JP2018193439A - 可溶性ポリイミド溶液の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アミド系溶媒の残留量が少ないSPI溶液の、経済性および環境適合性に優れた、アミド系溶媒の残留量が少ないSPI溶液の製造方法を目的とする【解決手段】以下の工程を含むことを特徴とする可溶性ポリイミド溶液の製造方法。1)アミド系溶媒を含む溶媒中で、芳香族テトラカルボン酸二無水物と脂肪族ジアミンとを反応させて可溶性ポリイミド(SPI)溶液とする。2)前記可溶性ポリイミド溶液中のアミド系溶媒を、溶媒抽出法で除去し、可溶性ポリイミド(SPI)溶液中のアミド系溶媒含有量が、ポリイミド質量に対し、5質量%以下である可溶性ポリイミド(SPI)溶液とする。【選択図】 なし

Description

本発明は、電気・電子分野やエネルギ分野等で用いられる可溶性ポリイミド(SPI)溶液の製造方法に関する。
耐熱性、化学的安定性、電気絶縁性に優れたポリイミド(PI)は、電気・電子分野やリチウム二次電池等のエネルギ分野において、機器の小型化、軽量化、フレキシブル化等を図るために、接着用、絶縁用、保護用等として、広範に用いられている。PIは、通常、その前駆体であるポリアミック酸溶液(PAA)の形で供給されており、この溶液から、PIとするには、PAA溶液を成形後、イミド化する必要があるため、300℃以上の加熱が要求される。このように高温処理して得られるPIは、熱硬化型PIと称され、通常の溶媒には溶解しないので、成形性に欠けるという問題があった。
このような問題に対し、成形性が良好な可溶性ポリイミド(SPI)が開発されている。SPIは、汎用溶媒に溶解するので、SPI溶液は、溶媒除去するのみで、フィルムや被膜に成形できる。そのため、成形性としては良好ではあるが、成形体としての耐熱性が低下するという問題があった。このような問題に対し、特許文献1、2には、ダイマジアミン等の脂肪族ジアミンを用いたSPIを用いて耐熱性を改善する方法が開示されている。
特許文献1、2に開示されたSPI溶液は、重合溶媒として、アミド系溶媒を含む溶媒を用いて重合反応およびイミド化反応を行い、SPI溶液を得た後、この溶液を成形して、SPIのフィルムや塗膜を成形しようとするものである。ここで、溶媒としてアミド系溶媒を用いる理由は、アミド系溶媒の作用により、重合反応およびイミド化反応が効率良く進行するからである。 アミド系溶媒を用いて得られるSPI溶液は、高沸点でありかつSPIと強く溶媒和しているアミド系溶媒を高濃度に含有しているので、成形の際、アミド系溶媒が、フィルムや被膜に残留するという問題があった。アミド系溶媒は、吸湿性が高いので、成形体中にこれが残留していると吸湿による電気特性や力学的特性が低下する。
このようなアミド系溶媒の問題を避ける方法として、反応溶媒してアミド系溶媒を用いてSPI溶液を得たのち、SPI溶液中の溶媒を他の溶媒に置換する方法が知られている。例えば、特許文献3,4には、アミド系溶媒を含むSPI溶液をメタノール等のSPIに対しては沈殿剤となる溶媒中に加えて、SPIを濾別して乾燥することにより得られるSPIを、他の溶媒に溶解させて、溶媒置換を行う方法が開示されている。
特開2013−155329号公報 特開2015−180750号公報 国際公開 1998/29471号 特開2007−254615号公報
前記文献に記載されたような沈殿による溶媒置換を行う方法では、沈殿剤となる溶媒を大量に用いるために、コストアップの要因となる上、環境適合性に問題があった。 また、沈殿、濾過、乾燥、再溶解という複雑な工程が必要であり、プロセスコストアップの要因になるという問題があった。
そこで本発明は、前記課題を解決するものであって、アミド系溶媒の残留量が少ないSPI溶液を、経済的に、かつ高い環境適合性を確保して製造する方法の提供を目的とする。
本発明者らは、特定の化学構造としたSPIにおいては、溶媒抽出法が有効であり、前記課題が解決されることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明は下記を趣旨とするものである。
本発明は、アミド系溶媒含有量が、ポリイミド質量に対し、5質量%以下であるポリイミド溶液の製造方法であって、以下のプロセスを含むことを特徴とするものである。
1)アミド系溶媒を含む溶媒中で、芳香族テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させてSPI溶液とする。
2)前記SPI溶液中のアミド系溶媒を、溶媒抽出法で除去し、SPI溶液中のアミド系溶媒含有量が、ポリイミド質量に対し、5質量%以下であるSPI溶液とする。
本発明のSPI溶液製造方法は、環境適合性に優れ、残留アミド系溶媒含有量が低減されたSPI溶液を経済的に得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のSPI溶液の製造法においては、先ず、アミド系溶媒を含む溶媒中で、芳香族テトラカルボン酸二無水物と脂肪族ジアミンとを反応させて可溶性ポリイミド溶液を得る。テトラカルボン酸二無水物として芳香族テトラカルボン酸二無水物、ジアミンとして脂肪族ジアミンを用いることにより、SPIとしての耐熱性を確保することができる。
脂肪族ジアミンの具体例としては、例えば、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、4,4′−メチレンビスシクロヘキシルアミン、ダイマジアミン(炭素数24〜48のダイマ酸から誘導される脂肪族ジアミンであり、「DDA」と略記することがある)等を挙げることがでる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中で、DDAが好ましい。なお、DDAは、商品名「プリアミン1074、同1075」(クローダジャパン社製)、「バーサミン551、同552」(コグニスジャパン社製の商品名)等の市販品を用いることができる。
脂肪族ジアミンは、芳香族ジアミン(複素環式ジアミンを含む)と混合して用いることもできる。芳香族ジアミンの具体例としては、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、2′−メトキシ−4,4′−ジアミノベンズアニリド、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2′−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジヒドロキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、4,4′−ジアミノベンズアニリド、ビスアニリンフルオレン、2,2−ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[1−(4−アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[1−(3−アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)]ベンゾフェノン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)]ベンゾフェノン、ビス[4,4′−(4−アミノフェノキシ)]ベンズアニリド、ビス[4,4′−(3−アミノフェノキシ)]ベンズアニリド、9,9−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4′−メチレンジ−o−トルイジン、4,4′−メチレンジ−2,6−キシリジン、4,4′−メチレン−2,6−ジエチルアニリン、4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、3,3′−ジアミノジフェニルプロパン、4,4′−ジアミノジフェニルエタン、3,3′−ジアミノジフェニルエタン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3′−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3−ジアミノジフェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、ベンジジン、3,3′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジメトキシベンジジン、4,4″−ジアミノ−p−テルフェニル、3,3″−ジアミノ−p−テルフェニル、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,6−ジアミノピリジン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4′−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、4,4′−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス(2−メチル−4−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス(1,1−ジメチル−5−アミノペンチル)ベンゼン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)トルエン、2,4−ジアミノトルエン、m−キシレン−2,5−ジアミン、p−キシレン−2,5−ジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、2,6−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾール等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4′−オキシジフタル酸無水物、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中で、PMDAおよびBPDAが好ましい。
アミド系溶媒を含む溶媒中で、芳香族テトラカルボン酸二無水物と脂肪族ジアミンとを反応させて可溶性ポリイミド溶液を得るには、例えば、特許文献1や2に開示された公知の方法を用いることができる。すなわち、DMF、DMAc、NMP等のアミド系溶媒中で、0℃〜50℃の温度で、略当モルのテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させて、ポリアミック酸を得た後、引き続き、これを50℃〜200℃の温度で、脱水閉環してイミド化することにより得ることができる。
アミド系溶媒の中では、NMPが好ましい。アミド系溶媒には、キシレン(o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン)、エチルベンゼン、メシチレン等の炭化水素系溶媒やメチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒を混合し、混合溶媒とすることができる。 SPI合成の溶媒としては、これらの混合溶媒を用いることが好ましく、アミド系溶媒と炭化水素系溶媒の混合溶媒が特に好ましい。脱水閉環する際は、イミド化による生成する水を、共沸等により反応系外に除去してもよい。また、脱水閉環する際は、無水酢酸、ジシクロヘキシルカルボジイミド等公知の脱水剤を用いてもよい。
重合反応におけるSPI溶液の濃度には制限がないが、1〜70質量%とすることが好ましく、5〜40質量%とすることがより好ましい。
前記のようにして得られたSPI溶液中のアミド系溶媒を、溶媒抽出法により除去する。溶媒抽出に際しては、前記のようにして得られたSPI溶液に、必要により、n―ヘキサン、シクロヘキサン、n―ヘプタン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのケトン系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒等、SPIの良溶媒となる溶媒を添加して、SPI溶液の濃度調製を行うことができる。
溶媒抽出剤としては、SPIに対しては貧溶媒となる溶媒を用いる。溶媒抽出剤の具体例としては、水、メチルアルコール、エチルアルコール、アセトン等を挙げることができる。これらの中では、水、メチルアルコールが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶媒抽出剤の使用量は、SPI溶液100質量部に対し、10〜300質量部が好ましく、20〜200質量部がより好ましい。溶媒抽出剤の使用量が300質量部を超えると、SPIが沈殿、析出することがある。また、溶媒抽出剤の使用量を10質量部未満とすると、均一状態のままで2相分離しないことがある。
溶媒抽出の際の温度としては、通常5℃〜60℃程度であり、10℃〜30℃が好ましい。
溶媒抽出操作は、1回または2回以上行うことができる。
溶媒抽出操作においては、SPI溶液と溶媒抽出剤とを混合して、攪拌後、静置して2相分離させ、その後、溶媒抽出剤とSPI溶液を分離すればよい。これにより、SPIの重合反応に用いたアミド系溶媒は、溶媒抽出剤側に移行する。なお、溶媒抽出操作においては、エマルジョン等が発生しないよう適宜、溶媒組成を調整すればよいが、エマルジョン等が発生した場合は、遠心分離等により2相分離を行えばよい。このようにして、溶媒抽出により、SPI溶液に共存していたアミド系溶媒は、SPI溶液から除去される。
アミド系溶媒が除去されたSPI溶液中のアミド系溶媒含有量、ポリイミド質量に対し、5質量%以下であり、3質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。
SPIの重量平均分子量(Mw)は、5000以上、200000以下とすることが好ましく、20000以上、80000以下とすることがより好ましい。Mwをこのような範囲とすることにより、SPI溶液の良好な成形性を確保することができる。また、SPI被膜やSPIフィルムの良好な力学的特性や高い耐熱性を確保することができる。 ここで、重量平均分子量(Mw)は、例えば、下記のような条件で、GPCを測定することにより、確認することができる。
<GPC測定条件>
カラム:昭和電工社製 Shodex(R) GPC KF‐803×1本, GPC KF‐804×2本 (3本連結)
溶離液:THF
温度:40℃
流量:1.0mL/分
検出器:UV検出器
SPIは、その末端の全部、または一部が、マレイミド基、ナジイミド基、ビニル基、アセチレン基、シラノール基等の架橋性成分で封止されていてもよい。
このようにして得られた精製SPI溶液を基材表面に塗布、乾燥することによって、基材表面にSPI被膜を形成させることができる。適用される基材の種類に制限はないが、多孔質であっても、無孔質であってもよい。
SPI被膜は、基材と積層一体化した状態で用いることができる。また、SPI被膜を、基材から剥離して、SPIフィルムとして用いることができる。
本発明の製造方法により得られたSPI溶液は、アミド系溶媒の溶媒含有量が低減されているので、アミド系溶媒の残存量が低減された被膜を形成させることができる。
なお、SPI溶液を基材表面に塗布する方法としては、公知の塗布法を用いることができる。 具体的には、例えば、グラビアコータ法、リバースロールコータ法、トランスファロールコータ法、キスコータ法、ディップコータ法、ナイフコータ法、エアドクタコータ法、ブレードコータ法、ロッドコータ法、スクイズコータ法、キャストコータ法、ダイコータ法、スクリーン印刷法、スプレ塗布法等の方法を用いることができる。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されない。
粗SPI溶液を以下の参考例に記載の方法で得た。
<参考例1>
特許文献2の実施例2に記載の方法に準じて、粗SPI溶液を得た。すなわち、反応容器に、0.60モル(177g)のBPDA、0.59モルのDDA(プリアミン1075:325g)、300gのNMP、800gのp−キシレンを投入し、40℃で1時間攪拌して、ポリアミック酸溶液を得た。この溶液を、140℃に昇温し、発生する水を共沸により除去しつつ、15時間加熱、攪拌して、イミド化を完結させた。 室温に冷却後、p−キシレン600gを加えて、固形分濃度が29質量%の粗SPI(SPI−1)溶液を得た。SPI−1の重量平均分子量(Mw)は48500であった。また、SPI−1溶液中のNMP含有量は、SPI−1の質量に対し、62質量%であった。
<参考例2>
BPDAをPMDAとしたこと以外は、実施例1と同様にして、固形分濃度が27質量%の粗SPI(SPI−2)溶液を得た。SPI−2の重量平均分子量(Mw)は、59100であった。また、SPI−2溶液中のNMP含有量は、SPI−2の質量に対し、69質量%であった。
<実施例1>
参考例1で得られた粗SPI(SPI−1)溶液100gに、抽出溶媒として、メタノール50gを加え、20℃で60分攪拌して、懸濁液を得た。この懸濁液を静置することにより2相分離状態とした後、抽出溶媒層を分離除去した。この操作を、さらに2回繰り返し、精製SPI(SPI−3)溶液を得た。SPI−3溶液中のNMP含有量は、SPI−3の質量に対し、1.5質量%であった。
<実施例2>
抽出溶媒を、メタノール30gとアセトン20gとの混合溶媒としたこと以外は、実施例1と同様にして、精製SPI(SPI−4)溶液を得た。SPI−4溶液中のNMP含有量は、SPI−4の質量に対し、1.2質量%であった。
<実施例3>
参考例1で得られた粗SPI(SPI−1)溶液100gに、抽出溶媒として、水70gを加え、20℃で60分攪拌して、懸濁液を得た。この懸濁液を静置、遠心分離することにより2相分離状態とした後、抽出溶媒層を分離除去した。この操作を、さらに2回繰り返し、精製SPI(SPI−5)溶液を得た。SPI−5溶液中のNMP含有量は、SPI−5の質量に対し、0.8質量%であった。
<実施例4>
参考例2で得られた粗SPI(SPI−2)溶液100gを用いたこと以外は、実施例3と同様にして、精製SPI(SPI−6)溶液を得た。SPI−6溶液中のNMP含有量は、SPI−6の質量に対し、1.2質量%であった。
<比較例1>
参考例1で得られた粗SPI(SPI−1)溶液100gに、メタノール500gを加えて攪拌したところ、固体状のSPI沈殿物が発生し、溶媒抽出を行こうことはできなかった。この沈殿物を濾過後、乾燥したものを、p−キシレンに再溶解して精製SPI(SPI−7)溶液を得た。SPI−7溶液中のNMP含有量は、SPI−7の質量に対し、1.5質量%であったが、NMPを含む大量のメタノール廃液が発生した。
<比較例2>
参考例1で得られた粗SPI(SPI−2)溶液100gに、アセトン700gを加えて攪拌したところ、固体状のSPIが発生し、溶媒抽出を行こうことはできなかった。この沈殿物を濾過後、乾燥したものを、p−キシレンに再溶解して精製SPI(SPI−8)溶液を得た。SPI−8溶液中のNMP含有量は、SPI−8の質量に対し、1.1質量%であったが、NMPを含む大量のアセトン廃液が発生した。
<比較例3>
参考例2で得られた粗SPI(SPI−2)溶液100gに、メタノール5gを加えて攪拌したところ、溶液状態のままで、2相分離しなかったため、溶媒抽出を行うことはできなかった。
実施例、比較例で示したように、本発明のSPI溶液の製造方法は、溶媒抽出法により、少量の抽出溶媒で、効率的に残留NMPを低減させることができる。本発明の溶媒抽出法によるSPI溶液の精製法は、従来公知の沈殿形成を経た再溶解法と比較して、経済性および環境適合性に優れていることは明らかである。
本発明の方法で製造されたSPI溶液は、SPI溶液中のアミド系溶媒含有量が低減されているので、電気・電子分野やリチウム二次電池等のエネルギ分野において、機器の小型化、軽量化、フレキシブル化等を図るために、接着用、絶縁用、保護用等のSPI溶液として好適に用いることができる。

Claims (1)

  1. 以下の工程を含むことを特徴とする可溶性ポリイミド溶液の製造方法。
    1)アミド系溶媒を含む溶媒中で、芳香族テトラカルボン酸二無水物と脂肪族ジアミンとを反応させて可溶性ポリイミド溶液とする。
    2)前記可溶性ポリイミド溶液中のアミド系溶媒を、溶媒抽出法で除去し、可溶性ポリイミド溶液中のアミド系溶媒含有量が、ポリイミド質量に対し、5質量%以下である可溶性ポリイミド溶液とする。
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