JP2018190693A - 非水電解質二次電池用下地層付き集電体、非水電解質二次電池用電極及び非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用下地層付き集電体、非水電解質二次電池用電極及び非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】導電性や密着性に優れる導電性組成物であり、充放電サイクル特性に優れる非水電解質二次電池を形成するための下地層付き集電体であって、集電体に形成される下地層の耐水性および耐電解液耐性に優れる下地層付き集電体を提供すること。【解決手段】前記課題は、集電体の少なくとも片面に下地層が形成されてなる非水電解質二次電池用下地層付き集電体であり、下地層の固形分の合計100質量%中、導電性の炭素材料(A)が10〜50質量%、水溶性樹脂(B)が5〜50質量%、エマルションの形体で存在する樹脂微粒子(C)が20〜70質量%含まれ、下地層の水接触角が100〜160°であることを特徴とする非水電解質二次電池用下地層付き集電体によって解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、下地層付き集電体を用いて得られる非水電解質二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)用電極、並びにその電極を用いて得られる非水電解質二次電池に関する。
小型で軽量、かつエネルギー密度が高く、繰り返し充放電が可能な非水電解質二次電池は、その特性を活かして急速に需要を拡大している。特にリチウムイオン二次電池はエネルギー密度、出力特性が大きいことから、携帯電話やノート型パーソナルコンピューターの小型用途から、自動車搭載用の大型用途での利用が期待されている。そのため、これら非水電解質二次電池は、用途の拡大や発展に伴い、低抵抗化、高容量化、高寿命化など、よりいっそうの改善が求められている。
非水電解質二次電池の内部抵抗の低減や高寿命化のために、電極層と集電体層の相間に集電体下地層を設けることが提案されている。
電極活物質及びバインダーを含有する電極形成用組成物の分散媒は使用するバインダーによって異なるが、有機溶剤または水系が用いられている。
しかしながら、分散媒に有機溶剤を使用すると、環境負荷が大きいばかりでなく、人体の安全性や作業性においても課題を残しており、水系化の検討が行われている。
特許文献1には、導電性の炭素粉とアクリル酸重合体などの水溶性結着剤とを含む導電性組成物を電極の集電体上へコーティングした下地層が記載されている。また、特許文献2には、カーボンブラック粉末とブチルゴムとをトルエン中で混合して作製した下地層形成用組成物が開示されている。しかし、炭素材料の分散状態不足が招く導電性や塗工性、さらには、耐水性、耐溶剤性は十分でないという問題がある。
特許文献3〜7では、架橋成分の導入等による結着剤の改良や、導電性の高い炭素繊維の利用や、分散剤を利用した下地層組成物を用いることで、導電性の高い電極を得る方法が記載されている。しかし、高温などの過酷な環境下での充放電サイクル特性は十分でないという問題がある。
特許文献8では、ポリマーと疎水性フィラーと多塩基酸またはその誘導体からなる下地層を100〜250℃での熱処理する方法が記載されている。しかし、多塩基酸の含有量が多いため、耐水性に課題があるほか、下地層の可とう性が悪く、巻回時にクラックが発生するなどの問題がある。
特開昭62−160656号公報 特開昭63−1212656号公報 特開平7−201362号公報 特開2006−140142号公報 特開2007−226969号公報 特開2008−60060号公報 国際公開第2012/173072号パンフレット 特開2014−95081号公報
本発明の目的は、導電性や密着性に優れる導電性組成物であり、充放電サイクル特性に優れる非水電解質二次電池を形成するための下地層付き集電体であって、集電体に形成される下地層の耐水性および耐電解液耐性に優れる下地層付き集電体を提供することである。
前記課題を達成するための具体的方法は以下の通りである。
集電体の少なくとも片面に下地層が形成されてなる非水電解質二次電池用下地層付き集電体であり、下地層の固形分の合計100質量%中、導電性の炭素材料(A)が10〜50質量%、水溶性樹脂(B)が5〜50質量%、エマルションの形体で存在する樹脂微粒子(C)が20〜70質量%含まれ、下地層の水接触角が100〜160°であることを特徴とする非水電解質二次電池用下地層付き集電体。
下地層付き集電体が150〜250℃で加熱処理されてなることを特徴とする前記非水電解質二次電池用下地層付き集電体。
下地層の厚みが0.3〜5μmであることを特徴とする前記非水電解質二次電池用下地層付き集電体。
樹脂微粒子(C)の平均粒子径が0.05〜3μmであることを特徴とする前記非水電解質二次電池用下地層付き集電体。
前記非水電解質二次電池用下地層付き集電体と、電極活物質及びバインダーを含有する電極形成用組成物から形成された合材層とを有する非水電解質二次電池用電極。
正極と負極と電解液とを具備する非水電解質二次電池の製造方法であって、正極または負極の少なくとも一方が前記非水電解質二次電池用電極である、非水電解質二次電池。
導電性の炭素材料(A)と水溶性樹脂(B)と樹脂微粒子(C)とを特定の比率で含有する導電性組成物から形成された下地層付き集電体であり、水接触角が100〜160°であることにより、耐水性に優れる下地層を形成でき、水系電極形成用組成物を塗工しても下地層の形状を保持することができる。さらには耐電解液性に優れることから、高温などの過酷な環境下においても良好な充放電サイクル特性や保存特性を有する非水電解質二次電池を提供することができる。
<導電性組成物>
前記したように、本発明に用いられる導電性組成物は、非水電解質二次電池の下地層形成用として使用する。導電性組成物は、導電性の炭素材料(A)と水溶性樹脂(B)と、エマルションの形体で存在する樹脂微粒子(C)と、水性液状媒体(D)とを含有する。
導電性組成物の固形分の合計100質量%中、導電性の炭素材料(A)の含有量は、導電性と内部抵抗の観点から、10〜50質量%であり、好ましくは15〜45質量%、より好ましくは20〜40質量%である。
導電性組成物の固形分の合計100質量%中、水溶性樹脂(B)の含有量は、導電性と内部抵抗および耐水性や耐電解液性の観点から、5〜50質量%であり、好ましくは10〜40質量%であり、より好ましくは15〜35質量%である。
導電性組成物の固形分の合計100質量%中、エマルションの形体で存在する樹脂微粒子(C)の含有量は、導電性と内部抵抗および耐水性の観点から、20〜70質量%であり、好ましくは30〜60質量%であり、より好ましくは35〜60質量%である。
導電性組成物の固形分の合計100質量%中、導電性組成物(A)と水溶性樹脂(B)と樹脂微粒子(C)の総量は、内部抵抗と導電性および耐水性や耐電解液性の観点から、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上である。上記組成物中に必要に応じて任意の成分を追加しても良い。
任意の成分としては特に限定されないが、例えば電解液の反応によって生成する酸を吸着または消費する材料や、所定温度以上になるとガスを発生する材料、無機のPTC材料などを追加しても良い。
電解液の反応によって生成する酸を吸着する材料としては、例えば、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ホウ素(B)、酸化ガリウム(Ga)、酸化インジウム(In)などが挙げられる。
電解液の反応によって生成する酸を消費する材料としては、炭酸マグネシウム、炭酸カルシムなどの金属炭酸塩類、カルボン酸ナトリウム、カルボン酸カリウム、スルホン酸ナトリウム、スルホン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウムなどの金属有機塩類、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、二酸化珪素などの珪酸塩類、水酸化マグネシウムなどのアルカリ性水酸化物類などが挙げられる。
所定温度以上になるとガスを発生する材料としては、炭酸リチウム、炭酸亜鉛、炭酸鉛、炭酸ストロンチウムなどの炭酸塩類、膨張黒鉛などが挙げられる。
無機のPTC材料としては、BaTiMO(MはCr、Pb、Ca、Sr、Ce、Mn、La、Y、NbおよびNdのいずれか一種類以上の元素)などが挙げられる。
また、導電性組成物の適正粘度は、導電性組成物の塗工方法によるが、一般には、10mPa・s以上、30,000mPa・s以下とするのが好ましい。
<導電性の炭素材料(A)>
本発明における導電性の炭素材料(A)としては、導電性を有する炭素材料であれば特に限定されるものではないが、グラファイト、カーボンブラック、導電性炭素繊維(カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンファイバー)、フラーレン等を単独で、もしくは2種類以上併せて使用することができる。導電性、入手の容易さ、およびコスト面から、カーボンブラックの使用が好ましい。
カーボンブラックとしては、気体もしくは液体の原料を反応炉中で連続的に熱分解し製造するファーネスブラック、特にエチレン重油を原料としたケッチェンブラック、原料ガスを燃焼させて、その炎をチャンネル鋼底面にあて急冷し析出させたチャンネルブラック、ガスを原料とし燃焼と熱分解を周期的に繰り返すことにより得られるサーマルブラック、特にアセチレンガスを原料とするアセチレンブラックなどの各種のものを単独で、もしくは2種類以上併せて使用することができる。また、通常行われている酸化処理されたカーボンブラックや、中空カーボン等も使用できる。
市販のカーボンブラックとしては、例えば、トーカブラック#4300、#4400、#4500、#5500等(東海カーボン社製、ファーネスブラック)、プリンテックスL等(デグサ社製、ファーネスブラック)、Raven7000、5750、5250、5000ULTRAIII、5000ULTRA等、Conductex SC ULTRA、Conductex 975 ULTRA等、PUER BLACK100、115、205等(コロンビヤン社製、ファーネスブラック)、#2350、#2400B、#2600B、#3050B、#3030B、#3230B、#3350B、#3400B、#5400B等(三菱化学社製、ファーネスブラック)、MONARCH1400、1300、900、VulcanXC−72R、BlackPearls2000等(キャボット社製、ファーネスブラック)、Ensaco250G、Ensaco260G、Ensaco350G、SuperP−Li(TIMCAL社製)、ケッチェンブラックEC−300J、EC−600JD(アクゾ社製)、デンカブラック、デンカブラックHS−100、FX−35(デンカ社製、アセチレンブラック)等、グラファイトとしては、例えば人造黒鉛や燐片状黒鉛、塊状黒鉛、土状黒鉛などの天然黒鉛が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、2種以上を組み合わせて用いても良い。
導電性炭素繊維としては石油由来の原料から焼成して得られるものが良いが、植物由来の原料からも焼成して得られるものも用いることができる。例えば石油由来の原料で製造される昭和電工社製のVGCFなどを挙げることができる。
<水溶性樹脂(B)>
本発明に用いる水溶性樹脂(B)とは、25℃の水99g中に水溶性樹脂(B)1g入れて撹拌し、25℃で24時間放置した後、分離・析出せずに水中で樹脂が溶解可能なものである。
水溶性樹脂(B)としては、上述の通り水溶性を示す樹脂であれば特に限定されるものではないが、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリルアミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、フッ素樹脂、カルボキシメチルセルロース等の多糖類の樹脂を含む高分子化合物が挙げられる。また、水溶性であれば、これらの樹脂の変性物、混合物、又は共重合体でも良い。さらに、水酸基やカルボキシル基およびこれらの誘導体を含むことが好ましい。これら水溶性樹脂は、1種または複数を組み合わせて使用することも出来る。
<樹脂微粒子(C)>
本発明の樹脂微粒子(C)としては、一般的に水性エマルションとも呼ばれるものであり、樹脂微粒子が水中で溶解せずに、微粒子の形態で水に分散されているものであるが、本発明において、樹脂微粒子(C)の割合や固形分質量に関しては、水を除去した質量をいう。
樹脂微粒子(C)としては、上述の通りエマルション形体を示す樹脂であれば特に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル系エマルション、ニトリル系エマルション、ウレタン系エマルション、ジエン系エマルション(スチレン・ブタジエンゴム(SBR)など)、ポリオレフィン系エマルション、フッ素系エマルション(ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)など)が挙げられる。これらの樹脂微粒子は、1種または複数を組み合わせて使用することも出来る。
樹脂微粒子(C)としては、非水電解質二次電池の異常発熱時の導電パス切断効果の観点から、特にポリオレフィン系エマルションが好ましく、80〜180℃の範囲内でポリオレフィン系樹脂微粒子が体積膨張して、導電層中に分散している導電性の炭素材料同士の接触を引き剥がすことができる樹脂であれば特に限定されるものではない。ポリオレフィン系樹脂微粒子を構成するオレフィン成分としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、イソブテン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテンン、1−ヘキセン、1−オクテン、ノルボネン等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂微粒子は、これらオレフィン成分単一の重合体でも良く、2成分以上の共重合体でも良い。
本発明に用いる樹脂微粒子(C)の平均粒子径は、分散性や耐水性から、好ましくは0.05〜3μmであり、さらに好ましくは0.1〜1μmである。
なお、本発明における平均粒子径とは、体積平均粒子径(D50)のことを表し、動的光散乱法により測定できる。動的光散乱法による平均粒子径の測定は、以下のようにして行うことができる。樹脂微粒子分散液は固形分に応じて200〜1000倍に水希釈しておく。該希釈液約5mlを測定装置[(株)日機装社製 ナノトラック]のセルに注入し、サンプルに応じた分散媒(本発明では水)および樹脂の屈折率条件を入力後、測定を行う。
<水性液状媒体(D)>
本発明に使用する水性液状媒体(D)としては、水を使用することが好ましいが、必要に応じて、例えば、集電体への塗工性向上のために、水と相溶する液状媒体を使用しても良い。
水と相溶する液状媒体としては、アルコール類、グリコール類、セロソルブ類、アミノアルコール類、アミン類、ケトン類、カルボン酸アミド類、リン酸アミド類、スルホキシド類、カルボン酸エステル類、リン酸エステル類、エーテル類、ニトリル類等が挙げられ、水と相溶する範囲で使用しても良い。
<その他添加剤>
さらに、導電性組成物には、界面活性剤、成膜助剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、pH調整剤、粘性調整剤などを必要に応じて配合できる。
<分散機・混合機>
本発明の導電性組成物や後述する合材インキを得る際に用いられる装置としては、顔料分散等に通常用いられている分散機、混合機が使用できる。
例えば、ディスパー、ホモミキサー、若しくはプラネタリーミキサー等のミキサー類;エム・テクニック社製「クレアミックス」、若しくはPRIMIX社「フィルミックス」等のホモジナイザー類;ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、若しくはコボールミル等のメディア型分散機;湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック社製「クレアSS−5」、若しくは奈良機械社製「MICROS」等のメディアレス分散機;または、その他ロールミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、分散機としては、分散機からの金属混入防止処理を施したものを用いることが好ましい。
例えば、メディア型分散機を使用する場合は、アジテーター及びベッセルがセラミック製又は樹脂製の分散機を使用する方法や、金属製アジテーター及びベッセル表面をタングステンカーバイド溶射や樹脂コーティング等の処理をした分散機を用いることが好ましい。そして、メディアとしては、ガラスビーズ、または、ジルコニアビーズ、若しくはアルミナビーズ等のセラミックビーズを用いることが好ましい。また、ロールミルを使用する場合についても、セラミック製ロールを用いることが好ましい。分散装置は、1種のみを使用しても良いし、複数種の装置を組み合わせて使用しても良い。また、強い衝撃で粒子が割れたり、潰れたりしやすい正または負極活物質の場合は、メディア型分散機よりは、ロールミルやホモジナイザー等のメディアレス分散機が好ましい。
<非水電解質二次電池用下地層付き集電体、非水電解質二次電池用電極>
本発明の非水電解質二次電池用下地層付き集電体とは、集電体上に、前述の導電性組成物から形成された下地層を有するものである。また、本発明の非水電解質二次電池用電極とは、集電体上に、前述の導電性組成物から形成された下地層と、電極活物質とバインダーとを含有する電極形成用組成物(合材インキ)から形成された合材層とを有する。
<集電体>
電極に使用する集電体の材質や形状は特に限定されず、各種非水電解質二次電池用にあったものを適宜選択することができる。例えば、集電体の材質としては、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、又はステンレス等の金属や合金が挙げられる。リチウムイオン電池の場合、特に正極材料としてはアルミニウムが、負極材料としては銅が、それぞれ好ましい。また、形状としては、一般的には平板上の箔が用いられるが、表面を粗面化したものや、穴あき箔状のもの、及びメッシュ状の集電体も使用できる。
<下地層付き集電体>
非水電解質二次電池用電極の下地層形成用導電性組成物を、集電体上に塗工・乾燥して得ることができる。下地層は耐水性の観点から、水の接触角が100〜160°であり、好ましくは110〜150°であり、さらに好ましくは120〜140°である。また、耐水性の観点から、下地層付き集電体の加熱処理を行うことが好ましい。加熱温度は耐水性や内部抵抗の観点から、150〜250℃が好ましく、より好ましくは180〜250℃、さらに好ましくは180〜220℃である。加熱処理によって、水溶性樹脂(B)や樹脂微粒子(C)の親水基の脱離または分子内および分子間での脱水縮重合によって、耐水性に優れる下地層を形成できると考えられる。
なお、下地層付き集電体の加熱処理による影響は水の接触角以外の特性にも多々あると考えられる。また、加熱処理の条件によって電極の下地層の構造に差異が生じる場合があると推測され、この差異によって、得られる電極の性能が異なる場合がある。一方、この差異のうち、どの違いが電極や電池等の性能に影響を与えるかを特定すること、また、電極の下地層の構造又は特性を直接特定することには過大な時間を要する。従って、本発明において、加熱処理に関して下地層付き集電体の構造又は特性を直接特定することは、およそ実際的でないという事情(非実際的事情)に相当するものである。
加熱処理は、集電体上に導電性組成物を塗工・乾燥した後、上記温度で追加加熱を行っても良く、集電体上に塗工した導電性組成物の乾燥時に段階的に温度を上げて最終的に上記温度で加熱処理を行っても良い。
加熱処理の時間は下地層の耐水性が付与できれば特に限定されないが、好ましくは1秒〜1時間であり、さらに好ましくは30秒〜30分であり、より好ましくは1分〜10分である。
集電体上に導電性組成物や後述する合材インキを塗工する方法としては、特に制限はなく公知の方法を用いることができる。具体的には、ダイコーティング法、ディップコーティング法、ロールコーティング法、ドクターコーティング法、ナイフコーティング法、スプレーコティング法、グラビアコーティング法、スクリーン印刷法または静電塗装法等が挙げる事ができ、乾燥方法としては放置乾燥、送風乾燥機、温風乾燥機、赤外線加熱機、遠赤外線加熱機などが使用できるが、特にこれらに限定されるものではなく、塗布後に平版プレスやカレンダーロール等による圧延処理を行っても良い。
下地層は集電体の少なくとも片面に形成されるが、内部抵抗の観点から、集電体の両面に形成することが好ましい。
下地層の厚みは、非水電解質二次電池のエネルギー密度や内部抵抗、耐水性や帯電解析性の観点から、好ましくは0.3〜5μmであり、より好ましくは0.5〜3μm、さらに好ましくは0.8〜2μmである。ここでいう下地層の厚みは片面あたりの厚みであり、上記厚みの範囲で両面に形成することが好ましい。両面に形成する場合、同じ厚みで形成しても良く、両面の厚みを変えても良い。
<合材インキ>
合材インキとは、非水電解質二次電池で使用される電極の構成成分である活物質と、バインダーと、溶媒などを、液体状もしくはペースト状にしたものをいい、本発明の非水電解質二次電池用電極においても、活物質と、溶媒を必須とし、必要に応じて導電助剤と、バインダーとを含有する。
活物質はできるだけ多く含まれることが好ましく、例えば、合材インキ固形分に占める活物質の割合は、80〜99質量%が好ましい。導電助剤を含む場合、合材インキ固形分に占める導電助剤の割合は、0.1〜15質量%であることが好ましい。バインダーを含む場合、合材インキ固形分に占めるバインダーの割合は、0.1〜15質量%であることが好ましい。
塗工方法によるが、固形分30〜90質量%の範囲で、合材インキの粘度は、100mPa・s以上、30,000mPa・s以下とするのが好ましい。
合材インキの溶媒(分散媒)は環境負荷や人体への安全性や作業性の観点から、水を使用することが好ましいが、必要に応じて、水と相溶する液状媒体を使用しても良い。
使用するバインダーは、水または水と水に相溶する液状媒体に溶解可能な樹脂型のバインダーや、水または水と水に相溶する液状媒体で分散を維持できるエマルション型のバインダーを用いることができる。例えば、水に溶解可能なカルボキシメチルセルロース(CMC)と分散を維持できるスチレンブタジエンゴム(SBR)が好ましく用いられる。
合材インキ中で使用される活物質について以下で説明する。
リチウムイオン二次電池用の正極活物質としては、特に限定はされないが、リチウムイオンをドーピングまたはインターカレーション可能な金属酸化物、金属硫化物等の金属化合物、および導電性高分子等を使用することができる。
例えば、Fe、Co、Ni、Mn等の遷移金属の酸化物、リチウムとの複合酸化物、遷移金属硫化物等の無機化合物等が挙げられる。具体的には、MnO、V25、V613、TiO2等の遷移金属酸化物粉末、層状構造のニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、スピネル構造のマンガン酸リチウムなどのリチウムと遷移金属との複合酸化物粉末、オリビン構造のリン酸化合物であるリン酸鉄リチウム系材料、TiS2、FeSなどの遷移金属硫化物粉末等が挙げられる。
また、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子を使用することもできる。また、上記の無機化合物や導電性高分子を混合して用いてもよい。
リチウムイオン二次電池用の負極活物質としては、リチウムイオンをドーピングまたはインターカレーション可能なものであれば特に限定されない。例えば、金属Li、その合金であるスズ合金、シリコン合金、鉛合金等の合金系、チタン酸リチウム、バナジウム酸リチウム、ケイ素酸リチウム等の金属酸化物系、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン等の導電性高分子系、ソフトカーボンやハードカーボンといった、アモルファス系炭素質材料や、高黒鉛化炭素材料等の人造黒鉛、あるいは天然黒鉛等の炭素質粉末、カーボンブラック、メソフェーズカーボンブラック、樹脂焼成炭素材料、気層成長炭素繊維、炭素繊維などの炭素系材料が挙げられる。これら負極活物質は、1種または複数を組み合わせて使用することも出来る。
合材インキ中の導電助剤とは、導電性を有する炭素材料であれば特に限定されるものではなく、上述の導電性の炭素材料(A)と同様のものも使用できる。
合材インキ中のバインダーとは、活物質や導電性の炭素材料などの粒子同士、あるいは導電性の炭素材料と集電体を結着させるために使用されるものである。
合材インキ中で使用されるバインダーとしては、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、カルボキシメチルセルロース等のセルロース樹脂、スチレン−ブタジエンゴムやフッ素ゴム等の合成ゴム、ポリアニリンやポリアセチレン等の導電性樹脂等、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、及びテトラフルオロエチレン等のフッ素原子を含む高分子化合物が挙げられる。また、これらの樹脂の変性物、混合物、又は共重合体でも良い。これらバインダーは、1種または複数を組み合わせて使用することも出来る。
また、水性の合材インキ中で好適に使用されるバインダーとしては水媒体のものが好ましく、水媒体のバインダーの形態としては、水溶性型、エマルション型、ハイドロゾル型等が挙げられ、適宜選択することができる。
さらに、合材インキには、成膜助剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、pH調整剤、粘性調整剤などを必要に応じて配合できる。
<下地層付き非水電解質二次電池用電極の製造方法>
前述した合材インキを下地層付き集電体上に塗工・乾燥し、下地層付き非水電解質二次電池用電極を得ることができる。
<非水電解質二次電池>
正極もしくは負極の少なくとも一方に上記の電極を用い、二次電池、キャパシターなどの非水電解質二次電池を得ることができる。
二次電池としては、リチウムイオン二次電池の他、ナトリウムイオン二次電池、マグネシウムイオン二次電池、アルカリ二次電池、鉛蓄電池、ナトリウム硫黄二次電池、リチウム空気二次電池等が挙げられ、それぞれの二次電池で従来から知られている、電解液やセパレーター等を適宜用いることができる。
キャパシターとしては、電気二重層キャパシター、リチウムイオンキャパシターなどが挙げられ、それぞれのキャパシターで従来から知られている、電解液やセパレーター等を適宜用いることができる。
<非水電解質の電解液>
リチウムイオン二次電池の場合を例にとって説明する。電解液としては、リチウムを含んだ電解質を非水系の溶剤に溶解したものを用いる。
電解質としては、LiBF4、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiCF3SO3、Li(CF3SO22N、LiC49SO3、Li(CF3SO23C、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl、LiHF2、LiSCN、又はLiBPh4(但し、Phはフェニル基を表す)等が挙げられるがこれらに限定されない。
非水系の溶剤としては特に限定はされないが、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、及びジエチルカーボネート等のカーボネート類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、及びγ−オクタノイックラクトン等のラクトン類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,2−メトキシエタン、1,2−エトキシエタン、及び1,2−ジブトキシエタン等のグライム類;メチルフォルメート、メチルアセテート、及びメチルプロピオネート等のエステル類;ジメチルスルホキシド、及びスルホラン等のスルホキシド類;並びに、アセトニトリル等のニトリル類等が挙げられる。又これらの溶剤は、それぞれ単独で使用しても良いが、2種以上を混合して使用しても良い。
さらに上記電解液をポリマーマトリクスに保持しゲル状とした高分子電解質とすることもできる。ポリマーマトリクスとしては、ポリアルキレンオキシドセグメントを有するアクリレート系樹脂、ポリアルキレンオキシドセグメントを有するポリホスファゼン系樹脂、及びポリアルキレンオキシドセグメントを有するポリシロキサン等が挙げられるがこれらに限定されない。
<セパレーター>
セパレーターとしては、例えば、ポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ポリアミド不織布及びそれらに親水性処理を施したものが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明の下地層付き集電体を用いたリチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシター、リチウムイオンキャパシターの構造については特に限定されないが、通常、正極及び負極と、必要に応じて設けられるセパレーターとから構成され、ペーパー型、円筒型、ボタン型、積層型等、使用する目的に応じた種々の形状とすることができる。
(実施例1)
<下地層付き集電体>
導電性の炭素材料としてアセチレンブラック(A−1:デンカブラックHS−100、デンカ社製)25質量部、水溶性樹脂であるカルボキシメチルセルロース(B−1:CMCダイセル#1240、ダイセル化学工業社製)2.5%水溶液1000質量部(固形分として25質量部)をミキサーに入れて混合し、更にサンドミルに入れて分散を行った。次に樹脂微粒子であるポリオレフィン系樹脂微粒子(C−1:アローベースSB−1200(固形分25%水分散液、平均粒子径0.10μm)200質量部(固形分として50質量部)を入れ、ミキサーで混合し、導電性組成物(1)を得た。
得られた導電性組成物を、集電体となる厚さ20μmのアルミ箔にバーコーターを用いて塗布し、80℃のオーブンに5分入れて溶媒の除去を行った後、200℃のオーブンに5分入れて加熱処理を行い、下地層厚みが2μmとなるように、下地層付き集電体(1)を得た。
実施例および比較例に用いた樹脂微粒子の体積平均粒子径の評価については、以下の通り行った。
エマルションの形体で存在する樹脂微粒子分散液を、固形分に応じて200〜1000倍に水希釈し。該希釈液約5mlをナノトラック(日機装社製 Wave−EX150)のセルに注入し、サンプルに応じた分散媒(本発明では水)および樹脂の屈折率条件を入力後、測定を行い、D50を平均粒子径とした。
(実施例2〜17、比較例1〜4)
表1に示す導電性組成物の組成比を変更した以外は、導電性組成物(1)と同様の方法により、それぞれ導電性組成物(2)〜(21)を得た。また、表1に示す集電体(銅箔は厚み20μmのものを使用した。)、加熱温度、下地層厚みを変更した以外は、下地層付き集電体(1)と同様の方法により、それぞれ下地層付き集電体(2)〜(17)、(19)〜(21)を得た。なお、比較例1で作製した下地層付き集電体(18)は、下地層が集電体から剥がれが発生し、以後の評価を実施することができなかった。
実施例および比較例、参考例で使用した材料を以下に示す。
(導電性の炭素材料(A))
・A−1:デンカブラックHS−100(デンカ社製)
・A−2:ケッチェンブラックEC−300J(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
・A−3:SuperC65(TIMCAL社製)
(水溶性樹脂(B))
・B−1:CMCダイセル#1240(ダイセル化学工業社製)
・B−2:ポリアクリル酸ナトリウム、平均分子量5000(和光純薬工業社製)
・B−3:クラレポバールPVA235(クラレ社製)
(樹脂微粒子(C))
・C−1:アローベースSB−1200(固形分25%水分散液、ポリエチレン(PE)、平均粒子径0.10μm)(ユニチカ社製)
・C−2:ポリテトラフルオロエチレン30−J(固形分60%水分散液、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、平均粒子径0.20μm)(三井・デュポンフロロケミカル社製)
・C−3:TRD2001(固形分48%水分散液、スチレンブタジエンラバー(SBR)、平均粒子径0.10μm)(JSR社製)
<水接触角測定>
上記で作製した下地層付き集電体表面にイオン交換水20μL滴下し、3秒後の接触角を自動接触角計(協和界面化学社製 DMe−201)にて測定を行った。なお、水接触角はθ/2法により算出した。
<下地層付き集電体の耐水性試験>
上記で作製した下地層付き集電体と水とをガラス瓶に入れ、下地層付き集電体を水に浸漬させ、ガラス瓶に蓋をし、密閉した。このガラス瓶を80℃のオーブンに入れ、30分保管した。その後、下地層付き集電体を取り出し、綿棒でふき取り耐水性の評価を行った。
◎:「剥がれは見られない。優れている。」
〇:「下地層がわずかに剥がれて綿棒への付着は見られるが、集電体は剥き出しになっていない。実用可能なレベル。」
×:「下地層が削れて、集電体表面が剥き出しになっている。劣っている。」
得られた導電性組成物および下地層付き集電体を、表1に示す。

<リチウムイオン二次電池正極用合材インキ>
正極活物質としてLiNi0.5Mn0.3Co0.292質量部、導電剤としてアセチレンブラック(デンカブラックHS−100、デンカ社製)4質量部、バインダーとしてカルボキシメチルセルロース(CMCダイセル#1240、ダイセル化学工業社製)2.5質量%水溶液80質量部(固形分として2質量部)およびポリテトラフルオロエチレン水分散液(30−J、固形分60%水分散液、三井・デュポンフロロケミカル社製)3.3質量部(固形分として2質量部)、水25質量部をミキサーに入れて混合し、正極二次電池電極用合材インキを作製した。
<リチウムイオン二次電池負極用合材インキ>
負極活物質として人造黒鉛98質量部、カルボキシメチルセルロース(CMCダイセル#1190、ダイセル化学工業社製)1.5%水溶液66.7質量部(固形分として1質量部)をプラネタリーミキサーに入れて混練し、水33質量部、スチレンブタジエンエマルション(TRD2001、JSR社製)48質量%水系分散液2.08質量部(固形分として1質量部)を混合して、負極二次電池電極用合材インキを得た。
<下地層付きリチウムイオン二次電池用正極>(実施例1〜11、13〜17、比較例1〜4)
上述のリチウムイオン二次電池正極用合材インキを、二次電池用下地層付き集電体(1)〜(11)、(13)〜(21)上にドクターブレードを用いて塗布した後、100℃で加熱乾燥して電極の単位面積当たりの目付け量が20mg/cmとなるようにとなるように調整した。さらにロールプレスによる圧延処理を行い、合材層の密度が3.1g/cmとなる正極(1)〜(11)、(13)〜(21)を作製した。
<下地層なしリチウムイオン二次電池用正極>(実施例12、比較例5)
上述のリチウムイオン二次電池正極用合材インキを、集電体となる厚さ20μmのアルミ箔上にドクターブレードを用いて塗布した後、100℃で加熱乾燥して電極の単位面積当たりの目付け量が20mg/cmとなるようにとなるように調整した。さらにロールプレスによる圧延処理を行い、合材層の密度が3.1g/cmとなる正極(12)、(22)を作製した。
<下地層なしリチウムイオン二次電池用負極>(実施例1〜11、13〜17、比較例1〜5)
上述のリチウムイオン二次電池負極用合材インキを、集電体となる厚さ20μmの銅箔上にドクターブレードを用いて塗布した後、80℃で加熱乾燥して電極の単位面積当たりの目付け量が12mg/cmとなるように調整した。さらにロールプレスによる圧延処理を行い、合材層の密度が1.5g/cmとなる負極(1)〜(11)、(13)〜(22)を作製した。
<下地層付きリチウムイオン二次電池用負極>(実施例12)
上述のリチウムイオン二次電池負極用合材インキを、下地層付き集電体(12)上にドクターブレードを用いて塗布した後、80℃で加熱乾燥して電極の単位面積当たりの目付け量が12mg/cmとなるように調整した。さらにロールプレスによる圧延処理を行い、合材層の密度が1.5g/cmとなる負極(12)を作製した。
<ラミネート型リチウムイオン二次電池>(実施例1〜17、比較例1〜5)
表2に示す正極と負極を各々45mm×40mm、50mm×45mmに打ち抜き、その間に挿入されるセパレーター(多孔質ポリプロプレンフィルム)とをアルミ製ラミネート袋に挿入し、真空乾燥の後、電解液(エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:1(体積比)の割合で混合した混合溶媒に、LiPF6を1Mの濃度で溶解させた非水系電解液)を注入した後、アルミ製ラミネートを封口してラミネート型リチウムイオン電池を作製した。ラミネート型リチウムイオン電池の作製はアルゴンガス置換したグロ−ブボックス内で行い、ラミネート型リチウムイオン電池作製後、以下に示すレート特性、高温保管特性およびPTC特性の電池特性評価を行った。
(レート特性)
上述したラミネート電池について、充放電装置(北斗電工社製SM−8)を用い、充放電測定を行った。
充電電流12mA(0.2C)にて充電終止電圧4.2Vで定電流定電圧充電(カットオフ電流0.6mA)を行った後、放電電流12mA(0.2C)および120mA(2C)で放電終止電圧3.0Vに達するまで定電流放電を行って、それぞれ放電容量を求めた。レート特性は0.2C放電容量と2C放電容量の比、つまり以下(式1)で表される。
(式1) レート特性=2C放電容量/0.2C放電容量×100(%)
以下の基準で評価した結果を表2に示す。
・レート特性
○:「レート特性が80%以上。特に優れている。」
○△:「レート特性が75%以上、80%未満。優れている。」
△:「レート特性が70以上、75%未満。下地層なしの比較例15のレート特性と同等。」
×:「レート特性が70%未満。劣っている。」
(高温保管特性)
50℃恒温槽にて充電電流12mA(0.2C)にて充電終止電圧4.2Vで定電流定電圧充電(カットオフ電流0.6mA)を行った後、放電電流12mA(0.2C)で放電終止電圧3.0Vに達するまで定電流放電を行って、保管前0.2C放電容量を求めた。その後、充電電流12mA(0.2C)にて充電終止電圧4.2Vで定電流定電圧充電(カットオフ電流0.6mA)を行った。その後、50℃恒温槽内に10日保管した後、放電電流120mA(2C)で放電終止電圧3.0Vに達するまで定電流放電を行って保管後2C放電容量を求めた。高温保管特性は保管前0.2C放電容量と保管後2C放電容量の比、つまり以下(式2)で表される。
(式2) 高温保管特性=保管後2C放電容量/保管前0.2C放電容量×100(%)
以下の基準で評価した結果を表2に示す。
・高温保管特性
○:「高温保管特性が70%以上。特に優れている。」
○△:「高温保管特性が60%以上、70%未満。優れている。」
△:「高温保管特性が50%以上、60%未満。下地層なしの比較例5の高温保管特性と同等。」
×:「高温保管特性が50%未満。劣っている。」
(PTC特性)
25℃恒温槽にて放電電流12mA(0.2C)にて放電終止電圧3.0Vで定電流放電を行った。このラミネート型電池を25℃から180℃まで昇温速度5℃/min.で加熱しながら、各々の温度での抵抗測定を行った。抵抗測定はインピーダンスアナライザー(biologic社製SP−50)による500kHzの値を抵抗値とした。25℃で測定した抵抗を初期抵抗とし、180℃で測定した抵抗値と25℃で測定した抵抗値の商を抵抗増加とした。すなわち抵抗増加は以下(式3)で表される。
(式3) 抵抗増加=180℃での抵抗値/25℃での抵抗値
初期抵抗および抵抗増加について、以下の基準で評価した結果を表2に示す。
○:「抵抗増加が5以上。PTC性能として優れている。」
△:「抵抗増加が3以上、5未満。PTC性能として実用可能なレベル。」
×:「抵抗増加が3未満。劣っている。」

表2に示すように、本発明に用いられる導電性組成物から形成された下地層を用いることで、水系電極形成用組成物を塗工することができ、さらには耐電解液性に優れることから、高温などの過酷な環境下においても良好な充放電特性を示すと考えられる。さらに、樹脂微粒子にポリオレフィン系樹脂微粒子を用いることで、熱で樹脂が体積膨張し、導電性の炭素材料同士の接触を引き剥がすことで、PTC機能を付与できると考えられる。
樹脂微粒子を添加していない比較例1は柔軟性が低く、下地層が剥離しやすくなると考えられる。水溶性樹脂の添加量が少ない比較例2は、耐電解液性に劣るため、過酷な高温保管において劣化したと考えられる。さらに、加熱処理温度が低い比較例3および4においては、下地層の耐水性が不十分であり、水系電極形成用組成物の塗工時に一部剥がれが生じ、剥がれた箇所から正極活物質由来のアルカリによって腐食された結果、出力特性が悪化したと考えられる。

Claims (6)

  1. 集電体の少なくとも片面に下地層が形成されてなる非水電解質二次電池用下地層付き集電体であり、下地層の固形分の合計100質量%中、導電性の炭素材料(A)が10〜50質量%、水溶性樹脂(B)が5〜50質量%、エマルションの形体で存在する樹脂微粒子(C)が20〜70質量%含まれ、下地層の水接触角が100〜160°であることを特徴とする非水電解質二次電池用下地層付き集電体。
  2. 下地層付き集電体が150〜250℃で加熱処理されてなることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池用下地層付き集電体。
  3. 下地層の厚みが0.3〜5μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の非水電解質二次電池用下地層付き集電体。
  4. 樹脂微粒子(C)の平均粒子径が0.05〜3μmであることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の非水電解質二次電池用下地層付き集電体。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の非水電解質二次電池用下地層付き集電体と、電極活物質及びバインダーを含有する電極形成用組成物から形成された合材層とを有する非水電解質二次電池用電極。
  6. 正極と負極と電解液とを具備する非水電解質二次電池であって、正極または負極の少なくとも一方が請求項5に記載の非水電解質二次電池用電極である、非水電解質二次電池。
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