JP2018192862A - 潤滑装置の異常検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】2つの潤滑回路を有する潤滑装置において、温度センサの数を増やすことなくこれら潤滑回路の異常を検出できる異常検出装置を提供する。【解決手段】第1オイルポンプP1が駆動する一方、第2オイルポンプP2が停止すると、第1潤滑回路20のみ作動し、第2オイルポンプP2が駆動する一方、第1オイルポンプP1が停止すると、第2潤滑回路24のみ作動する。従って、一方のオイルポンプのみが駆動している走行状態で油温センサ48によって潤滑油の潤滑油温Toilを検出することで、その潤滑油温Toilに基づいて第1潤滑回路20および第2潤滑回路24のそれぞれの異常を検出することができる。【選択図】図3

Description

本発明は、潤滑装置の異常検出装置に係り、特に、2つの潤滑回路を有する潤滑装置の異常検出に関するものである。
特許文献1には、変速機を収容するギヤ室と、モータを収容するモータ室とが隔壁を隔てて形成されるハイブリッド車両用駆動装置において、潤滑油の油温を検出し、検出された油温に基づいてギヤ室およびモータ室への潤滑油量を適切に配分する技術が開示されている。また、特許文献2には、電動オイルポンプを用いた潤滑装置において、油路に配置された温度センサと、オイルポンプから吐出された潤滑油の流量を検出する流量検出手段とを用いて、潤滑装置の異常を検出する技術が開示されている。
特開2011−152814号公報 特開2016−161030号公報 特開2000−257705号公報 特開2012−106599号公報
ところで、特許文献1のようなギヤ室とモータ室とを有する構造において、第1オイルポンプを用いてギヤ室に潤滑油を供給する第1潤滑回路と、第2オイルポンプを用いてモータ室に潤滑油を供給する第2潤滑回路とを有して構成される場合、これら2つの潤滑回路の異常を検出する際には、それぞれの回路について温度センサを設ける必要があり、生産コストが高くなる。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、2つの潤滑回路を有する構造において、温度センサの数を増やすことなくこれら2つの潤滑回路の異常をそれぞれ検出できる潤滑装置の異常検出装置を提供することにある。
第1発明の要旨とするところは、(a)第1オイルポンプから吐出された潤滑油をギヤ機構に供給するための第1潤滑回路と、第2オイルポンプから吐出された潤滑油を電動機に供給するための第2潤滑回路とを、有する潤滑装置の異常検出装置であって、(b)前記第1潤滑回路を構成する第1油路と前記第2潤滑回路を構成する第2油路とが互いに近接する近接部、または、前記第1油路と前記第2油路とが合流する合流部と、(c)前記合流部または前記近接部に設けられている油温センサと、(d)前記第1潤滑回路および前記第2潤滑回路の異常を判定するための制御装置とを、備え、(e)前記制御装置は、前記第1オイルポンプが駆動する一方、前記第2オイルポンプが停止しているとき、前記油温センサによって計測された潤滑油温に基づいて、前記第1潤滑回路の異常を判定し、前記第2オイルポンプが駆動する一方、前記第1オイルポンプが停止しているとき、前記油温センサによって計測された潤滑油温に基づいて、前記第2潤滑回路の異常を判定する判定部を機能的に備えていることを特徴とする。
第1発明の潤滑装置の異常検出装置によれば、第1オイルポンプが駆動する一方、第2オイルポンプが停止する状態では、第1潤滑回路によってのみ潤滑油が循環させられるため、近接部または合流部に設けられている油温センサによって第1潤滑回路を流れる潤滑油の油温が検出される。また、第2オイルポンプが駆動する一方、第1オイルポンプが停止する状態では、第2潤滑回路によってのみ潤滑油が循環させられるため、近接部または合流部に設けられている油温センサによって第2潤滑回路を流れる潤滑油の油温が検出される。このことから、一方のオイルポンプのみが駆動している状態で潤滑油の油温を検出することで、その油温に基づいて第1潤滑回路および第2潤滑回路の異常をそれぞれ判定することができる。
本発明が適用された車両に適用される潤滑装置を構成する潤滑回路の構造を簡略的に示す図である。 図1の潤滑回路の異常を検出するための電子制御装置の入出力系統を示す図であり、また、制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 図2の電子制御装置による第1潤滑回路の異常を判定する制御作動を説明するためのフローチャートである。 図2の電子制御装置による第2潤滑回路の異常を判定する制御作動を説明するためのフローチャートである。 本発明の他の実施例に対応する潤滑回路の異常を判定するための電子制御装置の機能ブロック線図である。 図5の電子制御装置による第1潤滑回路の異常を検出する制御作動を説明するためのフローチャートである。 図5の電子制御装置による第2潤滑回路の異常を判定する制御作動を説明するためのフローチャートである。 本発明のさらに他の実施例に対応する潤滑回路の構造を簡略的に示す図である。 本発明のさらに他の実施例に対応する潤滑回路の構造を簡略的に示す図である。 本発明のさらに他の態様である第1潤滑回路の異常を判定する制御作動を説明するためのフローチャートである。
ここで、好適には、第1オイルポンプは、走行中に回転させられる出力軸に連動して回転させられるものであり、第2オイルポンプは、エンジンまたはポンプ駆動用電動機に連動して回転させられる。従って、例えばエンジンが停止した状態でのモータ走行中は、出力軸が回転することで第1オイルポンプが駆動させられる一方、第2オイルポンプが停止する。このとき油温センサによって検出される油温は、第1潤滑回路を流れる潤滑油の油温となり、この油温に基づいて第1潤滑回路の異常を判定することができる。また、例えば車両停止状態でエンジンが駆動した状態では、第1オイルポンプが停止させられる一方、第2オイルポンプがエンジンによって駆動させられる。このとき、油温センサによって検出される油温は、第2潤滑回路を流れる潤滑油の油温となり、この油温に基づいて第2潤滑回路の異常を判定することができる。
また、好適には、制御装置は、油温センサによって検出される潤滑油の油温と、外気温、車速、および電動機のモータ温度の少なくとも1つに基づいて算出される推定油温との差分が所定値以上であった場合に異常と判定する。或いは、制御装置は、油温センサによって随時検出される潤滑油の油温の変化量と、随時算出される推定油温の変化量との差分が所定値以上であった場合に異常と判定する。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が適用された車両に適用される潤滑装置12を構成する潤滑回路14の構造を簡略的に示す図である。本実施例の車両は、エンジンE/Gと、第1電動機MG1と、第2電動機MG2と、エンジンE/Gの動力を第1電動機MG1および不図示の駆動輪に分配するためのプラネタリギヤ22と、ギヤ機構16とを、含んで構成される不図示の駆動装置を備えている。駆動装置は、エンジンE/Gの動力を駆動輪に伝達して走行するエンジン走行、および、例えば第2電動機MG2の動力を駆動輪に伝達して走行するモータ走行(EV走行)が可能なハイブリッド形式の駆動装置である。潤滑装置12は、駆動装置内に設けられているギヤ機構16などの各種ギヤや電動機などを潤滑(冷却)するために設けられ、潤滑回路14および後述する電子制御装置60から構成されている。
潤滑回路14は、第1オイルポンプP1から吐出された潤滑油を、ギヤ機構16およびギヤ機構16を回転可能に支持するためのベアリング18に供給するための第1潤滑回路20と、第2オイルポンプP2から吐出された潤滑油を、第1電動機MG1、第2電動機MG2、および動力分配機構として機能するプラネタリギヤ22に供給するための第2潤滑回路24とを、備えて構成されている。
第1潤滑回路20は、駆動装置を保護するケース26の鉛直下方に形成されている潤滑油貯留部28(オイルパン)に貯留されている潤滑油を第1ストレーナ30を介して汲み上げる第1オイルポンプP1と、第1オイルポンプP1によって汲み上げられた潤滑油が吐出(供給)される第1吐出油路32と、ケース26の鉛直上方に位置し、第1吐出油路32の潤滑油が一時的に貯留されるキャッチタンク34と、キャッチタンク34に貯留された潤滑油を潤滑油貯留部28に環流させるための環流油路38とを、含んで構成されている。本実施例では、潤滑油貯留部28が、第1潤滑油貯留部28a、第2潤滑油貯留部28b、および第3潤滑油貯留28cから構成され、第1潤滑油貯留部28aに貯留される潤滑油が第1オイルポンプP1によって汲み上げられ、第2潤滑油貯留部28bに貯留される潤滑油が第2オイルポンプP2によって汲み上げられる。また、第3潤滑油貯留部28cに貯留される潤滑油は、デファレンシャル装置36(Diff)を構成するギヤによって掻き上げられて各種潤滑要部に供給される。
第1オイルポンプP1は、車両走行中に回転する所定の回転軸(例えば変速機の出力軸)と連動して回転駆動させられる。従って、第1オイルポンプP1は、車両走行中において所定の回転軸に連動して回転駆動させられる。第1オイルポンプP1によって汲み上げられた潤滑油は、第1吐出油路32に供給される。第1吐出油路32は、潤滑油をギヤ機構16およびベアリング18の潤滑要部に供給可能に接続されているとともに、キャッチタンク34に接続されている。従って、第1オイルポンプP1から吐出された潤滑油は、第1吐出油路32を通ってギヤ機構16およびベアリング18に供給される。また、第1吐出油路32内を流れる潤滑油の一部が、キャッチタンク34に一時的に貯留される。キャッチタンク34に一時的に貯留された潤滑油は、破線で示す環流油路38を通って潤滑油貯留部28(第1潤滑油貯留部28a)に環流する。なお、ギヤ機構16は、例えば減速ギヤなどエンジンと駆動輪との間の動力伝達経路を形成する各種ギヤ(プラネタリギヤ22を除く)である。また、ベアリング18は、これらギヤ機構16を回転可能に支持する少なくとも1つのベアリングである。
第2潤滑回路24は、第2潤滑貯留部28bに貯留されている潤滑油を第2ストレーナ40を介して汲み上げる第2オイルポンプP2と、第2オイルポンプP2によって汲み上げられた潤滑油が吐出(供給)される第2吐出油路42と、第2吐出油路42に接続されているオイルクーラ44と、オイルクーラ44によって冷却された潤滑油が供給される冷却用油路45とを、備えて構成されている。
第2オイルポンプP2は、エンジンE/Gによって回転駆動させられる。第2オイルポンプP2によって汲み上げられた潤滑油は、第2吐出油路42に供給される。第2吐出油路42は、プラネタリギヤ22および第1電動機MG1の潤滑要部(冷却要部)に接続されているとともに、オイルクーラ44に接続されている。従って、第2オイルポンプP2から吐出された潤滑油は、第2吐出油路42を通ってプラネタリギヤ22および第1電動機MG1に供給される。また、第2吐出油路42に供給された潤滑油の一部は、オイルクーラ44を経由して冷却された後、冷却用油路45に供給される。冷却用油路45は、第1電動機MG1および第2電動機MG2の冷却要部に接続されており、オイルクーラ44によって冷却された潤滑油は、冷却用油路45を経由して第1電動機MG1および第2電動機MG2の冷却要部に供給される。プラネタリギヤ22、第1電動機MG1、および第2電動機MG2を潤滑(冷却)した潤滑油は、ケース26の壁面などを伝って潤滑油貯留部28に環流する。
また、潤滑回路14において、第1潤滑回路20を構成する環流油路38と、第2潤滑回路24を構成する第2吐出油路42とが互いに近接させられている近接部46が設けられており、この近接部46に油温センサ48が設けられている。油温センサ48は、近接部46を流れる潤滑油の油温Toilを検出可能に構成されている。第1潤滑回路20にあっては、油温センサ48が第1潤滑回路20の下流側、具体的には、潤滑油貯留部28直前の位置に設けられている。なお、環流油路38が、本発明の第1潤滑回路を構成する第1油路に対応し、第2吐出油路42が、本発明の第2潤滑回路を構成する第2油路に対応している。
潤滑装置12は、潤滑回路14(第1潤滑回路20および第2潤滑回路24)の異常を判定するための電子制御装置60を備えている。図2は、電子制御装置60の入出力系統を示す図であり、また、制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。電子制御装置60は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行う。
電子制御装置60には、油温センサ48によって検出される潤滑回路14内の潤滑油の潤滑油温Toilを表す信号、外気温センサ62によって検出される外気温Tairを表す信号、エンジン回転速度センサ63によって検出されるエンジン回転速度Neを表す信号、車速センサ64によって検出される車速Vを表す信号、MG1温度センサ66によって検出される第1電動機MG1の温度Tmg1を表す信号、MG2温度センサ68によって検出される第2電動機MG2の温度Tmg2を表す信号などがそれぞれ入力されるようになっている。
電子制御装置60は、入力された各種信号に基づいて潤滑回路14の異常を判定するための制御部を機能的に備えている。具体的には、電子制御装置60は、走行状態判定部80(走行状態判定手段)、推定油温算出部82(推定油温算出手段)、異常判定部84(異常判定手段)、および異常確定制御部86(異常確定制御手段)を機能的に備えている。なお、本発明の異常検出装置は、電子制御装置60および油温センサ48を含んで構成される。
走行状態判定部80は、走行中の走行モードがEV走行であるかを判定する。走行状態判定部80は、走行中において、例えばエンジン回転速度Neがゼロまたはエンジン停止状態とみなせる極低回転速度であるかに基づいてEV走行であるかを判定する。或いは、走行中において、エンジンの燃料供給停止信号が出力されているかに基づいて判定することもできる。
また、走行状態判定部80は、車速Vがゼロまたは車両停止状態とみなせる極低車速において、エンジン12が駆動した状態(以下、停止エンジン駆動状態または停止エンジン駆動時)であるかを判定する。走行状態判定部80は、例えば、車速Vが車両停止状態と見なせる下限閾値未満であって、且つ、エンジン回転速度Neがアイドル回転速度Neidle以上であるかに基づいて、停止エンジン駆動時を判定する。
推定油温算出部80は、走行状態判定部80によってEV走行中と判定された場合、EV走行中における近接部46を流れる潤滑油の推定油温Testを算出する。推定油温算出部80は、例えば予め実験的または設計的に求められて記憶されている、EV走行中に適用される第1関係マップに基づいて推定油温Testを算出する。第1関係マップは、例えば外気温Tair、車速V、第1電動機MG1の温度Tmg1(以下、第1温度Tmg1)、および第2電動機MG2の温度Tmg2(以下、第2温度Tmg2)をパラメータとして構成される、近接部46を流れる潤滑油の推定油温Test(推定値)を算出するためのマップである。
上記第1関係マップを構成する各パラメータは、それぞれ潤滑油温Toilに影響を及ぼすものである。例えば、外気温Tairが高くなるほど潤滑油温Toilが全体として高くなる。従って、第1関係マップにおいて、外気温Tairが高くなるほど推定油温Testが高くなるように設定されている。また、車速Vが高くなるほどデファレンシャル装置36の攪拌による発熱が大きくなるとともに、潤滑油が供給されるギヤの噛合部やベアリングでの発熱量も大きくなる。従って、第1関係マップにおいて、車速Vが高くなるほど推定油温Testが高くなるように設定されている。さらに、第1温度Tmg1および第2温度Tmg2が高くなるほど、第1電動機MG1および第2電動機MG2を冷却した際に潤滑油が受ける熱量が大きくなる。従って、第1温度Tmg1および第2温度Tmg2が高くなるほど、推定油温Testが高くなるように設定されている。推定油温算出部80は、第1関係マップに随時検出される各パラメータを適用することで、推定油温Testを随時算出する。
ここで、EV走行中は、エンジンE/Gが駆動しないことから第2オイルポンプP2が駆動しない。すなわち、EV走行中は、第1オイルポンプP1のみが駆動させられ、潤滑回路14のうち第1潤滑回路20のみによって潤滑油が循環することとなる。従って、EV走行中に適用される第1関係マップは、この第1潤滑回路20のみ作動している場合における、近接部46を流れる潤滑油の推定油温Testである。なお、第1潤滑回路20のみ作動している場合、第1潤滑回路20を介して第1電動機MG1および第2電動機MG2に潤滑油が供給されないものの、デファレンシャル装置36によって掻き上げられた潤滑油が、第1電動機MG1および第2電動機MG2に供給される。従って、EV走行中であっても、第1電動機MG1および第2電動機MG2が冷却される一方で、潤滑油温Toilが第1電動機MG1および第2電動機MG2からの受熱によって上昇する。これに関連して、EV走行中であっても、第1温度Tmg1および第2温度Tmg2が潤滑油温Toilに影響することから、第1関係マップにおいて、第1温度Tmg1および第2温度Tmg2が推定油温Testを決定するパラメータとして適用される。
推定油温算出部80は、走行状態判定部80によって停止エンジン駆動時と判定された場合、停止エンジン駆動時における近接部46を流れる潤滑油の推定油温Testを算出する。推定油温算出部80は、例えば予め実験的または設計的に求められて記憶されている停止エンジン駆動時に適用される第2関係マップに基づいて推定油温Testを算出する。第2関係マップについても、第1関係マップと同様に、例えば外気温Tair、車速V、第1電動機MG1の第1温度Tmg1、および第2電動機MG2の第2温度Tmg2をパラメータとして構成される、近接部46を流れる潤滑油の推定油温Test(推定値)を算出するためのマップである。なお、第2関係マップにおける推定油温Testの変化傾向は、第1関係マップにおける推定油温Testと変わらないため、その説明を省略する。
ここで、停止エンジン駆動時にあっては、第1オイルポンプP1を駆動させるための回転軸が回転停止するため、第1オイルポンプP1が駆動しない。すなわち、停止エンジン駆動時では、第2オイルポンプP2のみ駆動させられ、潤滑回路14のうち第2潤滑回路24においてのみ潤滑油が循環することとなる。従って、停止エンジン駆動時に適用される第2関係マップは、この第2潤滑回路24のみが作動している場合における、近接部46を流れる潤滑油の推定油温Testである。なお、第2潤滑回路24のみ作動している場合、第2潤滑回路24を介してギヤ機構16およびベアリング18に潤滑油が供給されないものの、デファレンシャル装置36によって掻き上げられた潤滑油が、ギヤ機構16およびベアリング18に供給される。従って、停止エンジン駆動時であっても、ギヤ機構16およびベアリング18が潤滑される。
このように、EV走行中は、第1潤滑回路20のみ作動し、停止エンジン駆動時は第2潤滑回路24のみ作動するため、各走行状態毎に異なる関係マップ(第1関係マップ、第2関係マップ)が適用される。
異常判定部84は、潤滑油温Toilに基づいて、潤滑回路14を構成する第1潤滑回路20および第2潤滑回路24の異常をそれぞれ判定する。異常判定部84は、油温センサ48によって随時検出(取得)される潤滑油温Toilと、推定油温算出部80によって随時算出される推定油温Testとの差分S1(=|Toil−Test|)を算出し、算出された差分S1が予め設定されている許容閾値αよりも大きいかを判定する。許容閾値αは、予め実験的または設計的に求められる値であり、潤滑回路14が正常に作動していると判断できる許容範囲の閾値に設定されている。また、許容閾値αは、車両の走行状態に応じて適宜変更されても構わない。
潤滑回路14が正常に作動している場合には、潤滑油温Toilが推定油温Testと等しい、もしくは推定油温Test近傍の値となる。すなわち、差分S1が許容閾値αの範囲内となる。一方、潤滑回路14が正常に作動していない場合には、潤滑油が回路内を循環しないため、潤滑油温Toilが上昇せずに外気温Tair程度の温度となる。従って、差分S1が許容閾値αよりも大きくなる。このことから、異常判定部84は、差分S1が許容閾値α内にある場合には、潤滑回路14が正常に作動しているものと判定し、差分S1が許容閾値αよりも大きい場合には、潤滑回路14に異常が発生しているものと判定する。
また、EV走行中は、第1オイルポンプP1が駆動する一方、第2オイルポンプP2が停止し、第1潤滑回路20のみ作動しているため、EV走行中に異常判定部84が異常を判定した場合には、第1潤滑回路20について異常が発生した可能性がある。従って、異常判定部84は、EV走行中に異常を判定した場合には、第1潤滑回路20に異常が発生したものと暫定的に判定する。
また、停止エンジン駆動時では、第2オイルポンプP2が駆動する一方、第1オイルポンプP1が停止し、第2潤滑回路24のみ作動しているため、停止エンジン駆動時に異常判定部94が異常を判定した場合には、第2潤滑回路24に異常が発生した可能性がある。従って、異常判定部84は、停止エンジン駆動時に異常を判定した場合には、第2潤滑回路24に異常が発生したものと暫定的に判定する。
ここで、異常判定部84が第1潤滑回路20または第2潤滑回路24の異常を判定した場合であっても、油温センサ48の異常に起因して潤滑回路14の異常が判定される可能性もある。異常確定制御部86は、第1潤滑回路20または第2潤滑回路24の異常が暫定的に判定されると、停止中の他方のオイルポンプを駆動させた状態で、再度異常判定を実行させることで、異常が判定された潤滑回路の異常を確定する。具体的には、暫定的に判定された異常が、第1潤滑回路20または第2潤滑回路24の異常であるか、或いは、油温センサ48の異常であるかを確定する。
異常確定制御部86は、例えばEV走行中に第1潤滑回路20の異常が判定された場合において、第1潤滑回路20の異常を確定させる制御を実行する。具体的には、異常確定制御部86は、エンジンE/Gを駆動させて第2オイルポンプP2を回転させ、第2オイルポンプP2が駆動した状態(すなわち第2潤滑回路24が作動した状態)で、推定油温算出部82、異常判定部84を再度実行させる。
推定油温算出部82は、第2オイルポンプP2の駆動開始から所定時間T1経過後の推定油温Testを算出する。このとき、第1潤滑回路20に異常が発生していると判定された状態で第2オイルポンプP2が駆動することから、第2潤滑回路24のみ作動している状態で適用される第2関係マップに基づいて推定油温Testが算出される。なお、前記所定時間T1は、予め実験的または設計的に求められ、例えば第2オイルポンプP2の駆動が安定する時間に設定される。
異常判定部84は、算出された推定油温Testと油温センサ48によって検出された潤滑油温Toilとの差分S1が許容閾値αよりも大きいかを判定し、差分S1が許容閾値αよりも大きい場合には、第1潤滑回路20が正常であって、油温センサ48に異常が発生したものと判定する。一方、異常判定部84は、差分S1が許容閾値α以下の場合に、第1潤滑回路20の異常を確定する。
第1潤滑回路20に異常が発生した状態(すなわち第1潤滑回路20の非作動状態)で第2オイルポンプP2が駆動すると、第2潤滑回路24のみ作動するため、近接部46を流れる潤滑油の潤滑油温Toilが第2関係マップから推定される。従って、第1潤滑回路20に異常がある場合には、近接部46を流れる潤滑油の潤滑油温Toilが推定油温Testとなるため、差分S1が許容閾値α以下の場合には、第1潤滑回路20の異常を確定することができる。一方、第2オイルポンプP2を駆動させた場合であっても、差分S1が許容閾値αよりも大きい場合には、油温センサ48に異常が発生した可能性がある。従って、差分S1が許容閾値αよりも大きい場合には、油温センサ48に異常が発生し、第1潤滑回路20は正常と判定することができる。
また、異常確定制御部86は、異常判定部84によって停止エンジン駆動時に第2潤滑回路24の異常が暫定的に判定された場合には、第2潤滑回路24の異常を確定させる制御を実行する。具体的には、異常確定制御部86は、車速Vが所定値V1まで上昇したかを判定し、車速Vが所定値V1に到達したことを判定すると、推定油温算出部82、異常判定部84を再度実行させる。なお、車速Vの所定値は、予め実験的または設計的に求められ、例えば車速Vの上昇に伴って第1オイルポンプP1が駆動した(すなわち第1潤滑回路20が作動した)と判断できる値に設定されている。
推定油温算出部82は、車速Vが所定値V1に到達すると、推定油温Testを算出する。このとき、第2潤滑回路24に異常が発生している(第2潤滑回路24が作動しない)と判定された状態で第1オイルポンプP1が駆動する、すなわち第1潤滑回路20が作動することから、第1潤滑回路20のみ作動している状態で適用される第1関係マップに基づいて推定油温Testが算出される。また、異常判定部84は、算出された推定油温Testと油温センサ48によって検出された潤滑油温Toilとの差分S1が許容閾値αよりも大きいかを判定し、差分S1が許容閾値αよりも大きい場合には、第2潤滑回路24が正常であって、油温センサ48に異常が発生したものと判定する。一方、異常判定部84は、差分S1が許容閾値α以下の場合に、第2潤滑回路24の異常を確定する。
第2潤滑回路24に異常が発生した状態(すなわち第2潤滑回路24の非作動状態)で第1オイルポンプP1が駆動すると、第1潤滑回路20のみ作動するため、近接部46の潤滑油温Toilが第1関係マップに基づいて推定される。従って、第2潤滑回路24に異常があれば、近接部46の潤滑油温Toilが推定油温Testとなることから、差分S1が許容閾値α以下の場合には、第2潤滑回路24の異常を確定させることができる。一方、第1オイルポンプP1が駆動した場合であっても、差分S1が許容閾値αよりも大きい場合には、油温センサ48に異常が発生した可能性がある。従って、差分S1が許容閾値αよりも大きい場合には、油温センサ48に異常が発生し、第2潤滑回路24は正常と判定することができる。
図3は、電子制御装置60による第1潤滑回路20の異常を判定する制御作動を説明するためのフローチャートである。このフローチャートは、車両運転中において繰り返し実行される。
先ず、走行状態判定部80の制御機能に対応するステップST1(以下、ステップを省略する)において、EV走行中であるかが判定される。ST1が否定される場合、本ルーチンは終了させられる。ST1が肯定される場合、異常判定部84の制御機能に対応するST2において、油温センサ48によって検出される近接部46を流れる潤滑油の潤滑油温Toilが取得される。このとき、潤滑回路14が正常であれば、第1潤滑回路20のみ作動したときの潤滑油温Toilが取得される。次いで、推定油温算出部82の制御機能に対応するST3において、近接部46を流れる潤滑油の潤滑油温Toilの推定値である推定油温Testが、第1関係マップに基づいて算出される。異常判定部84の制御機能に対応するST4では、ST2において油温センサ48によって取得された潤滑油温ToilとST3において算出された推定油温Test1との差分S1(油温差)が許容閾値αよりも大きいかが判定される。
ST4において、差分S1が許容閾値α以下と判定されると、ST4が否定され、異常判定部84の制御機能に対応するST11に進み、第1潤滑回路20が正常と判定される。一方、ST4において、差分S1が許容閾値αよりも大きい場合、ST4が肯定され、異常判定部84の制御機能に対応するST5において、第1潤滑回路20の異常が暫定的に判定される。
異常確定制御部86の制御機能に対応するST6では、エンジンE/Gを駆動させることで、第2オイルポンプP2が回転させられる。次いで、異常判定部84の制御機能に対応するST7では、第2オイルポンプP2の回転開始から所定時間T1経過後の近接部46を流れる潤滑油の潤滑油温Toilが油温センサ48によって取得される。推定油温算出部82の制御機能に対応するST8では、第2オイルポンプP2の回転開始から所定時間T1経過後の近接部46を流れる潤滑油の推定油温Testが第2関係マップに基づいて算出される。
異常判定部84の制御機能に対応するST9では、ST7で取得された潤滑油温ToilとST8において算出された推定油温Testとの差分S1が許容閾値αよりも大きいかが判定される。ST9において、差分S1が許容閾値αよりも大きい場合、ST9が肯定されてST11に進み、油温センサ48に異常が発生したものと判定され、第1潤滑回路20が正常と判定される。一方、ST9において、差分S1が許容閾値α以下の場合、ST9が否定されて異常判定部84の制御機能に対応するST10に進み、第1潤滑回路20の異常が確定される。
図4は、電子制御装置60による第2潤滑回路24の異常を判定する制御作動を説明するためのフローチャートである。このフローチャートは、車両運転中において繰り返し実行される。
先ず、走行状態判定部80の制御機能に対応するステップST21(以下、ステップを省略する)において、停止エンジン駆動時(車両停止状態であって、且つ、エンジンが駆動した状態)かが判定される。ST21が否定される場合、本ルーチンは終了させられる。ST21が肯定される場合、異常判定部84の制御機能に対応するST2において、油温センサ48によって検出される近接部46を流れる潤滑油の油温Toilが取得される。このとき、潤滑回路14が正常であれば、第2潤滑回路24のみ作動したときの潤滑油温Toilが取得される。次いで、推定油温算出部82の制御機能に対応するST23では、近接部46を流れる潤滑油の潤滑油温Toilの推定値である推定油温Testが、第2関係マップに基づいて算出される。異常判定部84の制御機能に対応するST24では、ST22において取得された潤滑油温ToilとST23において算出された推定油温Testとの差分S1(油温差)が許容閾値αよりも大きいかが判定される。
ST24において、差分S1が許容閾値α以下と判定されると、ST24が否定され、異常判定部84に制御機能に対応するST21に進み、第2潤滑回路24が正常と判定される。一方、ST24において、差分S1が許容閾値αよりも大きい場合、ST24が肯定され、異常判定部84の制御機能に対応するST25において、第2潤滑回路24の異常が暫定的に判定される。
異常確定制御部86の制御機能に対応するST26では、車速Vが所定値V1に到達したかに基づいて、第1オイルポンプP1の回転が開始されたかが判定される。ST26が否定される間は同じ判定が繰り返し実行される。ST26が肯定されると、異常判定部84の制御機能に対応するST27において、油圧センサ48によって検出される近接部46を流れる潤滑油の潤滑油温Toilが取得される。推定油温算出部82の制御機能に対応するST28では、第1オイルポンプP1が回転した状態(すなわち第1潤滑回路20が作動した状態)における、近接部46を流れる潤滑油の推定油温Testが第1関係マップに基づいて算出される。
異常判定部84の制御機能に対応するST29では、ST27で取得された潤滑油温ToilとST28で算出された推定油温Testとの差分S1(油温差)が、許容閾値αよりも大きいかが判定される。ST29において、差分S1が許容閾値αよりも大きい場合、ST29が肯定されてST31に進み、油温センサ48に異常が発生したものと判定され、第2潤滑回路24が正常と判定される。一方、ST29において、差分S1が所定閾値α以下の場合、ST29が否定されて異常判定部84の制御機能に対応するST30に進み、第2潤滑回路24の異常が確定される。
上述のように、本実施例によれば、EV走行中は、第1オイルポンプP1が駆動する一方、第2オイルポンプP2が停止し、第1潤滑回路20によってのみ潤滑油が循環させられるため、近接部46に設けられている油温センサ48によって検出される潤滑油温Toilは、第1潤滑回路20を流れる潤滑油の潤滑油温Toilとなる。また、停止エンジン駆動時は、第2オイルポンプP2が駆動する一方、第1オイルポンプP1が停止し、第2潤滑回路24によってのみ潤滑油が循環させられるため、近接部46に設けられている油温センサ48によって検出される潤滑油温Toilは、第2潤滑回路24を流れる潤滑油の潤滑油温Toilとなる。このことから、一方のオイルポンプのみが駆動している走行状態で油温センサ48によって潤滑油の潤滑油温Toilを検出することで、その潤滑油温Toilに基づいて第1潤滑回路20および第2潤滑回路24のそれぞれの異常を検出することができる。
つぎに、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図5は、本発明の他の実施例に対応する潤滑回路14(第1潤滑回路20および第2潤滑回路24)の異常を判定するための電子制御装置100の機能ブロック線図である。本実施例では、潤滑油温Toilの変化量ΔToilおよび推定油温Testの変化量ΔTestに基づいて潤滑回路14の異常を判定する。なお、潤滑回路14の構造、および電子制御装置100の制御機能の一部である走行状態判定部80については、前述の実施例と同じであるため、同じ符号を付してその説明を省略する。また、本発明の異常検出装置は、電子制御装置100および油温センサ48を含んで構成される。
油温変化量算出部101は、油温センサ48によって随時取得される潤滑油温Toilに基づいて潤滑油温Toilの単位時間当たりの変化量ΔToilを算出する。
推定油温変化量算出部102は、推定油温Testの変化量ΔTestを算出する。推定油温変化量算出部102は、例えば第1関係マップ(EV走行時)または第2関係マップ(停止エンジン駆動時)から推定油温Testを随時算出し、随時算出される推定油温Testに基づいてその変化量ΔTestを算出する。
異常判定部104は、潤滑油温Toilの変化量ΔToilに基づいて、第1潤滑回路20および第2潤滑回路24の異常をそれぞれ判定する。具体的には、異常判定部104は、油温変化量算出部101によって算出される潤滑油温Toilの変化量ΔToilと推定油温変化量算出部102によって算出される推定油温Testの変化量ΔTestとの差分S2(=|ΔToil−ΔTest|)を算出し、算出された差分S2が予め設定されている許容閾値βよりも大きいかを判定する。許容閾値βは、予め実験的または設計的に求められる値であり、潤滑回路14が正常に作動していると判断できる範囲の閾値に設定されている。
潤滑回路14が正常に作動している場合には、潤滑油温Toilの変化量ΔToilが推定油温Testの変化量ΔTestと等しい、または変化量ΔTest近傍の値となる。すなわち、差分S2が許容閾値βの範囲内となる。一方、潤滑回路14が正常に作動していない場合には、潤滑油が潤滑要部に供給されないため、潤滑油温Toilの変化量ΔToilが、推定油温Testの変化量ΔTestに到達しない。すなわち、差分S2が許容閾値βよりも大きくなる。これより、異常判定部104は、差分S2が許容閾値βの範囲内にある場合には、潤滑回路14が正常に作動しているものと判定し、差分S2が許容閾値βよりも大きい場合には、潤滑回路14に異常が発生しているものと判定する。
また、EV走行中は、第1オイルポンプP1が駆動する一方、第2オイルポンプP2が停止し、第1潤滑回路20のみ作動しているため、EV走行中に異常判定部104が異常を判定した場合には、第1潤滑回路20について異常が発生した可能性がある。従って、異常判定部104は、EV走行中に異常を判定した場合には、第1潤滑回路20に異常が発生したものと暫定的に判定する。
また、停止エンジン駆動時では、第2オイルポンプP2が駆動する一方、第1オイルポンプP1が停止し、第2潤滑回路24のみ作動しているため、停止エンジン駆動時で異常判定部104が異常を判定した場合には、第2潤滑回路24について異常が発生した可能性がある。従って、異常判定部104は、停止エンジン駆動時に異常を判定した場合には、第2潤滑回路24に異常が発生したものと暫定的に判定する。
異常確定制御部106は、EV走行中に第1潤滑回路20の異常が判定された場合において、第1潤滑回路20の異常を確定させるための制御を実行する。具体的には、異常確定制御部106は、エンジンを駆動させて第2オイルポンプP2を駆動させ、第2オイルポンプP2が駆動した状態で、油温変化量算出部101、推定油温変化量算出部102、および異常判定部104による異常判定を再度実行させる。
第1潤滑回路20に異常が発生した状態(第1潤滑回路20の非作動状態)で、第2オイルポンプP2が駆動すると第2潤滑回路24が作動する。従って、推定油温変化量算出部102は、停止エンジン駆動時に適用される第2関係マップに基づいて推定油温Testの変化量ΔTestを算出する。
異常判定部104は、油温変化量算出部101によって算出された潤滑油温Toilの変化量ΔToilと、推定油温変化量算出部102によって算出された推定油温Testの変化量ΔTestとの差分S2が、許容閾値βよりも大きいかを判定する。第1潤滑回路20に異常が発生した状態(第1潤滑回路20の非作動状態)で、第2潤滑回路24が作動すると、潤滑油温Toilが第2潤滑回路24の作動に伴って上昇し、差分S2が許容閾値βの範囲となる。これより、異常判定部104は、差分S2が許容閾値βの範囲内になると、第1潤滑回路20の異常を確定する。
一方、第2オイルポンプP2が駆動した場合であっても、差分S2が許容閾値βよりも大きい場合には、第1潤滑回路20は正常であるものの、油温センサ48に異常が発生している可能性がある。従って、異常判定部104は、差分S2が許容閾値βよりも大きい場合には、第1潤滑回路20が正常であって、油温センサ48の異常が発生している可能性があると判定する。
また、停止エンジン駆動時に異常判定部104によって第2潤滑回路24の異常が暫定的に判定された場合には、異常確定制御部106は、車両の車速Vが所定値V1に到達したかを判定し、車速Vが所定値V1に到達したことを判定すると、油温変化量算出部101、推定油温変化量算出部102、異常判定部104による異常判定を再度実行させる。
第2潤滑回路24に異常が発生した状態で、車速Vが所定値V1以上になると、第1オイルポンプP1が駆動し、第1潤滑回路20による潤滑が実行される。従って、推定油温変化量算出部102は、EV走行時すなわち第1潤滑回路20のみ作動しているときに適用される、第1関係マップに基づいて推定油温Testの変化量ΔTestを算出する。
異常判定部104は、油温変化量算出部101によって算出された潤滑油温Toilの変化量ΔToilと、推定油温変化量算出部102によって算出された推定油温Testの変化量ΔTestとの差分S2が許容閾値βよりも大きいかを判定する。第2潤滑回路24に異常が発生した状態で第1オイルポンプP1の駆動に伴って第1潤滑回路20が作動すると、潤滑油温Toilが第1潤滑回路20の作動に伴って上昇し、潤滑油温Toilの変化量ΔToilが推定油温Testの変化量ΔTestと略等しくなる。すなわち、差分S2が許容閾値βの範囲となる。従って、異常判定部104は、差分S2が許容閾値β以下の場合に、第2潤滑回路24の異常を確定する。
一方、第1潤滑回路20が作動した場合であっても、差分S2が許容閾値βよりも大きい場合には、第2潤滑回路24は正常であるものの、油温センサ48に異常が発生している可能性がある。従って、異常判定部104は、差分S2が許容閾値βよりも大きい場合には、第2潤滑回路24が正常であって、油温センサ48に異常が発生している可能性があると判定する。
図6は、電子制御装置100による第1潤滑回路20の異常を検出する制御作動を説明するためのフローチャートである。このフローチャートは、車両運転中において繰り返し実行される。
先ず、走行状態判定部80の制御機能に対応するステップST41(以下、ステップを省略する)において、EV走行中であるかが判定される。ST41が否定される場合、本ルーチンは終了させられる。ST1が肯定される場合、油温変化量算出部101の制御機能に対応するST42において、油温センサ48によって随時検出される近接部46を流れる潤滑油の潤滑油温Toilに基づいて、その変化量ΔToilが算出される。このとき、潤滑回路14が正常であれば、第1潤滑回路20のみ作動した状態での潤滑油温Toilの変化量ΔToilが算出される。次いで、推定油温変化量算出部102の制御機能に対応するST43において、EV走行中に近接部46を流れる潤滑油の推定油温Testの変化量ΔTestが算出される。
異常判定部104の制御機能に対応するST43では、ST42において算出された潤滑油温Toilの変化量ΔToilと、ST43において算出された推定油温Testの変化量ΔTestとの差分S2が、許容閾値βよりも大きいかが判定される。ST44において、差分S2が許容閾値β以下と判定される場合、ST44が否定され、異常判定部104の制御機能に対応するST51に進み、第1潤滑回路20が正常であると判定される。一方、ST44において、差分S2が許容閾値βよりも大きいと判定される場合、ST44が肯定され、異常判定部104の制御機能に対応するST45において第1潤滑回路20に異常が発生したと暫定的に判定される。
異常確定制御部106の制御機能に対応するST46では、第2オイルポンプP2が回転させられることで、第2潤滑回路24が作動させられる。次いで、油温変化量算出部101の制御作動に対応するST47において、第2オイルポンプP2の回転開始から所定時間経過後の近接部46を流れる潤滑油温Toilの変化量ΔToilが算出される。また、推定油温変化量算出部102の制御機能に対応するST48において、近接部46における潤滑油の推定油温Testの変化量ΔTestが算出される。
異常判定部104の制御機能に対応するST49では、ST47で算出された潤滑油温Toilの変化量ΔToilと、ST48で算出された推定油温Testの変化量ΔTestとの差分S2が許容閾値βよりも大きいかが判定される。ST49において、差分S2が許容閾値βよりも大きい場合、ST49が肯定され、ST51において油温センサ48に異常が発生したものと判定され、第1潤滑回路20が正常と判定される。一方、ST49において、差分S2が許容閾値β以下の場合、ST49が否定されて異常判定部104の制御機能に対応するST50に進み、第1潤滑回路20の異常が確定される。
図7は、電子制御装置100による第2潤滑回路24の異常を判定する制御作動を説明するためのフローチャートである。このフローチャートは、車両運転中において繰り返し実行される。
まず、走行状態判定部80の制御機能に対応するステップST61(以下、ステップを省略する)において、停止エンジン駆動時か否かが判定される。ST61が否定される場合、本ルーチンは終了させられる。ST61が肯定される場合、油温変化量算出部101の制御機能に対応するST62において、油温センサ48によって随時検出される潤滑油温Toilに基づいて、近接部46を流れる潤滑油の潤滑油温Toilの変化量ΔToilが算出される。このとき、潤滑回路14が正常であれば、第2潤滑回路24のみ作動した状態での潤滑油温Toilの変化量ΔToilが算出される。次いで、推定油温変化量算出部102の制御機能に対応するST63において、近接部46を流れる潤滑油の推定油温Testの変化量ΔTestが算出される。
異常判定部104の制御機能に対応するST64では、ST62において算出された潤滑油温Toilの変化量ΔToilと、ST63において算出された推定油温Testの変化量ΔTestとの差分S2が、許容閾値βよりも大きいかが判定される。ST64において、差分S2が許容閾値β以下と判定される場合、ST64が否定され、異常判定部104の制御機能に対応するST71に進み、第2潤滑回路24が正常であると判定される。一方、ST64において、差分S2が許容閾値βよりも大きいと判定される場合、ST64が肯定され、異常判定部104の制御機能に対応するST65において、第2潤滑回路24に異常が発生したと暫定的に判定される。
異常確定制御部106の制御機能に対応するST66では、車速Vが所定値V1に到達したかに基づいて、第1オイルポンプP1が回転し始めたかが判定される。ST66が否定される間、ST66の作動が繰り返し実行される。ST66が肯定されると、油温変化量算出部101の制御機能に対応するST67において、近接部46を流れる潤滑油の潤滑油温Toilの変化量ΔToilが算出される。また、推定油温変化量算出部102の制御機能に対応するST68において、近接部46を流れる潤滑油の推定油温Testの変化量ΔTestが算出される。
異常判定部104の制御機能に対応するST69では、ST67で算出された潤滑油温Toilの変化量ΔToilと、ST68で算出された推定油温Testの変化量ΔTestとの差分S2が、許容閾値βよりも大きいかが判定される。ST69において、差分S2が許容閾値βよりも大きい場合、ST69が肯定され、ST71において油温センサ48に異常が発生したものと判定され、第2潤滑回路24が正常と判定される。一方、ST69において、差分S2が許容範囲β以下の場合、ST69が否定されて異常判定部104の制御機能に対応するST70に進み、第2潤滑回路24の異常が確定される。
上述のように、本実施例のように潤滑油温Toilの変化量ΔToilに基づいて潤滑回路14の異常を判定する場合であっても、前述の実施例と同様の効果を得ることができる。
図8は、本発明のさらに他の実施例に対応する潤滑装置120を構成する潤滑回路121の構造を簡略的に示す図である。本実施例の潤滑回路121は、オイルクーラ44によって冷却された潤滑油の一部がキャッチタンク34に供給され、そのキャッチタンク34に油温センサ132が設けられている点で、前述の潤滑回路14と相違している。なお、ギヤ機構16、ベアリング18、プラネタリギヤ22、ケース26、潤滑油貯留部28、第1ストレーナ30、第1吐出油路32、キャッチタンク34、デファレンシャル装置36、第2ストレーナ40、第2吐出油路42、オイルクーラ44については、前述の実施例の潤滑回路14と基本的に同じであるため、同じ符号を付してその説明を省略する。
潤滑回路121は、第1オイルポンプから吐出された潤滑油を、ギヤ機構16およびベアリング18に供給するために設けられている第1潤滑回路122と、第2オイルポンプP2から吐出された潤滑油を、第1電動機MG1、第2電動機MG2およびプラネタリギヤ22に供給するために設けられている第2潤滑回路124とを、備えて構成されている。
第1潤滑回路122において、第1オイルポンプP1によって吐出された潤滑油は、第1吐出油路32を経由してギヤ機構16およびベアリング18に供給され、潤滑油の一部がキャッチタンク34に一時的に貯留される。また、キャッチタンク34に一時的に貯留された潤滑油は、破線で示す環流油路128を通って潤滑油貯留部28に環流させられる。
第2潤滑回路122において、第2オイルポンプP2によって吐出された潤滑油の一部が、第2吐出油路42を経由してプラネタリギヤ22および第1電動機MG1に供給されるとともに、潤滑油の残部が、オイルクーラ44を経由して冷却された後、冷却用油路130に供給される。冷却用油路130は、第1電動機MG1および第2電動機MG2の潤滑要部(冷却要部)に供給可能に接続されるとともに、キャッチタンク34に接続されている。従って、冷却用油路130に供給された潤滑油の一部が第1電動機MG1および第2電動機MG2に供給されるとともに、潤滑油の残部がキャッチタンク34に供給される。
また、本実施例では、キャッチタンク34に油温センサ132が設けられている。キャッチタンク34は、第1吐出油路32および冷却用油路130が接続されていることから、第1吐出油路32内を流れる潤滑油と、冷却用油路130内を流れる潤滑油とが合流する合流部(油だまり)となり、この合流部に油温センサ132が設けられている。なお、本実施例においてキャッチタンク34が、本発明の第1油路内を流れる潤滑油と第2油路内を流れる潤滑油とが合流する合流部に対応している。
上記のように構成される潤滑装置120であっても、前述の実施例と同様の制御を実行することで、1つの油温センサ132によって、第1潤滑回路122および第2潤滑回路124のそれぞれの異常を判定することができる。
例えば、EV走行中にあっては、第1潤滑回路122のみ作動するため、キャッチタンク34には、第1潤滑回路122からの潤滑油が一時的に貯留される。従って、EV走行中におけるキャッチタンク34に貯留される潤滑油の潤滑油温Toil(または変化量ΔToil)および推定油温Test(または変化量ΔTest)に基づいて第1潤滑回路122の異常を判定することができる。
また、停止エンジン駆動時にあっては、第2潤滑回路124のみ作動するため、キャッチタンク34には、第2潤滑回路124からの潤滑油が一時的に貯留される。従って、停止エンジン駆動時におけるキャッチタンク34に貯留される潤滑油温Toil(または変化量ΔToil)および推定油温Test(または変化量ΔTest)に基づいて第2潤滑回路124の異常を判定することができる。なお、第1潤滑回路122および第2潤滑回路124の異常判定の具体的手段については、前述した実施例と基本的に変わらないため、詳細な説明を省略する。
図9は、本発明のさらに他の実施例に対応する潤滑装置140を構成する潤滑回路141の構造を簡略的に示す図である。本実施例の潤滑回路141は、キャッチタンク34が設けられていない点で、前述の潤滑回路14と相違している。なお、ギヤ機構16、ベアリング18、プラネタリギヤ22、ケース26、潤滑油貯留部28、第1ストレーナ30、デファレンシャル装置36、第2ストレーナ40、第2吐出油路42、冷却用油路45、およびオイルクーラ44については、前述の実施例の潤滑回路14と基本的に同じであるため、同じ符号を付してその説明を省略する。
潤滑回路141は、第1オイルポンプP1から吐出された潤滑油を、ギヤ機構16およびベアリング18に供給するために設けられている第1潤滑回路142と、第2オイルポンプP2から吐出された潤滑油を、第1電動機MG1、第2電動機MG2、およびプラネタリギヤ22に供給するために設けられている第2潤滑回路144とを、備えて構成されている。
第1潤滑回路142において、第1オイルポンプP1によって吐出された潤滑油が第1吐出油路146に供給される。第1吐出油路146は、ギヤ機構16およびベアリング18の潤滑要部に接続されている。従って、第1吐出油路146に供給された潤滑油がその第1吐出油路146を経由してギヤ機構16およびベアリング18に供給される。なお、ギヤ機構16およびベアリング18を潤滑した潤滑油は、図示しない環流油路またはケース16の壁面を伝って潤滑油貯留部28に環流される。
第2潤滑回路144において、第2オイルポンプP2によって吐出された潤滑油は、第2吐出油路42に供給される。第2吐出油路42は、プラネタリギヤ22および第1電動機MG1の潤滑要部に接続されているとともに、オイルクーラ44に接続されている。従って、第1吐出油路146に供給された潤滑油の一部が第2吐出油路42を経由してプラネタリギヤ22および第1電動機MG1に供給されるとともに、潤滑油の残部がオイルクーラ44に供給されて冷却される。オイルクーラ44によって冷却された潤滑油は、冷却用油路45に供給される。冷却用油路45は、第1電動機MG1および第2電動機MG2の冷却要部に接続されている。従って、冷却用油路45に供給された潤滑油が、冷却用油路45を通って第1電動機MG1および第2電動機MG2に供給されることで、第1電動機MG1および第2電動機MG2が冷却される。
また、本実施例では、第1オイルポンプP1から吐出された潤滑油が供給される第1吐出油路146のうち上流側に位置(ギヤ機構16およびベアリング18よりも上流側の位置、第1オイルポンプP1近傍の位置)する油路と、第2オイルポンプP2から吐出された潤滑油が供給される第2吐出油路42のうち上流側に位置(プラネタリギヤ22、第1電動機MG1、オイルクーラ44よりも上流側の位置、第2オイルポンプP2近傍の位置)する油路とが、互いに近接する近接部148が設けられ、この近接部148に油温センサ150が設けられている。油温センサ150は、この近接部148を流れる潤滑油の潤滑油温Toilを検出可能に構成されている。なお、第1吐出油路146が、本発明の第1潤滑回路を構成する第1油路に対応し、第2吐出油路42が、本発明の第2潤滑回路を構成する第2油路に対応している。
上記のように構成される潤滑装置140であっても、前述の実施例と同様の制御を実行することで、1つの油温センサ150によって、第1潤滑回路142および第2潤滑回路144のそれぞれの異常を判定することができる。
例えば、EV走行中にあっては、第1潤滑回路142のみ作動するため、油温センサ150によって検出される潤滑油温Toil(または変化量ΔToil)および推定油温Test(または変化量ΔTest)に基づいて第1潤滑回路142の異常を判定することができる。
また、停止エンジン駆動時にあっては、第2潤滑回路144のみ作動するため、油温センサ150によって検出される潤滑油温Toil(または変化量ΔToil)および推定油温Test(または変化量ΔTest)に基づいて第2潤滑回路144の異常を判定することができる。なお、第1潤滑回路142および第2潤滑回路144の異常検出の具体的手段については、前述した実施例と基本的に変わらないため、詳細な説明を省略する。
前述の実施例1では、例えば第1潤滑回路20の異常が暫定的に判定された場合には、第2オイルポンプP2を駆動させ、第2オイルポンプP2の駆動後において油温センサ48によって検出される潤滑油温Toil(または変化量ΔToil)と推定油温Test(または変化量ΔTest)との差分に基づいて異常を確定するものであった。これに対して、本実施例では、例えばEV走行中に第1潤滑回路20の異常が暫定的に判定されると、第2オイルポンプP2の駆動前後の潤滑油の潤滑油温Toilに基づいて、第1潤滑回路20の異常が確定される。具体的には、第2オイルポンプP2の駆動前において油温センサ48によって検出された潤滑油温Toil(以下、潤滑油温Toil[i-1])と、第2オイルポンプP2の駆動後に油温センサ48によって検出された潤滑油温Toil[i]との差分S3(=|Toil[i]−Toil[i-1]|)を算出し、その差分S3が予め設定されている許容閾値γよりも大きいかに基づいて、第1潤滑回路20の異常が確定される。具体的には、差分S3が許容閾値γよりも大きい場合には、油温センサ48の異常と判定され、第1潤滑回路20が正常と判定される。一方、差分S3が許容閾値γ以下の場合には、第1潤滑回路20の異常が確定される。
図10は、本実施例に対応する、EV走行中において第1潤滑回路20の異常を判定する制御作動を説明するフローチャートである。図10のフローチャートにおいて、ステップST1〜ステップST7については、前述した図1のフローチャートと同じであるため、詳細な説明を省略する。
図10のステップST5において、第1潤滑回路20の異常が暫定的に判定されると、ステップST6において、EV走行状態からエンジン始動が行われることで第2オイルポンプP2が回転駆動させられる。ステップST7では、第2オイルポンプP2が回転駆動した状態で油温センサ48によって検出される潤滑油の潤滑油温Toil[i]が取得され、ST80では、第2オイルポンプP2の駆動前において油温センサ48によって検出(ステップST2)されて記憶されている潤滑油温Toil[i-1]が取得され、ステップST81において、ステップST7で取得された潤滑油温Toil[i]と、ステップST80において取得された潤滑油温Toil[i-1]との差分S3が許容閾値γよりも大きいかが判定される。ST81では、差分S3が許容閾値γよりも大きい場合には、ST83に進み、油温センサ48の異常が判定され、第1潤滑回路20が正常と判定される。一方、ST81において、差分S3が許容閾値よりも小さい場合には、ST81が否定され、ST82において第1潤滑回路20の異常が確定される。
上述した図10のフローチャートは、EV走行中の第1潤滑回路20の異常を確定するものであったが、停止エンジン駆動時に第2潤滑回路24の異常を確定する場合であっても、第1オイルポンプP1の駆動前後の潤滑油温Toilに基づいて第2潤滑回路24の異常を確定することができる。具体的には、第1オイルポンプP1の駆動後に取得された潤滑油温Toil[i]と、第1オイルポンプP1の駆動前に取得された潤滑油温Toil[i-1]との差分S3に基づいて第2潤滑回路24の異常を確定することができる。さらには、現在の潤滑油温Toil[i]の変化量ΔToil[i]と、第1オイルポンプP1または第2オイルポンプP2の駆動前に取得された潤滑油温Toil[i-1]の変化量ΔToil[i-1]との差分S4に基づいて、第1潤滑回路20および第2潤滑回路24の異常をそれぞれ確定するものであっても構わない。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、第2オイルポンプP2は、エンジンE/Gによって駆動させられるが、第2オイルポンプP2を駆動させるためのポンプ駆動用電動機によって駆動させられるものであっても構わない。この場合には、第2オイルポンプP2を回転させる際には、エンジンE/Gに代わってポンプ駆動用電動機が駆動させられる。
また、前述の実施例では、第1関係マップおよび第2関係マップは、外気温Tair、車速V、第1電動機MG1の第1温度Tmg1、および第2電動機MG2の第2温度Tmg2をパラメータとして構成されていたが、これらのパラメータのうち少なくとも1つから関係マップが構成されるものであっても構わない。
また、前述の実施例では、第1関係マップおよび第2関係マップから求められる推定油温Testに基づいて変化量ΔTestが算出されるものであったが、推定油温Testの変化量ΔTestを求める関係マップが予め求められて記憶され、その関係マップに基づいて変化量ΔTestが直接算出されるものであっても構わない。
また、前述の実施例では、潤滑油貯留部28を構成する、第1潤滑油貯留部28a、第2潤滑油貯留部28b、および第3潤滑油貯留部28cがそれぞれ隔壁で区切られていたが、これら隔壁が除去されて1つの潤滑油貯留部28とされても構わない。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
12、120、140:潤滑装置
20、122、142:第1潤滑回路
24、124、144:第2潤滑回路
34:キャッチタンク(合流部)
38:環流油路(第1油路)
42:第2吐出油路(第2油路)
46、148:近接部
48、132、150:油温センサ
60、100:電子制御装置(制御装置)
84、104:異常判定部(判定部)
146:第1吐出油路(第1油路)
P1:第1オイルポンプ
P2:第2オイルポンプ
MG1:第1電動機(電動機)
MG2:第2電動機(電動機)

Claims (1)

  1. 第1オイルポンプから吐出された潤滑油をギヤ機構に供給するための第1潤滑回路と、第2オイルポンプから吐出された潤滑油を電動機に供給するための第2潤滑回路とを、備える潤滑装置の異常検出装置であって、
    前記第1潤滑回路を構成する第1油路と前記第2潤滑回路を構成する第2油路とが互いに近接する近接部、または、前記第1油路内を流れる潤滑油と前記第2油路内を流れる潤滑油とが合流する合流部に設けられている油温センサと、
    前記第1潤滑回路および前記第2潤滑回路の異常を判定するための制御装置とを、備え、
    前記制御装置は、前記第1オイルポンプが駆動する一方、前記第2オイルポンプが停止しているとき、前記油温センサによって検出された潤滑油温に基づいて、前記第1潤滑回路の異常を判定し、前記第2オイルポンプが駆動する一方、前記第1オイルポンプが停止しているとき、前記油温センサによって検出された潤滑油温に基づいて、前記第2潤滑回路の異常を判定する判定部を機能的に備えている
    ことを特徴とする潤滑装置の異常検出装置。
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