JP2018190513A - リチウム電池およびリチウム電池の製造方法 - Google Patents

リチウム電池およびリチウム電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウム電池の初期性能や耐久性能が低下することを抑制する。【解決手段】リチウム電池は、2つの電極層と固体電解質層を備える。固体電解質層は、リチウムイオン伝導性を有する酸化物の第1の固体電解質材料を主成分として含み、リチウムイオン伝導性を有し、所定の圧力で一軸加圧プレスした圧粉体の理論密度に対する実密度の比が第1の固体電解質材料より大きく、かつ、70%以上である第2の固体電解質材料を含む。所定の圧力で所定の軸方向に加圧した状態から加圧を解除したときの軸方向における変形量の大きさを表す指標値に関し、第1の電極層の指標値と固体電解質層の指標値との差の絶対値は、第2の電極層の指標値と固体電解質層の指標値との差の絶対値より大きい。第1の電極層と固体電解質層との接触面積は、第2の電極層と固体電解質層との接触面積より小さい。【選択図】図1

Description

本明細書によって開示される技術は、リチウム電池に関する。
近年、パソコンや携帯電話等の電子機器の普及、電気自動車の普及、太陽光や風力等の自然エネルギーの利用拡大等に伴い、高性能な電池の需要が高まっている。なかでも、電池要素がすべて固体で構成された全固体リチウムイオン二次電池(以下、「全固体電池」という)の活用が期待されている。全固体電池は、有機溶媒にリチウム塩を溶解させた有機電解液を用いる従来型のリチウムイオン二次電池と比べて、有機電解液の漏洩や発火等のおそれがないため安全であり、また、外装を簡略化することができるため単位質量または単位体積あたりのエネルギー密度を向上させることができる。
全固体電池は、2つの電極層(正極層および負極層)と、2つの電極層の間に配置された固体電解質層とを備える。固体電解質層は、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質材料を含んでいる。全固体電池の構成は、例えば、一方の電極層と固体電解質層との接触面積は、他方の電極層と固体電解質層との接触面積と同一である(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−40767号公報
全固体電池の製造の際には、各電極層と固体電解質層との間の物理的および電気的接続を確保するために、2つの電極層の間に固体電解質層が配置された積層体が積層方向に加圧され、その後、加圧が解除される。特に、固体電解質層が、固体電解質材料として、酸化物である第1の固体電解質材料を主成分として含むと共に、所定の圧力(例えば、360MPa)で一軸加圧プレスした圧粉体の理論密度(真密度)に対する実密度の比が第1の固体電解質材料より大きい(すなわち、第1の固体電解質材料より塑性変形しやすい)第2の固体電解質材料を含む場合には、上述した加圧および加圧の解除によって第2の固体電解質材料が塑性変形することにより、各電極層と固体電解質層との間の強固な物理的および電気的接続を確保することができる。なお、上記第1の固体電解質材料としては、例えば、Li(リチウム)とLa(ランタン)とZr(ジルコニウム)とO(酸素)とを含有するガーネット型結晶構造またはガーネット型類似結晶構造を有する固体電解質材料を用いることができる。また、上記第2の固体電解質材料としては、例えば、硫化物系固体電解質材料、ハロゲン化物系固体電解質材料、錯体水素化物系固体電解質材料等を用いることができる。
上記のような加圧状態から加圧を解除するときに、全固体電池を構成する各層(各電極層、固体電解質層)は、圧縮された状態から復元するように変形する。このときの各層の変形量(復元量)は、各層の構成の相違に起因して互いに異なり得る。そのため、例えば、一方の電極層と固体電解質層との間の変形量の差の絶対値が大きくなる場合がある。電極層と固体電解質層との間の変形量の差の絶対値が大きい場合において、両者の接触面積が大きい構成であると、変形量の差に起因してクラックや反りが生じやすい。そのようなクラックや反りが生ずると、初期性能の低下(例えば、層間剥離に起因する初期抵抗の増大)や、耐久性能の低下(例えば、充放電中の体積膨張・収縮による層間剥離の進行に起因する容量低下)が発生するおそれがあるため、好ましくない。従来の全固体電池では、層間の変形量の差と接触面積の大きさとの関係について考慮されておらず、上述したように、一方の電極層と固体電解質層との接触面積は他方の電極層と固体電解質層との接触面積と同一であることが一般的であるため、初期性能や耐久性能が低下するおそれがある。
なお、このような課題は、全固体リチウムイオン二次電池に限られず、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質材料を利用する他のリチウム電池(例えば、リチウム空気電池やリチウムフロー電池等)にも共通の課題である。
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示されるリチウム電池は、一方が正極として機能し他方が負極として機能する2つの電極層と、前記2つの電極層の間に配置され、リチウムイオン伝導性を有すると共に酸化物である第1の固体電解質材料を主成分として含み、リチウムイオン伝導性を有すると共に、所定の圧力(例えば、360MPa)で一軸加圧プレスした圧粉体の理論密度に対する実密度の比が前記第1の固体電解質材料より大きく、かつ、70%以上である第2の固体電解質材料を含む固体電解質層と、を備えるリチウム電池において、所定の圧力で所定の軸方向に加圧した状態から加圧を解除したときの前記軸方向における変形量の大きさを表す指標値に関し、前記2つの電極層の内の一方である第1の電極層の前記指標値と前記固体電解質層の前記指標値との差の絶対値は、前記2つの電極層の内の他方である第2の電極層の前記指標値と前記固体電解質層の前記指標値との差の絶対値より大きく、前記第1の電極層と前記固体電解質層との接触面積は、前記第2の電極層と前記固体電解質層との接触面積より小さい。本リチウム電池では、所定の圧力で所定の軸方向に加圧した状態から加圧を解除したときの上記軸方向における変形量の大きさを表す指標値に関し、第1の電極層の指標値と固体電解質層の指標値との差の絶対値は、第2の電極層の指標値と固体電解質層の指標値との差の絶対値より大きいため、加圧状態から加圧を解除するときにおいて、第1の電極層と固体電解質層との間の変形量の差が、第2の電極層と固体電解質層との間の変形量の差と比較して大きくなる。従って、第1の電極層と固体電解質層との間において両者の接触面積が大きいと、変形量の差に起因してクラックや反りが生じやすく、初期性能や耐久性能が低下するおそれがある。しかしながら、本リチウム電池では、第1の電極層と固体電解質層との接触面積は、第2の電極層と固体電解質層との接触面積より小さいため、第1の電極層と固体電解質層との間の変形量の差に起因してクラックや反りが発生することを抑制することができ、ひいては、リチウム電池の初期性能や耐久性能が低下することを抑制することができる。
(2)上記リチウム電池において、前記第2の固体電解質材料は、ハロゲン化リチウムである構成としてもよい。ハロゲン化リチウムは、所定の圧力(例えば、360MPa)で一軸加圧プレスした圧粉体の理論密度(真密度)に対する実密度の比が非常に大きい(すなわち、塑性変形能力が非常に高い)ため、第2の固体電解質材料としてハロゲン化リチウムを用いることにより、各電極層と固体電解質層との間の非常に強固な物理的および電気的接続を確保しつつ、リチウム電池の初期性能や耐久性能が低下することを抑制することができる。
(3)上記リチウム電池において、前記第1の固体電解質材料は、少なくともLiとLaとZrとOとを含有するガーネット型結晶構造またはガーネット型類似結晶構造を有する構成としてもよい。少なくともLiとLaとZrとOとを含有するガーネット型結晶構造またはガーネット型類似結晶構造を有する固体電解質材料は、非常に高いリチウムイオン伝導性を有するため、第1の固体電解質材料としてこのような固体電解質材料を用いることにより、リチウム電池の電気的性能を向上させることができる。
(4)上記リチウム電池において、前記2つの電極層の少なくとも一方は、前記第2の固体電解質材料を含む構成としてもよい。第2の固体電解質材料は、所定の圧力(例えば、360MPa)で一軸加圧プレスした圧粉体の理論密度(真密度)に対する実密度の比が大きい(すなわち、塑性変形能力が高い)固体電解質材料であるため、そのような固体電解質材料を2つの電極層の少なくとも一方に含ませることにより、該電極層と固体電解質層との間の物理的および電気的接続をより強固にすることができる。また、そのような固体電解質材料を2つの電極層の少なくとも一方に含ませることにより、該電極層の形状維持性が確保されるため、焼成等の高温の加熱処理を行うことなくリチウム電池を製造することができる。
(5)上記リチウム電池において、前記第2の電極層の側面の少なくとも一部分は、前記固体電解質層に覆われている構成としてもよい。本リチウム電池によれば、第2の電極層の側面が固体電解質層に覆われていない構成と比較して、第1の電極層と固体電解質層との接触面積が第2の電極層と固体電解質層との接触面積より小さいという関係を維持しつつ、第1の電極層と固体電解質層との接触面積を大きくすることができる。そのため、本リチウム電池では、第1の電極層と固体電解質層との接触面積が過度に小さくなることを抑制しつつ、両接触面積に差を設けることができる。従って、本リチウム電池によれば、第1の電極層と固体電解質層との間の物理的および電気的接続性の低下を抑制しつつ、第1の電極層と固体電解質層との間の変形量の差に起因してクラックや反りが発生することを抑制することができ、リチウム電池の初期性能や耐久性能が低下することを抑制することができる。
(6)上記リチウム電池の製造方法において、前記2つの電極層の間に前記固体電解質層が配置された積層体を作製する工程と、前記積層体を加圧する工程と、前記積層体の加圧を解除する工程と、を備えることを特徴とする構成としてもよい。本リチウム電池の製造方法によれば、上記積層体を加圧し、その後加圧を解除することによってリチウム電池を製造する際に、第1の電極層と固体電解質層との間の変形量の差に起因してクラックや反りが発生することを抑制することができ、製造されるリチウム電池の初期性能や耐久性能が低下することを抑制することができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、リチウム電池、全固体リチウム電池、全固体リチウムイオン二次電池、それらの製造方法等の形態で実現することが可能である。
本実施形態における全固体リチウムイオン二次電池102の断面構成を概略的に示す説明図である。 単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuの特定方法を示す説明図である。 本実施形態の全固体電池102の製造方法の一例を示すフローチャートである。 性能評価結果を示す説明図である。 各層の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuの測定結果を示す説明図である。 各サイクル後の容量維持率の測定結果を示す説明図である。
A.実施形態:
A−1.全固体電池102の構成:
(全体構成)
図1は、本実施形態における全固体リチウムイオン二次電池(以下、「全固体電池」という)102の断面構成を概略的に示す説明図である。図1には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向という。
全固体電池102は、電池本体110と、電池本体110の一方側(上側)に配置された正極側集電部材154と、電池本体110の他方側(下側)に配置された負極側集電部材156とを備える。正極側集電部材154および負極側集電部材156は、導電性を有する略平板形状部材であり、例えば、ステンレス鋼、Ni(ニッケル)、Ti(チタン)、Fe(鉄)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)、これらの合金から選択される導電性金属材料、炭素材料等によって形成されている。以下の説明では、正極側集電部材154と負極側集電部材156とを、まとめて集電部材ともいう。
(電池本体110の構成)
電池本体110は、電池要素がすべて固体で構成されたリチウムイオン二次電池本体である。電池本体110または全固体電池102は、特許請求の範囲におけるリチウム電池に相当する。電池本体110は、固体電解質層112と、固体電解質層112の一方側(上側)に配置された正極層114と、固体電解質層112の他方側(下側)に配置された負極層116とを備える。以下の説明では、正極層114と負極層116とを、まとめて電極層ともいう。
(固体電解質層112の構成)
固体電解質層112は、略平板形状であり、粉体から構成されたバルク体である。固体電解質層112は、リチウムイオン伝導性を有する第1の固体電解質材料122を主成分として含むと共に、リチウムイオン伝導性を有する第2の固体電解質材料124を副成分として含んでいる。なお、本明細書において、主成分とは、体積比で最も多く含まれる成分を意味し、副成分とは、主成分以外の成分を意味する。
固体電解質層112に含まれる第1の固体電解質材料122は、酸化物(酸化物系固体電解質材料)である。第1の固体電解質材料122は、例えば、少なくともLiとLaとZrとOとを含有するガーネット型結晶構造またはガーネット型類似結晶構造を有する固体電解質材料と、少なくともLiとM(MはTi、Zr、Ge(ゲルマニウム)の内の少なくとも1つ)とP(リン)とOとを含有するNASICON型構造を有する固体電解質材料と、少なくともLiとTiとLaとOとを含有するペロブスカイト型構造を有する固体電解質材料と、のいずれか1種類、または、これらの内の少なくとも2つの種類を混ぜたものである。上記ガーネット型結晶構造またはガーネット型類似結晶構造を有する固体電解質材料としては、例えば、LiLaZr12(以下、「LLZ」という)や、LLZに対してMg(マグネシウム)およびSr(ストロンチウム)の元素置換を行ったもの(以下、「LLZ−MgSr」という)等を用いることができる。また、上記NASICON型構造を有する固体電解質材料としては、例えば、Li1.5Al0.5Ge1.5(PO(以下、「LAGP」という)等を用いることができる。
また、固体電解質層112に含まれる第2の固体電解質材料124は、所定の圧力(例えば、360MPa)で一軸加圧プレスした圧粉体の理論密度(真密度)に対する実密度の比が第1の固体電解質材料122より大きく、かつ、70%以上である固体電解質材料である。ここで、理論密度に対する実密度の比は、以下のように特定される。すなわち、平均粒径100nm〜50μmの粉体の試料を、側面を拘束した金型を用いて360MPaで一軸加圧する。なお、金型の穴は直径10mmの円形とし、加圧の際の温度は室温とする。1分間の加圧後、ノギスを用いて試料の厚さを測定し、測定された試料の厚さに基づき試料の体積を算出する。また、試料の質量を測定し、測定された試料の質量を試料の体積で除すことにより、実密度を算出する。算出された実密度を理論密度で除すことにより、理論密度に対する実密度の比を算出する。
一般的に、圧粉体の空隙が少ないほど、上述のように特定される理論密度に対する圧粉体の実密度の比は大きくなる。塑性変形しやすい材料ほど、空隙を埋めながら圧粉体が形成されるので、理論密度に対する圧粉体の実密度の比は大きくなる。そのため、理論密度に対する圧粉体の実密度の比は、固体電解質材料の塑性変形のしやすさを表す指標であると言える。上述したように、第2の固体電解質材料124は、所定の圧力(例えば、360MPa)で一軸加圧プレスした圧粉体の理論密度に対する実密度の比が第1の固体電解質材料122より大きい固体電解質材料であるため、第2の固体電解質材料124は、第1の固体電解質材料122と比べて塑性変形しやすい固体電解質材料であると言える。
第2の固体電解質材料124は、例えば、ハロゲン化物系固体電解質材料と、硫化物系固体電解質材料と、錯体水素化物系固体電解質材料と、アンチペロブスカイト系固体電解質材料と、その他の固体電解質材料(例えば、LiPO)と、のいずれか1種類、または、これらの内の少なくとも2つの種類を混ぜたものである。ハロゲン化物系固体電解質材料としては、例えば、LiI、LiBr、LiCl、LiF、LiI−LiBr等のハロゲン化リチウムを用いることができる。また、硫化物系固体電解質材料としては、例えば、LiS−P、LiS−P−LiI、LiS−P−LiO、LiS−P−LiI−LiO、LiS−P−LiI−SiS、LiS−SiS、LiS−SiS−LiX(XはI、Br、Clの内のいずれか)、LiS−SiS−LiI−B、LiS−SiS−LiPO、LiS−B、LiS−GeS、LiS−P−GeS、LiS−P−A(ただし、x、yは正の数。AはGe、Zn、Gaの内のいずれか)、LiS−SiS−LiDO(ただし、x、yは正の数。DはP、Si、Ge、B、Al、Ga、Inの内のいずれか)等を用いることができる。また、錯体水素化物系固体電解質材料としては、LiBH、LiNH、LiBH・3KI、LiBH・PI、LiBH・P、LiAlH、Li(NHI、3LiBH・LiI、LiNH、LiGd(BHCl、Li(BH)(NH)、Li(BH)(NH等を用いることができる。また、アンチペロブスカイト系固体電解質材料としては、Li3−2xO(D1−y1−z(OH)(AはLi、Mg、Ca、Sr、Baの内のいずれか、D、EはF、Cl、Br、Iの内のいずれか、x=0〜0.005、y=0〜1、z=0〜1)等を用いることができる。
(正極層114の構成)
正極層114は、略平板形状であり、粉体から構成されたバルク体である。正極層114は、正極活物質142と、リチウムイオン伝導助剤としての固体電解質材料144とを含んでいる。正極活物質142としては、例えば、S(硫黄)、TiS、LiCoO、LiNi1/3Mn1/3Co1/3、LiMn、LiFePO、LiTi12、Li0.5Mn1.5等を用いることができる。また、本実施形態では、固体電解質材料144は、固体電解質層112に含まれる第2の固体電解質材料124と同一の固体電解質材料であるが、固体電解質材料144は、固体電解質層112に含まれる第2の固体電解質材料124と同一の固体電解質材料の他に、固体電解質層112に含まれる第1の固体電解質材料122と同一の固体電解質材料を含んでいてもよい。正極層114は、さらに電子伝導助剤(例えば、導電性カーボン(例えば、ケッチェンブラック(KB))、Ni等)を含んでいてもよい。
(負極層116の構成)
負極層116は、略平板形状であり、粉体から構成されたバルク体である。負極層116は、負極活物質162と、リチウムイオン伝導助剤としての固体電解質材料164とを含んでいる。負極活物質162としては、例えば、Li金属、Li−Al合金、LiTi12、黒鉛、Si(ケイ素)、SiO、In(インジウム)、Sn(すず)、Ag(銀)等を用いることができる。また、本実施形態では、固体電解質材料164は、固体電解質層112に含まれる第2の固体電解質材料124と同一の固体電解質材料であるが、固体電解質材料164は、固体電解質層112に含まれる第2の固体電解質材料124と同一の固体電解質材料の他に、固体電解質層112に含まれる第1の固体電解質材料122と同一の固体電解質材料を含んでいてもよい。負極層116は、さらに電子伝導助剤(例えば、導電性カーボン(例えば、ケッチェンブラック(KB))等)を含んでいてもよい。
(電池本体110を構成する各層のスプリングバック量)
本実施形態の全固体電池102では、電池本体110を構成する各層の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuが互いに異なっている。ここで、単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuは、対象物を所定の圧力で所定の軸方向に加圧した状態(対象物が圧縮された状態)から加圧を解除したときの上記軸方向における対象物の変形量(圧縮された状態からの復元量)の大きさを表す指標値であり、以下のように特定される。
図2は、単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuの特定方法を示す説明図である。はじめに、図2の(A)欄に示すように、金型200の穴に試料SAを設置する。なお、金型200の穴は、例えば、直径10mmの円形である。次に、図2の(B)欄に示すように、手動のプレス機300を用いて金型200を介して試料SAを一軸加圧する。なお、一軸加圧の際の圧力は、例えば、360MPaとする。一軸加圧により、試料SAおよび金型200は、圧縮された状態となる。圧力が360MPaで安定してから1分間待機した後、軸方向における金型200の全高L0を測定する。その後、図2の(C)欄に示すように、加圧を解除し、軸方向における金型200の全高L1を測定する。加圧を解除すると、試料SAおよび金型200は、圧縮された状態から復元するように変形する。加圧解除状態における金型200の全高L1から加圧状態における金型200の全高L0を差し引いた値(=L1−L0)を、試料SAおよび金型200の変形量(復元量)を表す合計スプリングバック量SBoとして算出する。同様の作業を、金型200に試料SAを設置せずに行うことにより、金型200のスプリングバック量SBmを算出する。合計スプリングバック量SBoから金型200のスプリングバック量SBmを差し引いた値(=SBo−SBm)を、試料SAのスプリングバック量SBsとして算出する。試料SAのスプリングバック量SBsを加圧後の試料SAの厚さt1で除すことにより、単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsu(=SBs/t1)を算出する。
本実施形態では、固体電解質層112および負極層116の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuは、正極層114の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuと比較して小さくなっている。また、本実施形態では、正極層114の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuと固体電解質層112の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuとの差の絶対値は、負極層116の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuと固体電解質層112の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuとの差の絶対値より大きくなっている。
上述したように、単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuは、対象物を所定の圧力で所定の軸方向に加圧した状態から加圧を解除したときの上記軸方向における対象物の変形量(圧縮された状態からの復元量)の大きさを表す指標値である。本実施形態では、正極層114の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuと固体電解質層112の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuとの差の絶対値は、負極層116の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuと固体電解質層112の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuとの差の絶対値より大きくなっているため、加圧状態から加圧を解除するときにおいて、正極層114と固体電解質層112との間の変形量の差が、負極層116と固体電解質層112との間の変形量の差と比較して大きくなると考えられる。正極層114は、特許請求の範囲における第1の電極層に相当し、負極層116は、特許請求の範囲における第2の電極層に相当する。
なお、各層の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuは、各層の組成や材料特性等によって決まる。上述したように、本実施形態では、固体電解質層112は、酸化物系固体電解質材料である第1の固体電解質材料122を主成分として含んでいる。酸化物系固体電解質材料は、比較的ヤング率が高い。例えば、LLZのヤング率は150GPa程度である。そのため、本実施形態では、固体電解質層112の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuは比較的小さくなる。また、負極層116に含まれる負極活物質162としてLi−Al合金を用いる場合、Li−Al合金のヤング率は45GPa程度と高いため、負極層116の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuは比較的小さくなる。一方、正極層114に含まれる正極活物質142としてケッチェンブラック(KB)を用いる場合、ケッチェンブラックは応力に対する歪み量が大きい材料であると考えられていることから、正極層114の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuは比較的大きくなる。
(電池本体110を構成する各層間の接触面積について)
図1に示すように、本実施形態の全固体電池102では、正極層114の下面SU1の面積は、負極層116の上面SU3の面積より小さい。そのため、正極層114と固体電解質層112との接触面積は、負極層116と固体電解質層112との接触面積より小さくなっている。なお、本実施形態では、正極層114の側面SU2は固体電解質層112に覆われていない一方、負極層116の側面SU4(側面SU4の全体)は固体電解質層112に覆われている。そのため、負極層116と固体電解質層112との接触面積は、側面SU4の分だけさらに大きくなっている。
A−2.全固体電池102の製造方法:
図3は、本実施形態の全固体電池102の製造方法の一例を示すフローチャートである。はじめに、負極側集電部材156を準備し、負極側集電部材156上に負極層材料を形成して負極層116を作製する(S110)。負極層材料は、負極活物質162と、固体電解質材料164と、必要により導電助剤としての化合物の粉末と、の混合粉末である。なお、負極層材料の形成は、1回で行ってもよいし、複数回に分けて行ってもよい。後述する固体電解質層材料の形成および正極層材料の形成についても同様である。
次に、負極層116上に固体電解質層材料を形成して固体電解質層112を作製する(S120)。固体電解質層材料は、第1の固体電解質材料122と、第2の固体電解質材料124と、の混合粉末である。
次に、固体電解質層112上に正極層材料を形成して正極層114を作製する(S130)。正極層材料は、正極活物質142と、固体電解質材料144と、必要により導電助剤としての化合物の粉末と、の混合粉末である。
次に、正極層114上に正極側集電部材154を配置する(S140)。次に、このように作製された積層体を積層方向に加圧する(S150)。加圧時の圧力は、例えば、10MPa〜1000MPaであることが好ましく、100MPa〜400MPaであることがさらに好ましい。その後、加圧を解除する(S160)。このような加圧および加圧の解除を行うことにより、比較的塑性変形しやすい固体電解質材料(固体電解質層112に含まれる第2の固体電解質材料124、正極層114に含まれる固体電解質材料144、負極層116に含まれる固体電解質材料164)が塑性変形する。これにより、各電極層114,116と固体電解質層112との間の強固な物理的および電気的接続が確保される。以上の工程により、上述した構成の全固体電池102が製造される。
A−3.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の全固体電池102は、一方が正極として機能し他方が負極として機能する2つの電極層114,116と、2つの電極層114,116の間に配置された固体電解質層112とを備える。固体電解質層112は、リチウムイオン伝導性を有すると共に酸化物である第1の固体電解質材料122を主成分として含む。また、固体電解質層112は、リチウムイオン伝導性を有する第2の固体電解質材料124を含む。第2の固体電解質材料124は、所定の圧力(例えば、360MPa)で一軸加圧プレスした圧粉体の理論密度に対する実密度の比が第1の固体電解質材料122より大きく、かつ、70%以上である。すなわち、第2の固体電解質材料124は、第1の固体電解質材料122より塑性変形しやすい固体電解質材料である。また、所定の圧力で所定の軸方向に加圧した状態から加圧を解除したときの軸方向における変形量(圧縮状態からの復元量)の大きさを表す指標値である単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuに関し、正極層114の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuと固体電解質層112の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuとの差の絶対値は、負極層116の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuと固体電解質層112の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuとの差の絶対値より大きい。また、正極層114と固体電解質層112との接触面積は、負極層116と固体電解質層112との接触面積より小さい。本実施形態の全固体電池102はこのような構成であるため、以下に説明するように、初期性能や耐久性能の低下を抑制することができる。
上述したように、全固体電池102の製造の際には、各電極層114,116と固体電解質層112との間の物理的および電気的接続を確保するために、2つの電極層114,116の間に固体電解質層112が配置された積層体が積層方向に加圧され、その後、加圧が解除される。特に、本実施形態の全固体電池102では、固体電解質層112が、酸化物である第1の固体電解質材料122を主成分として含むと共に、第1の固体電解質材料122より塑性変形しやすい第2の固体電解質材料124を含むため、上述した加圧および加圧の解除によって第2の固体電解質材料124が塑性変形することにより、高温の加熱処理を行うことなく各電極層114,116と固体電解質層112との間の強固な物理的および電気的接続を確保することができる。
上記のような加圧状態から加圧を解除するときに、全固体電池102の電池本体110を構成する各層(各電極層114,116、固体電解質層112)は、圧縮された状態から復元するように変形する。このときの各層の変形量(復元量)は、各層の構成の相違に起因して互いに異なり得る。具体的には、単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuが比較的小さい層では変形量が比較的小さくなり、反対に、単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuが比較的大きい層では変形量が比較的大きくなる。そのため、例えば、電極層(正極層114または負極層116)と固体電解質層112との間の変形量の差が大きくなる場合がある。電極層(正極層114または負極層116)と固体電解質層112との間の変形量の差が大きい場合において、両者の接触面積が大きい構成であると、変形量の差に起因してクラックや反りが生じやすい。そのようなクラックや反りが生ずると、初期性能の低下(例えば、層間剥離に起因する初期抵抗の増大)や耐久性能の低下(例えば、充放電中の体積膨張・収縮による層間剥離の進行に起因する容量低下)が発生するおそれがある。
上述したように、本実施形態の全固体電池102では、正極層114の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuと固体電解質層112の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuとの差の絶対値は、負極層116の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuと固体電解質層112の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuとの差の絶対値より大きい。そのため、加圧状態から加圧を解除するときにおいて、正極層114と固体電解質層112との間の変形量の差が、負極層116と固体電解質層112との間の変形量の差と比較して大きくなると考えられる。従って、正極層114と固体電解質層112との間において両者の接触面積が大きいと、変形量の差に起因してクラックや反りが生じやすく、初期性能や耐久性能が低下するおそれがある。
しかしながら、上述したように、本実施形態の全固体電池102では、正極層114と固体電解質層112との接触面積は、負極層116と固体電解質層112との接触面積より小さい。そのため、本実施形態の全固体電池102によれば、そのような正極層114と固体電解質層112との間の変形量の差に起因してクラックや反りが発生することを抑制することができ、ひいては、全固体電池102の初期性能や耐久性能が低下することを抑制することができる。
なお、正極層114(または負極層116)の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuと固体電解質層112の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuとの差の絶対値が0.02mm/mm以上であると、加圧状態から加圧を解除するときにおいてクラックや反りが生じやすく、上述した課題が発生しやすいため、正極層114(または負極層116)と固体電解質層112との接触面積が小さい構成を採用することが好適である。また、該差の絶対値が0.2mm/mm以上であると、加圧状態から加圧を解除するときにおいてクラックや反りがさらに生じやすく、上述した課題がさらに発生しやすいため、正極層114(または負極層116)と固体電解質層112との接触面積が小さい構成を採用することがさらに好適である。
また、本実施形態の全固体電池102において、クラックや反りが発生することを効果的に抑制するために、正極層114と固体電解質層112との接触面積は、負極層116と固体電解質層112との接触面積の99.8%以下であることが好ましく、負極層116と固体電解質層112との接触面積の90%以下であることがさらに好ましい。
また、固体電解質層112に含まれる第2の固体電解質材料124は、ハロゲン化リチウムであることが好ましい。ハロゲン化リチウムは、所定の圧力(例えば、360MPa)で一軸加圧プレスした圧粉体の理論密度(真密度)に対する実密度の比が非常に大きい(すなわち、塑性変形能力が非常に高い)ため、第2の固体電解質材料124としてハロゲン化リチウムを用いることにより、各電極層114,116と固体電解質層112との間の非常に強固な物理的および電気的接続を確保しつつ、全固体電池102の初期性能や耐久性能が低下することを抑制することができる。
また、固体電解質層112に含まれる第1の固体電解質材料122は、少なくともLiとLaとZrとOとを含有するガーネット型結晶構造またはガーネット型類似結晶構造を有する固体電解質材料であることが好ましい。少なくともLiとLaとZrとOとを含有するガーネット型結晶構造またはガーネット型類似結晶構造を有する固体電解質材料は、非常に高いリチウムイオン伝導性を有するため、第1の固体電解質材料122としてこのような固体電解質材料を用いることにより、全固体電池102の電気的性能を向上させることができる。
また、本実施形態の全固体電池102では、2つの電極層114,116のそれぞれが含有する固体電解質材料144,164は、第2の固体電解質材料124と同一の固体電解質材料である。そのため、比較的塑性変形しやすい第2の固体電解質材料124と同一の固体電解質材料を電極層114,116に含ませることにより、電極層114,116と固体電解質層112との間の物理的および電気的接続をより強固にすることができる。また、比較的塑性変形しやすい第2の固体電解質材料124と同一の固体電解質材料を電極層114,116に含ませることにより、電極層114,116の形状維持性が確保されるため、焼成等の高温の加熱処理を行うことなく全固体電池102を製造することができる。
また、本実施形態の全固体電池102では、負極層116の側面SU4が固体電解質層112に覆われている。そのため、本実施形態の全固体電池102では、負極層116の側面SU4が固体電解質層112に覆われていない構成と比較して、正極層114と固体電解質層112との接触面積が負極層116と固体電解質層112との接触面積より小さいという関係を維持しつつ、正極層114と固体電解質層112との接触面積を大きくすることができる。そのため、本実施形態の全固体電池102では、正極層114と固体電解質層112との接触面積が過度に小さくなることを抑制しつつ、両接触面積に差を設けることができる。従って、本実施形態の全固体電池102によれば、正極層114と固体電解質層112との間の物理的および電気的接続性の低下を抑制しつつ、正極層114と固体電解質層112との間の変形量の差に起因してクラックや反りが発生することを抑制することができ、全固体電池102の初期性能や耐久性能が低下することを抑制することができる。
また、本実施形態の全固体電池102の製造方法は、2つの電極層114,116の間に固体電解質層112が配置された積層体を作製する工程(S110〜S140)と、該積層体を加圧する工程(S150)と、該積層体の加圧を解除する工程(S160)とを備える。本実施形態の全固体電池102の製造方法によれば、該積層体を加圧し、その後加圧を解除することによって全固体電池102を製造する際に、正極層114と固体電解質層112との間の変形量の差に起因してクラックや反りが発生することを抑制することができ、製造される全固体電池102の初期性能や耐久性能が低下することを抑制することができる。
A−4.性能評価:
全固体電池102の複数のサンプルを用いて性能評価を行った。図4は、性能評価結果を示す説明図である。
A−4−1.サンプルについて
図4に示すように、性能評価には、全固体電池102の3つのサンプル(S1〜S3)が用いられた。各サンプルの作製方法は、以下の通りである。
(負極層材料の作製)
アルゴン雰囲気のグローブボックス中で、Li−Al合金とLiIとを所定の割合(重量比でLi−Al合金:LiI=1:1)で配合し、ボールミルで混合・複合することにより、負極層材料としての混合粉末を作製した。負極層材料中において、主としてLi−Al合金が負極活物質162となり、主としてLiIが固体電解質材料164となる。
(正極層材料の作製)
アルゴン雰囲気のグローブボックス中で、LiTi12(以下、「LTO」という)とLiIとケッチェンブラック(KB)とを所定の割合(重量比でLTO:LiI:KB=3:7:1)で配合し、ボールミルで混合・複合することにより、正極層材料としての混合粉末を作製した。正極層材料中において、主としてLTOが正極活物質142となり、主としてLiIが固体電解質材料144となる。
(固体電解質層材料の作製)
組成:Li6.95Mg0.15La2.75Sr0.25Zr2.012(LLZ−MgSr)となるように、LiCO、MgO、La(OH)、SrCO、ZrOを秤量した。その際、焼成時のLiの揮発を考慮し、元素換算で15mol%程度過剰になるように、LiCOをさらに加えた。この原料を、有機溶剤中、15時間ボールミルで粉砕混合を行った。混合後、スラリーを乾燥させ、1100℃で10時間、MgO板上にて仮焼成を行った。得られた焼成体を乳鉢で粉砕し、篩にかけることにより、LLZ−MgSr粉末を得た。
アルゴン雰囲気のグローブボックス中で、LLZ−MgSrとLiIとを所定の割合(重量比でLLZ−MgSr:LiI=59:41)で配合し、ボールミルで混合・複合することにより、固体電解質層材料としての混合粉末を作製した。固体電解質層材料中において、主としてLLZ−MgSrが第1の固体電解質材料122となり、主としてLiIが第2の固体電解質材料124となる。なお、固体電解質層材料の組成は、体積比に換算すると、LLZ−MgSr:LiI=54:46である。そのため、固体電解質層材料(固体電解質層112)の主成分は、LLZ−MgSrである。
(各層のスプリングバック量)
上述した各材料を用いて各層(固体電解質層112、正極層114、負極層116)のペレット試料を作製し、単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuを測定した。図5は、各層の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuの測定結果を示す説明図である。各層の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuは、図2を参照して説明した方法に従い測定した。なお、図5に示すように、合計スプリングバック量SBoの測定は、同一のペレット試料を用いて連続5回行い、5回の平均値を採用した。また、金型200のスプリングバック量SBmの測定についても、同様に、連続5回行い、5回の平均値を採用した。
図5に示すように、固体電解質層112の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuは0.161mm/mmであり、正極層114の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuは0.473mm/mmであり、負極層116の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuは0.148mm/mmであった。すなわち、負極層116の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuが最も小さく、正極層114の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuが最も大きく、固体電解質層112の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuは両者の間の値となった。そのため、固体電解質層112を基準とした単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuの差の絶対値Dsは、正極層114が0.311mm/mmであり、負極層116が0.014mm/mmであった。このように、本性能評価に用いられるサンプルでは、正極層114の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuと固体電解質層112の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuとの差の絶対値は、負極層116の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuと固体電解質層112の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuとの差の絶対値より大きい。
(サンプルS1の作製)
負極側集電部材156としてのステンレス箔(一辺100mmの正方形板状)の上に上記負極層材料を形成して、負極層116(正方形板状、厚さ0.05mm)を作製した。サンプルS1では、負極層116の一辺の長さを85mmとした。
次に、負極層116の上に上記固体電解質層材料を形成して、固体電解質層112(一辺100mmの正方形板状、厚さ0.2mm)を作製した。
次に、固体電解質層112の上に上記正極層材料を形成して、正極層114(正方形板状、厚さ0.05mm)を作製した。サンプルS1では、正極層114の一辺の長さを80mmとした。
次に、正極層114の上に正極側集電部材154としてのステンレス箔(一辺100mmの正方形板状)を載せた。このようにして作製された積層体を袋に入れ、真空引きを行った。その後、袋ごと200MPaで静水圧加圧を行った。その後、静水圧加圧を解除した。
以上のようにして作製されたサンプルS1では、図4に示すように、正極層114と固体電解質層112との接触長さ(積層方向に平行で、かつ、正極層114の一辺に平行な断面における正極層114と固体電解質層112との接触部分の長さ、以下同様)は80mmであり、正極層114と固体電解質層112との接触面積は6400mmである。また、負極層116と固体電解質層112との接触長さは85mmであり、負極層116と固体電解質層112との接触面積は7225mmである。そのため、サンプルS1では、正極層114と固体電解質層112との間の接触長さは、負極層116と固体電解質層112との間の接触長さより短く、正極層114と固体電解質層112との間の接触面積は、負極層116と固体電解質層112との間の接触面積より小さい。なお、サンプルS1では、正極層114と固体電解質層112との間の接触長さは、負極層116と固体電解質層112との間の接触長さの94%であり、正極層114と固体電解質層112との間の接触面積は、負極層116と固体電解質層112との間の接触面積の89%である。
(サンプルS2,S3の作製)
正極側集電部材154としてのステンレス箔(一辺100mmの正方形板状)の上に上記正極層材料を形成して、正極層114(正方形板状、厚さ0.05mm)を作製した。サンプルS2では、正極層114の一辺の長さを85mmとした。また、サンプルS3では、正極層114の一辺の長さを90mmとした。
次に、正極層114の上に上記固体電解質層材料を形成して、固体電解質層112(一辺100mmの正方形板状、厚さ0.2mm)を作製した。
次に、固体電解質層112の上に上記負極層材料を形成して、負極層116(正方形板状、厚さ0.05mm)を作製した。サンプルS2およびS3では、負極層116の一辺の長さを80mmとした。
次に、負極層116の上に負極側集電部材156としてのステンレス箔(一辺100mmの正方形板状)を載せた。このようにして作製された積層体を袋に入れ、真空引きを行った。その後、袋ごと200MPaで静水圧加圧を行った。その後、静水圧加圧を解除した。
以上のようにして作製されたサンプルS2では、図4に示すように、正極層114と固体電解質層112との接触長さは85mmであり、正極層114と固体電解質層112との接触面積は7225mmである。また、負極層116と固体電解質層112との接触長さは80mmであり、負極層116と固体電解質層112との接触面積は6400mmである。そのため、サンプルS2では、正極層114と固体電解質層112との間の接触長さは、負極層116と固体電解質層112との間の接触長さより長く、正極層114と固体電解質層112との間の接触面積は、負極層116と固体電解質層112との間の接触面積より大きい。なお、サンプルS2では、正極層114と固体電解質層112との間の接触長さは、負極層116と固体電解質層112との間の接触長さの106%であり、正極層114と固体電解質層112との間の接触面積は、負極層116と固体電解質層112との間の接触面積の113%である。
また、以上のようにして作製されたサンプルS3では、図4に示すように、正極層114と固体電解質層112との接触長さは90mmであり、正極層114と固体電解質層112との接触面積は8100mmである。また、負極層116と固体電解質層112との接触長さは80mmであり、負極層116と固体電解質層112との接触面積は6400mmである。そのため、サンプルS3では、正極層114と固体電解質層112との間の接触長さは、負極層116と固体電解質層112との間の接触長さより長く、正極層114と固体電解質層112との間の接触面積は、負極層116と固体電解質層112との間の接触面積より大きい。なお、サンプルS3では、正極層114と固体電解質層112との間の接触長さは、負極層116と固体電解質層112との間の接触長さの113%であり、正極層114と固体電解質層112との間の接触面積は、負極層116と固体電解質層112との間の接触面積の127%である。
A−4−2.評価方法について
(初期性能についての評価)
作製された各サンプルの25℃での初期抵抗を測定し、初期抵抗が1000Ω以下である場合に合格(〇)と判定し、初期抵抗が1000Ωを超える場合に不合格(×)と判定した。
(耐久性能についての評価)
作製された各サンプルについて、100μAで10時間充放電を繰り返し、各サイクル後の容量維持率(100μAで10時間放電した際の容量(1mAh)を100%としたNサイクル後の電池容量の割合(単位:%))を測定し、容量維持率が80%以上を維持したサイクル数(以下、「容量維持サイクル数」という)が50サイクル以上である場合に合格(〇)と判定し、50サイクル未満である場合に不合格(×)と判定した。なお、図6は、各サイクル後の容量維持率の測定結果を示す説明図である。
(総合評価)
初期性能についての評価および耐久性能についての評価の両方において合格(〇)と判定された場合に、総合的に合格(〇)と判定し、初期性能についての評価および耐久性能についての評価のいずれかにおいて不合格(×)と判定された場合に、総合的に不合格(×)と判定した。
A−4−3.評価結果について
図4に示すように、サンプルS3では、初期性能についての評価において、初期抵抗が1000Ωを大きく超えたため、不合格(×)と判定された。なお、初期電圧を測定したところ、約2Vであり、短絡はしていなかった。また、図6に示すように、サンプルS3では、耐久性能についての評価において、100μAで放電を開始したところ、ただちに電圧が0Vとなったため、容量維持サイクル数は0であり、不合格(×)と判定された。なお、サンプルS3については、8サイクルで評価を終了した。この結果、サンプルS3は、総合的に不合格(×)と判定された。
作製されたサンプルS3は、目視上、反りが大きく、かつ、クラックが50個以上発生していた。上述したように、サンプルS3では、正極層114と固体電解質層112との接触面積が、負極層116と固体電解質層112との接触面積より大きい。すなわち、サンプルS3では、固体電解質層112を基準とした単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuの差の絶対値Dsが大きいために加圧状態から加圧を解除するときの変形量が固体電解質層112と比べて大きく異なると考えられる正極層114について、固体電解質層112との間の接触面積が比較的大きくなっている。そのため、サンプルS3では、サンプル作製のために加圧状態から加圧を解除した際に、正極層114と固体電解質層112との間の変形量の差に起因してクラックや反りが生じ、このクラックや反りに起因して初期性能および耐久性能が低くなったものと考えられる。
また、図4に示すように、サンプルS2では、初期性能についての評価において、初期抵抗が1000Ω以下であったため、合格(〇)と判定された。なお、初期電圧を測定したところ、約2Vであり、短絡はしていなかった。しかし、図6に示すように、サンプルS2では、耐久性能についての評価において、2サイクル後までは容量維持率が100%であったが、3サイクル後から容量維持率が50%以下に大きく落ち込んだ。そのため、容量維持サイクル数は2であり、不合格(×)と判定された。なお、サンプルS2については、8サイクルで評価を終了した。この結果、サンプルS2は、総合的に不合格(×)と判定された。
作製されたサンプルS2は、目視上、反りが大きく、かつ、クラックが50個以上発生していた。上述したように、サンプルS2では、正極層114と固体電解質層112との接触面積が、負極層116と固体電解質層112との接触面積より大きい。すなわち、サンプルS2では、固体電解質層112を基準とした単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuの差の絶対値Dsが大きいために加圧状態から加圧を解除するときの変形量が固体電解質層112と比べて大きく異なると考えられる正極層114について、固体電解質層112との間の接触面積が比較的大きくなっている。そのため、サンプルS2では、サンプル作製のために加圧状態から加圧を解除した際に、正極層114と固体電解質層112との間の変形量の差に起因してクラックや反りが生じたものと考えられる。ただし、サンプルS2では、サンプルS3と比べると、正極層114と固体電解質層112との接触面積がやや小さくなっている。そのため、サンプルS2では、サンプルS3と比較して初期性能は高くなったものと考えられる。しかし、サンプルS2では、クラックや反りに起因して、充放電中の体積膨張・収縮による層間剥離の進行が発生し、耐久性能が低くなったものと考えられる。
一方、図4に示すように、サンプルS1では、初期性能についての評価において、初期抵抗が1000Ω以下であったため、合格(〇)と判定された。なお、初期電圧を測定したところ、約2Vであり、短絡はしていなかった。また、図6に示すように、サンプルS1では、耐久性能についての評価において、100サイクル後まで容量維持率が100%であったため、容量維持サイクル数は100であり、合格(〇)と判定された。この結果、サンプルS1は、総合的に合格(〇)と判定された。
作製されたサンプルS1は、目視上、反りが無く、かつ、クラックが5個以下であった。上述したように、サンプルS1では、正極層114と固体電解質層112との接触面積が、負極層116と固体電解質層112との接触面積より小さい。すなわち、サンプルS1では、固体電解質層112を基準とした単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuの差の絶対値Dsが大きいために加圧状態から加圧を解除するときの変形量が固体電解質層112と比べて大きく異なると考えられる正極層114について、固体電解質層112との間の接触面積が比較的小さくなっている。そのため、サンプルS1では、サンプル作製のために加圧状態から加圧を解除した際に、正極層114と固体電解質層112との間の変形量の差に起因するクラックや反りの発生が抑制され、クラックや反りに起因する初期性能および耐久性能の低下が抑制されたものと考えられる。
以上説明した性能評価により、2つの電極層114,116の内、固体電解質層112を基準とした単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuの差の絶対値Dsが大きい方の電極層(正極層114)と固体電解質層112との接触面積を、他方の電極層(負極層116)と固体電解質層112との接触面積より小さくすることにより、クラックや反りの発生を抑制することができ、ひいては、初期性能の低下や耐久性能の低下を抑制することができることが確認された。
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上記実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態における全固体電池102の構成は、あくまで一例であり、種々変更可能である。例えば、上記実施形態では、正極層114が、固体電解質層112に含まれる第2の固体電解質材料124と同一材料である固体電解質材料144を含むとしているが、固体電解質材料144が第2の固体電解質材料124とは異なる固体電解質材料であるとしてもよいし、正極層114が固体電解質材料144を含まないとしてもよい。同様に、上記実施形態では、負極層116が、固体電解質層112に含まれる第2の固体電解質材料124と同一材料である固体電解質材料164を含むとしているが、固体電解質材料164が第2の固体電解質材料124とは異なる固体電解質材料であるとしてもよいし、負極層116が固体電解質材料164を含まないとしてもよい。
また、上記実施形態では、負極層116の側面SU4の全体が固体電解質層112に覆われているが、負極層116の側面SU4の一部または全体が固体電解質層112に覆われていないとしてもよい。また、上記実施形態では、正極層114の側面SU2が固体電解質層112に覆われていないが、正極層114の側面SU2の一部または全体が固体電解質層112に覆われているとしてもよい。また、上記実施形態では、正極層114の下面SU1の面積は、負極層116の上面SU3の面積より小さいとしているが、正極層114(の下面SU1および側面SU2)と固体電解質層112との接触面積が、負極層116(の上面SU3および側面SU4)と固体電解質層112との接触面積より小さい限りにおいて、正極層114の下面SU1の面積が、負極層116の上面SU3の面積と同じか、より大きいとしてもよい。
また、上記実施形態では、正極層114の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuと固体電解質層112の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuとの差の絶対値は、負極層116の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuと固体電解質層112の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuとの差の絶対値より大きく、かつ、正極層114と固体電解質層112との接触面積は、負極層116と固体電解質層112との接触面積より小さいとしているが、反対に、負極層116の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuと固体電解質層112の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuとの差の絶対値は、正極層114の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuと固体電解質層112の単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuとの差の絶対値より大きく、かつ、負極層116と固体電解質層112との接触面積は、正極層114と固体電解質層112との接触面積より小さいとしてもよい。この場合には、負極層116は、特許請求の範囲における第1の電極層に相当し、正極層114は、特許請求の範囲における第2の電極層に相当する。
また、上記実施形態では、対象物を所定の圧力で所定の軸方向に加圧した状態から加圧を解除したときの上記軸方向における対象物の変形量の大きさを表す指標値として、単位厚さ当たりのスプリングバック量SBsuが用いられているが、該変形量の大きさを表すことができる限りにおいて、他の指標値が用いられてもよい。
また、上記実施形態における各部材を形成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により形成されてもよい。また、上記実施形態における全固体電池102の製造方法は、あくまで例示であり、全固体電池102が他の方法により製造されてもよい。
また、上記実施形態では、全固体電池102を対象としているが、本願の構成は、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質材料を利用する他のリチウム電池(例えば、リチウム空気電池やリチウムフロー電池等)にも適用可能である。
102:全固体リチウムイオン二次電池 110:電池本体 112:固体電解質層 114:正極層 116:負極層 122:第1の固体電解質材料 124:第2の固体電解質材料 142:正極活物質 144:固体電解質材料 154:正極側集電部材 156:負極側集電部材 162:負極活物質 164:固体電解質材料 200:金型 300:プレス機

Claims (6)

  1. 一方が正極として機能し他方が負極として機能する2つの電極層と、
    前記2つの電極層の間に配置され、リチウムイオン伝導性を有すると共に酸化物である第1の固体電解質材料を主成分として含み、リチウムイオン伝導性を有すると共に、所定の圧力で一軸加圧プレスした圧粉体の理論密度に対する実密度の比が前記第1の固体電解質材料より大きく、かつ、70%以上である第2の固体電解質材料を含む固体電解質層と、
    を備えるリチウム電池において、
    所定の圧力で所定の軸方向に加圧した状態から加圧を解除したときの前記軸方向における変形量の大きさを表す指標値に関し、前記2つの電極層の内の一方である第1の電極層の前記指標値と前記固体電解質層の前記指標値との差の絶対値は、前記2つの電極層の内の他方である第2の電極層の前記指標値と前記固体電解質層の前記指標値との差の絶対値より大きく、
    前記第1の電極層と前記固体電解質層との接触面積は、前記第2の電極層と前記固体電解質層との接触面積より小さいことを特徴とする、リチウム電池。
  2. 請求項1に記載のリチウム電池において、
    前記第2の固体電解質材料は、ハロゲン化リチウムであることを特徴とする、リチウム電池。
  3. 請求項1または請求項2に記載のリチウム電池において、
    前記第1の固体電解質材料は、少なくともLiとLaとZrとOとを含有するガーネット型結晶構造またはガーネット型類似結晶構造を有することを特徴とする、リチウム電池。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のリチウム電池において、
    前記2つの電極層の少なくとも一方は、前記第2の固体電解質材料を含むことを特徴とする、リチウム電池。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のリチウム電池において、
    前記第2の電極層の側面の少なくとも一部分は、前記固体電解質層に覆われていることを特徴とする、リチウム電池。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のリチウム電池の製造方法において、
    前記2つの電極層の間に前記固体電解質層が配置された積層体を作製する工程と、
    前記積層体を加圧する工程と、
    前記積層体の加圧を解除する工程と、
    を備えることを特徴とする、リチウム電池の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020100465A1 (ja) * 2018-11-16 2020-05-22 パナソニックIpマネジメント株式会社 固体電解質およびそれを用いた電池
CN113991171A (zh) * 2021-10-22 2022-01-28 浙江大学 一种石榴石型多元复合固态电解质及其制备方法和应用

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