JP2018185029A - タンク搭載装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1及び第2タンクの内圧差の増大を抑制しつつ燃料ガスのトータルの充填量を確保するタンク搭載装置を提供することを課題とする。【解決手段】第1タンクと、充填中での温度上昇率が前記第1タンクよりも小さい第2タンクと、共用路、第1分岐路、及び第2分岐路、を含み、充填通路と、前記第1分岐路に設けられた遮断弁と、前記第1及び第2タンク内にそれぞれ連通した第1及び第2供給路、及び前記第1及び第2供給路が合流した合流路、を含み、前記燃料ガスを供給する供給通路と、前記第1タンクから前記第1供給路への供給又は停止を切り替える第1主止弁と、前記第2タンクから前記第2供給路への供給又は停止を切り替える第2主止弁と、前記第1及び第2タンク間の内圧差に相関するパラメータを取得する取得部と、前記パラメータが閾値を超えたか否かを判定する判定部と、前記遮断弁の開度を低下させる制御部と、を備えたタンク搭載装置。【選択図】図3

Description

本発明は、タンク搭載装置に関する。
特許文献1には、第1タンクと第1タンクよりも容量の小さい第2タンクとの燃料ガスのトータルの充填量を確保するために、第1タンク内の温度が第2タンクよりも低下するように第1タンクからの燃料ガスを優先的に使用して、第1タンク内の温度を第2タンクよりも低下した状態で第1及び第2タンクへの燃料ガスの充填を開始するタンク搭載装置が記載されている。このような装置では、第1及び第2タンクから燃料ガスを供給先に供給するための供給通路には、第1タンクからの燃料ガスの供給又は停止を切り替える第1主止弁と、第2タンクからの燃料ガスの供給又は停止を切り替える第2主止弁と、が設けられている。
特開2015−132329号公報
上述したように容量の大きい第1タンク内の温度が容量の小さい第2タンクよりも低下している状態では、第1タンクの内圧は第2タンクよりも低下している。従って、例えば燃料ガスの使用時に第1主止弁が閉じ第2主止弁が開いて第2タンクから供給先に燃料ガスが供給されている最中では、第1主止弁には第1タンクからの燃料ガスの圧力に加え、上述した供給通路を介して第1タンク側からの圧力よりも大きい圧力を第2タンク側から受ける。ここで、上述したように第1主止弁は第1タンクからの燃料ガスの供給又は停止を切り替える。このため、第1主止弁は第1タンク側から大きな圧力を受けることは想定されているが、第2タンク側から大きな圧力を受けることは想定されておらず、その耐久性に影響を与える可能性がある。このように、特許文献1の技術では、第1及び第2タンクでの燃料ガスのトータルの充填量は確保できるが、第1主止弁の耐久性に影響を与える可能性がある。
同様に、第2タンクの内圧が第1タンクよりも低下している状態で第2主止弁が閉じ第1主止弁が開いて第1タンクから供給先に燃料ガスが供給されている最中においては、第2主止弁は、第2タンク側からの圧力よりも大きい圧力を第1タンク側から受ける。このため、第2主止弁の耐久性にも影響を与える可能性がある。このように第1及び第2タンク間の内圧差が大きいと、第1及び第2主止弁の耐久性が低下する可能性がある。
また、上述したように特許文献1では第1タンクからの燃料ガスを優先的に使用することにより第1タンク内の温度を第2タンクよりも低下させるが、燃料ガスの使用量が十分ではない場合には、第1及び第2タンク間の温度差が十分に生じずに、トータルの充填量が確保できない可能性がある。
そこで、第1及び第2タンクの内圧差の増大を抑制しつつ燃料ガスのトータルの充填量を確保するタンク搭載装置を提供することを目的とする。
上記目的は、第1タンクと、燃料ガスの充填中での温度上昇率が前記第1タンクよりも小さい第2タンクと、共用路、前記共用路から前記第1タンク内に連通した第1分岐路、及び前記共用路から前記第2タンク内に連通した第2分岐路、を含み、前記第1及び第2タンクに前記燃料ガスを充填する充填通路と、前記第1分岐路に設けられた遮断弁と、前記第1及び第2タンク内にそれぞれ連通した第1及び第2供給路、及び前記第1及び第2供給路が合流した合流路、を含み、前記第1及び第2タンクに充填された前記燃料ガスを供給先に供給する供給通路と、前記第1タンクから前記第1供給路への前記燃料ガスの供給又は停止を切り替える第1主止弁と、前記第2タンクから前記第2供給路への前記燃料ガスの供給又は停止を切り替える第2主止弁と、前記第1及び第2タンク間の内圧差に相関するパラメータを取得する取得部と、前記充填通路を介して前記第1及び第2タンクに前記燃料ガスが充填されている最中に前記パラメータが閾値を超えたか否かを判定する判定部と、前記パラメータが前記閾値を超えたと判定された場合に、前記遮断弁の開度を低下させる制御部と、を備えたタンク搭載装置によって達成できる。
第1及び第2タンクの内圧差の増大を抑制しつつ燃料ガスのトータルの充填量を確保するタンク搭載装置を提供できる。
図1は、ガスステーション及び車両の説明図である。 図2は、充填制御の一例を示したフローチャートである。 図3は、充填制御の一例を示したタイミングチャートである。
図1は、ガスステーション10及び車両20の説明図である。車両20は、燃料ガスである水素ガスを充填した複数のタンクTa〜Tcと、水素ガスを用いて発電する燃料電池21とが搭載され、燃料電池21の発電電力により走行する。ガスステーション10は、車両20に搭載されたタンクTa〜Tcに水素ガスを充填する。タンクTa〜Tcのうち、タンクTaは最も容量が大きく、タンクTcは最も容量が小さく、タンクTbはタンクTaよりも容量は小さいがタンクTcよりは容量が大きい。車両20は、容量の異なるタンクTa〜Tcが搭載されたタンク搭載装置の一例である。
最初に、ガスステーション10について説明する。ガスステーション10は、蓄圧器3、冷却器5、ディスペンサ11、充填ホース12、ノズル13、圧力センサ14、通信機15、及び制御ユニット16、及び流量センサ17を備える。蓄圧器3には、不図示の水素カードルから圧縮機により所定圧力まで昇圧された水素ガスが蓄えられている。冷却器5は、蓄圧器3からの水素ガスを予備冷却する。ディスペンサ11は、冷却器5からの水素ガスを、ディスペンサ11に接続された充填ホース12に送り出す。尚、ディスペンサ11には、ユーザーにより車両20のタンクTa〜Tcに充填される水素ガスの所望の目標充填量又は目標充填圧力の設定を受け付ける操作パネル11aが設けられている。ノズル13は、充填ホース12の先端に取り付けられている。圧力センサ14及び流量センサ17は、ディスペンサ11の近傍に設けられており、ノズル13を通過する水素ガスの圧力及び流量をそれぞれ検出する。尚、圧力センサ14及び流量センサ17は、それぞれディスペンサ11からノズル13までの間の経路内の圧力及び流量を検出できればよく、ノズル13の近傍にあってもよい。通信機15については後述する。制御ユニット16は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びメモリを備えたマイクロコンピュータである。制御ユニット16は、冷却器5、圧力センサ14、通信機15、及び流量センサ17に電気的に接続されており、ガスステーション10全体の動作を制御する。
次に、車両20について説明する。車両20は、燃料電池21、タンクTa〜Tc、充填通路23、供給通路24、レセプタクル25、通信機26、制御ユニット28、温度センサ41a〜41c、圧力センサ42、モータMを備える。燃料電池21は、供給される酸化剤ガスと、タンクTa〜Tcから供給される水素ガスとにより発電する。タンクTa〜Tcは、高圧の水素ガスを充填可能であり、詳細は後述する。充填通路23は、ガスステーション10から供給される水素ガスをタンクTa〜Tcへ導く。供給通路24は、タンクTa〜Tcから水素ガスを燃料電池21に供給する。レセプタクル25は、充填通路23の先端と連通しており、タンクTa〜Tcへの水素ガスの充填の際にノズル13が接続される部分であって、例えば車両20のリッドボックスに設けられる。通信機26及び制御ユニット28については後述する。モータMは、燃料電池21から供給される電力により駆動し、車両20の駆動輪にその動力が伝えられる。温度センサ41a〜41cは、それぞれタンクTa〜Tc内の温度、即ち水素ガスの温度を検出する。圧力センサ42は、充填通路23を通過する水素ガスの圧力を検出する。
充填通路23は、共用路23A、共用路23AからタンクTaに連通した分岐路23a、共用路23AからタンクTbに連通した分岐路23b、及び共用路23AからタンクTcに連通した分岐路23cを含む。また、分岐路23a及び23bには、それぞれ遮断弁Va及びVbが設けられているが、分岐路23cには設けられていない。供給通路24は、タンクTa〜Tcにそれぞれ連通した供給路24a〜24c、及び供給路24a〜24cが合流した合流路24Aを含む。合流路24Aは、燃料電池21に接続されている。
タンクTa〜Tcは、それぞれ、タンク本体Ma〜Mc、逆止弁Ca〜Cc、及び主止弁Da〜Dcを有している。逆止弁Ca及び主止弁Daは、タンク本体Maの一端側に設けられている。逆止弁Caは、分岐路23aからタンク本体Ma内への水素ガスの流通は許容するが逆方向への水素ガスの流通は規制する。主止弁Daは、タンク本体Maから供給路24aへの水素ガスの供給又は停止を切り替える。同様に、逆止弁Cb及び主止弁Dbは、タンク本体Mbの一端側に設けられている。逆止弁Cbは、分岐路23bからタンク本体Mb内への水素ガスの流通は許容するが逆方向への水素ガスの流通は規制する。主止弁Dbは、タンク本体Mbから供給路24bへの水素ガスの供給又は停止を切り替える。逆止弁Cc及び主止弁Dcは、タンク本体Mcの一端側に設けられている。逆止弁Ccは、分岐路23cからタンク本体Mc内への水素ガスの流通は許容するが逆方向への水素ガスの流通は規制する。主止弁Dcは、タンク本体Mcから供給路24cへの水素ガスの供給又は停止を切り替える。尚、上述したように容量は、タンク本体Maが最も大きくタンク本体Mcが最も小さい。
タンクTa〜Tcへの燃料ガスの充填時には、遮断弁Va及びVbが開弁状態の場合には燃料ガスは共用路23Aから分岐路23a〜23cへと流れる。また、タンクTa〜Tcの何れかから燃料電池21への燃料ガスが供給される場合には、主止弁Da〜Dcの何れか又は全てが開弁することにより実現される。
制御ユニット28は、CPU、ROM、RAM、及びメモリを備えたマイクロコンピュータであり、入力される各センサ信号に基づき、車両20全体の動作を制御する。制御ユニット28は、通信機26、温度センサ41a〜41c、及び圧力センサ42と電気的に接続されている。また、制御ユニット28は、遮断弁Va及びVbと主止弁Da〜Dcと電気的に接続されており、それぞれの開閉状態を制御する。制御ユニット28は、ガスステーション10からタンクTa〜Tcへの水素ガスの充填を制御する充填制御を実行する。充填制御は、制御ユニット28のCPU、ROM、RAM、及びメモリにより機能的に実現される判定部、及び制御部により実現される。詳しくは後述する。
ガスステーション10の制御ユニット16と車両20の制御ユニット28とは、通信機15及び26を介して所定の情報を通信可能である。具体的には、通信機26から通信機15へ赤外線通信等の無線通信を可能とする。制御ユニット16は、通信機15及び26を介して、車両20の制御ユニット28からタンクTa〜Tc内での圧力やガス温度等の情報を取得する。また、制御ユニット16は、タンクTa〜Tcの充填可能量やタンクTa〜Tcの許容圧力等の情報を取得してもよい。制御ユニット16は、車両20側から取得したこれらの情報や、ディスペンサ11の操作パネル11aで受け付けた水素ガスの目標充填量等の情報に基づいて、ガスステーション10にある各機器を制御して、車両20への水素ガスの充填速度や充填量を制御する。尚、通信機15及び26は、それぞれノズル13及びレセプタクル25の近傍に設けられており、ノズル13及びレセプタクル25が接続した状態で通信可能な状態となる。
次に、制御ユニット28が実行する充填制御について説明する。図2は、充填制御の一例を示したフローチャートである。充填制御は、制御ユニット28により所定の期間毎に繰り返し実行される。図3は、充填制御の一例を示したタイミングチャートである。図3では、タンクTa〜Tc内のそれぞれの温度Tma〜Tmc、及び遮断弁Va及びVbの状態を示している。尚、図3には、温度Tma´についても示しているが、詳しくは後述する。ここで、水素ガスの充填中での温度上昇率は、タンクTaが最も高く、タンクTcが最も小さい。タンクTa〜Tc間での温度上昇率の順序は、予め実験により取得され制御ユニット28のROM又はメモリに記憶されている。温度上昇率の相違は、各タンクの容量に加え、材質等に起因する放熱性や、各タンクへの充填経路の圧損も影響するからである。尚、この温度上昇率の順序は、各タンクTa〜Tcへの水素ガス充填中での各温度センサ41a〜41cの検出値に基づいて制御ユニット28が判定してもよい。
まず図2に示すように、水素ガスの充填が開始されたか否かが判定される(ステップS1)。具体的には、通信機15及び26が通信可能な状態となったことや、リッドボックスのフューエルカバーが開いたこと、又は圧力センサ42が示す充填通路23の圧力値の上昇が検知されたことをもって、水素ガスの充填が開始されたものと判定される。ステップS1で否定判定の場合には、本制御は終了する。
図3に示すようにタンクTa〜Tc内のそれぞれの温度Tma〜Tmcが略同じであり遮断弁Va及びVbが全開の状態で水素ガスの充填が開始される場合を想定する。時刻t1で充填が開始されると、温度Tma〜Tmcは各タンクTa〜Tcへの水素ガスの充填量が増大するにつれて上昇し始める。ここで、温度Tma〜Tmcの上昇率は、温度Tmaが最も高く、温度Tmcが最も低い。この理由は、タンクTa〜Tcのそれぞれの水素ガスの充填量が増大するにつれタンクTa〜Tcの内圧は増大して温度Tma〜Tmcは上昇するが、上述したように容量はタンクTaが最も大きくタンクTcが最も小さい。このため、容量の大きいタンクTa内により多くの水素ガスが充填され、最も容量の大きいタンクTaの温度Tmaの上昇率が最も高くなり、最も容量の小さいタンクTcの温度Tmcの上昇率が最も小さくなる。このように、温度の上昇率の差は容量の差に起因する。
図2に示すようにステップS1で肯定判定の場合には、温度センサ41a及び41cの検出値に基づいて取得した温度Tma及びTmcの温度差ΔTaが、閾値Txを超えたか否かが判定される(ステップS3)。ここで、温度差ΔTaは、タンクTa及びTc間の内圧差に相関するパラメータの一例であり、温度差ΔTaが大きいほどタンクTa及びTc間の内圧差も大きくなることを示す。ステップS3の処理は、タンクTa及びTc内の差圧に相関する温度差ΔTaを取得する取得部が実行する処理の一例である。また、ステップS3の処理は、充填通路23を介してタンクTa〜Tcに水素ガスが充填されている最中に温度差ΔTaが閾値Txを超えたか否かを判定する判定部が実行する処理の一例である。ステップS3で否定判定の場合には、再度ステップS3の処理が実行される。
ステップS3で肯定判定の場合には、遮断弁Vaの開度が低減される(ステップS5)。これによりタンクTaへの水素ガスの充填速度が低下する。このため図3に示すように時刻t2で遮断弁Vaの開度が低減されると、温度Tmaの上昇率が低下し、換言すれば、タンクTa及びTc間の内圧差の上昇率が低下する。尚、ステップS5において遮断弁Vaの開度をゼロ、即ち全閉にしてもよい。
次に、温度センサ41b及び41cの検出値に基づいて、温度Tmb及びTmcの温度差ΔTbが閾値Tyを超えたか否かが判定される(ステップS7)。閾値Tyは、閾値Txよりも小さい値に設定されている。ここで、温度差ΔTbは、タンクTb及びTc間の内圧差に相関するパラメータの一例であり、温度差ΔTbが大きいほどタンクTb及びTc間の内圧差も大きくなることを示す。ステップS7の処理は、タンクTb及びTc内の差圧に相関する温度差ΔTbを取得する取得部が実行する処理の一例である。また、ステップS7の処理は、充填通路23を介してタンクTa〜Tcに水素ガスが充填されている最中に温度差ΔTbが閾値Tyを超えたか否かを判定する判定部が実行する処理の一例である。ステップS7で否定判定の場合には、再度ステップS7の処理が実行される。
ステップS7で肯定判定の場合には、遮断弁Vbの開度が低減される(ステップS9)。これによりタンクTbへの水素ガスの充填速度が低下する。このため図3に示すように時刻t3で遮断弁Vbの開度が低減されると、温度Tmbの上昇率が低下し、換言すればタンクTb及びTc間の内圧差の上昇率が低下する。尚、ステップS9において遮断弁Vbの開度をゼロ、即ち全閉にしてもよい。
次に、水素ガスの充填が終了したか否かが判定される(ステップS11)。具体的には、圧力センサ42の検出値が所定値に到達したか否かに基づいて判定される。ステップS11で否定判定の場合には、再度ステップS11の処理が実行される。図3に示すように、時刻t3で温度Tmcの上昇は緩やかになり、時刻t4で更に緩やかになり、時刻t5で圧力センサ42の検出値が所定値に到達して充填が終了したと判定される。
尚、ガスステーション10の制御ユニット16は、圧力センサ14又は流量センサ17の検出値に基づいて充填開始からのタンクTa〜Tcへ実際の充填量が目標充填量に到達したか否かを判定し、実際の充填量が目標充填量に到達した場合には、制御ユニット16は、ディスペンサ11と充填ホース12との接続箇所に設けられた電磁弁を閉じる。このため上述したように時刻t5で温度Tmcの上昇率が所定値以下となる。
ステップS11で肯定判定の場合には、遮断弁Va及びVbが全開に制御される(ステップS13)。また、時刻t5以降は、温度Tma〜Tmcは外気への放熱により徐々に低下する。
また、図3に示した温度Tma´は、遮断弁Vaが全開に維持された場合でのタンクTa内の温度を示している。充填終了時である時刻t5では、温度Tma´は、温度Tmaよりも大きくなり、温度Tma´及びTmbの差や温度Tma´及びTmcの差が大きくなる。このため、温度が安定した際にタンクTa及びTb間の内圧差、及びタンクTa及びTc間の内圧差が増大する状態で充填が終了する。その後に例えば主止弁Db及びDcが閉じ主止弁Daが開いてタンクTaから水素ガスが供給通路24を介して燃料電池21に供給される場合には、主止弁DbにはタンクTbの内圧よりも高い圧力がタンクTa側から加わり、主止弁DcにはタンクTcの内圧よりも高い圧力がタンクTa側から加わる。このため、主止弁Db及びDcの耐久性が低下する可能性がある。また、図3には示していないが、遮断弁Vbを全開に維持したまま充填が終了した場合には、タンクTb及びTcの内圧差が増大して、主止弁Da及びDcが閉じ主止弁Dbが開いてタンクTbから水素ガスが供給通路24を介して燃料電池21に供給される場合には、主止弁DcにはタンクTcの内圧よりも高い圧力がタンクTb側から加わり、主止弁Dcの耐久性が低下する可能性がある。
更に、充填終了時にタンクTbの内圧がタンクTaの内圧よりも高い場合に、主止弁Da及びDcが閉じ主止弁Dbが開いてタンクTbから水素ガスが供給通路24を介して燃料電池21に供給される場合には、主止弁DaにはタンクTaの内圧よりも高い圧力がタンクTb側から加わり、主止弁Daの耐久性が低下する可能性がある。
しかしながら本実施例では上述したように、充填終了前に遮断弁Va及びVbの開度が低減されて、温度Tma及びTmbの上昇が抑制される。これにより、タンクTa〜Tc間の内圧差の増大を抑制しつつタンクTa〜Tcに水素ガスが充填される。従って、上述した主止弁Da〜Dcの耐久性への影響が抑制される。
また、温度Tma´は、温度Tmaとは異なり時刻t2以降でも温度が大きく上昇する。即ち、時刻t2以降でも遮断弁Vaが全開の場合には、本実施例のように遮断弁Vaの開度を低減した場合と比較して、タンクTa及びTc間の内圧差は大きく上昇することとなる。ここで、上述したように充填の終了の判定は、圧力センサ42の検出値が所定値に到達したことをもって判定される。このため、温度Tma´に示したように時刻t2以降でも遮断弁Vaが全開の場合には、それ以降でタンクTaの温度が更に高くなり、タンクTb及びTcの各充填率が低いにもかかわらずに、温度センサ41aの検出値が所定値に到達したとして充填が終了される可能性がある。例えば図3の例では、時刻t2と時刻t3の間で、温度センサ41aの検出値が所定値に到達したとして充填が終了される可能性がある。
しかしながら本実施例では、充填中に遮断弁Vaの開度を低減することによりタンクTaの温度の上昇を抑制している。これにより、温度センサ41aの検出値が所定値に到達するまでの時間を確保することができ、その間にタンクTb及びTcへの燃料ガスの充填を継続することができる。このため、タンクTb及びTcの各充填率を確保することができる。従って、タンクTa〜Tcでのトータルの充填量を確保することができる。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
上記実施例では、タンクTaの温度TmaとタンクTcの温度Tmcとの差である温度差ΔTaが閾値Txを超えた場合に遮断弁Vaの開度を低減したが、例えば温度TmaとタンクTbの温度Tmbとの温度差が所定の閾値を超えた場合に遮断弁Vaの開度を低減させてもよい。
上記実施例では容量の異なる3つのタンクTa〜Tcが搭載された例を説明したが、これに限定されない。容量の異なる2以上のタンクが搭載されていてもよい。また、容量が同じ複数のタンクのみが搭載されていてもよい。即ち、燃料ガスの充填中での温度上昇率が異なる2以上のタンクが搭載されていればよい。具体的には、同一条件下で2以上のタンクに燃料ガスが充填中の場合での各タンク内の温度上昇率が異なっていればよい。温度上昇率の相違は、タンクの材質等の違いによる放熱性の相違や、各タンクへの充填経路の圧損の相違に起因するからである。尚、同一条件下で2以上のタンクに燃料ガスが充填中の場合とは、タンク搭載装置に搭載された充填通路を介して遮断弁等が全開で2以上のタンクに同時に燃料ガスが充填されている場合である。
上記実施例では、温度センサ41a〜41cの検出値に基づいて、タンクTa及びTc間の内圧差に相関するパラメータである温度差ΔTa、タンクTb及びTc間の内圧差に相関するパラメータである温度差ΔTbが取得されるが、パラメータはこれに限定されない。例えば、タンクTa〜Tcの内圧を検出する内圧センサをそれぞれ設けて、上記の温度差ΔTa及びΔTbの代わりに、タンクTa及びTc間の内圧差ΔPa、タンクTb及びTc間の内圧差ΔPbをパラメータとして用いてもよい。
上記実施例では、燃料電池21を搭載した車両20をタンク搭載装置の一例として説明したが、本発明を適用できるタンク搭載装置はこれに限定されない。例えば、水素ガス又は冷却燃料ガスにより燃焼可能な内燃機関を搭載した車両であってもよい。この場合、タンクに充填される燃料ガスとしては、水素ガスの他に、液化石油ガス、液化天然ガス、圧縮天然ガス等がある。
10 ガスステーション
20 車両
21 燃料電池
23 充填通路
23A 共用路
23a〜23c 分岐路
24 供給通路
24A 合流路
24a〜24c 供給路
28 制御ユニット(取得部、判定部、制御部)
41a〜41c 温度センサ
Ta〜Tc タンク
Da〜Dc 主止弁
Va、Vb 遮断弁

Claims (1)

  1. 第1タンクと、
    燃料ガスの充填中での温度上昇率が前記第1タンクよりも小さい第2タンクと、
    共用路、前記共用路から前記第1タンク内に連通した第1分岐路、及び前記共用路から前記第2タンク内に連通した第2分岐路、を含み、前記第1及び第2タンクに前記燃料ガスを充填する充填通路と、
    前記第1分岐路に設けられた遮断弁と、
    前記第1及び第2タンク内にそれぞれ連通した第1及び第2供給路、及び前記第1及び第2供給路が合流した合流路、を含み、前記第1及び第2タンクに充填された前記燃料ガスを供給先に供給する供給通路と、
    前記第1タンクから前記第1供給路への前記燃料ガスの供給又は停止を切り替える第1主止弁と、
    前記第2タンクから前記第2供給路への前記燃料ガスの供給又は停止を切り替える第2主止弁と、
    前記第1及び第2タンク間の内圧差に相関するパラメータを取得する取得部と、
    前記充填通路を介して前記第1及び第2タンクに前記燃料ガスが充填されている最中に前記パラメータが閾値を超えたか否かを判定する判定部と、
    前記パラメータが前記閾値を超えたと判定された場合に、前記遮断弁の開度を低下させる制御部と、を備えたタンク搭載装置。
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