深くされているので、該切粉保持穴内に一時的に保持した切粉を、穴外部へと流れ出やすくすることができる。また、切粉保持穴内に一時的に保持した冷却水を、切断部位へ向けて供給しやすくすることができる。従って、切粉排出性及び冷却効率をより安定的に高めることができる。
また、上記切断用ブレードにおいて、前記切粉保持穴は、該切粉保持穴の周縁部から穴中心にわたって深さが一定であることとしてもよい。
この場合、切断用ブレードの製造容易性が向上する。
また、上記切断用ブレードにおいて、前記切粉保持穴は、円形穴状、半円形穴状、楕円形穴状、多角形穴状及び星形穴状のいずれかに形成されたことが好ましい。
複数の切粉保持穴は、例えば、ブレード本体の中心軸方向を向く面に対して、金型によるプレス成形や、ブラスト処理による成形を施すことにより形成できる。そして、切粉保持穴の穴形状は、例えば被切断材(ワーク)の種類、切断条件、加工面精度への要請等に応じて、円形穴状、半円形穴状、楕円形穴状、多角形穴状及び星形穴状のいずれかより適宜選択可能である。
また、上記切断用ブレードは、前記ブレード本体の中心軸方向を向く面のうち外周部において、複数の前記切粉保持穴が前記中心軸回りに回転して得られる各回転軌跡が、前記中心軸に直交する径方向に隙間なく配置されることが好ましい。
この場合、ブレード本体の中心軸方向を向く面のうち外周部において、複数の切粉保持穴の各回転軌跡が、ブレード径方向に沿って隙間なく配置されるので、切断加工時の切り込み量(切断深さ)に係わらず、被切断材の加工面上を必ず切粉保持穴が通過する。従って、切り込み量等を変化させた場合でも、安定して切断精度を高めることができる。
また、上記切断用ブレードは、前記ブレード本体の中心軸方向を向く面のうち外周部において、前記切粉保持穴が開口する面積の割合が、10〜50%であることが好ましい。
ブレード本体の中心軸方向を向く面のうち外周部において、切粉保持穴が開口する面積の割合が10%以上であれば、従来のスリットと同等以上の開口面積を確保しやすくなり、上述した切粉保持穴による作用効果が格別にかつ安定して高められる。また、ブレード本体の中心軸方向を向く面のうち外周部において、切粉保持穴が開口する面積の割合が50%以下であれば、該切粉保持穴が多く形成され過ぎてブレード剛性に影響するようなことを防止できる。
また、上記切断用ブレードにおいて、前記切粉保持穴は、該切粉保持穴の開口縁の内径に比べて深さが小さいことが好ましい。
この場合、切粉保持穴内に一時的に保持した切粉を、穴外部へと排出させやすくすることができる。また、切粉保持穴内に一時的に保持した冷却水を、切断部位へ供給しやすくすることができる。従って、切粉排出性及び冷却効率をより安定的に高めることができる。
なお、上記「切粉保持穴の開口縁の内径」とは、切粉保持穴が円形穴状以外の穴形状の場合には、切粉保持穴の開口縁における内接円の直径を指す。
なお、上記「切粉保持穴の開口縁の内径」とは、切粉保持穴が円形穴状以外の穴形状の場合には、切粉保持穴の開口縁における内接円の直径を指す。
また、上記切断用ブレードにおいて、前記切粉保持穴の深さが、前記ブレード本体の中心軸方向の厚さの1/10〜1/3であることが好ましい。
切粉保持穴の深さが、ブレード本体の中心軸方向の厚さの1/10以上であれば、切粉保持穴の深さが十分に確保されて、上述した切粉保持穴による作用効果が顕著に奏功される。また、切粉保持穴の深さが、ブレード本体の中心軸方向の厚さの1/3以下であれば、該切粉保持穴が深くなり過ぎてブレード剛性に影響するようなことを防止できる。
また、上記切断用ブレードにおいて、前記切粉保持穴の深さが、10〜67μmであることが好ましい。
切粉保持穴の深さが10μm以上であれば、該切粉保持穴内に、数μm程度の大きさの切粉を確実に収容することができ、上述した切粉保持穴による作用効果が十分に奏功される。また、切粉保持穴の深さが67μm以下であれば、該切粉保持穴が深くなり過ぎてブレード剛性に影響するようなことを防止できる。
また、上記切断用ブレードにおいて、前記切粉保持穴の開口縁の内径が、1〜4mmであることが好ましい。
切粉保持穴の開口縁の内径が1mm以上であれば、ブレード本体の中心軸方向を向く面において、複数の切粉保持穴に所定以上の開口面積や十分な深さ、容量を付与しやすくなり、製造(成形)が容易である。また、切粉保持穴の開口縁の内径が4mm以下であれば、該切粉保持穴が大きく形成され過ぎてブレード剛性に影響するようなことを防止できる。
本発明の切断用ブレードによれば、切粉排出性や冷却効率を高めつつ、ブレード破損と誤判断されるような不具合は防止でき、かつブレード剛性を高めることができて、高精度な切断加工を安定して行うことが可能である。
以下、本発明の一実施形態に係る切断用ブレード10について、図面を参照して説明する。なお、本発明の実施形態の説明に用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、要部となる部分を拡大、強調、抜粋して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際のものと同じであるとは限らない。
本実施形態の切断用ブレード10は、例えば半導体製品などに用いられる電子材料部品等の被切断材を切断することによって個片化する精密切断加工に用いられる。
切断用ブレード10によって切断され製造される電子材料部品としては、半導体素子のように半導体ウェハから切断されて分割された後に、リードフレームに実装されて樹脂モールディングされるものの他、例えば下記のようなものが挙げられる。
(a)QFNパッケージ(quad flat non-leaded package)のように、Cu等のリードフレーム上に一括して多数の素子を実装し、これらをまとめてモールディングした後に切断することにより個片化されて製造される電子材料部品。
(b)SAW(surface acoustic wave)デバイス用セラミックパッケージのように、表層から下方へ向けて、コバール層(蓋層)、SnAg層(はんだ層)、Al2O3層、レジスト層、テープ層等がこの順に形成され、切断により個片化される電子材料部品。
切断用ブレード10によって切断され製造される電子材料部品としては、半導体素子のように半導体ウェハから切断されて分割された後に、リードフレームに実装されて樹脂モールディングされるものの他、例えば下記のようなものが挙げられる。
(a)QFNパッケージ(quad flat non-leaded package)のように、Cu等のリードフレーム上に一括して多数の素子を実装し、これらをまとめてモールディングした後に切断することにより個片化されて製造される電子材料部品。
(b)SAW(surface acoustic wave)デバイス用セラミックパッケージのように、表層から下方へ向けて、コバール層(蓋層)、SnAg層(はんだ層)、Al2O3層、レジスト層、テープ層等がこの順に形成され、切断により個片化される電子材料部品。
図1〜図3に示されるように、切断用ブレード10は、円板状をなし、外周縁部に切れ刃1Aが形成されたブレード本体1と、ブレード本体1の中心軸O方向を向く面1Bに分散して複数形成された窪み状(凹状、ディンプル状)の切粉保持穴6と、を備えている。また、ブレード本体1は、砥粒3及びフィラー5が分散された樹脂相2を有する。
本実施形態の切断用ブレード10は、図示しない切断機(ダイサー)の主軸にフランジを用いて取り付けられる、ワッシャタイプ(平円板形)の薄刃ブレード(薄刃砥石)である。切断用ブレード10は、切断機の主軸によって中心軸O回りに回転させられつつ、被切断材に対して中心軸Oに垂直な方向(具体的には、高さ方向であるZ方向)に移動させられることにより、切断用ブレード10のうちフランジよりも径方向外側に突出させられた外周縁部(切れ刃1A)で、被切断材を切断加工する。
また、この切断機には、安全装置の1つとして光学式ブレード破損検出装置が設けられている。
また、この切断機には、安全装置の1つとして光学式ブレード破損検出装置が設けられている。
本実施形態においては、切断用ブレード10(のブレード本体1)の中心軸Oが延在する方向(中心軸Oに沿う方向)を、中心軸O方向という。中心軸O方向は、切断用ブレード10の厚さ方向に相当する。また、中心軸O方向に沿ってブレード外部から内部へ向かう方向を中心軸O方向の内側といい、中心軸O方向に沿ってブレード内部から外部へ向かう方向を中心軸O方向の外側という。
また、中心軸Oに直交する方向を径方向という。径方向のうち、中心軸Oに接近する向きを径方向の内側といい、中心軸Oから離間する向きを径方向の外側という。
また、中心軸O回りに周回する方向を周方向という。
また、中心軸Oに直交する方向を径方向という。径方向のうち、中心軸Oに接近する向きを径方向の内側といい、中心軸Oから離間する向きを径方向の外側という。
また、中心軸O回りに周回する方向を周方向という。
切断用ブレード10のブレード本体1の外径は、例えば54mm程度であり、内径(後述する取付孔4の内径)は、例えば40mm程度である。
切断用ブレード10のブレード本体1の中心軸O方向に沿う厚さは、例えば200μm以下であり、好ましくは100μm以下である。本実施形態の例では、ブレード本体1の厚さが100μmである。このように、ブレード本体1は極薄の円板状に形成されている。なお、図2においては切断用ブレード10の構成をわかりやすく説明するため、ブレード本体1の厚さが実際の厚さよりも厚く表示されている。
切断用ブレード10のブレード本体1の中心軸O方向に沿う厚さは、例えば200μm以下であり、好ましくは100μm以下である。本実施形態の例では、ブレード本体1の厚さが100μmである。このように、ブレード本体1は極薄の円板状に形成されている。なお、図2においては切断用ブレード10の構成をわかりやすく説明するため、ブレード本体1の厚さが実際の厚さよりも厚く表示されている。
切れ刃1Aは、ブレード本体1の中心軸O方向を向く一対の面1B(一対の端面(外面)であり、表面及び裏面であり、切断機に取り付けられた状態では一対の側面である)における各外周縁部と、ブレード本体1の外周面と、前記各外周縁部と前記外周面との交差稜線をなす一対のエッジと、によって形成されている。切れ刃1Aの刃幅は、ブレード本体1の中心軸O方向の厚さに対応している。
ブレード本体1の径方向の中央部(中心軸O上)には、該ブレード本体1を中心軸O方向に貫通する円孔状の取付孔4が形成されている。このためブレード本体1は、具体的には円形リング板状をなしている。つまり、本実施形態でいう「円板状のブレード本体1」には、円形リング板状のブレード本体1が含まれる。切断用ブレード10の取付孔4内には、切断機の主軸が挿通される。
ブレード本体1は、樹脂材料を主成分として形成された樹脂相(樹脂の固相)2と、樹脂相2に分散され、樹脂相2よりも硬質の材料からなる砥粒3と、樹脂相2に分散され、砥粒3よりも軟質の材料からなるフィラー5と、を有している。つまりこの切断用ブレード10は、レジンボンド(樹脂結合剤)ブレードである。
樹脂相2の主成分の材質としては、例えばエポキシ樹脂やフェノール樹脂等が挙げられる。
樹脂相2の主成分の材質としては、例えばエポキシ樹脂やフェノール樹脂等が挙げられる。
ブレード本体1に分散される砥粒3は、例えばダイヤモンド砥粒やcBN砥粒等である。砥粒3の平均粒径は、ブレード本体1の中心軸O方向の厚さに応じて適宜選択されることが好ましい。具体的に、本実施形態の一例としては、ブレード本体1の厚さに対し、1/5〜1/4程度の平均粒径を有する砥粒3を使用するのが砥粒限界粒径(上限)であり、所期する加工品位に応じて、これより細かな(小さな)平均粒径を有する砥粒3を使用する。つまり、本実施形態のようにブレード本体1の厚さが100μmの場合、砥粒3の平均粒径は20〜25μmが最大であり、加工品位により、平均粒径5μmを使用するなどは任意となる。
上記「平均粒径」とは、多数の砥粒3の粒径の平均値を表しており、例えば、ある粒径範囲をもった砥粒3をマイクロトラック(登録商標)などにより測定し、平均粒径を算出する等の方法が取られる。
フィラー5は、砥粒3よりも小さく、例えば炭化ケイ素、炭化タングステン、酸化亜鉛等からなる。
砥粒3及びフィラー5は、いずれも樹脂相2より硬質の材料からなる。砥粒3は、主として加工性向上に寄与し、フィラー5は、主としてブレード本体1の剛性向上に寄与する。なお、砥粒3及びフィラー5の材質は、本実施形態で説明したものに限定されない。
砥粒3及びフィラー5は、いずれも樹脂相2より硬質の材料からなる。砥粒3は、主として加工性向上に寄与し、フィラー5は、主としてブレード本体1の剛性向上に寄与する。なお、砥粒3及びフィラー5の材質は、本実施形態で説明したものに限定されない。
図3〜図5において、切粉保持穴6は、ブレード本体1の中心軸O方向を向く面1Bのうち、少なくとも外周部に分散して複数形成されている。
本実施形態でいう上記「外周部」とは、切断用ブレード10が切断機の主軸に取り付けられたときに、ブレード本体1の中心軸O方向を向く面1Bのうち、フランジよりも径方向外側に位置して外部に露出された部分を指す。
図5に示される例では、ブレード本体1の面1Bの外周部に、切粉保持穴6が千鳥状に配置されている。
本実施形態でいう上記「外周部」とは、切断用ブレード10が切断機の主軸に取り付けられたときに、ブレード本体1の中心軸O方向を向く面1Bのうち、フランジよりも径方向外側に位置して外部に露出された部分を指す。
図5に示される例では、ブレード本体1の面1Bの外周部に、切粉保持穴6が千鳥状に配置されている。
切粉保持穴6は、樹脂相2の表面(基準面)から窪んで形成されている。
本実施形態でいう上記「基準面」とは、ブレード本体1の中心軸O方向を向く面1Bのうち、該面1Bから中心軸O方向の外側へ突出する砥粒3及びフィラー5を除く樹脂相2の平らな表面であり、中心軸Oに垂直な仮想平面を指す。例えば、ブレード本体1の面1Bには、上記基準面から中心軸O方向の外側へ向けて突出する砥粒3等に隣接する樹脂相2部分に、被切断材に切断加工をすることによって生じるいわゆるチップポケット(基準面よりも中心軸O方向の外側に位置するポケット)が形成されることがあるが、本実施形態の切粉保持穴6には上記チップポケットは含まれない。つまり、本実施形態において切粉保持穴6は、樹脂相2の基準面から中心軸O方向の内側に窪んで形成される。
本実施形態でいう上記「基準面」とは、ブレード本体1の中心軸O方向を向く面1Bのうち、該面1Bから中心軸O方向の外側へ突出する砥粒3及びフィラー5を除く樹脂相2の平らな表面であり、中心軸Oに垂直な仮想平面を指す。例えば、ブレード本体1の面1Bには、上記基準面から中心軸O方向の外側へ向けて突出する砥粒3等に隣接する樹脂相2部分に、被切断材に切断加工をすることによって生じるいわゆるチップポケット(基準面よりも中心軸O方向の外側に位置するポケット)が形成されることがあるが、本実施形態の切粉保持穴6には上記チップポケットは含まれない。つまり、本実施形態において切粉保持穴6は、樹脂相2の基準面から中心軸O方向の内側に窪んで形成される。
切粉保持穴6は、被切断材を切断加工したときに生じる切粉(切屑)を一時的に保持可能な穴であり、本実施形態の例では、円形穴状をなしている。切粉保持穴6のうち、ブレード外周縁に配置されたものの中には、円形穴が部分的に切り欠かれて半円形穴状等をなすものが含まれる。
切粉保持穴6は、ブレード本体1を貫通する「孔」ではなく、ブレード本体1を貫通しない有底の「穴」に形成されている。つまり切粉保持穴6は、有底の窪み状、凹状又はディンプル状をなしている。
切粉保持穴6は、ブレード本体1を貫通する「孔」ではなく、ブレード本体1を貫通しない有底の「穴」に形成されている。つまり切粉保持穴6は、有底の窪み状、凹状又はディンプル状をなしている。
図3及び図4に示されるように、本実施形態の切粉保持穴6は、該切粉保持穴6の開口縁から穴中心(穴底の中心)に向かうに従い徐々に深さが深くされている。つまり、切粉保持穴6の穴底(底壁)は、窪みの最外周部から中央部にかけて徐々に深さが深くなるように傾斜して形成されており、中央部の深さが最も深い。また、切粉保持穴6は、該切粉保持穴6の開口縁の内径に比べて、穴の深さが小さい。本実施形態の例では、図3及び図4に示されるブレード断面視において、切粉保持穴6(の穴底)が凹曲線状をなしている。つまり、切粉保持穴6は、凹曲面状に形成されている。
切粉保持穴6の開口縁の内径は、例えば1〜4mmである。なお、上記「切粉保持穴6の開口縁の内径」とは、後述するように切粉保持穴6が円形穴状以外の穴形状の場合には、切粉保持穴6の開口縁における内接円の直径を指す。
また、切粉保持穴6の深さ(最大深さ)は、ブレード本体1の中心軸O方向の厚さの1/10〜1/3である。本実施形態の例では、切粉保持穴6の深さ(最大深さ)が、10〜67μmである。
また、切粉保持穴6の深さ(最大深さ)は、ブレード本体1の中心軸O方向の厚さの1/10〜1/3である。本実施形態の例では、切粉保持穴6の深さ(最大深さ)が、10〜67μmである。
本実施形態の例では、図4に示されるように、中心軸Oに沿うブレード本体1の断面視で、ブレード本体1の中心軸O方向を向く面1Bと、切粉保持穴6の開口縁と、の間に形成される角度θが、30〜60度である。好ましくは、角度θは40〜50度であり、図示の例では45度である。
本実施形態でいう上記「角度θ」とは、図4に示すブレード断面視において、ブレード本体1の面1Bと、切粉保持穴6の開口縁と、が交差して形成される鋭角及び鈍角のうち、鋭角の角度を指す。
本実施形態でいう上記「角度θ」とは、図4に示すブレード断面視において、ブレード本体1の面1Bと、切粉保持穴6の開口縁と、が交差して形成される鋭角及び鈍角のうち、鋭角の角度を指す。
ブレード本体1の中心軸O方向を向く面1Bのうち外周部において、切粉保持穴6が開口する面積の割合は、例えば10〜50%である。つまり図5において、ブレード本体1の面1Bのうち外周部の全体面積に占める、複数の切粉保持穴6の開口面積の総和の割合が、10〜50%である。
また、ブレード本体1の中心軸O方向を向く面1Bのうち外周部において、複数の切粉保持穴6が中心軸O回りに回転して得られる各回転軌跡は、ブレード径方向に隙間なく配置される。つまり、ブレード本体1の面1Bのうち外周部の全域にわたって、複数の切粉保持穴6の各回転軌跡同士が径方向に重なり合い、隙間なく配置される。言い換えると、ブレード本体1の面1Bのうち外周部においては、該ブレード本体1が中心軸O回りに回転したときに、切粉保持穴6が通過しない領域が存在しない(つまり径方向のいずれの位置においても切粉保持穴6が通過する)。
図6〜図12は、切粉保持穴6の変形例を表している。
図6に示される例では、切粉保持穴6が、楕円形穴状をなしている。図6において、複数の切粉保持穴6には、該切粉保持穴6の開口縁がなす楕円形の長軸(長手方向)及び短軸(短手方向)のうち、長軸が、ブレード本体1の径方向に向けて延びるもの、周方向に向けて延びるもの、径方向の外側へ向かうに従い周方向の一方側(例えばブレード回転方向)に向けて延びるもの、径方向の外側へ向かうに従い周方向の他方側(例えば反ブレード回転方向)に向けて延びるもの、が含まれる。
図6に示される例では、切粉保持穴6が、楕円形穴状をなしている。図6において、複数の切粉保持穴6には、該切粉保持穴6の開口縁がなす楕円形の長軸(長手方向)及び短軸(短手方向)のうち、長軸が、ブレード本体1の径方向に向けて延びるもの、周方向に向けて延びるもの、径方向の外側へ向かうに従い周方向の一方側(例えばブレード回転方向)に向けて延びるもの、径方向の外側へ向かうに従い周方向の他方側(例えば反ブレード回転方向)に向けて延びるもの、が含まれる。
図7に示される例では、切粉保持穴6が、四角形穴状をなしている。具体的に切粉保持穴6は、正方形穴状をなしており、該切粉保持穴6の開口縁がなす正方形の四辺のうち、いずれか一辺が、ブレード本体1の径方向(又は周方向)に向けて延びるもの、径方向の外側へ向かうに従い周方向のいずれか(一方側又は他方側)へ向けて延びるもの、が含まれる。
特に図示しないが、切粉保持穴6は、上記正方形穴状以外の長方形穴状や平行四辺形穴状、菱形穴状等であってもよい。また切粉保持穴6は、四角形穴状以外の例えば三角形穴状等の多角形穴状であってもよい。また、切粉保持穴6は、星形穴状であってもよい。
特に図示しないが、切粉保持穴6は、上記正方形穴状以外の長方形穴状や平行四辺形穴状、菱形穴状等であってもよい。また切粉保持穴6は、四角形穴状以外の例えば三角形穴状等の多角形穴状であってもよい。また、切粉保持穴6は、星形穴状であってもよい。
図8〜図12に示される例では、ブレード本体1の中心軸O方向を向く面1B上に、互いに異なる形状を有する切粉保持穴6が、複数形成されている。
図8に示される例では、中心軸O方向から見たブレード平面視で、ブレード本体1の面1B上に、円形穴状の切粉保持穴6及び楕円形穴状の切粉保持穴6が形成されており、これらの切粉保持穴6には、径方向に沿って配列するものや、周方向に沿って配列するものが含まれる。なお、これらの切粉保持穴6は、径方向に対して傾斜して配列していたり、周方向に対して傾斜して配列していたりしてもよい。図9及び図10に示されるように、これらの切粉保持穴6の断面形状は、例えば半楕円形状や半円形状等の凹曲線状をなしている。
図示を省略しているが、ブレード平面視で円形穴状をなす切粉保持穴6は、真円形穴状に限らず、非真円形穴状(不均一な円形穴状)をなしていてもよい。また、切粉保持穴6は半円形穴状等であってもよい。
図8に示される例では、中心軸O方向から見たブレード平面視で、ブレード本体1の面1B上に、円形穴状の切粉保持穴6及び楕円形穴状の切粉保持穴6が形成されており、これらの切粉保持穴6には、径方向に沿って配列するものや、周方向に沿って配列するものが含まれる。なお、これらの切粉保持穴6は、径方向に対して傾斜して配列していたり、周方向に対して傾斜して配列していたりしてもよい。図9及び図10に示されるように、これらの切粉保持穴6の断面形状は、例えば半楕円形状や半円形状等の凹曲線状をなしている。
図示を省略しているが、ブレード平面視で円形穴状をなす切粉保持穴6は、真円形穴状に限らず、非真円形穴状(不均一な円形穴状)をなしていてもよい。また、切粉保持穴6は半円形穴状等であってもよい。
図11及び図12に示される例では、ブレード本体1の中心軸O方向を向く面1Bの外周部に、複数の切粉保持穴6が形成されており、これらの切粉保持穴6同士の大きさ、形状、配置ピッチ(図示の例では周方向ピッチ)等が互いに異なっている。
切粉保持穴6の配列については、例えば、互いに同一寸法とされた複数の切粉保持穴6を規則的に整列させてもよいし、不規則(ランダム)に配列してもよい。また、互いに寸法の異なる複数の切粉保持穴6を、規則的に整列させたり、大小交互に配列したり、不規則(ランダム)に配列してもよい。また、隣り合う切粉保持穴6同士の間隔(配置ピッチ)は均一でもよいし、不均一でもよい。
切粉保持穴6の配列については、例えば、互いに同一寸法とされた複数の切粉保持穴6を規則的に整列させてもよいし、不規則(ランダム)に配列してもよい。また、互いに寸法の異なる複数の切粉保持穴6を、規則的に整列させたり、大小交互に配列したり、不規則(ランダム)に配列してもよい。また、隣り合う切粉保持穴6同士の間隔(配置ピッチ)は均一でもよいし、不均一でもよい。
図5〜図8、図11及び図12に示されるように、ブレード本体1の面1Bを正面に見たブレード平面視において、各切粉保持穴6は、回転対称形状であることが好ましい。ただし、回転対称形状に限定されるものではない。
ブレード本体1の中心軸O方向を向く面1Bに分散する複数の切粉保持穴6は、ブレード製造時において、例えば、ブレード本体1の面1Bに対して、金型によるプレス成形やブラスト処理による成形を施すことにより形成される。
ブレード本体1の中心軸O方向を向く面1Bに分散する複数の切粉保持穴6は、ブレード製造時において、例えば、ブレード本体1の面1Bに対して、金型によるプレス成形やブラスト処理による成形を施すことにより形成される。
以上説明した本実施形態の切断用ブレード10によれば、ブレード本体1の中心軸O方向を向く面1Bに、該面1B(樹脂相2の基準面)から凹む窪み状の切粉保持穴6が複数形成されている。ブレード本体1の中心軸O方向を向く面1Bに切粉保持穴6が分散配置されていることによって、切断加工時に生じた切粉(切屑)を該切粉保持穴6内に一時的に保持することができ、外部へと排出しやすくすることができる。また、切断加工時に切断部位に供給される冷却水(切削水)を、切粉保持穴6内に一時的に保持して、切れ刃1A近傍や加工面(つまり被切断材の加工溝内)に安定して到達させ、冷却効率を向上することができる。また、切れ刃1A近傍及び加工面に到達した冷却水により切粉排出性を高めることができる。
切粉保持穴6は、窪み状(凹状、ディンプル状)に形成されており、ブレード本体1を貫通してはいないので、この切断用ブレード10が装着される切断機(ダイサー)において、光学式ブレード破損検出装置の光が切粉保持穴6を透過することはなく、ブレード破損と誤判断されるような不具合が確実に防止されて、安全装置の機能を十分に生かすことができ、かつ生産性が良好に維持される。
また、従来のようなブレード本体を貫通するスリットに比べて、本発明ではブレード本体1を貫通しない切粉保持穴6を該ブレード本体1の中心軸O方向を向く面1B上に分散配置したので、ブレード本体1に局部的な強度低下や集中荷重が生じるような不具合を効果的に抑制でき、ブレード剛性を確実に高めることができる。
また、ブレード本体1の中心軸O方向を向く面1Bに切粉保持穴6が分散されていることによって、被切断材の加工面(切断面)と切断用ブレード10との摩擦抵抗(接触抵抗)が顕著に低減される。これにより、切れ刃1A近傍及び加工面の温度上昇を抑えることができ、上述した切粉保持穴6の作用効果と相俟って、加工面精度のさらなる向上や工具寿命延長の効果を得ることができる。
具体的に、切粉保持穴6は、従来のスリットとは異なり、ブレード剛性を維持しつつ互いの配置間隔を狭めることが容易であり、例えば0.1mm程度の狭い間隔をあけて連続的に配列することができる。このため、切粉保持穴6の開口面積及び容量を、従来のスリットの開口面積及び容量に比べて同等又はそれ以上に大きく設定することも容易であり、さらなる効果の向上が期待できる。
以上より本実施形態によれば、切粉排出性や冷却効率を高めつつ、ブレード破損と誤判断されるような不具合は防止でき、かつブレード剛性を高めることができて、高精度な切断加工を長期にわたり安定して行うことができる。
また本実施形態では、切粉保持穴6が、その開口縁から穴中心(穴底の中心)に向かうに従い徐々に深さが深くされているので、該切粉保持穴6内に一時的に保持した切粉を、穴外部へと流れ出やすくすることができる。また、切粉保持穴6内に一時的に保持した冷却水を、切断部位へ向けて供給しやすくすることができる。従って、切粉排出性及び冷却効率をより安定的に高めることができる。
また、切粉保持穴6の穴形状は、例えば被切断材(ワーク)の種類、切断条件、加工面精度への要請等に応じて、本実施形態で説明した円形穴状、半円形穴状、楕円形穴状、多角形穴状及び星形穴状のいずれかより適宜選択可能である。
また本実施形態では、ブレード本体1の中心軸O方向を向く面1Bのうち外周部において、複数の切粉保持穴6の中心軸O回りの各回転軌跡が、ブレード径方向に沿って隙間なく配置されるので、切断加工時の切り込み量(切断深さ)に係わらず、被切断材の加工面上を必ず切粉保持穴6が通過する。従って、切り込み量等を変化させた場合でも、安定して切断精度を高めることができる。
また本実施形態では、ブレード本体1の中心軸O方向を向く面1Bのうち外周部において、切粉保持穴6が開口する面積の割合が、10〜50%である。
上記構成のように、ブレード本体1の中心軸O方向を向く面1Bのうち外周部において、切粉保持穴6が開口する面積の割合が10%以上であれば、従来のスリットと同等以上の開口面積を確保しやすくなり、上述した切粉保持穴6による作用効果が格別にかつ安定して高められる。また、ブレード本体1の中心軸O方向を向く面1Bのうち外周部において、切粉保持穴6が開口する面積の割合が50%以下であれば、該切粉保持穴6が多く形成され過ぎてブレード剛性に影響するようなことを防止できる。
上記構成のように、ブレード本体1の中心軸O方向を向く面1Bのうち外周部において、切粉保持穴6が開口する面積の割合が10%以上であれば、従来のスリットと同等以上の開口面積を確保しやすくなり、上述した切粉保持穴6による作用効果が格別にかつ安定して高められる。また、ブレード本体1の中心軸O方向を向く面1Bのうち外周部において、切粉保持穴6が開口する面積の割合が50%以下であれば、該切粉保持穴6が多く形成され過ぎてブレード剛性に影響するようなことを防止できる。
また本実施形態では、切粉保持穴6が、該切粉保持穴6の開口縁の内径に比べて深さが小さい(つまり浅底である)ので、切粉保持穴6内に一時的に保持した切粉を、穴外部へと排出させやすくすることができる。また、切粉保持穴6内に一時的に保持した冷却水を、切断部位へ供給しやすくすることができる。従って、切粉排出性及び冷却効率をより安定的に高めることができる。
また本実施形態では、切粉保持穴6の深さが、ブレード本体1の中心軸O方向の厚さの1/10〜1/3である。
上記構成のように、切粉保持穴6の深さが、ブレード本体1の中心軸O方向の厚さの1/10以上であれば、切粉保持穴6の深さが十分に確保されて、上述した切粉保持穴6による作用効果が顕著に奏功される。また、切粉保持穴6の深さが、ブレード本体1の中心軸O方向の厚さの1/3以下であれば、該切粉保持穴6が深くなり過ぎてブレード剛性に影響するようなことを防止できる。
上記構成のように、切粉保持穴6の深さが、ブレード本体1の中心軸O方向の厚さの1/10以上であれば、切粉保持穴6の深さが十分に確保されて、上述した切粉保持穴6による作用効果が顕著に奏功される。また、切粉保持穴6の深さが、ブレード本体1の中心軸O方向の厚さの1/3以下であれば、該切粉保持穴6が深くなり過ぎてブレード剛性に影響するようなことを防止できる。
また本実施形態では、切粉保持穴6の深さが、10〜67μmである。
上記構成のように、切粉保持穴6の深さが10μm以上であれば、該切粉保持穴6内に、数μm程度の大きさの切粉を確実に収容することができ、上述した切粉保持穴6による作用効果が十分に奏功される。また、切粉保持穴6の深さが67μm以下であれば、該切粉保持穴6が深くなり過ぎてブレード剛性に影響するようなことを防止できる。
上記構成のように、切粉保持穴6の深さが10μm以上であれば、該切粉保持穴6内に、数μm程度の大きさの切粉を確実に収容することができ、上述した切粉保持穴6による作用効果が十分に奏功される。また、切粉保持穴6の深さが67μm以下であれば、該切粉保持穴6が深くなり過ぎてブレード剛性に影響するようなことを防止できる。
また本実施形態では、切粉保持穴6の開口縁の内径が、1〜4mmである。
上記構成のように、切粉保持穴6の開口縁の内径が1mm以上であれば、ブレード本体1の中心軸O方向を向く面1Bにおいて、複数の切粉保持穴6に所定以上の開口面積や十分な深さ、容量を付与しやすくなり、製造(成形)が容易である。また、切粉保持穴6の開口縁の内径が4mm以下であれば、該切粉保持穴6が大きく形成され過ぎてブレード剛性に影響するようなことを防止できる。
上記構成のように、切粉保持穴6の開口縁の内径が1mm以上であれば、ブレード本体1の中心軸O方向を向く面1Bにおいて、複数の切粉保持穴6に所定以上の開口面積や十分な深さ、容量を付与しやすくなり、製造(成形)が容易である。また、切粉保持穴6の開口縁の内径が4mm以下であれば、該切粉保持穴6が大きく形成され過ぎてブレード剛性に影響するようなことを防止できる。
また本実施形態では、中心軸Oに沿うブレード本体1の断面視で、ブレード本体1の中心軸O方向を向く面1Bと、切粉保持穴6の開口縁と、の間に形成される角度θが、30〜60度である。
上記構成のように、ブレード本体1の中心軸O方向を向く面1Bと、切粉保持穴6の開口縁との間に形成される角度θが30度以上であれば、上述した切粉保持穴6の機能を十分に発揮させることができる。また、角度θが60度以下であれば、切粉保持穴6内に一時的に保持した切粉を、穴外部へと流れ出やすくすることができる。また、切粉保持穴6内に一時的に保持した冷却水を、切断部位へ向けて供給しやすくすることができる。
なお、角度θが40〜50度である場合には、上述した作用効果がより格別なものとなり、好ましい。
上記構成のように、ブレード本体1の中心軸O方向を向く面1Bと、切粉保持穴6の開口縁との間に形成される角度θが30度以上であれば、上述した切粉保持穴6の機能を十分に発揮させることができる。また、角度θが60度以下であれば、切粉保持穴6内に一時的に保持した切粉を、穴外部へと流れ出やすくすることができる。また、切粉保持穴6内に一時的に保持した冷却水を、切断部位へ向けて供給しやすくすることができる。
なお、角度θが40〜50度である場合には、上述した作用効果がより格別なものとなり、好ましい。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、例えば下記に説明するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
前述の実施形態では、被切断材として、例えば、半導体素子のように半導体ウェハから切断されて分割された後に、リードフレームに実装されて樹脂モールディングされるものや、QFNパッケージやSAWデバイス用セラミックパッケージ等の電子材料部品を例に挙げたが、それ以外の電子材料部品の個片化において切断用ブレード10を用いてもよい。また個片化に限らず、溝加工に切断用ブレード10を用いてもよい。
また、前述の実施形態では、切断用ブレード10がワッシャタイプ(平円板形)であるとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、切断用ブレード10は、ブレード本体1が図示しない台金に取り付けられ、この台金ごと切断機の主軸に装着されるハブタイプの薄刃ブレード(ハブ付きブレード)であってもよい。
また、前述の実施形態では、ブレード本体1が、樹脂相2を基材としている例を挙げたが、これに限定されるものではない。すなわち、ブレード本体1は、樹脂相2の代わりに、金属相(金属の固相)やめっき相(電解めっき又は無電解めっきにより形成された相)を基材としていてもよい。つまり、切断用ブレード10はレジンボンドブレードに限定されず、メタルボンドブレードや電鋳ブレード等であってもよい。
また、前述の実施形態では、図3、図4、図9及び図10に示されるブレード断面視において、切粉保持穴6(の穴底)が凹曲線状をなしているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、ブレード断面視において切粉保持穴6(の穴底)は、該切粉保持穴6の開口縁から穴中心(穴底の中心)に向かうに従い徐々に深さが深くなる直線状(つまり傾斜面状)部分を含んでいたり、凸曲線状部分を含んでいてもよい。
また、前述の実施形態では、切粉保持穴6が、該切粉保持穴6の開口縁から穴中心(穴底の中心)に向かうに従い徐々に深さが深くされているとしたが、これに限定されるものではない。例えば、切粉保持穴6は、該切粉保持穴6の周縁部から穴中心にわたって深さが一定とされていてもよい。この場合、切断用ブレード10の製造容易性が向上する。
また、前述の実施形態では、切粉保持穴6が、円形穴状、半円形穴状、楕円形穴状、多角形穴状及び星形穴状のいずれかに形成されるとしたが、これに限定されるものではない。切粉保持穴6は、例えば、上述した種々の穴形状同士を組み合わせた複合的な穴形状であってもよい。
また本発明は、前述の実施形態で説明したブレード本体1の外径、内径、中心軸O方向の厚さ、砥粒3の平均粒径、切粉保持穴6の開口縁の内径、深さ、角度θ等の各数値範囲に限定されるものではない。
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例及びなお書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし本発明はこの実施例に限定されるものではない。
前述した実施形態のレジンボンドブレードである切断用ブレード10を用いて、切断試験を実施した結果を下記に示す。
前述した実施形態のレジンボンドブレードである切断用ブレード10を用いて、切断試験を実施した結果を下記に示す。
まずQFNパッケージに関して、下記の切断条件にて切断試験を行った。
<切断条件>
回転数:20〜30krpm
送り速度:20〜30mm/sec
切断形態:1Pass Full Cut
被切断材:Cuリードフレーム
<切断条件>
回転数:20〜30krpm
送り速度:20〜30mm/sec
切断形態:1Pass Full Cut
被切断材:Cuリードフレーム
上記切断試験の結果、被切断材の切断面におけるバリの発生が顕著に抑制され、バリの長さ(バリサイズ)も小さく抑えられることがわかった。これより、切断用ブレード10を用いてQFNパッケージを切断した際のバリ抑制効果が期待でき、歩留まりを改善できる。
次に、図13に示されるSAWデバイス用セラミックパッケージ100の切断試験を行った。なお、この切断試験では、本実施例の切断用ブレード10と、従来例の切粉保持穴6を有していない切断用ブレードとについて試験を行い、結果を比較した。
図13において、SAWデバイス用セラミックパッケージ100は、表層から下方へ向けて、コバール層(蓋層)101、SnAg層(はんだ層)102、Al2O3層103、レジスト層104及びテープ層105をこの順に備えている。各層の厚さ及び切断条件については、下記の通りとした。
図13において、SAWデバイス用セラミックパッケージ100は、表層から下方へ向けて、コバール層(蓋層)101、SnAg層(はんだ層)102、Al2O3層103、レジスト層104及びテープ層105をこの順に備えている。各層の厚さ及び切断条件については、下記の通りとした。
<各層厚さ>
コバール層(蓋層):25μm
SnAg層(はんだ層):250μm
Al2O3層:170μm
レジスト層:30μm
テープ層:175μm
<切断条件>
回転数:35krpm
送り速度:10〜20mm/sec
切断形態:2Pass Full Cut
コバール層(蓋層):25μm
SnAg層(はんだ層):250μm
Al2O3層:170μm
レジスト層:30μm
テープ層:175μm
<切断条件>
回転数:35krpm
送り速度:10〜20mm/sec
切断形態:2Pass Full Cut
上記切断試験の結果、従来例においては、ブレード側面(面1B)の外周部にSnAg層(はんだ層)102の成分付着痕が見受けられ、このため砥粒3が露出せず、加工負荷が上昇し、コバール層(蓋層)101が剥がれる現象が確認された。
一方、本実施例においては、ブレード側面(面1B)の外周部にSnAg層(はんだ層)102の成分付着痕は特に見受けられず、加工負荷の変動のない安定した切断加工を行えることがわかった。また、コバール層(蓋層)101が剥がれるような現象も見受けられなかった。
一方、本実施例においては、ブレード側面(面1B)の外周部にSnAg層(はんだ層)102の成分付着痕は特に見受けられず、加工負荷の変動のない安定した切断加工を行えることがわかった。また、コバール層(蓋層)101が剥がれるような現象も見受けられなかった。
本発明の切断用ブレードによれば、切粉排出性や冷却効率を高めつつ、ブレード破損と誤判断されるような不具合は防止でき、かつブレード剛性を高めることができて、高精度な切断加工を安定して行うことができる。従って、産業上の利用可能性を有する。
1 ブレード本体
1A 切れ刃
1B ブレード本体の中心軸方向を向く面
6 切粉保持穴
10 切断用ブレード
O 中心軸
1A 切れ刃
1B ブレード本体の中心軸方向を向く面
6 切粉保持穴
10 切断用ブレード
O 中心軸
Claims (10)
- 円板状をなし、外周縁部に切れ刃が形成されたブレード本体と、
前記ブレード本体の中心軸方向を向く面に分散して複数形成された窪み状の切粉保持穴と、を備えた切断用ブレード。 - 請求項1に記載の切断用ブレードであって、
前記切粉保持穴は、該切粉保持穴の開口縁から穴中心に向かうに従い徐々に深さが深くなる切断用ブレード。 - 請求項1に記載の切断用ブレードであって、
前記切粉保持穴は、該切粉保持穴の周縁部から穴中心にわたって深さが一定である切断用ブレード。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の切断用ブレードであって、
前記切粉保持穴は、円形穴状、半円形穴状、楕円形穴状、多角形穴状及び星形穴状のいずれかに形成された切断用ブレード。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の切断用ブレードであって、
前記ブレード本体の中心軸方向を向く面のうち外周部において、複数の前記切粉保持穴が前記中心軸回りに回転して得られる各回転軌跡が、前記中心軸に直交する径方向に隙間なく配置される切断用ブレード。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の切断用ブレードであって、
前記ブレード本体の中心軸方向を向く面のうち外周部において、前記切粉保持穴が開口する面積の割合が、10〜50%である切断用ブレード。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の切断用ブレードであって、
前記切粉保持穴は、該切粉保持穴の開口縁の内径に比べて深さが小さい切断用ブレード。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載の切断用ブレードであって、
前記切粉保持穴の深さが、前記ブレード本体の中心軸方向の厚さの1/10〜1/3である切断用ブレード。 - 請求項1〜8のいずれか一項に記載の切断用ブレードであって、
前記切粉保持穴の深さが、10〜67μmである切断用ブレード。 - 請求項1〜9のいずれか一項に記載の切断用ブレードであって、
前記切粉保持穴の開口縁の内径が、1〜4mmである切断用ブレード。
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Cited By (1)
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JP2021034467A (ja) * | 2019-08-21 | 2021-03-01 | 株式会社ディスコ | 切削ブレード及び加工方法 |
-
2017
- 2017-05-25 JP JP2017103595A patent/JP2018199170A/ja active Pending
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