以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
図1は、遊技盤1の正面図である。図1に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が、第1遊技領域3aと第2遊技領域3bとに分けられており、ほぼ中央部に配置されたセンターケース5の左側が第1遊技領域3a(本発明の第1遊技領域に相当)、右側が第2遊技領域3b(本発明の第2遊技領域に相当)となる。遊技球が所定の発射強度未満で発射された場合に到達するのが第1遊技領域3aとなり、所定の発射強度以上で発射された場合に到達するのが第2遊技領域3bとなる。従って、図に示したA部まで到達した遊技球は、第2遊技領域3b(センターケース5の右側)に至り、Aに到達しない遊技球が第1遊技領域3a(センターケース5の左側)を流下することになる。また、この第1遊技領域3a,第2遊技領域3bには複数の遊技釘が植設されている。
センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり本発明の演出図柄表示装置に相当)の画面を臨ませる窓等を備えている。センターケースの直下には、常時入球率が変化しない第1始動口A11(本発明の第1の第1始動口に相当)が設置されている。この第1始動口A11には、センターケース5の形状と遊技釘の配列によって、第1遊技領域3aを流下した遊技球のみが入球可能となっている。センターケース5に向かって右側方には、普通図柄作動ゲート17(本発明の普図始動口に相当)が設置され、普通図柄作動ゲート17の下には、センターケース5右側面と一体化し片羽根が開閉動作を行う大入賞口14が設置されている。
大入賞口14の下には、内部に作動領域振分部101を備えた普通電動役物100(本発明の可変入賞装置に相当)が設置され、普通電動役物100に入賞した遊技球は、作動領域振分部101内の振分装置102(本発明の振分手段に相当)によって第1作動領域103と第2作業領域104とに交互に誘導される。この作動領域振分部101の詳細な構成及び作用については図2を用いて後述する。
作動領域振分部101の左下には、普通電動役物100内の第1作動領域103への入球によって作動する第2種非電動役物により、閉鎖状態から開放状態に作動する第1機械式チューリップ役物105(本発明の第1非電動役物に相当)が設置され、この第1機械式チューリップ役物105は第1始動口B106(本発明の第2の第1始動口に相当)となる。
第1機械式チューリップ役物105の左下には、普通電動役物100内の第2作動領域104への入球によって作動する第2種非電動役物により、閉鎖状態から開放状態に作動する第2機械式チューリップ役物107(本発明の第2非電動役物に相当)が設置され、この第2機械式チューリップ役物107は第2始動口108(本発明の第2始動口に相当)となる。
第1始動口A11の左方には、常時入球率の変化しない3個の普通入賞口31,32,33が設置されている。遊技領域3の右下には、第1始動口A11、第1始動口B106への入球に起因して変動する第1特別図柄(第1特図、とも呼称する)を表示する7セグメントの第1特図表示装置9と、第2始動口108への入球に起因して変動する第2特別図柄(第2特図、とも呼称する)を表示する7セグメントの第2特図表示装置10と、第1始動口A11、第1始動口B106への入球に起因して記憶される第1保留記憶(本発明の第1保留記憶に相当)の数を表示する4個のLEDからなる第1特図保留数表示装置18と、第2始動口108への入球に起因して記憶される第2保留記憶(本発明の第2保留記憶に相当)の数を表示する4個のLEDからなる第2特図保留数表示装置19と、2個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、4個のLEDからなる普図保留数表示装置8が設置されている。この位置に各種表示装置を配置したことにより、遊技者が表示内容を確実に視認することは困難となり、遊技中の遊技者はセンターケース5の窓部にあたる演出図柄表示装置6の表示内容(特図の変動に対応した擬似図柄の演出態様を表示)に注目して遊技を行う。
上記のように遊技盤1を構成することによって、第1遊技領域3aに遊技球を流下させた場合に限り遊技球が第1始動口A11へ入球(第1始動口Aスイッチ11a(図3参照)が遊技球を検出)し、第1特別図柄表示装置9において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。第2遊技領域3bに遊技球を流下させると、普通図柄作動ゲート17に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ17a(図3参照)が遊技球を検出)し、普通図柄表示装置7で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、後述する普電役物ソレノイド100b(図3参照)を駆動させる。
普電役物ソレノイド100bの駆動により普通電動役物100が作動し、該普通電動役物100に入球した遊技球が作動領域振分部101に進入すると、進入した遊技球が後述する振分部材34によって第1作動領域13、若しくは第2作動領域104に誘導される。遊技球が第1作動領域103に誘導されると、誘導された遊技球の自重により第2種非電動役物が作動して第1機械式チューリップ役物105の羽根部材が開放状態に変化し、第1始動口B106への入球(第1始動口Bスイッチ106a(図3参照)の検出)が可能となる。振分部材34によって遊技球が第2作動領域104に誘導されると、誘導された遊技球の自重により第2種非電動役物が作動し第2機械式チューリップ役物107の羽根部材が開放状態に変化し、第2始動口108への入球(第2始動口スイッチ108a(図3参照)の検出)が可能となるように構成されている。
第1始動口B106に遊技球が入球(第1始動口Bスイッチ106a(図3参照)が遊技球を検出)すると、第1特別図柄表示装置9において第1特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止し、第2始動口108に遊技球が入球(第2始動口スイッチ108a(図3参照)が遊技球を検出)すると、第2特別図柄表示装置10において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
第1特図及び第2特図の変動中は、演出図柄表示装置6において各々の特別図柄の変動に対応した演出態様を表示する。また、第1特図と第2特図は、同時に変動することはなく、第1始動口A11、第1始動口B106、又は第2始動口12との区別に拘わらず、始動口への入球順に従って保留記憶の当否判定を行う構成となっており、第1始動口(A,B)と第2始動口とへの入球順に応じて特別図柄が順番に変動表示を実施する。
第1特図及び第2特図の確定表示した態様に応じて、後述する大入賞口ソレノイド14b(図3参照)が駆動する。大入賞口ソレノイド14bが駆動すると、ほぼ同期して大入賞口14の片羽根部材が開放し、大入賞口14への遊技球の入球(カウントスイッチ14a(図3参照)が遊技球を検出)が可能となるように構成されている。
次に、図2を用いて作動領域振分部101の構成について説明する。図2は、作動領域振分部101の構成を説明するための概略正面図であって、内部構造が判り易いように、前方手前側から所定位置にて切断した断面図となっている。
作動領域振分部101は、遊技盤1の表側面に該作動領域振分部101を取り付けるための取付基板101bと、該取付基板101bの前方に図示断面異型状で且つ内部に遊技球の振分け可能な空間が形成されたハウジングとしてなるハウジング部材101cと、で構成される。
取付基板101bは、皿ビスを前方から挿入して遊技盤1に螺着可能な4箇所のビス孔が穿設されてなる。なお、図2に示すハウジング部材101cは、上述したように内部構成が判り易い状態で図示するため、ハウジング部材101cの最も前方の位置に設けられて遊技球が外部へ流出することを防止するハウジング蓋体(図示しない)を、便宜上、取り外した状態で図示している。ハウジング部材101cの上部には、普通電動役物100に入球した遊技球が進入可能に上方に向かって入球口101aが開設されている。
また、ハウジング部材101cの下部両側にはそれぞれ、左に第1作動領域103と右に第2作動領域104aが配設され、第1作動領域103に遊技球が入球すると、入球した遊技球の自重により、図示しない第1機械式チューリップ役物105の連結棒1を押圧して閉鎖状態のロックが外れ、第1機械式チューリップ役物105の左羽根部材と右羽根部材とが開放状態に変位する。同様に、第2作動領域104に遊技球が入球すると、入球した遊技球の自重により、図示しない第2機械式チューリップ役物107の連結棒2を押圧して閉鎖状態のロックが外れ、第2機械式チューリップ役物107(第2始動口108)の左羽根部材と右羽根部材とが開放状態に変位する。
ハウジング部材101cの略中央には、左右対称な前方視断面錨状に形成され且つ中央の支軸34aにて左右に揺動(回動)可能に枢設されてなる振分部材34(本発明の振分手段に相当)を備える。振分部材34の直下位置には、振分部材34が時計回りに所定角度だけ揺動した位置で、振分部材34の右側下部が当接することで振分部材34の時計回りの揺動を停止させ、且つ、振分部材34が反時計回りに所定角度だけ揺動した位置で、振分部材34の左側下部が当接することで振分部材34の反時計回りの揺動を停止させるストッパー部材101dが、前方視断面二等辺三角形状で前方に突出して形成されている。
なお、振分部材34は、時計回りに揺動してストッパー部材101dに当接した場合(図2(e))、自重によって該姿勢を維持して半時計回りに逆回転しないように構成されている。そして、当該姿勢において、上方の入球口101aから遊技球が入球すると、落下してきた遊技球を振分部材34の左上部の凹部にて受け止めることで(図2(a))、重心位置が変化して、反時計方向に揺動してそれ以上の揺動をストッパー部材101dにて停止されて(図2(b))、再度自重により当該姿勢を維持するように構成されている。
この際、振分部材34は、先に受け止めた遊技球を、左下方の第1作動領域103に向けて振分け可能に構成される。同様に、振分部材34は、遊技球を右下方に位置する第2作動領域104に向けて振分け可能に構成される。このように、作動領域振分部101は、入球口101aから遊技球が入球する都度、該遊技球を第1作動領域103と第2作動領域104に交互に且つ1個ずつ振分けることが可能に構成されている。
続いて、図3に本実施例におけるパチンコ機の電気配線を示すブロック図を示し説明する。図3には煩雑になる電源の供給系統に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には、電源装置(図示せず)から直接的又は間接的に供給される構成となっている。
パチンコ機の電気的構成は、図3のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80(本発明の主制御装置に相当)、払出制御装置81、演出図柄制御装置82(本発明の演出制御装置に相当)、サブ統合制御装置83(本発明の演出制御装置に相当)のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口A11に入球した遊技球を検出する第1始動口Aスイッチ11a、第1始動口B106(第1機械式チューリップ役物105)に入球した遊技球を検出する第1始動口Bスイッチ106a、第2始動口108(第2機械式チューリップ役物107)に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ108a、普通図柄作動ゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、普通入賞口31,32,33に入球した遊技球を検出する普通入賞口スイッチ31a等の検出信号が遊技盤中継端子板74を介して入力される。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図3では普電役物と表記)100bを制御することで普通電動役物100の開閉を制御する。主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールコンピュータに送られる。
払出制御装置81は、主制御装置80と双方向通信が可能に構成され、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を駆動させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してCRユニット24(プリペイドカードユニット)と交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。なお本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。尚、払出制御装置81と発射制御装置84とは払出制御装置81から発射制御装置84への一方向通信回路として構成されている。
サブ統合制御装置83は、CPU、ROM、RAM等の電気部品を備え、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が主制御装置80からの入力及び遊技ボタン67の入力に基づいて生成したものとがある)に基づく制御を行い、擬似図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。尚、サブ統合制御装置83と主制御装置80とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置80からサブ統合制御装置83への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とはサブ統合制御装置83から演出図柄制御装置82への一方向通信回路として構成されている。
サブ統合制御装置83には、音量調節83a、遊技者が操作可能な遊技ボタンの操作を検出する遊技ボタンスイッチ67aなどの操作信号が入力される。そしてサブ統合制御装置83は、スピーカ66を駆動して音声を出力することや、各種LEDや各種ランプ26の点灯、消灯等を制御する。更に演出図柄制御装置82へキャラクタなどを表示する擬似演出や特図の擬似図柄の表示態様を指示するコマンドを送信する。演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から送られてくるコマンドに応じて演出図柄表示装置6のLCDパネルの表示を制御する。
次に、本実施形態におけるパチンコ機の大当り確率等の各種設定内容を図4の図表を用いて説明する。尚、本実施形態におけるパチンコ機は確率変動機として構成されている。本実施形態のパチンコ機による遊技は、大入賞口14を閉鎖した遊技と大入賞口14を開放する大当たり遊技とに大別され、大入賞口14を閉鎖した遊技には、大きく分類して、大当り確率が1/300の通常確率状態(以下、通常状態)と、該通常状態に比べて遊技者にとって有利な状態(大当りとなる確率が高く、大当りし易い)となる大当り確率が1/50の確変状態 (以下、高確率状態とも記載)とが存在する。
また、特別図柄及び普通図柄の変動時間(変動開始から結果が表示されるまでの時間)が短縮される時短状態と、該時短状態になると作動する普通電動役物100の開放延長機能を備えている(本発明の開放延長手段に相当)。具体的には、特別図柄の変動時間が短縮されることで、単位時間当たりの当否判定回数が増加するとともに、普通図柄表示装置7に表示される普通図柄の時間短縮も行われ、この普通図柄の変動表示を短縮させることで、一定時間内で普通図柄の確定表示を多数回行う。従って、一定時間内での普通図柄が当りとなる回数が増大し、これにより普通電動役物100の作動回数も増大する。また、時短状態では開放延長機能が作動するため普通電動役物の開放回数が多くなり(開放時間が長くなり)、普通電動役物100への遊技球の入球が容易となる(通常時0.2秒1回、開放延長時0.2秒3回)。このように遊技球の入球が容易となることにより、特別図柄の変動表示回数が更に増大されるとともに、普通電動役物100への入球で得る賞球により、遊技者の持ち玉が減り難くなり、有利な遊技を行うことができる。
上記した遊技状態(確変状態、時短状態(開放延長状態))への移行は、大当りする特別図柄の種類と大当り図柄に基づいて大当り遊技終了後に行われる。具体的には、第1特図が大当りした場合は、大当り図柄の種類に拘わらず、大入賞口14が8ラウンドの動作を行う大当り遊技を行い、該大当り遊技終了後は、次回の大当りが生起するまで確変状態及び時短状態に移行する。従って、第1特図が大当りすれば、次回の大当りが生起するまでは、100%の確率で遊技者に最も有利な確変状態及び時短状態(開放延長状態)を継続する(詳しくは特図が10000回変動するまで)。
第2特図が大当りした場合は、大当り図柄の種類に拘わらず大入賞口14が15ラウンドの動作を行う大当り遊技を行うが、全10種類の大当り図柄の内、2種類の確変図柄で大当りすると、該大当り遊技終了後は確変状態及び時短状態に移行し、次回の大当りが生起するまで継続する(詳しくは特図が10000回変動するまで)。全10種類の大当り図柄の内、8種類の通常図柄で大当りすると、該大当り遊技終了後は、確変状態には移行せず通常状態となり、特別図柄が100回の変動を行うまで時短状態に移行する。従って、第2特図が確変図柄で大当りすれば、次回の大当りが生起するまで遊技者に最も有利な確変状態及び時短状態(開放延長状態)を継続するが、通常図柄で大当りした場合は、確変状態には移行せず、時短状態(開放延長状態)のみには移行するが特別図柄が100回変動すると時短状態(開放延長状態)は終了する(本発明の「前記第2特別図柄が大当りした場合よりも前記第1特別図柄が大当りした場合の方が前記開放延長手段を高確率で実施する」の構成に相当)。
従って、通常状態から大当りすれば、8ラウンドの大当り遊技だが、必ず確変及び時短状態に移行し、確変及び時短状態中に第2特図が大当りすれば15ラウンドの大当り遊技が行われるが、確変及び時短状態へ移行するのは20%の確率となる。これにより、遊技者が有利な遊技状態の継続を優先するならば第1特図の大当りを期待し、より多くの大当り出玉を優先するならば第2特図の大当りを期待することになる。
なお、この設定に限るわけではなく、第1特図の大当りで15ラウンドの大当り遊技を行ってもよいし、第2特図の大当りで8ラウンドとしてもよいし、どちらの特別図柄が大当りした場合でも一律の大当り遊技を行ってもよい。また、確変及び時短状態への移行確率を第1特図と第2特図とで同じとし、大当り遊技のラウンド数が異なるだけの構成としてもよいし、確変及び時短状態を次回の大当り遊技までとはせず、特別図柄の変動回数で規定してもよい。
また、第1特図と第2特図の確変付与率を異ならせる方法としては確変口を用いることが考えられる。大入賞口内に確変口を備え、大当り遊技中に入賞することにより、大当り遊技後に確変を付与する構成で、第2特図で通常状態を付与する80%の大当り遊技では、確変口へ入球困難な開放パターンでラウンド遊技をすることにより確変が付与されない状況を作り出すことが考えられる。
作動領域振分部101内の第1作動用域103への遊技球の入球に応じて第1機械式チューリップ役物105が開放状態となった場合は、2個の遊技球が入球すると開放状態から閉鎖状態に変位し(元に戻り)、同様に、第2作動用域104への遊技球の入球に応じて第2機械式チューリップ役物107が開放状態となった場合も、2個の遊技球が入球すると開放状態から閉鎖状態に変位する(元に戻る)。
次に、作動の詳細を主制御装置80で実行されるプログラム処理に基づいて説明する。図5は主制御装置80が実行する「メインルーチン」のフローチャートを示す。「メインルーチン」はマイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、ほとんどが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
S10が否定判定、即ち、正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば、前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(初期乱数更新処理(S80))に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理(S20)、大当り決定用乱数更新処理(S25)、大当り図柄決定用乱数1更新処理(S30)、大当り図柄決定用乱数2更新処理(S35)、小当り図柄判定用乱数更新処理(S40)、当り決定用乱数更新処理(S45)、リーチ判定用乱数更新処理(S50)、変動パターン決定用乱数更新処理(S55)が行われる。
続く入賞確認処理(S60)では、第1始動口A11、第1始動口B106、第2始動口108への入賞、及び普通図柄作動ゲート17への入球、及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。続いて、当否判定処理(S65)、画像出力処理等の各出力処理(S70)、不正監視処理(S75)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S80)をループ処理する。
次に図6に示したフローチャートを用いて、主制御装置80が実行する始動入賞処理を説明する。始動入賞処理は、第1始動口A11、第1始動口B106、第2始動口108に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに取得する当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置80に格納(記憶)する処理(本発明の第1保留記憶手段、第2保留記憶手段に相当)となる。また本処理では、記憶した乱数が予め設定された値か否かを、後述する当否判定処理を実施する以前に判定する先読判定処理(先読判定手段)を行う。
また、始動入賞処理では、第1始動口A11、第1始動口B106、第2始動口108への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理を行う。以後、第1始動口A11、第1始動口B106、に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶(本処理の第1保留記憶に相当)、第2始動口108に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶(本処理の第2保留記憶に相当)、普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。
また、本実施形態においては、普通図柄保留数表示装置8、第1特図保留数表示装置18、第2特図保留数表示装置19による各々の点灯数の最大個数、即ち、最大保留記憶数は4個となっているが、これに限るわけではなく、例えばそれぞれの最大記憶個数が8個であってもよい。また、それぞれの保留記憶数が0であっても、第1始動口A11、第1始動口B106、第2始動口108に遊技球が入賞したとき、又は普通図柄作動ゲート17に遊技球が入球したときに取得される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に主制御装置80に格納される。
本処理を開始すると、第1始動口Aスイッチ11aが遊技球を検出したか否か判定する(S100)。否定判定なら(S100:no)S130に進み、肯定判定なら(S100:yes)、主制御装置80に格納されている第1保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S105)。否定判定なら(S105:no)S130に進み、肯定判定であれば(S105:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第1保留記憶として記憶し、第1保留記憶の数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する(S110)。
S110に続いては、記憶した第1保留記憶の先読判定を行う(S115)(先読判定手段)。具体的には、大当り判定用乱数の値が大当りを生起させる値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、小当りを生起する値か否かを確認し、ハズレならリーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。上記判定を行うことによって、保留記憶した乱数が、遊技者が大当りの期待が持てる特定の値か否か(はずれでも大当りを期待させる演出が可能か否か)を確認する。
なお、本実施例では、先読判定として図柄情報、変動パターン情報を判定する構成としたが、いずれかのみを判定しても良い。また、当否だけを判定する構成でも良い。当否だけならば情報としては軽いため保留数指示コマンドに当否の情報を含めて送信する構成も可能となる。
また、ハズレ図柄を複数備え、選択されたハズレ図柄によって変動内容を指定する構成も考えられる。この場合、ハズレ図柄によりリーチ演出を行うか否か、特定の演出を行うか否かを指定することができるようになるため、図柄を判定するだけで当選したか否か、ハズレの場合でもリーチ演出するのか否かなどが判明するため、それに応じて先読み演出することが可能となる。
続いて、S115の判定結果に基づいて第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置83に送信し(S120)(先読判定結果送信手段)、S110で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S125)。なお、先読み判定内容次第では先読判定コマンドと保留数指示コマンドとを統合して送信する構成としてもよい。
S125の処理、又はS100、S105の否定判定(S100:no、S105:no)に続いては、第1始動口Bスイッチ106aの検出に基づいて、上述したS100からS125と同様の処理(S130からS155)を行い、続いて、第2始動口スイッチ108aの検出に基づいて上述したS100からS125と同様の処理(S160からS185)を行う。
続いて、普通図柄作動スイッチ17aが遊技球を検出したか否か判定する(S190)。否定判定なら(S190:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S190:yes)、主制御装置80に格納されている普図保留記憶数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S195)。否定判定なら(S195:no)リターンに抜け、肯定判定であれば(S195:yes)、抽出した当り判定用乱数と当り図柄決定用乱数とを普図保留記憶として記憶し、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算し(S200)、加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S205)、リターンする。
サブ統合制御装置83は第1及び第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置6上で表示する保留図柄の数を変化させる指示信号を演出図柄制御装置82に送信する(本発明の保留図柄表示手段に相当)。また、本実施例では、演出図柄表示装置6上では普通図柄の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよいし、普図保留記憶数指示コマンド自体を送信しない構成としてもよい。
また、普図の保留記憶数表示をする場合は、普図の先読み判定を備えて先読み演出することも考えられる。例えば普図の当りとして比較して開放時間の長い当り遊技と短い当り遊技を備え、長い当り遊技が行なわれる当りがある場合に保留図柄を変化させて長い当りを期待させることができる。
次に、図7から図9に示したフローチャートを用いて主制御装置80が実行する当否判定処理を説明する。本処理は、第1保留記憶と第2保留記憶の当否判定及び該当否判定の結果に応じた第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示時間選択、確定図柄選択、大当り遊技の内容設定、大当り遊技終了後の遊技状態設定を行う処理となる。従って本処理は、本発明の開放延長手段の一部を含む処理となる。
本処理を開始すると、条件装置が作動中、即ち大当り遊技中か否かを判定し(S300)、肯定判定なら(S300:yes)、リターンし、大当り遊技中でなければ(S300:no)、第1又は第2特図が変動中か否かを判定し(S305)、変動中でなければ(305:no)、第1又は第2特図の確定図柄表示中であるか否か判定し(S310)、確定表示中でなければ(S310:no)、保留記憶(第1保留記憶又は第2保留記憶)が有るか否か判定し(S320)、否定判定なら(S320:no)リターンする。
続いて、S320が肯定判定なら(S320:yes)、時短フラグが0か否か判定する(S325)。時短フラグは、主制御装置80が記憶する値であり、値が1なら特別図柄と普通図柄の変動時間が短縮され、尚且つ普通電動役物100の開放延長機能が作動する時短状態(開放延長状態)であることを、値が0なら通常状態(非時短状態、非開放延長状態)であることを判断する。S325が否定判定、即ち、時短状態及び開放延長状態なら(S325:no)、時短状態中の処理を行うが、時短状態では、当否判定結果に応じて選択する変動パターンの選択テーブルが異なるだけとなり従来技術と何ら変わらないため、説明は割愛する。
S325が肯定判定、即ち、通常状態なら(S325:yes)、保留記憶のシフト処理を行う(S330)。これにより最も古い(保留記憶されてから最も時間が経過している)第1又は第2保留記憶を当否判定の対象とするとともに、該当する保留記憶を示す保留記憶カウンタから1を減算する。
続く、大当り判定用乱数比較処理(S335)では、当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数値と予め設定された当否判定テーブルとを比較して、判定対象の乱数値が当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する。当否判定テーブルは通常確率(低確率1/300)用と高確率(1/50)用の2種類のテーブルが設定してあり、当否判定時の遊技状態が通常遊技(確変フラグ「0」)であれば通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率状態(確変フラグ「1」)であれば高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。
続くS340では、S335の結果が大当り(判定値と同一)であるか否か判定する。肯定判定なら(S340:yes)、図柄モード設定処理を行う(S345)。図柄モード設定処理では、判定対象となる第1又は第2保留記憶の大当り図柄決定用乱数1に基づいて、大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態(図4参照)を決定する図柄モードを設定する。
続いて、設定した図柄モードの種類と大当り図柄決定用乱数2に基づいて大当り図柄選択処理を行う(S350)。これは、図柄モードの設定によって決定した大当り遊技の種類を大当り図柄によって報知するために、図柄モードの種類毎に設定された図柄郡の中から確定表示する大当り図柄を決定する処理となる。
次にS345で設定した図柄モードに基づいてモードバッファ設定処理を行う(S355)。モードバッファは当否判定時に確定した大当り遊技終了後の遊技状態の内容を、該遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで記憶する装置である(大当り遊技中は遊技状態を設定する確変フラグ及び時短フラグをクリアする必要があるため)。モードバッファとしては、具体的な遊技内容(確変機能および開放延長機能(時短機能)の作動とその作動回数)は記憶せず、具体的な遊技内容に対応した値を記憶する構成となっている。
次に、S345で設定した図柄モードに基づいて大当り遊技の内容となる大入賞口の開放パターン設定処理を行い(S360)、当否判定の対象とした第1又は第2保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10、及び演出図柄表示装置6に表示する図柄の変動時間となる変動パターンを選択する変動パターン選択処理を行う(S365)。
続いて、選択した大当り図柄および変動パターンの情報を、変動指示コマンドとしてサブ統合制御装置83へ送信する(S370)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づいて、演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、第1又は第2特別図柄の大当り図柄及び変動パターンの情報に基づいた擬似図柄の演出変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S340が否定判定、即ちハズレなら(S340:no)、S335の比較処理の結果が小当りであるか否か判定し(S375)、肯定判定なら(S375:yes)、小当り図柄を選択し(S380)、続いて小当り遊技の開放パターン設定処理を行い(S360)、小当り図柄に対応する前述した変動パターン選択処理を行い(S365)、小当り図柄および変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置83へ送信する(S370)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、小当り図柄および変動パターンの情報に基づいた第1又は第2特図に対応した演出図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は、第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S375が否定判定なら(S375:no)、ハズレ図柄を選択し(S385)、続いてハズレ図柄に対応する変動パターン設定処理を行い(S365)、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置83へ送信する(S370)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に基づいた擬似図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
次に、S305が肯定判定、即ち、特別図柄の変動中であれば(S305:yes)、図8のフローチャートに進み、特別図柄の変動時間(S365で選択された変動パターンに基づく)が経過したか否か判定する(S400)。肯定判断なら(S400:yes)、確定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を制御してS350,S380又はS385で選択した確定図柄を確定表示させる(S405)。確定コマンドを受信したサブ統合制御装置83は演出図柄制御装置82に予め選択されていた擬似図柄を確定表示させる指示信号を送信し、演出図柄制御装置82は、その信号に応じて演出図柄表示装置6を制御して擬似図柄を確定表示させる。これにより、第1又は第2特別図柄と擬似図柄の変動の開始と終了が同じタイミングになる(同期する)。
S405に続いては、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10で確定表示させた第1又は第2特別図柄が大当り図柄か否か判定し(S410)、肯定判定なら(S410:yes)、確定図柄の表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S415)、確変フラグが1か否か判定し(S420)、肯定判定なら(S420:yes)、確変フラグに0をセットする(S425)。S425、又はS420の否定判定(S420:no)に続いては、時短フラグが1か否か判定し(S430)、肯定判定なら(S430:yes)、時短フラグに0をセットする(S435)。
S435、又はS430の否定判定(S430:no)に続いては、条件装置作動開始処理(S440)と、役物連続作動装置作動開始処理(S445)とを行うことで大当りを開始し、当り開始演出指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S450)。
一方、S410が否定判定、即ち、確定図柄が大当りでなければ(S410:no)、確定図柄の表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S460)、確変フラグが1か否か判定し(S465)、肯定判定なら(S465:yes)、確変カウンタからデクリメントし(S470)、確変カウンタが0か否か判定し(S475)、肯定判定なら(S475:yes)、確変フラグに0をセットする(S480)。
S480、又はS465,S475が否定判定なら(S465:no,S475:no)、時短フラグが1か否か判定し(S485)、肯定判定なら(S485:yes)、時短カウンタからデクリメントし(S490)、時短カウンタが0か否か判定し(S495)、肯定判定なら(S495:yes)、時短フラグに0をセットする(S500)。S465からS500によって、特別図柄が当否判定に応じた確定表示を行うごとに、高確率遊技状態と時短状態を規制する確変カウントと時短カウンタとが計数され、これらのカウンタが所定値に至ることで高確率状態及び時短状態が終了する。
続いて、S500、又はS485,S495が否定判定なら(S485:no,S495:no)、確定表示された特別図柄が小当り図柄か否かを判断し(S505)、肯定判定なら(S505:yes)、小当り遊技の作動開始を行う処理を行なう(S510)。S450,S510、又はS505の否定判定(S505:no)に続いては、遊技状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S455)リターンする。
図7に戻り、S310が肯定判定、即ち、確定図柄の表示中なら(S310:yes)、図9のフローチャートに進み、確定図柄表示時間が経過したか否か判定し(S550)、肯定判定なら(S550:yes)、確定図柄表示終了処理(S555)を行い、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を制御して特別図柄の確定表示を終了させ、サブ統合制御装置83に疑似図柄の確定表示を終了させる指示を行う。
次に、図10から図13を用いて、主制御装置80が実行する特別遊技処理を説明する。本処理は、図7のS370で設定された大入賞口14の開放パターンに基づいて、大入賞口14の開閉を制御する処理となり、本発明の開放延長手段を含む処理となる。
本処理を開始すると、大当りフラグに基づいて条件装置が未作動か否かを判定する(S600)。肯定判定、即ち、大当り中でなければ(S600:yes)、小当り遊技として大入賞口14が作動中か否かを判定する(S605)。S605が否定判定なら(S605:no)リターンし、肯定判定なら(S605:yes)、小当り開始インターバル中であるか否かを判定し(S610)、肯定判定なら(S610:yes)、小当り開始インターバル時間が経過したか否かを判定し(S615)、否定判定なら(S615:no)リターンし、肯定判定なら(S615:yes)、小当り遊技として第1大入賞口14を開放するとともに、サブ統合制御装置83に小当り演出指示コマンドを送信し(S620)リターンする。
S610が否定判定なら(S610:no)、小当り動作中か否かを判定し(S625)、肯定判定なら(S625:yes)、カウントスイッチ14aが遊技球を検出したか否か判定し(S630)、肯定判定なら(S630:yes)、当該小当り遊技時の大入賞口14への遊技球の入球数が9個未満か否か判定する(S635)。S630が否定判定(S630:no)、又はS635が肯定判定(S635:yes)なら、大入賞口14の小当り遊技の開放時間が経過したか否か判定し(S640)、否定判定なら(S640:no)リターンする。
S635が否定判定(S635:no)、又はS640が肯定判定(S640:yes)なら、小当り遊技を行う大入賞口14の閉鎖処理を行い(S645)、続いて小当り終了演出処理を行い(S650)リターンする。
S625が否定判定で小当り遊技中ではないなら(S625:no)、小当り終了演出の時間が経過したか否かを判定し(S655)、否定判定なら(S655:no)リターンし、肯定判定なら(S655:yes)、小当り遊技終了処理を行ない(S660)リターンに抜ける。
S600が否定判定、即ち大当りフラグが立っていれば(S600:no)、図11のフローチャートに進み、大入賞口14が閉鎖中か否か判定し(S700)、肯定判定なら(S700:yes)、大当り遊技の開始演出中か否か判定する(S705)。S705が肯定判定なら(S705:yes)、大当り遊技の開始演出時間が経過したか否かを判定し(S710)、否定判定なら(S710:no)リターンし、肯定判定なら(S710:yes)、大入賞口14の開放処理を行うとともに、サブ統合制御装置83に大入賞口開放演出を指示するコマンドを送信し(S715)リターンする。
S705が否定判定なら(S705:no)、即ち、大当り遊技の開始演出中ではないなら、ラウンド間インターバル中か否か判定し(S720)、否定判定なら(S720:no)、大当り遊技の終了演出中か否か判定し(S730)、否定判定なら(S730:no)、大当り開始演出処理を行いサブ統合制御装置83に大当り開始演出を指示するコマンドを送信し(S735)リターンする。
S735で主制御装置80がサブ統合制御装置83に大当り開始演出指示コマンドを送信すると、該コマンドを受信したサブ統合制御装置83は、パチンコ機に設けられたランプ、LEDを大当り遊技演出用に激しく発光させ、大当り遊技用の音をスピーカから出力させる。また、サブ統合制御装置83は、演出図柄制御装置82に信号を送信し、演出図柄表示装置6において大当り開始演出を表示させる。
S720が肯定判定、即ち、ラウンド間インターバル中なら(S720:yes)、インターバル時間が経過したか否か判定し(S725)、否定判定なら(S725:no)リターンし、肯定判定なら(S725:yes)、大入賞口14の開放処理を行い(S715)リターンする。
S700が否定判定、即ち、大入賞口14が開放中なら(S700:no)、図12のフローチャートに進み、カウントスイッチ14aが遊技球を検出したか否か判定し(S800)、肯定判定なら(S800:yes)、当該開放のカウントスイッチ14aの検出数が9個未満か否か判定する(S805)。S800の否定判定、又はS805が肯定判定(S800:no、S805:yes)なら、大入賞口14の開放時間が経過したか否か判定し(S810)、否定判定なら(S810:no)リターンし、S805が否定判定(S805:no)、又はS810が肯定判定なら(S810:yes)、大入賞口14の閉鎖処理を行い(S815)、終了した大入賞口14のラウンド遊技が、図7のS360で設定された内容に基づいて最終ラウンドか否か判定する(S820)。
S820が肯定判定なら(S820:yes)、大当り終了演出処理を行い、サブ統合制御装置83に大当り終了演出を指示するコマンドを送信し(S825)リターンする。S820が否定判定なら(S820:no)、ラウンド遊技間インターバル処理を行い、サブ統合制御装置83にインターバル演出を開始する指示信号を送信し(S830)リターンする。
図11に戻り、S730が肯定判定、即ち、大当り終了演出中なら(S730:yes)、図13のフローチャートに進み、大当り終了演出時間が経過したか否か判定する(S900)。S900が否定判定なら(S900:no)リターンに抜け、S900が肯定判定なら(S900:yes)、役物連続作動装置の停止処理(S905)と条件装置の作動停止処理(S910)を行って大当り遊技を終了し、図7のS355で設定したモードバッファを参照して(S915)、確変フラグ(S920)、確変カウンタ(S925)、時短フラグ(S930)、時短カウンタ(S935)を設定し(S930,S935開放延長手段)、モードバッファをクリアし(S940)、サブ統合制御装置83に終了コマンドと(S945)、設定した確変フラグと時短フラグに基づく状態指定コマンドを送信し(S950)、大当りフラグに0をセットして(S955)リターンする。
次に、図14を用いてサブ統合制御装置53が実行する保留数指示コマンド受信処理を説明する。本処理は、本発明の保留図柄表示手段に相当する。
本処理を開始すると、保留数指示コマンドを受信したか否か判定する(S1000)。否定判定なら(S1000:no)、リターンし、肯定判定なら(S1000:yes)、保留数カウンタに+1する(S505)。本実施例では、第1保留記憶用の保留数カウンタと第2保留記憶用の保留カウンタを備え、受信した保留数指示コマンドが示す保留記憶の種類に応じて対応する保留数カウンタにインクリメントを行うが、トータルの保留数(第1保留記憶数と第2保留記憶数とを合算)を示すカウンタと、保留記憶の種類を判別するためのカウンタを個別に設ける構成としてもよい。
また、第1保留記憶数、第2保留記憶数の保留数を指定する保留数指示コマンドを送信する構成としてもよい。その場合、サブ統合制御装置53は、受信したコマンドの順番から第1保留と第2保留の順番を記憶して表示することになる。不慮の瞬停などが起きると保留した順番が分らなくなるなどの不都合があるが、第1保留、第2保留の各保留数のみの情報だけでも十分な演出を行っていくことが可能となる。
続いて、S1005でインクリメントしたカウンタに応じて、演出図柄表示装置6に保留記憶数を示す保留図柄を表示する指示信号を演出図柄制御装置82に送信し(S1010)(本発明の保留図柄表示手段に相当)リターンする。S1010の指示信号に応じて演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6に保留図柄を表示する処理を行うが、時短状態(開放延長状態)か否かによって、保留図柄の表示内容が異なるものとなる。具体的な表示内容については、図17を用いて後述する。
次に、図15を用いて、サブ統合制御装置82が実行する変動指示コマンド受信処理を説明する。この処理は、主制御装置80から変動指示コマンドを受信したことに応じて、演出図柄表示装置6に表示する特図の変動に対応した演出態様を選択し、演出図柄制御装置6に表示制御を指示する処理となる。
本処理を開始すると、変動指示コマンドを受信したか否か判定する(S1050)。否定判定なら(S1050:no)リターンし、肯定判定なら(S1050:yes)、振分乱数1を抽出し(S1055)、保留球数カウンタから−1すると共に、演出図柄表示装置6上の表示から最も時間が経過している保留図柄を消して残りの保留図柄を移動させる指示信号を演出図柄制御措置82に送信し(S1060)、受信した変動指示コマンドの内容と抽出した振分乱数とに基づいて、サブ統合制御装置83が記憶する複数の演出変動態様の中から表示する演出変動態様を選択し(S1065)、選択した演出変動態様の表示を開始する指示信号を演出図柄制御装置82に送信して(S1070)リターンする。
なお、本実施例では、演出図柄表示装置6に表示される擬似図柄、及びその演出態様からは、第1特図に対応した変動表示か第2特図に対応した演出表示かは判別できない構成となっている。
次に、図16に示したフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する先読判定コマンド受信処理を説明する。本処理を開始すると、先読判定コマンドを受信したか否か判定する(S1100)。否定判定なら(S1100:no)、リターンし、肯定判定なら(S1100:yes)、振分乱数2を抽出し(S1105)、当該処理時の遊技状態,受信した先読判定コマンドの内容,保留記憶の種類(第1or第2)と振分乱数2の値に応じて先読演出を実施するか否か判定する(S1110)。
続いて、S1110の判定結果として先読演出を実施するか否か判定し(S1115)、否定判定なら(S1115:no)リターンし、肯定判定なら(S1115:yes)、実施する先読演出の表示態様を選択し(S1120)、演出図柄制御装置82に選択した先読演出用の保留図柄(先読演出保留図柄)を表示する指示信号を送信し(S1125)リターンする。S1120の先読演出選択処理では、遊技状態及び保留記憶の種類に基づいて異なる表示態様を選択する構成となり、具体的な表示内容については、図を用いて後述する。
次に、図17を用いて、演出図柄表示装置6に表示する表示例を説明する。図17の(a)は、通常状態の演出表示例となる。具体的には、画面の中央を左中右の擬似図柄が変動表示を行う擬似図柄変動表示部とし、第1特別図柄,第2特別図柄に対応した3列の擬似図柄(本実施例では0から9までの数字)が上から下への変動を行い、画面中央で停止し確定表示を行う。画面右上にはキャラクタ(熊の達吉)を表示する。このキャラクタは、遊技の進行状況に応じてその態様を変化させる。図例は、通常状態であるためキャラクタは通常の表情(無表情)をしている。
通常状態では、画面左下端部が第1保留記憶数表示領域、右下端部が第2保留記憶数表示領域となり、それぞれの表示領域においてそれぞれの保留記憶数に応じた表示態様の異なる保留図柄を表示する。図例では、第1保留記憶に対応した保留図柄として一つの丸い図形(本発明の保留図柄に相当)を表示し、第2保留記憶に対応した保留図柄として一つの四角い図形(本発明の保留図柄に相当)を表示している。
従って、本実施例においては、通常状態では、第1保留記憶の記憶状況(数及びその消化順)の報知と、第2保留記憶の記憶状況(数及びその消化順)の報知とを区別して行う構成となっている。なお、第1遊技領域3aに遊技球を流下させて遊技を進行する通常状態では、第2始動口108に遊技球が入球する機会は、無駄玉を承知で意図的に第2遊技領域3bに遊技球を発射しない限りほぼ考えられないが、便宜上図例には第2保留記憶に応じた保留図柄が記載している。
図17の(b)は、開放延長状態の演出表示例となる。開放延長状態は、確変状態も実施している場合と、開放延長状態(時短状態)のみ実施している場合とがあり、図例は確変状態となる。開放延長状態(時短状態)+確変状態と、開放延長状態(時短状態)のみとでは、「確変中!」の文字列の表示の有無のみが異なる。
開放延長状態の演出表示は、その基本構成は通常状態と同じとしながら、画面下端の保留記憶表示の内容が異なる構成となっている。具体的には、画面下端にトータル保留記憶数表示領域を設け、第1保留記憶に対応する保留図柄と第2保留記憶に対応する保留図柄(本発明の保留図柄に相当)とを同一の表示態様とし、第1保留記憶の記憶状況と第2保留記憶の記憶状況とを区別せずに混在させて報知する構成としている(本発明の「保留図柄表示手段は、前記開放延長手段実施時において前記第1保留図柄と前記第2保留図柄とを識別困難な態様で表示する」の構成に相当)。
これにより、第1始動口B106と第2始動口108とに偏りなく比較的交互に入球しやすいが、遊技球の挙動によって変化する実際の入球状況が予測しづらい開放延長状態においては、演出図柄表示装置6上のトータル保留記憶数表示領域に表示される保留図柄を見ただけでは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とのトータル記憶数は分かっても、どちらの保留記憶がどの位置(順番)に保留記憶されているかはわからない構成となっている。
図17の(c)は、開放延長,確変状態中に行われる先読演出の演出表示例となる。本実施例の先読演出(図16の先読判定コマンド受信処理によって実施)は、大当り期待度の高い保留記憶に対応した保留図柄の表示態様を通常とは異なる表示態様とすることで実施する。具体的には、大当り期待度の高い保留記憶が第1保留記憶であったなら、保留図柄の表示態様を笑顔の熊の達吉に変化させる。大当り期待度の高い保留記憶が第2保留記憶であったなら、保留図柄の表示態様をキャラクタBに変化させる。また、先読演出を実施する保留図柄は、その表示位置を通常の位置より上方向にずらして表示する。
この構成で先読演出を実施することにより、大当りの期待ができる保留記憶の発生が分かると共に、保留図柄が第1保留記憶か第2保留記憶かが判別可能となる。従って、遊技者は、先読演出が実施されると、大当りの期待度を増加させながらも、それが第1保留記憶か第2保留記憶かによって以降のゲーム進行内容を想定し一喜一憂することになる。なお、上記演出とともに単純に第1保留記憶か第2保留記憶かを示唆する保留演出も考えられる。この場合、保留数指示コマンドだけで演出が可能であるが、保留記憶が予めどちらのものか分るだけでも遊技者には有意な演出となる。
次に、図18,19,20を用いて、第1保留記憶と第2保留記憶とが、予め定められた順番で記憶されることによって、該順番に対応した演出モードを実施する構成について説明する。この構成は、本発明の「前記第1保留記憶と前記第2保留記憶との記憶順が所定のパターンになると、前記演出図柄表示装置において特定演出を開始する」に相当する。
図18は、開放延長状態において、各演出モードを開始する条件となる保留記憶の記憶順を示す図表となる。本実施例の開放延長状態では、通常の演出とは別に、4種類の演出モード(A,B,C,D)を備えている。各演出モードへの移行は、第1保留記憶と第2保留記憶との記憶順が図表に示す内容となることを条件に行われる。
具体的には、記憶した6個の保留記憶が第1、第2、第1、第2、第1、第2の順になれば演出モードAに移行し、記憶した3個の保留記憶が第1、第1、第1の順になれば演出モードBに移行し、記憶した3個の保留記憶が第2、第2、第2の順になれば演出モードCに移行し、記憶した4個の保留記憶が第1、第1、第2、第2の順になれば演出モードDに移行する。
なお、上記の各演出モードは、所定時間が経過すると表示している演出モードを終了し、元の演出に戻る構成となっている。なお、演出モードの終了条件としては、特別図柄の変動回数、新たな演出モードへの移行条件の成立、移行条件となった保留記憶を全て消化等が考えられる。
図19(a)は、演出図柄表示装置6で実施する演出モードAの表示例を示し、(b)は演出モードBの表示例を示し、図20(c)は、演出モードCの表示例を示し、(d)は演出モードDの表示例を示している。これらの演出モードに移行することで、遊技者は保留記憶の順番が判別可能になる。
以上が実施例の説明となる。本実施例では、開放延長状態において頻繁に作動する普通電動役物100に入球した遊技球を、当該遊技球の自重で揺動する振分部材34によって第1作動領域103と第2作動領域104に交互に振分け、これにより第1始動口B106となる第1機械式チューリップ役物105と第2始動口108となる第2機械式チューリップ役物107とが交互に開放状態に作動する構成とした。
従って、第1始動口B106と第2始動口108とには交互に遊技球が入球可能な状態とはなるが、実際に第1始動口B106と第2始動口108とに交互に入球するかどうかは第2遊技領域3bを流下する遊技球の転動次第となり、第1保留記憶と第2保留記憶が常に順番に発生するわけではない。
但し、どちらの機械式チューリップ役物も開放状態となった場合に2個の遊技球が入球すると閉鎖状態に変位し、配置位置も第2遊技領域3bの同一の流下経路上となるため、どちらか一方の始動口に偏って入球することもなく、比較的交互に第1保留記憶と第2保留記憶とが発生する。
なお、振分部材34は交互に振り分ける構成としたが、必ずしも交互である必要はなく、例えば第2作動領域104に3回誘導した後に1回第1作動領域103に誘導するように機構を設けることも考えられる。これならば、第2特図での当選比率が高まることから、大当りでの獲得出玉が多くすることができるとともに、より第2特図での確変割合を上げることが可能となるなど、異なる遊技性能にすることができる。
通常状態から大当りした場合は、第1特図の大当りであるため、大当り遊技終了後は次回の大当りが生起するまで確変,開放延長状態となり、開放延長中は、ほぼ1対1の割合で第1特図と第2特図が変動(当否判定)を行うため、少なくとも1/2の割合で第1特図が大当りすれば、次回の大当りまでさらに確変,開放延長状態が継続する。確変,開放延長状態中に第2特図で大当りした場合でも1/5の割合で次回の大当りまでさらに確変,開放延長状態が継続する。このような確変継続構成にあたっては、確変リミッタを設け、所定回数以上は確変状態が継続不可な構成としてもよく、これにより過度な射幸性を抑えることができる。
実施例では、第1機械式チューリップ役物105と第2機械式チューリップ107とは、どちらも開放作動を行うと2個の遊技球の入球によって再び閉鎖状態に作動する構成(どちらも最大入球数2個)としたが、最大入球数を異なる数としてもよい。これにより開放延長状態中の特図の変動割合が異なるものとなり、各特図の大当り時の有利度合いを大当り出玉数と確変継続率とを異なる設定として差を持たせることで、保留記憶の判別は困難ながらもどちらの特図の変動なのかということを更に意識させながら開放延長状態を遊技させることができる。また、例えば第1始動口B106の最大入球数を1個、第2始動口108の最大入球数を3個とすれば、第2特図での大当りの比率を上げることができる。
さらにこの場合、最大入球数の違いから、各機械式チューリップ役物が開放状態から閉鎖状態に戻るまでに時間差が生じ、遊技球がどちらの機械式チューリップ役物(始動口)に入球したかの視認による確認を更に困難とすることができる。
実施例では、通常遊技状態は第1特図の抽選がメイン、開放延長状態は第1、第2特図両方の抽選が可能としたため、開放延長状態時は第1、第2特図両方の保留記憶(例えば各々4個)を用いることができるため、常に保留記憶のある状態を維持しやすくなることから、従来よりも特図の平均変動時間を短くすることができる。従来は開放延長状態時はいずれかの保留記憶(第2特図)のみで遊技するため、変動時間を短くしようとすると、保留が途切れないように普図の変動時間や普通電動役物100の開放時間、その配置関係など、多岐に渡って対応をしなければならなかったが、本発明では単純に保留記憶数が倍になるため対応が容易である。
また、開放延長状態での保留記憶数が増えることから、従来以上の連続数の先読み連続演出が可能となる。これも変動時間が極端に短くなった場合は一変動あたりの演出が難しくなるため、先読み連続演出で当否を演出することにより、変動効率を上げつつ、演出力を維持することが可能となる。
また、他の遊技構成として、振分部材34で第1作動領域103と第2作動領域104とに振り分ける構成ではなく、第2作動領域104と取込み口とで振り分ける構成も考えられる。取込み口とは普通電動役物100内に入球した遊技球を機外へ排出するために取り込む入球口であり、普通電動役物100に入球した遊技球が毎回第2作動領域104へ入球するのではなく、2回に1回入球するようにすることにより、過度な第2始動口108が開放することを抑えつつ、普通電動役物100への入球で発生する賞球は維持することができ、開放延長状態の球持ちの良い遊技構成とすることができる。
また、振分部材34で第1作動領域103、第2作動領域104、取込み口の3つで交互に振り分けることも考えられる。このようにすれば、第1、第2始動口が開放する頻度を抑えつつ、普通電動役物100で発生する賞球は従来通りとすることができる。
また、普通電動役物100内に第2始動口108を設けるとともに、第1作動領域103を設け、振分部材34で振り分けることも考えられる。第1、第2特図の両方で抽選できるとともに、第2特図は普通電動役物100に入球して第2始動口108に入球すれば変動開始(保留が無い場合)できるため、第1特図よりも工程が少ないため抽選ペースを高くすることができる。無論逆に第1始動口B106と第2作動領域104の構成でも良い。
また、普通電動役物100内に第2始動口108と第2作動領域104を設け、振分部材34で振り分ける構成も考えられる。共に第2特図の始動口へ入球させる作用となるが、より入球頻度を上げることができ、極端に変動時間を短くしても保留が途切れる状況を低減させることができる。また、同じ第2特図でも、どちらの始動口で抽選されたかで演出を変えたり、大当り遊技後の変動テーブルを変えたり、普通電動役物100の開放パターンを変えたりすることが考えられる。特に普通電動役物100の開放パターンは、第2始動口108への入賞が容易になるパターンや、第2作動領域104への入賞が容易になるパターンを備えれば、第2始動口108への入賞容易状態の方が第2作動領域104への入賞容易状態よりも工程が少ない(非電動役物を開放し、入球したら乱数取得という工程がない)ため、比較して第2特図の抽選ペースが高く、第2作動領域104への入賞容易状態は比較して抽選ペースが低くなることから、同じ開放延長状態で、同じ第2特図の抽選メインの状態でも、どちらの入賞容易状態になるかで時間効率を変えることができるようになる。なお、この入賞容易状態は大当り時の大当り確定図柄の種類や大当り時の遊技状態、又はその組み合わせに基づいて選択を行う構成が考えられる。