図1及び図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1に示すように、パチンコ機1は、遊技盤2を着脱可能な本体枠29を備える。遊技盤2は正面視略正方形の板状である(図2参照)。本体枠29に装着された遊技盤2は、パチンコ機1の上側部分に配置される。遊技盤2は、本体枠29と、本体枠29の前側に装着された前面枠291との間で保持される。前面枠291は、透明なガラス板を保持しており、遊技盤2の前面を保護する。
遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、遊技球発射装置37(図13参照)に金属製の遊技球を供給し、且つ賞球を受ける。上皿5の上面には、遊技者によって操作される操作ボタン9が設けられている。上皿5の直下には、賞球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。発射ハンドル7は、遊技者が回転操作できるように設けられており、遊技者が発射ハンドル7を回転させて発射操作を行うと、発射ハンドル7の回転角度に応じた強度で、遊技球発射装置37によって遊技球が発射される。前面枠291のガラス板を取り囲むように、電飾部材35が設けられている。電飾部材35は、遊技の進行等に応じて点灯又は点滅可能である。前面枠291の上部の両角部に、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。ガイドレール3は、遊技領域4の左側に形成されている。遊技領域4の略中央には、各種演出を実行するセンター飾り8が設けられている。遊技球発射装置37によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は、センター飾り8の左側を流下し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は、センター飾り8の右側を流下する。以下、センター飾り8の左側を流下するように遊技球を発射することを「左打ち」と、センター飾り8の右側を流下するように遊技球を発射することを「右打ち」という。
センター飾り8は、表示画面28等を主に備える。表示画面28は、センター飾り8の上部の略中央に配置される。表示画面28は、例えばLCD等によって構成されており、様々な数字・文字等を表示可能である。表示画面28は、例えば、普通当たり判定の結果を遊技者に報知する演出用の図柄である演出図柄を表示する。パチンコ機1は、複数(本実施形態では3つ)の演出図柄を変動させる図柄変動を表示した後に、普通当たり判定の結果を示す演出図柄の組合せを確定表示する報知演出を実行することで、普通当たり判定の結果を遊技者に報知する。本実施形態では、主に、後述する第一普通当たり判定の結果が、報知演出によって報知される。
センター飾り8の略中央下方には、遊技球が通過可能な第一図柄作動ゲート11が設けられている。パチンコ機1の遊技領域4には、いわゆる普通電動役物(普通当たり判定の結果に基づき入賞口の大きさを変化する役物)として、複数の電動チューリップ(以下、「電チュー」という。)が設けられている。表示画面28の右斜め上方には、第一電チュー12が設けられている。
第一電チュー12は、第一電チューソレノイド64(図13参照)によって電気的に開閉される開閉部材121を備える。開閉部材121は、左右方向に長手方向を有して前後方向に延びる略平板状の部材である。開閉部材121は、閉鎖状態において第一電チュー12の入口を上部から覆うことで第一電チュー12への遊技球の入賞を阻害し、開放状態において後方にスライドすることで第一電チュー12の入口を開放し、第一電チュー12への遊技球の入賞を可能にする。閉鎖状態において開閉部材121の上側に遊技球が乗った状態で、開閉部材121が開放状態に移行した場合、開閉部材121の上側から第一電チュー12の入口からに向けて遊技球が落下することで、第一電チュー12に遊技球が入賞する。したがって、開閉部材121の上側に遊技球が乗った状態で開閉部材121が閉鎖状態から開放状態に移行することで、開閉部材121が開放する時間が比較的短い場合であっても、第一電チュー12に遊技球が入賞しうる。本実施形態では、開閉部材121が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球は第一電チュー12に入賞できる。なお、第一電チュー12は、開閉部材121が閉鎖された閉鎖状態にも遊技球の入賞が可能であって、開閉部材121が開放されることで閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となる構成であってもよい。
第一電チュー12の左斜め下方には、第一非電動役物16が設けられている。第一非電動役物16は、第二種非電動役物に係る入賞口として構成されている。第二種非電動役物は、電動役物(電気的動力によって動作する役物)以外の役物であり、遊技球が当該入賞口以外の特定の入賞口に入賞し、又は特定のゲートを通過した場合に作動する役物である。すなわち、第一非電動役物16の開閉部材161は、ソレノイド等によって電気的に開閉されるものではなく、機械的に開閉される。本実施形態では、開閉部材161が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球は第一非電動役物16に入賞できる。なお、第一非電動役物16は、開閉部材161が閉鎖された閉鎖状態にも遊技球の入賞が可能であって、開閉部材161が開放されることで閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となる構成であってもよい。
第一非電動役物16の右斜め上方には、第二非電動役物17が設けられている。第二非電動役物17も、第二種非電動役物に係る入賞口として構成されている。このため、第二非電動役物17の開閉部材171は、機械的に開閉される。本実施形態では、開閉部材171が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球は第二非電動役物17に入賞できる。なお、第二非電動役物17は、開閉部材171が閉鎖された閉鎖状態にも遊技球の入賞が可能であって、開閉部材171が開放されることで閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となる構成であってもよい。
第一電チュー12と、第一非電動役物16及び第二非電動役物17との上下方向における間の位置には、第一振分流路23が設けられている。第一振分流路23は、第一電チュー12に入賞した遊技球のみが通過できる流路であり、遊技盤2の前面に対して後面側に設けられている。
第二非電動役物17の下方には、第二電チュー13が設けられている。第二電チュー13は、第二電チューソレノイド65(図13参照)によって電気的に開閉される開閉部材131を備える。本実施形態では、開閉部材131が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球は第二電チュー13に入賞できる。第一電チュー12の左斜め下方には、第四電チュー15が設けられている。第四電チュー15は、第四電チューソレノイド67(図13参照)によって電気的に開閉される開閉部材151を備える。
第一非電動役物16の左斜め下方には、第三電チュー14が設けられている。第三電チュー14は、第三電チューソレノイド66(図13参照)によって電気的に開閉される開閉部材141を備える。開閉部材141が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球は第三電チュー14に入賞できる。
第三電チュー14の左斜め下方には、第三非電動役物18が設けられている。第三非電動役物18の右斜め上方には、第四非電動役物19が設けられている。第三非電動役物18及び第四非電動役物19は、第一非電動役物16及び第二非電動役物17と同様に、第二種非電動役物に係る入賞口として構成されている。第三非電動役物18の開閉部材181が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球は第三非電動役物18に入賞できる。第四非電動役物19の開閉部材191が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球は第四非電動役物19に入賞できる。なお、第三非電動役物18及び第四非電動役物19は、開閉部材181,191が閉鎖された閉鎖状態にも遊技球の入賞が可能であって、開閉部材181,191が開放されることで閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となる構成であってもよい。
第三電チュー14と、第三非電動役物18及び第四非電動役物19との上下方向における間の位置には、第二振分流路33が設けられている。第二振分流路33は、第三電チュー14に入賞した遊技球のみが通過できる流路であり、遊技盤2の前面に対して後面側に設けられている。
以下、第一電チュー12、第二電チュー13、第三電チュー14及び第四電チュー15を総称する場合、単に電チューという。また、第一非電動役物16、第二非電動役物17、第三非電動役物18及び第四非電動役物19を総称する場合、単に非電動役物という。電チューは、それぞれの開閉部材121,131,141,151が閉鎖された閉鎖状態にも遊技球の入賞が可能であって、開閉部材121,131,141,151が開放されることで閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となる構成であってもよい。
遊技領域4には、上記以外に、アウト口20、各種の電飾部材、入賞口、風車及び遊技くぎ等が設けられている。アウト口20は、遊技盤2の下部に設けられている。遊技領域4を流下する遊技球のうち、電チュー、非電動役物及びその他の入賞口のいずれにも入賞せず遊技領域4の下部まで流下した遊技球は、アウト口20を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
普通電動役物である電チュー等を含む電動役物の搭載個数には、射幸性の観点等から一定の制限が設けられている。パチンコ機1は、第一非電動役物16、第二非電動役物17、第三非電動役物18及び第四非電動役物19を、第二種非電動役物に係る入賞口として構成している。したがって、パチンコ機1は、電動役物の搭載個数の制限に関わらず、電チューに加えて非電動役物を設けることができる。このようにして、パチンコ機1は、種々の制約にとらわれることなく、多くの役物を搭載した斬新な遊技仕様を実現している。
なお、遊技領域4において、各遊技部材が上記のように配設されるため、左打ちされた遊技球は、右打ちされた遊技球よりも、第一図柄作動ゲート11を通過しやすい。また、右打ちされた遊技球は、左打ちされた遊技球よりも、第一電チュー12、第二電チュー13、第三電チュー14、第四電チュー15、第一非電動役物16、第二非電動役物17、第三非電動役物18及び第四非電動役物19へ入賞しやすい。左打ちされた遊技球が、第一電チュー12、第二電チュー13、第三電チュー14、第四電チュー15、第一非電動役物16、第二非電動役物17、第三非電動役物18及び第四非電動役物19へ入賞することは困難である。したがって、遊技者は、後述する大当たり遊技中は右打ちによって遊技を進め、それ以外の場合は左打ちによって遊技を進める。
遊技盤2の右下部には、図柄表示部24が設けられている。図柄表示部24は、第一普通図柄表示部、第二普通図柄表示部、第三普通図柄表示部、第四普通図柄表示部、第一普通図柄記憶数表示LED、第二普通図柄記憶数表示LED、第三普通図柄記憶数表示LED、及び第四普通図柄記憶数表示LEDを備える。第一〜第四普通図柄表示部は、それぞれ1〜複数個のLED又は7セグメントLEDからなり、第一〜第四普通当たり判定の結果を示す第一〜第四普通図柄を、LEDの点灯及び消灯によって表示する。第一〜第四普通図柄記憶数表示LEDは、第一〜第四普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(いわゆる「保留球数」)を表示する。以下では、第一〜第四普通図柄を総称する場合、単に普通図柄という。
図3を参照し、第一振分流路23及び第二振分流路33の詳細構成について説明する。図3(A)に示すように、第一振分流路23は、遊技球が流下可能な流路231を備える。図示しないが、流路231の上端は、第一電チュー12の内部と連通している。流路231は、その上下方向における略中央において、第一流路231Aと第二流路231Bとに分岐している。第一流路231Aは、第二流路231Bとの分岐点から左斜め下に延びた後、下方に延びる。第二流路231Bは、上下方向に延びる。第一流路231Aの下端には、第一通過領域232が設けられている。第二流路231Bの下端には、第二通過領域233が設けられている。第一通過領域232及び第二通過領域233は、それぞれ遊技球が通過可能に形成された領域である。
第一流路231Aと第二流路231Bとの分岐点には、第一振分シャッタ235が設けられている。第一振分シャッタ235は、第一流路231Aと第二流路231Bとの分岐点を中心に搖動可能に構成されている略平板状の部材であり、第一振分シャッタソレノイド69(図13参照)によって電気的に作動される。第一振分シャッタ235は、第一位置D1に配置されているときには、第二流路231Bへの遊技球の通過を規制するとともに、第一流路231Aへの遊技球の通過を許容し、遊技球を第一通過領域232に誘導する。第一振分シャッタ235は、第二位置D2に配置されているときには、第一流路231Aへの遊技球の通過を規制するとともに、第二流路231Bへの遊技球の通過を許容し、遊技球を第二通過領域233に誘導する。すなわち、第一振分シャッタ235は、第一電チュー12に入賞した遊技球が、第一通過領域232を通過するか、第二通過領域233を通過するかを振り分ける。
第一通過領域232の後方には、第一作動機構(図示略)が設けられている。第一作動機構は、例えばフックである。遊技球が第一通過領域232を通過すると、第一作動機構が作動して(例えば、フックが外れて)、第一非電動役物16の開閉部材161が開放される。すなわち、第一通過領域232は、第二種非電動役物に係る第一非電動役物16を作動させるための特定のゲートに相当する。第一通過領域232を通過した遊技球は、その後、第一振分流路23の外部へ排出される。
また、第一非電動役物16の開閉部材161には、第一閉鎖機構(図示略)が設けられている。第一閉鎖機構は、例えばギアである。第一非電動役物16に所定個数(本実施形態では、2個)の遊技球が入賞すると、第一閉鎖機構が作動して(例えば、ギアが回転して)、第一非電動役物16の開閉部材161が閉鎖される。このように、第一非電動役物16の開閉部材161は、電気的動力を用いることなく、機械的に開閉される。
第二通過領域233の後方には、第二作動機構(図示略)が設けられている。第二作動機構は、例えばフックである。遊技球が第二通過領域233を通過すると、第二作動機構が作動して(例えば、フックが外れて)、第二非電動役物17の開閉部材171が開放される。すなわち、第二通過領域233は、第二種非電動役物に係る第二非電動役物17を作動させるための特定のゲートに相当する。第二通過領域233を通過した遊技球は、その後、第一振分流路23の外部へ排出される。
また、第二非電動役物17の開閉部材171には、第二閉鎖機構(図示略)が設けられている。第二閉鎖機構は、例えばギアである。第二非電動役物17に所定個数(本実施形態では、2個)の遊技球が入賞すると、第二閉鎖機構が作動して(例えば、ギアが回転して)、第二非電動役物17の開閉部材171が閉鎖される。このように、第二非電動役物17の開閉部材171は、電気的動力を用いることなく、機械的に開閉される。
図3(B)に示すように、第二振分流路33は、第一振分流路23と略同一の構造を有する。第二振分流路33は、遊技球が流下可能な流路331を備える。流路331の上端は、第三電チュー14の内部と連通している。流路331は、その上下方向における略中央において、第三流路331Aと第四流路331Bとに分岐している。第三流路331Aは、第四流路331Bとの分岐点から左斜め下に延びた後、下方に延びる。第四流路331Bは、上下方向に延びる。第三流路331Aの下端には、第三通過領域332が設けられている。第四流路331Bの下端には、第四通過領域333が設けられている。第三通過領域332及び第四通過領域333は、それぞれ遊技球が通過可能に形成された領域である。
第三流路331Aと第四流路331Bとの分岐点には、第二振分シャッタ335が設けられている。第二振分シャッタ335は、第三流路331Aと第四流路331Bとの分岐点を中心に搖動可能に構成されている略平板状の部材であり、第二振分シャッタソレノイド70(図13参照)によって電気的に作動される。第二振分シャッタ335は、第三位置E1に配置されているときには、第四流路331Bへの遊技球の通過を規制するとともに、第三流路331Aへの遊技球の通過を許容し、遊技球を第三通過領域332に誘導する。第二振分シャッタ335は、第四位置E2に配置されているときには、第三流路331Aへの遊技球の通過を規制するとともに、第四流路331Bへの遊技球の通過を許容し、遊技球を第四通過領域333に誘導する。すなわち、第二振分シャッタ335は、第三電チュー14に入賞した遊技球が、第三通過領域332を通過するか、第四通過領域333を通過するかを振り分ける。
第三通過領域332の後方には、第三作動機構(図示略)が設けられている。第三作動機構は、例えばフックである。遊技球が第三通過領域332を通過すると、第三作動機構が作動して(例えば、フックが外れて)、第三非電動役物18の開閉部材181が開放される。すなわち、第三通過領域332は、第二種非電動役物に係る第三非電動役物18を作動させるための特定のゲートに相当する。第三通過領域332を通過した遊技球は、その後、第二振分流路33の外部へ排出される。
また、第三非電動役物18の開閉部材181には、第三閉鎖機構(図示略)が設けられている。第三閉鎖機構は、例えばギアである。第三非電動役物18に所定個数(本実施形態では、1個)の遊技球が入賞すると、第三閉鎖機構が作動して(例えば、ギアが回転して)、第三非電動役物18の開閉部材181が閉鎖される。このように、第三非電動役物18の開閉部材181は、電気的動力を用いることなく、機械的に開閉される。
第四通過領域333の後方には、第四作動機構(図示略)が設けられている。第四作動機構は、例えばフックである。遊技球が第四通過領域333を通過すると、第四作動機構が作動して(例えば、フックが外れて)、第四非電動役物19の開閉部材191が開放される。すなわち、第四通過領域333は、第二種非電動役物に係る第四非電動役物19を作動させるための特定のゲートに相当する。第四通過領域333を通過した遊技球は、その後、第二振分流路33の外部へ排出される。
また、第四非電動役物19の開閉部材191には、第四閉鎖機構(図示略)が設けられている。第四閉鎖機構は、例えばギアである。第四非電動役物19に所定個数(本実施形態では、2個)の遊技球が入賞すると、第四閉鎖機構が作動して(例えば、ギアが回転して)、第四非電動役物19の開閉部材191が閉鎖される。このように、第四非電動役物19の開閉部材191は、電気的動力を用いることなく、機械的に開閉される。
このように、第一作動機構、第二作動機構、第三作動機構又は第四作動機構の作動によって開放された非電動役物は、その非電動役物に所定個数の遊技球が入賞することを条件として第一閉鎖機構、第二閉鎖機構、第三閉鎖機構又は第四閉鎖機構が作動して閉鎖される。開放された非電動役物を閉鎖させるために必要な非電動役物への入賞球数を、以下では、「閉鎖入賞数」という。第一非電動役物16の閉鎖入賞数である第一閉鎖入賞数、第二非電動役物17の閉鎖入賞数である第二閉鎖入賞数、第四非電動役物19の閉鎖入賞数である第四閉鎖入賞数が「2」(2個)である。第三非電動役物18の閉鎖入賞数である第三閉鎖入賞数が「1」(1個)である。
図4を参照して、第一電チュー12、第一振分流路23、第一非電動役物16及び第二非電動役物17の連動について説明する。図4(A)に示すように、第一電チュー12の開閉部材121が開放されると、遊技球が第一電チュー12に入賞可能になる。図4(A)では、第一電チュー12に遊技球が1個入賞したとする。
図4(B)に示すように、第一振分シャッタ235が第一位置D1(図3参照)に配置されているとき、第一電チュー12に入賞した遊技球は第一流路231Aを流下した後、第一通過領域232を通過する。これにより、第一作動機構が作動して、第一非電動役物16の開閉部材161が開放状態になる。なお、第一電チュー12の開閉部材121は、所定の開放パターンに基づく開放動作を行った後に閉鎖状態になる。
次いで、図4(C)に示すように、第一非電動役物16の開閉部材161が開放されると、遊技球が第一非電動役物16に入賞可能になる。図4(C)では、開放された第一非電動役物16に第一閉鎖入賞数である2個の遊技球が入賞したとする。これにより、図4(D)に示すように、第一閉鎖機構が作動して、第一非電動役物16の開閉部材161が閉鎖状態になる。
一方、図4(E)に示すように、第一振分シャッタ235が第二位置D2(図3参照)に配置されているとき、第一電チュー12に入賞した遊技球は第二流路231Bを流下した後、第二通過領域233を通過する。これにより、第二作動機構が作動して、第二非電動役物17の開閉部材171が開放状態になる。なお、第一電チュー12の開閉部材121は、所定の開放パターンに基づく開放動作を行った後に閉鎖状態になる。
次いで、図4(F)に示すように、第二非電動役物17の開閉部材171が開放されると、遊技球が第二非電動役物17に入賞可能になる。図4(F)では、開放された第二非電動役物17に第二閉鎖入賞数である2個の遊技球が入賞したとする。これにより、図4(D)に示すように、第二閉鎖機構が作動して、第二非電動役物17の開閉部材171が閉鎖状態になる。
図5を参照して、第三電チュー14、第二振分流路33、第三非電動役物18及び第四非電動役物19の連動について説明する。図5(A)に示すように、第三電チュー14の開閉部材141が開放されると、遊技球が第三電チュー14に入賞可能になる。図5(A)では、第三電チュー14に遊技球が1個入賞したとする。
図5(B)に示すように、第二振分シャッタ335が第三位置E1(図3参照)に配置されているとき、第三電チュー14に入賞した遊技球は第三流路331Aを流下した後、第三通過領域332を通過する。これにより、第三作動機構が作動して、第三非電動役物18の開閉部材181が開放状態になる。なお、第三電チュー14の開閉部材141は、所定の開放パターンに基づく開放動作を行った後に閉鎖状態になる。
次いで、図5(C)に示すように、第三非電動役物18の開閉部材181が開放されると、遊技球が第三非電動役物18に入賞可能になる。図5(C)では、開放された第三非電動役物18に第三閉鎖入賞数である1個の遊技球が入賞したとする。これにより、図5(D)に示すように、第三閉鎖機構が作動して、第三非電動役物18の開閉部材181が閉鎖状態になる。
一方、図5(E)に示すように、第二振分シャッタ335が第四位置E2(図3参照)に配置されているとき、第三電チュー14に入賞した遊技球は第四流路431Bを流下した後、第四通過領域333を通過する。これにより、第四作動機構が作動して、第四非電動役物19の開閉部材191が開放状態になる。なお、第三電チュー14の開閉部材141は、所定の開放パターンに基づく開放動作を行った後に閉鎖状態になる。
次いで、図5(F)に示すように、第四非電動役物19の開閉部材191が開放されると、遊技球が第四非電動役物19に入賞可能になる。図5(F)では、開放された第四非電動役物19に第四閉鎖入賞数である2個の遊技球が入賞したとする。これにより、図5(D)に示すように、第四閉鎖機構が作動して、第四非電動役物19の開閉部材191が閉鎖状態になる。
図6を参照して、第一電チュー12の開閉部材121の開放パターン及び第一振分シャッタ235の動作パターンについて説明する。第一電チュー12の開閉部材121は、第一図柄作動ゲート11を遊技球が通過することを契機として、第一普通当たり判定によって第一普通当たりであると判定された場合、第一普通当たり種別に応じた開放パターンで、普通当たり遊技に係る開閉動作を行う。普通当たり遊技は、普通図柄によって普通当たり判定の結果が当たりであることが報知された場合に行われる。なお、1回の普通当たり遊技中に第一電チュー12に所定個数(本実施形態では、10個)の遊技球が入賞すると、各開放パターンによる開閉動作の途中であっても、開閉部材121の開閉動作が終了し、第一電チュー12が閉鎖する。この所定個数は、10個以外の任意の個数であってもよい。
普通当たり遊技に係る第一電チュー12の開閉動作は、第一パターンP1又は第二パターンP2のいずれかの開放パターンで行われる。第一パターンP1では、まず、時点T0から時間TAが経過するまでの間、第一電チュー12の開閉部材121が開放状態にされる。本実施形態において、時間TAは、0.250秒である。時点T0から時間TAが経過した時点T1になると、第一電チュー12の開閉部材121が閉鎖状態にされる。その後、開閉部材121の閉鎖状態が約4秒間継続し、時点T2になると、1回目の開閉部材121の開閉動作が終了する。したがって、第一パターンP1における開閉部材121の1回の開閉動作は、時点T0から時点T2までの時間TBに亘って行われる。本実施形態において、時間TBは、約4.3秒である。
1回目の開閉部材121の開閉動作が終了すると、時点T2から時点T4までの間に、2回目の開閉部材121の開閉動作が行われる。2回目以降の開閉部材121の開閉動作も、時間TAの開放状態と、約4秒間の閉鎖状態とによって構成される。普通当たり遊技に係る第一電チュー12の開閉動作は、第一電チュー12に10個以上の遊技球が入賞するか、予め定められた回数の開閉動作が終了するまで行われる。本実施形態では、1回の開閉部材121の開閉動作において、1個の遊技球が第一電チュー12に入賞することを想定している。したがって、第一パターンP1では、このような約4.3秒間の開閉部材121の開閉動作が最大10回行われる。開閉部材121の開閉動作が10回行われる場合、第一パターンP1での普通当たり遊技は、時点T0から時点T20までの間に亘って行われる。本実施形態において、時点T0から時点T20までの時間は約43.0秒間である。
一方、第二パターンP2では、第一パターンP1と同様の開閉部材121の開閉動作が最大5回行われる。第二パターンP2における第一電チュー12の開閉動作も、第一電チュー12に10個以上の遊技球が入賞するか、予め定められた回数の開閉動作が終了するまで行われる。また、第二パターンP2でも、1回の開閉部材121の開閉動作において、1個の遊技球が第一電チュー12に入賞することが想定されている。したがって、第二パターンP2では、約4.3秒間の開閉部材121の開閉動作が最大5回行われる。開閉部材121の開閉動作が5回行われる場合、第二パターンP2での普通当たり遊技は、時点T0から時点T10までの間に亘って行われる。本実施形態において、時点T0から時点T10までの時間は約21.5秒間である。
第一振分シャッタ235は、所定の第一振分シャッタ動作パターンR1で動作する。動作を開始する前の第一振分シャッタ235は、第二位置D2に配置される。第一振分シャッタ動作パターンR1による第一振分シャッタ235の動作は、第一電チュー12の普通当たり遊技の開始時点である時点T0に開始される。第一振分シャッタ動作パターンR1では、普通当たり遊技の開始時点である時点T0から時間TCが経過した時点T10までの間、第一振分シャッタ235が第二位置D2から移動して、第一位置D1に配置される。本実施形態において、時間TCは、21.5秒である。その後、第一振分シャッタ235は第二位置D2に配置される。したがって、第一パターンP1での普通当たり遊技では、前半の5回の開閉部材121の開閉動作の開始時点から終了時点までの間(時点T0から時点T10までの間)に第一振分シャッタ235は第一位置D1に配置される。また、後半の5回の開閉部材121の開閉動作の開始時点から終了時点までの間(時点T10から時点T20までの間)に第一振分シャッタ235は第二位置D2に配置される。また、第二パターンP2での普通当たり遊技では、最大5回の開閉部材121の開閉動作が行われる間(時点T0から時点T10までの間)に亘り、第一振分シャッタ235は第一位置D1に配置される。また、第二パターンP2での普通当たり遊技の終了と同時に第一振分シャッタ235は第二位置D2に戻る。
したがって、第一パターンP1では、前半の5回の開閉部材121の開閉動作において第一電チュー12に入賞し、第一振分流路23の流路231を流下する遊技球のほぼ全部が、第一流路231Aへ導かれて第一通過領域232を通過する。遊技球が第一通過領域232を通過すると、第一作動機構が作動して、第一非電動役物16の開閉部材161が開放される。したがって、第一パターンP1での普通当たり遊技の前半では、第一電チュー12に遊技球が入賞した場合、第一非電動役物16の開閉部材161が、第二非電動役物17の開閉部材171よりも開放状態にされやすい。
一方、第一パターンP1における後半の5回の開閉部材121の開閉動作において第一電チュー12に入賞し、第一振分流路23の流路231を流下する遊技球のほぼ全部が、第二流路231Bへ導かれて第二通過領域233を通過する。遊技球が第二通過領域233を通過すると、第二作動機構が作動して、第二非電動役物17の開閉部材171が開放される。したがって、第一パターンP1での普通当たり遊技の後半では、第一電チュー12に遊技球が入賞した場合、第二非電動役物17の開閉部材171が、第一非電動役物16の開閉部材161よりも開放状態にされやすい。
また、第二パターンP2における開閉部材121の開閉動作では、第一電チュー12に入賞し、第一振分流路23の流路231を流下する遊技球のほぼ全部が、第一流路231Aへ導かれて第一通過領域232を通過する。したがって、第二パターンP2での普通当たり遊技では、第一電チュー12に遊技球が入賞した場合、第一非電動役物16の開閉部材161が、第二非電動役物17の開閉部材171よりも開放状態にされやすい。
本実施形態では、1回の開閉部材121の開閉動作において、1個の遊技球が第一電チュー12に入賞することが想定されている。よって、第一普通当たり遊技が第一パターンP1で行われる場合、前半5回の開閉部材121の開放において約5個の遊技球が第一通過領域232を通過し、後半2回の開閉部材121の開放において約5個の遊技球が第二通過領域233を通過する。したがって、第一パターンP1での第一普通当たり遊技では、第一電チュー12に遊技球が入賞した場合、第一非電動役物16と第二非電動役物17の双方が約5回ずつ、第三普通当たり遊技中に開放する。すなわち、第一パターンP1で第一普通当たり遊技が行われた場合、第一普通当たり遊技中に、第一非電動役物16及び第二非電動役物17の双方に遊技球が入賞しうる。また、第一普通当たり遊技が第二パターンP2で行われる場合、5回の開閉部材121の開放において約5個の遊技球が第二通過領域233を通過する。したがって、第二パターンP2での第一普通当たり遊技では、第一電チュー12に遊技球が入賞した場合、第一非電動役物16が、最大で5回、第一普通当たり遊技中に開放する。
なお、いずれの第一電チュー12の開放パターンで第一普通当たり遊技が行われた場合も、第一電チュー12に遊技球が入賞せず、遊技球が第一振分流路23の第一通過領域232及び第二通過領域233のいずれも通過しないときには、第一普通当たり遊技中に第一非電動役物16及び第二非電動役物17のいずれも開放しない。
図7を参照して、第三電チュー14の開閉部材141の開放パターン及び第二振分シャッタ335の動作パターンについて説明する。第三電チュー14の開閉部材141は、遊技球が第二電チュー13へ入賞することを契機として、第三普通当たり判定によって第三普通当たりであると判断された場合、第三普通当たり種別に応じた開放パターンで、第三普通当たり遊技に係る開閉動作を行う。なお、1回の第三普通当たり遊技中に第三電チュー14に所定個数(本実施形態では、4個)の遊技球が入賞すると、各開放パターンによる開閉動作の途中であっても、開閉部材141の開閉動作が終了し、第三電チュー14が閉鎖する。この所定個数は、4個以外の任意の個数であってもよい。
第三普通当たり遊技に伴う第三電チュー14の開閉動作は、第三パターンP3又は第四パターンP4のいずれかの開放パターンで行われる。第三パターンP3では、まず、時点T0から時間TDが経過するまでの間、第三電チュー14が開放状態にされる。本実施形態において、時間TDは、時間TAと同じく0.250秒である。なお、時間TDと時間TAとが異なる時間であってもよい。時点T0から時間TDが経過した時点T1になると、第三電チュー14の開閉部材141が閉鎖状態にされる。その後、開閉部材141の閉鎖状態が約3.50秒間継続し、時点T2になると、1回目の開閉部材141の開閉動作が終了する。したがって、第三パターンP3における開閉部材141の1回目の開閉動作は、時点T0から時点T2までの時間TEに亘って行われる。本実施形態において、時間TEは、約3.75秒である。
第三パターンP3での1回目の開閉部材141の開閉動作が終了すると、時点T2から時点T4までの間に、2回目の開閉部材141の開閉動作が行われる。2回目の開閉部材141の開閉動作も、時間TDの開放状態と、約3.50秒間の閉鎖状態とによって構成される。普通当たり遊技に係る第三電チュー14の開閉動作は、第三電チュー14に4個以上の遊技球が入賞するか、予め定められた回数の開閉動作が終了するまで行われる。本実施形態では、1回の開閉部材141の開閉動作において、1個の遊技球が第三電チュー14に入賞することを想定している。第三パターンP3では、このような約3.75秒間の開閉部材141の開閉動作が最大2回行われる。開閉部材141の開閉動作が2回行われる場合、第三パターンP3での普通当たり遊技は、時点T0から時点T4までの間に亘って行われる。本実施形態において、時点T0から時点T4までの時間は約7.50秒間である。
第四パターンP4では、普通当たり遊技の開始時点である時点T0から時点T4までの間、所定の演出画像による演出等が行われ、開閉部材141が閉鎖されたままである。その後、時点T4から時間TDが経過するまでの間、第三電チュー14が開放状態にされる。時点T4から時間TDが経過した時点T5になると、第三電チュー14の開閉部材141が閉鎖状態にされる。その後、開閉部材141の閉鎖状態が約4.00秒間継続し、時点T6になると、1回目の開閉部材141の開閉動作が終了する。したがって、第四パターンP4における開閉部材141の1回目の開閉動作は、時点T4から時点T6までの時間TFに亘って行われる。本実施形態において、時間TFは、約4.25秒である。
第四パターンP4での1回目の開閉部材141の開閉動作が終了すると、時点T6から時点T8までの間に、2回目の開閉部材141の開閉動作が行われる。2回目以降の開閉部材141の開閉動作も、時間TDの開放状態と、約4.00秒間の閉鎖状態とによって構成される。第四パターンP4における第三電チュー14の開閉動作も、第三パターンP3と同様に、第三電チュー14に4個以上の遊技球が入賞するか、予め定められた回数の開閉動作が終了するまで行われる。第四パターンP4でも、1回の開閉部材141の開閉動作において、1個の遊技球が第三電チュー14に入賞することが想定されている。第四パターンP4では、このような約4.25秒間の開閉部材141の開閉動作が最大3回行われる。本実施形態において、1回目から3回目の開閉部材の開閉動作が行われる、時点T4から時点T10までの時間は約12.75秒間である。
第二振分シャッタ335は、所定の第二振分シャッタ動作パターンR2で動作する。動作を開始する前の第二振分シャッタ335は、第四位置E2に配置される。第二振分シャッタ動作パターンR2による第二振分シャッタ335の動作は、第三電チュー14の普通当たり遊技の開始時点である時点T0に開始される。第二振分シャッタ動作パターンR2では、普通当たり遊技の開始時点である時点T0から時間TGが経過するまでの間(時点T0から時点T4までの時間)、第二振分シャッタ335が第四位置E2から移動して、第三位置E1に配置される。本実施形態において、時間TGは、7.50秒である。その後、第二振分シャッタ335は第四位置E2に配置される。したがって、第三パターンP3の1回目及び2回目の開閉部材121の開閉動作が行われる間(時点T0から時点T4までの間)に第二振分シャッタ335は第三位置E1に配置される。
このため、第三パターンP3の1回目及び2回目の開閉部材141の開閉動作において第三電チュー14に入賞し、第二振分流路33の流路331を流下する遊技球のほぼ全部が、第三流路331Aへ導かれて第三通過領域3322を通過する。遊技球が第三通過領域332を通過すると、第三作動機構が作動して、第三非電動役物18の開閉部材181が開放される。したがって、第三パターンP3での第三普通当たり遊技において第三電チュー14に遊技球が入賞した場合、第三非電動役物18の開閉部材181が、第四非電動役物19の開閉部材191よりも開放状態にされやすい。本実施形態では、第三パターンP3で第三普通当たり遊技が行われ、第三電チュー14に遊技球が入賞した場合、実質的に、第三非電動役物18のみが開放され、第四非電動役物19は開放されない。すなわち、第三パターンP3で第三普通当たり遊技が行われた場合、実質的に第三非電動役物18にのみ遊技球が入賞しうる。
また、第四パターンP4での1回目から3回目の開閉部材141の開閉動作においては(時点T4から時点T10までの間)、第二振分シャッタ335が第四位置E2に配置される。このため、第四パターンP4の開閉部材141の開閉動作において第三電チュー14に入賞し、第二振分流路33の流路331を流下する遊技球のほぼ全部が、第四流路331Bへ導かれて第四通過領域333を通過する。遊技球が第四通過領域333を通過すると、第四作動機構が作動して、第四非電動役物19の開閉部材191が開放される。したがって、第四パターンP4での普通当たり遊技では、第三電チュー14に遊技球が入賞した場合、第四非電動役物19の開閉部材191が、第三非電動役物18の開閉部材181よりも開放状態にされやすい。本実施形態では、第四パターンP4で第三普通当たり遊技が行われ、第三電チュー14に遊技球が入賞した場合、実質的に、第四非電動役物19のみが開放され、第三非電動役物18は開放されない。すなわち、第四パターンP4で第三普通当たり遊技が行われた場合、実質的に第四非電動役物19にのみ遊技球が入賞しうる。
本実施形態では、1回の開閉部材141の開閉動作において、1個の遊技球が第三電チュー14に入賞することが想定されている。よって、第三普通当たり遊技が第三パターンP3で行われる場合、2回の開閉部材141の開放において約2個の遊技球が第三通過領域332を通過する。したがって、第三パターンP3での第三普通当たり遊技では、第三電チュー14に遊技球が入賞した場合、第三非電動役物18が、最大で2回、第三普通当たり遊技中に開放する。また、第三普通当たり遊技が第四パターンP4で行われる場合、3回の開閉部材141の開放において約3個の遊技球が第四通過領域333を通過する。したがって、第四パターンP4での第三普通当たり遊技では、第三電チュー14に遊技球が入賞した場合、第四非電動役物19が、最大で3回、第三普通当たり遊技中に開放する。以下では、第一電チュー12の開閉部材121の開放パターンである第一パターンP1及び第二パターンP2と、第三電チュー14の開閉部材141の開放パターンである第三パターンP3及び第四パターンP4を総称して、電チュー開放パターンという。
なお、いずれの第三電チュー14の開放パターンで第三普通当たり遊技が行われた場合も、第三電チュー14に遊技球が入賞せず、遊技球が第二振分流路33の第三通過領域332及び第四通過領域333のいずれも通過しないときには、第三普通当たり遊技中に第三非電動役物18及び第四非電動役物19のいずれも開放しない。
図8から図10を参照して、パチンコ機1における大当たり遊技の流れの一例について説明する。第一図柄作動ゲート11は、第一普通図柄の作動ゲートである。パチンコ機1の大当たり遊技は、第一普通当たり遊技が開始されることで開始される。図8から図10は、左打ち出遊技を開始して、遊技球が第一図柄作動ゲート11を通過することを契機として、第一普通当たり判定によって第一普通当たりであると判定された場合における各電チュー及び非電動役物の基本動作のタイムチャートを示す。
本実施形態では、第一図柄作動ゲート11を遊技球が通過すると、第一普通当たり判定が行われる。本実施形態では、第一普通当たり判定によって当たりと判定される確率(以下、「第一普通当たり確率」という。)は、約1/60である。なお、第一普通当たり確率は、約1/60に限られず、1/60よりも低い確率であっても、高い確率であってもよい。以下、第一普通当たり判定によって当たりと判定されることを、「第一普通当たり」ともいう。本実施形態において、第一図柄作動ゲート11を通過した遊技球に対して、第一普通当たり判定を保留して乱数を記憶しておくことのできる数(最大第一保留球数)は「4」である。第一普通当たり判定では、第一普通当たり又ははずれであるかが、第一当たり乱数に基づいて判定される。
第一普通当たり判定が行われると、図柄表示部24の第一普通図柄表示部に表示される第一普通図柄が変動を開始する。第一普通図柄の変動に同期して、表示画面28やスピーカ48によって、第一普通当たり判定の結果を報知するための報知演出が行われる。第一普通当たり判定によって第一普通当たりであると判定されると、第一電チュー12の開閉部材121が開放される第一普通当たり遊技が実行される。なお、第一電チュー12は、第一普通当たりであることを示す第一普通図柄が確定表示された後に開放される。開放された第一電チュー12に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の個数に応じて、所定数の賞球が払い出される。遊技者は、第一電チュー12に遊技球を入賞させるため、以降の遊技を右打ちによって進行する。一旦開放された第一電チュー12は、所定の開放時間(以下、「第一開放時間」という。)の経過、及び4個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖される。なお、第一普通当たり遊技中には、第一普通図柄は変動しない。
図8は、第一普通当たり遊技が第一パターンP1で実行される場合の例を示す。前半の5回の開閉部材121の開閉動作のそれぞれにおいて、開放した第一電チュー12に遊技球が約1個ずつ入賞する。第一電チュー12に入賞した遊技球は、第一振分流路23の流路231を流下し、第一流路231Aへ導かれて第一通過領域232を通過する。遊技球が第一通過領域232を通過することにより、第一非電動役物16の開閉部材161が開放する。開放した第一非電動役物16に第一閉鎖入賞数(2個)の遊技球が入賞すると、第一閉鎖機構の作動により、開閉部材161が閉鎖する。前述のように、第一パターンP1及び第二パターンP2における開閉部材121の1回の開閉動作は、時間TBに亘って行われる。時間TBは、第一電チュー12の開放後から、第一電チュー12に1個の遊技球が入賞し、第一非電動役物16が開放し、開放した第一非電動役物16に2個の遊技球が入賞することで第一非電動役物16が閉鎖するまでの時間を勘案して設けられている。
入賞口に1個の遊技球が入賞した場合に賞球払出装置49(図13参照)によって払い出される賞球数を、以下、単位賞球数という。本実施形態では、第一電チュー12、第一非電動役物16のそれぞれに遊技球が1個入賞すると、10個の賞球が払い出される。すなわち、第一電チュー12及び第一非電動役物16の単位賞球数は「10」である。したがって、時間TBに亘って行われる第一電チュー12の開放及び第一非電動役物16の開放に伴う遊技球の入賞によって、約45個(10×3=30)の賞球が払い出される。したがって、第一パターンP1の前半の5回の開閉部材121の開閉動作、及びこれに伴う第一非電動役物16の開閉部材171の開閉動作が行われることで、約150個(30×5=150)の賞球が払い出される。
第一パターンP1での第一普通当たり遊技の後半の5回の開閉部材121の開閉動作のそれぞれにおいても、開放した第一電チュー12に遊技球が1個ずつ入賞する。第一電チュー12へ入賞した遊技球は、第一振分流路23の流路231を流下し、第二流路231Bへ導かれて第二通過領域233を通過する。遊技球が第二通過領域233を通過することにより、第二非電動役物17の開閉部材171が開放する。開放した第二非電動役物17に第二閉鎖入賞数(2個)の遊技球が入賞すると、第二閉鎖機構の作動により、開閉部材171が閉鎖する。なお、時間TBは、第一電チュー12の開放後から、第一電チュー12に1個の遊技球が入賞し、第二非電動役物17が開放し、開放した第二非電動役物17に2個の遊技球が入賞することで第二非電動役物17が閉鎖するまでの時間も勘案されて設けられている。本実施形態では、第二非電動役物17の単位賞球数も、第一非電動役物16の単位賞球数と同じく「10」である。したがって、時間TBに亘って行われる第一電チュー12の開放及び第二非電動役物17の開放に伴う遊技球の入賞によって、約30個(10×3=30)の賞球が払い出される。したがって、第一パターンP1の後半の5回の開閉部材121の開閉動作が行われることで、約150個(30×5=150)の賞球が払い出される。したがって、第一普通当たり遊技が第一パターンP1で行われる場合、約300個(150×2=300)の賞球が払い出される。すなわち、第一パターンP1での第一普通当たり遊技で払い出される賞球の合計数の期待値(以下、合計期待賞球数という。)は「300」である。
なお、図示しないが、第一普通当たり遊技が前述の第二パターンP2で行われる場合は、第一パターンP1の前半部と同様の第一電チュー12の開放及び第一非電動役物16の開放が行われた後、第一普通当たり遊技が終了する。このため、第一普通当たり遊技が第二パターンP2で行われる場合、第一普通当たり遊技が第一パターンP1で行われる場合の賞球の約半分である約150個の賞球が払い出される。すなわち、第二パターンP2での第一普通当たり遊技の合計期待賞球数は「150」である。
第一パターンP1及び第二パターンP2での第一普通当たり遊技に伴い開放される第一非電動役物16は、第二普通図柄の作動口である。第二パターンP2での第一普通当たり遊技に伴い開放される第二非電動役物17は、第四普通図柄の作動口である。本実施形態において、普通図柄は、普通電動役物が作動している間(すなわち、普通当たり遊技の実行中)に作動しない。したがって、第一普通当たり遊技の実行中に第一非電動役物16及び第二非電動役物17に遊技球が入賞した場合、第二普通図柄及び第四普通図柄は変動を開始しない。この場合、第二普通当たり判定及び第四普通当たり判定は保留され、入賞に対応する第二保留球及び第四保留球が記憶される。
図9は、第一普通当たり遊技が終了した後の、第二電チュー13及び第三電チュー14の連動の例を示す。第一普通当たり遊技が終了すると、第一普通当たり遊技中に記憶された第二保留球のうち1個目に記憶された第二保留球に基づいて第二普通当たり判定が行われ、第二普通図柄が変動を開始する。本実施形態では、第二普通当たり判定によって当たりと判定される確率(以下、「第二普通当たり確率」という。)は100%である。以下、第二普通当たり判定によって当たりと判定されることを「第二普通当たり」ともいう。なお、第二普通当たり確率は、100%でなくてもよく、100%未満であってもよい。
また、第一普通当たり遊技中に記憶された第四保留球のうち1個目に記憶された第四保留球に基づいて第四普通当たり判定が行われ、第四普通図柄が変動を開始する。本実施形態では、第二普通当たり判定によって当たりと判定される確率(以下、「第四普通当たり確率」という。)は70%である。以下、第二普通当たり判定によって当たりと判定されることを「第二普通当たり」ともいう。なお、第二普通当たり確率及び第四普通当たり確率は、70%でなくてもよく、70%よりも高くても低くてもよい。例えば、第四普通当たり確率が100%に設定されていてもよい。
第二普通図柄が、第二普通当たり判定の結果が第二普通当たりであることを示す図柄で確定表示されて変動を終了すると、第二電チュー13の開閉部材131が開放される第二普通当たり遊技が実行される。なお、第二電チュー13は、第二普通当たりを示す第二普通図柄が確定表示された後に開放される。開放された第二電チュー13に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の個数に応じて、所定数の賞球が払い出される。一旦開放された第二電チュー13は、所定の開放時間(以下、「第二開放時間」という。)の経過、及び4個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖される。図8において、開放された第二電チュー13に4個の遊技球が入賞したとする。なお、第二普通図柄の変動時間は、第四普通当たり判定の結果が第四普通当たりである場合の第四普通図柄の変動時間よりも短い時間に設定されている。したがって、第二普通図柄と第四普通図柄とが同時に変動を開始した場合、第四普通当たり判定の結果が第四普通当たりであっても、第二普通図柄が第四普通図柄よりも先に変動を終了する。このため、第一普通当たり遊技の終了後に、第二普通当たり遊技が第四普通当たり遊技よりも優先して行われる。
第二電チュー13は、賞球を獲得するための入賞口であるとともに、第三普通図柄の作動口でもある。したがって、第二電チュー13へ遊技球が入賞すると、第三普通当たり判定が行われる。本実施形態では、第三普通当たり判定によって当たりと判定される確率(以下、「第三普通当たり確率」という。)は100%である。以下、第三普通当たり判定によって当たりと判定されることを「第三普通当たり」ともいう。なお、第三普通当たり確率は、100%でなくてもよく、100%未満であってもよい。本実施形態において、第二電チュー13に入賞した遊技球に対して、第三普通当たり判定を保留して乱数を記憶しておくことのできる数(最大第三保留球数)は「4」である。したがって、第二普通当たり遊技が1回行われることに応じて第三普通当たり判定は最大で4回行われ、第三普通当たり遊技も最大で4回行われる。なお、第三普通当たり遊技中には、第三普通図柄は変動しない。第三普通当たり判定では、第三普通当たり及びはずれのいずれであるかが、第三当たり乱数に基づいて判定される。第二電チュー13に4個の遊技球が入賞することによって記憶された4個の第三保留球のうち、1個目の第三保留球に対して、1回目の第三普通当たり判定が行われる。
第三普通当たり判定が行われると、第三普通図柄が変動を開始する。第三普通当たり判定によって第三普通当たりと判定されると、第三電チュー14の開閉部材141が開放される第三普通当たり遊技が実行される。以下、第三保留球数が「0」になるまで、第三普通図柄の変動と第三普通当たり遊技とが、最大4回繰り返して実行される。以下、第二電チュー13へ入賞した4個の遊技球のそれぞれに対して実行される最大4回の第三普通当たり遊技を合わせて、以下では、「一連の第三普通当たり遊技」という。一連の第三普通当たり遊技に含まれる第三普通当たり遊技のそれぞれにおいて、前述の第三パターンP3、又は第四パターンP4で第三電チュー14の開閉部材141が開放される。第三電チュー14は、第三普通当たりを示す第三普通図柄が確定表示された後に開放される。
第二電チュー13に4個の遊技球が入賞することによって記憶された4個の第三保留球のうち、1個目の第三保留球に対して(1回目の第三普通当たり判定で)、第三パターンP3の開放パターンが決定されたとする。この場合、一連の第三普通当たり遊技のうち1回目の第三普通当たり遊技が第三パターンP3で行われる。まず、第三電チュー14が時間TDで1回開放する。開放した第三電チュー14に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球は、第二振分流路33の流路331を流下し、第三流路331Aへ導かれて第三通過領域332を通過する。遊技球が第三通過領域332を通過することにより、第三作動機構が作動して、第三非電動役物18の開閉部材181が開放する。開放した第三非電動役物18に第三閉鎖入賞数である1個の遊技球が入賞すると、第三閉鎖機構の作動により、開閉部材181が閉鎖する。
前述のように、第三パターンP3における第三電チュー14の開閉部材141の1回の開閉動作は、時間TDに亘って行われる。時間TDは、第三電チュー14の開放後から、第三電チュー14に1個の遊技球が入賞し、第三非電動役物18が開放し、開放した第三非電動役物18に第三閉鎖入賞数である1個の遊技球が入賞することで第三非電動役物18が閉鎖するまでの時間を勘案して設けられている。本実施形態では、第三電チュー14及び第三非電動役物18の単位賞球数は「10」である。したがって、時間TDに亘って行われる第三電チュー14の開放及び第三非電動役物18の開放に伴う遊技球の入賞によって、約20個(10×2=20)の賞球が払い出される。第三パターンP3では、1回目の開閉部材141の開閉動作が終了すると、2回目の第三電チュー14の開閉動作が行われる。2回目に開放された第三電チュー14にも1個の遊技球が入賞可能であり、第三電チュー14に入賞した遊技球は、第二振分流路33の第三流路331Aへ導かれて第三通過領域332を通過し、第三非電動役物18が開放される。開放した第三非電動役物18には1個の遊技球が入賞可能である。したがって、第三パターンP3で第三普通当たり遊技が行われることで、約40個(20×2=40)の賞球が払い出される。すなわち、第三パターンP3での第三普通当たり遊技の合計期待賞球数は「40」である。
4個の第三保留球のうち、1個目の第三保留球(1回目の第三普通当たり判定)に対応する第三普通当たり遊技が終了すると、2個目の第三保留球に対して2回目の第三普通当たり判定が行われる。この第三普通当たり判定によって当たりと判定されると、2回目の第三普通当たり遊技が行われる。2回目の第三普通当たり遊技として、第四パターンP4の開放パターンが決定されたとする。この場合、変動を開始した第三普通図柄が第三普通当たりを示して確定表示した後、一連の第三普通当たり遊技のうち2回目の第三普通当たり遊技が第四パターンP4で行われる。第三普通図柄の確定表示後から時間TDが経過すると、まず、第三電チュー14が時間TDで1回開放する。開放した第三電チュー14に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球は、第二振分流路33の流路331を流下し、第四流路331Bへ導かれて第四通過領域333を通過する。遊技球が第四通過領域333を通過することにより、第四作動機構が作動して、第四非電動役物19の開閉部材191が開放する。開放した第四非電動役物19に第四閉鎖入賞数である2個の遊技球が入賞すると、第四閉鎖機構の作動により、開閉部材191が閉鎖する。
前述のように、第四パターンP4における第三電チュー14の開閉部材141の1回の開閉動作は、時間TFに亘って行われる。時間TFは、第三電チュー14の開放後から、第三電チュー14に1個の遊技球が入賞し、第四非電動役物19が開放し、開放した第四非電動役物19に第四閉鎖入賞数である2個の遊技球が入賞することで第四非電動役物19が閉鎖するまでの時間を勘案して設けられている。本実施形態では、第四非電動役物19の単位賞球数は「15」であり、第三非電動役物18の単位賞球数「10」よりも多く設定されている。また、第四閉鎖入賞数は、第三閉鎖入賞数よりも多く設定されている。したがって、時間TFに亘って行われる第三電チュー14の開放及び第四非電動役物19の開放に伴う遊技球の入賞によって、約40個(10+15×2=40)の賞球が払い出される。第二パターンP2では、1回目の開閉部材141の開閉動作が終了すると、2回目の第三電チュー14の開閉動作が行われる。また、2回目の開閉部材141の開閉動作が終了すると、3回目の第三電チュー14の開閉動作が行われる。2回目及び3回目に開放された第三電チュー14にも1個の遊技球が入賞可能であり、第三電チュー14に入賞した遊技球は、第二振分流路33のうち第四流路331Bへ導かれて第四通過領域333を通過し、第四非電動役物19が開放される。開放した第四非電動役物19には2個の遊技球が入賞可能である。したがって、第四パターンP4で第三普通当たり遊技が行われることで、約120個(40×3=120)の賞球が払い出される。すなわち、第四パターンP4での第三普通当たり遊技の合計期待賞球数は「120」である。
4個の第三保留球のうち、2個目の第三保留球(2回目の第三普通当たり判定)に対応する第三普通当たり遊技が終了すると、3個目の第三保留球に対して3回目の第三普通当たり判定が行われる。この第三普通当たり判定によって当たりと判定されると、3回目の第三普通当たり遊技が行われる。3回目の第三普通当たり遊技として、1回目の第三普通当たり遊技と同様に、第三パターンP3の開放パターンが決定されたとする。この場合、変動を開始した第三普通図柄が第三普通当たりを示して確定表示した後、一連の第三普通当たり遊技のうち3回目の第三普通当たり遊技が第三パターンP3で行われる。この場合、第三電チュー14の開放及び第三電チュー14への入賞に伴う第三非電動役物18の開放が2回行われ、約40個の賞球が払い出される。なお、4個目の第三保留球に対して行われる4回目の第三普通当たり判定の結果に応じて行われる4回目の第三普通当たり遊技も、1回目及び3回目の第三普通当たり遊技と同様に、第三パターンP3の開放パターンが決定されたとする。
最大4回の第三普通当たり遊技からなる一連の第三普通当たり遊技の1回目が終了すると、第一電チュー12への2個目の入賞に対して行われる2回目の第二普通当たり判定の結果が、第二普通図柄が確定表示されることで報知される。第二普通当たり判定によって第二普通当たりと判定されていれば、第二電チュー13が開放される第二普通当たり遊技が行われる。開放された第二電チュー13に最大4個の遊技球が入賞することで、2回目の一連の第三普通当たり遊技が行われる。さらに、3回目の第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技、4回目の第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技が行われ、遊技者は多数の賞球を獲得できる。このように、第一普通当たり遊技、第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技が連続的に行われる遊技を、大当たり遊技という。すなわち、1回の大当たり遊技は、1回の第一普通当たり遊技と、1回の第一普通当たり遊技に対応して最大4回実行される第二普通当たり遊技と、最大4回実行される第二普通当たり遊技のそれぞれに対応して実行される一連の第三普通当たり遊技とを少なくとも含む。
パチンコ機1では、第三非電動役物18の単位賞球数(10個)よりも、第四非電動役物19の単位賞球数(15個)の方が大きい。また、第一閉鎖入賞数(1個)よりも第二閉鎖入賞数(2個)の方が大きい。したがって、第三普通当たり遊技が行われる場合、第三非電動役物18に遊技球が入賞するよりも、第四非電動役物19に遊技球が入賞した方が、賞球払出装置49によって払い出される賞球数が多くなる。すなわち、第三普通当たり遊技において、第三非電動役物18に遊技球が入賞するよりも、第四非電動役物19に遊技球が入賞した方が、遊技者に付与される利益(以下、遊技利益という。)が大きくなる。したがって、パチンコ機1は、大当たり遊技中の遊技者に、第三普通当たり遊技において第三非電動役物18及び第四非電動役物19のいずれが開放されるかに注目させることができ、大当たり遊技の興趣を向上できる。
なお、第四普通当たり判定の結果が第四普通当たりである場合の第四普通図柄の変動時間は、1回の第一普通当たり遊技に対応して最大4回実行される第二普通当たり遊技と、最大4回実行される第二普通当たり遊技のそれぞれに対応して実行される一連の第三普通当たり遊技とにかかる時間よりも長くなるように設定されている。このため、図9に示すように、第一普通当たり遊技の終了後に変動を開始した第四普通当たり判定の結果が第四普通当たりである場合の第四普通図柄は、最大4回実行される第二普通当たり遊技と、最大4回実行される第二普通当たり遊技のそれぞれに対応して実行される一連の第三普通当たり遊技とが終了した後に、変動を終了する。
図10は、1回の第一普通当たり遊技に対応して4回の第二普通当たり遊技と、4回の第二普通当たり遊技のそれぞれに対応して合計4回の一連の第三普通当たり遊技が行われた後の、大当たり遊技の流れを示す。第四普通図柄が、第四普通当たり判定の結果が第四普通当たりであることを示す図柄で確定表示されて変動を終了すると、第四電チュー15の開閉部材151が開放される第四普通当たり遊技が実行される。開放された第四電チュー15に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の個数に応じて、所定数の賞球が払い出される。一旦開放された第四電チュー15は、所定の開放時間(以下、「第四開放時間」という。)の経過、及び4個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖される。
図10において、開放された第四電チュー15に4個の遊技球が入賞したとする。本実施形態では、第一非電動役物16に加えて、第四電チュー15も第二普通図柄の作動口である。このため、第四電チュー15へ遊技球が入賞すると、第二普通当たり判定が行われる。第二普通当たり判定によって当たりと判定されると、第二電チュー13が開放される第二普通当たり遊技が実行される。第二普通当たり遊技において第二電チュー13に遊技球が入賞すると、第三普通当たり判定が行われる。第三普通当たり判定によって第三普通当たりと判定されると、第三電チュー14が開放される第三普通当たり遊技が実行される。第三普通当たり遊技は、一連の第三普通当たり遊技として行われる。このため、第四普通当たりによって第四普通当たりであると1回判定される毎に、第二普通当たり遊技と一連の第三普通当たり遊技とが最大4回繰り返して行われる。また、ここでの第三普通当たり遊技も、図9に示した場合と同様に、前述の第三パターンP3又は第四パターンP4で、第三電チュー14の開閉部材141が開放される。なお、最大4回実行される第二普通当たり遊技と、最大4回実行される第二普通当たり遊技のそれぞれに対応して実行される一連の第三普通当たり遊技とが終了するまでの間に、第四普通当たり判定によって第四普通当たりであると判定されることがある。この場合、第四普通図柄の変動終了後に、再び第四普通当たり遊技が行われる。この第四普通当たり遊技において開放された第四電チュー15に遊技球が入賞した場合、第四普通当たり遊技の終了後に、最大4回の第二普通当たり遊技と、最大4回実行される第二普通当たり遊技のそれぞれに対応して実行される一連の第三普通当たり遊技とが再び行われる。このような、第四普通当たり遊技、第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技が連続的に行われる遊技も、大当たり遊技に含まれる。その後、第四保留球数が「0」となり、第四普通当たり遊技を契機とした全ての第二普通当たり遊技及び第三普通当たり遊技が終了することで、大当たり遊技が終了する。
なお、第一普通当たり遊技が第二パターンP2で行われること等により、第一普通当たり遊技中に遊技球が第二非電動役物17へ入賞していない場合には、第一普通当たり遊技の終了時点において第四保留球が記憶されていない。この場合には、第一普通当たり遊技の終了後に第四普通当たり判定が行われず、第四普通図柄が変動しない。よって、図10に示す、第四電チュー15が開放される第四普通当たり遊技が実行されない。このため、第一普通当たり遊技が第一パターンP1で行われた場合は、第一普通当たり遊技が第二パターンP2で行われた場合よりも、大当たり遊技における電チュー及び非電動役物の連動回数が多くなりやすい。すなわち、第一普通当たり遊技が第一パターンP1で行われた場合の大当たり遊技における賞球の合計数は、第一普通当たり遊技が第二パターンP2で行われた場合の大当たり遊技における賞球の合計数よりも多くなりやすい。したがって、パチンコ機1は、大当たり遊技中の遊技者に、第一普通当たり遊技において第一非電動役物16及び第二非電動役物17のいずれが開放されるかに注目させることができ、大当たり遊技の興趣を向上できる。
図11及び図12を参照して、パチンコ機1の大当たり遊技のパターンについて詳細に説明する。前述したように、パチンコ機1の大当たり遊技は、第一普通当たり遊技が開始されることで開始される。大当たり遊技中は、右打ちで遊技が進行する。また、第一普通当たり遊技の内容によって、大当たり遊技の後半の流れが変動する。大当たり遊技の後半で行われる第三普通当たり遊技の内容によっても、大当たり遊技における電チュー及び非電動役物の開放態様が変動する。
図11に示すように、第一普通当たり判定によって第一普通当たりであると判定された場合、第一普通当たり遊技における電チュー開放パターンとして第一パターンP1又は第二パターンP2のいずれかが決定される。本実施形態では、第一パターンP1が決定される割合は33%であり、第二パターンP2が決定される割合は67%である。第一パターンP1及び第二パターンP2のいずれが決定された場合にも、まず、第一電チュー12が時間TAの開放を行い、遊技球が第一電チュー12に約1個入賞する。これに伴い第一非電動役物16が開放し、開放した第一非電動役物16に遊技球が2個入賞すると第一非電動役物16が閉鎖する。これらの第一電チュー12と第一非電動役物16との連動に係る遊技を、以下、第一ブロックB1という。第一普通当たり遊技が開始されると、まず、第一ブロックB1が5回繰り返して行われる。5回の第一ブロックB1による第一電チュー12及び第一非電動役物16の開放による遊技を、第一普通当たり遊技の「前半」ともいう。
第一普通当たり遊技の電チュー開放パターンとして第一パターンP1が決定された場合には、第一普通当たり遊技の前半の終了後、第一普通当たり遊技の後半に遊技が発展する。第一普通当たり遊技の後半では、第一電チュー12が時間TAの開放を行い、遊技球が第一電チュー12に約1個入賞する。これに伴い第二非電動役物17が開放し、開放した第二非電動役物17に遊技球が2個入賞すると第二非電動役物17が閉鎖する。これらの第一電チュー12と第二非電動役物17との連動に係る遊技を、以下、第二ブロックB2という。第一普通当たり遊技の後半では、第二ブロックB2が5回繰り返して行われる。第一普通当たり遊技の後半が終了すると、その後に、第二普通当たり遊技、第三普通当たり遊技、第四普通当たり遊技が行われ得る。第一普通当たり遊技の電チュー開放パターンとして第一パターンP1が決定されることに応じて、第一普通当たり遊技中に前半及び後半の双方の遊技が行われる大当たり遊技のパターンを、以下では「発展パターン」ともいう。
一方、第一普通当たり遊技の電チュー開放パターンとして第二パターンP2が決定された場合には、第一普通当たり遊技の前半の終了後、遊技が後半に発展することなく、第一普通当たり遊技が終了する。電チュー開放パターンとして第二パターンP2が決定されることに応じて、第一普通当たり遊技が前半の遊技のみとなり、後半の遊技が行われない大当たり遊技のパターンを、以下では「非発展パターン」ともいう。前述のように発展パターンによる第一普通当たり遊技の合計期待賞球数は、非発展パターンによる第一普通当たり遊技の合計期待賞球数の約2倍である。
図12に示すように、第一普通当たり遊技の終了後、発展パターン及び非発展パターンのいずれの場合にも、まず、第二普通当たり遊技が行われる。第一普通当たり遊技の終了直後は、第一普通当たり遊技の前半の遊技において第一非電動役物16へ遊技球が入賞したことにより、第二保留球数が最大で「4」個となっている。このため、第一普通当たり遊技の終了後に第二保留球に基づいて第二普通当たり判定が順次行われることに応じて、第二普通当たり遊技と一連の第三普通当たり遊技とが、最大4回繰り返して行われる。第二普通当たり遊技と一連の第三普通当たり遊技に係る第二電チュー13と第三電チュー14との連動に係る遊技を、以下、第三ブロックB3という。
第三ブロックB3において行われる第三普通当たり遊技の電チュー開放パターンとして、第三パターンP3又は第四パターンP4のいずれかが決定される。本実施形態では、第三パターンP3が決定される割合は70%であり、第四パターンP4が決定される割合は30%である。第一普通当たり遊技が終了した後の大当たり遊技において、第三電チュー14、第三非電動役物18及び第四非電動役物19の開放態様が複数通り存在する。
次いで、発展パターンの場合、第一普通当たり遊技の終了直後には、第一普通当たり遊技の後半の遊技において第二非電動役物17へ遊技球が入賞したことにより、第四保留球数が最大で「4」個となっている。このため、第一普通当たり遊技の終了後に第四保留球に基づいて第四普通当たり判定が行われ、第四普通当たりの判定結果が得られたときには、第一普通当たり遊技の終了後に第三ブロックB3が最大4回繰り返して行われた後に、第四普通当たり遊技が行われる。第四電チュー15が開放されることで第四普通当たり遊技が行われると、開放された第四電チュー15に遊技球が入賞しうる。前述のように、第四電チュー15は第二普通図柄の作動口である。第四普通当たり遊技中に第四電チュー15へ遊技球が入賞することに伴い、第二保留球数が最大で「4」個になる。このため、1回の第四普通当たり遊技の終了後に、第二保留球に基づいて第二普通当たり判定が順次行われることに応じて、第二普通当たり遊技と一連の第三普通当たり遊技(第三ブロックB3の遊技)が、最大4回繰り返して行われる。
前述のように、第四普通当たり判定における第四普通当たり確率は70%である。このため、第一普通当たり遊技において第四保留球数が最大第四保留球数の「4」に到達している場合には、これらの第四保留球に基づいて第四普通当たり判定によって、最大4回、第四普通当たりであると判定される。第四普通当たり判定によって第四普通当たりであると判定された回数に応じて、1回の第四普通当たり遊技及び第三ブロックB3の遊技がセットとなったセット遊技が行われる。セット遊技が繰り返して行われる回数が多くなるほど、大当たり遊技において払い出される賞球数が増加する。したがって、遊技者は、セット遊技が何回継続して行われるかに注目しながら大当たり遊技を進行できる。全てのセット遊技が終了することで、発展パターンによる大当たり遊技が終了する。
一方、非発展パターンの場合には、第一普通当たり遊技において後半の遊技が行われないので、第一普通当たり遊技中に第二非電動役物17に遊技球が入賞せず、第四保留球数が「0」個となっている。このため、第一普通当たり遊技の終了後に第四普通当たり判定が行われない。よって、第一普通当たり遊技の終了後、第三ブロックB3が最大4回繰り返して行われた後に、第四普通当たり遊技が行われず、セット遊技が行われない。したがって、非発展パターンによる大当たり遊技は、第一普通当たり遊技の終了後に、第三ブロックB3が最大4回繰り返して行われることで終了する。大当たり遊技終了後は、左打ちで遊技が進行する。
このように、発展パターンと非発展パターンとの二つのパターンに応じて、大当たり遊技が大きく分岐する。よって、パチンコ機1は、第一普通当たり遊技中には、前半から後半に遊技が発展することを期待させながら、遊技者に大当たり遊技を進行させることができる。また、第一普通当たり遊技において前半から後半に遊技が発展した場合には、第一普通当たり遊技の後にセット遊技が何回継続して行われるかについて遊技者に期待させることができる。一方、第一普通当たり遊技が、前半から後半に発展しなかった場合にも、第一普通当たり遊技の終了後に第三ブロックB3が最大4回繰り返して行われることに伴う賞球が遊技者に払い出される。第三ブロックB3における第三普通当たり遊技は、第三パターンP3又は第四パターンP4で行われるので、一連の第三普通当たり遊技が単調になりにくい。したがって、パチンコ機1は、非発展パターンの大当たり遊技を遊技する遊技者にも、変化のある大当たり遊技を提供できる。
図13を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、中継基板47及び電源基板42を主に備える。
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。主基板CPUユニット50には、割込信号発生回路57が接続されている。主基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎にプログラムを実行する。主基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、出力ポート55、第一図柄作動ゲートスイッチ61に接続している。出力ポート55は、遊技場管理用コンピュータ(図示略)にパチンコ機1の情報を出力する。第一図柄作動ゲートスイッチ61は、第一図柄作動ゲート11に設けられており、第一図柄作動ゲート11を通過した遊技球を検出する。
サブ制御基板58は、CPU581、RAM582及びROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、操作ボタン9及びスピーカ48に接続している。サブ制御基板58は、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。ランプドライバ基板46は、電飾基板31に接続している。電飾基板31は、例えばLEDを搭載しており、前述の各種の電飾部材の内部に設けられている。ランプドライバ基板46は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って、電飾基板31の発光動作等を制御する。演出制御基板43は、CPU431等を備え、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を賞球として賞球払出装置49に払い出させる。
中継基板47は、第一電チューソレノイド64、第二電チューソレノイド65、第三電チューソレノイド66、第四電チューソレノイド67、第一振分シャッタソレノイド69、第二振分シャッタソレノイド70、第一電チュースイッチ71、第二電チュースイッチ72、第三電チュースイッチ73、第四電チュースイッチ74、第一非電動役物スイッチ76、第二非電動役物スイッチ77、第三非電動役物スイッチ78、第四非電動役物スイッチ79及び図柄表示部24に接続している。
第一電チューソレノイド64は、第一普通当たり遊技中に第一電チュー12の開閉部材121を開閉する。第二電チューソレノイド65は、第二普通当たり遊技中に第二電チュー13の開閉部材131を開閉する。第三電チューソレノイド66は、第三普通当たり遊技中に第三電チュー14の開閉部材141を開閉する。第四電チューソレノイド67は、第四普通当たり遊技中に第四電チュー15の開閉部材151を開閉する。第一振分シャッタソレノイド69は、第一振分流路23の第一振分シャッタ235を動作させる。第二振分シャッタソレノイド70は、第二振分流路33の第二振分シャッタ335を動作させる。第一電チュースイッチ71は、第一電チュー12に設けられており、第一電チュー12に入賞した遊技球を検出する。第二電チュースイッチ72は、第二電チュー13に設けられており、第二電チュー13に入賞した遊技球を検出する。第三電チュースイッチ73は、第三電チュー14に設けられており、第三電チュー14に入賞した遊技球を検出する。第四電チュースイッチ74は、第四電チュー15に設けられており、第四電チュー15に入賞した遊技球を検出する。第一非電動役物スイッチ76は、第一非電動役物16に設けられており、第一非電動役物16に入賞した遊技球を検出する。第二非電動役物スイッチ77は、第二非電動役物17に設けられており、第二非電動役物17に入賞した遊技球を検出する。第三非電動役物スイッチ78は、第三非電動役物18に設けられており、第三非電動役物18に入賞した遊技球を検出する。第四非電動役物スイッチ79は、第四非電動役物19に設けられており、第四非電動役物19に入賞した遊技球を検出する。
電源基板42は、主基板41及び遊技球発射装置37に接続されており、各基板及び遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(本実施形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
図14を参照して、RAM52の第一普通当たり関係情報記憶エリアについて説明する。第一普通当たり関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理の第一普通図柄処理(図19参照)において使用される。第一普通当たり関係情報記憶エリアには、複数の記憶エリアが設けられている。本実施形態では、第一普通当たり関係情報記憶エリアに、最大第一保留球数に対応する4つの記憶エリアが設けられている。遊技球が第一図柄作動ゲート11を通過した際に、保留球数のうち第一図柄作動ゲート11への遊技球の通過による第一保留球数が4未満(0〜3)であれば、番号の小さい記憶エリアから順に乱数が記憶される。
第一保留球数とは、第一図柄作動ゲート11を通過した遊技球に対応する乱数のうち、第一普通当たり判定の実行が保留された状態で記憶されている乱数の個数である。CPU51は、処理が未だ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号が小さい記憶エリアを判定エリアとし、判定エリアに記憶されている乱数について第一普通当たり判定等の各種処理を行う。判定エリアに記憶されている乱数に関する処理が終了すると、次に番号が小さい記憶エリアが判定エリアとされて、第一普通当たり判定等の処理が繰り返される。判定エリアに記憶されている乱数に関する処理とは、例えば、第一普通当たり判定の判定結果を報知する報知演出、及び、判定結果が第一普通当たりの場合に実行される第一普通当たり遊技に関する処理である。なお、処理が終了した記憶エリアの乱数は、適宜消去される。第一当たり乱数とともに取得されて第一普通当たり関係情報記憶エリアに記憶されている各種乱数を総称して、第一乱数ともいう。
各記憶エリアには、第一普通当たり判定カウンタの値が記憶される第一当たり乱数欄、第一普通図柄決定カウンタの当たりが記憶される第一図柄決定乱数欄、及び第一変動パターン決定カウンタの値が記憶される第一変動パターン決定乱数欄が設けられている。遊技球が第一図柄作動ゲート11を通過すると、その時点で計数されているそれぞれの乱数取得カウンタの値が各欄に記憶される。第一当たり乱数は、第一普通当たり判定のために用いられる。第一図柄決定乱数は第一普通図柄を決定するために用いられる。第一変動パターン決定乱数は、図柄表示部24の第一普通図柄表示部に表示される第一普通図柄の変動時間を示す第一変動パターンを決定するために用いられる。
パチンコ機1において、第一普通図柄の変動時間は、第一普通当たり判定の結果を遊技者に報知する報知演出の演出時間に等しい。サブ制御基板58は、主基板41で決定された第一変動パターンに従って報知演出を制御する。具体的には、主基板41は、第一変動パターンに従って、第一普通図柄の変動を開始する。サブ制御基板58は、第一普通図柄の変動開始に同期して、演出図柄の変動表示を開始する。主基板41は、変動を開始した第一普通図柄の変動時間が終了すると、変動させていた第一普通図柄を、所定の時間(本実施形態では、0.8秒)の間、確定表示させる。サブ制御基板58は、第一普通図柄の確定表示に同期して、演出図柄を確定表示させる。また、サブ制御基板58は、演出図柄による他、表示画面28、スピーカ48等によっても、第一普通図柄変動パターンと同期した報知演出を実行する。
なお、RAM52には、第二普通当たり関係情報記憶エリア、第三普通当たり関係情報記憶エリア及び第四普通当たり関係情報エリアが設けられている。第二普通当たり関係情報記憶エリア、第三普通当たり関係情報記憶エリア及び第四普通当たり関係情報エリアも、第一普通当たり関係情報記憶エリアと同様に構成されている。本実施形態では、第二普通図柄の変動時間、第三普通図柄及び第四普通図柄の変動時間は、それぞれ一定の時間に定められている。このような場合には、第二普通当たり関係情報記憶エリア、第三普通当たり関係情報記憶エリア及び第四普通当たり関係情報エリアに、第二変動パターン決定乱数欄、第三変動パターン決定乱数欄及び第四変動パターン決定乱数欄が設けられなくてもよい。第二普通当たり乱数、第三普通当たり乱数、第四普通当たり乱数とともに取得されて第二普通当たり関係情報記憶エリア、第三普通当たり関係情報記憶エリア、第四普通当たり関係情報記憶エリアに記憶されている各種乱数を総称して、それぞれ第二乱数、第三乱数、第四乱数ともいう。
以下の説明では、第一当たり乱数、第二当たり乱数、第三当たり乱数及び第四当たり乱数を総称する場合、又はいずれかを特定しない場合、当たり乱数ともいう。
図15を参照して、ROM53に記憶されている第一普通図柄決定テーブルについて説明する。パチンコ機1は、第一普通当たり判定の結果が当たりであることを示す第一普通図柄を、第一普通図柄決定テーブルを参照することで決定する。本実施形態では、第一普通図柄は、「第一普通当たりA」及び「第一普通当たりB」の、2種類の普通当たり種別を含む。普通当たり種別は、普通当たり判定の結果が当たりであること示す普通図柄の種別である。
第一普通図柄決定テーブルでは、普通当たり種別のそれぞれに、第一図柄決定乱数の値(0〜99)が対応付けられている。第一普通図柄の普通当たり種別の割合は、第一図柄決定乱数の値に応じて定められている。普通当たり種別の割合は、「第一普通当たりA」が33%、「第一普通当たりB」が67%である。
第一普通図柄決定テーブルは、第一普通当たり遊技における電チュー開放パターンをいずれにするかを、普通当たり種別に応じて定義している。「第一普通当たりA」の普通当たり種別には、第一パターンP1が関連付けられている。「第一普通当たりB」の普通当たり種別には、第二パターンP2が関連付けられている。したがって、第一普通当たり判定によって当たりであると判定された場合に、「第一普通当たりA」の普通当たり種別が決定されたときには、第一普通当たり遊技が第一パターンP1で実行される。第一普通当たり判定によって当たりであると判定された場合に、「第一普通当たりB」の普通当たり種別が決定されたときには、第一普通当たり遊技が第二パターンP2で実行される。したがって、第一普通当たり判定によって当たりであると判定された場合、33%の割合で第一パターンP1による第四普通当たり遊技が、67%の割合で第二パターンP2による第四普通当たり遊技が、それぞれ実行される。なお、「第一普通当たりA」及び「第一普通当たりB」の割合は、任意に変更できる。
図16を参照して、ROM53に記憶されている第一変動パターン決定テーブルについて説明する。第一変動パターン決定テーブルは、第一普通当たり判定による判定結果(第一普通当たり又ははずれ)に応じて、複数のテーブルを設けている。それぞれのテーブルには、第一変動パターン決定乱数の値(0〜511)、及び第一普通図柄の変動時間(報知演出の変動時間)が対応付けられている。第一普通当たり判定が行われると、判定結果に応じたテーブルが参照され、第一当たり乱数とともに取得されている第一変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターンが1つ決定される。
第一普通当たり判定による判定結果が第一普通当たりである場合には、「ノーマルリーチ」、「リーチ演出A」、「リーチ演出B」、「リーチ演出C」、「リーチ演出D」、「リーチ演出E」の順に、変動パターンが決定される割合が高くなる。一方、第一普通当たり判定による判定結果がはずれである場合には、「ノーマルリーチ」、「リーチ演出A」、「リーチ演出B」、「リーチ演出C」、「リーチ演出D」、「リーチ演出E」の順に、変動パターンが決定される割合が低くなる。したがって、第一普通当たり判定による判定結果が第一普通当たりとなる期待値は、「ノーマルリーチ」、「リーチ演出A」、「リーチ演出B」、「リーチ演出C」、「リーチ演出D」、「リーチ演出E」の順に高くなる。なお、リーチ演出とは、演出図柄が所定のリーチ状態を構成した後に、判定結果が第一普通当たりである可能性のあることを示す演出を実行する報知演出である。本実施形態において、「非リーチ」の第一変動パターンは、リーチ状態に至ることなく、演出図柄がはずれの判定結果を示す組合せで確定表示されて演出が終了する報知演出に対応している。本実施形態では、「非リーチ」の変動パターンは、第一普通当たり判定による判定結果がはずれである場合にのみ決定される。
主基板41は、決定された変動パターンを指定するコマンドである変動パターン指定コマンドを生成し、生成された変動パターン指定コマンドをサブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、コマンドによって指定された変動パターンに応じて表示画面28及びスピーカ48等を制御することで、報知演出を実行する。なお、報知演出に、演出図柄が用いられなくてもよい。また、主基板41は、決定した変動パターンに応じて決められている変動時間だけ、第一普通図柄を変動させる。
図17を参照して、ROM53に記憶されている第三普通図柄決定テーブルについて説明する。パチンコ機1は、第三普通当たり判定の結果が当たりであることを示す第三普通図柄を、第三普通図柄決定テーブルを参照することで決定する。本実施形態では、第三普通図柄は、「第三普通当たりA」及び「第三普通当たりB」の、2種類の第三普通当たり種別を含む。第三普通当たり種別は、第三普通当たり判定の結果が当たりであること示す第三普通図柄の種別である。
第三普通図柄決定テーブルでは、普通当たり種別のそれぞれに、第三図柄決定乱数の値(0〜99)が対応付けられている。第三普通当たり種別の割合は、第三図柄決定乱数の値に応じて定められており、「第三普通当たりA」が70%、「第三普通当たりB」が30%である。
第三普通図柄決定テーブルは、第三普通当たり遊技における電チュー開放パターンをいずれにするかを、第三普通当たり種別に応じて定義している。「第三普通当たりA」の第三普通当たり種別には、第三パターンP3が関連付けられている。「第三普通当たりB」の第三普通当たり種別には、第四パターンP4が関連付けられている。
したがって、第三普通当たり判定によって当たりであると判定された場合に、「第三普通当たりA」の第三普通当たり種別が決定されたときには、第三普通当たり遊技が第三パターンP3で実行される。第三普通当たり判定によって当たりであると判定された場合に、「第三普通当たりB」の第三普通当たり種別が決定されたときには、第三普通当たり遊技が第四パターンP4で実行される。したがって、第三普通当たり判定によって第三普通当たりであると判定された場合、70%の割合で第三パターンP3による第三普通当たり遊技が、30%の割合で第四パターンP4による第三普通当たり遊技が、それぞれ実行される。なお、「第三普通当たりA」及び「第三普通当たりB」の割合は、任意に変更できる。
なお、図示しないが、ROM53には、第二、第四普通図柄決定テーブルが記憶されている。パチンコ機1は、第二、第四普通当たり判定の結果が当たりであることを示す第二、第四普通図柄を、第二、第四普通図柄決定テーブルを参照することで決定する。
図18から図26を参照して、パチンコ機1の主基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。制御プログラムのメイン処理(図18参照)は、割込信号発生回路57(図13参照)が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
図18に示すように、メイン処理が開始されると、まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてRAM52に記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。スイッチ読込処理では、第一図柄作動ゲート11、電チュー、非電動役物に設けられた各スイッチ(図13参照)の検出結果から、遊技球を検知するための処理が行われる。各スイッチが遊技球の通過を検出すると、各スイッチに対応するフラグが「ON」となる。
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている乱数取得カウンタの値が加算され、且つ、第一〜第四普通図柄の変動時間を計測するためのタイマカウンタである第一〜第四普通図柄変動時間カウンタの値が減算される。
次いで、第一普通電動役物処理が行われる(S13)。詳細は後述するが、第一普通電動役物処理では、第一普通当たりを示す第一普通図柄が図柄表示部24に表示された場合に、第一普通当たり遊技の動作(主に第一電チュー12の開閉部材121の開閉動作)を制御するための処理が行われる(図20参照)。
次いで、第一普通図柄処理が行われる(S14)。詳細は後述するが、第一普通図柄処理では、第一普通当たり判定、第一変動パターンの決定等の処理が行われる(図19参照)。
次いで、第二普通電動役物処理が行われる(S15)。詳細は後述するが、第二普通電動役物処理では、第二普通当たりを示す第二普通図柄が図柄表示部24に表示された場合に、第二普通当たり遊技の動作(主に第二電チュー13の開閉部材131の開閉動作)を制御するための処理が行われる(図22参照)。
次いで、第二普通図柄処理が行われる(S16)。詳細は後述するが、第二普通図柄処理では、第二普通当たり判定等の処理が行われる(図21参照)。
次いで、第三普通電動役物処理が行われる(S17)。詳細は後述するが、第三普通電動役物処理では、第三普通当たりを示す第三普通図柄が図柄表示部24に表示された場合に、第三普通当たり遊技の動作(主に第三電チュー14の開閉部材141の開閉動作)を制御するための処理が行われる(図24参照)。
次いで、第三普通図柄処理が行われる(S18)。詳細は後述するが、第三普通図柄処理では、第三普通当たり判定等の処理が行われる(図23参照)。
次いで、第四普通電動役物処理が行われる(S19)。詳細は後述するが、第四普通電動役物処理では、第四普通当たりを示す第四普通図柄が図柄表示部24に表示された場合に、第四普通当たり遊技の動作(主に第四電チュー15の開閉部材151の開閉動作)を制御するための処理が行われる(図26参照)。
次いで、第四普通図柄処理が行われる(S20)。詳細は後述するが、第四普通図柄処理では、第四普通当たり判定等の処理が行われる(図25参照)。
次いで、払出処理(S21)、エラーチェック(S22)、及び情報出力処理(S23)が行われる。払出処理では、賞球の払い出しが制御される。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28及びスピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、遊技場管理用コンピュータ(図示略)に各種の情報が出力される。
メイン処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52には大当たり遊技状態フラグ、第一作動終了フラグ、第三作動終了フラグ、第一変動フラグ、第二変動フラグ、第三変動フラグ、第四変動フラグ、第一開放フラグ、第二開放フラグ、第三開放フラグ、第四開放フラグ等が記憶されている。大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」となり、大当たり遊技中でない場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。第一作動終了フラグは、第一普通当たりによる第一電チュー12の開放(第一普通当たり遊技)が終了している場合に「1」が記憶されて「ON」となり、第一普通当たり遊技が終了していない場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。第三作動終了フラグは、第三普通当たりによる第三電チュー14の開放(第三普通当たり遊技)が終了している場合に「1」が記憶されて「ON」となり、第三普通当たり遊技が終了していない場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。
第一変動フラグは、第一普通図柄が変動している場合(変動中)に「1」が記憶されて「ON」となり、第一普通図柄が変動中でない場合には、「0」が記憶されて「OFF」となる。第二変動フラグは、第二普通図柄の変動中に「1」が記憶されて「ON」となり、第二普通図柄が変動中でない場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。第三変動フラグは、第三普通図柄の変動中に「1」が記憶されて「ON」となり、第三普通図柄が変動中でない場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。第四変動フラグは、第四普通図柄の変動中に「1」が記憶されて「ON」となり、第四普通図柄が変動中でない場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。
第一開放フラグは、第一電チュー12の開放中に「1」が記憶されて「ON」となり、第一電チュー12の閉鎖中に「0」が記憶されて「OFF」となる。第二開放フラグは、第二電チュー13の開放中に「1」が記憶されて「ON」となり、第二電チュー13の閉鎖中に「0」が記憶されて「OFF」となる。第三開放フラグは、第三電チュー14の開放中に「1」が記憶されて「ON」となり、第三電チュー14の閉鎖中に「0」が記憶されて「OFF」となる。第四開放フラグは、第四電チュー15の開放中に「1」が記憶されて「ON」となり、第四電チュー15の閉鎖中に「0」が記憶されて「OFF」となる。
図19を参照して、第一普通図柄処理(S14、図18参照)の詳細について説明する。第一普通図柄処理が開始されると、第一図柄作動ゲート11を遊技球が通過したかが判断される(S31)。第一図柄作動ゲート11に設けられた第一図柄作動ゲートスイッチ61が遊技球の通過を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図18参照)において、第一図柄作動ゲートスイッチ61に対応するフラグが「ON」となる。このフラグが「ON」でない場合には、遊技球が通過していないと判断されて(S31:NO)、処理はS41の判断へ移行する。フラグが「ON」となっており、第一図柄作動ゲート11に遊技球が通過していれば(S31:YES)、第一保留球数が「4」であるかが判断される(S32)。第一保留球数が「4」であれば(S32:YES)、第一保留球数が最大第一保留球数に達しているため、処理はS41の判断へ移行する。
第一保留球数が「4」でない場合には(S32:NO)、RAM52に記憶されている第一保留球数に「1」が加算される(S33)。次いで、第一当たり乱数及び第一変動パターン決定乱数(第一乱数)が第一保留球として取得され、第一普通当たり関係情報記憶エリア(図14参照)における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S35)。具体的には、第一当たり乱数欄には第一普通当たり判定カウンタの値が、第一図柄決定乱数欄には第一普通図柄決定カウンタの値が、第一変動パターン決定乱数欄には第一変動パターン決定カウンタの値がそれぞれ格納される。第一保留球として、その他の種類の乱数が含まれてもよい。処理はS41へ移行する。
次いで、全ての電チューが閉鎖中であるかが判断される(S41)。第一〜第四開放フラグのうちいずれかが「ON」であれば、電チューのいずれかが開放中であると判断されて(S41:NO)、処理はメイン処理へ戻る。例えば、第一普通当たりとなり、その後に第二普通当たり、第三普通当たり又は第四普通当たりとなった場合には、大当たり遊技において第一電チュー12、第二電チュー13、第三電チュー14又は第四電チュー15が開放されることとなる。パチンコ機1は、いずれかの電チューが開放中の場合には、第一〜第四普通図柄の変動時間を計測しないこととすることで、第一〜第四普通当たり遊技が重複して行われないようにしている。
第一〜第四開放フラグのいずれもが「OFF」であれば、全ての電チューが閉鎖中であると判断されて(S41:YES)、第一普通図柄が変動中であるかが判断される(S42)。第一変動フラグが「OFF」であれば、第一普通図柄が変動中でないと判断されて(S42:NO)、第一保留球数が「1」以上であるかが判断される(S43)。RAM52に記憶されている第一保留球数が「0」であれば(S43:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第一保留球数が「1」以上の場合(S43:YES)、RAM52に記憶されている第一保留球数が「1」減算される(S45)。第一普通当たり関係情報記憶エリア(図8参照)の判定エリアが、次の番号の記憶エリアにシフトされる(S46)。次いで、第一普通当たり判定が行われる(S48)。第一普通当たり判定テーブルは、ROM53に記憶されている。第一普通当たり判定テーブルには、「第一普通当たり」及び「はずれ」に各々対応する第一普通当たり乱数の乱数値が定義されている。第一普通当たり判定テーブルが参照されて、S46でシフトされた判定エリアに記憶されている第一普通当たり乱数が「第一普通当たり」及び「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の第一普通当たり乱数に基づく第一普通当たり判定が、第一普通当たり乱数の記憶された順に行われる。なお、本実施形態では、第一普通当たり判定において、第一普通当たり確率(約1/60)で第一普通当たりと判定される。
次いで、第一普通当たり判定の結果が第一普通当たりであるかが判断される(S51)。第一普通当たり判定の結果がはずれの場合(S51:NO)、処理はS53へ移行する。第一普通当たり判定の結果が第一普通当たりである場合(S51:YES)、第一普通図柄の第一普通当たり種別が決定される(S52)。S52の処理では、第一普通図柄決定テーブル(図15参照)が参照されて、判定エリアに記憶されている第一当たり乱数と同時に取得された第一図柄決定乱数の値に対応する第一普通当たり種別が決定される。決定された第一普通当たり種別は、RAM52に記憶される。処理はS53へ移行する。
次いで、第一変動パターン決定テーブル(図16参照)が参照されて、第一普通当たり判定の判定結果に応じた第一変動パターンの一つが、第一変動パターン決定乱数の値によって決定される。決定された第一変動パターンを指定するための第一変動パターン指定コマンドが生成される(S53)。生成された第一変動パターン指定コマンドは、RAM52に記憶される。記憶された第一変動パターン指定コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図18参照)によってサブ制御基板58及び中継基板47に送信され、報知演出の開始、及び第一普通図柄の変動開始を指示する。決定された第一変動パターンに応じて定められている第一普通図柄の変動時間が、第一普通図柄変動時間カウンタにセットされる(S55)。第一普通図柄が変動中であることを示す「1」が第一変動フラグに記憶されて「ON」となり(S56)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、S42の判断において、第一変動フラグが「ON」であれば、第一普通図柄が変動中であるとして(S42:YES)、S55の処理においてセットされた第一普通図柄変動時間カウンタの値から4msが減算される(S61)。次いで、第一普通図柄変動時間カウンタの値に基づいて、第一普通図柄の変動時間が経過したかが判断される(S62)。第一普通図柄変動時間カウンタの値が「0」でなければ、第一普通図柄の変動時間が未だ経過していないと判断されて(S62:NO)、第一普通図柄の変動が継続され、処理はメイン処理へ戻る。第一普通図柄変動時間カウンタの値が「0」となっていれば、第一普通図柄の変動時間が経過したと判断されて(S62:YES)、第一普通図柄停止コマンドが生成され(S63)、RAM52に記憶される。このコマンドは、コマンド出力処理(S10、図18参照)によってサブ制御基板58及び中継基板47に送信され、第一報知演出の終了、及び第一普通図柄の変動停止を指示する。第一普通図柄が変動中でないことを示す「0」が第一変動フラグに記憶され「OFF」となる(S65)。
次いで、S48で行った第一当たり判定の結果が第一普通当たりであるかが判断される(S66)。第一普通当たり判定の結果がはずれの場合(S66:NO)、処理はメイン処理へ戻る。第一普通当たり判定の結果が第一普通当たりの場合(S66:YES)、大当たり遊技状態フラグが「ON」とされ(S68)、第一作動終了フラグが「OFF」とされる(S69)。処理はメイン処理へ戻る。
図20を参照して、第一普通電動役物処理(S13、図18参照)の詳細について説明する。第一普通電動役物処理が開始されると、大当たり遊技中であるかが判断される(S71)。大当たり遊技状態フラグが「OFF」であれば、大当たり遊技中でないと判断されて(S71:NO)、処理はメイン処理へ戻る。大当たり遊技状態フラグが「ON」であれば、大当たり遊技中であると判断されて(S71:YES)、第一普通当たり遊技が終了したかが判断される(S72)。第一作動終了フラグが「ON」であれば、第一普通当たり遊技が終了したと判断されて(S72:YES)、処理はメイン処理へ戻る。
第一作動終了フラグが「OFF」であれば、第一普通当たり遊技が終了していないと判断されて(S72:NO)、第一普通当たり遊技に関する制御が行われる。まず、第一電チュー12が開放中であるかが判断される(S73)。第一開放フラグが「OFF」であれば、第一電チュー12が閉鎖中であると判断されて(S73:NO)、処理はS91へ移行する。
次いで、S52(図19参照)の処理でRAM52に記憶された第一普通当たり種別が参照される(S91)。参照された第一普通当たり種別が「第一普通当たりA」であるかが判断される(S92)。参照された第一普通当たり種別が「第一普通当たりA」である場合(S92:YES)、P1開放コマンドが生成される(S93)。生成されたP1開放コマンドはRAM52に記憶される。P1開放コマンドは、第一電チュー12の開閉部材121を、図6に示す第一パターンP1で開閉動作させるためのコマンドである。P1開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図18参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介してP1開放コマンドを受信した第一電チューソレノイド64は、第一電チュー12の開閉部材121を第一パターンP1で開閉動作させる。処理はS96へ移行する。
参照された第一普通当たり種別が「第一普通当たりB」である場合(S92:NO)、P2開放コマンドが生成される(S95)。生成されたP1開放コマンドはRAM52に記憶される。P2開放コマンドは、第一電チュー12の開閉部材121を、図6に示す第二パターンP2で開閉動作させるためのコマンドである。P2開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図18参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介してP2開放コマンドを受信した第一電チューソレノイド64は、第一電チュー12の開閉部材121を第二パターンP2で開閉動作させる。処理はS96へ移行する。
次いで、第一普通当たり種別に応じた電チュー開放パターンが、RAM52に記憶される(S96)。第一普通当たり種別が「第一普通当たりA」である場合には、第一パターンP1に対応する第一電チュー12の1回あたりの開放時間(0.250秒)、開放後の閉鎖時間(約4秒)及び開放回数(10回)が記憶される。第一普通当たり種別が「第一普通当たりB」である場合には、第二パターンP2に対応する第一電チュー12の開放時間(0.250秒)、開放後の閉鎖時間(約4秒)及び開放回数(5回)が記憶される。
次いで、第一開放フラグが「ON」となり(S98)、第一振分シャッタ作動コマンドが生成され(S99)、RAM52に記憶される。第一振分シャッタ作動コマンドは、第一振分シャッタ235を、図6に示す第一振分シャッタ動作パターンR1で動作させるためのコマンドである。第一振分シャッタ作動コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図18参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第一振分シャッタ作動コマンドを受信した第一振分シャッタソレノイド69は、第一振分シャッタ235を振分シャッタ動作パターンで動作させる。処理はメイン処理へ戻る。
一方、第一開放フラグが「ON」であれば、第一電チュー12が開放中であるので(S73:YES)、S96で記憶した電チュー開放パターンでの第一電チュー12の開放が終了したかが判断される(S75)。第一普通当たり種別に応じた電チュー開放パターンでの第一電チュー12の開放が終了していない場合(S75:NO)、第一電チュー12へ遊技球が入賞したかが判断される(S76)。第一電チュースイッチ71に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第一電チュー12へ遊技球が入賞していないと判断されて(S76:NO)、処理はS79の判断へ移行する。
一方、第一電チュースイッチ71に対応するフラグが「ON」となっている場合、第一電チュー12へ遊技球が入賞したと判断される(S76:YES)。このため、第一電チュー12へ入賞した遊技球の個数である第一入賞球数を計数するRAM52の第一入賞球数カウンタに「1」が加算される(S78)。次いで、第一入賞球数が「10」以上であるかが判断される(S79)。第一入賞球数が「10」未満であれば(S79:NO)、継続して第一電チュー12が開放されるので、処理はメイン処理へ戻る。
第一入賞球数が「10」以上の場合(S79:YES)、又はS96で記憶した電チュー開放パターンでの第一電チュー12の開放が終了した場合(S75:YES)、第一電チュー12を閉鎖するための第一電チュー閉鎖コマンドが生成される(S81)。生成された第一電チュー閉鎖コマンドはRAM52に記憶され、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図18参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第一電チュー開放コマンドを受信した第一電チューソレノイド64は、第一電チュー12の開閉部材121を閉鎖させる。次いで、第一開放フラグに「0」が記憶されて「OFF」となり(S82)、第一作動終了フラグに「1」が記憶されて「ON」となる(S83)。処理はメイン処理へ戻る。
図21を参照して、第二普通図柄処理(S16、図18参照)の詳細について説明する。第二普通図柄処理が開始されると、第一非電動役物16に遊技球が入賞したかが判断される(S101)。第一非電動役物スイッチ76に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第一非電動役物16へ遊技球が入賞していないと判断されて(S101:NO)、第四電チュー15へ遊技球が入賞したかが判断される(S102)。第四電チュースイッチ74に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第四電チュー15へ遊技球が入賞していないと判断されて(S102:NO)、処理はS111の判断へ移行する。
一方、第一非電動役物スイッチ76に対応するフラグが「ON」となっている場合、第一非電動役物16へ遊技球が入賞したと判断されて(S101:YES)、処理はS103の判断へ移行する。また、第四電チュー15に対応するフラグが「ON」となっている場合、第四電チュー15へ遊技球が入賞したと判断されて(S102:YES)、処理はS103の判断へ移行する。次いで、第二保留球数が「4」であるかが判断される(S103)。第二保留球数が「4」であれば(S103:YES)、第二保留球数が最大第二保留球数に達しているため、処理はS111の判断へ移行する。
第二保留球数が「4」でない場合には(S103:NO)、RAM52に記憶されている第二保留球数に「1」が加算される(S106)。次いで、第二乱数が取得され、第二普通当たり関係情報エリアにおける空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S107)。処理はS111の判断へ移行する。
次いで、全ての電チューが閉鎖中であるかが判断される(S111)。第一〜第四開放フラグのうち少なくともいずれかが「ON」であれば、いずれかの電チューが開放中であると判断されて(S111:NO)、処理はメイン処理へ戻る。このようにして、パチンコ機1は、いずれかの電チューの開放中には、第二普通図柄の変動時間を計測しない。
一方、第一〜第四開放フラグのいずれもが「OFF」であれば、全ての電チューが閉鎖中であると判断されて(S111:YES)、第二普通図柄が変動中であるかが判断される(S112)。第二変動フラグが「OFF」であれば、第二普通図柄が変動中でないと判断されて(S112:NO)、第二保留球数が「1」以上であるかが判断される(S115)。RAM52に記憶されている第二保留球数が「0」であれば(S115:NO)、第二普通図柄の変動は行われず、処理はメイン処理へ戻る。
第二保留球数が「1」以上の場合(S115:YES)、RAM52に記憶されている第一保留球数が「1」減算される(S121)。第二普通当たり関係情報記憶エリアの判定エリアが、次の番号の記憶エリアにシフトされる(S122)。次いで、第二普通当たり判定が行われる(S123)。第二普通当たり判定は、第二普通当たり判定テーブルが参照されることで行われる。第二普通当たり判定テーブルは、ROM53に記憶されている。第二普通当たり判定テーブルには、「第二普通当たり」及び「はずれ」に各々対応する第二普通当たり乱数の乱数値が定義されている。第二普通当たり判定テーブルが参照されて、S122でシフトされた判定エリアに記憶されている第二普通当たり乱数が「第二普通当たり」及び「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の第二普通当たり乱数に基づく第二普通当たり判定が、第二普通当たり乱数の記憶された順に行われる。なお、本実施形態では、第二普通当たり判定において、100%の確率で第二普通当たりと判定される。
次いで、第二普通図柄の変動を開始させるための第二普通図柄変動開始コマンドが生成され(S125)、RAM52に記憶される。第二普通図柄変動開始コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図18参照)によって、中継基板47を介して、図柄表示部24に送信される。図柄表示部24は、第二普通図柄の変動を開始する。次いで、予め定められている第二普通図柄の変動時間(本実施形態では、第二保留球数が「3」である場合4秒、第二保留球数が「2」以下の場合10秒)が、第二普通図柄変動時間カウンタにセットされる(S126)。第二普通図柄が変動中であることを示す「1」が第二変動フラグに記憶されて「ON」となり(S128)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、S112の判断において、第二変動フラグが「ON」であれば、第二普通図柄が変動中であると判断されて(S112:YES)、S126でセットされた第二普通図柄変動時間カウンタの値から4msが減算される(S131)。次いで、第二普通図柄変動時間カウンタの値に基づいて、第二普通図柄の変動時間が経過したかが判断される(S132)。第二普通図柄変動時間カウンタの値が「0」でなければ、第二普通図柄の変動時間が未だ経過していないと判断されて(S132:NO)、第二普通図柄の変動が継続され、処理はメイン処理へ戻る。第二普通図柄変動時間カウンタの値が「0」となっていれば、第二普通図柄の変動時間が経過したと判断されて(S132:YES)、第二普通図柄の変動を停止させるための第二普通図柄停止コマンドが生成され(S133)、RAM52に記憶される。第二普通図柄停止コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図18参照)によって、中継基板47を介して、図柄表示部24に送信される。図柄表示部24は、第二普通図柄の変動を停止する。次いで、第二普通図柄が変動中でないことを示す「0」が第二変動フラグに記憶されて「OFF」となる(S135)。
次いで、S123で行われた第二普通当たり判定の結果が第二普通当たりであるかが判断される(S136)。第二普通当たり判定の結果がはずれの場合(S136:NO)、処理はメイン処理へ戻る。第二普通当たり判定の結果が第二普通当たりの場合(S136:YES)、第二電チュー13を開放させるための第二電チュー開放コマンドが生成され(S141)、RAM52に記憶される。第二電チュー開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図18参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第二電チュー開放コマンドを受信した第二電チューソレノイド65は、第二電チュー13の開閉部材131を開放させる。次いで、第二開放時間が、第二開放時間カウンタに記憶される(S142)。次いで、第二開放フラグに「1」が記憶されて「ON」とされ(S143)、処理はメイン処理へ戻る。
図22を参照して、第二普通電動役物処理(S15、図18参照)の詳細について説明する。第二普通電動役物処理が開始されると、第二電チュー13が開放中であるかが判断される(S151)。第二開放フラグが「OFF」であれば、第二電チュー13が閉鎖中であるので(S151:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、第二開放フラグが「ON」であれば、第二電チュー13が開放中であるので(S151:YES)、第二電チュー13へ入賞した遊技球の処理、及び第二電チュー13を閉鎖するための処理が行われる。まず、第二開放時間が経過したかが判断される(S152)。S142(図21参照)でセットされた第二開放時間カウンタの値が「0」でなければ、第二開放時間は未だ経過していないと判断されて(S152:NO)、第二電チュー13へ遊技球が入賞したかが判断される(S153)。第二電チュースイッチ72に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第二電チュー13へ遊技球が入賞していないと判断されて(S153:NO)、処理はS156の判断へ移行する。
第二電チュースイッチ72に対応するフラグが「ON」となっている場合、第二電チュー13へ遊技球が入賞したと判断される(S153:YES。)このため、第二電チュー13へ入賞した遊技球の個数である第二入賞球数を計数するRAM52の第二入賞球数カウンタに「1」が加算される(S155)。次いで、第二入賞球数が「4」以上であるかが判断される(S156)。第二入賞球数が「4」未満であれば(S156:NO)、継続して第二電チュー13が開放されるので、処理はメイン処理へ戻る。
また、第二入賞球数が「4」以上の場合(S156:YES)、又は第二開放時間が経過した場合(S152:YES)、第二電チュー13を閉鎖するための第二電チュー閉鎖コマンドが生成され(S158)、RAM52に記憶される。第二電チュー閉鎖コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図18参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第二電チュー開放コマンドを受信した第二電チューソレノイド65は、第二電チュー13の開閉部材131を閉鎖させる。次いで、第二開放フラグに「0」が記憶されて「OFF」となり(S159)、処理はメイン処理へ戻る。
図23を参照して、第三普通図柄処理(S18、図18参照)の詳細について説明する。第三普通図柄処理が開始されると、第二電チュー13へ遊技球が入賞したかが判断される(S161)。第二電チュースイッチ72に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第二電チュー13へ遊技球が入賞していないと判断されて(S161:NO)、処理はS171の判断へ移行する。
一方、第二電チュースイッチ72に対応するフラグが「ON」となっている場合、第二電チュー13へ遊技球が入賞したと判断されて(S161:YES)、第三保留球数が「4」であるかが判断される(S162)。第三保留球数が「4」であれば(S162:YES)、第三保留球数が最大第三保留球数に達しているため、処理はS171の判断へ移行する。第三保留球数が「4」でない場合には(S162:NO)、RAM52に記憶されている第三保留球数に「1」が加算される(S163)。次いで、第三乱数が取得され、第三普通当たり関係情報エリアにおける空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S165)。処理はS171の判断へ移行する。
次いで、全ての電チューが閉鎖中であるかが判断される(S171)。第一〜第四開放フラグのうち少なくともいずれかが「ON」であれば、いずれかの電チューが開放中であるとして(S171:NO)、処理はメイン処理へ戻る。このようにして、パチンコ機1は、いずれかの電チューの開放中には、第三普通図柄の変動時間を計測しない。
一方、第一〜第四開放フラグのいずれもが「OFF」であれば、全ての電チューが閉鎖中であるとして(S171:YES)、第三普通図柄が変動中であるかが判断される(S172)。第三変動フラグが「OFF」であれば、第三普通図柄が変動中でないと判断されて(S172:NO)、第三保留球数が「1」以上であるかが判断される(S175)。RAM52に記憶されている第三保留球数が「1」以上の場合(S175:YES)、RAM52に記憶されている第三保留球数が「1」減算される(S181)。第三普通当たり関係情報記憶エリアの判定エリアが、次の番号の記憶エリアにシフトされる(S182)。
次いで、第三普通当たり判定が行われる(S183)。第三普通当たり判定は、第三普通当たり判定テーブルが参照されることで行われる。第三普通当たり判定テーブルは、ROM53に記憶されている。第三普通当たり判定テーブルには、「第三普通当たり」及び「はずれ」に各々対応する第三普通当たり乱数の乱数値が定義されている。第三普通当たり判定テーブルが参照されて、S182でシフトされた判定エリアに記憶されている第三普通当たり乱数が「第三普通当たり」及び「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の第三普通当たり乱数に基づく第三普通当たり判定が、第三普通当たり乱数の記憶された順に行われる。なお、本実施形態では、第三普通当たり判定において、100%の確率で第三普通当たりと判定される。
次いで、第三普通当たり判定の結果が第三普通当たりであるかが判断される(S184)。第三普通当たり判定の結果がはずれの場合(S184:NO)、処理はS186へ移行する。第三普通当たり判定の結果が第三普通当たりである場合(S184:YES)、第三普通図柄の第三普通当たり種別が決定される(S185)。S185の処理では、第三普通図柄決定テーブル(図17参照)が参照されて、判定エリアに記憶されている第三当たり乱数と同時に取得された第三図柄決定乱数の値に対応する第三普通当たり種別が決定される。すなわち、「第三普通当たりA」又は「第三普通当たりB」のいずれかの第三普通当たり種別が、第三図柄決定乱数の値に応じて決定される。決定された第三普通当たり種別は、RAM52に記憶される。処理はS186へ移行する。
次いで、第三普通図柄の変動を開始させるための第三普通図柄変動開始コマンドが生成され(S186)、RAM52に記憶される。第三普通図柄変動開始コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図18参照)によって、中継基板47を介して、図柄表示部24に送信される。図柄表示部24は、第三普通図柄の変動を開始する。次いで、予め定められている第三普通図柄の変動時間(本実施形態では、2秒)が、第三普通図柄変動時間カウンタにセットされる(S187)。第三普通図柄が変動中であることを示す「1」が第三変動フラグに記憶されて「ON」となり(S188)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、S172の判断において、第三変動フラグが「ON」であれば、第三普通図柄が変動中であるとして(S172:YES)、S186でセットされた第三普通図柄変動時間カウンタの値から4msが減算される(S201)。次いで、第三普通図柄変動時間カウンタの値に基づいて、第三普通図柄の変動時間が経過したかが判断される(S202)。第三普通図柄変動時間カウンタの値が「0」でなければ、第三普通図柄の変動時間が未だ経過していないとして(S202:NO)、第三普通図柄の変動が継続され、処理はメイン処理へ戻る。
第三普通図柄変動時間カウンタの値が「0」となっていれば、第三普通図柄の変動時間が経過したと判断されて(S202:YES)、第三普通図柄の変動を停止させるための第三普通図柄停止コマンドが生成され(S203)、RAM52に記憶される。第三普通図柄停止コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図18参照)によって、中継基板47を介して、図柄表示部24に送信される。図柄表示部24は、第三普通図柄の変動を停止する。次いで、第三普通図柄が変動中でないことを示す「0」が第三変動フラグに記憶されて「OFF」となる(S204)。
次いで、S183で行われた第三当たり判定の結果が第三普通当たりであるかが判断される(S205)。第三普通当たり判定の結果がはずれの場合(S205:NO)、処理はメイン処理へ戻る。第三普通当たり判定の結果が第三普通当たりの場合(S205:YES)、第三作動終了フラグが「OFF」とされる(S206)。処理はメイン処理へ戻る。
また、S175の判断において、第三保留球数が「0」の場合には(S175:NO)、第三普通当たり判定の対象となる第三保留球が記憶されておらず、一連の第三普通当たり遊技が終了する。この場合、一連の第三普通当たり遊技が終了されることに応じて、大当たり遊技も終了される場合があり、この場合には、大当たり遊技を終了させる処理を行う必要がある。そこで、まず、大当たり遊技中であるかが判断される(S191)。大当たり遊技状態フラグが「OFF」であれば、大当たり遊技中でないので(S191:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
大当たり遊技状態フラグが「ON」であれば、大当たり遊技中であるとして(S191:YES)、第一普通当たり遊技が終了したかが判断される(S192)。第一作動終了フラグが「OFF」であれば、大当たり遊技中の第一普通当たり遊技が終了していないので(S192:NO)、処理はメイン処理へ戻る。第一作動終了フラグが「ON」であれば、第一普通当たり遊技が終了したとして(S192:YES)、第二保留球数が「1」以上であるかが判断される(S193)。第二保留球数が「1」以上の場合には、未だ第二普通当たり判定の行われていない第二保留球が存在する。すなわち、ここでは一連の第三普通当たり遊技が1回終了するのみであり、大当たり遊技は終了しない。したがって、第二保留球数が「1」以上の場合(S193:YES)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、第二保留球数が「0」の場合(S193:NO)、第四保留球数が「1」以上であるかが判断される(S195)。第四保留球数が「1」以上の場合には、以降に行われる第四普通当たり判定によって第四普通当たりであると判定された場合には、第四普通当たり遊技が行われ、これに応じて第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技が繰り返して行われる可能性がある。したがって、第四保留球数が「1」以上の場合(S195:YES)、処理はメイン処理へ戻る。一方、第四保留球数が「0」の場合(S195:NO)、未だ第四普通当たり判定の行われていない第四保留球が存在せず、第一普通当たり遊技が終了しており、第二保留球数も「0」であるので、大当たり遊技は終了する。したがって、大当たり遊技状態フラグに「0」が記憶されて「OFF」となり(S196)、処理はメイン処理へ戻る。
図24を参照して、第三普通電動役物処理(S17、図18参照)の詳細について説明する。第三普通動役物処理が開始されると、まず、第三普通当たり遊技中であるかが判断される(S211)。第三普通当たり遊技中フラグが「OFF」であれば、第三普通当たり遊技中でないと判断されて(S211:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、第三普通当たり遊技中フラグが「ON」であれば、第三普通当たり遊技中であると判断されて(S211:YES)、第三電チュー14が開放中であるかが判断される(S212)。第三開放フラグが「OFF」であれば、第三電チュー14が開放中でないと判断されて(S212:NO)、処理はS231へ移行する。
次いで、S185(図23参照)の処理でRAM52に記憶された第三普通当たり種別が参照される(S231)。参照された第三普通当たり種別が「第三普通当たりA」であるかが判断される(S232)。参照された第三普通当たり種別が「第三普通当たりA」である場合(S232:YES)、P3開放コマンドが生成される(S233)。生成されたP3開放コマンドはRAM52に記憶される。P3開放コマンドは、第三電チュー14の開閉部材141を、図7に示す第三パターンP3で開閉動作させるためのコマンドである。P3開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図18参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介してP3開放コマンドを受信した第三電チューソレノイド66は、第三電チュー14の開閉部材141を第三パターンP3で開閉動作させる。処理はS241へ移行する。
第三普通当たり種別が「第三普通当たりA」でない場合(S232:NO)、P4開放コマンドが生成される(S236)。生成されたP4開放コマンドはRAM52に記憶される。P4開放コマンドは、第三電チュー14の開閉部材141を、図7に示す第四パターンP4で開閉動作させるためのコマンドである。P4開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図18参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介してP4開放コマンドを受信した第三電チューソレノイド66は、第三電チュー14の開閉部材141を第四パターンP4で開閉動作させる。処理はS241へ移行する。
次いで、第三普通当たり種別に応じた電チュー開放パターンが、RAM52に記憶される(S241)。第三普通当たり種別が「第三普通当たりA」である場合、第三パターンP3に対応する、第三電チュー14の1回あたりの開放時間(0.250秒)、開放後の閉鎖時間(約3.50秒)及び開放回数(2回)が記憶される。第三普通当たり種別が「第三普通当たりB」である場合、第四パターンP4に対応する、時点T0から時点T4までの閉鎖時間(約7.50秒)、第三電チュー14の1回あたりの開放時間(0.250秒)、開放後の閉鎖時間(約4.00秒)及び開放回数(3回)が記憶される。
次いで、第三開放フラグが「ON」になり(S242)、第二振分シャッタ作動コマンドが生成され(S243)、RAM52に記憶される。第二振分シャッタ作動コマンドは、第二振分シャッタ335を、図7に示す第二振分シャッタ動作パターンR2で動作させるためのコマンドである。第二振分シャッタ作動コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図18参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第二振分シャッタ作動コマンドを受信した第二振分シャッタソレノイド70は、第二振分シャッタ335を振分シャッタ動作パターンで動作させる。処理はメイン処理へ戻る。
一方、第三開放フラグが「ON」であれば、第三電チュー14が開放中であると判断されて(S212:YES)、S241で記憶された電チュー開放パターンでの第三電チュー14の開放が終了したかが判断される(S213)。第三普通当たり種別に応じた電チュー開放パターンでの第三電チュー14の開放が終了していない場合(S213:NO)、第三電チュー14へ遊技球が入賞したかが判断される(S215)。第三電チュースイッチ73に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第三電チュー14へ遊技球が入賞していないと判断されて(S215:NO)、処理はS218の判断へ移行する。
一方、第三電チュースイッチ73に対応するフラグが「ON」となっている場合、第三電チュー14へ遊技球が入賞したと判断される(S215:YES)。このため、第三電チュー14へ入賞した遊技球の個数である第三入賞数を計数するRAM52の第三入賞球数カウンタに「1」が加算される(S216)。次いで、第三入賞球数が「4」以上であるかが判断される(S218)。第三入賞球数が「4」未満であれば(S218:NO)、継続して第三電チュー14が開放されるので、処理はメイン処理へ戻る。
第三入賞球数が「4」以上の場合(S218:YES)、又はS241で記憶した電チュー開放パターンでの第三電チュー14の開放が終了した場合(S213:YES)、第三電チュー14を閉鎖するための第三電チュー閉鎖コマンドが生成される(S221)。生成された第三電チュー閉鎖コマンドはRAM52に記憶され、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図18参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第三電チュー開放コマンドを受信した第三電チューソレノイド66は、第三電チュー14の開閉部材141を閉鎖させる。次いで、第三開放フラグに「0」が記憶されて「OFF」となり(S222)、第三作動終了フラグに「1」が記憶されて「ON」になる(S223)。処理はメイン処理へ戻る。
図25を参照して、第四普通図柄処理(S20、図18参照)の詳細について説明する。第四普通図柄処理が開始されると、第二非電動役物17へ遊技球が入賞したかが判断される(S251)。第二非電動役物スイッチ77が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図18参照)において、第二非電動役物スイッチ77に対応するフラグが「ON」となる。このフラグが「ON」でない場合には、遊技球が入賞していないと判断されて(S251:NO)、処理はS261の判断へ移行する。第二非電動役物17へ遊技球が入賞していれば(S251:YES)、第四保留球数が「4」であるかが判断される(S252)。第四保留球数が「4」であれば(S252:YES)、第四保留球数が最大第四保留球数に達しているため、処理はS261の判断へ移行する。
第四保留球数が「4」でない場合には(S252:NO)、RAM52に記憶されている第四保留球数に「1」が加算される(S253)。次いで、第四乱数が取得され、第四普通当たり関係情報エリアにおける空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S255)。処理はS261の判断へ移行する。
次いで、全ての電チューが閉鎖中であるかが判断される(S261)。第一〜第四開放フラグのうち少なくともいずれかが「ON」であれば、いずれかの電チューが開放中であるとして(S261:NO)、処理はメイン処理へ戻る。このようにして、パチンコ機1は、いずれかの電チューの開放中には、第四普通図柄の変動時間を計測しない。
一方、第一〜第四開放フラグのいずれもが「OFF」であれば、全ての電チューが閉鎖中であると判断されて(S261:YES)、第四普通図柄が変動中であるかが判断される(S262)。第四変動フラグが「OFF」であれば、第四普通図柄が変動中でないと判断されて(S262:NO)、第四保留球数が「1」以上であるかが判断される(S263)。RAM52に記憶されている第四保留球数が「1」以上の場合(S263:YES)、RAM52に記憶されている第四保留球数が「1」減算される(S265)。第四普通当たり関係情報記憶エリアの判定エリアが、次の番号の記憶エリアにシフトされる(S266)。
次いで、第四普通当たり判定が行われる(S268)。第四普通当たり判定は、第四普通当たり判定テーブルが参照されることで行われる。第四普通当たり判定テーブルは、ROM53に記憶されている。第四普通当たり判定テーブルには、「第四普通当たり」及び「はずれ」に各々対応する第四普通当たり乱数の乱数値が定義されている。第四普通当たり判定テーブルが参照されて、S236でシフトされた判定エリアに記憶されている第四普通当たり乱数が「第四普通当たり」及び「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の第四普通当たり乱数に基づく第四普通当たり判定が、第四普通当たり乱数の記憶された順に行われる。なお、本実施形態では、第四普通当たり判定において、第四普通当たり確率(70%)で第四普通当たりと判定される。
次いで、第四普通図柄の変動を開始させるための第四普通図柄変動開始コマンドが生成され(S271)、RAM52に記憶される。第四普通図柄変動開始コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図18参照)によって、中継基板47を介して、図柄表示部24に送信される。図柄表示部24は、第四普通図柄の変動を開始する。次いで、予め定められている第四普通図柄の変動時間(本実施形態では、第四普通当たりの場合40秒、はずれの場合5秒)が、第三普通図柄変動時間カウンタにセットされる(S272)。第四普通図柄が変動中であることを示す「1」が第四変動フラグに記憶されて「ON」となり(S273)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、S262の判断において、第四変動フラグが「ON」であれば、第四普通図柄が変動中であると判断されて(S262:YES)、S272でセットされた第四普通図柄変動時間カウンタの値から4msが減算される(S281)。次いで、第四普通図柄変動時間カウンタの値に基づいて、第四普通図柄の変動時間が経過したかが判断される(S282)。第四普通図柄変動時間カウンタの値が「0」でなければ、第四普通図柄の変動時間が未だ経過していないとして(S282:NO)、第四普通図柄の変動が継続され、処理はメイン処理へ戻る。
第四普通図柄変動時間カウンタの値が「0」となっていれば、第四普通図柄の変動時間が経過したとして(S282:YES)、第四普通図柄の変動を停止させるための第四普通図柄停止コマンドが生成され(S283)、RAM52に記憶される。第四普通図柄停止コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図18参照)によって、中継基板47を介して、図柄表示部24に送信される。図柄表示部24は、第四普通図柄の変動を停止する。次いで、第四普通図柄が変動中でないことを示す「0」が第二変動フラグに記憶されて「OFF」となる(S285)。
次いで、S268で行われた第四普通当たり判定の結果が第四普通当たりであるかが判断される(S286)。第四普通当たり判定の結果がはずれの場合(S286:NO)、処理はメイン処理へ戻る。第四普通当たり判定の結果が第四普通当たりの場合(S286:YES)、第四電チュー15を開放させるための第四電チュー開放コマンドが生成され(S287)、RAM52に記憶される。第四電チュー開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図18参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第四電チュー開放コマンドを受信した第四電チューソレノイド67は、第四電チュー15の開閉部材151を開放させる。次いで、第四開放時間が、第四開放時間カウンタに記憶される(S288)。次いで、第四開放フラグに「1」が記憶されて「ON」とされ(S289)、処理はメイン処理へ戻る。
図23を参照して、第四普通電動役物処理(S19、図18参照)の詳細について説明する。第四普通電動役物処理が開始されると、第四電チュー15が開放中であるかが判断される(S291)。第四開放フラグが「OFF」であれば、第四電チュー15が閉鎖中であるので(S291:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、第四開放フラグが「ON」であれば、第四電チュー15が開放中であるので(S291:YES)、第四電チュー15へ入賞した遊技球の処理、及び第四電チュー15を閉鎖するための処理が行われる。まず、第四開放時間が経過したかが判断される(S292)。S272(図25参照)でセットされた第四開放時間カウンタの値が「0」でなければ、第四開放時間は未だ経過していないとして(S292:NO)、第四電チュー15へ遊技球が入賞したかが判断される(S293)。第四電チュースイッチ74に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第四電チュー15へ遊技球が入賞していないと判断されて(S293:NO)、処理はS296の判断へ移行する。
第四電チュースイッチ74に対応するフラグが「ON」となっている場合、第四電チュー15へ遊技球が入賞したと判断される(S293:YES)。このため、第四電チュー15へ入賞した遊技球の個数である第四入賞球数を計数するRAM52の第四入賞球数カウンタに「1」が加算される(S295)。次いで、第四入賞球数が「4」以上であるかが判断される(S296)。第四入賞球数が「4」未満であれば(S296:NO)、継続して第四電チュー15が開放されるので、処理はメイン処理へ戻る。
また、第四入賞球数が「4」以上の場合(S296:YES)、又は第四開放時間が経過した場合(S292:YES)、第四電チュー15を閉鎖するための第四電チュー閉鎖コマンドが生成され(S298)、RAM52に記憶される。第四電チュー閉鎖コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図18参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第四電チュー開放コマンドを受信した第四電チューソレノイド67は、第四電チュー15の開閉部材151を閉鎖させる。次いで、第四開放フラグに「0」が記憶されて「OFF」となり(S299)、処理はメイン処理へ戻る。
以上説明したように、パチンコ機1では、遊技球が第一図柄作動ゲート11を通過することに起因して第一普通当たり判定が行われ、第一普通当たりであると判定されれば、第一電チュー12が第一パターンP1又は第二パターンP2のいずれかの電チュー開放パターンで開放する。第一電チュー12へ入賞した遊技球が第一通過領域232を通過することで第一非電動役物16が開放した場合には、第一非電動役物16へ遊技球が入賞可能になる。第一非電動役物16は、第二普通図柄の作動口であるので、第一非電動役物16へ遊技球が入賞することに起因して第二普通当たり判定が行われ、第二普通当たりであると判定されれば、その後に第二電チュー13及び第三電チュー14が連動する。一方、第一電チュー12へ入賞した遊技球が第二通過領域233を通過することで第二非電動役物17が開放した場合には、第二非電動役物17へ遊技球が入賞可能になる。第二非電動役物17は、第四普通図柄の作動口であるので、第二非電動役物17へ遊技球が入賞することに起因して第四普通当たり判定が行われ、第四普通当たりであると判定されれば、その後に第四電チュー15が開放する。第四電チュー15も第二普通図柄の作動口であるので、第四電チュー15へ遊技球が入賞することに起因して第二普通当たり判定が行われ、第二普通当たりであると判定されれば、その後に第二電チュー13及び第三電チュー14が連動する。このように、遊技球が第一図柄作動ゲート11を通過することに起因して第一普通当たり遊技が行われた場合、第一非電動役物16、第二非電動役物17、第二電チュー13、第三電チュー14及び第四電チュー15の連続作動による大当たり遊技の態様が、複数通りになる。さらに、第三電チュー14へ入賞した遊技球が第三通過領域332を通過することで第三非電動役物18が開放する。第三電チュー14へ入賞した遊技球が第四通過領域333を通過することで、第四非電動役物19が開放する。すなわち、第三電チュー14へ遊技球が入賞した後の非電動役物の作動の態様も、複数通りとなる。したがって、パチンコ機1は、大当たり遊技における電チュー、非電動役物の作動態様に、従来にない変化を与えることができる。
パチンコ機1において、第四非電動役物19の単位賞球数は、第三非電動役物18の単位賞球数よりも多い。このため、第三電チュー14へ遊技球が入賞することに起因して第四非電動役物19が開放され、開放された第四非電動役物19へ遊技球が入賞した場合、第三非電動役物18が開放され、開放された第三非電動役物18へ遊技球が入賞した場合よりも、払い出される賞球数が多くなる。すなわち、遊技球が第三非電動役物18と第四非電動役物19とのいずれに入賞するかに応じて、第三普通当たり遊技に基づく合計期待賞球数に変化が生ずる。第三普通当たり遊技は、第一普通当たり遊技及び第二普通当たり遊技が行われた後に行われる。したがって、パチンコ機1は、大当たり遊技の終盤にも、遊技利益の大小を変化させて、遊技者に大当たり遊技の経過を注目させることができる。
パチンコ機1では、第二普通当たり確率が100%であり、第四普通当たり確率が70%である。第一非電動役物16は第二普通図柄の作動口であり、第二非電動役物17は第四普通図柄の作動口である。よって、パチンコ機1は、第一電チュー12へ遊技球が入賞した後に、第一非電動役物16と第二非電動役物17とのいずれが開放するかについて、遊技者に注目させることができる。また、第一電チュー12へ遊技球が入賞したことに伴い、第二非電動役物17が開放し、開放された第二非電動役物17へ遊技球が入賞することを契機として第四普通当たり判定が行われた場合、第四普通当たり又ははずれのいずれかの判定結果が得られる。判定結果が第四普通当たりである場合には、第四電チュー15が開放されるため、パチンコ機1は、第二非電動役物17へ遊技球が入賞した場合に、その後に第四普通当たり遊技が行われるか否かにも、遊技者を注目させることができる。したがって、パチンコ機1は、大当たり遊技に対する遊技者の興趣を向上できる。
本実施形態において、第一図柄作動ゲート11が、本発明の「通過口」に相当する。第一電チュー12が、本発明の「第一作動入賞口」に相当する。図20のS93でP1開放コマンドを、S95でP2開放コマンドを、それぞれ生成する主基板41のCPU51が、本発明の「第一作動制御手段」として機能する。第一通過領域232が、本発明の「第一領域」に相当する。第二通過領域233が、本発明の「第二領域」に相当する。第一非電動役物16が、本発明の「第一入賞口」に相当する。第二非電動役物17が、本発明の「第二入賞口」に相当する。第二電チュー13が、本発明の「第二作動入賞口」に相当する。第三電チュー14が、本発明の「第三作動入賞口」に相当する。第四電チュー15が、本発明の「第四作動入賞口」に相当する。図21のS141で第二電チュー開放コマンドを生成する主基板41のCPU51が、本発明の「第二作動制御手段」として機能する。図24のS233でP3開放コマンドを、S236でP4開放コマンドを、それぞれ生成する主基板41のCPU51が、本発明の「第三作動制御手段」として機能する。図25のS287で第四電チュー開放コマンドを生成する主基板41のCPU51が、本発明の「第四作動制御手段」として機能する。第三通過領域332が、本発明の「第三領域」に相当する。第四通過領域333が、本発明の「第四領域」に相当する。第三非電動役物18が、本発明の「第三入賞口」に相当する。第四非電動役物19が、本発明の「第四入賞口」に相当する。賞球払出装置49が、本発明の「付与手段」に相当する。
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能である。上記実施形態において、第四非電動役物19が、第四普通図柄の作動口として機能してもよい。第四非電動役物19を第四普通図柄の作動口として機能させるため、図25に示す第四普通図柄処理において、第二非電動役物17へ遊技球が入賞していないと判断された場合に(S251:NO)、第四非電動役物19へ遊技球が入賞したかを判断する処理が設けられてもよい。この場合、第三普通当たりにおいて開放された第三電チュー14へ遊技球が入賞することに起因して第四非電動役物19が開放され、開放された第四非電動役物19へ遊技球が入賞すると、第四普通当たり判定が行われる(S268)。この第四普通当たり判定によって第四普通当たりであると判定されると、第四電チュー15が開放される。第四電チュー15は第二普通図柄の作動口であるので、第四電チュー15へ遊技球が入賞することに起因して第二普通当たり判定が行われ、第二普通当たりであると判定されれば、その後に第二電チュー13及び第三電チュー14が連動する。この場合、大当たり遊技における電チュー及び非電動役物の開放態様がさらに多様化する。第四非電動役物19へ遊技球が入賞することを契機として第四普通当たり判定を実行する主基板41のCPU51が、本発明の「第五作動制御手段」として機能する。
また、第四非電動役物19は、第一普通図柄の作動口、第二普通図柄の作動口又は第三普通図柄の作動口として機能してもよい。この場合、第三電チュー14へ遊技球が入賞することに起因して第四非電動役物19が開放され、開放された第四非電動役物19へ遊技球が入賞すると、第一普通当たり判定、第二普通当たり判定又は第三普通当たり判定が行われる。第一普通当たり判定、第二普通当たり判定又は第三普通当たり判定によって当たりであると判定されれば、その後に再び電チュー及び非電動役物が開放する。したがって、パチンコ機1は、大当たり遊技における電チュー及び非電動役物の作動態様をさらに多様化できる。
第一図柄作動ゲート11に替えて、第一図柄の作動口として機能する入賞口が設けられてもよい。この場合、第一図柄の作動口として機能する入賞口が、本発明の「通過口」に相当する。
上記実施形態では、第一パターンP1で第一普通当たり遊技が行われた場合、第一非電動役物16にのみ遊技球が入賞でき、第二パターンP2で第一普通当たり遊技が行われた場合、第一非電動役物16と第二非電動役物17との双方に遊技球が入賞できる。この他、第一普通当たり遊技の電チュー開放パターンとして、第一非電動役物16にのみ遊技球が入賞可能な電チュー開放パターンと、第二非電動役物17にのみ遊技球が入賞可能な電チュー開放パターンとが設けられていてもよい。
上記の構成において、第一普通図柄、第二普通図柄が設けられていなくてもよい。すなわち、第一図柄作動ゲート11へ遊技球が入賞することを契機として、第一普通図柄が変動せず、所定の第一普通当たり確率で第一電チュー12が開放してもよい。この場合、報知演出が行われなくてもよい。
第一普通当たりにおける電チュー開放パターンとして、上記実施形態の第一パターンP1のみが設けられていてもよい。また、上記実施形態に加えて、第一普通当たり遊技において開放した第一電チュー12へ遊技球が入賞した場合、実質的に第二非電動役物17のみが開放され第一非電動役物16が開放されない電チュー開放パターンと、第一振分シャッタ動作パターンR1との組合せが設けられていてもよい。また、このような電チュー開放パターンと、上記実施形態の第一パターンP1とが設けられ、第二パターンP2が設けられなくてもよい。パチンコ機1は、電チュー開放パターンの組合せを変化させることで、大当たり遊技を多様化できる。
第一パターンP1と第一振分シャッタ動作パターンR1との組合せでは、第一普通当たり遊技の前半に第一電チュー12へ入賞した遊技球が主に第一振分流路23の第一通過領域232を通過し、第一普通当たり遊技の後半に第一電チュー12へ入賞した遊技球が主に第一振分流路23の第二通過領域233を通過する。この他、第一普通当たり遊技の前半に第一電チュー12へ入賞した遊技球が主に第二通過領域233を通過し、第一普通当たり遊技の後半に第一電チュー12へ入賞した遊技球が主に第一通過領域232を通過するように構成されていてもよい。
各電チュー開放パターンにおいて第一電チュー12及び第三電チュー14が開放される回数は、上記実施形態に限らず、任意の回数が設定されてもよい。例えば、第三パターンP3において第三電チュー14が開放される回数と、第四パターンP4において第三電チュー14が開放される回数とが、同じ回数であってもよい。例えば、第三パターンP3において第三電チュー14が開放される回数が、第四パターンP4において第三電チューが開放される回数よりも多くてもよい。上記実施形態では、第三非電動役物18の単位賞球数よりも、第四非電動役物19の単位賞球数の方が大きく、第三閉鎖入賞数よりも第四閉鎖入賞数の方が大きい。第三電チュー14の開放回数が、第三パターンP3よりも第四パターンP4の方が多い場合、第三パターンP3での第三普通当たり遊技の合計期待賞球数と、第四パターンP4での第三普通当たり遊技の合計期待賞球数との差が、上記実施形態よりも大きくなる。この場合、第三普通当たり遊技が第四パターンP4で行われる場合の遊技利益は、第三普通当たり遊技が第三パターンP3で行われる場合の遊技利益に比べて、より大きくなる。また、大当たり遊技における電チュー及び非電動役物の開放態様の変化が、異なる電チュー開放パターンが設けられることに応じて大きくなる。
第三電チュー14の電チュー開放パターンとして、第三電チュー14へ入賞した遊技球が、第三通過領域332と第四通過領域333との双方を通過するものが設けられていてもよい。
例えば、第三非電動役物18の単位賞球数と第四非電動役物19の単位賞球数とが同じであり、且つ、第三閉鎖入賞数と第四閉鎖入賞数とが同じであってもよい。この場合であっても、第三パターンP3における第三電チュー14の開放回数と、第四パターンP4における第三電チュー14の開放回数を異なる回数に設定されていれば、第三普通当たり遊技が第三パターンP3で行われる場合と第四パターンP4で行われる場合とで、合計期待賞球数が異なる。この場合、大当たり遊技における電チュー及び非電動役物の作動態様及び遊技利益に変化が生ずる。
請求項、明細書及び図面に記載される全ての要素(例えば、第一作動入賞口、第一領域、第二領域等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、前記要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「第一作動入賞口」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、何れも当業者であれば容易に考えられる事項であり、敢えて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、特許請求の範囲等においてそれらを明確に除外している旨の記載がない限りは、それら全てについて本発明に係る権利範囲に含まれることは言うまでもない。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を、本実施例に記載がなされていないことを理由に遊技機に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはあたらない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。