JP2011157304A - 糖衣錠 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被糖衣錠に接する糖衣層が、前記糖衣層の固形分中、3.0質量%以上9.0質量%以下のデキストリンを含み、かつマルチトールを実質的に含まない糖衣錠。
【選択図】なし
Description
しかしながら、一般に、白糖を糖衣層の形成材料として使用した糖衣固形製剤は、破損やヒビを起こしやすく、耐熱性に弱く経日変化を起こしやすいことなどが知られている。
それらを回避するために、例えば、特許文献1には、マルチトール液をコーティングした製剤が開示されている。
それらを回避するために、例えば、特許文献2には、デキストリンとマルチトールを含有した糖衣液をコーティングしたガムが開示されている。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ヒビを生ずることがなく、また外部からの衝撃に対して優れた強度を有する糖衣錠を提供することにある。
[1]
被糖衣錠に接する糖衣層が、前記糖衣層の固形分中、3.0質量%以上9.0質量%以下のデキストリンを含み、かつマルチトールを実質的に含まない糖衣錠。
[2]
前記糖衣層が、前記糖衣層の固形分中、30.0質量%以上90.0質量%以下の白糖を含む、[1]に記載の糖衣錠。
[3]
前記糖衣層が、1質量部の白糖、0.05質量部以上0.20質量部以下のデキストリンを含む、[1]または[2]に記載の糖衣錠。
[4]
前記被糖衣錠が、少なくとも2層以上の糖衣層により被覆されている、[1]〜[3]のいずれかに記載の糖衣錠。
[5]
前記被糖衣錠に接する糖衣層が、糖衣層全体の40.0質量%以上85.0質量%以下である、[4]に記載の糖衣錠。
[6]
被糖衣錠に接する糖衣層を有する糖衣錠の製造方法であって、
前記被糖衣錠に、前記糖衣層の固形分中、3.0質量%以上9.0質量%以下のデキストリンを含み、かつマルチトールを実質的に含まない糖衣液を掛け、前記被糖衣錠に掛けられた前記糖衣液を乾燥させる、糖衣錠の製造方法。
糖衣錠は、被糖衣錠にコーティングされている糖衣層を有する錠剤である。
糖衣錠の糖衣層は、サブコーティング層、スムージング層、カラーリング層からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、これらの糖衣層は、一般に、被糖衣錠に接する内側から順番にサブコーティング層、スムージング層、カラーリング層と被糖衣錠をコーティングしている。
サブコーティング層は素錠のedge部を埋めて丸めるための糖衣層である。
スムージング層はサブコーティング層の粗な表面を滑らかにするための糖衣層である。
カラーリング層は着色剤等を配合して識別機能を持たせたりするための糖衣層である。
糖衣層として、製剤設計の目的に応じスムージング層がない糖衣錠もある。つまり、被糖衣錠に接する内側からサブコーティング層、カラーリング層等からなる糖衣錠もある。
被糖衣錠に接する糖衣層中に、デキストリンを3.0質量%以上9.0質量%以下含むことにより、ヒビを生ずることがなく、また外部からの衝撃に対して優れた強度を有する糖衣錠とすることができる。
被糖衣錠に接する糖衣層にマルチトールを含むと、糖衣錠とした場合に、ヒビが生ずることがあり、また外部からの衝撃に対して強度に劣る結果となる。
なお、本発明においては、マルチトールを糖衣液に添加しないが、本発明の目的を損なわない範囲であれば、マルチトールを糖衣液に添加した場合も本発明の技術的範囲の範囲内であり、本発明の要旨から排除されるものではない。
本発明においては、マルチトールを含まない糖衣液を用いて被糖衣錠に接する糖衣層を作成することが好ましい。
本発明において、「ヒビ割れ」とは、ヒビのうち、落下、温度(熱)や湿度など影響により糖衣層が一部又は全部が割れた状態又は糖衣層が剥がれた状態を意味する。
本発明において、糖衣錠が、被糖衣錠に接する内側からサブコーティング層、スムージング層、カラーリング層を有する糖衣錠である場合に、被糖衣錠に接する糖衣層とは、サブコーティング層のことを意味する。
本発明において、少なくとも2層以上の糖衣層により被覆されているとは、サブコーティング層を有する糖衣錠の場合、サブコーティング層以外に糖衣層を少なくとも1つ有する糖衣錠であることを意味する。糖衣層として、サブコーティング層を2層有する糖衣錠とすることもできる。
本発明において、糖衣層としては、糖衣層をコーティングする工程が異なるか、コーティングする糖衣液の組成が異なる場合、それぞれが別の糖衣層であることを意味する。
糖衣錠が、サブコーティング層、スムージング層、カラーリング層からなる3層の糖衣層を有する糖衣錠である場合、第1の糖衣層は、サブコーティング層であり、スムージング層が第2の糖衣層であり、カラーリング層が第3の糖衣層である。
本発明の糖衣錠は、例えば、第1の糖衣層と第2の糖衣層間、第2の糖衣層と第3の糖衣層間に、糖衣層以外の層を有していてもよく、糖衣層以外の層を有することなく、連続してコーティングされた複数の糖衣層を有していてもよい。
デキストリン以外の添加剤を、第1の糖衣層の固形分中、1.0質量%以上67.0質量%以下含むことが好ましく、該添加剤としては、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、プルランなどの結合剤、;タルクなどのコーティング剤;沈降炭酸カルシウムなどの賦形剤などが挙げられる。
デキストリン以外の添加剤を、第1の糖衣層の固形分中、1.0質量%以上67.0質量%以下で含むことが好ましく、該添加剤としては、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、プルランなどの結合剤;タルクなどのコーティング剤;沈降炭酸カルシウムなどの賦形剤などが挙げられる。
第1の糖衣層は、サブコーティング層として被糖衣錠にコーティングされていることが好ましい。
本発明における糖衣錠の第2の糖衣層は、第2の糖衣層の固形分中、50.0質量%以上95.0質量%以下の白糖を含むことが好ましい。
添加剤は、第2の糖衣層の固形分中、5.0質量%以上50.0質量%以下で含むことが好ましく、該添加剤としては、デキストリン;アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、プルランなどの結合剤;タルクなどのコーティング剤;沈降炭酸カルシウムなどの賦形剤などが挙げられる。添加剤として、着色剤をさらに配合してもよい。
第2の糖衣層は、カラーリング層として被糖衣錠にコーティングされていることが好ましい。
デキストリン以外の添加剤を、第1の糖衣層の固形分中、1.0質量%以上67.0質量%以下で含むことが好ましく、該添加剤としては、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、プルランなどの結合剤;タルクなどのコーティング剤;沈降炭酸カルシウムなどの賦形剤などが挙げられる。
第1の糖衣層は、サブコーティング層として被糖衣錠にコーティングされていることが好ましい。
本発明における糖衣錠の第2の糖衣層は、第2の糖衣層の固形分中、50.0質量%以上95.0質量%以下の白糖を含むことが好ましい。
添加剤を、第2の糖衣層の固形分中、5.0質量%以上50.0質量%以下で含むことが好ましく、該添加剤としては、デキストリン;アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、プルランなどの結合剤;タルクなどのコーティング剤;沈降炭酸カルシウムなどの賦形剤などが挙げられる。添加剤として、着色剤をさらに配合してもよい。
第2の糖衣層は、スムージング層として被糖衣錠にコーティングされていることが好ましい。
本発明における糖衣錠の第3の糖衣層は、第3の糖衣層の固形分中、50.0質量%以上100質量%以下の白糖を含むことが好ましい。
添加剤を、第3の糖衣層の固形分中、0質量%以上50.0質量%以下で含むことが好ましく、該添加剤としては、デキストリン;アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、プルランなどの結合剤などが挙げられる。添加剤として、着色剤をさらに配合してもよい。
第3の糖衣層は、カラーリング層として被糖衣錠にコーティングされていることが好ましい。
糖衣層の大半はサブコーティング層であることが好ましいが、錠剤の大きさやedge高によりサブコーティング層、スムージング層、カラーリング層の各層の形成比は適宜選択することができる。
スムージング層は、全糖衣層のうち、固形分として0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0質量%以上40.0質量%以下であり、さらに好ましくは0質量%以上30.0質量%以下である。
カラーリング層は、全糖衣層のうち、固形分として1.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは3.0質量%以上35.0質量%以下であり、さらに好ましくは5.0質量%以上20.0質量%以下である。
スムージング層中に、白糖は、スムージング層の固形分中、50.0質量%以上95.0質量%以下含有させることが好ましくは、より好ましくは70.0質量%以上93.0質量%以下であり、より好ましくは80.0質量%以上90.0質量%以下である。デキストリンを含む添加剤は、スムージング層の固形分中、5.0質量%以上50.0質量%以下含有することが好ましく、より好ましくは7.0質量%以上30.0質量%以下であり、さらに好ましくは10.0質量%以上20.0質量%以下である。
カラーリング層中に、白糖は、カラーリング層の固形分中、50.0質量%以上100質量%以下含有させることが好ましく、より好ましくは85.0質量%以上であり、さらに好ましくは90.0質量%以上である。デキストリンを含む添加剤は、カラーリング層の固形分中、0質量%以上50.0質量%以下含有することが好ましく、より好ましくは15.0質量%以下であり、さらに好ましくは10.0質量%以下である。
カラーリング層中に、白糖は、カラーリング層の固形分中、50.0質量%以上100.0質量%以下含有させることが好ましく、より好ましくは85.0質量%以上であり、さらに好ましくは90.0質量%以上である。
デキストリンを含む添加剤は、カラーリング層の固形分中、0質量%以上50.0質量%以下含有することが好ましく、より好ましくは15.0質量%以下であり、さらに好ましくは10.0質量%以下である。
デキストリンの分子量は500〜10000であることが好ましく、より好ましくは分子量が600〜2500であり、さらに好ましくは800〜1000である。
分子量の測定は、ゲル濾過クロマトグラフィーなどの既存の方法(GPC法など)により行うことができる。
本発明において、DEとは、Dextrose Equivalentのことを意味し、DE=直接還元糖(グルコースとして表示)/デキストリン固形分×100の式により求められる値である。
コーティング剤としては、好ましくは、タルク、含水二酸化ケイ素、プロピレングリコール、ポリソルベート80、ポリエチレングリコール、炭酸カルシウムが挙げられる。
賦形剤としては、好ましくは、沈降炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウムが挙げられる。
本発明において被糖衣錠に接する糖衣層以外の糖衣層が存在する場合、該糖衣層中に、タルクは、該糖衣層の固形分中、0質量%以上30.0質量%以下含有させることができる。好ましくは0質量%以上20.0質量%以下、より好ましくは0質量%以上10.0質量%以下である。
結合剤として、好ましくは、アラビアゴム、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポビドン、ゼラチンが挙げられる。
素錠は、公知の方法によって製造したものであればよく、その製造方法は特に限定されない。素錠を製造する方法は、例えば、下記薬物と適当な添加剤を流動層造粒装置や攪拌造粒装置にいれ、溶解した結合剤を添加して造粒し、得られた粉体を整粒後、混合装置に入れて混合した後、打錠機にて打錠して製造すればよい。
また、素錠に公知の方法でアンダーコーティングを施したものを被糖衣錠としてもよい。素錠にアンダーコーティングを施す方法は、例えば、通気型コーティング装置、ベッセル型コーティング装置(ペア型パン、オニオン型パン)等に素錠を投入して、アンダーコーティング液を添加して無風でパンを回転させる。錠剤がパンに付着しなくなったら、給・排気を入れて乾燥させる。
本発明において被糖衣錠に接する糖衣層の形成は、通常行われる公知の方法で行えばよい。例えば、通気型コーティング装置、ベッセル型コーティング装置(ペア型パン、オニオン型パン)等に被糖衣錠を投入して、糖衣液を添加して無風でパンを回転させる。錠剤がパンに付着しなくなったら、給・排気を入れて乾燥させる。これを1サイクルとして、規定重量になるまで繰り返せばよい。また、流動乾燥装置を使用して、糖衣液を錠剤にスプレーして糖衣層を形成させてもよい。
被糖衣錠に接する糖衣層に用いられる糖衣液としては、デキストリンを含み、マルチトールを実質的に含まない糖衣液である。
糖衣液に用いられる溶剤としては、水、アルコール等が挙げられる。固形分とは、糖衣液中の溶剤以外の成分を意味する。
糖衣液の固形分の濃度としては、60%(w/v)以上90%(w/v)以下であることが好ましく、63%(w/v)以上85%(w/v)以下であることがより好ましく、65%(w/v)以上80%(w/v)以下であることがさらに好ましい。
艶層としては、カルナウバロウを含む艶層をコーティングした後に、シェラックを含む艶層をコーティングしてもよく、また、その逆にコーティングしてもよい。
例えば、流動層コーティング装置、錠剤コーティング装置ハイコースター等を用いることができる。
本発明において、糖衣層以外の層には、被糖衣錠に含まれる層は含まれない。
リン酸リボフラビンナトリウム、塩酸ピリドキシン、硝酸チアミン、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、D−マンニトール、無水リン酸水素カルシウムを流動層造粒装置に入れ、ポビドン水溶液を用いて噴霧造粒した。得られた粉体を整粒後、混合装置に投入しステアリン酸マグネシウムを加え混合した後、ロータリー式打錠機で打錠し、150mgの素錠を得た。この素錠を被糖衣錠として以下の実験に用いた。
アンダーコート1液
エタノール12.8kgに撹拌しながらヒプロメロース1.2kgとポリエチレングリコール0.4kg、水1.6kgを加えて溶解した。
アンダーコート2液
エタノール5.12kgに撹拌しながらヒドロキシプロピルセルロース0.54kgとポリエチレングリコール0.096kg、水0.64kgを加え溶解した。
上記製造例1の素錠を、通気型コーティング装置に投入して、上記アンダーコート1液とアンダーコート2液を順に噴霧し、アンダーコーティングされた素錠を得た。アンダーコーティングされた素錠を被糖衣錠として以下の実験に用いた。
実施例1〜3の糖衣錠と、比較例1〜3の糖衣錠について、以下の方法で製造した。
表1の処方に従って、白糖(比較例1では8136g、比較例2では8080g、実施例1では8024g、実施例2では8072g、実施例3では7640g、比較例3では7208g)に適量の精製水を加えてホモジナイザーで攪拌し、さらにポビドン66g、ポリエチレングリコール247g、アラビアゴム407gおよびデキストリン(比較例1では0g、比較例2では216g、実施例1では432g、実施例2では864g、実施例3では1296g、比較例3では1728g)を加えて攪拌混合した。これに酸化チタン1184g、タルク(比較例1では3200g、比較例2では3040g、実施例1では2880g、実施例2では2400g、実施例3では2400g、比較例3では2400g)、含水二酸化ケイ素264g、トウモロコシデンプン368g、沈降炭酸カルシウム528gを加えて撹拌し糖衣液(サブコーティング液)を調製した。
別に、白糖15.0kgおよび精製水をホモジナイザーで攪拌して、タルク1.8kg、ポビドン0.5kg、プルラン0.2kgおよび着色剤を加えて攪拌し糖衣液(カラーリング液)を調製した。
製造例1の被糖衣錠を、通気型コーティング装置に投入して、サブコーティング液を噴霧して、無風でパンを回転させた。錠剤が乾いてきたら、給気・排気を入れて錠剤を乾燥させた。この操作を、素錠質量の約60%増量(90mg)するまで繰り返して、糖衣層を形成させた。
次に、サブコーティング液と同様の操作で、カラーリング液を素錠質量の約25%増量(35mg)するまで被覆した。最後にカルナウバロウを微量添加し、回転して本品を得た。
実施例1〜3、比較例1〜3と同様のサブコーティング液を用いて、サブコーティング層のコーティング量を変更した以外は、実施例1−3及び比較例1−3にそれぞれ対応するように、実施例4−6及び比較例4−6の糖衣錠を製造した。
製造例1の被糖衣錠を、通気型コーティング装置に投入して、サブコーティング液を噴霧して、無風でパンを回転させた。錠剤が乾いてきたら、給気・排気を入れて錠剤を乾燥させた。この操作を、素錠質量の約40%増量(60mg)するまで繰り返して、糖衣層を形成させた。
次に、サブコーティング液と同様の操作で、実施例1〜3、比較例1〜3と同様に、カラーリング液を素錠質量の約25%増量(35mg)するまで被覆した。最後にカルナウバロウを添加し、回転して本品を得た。
実施例7〜9の糖衣錠と、比較例7〜9の糖衣錠について、以下の方法で製造した。
表2の処方に従って、白糖(比較例7では4468g、実施例7では5085g、実施例8では5045g、実施例9では4785g、比較例8では5128g、比較例9では3348g)に適量の精製水を加えてホモジナイザーで攪拌し、さらにポビドン41g、ポリエチレングリコール155g、アラビアゴム254gおよびデキストリン(比較例7では0g、実施例7では270g、実施例8では540g、実施例9では800g、比較例8では1223g、比較例9では1120g)を加えて攪拌混合した。これに酸化チタン740g、タルク(比較例7では1200g、実施例7では1500g、実施例8では1500g、実施例9では1500g、比較例8では1445g、比較例9では1200g)、含水二酸化ケイ素165g、トウモロコシデンプン230g、沈降炭酸カルシウム330gを加えて攪拌し糖衣液(サブコーティング液)を調製した。
別に、白糖15.0kgおよび精製水をホモジナイザーで攪拌して、タルク1.8kg、ポビドン0.5kg、プルラン0.2kgを加えて攪拌し糖衣液(スムージング液)を調製した。
別に、白糖および精製水をホモジナイザーで攪拌して、着色剤を加えて攪拌し、糖衣液(カラーリング液)を調製した。
さらに、白糖および精製水をホモジナイザーで攪拌し着色剤を加えて攪拌して糖衣液(カラーリング液)を調製した。
製造例2の被糖衣錠を、通気型コーティング装置に投入して、サブコーティング液を噴霧して、無風でパンを回転させた。錠剤が乾いてきたら、給気・排気を入れて錠剤を乾燥させた。この操作を、素錠質量の約60%増量(90mg)するまで繰り返して、糖衣層を形成させた。
次に、サブコーティング液と同様の操作で、スムージング液を素錠質量の約25%増量(35mg)するまで、カラーリング液を素錠質量の約10%増量(15mg)するまで被覆した。最後にカルナウバロウを添加し適当な時間回転して本品を得た。
実施例7〜9と同様のサブコーティング液を用いて、カラーリング層のコーティング量を変更した以外は、実施例7〜9にそれぞれ対応するように、実施例10〜12の糖衣錠を製造した。
別に、白糖15.0kgおよび精製水をホモジナイザーで攪拌して、タルク1.8kg、ポビドン0.5kg、プルラン0.2kgを加えて攪拌し糖衣液(スムージング液)を調製した。
別に、白糖および精製水をホモジナイザーで攪拌して、着色剤を加えて攪拌し、糖衣液(カラーリング液)を調製した。
さらに、白糖および精製水をホモジナイザーで攪拌し着色剤を加えて攪拌して糖衣液(カラーリング液)を調製した。
製造例2の被糖衣錠を、通気型コーティング装置に投入し、サブコーティング液を噴霧して、無風でパンを回転させた。錠剤が乾いてきたら、給気・排気を入れて錠剤を乾燥させた。この操作を、素錠質量の約60%増量(90mg)するまで繰り返して、糖衣層を形成させた。
次に、サブコーティング液と同様の操作で、スムージング液を素錠質量の約25%増量(35mg)するまで、カラーリング液を素錠質量の約7%増量(10mg)するまで被覆した。最後にカルナウバロウを添加し適当な時間回転して本品を得た。
比較例10〜13の糖衣錠について、以下の方法で製造した。
表3の処方に従って、白糖(比較例10では5550g、比較例11では5264g、比較例12では5520g、比較例13では5381g)に適量の精製水を加えてホモジナイザーで攪拌し、さらにポビドン45g、ポリエチレングリコール171g、アラビアゴム279gおよびマルチトール(比較例10では594g、比較例11では880g、比較例12では880g、比較例13では1223g)を加えて攪拌混合した。これに酸化チタン814g、タルク(比較例10では1650g、比較例11では1650g、比較例12では1650g、比較例13では1445g)、含水二酸化ケイ素182g、トウモロコシデンプン253g、沈降炭酸カルシウム363gを加えて攪拌し糖衣液(サブコーティング液)を調製した。
別に、白糖15.0kgおよび精製水をホモジナイザーで攪拌して、タルク1.8kg、ポビドン0.5kg、プルラン0.2kgを加えて攪拌し糖衣液(スムージング液)を調製した。
別に、白糖および精製水をホモジナイザーで攪拌して、着色剤を加えて攪拌し、糖衣液(カラーリング液)を調製した。
さらに、白糖および精製水をホモジナイザーで攪拌し着色剤を加えて攪拌して糖衣液(カラーリング液)を調製した。
製造例2の被糖衣錠を、通気型コーティング装置に投入し、サブコーティング液を噴霧して、無風でパンを回転させた。錠剤が乾いてきたら、給気・排気を入れて錠剤を乾燥させた。この操作を、素錠質量の約60%増量(90mg)するまで繰り返して、糖衣層を形成させた。
次に、サブコーティング液と同様の操作で、スムージング液を素錠質量の約25%増量(35mg)するまで、カラーリング液を素錠質量の約10%増量(15mg)するまで被覆した。最後にカルナウバロウを添加し適当な時間回転して本品を得た。
比較例10〜11と同様のサブコーティング液を用いて、カラーリング層のコーティング量を変更した以外は、比較例10〜11にそれぞれ対応するように、比較例14〜15の糖衣錠を製造した。
別に、白糖15.0kgおよび精製水をホモジナイザーで攪拌して、タルク1.8kg、ポビドン0.5kg、プルラン0.2kgを加えて攪拌し糖衣液(スムージング液)を調製した。
別に、白糖および精製水をホモジナイザーで攪拌して、着色剤を加えて攪拌し、糖衣液(カラーリング液)を調製した。
さらに、白糖および精製水をホモジナイザーで攪拌し着色剤を加えて攪拌して糖衣液(カラーリング液)を調製した。
製造例2の被糖衣錠を、通気型コーティング装置に投入し、サブコーティング液を噴霧して、無風でパンを回転させた。錠剤が乾いてきたら、給気・排気を入れて錠剤を乾燥させた。この操作を、素錠質量の約60%増量(90mg)するまで繰り返して、糖衣層を形成させた。
次に、サブコーティング液と同様の操作で、スムージング液を素錠質量の約25%増量(35mg)するまで、カラーリング液を素錠質量の約7%増量(10mg)するまで被覆した。最後にカルナウバロウを添加し適当な時間回転して本品を得た。
表3の処方に従って、マルチトール4468gに適量の精製水を加えてホモジナイザーで攪拌し、さらにポビドン33g、ポリエチレングリコール124g、アラビアゴム203gを加えて攪拌混合した。これに酸化チタン592g、タルク1200g、含水二酸化ケイ素132g、トウモロコシデンプン183g、沈降炭酸カルシウム264gを加えて攪拌し糖衣液(サブコーティング液)を調製した。
別に、白糖15.0kgおよび精製水をホモジナイザーで攪拌して、タルク1.8kg、ポビドン0.5kg、プルラン0.2kgを加えて攪拌し糖衣液(スムージング液)を調製した。
別に、白糖および精製水をホモジナイザーで攪拌して、着色剤を加えて攪拌し、糖衣液(カラーリング液)を調製した。
製造例2の被糖衣錠を、通気型コーティング装置に投入し、サブコーティング液を噴霧して、無風でパンを回転させた。錠剤が乾いてきたら、給気・排気を入れて錠剤を乾燥させた。この操作を、素錠質量の約60%増量(90mg)するまで繰り返して、糖衣層を形成させた。
次に、サブコーティング液と同様の操作で、スムージング液を素錠質量の約25%増量(35mg)するまで、カラーリング液を素錠質量の約7%増量(10mg)するまで被覆した。最後にカルナウバロウを添加し適当な時間回転して本品を得た。
表3の処方に従って、白糖3670gに適量の精製水を加えてホモジナイザーで攪拌し、さらにマルチトール160g、デキストリン640g、ポビドン33g、ポリエチレングリコール124g、アラビアゴム203gを加えて攪拌混合した。これに酸化チタン591g、タルク1200g、含水二酸化ケイ素131g、トウモロコシデンプン184g、沈降炭酸カルシウム263gを加えて攪拌し糖衣液(サブコーティング液)を調製した。
別に、白糖および精製水をホモジナイザーで攪拌して、さらにポビドン、プルラン、タルクおよび着色剤を加えて攪拌し糖衣液(スムージング液)を調製した。
さらに、白糖および精製水をホモジナイザーで攪拌し着色剤を加えて攪拌して糖衣液(カラーリング液)を調製した。
製造例2の被糖衣錠を、通気型コーティング装置に投入し、サブコーティング液を噴霧して、無風でパンを回転させた。錠剤が乾いてきたら、給気・排気を入れて錠剤を乾燥させた。この操作を、素錠質量の約60%増量(90mg)するまで繰り返して、糖衣層を形成させた。
次に、サブコーティング液と同様の操作で、スムージング液を素錠質量の約25%増量(35mg)するまで、カラーリング液を素錠質量の約7%増量(10mg)するまで被覆した。最後にカルナウバロウを添加し適当な時間回転して本品を得た。
製造して得られた糖衣錠の、ヒビに対する耐性と強度は以下の条件で評価を実施した。糖衣錠は製造、輸送、保管時において、ヒビを生ずることがなく、また外部からの衝撃に対して優れた強度を有することが求められるため、下記のいずれの試験においても良好な結果であることが望ましい。
実施例1〜12及び比較例1〜17における糖衣錠について、250錠を乾燥剤入りのポリ容器へ入れ密閉した。ポリ容器に入れた糖衣錠を温度55℃の恒温装置で3週間保存した。また温度45℃の恒温装置で2ヶ月保存した。また、ポリ容器に入れた糖衣錠を温度約5℃の恒温装置(冷所)で1ヶ月間保存した。これら保存後の外観を観察し、ヒビの有無を確認した。
本発明における実施例1〜12及び比較例1〜17における糖衣錠について、140錠をガラス瓶に入れ密閉した。これを温度70℃の恒温装置にて12時間保管後、温度−25℃の恒温装置にて1.5時間保管、さらに、温度70℃の1.5時間保管と温度−25℃の1.5時間保管を2回繰り返した。
保存後の糖衣錠の外観を観察し、ヒビの有無を確認した。
本発明における実施例1〜12及び比較例1〜17における糖衣錠について、100錠を100cmの高さから鉄板の上に5回落下させ、目視により糖衣錠の損傷数を観察した。また、1ヶ月室温保存した本発明における実施例1〜12及び比較例1〜17における糖衣錠について同様に評価をした。
苛酷条件下・冷所保存での経日変化における損傷やヒビの有無を調べた結果を表4に示す。デキストリン0%の比較例1においては、55℃3週間および冷所1ヶ月保存においてヒビが認められた。
サイクル試験の結果を表5に示すが、いずれもヒビは認められなかった。
落下による衝撃耐性試験の結果を表6に示す。サブコーティング液のデキストリン配合量が3.0%、6.0%、9.0%である実施例1〜3においては、落下による衝撃に耐性を持つことが認められた。
苛酷条件下・冷所保存での経日変化における損傷やヒビの有無を調べた結果を表7に示す。デキストリン0%の比較例4とデキストリン9.0%の実施例6においては、55℃3週間において損傷やヒビが認められた。また、デキストリン0%の比較例4とデキストリン1.5%の比較例5においては、冷所1ヶ月保存にてヒビが認められた。
サイクル試験の結果を表8に示すが、デキストリン0%の比較例4においてのみ、ヒビが認められた。
落下による衝撃耐性試験の結果を表9に示す。サブコーティング液のデキストリン配合量が3.0%、6.0%、9.0%である実施例4〜6においては、落下による衝撃に耐性を持つことが認められた。
苛酷条件化での経日変化における損傷やヒビの有無を調べた結果を表10に示す。サブコーティング液にデキストリンを含まない比較例7とサブコーティング液にデキストリン15.6%を含む比較例9においては、55℃3週間においてヒビが認められた。
サイクル試験の結果を表11に示すが、サブコーティング液にデキストリンを含まない比較例7にのみヒビが認められた。
落下による衝撃耐性試験の結果を表12に示す。サブコーティング液のデキストリン配合量が3.0%、6.0%、8.9%である実施例7〜9においては、落下による衝撃に耐性を持つことが認められた。
苛酷条件化での経日変化における損傷やヒビの有無を調べた結果を表13に示す。また、サイクル試験の結果を表14に示すが、実施例においては、ヒビは認められなかった。
落下による衝撃耐性試験の結果を表15に示す。サブコーティング液のデキストリン配合量が3.0%、6.0%、8.9%である実施例10〜12においては、落下による衝撃に耐性を持つことが認められた。
苛酷条件化での経日変化における損傷やヒビの有無を調べた結果を表16に示す。45℃2ヶ月保存においては、マルチトールを6.0%、8.9%含む比較例10、11においても、マルチトールを8.9%、12.4%含む比較例12、13においても、ヒビが認められた。
落下による衝撃耐性試験の結果を表18に示す。サブコーティング液にデキストリンを含有せずマルチトールを含む比較例10〜13においては、落下による衝撃に耐性を持つことが認められた。
苛酷条件化での経日変化における損傷やヒビの有無を調べた結果を表19に示す。55℃3週間、45℃2ヶ月保存のいずれにおいても、比較例14(マルチトール6.0%)あるいは比較例15(マルチトール8.9%)には、ヒビが認められた。
落下による衝撃耐性試験の結果を表21に示す。サブコーティング液にデキストリンを含有せずマルチトールを含む比較例14〜15においては、落下による衝撃に耐性を持つことが認められた。
苛酷条件化での経日変化における損傷やヒビの有無を調べた結果を表22に示す。比較例16の糖衣錠にはヒビが認められなかった。また、表23に示すサイクル試験でもヒビが認められなかった。
落下による衝撃耐性試験の結果を表24に示す。比較例16の糖衣錠は、落下による衝撃に耐性を持たないことが認められた。
苛酷条件化での経日変化における損傷やヒビの有無を調べた結果を表25に示す。比較例17に示す糖衣錠は、55℃3週間保存において、ヒビが認められた。
なお、表26に示すサイクル試験では、ヒビが認められなかった。
落下による衝撃耐性試験の結果を表27に示す。比較例17に示す糖衣錠は、落下による衝撃に耐性を持たないことが認められた。
Claims (6)
- 被糖衣錠に接する糖衣層が、前記糖衣層の固形分中、3.0質量%以上9.0質量%以下のデキストリンを含み、かつマルチトールを実質的に含まない糖衣錠。
- 前記糖衣層が、前記糖衣層の固形分中、30.0質量%以上90.0質量%以下の白糖を含む、請求項1に記載の糖衣錠。
- 前記糖衣層が、1質量部の白糖、0.05質量部以上0.20質量部以下のデキストリンを含む、請求項1または2に記載の糖衣錠。
- 前記被糖衣錠が、少なくとも2層以上の糖衣層により被覆されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の糖衣錠。
- 前記被糖衣錠に接する糖衣層が、糖衣層全体の40.0質量%以上85.0質量%以下である、請求項4に記載の糖衣錠。
- 被糖衣錠に接する糖衣層を有する糖衣錠の製造方法であって、
前記被糖衣錠に、前記糖衣層の固形分中、3.0質量%以上9.0質量%以下のデキストリンを含み、かつマルチトールを実質的に含まない糖衣液を掛け、前記被糖衣錠に掛けられた前記糖衣液を乾燥させる、糖衣錠の製造方法。
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