JP2018193360A - 湿製錠剤の製造方法及び湿製錠剤の品質向上方法 - Google Patents

湿製錠剤の製造方法及び湿製錠剤の品質向上方法 Download PDF

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Abstract

【課題】外観を損なうことなく、口腔内崩壊錠に求められる口腔内崩壊性を維持しつつ、苦味が低減された湿製錠剤を製造することができる湿製錠剤の製造方法及び湿製錠剤の品質向上方法を提供する。【解決手段】被覆基剤で薬物含有物を被覆し、被覆された薬物含有物を得る被覆工程と、前記被覆された薬物含有物を含む組成物に、結合剤を溶解した含水有機溶媒を加えて練合し、湿潤粉体を得る湿潤粉体調製工程と、前記湿潤粉体を圧縮成型する成型工程とを含み、前記被覆工程における被覆基剤が、メタクリル酸コポリマーLD、エチルセルロース及びアミノアルキルメタクリレートコポリマーEからなる群から選択される1種以上であり、前記被覆工程における被覆基剤の量が、前記薬物含有物に対して、30質量%以上であり、前記湿潤粉体調製工程における含水有機溶媒中の有機溶媒の濃度が、30質量%以下である湿製錠剤の製造方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、湿製錠剤の製造方法及び湿製錠剤の品質向上方法に関する。
湿製錠剤は、含水有機溶媒で薬物を含む粉末を練合し、得られた湿潤粉体を圧縮成型した後、錠剤を乾燥して製造される。前記湿製錠剤は、崩壊性が非常に優れた口腔内崩壊錠とすることができる(例えば、特許文献1参照)。
また、苦味を呈する薬物の苦味をマスキングする技術として、薬物を含む顆粒を徐放性高分子や腸溶性高分子(以下、「被覆基剤」と称することがある)などで被覆する技術が汎用されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、湿製錠剤は、練合の際に用いる溶媒に有機溶媒が含まれるため、前記被覆基剤が溶解し、錠剤の崩壊が遅延したり、苦味のマスキング効果が低下したりすることや、被覆された顆粒が大きくなると、湿製錠剤の製造工程の1つであるすり切り工程において錠剤に線が入り、外観不良となってしまうことなどにより、前記苦味をマスキングする技術は、湿製錠剤に用いることができないとされている。
したがって、外観を損なうことなく、口腔内崩壊錠に求められる口腔内崩壊性を維持しつつ、苦味が低減された湿製錠剤を製造することができる技術の速やかな開発が強く求められているのが現状である。
特開平6−218028号公報 特開2014−028804号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、外観を損なうことなく、口腔内崩壊錠に求められる口腔内崩壊性を維持しつつ、苦味が低減された湿製錠剤を製造することができる湿製錠剤の製造方法及び湿製錠剤の品質向上方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 被覆基剤で薬物含有物を被覆し、被覆された薬物含有物を得る被覆工程と、
前記被覆された薬物含有物を含む組成物に、結合剤を溶解した含水有機溶媒を加えて練合し、湿潤粉体を得る湿潤粉体調製工程と、
前記湿潤粉体を圧縮成型する成型工程とを含み、
前記被覆工程における被覆基剤が、メタクリル酸コポリマーLD、エチルセルロース及びアミノアルキルメタクリレートコポリマーEからなる群から選択される1種以上であり、
前記被覆工程における被覆基剤の量が、前記薬物含有物に対して、30質量%以上であり、
前記湿潤粉体調製工程における含水有機溶媒中の有機溶媒の濃度が、30質量%以下であることを特徴とする湿製錠剤の製造方法である。
<2> 前記被覆基剤が、メタクリル酸コポリマーLD及びエチルセルロースの少なくともいずれかである前記<1>に記載の湿製錠剤の製造方法である。
<3> 前記含水有機溶媒における有機溶媒が、エタノールである前記<1>から<2>のいずれかに記載の湿製錠剤の製造方法である。
<4> 前記被覆工程における被覆基剤の量が、前記薬物含有物に対して、30質量%以上70質量%以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載の湿製錠剤の製造方法である。
<5> 前記湿潤粉体調製工程における含水有機溶媒中の有機溶媒の濃度が、1質量%以上10質量%以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載の湿製錠剤の製造方法である。
<6> 湿製錠剤における被覆された薬物含有物の量が、1.0質量%〜50.0質量%である前記<1>から<5>のいずれかに記載の湿製錠剤の製造方法である。
<7> 湿製錠剤の品質向上方法であって、
被覆基剤で薬物含有物を被覆し、被覆された薬物含有物を得る被覆工程と、
前記被覆された薬物含有物を含む組成物に、結合剤を溶解した含水有機溶媒を加えて練合し、湿潤粉体を得る湿潤粉体調製工程と、
前記湿潤粉体を圧縮成型する成型工程とを含み、
前記被覆工程における被覆基剤が、メタクリル酸コポリマーLD、エチルセルロース及びアミノアルキルメタクリレートコポリマーEからなる群から選択される1種以上であり、
前記被覆工程における被覆基剤の量が、前記薬物含有物に対して、30質量%以上であり、
前記湿潤粉体調製工程における含水有機溶媒中の有機溶媒の濃度が、30質量%以下であり、
前記品質向上が、前記湿製錠剤の苦味の低減と、崩壊物がゲル状とならず、かつ、口腔内崩壊時間が60秒間以下である口腔内崩壊性との両立であることを特徴とする方法である。
<8> 前記被覆基剤が、メタクリル酸コポリマーLD及びエチルセルロースの少なくともいずれかである前記<7>に記載の方法である。
<9> 前記含水有機溶媒における有機溶媒が、エタノールである前記<7>から<8>のいずれかに記載の方法である。
<10> 前記被覆工程における被覆基剤の量が、前記薬物含有物に対して、30質量%以上70質量%以下である前記<7>から<9>のいずれかに記載の方法である。
<11> 前記湿潤粉体調製工程における含水有機溶媒中の有機溶媒の濃度が、1質量%以上10質量%以下である前記<7>から<10>のいずれかに記載の方法である。
<12> 湿製錠剤における被覆された薬物含有物の量が、1.0質量%〜50.0質量%である前記<7>から<11>のいずれかに記載の方法である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、外観を損なうことなく、口腔内崩壊錠に求められる口腔内崩壊性を維持しつつ、苦味が低減された湿製錠剤を製造することができる湿製錠剤の製造方法及び湿製錠剤の品質向上方法を提供することができる。
(湿製錠剤の製造方法)
本発明の湿製錠剤の製造方法は、被覆工程と、湿潤粉体調製工程と、成型工程とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
<被覆工程>
前記被覆工程は、被覆基剤で薬物含有物を被覆し、被覆された薬物含有物を得る工程である。
−薬物含有物−
前記薬物含有物は、苦味を有する薬物を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
−−苦味を有する薬物−−
前記苦味を有する薬物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アムロジピンベシル酸塩、ガランタミン臭化水素酸塩、メマンチン塩酸塩、ドネペジル塩酸塩、フェキソフェナジン塩酸塩、レボセチリジン塩酸塩、ラメルテオン、ゾルピデム酒石酸塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記苦味を有する薬物は、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記薬物含有物における前記薬物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記薬物含有物は、前記薬物のみからなるものであってもよい。
−−その他の成分−−
前記薬物含有物におけるその他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、製剤分野において通常使用される添加剤を目的に応じて適宜選択することができ、例えば、賦形剤、流動化剤、結合剤、界面活性剤、可塑剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味剤、香料、pH調整剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記賦形剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マンニトール(以下、「D−マンニトール」と称することもある)、乳糖(無水物であってもよいし、水和物であってもよい)、キシリトール、ソルビトール、コーンスターチ、白糖、エリスリトール、タルク、精製ゼラチン、ヒドロキシプロピルスターチ、ケイ酸カルシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記流動化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、軽質無水ケイ酸、タルク、含水二酸化ケイ素、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結合剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール−アクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロースなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ラウリル硫酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン、マクロゴール、ラウロマクロゴール、ポリソルベート、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クエン酸トリエチル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、タルク、トリアセチン、ヒマシ油、プロピレングリコール、マクロゴール400、マクロゴール600、マクロゴール1500、マクロゴール1540、マクロゴール4000、マクロゴール6000、マクロゴール20000、マクロゴール35000等のマクロゴールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記崩壊剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デンプン(トウモロコシデンプン等)、結晶セルロース、カルメロースカルシウム、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、クロスカルメロースカルシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記滑沢剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、硬化油、サラシミツロウ、カルナウバロウ、ポリエチレングリコール6000、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記矯味剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ソーマチンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、l−メントール、バニリン、オレンジ油などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記pH調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機酸、無機塩基、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、アミノ糖などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記薬物含有物におけるその他の成分は、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記薬物含有物におけるその他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記薬物含有物の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、顆粒などが挙げられる。
−被覆基剤−
前記被覆基剤としては、メタクリル酸コポリマーLD、エチルセルロース及びアミノアルキルメタクリレートコポリマーEからなる群から選択される1種以上であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、口腔内崩壊性と、苦味の抑制とを高いレベルで両立することができる点で、メタクリル酸コポリマーLD及びエチルセルロースの少なくともいずれかが好ましい。
前記被覆基剤は、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記被覆に用いられる被覆基剤の量としては、前記薬物含有物に対して、30質量%以上であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30質量%以上70質量%以下が好ましく、40質量%以上60質量%以下がより好ましい。前記好ましい範囲内であると、錠剤の口腔内崩壊性がより優れ、苦味をより低減することができる点で、有利である。
−被覆−
前記被覆の方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができ、例えば、流動層造粒装置に、前記薬物含有物を投入し、前記被覆基剤を含有する液(以下、「コーティング液」と称することがある)を噴霧する方法などが挙げられる。
前記噴霧の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記コーティング液は、前記被覆基剤を含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
前記コーティング液における前記被覆基剤の量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記コーティング液におけるその他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記した薬物含有物の項目に記載のその他の成分と同様のものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記コーティング液におけるその他の成分は、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記コーティング液におけるその他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記コーティング液の溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、含水有機溶媒などが挙げられる。
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの製薬上許容される水溶性有機溶媒などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記被覆された薬物含有物のメディアン径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、5μm〜1,000μmなどが挙げられる。
<湿潤粉体調製工程>
前記湿潤粉体調製工程は、前記被覆された薬物含有物を含む組成物に、結合剤を溶解した含水有機溶媒を加えて練合し、湿潤粉体を得る工程である。
−被覆された薬物含有物を含む組成物−
前記組成物は、被覆された薬物含有物を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。前記組成物は、被覆された薬物含有物からなるものであってもよい。
−−被覆された薬物含有物−−
前記組成物における前記被覆された薬物含有物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1.0質量%〜50.0質量%などが挙げられる。
−−その他の成分−−
前記組成物におけるその他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記した薬物含有物の項目に記載のその他の成分と同様のものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記組成物におけるその他の成分は、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記組成物におけるその他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−含水有機溶媒−
前記湿潤粉体調製工程における含水有機溶媒は、練合溶媒である。
前記含水有機溶媒は、結合剤を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
−−有機溶媒−−
前記含水有機溶媒における有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの製薬上許容される水溶性有機溶媒などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ヒトに対する毒性が低い点で、エタノールが好ましい。
前記含水有機溶媒中の有機溶媒の濃度としては、30質量%以下であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%以上10質量%以下が好ましい。前記好ましい範囲内であると、錠剤の口腔内崩壊性がより優れ、苦味をより低減することができる点で、有利である。
−−結合剤−−
前記結合剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記した薬物含有物のその他の成分の項目に記載の結合剤と同様のものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、吸湿性が低い点で、ポリビニルアルコールが好ましい。
前記ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルをけん化して得られる重合物である。
前記ポリビニルアルコールの平均重合度、及びけん化度としては、原料となる酢酸ビニルを適宜調整することにより、前記平均重合度、及び前記けん化度を適宜調整することができる。
前記ポリビニルアルコールの平均重合度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、200〜3,500が好ましく、300〜2,200がより好ましい。なお、前記平均重合度としては、JIS K 6726に従って測定することができる。
前記ポリビニルアルコールのけん化度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、65mоl%以上が好ましく、78mоl%以上がより好ましい。これらの中でも、前記けん化度が、78mоl%〜96mоl%(部分けん化物)、97mоl%以上(完全けん化物)がさらに好ましく、78mоl%〜96mоl%(部分けん化物)が特に好ましい。なお、前記けん化度としては、JIS K 6726に従って測定することができる。
前記含水有機溶媒における前記結合剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1.0質量%〜30.0質量%などが挙げられる。
−−その他の成分−−
前記含水有機溶媒におけるその他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記した薬物含有物の項目に記載のその他の成分と同様のものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記含水有機溶媒におけるその他の成分は、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記含水有機溶媒におけるその他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−練合−
前記練合の方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができ、例えば、前記湿潤粉体に、前記含水有機溶媒を添加して混合する方法などが挙げられる。
前記練合に用いる装置としては、特に制限はなく、公知の装置を適宜選択することができ、例えば、リボンミキサー、高速攪拌造粒機などの装置が挙げられる。
前記練合の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記練合に用いる前記含水有機溶媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記湿潤粉体に対して、5質量%〜20質量%などが挙げられる。
前記湿潤粉体は、そのまま成型工程に用いてもよいし、湿式造粒して造粒物とした後に成型工程に用いてもよい。
前記湿式造粒の方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができ、例えば、円筒造粒機、ペレッターなどを使用する押出造粒法、スピードミル、パワーミルなど使用する破砕造粒法、ミニマイザー、パワーニーダー、スピードミル、マルメライザー、バーチカルグラニュレーターなどを使用する撹拌造粒法などを使用し、主として転動作用により造粒する転動造粒法、噴霧乾燥による流動層造粒法などが挙げられる。
<成型工程>
前記成型工程は、前記湿潤粉体を圧縮成型する工程である。
前記成型工程では、前記湿潤粉体を臼に充填し、一定量にすり切る処理や、圧縮成型後の錠剤を乾燥する処理を含んでもよい。
前記成型工程に用いる装置としては、特に制限はなく、公知の装置を適宜選択することができ、例えば、万能材料試験装置(オートグラフ、株式会社島津製作所製)、特開平8−19589号公報に開示される錠剤製造装置、特開平8−19588号公報に開示される錠剤製造装置、ロータリー打錠機、湿製錠用打錠機(EMT−18及びETD−18、株式会社三共製作所製)などの装置が挙げられる。
前記成型における充填加圧時の圧力などの条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記乾燥の方法としては、特に制限はなく、公知の装置を適宜選択することができ、例えば、棚式乾燥機を用いる方法などが挙げられる。
前記乾燥の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、薬物含有物調製工程などが挙げられる。
−薬物含有物調製工程−
前記薬物含有物調製工程は、上記した薬物含有物を調製する工程である。
前記薬物含有物を調製する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記薬物と、必要に応じて前記その他の成分とを混合し、前記混合物に前記結合剤を含有する水溶液を噴霧して造粒し、顆粒とする方法などが挙げられる。
前記混合又造粒に用いる方法及び装置としては、特に制限はなく、公知の方法及び装置を適宜選択することができる。
前記薬物含有物のメディアン径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、10μm〜500μmなどが挙げられる。
前記湿製錠剤の形状、構造、大きさ、重さ、硬度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記湿製錠剤は、口腔内崩壊錠として好適に用いることができる。
前記湿製錠剤における被覆された薬物含有物の量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0質量%〜50.0質量%が好ましい。前記好ましい範囲内であると、湿製錠剤の崩壊性がより優れる点で、有利である。
本発明の湿製錠剤の製造方法によれば、外観を損なうことなく、口腔内崩壊錠に求められる口腔内崩壊性を維持しつつ、苦味が低減された湿製錠剤を製造することができる。
(湿製錠剤の品質向上方法)
本発明の湿製錠剤の品質向上方法は、被覆工程と、湿潤粉体調製工程と、成型工程とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
前記湿製錠剤の品質向上方法における品質向上とは、湿製錠剤の苦味の低減と、崩壊物がゲル状とならず、かつ、口腔内崩壊時間が60秒間以下である口腔内崩壊性とを両立することをいう。
本発明における苦味とは、錠剤を口に含み、口腔内における崩壊時及び崩壊後において感じられる苦味をいう。
本発明における口腔内崩壊時間とは、錠剤を口腔内に含んでから完全に崩壊するまでの時間をいう。
<被覆工程>
前記被覆工程は、上記した本発明の湿製錠剤の製造方法の被覆工程と同様であり、好ましい態様も同様である。
<湿潤粉体調製工程>
前記湿潤粉体調製工程は、上記した本発明の湿製錠剤の製造方法の湿潤粉体調製工程と同様であり、好ましい態様も同様である。
<成型工程>
前記成型工程は、上記した本発明の湿製錠剤の製造方法の成型工程と同様である。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記した本発明の湿製錠剤の製造方法のその他の工程と同様の工程などが挙げられる。
本発明の湿製錠剤の品質向上方法によれば、湿製錠剤の苦味の低減と、崩壊物がゲル状とならず、かつ、口腔内崩壊時間が60秒間以下である口腔内崩壊性とを両立することができる。また、湿製錠剤の外観も損なわれない。
以下、試験例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの試験例に限定されるものではない。
(試験例1)
モデル薬物として、苦味を有するアムロジピンベシル酸塩を用いて検討した。
<湿製錠剤−1−(i)の製造>
−薬物含有物調製工程−
アムロジピンベシル酸塩(Kyongbo Pharmaceutical Co.,Ltd.製) 500gと、D−マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック株式会社製) 465gと、軽質無水ケイ酸(アドソリダー101、フロイント産業株式会社製) 5gとを流動層造粒装置(MP−01、株式会社パウレック製)に投入し、混合した。
次いで、270gの水にヒプロメロース(TC−5E、信越化学工業株式会社製)を30g溶解させた水溶液を噴霧して造粒し、アムロジピンベシル酸塩を50質量%含有する顆粒(薬物含有組成物)を得た。
−湿潤粉体調製工程−
前記薬物含有物調製工程で得られた顆粒 20.79gと、D−マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック株式会社製) 232.94gとを混合した。
次いで、ポリビニルアルコール(ゴーセノールEG−03(ポリビニルアルコール部分けん化物;けん化度 86.5mоl%〜89.0mоl%)、日本合成化学工業株式会社製) 1.275gを溶解した10質量%エタノール水溶液を26.775g添加して練合し、湿潤粉体−1−(i)を得た。
−成型工程−
前記湿潤粉体−1−(i)を、湿製錠用打錠機(EMT−18及びETD−18、株式会社三共製作所製)を使用して、直径8.0mm、1錠あたりの重量が170mgとなるように打錠し、湿製錠剤−1−(i)(被覆された薬物含有物の量は、0質量%)を得た。
<湿製錠剤−1−(ii)の製造>
−薬物含有物調製工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の薬物含有物調製工程と同様にして、アムロジピンベシル酸塩を50質量%含有する顆粒を得た。
−湿潤粉体調製工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の湿潤粉体調製工程におけるポリビニルアルコールを溶解した10質量%エタノール水溶液を、ポリビニルアルコールを溶解した30質量%エタノール水溶液に代えた以外は同様にして、湿潤粉体−1−(ii)を得た。
−成型工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の成型工程における湿潤粉体−1−(i)を、前記湿潤粉体−1−(ii)に代えた以外は同様にして、湿製錠剤−1−(ii)(被覆された薬物含有物の量は、0質量%)を得た。
<湿製錠剤−1−(iii)の製造>
−薬物含有物調製工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の薬物含有物調製工程と同様にして、アムロジピンベシル酸塩を50質量%含有する顆粒を得た。
−湿潤粉体調製工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の湿潤粉体調製工程におけるポリビニルアルコールを溶解した10質量%エタノール水溶液を、ポリビニルアルコールを溶解した60質量%エタノール水溶液に代えた以外は同様にして、湿潤粉体−1−(iii)を得た。
−成型工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の成型工程における湿潤粉体−1−(i)を、前記湿潤粉体−1−(iii)に代えた以外は同様にして、湿製錠剤−1−(iii)(被覆された薬物含有物の量は、0質量%)を得た。
<湿製錠剤−2−A−(i)の製造>
−薬物含有物調製工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の薬物含有物調製工程と同様にして、アムロジピンベシル酸塩を50質量%含有する顆粒を得た。
−被覆工程−
流動層造粒装置(MP−01、株式会社パウレック製)に、前記薬物含有物調製工程で得られた顆粒 200gを投入し、下記コーティング液Iを噴霧して、被覆された薬物含有組成物(以下、「コーティング顆粒」と称することがある)I−Aを得た。
なお、被覆の終点は、コーティング液Iにおけるメタクリル酸コポリマーLDの量が、前記薬物含有物調製工程で得られた顆粒に対して、10質量%となった時点とした。
[コーティング液I]
・ メタクリル酸コポリマーLD ・・・ 732g
(ポリキッドPA−30A、三洋化成工業株式会社製)
・ 界面活性剤 ・・・ 8.8g
(ポリソルベート80、和光純薬工業株式会社製)
・ 可塑剤 ・・・ 21.6g
(マクロゴール6000、三洋化成工業株式会社製)
−湿潤粉体調製工程−
前記コーティング顆粒I−A 22.87gと、D−マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック株式会社製) 230.86gとを混合した。
次いで、ポリビニルアルコール(ゴーセノールEG−03(ポリビニルアルコール部分けん化物;けん化度 86.5mоl%〜89.0mоl%)、日本合成化学工業株式会社製) 1.275gを溶解した10質量%エタノール水溶液を26.775g添加して練合し、湿潤粉体−2−A−(i)を得た。
−成型工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の成型工程における湿潤粉体−1−(i)を、前記湿潤粉体−2−A−(i)に代えた以外は同様にして、湿製錠剤−2−A−(i)(被覆された薬物含有物の量は、9.0質量%)を得た。
<湿製錠剤−2−A−(ii)の製造>
−薬物含有物調製工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の薬物含有物調製工程と同様にして、アムロジピンベシル酸塩を50質量%含有する顆粒を得た。
−被覆工程−
前記湿製錠剤−2−A−(i)の製造の被覆工程と同様にして、コーティング顆粒I−Aを得た。
−湿潤粉体調製工程−
前記湿製錠剤−2−A−(i)の製造の湿潤粉体調製工程におけるポリビニルアルコールを溶解した10質量%エタノール水溶液を、ポリビニルアルコールを溶解した30質量%エタノール水溶液に代えた以外は同様にして、湿潤粉体−2−A−(ii)を得た。
−成型工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の成型工程における湿潤粉体−1−(i)を、前記湿潤粉体−2−A−(ii)に代えた以外は同様にして、湿製錠剤−2−A−(ii)(被覆された薬物含有物の量は、9.0質量%)を得た。
<湿製錠剤−2−A−(iii)の製造>
−薬物含有物調製工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の薬物含有物調製工程と同様にして、アムロジピンベシル酸塩を50質量%含有する顆粒を得た。
−被覆工程−
前記湿製錠剤−2−A−(i)の製造の被覆工程と同様にして、コーティング顆粒I−Aを得た。
−湿潤粉体調製工程−
前記湿製錠剤−2−A−(i)の製造の湿潤粉体調製工程におけるポリビニルアルコールを溶解した10質量%エタノール水溶液を、ポリビニルアルコールを溶解した60質量%エタノール水溶液に代えた以外は同様にして、湿潤粉体−2−A−(iii)を得た。
−成型工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の成型工程における湿潤粉体−1−(i)を、前記湿潤粉体−2−A−(iii)に代えた以外は同様にして、湿製錠剤−2−A−(iii)(被覆された薬物含有物の量は、9.0質量%)を得た。
<湿製錠剤−2−B−(i)の製造>
−薬物含有物調製工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の薬物含有物調製工程と同様にして、アムロジピンベシル酸塩を50質量%含有する顆粒を得た。
−被覆工程−
前記湿製錠剤−2−A−(i)の製造の被覆工程において、被覆の終点をコーティング液Iにおけるメタクリル酸コポリマーLDの量が、前記薬物含有物調製工程で得られた顆粒に対して、10質量%となった時点としていた点を、30質量%となった時点に変えた以外は同様にして、コーティング顆粒I−Bを得た。
−湿潤粉体調製工程−
前記コーティング顆粒I−B 27.03gと、D−マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック株式会社製) 226.70gとを混合した。
次いで、ポリビニルアルコール(ゴーセノールEG−03(ポリビニルアルコール部分けん化物;けん化度 86.5mоl%〜89.0mоl%)、日本合成化学工業株式会社製) 1.275gを溶解した10質量%エタノール水溶液を26.775g添加して練合し、湿潤粉体−2−B−(i)を得た。
−成型工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の成型工程における湿潤粉体−1−(i)を、前記湿潤粉体−2−B−(i)に代えた以外は同様にして、湿製錠剤−2−B−(i)(被覆された薬物含有物の量は、10.6質量%)を得た。
<湿製錠剤−2−B−(ii)の製造>
−薬物含有物調製工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の薬物含有物調製工程と同様にして、アムロジピンベシル酸塩を50質量%含有する顆粒を得た。
−被覆工程−
前記湿製錠剤−2−B−(i)の製造の被覆工程と同様にして、コーティング顆粒I−Bを得た。
−湿潤粉体調製工程−
前記湿製錠剤−2−B−(i)の製造の湿潤粉体調製工程におけるポリビニルアルコールを溶解した10質量%エタノール水溶液を、ポリビニルアルコールを溶解した30質量%エタノール水溶液に代えた以外は同様にして、湿潤粉体−2−B−(ii)を得た。
−成型工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の成型工程における湿潤粉体−1−(i)を、前記湿潤粉体−2−B−(ii)に代えた以外は同様にして、湿製錠剤−2−B−(ii)(被覆された薬物含有物の量は、10.6質量%)を得た。
<湿製錠剤−2−B−(iii)の製造>
−薬物含有物調製工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の薬物含有物調製工程と同様にして、アムロジピンベシル酸塩を50質量%含有する顆粒を得た。
−被覆工程−
前記湿製錠剤−2−B−(i)の製造の被覆工程と同様にして、コーティング顆粒I−Bを得た。
−湿潤粉体調製工程−
前記湿製錠剤−2−B−(i)の製造の湿潤粉体調製工程におけるポリビニルアルコールを溶解した10質量%エタノール水溶液を、ポリビニルアルコールを溶解した60質量%エタノール水溶液に代えた以外は同様にして、湿潤粉体−2−B−(iii)を得た。
−成型工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の成型工程における湿潤粉体−1−(i)を、前記湿潤粉体−2−B−(iii)に代えた以外は同様にして、湿製錠剤−2−B−(iii)(被覆された薬物含有物の量は、10.6質量%)を得た。
<湿製錠剤−2−C−(i)の製造>
−薬物含有物調製工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の薬物含有物調製工程と同様にして、アムロジピンベシル酸塩を50質量%含有する顆粒を得た。
−被覆工程−
前記湿製錠剤−2−A−(i)の製造の被覆工程において、被覆の終点をコーティング液Iにおけるメタクリル酸コポリマーLDの量が、前記薬物含有物調製工程で得られた顆粒に対して、10質量%となった時点としていた点を、50質量%となった時点に変えた以外は同様にして、コーティング顆粒I−Cを得た。
−湿潤粉体調製工程−
前記コーティング顆粒I−C 31.19gと、D−マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック株式会社製) 222.54gとを混合した。
次いで、ポリビニルアルコール(ゴーセノールEG−03(ポリビニルアルコール部分けん化物;けん化度 86.5mоl%〜89.0mоl%)、日本合成化学工業株式会社製) 1.275gを溶解した10質量%エタノール水溶液を26.775g添加して練合し、湿潤粉体−2−C−(i)を得た。
−成型工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の成型工程における湿潤粉体−1−(i)を、前記湿潤粉体−2−C−(i)に代えた以外は同様にして、湿製錠剤−2−C−(i)(被覆された薬物含有物の量は、12.2質量%)を得た。
<湿製錠剤−2−C−(ii)の製造>
−薬物含有物調製工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の薬物含有物調製工程と同様にして、アムロジピンベシル酸塩を50質量%含有する顆粒を得た。
−被覆工程−
前記湿製錠剤−2−C−(i)の製造の被覆工程と同様にして、コーティング顆粒I−Cを得た。
−湿潤粉体調製工程−
前記湿製錠剤−2−C−(i)の製造の湿潤粉体調製工程におけるポリビニルアルコールを溶解した10質量%エタノール水溶液を、ポリビニルアルコールを溶解した30質量%エタノール水溶液に代えた以外は同様にして、湿潤粉体−2−C−(ii)を得た。
−成型工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の成型工程における湿潤粉体−1−(i)を、前記湿潤粉体−2−C−(ii)に代えた以外は同様にして、湿製錠剤−2−C−(ii)(被覆された薬物含有物の量は、12.2質量%)を得た。
<湿製錠剤−2−C−(iii)の製造>
−薬物含有物調製工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の薬物含有物調製工程と同様にして、アムロジピンベシル酸塩を50質量%含有する顆粒を得た。
−被覆工程−
前記湿製錠剤−2−C−(i)の製造の被覆工程と同様にして、コーティング顆粒I−Cを得た。
−湿潤粉体調製工程−
前記湿製錠剤−2−C−(i)の製造の湿潤粉体調製工程におけるポリビニルアルコールを溶解した10質量%エタノール水溶液を、ポリビニルアルコールを溶解した60質量%エタノール水溶液に代えた以外は同様にして、湿潤粉体−2−C−(iii)を得た。
−成型工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の成型工程における湿潤粉体−1−(i)を、前記湿潤粉体−2−C−(iii)に代えた以外は同様にして、湿製錠剤−2−C−(iii)(被覆された薬物含有物の量は、12.2質量%)を得た。
<湿製錠剤−3−A−(i)の製造>
−薬物含有物調製工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の薬物含有物調製工程と同様にして、アムロジピンベシル酸塩を50質量%含有する顆粒を得た。
−被覆工程−
流動層造粒装置(MP−01、株式会社パウレック製)に、前記薬物含有物調製工程で得られた顆粒 200gを投入し、下記コーティング液IIを噴霧して、被覆された薬物含有組成物(以下、「コーティング顆粒」と称することがある)II−Aを得た。
なお、被覆の終点は、コーティング液IIにおけるエチルセルロースの量が、前記薬物含有物調製工程で得られた顆粒に対して、10質量%となった時点とした。
[コーティング液II]
・ エチルセルロース ・・・ 208g
(Ethocel 7 Premium、日本カラコン合同会社製)
・ エタノール ・・・ 3,744g
・ 水 ・・・ 416g
−湿潤粉体調製工程−
前記湿製錠剤−2−A−(i)の製造の湿潤粉体調製工程におけるコーティング顆粒I−Aを、コーティング顆粒II−Aに代えた以外は同様にして、湿潤粉体−3−A−(i)を得た。
−成型工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の成型工程における湿潤粉体−1−(i)を、前記湿潤粉体−3−A−(i)に代えた以外は同様にして、湿製錠剤−3−A−(i)(被覆された薬物含有物の量は、9.0質量%)を得た。
<湿製錠剤−3−A−(ii)の製造>
−薬物含有物調製工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の薬物含有物調製工程と同様にして、アムロジピンベシル酸塩を50質量%含有する顆粒を得た。
−被覆工程−
前記湿製錠剤−3−A−(i)の製造の被覆工程と同様にして、コーティング顆粒II−Aを得た。
−湿潤粉体調製工程−
前記湿製錠剤−3−A−(i)の製造の湿潤粉体調製工程におけるポリビニルアルコールを溶解した10質量%エタノール水溶液を、ポリビニルアルコールを溶解した30質量%エタノール水溶液に代えた以外は同様にして、湿潤粉体−3−A−(ii)を得た。
−成型工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の成型工程における湿潤粉体−1−(i)を、前記湿潤粉体−3−A−(ii)に代えた以外は同様にして、湿製錠剤−3−A−(ii)(被覆された薬物含有物の量は、9.0質量%)を得た。
<湿製錠剤−3−A−(iii)の製造>
−薬物含有物調製工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の薬物含有物調製工程と同様にして、アムロジピンベシル酸塩を50質量%含有する顆粒を得た。
−被覆工程−
前記湿製錠剤−3−A−(i)の製造の被覆工程と同様にして、コーティング顆粒II−Aを得た。
−湿潤粉体調製工程−
前記湿製錠剤−3−A−(i)の製造の湿潤粉体調製工程におけるポリビニルアルコールを溶解した10質量%エタノール水溶液を、ポリビニルアルコールを溶解した60質量%エタノール水溶液に代えた以外は同様にして、湿潤粉体−3−A−(iii)を得た。
−成型工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の成型工程における湿潤粉体−1−(i)を、前記湿潤粉体−3−A−(iii)に代えた以外は同様にして、湿製錠剤−3−A−(iii)(被覆された薬物含有物の量は、9.0質量%)を得た。
<湿製錠剤−3−B−(i)の製造>
−薬物含有物調製工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の薬物含有物調製工程と同様にして、アムロジピンベシル酸塩を50質量%含有する顆粒を得た。
−被覆工程−
前記湿製錠剤−3−A−(i)の製造の被覆工程において、被覆の終点をコーティング液IIにおけるエチルセルロースの量が、前記薬物含有物調製工程で得られた顆粒に対して、10質量%となった時点としていた点を、30質量%となった時点に変えた以外は同様にして、コーティング顆粒II−Bを得た。
−湿潤粉体調製工程−
前記湿製錠剤−2−B−(i)の製造の湿潤粉体調製工程におけるコーティング顆粒I−Bを、コーティング顆粒II−Bに代えた以外は同様にして、湿潤粉体−3−B−(i)を得た。
−成型工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の成型工程における湿潤粉体−1−(i)を、前記湿潤粉体−3−B−(i)に代えた以外は同様にして、湿製錠剤−3−B−(i)(被覆された薬物含有物の量は、10.6質量%)を得た。
<湿製錠剤−3−B−(ii)の製造>
−薬物含有物調製工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の薬物含有物調製工程と同様にして、アムロジピンベシル酸塩を50質量%含有する顆粒を得た。
−被覆工程−
前記湿製錠剤−3−B−(i)の製造の被覆工程と同様にして、コーティング顆粒II−Bを得た。
−湿潤粉体調製工程−
前記湿製錠剤−3−B−(i)の製造の湿潤粉体調製工程におけるポリビニルアルコールを溶解した10質量%エタノール水溶液を、ポリビニルアルコールを溶解した30質量%エタノール水溶液に代えた以外は同様にして、湿潤粉体−3−B−(ii)を得た。
−成型工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の成型工程における湿潤粉体−1−(i)を、前記湿潤粉体−3−B−(ii)に代えた以外は同様にして、湿製錠剤−3−B−(ii)(被覆された薬物含有物の量は、10.6質量%)を得た。
<湿製錠剤−3−B−(iii)の製造>
−薬物含有物調製工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の薬物含有物調製工程と同様にして、アムロジピンベシル酸塩を50質量%含有する顆粒を得た。
−被覆工程−
前記湿製錠剤−3−B−(i)の製造の被覆工程と同様にして、コーティング顆粒II−Bを得た。
−湿潤粉体調製工程−
前記湿製錠剤−3−B−(i)の製造の湿潤粉体調製工程におけるポリビニルアルコールを溶解した10質量%エタノール水溶液を、ポリビニルアルコールを溶解した60質量%エタノール水溶液に代えた以外は同様にして、湿潤粉体−3−B−(iii)を得た。
−成型工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の成型工程における湿潤粉体−1−(i)を、前記湿潤粉体−3−B−(iii)に代えた以外は同様にして、湿製錠剤−3−B−(iii)(被覆された薬物含有物の量は、10.6質量%)を得た。
<湿製錠剤−3−C−(i)の製造>
−薬物含有物調製工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の薬物含有物調製工程と同様にして、アムロジピンベシル酸塩を50質量%含有する顆粒を得た。
−被覆工程−
前記湿製錠剤−3−A−(i)の製造の被覆工程において、被覆の終点をコーティング液IIにおけるエチルセルロースの量が、前記薬物含有物調製工程で得られた顆粒に対して、10質量%となった時点としていた点を、50質量%となった時点に変えた以外は同様にして、コーティング顆粒II−Cを得た。
−湿潤粉体調製工程−
前記湿製錠剤−2−C−(i)の製造の湿潤粉体調製工程におけるコーティング顆粒I−Cを、コーティング顆粒II−Cに代えた以外は同様にして、湿潤粉体−3−C−(i)を得た。
−成型工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の成型工程における湿潤粉体−1−(i)を、前記湿潤粉体−3−C−(i)に代えた以外は同様にして、湿製錠剤−3−C−(i)(被覆された薬物含有物の量は、12.2質量%)を得た。
<湿製錠剤−3−C−(ii)の製造>
−薬物含有物調製工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の薬物含有物調製工程と同様にして、アムロジピンベシル酸塩を50質量%含有する顆粒を得た。
−被覆工程−
前記湿製錠剤−3−C−(i)の製造の被覆工程と同様にして、コーティング顆粒II−Cを得た。
−湿潤粉体調製工程−
前記湿製錠剤−3−C−(i)の製造の湿潤粉体調製工程におけるポリビニルアルコールを溶解した10質量%エタノール水溶液を、ポリビニルアルコールを溶解した30質量%エタノール水溶液に代えた以外は同様にして、湿潤粉体−3−C−(ii)を得た。
−成型工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の成型工程における湿潤粉体−1−(i)を、前記湿潤粉体−3−C−(ii)に代えた以外は同様にして、湿製錠剤−3−C−(ii)(被覆された薬物含有物の量は、12.2質量%)を得た。
<湿製錠剤−3−C−(iii)の製造>
−薬物含有物調製工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の薬物含有物調製工程と同様にして、アムロジピンベシル酸塩を50質量%含有する顆粒を得た。
−被覆工程−
前記湿製錠剤−3−C−(i)の製造の被覆工程と同様にして、コーティング顆粒II−Cを得た。
−湿潤粉体調製工程−
前記湿製錠剤−3−C−(i)の製造の湿潤粉体調製工程におけるポリビニルアルコールを溶解した10質量%エタノール水溶液を、ポリビニルアルコールを溶解した60質量%エタノール水溶液に代えた以外は同様にして、湿潤粉体−3−C−(iii)を得た。
−成型工程−
前記湿製錠剤−1−(i)の製造の成型工程における湿潤粉体−1−(i)を、前記湿潤粉体−3−C−(iii)に代えた以外は同様にして、湿製錠剤−3−C−(iii)(被覆された薬物含有物の量は、12.2質量%)を得た。
<評価>
−口腔内崩壊性−
上記で得られた各湿製錠剤について、錠剤を口腔内に含んでから完全に崩壊するまでの時間を測定し、その時間を算出した。結果を表1に示す。
−苦味試験−
上記で得られた各湿製錠剤について、錠剤を口に含み、口腔内における崩壊時及び崩壊後において感じられる苦味について以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
・ − ・・・ 苦味を感じない。
・ ± ・・・ わずかに苦味を感じる。
・ + ・・・ 苦味を感じる。
・ ++ ・・・ 強く苦味を感じる。
−外観−
上記で得られた各湿製錠剤の外観について以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
・ ○ ・・・ 外観に問題なし。
・ × ・・・ 錠剤に線が入っている。
Figure 2018193360
表1中、「※1」は、崩壊物がややゲル状であったことを示し、「※2」は、崩壊物がゲル状であったことを示す。※1及び※2が付された錠剤は、崩壊性が不適であった。
表1の結果から、薬物含有物に対して、30質量%以上の量の被覆基剤で薬物含有物を被覆し、湿潤粉体調製工程における含水有機溶媒中の有機溶媒の濃度を30質量%以下として製造した湿製錠剤では、苦味の低減と、崩壊物がゲル状とならず、かつ、口腔内崩壊時間が60秒間以下である口腔内崩壊性とを両立することができ、品質に優れた湿製錠剤が得られることが確認された。また、これらの湿製錠剤は、外観も損なわれていなかった。
(試験例2)
モデル薬物として、苦味を有するメマンチン塩酸塩を用いて検討した。
<湿製錠剤−4の製造>
−薬物含有物調製工程−
メマンチン塩酸塩(株式会社DNPファインケミカル宇都宮製) 500gと、軽質無水ケイ酸(アドソリダー101、フロイント産業株式会社製) 5gとを流動層造粒装置(MP−01、株式会社パウレック製)に投入し、混合した。
次いで、475gの水にヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達株式会社製)を25g溶解させた水溶液を噴霧して造粒し、106g中にメマンチン塩酸塩を100g含有する顆粒(薬物含有組成物)を得た。
−被覆工程−
流動層造粒装置(MP−01、株式会社パウレック製)に、前記薬物含有物調製工程で得られた顆粒 400gを投入し、下記コーティング液IIIを噴霧して、被覆された薬物含有組成物(以下、「コーティング顆粒」と称することがある)IIIを得た。
なお、被覆の終点は、コーティング液IIIにおけるエチルセルロースの量が、前記薬物含有物調製工程で得られた顆粒に対して、50質量%となった時点とした。
[コーティング液III]
・ エチルセルロース ・・・ 200g
(Ethocel 7 Premium、日本カラコン合同会社製)
・ エタノール ・・・ 1,620g
・ 水 ・・・ 180g
−湿潤粉体調製工程−
前記コーティング顆粒III 31.8gと、D−マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック株式会社製) 114.0gと、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社) 3.0gとを混合した。
次いで、ポリビニルアルコール(ゴーセノールEG−03(ポリビニルアルコール部分けん化物;けん化度 86.5mоl%〜89.0mоl%)、日本合成化学工業株式会社製) 1.2g及びストロベリーオイル(小川香料株式会社製)0.15gを溶解した10質量%エタノール水溶液を16.35g添加して練合し、湿潤粉体−4を得た。
−成型工程−
前記湿潤粉体−4を、湿製錠用打錠機(EMT−18及びETD−18、株式会社三共製作所製)を使用して、直径8.5mm、1錠あたりの重量が150mgとなるように打錠し、湿製錠剤−4(被覆された薬物含有物の量は、21.2質量%)を得た。
<湿製錠剤−5の製造>
−薬物含有物調製工程−
メマンチン塩酸塩(株式会社DNPファインケミカル宇都宮製) 500gと、軽質無水ケイ酸(アドソリダー101、フロイント産業株式会社製) 5gとを流動層造粒装置(MP−01、株式会社パウレック製)に投入し、混合した。
次いで、475gの水にヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達株式会社製)を25g溶解させた水溶液を噴霧して造粒し、106g中にメマンチン塩酸塩を100g含有する顆粒(薬物含有組成物)を得た。
−湿潤粉体調製工程−
前記薬物含有組成物 21.2gと、D−マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック株式会社製) 124.6gと、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社) 3.0gとを混合した。
次いで、ポリビニルアルコール(ゴーセノールEG−03(ポリビニルアルコール部分けん化物;けん化度 86.5mоl%〜89.0mоl%)、日本合成化学工業株式会社製) 1.2g及びストロベリーオイル(小川香料株式会社製)0.15gをを溶解した10質量%エタノール水溶液を16.35g添加して練合し、湿潤粉体−5を得た。
−成型工程−
前記湿潤粉体−5を、オートグラフ(株式会社島津製作所製)を使用して、直径8.5mm、1錠あたりの重量が150mgとなるように打錠し、湿製錠剤−5(被覆された薬物含有物の量は、0質量%)を得た。
<評価>
上記で得られた各湿製錠剤について、試験例1と同様にして、口腔内崩壊性、苦味、外観を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2018193360
表2の結果から、異なる薬物を用いた場合でも、薬物含有物に対して、30質量%以上の量の被覆基剤で薬物含有物を被覆し、湿潤粉体調製工程における含水有機溶媒中の有機溶媒の濃度を30質量%以下として製造した湿製錠剤−4では、苦味の低減と、崩壊物がゲル状とならず、かつ、口腔内崩壊時間が60秒間以下である口腔内崩壊性とを両立することができ、品質に優れた湿製錠剤が得られることが確認された。また、これらの湿製錠剤は、外観も損なわれていなかった。
(試験例3)
<湿製錠剤6の製造>
−薬物含有物調製工程−
メマンチン塩酸塩(株式会社DNPファインケミカル宇都宮製) 250gと、軽質無水ケイ酸(アエロジル200、日本アエロジル株式会社製) 2.5gとを高速攪拌造粒装置(NMG−5型、株式会社奈良機械製作所製)に投入し、混合した。
次いで、37.5gの水にヒドロキシプロピルセルロース(HPC−SSL、日本曹達株式会社製)を7.5g溶解させた水溶液を添加して造粒した。解砕機(コーミル、株式会社パウレック製、スクリーン径1.58mm)で解砕した後に、流動層乾燥機(MP−01、株式会社パウレック製)を用いて乾燥し、さらに解砕機(コーミル、株式会社パウレック製、スクリーン径0.81mm)で整粒し、104g中にメマンチン塩酸塩を100g含有する顆粒(薬物含有組成物)を得た。
−被覆工程−
流動層造粒装置(MP−01、株式会社パウレック製)に、前記薬物含有物調製工程で得られた顆粒200gを投入し、下記コーティング液IVを噴霧して、被覆された薬物含有組成物(以下、「コーティング顆粒」と称することがある)IVを得た。
なお、被覆の終点は、コーティング液IVにおけるエチルセルロースの量が、前記薬物含有物調製工程で得られた顆粒に対して、50質量%となった時点とした。
[コーティング液IV]
・ エチルセルロース ・・・ 100g
(ETHOCEL Standard 7 Premium、日本カラコン合同会社製)
・ エタノール ・・・ 810g
・ 水 ・・・ 90g
−湿潤粉体調製工程−
前記コーティング顆粒IV 92.4gと、D−マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック株式会社製) 462.69gと、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社) 11.4gとを高速攪拌造粒装置(NMG−5型、株式会社奈良機械製作所製)を用いて混合した。
次いで、ポリビニルアルコール(ゴーセノールEG−03(ポリビニルアルコール部分けん化物;けん化度 86.5mоl%〜89.0mоl%)、日本合成化学工業株式会社製) 2.85g及びストロベリーオイル(小川香料株式会社製)0.57gを溶解した10質量%エタノール水溶液を60.42g添加して練合し、湿潤粉体−6を得た。
−成型工程−
前記湿潤粉体−6を、湿製錠用打錠機(EMT−18及びETD−18、株式会社三共製作所製)を使用して、直径8.5mm、1錠あたりの重量が190mgとなるように打錠し、湿製錠剤−6(被覆された薬物含有物の量は、20.8質量%)を得た。
<評価>
上記で得られた湿製錠剤について、試験例1と同様にして、口腔内崩壊性、苦味、外観を評価した結果、湿製錠剤−6の口腔内崩壊時間は15秒であり、苦味の評価結果は±であり、外観の評価結果は○であった。
(試験例4)
<湿製錠剤−7−(i)の製造>
−薬物含有物調製工程−
アムロジピンベシル酸塩(Kyongbo Pharmaceutical Co.,Ltd.製) 500gと、D−マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック株式会社製) 465gと、軽質無水ケイ酸(アドソリダー101、フロイント産業株式会社製) 5gとを流動層造粒装置(MP−01、株式会社パウレック製)に投入し、混合した。
次いで、270gの水にヒプロメロース(TC−5E、信越化学工業株式会社製)を30g溶解させた水溶液を噴霧して造粒し、アムロジピンベシル酸塩を50質量%含有する顆粒(薬物含有組成物)を得た。
−被覆工程−
流動層造粒装置(MP−01、株式会社パウレック製)に、前記薬物含有物調製工程で得られた顆粒 200gを投入し、下記コーティング液Vを噴霧して、被覆された薬物含有組成物(以下、「コーティング顆粒」と称することがある)V−(i)を得た。
なお、被覆の終点は、コーティング液VにおけるアミノアルキルメタクリレートコポリマーEの量が、前記薬物含有物調製工程で得られた顆粒に対して、30質量%となった時点とした。
[コーティング液V]
・ アミノアルキルメタクリレートコポリマーE ・・・ 114.2g
(オイドラギットEPO、Evonik製)
・ ラウリル硫酸ナトリウム ・・・ 11.4g
(和光純薬工業株式会社製)
・ ステアリン酸 ・・・ 17.2g
(AVANTOR製)
・ タルク ・・・ 57.2g
(タルカンハヤシ、林化成株式会社性)
・ 水 ・・・ 1,134g
−湿潤粉体調製工程−
前記コーティング顆粒V−(i) 27.03gと、D−マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック株式会社製) 226.70gとを混合した。
次いで、ポリビニルアルコール(ゴーセノールEG−03(ポリビニルアルコール部分けん化物;けん化度 86.5mоl%〜89.0mоl%)、日本合成化学工業株式会社製) 1.275gを溶解した10質量%エタノール水溶液を26.775g添加して練合し、湿潤粉体−7−(i)を得た。
−成型工程−
前記湿潤粉体−7−(i)を、湿製錠用打錠機(EMT−18及びETD−18、株式会社三共製作所製)を使用して、直径8.0mm、1錠あたりの重量が170mgとなるように打錠し、湿製錠剤−7−(i)(被覆された薬物含有物の量は、10.6質量%)を得た。
<湿製錠剤−7−(ii)の製造>
−薬物含有物調製工程−
前記湿製錠剤−7−(i)の製造の薬物含有物調製工程と同様にして、アムロジピンベシル酸塩を50質量%含有する顆粒を得た。
−被覆工程−
前記湿製錠剤−7−(i)の製造の被覆工程において、被覆の終点をコーティング液VにおけるアミノアルキルメタクリレートコポリマーEの量が、前記薬物含有物調製工程で得られた顆粒に対して、30質量%となった時点としていた点を、50質量%となった時点に変えた以外は同様にして、コーティング顆粒V−(ii)を得た。
−湿潤粉体調製工程−
前記コーティング顆粒V−(ii) 31.19gと、D−マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック株式会社製) 222.54gとを混合した。
次いで、ポリビニルアルコール(ゴーセノールEG−03(ポリビニルアルコール部分けん化物;けん化度 86.5mоl%〜89.0mоl%)、日本合成化学工業株式会社製) 1.275gを溶解した10質量%エタノール水溶液を26.775g添加して練合し、湿潤粉体−7−(ii)を得た。
−成型工程−
前記湿製錠剤−7−(i)の製造の成型工程における湿潤粉体−7−(i)を、前記湿潤粉体−7−(ii)に代えた以外は同様にして、湿製錠剤−7−(ii)(被覆された薬物含有物の量は、12.2質量%)を得た。
<評価>
上記で得られた湿製錠剤−7−(i)及び(ii)について、試験例1と同様にして、口腔内崩壊性、苦味、外観を評価した結果、湿製錠剤−7−(i)は、口腔内崩壊時間が12秒、苦味の評価結果が−、外観の評価結果が○であり、湿製錠剤−7−(ii)は、口腔内崩壊時間が21秒、苦味の評価結果が−、外観の評価結果が○であった。
(試験例5)
<湿製錠剤−8−A−(i)の製造>
−薬物含有物調製工程−
アムロジピンベシル酸塩(Kyongbo Pharmaceutical Co.,Ltd.製) 500gと、D−マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック株式会社製) 465gと、軽質無水ケイ酸(アドソリダー101、フロイント産業株式会社製) 5gとを流動層造粒装置(MP−01、株式会社パウレック製)に投入し、混合した。
次いで、270gの水にヒプロメロース(TC−5E、信越化学工業株式会社製)を30g溶解させた水溶液を噴霧して造粒し、アムロジピンベシル酸塩を50質量%含有する顆粒(薬物含有組成物)を得た。
−被覆工程−
流動層造粒装置(MP−01、株式会社パウレック製)に、前記薬物含有物調製工程で得られた顆粒 200gを投入し、下記コーティング液VIを噴霧して、被覆された薬物含有組成物(以下、「コーティング顆粒」と称することがある)VI−Aを得た。
なお、被覆の終点は、コーティング液VIにおけるアンモニオアルキルメタクリレートコポリマーRSの量が、前記薬物含有物調製工程で得られた顆粒に対して、10質量%となった時点とした。
[コーティング液VI]
・ アンモニオアルキルメタクリレートコポリマーRS ・・・ 129.1g
(オイドラギットRL30D、Evonik製)
・ カルメロースナトリウム ・・・ 14.4g
(セロゲンPR−S、第一工業株式会社製)
・ ポリソルベート80 ・・・ 28.7g
(純正化学株式会社製)
・ 軽質無水ケイ酸 ・・・ 28.7g
(アドソリダー101、フロイント産業株式会社製)
・ 水 ・・・ 502g
−湿潤粉体調製工程−
前記コーティング顆粒VI−A 22.87gと、D−マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック株式会社製) 230.86gとを混合した。
次いで、ポリビニルアルコール(ゴーセノールEG−03(ポリビニルアルコール部分けん化物;けん化度 86.5mоl%〜89.0mоl%)、日本合成化学工業株式会社製) 1.275gを溶解した10質量%エタノール水溶液を26.775g添加して練合し、湿潤粉体−8−A−(i)を得た。
−成型工程−
前記湿潤粉体−8−A−(i)を、湿製錠用打錠機(EMT−18及びETD−18、株式会社三共製作所製)を使用して、直径8.0mm、1錠あたりの重量が170mgとなるように打錠し、湿製錠剤−8−A−(i)(被覆された薬物含有物の量は、9.0質量%)を得た。
<湿製錠剤−8−A−(ii)の製造>
−薬物含有物調製工程−
前記湿製錠剤−8−A−(i)の製造の薬物含有物調製工程と同様にして、アムロジピンベシル酸塩を50質量%含有する顆粒を得た。
−被覆工程−
前記湿製錠剤−8−A−(i)の製造の被覆工程と同様にして、コーティング顆粒VI−Aを得た。
−湿潤粉体調製工程−
前記湿製錠剤−8−A−(i)の製造の湿潤粉体調製工程におけるポリビニルアルコールを溶解した10質量%エタノール水溶液を、ポリビニルアルコールを溶解した60質量%エタノール水溶液に代えた以外は同様にして、湿潤粉体−8−A−(ii)を得た。
−成型工程−
前記湿製錠剤−8−A−(i)の製造の成型工程における湿潤粉体−8−A−(i)を、前記湿潤粉体−8−A−(ii)に代えた以外は同様にして、湿製錠剤−8−A−(ii)(被覆された薬物含有物の量は、9.0質量%)を得た。
<湿製錠剤−8−B−(i)の製造>
−薬物含有物調製工程−
前記湿製錠剤−8−A−(i)の製造の薬物含有物調製工程と同様にして、アムロジピンベシル酸塩を50質量%含有する顆粒を得た。
−被覆工程−
前記湿製錠剤−8−A−(i)の製造の被覆工程において、被覆の終点をコーティング液VIにおけるアンモニオアルキルメタクリレートコポリマーRSの量が、前記薬物含有物調製工程で得られた顆粒に対して、10質量%となった時点としていた点を、30質量%となった時点に変えた以外は同様にして、コーティング顆粒VI−Bを得た。
−湿潤粉体調製工程−
前記コーティング顆粒VI−B 27.03gと、D−マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック株式会社製) 226.70gとを混合した。
次いで、ポリビニルアルコール(ゴーセノールEG−03(ポリビニルアルコール部分けん化物;けん化度 86.5mоl%〜89.0mоl%)、日本合成化学工業株式会社製) 1.275gを溶解した10質量%エタノール水溶液を26.775g添加して練合し、湿潤粉体−8−B−(i)を得た。
−成型工程−
前記湿製錠剤−8−A−(i)の製造の成型工程における湿潤粉体−8−A−(i)を、前記湿潤粉体−8−B−(i)に代えた以外は同様にして、湿製錠剤−8−B−(i)(被覆された薬物含有物の量は、10.6質量%)を得た。
<湿製錠剤−8−B−(ii)の製造>
−薬物含有物調製工程−
前記湿製錠剤−8−A−(i)の製造の薬物含有物調製工程と同様にして、アムロジピンベシル酸塩を50質量%含有する顆粒を得た。
−被覆工程−
前記湿製錠剤−8−B−(i)の製造の被覆工程と同様にして、コーティング顆粒VI−Bを得た。
−湿潤粉体調製工程−
前記湿製錠剤−8−B−(i)の製造の湿潤粉体調製工程におけるポリビニルアルコールを溶解した10質量%エタノール水溶液を、ポリビニルアルコールを溶解した60質量%エタノール水溶液に代えた以外は同様にして、湿潤粉体−8−B−(ii)を得た。
−成型工程−
前記湿製錠剤−8−A−(i)の製造の成型工程における湿潤粉体−8−A−(i)を、前記湿潤粉体−8−B−(ii)に代えた以外は同様にして、湿製錠剤−8−B−(ii)(被覆された薬物含有物の量は、10.6質量%)を得た。
<湿製錠剤−8−C−(i)の製造>
−薬物含有物調製工程−
前記湿製錠剤−8−A−(i)の製造の薬物含有物調製工程と同様にして、アムロジピンベシル酸塩を50質量%含有する顆粒を得た。
−被覆工程−
前記湿製錠剤−8−A−(i)の製造の被覆工程において、被覆の終点をコーティング液VIにおけるアンモニオアルキルメタクリレートコポリマーRSの量が、前記薬物含有物調製工程で得られた顆粒に対して、10質量%となった時点としていた点を、50質量%となった時点に変えた以外は同様にして、コーティング顆粒VI−Cを得た。
−湿潤粉体調製工程−
前記コーティング顆粒VI−C 31.19gと、D−マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック株式会社製) 222.54gとを混合した。
次いで、ポリビニルアルコール(ゴーセノールEG−03(ポリビニルアルコール部分けん化物;けん化度 86.5mоl%〜89.0mоl%)、日本合成化学工業株式会社製) 1.275gを溶解した10質量%エタノール水溶液を26.775g添加して練合し、湿潤粉体−8−C−(i)を得た。
−成型工程−
前記湿製錠剤−8−A−(i)の製造の成型工程における湿潤粉体−8−A−(i)を、前記湿潤粉体−8−C−(i)に代えた以外は同様にして、湿製錠剤−8−C−(i)(被覆された薬物含有物の量は、12.2質量%)を得た。
<湿製錠剤−8−C−(ii)の製造>
−薬物含有物調製工程−
前記湿製錠剤−8−A−(i)の製造の薬物含有物調製工程と同様にして、アムロジピンベシル酸塩を50質量%含有する顆粒を得た。
−被覆工程−
前記湿製錠剤−8−C−(i)の製造の被覆工程と同様にして、コーティング顆粒VI−Cを得た。
−湿潤粉体調製工程−
前記湿製錠剤−8−C−(i)の製造の湿潤粉体調製工程におけるポリビニルアルコールを溶解した10質量%エタノール水溶液を、ポリビニルアルコールを溶解した60質量%エタノール水溶液に代えた以外は同様にして、湿潤粉体−8−C−(ii)を得た。
−成型工程−
前記湿製錠剤−8−A−(i)の製造の成型工程における湿潤粉体−8−A−(i)を、前記湿潤粉体−8−C−(ii)に代えた以外は同様にして、湿製錠剤−8−C−(ii)(被覆された薬物含有物の量は、12.2質量%)を得た。
<評価>
上記で得られた各湿製錠剤について、試験例1と同様にして、口腔内崩壊性、苦味、外観を評価した。結果を表3に示す。
Figure 2018193360
試験例1〜5の結果から、被覆基剤として、メタクリル酸コポリマーLD、エチルセルロース及びアミノアルキルメタクリレートコポリマーEの少なくともいずれかを用い、薬物含有物に対して、30質量%以上の量の被覆基剤で薬物含有物を被覆し、湿潤粉体調製工程における含水有機溶媒中の有機溶媒の濃度を30質量%以下として製造した湿製錠剤では、苦味の低減と、崩壊物がゲル状とならず、かつ、口腔内崩壊時間が60秒間以下である口腔内崩壊性とを両立することができ、品質に優れた湿製錠剤が得られることが確認された。また、これらの湿製錠剤は、外観も損なわれていなかった。

Claims (12)

  1. 被覆基剤で薬物含有物を被覆し、被覆された薬物含有物を得る被覆工程と、
    前記被覆された薬物含有物を含む組成物に、結合剤を溶解した含水有機溶媒を加えて練合し、湿潤粉体を得る湿潤粉体調製工程と、
    前記湿潤粉体を圧縮成型する成型工程とを含み、
    前記被覆工程における被覆基剤が、メタクリル酸コポリマーLD、エチルセルロース及びアミノアルキルメタクリレートコポリマーEからなる群から選択される1種以上であり、
    前記被覆工程における被覆基剤の量が、前記薬物含有物に対して、30質量%以上であり、
    前記湿潤粉体調製工程における含水有機溶媒中の有機溶媒の濃度が、30質量%以下であることを特徴とする湿製錠剤の製造方法。
  2. 前記被覆基剤が、メタクリル酸コポリマーLD及びエチルセルロースの少なくともいずれかである請求項1に記載の湿製錠剤の製造方法。
  3. 前記含水有機溶媒における有機溶媒が、エタノールである請求項1から2のいずれかに記載の湿製錠剤の製造方法。
  4. 前記被覆工程における被覆基剤の量が、前記薬物含有物に対して、30質量%以上70質量%以下である請求項1から3のいずれかに記載の湿製錠剤の製造方法。
  5. 前記湿潤粉体調製工程における含水有機溶媒中の有機溶媒の濃度が、1質量%以上10質量%以下である請求項1から4のいずれかに記載の湿製錠剤の製造方法。
  6. 湿製錠剤における被覆された薬物含有物の量が、1.0質量%〜50.0質量%である請求項1から5のいずれかに記載の湿製錠剤の製造方法。
  7. 湿製錠剤の品質向上方法であって、
    被覆基剤で薬物含有物を被覆し、被覆された薬物含有物を得る被覆工程と、
    前記被覆された薬物含有物を含む組成物に、結合剤を溶解した含水有機溶媒を加えて練合し、湿潤粉体を得る湿潤粉体調製工程と、
    前記湿潤粉体を圧縮成型する成型工程とを含み、
    前記被覆工程における被覆基剤が、メタクリル酸コポリマーLD、エチルセルロース及びアミノアルキルメタクリレートコポリマーEからなる群から選択される1種以上であり、
    前記被覆工程における被覆基剤の量が、前記薬物含有物に対して、30質量%以上であり、
    前記湿潤粉体調製工程における含水有機溶媒中の有機溶媒の濃度が、30質量%以下であり、
    前記品質向上が、前記湿製錠剤の苦味の低減と、崩壊物がゲル状とならず、かつ、口腔内崩壊時間が60秒間以下である口腔内崩壊性との両立であることを特徴とする方法。
  8. 前記被覆基剤が、メタクリル酸コポリマーLD及びエチルセルロースの少なくともいずれかである請求項7に記載の方法。
  9. 前記含水有機溶媒における有機溶媒が、エタノールである請求項7から8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記被覆工程における被覆基剤の量が、前記薬物含有物に対して、30質量%以上70質量%以下である請求項7から9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記湿潤粉体調製工程における含水有機溶媒中の有機溶媒の濃度が、1質量%以上10質量%以下である請求項7から10のいずれかに記載の方法。
  12. 湿製錠剤における被覆された薬物含有物の量が、1.0質量%〜50.0質量%である請求項7から11のいずれかに記載の方法。
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