JP2008063802A - プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合方法及び接合構造 - Google Patents

プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合方法及び接合構造 Download PDF

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裕次 石川
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Abstract

【課題】工期の短縮を実現し、施工性、経済性に優れた、プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合方法及び接合構造を提供する。
【解決手段】梁部材1の接合端部に切り欠き部1a、1bを設け、同切り欠き部を貫通する貫通孔2を設け、同貫通孔の一部又は全部に埋設したスリーブ継手3を備えた構成の二つのプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士を、ほぼ当接状態に近づけて対向配置に位置決めし、前記梁部材1、1の前記貫通孔2内へ跨って挿入可能なほぼU字形状の連結部材4、4を、外部から前記貫通孔2内のスリーブ継手3へ挿入して前記切り欠き部内へ納め、しかる後に、前記貫通孔内及び切り欠き部内へ硬化材5を充填してスリーブ継手部分を固定しプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士を接合する。
【選択図】図2

Description

この発明は、プレキャスト鉄筋コンクリート(以下適宜、PCaという。)梁部材同士の接合方法及び接合構造の技術分野に属する。
従来、PCa梁部材同士の接合方法及び接合構造は、図6A、Bに例示したように、対向するPCa梁部材a、aから突出した鉄筋b、b同士を接合してその接合部に後打ちコンクリート打設工事等の後工事(図示略)を行うことが一般的に行われる。ちなみに鉄筋b、b同士の接合(継手)方法には、圧接継手方法、溶接継手方法、機械式継手方法等が用いられ、前記鉄筋b、b同士を接合する作業を確実に行うべく、作業上の観点から、PCa梁部材a、a同士の間隔Lを150cm程度確保して行うのが一般的である(例えば、特許文献1の第1図、特許文献2の図4、及び特許文献3の図3参照)。ちなみに、図6A、Bは、PCa柱部材eの上方に複数の柱主筋cを突き出した構造形式(所謂串刺し工法等)で構築する実施例を示している。図中の符号dは、支保工を示している。
しかしながら、前記従来のPCa梁部材a、a同士の接合方法は、作業上の観点から、PCa梁部材a、a同士の間隔を150cm程度確保する必要があるので、前記鉄筋b、b同士の継手作業終了後は、梁部材a、a同士の間の隙間を埋めるべく、対向するPCa梁部材a、a同士の接合部近傍にコンクリート打設用の型枠を設置しコンクリートを打設して前記鉄筋b、b同士の継手部分とPCa梁部材a、a同士とを一体化させる大掛かりな後工事を行う必要があった。よって、工期が長期化し、不経済に過ぎるという問題があった。
ところで、図7は、PCa梁部材a、a同士の異なる接合方法を示している。この技術は、一方(図示例では左側)のPCa梁部材aに水平方向にスリーブ継手fを埋設し、他方(図示例では右側)のPCa梁部材aに水平方向に鉄筋bを突設させておき、当該他方のPCa梁部材aを水平方向(図示例では左方向)に移動させて当該鉄筋bを前記スリーブ継手fの内部へ挿入して納め、当該接合部分にグラウトを充填してPCa梁部材a、a同士の接合作業を行っている(例えば、特許文献4の図3参照)。
この図7に係る技術によると、PCa梁部材a、a同士の間隔を殆ど空けることなく当該接合部分(隙間)にグラウトを充填する程度の作業でPCa梁部材a、a同士を接合できる。よって、対向するPCa梁部材a、a同士の接合部近傍にコンクリート打設用の型枠を設置しコンクリートを打設する等の大掛かりな後工事は不要となり、大幅に簡略化することができるので、図6A、Bに係る技術と比して、後工事を簡略化させて工期の短縮を図ることができ、経済性に優れているように見える。
特開平3−212537号公報 特開平5−340003号公報 特開平5−86643号公報 特開2004−346587号公報
図7(例えば、特許文献4)に係る技術は、図6A、Bと比して、後工事を簡略化させて工期の短縮を図ることができるとは云うものの、それは、PCa梁部材aの水平方向の動きを許容する、PCa柱部材eの下方に複数の柱主筋cを突き出した構造形式(所謂逆串刺し工法、逆挿し柱等)で実施する故にほかならない。
即ち、図6A、Bに示したように、PCa柱部材eの上方に複数の柱主筋cを突き出した構造形式については、PCa梁部材aの水平方向の動きが拘束されるので、図7に係る技術、すなわちPCa梁部材を水平方向に移動させる技術は一切適用できず、依然として大掛かりな後工事を行う必要があり、工期が長期化し、不経済に過ぎるという問題は解消することができない。また、図7に係る技術は、図中の左側のPCa梁部材aをまず位置決めした後に、右側のPCa梁部材aを位置決めする等、いずれか一方のPCa梁部材aを位置決めしなければ他方のPCa梁部材aを位置決めすることはできず、施工手順に大きな制約を受けるので、工期の長期化の一因ともなっている。
本発明の目的は、PCa柱部材eの下方に複数の柱主筋cを突き出した構造形式(図7参照)は勿論のこと、PCa柱部材eの上方に複数の柱主筋cを突き出した構造形式(図6A、B参照)に特に好適に実施することができ、PCa梁部材a、a同士を接合するにあたり、PCa梁部材aを水平方向に移動させることなく大掛かりな後工事を飛躍的に簡略化させることができ、工期の短縮を実現し、施工性、経済性に優れた、プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合方法及び接合構造を提供することにある。
上記従来技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係るプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合方法は、
プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合方法において、
梁部材の接合端部に切り欠き部を設け、同切り欠き部を貫通する貫通孔を設け、同貫通孔の一部又は全部に埋設したスリーブ継手を備えた構成の二つのプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士を、ほぼ当接状態に近づけて対向配置に位置決めし、前記二つのプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材の前記貫通孔内へ跨って挿入可能なほぼU字形状の連結部材を、外部から前記貫通孔内のスリーブ継手へ挿入して前記切り欠き部内へ納め、しかる後に、前記貫通孔内及び切り欠き部内へ硬化材を充填してスリーブ継手部分を固定しプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士を接合することを特徴とする。
請求項2に記載した発明に係るプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造は、
プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造において、
梁部材の接合端部における上下面又は左右側面に切り欠き部が設けられ、同切り欠き部を貫通する貫通孔が設けられ、同貫通孔の一部又は全部に埋設したスリーブ継手を備えた構成の二つのプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士が、ほぼ当接状態に近づけて対向配置に設けられていること、
前記二つのプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材の前記貫通孔内へ跨って挿入可能なほぼU字形状の連結部材が、前記貫通孔内のスリーブ継手に対し両外側から挿入されて前記切り欠き部内に納められていること、
前記貫通孔内及び切り欠き部内に硬化材が充填されてスリーブ継手部分が固定されプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士が接合されていることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項2に記載したプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造において、前記梁部材同士の接合端面にはコッターが設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項2又は3に記載したプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造において、前記貫通孔内のスリーブ継手に対し両外側から挿入された連結部材は、C字形状の折り曲げ補強筋等の位置決め部材でその位置が拘束されていることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、請求項2〜4のいずれか一に記載したプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造において、前記切り欠き部は、プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材の材軸方向に凹条に形成した切り欠き溝であることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、請求項2〜5のいずれか一に記載したプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造において、前記貫通孔は、プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材の端面に対して平行配置に複数並設されていることを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、請求項2〜6のいずれか一に記載したプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造において、前記貫通孔は、埋設されたスリーブ継手及びシース管とで形成されていることを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、請求項2〜7のいずれか一に記載したプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造において、前記硬化材は、グラウト、モルタル、樹脂モルタル、エポキシ樹脂、若しくはコンクリート、又はこれらの組み合わせであることを特徴とする。
請求項1〜請求項8に係るプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合方法及び接合構造によれば、PCa柱部材の下方に複数の柱主筋を突き出した構造形式(所謂逆串刺し工法、逆挿し柱、図7参照)は勿論のこと、PCa柱部材の上方に複数の柱主筋を突き出した構造形式(所謂串刺し工法、図6A、B参照)に特に好適に実施することができ、PCa梁部材1、1同士を接合するにあたり、PCa梁部材1を水平方向に移動させることなく、鋼板等の簡易な型枠材の使用、及び少量のグラウト等の硬化材5の充填により、PCa梁部材1、1同士を確実に一体的に接合することができる。よって、大掛かりな後工事を飛躍的に簡略化させることができ、工期の大幅な短縮を実現することができるので、施工性、及び経済性に非常に優れている。
本発明に係るプレキャスト鉄筋コンクリート(PCa)梁部材同士の接合方法及び接合構造は、上述した発明の効果を奏するべく、以下のように実施される。
図1は、請求項2に記載したプレキャスト鉄筋コンクリート梁(PCa梁)部材同士の接合構造を示している。このプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材1、1同士の接合構造は、前記梁部材1の接合端部における上下面(又は左右側面)のほぼ中央部に切り欠き部1a、1bが設けられ、同切り欠き部1a、1bを鉛直方向に貫通する貫通孔2が設けられ、同貫通孔2の一部又は全部に、埋設したスリーブ継手3を備えた構成の二つのプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材1、1同士が、ほぼ当接状態に近づけて対向配置に設けられている(図2と図3も参照)。また、前記二つのプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材1、1の前記貫通孔2、2内へ跨って挿入可能なほぼU字形状の連結部材4が、前記貫通孔2、2内のスリーブ継手3、3に対し両外側から挿入されて前記切り欠き部1a、1b内に納められている。前記貫通孔2内及び切り欠き部1a、1b内にグラウト等の硬化材5が充填されてスリーブ継手3部分が固定されプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材1、1同士が接合されている(請求項2記載の発明)。
図示例に係るPCa梁部材1は、所謂逆梁工法に使用される幅寸が小さい梁部材同士1、1の接合構造を示しているがこれに限定されず、一般の柱梁架構に適用するPCa梁部材同士の接合構造にも勿論適用可能である。ちなみに、図示例に係る梁部材1の幅寸は180mm程度、梁せいは750mm程度で実施している。
前記PCa梁部材1の接合端部における上下面に設ける切り欠き部1a、1bの形状は、グラウト等の硬化材5の充填量をできるだけ低減して経済性を高め、同硬化材5の充填作業の作業性を高める観点から、PCa梁部材1の材軸方向に凹条に形成した切り欠き溝1a、1bで実施している(請求項5記載の発明)。なお、前記切り欠き部1a、1bの形状は、前記切り欠き溝1a、1bに限定されるものではなく、図4に示したように、段状に形成して実施することもできる。また、本実施例に係る硬化材5は、グラウト5で実施しているが、充填部位の形状、大きさ、或いは要求される設計強度に応じてモルタル、樹脂モルタル、エポキシ樹脂、若しくはコンクリート、又はこれらの組み合わせでも実施することができる(請求項8記載の発明)。ちなみに、図示例に係る切り欠き溝1a、1bは共に、幅寸が80mm程度、高さが100mm程度、材軸方向の長さが150mm程度で実施している。
前記切り欠き部1a、1bを鉛直方向に貫通する貫通孔2は、本実施例では、各PCa梁部材1の端面に対して平行配置に2個並設して実施している。なお、前記貫通孔2の個数は勿論2個に限定されるものではなく使用するPCa梁部材1の大きさ(特に幅寸)、及び要求される設計強度に応じて適宜増減可能である。また、図示例に係る隣接する貫通孔2、2は隙間無く並設して実施しているが、使用するPCa梁部材1の大きさ(特に幅寸)、及び要求される設計強度に応じて所定の間隔を開けて設けることも勿論可能である(以上、請求項6記載の発明)。
この貫通孔2は、対向するPCa梁部材1、1に前記U字形状の連結部材4がほぼ等分に跨って挿入できるように、左右対称配置に設けられている。本実施例に係る貫通孔2は、その鉛直方向の中央部にスリーブ継手3が埋設され、その上下にシース管7が埋設されることにより形成されている(請求項7記載の発明)。なお、前記シース管7は必須の構成部材ではなく、前記切り欠き部1a、1bを連通する貫通孔2を設けることができれば特に必要ではない。ちなみに、図示例に係る貫通孔2を形成する前記スリーブ継手3の内径は40mm程度で、高さは240mm程度であり、シース管7の内径は35mm程度である。
前記スリーブ継手3は、その上下方向から挿入されるU字形状の連結部材4を、その内部で定着させるために設けられる。このスリーブ継手3は、各貫通孔2のほぼ中央部に位置するように埋設されているが、同貫通孔2の全長に亘って設けて実施することも勿論できる。ただし、少なくとも、上下方向から挿入される前記連結部材4の先端部分がしっかり定着できる程度の高さは必要とすることに留意する。
前記貫通孔2を通ってスリーブ継手3の内部に先端部が差し込まれる前記連結部材4は、ほぼU字形状に折り曲げられた鉄筋(補強筋)が好適に使用される。この連結部材4は、対向するPCa梁部材1、1にそれぞれ設けられた貫通孔2、2に跨って差し込むことにより、両者をしっかり位置決めしている。本実施例では、貫通孔2の個数に応じて前記PCa梁部材1の上部に2個、下部に2個の計4個使用して実施しているが、前記貫通孔2の個数、ひいては使用する前記梁部材1の大きさ(特に幅寸)、及び要求される設計強度に応じて適宜増減可能である。この連結部材4の所要高さは、前記スリーブ継手3の内部にその先端部を挿入して位置決めした状態で、前記切り欠き部1a(又は1b)内に十分に収まる程度の高さ(必要な被り厚さを確保可能な高さ)で実施することに留意する。ちなみに、図示例に係る連結部材(補強筋)4は、径16mm程度、所要高さが340mm程度で実施されている。
また、本実施例では、前記スリーブ継手3の内部に挿入された上下の連結部材(特に下方の連結部材)4の取付配置を拘束するべく、鉛直方向に細長いC字形状の折り曲げ補強筋等の位置決め部材6を、上下の連結部材4を包持するような形態で掛け止めて実施している(請求項4記載の発明)。この位置決め部材6は、前記連結部材4を位置決めするために設けるものであり、スリーブ継手3又は連結部材4の構造に工夫を施す等して上下の連結部材(特に下方の連結部材)4を位置決めすることができれば、特に必要ではない。前記位置決め部材6は、図1Cに示したように、上下の連結部材4に掛け止めた状態で、PCa梁部材1の縦断面内に収まる形状、大きさで実施することに留意する。ちなみに、図示例に係る位置決め部材6は、径16mm程度、所要高さが720mm程度で実施されている。
かくして、対向配置に位置決めされた梁部材1、1同士の各貫通孔2に連結部材4が差し込まれ、同連結部材4が前記位置決め部材6で位置決めされた状態で、前記貫通孔2の内部及び切り欠き部1a、1bの内部に前記硬化材5が隙間なく充填されることにより、スリーブ継手3部分が固定されてプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材1、1同士が一体的に接合され、しかる後、上下面及び左右側面が面一に仕上げ処理されたプレキャスト鉄筋コンクリート梁構造が構築されるのである(図1参照)。
以上説明したプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造は、下記する方法により施工される。即ち、プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材1、1同士の接合方法は、PCa梁部材1の接合端部に切り欠き部1a、1bを設け、同切り欠き部1a、1bを貫通する貫通孔2を設け、同貫通孔2の一部又は全部に埋設したスリーブ継手3を備えた構成の二つの前記プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材1、1同士を、ほぼ当接状態に近づけて対向配置に位置決めする。
このPCa梁部材1、1の位置決め方法は、PCa柱部材の上方に複数の柱主筋を突き出した構造形式(所謂串刺し工法、図6A、B参照)に適用する場合には、水平方向に移動させて位置決めすることはできないので、双方のPCa梁部材1、1を吊り込むことにより対向配置に位置決めする。双方のPCa梁部材1、1同士の間の隙間はほとんど隙間を空けないで実施できないことはないが、構造設計上、及び吊り込み作業上の観点から2cm程度の隙間を空けて実施することが好ましい。
次に、前記二つのPCa梁部材1、1の前記貫通孔2、2内へ跨って挿入可能なほぼU字形状の連結部材4を、上方から、及び下方から前記貫通孔2、2内のスリーブ継手3、3の内部へ挿入して前記切り欠き部1a、1b内へ納める。前記連結部材4は、双方のPCa梁部材1、1にほぼ等分に跨って配置される。そして、上下の連結部材4、4を前記位置決め部材6で拘束して同上下の連結部材4、4をほぼ上下対称配置に位置決めする。続いて、対向するPCa梁部材1、1の下側に鋼板等の簡易な型枠材を設けて、下方の切り欠き部1bから硬化材5の漏れを防止する処理を施した後、前記貫通孔2内及び切り欠き部1a、1b内へ硬化材5を充填して養生することにより、スリーブ継手3部分を固定し、プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材1、1同士を接合するのである(以上、請求項1記載の発明)。
したがって、このプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合方法、及び同方法により構築した接合構造によれば、PCa柱部材の下方に複数の柱主筋を突き出した構造形式(所謂逆串刺し工法、逆挿し柱、図7参照)は勿論のこと、PCa柱部材の上方に複数の柱主筋を突き出した構造形式(所謂串刺し工法、図6A、B参照)に特に好適に実施することができ、PCa梁部材1、1同士を接合するにあたり、PCa梁部材1を水平方向に移動させることなく、鋼板等の簡易な型枠材の使用、及び少量のグラウト等の硬化材5の充填により、PCa梁部材1、1同士を確実に一体的に接合することができる。よって、
大掛かりな後工事を飛躍的に簡略化させることができ、工期の大幅な短縮を実現することができるので、施工性、及び経済性に非常に優れている。
ちなみに、図5は、PCa梁部材同士の接合構造の異なる実施例を示している。この実施例は、前記梁部材1、1同士の接合端面にコッター8を設けて実施している(請求項3記載の発明)。このコッター8は、一種のシアコネクターの役割を果たし、コッター8の内部にコンクリートやモルタル等の硬化材5を充填して接合することにより梁部材1、1同士の接合強度を高めることができる。また、この実施例では、隣接する連結部材4、4の間にプレート9を介在させて溶接し一体化することにより、同連結部材4、4のせん断力を向上させる工夫がなされている。なお、前記プレート9を使用する場合には、プレート9が切り欠き部1a、1b内に収まるように、切り欠き部1a、1bの深さ、或いはプレート9の高さを適宜調整して実施することに留意する。したがって、図5に係る異なる実施例によれば、上記した作用効果に加えて、さらに強固なPCa梁部材同士の接合構造を実現することができるのである。
以上に実施形態を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の実施形態の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
例えば、本実施例では、前記切り欠き部1a、1b、及びスリーブ継手3等の大きさを具体的に例示しているが、これに限定されないのは勿論であり、様々なバリエーションで実施できる。ただし、本実施例のように、PCa梁1,1同士の接合部位及びその近傍位置に配設した切り欠き部1a、1b、貫通孔2、スリーブ継手3、連結部材4、及び位置決め部材6等の構成要素の位置関係は、正面方向、及び平面方向から見て、ほぼ左右対称配置になるように実施することが良好な構造設計を実現する上で好ましい。
また、本実施例では、PCa梁部材1の接合端部における上下面に切り欠き部1a、1bを設け、同切り欠き部1a、1bを鉛直方向に貫通する貫通孔2を設け、同貫通孔2の内部に上下方向から前記連結部材4を差し込んで実施しているが、これに限定されず、PCa梁部材1の接合端部における左右側面に切り欠き部1a、1bを設け、同切り欠き部1a、1bを水平方向に貫通する貫通孔2を設け、同貫通孔2の内部に水平方向から前記連結部材4を差し込んで実施することもできる(図示省略)。
Aは、プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造の枢要部を示した平面図であり、Bは、同正面図であり、Cは、同側断面図である。 プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造の枢要部を示した分解斜視図である。 プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造の枢要部を示した斜視図である。 プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造のバリエーションを示した斜視図である。 プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造の異なる実施例を示した分解斜視図である。 A、Bは、従来技術に係るプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造の枢要部を示した正面図である。 従来技術に係るプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造の枢要部を示した正面図である。
符号の説明
1 梁部材
1a、1b 切り欠き部
2 貫通孔
3 スリーブ継手
4 連結部材
5 硬化材(グラウト)
6 位置決め部材
7 シース管
8 コッター
9 プレート

Claims (8)

  1. プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合方法において、
    梁部材の接合端部に切り欠き部を設け、同切り欠き部を貫通する貫通孔を設け、同貫通孔の一部又は全部に埋設したスリーブ継手を備えた構成の二つのプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士を、ほぼ当接状態に近づけて対向配置に位置決めし、前記二つのプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材の前記貫通孔内へ跨って挿入可能なほぼU字形状の連結部材を、外部から前記貫通孔内のスリーブ継手へ挿入して前記切り欠き部内へ納め、しかる後に、前記貫通孔内及び切り欠き部内へ硬化材を充填してスリーブ継手部分を固定しプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士を接合することを特徴とする、プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合方法。
  2. プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造において、
    梁部材の接合端部における上下面又は左右側面に切り欠き部が設けられ、同切り欠き部を貫通する貫通孔が設けられ、同貫通孔の一部又は全部に埋設したスリーブ継手を備えた構成の二つのプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士が、ほぼ当接状態に近づけて対向配置に設けられていること、
    前記二つのプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材の前記貫通孔内へ跨って挿入可能なほぼU字形状の連結部材が、前記貫通孔内のスリーブ継手に対し両外側から挿入されて前記切り欠き部内に納められていること、
    前記貫通孔内及び切り欠き部内に硬化材が充填されてスリーブ継手部分が固定されプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士が接合されていることを特徴とする、プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造。
  3. 前記梁部材同士の接合端面にはコッターが設けられていることを特徴とする、請求項2記載に記載したプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造。
  4. 前記貫通孔内のスリーブ継手に対し両外側から挿入された連結部材は、C字形状の折り曲げ補強筋等の位置決め部材でその位置が拘束されていることを特徴とする、請求項2又は3に記載したプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造。
  5. 前記切り欠き部は、プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材の材軸方向に凹条に形成した切り欠き溝であることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか一に記載したプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造。
  6. 前記貫通孔は、プレキャスト鉄筋コンクリート梁部材の端面に対して平行配置に複数並設されていることを特徴とする、請求項2〜5のいずれか一に記載したプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造。
  7. 前記貫通孔は、埋設されたスリーブ継手及びシース管とで形成されていることを特徴とする、請求項2〜6のいずれか一に記載したプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造。
  8. 前記硬化材は、グラウト、モルタル、樹脂モルタル、エポキシ樹脂、若しくはコンクリート、又はこれらの組み合わせであることを特徴とする、請求項2〜7のいずれか一に記載したプレキャスト鉄筋コンクリート梁部材同士の接合構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114892886A (zh) * 2022-05-27 2022-08-12 上海上大建筑设计院有限公司 一种便于调节的钢筋混凝土梁
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