JP2018194084A - ホースクランプ - Google Patents

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Abstract

【課題】拡径状態のクランプを容易に縮径させることが可能なホースクランプを提供する。
【解決手段】このホースクランプ10は、リング状本体21及び一対のツマミ部23,25を有する金属製のクランプ20と、一対のツマミ部を近接状態で挟持する拡開可能な挟持部33を有する合成樹脂製の挟持部材30と、挟持部材30を収容して挟持部33の拡開を規制し、一対のツマミ部23,25の近接状態を維持する収容部51を有する、合成樹脂製の操作部材50とを備え、収容部51に挟持部材30を収容して、挟持部33の拡開が規制された状態から、挟持部材30に対して操作部材50を移動させることで、挟持部33を収容部51から露出させて拡開可能とし、一対のツマミ部23,25が離反可能とされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、自動車の配管どうしを、ホースを用いて接続する際に用いられるホースクランプに関する。
従来、自動車の配管どうしを、ホースを用いて接続する際には、パイプ状をなす配管の端部外周に可撓性のホースを被せ、このホース外周を更にホースクランプによって締付けることによって、配管にホースを固定する方法が広く用いられている。
例えば、下記特許文献1には、円環状に湾曲形成された締付リング部にガイド溝を形成し、このガイド溝に一方の端部を配置するとともに、両端部にグリップ部を形成してなり、各グリップ部を接近させることにより、締付リング部が拡径する、金属製のクランプ本体と、クランプ本体の各グリップ部に外嵌し同部の接近状態を保持するとともに、適所から仮止めアームが延出する、合成樹脂製のホルダー体とを備えた、ホースクランプが記載されている。また、ホルダー体は、近接状態の一対のグリップ部を嵌め込み可能な溝が形成された、基部を有している。
そして、ホルダー体が、クランプ本体の一対のグリップ部に取付けられて、一対のグリップ部が接近して締付リング部が拡径した状態で、ホース外周に締付リング部を配置し、その後、ホルダー体を締付リング部の外径方向に引っ張ることで、基部の溝から一対のグリップ部が引き抜かれる。その結果、一対のグリップ部が互いに離反すると共に、締付リング部が縮径して、ホースクランプを介して、ホースと接続パイプとが締め付け固定される。
特開2001−153284号公報
上記特許文献1のホースクランプにおいては、一対のグリップ部にホルダー体を取付ける際には、締付リング部が縮径して一対のグリップ部が互いに離れた状態から、締付リング部の弾性力に抗して、一対のグリップ部を互いに近接させて、ホルダー体の基部の溝に嵌合させることで、ホルダー体を取付けるようになっている。そして、近接状態の一対のグリップ部には、締付リング部の弾性力によって互いに離れるように拡開力が作用して、グリップ部が基部の溝の内面に当接するようになっている。
この際、一対のグリップ部の拡開方向の荷重が高い場合(例えば、締付リング部の縮径状態における、一対のグリップ部の間隔が広く、締付リングの弾性変形量が大きい場合等)には、グリップ部とホルダー基部の溝内面との摩擦力が大きくなるので、基部の溝内から一対のグリップ部を引き抜きにくいうえ、クランプ本体が金属製で、ホルダー体が合成樹脂製であり、両者の摩擦係数が異なるため、基部の溝内から一対のグリップ部を、より一層引き抜きにくい、という不都合があった。
したがって、本発明の目的は、拡径状態のクランプを容易に縮径させることが可能な、ホースクランプを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のホースクランプは、環状に湾曲されてなり、ホースの外周を囲むように装着されるリング状本体、及び、その周方向両端部に設けられた一対のツマミ部を有しており、前記リング状本体は、前記一対のツマミ部が離反した状態で縮径した自由状態となり、前記一対のツマミ部を近接させたときに弾性力に抗して拡径する、金属製のクランプと、前記一対のツマミ部を近接した状態で挟持する拡開可能な挟持部を有する、合成樹脂製の挟持部材と、前記挟持部材を収容して前記挟持部の拡開を規制し、前記一対のツマミ部の近接状態を維持する収容部を有する、合成樹脂製の操作部材とを備え、前記収容部に前記挟持部材を収容して、前記挟持部の拡開が規制された状態から、前記挟持部材に対して前記操作部材を移動させることで、前記挟持部を前記収容部から露出させて拡開可能とし、それにより前記一対のツマミ部が離反可能となるように構成されていることを特徴とする。
本発明のホースクランプによれば、クランプの一対のツマミ部が近接した状態で、挟持部で一対のツマミ部を挟持しながら、挟持部材を操作部材の収容部に収容することにより、一対のツマミ部の近接状態を維持して、クランプを拡径した状態に維持することができる。この状態で、クランプを締め付けるべきホースの外周に配置し、操作部材を移動させて、挟持部材の挟持部を露出させると、挟持部が拡開可能となり、一対のツマミ部も離反可能となるので、クランプのリング状本体が弾性力によって縮径して、ホース外周を締め付け固定することができる。
このとき、挟持部材及び操作部材が共に合成樹脂製であるので、挟持部材に対して操作部材を移動させる際には、樹脂どうしの摩擦力が作用するため、金属と樹脂との摩擦力に比べて摩擦抵抗を小さくして、挟持部材に対して操作部材を移動させやすくすることができるので、クランプから挟持部材及び操作部材を取外しやすく、拡径状態のクランプを容易に縮径させることができる。
本発明に係るホースクランプの一実施形態を示しており、その分解斜視図である。 同ホースクランプを構成する挟持部材及び操作部材の説明図である。 同ホースクランプを構成する操作部材において、図1のA−A矢示線における断面図である。 同ホースクランプにおいて、クランプに挟持部材及び操作部材を取付けた状態の斜視図である。 図4のB−B矢示線における断面図である。 同ホースクランプにおいて、挟持部材に対して操作部材を移動させる際の、第1状態を示す斜視図である。 図6のC−C矢示線における断面図である。 同ホースクランプにおいて、挟持部材に対して操作部材を移動させる際の、第2状態を示す斜視図である。 図8のF−F矢示線における断面図である。 同ホースクランプにおいて、挟持部材に対して操作部材を移動させる際の、第3状態を示す斜視図である。 図10のG−G矢示線における断面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係るホースクランプの一実施形態について説明する。
図10に示すように、本発明のホースクランプ10は、パイプ状をなす配管Pの一端部に被せられたホースHの外周を締め付けて、配管PにホースHを固定するために用いられるものである。そして、このホースクランプ10は、図1に示すように、金属製のクランプ20と、合成樹脂製の挟持部材30と、合成樹脂製の操作部材50とを備えている。
前記クランプ20は、ステンレスやバネ鋼材等の金属材料を、環状に湾曲されてなり、ホースHの外周を囲むように装着されるリング状本体21と、その周方向両端部に設けられた一対のツマミ部23,25とを有している。
また、この実施形態におけるリング状本体21は、その周方向の一端部26に、周方向に沿って延びるスリット27が所定長さで形成されており、このスリット27の先端側において、一端部26を外径方向に向けて折曲させることで、外径方向に突出し且つアーチ形状をなした前記ツマミ部23が設けられている。
一方、リング状本体21の周方向の他端部には、前記スリット27内に差し込まれると共に、リング状本体21が拡径又は縮径したときに、スリット27内を周方向にスライドする差込片28が形成されている。この差込片28の先端側を外径方向に向けて折曲させることで、外径方向に突出したもう一つの前記ツマミ部25が設けられている。これらの一対のツマミ部23,25は対向して配置されている。
そして、リング状本体21は、一対のツマミ部23,25が離反した状態で縮径した自由状態となり(図10参照)、一対のツマミ部23,25を近接させたときに弾性力に抗して拡径するように構成されている(図1参照)。
一方、挟持部材30は、操作部材50に係止する係止部31と、該係止部31に連設されて、一対のツマミ部23,25を近接した状態で挟持する、拡開可能な挟持部33とを有している。
図1に示すように、この実施形態の挟持部33は、クランプ20の幅方向(周方向に直交する方向)に延びる長尺状の基部35を有しており、この基部35の長手方向に沿った両側部の裏面側から、薄肉のヒンジ部38を介して、撓み変形して拡開可能とされた一対の脚部37,37が延設されている。なお、薄肉のヒンジ部38は、一対の脚部37,37の基端側内面に円弧状の凹みを設けることで形成されており、脚部37,37の外面側に凹みは設けられていない。また、一対の脚部37,37の延出方向先端部からは、鍔状をなした嵌合部39,39が、互いに離れるように外方に向けて突設されている。
なお、一対の脚部37,37は、常時は、略ハの字状をなすように、延出方向先端どうしが互いに広がるように拡開している(図2参照)。そして、操作部材50の、後述する収容部51内に収容された状態で、収容部51の内面57,57に押圧されて、一対の脚部37,37が撓み変形して閉じて、一対のツマミ部23,25を近接した状態で維持するようになっている(図5参照)。
また、図2に示すように、この一対の脚部37,37の、後述する操作部材50の収容部51への収容前の最大外径D1(ここでは、自由状態における脚部37,37の、嵌合部39を除く、延出方向最先端側の外側面どうしの距離)は、収容部51の最小内径D2(後述する収容部51の内面57,57間の距離)よりも大きく、また、図5に示すように、挟持部材30が収容部51に収容された状態で、一対の脚部37,37が収容部51の内面57に弾接するように構成されている。
更にこの実施形態においては、図5に示すように、収容部51に挟持部材30が収容されて、一対の脚部37,37の外面が、収容部51の内面57,57に当接した状態では、一対の脚部37,37の内面どうしが互いに平行となり、クランプ20の一対のツマミ部23,25の外面に、ほぼ隙間なく当接するように構成されている。
また、図1に示すように、前記基部35の表面側中央から、長板状をなした支持部41が立設されており、この支持部41に、係止片43,43が左右方向に互い違いとなるように設けられている。すなわち、支持部41の長手方向一端部の一側面、及び、長手方向他端部の他側面に、係止片43,43が設けられている。ただし、係止片は、1個や3個以上であってもよく、個数は限定されず、また、係止片の形状も特に限定されない。
図3に示すように、各係止片43は、その基端側が支持部41の立設方向先端部に連結され、前記基部35側に向けて斜め外方に広がるように延出した碇足状をなしており、その自由端部が後述する操作部材50の第1係合部61や第2係合部63に係合するようになっている(図5及び図11参照)。
また、図1に示すように、支持部41の両側面であって、各係止片43に隣接する位置には、前記基部35の表面側から支持部41の立設方向先端側に向けて、次第に高さが低くなるように傾斜したテーパ部45がそれぞれ設けられており、挟持部材30を操作部材50の収容部51に収容しやすくなっている。
上記の挟持部材30は合成樹脂から一体形成されるが、この合成樹脂としては、例えば、ポリアセタール(POM)や、ポリアミド(PA)、フッ素樹脂、ポリブチレンテレフタート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂や、これらの合成樹脂に、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維等を含有させて補強した合成樹脂を挙げることができる。
なお、挟持部材としては、少なくとも一対のツマミ部23,25を近接した状態で挟持する、拡開可能な挟持部を有していればよく、上記形状に限定されるものではない。
一方、図1に示すように、操作部材50は、挟持部材30を収容して挟持部33の拡開を規制し、一対のツマミ部23,25の近接状態を維持する収容部51を有している。また、この実施形態の操作部材50は、挟持部材30に対して操作部材50を相対的に移動させることが可能な、操作部70を更に有している。この実施形態における操作部70は円環状をなしている。ただし、操作部としては、挟持部材に対して操作部材を移動させることができるように、把持可能な形状や構造であればよく、特に限定はされない。
そして、このホースクランプ10においては、収容部51に挟持部材30を収容して、挟持部33の拡開が規制された状態から、挟持部材30に対して操作部材50を移動させることで、挟持部33を収容部51から露出させて拡開可能とし、それにより一対のツマミ部23,25が離反可能となるように構成されている。
この実施形態における収容部51は、矩形枠状(ここでは四角枠状)をなしており、また、図3に示すように、収容部51の幅方向中央部に、断面長孔状をなす内部空間53が、収容部51の厚さ方向に沿って形成されている。なお、収容部51の「幅方向」とは、収容部51の、環状をなした操作部70の開口向きに対して直交した方向に沿った方向を意味しており、また、収容部51の「厚さ方向」とは、挟持部材30に対する操作部材50の移動方向に沿った方向を意味している(以下の説明においても同様)。
更に、前記内部空間53は、操作部70側が開口すると共に、それとは反対側も開口している。そして、内部空間53の、操作部70とは反対側の開口が、収容部51から挟持部33を露出させる際の開口をなしており、この開口の周縁部には、挟持部33の脚部37,37の先端側に設けた嵌合部39,39が嵌合する、凹状をなした嵌合凹部55が形成されている。なお、内部空間53は、互いに平行な内面57,57を有しており、これらの内面57,57間の距離が、前述した収容部51の最小内径D2をなしている(図2参照)。
更に図3に示すように、内部空間53の長手方向一端部の一方の内面57側、及び、長手方向他端部の他方の内面57側に、スライド溝部59,59が互い違いに設けられている。各スライド溝部59は、収容部51の厚さ方向に沿って凹溝状に形成されており、内部空間53に連通すると共に、収容部51の側方に対しても開口している。
また、収容部51には、挟持部33が一対のツマミ部23,25を挟持した状態で、収容部51に収容されるとき、その収容状態を維持するように挟持部材30に係合し、かつ、その係合を、一対のツマミ部23,25と挟持部33との間に生じる摩擦力(ここでは、一対のツマミ部23,25の外面と、挟持部33の一対の脚部37,37の内面との間に生じる摩擦力)よりも小さな荷重で、解除可能とした第1係合部61が設けられている。
なお、このホースクランプ10においては、図5に示すように、収容部51に挟持部材30を収容して、挟持部33の拡開が規制された状態において、一対のツマミ部23,25と挟持部33との間に生じる摩擦力(ここでは、一対のツマミ部23,25の外面と、一対の脚部37,37の内面との間の摩擦力)は、収容部51と挟持部材30との間に生じる摩擦力(ここでは、収容部51の内面57,57と、一対の脚部37,37の外面との摩擦力)よりも、大きくなるように構成されている。したがって、挟持部材30に対して操作部材50を移動させたときに、挟持部33と一対のツマミ部23,25との挟持状態が解除される前に、挟持部33を収容部5から露出させることが可能となっている。
図2に示すように、この実施形態においては、各スライド溝部59の底面であって、収容部51の、挟持部材30を露出させる際の開口とは反対側の、前記操作部70寄りの位置に、段状をなすように第1係合部61が設けられている。そして、図5に示すように、挟持部33が一対のツマミ部23,25を挟持した状態で、収容部51の内部空間53に挟持部材30が収容されると、挟持部材30の各係止片43の自由端部が、各第1係合部61にそれぞれ係合すると共に、一対の脚部37,37が収容部51の内面57,57に押圧されて閉じて、一対のツマミ部23,25が近接した状態で挟持して、収容部51に挟持部材30が収容された状態が維持される。
更にこの実施形態においては、収容部51は、挟持部材30に対して操作部材50を、リング状本体21の外径方向に引っ張ることにより、第1係合部61と挟持部材30との係合が解除されて、挟持部材30に対して操作部材50がスライドして、挟持部33が露出するように、挟持部材30を収容している。すなわち、第1係合部61と挟持部材30の係止片43との係合は、操作部材50を、リング状本体21の外径方向に所定の力以上で引っ張ることにより、係止片43が第1係合部61から外れて解除できるように構成されている。
また、収容部51には、図11に示すように、該収容部51から挟持部33が露出した状態で、挟持部材30と係合して、操作部材50から挟持部材30が離脱するのを規制する、第2係合部63が設けられている。この実施形態においては、各スライド溝部59の底面であって、収容部51の、挟持部材30を露出させる際の開口周縁に、突起状をなした第2係合部63が形成されている。
そして、図5に示すように、挟持部材30の各係止片43の自由端部が各第1係合部61に係合して、一対の脚部37,37が閉じて、一対のツマミ部23,25が近接状態に維持され、収容部51に挟持部材30が収容された状態から、操作部70を把持して、挟持部材30に対して操作部材50を移動させる、ここでは、図5の矢印Eに示すように、挟持部材30に対して操作部材50を、リング状本体21の外径方向に引っ張る。
すると、図6や図7に示すように、各係止片43の自由端部が、各第1係合部61から外れて、その係合が解除されると共に、挟持部材30に対して操作部材50がスライドして、収容部51の露出側開口から、挟持部33の各脚部37の先端側や嵌合部39が露出していく。このとき、主として、挟持部33の一対の脚部37,37の外面が、収容部51の内面57,57に摺接しつつ、挟持部材30に対して操作部材50が位置ずれするように移動するので、挟持部33の一対の脚部37,37の外面と、収容部51の内面57,57との間に摩擦力が作用する。これは、以下に図8〜11を併せて参照して説明する、挟持部材30に対する操作部材50のスライド状態でも同様である。
更に操作部材50を引っ張ると、図8や図9に示すように、各係止片43の自由端部が、収容部51内に設けた各スライド溝部59の底面上を摺接しながら、挟持部材30に対して操作部材50がスライドしていき、収容部51の露出側開口からの、挟持部33の各各脚部37の露出量が増大する。
更に操作部材50を引っ張ると、図10や図11に示すように、収容部51の露出側開口からの、挟持部33の各脚部37の露出量が更に増大すると共に、各スライド溝部59の底面上を摺接した、各係止片43の自由端部が、突起状の第2係合部63に係合して、挟持部材30に対する操作部材50のそれ以上のスライド移動が阻止されて、操作部材50からの挟持部材30の離脱が規制されるようになっている。
上記のようにして、挟持部33の一対の脚部37,37を収容部51から露出させると、収容部51の内面57,57によって押圧されて内方に撓み変形した一対の脚部37,37が、弾性復帰して互いに離れる方向に拡開すると共に、一対のツマミ部23,25の近接状態が解除されて、一対のツマミ部23,25が開放された状態となり、その結果、リング状本体21が自身の弾性力によって縮径し、一対のツマミ部23,25が離反する(図10及び図11参照)。このとき、図11に示すように、離反した一対のツマミ部23、25によって、挟持部材30の一対の脚部37,37が押し広げられて、その嵌合部39,39の外径方向先端が、収容部51の底面に当接するようになっている。
また、この実施形態においては、挟持部材30の脚部37の、撓み変形時の支点となるヒンジ部38が、収容部51の露出側開口に対して、以下のような関係となっている。すなわち、図5や図7に示すように、収容部51に挟持部材30が収容されて、脚部37のヒンジ部38が、収容部51の露出側開口よりも奥方に位置する場合には、収容部51の内面57,57が脚部37,37の外面に当接するため、脚部37,37の開きが規制されるが、図9や図11に示すように、挟持部材30に対して操作部材50がスライドして、脚部37のヒンジ部38が、収容部51の露出側開口から露出すると、収容部51の内面57,57が、脚部37,37の外面に当接しなくなるため、脚部37,37が拡開可能な状態となる。
上記の操作部材50は合成樹脂から一体形成されるが、この合成樹脂としては、例えば、ポリアセタール(POM)や、ポリアミド(PA)、フッ素樹脂、ポリブチレンテレフタート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂や、これらの合成樹脂に、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維等を含有させて補強した合成樹脂を挙げることができる。また、上述した挟持部材30と関連して、挟持部材30又は操作部材50の一方は、ポリアセタールからなり、挟持部材30又は操作部材50の他方は、ポリアミドからなることが好ましい。
なお、操作部材としては、少なくとも収容部と操作部とを有し、収容部に第1係合部が設けられていればよく、上記形状に限定されるものではない。
また、この実施形態においては、上述したように、挟持部材30に対して操作部材50を移動させること、すなわち、リング状本体21の外径方向に引っ張ることで、操作部材50をスライドさせて、収容部51から挟持部33が露出するように構成されているが、挟持部材に対して操作部材を、リング状本体の軸方向(すなわち、ホースクランプで締付け固定されるホースの軸方向)に移動させることで、操作部材をスライドさせて、その収容部から挟持部が露出するように構成されていてもよく、特に限定はされない。
次に、上記構成からなるホースクランプ10を用いて、ゴム等の材質からなる可撓性のホースHを、パイプ等の配管Pに締め付け固定する際の手順について説明する。
すなわち、一対のツマミ部23,25が互いに離反して、クランプ20のリング状本体21が縮径した状態(図10参照)から、一対のツマミ部23,25をプライヤやペンチ等の工具によって摘まんで、リング状本体21の弾性力に抗して、一対のツマミ部23,25を近接させる。こうして近接させた一対のツマミ部23,25の外側に、挟持部材30の挟持部33の一対の脚部37,37を配置して、一対のツマミ部23,25を近接状態で挟持しつつ、収容部51の嵌合凹部55側の開口から挿入して押し込んでいく。この状態が図2に示されている。なお、便宜上、図2においては、クランプ20を省略している。
すると、挟持部材30は、テーパ部45によりガイドされながら、その係止部31が収容部51の内部空間53に挿入されると共に、各係止片43が、突起状の第2係合部63を乗り越えて、各スライド溝部59内に挿入される。その後、各係止片43の自由端部が、第1係合部61に係合するまで、挟持部材30を押し込むことによって、収容部51に挟持部材30が収容される。
この状態では、図5に示すように、収容部51の内面57,57によって、挟持部33の一対の脚部37,37が押圧されて、その拡開が規制されることで、一対のツマミ部23,25が近接状態に維持されると共に、各係止片43の自由端部が、各第1係合部61に係合することで、収容部51に挟持部材30が収容された状態に維持される。また、この状態では、挟持部33の各脚部37の嵌合部39が、収容部51の嵌合凹部55に嵌合するようになっている。
このように、このホースクランプ10においては、挟持部材30の挟持部33で、クランプ20の一対のツマミ部23,25が近接した状態で、挟持部33で一対のツマミ部23,25を挟持しながら、挟持部材30を操作部材50の収容部51に収容することにより、一対のツマミ部23,25の近接状態を維持して、クランプ20のリング状本体21を拡径した状態に維持することができる。
このとき、この実施形態においては、図2に示すように、一対の脚部37,37の、操作部材50の収容部51への収容前の最大外径D1は、収容部51の最小内径D2よりも大きく、また、図5に示すように、挟持部材30が収容部51に収容された状態で、一対の脚部37,37が収容部51の内面57,57に弾接するように構成されている。この態様によれば、収容部51に挟持部33が収容された状態で、一対の脚部37,37が、収容部51の内面57,57に弾接するので、挟持部33のガタ付きを抑制して、クランプ20に挟持部材30を安定して取付けることができる。また、収容部51への収容前において、一対の脚部37,37は、その最大外径D1が収容部51の最小内径D2よりも大きくなるように拡開するため、近接状態とした一対のツマミ部23,25を、一対の脚部37,37の間に挿入しやすくすることができると共に、この状態で、収容部51に挟持部33を収容させることで、一対のツマミ部23,25を近接状態に維持することができ、クランプ20への挟持部材30の取付け作業性を高めることができる。
その後、配管Pの一端部外周に装着されたホースHの外周に、拡径状態のリング状本体21を配置する。その状態で、操作部70を把持して、挟持部材30に対して操作部材50を移動させる。ここでは、図5の矢印Eに示すように、挟持部材30に対して操作部材50を、リング状本体21の外径方向に引っ張る。すると、図7や図8に示すように、各係止片43の自由端部が、各第1係合部61から外れて、その係合が解除されると共に、挟持部材30に対して操作部材50がスライドして、収容部51の開口から、挟持部33の各脚部37が徐々に露出する。更に操作部材50を引っ張ると、図8や図9に示すように、挟持部材30に対して操作部材50がスライドして、収容部51の開口からの各脚部37の露出量が増大し、更に操作部材50を引っ張ると、図10や図11に示すように、収容部51の開口からの、挟持部33の各脚部37の露出量が更に増大すると共に、各係止片43の自由端部が第2係合部63に係合して、挟持部材30に対する操作部材50のそれ以上のスライド移動が阻止されて、操作部材50からの挟持部材30の離脱が規制される。
上記のようにして、挟持部33の一対の脚部37,37が収容部51から露出させると、一対の脚部37,37が弾性復帰して互いに離れる方向に拡開すると共に、一対のツマミ部23,25の近接状態が解除されて、一対のツマミ部23,25が開放された状態となるので、図10や図11に示すように、リング状本体21が自身の弾性力によって、一対のツマミ部23,25が離反して縮径して、ホースHを締め付けて、ホースクランプ10を介して、配管PにホースHを固定することができる。
また、上記のように、操作部材50を引っ張るとき、挟持部33の一対の脚部37,37の外面が、収容部51の内面57,57に摺接しつつ、挟持部材30に対して操作部材50が位置ずれするように移動するため、挟持部33の一対の脚部37,37の外面と、収容部51の内面57,57との間に摩擦力が作用する。しかし、このホースクランプ10においては、挟持部材30及び操作部材50が共に合成樹脂製であるので、樹脂どうしの摩擦力が作用することになり、金属と樹脂との摩擦力に比べて摩擦抵抗を小さくして、挟持部材30に対して操作部材50を移動させやすくすることができる。また、収容部51から挟持部33を露出させることで、リング状本体21の弾性力によって、一対のツマミ部23,25が離反する方向に広がって、挟持部33を拡開させることができるので、挟持部材30による一対のツマミ部23,25の近接状態が迅速に解除されて、クランプ20から挟持部材30や操作部材50を取り外しやすくすることができると共に、拡径状態のクランプ20を容易に縮径させることができる。
また、この実施形態においては、収容部51には、挟持部33が一対のツマミ部23,25を挟持した状態で、収容部51に収容されるとき、その収容状態を維持するように挟持部材30に係合し、かつ、その係合を、一対のツマミ部23,25と挟持部33との間に生じる摩擦力よりも小さな荷重で、解除可能とした第1係合部61が設けられている。そのため、挟持部材30に対して操作部材50を移動させるまでは、収容部51から挟持部33が露出しない状態となるように、収容部51の所定位置に挟持部材30を維持することができると共に、挟持部材30に対して操作部材50を移動させると、一対のツマミ部23,25と挟持部33との間の係合を解除することなく、第1係合部61の係合を解除して、挟持部材30に対して操作部材50を移動させて、挟持部33を収容部51から露出させることができる。
更に、この実施形態においては、収容部51は、挟持部材30に対して操作部材50を、リング状本体21の外径方向に引っ張ることにより、第1係合部61と挟持部材30との係合が解除されて、挟持部材30に対して操作部材50がスライドして、挟持部33が露出するように、挟持部材30を収容している。この態様によれば、操作部材50の収容部51に挟持部材30が収容された状態で、図5の矢印Eに示すように、挟持部材30に対して操作部材50を、リング状本体21の外径方向に向けて引っ張ることで、図11に示すように、挟持部材30に対してスライドして収容部51から挟持部33が露出し、挟持部33が拡開して一対のツマミ部23,25を開放するので、操作部材50や挟持部材30の構造をシンプルにしつつ、挟持部材30に対する操作部材50の移動操作をしやすくすることができる。
また、この実施形態においては、収容部51には、該収容部51から挟持部33が露出した状態で、挟持部材30と係合して、操作部材50から挟持部材30が離脱するのを規制する、第2係合部63が設けられている。この態様によれば、一対のツマミ部23,25を近接状態で挟持した挟持部33が、収容部51に収容された状態から、挟持部材30に対して操作部材50を移動させて、収容部51から挟持部33が露出しても、図11に示すように、収容部51の第2係合部63に、挟持部材30(ここでは係止片43の自由端部)が係合するので、操作部材50から挟持部材30が脱落することを確実に防止することができ、また、操作部材50から挟持部材30が脱落しないため、挟持部材30に対して操作部材50を慎重に移動させる必要がないので、短時間で挟持部33を拡開させることができ、挟持部33による一対のツマミ部23,25の近接状態を、より容易に解除することができる。
更に、この実施形態においては、挟持部材30又は操作部材50の一方は、ポリアセタールからなり、挟持部材30又は操作部材50の他方は、ポリアミドからなるので、一対のツマミ部23,25を近接状態に挟持した挟持部33が、収容部51に収容された状態から、挟持部材30に対して操作部材50を移動させる際に、挟持部材30と操作部材50との間に生じる摩擦力をより軽減させることができ、挟持部材30に対して操作部材50をよりスムーズに移動させることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で、各種の変形実施形態が可能であり、そのような実施形態も本発明の範囲に含まれる。
10 ホースクランプ
20 クランプ
21 リング状本体
23,25 ツマミ部
30 挟持部材
33 挟持部
37 脚部
50 操作部材
51 収容部
57 内面
61 第1係合部
63 第2係合部
70 操作部

Claims (6)

  1. 環状に湾曲されてなり、ホースの外周を囲むように装着されるリング状本体、及び、その周方向両端部に設けられた一対のツマミ部を有しており、前記リング状本体は、前記一対のツマミ部が離反した状態で縮径した自由状態となり、前記一対のツマミ部を近接させたときに弾性力に抗して拡径する、金属製のクランプと、
    前記一対のツマミ部を近接した状態で挟持する拡開可能な挟持部を有する、合成樹脂製の挟持部材と、
    前記挟持部材を収容して前記挟持部の拡開を規制し、前記一対のツマミ部の近接状態を維持する収容部を有する、合成樹脂製の操作部材とを備え、
    前記収容部に前記挟持部材を収容して、前記挟持部の拡開が規制された状態から、前記挟持部材に対して前記操作部材を移動させることで、前記挟持部を前記収容部から露出させて拡開可能とし、それにより前記一対のツマミ部が離反可能となるように構成されていることを特徴とするホースクランプ。
  2. 前記収容部には、前記挟持部が前記一対のツマミ部を挟持した状態で、前記収容部に収容されるとき、その収容状態を維持するように前記挟持部材に係合し、かつ、その係合を、前記一対のツマミ部と前記挟持部との間に生じる摩擦力よりも小さな荷重で、解除可能とした第1係合部が設けられている請求項1記載のホースクランプ。
  3. 前記収容部は、前記挟持部材に対して前記操作部材を、前記リング状本体の外径方向に引っ張ることにより、前記第1係合部と前記挟持部材との係合が解除されて、前記挟持部材に対して前記操作部材がスライドして前記挟持部が露出するように、前記挟持部材を収容している請求項2記載のホースクランプ。
  4. 前記収容部には、該収容部から前記挟持部が露出した状態で、前記挟持部材と係合して、前記操作部材から前記挟持部材が離脱するのを規制する、第2係合部が設けられている請求項2又は3記載のホースクランプ。
  5. 前記挟持部は、撓み変形して拡開可能な一対の脚部を有しており、この一対の脚部の、前記収容部への収容前の最大外径は、前記収容部の最小内径よりも大きく、前記挟持部材が前記収容部に収容された状態で、前記一対の脚部が前記収容部の内面に弾接する請求項1〜4のいずれか1つに記載のホースクランプ。
  6. 前記挟持部材又は前記操作部材の一方は、ポリアセタールからなり、前記挟持部材又は前記操作部材の他方は、ポリアミドからなる請求項1〜5のいずれか1つに記載のホースクランプ。
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