JP2018193705A - スペーサー - Google Patents

スペーサー Download PDF

Info

Publication number
JP2018193705A
JP2018193705A JP2017096253A JP2017096253A JP2018193705A JP 2018193705 A JP2018193705 A JP 2018193705A JP 2017096253 A JP2017096253 A JP 2017096253A JP 2017096253 A JP2017096253 A JP 2017096253A JP 2018193705 A JP2018193705 A JP 2018193705A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
angle
spacer
reinforcing material
space
continuous fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017096253A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6946602B2 (ja
Inventor
敏政 秋月
Toshimasa Akizuki
敏政 秋月
阿部 好則
Yoshinori Abe
好則 阿部
秋夫 井戸
Akio Ido
秋夫 井戸
剛 榎本
Takeshi Enomoto
剛 榎本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
PSK CO Ltd
TAKAHASHI SEISAKUSHO KK
PS Mitsubishi Construction Co Ltd
Takahashi Seisakusho KK
Original Assignee
PSK CO Ltd
TAKAHASHI SEISAKUSHO KK
PS Mitsubishi Construction Co Ltd
Takahashi Seisakusho KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by PSK CO Ltd, TAKAHASHI SEISAKUSHO KK, PS Mitsubishi Construction Co Ltd, Takahashi Seisakusho KK filed Critical PSK CO Ltd
Priority to JP2017096253A priority Critical patent/JP6946602B2/ja
Publication of JP2018193705A publication Critical patent/JP2018193705A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6946602B2 publication Critical patent/JP6946602B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Bridges Or Land Bridges (AREA)
  • Refuge Islands, Traffic Blockers, Or Guard Fence (AREA)

Abstract

【課題】プレキャスト壁材の補強材にその軸方向への滑りに対する高い抵抗力を伴って取り付けられ得るスペーサーを提供する。【解決手段】このスペーサーは、それぞれバネ鋼材を用いて一体に形成された基部とこの基部の両端に延設された2つの板状の脚部とを有し、2つの脚部の開脚角度が第1の角度から弾性変形により変更可能とされ、2つの脚部が、補強材の軸方向に対応する第1の方向に貫通し、かつ前記第1の方向に対して直交する第2の方向の一面が開放された貫通空間を形成する切り欠き部を有し、2つの脚部の開脚角度が第1の角度から第2の角度に縮小されたとき、貫通空間の前記開放された一面が補強材を径方向に貫通空間内に導入可能な大きさ切り替わり、貫通空間内への補強材の導入により2つの脚部の開脚角度が第1の角度と第2の角度との間の第3の角度に固定されるように構成されたものである。【選択図】図1

Description

本発明は、道路橋の床版の両側の側端部に立設された補強材を用いてプレキャスト壁材を設置する場合に、プレキャスト壁高欄に設けられた貫通孔の内壁面と補強材の外周面との間に適切な隙間を確保するために用いられるスペーサーに関する。
道路橋には、路面からの車両の逸脱、転落防止を目的として防護柵や防護壁が設けられている。防護柵には、例えば、適宜間隔に支柱を立てて複数本のレールを水平方向に配置する鋼製の構造などがある。防護壁には、例えば、地覆上に連続した壁を立設するコンクリート製の構造がある。コンクリート構造の防護壁は、現地にて鉄筋及び型枠を組み立て、コンクリートを打設する方法が一般的である。
工期短縮を目的としてプレキャスト部材を工場で製作して現地に搬入し、床版側端部と接合して防護柵を構築する方法もある。この場合の接合方法として、床版の側端部に連続繊維補強材を十分な定着長をとって直立に立設し、連続繊維補強材を収容可能な貫通孔を設けたプレキャスト壁材を搬入し、床版の側端部に立設した連続繊維補強材を貫通孔に挿入させた状態でプレキャスト壁材を床版の側端部の上に充填材などを介して高さを調整して設置し、連続繊維補強材が収容された貫通孔内の隙間にセメント系充填材を充填する、といった方法が知られる(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−160690号公報
ここで、床版の側端部の上面から突出した連続繊維補強材の外周面とプレキャスト壁材の貫通孔の内壁面との間には、セメント系充填材が均一に充填されるように一定の隙間が確保される必要がある。そのため連続繊維補強材の外周面とプレキャスト壁材の貫通孔の内壁面との間にスペーサーが配置される。
スペーサーとしては、典型的にはドーナツ状スペーサーなどが用いられる。しかしながら、縦向きに配設される連続繊維補強材にドーナツ状のスペーサーを取り付けると、床版の側端部に立設された連続繊維補強材に貫通孔を挿入させながらプレキャスト壁材を降下設置される際に、貫通孔の内壁がスペーサーと当接してスペーサーに下向きの力が加わることによってスペーサーが元の取り付け位置から下方にずれるおそれがある。スペーサーが下方にずれると、連続繊維補強材の上部の外周面と貫通孔の内壁面との隙間にバラツキが生じやすくなる。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、補強材にその軸方向への滑りに対する高い抵抗力を伴って取り付けられることによって、上からの圧を受けて下方にずれることを防止することのできるスペーサーを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るスペーサーは、立設された補強材と、この補強材を収容する貫通孔を有するプレキャスト壁材の前記貫通孔の内壁面との隙間を確保するために用いられるスペーサーであって、それぞれバネ鋼材を用いて一体に形成された基部とこの基部の両端に延設された2つの板状の脚部とを有し、前記2つの脚部の開脚角度が第1の角度から弾性変形により変更可能とされ、前記2つの脚部が、前記補強材の軸方向に対応する第1の方向に貫通し、かつ前記第1の方向に対して直交する第2の方向の一面が開放された貫通空間を形成する切り欠き部を有し、前記2つの脚部の開脚角度が前記第1の角度から第2の角度に縮小されたとき、前記貫通空間の前記開放された一面が前記補強材を径方向に前記貫通空間内に導入可能な大きさ切り替わり、前記貫通空間内への前記補強材の導入により前記2つの脚部の開脚角度が前記第1の角度と前記第2の角度との間の第3の角度に固定されるように構成されたものである。
このスペーサーでは、弾性変形により2つの脚部の開脚角度を第1の角度から第2の角度に縮小することによって貫通空間の開放された一面が補強材を径方向に貫通空間内に導入可能な大きさ切り替わることによって、作業員は片手で容易にスペーサーを補強材に取り付けることができる。また、貫通空間内への補強材の導入により2つの脚部の開脚角度が第1の角度と第2の角度との間の第3の角度に固定されることによって、スペーサーの弾性力によって補強材が2つの脚部の切り欠き部の4つの端面に径方向より挟み込まれた状態で保持される。このため、スペーサーは補強材にその軸方向への滑りに対する高い抵抗力を伴って取り付けられ、床版の側端部に立設された補強材に貫通孔を挿入させながらプレキャスト壁材を降下設置させる際に、貫通孔の内壁がスペーサーと接触してスペーサーに下向きの力が加わったとしても、スペーサーが元の取り付け位置から下方にずれることを防止できる。
また、前記基部は、曲面形状を有する板バネ構造であってもよい。これにより、基部と2つの脚部の全体を弾性変形させることができ、全体の靭性が高くなる。
本発明のスペーサーは、プレキャスト壁材の補強材にその軸方向への滑りに対する高い抵抗力を伴って取り付けられ得る。これにより、床版の側端部に立設された補強材に貫通孔を挿入させながらプレキャスト壁材を降下設置させる際に、貫通孔の内壁がスペーサーと接触してスペーサーに下向きの力が加わったとしても、スペーサーが元の取り付け位置から下方にずれることを防止できる。また、取り付け作業が容易であり、工期短縮を図ることができる。
本発明の一実施形態に係るプレキャスト壁高欄の構造を橋軸方向から示す縦断面図である。 図1のプレキャスト壁高欄の設置工程を示す縦断面図である。 同じくプレキャスト壁高欄の設置工程を示す縦断面図である。 同じくプレキャスト壁高欄の設置工程を示す縦断面図である。 同じくプレキャスト壁高欄の設置工程を示す縦断面図である。 図1のプレキャスト壁高欄におけるプレキャスト壁材の貫通孔内の連続繊維補強材およびスペーサーを示す拡大縦断面図である。 本発明の一実施形態に係るスペーサーの斜視図である。 図7のスペーサーをO−Y方向から見た側面図である。 図7のスペーサーをZ−O方向から見た上面図である。 図7のスペーサーをX−O方向から見た側面図である。 スペーサーの貫通空間に連続繊維補強材を導入する前の側面図である。 スペーサー10の貫通空間に連続繊維補強材を導入する時の側面図である。 スペーサー10貫通空間に連続繊維補強材3を導入した後の側面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
本実施形態は、道路橋の床版の両側の側端部に立設された連続繊維補強材を補強材として用いてプレキャスト壁材を設置する場合に、プレキャスト壁高欄に設けられた貫通孔の内壁面と連続繊維補強材の外周面との間に適切な隙間を確保するために用いられるスペーサーに関するものである。
はじめに、スペーサーが用いられる対象であるプレキャスト壁高欄の構造について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る道路橋防護柵であるプレキャスト壁高欄1の構造を橋軸方向から示す縦断面図である。
同図に示すように、道路橋の床版2の両側の側端部2aの上面2cには、この床版2の側端部2aの上に立設されるプレキャスト壁高欄1の補強材としての連続繊維補強材3が直立に立設される。一方、プレキャスト壁材4は連続繊維補強材3を個々に収容可能な貫通孔4aを有し、この貫通孔4aに連続繊維補強材3を収容するようにして立設される。そして、プレキャスト壁材4の各貫通孔4a内に高流動性を有するセメント系充填材5が充填される。
(床版2及び連続繊維補強材3について)
床版2は、例えばプレキャストコンクリート製、現場打ち鉄筋コンクリート製などのコンクリート系材料により構成される。
連続繊維補強材3には、例えば、炭素繊維、アラミド繊維及びガラス繊維の少なくともいずれか1つとエポキシ樹脂及びビニルエステル樹脂の少なくともいずれか1つを組み合せた複合材料が利用される。連続繊維補強材3は、鉄筋等の鋼材に比べ軽量で引張強度が高く、水分や塩分に対して優れた耐腐食性を有する。
連続繊維補強材3は曲げ成型により任意の形状にして用いることができる。本実施形態では、例えば、1本の芯材の周りに複数本の素線を所定のピッチでより合わせて構成される直径17.2mmのより線状の連続繊維補強材3をU字形に曲げ成型したものなどが用いられる。U字形の連続繊維補強材3は、そのU字形における下部の折返し部分3aが床版2のコンクリート中に埋め込まれて一体化される。そしてこのU字形の連続繊維補強材3の上部の2本の直立部分3bが床版2の側端部2aの上面2cから幅員方向に所定の距離を置いた位置で突出させてある。なお、U字形の連続繊維補強材3ではなく、例えばL字形の2本の連続繊維補強材を組み合せて本実施形態と同様の連続繊維補強材3を構成してもよい。また、床版2のコンクリート中に埋め込まれる先端に突起などの定着加工を施して、所要の定着強度を確保した2本の直線の連続繊維補強材を組み合せて本実施形態と同様の連続繊維補強材3を構成してもよい。
(プレキャスト壁材4について)
床版2の側端部2aの上にはプレキャストコンクリート製の壁材であるプレキャスト壁材4が、プレキャスト壁材4自身の設置位置の微調整を可能とするための空隙6aの部分に充填された無収縮モルタルや樹脂接着剤などの充填材6と微調整用の治具(図示せず)を介して設置される。
プレキャスト壁材4は、床版2の側端部2aに立設された各連続繊維補強材3を個々に収容可能な貫通孔4aを有し、この貫通孔4aに連続繊維補強材3を収容した状態で床版2の側端部2aの上に充填材6及び高さ調整用の冶具(図示せず)などを介して設置される。連続繊維補強材3が収容された貫通孔4a内にはセメント系充填材5が充填される。貫通孔4a内に充填されるセメント系充填材5としては、高強度、高流動性、早強性を有するモルタルが用いられる。このようなセメント系充填材5を用いることによって、工期の短縮、貫通孔4a内での連続繊維補強材3の定着強度向上を図れる。
貫通孔4aの内径は、連続繊維補強材3の外周面との間に適度なクリアランスが確保されてセメント系充填材5が貫通孔4a内に満遍なく充填されるように選定される。本実施形態では、例えば、40mm程度とされている。
連続繊維補強材3は水分及び塩分等に対して優れた耐腐食性を有するので、プレキャスト壁材4の外壁面から貫通孔4aまでの厚さは、コンクリート中の鉄筋の腐食進行を低減させるように決められるかぶり厚さ等を考慮しなくてよい。従来工法では70m程度必要であったかぶり厚は本実施形態では、例えば30mm程度とされている。
床版2の側端部2aとプレキャスト壁材4との互いの接合面2c、4cの間には、プレキャスト壁材4の設置位置の微調整を可能とするために空隙6aが設けられており、微調整後にこの空隙6aに無収縮モルタルや樹脂接着剤などの充填材6が充填される。床版2の側端部2aとプレキャスト壁材4との互いの接合面2c、4cの間の距離は、ライナープレートまたは硬質ゴムなどの高さ調整用の収具(図示せず)を使って微調整される。プレキャスト壁材4の設置位置の微調整とは、橋軸方向に連続するプレキャスト壁材4の各ブロックの上端面の高さと幅員方向での位置を揃えるための微調整である。高さの微調整についてはライナープレートまたは硬質ゴムなどの高さ調整用の収具(図示せず)を使って行われ、幅員方向での位置を揃えるための微調整は、上記の空隙6aの部分で連続繊維補強材3をプレキャスト壁材4の調整位置に合せて僅かに曲げることなどによって行われる。
(せん断補強について)
床版2の側端部2aと無収縮モルタルなどの充填材6との継ぎ手部分のせん断補強のため、床版2の側端部2aの上面(接合面2c)には第1のせん断キー2bが突設されている。
また、プレキャスト壁材4と無収縮モルタルなどの充填材6とのせん断補強のため、床版2の側端部2aとプレキャスト壁材4との間の空隙6aに充填された無収縮モルタルなとの充填材6によって第2のせん断キー6bが形成されるように、プレキャスト壁材4の接合面4cにはせん断キー形成室4bが設けられている。
これらのせん断補強によって、プレキャスト壁材4が水平方向の外圧を受けたときに、その外圧を床版2の側端部2aに伝達させることができ、床版2の側端部2aとプレキャスト壁材4の互いの接合部分で破断が生じることを回避できる。
(プレキャスト壁高欄の設置工法)
次に、本実施形態に係るプレキャスト壁高欄の設置工法について説明する。
なお、床版2のためのコンクリート材としてはプレキャストコンクリートが用いられる場合を想定する。この場合、連続繊維補強材3はプレキャストコンクリート工場内で床版2のプレキャストコンクリートの製作時に一体に設けられ、現場に搬入され、設置される。床版2が場所打ちコンクリートの場合には、床版2のコンクリート打設前に連続繊維補強材3を配置しておけばよい。
図2から図5は設置された床版2にプレキャスト壁材4を設置する工程を示す図である。
まず、図2に示すように、クレーンなどによって吊り上げられたプレキャスト壁材4を、床版2の側端部2aに立設された連続繊維補強材3がプレキャスト壁材4の貫通孔4aに下から挿入するように位置を合せながら降下させ、図3に示すように、プレキャスト壁材4を床版2の側端部2aの上に空隙6aを介して設置する。このとき、ライナープレートまたは硬質ゴムなどの高さ調整用の冶具(図示せず)を用いて、橋軸方向に連続するプレキャスト壁材4の各ブロックの上端面の高さを揃えるための微調整が行われる。同様に各ブロックの幅員方向での位置を揃えるための微調整も行われる。
微調整の完了後、図4に示すように、空隙6aに無収縮モルタルなどの充填材6が充填される。このとき、プレキャスト壁材4の接合面4cに設けられたせん断キー形成室4b内にも充填材6が充填されることによって第2のせん断キー6bが得られる。
次に、図5に示すように、プレキャスト壁材4の各貫通孔4a内にセメント系充填材5が充填される。このセメント系充填材5の充填は、プレキャスト壁材4の各貫通孔4aが重力方向に穿たれていることで、プレキャスト壁材4の貫通孔4aの上側の開口部からのセメント系充填材5の注入によって行われる。これにより、貫通孔4a内に連続繊維補強材3を安定して定着させることができる。
以上で、道路橋防護柵であるプレキャスト壁高欄1の設置が完了する。
[スペーサー]
次に、本実施形態のスペーサーについて説明する。
図6に示すように、床版2の側端部2aの上面から突出した連続繊維補強材3の外周面とプレキャスト壁材4の貫通孔4aの内壁面との間には、セメント系充填材5が均一に充填されるように、スペーサー10によって一定の隙間が確保される。
図7は本発明の一実施形態に係るスペーサー10の斜視図、図8は図7のスペーサー10をO−Y方向から見た側面図、図9は図7のスペーサー10をZ−O方向から見た上面図、図10は図7のスペーサー10をX−O方向から見た側面図である。
本実施形態のスペーサー10は、バネ鋼板などのバネ鋼材から曲げ加工などによって製作されたものである。このスペーサー10は、基部11と2つの脚部12、13からなる。基部11は、曲面形状を有する板バネ構造を有し、例えば略半円の円弧形断面を有する。2つの脚部12、13は基部11のX軸方向の両円弧端に各々対照的に延設される。2つの脚部12、13は、開脚角度Aが第1の角度(例えば110度など)から弾性変形により変更可能とされる。2つの脚部12、13の各々の先端部分12a、13bを互いに近付ける方向に同時に押圧すると、開脚角度Aが縮小するようにスペーサー10が全体的に弾性変形し、押圧を解除すると元の開脚角度Aに復帰するようになっている。
なお、2つの脚部12、13各々の基部11から離間する側の先端部分12a、13bは、作業員がこのスペーサー10を指で挟んで2つの脚部12、13の開脚角度Aを縮小する方向に弾性変形させる際に指からの力を受けやすいように適度な角度に曲げ加工されている。
また、一対の脚部12、13には各々、連続繊維補強材3の軸方向に対応する第1の方向(X軸方向)に貫通し、かつ第1の方向に対して直交する第2の方向(Y軸方向)の一面が開放された貫通空間を形成するための切り欠き部121、131が設けられている。切り欠き部121、131は、図9、図10の側面図にも示すように、連続繊維補強材3を保持するための保持空間を形成する保持領域122、132と、連続繊維補強材3をその径方向である第2の方向(Y軸方向)に保持空間内に導入するための導入空間を形成する導入領域123、133とが設けられる。すなわち、第1の方向(X軸方向)に貫通する貫通空間の全体は、保持領域122、132により形成される保持空間と、導入領域123、133によって形成される導入空間からなる。
なお、貫通空間、保持空間、および導入空間などの「空間」は三次元の空間を意味し、保持領域および導入領域などの「領域」は二次元の空間を意味することとする。
図11、図12、図13は連続繊維補強材3にスペーサー10を取り付ける際の動作を説明するための側面図であり、特にスペーサー10の開脚角度Aと、切り欠き部121、131によって形成される貫通空間(保持空間、導入空間)との関係を示した図である。
図11はスペーサー10の貫通空間(導入空間)に連続繊維補強材3を導入する前の状態を示す側面図である。スペーサー10の貫通空間に連続繊維補強材3を導入する前の2つの脚部12、13の開脚角度をA1(第1の角度)とする。この状態では、2つの脚部12、13の切り欠き部121、131によって形成される貫通空間において、導入領域123、133によって形成される導入空間のZ軸方向の幅Z1は連続繊維補強材3の径d未満である。
続いて、図12に示すように、2つの脚部12、13の各々の先端部分12a、12bを互いに近付ける方向に同時に押圧することによって開脚角度がA1から例えばA2(第2の角度)に縮小されるようにスペーサー10が全体的に弾性変形する。このようにスペーサー10が弾性変形すると、2つの脚部12、13の各々の切り欠き部121、131の導入領域123、133によって形成される導入空間のZ軸方向の幅Z1が連続繊維補強材3の径dよりも大きい値にまで拡がり、導入空間を通して連続繊維補強材3を保持領域122、132により形成される保持空間まで導入することが可能になる。
連続繊維補強材3を、そのまま2つの脚部12、13の各々の切り欠き部121、131の保持領域122、132によって形成される保持空間あるいはその直前まで導入したところで、2つの脚部12、13の押圧を解除すると(作業者が指をスペーサー10から離すと)、図13に示すように、スペーサー10の弾性力によって2つの脚部12、13の開脚角度がA2からA3(第3の角度)に拡がる。
ここで、貫通空間における導入空間と保持空間との関係を説明する。
図11から図13に示すように、保持領域122、132によって形成される保持空間のZ軸方向の幅Z2は、導入領域123、133により形成される導入空間のZ軸方向の幅Z1と同様2つの脚部12、13の開脚角度Aに応じて変化する。2つの脚部12、13の開脚角度A1、A2、A3において、保持領域122、132によって形成される保持空間のZ軸方向の幅Z2は導入領域123、133により形成される導入空間のZ軸方向の幅Z1より大とされ、その差異は、保持領域122、123の、基部11と逆側の先端位置P2が導入領域123、133の、基部11と逆側の先端位置P1よりもさらに先に拡張されていることによって与えられる。
この導入空間と保持空間との関係により、2つの脚部12、13の各々の先端部分12a、13aを互いに近付ける方向への押圧力の付与が解除されたとき、スペーサー10の弾性力によって2つの脚部12、13の開脚角度がA2からA3に拡がる。ここで、開脚角度A1、A2、A3の関係はA1>A3>A2とされている。このため、保持領域122、132によって形成される保持空間に連続繊維補強材3が保持された状態においてはスペーサー10の弾性力が働き、この弾性力によって連続繊維補強材3は径方向より2つの脚部12、13に挟み込まれた状態で保持空間に保持される。加えて、スペーサー10は、切り欠き部121、131の計4つの端面E1、E2、E3、E4が、連続繊維補強材3の周面の、軸方向にずれた4点と当接して連続繊維補強材3を保持する。
以上のことから、本実施形態のスペーサー10は、連続繊維補強材3にその軸方向への滑りに対する高い抵抗力を伴って取り付けられる。これにより、床版2の側端部2aに立設された連続繊維補強材3に貫通孔4aを挿入させながらプレキャスト壁材4を降下設置させる際に、貫通孔4aの内壁がスペーサー10と接触してスペーサー10に下向きの力が加わったとしても、スペーサー10が元の取り付け位置から下方にずれることを防止できる。スペーサー10の取り付け位置がずれないことによって、連続繊維補強材3の全長にわたって、プレキャスト壁材4の貫通孔4aの内壁面との間の所定の隙間を確保することができる。
また、本実施形態のスペーサー10は、作業員が片手で容易に連続繊維補強材3に取り付けたり、外したりし得るものである。これにより、工期短縮にも寄与し得る。
以上のように、本実施形態のスペーサー10を用いることによって、プレキャスト壁高欄の設置作業の工期短縮、施工品質の向上を図ることができる。
以上、本発明に係るスペーサーの実施形態を説明したが、本発明のスペーサーは、連続繊維補強材に取り付けられるものに限定されるものではなく、例えば、プレキャスト壁材を補強可能な様々な種類の補強材に取り付けられ得るものである。
本発明に係るスペーサーは、上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲で様々に変形して用いることが可能である。
2…床版
2a…側端部
3…連続繊維補強材
4…プレキャスト壁材
4a…貫通孔
5…セメント系充填材5
10…スペーサー
11…基部
12、13…脚部
121、131…切り欠き部

Claims (2)

  1. 立設された補強材と、この補強材を収容する貫通孔を有するプレキャスト壁材の前記貫通孔の内壁面との隙間を確保するために用いられるスペーサーであって、
    それぞれバネ鋼材を用いて一体に形成された基部とこの基部の両端に延設された2つの板状の脚部とを有し、
    前記2つの脚部の開脚角度が第1の角度から弾性変形により変更可能とされ、
    前記2つの脚部が、前記補強材の軸方向に対応する第1の方向に貫通し、かつ前記第1の方向に対して直交する第2の方向の一面が開放された貫通空間を形成する切り欠き部を有し、
    前記2つの脚部の開脚角度が前記第1の角度から第2の角度に縮小されたとき、前記貫通空間の前記開放された一面が前記補強材を径方向に前記貫通空間内に導入可能な大きさ切り替わり、前記貫通空間内への前記補強材の導入により前記2つの脚部の開脚角度が前記第1の角度と前記第2の角度との間の第3の角度に固定されるように構成された
    スペーサー。
  2. 請求項1に記載のスペーサーであって、
    前記基部は、曲面形状を有する板バネ構造である
    スペーサー。
JP2017096253A 2017-05-15 2017-05-15 スペーサー Active JP6946602B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017096253A JP6946602B2 (ja) 2017-05-15 2017-05-15 スペーサー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017096253A JP6946602B2 (ja) 2017-05-15 2017-05-15 スペーサー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018193705A true JP2018193705A (ja) 2018-12-06
JP6946602B2 JP6946602B2 (ja) 2021-10-06

Family

ID=64570016

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017096253A Active JP6946602B2 (ja) 2017-05-15 2017-05-15 スペーサー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6946602B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110593170A (zh) * 2019-09-12 2019-12-20 苏州交通工程集团有限公司 一种钢筋混凝土护栏的模板支护装置及其施工工艺
CN113373813A (zh) * 2021-06-04 2021-09-10 安徽智恒机械设备有限公司 用于道路遮板快速安装的辅助安装装置
JP2021147840A (ja) * 2020-03-18 2021-09-27 三井住友建設株式会社 道路とその施工方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4859513U (ja) * 1971-11-08 1973-07-28
JPS50100320U (ja) * 1974-01-23 1975-08-20
JPS54159811U (ja) * 1978-04-28 1979-11-08
US5533239A (en) * 1994-12-27 1996-07-09 Gall; Allen M. Adjustable compound cable beam profile clip
JP2004197551A (ja) * 2002-12-05 2004-07-15 Okabe Co Ltd アンカー用スペーサ
JP2006219895A (ja) * 2005-02-10 2006-08-24 Fukoku Sekiyu Kk 鉄筋コンクリート用スペーサ
JP2009013607A (ja) * 2007-07-02 2009-01-22 Kyowa Concrete Industry Co Ltd 練り積み擁壁工
JP2016160690A (ja) * 2015-03-03 2016-09-05 株式会社ピーエス三菱 道路橋防護柵及びその設置工法
JP2019138055A (ja) * 2018-02-09 2019-08-22 株式会社ティ・エス・プランニング アンカー固定治具

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4859513U (ja) * 1971-11-08 1973-07-28
JPS50100320U (ja) * 1974-01-23 1975-08-20
JPS54159811U (ja) * 1978-04-28 1979-11-08
US5533239A (en) * 1994-12-27 1996-07-09 Gall; Allen M. Adjustable compound cable beam profile clip
JP2004197551A (ja) * 2002-12-05 2004-07-15 Okabe Co Ltd アンカー用スペーサ
JP2006219895A (ja) * 2005-02-10 2006-08-24 Fukoku Sekiyu Kk 鉄筋コンクリート用スペーサ
JP2009013607A (ja) * 2007-07-02 2009-01-22 Kyowa Concrete Industry Co Ltd 練り積み擁壁工
JP2016160690A (ja) * 2015-03-03 2016-09-05 株式会社ピーエス三菱 道路橋防護柵及びその設置工法
JP2019138055A (ja) * 2018-02-09 2019-08-22 株式会社ティ・エス・プランニング アンカー固定治具

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110593170A (zh) * 2019-09-12 2019-12-20 苏州交通工程集团有限公司 一种钢筋混凝土护栏的模板支护装置及其施工工艺
JP2021147840A (ja) * 2020-03-18 2021-09-27 三井住友建設株式会社 道路とその施工方法
JP7129440B2 (ja) 2020-03-18 2022-09-01 三井住友建設株式会社 道路とその施工方法
CN113373813A (zh) * 2021-06-04 2021-09-10 安徽智恒机械设备有限公司 用于道路遮板快速安装的辅助安装装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6946602B2 (ja) 2021-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5667546B2 (ja) プレキャスト床版と、その継手構造及び連結方法
JP2018193705A (ja) スペーサー
JP5860576B2 (ja) プレキャスト柱梁の接合構造
JP2018141341A (ja) プレキャスト壁高欄の取付構造及び取付方法
JP6259807B2 (ja) 道路橋防護柵及びその設置工法
JP5061804B2 (ja) 一対のフルpc部材の接合構造
JP2014055517A (ja) プレキャスト柱梁の接合構造
JP2021071026A (ja) 柱梁接合構造
JP6861472B2 (ja) プレキャスト部材の接合構造
US6443418B1 (en) Ultra thin-type form panel, a form employing the same, and a method for constructing a foundation
JP5426047B1 (ja) プレキャストコンクリート躯体の構築方法
JP2008063802A (ja) プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合方法及び接合構造
KR20150010421A (ko) 캡빔 구조체
JP6660719B2 (ja) 柱梁仕口部−柱の接合構造、ラーメン高架橋及び柱梁仕口部−柱の接合構造の構築方法
KR100710583B1 (ko) Pc기둥과 철골보의 복합구조
KR102339464B1 (ko) 프리스트레스 도입의 단차 보정이 가능한 ps슬래브 구조물 및 이의 시공방법
JP6416713B2 (ja) プレキャストコンクリート製梁部材及びプレキャストコンクリート製梁部材へのプレストレスの導入方法
JP5024617B2 (ja) プレストレストコンクリート梁及びその構築方法
JP2009108500A (ja) プレキャスト梁構築方法、プレキャスト梁、プレキャスト梁接合構造、及び建物
JP6836873B2 (ja) ブレース取付け構造及びブレース取付け方法
JP5117022B2 (ja) プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合方法及び接合構造
JP6052460B2 (ja) 耐震補強構造および工法
JP6820208B2 (ja) プレキャストコンクリートブロックの接合部構造及びプレキャストコンクリートブロックの接合構造体
JP6159155B2 (ja) プレキャスト部材セット、プレキャスト部材の圧着方法、構造体
JP2021063337A (ja) 木質部材の補強構造及び木質部材の補強方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200430

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210323

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210524

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20210601

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20210601

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210817

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210818

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6946602

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350