JP2018188526A - 透明スクリーンを形成するための塗料、塗料、および、透明スクリーン - Google Patents

透明スクリーンを形成するための塗料、塗料、および、透明スクリーン Download PDF

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Abstract

【課題】透明スクリーンの全光線透過率とヘイズとの設定の自由度を向上させる。【解決手段】塗料は、ジルコニア粒子と、溶剤と、被膜形成透明樹脂とを含む。被膜形成透明樹脂は、溶剤が気化すると透明な被膜を形成する。塗料は、黒鉛粒子をさらに含む。黒鉛粒子の質量%が0.01%以上1.00%以下であることが望ましい。質量和に対する黒鉛粒子の質量%と質量和に対するジルコニア粒子の質量%との和が0.635%以上5.5%以下であることが望ましい。【選択図】図3

Description

本発明は、塗料および透明スクリーンに関する。
特許文献1は透明スクリーン用フィルムを開示する。この透明スクリーン用フィルムは、樹脂層と無機粒子とを含む。無機粒子は、樹脂層中に少なくとも一部が凝集状態で含まれる。この無機粒子の一次粒子が、0.1〜50ナノメートルのメジアン径を有し、かつ、10〜500ナノメートルの最大粒径を有する。無機粒子の含有量が、樹脂に対して0.015〜1.2質量%である。無機粒子が、金属系粒子である。特許文献1に開示されている透明スクリーン用フィルムによれば、透過視認性を損なわずに、透明パーティション等に商品情報や広告等を鮮明に投射表示できる。
特開2015−212800号公報
しかしながら、特許文献1に開示された透明スクリーン用フィルムには、全光線透過率とヘイズとを個別に設定することが難しいという問題点がある。
しばしば、透明スクリーンの全光線透過率は高いことが好ましいとされる。全光線透過率の高さは透明スクリーンにおける透明の程度を示すためである。しかしながら、全光線透過率が高い透明スクリーンが常に好ましいとは限らない。例えば、映像に重なる背景が明るい場合、透明スクリーンの全光線透過率はある程度低いことが好ましい。全光線透過率がある程度低いとそれが高い場合に比べて映像がはっきり表われるためである。
映像表示用の透明スクリーンにおいては、ヘイズを高くすることによってそこに表われる映像を見えやすくすることもある。しかしながら、ヘイズが高い透明スクリーンが常に好ましいとは限らない。例えば、窓ガラスに貼られてそこに映像が表示される透明スクリーンの場合、透明スクリーンのヘイズはある程度低いことが好ましい。ヘイズが高過ぎると透明スクリーンの曇りによってそこから外が見え辛くなってしまうからである。
全光線透過率とヘイズとを個別に設定することが難しければ、それらの一方の設定に伴って自ずと他方も決まってしまうこととなる。それらの一方の設定に伴って他方も自ずと決まってしまう場合、そのようにして設定された全光線透過率とヘイズとのうち少なくとも一方がユーザの求める水準に達していない場合、その透明スクリーンはそのユーザにとって満足できないものとなる。
本発明は、このような問題を解消するものである。その目的は、透明スクリーンの製造に用いられることでその透明スクリーンの全光線透過率とヘイズとの設定の自由度を向上させ得る塗料およびその塗料が用いられることで製造される透明スクリーンを提供することにある。
本発明者らは、上記問題点に対して鋭意検討した結果、透明スクリーンがジルコニア粒子を含む光散乱層を備えており、かつ、その光散乱層がジルコニア粒子に加えて黒鉛粒子を含むことで、その光散乱層ひいては透明スクリーンの全光線透過率とヘイズとの設定の自由度を向上させ得ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、次の通りである。
上記課題を解決するために、本発明のある局面に従うと、塗料は、ジルコニア粒子と、溶剤と、被膜形成透明樹脂とを含む。被膜形成透明樹脂は、溶剤が気化すると透明な被膜を形成する。塗料は、黒鉛粒子をさらに含む。
被膜形成透明樹脂は、溶剤が気化すると透明な被膜を形成する。ジルコニア粒子と黒鉛粒子とはその被膜形成透明樹脂によってその被膜に保持されることとなる。ジルコニア粒子と黒鉛粒子とは、その被膜における全光線透過率とヘイズとに及ぼす影響の度合いが異なる。これにより、ジルコニア粒子の質量%と黒鉛粒子の質量%とのうち一方が異なることによって表われる全光線透過率およびヘイズの相違の一方は、ジルコニア粒子の質量%と黒鉛粒子の質量%とのうち他方が異なることによって打ち消し得る。その結果、その被膜ひいてはその被膜が光散乱層として機能する透明スクリーンの全光線透過率とヘイズとの設定の自由度を向上させ得る。
また、質量和に対する上述した黒鉛粒子の質量%が0.01%以上1.00%以下であることが望ましい。質量和とはジルコニア粒子の質量と黒鉛粒子の質量と被膜形成透明樹脂の質量との和のことである。この場合、質量和に対する黒鉛粒子の質量%と質量和に対するジルコニア粒子の質量%との和が0.635%以上5.5%以下であることが望ましい。
質量和に対する黒鉛粒子の質量%が0.01%以上1.00%以下であり、かつ、質量和に対する黒鉛粒子の質量%と質量和に対するジルコニア粒子の質量%との和が0.635%以上5.5%以下である場合、そうでない場合に比べ、被膜形成透明樹脂が透明な被膜を形成した際にその被膜の透明の程度の低下を抑えつつその被膜に形成される映像の輝度を高くできる。
もしくは、上述した質量和に対するジルコニア粒子の質量%が0.625%以上2.5%以下であることが望ましい。この場合、質量和に対する黒鉛粒子の質量%が0.01%以上0.375%以下であることが望ましい。
質量和に対するジルコニア粒子の質量%が0.625%以上2.5%以下であり、かつ、質量和に対する黒鉛粒子の質量%が0.01%以上0.375%以下である場合、被膜形成透明樹脂が形成する被膜の透明の程度は、ジルコニア粒子と黒鉛粒子とが含まれない場合に近くなる。しかも、質量和に対するジルコニア粒子の質量%が0.625%以上2.5%以下であり、かつ、質量和に対する黒鉛粒子の質量%が0.01%以上0.375%以下である場合、被膜形成透明樹脂が形成する被膜のヘイズは、ジルコニア粒子と黒鉛粒子とが含まれない場合に比べて大きくなる。その結果、質量和に対するルコニア粒子の質量%が0.625%以上2.5%以下であり、かつ、質量和に対する黒鉛粒子の質量%が0.01%以上0.375%以下である場合、被膜に形成される映像の輝度を高くできる。
本発明の他の局面に従うと、透明スクリーンは、透明シートと、光散乱層とを備える。光散乱層が、ジルコニア粒子と、被膜形成透明樹脂とを含む。被膜形成透明樹脂は、透明な被膜を形成する。光散乱層が黒鉛粒子をさらに含む。
光散乱層がジルコニア粒子と黒鉛粒子とを含むことにより、その光散乱層を備える透明スクリーンの全光線透過率とヘイズとの設定の自由度を向上させ得る。
本発明によれば、高い透過視認性を有しており、像を鮮明に映し出すことができ、かつ、スクリーンに映し出される画像の色をその像の光源の色に近づける。
本発明の実施例および比較例において全光線透過率に及ぼすジルコニア粒子の質量%の影響を示す図である。 本発明の実施例および比較例においてヘイズに及ぼすジルコニア粒子の質量%の影響を示す図である。 本発明の実施例および比較例においてb*に及ぼすジルコニア粒子の質量%の影響を示す図である。
[透明スクリーンの構造の説明]
本発明について以下詳細に説明する。本発明にかかる透明スクリーンは、透明シートと、光散乱層とを備える。
(透明シートの説明)
透明シートは、周知の透明な素材からなるシートである。その素材は特に限定されない。その素材の例には、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ビニル樹脂がある。透明シートの構造も特に限定されない。本発明にかかる透明シートは、一様な構造であってもよいし、互いに異なる素材からなる複数の層を有していてもよい。そのような構造の例には、周知のガラス板とポリエチレンテレフタレート製のフィルムとを有するものがある。
光散乱層は、透明シートの表面に形成される。光散乱層は、そこに入射してくる光を散乱させる。光散乱層は、ジルコニア粒子と、黒鉛粒子と、被膜形成透明樹脂とを含む。
ジルコニア粒子の大きさおよび形状は特に限定されない。例えば、本発明に用いられるジルコニア粒子の平均粒径は5ナノメートル以上400ナノメートル以下であってもよい。本発明に用いられるジルコニア粒子の形状は球形であってもよい。
黒鉛粒子の大きさおよび形状も特に限定されない。例えば、本発明に用いられる黒鉛粒子の平均直径は5マイクロメートル以上100マイクロメートル以下であってもよい。本発明に用いられるジルコニア粒子の形状は厚さ10ナノメートル以上30ナノメートル以下の薄片状であってもよい。
被膜形成透明樹脂は、透明な被膜を形成する合成樹脂である。ジルコニア粒子と黒鉛粒子とは、被膜形成透明樹脂に含まれることでその被膜に保持される。被膜形成透明樹脂の種類も特に限定されない。ただしこの被膜形成透明樹脂は、光の透過をなるべく妨げない合成樹脂であることが好ましい。そのような合成樹脂の例には、ポリエステル樹脂がある。
[塗料の説明]
本発明にかかる透明スクリーンは、上述された透明シートの表面へ本発明にかかる塗料を塗布することで形成できる。その塗料がその透明シートの表面で乾燥することで、その塗料は光散乱層となる。本発明にかかる塗料は、ジルコニア粒子と、黒鉛粒子と、溶剤と、被膜形成透明樹脂とを含む。
本発明にかかる溶剤は、塗布されるまで塗料の流動性を維持し、かつ、塗布された後は気化する、塗料の成分のことである。本発明にかかる塗料においては、溶剤の成分は特に限定されない。溶剤は混合物でも純物質であってもよい。ただし溶剤はジルコニア粒子と黒鉛粒子とをその溶剤中に分散させることができるものである。そのような溶剤の例には、メチルエチルケトンとプロピレングリコールモノメチルエーテルとがある。
ジルコニア粒子と、黒鉛粒子と、被膜形成透明樹脂とについての説明は上述された通りなので、ここではその説明は繰り返されない。
[製造方法の説明]
本発明にかかる透明スクリーンの製造方法は特に限定されない。その一例は、上述されたように、透明シートの表面へ本発明にかかる塗料を塗布することである。その他、透明シートの表面に光散乱層を形成するために適用可能な任意の方法が用いられ得る。
本発明にかかる塗料の製造方法も特に限定されない。その一例は、ジルコニア粒子と、黒鉛粒子と、被膜形成透明樹脂とを別々に溶剤中で分散させておき、溶剤中に分散したジルコニア粒子と、黒鉛粒子と、被膜形成透明樹脂とを混合するという方法がある。
[用途及び使用方法の説明]
本発明にかかる塗料は、本発明にかかる透明スクリーンの製造に用いられる。本発明にかかる透明スクリーンは、静止画および動画の少なくとも一方を映し出すために用いられる。その具体的な使用方法は従来から用いられている周知のスクリーンと同様である。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されない。
[実施例1]
(1) 塗料の調製
(A) ジルコニア粒子分散液の調製
作業者は、以下の手順に従って本実施例にかかるジルコニア粒子分散液を調製した。まず、作業者は、プロピレングリコールモノメチルエーテル中に株式会社アイテック製ジルコニア粒子であるZirconeo(登録商標)を混入させた。混入されたジルコニア粒子のBET値は242m毎グラムであった。そのジルコニア粒子入りプロピレングリコールモノメチルエーテルにおけるジルコニア粒子の質量%は10質量%であった。次に、作業者は、そのジルコニア粒子入りプロピレングリコールモノメチルエーテルに粒子粉砕用の周知のビーズを投入した。次に、作業者は、そのジルコニア粒子入りプロピレングリコールモノメチルエーテルをマグネティックスターラで撹拌した。これにより、ジルコニア粒子はビーズによって砕かれた。ジルコニア粒子入りプロピレングリコールモノメチルエーテルの撹拌中、そのジルコニア粒子の粒径は、粒径測定装置(メーカー:大塚電子株式会社、型番:FPAR−1000)によりくり返し測定された。測定方法は動的光散乱法(DLS)であった。ジルコニア粒子の平均粒径が400ナノメートルとなるまで、ジルコニア粒子を砕く作業が継続された。作業終了後、ビーズは取り除かれた。
(B) 黒鉛粒子分散液の調製
作業者は、以下の手順に従って本実施例にかかる黒鉛粒子分散液を調製した。まず、作業者は、メチルエチルケトン中に株式会社アイテック製黒鉛粒子であるiGurafen(登録商標)を混入させた。混入された黒鉛粒子のBET値は27m毎グラムであった。その黒鉛粒子入りメチルエチルケトンにおける黒鉛粒子の質量%は5質量%であった。次に作業者は、その黒鉛粒子入りメチルエチルケトンをジェットミル(メーカー:株式会社スギノマシン、型番:スターバーストHJP−25008)に入れた。ジェットミル内で黒鉛粒子は砕かれた。黒鉛粒子の平均粒径が5マイクロメートルとなるまで、黒鉛粒子を砕く作業が継続された。
(C) 被膜形成透明樹脂溶液の調製
作業者は、メチルエチルケトン中に東洋紡株式会社製ポリエステル樹脂であるバイロン(登録商標)を混入させることにより、本実施例にかかる合成樹脂液を調製した。そのポリエステル樹脂入りメチルエチルケトンにおけるポリエステル樹脂の質量%は45質量%であった。これが本実施例にかかる被膜形成透明樹脂溶液である。
(D) 混合
まず、作業者は、次の2つの要件が満たされるように、ジルコニア粒子分散液と、黒鉛粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その第1の要件は、ジルコニア粒子の質量と黒鉛粒子の質量とポリエステル樹脂の質量との和に対するジルコニア粒子の質量%が0.625質量%となるというものである。その第2の要件は、ジルコニア粒子と黒鉛粒子とポリエステル樹脂との和に対する黒鉛粒子の質量%が0.375質量%となるというものである。その結果、ジルコニア粒子の質量と黒鉛粒子の質量とポリエステル樹脂の質量との和が「質量和」と定義されるとき、質量和に対する黒鉛粒子の質量%と質量和に対するジルコニア粒子の質量%との和は、1.000質量%となる。次に、作業者は、総重量がポリエステル樹脂の重量の3.46倍になるまで、プロピレングリコールモノメチルエーテルを添加した。プロピレングリコールモノメチルエーテルが添加されたものが本実施例にかかる塗料である。
(2) 透明スクリーンの作製
まず、作業者は、ハガキと同じ大きさの平板形ガラスに、イソプロピルアルコールを垂らした。次に、作業者は、その平板形ガラスにポリエチレンテレフタレートフィルムを被せた。ポリエチレンテレフタレートフィルムは東レ株式会社製のルミラー(登録商標)T60であった。次に、作業者は、平板形ガラスとポリエチレンテレフタレートフィルムとの間に挟まれた気泡を押し出した。気泡が押し出されると、作業者は、平板形ガラスおよびポリエチレンテレフタレートフィルムの一端と他端とに厚さ40マイクロメートルの市販のテープを貼った。これにより、平板形ガラスとポリエチレンテレフタレートフィルムとは貼り合わされた。次に、作業者は、平板形ガラスおよびポリエチレンテレフタレートフィルムの残る縁も同様にして貼り合わせた。これにより、平板形ガラスおよびポリエチレンテレフタレートフィルムの四方の縁が貼り合わされた。次に、作業者は、四方の縁が貼り合わされたポリエチレンテレフタレートフィルムへ本実施例にかかる塗料を垂らした。塗料が垂らされると、作業者は、まっすぐな金属製円柱棒を用いてその塗料をポリエチレンテレフタレートフィルムのうちテープで囲まれた領域に広げた。その塗料の量は、テープで囲まれた領域に広げられた際にそのテープと同じ高さになる量であった。次に、作業者は、塗料が広げられたポリエチレンテレフタレートフィルムおよび平板形ガラスを乾燥炉内で乾燥させた。乾燥炉内の温度は摂氏120度であった。これにより、塗料は光散乱層となった。光散乱層の厚さは10マイクロメートルであった。塗料が光散乱層となったことにより、本実施例にかかる透明スクリーンが完成した。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、日本電色工業株式会社のヘイズメータNDH7000を用いることにより、本実施例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は82%であった。測定されたヘイズは6.65%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、株式会社日立サイエンスシステムズのカラーアナライザーC−2000Sを用いることにより、本実施例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。これらのL*、a*、および、b*は、分光反射率がまず測定された後に、その分光反射率に基づいて測定されたものである。ただし本実施例にかかる透明スクリーンをいったん透過した光がどこかで反射して再びその透明スクリーンを透過することを防ぐため、その透明スクリーンの背後にはライトトラップが設けられた。その透明スクリーンをいったん透過した光はそのライトトラップの内面に入ることでその透明スクリーンを再度透過することはできなくなった。測定されたL*値は13.0153であった。測定されたa*値は−0.3328であった。測定されたb*値は−2.8519であった。
[実施例2]
(1) 塗料の調製
作業者は、次の2つの要件が満たされるように、ジルコニア粒子分散液と、黒鉛粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その第1の要件は、質量和に対するジルコニア粒子の質量%が1.25質量%となるというものである。その第2の要件は、質量和に対する黒鉛粒子の質量%が0.25質量%となるというものである。その結果、質量和に対する黒鉛粒子の質量%と質量和に対するジルコニア粒子の質量%との和は、1.50質量%となる。その他の点は実施例1と同様である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本実施例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は82.73%であった。測定されたヘイズは6.95%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本実施例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は10.885であった。測定されたa*値は−0.1651であった。測定されたb*値は−2.641であった。
[実施例3]
(1) 塗料の調製
作業者は、次の2つの要件が満たされるように、ジルコニア粒子分散液と、黒鉛粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その第1の要件は、質量和に対するジルコニア粒子の質量%が1.875質量%となるというものである。その第2の要件は、質量和に対する黒鉛粒子の質量%が0.125質量%となるというものである。その結果、質量和に対する黒鉛粒子の質量%と質量和に対するジルコニア粒子の質量%との和は、2.000質量%となる。その他の点は実施例1と同様である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本実施例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は88.46%であった。測定されたヘイズは5.42%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本実施例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は9.547であった。測定されたa*値は−0.0487であった。測定されたb*値は−5.2785であった。
[実施例4]
(1) 塗料の調製
作業者は、次の2つの要件が満たされるように、ジルコニア粒子分散液と、黒鉛粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その第1の要件は、質量和に対するジルコニア粒子の質量%が2.1875質量%となるというものである。その第2の要件は、質量和に対する黒鉛粒子の質量%が0.0625質量%となるというものである。その結果、質量和に対する黒鉛粒子の質量%と質量和に対するジルコニア粒子の質量%との和は、2.2500質量%となる。その他の点は実施例1と同様である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本実施例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は86.59%であった。測定されたヘイズは7.23%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本実施例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は11.8526であった。測定されたa*値は−0.3113であった。測定されたb*値は−5.1488であった。
[実施例5]
(1) 塗料の調製
作業者は、次の2つの要件が満たされるように、ジルコニア粒子分散液と、黒鉛粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その第1の要件は、質量和に対するジルコニア粒子の質量%が2.3435質量%となるというものである。その第2の要件は、質量和に対する黒鉛粒子の質量%が0.03125質量%となるというものである。その結果、質量和に対する黒鉛粒子の質量%と質量和に対するジルコニア粒子の質量%との和は、2.37475質量%となる。その他の点は実施例1と同様である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本実施例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は87.66%であった。測定されたヘイズは6.44%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本実施例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は11.1067であった。測定されたa*値は−0.3789であった。測定されたb*値は−4.9282であった。
[実施例6]
(1) 塗料の調製
作業者は、次の2つの要件が満たされるように、ジルコニア粒子分散液と、黒鉛粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その第1の要件は、質量和に対するジルコニア粒子の質量%が2.5質量%となるというものである。その第2の要件は、質量和に対する黒鉛粒子の質量%が0.01質量%となるというものである。その結果、質量和に対する黒鉛粒子の質量%と質量和に対するジルコニア粒子の質量%との和は、2.51質量%となる。その他の点は実施例1と同様である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本実施例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は88.31%であった。測定されたヘイズは6.24%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本実施例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は10.9759であった。測定されたa*値は−0.4978であった。測定されたb*値は−5.3946であった。
[実施例7]
(1) 塗料の調製
作業者は、次の2つの要件が満たされるように、ジルコニア粒子分散液と、黒鉛粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その第1の要件は、質量和に対するジルコニア粒子の質量%が2.5質量%となるというものである。その第2の要件は、質量和に対する黒鉛粒子の質量%が0.1質量%となるというものである。その結果、質量和に対する黒鉛粒子の質量%と質量和に対するジルコニア粒子の質量%との和は、2.6質量%となる。その他の点は実施例1と同様である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本実施例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は87.07%であった。測定されたヘイズは6.55%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本実施例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は9.48であった。測定されたa*値は−0.3242であった。測定されたb*値は−4.7368であった。
[実施例8]
(1) 塗料の調製
作業者は、次の2つの要件が満たされるように、ジルコニア粒子分散液と、黒鉛粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その第1の要件は、質量和に対するジルコニア粒子の質量%が0.625質量%となるというものである。その第2の要件は、質量和に対する黒鉛粒子の質量%が0.5質量%となるというものである。その結果、質量和に対する黒鉛粒子の質量%と質量和に対するジルコニア粒子の質量%との和は、1.125質量%となる。その他の点は実施例1と同様である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は76%であった。測定されたヘイズは8.84%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は18.26であった。測定されたa*値は−0.177であった。測定されたb*値は−2.161であった。
[実施例9]
(1) 塗料の調製
作業者は、次の2つの要件が満たされるように、ジルコニア粒子分散液と、黒鉛粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その第1の要件は、質量和に対するジルコニア粒子の質量%が0.625質量%となるというものである。その第2の要件は、質量和に対する黒鉛粒子の質量%が1.0質量%となるというものである。その結果、質量和に対する黒鉛粒子の質量%と質量和に対するジルコニア粒子の質量%との和は、1.625質量%となる。その他の点は実施例1と同様である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は71.89%であった。測定されたヘイズは11.36%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は20.5652であった。測定されたa*値は−0.5242であった。測定されたb*値は−1.6932であった。
[実施例10]
(1) 塗料の調製
作業者は、次の2つの要件が満たされるように、ジルコニア粒子分散液と、黒鉛粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その第1の要件は、質量和に対するジルコニア粒子の質量%が1.25質量%となるというものである。その第2の要件は、質量和に対する黒鉛粒子の質量%が0.5質量%となるというものである。その結果、質量和に対する黒鉛粒子の質量%と質量和に対するジルコニア粒子の質量%との和は、1.75質量%となる。その他の点は実施例1と同様である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は77.74%であった。測定されたヘイズは11.96%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は13.3055であった。測定されたa*値は−0.0958であった。測定されたb*値は−1.7414であった。
[実施例11]
(1) 塗料の調製
作業者は、次の2つの要件が満たされるように、ジルコニア粒子分散液と、黒鉛粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その第1の要件は、質量和に対するジルコニア粒子の質量%が1.25質量%となるというものである。その第2の要件は、質量和に対する黒鉛粒子の質量%が1.0質量%となるというものである。その結果、質量和に対する黒鉛粒子の質量%と質量和に対するジルコニア粒子の質量%との和は、2.25質量%となる。その他の点は実施例1と同様である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は72.06%であった。測定されたヘイズは13.63%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は21.7576であった。測定されたa*値は−0.1659であった。測定されたb*値は−2.0661であった。
[実施例12]
(1) 塗料の調製
作業者は、次の2つの要件が満たされるように、ジルコニア粒子分散液と、黒鉛粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その第1の要件は、質量和に対するジルコニア粒子の質量%が2.5質量%となるというものである。その第2の要件は、質量和に対する黒鉛粒子の質量%が0.5質量%となるというものである。その結果、質量和に対する黒鉛粒子の質量%と質量和に対するジルコニア粒子の質量%との和は、3.0質量%となる。その他の点は実施例1と同様である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は79.83%であった。測定されたヘイズは11.31%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は15.436であった。測定されたa*値は−0.4533であった。測定されたb*値は−3.1075であった。
[実施例13]
(1) 塗料の調製
作業者は、次の2つの要件が満たされるように、ジルコニア粒子分散液と、黒鉛粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その第1の要件は、質量和に対するジルコニア粒子の質量%が2.5質量%となるというものである。その第2の要件は、質量和に対する黒鉛粒子の質量%が1.0質量%となるというものである。その結果、質量和に対する黒鉛粒子の質量%と質量和に対するジルコニア粒子の質量%との和は、3.5質量%となる。その他の点は実施例1と同様である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は70.73%であった。測定されたヘイズは14.66%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は17.1678であった。測定されたa*値は−0.2232であった。測定されたb*値は−1.7017であった。
[実施例14]
(1) 塗料の調製
作業者は、次の2つの要件が満たされるように、ジルコニア粒子分散液と、黒鉛粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その第1の要件は、質量和に対するジルコニア粒子の質量%が5.0質量%となるというものである。その第2の要件は、質量和に対する黒鉛粒子の質量%が0.1質量%となるというものである。その結果、質量和に対する黒鉛粒子の質量%と質量和に対するジルコニア粒子の質量%との和は、5.1質量%となる。その他の点は実施例1と同様である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は84.42%であった。測定されたヘイズは12.07%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は15.158であった。測定されたa*値は−0.5547であった。測定されたb*値は−5.476であった。
[実施例15]
(1) 塗料の調製
作業者は、次の2つの要件が満たされるように、ジルコニア粒子分散液と、黒鉛粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その第1の要件は、質量和に対するジルコニア粒子の質量%が5.0質量%となるというものである。その第2の要件は、質量和に対する黒鉛粒子の質量%が0.5質量%となるというものである。その結果、質量和に対する黒鉛粒子の質量%と質量和に対するジルコニア粒子の質量%との和は、5.5質量%となる。その他の点は実施例1と同様である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は77.63%であった。測定されたヘイズは16.00%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は16.3883であった。測定されたa*値は−0.2609であった。測定されたb*値は−3.0212であった。
[実施例16]
(1) 塗料の調製
作業者は、次の2つの要件が満たされるように、ジルコニア粒子分散液と、黒鉛粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その第1の要件は、質量和に対するジルコニア粒子の質量%が0.625質量%となるというものである。その第2の要件は、質量和に対する黒鉛粒子の質量%が0.01質量%となるというものである。その結果、質量和に対する黒鉛粒子の質量%と質量和に対するジルコニア粒子の質量%との和は、0.635質量%となる。その他の点は実施例1と同様である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は88.41%であった。測定されたヘイズは3.44%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は8.6154であった。測定されたa*値は−0.3224であった。測定されたb*値は−4.7987であった。
[実施例17]
(1) 塗料の調製
作業者は、次の2つの要件が満たされるように、ジルコニア粒子分散液と、黒鉛粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その第1の要件は、質量和に対するジルコニア粒子の質量%が1.25質量%となるというものである。その第2の要件は、質量和に対する黒鉛粒子の質量%が2.0質量%となるというものである。その結果、質量和に対する黒鉛粒子の質量%と質量和に対するジルコニア粒子の質量%との和は、3.25質量%となる。その他の点は実施例1と同様である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は58.7%であった。測定されたヘイズは19.74%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は24.63であった。測定されたa*値は−0.1387であった。測定されたb*値は−0.7801であった。
[実施例18]
(1) 塗料の調製
作業者は、次の2つの要件が満たされるように、ジルコニア粒子分散液と、黒鉛粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その第1の要件は、質量和に対するジルコニア粒子の質量%が5.0質量%となるというものである。その第2の要件は、質量和に対する黒鉛粒子の質量%が1.0質量%となるというものである。その結果、質量和に対する黒鉛粒子の質量%と質量和に対するジルコニア粒子の質量%との和は、6.0質量%となる。その他の点は実施例1と同様である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は69.34%であった。測定されたヘイズは22.56%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は19.7022であった。測定されたa*値は−0.1775であった。測定されたb*値は−1.7485であった。
[実施例19]
(1) 塗料の調製
作業者は、次の2つの要件が満たされるように、ジルコニア粒子分散液と、黒鉛粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その第1の要件は、質量和に対するジルコニア粒子の質量%が5.0質量%となるというものである。その第2の要件は、質量和に対する黒鉛粒子の質量%が2.0質量%となるというものである。その結果、質量和に対する黒鉛粒子の質量%と質量和に対するジルコニア粒子の質量%との和は、7.0質量%となる。その他の点は実施例1と同様である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は53.4%であった。測定されたヘイズは35.79%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は25.6488であった。測定されたa*値は−0.1312であった。測定されたb*値は−0.7911であった。
[実施例20]
(1) 塗料の調製
作業者は、次の2つの要件が満たされるように、ジルコニア粒子分散液と、黒鉛粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その第1の要件は、質量和に対するジルコニア粒子の質量%が10質量%となるというものである。その第2の要件は、質量和に対する黒鉛粒子の質量%が1.0質量%となるというものである。その結果、質量和に対する黒鉛粒子の質量%と質量和に対するジルコニア粒子の質量%との和は、11質量%となる。その他の点は実施例1と同様である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は69.62%であった。測定されたヘイズは22.84%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は24.3643であった。測定されたa*値は−0.524であった。測定されたb*値は−2.6793であった。
[実施例21]
(1) 塗料の調製
作業者は、次の2つの要件が満たされるように、ジルコニア粒子分散液と、黒鉛粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その第1の要件は、質量和に対するジルコニア粒子の質量%が10質量%となるというものである。その第2の要件は、質量和に対する黒鉛粒子の質量%が2.0質量%となるというものである。その結果、質量和に対する黒鉛粒子の質量%と質量和に対するジルコニア粒子の質量%との和は、12質量%となる。その他の点は実施例1と同様である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は53.47%であった。測定されたヘイズは38.73%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は26.2355であった。測定されたa*値は−0.2037であった。測定されたb*値は−1.2559であった。
[比較例1]
(1) 塗料の調製
作業者は、次の要件が満たされるように、ジルコニア粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その要件は、ジルコニア粒子とポリエステル樹脂との和に対するジルコニア粒子の質量%が0.3125質量%となるというものである。その他の点は実施例1と同様である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は89.1%であった。測定されたヘイズは2.81%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は6.7536であった。測定されたa*値は−0.1228であった。測定されたb*値は−4.017であった。
[比較例2]
(1) 塗料の調製
作業者は、次の要件が満たされるように、ジルコニア粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その要件は、ジルコニア粒子とポリエステル樹脂との和に対するジルコニア粒子の質量%が0.625質量%となるというものである。その他の点は実施例1と同様である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は88.93%であった。測定されたヘイズは3.14%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は6.9542であった。測定されたa*値は−0.1301であった。測定されたb*値は−4.7726であった。
[比較例3]
(1) 塗料の調製
作業者は、次の要件が満たされるように、ジルコニア粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その要件は、ジルコニア粒子とポリエステル樹脂との和に対するジルコニア粒子の質量%が1.25質量%となるというものである。その他の点は実施例1と同様である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は88.73%であった。測定されたヘイズは4.49%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は7.5094であった。測定されたa*値は−0.3298であった。測定されたb*値は−5.0782であった。
[比較例4]
(1) 塗料の調製
作業者は、次の要件が満たされるように、ジルコニア粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その要件は、ジルコニア粒子とポリエステル樹脂との和に対するジルコニア粒子の質量%が2.5質量%となるというものである。その他の点は実施例1と同様である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は88.77%であった。測定されたヘイズは5.36%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は9.6688であった。測定されたa*値は−0.2991であった。測定されたb*値は−5.4833であった。
[比較例5]
(1) 塗料の調製
作業者は、次の要件が満たされるように、ジルコニア粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その要件は、ジルコニア粒子とポリエステル樹脂との和に対するジルコニア粒子の質量%が5.0質量%となるというものである。その他の点は実施例1と同様である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は88.09%であった。測定されたヘイズは11.27%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は16.9984であった。測定されたa*値は−0.7858であった。測定されたb*値は−6.3418であった。
[比較例6]
(1) 塗料の調製
作業者は、次の要件が満たされるように、ジルコニア粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その要件は、ジルコニア粒子とポリエステル樹脂との和に対するジルコニア粒子の質量%が10質量%となるというものである。その他の点は実施例1と同様である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は87.5%であった。測定されたヘイズは16.51%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は20.3171であった。測定されたa*値は−1.0199であった。測定されたb*値は−6.9866であった。
[比較例7]
(1) 塗料の調製
作業者は、ポリエステル樹脂液に対し、総重量がポリエステル樹脂の重量の3.46倍になるまで、プロピレングリコールモノメチルエーテルを添加した。プロピレングリコールモノメチルエーテルが添加されたものが本比較例にかかる塗料である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本実施例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は89.06%であった。測定されたヘイズは1.89%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本実施例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は5.3675であった。測定されたa*値は0.2322であった。測定されたb*値は−3.817であった。
[比較例8]
(1) 塗料の調製
作業者は、次の要件が満たされるように、黒鉛粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その要件は、黒鉛粒子とポリエステル樹脂との和に対する黒鉛粒子の質量%が0.01質量%となるというものである。その他の点は実施例1と同様である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は88.95%であった。測定されたヘイズは1.95%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は4.721であった。測定されたa*値は−0.0222であった。測定されたb*値は−3.0976であった。
[比較例9]
(1) 塗料の調製
作業者は、次の要件が満たされるように、黒鉛粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その要件は、黒鉛粒子とポリエステル樹脂との和に対する黒鉛粒子の質量%が0.1質量%となるというものである。その他の点は実施例1と同様である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は87.17%であった。測定されたヘイズは2.97%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は6.4747であった。測定されたa*値は−0.0312であった。測定されたb*値は−3.2847であった。
[比較例10]
(1) 塗料の調製
作業者は、次の要件が満たされるように、黒鉛粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その要件は、黒鉛粒子とポリエステル樹脂との和に対する黒鉛粒子の質量%が1.0質量%となるというものである。その他の点は実施例1と同様である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は71.91%であった。測定されたヘイズは10.58%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は23.2348であった。測定されたa*値は−0.2608であった。測定されたb*値は−1.188であった。
[比較例11]
(1) 塗料の調製
作業者は、次の要件が満たされるように、黒鉛粒子分散液と、ポリエステル樹脂液とを混合した。その要件は、黒鉛粒子とポリエステル樹脂との和に対する黒鉛粒子の質量%が2.0質量%となるというものである。その他の点は実施例1と同様である。
(2) 透明スクリーンの作製
透明スクリーンの作成手順は実施例1と同様である。
(3) 測定
(A) 全光線透過率およびヘイズの測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンの全光線透過率およびヘイズを測定した。測定された全光線透過率は57.73%であった。測定されたヘイズは17.4%であった。
(B) L*値、a*値、b*値の測定
作業者は、実施例1と同様にして、本比較例にかかる透明スクリーンのD65光源におけるL*値、a*値、および、b*値を測定した。測定されたL*値は24.4753であった。測定されたa*値は−0.0867であった。測定されたb*値は−0.3863であった。
[実施例にかかる透明スクリーンの効果の説明]
図1は本発明の実施例および比較例において全光線透過率に及ぼすジルコニア粒子の質量%の影響を示す図である。図1では、黒鉛粒子の質量%が同一の実施例および比較例にかかる印の間が線でつながれている。黒鉛粒子の質量%に関わらず、全光線透過率に及ぼすジルコニア粒子の質量%の影響は小さい。むしろ、黒鉛粒子の質量%の方が全光線透過率へ大きな影響を及ぼすことが明らかである。すなわち、光散乱層に対してジルコニア粒子に加えて黒鉛粒子を含ませることで、光散乱層に対してジルコニア粒子のみを含ませる場合に比べ、全光線透過率の設定が容易になる。
図2は本発明の実施例および比較例においてヘイズに及ぼすジルコニア粒子の質量%の影響を示す図である。図2でも、黒鉛粒子の質量%が同一の実施例および比較例にかかる印の間が線でつながれている。図2によれば、ジルコニア粒子の質量%ばかりでなく黒鉛粒子の質量%もヘイズへ大きな影響を及ぼす。すなわち、光散乱層に対してジルコニア粒子に加えて黒鉛粒子を含ませることで、光散乱層に対してジルコニア粒子のみを含ませる場合に比べ、ヘイズの設定が容易になる。言い換えると、黒鉛粒子に加えてジルコニア粒子を含ませることで、光散乱層に対して黒鉛粒子のみを含ませる場合に比べ、ヘイズを細やかに設定することが可能になる。
図3は本発明の実施例および比較例においてb*に及ぼすジルコニア粒子の質量%の影響を示す図である。図3でも、黒鉛粒子の質量%が同一の実施例および比較例にかかる印の間が線でつながれている。図3によれば、光散乱層に黒鉛粒子が含まれていない場合、b*は大きく下がる。このことは透明スクリーンが青みがかることを意味する。これに対し、光散乱層がジルコニア粒子に加えて黒鉛粒子も含む場合、b*はそれほど下がらない。このことは、透明スクリーンが青みがからないことを意味する。すなわち、光散乱層に対してジルコニア粒子に加えて黒鉛粒子を含ませることで、その透明スクリーンに映し出される画像の色をその画像の光源の色に近づけることが容易になる。
また、本発明の実施例にかかる透明スクリーンのうち、次に述べられる第1の要件と第2の要件とが満たされるものは、それら2つの要件のうち少なくとも一方が満たされない場合に比べ、ヘイズが大幅に小さくなったり大きくなったりする。その第1の要件は、質量和に対する黒鉛粒子の質量%が0.01%以上1.00%以下であるという要件である。第2の要件は、質量和に対する黒鉛粒子の質量%と質量和に対するジルコニア粒子の質量%との和が、0.635%以上5.5%以下であるという要件である。これにより、透明スクリーンに形成される映像の濁りを抑えつつ映像の輝度を高くできる。これらの2つの要件を満たす透明スクリーンのうち、次に述べられる第3の要件と第4の要件とがさらに満たされるものは、第1の要件と第2の要件とを満たさないものに比べ、全光線透過率が大きい。その第3の要件は、質量和に対するジルコニア粒子の質量%が0.625%以上2.5%以下であるという要件である。第4の要件は、質量和に対する黒鉛粒子の質量%が0.01%以上0.375%以下であるという要件である。これにより、透明スクリーンにおける透明感を確保しつつ、色調のバランスを保つことができる。その結果、これら4つの要件を満たす透明スクリーンは、高い透過視認性を有しており、像を鮮明に映し出すことができ、かつ、スクリーンに映し出される画像の色をその像の光源の色に近づけることができる。
本発明は、透明スクリーンを形成するための塗料、塗料および透明スクリーンに関する。
本発明は、このような問題を解消するものである。その目的は、透明スクリーンの製造に用いられることでその透明スクリーンの全光線透過率とヘイズとの設定の自由度を向上させ得る透明スクリーンを形成するための塗料、塗料およびその塗料が用いられることで製造される透明スクリーンを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある局面に従うと、透明スクリーンを形成するための塗料は、ジルコニア粒子と、溶剤と、被膜形成透明樹脂とを含む。被膜形成透明樹脂は、溶剤が気化すると透明な被膜を形成する。塗料は、黒鉛粒子をさらに含む。
また、本発明のある局面に従うと、塗料は、ジルコニア粒子と、溶剤と、被膜形成透明樹脂とを含む。被膜形成透明樹脂は、溶剤が気化すると透明な被膜を形成する。塗料は、黒鉛粒子をさらに含む。質量和に対する上述した黒鉛粒子の質量%が0.01%以上1.00%以下である。質量和とはジルコニア粒子の質量と黒鉛粒子の質量と被膜形成透明樹脂の質量との和のことである。質量和に対する黒鉛粒子の質量%と質量和に対するジルコニア粒子の質量%との和が0.635%以上5.5%以下である。

Claims (4)

  1. ジルコニア粒子と、
    溶剤と、
    前記溶剤が気化すると透明な被膜を形成する被膜形成透明樹脂とを含む塗料であって、
    黒鉛粒子をさらに含むことを特徴とする塗料。
  2. 前記ジルコニア粒子の質量と前記黒鉛粒子の質量と前記被膜形成透明樹脂の質量との和である質量和に対する前記黒鉛粒子の質量%が0.01%以上1.00%以下であり、
    前記質量和に対する前記黒鉛粒子の質量%と前記質量和に対する前記ジルコニア粒子の質量%との和が、0.635%以上5.5%以下であることを特徴とする請求項1に記載の塗料。
  3. 前記質量和に対する前記ジルコニア粒子の質量%が0.625%以上2.5%以下であり、
    前記質量和に対する前記黒鉛粒子の質量%が0.01%以上0.375%以下であることを特徴とする請求項2に記載の塗料。
  4. 透明シートと、
    前記透明シートの表面に形成され入射してくる光を散乱させる光散乱層とを備え、
    前記光散乱層が、
    ジルコニア粒子と、
    透明な被膜を形成する被膜形成透明樹脂とを含む透明スクリーンであって、
    前記光散乱層が黒鉛粒子をさらに含むことを特徴とする透明スクリーン。
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