JP2018024632A - 口腔内崩壊性被覆錠剤及び口腔内崩壊性被覆錠剤の被覆層用組成物 - Google Patents

口腔内崩壊性被覆錠剤及び口腔内崩壊性被覆錠剤の被覆層用組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】適切な強度を保ちつつ、素早く崩壊することができる口腔内崩壊性被覆錠剤、及び口腔内崩壊性被覆錠剤の被覆層用組成物を提供する。【解決手段】デキストリン及びトウモロコシデンプンの少なくともいずれかと、ポリビニルアルコール系樹脂とを含む被覆層を有する口腔内崩壊性被覆錠剤、及び口腔内崩壊性被覆錠剤の被覆層に用いられ、デキストリン及びトウモロコシデンプンの少なくともいずれかと、ポリビニルアルコール系樹脂とを含む口腔内崩壊性被覆錠剤の被覆層用組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、口腔内崩壊性被覆錠剤及び口腔内崩壊性被覆錠剤の被覆層用組成物に関する。
口腔内崩壊性錠剤の光に対する安定性の向上や、該錠剤の粉立ちを防ぐなどのために、口腔内崩壊性錠剤に被覆層を設けることが求められている。口腔内崩壊性錠剤に被覆層を設ける場合には、適切な強度を保ちつつ、素早く崩壊するという、相反する特性が求められる。
これまでに、20℃において10mL未満の水に1g以上溶け、かつ分子内にヒドロキシ基を有し単位ヒドロキシ基当たりの分子量が200以下の水溶性物質と、被覆層重量に対して5重量%以上のポリビニルアルコール系樹脂とを含有する被覆層により被覆された口腔内崩壊性被覆錠剤(例えば、特許文献1参照)が提案されている。しかしながら、前記提案では、口腔内崩壊性錠剤の強度が十分とは言えず、更なる改善が求められている。
したがって、適切な強度を保ちつつ、素早く崩壊するという、相反する特性を有する口腔内崩壊性被覆錠剤は、未だ十分なものは提供されておらず、その速やかな提供が強く求められているのが現状である。
国際公開第2010/113841号
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、適切な強度を保ちつつ、素早く崩壊することができる口腔内崩壊性被覆錠剤、及び口腔内崩壊性被覆錠剤の被覆層用組成物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> デキストリン及びトウモロコシデンプンの少なくともいずれかと、ポリビニルアルコール系樹脂とを含む被覆層を有することを特徴とする口腔内崩壊性被覆錠剤である。
<2> 前記ポリビニルアルコール系樹脂が、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマーである前記<1>に記載の口腔内崩壊性被覆錠剤である。
<3> 湿製錠剤を被覆したものである前記<1>から<2>のいずれかに記載の口腔内崩壊性被覆錠剤である。
<4> 口腔内崩壊性被覆錠剤の被覆層に用いられ、デキストリン及びトウモロコシデンプンの少なくともいずれかと、ポリビニルアルコール系樹脂とを含むことを特徴とする口腔内崩壊性被覆錠剤の被覆層用組成物である。
<5> 前記ポリビニルアルコール系樹脂が、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマーである前記<4>に記載の口腔内崩壊性被覆錠剤の被覆層用組成物である。
<6> 口腔内崩壊性被覆錠剤が、湿製錠剤を被覆したものである前記<4>から<5>のいずれかに記載の口腔内崩壊性被覆錠剤の被覆層用組成物である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、適切な強度を保ちつつ、素早く崩壊することができる口腔内崩壊性被覆錠剤、及び口腔内崩壊性被覆錠剤の被覆層用組成物を提供することができる。
(口腔内崩壊性被覆錠剤)
本発明の口腔内崩壊性被覆錠剤は、素錠の表面を被覆層で被覆してなる。
前記被覆層は、本発明の口腔内崩壊性被覆錠剤の被覆層用組成物を用いて好適に形成することができる。
以下、本発明の口腔内崩壊性被覆錠剤の説明と併せて、本発明の口腔内崩壊性被覆錠剤の被覆層用組成物を説明する。
<被覆層>
前記被覆層は、デキストリン及びトウモロコシデンプンの少なくともいずれかと、ポリビニルアルコール系樹脂とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
−デキストリン及びトウモロコシデンプンの少なくともいずれか−
前記デキストリン及びトウモロコシデンプンは、いずれか一方を用いてもよいし、両者を併用してもよい。
前記デキストリン及びトウモロコシデンプンは、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記デキストリン及びトウモロコシデンプンの少なくともいずれかの前記被覆層における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%〜90質量%が好ましく、5質量%〜85質量%がより好ましく、10質量%〜80質量%が特に好ましい。前記デキストリン及びトウモロコシデンプンの少なくともいずれかの前記被覆層における含有量が、前記好ましい範囲内であると、適切な強度を保ちつつ、素早い崩壊性を確保し易い点で、有利である。
−ポリビニルアルコール系樹脂−
本発明において、ポリビニルアルコール系樹脂とは、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールの誘導体、又はポリビニルアルコールの共重合体をいう。
前記ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルをけん化して得られる重合物である。
前記ポリビニルアルコールの平均重合度、及びけん化度は、原料となる酢酸ビニルを適宜調整することにより、調整することができる。
前記ポリビニルアルコールの平均重合度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、200〜3,500が好ましく、300〜2,200がより好ましい。なお、前記平均重合度は、JIS K 6726に従って測定することができる。
前記ポリビニルアルコールのけん化度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、65mоl%以上が好ましく、78mоl%以上がより好ましい。これらの中でも、前記けん化度が、78mоl%〜96mоl%(部分けん化物)、97mоl%以上(完全けん化物)がさらに好ましく、78mоl%〜96mоl%(部分けん化物)が特に好ましい。なお、前記けん化度は、JIS K 6726に従って測定することができる。
前記ポリビニルアルコールは、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記ポリビニルアルコールの市販品の具体例としては、ゴーセノール(登録商標)EG−05、EG−25、EG−30、EG−40(日本合成化学工業株式会社製)、ポリビニルアルコール4−88、5−88、8−88、26−88、40−88(メルク製)、PVA−102、103、105、110、117、120、124、HC、203、205、210、217、220、224、235、L−8、L−9、L−9−78、L−10、PVA−505(株式会社クラレ製)などが挙げられる。
前記ポリビニルアルコールの誘導体の具体例としては、ポリビニルアルコールコポリマーなどが挙げられる。
前記ポリビニルアルコールの誘導体は、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記ポリビニルアルコールの誘導体の市販品の具体例としては、POVACOAT(登録商標) Type F、Type R、Type L(大同化成工業株式会社製)などが挙げられる。
前記ポリビニルアルコールの共重合体の具体例としては、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマーなどが挙げられる。
前記ポリビニルアルコールの共重合体は、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記ポリビニルアルコールの共重合体の市販品の具体例としては、コリコートIR(BASFジャパン製)などが挙げられる。
また、前記ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリビニルアルコールの側鎖にグリセリンなどの多価アルコール基を導入したものであってもよい。前記ポリビニルアルコールの側鎖にグリセリンなどの多価アルコール基を導入したものとすると、ポリビニルアルコールの分子内相互作用が低下し、形成される被覆層の溶解性又は伸度などの特性を向上させることができる。
前記ポリビニルアルコール系樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリビニルアルコール系樹脂の中でも、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、ポリビニルアルコールが、強度、崩壊性、コーティングの作業性に優れる点で、好ましい。
前記ポリビニルアルコール系樹脂の前記被覆層における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3質量%〜30質量%が好ましく、5質量%〜25質量%がより好ましく、5質量%〜15質量%が特に好ましい。前記ポリビニルアルコール系樹脂の前記被覆層における含有量が、前記好ましい範囲内であると、適切な強度を保ちつつ優れた崩壊性を確保し易い点で、有利である。
前記被覆層における、前記デキストリン及びトウモロコシデンプンの少なくともいずれかと、前記ポリビニルアルコール系樹脂との質量比(デキストリン及びトウモロコシデンプンの少なくともいずれか/ポリビニルアルコール系樹脂)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5〜15が好ましく、0.8〜10がより好ましく、1〜8が特に好ましい。前記質量比が、前記好ましい範囲内であると、適切な強度を保ちつつ優れた崩壊性を確保し易い点で、有利である。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、遮光剤、可塑剤、着色剤、水溶性高分子、光沢剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分は、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記その他の成分の前記被覆層における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−遮光剤−−
前記遮光剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黄色三二酸化鉄、酸化チタンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記遮光剤の前記被覆層における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−可塑剤−−
前記可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クエン酸トリエチル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、タルク、トリアセチン、ヒマシ油、プロピレングリコール、マクロゴール400、マクロゴール600、マクロゴール1500、マクロゴール1540、マクロゴール4000、マクロゴール6000、マクロゴール20000、マクロゴール35000等のマクロゴールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記可塑剤の前記被覆層における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−着色剤−−
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黄色三二酸化鉄、褐色三二酸化鉄、三二酸化鉄、酸化チタン、食用黄色4号、食用黄色5号などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の前記被覆層における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−水溶性高分子−−
前記水溶性高分子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水溶性高分子の前記被覆層における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−光沢剤−−
前記光沢剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、セタノール、硬化油、サラシミツロウ、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、マクロゴール、カルナウバロウなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光沢剤の前記被覆層における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記被覆層の前記素錠に対する量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%〜5質量%が好ましく、1.5質量%〜5質量%がより好ましく、2質量%〜4質量%が特に好ましい。前記被覆層の前記素錠に対する量が、前記好ましい範囲内であると、適切な強度を保ちつつ素早い崩壊性を確保し易い点で、有利である。
<素錠>
前記素錠は、医薬品の有効成分を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
−医薬品の有効成分−
前記医薬品の有効成分としては、特に制限はなく、公知の医薬品の有効成分を目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オランザピン、アリピプラゾール、ブロナンセリン、ミルタザピン、ドネペジル塩酸塩、メマンチン塩酸塩、ガランタミン臭化水素酸塩、リバスチグミン、カンデサルタンシレキセチル、テルミサルタン、アジルサルタン、アムロジピンベシル酸塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記医薬品の有効成分は、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記医薬品の有効成分の前記素錠における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−その他の成分−
前記素錠におけるその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、流動化剤、滑沢剤、懸濁化剤、乳化剤、安定化剤、界面活性剤、pH調整剤、矯味剤、香料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分は、公知の方法により製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記その他の成分の前記素錠における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−賦形剤−−
前記賦形剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、D−マンニトール、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、乳糖、乳糖水和物、無水乳糖、噴霧乾燥乳糖、流動層造粒乳糖、異性化乳糖、還元乳糖、ヒドロキシプロピルセルロース、白糖、タルク、精製ゼラチン、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリビニルピロリドン、結晶セルロース、ケイ酸カルシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記賦形剤の前記素錠における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−結合剤−−
前記結合剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、部分アルファー化デンプン、酸化デンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ミツロウ、結晶セルロースなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結合剤の前記素錠における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−崩壊剤−−
前記崩壊剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トウモロコシデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、カルメロースカルシウム、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、クロスカルメロースカルシウム、メチルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、結晶セルロースなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記崩壊剤の前記素錠における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−流動化剤−−
前記流動化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、軟質無水ケイ酸、タルク、含水二酸化ケイ素、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記流動化剤の前記素錠における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−滑沢剤−−
前記滑沢剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、硬化油、サラシミツロウ、カルナウバロウ、ポリエチレングリコール6000、フマル酸ステアリルナトリウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記滑沢剤の前記素錠における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−懸濁化剤−−
前記懸濁化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルギン酸ナトリウム、カルメロースナトリウム、メチルセルロースなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記懸濁化剤の前記素錠における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−乳化剤−−
前記乳化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モノステアリン酸グリセリン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記乳化剤の前記素錠における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−安定化剤−−
前記安定化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、亜硫酸塩、トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記安定化剤の前記素錠における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−界面活性剤−−
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ラウリル硫酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン、マクロゴール、ラウロマクロゴール、ポリソルベート、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記界面活性剤の前記素錠における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−pH調整剤−−
前記pH調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機酸、無機塩基、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、アミノ糖などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記pH調整剤の前記素錠における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−矯味剤−−
前記矯味剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、白糖、ソルビトール、キシリトール、果糖ブドウ糖液糖、グリチルリチン酸二カリウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記矯味剤の前記素錠における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−香料−−
前記香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、l−メントール、バニリン、オレンジ油などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記香料の前記素錠における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記素錠の種類としては、口腔内崩壊性錠剤であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。本発明の口腔内崩壊性被覆錠剤の被覆層用組成物は、コーティングに向いていないと考えられる湿製錠剤にも適用可能である。
前記素錠の形状、構造、大きさ、重量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記素錠は、その表面に割線を有していてもよいし、有していなくてもよい。
前記素錠の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法を目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直接打錠法、乾式顆粒圧縮法、湿式顆粒圧縮法などが挙げられる。
前記直接打錠法の具体例としては、前記医薬品の有効成分と、必要に応じて前記その他の成分とを混合し、前記混合物を圧縮成型する方法が挙げられる。
前記乾式顆粒圧縮法の具体例としては、ローラー圧縮法などで得られた顆粒を圧縮成型する方法が挙げられる。
前記ローラー圧縮法の方法及び条件としては、特に制限はなく、公知の方法及び条件を目的に応じて適宜選択することができる。
前記湿式顆粒圧縮法の具体例としては、押出造粒法、流動層造粒法、撹拌造粒法などで得られた顆粒を圧縮成型する方法が挙げられる。
前記押出造粒法、流動層造粒法、及び撹拌造粒法の方法及び条件としては、特に制限はなく、公知の方法及び条件を目的に応じて適宜選択することができる。
前記素錠の製造における打錠の方法としては、特に制限はなく、公知の方法を目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロータリー式打錠機を用いる方法などが挙げられる。
前記打錠の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
また、前記素錠が湿製錠剤の場合の製造方法としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記医薬品の有効成分と、必要に応じて前記その他の成分とを混合した後、前記結合剤を含有する練合溶媒を加え練合し、得られた湿潤粉体を圧縮成型する方法が挙げられる。
前記練合溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、水溶解性有機溶媒などが挙げられる。
前記水溶解性有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール;プロピレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水とエタノールとの混合液が好ましい。
前記湿潤粉体は、そのまま圧縮成型してもよいし、湿式造粒して造粒物とした後に圧縮成型してもよい。
前記混合、練合、圧縮成型の方法及び条件としては、特に制限はなく、公知の方法及び条件を目的に応じて適宜選択することができる。
<被覆層の形成>
前記被覆層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第十七改正日本薬局方製剤総則に記載の公知の製剤技術を用いることができる。
具体的には、例えば、パンコーティング機に前記素錠を投入し、本発明の口腔内崩壊性被覆錠剤の被覆層用組成物を用いて被覆する方法などが挙げられる。
前記被覆の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−口腔内崩壊性被覆錠剤の被覆層用組成物−
前記口腔内崩壊性被覆錠剤の被覆層用組成物は、デキストリン及びトウモロコシデンプンの少なくともいずれかと、ポリビニルアルコール系樹脂とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
−−デキストリン及びトウモロコシデンプンの少なくともいずれか−−
前記デキストリン及びトウモロコシデンプンの少なくともいずれかは、前記<被覆層>の項目における−デキストリン及びトウモロコシデンプンの少なくともいずれか−の項目に記載したものと同様である。
前記デキストリン及びトウモロコシデンプンの少なくともいずれかの前記口腔内崩壊性被覆錠剤の被覆層用組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、5質量%〜10質量%などが挙げられる。
−−ポリビニルアルコール系樹脂−−
前記ポリビニルアルコール系樹脂は、前記<被覆層>の項目における−ポリビニルアルコール系樹脂−の項目に記載したものと同様である。
前記ポリビニルアルコール系樹脂の前記口腔内崩壊性被覆錠剤の被覆層用組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.5質量%〜10質量%などが挙げられる。
前記口腔内崩壊性被覆錠剤の被覆層用組成物における、前記デキストリン及びトウモロコシデンプンの少なくともいずれかと、前記ポリビニルアルコール系樹脂との質量比(デキストリン及びトウモロコシデンプンの少なくともいずれか/ポリビニルアルコール系樹脂)としては、特に制限はなく、前記被覆層におけるそれぞれの成分の含有量に応じて適宜選択することができる。
−−その他の成分−−
前記その他の成分は、前記<被覆層>の項目における−その他の成分−の項目に記載したものと同様である。
前記その他の成分の前記口腔内崩壊性被覆錠剤の被覆層用組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記口腔内崩壊性被覆錠剤の被覆層用組成物の状態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液体が好ましい。
前記口腔内崩壊性被覆錠剤の被覆層用組成物を調製する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶媒に、前記ポリビニルアルコール系樹脂と、前記デキストリン及びトウモロコシデンプンの少なくともいずれかと、必要に応じて前記その他の成分とを溶解乃至分散させることにより、調製する方法などが挙げられる。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、エタノール、水とエタノールの混合液などが挙げられる。
本発明の口腔内崩壊性被覆錠剤の被覆層用組成物によれば、適切な強度を保ちつつ、素早く崩壊でき、品質に優れた口腔内崩壊性被覆錠剤を得ることができる。
したがって、本発明は、前記口腔内崩壊性被覆錠剤の被覆層用組成物で前記素錠を被覆することを特徴とする口腔内崩壊性被覆錠剤の品質向上方法にも関する。
以下、実施例等に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。
(調製例1:素錠の調製)
D−マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック株式会社製) 547.8gに、ポリビニルアルコール(ゴーセノールEG−05(ポリビニルアルコール部分けん化物;けん化度 86.5mоl%〜89.0mоl%)、日本合成化学工業株式会社製) 2.2gを溶解した25%(w/w)のエタノール水溶液を57.2g添加して混合し、混合物を得た。
前記混合物を湿製錠用打錠機(装置名:EMT−18及びETD−18、エーザイ株式会社製)を使用して打錠し、質量 110mg、直径 7.0mmの素錠である湿製錠剤−1を得た。
(実施例1:口腔内崩壊性被覆錠剤の製造)
ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー(コリコートIR、BASFジャパン製) 0.9gと、デキストリン(日本薬局方デキストリン、日澱化学株式会社製) 5.4gとを水 81gに溶かした後、酸化チタン(酸化チタンA−HR、フロイント産業株式会社製) 1.8gと、タルク(タルカンハヤシ、林化成株式会社製) 0.9gとを分散し、コーティング液とした。
パンコーティング機(HC−LABO、フロイント産業株式会社製)に前記湿製錠剤−1を約80g投入し、給気温度70℃、パン回転数30回転で1錠あたりの質量が3mg増加するまでコーティングを行い、口腔内崩壊性被覆錠剤を得た。前記錠剤の処方(1錠中の分量)を表1に示す。
(実施例2:口腔内崩壊性被覆錠剤の製造)
ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー(コリコートIR、BASFジャパン製) 0.9gを水 81gに溶かした後、トウモロコシデンプン(日食局方コーンスターチ、日本食品株式会社製) 5.4gと、酸化チタン(酸化チタンA−HR、フロイント産業株式会社製) 1.8gと、タルク(タルカンハヤシ、林化成株式会社製) 0.9gとを分散し、コーティング液とした。
パンコーティング機(HC−LABO、フロイント産業株式会社製)に前記湿製錠剤−1を約80g投入し、給気温度70℃、パン回転数30回転で1錠あたりの質量が3mg増加するまでコーティングを行い、口腔内崩壊性被覆錠剤を得た。前記錠剤の処方(1錠中の分量)を表1に示す。
(実施例3:口腔内崩壊性被覆錠剤の製造)
ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー(コリコートIR、BASFジャパン製) 0.9gと、デキストリン(日本薬局方デキストリン、日澱化学株式会社製) 2.7とを水 81gに溶かした後、トウモロコシデンプン(日食局方コーンスターチ、日本食品株式会社製) 2.7gと、酸化チタン(酸化チタンA−HR、フロイント産業株式会社製) 1.8gと、タルク(タルカンハヤシ、林化成株式会社製) 0.9gとを分散し、コーティング液とした。
パンコーティング機(HC−LABO、フロイント産業株式会社製)に前記湿製錠剤−1を約80g投入し、給気温度70℃、パン回転数30回転で1錠あたりの質量が3mg増加するまでコーティングを行い、口腔内崩壊性被覆錠剤を得た。前記錠剤の処方(1錠中の分量)を表1に示す。
(比較例1:口腔内崩壊性被覆錠剤の製造)
前記実施例1において、デキストリンをD−マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック株式会社製)に代えた以外は、前記実施例1と同様にして、口腔内崩壊性被覆錠剤を得た。前記錠剤の処方を(1錠中の分量)を表1に示す。
(実施例4:口腔内崩壊性被覆錠剤の製造)
ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー(コリコートIR、BASFジャパン製) 0.9gと、デキストリン(日本薬局方デキストリン、日澱化学株式会社製) 2.7gとを水 81gに溶かした後、酸化チタン(酸化チタンA−HR、フロイント産業株式会社製) 3.6gと、タルク(タルカンハヤシ、林化成株式会社製) 1.8gとを分散し、コーティング液とした。
パンコーティング機(HC−LABO、フロイント産業株式会社製)に前記湿製錠剤−1を約80g投入し、給気温度70℃、パン回転数30回転で1錠あたりの質量が3mg増加するまでコーティングを行い、口腔内崩壊性被覆錠剤を得た。前記錠剤の処方(1錠中の分量)を表1に示す。
(実施例5:口腔内崩壊性被覆錠剤の製造)
ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー(コリコートIR、BASFジャパン製) 0.9gを水 81gに溶かした後、トウモロコシデンプン(日食局方コーンスターチ、日本食品株式会社製) 2.7gと、酸化チタン(酸化チタンA−HR、フロイント産業株式会社製) 3.6gと、タルク(タルカンハヤシ、林化成株式会社製) 1.8gとを分散し、コーティング液とした。
パンコーティング機(HC−LABO、フロイント産業株式会社製)に前記湿製錠剤−1を約80g投入し、給気温度70℃、パン回転数30回転で1錠あたりの質量が3mg増加するまでコーティングを行い、口腔内崩壊性被覆錠剤を得た。前記錠剤の処方(1錠中の分量)を表1に示す。
(比較例2:口腔内崩壊性被覆錠剤の製造)
前記実施例4において、デキストリンをD−マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック株式会社製)に代えた以外は、前記実施例4と同様にして、口腔内崩壊性被覆錠剤を得た。前記錠剤の処方を(1錠中の分量)を表1に示す。
Figure 2018024632
(試験例1)
<評価−1:硬度>
−硬度計による試験−
前記調製例1で得られた素錠、並びに前記実施例1〜5及び比較例1〜2で得られた口腔内崩壊性被覆錠剤について、以下のようにして、硬度計による試験を行った。結果を表2に示す。
−−試験方法−−
錠剤10錠についてそれぞれ硬度計(型式PC−30、岡田精工株式会社製)で硬度を測定し、その平均値を算出した。
<評価−2:摩損度>
−摩損度試験器による試験−
前記調製例1で得られた素錠、並びに前記実施例1〜5及び比較例1〜2で得られた口腔内崩壊性被覆錠剤について、以下のようにして、摩損度試験器による試験を行った。結果を表2に示す。
−−試験方法−−
第十七改正日本薬局方の摩損度試験法に従い、摩損度試験器(萱垣医理科工業株式会社製)で摩損度を測定した。
<評価−3:崩壊時間>
−崩壊試験機による試験−
前記調製例1で得られた素錠、並びに前記実施例1〜5及び比較例1〜2で得られた口腔内崩壊性被覆錠剤について、以下のようにして、崩壊試験機による試験を行った。結果を表2に示す。
−−試験方法−−
第十七改正日本薬局方の崩壊試験法に従い、崩壊試験機(型式NT−6HF、富山産業株式会社製)を用いて試験を実施した。
−口腔内崩壊時間の測定−
前記調製例1で得られた素錠、並びに前記実施例1〜5及び比較例1〜2で得られた口腔内崩壊性被覆錠剤について、以下のようにして、口腔内崩壊時間の測定を行った。結果を表2に示す。
−−試験方法−−
被験者3名について、錠剤を口腔内に含んでから完全に崩壊するまでの時間を測定し、その平均時間を算出した。
<評価−4:落下試験>
前記調製例1で得られた素錠、並びに前記実施例1〜5及び比較例1〜2で得られた口腔内崩壊性被覆錠剤について、以下のようにして、落下試験を行った。結果を表2に示す。
−−試験方法−−
錠剤100錠について1mの高さからステンレス板に向けて錠剤を自由落下させ、欠けが発生したものを不良とし、その発生率を算出した。
Figure 2018024632
表2の結果から、デキストリン及びトウモロコシデンプンの少なくともいずれかと、ポリビニルアルコール系樹脂とを含む被覆層を有する口腔内崩壊性被覆錠剤である実施例1〜5の錠剤は、適切な強度を保ちつつ、素早く崩壊することが確認された。
(実施例6:口腔内崩壊性被覆錠剤の製造)
ポリビニルアルコール(ゴーセノールEG−05(ポリビニルアルコール部分けん化物;けん化度 86.5mоl%〜89.0mоl%)、日本合成化学工業株式会社製) 1.35gと、デキストリン(日本薬局方デキストリン、日澱化学株式会社製) 1.35gとを水 121.5gに溶かした後、酸化チタン(酸化チタンA−HR、フロイント産業株式会社製) 7.2gと、タルク(タルカンハヤシ、林化成株式会社製) 3.6gとを分散し、コーティング液とした。
パンコーティング機(HC−LABO、フロイント産業株式会社製)に前記湿製錠剤−1を約80g投入し、給気温度70℃、パン回転数30回転で1錠あたりの質量が3mg増加するまでコーティングを行い、口腔内崩壊性被覆錠剤を得た。前記錠剤の処方(1錠中の分量)を表3に示す。
(実施例7:口腔内崩壊性被覆錠剤の製造)
ポリビニルアルコール(ゴーセノールEG−05(ポリビニルアルコール部分けん化物;けん化度 86.5mоl%〜89.0mоl%)、日本合成化学工業株式会社製) 1.35gを水 121.5gに溶かした後、トウモロコシデンプン(日食局方コーンスターチ、日本食品株式会社製) 1.35gと、酸化チタン(酸化チタンA−HR、フロイント産業株式会社製) 7.2gと、タルク(タルカンハヤシ、林化成株式会社製) 3.6gとを分散し、コーティング液とした。
パンコーティング機(HC−LABO、フロイント産業株式会社製)に前記湿製錠剤−1を約80g投入し、給気温度70℃、パン回転数30回転で1錠あたりの質量が3mg増加するまでコーティングを行い、口腔内崩壊性被覆錠剤を得た。前記錠剤の処方(1錠中の分量)を表3に示す。
(比較例3:口腔内崩壊性被覆錠剤の製造)
前記実施例6において、デキストリンをD−マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック株式会社製)に代えた以外は、前記実施例6と同様にして、口腔内崩壊性被覆錠剤を得た。前記錠剤の処方を(1錠中の分量)を表3に示す。
Figure 2018024632
(試験例2)
前記調製例1で得られた素錠、並びに前記実施例6〜7及び比較例3で得られた口腔内崩壊性被覆錠剤について、前記試験例1と同様にして、硬度、摩損度、崩壊時間、及び落下試験の試験を行った。結果を表4に示す。
Figure 2018024632
表4の結果から、ポリビニルアルコール系樹脂としてポリビニルアルコールを用いた場合でも、デキストリン及びトウモロコシデンプンの少なくともいずれかと、ポリビニルアルコール系樹脂とを含む被覆層を有する口腔内崩壊性被覆錠剤である実施例6〜7の錠剤は、適切な強度を保ちつつ、素早く崩壊することが確認された。
(調製例2:素錠の調製)
D−マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック株式会社製) 547.8gに、ポリビニルアルコール(ゴーセノールEG−05(ポリビニルアルコール部分けん化物;けん化度 86.5mоl%〜89.0mоl%)、日本合成化学工業株式会社製) 2.2gを溶解した25%(w/w)のエタノール水溶液を57.2g添加して混合し、混合物を得た。
前記混合物を湿製錠用打錠機(装置名:EMT−18及びETD−18、エーザイ株式会社製)を使用して打錠し、質量 110mg、直径 7.0mm、両面に割線を有する素錠である湿製錠剤−2を得た。
(実施例8:口腔内崩壊性被覆錠剤の製造)
ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー(コリコートIR、BASFジャパン製) 0.9gと、デキストリン(日本薬局方デキストリン、日澱化学株式会社製) 0.9gとを水 81gに溶かした後、酸化チタン(酸化チタンA−HR、フロイント産業株式会社製) 4.8gと、タルク(タルカンハヤシ、林化成株式会社製) 2.4gとを分散し、コーティング液とした。
パンコーティング機(HC−LABO、フロイント産業株式会社製)に前記湿製錠剤−2を約80g投入し、給気温度70℃、パン回転数30回転で1錠あたりの質量が3mg増加するまでコーティングを行い、口腔内崩壊性被覆錠剤を得た。前記錠剤の処方(1錠中の分量)を表5に示す。
(実施例9:口腔内崩壊性被覆錠剤の製造)
ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー(コリコートIR、BASFジャパン製) 0.9gを水 81gに溶かした後、トウモロコシデンプン(日食局方コーンスターチ、日本食品株式会社製) 0.9gと、酸化チタン(酸化チタンA−HR、フロイント産業株式会社製) 4.8gと、タルク(タルカンハヤシ、林化成株式会社製) 2.4gとを分散し、コーティング液とした。
パンコーティング機(HC−LABO、フロイント産業株式会社製)に前記湿製錠剤−2を約80g投入し、給気温度70℃、パン回転数30回転で1錠あたりの質量が3mg増加するまでコーティングを行い、口腔内崩壊性被覆錠剤を得た。前記錠剤の処方(1錠中の分量)を表5に示す。
(比較例4:口腔内崩壊性被覆錠剤の製造)
前記実施例8において、デキストリンをD−マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック株式会社製)に代えた以外は、前記実施例8と同様にして、口腔内崩壊性被覆錠剤を得た。前記錠剤の処方を(1錠中の分量)を表5に示す。
Figure 2018024632
(試験例3)
前記調製例2で得られた素錠、並びに前記実施例8〜9及び比較例4で得られた口腔内崩壊性被覆錠剤について、前記試験例1と同様にして、硬度、摩損度、崩壊時間、及び落下試験の試験を行った。結果を表6に示す。
Figure 2018024632
表6の結果から、両面に割線を有する素錠の場合でも、デキストリン及びトウモロコシデンプンの少なくともいずれかと、ポリビニルアルコール系樹脂とを含む被覆層を有する口腔内崩壊性被覆錠剤とすることで、適切な強度を保ちつつ、素早く崩壊することが確認された。

Claims (6)

  1. デキストリン及びトウモロコシデンプンの少なくともいずれかと、ポリビニルアルコール系樹脂とを含む被覆層を有することを特徴とする口腔内崩壊性被覆錠剤。
  2. 前記ポリビニルアルコール系樹脂が、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマーである請求項1に記載の口腔内崩壊性被覆錠剤。
  3. 湿製錠剤を被覆したものである請求項1から2のいずれかに記載の口腔内崩壊性被覆錠剤。
  4. 口腔内崩壊性被覆錠剤の被覆層に用いられ、デキストリン及びトウモロコシデンプンの少なくともいずれかと、ポリビニルアルコール系樹脂とを含むことを特徴とする口腔内崩壊性被覆錠剤の被覆層用組成物。
  5. 前記ポリビニルアルコール系樹脂が、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマーである請求項4に記載の口腔内崩壊性被覆錠剤の被覆層用組成物。
  6. 口腔内崩壊性被覆錠剤が、湿製錠剤を被覆したものである請求項4から5のいずれかに記載の口腔内崩壊性被覆錠剤の被覆層用組成物。
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