JP2018184696A - インクジェット記録方法及び記録装置 - Google Patents
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Abstract
Description
〔1〕
インク組成物を、付着量が10〜30mg/inch2となるように布帛へ付着させる第1の付着工程と、
前記インク組成物を、付着量が90〜250mg/inch2となるように布帛へ付着させる第2の付着工程と、を有し、
前記インク組成物が顔料と樹脂分散体を含み、前記樹脂分散体に含まれる樹脂の含有量が、前記顔料1質量部に対して、0.5〜2.5質量部である、
インクジェット記録方法。
〔2〕
前記顔料が、金属無機微粒子を含み、
前記顔料の含有量が、前記インク組成物の総量に対して、5〜15質量%である、前項〔1〕に記載のインクジェット記録方法。
〔3〕
前記樹脂分散体に含まれる樹脂が、−45〜0℃のガラス移転点を有する樹脂を含む、前項〔1〕又は〔2〕に記載のインクジェット記録方法。
〔4〕
前記樹脂分散体が、アクリル樹脂及びウレタン樹脂からなる群より選ばれる1種以上を含み、
前記樹脂分散体に含まれる樹脂の含有量が、前記インク組成物の総量に対して、3.5〜30質量%である、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
〔5〕
前記樹脂分散体に含まれる樹脂の含有量が、前記顔料1質量部に対して、1.0〜2.5質量部である、前項〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
〔6〕
前記インク組成物が、沸点250℃以上の有機溶剤をさらに含む、前項〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
〔7〕
前記付着工程及び前記第2の付着工程のいずれか一方の前に、
前記布帛の少なくとも前記インク組成物を付着させる領域に反応液を付着させる反応液付着工程をさらに有する、前項〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
〔8〕
前記第1の付着工程及び前記第2の付着工程は、前記反応液付着工程後、布帛の反応液を付着させた領域の単位面積当たりに付着させた反応液に含まれていた揮発成分の総量に対して、当該単位面積当たりに残存する反応液の揮発成分の残存量が30質量%以下となってから、行う、前項〔7〕に記載のインクジェット記録方法。
〔9〕
前記反応液は、多価金属塩及び有機酸からなる群より選ばれる1種以上の凝集剤を含む、前項〔7〕又は〔8〕に記載のインクジェット記録方法。
〔10〕
前記第1の付着工程及び前記第2の付着工程のいずれか一方の後に、
前記布帛を加熱乾燥する加熱乾燥工程をさらに有する、前項〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
〔11〕
前記インク組成物を第1のインク組成物とし、前記第2の付着工程において前記第1のインク組成物を付着させた前記布帛の領域の少なくとも一部に対し、カラー顔料及びブラック顔料からなる群より選ばれる1種以上の顔料を含む第2のインク組成物を付着させる第3の付着工程を有する、前項〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
〔12〕
前記第2の付着工程を行い前記第3の付着工程を行わない付着工程(1)と、前記第2の付着工程及び前記第3の付着工程を行う付着工程(2)を有し、付着工程(1)の第2の付着工程で用いた前記第1のインク組成物の布帛に対する付着量が、付着工程(2)の第2の付着工程で用いた記第1のインク組成物の布帛に対する付着量よりも多い、前項〔11〕に記載のインクジェット記録方法。
〔13〕
前記第1のインク組成物は、前記顔料として金属無機微粒子と、沸点250℃以上の有機溶剤と、を含み、
前記第2のインク組成物は、沸点250℃以上の有機溶剤をさらに含む、前項〔11〕又は〔12〕に記載のインクジェット記録方法。
〔14〕
前項〔1〕〜〔13〕のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法により記録を行う、インクジェット記録装置。
本実施形態のインクジェット記録方法は、インク組成物を、付着量が10〜30mg/inch2となるように布帛へ付着させる第1の付着工程と、前記インク組成物を、付着量が90〜250mg/inch2となるように布帛へ付着させる第2の付着工程と、を有し、前記インク組成物が顔料と樹脂分散体を含み、前記樹脂分散体に含まれる樹脂の含有量が、前記顔料1質量部に対して、0.5〜2.5質量部である。
第1の付着工程は、第1のインク組成物を、所定の付着量で布帛へ付着させる工程である。第1の付着工程における付着量は、10〜30mg/inch2であり、15〜25mg/inch2であることが好ましい。第1の付着工程におけるインク組成物の付着量が10mg/inch2以上であることにより、耐洗濯性がより向上し、画像の発色性がより向上する。また、第1の付着工程におけるインク組成物の付着量が30mg/inch2以下であることにより、記録すべき画像の濃度の再現性や記録速度により優れる。
第2の付着工程は、第1のインク組成物を、所定の付着量で布帛へ付着させる工程である。第2の付着工程における付着量は、90〜250mg/inch2であり、下限は画像の隠蔽性に一層優れる点で100mg/inch2以上が好ましく、130mg/inch2以上がより好ましく、150mg/inch2以上がさらに好ましい。一方、上限は耐ひび割れ性に一層優れる点で、230mg/inch2以下が好ましく、200mg/inch2以下がより好ましく、170mg/inch2以下がさらに好ましく、150mg/inch2以下が特に好ましい。第2の付着工程におけるインク組成物の付着量が90mg/inch2以上であることにより、得られる記録物の隠蔽性がより向上し、当該画像を背景画像として用いて該背景画像上に画像を形成する場合には得られる画像の発色性がより向上する。また、第2の付着工程におけるインク組成物の付着量が250mg/inch2以下であることにより、得られる記録物のひび割れをより抑制でき、インク組成物の消費無駄が抑制でき、記録に要する時間を短縮することができる。
本実施形態のインクジェット記録方法は、第2の付着工程において第1のインク組成物を付着させた被記録媒体の領域の少なくとも一部に対し、カラー顔料及びブラック顔料からなる群より選ばれる1種以上の顔料を含む第2のインク組成物を付着させる第3の付着工程を有することが好ましい。第3の付着工程では、第1のインク組成物を付着させた被記録媒体の領域の少なくとも一部に対し第2のインク組成物を付着させるため、例えば、被記録媒体上に、第1のインク組成物からなる背景画像と、第1のインク組成物からなる画像上に第2のインク組成物からなる画像が積層した画像とを形成することができる。インクジェット記録方法が、このような第3の付着工程を有することにより、得られる画像の発色性がより向上する傾向にある。
本実施形態のインクジェット記録方法は、第1の付着工程及び第2の付着工程のいずれか一方の前に、布帛の少なくとも第1のインク組成物を付着させる領域に反応液を付着させる反応液付着工程をさらに有することが好ましい。このタイミングで反応液付着工程を行うことにより、その後行なわれる各付着工程において、顔料が布帛などの被記録媒体中に浸透しすぎたり、にじんだりすることを防止できる。その結果、得られる画像の発色性がより向上し、ブリードもより抑制できる傾向にある。また、反応液は、インク組成物中の顔料を凝集させる機能を有するため、得られる画像が比較的硬くなり、ひび割れが生じる恐れがあるため、本発明の作用効果をより有利に奏することができる。なお、第3の付着工程及びその他の付着工程の前においても反応液付着工程を行うことができる。
本実施形態のインクジェット記録方法は、第1の付着工程及び第2の付着工程のいずれか一方の後に、布帛を加熱乾燥する加熱乾燥工程をさらに有することが好ましい。また、本実施形態のインクジェット記録方法は、第1の付着工程及び第2の付着工程のいずれか一方の後の他、本実施形態のインクジェット記録方法では、反応液付着工程、第1、第2、及び第3の付着工程、並びにその他の付着工程のうちの少なくとも1つの工程中、それらの工程の後、又は各工程の間に、必要に応じて被記録媒体を加熱処理する加熱工程を有することが好ましい。この加熱処理により、インク組成物に含まれる樹脂を被記録媒体の表面により強固に融着させたり、反応液又はインク組成物に含まれる水分をより速やかに蒸発させたりすることができる。このような加熱工程を行うことにより、得られる画像は耐擦性により優れる傾向にある。インクジェット記録方法が加熱乾燥工程を有することにより、常温乾燥と比較して短時間で乾燥することができるため、ブリードをより防止できるに傾向にある。また、インクジェット記録方法が加熱乾燥工程を有すると、常温乾燥と比較した場合にひび割れが生じやすいという問題があるため、本発明を適用することがより有利となる。
次に、本実施形態の被記録媒体について説明する。本実施形態の記録方法に用いられる被記録媒体は、布帛である。布帛の材質としては、以下に限定されないが、例えば、絹、綿、羊毛、ナイロン、ポリエステル、レーヨン等の天然繊維又は合成繊維が挙げられる。これらのうち、高温下でのインク組成物の定着に耐えられるため、綿が好ましい。
以下、第1のインク組成物について説明する。第1のインク組成物は、顔料と、樹脂分散体と、必要に応じて任意の成分と、を含む。
第1のインク組成物中の顔料としては、特に限定されないが、例えば、金属無機微粒子、カラー顔料、ブラック顔料などが挙げられる。このなかでも、金属無機微粒子が好ましい。金属無機微粒子は他の顔料と比べて粒径が比較的大きいため、得られる画像の隠蔽性を高めることができる。また、粒径が比較的大きい金属無機微粒子を用いると、一般的には耐洗濯性が劣る傾向にあるため、本発明を用いることが特に有利となる。
第1のインク組成物中の樹脂分散体は、顔料を被記録媒体に定着させるという機能を有する。第1のインク組成物中の樹脂分散体に含まれる樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル/エチレン樹脂などのビニル系樹脂などが挙げられる。このなかでも、アクリル樹脂及びウレタン樹脂からなる群より選ばれる1種以上が好ましい。アクリル樹脂を用いることにより耐ひび割性が一層優れ、ウレタン樹脂を用いることにより耐洗濯性が一層優れる。
アクリル樹脂としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、又は(メタ)アクリル酸エステルであるモノマーの単独重合体、あるいは(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも一方と他のモノマーとの共重合体が挙げられる。他のモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリロニトリル、シアノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、オレフィン、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルアルコール、ビニルエーテル、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾール、及び塩化ビニリデンが挙げられる。このなかでも、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも一方と他のモノマーとの共重合体が好ましく、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体がより好ましく、スチレン−アクリル酸共重合体系樹脂がさらに好ましい。なお、上記の共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、及びグラフト共重合体のうちいずれの形態であってもよい。
ウレタン樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリカーボネート系樹脂及びポリエーテル系樹脂のようなアニオン性ウレタン樹脂が挙げられる。このようなウレタン樹脂は、特に限定されず、公知の方法により合成することができ、例えば、2個以上のイソシアネート基を有する化合物と、2個以上の活性水素基を有する化合物と、を反応させて得ることができる。
アクリル樹脂及びウレタン樹脂以外の樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アクリロニトリル、シアノアクリレート、アクリルアミド、オレフィン、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルアルコール、ビニルエーテル、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾール、及び塩化ビニリデンの単独重合体又は共重合体、フッ素樹脂、及び天然樹脂が挙げられる。なお、上記の共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、及びグラフト共重合体のうちいずれの形態であってもよい。その他の樹脂の中でも少なくともビニル基を有するモノマーを用いて重合され上記のアクリル樹脂及びウレタン樹脂以外の樹脂をビニル系樹脂とする。
第1のインク組成物は、沸点250℃以上の有機溶剤をさらに含むことが好ましい。沸点250℃以上の有機溶剤を含むことにより、被記録媒体上のインク組成物の乾燥速度が比較的緩やかになるため、インク組成物中の固形分の体積収縮が緩やかになり、ひび割れがより生じにくい傾向にある。
第1のインク組成物は、水を含むことができる。水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。また、紫外線照射又は過酸化水素の添加等によって滅菌した水を用いると、インク組成物を長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができる。これにより貯蔵安定性がより向上する傾向にある。水の含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは60〜90質量%であり、より好ましくは70〜80質量%である。
本実施形態で用いるインク組成物は、界面活性剤を含むことが好ましい。当該界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤のうち少なくともいずれかが好ましい。インク組成物がこれらの界面活性剤を含むことにより、被記録媒体に付着したインク組成物のぬれ性、乾燥性が一層良好となり、かつ、高速印刷が可能となる。
本実施形態で用いるインク組成物は、その保存安定性及びヘッドからの吐出安定性を良好に維持するため、目詰まり改善のため、又はインク組成物の劣化を防止するため、溶解助剤、粘度調整剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、腐食防止剤、及び分散に影響を与える金属イオンを捕獲するためのキレート化剤などの、種々の添加剤を適宜添加することもできる。
第2のインク組成物は、カラー顔料及びブラック顔料からなる群より選ばれる1種以上の顔料を含む。カラー顔料及びブラック顔料は上述のものであればよいので、ここでは説明を省略する。
第2のインク組成物は、沸点250℃以上の有機溶剤を含むことが好ましい。第2のインク組成物が沸点250℃以上の有機溶剤を含み、好ましくは第1のインク組成物が沸点250℃以上の有機溶剤を含むことにより、第1及び第2のインク組成物の乾燥速度の差が小さくなるため、第1のインク組成物により記録された背景画像上に第2のインク組成物を用いて記録をした場合のひび割れをより抑制できる傾向にある。
反応液は、多価金属塩及び有機酸からなる群より選ばれる1種以上の凝集剤を含むことが好ましい。凝集剤を含む反応液を用いることにより、第1のインク組成物に含まれる顔料や、第2インクのインク組成物に含まれる顔料を凝集させて、顔料が被記録媒体中に浸透することを防止することができる。これにより、得られる画像の発色性より向上し、さらにブリードやベタムラをより抑制できる傾向にある。なお、反応液、特に多価金属塩を含む反応液を使用すると、インク組成物に含まれる顔料を凝集させることに起因するひび割れが生じやすい傾向にあるため、本発明を用いることが特に有利である。
多価金属塩としては、特に限定されないが、例えば、無機酸の多価金属塩あるいは有機酸の多価金属塩が好ましい。このような多価金属塩としては、特に限定されないが、例えば、周期表の第2族のアルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、カルシウム)、周期表の第3族の遷移金属(例えば、ランタン)、周期表の第13族の土類金属(例えば、アルミニウム)、ランタニド類(例えば、ネオジム)、の塩を挙げることができる。これら多価金属の塩としては、カルボン酸塩(蟻酸、酢酸、安息香酸塩など)、硫酸塩、硝酸塩、塩化物、及びチオシアン酸塩が好適である。このなかでも、好ましくは、カルボン酸(蟻酸、酢酸、安息香酸塩など)のカルシウム塩又はマグネシウム塩、硫酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩、硝酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、及びチオシアン酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩が挙げられる。多価金属塩を構成する上記多価金属と塩とは、いずれを組み合わせたものであってもよく、水和物であってもよい。なお、多価金属塩は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
有機酸としては、特に限定されないが、例えば、リン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、クエン酸、酢酸が挙げられる。このなかでも、1価あるいは2価以上のカルボン酸が好ましい。このようなカルボン酸を含むことにより、得られる記録物の耐ブリード性により優れる傾向にある。なお、有機酸は1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。また、有機酸は塩の状態であってもよい。有機酸塩としては、特に限定されないが、例えば、上記有機酸の塩(ただし、上記多価金属塩と重複しない。)が挙げられる。上記有機酸の塩としては、特に限定されないが、例えば、酢酸ナトリウムなどが挙げられる。なお、有機酸塩は1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
本実施形態のインクジェット記録装置は、上記インクジェット記録方法により記録を行うものであれば特に限定されず、上述の構成を有する他は、従来と同様の構成であってもよい。
下記の実施例、比較例において使用したインク組成物用の主な材料は、以下の通りである。
〔顔料〕
二酸化チタン(シーアイ化成社製、NanoTek(R) Slurry、平均粒径250nm)
シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)
〔樹脂分散体〕
樹脂分散体1(Tg:−30℃、大成ファインケミカル社製、WBR−601U、ウレタン樹脂)
樹脂分散体2(Tg:−20℃、日本合成化学社製、モビニール7320、アクリル樹脂)
樹脂分散体3(Tg:2℃、三井武田ケミカル(株)製、タケラックW−512A6、ウレタン樹脂)
樹脂分散体4(Tg:−50℃、東亞合成株式会社製、UC−3510、アクリル樹脂)
樹脂分散体5(Tg:−60℃、三井武田ケミカル(株)製、タケラックW−6021、ウレタン樹脂)
樹脂分散体6(Tg:8℃、日信化学社製、ビニブラン2080、アクリル樹脂)
樹脂分散体7(Tg:−15℃、日本合成化学社製、モビニール180E、酢酸ビニル/エチレン樹脂)
〔有機溶剤〕
グリセリン(沸点290℃)
トリエチレングリコール(沸点285℃)
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点278℃)
プロピレングリコール(沸点188℃)
〔界面活性剤〕
BYK−348(ビックケミー・ジャパン社製、シリコーン系界面活性剤)
〔多価金属塩〕
硫酸マグネシウム・7水和物(分子量246.47g/mol)
〔有機酸〕
コハク酸(分子量118.09g/mol)
各材料を下記の表1〜2に示す組成(質量%)で混合し、十分に撹拌し、反応液、第1及び第2の各インク組成物をそれぞれ得た。
〔評価サンプル用記録物作成〕
被記録媒体としてTシャツ(hanes社製ヘビーウェイト 綿100%)の黒色生地を使用した。反応液付着工程として、表3中の反応液を被記録媒体のA4サイズあたり20gの塗布量でローラーを用いて塗布した。塗布後、布帛の質量を測定し、下記の式で表中の反応液揮発成分残存率になるよう加熱乾燥させた。当該残存率でインクの付着を開始した。
揮発成分残存量(A−Ae)=揮発成分の総量(Af−Ae)−揮発成分の揮発量(Af−A)
揮発成分残存率(%)=(揮発成分残存量(A−Ae)/揮発成分の総量(Af−Ae))×100
Af: 単位面積与あたりに付与した反応液の総質量である。
Ae: 単位面積当たりに付与した反応液のうちの固形分の質量である。
A : インク組成物付着開始時の単位面積当たりの反応液の残存質量である。
評価サンプル用記録物を40℃の温水中で30分間、洗濯機(:東芝製の全自動洗濯機(AW−424V6型))にて撹拌した。撹拌後の評価サンプル用記録物を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて耐洗濯性を評価した。実施例11〜14では第3の付着工程により形成した記録領域について、ひび割れが見られるか否かを評価した。
○: 評価用サンプルの塗膜が剥がれていない。
△: 評価用サンプルの塗膜の一部が剥がれ、下地の露出がパターンの30%未満である。
×: 評価用サンプルの塗膜が大きく剥がれ、下地の露出がパターンの30%以上である。
評価サンプル用記録物の記録領域の表面を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいてひび割れを評価した。実施例11〜14の場合は第3の付着工程により形成した記録領域について、ひび割れが見られるか否かを評価した。
○: ひび割れが見られない。
△: ひび割れが見られ、下地の露出が見られる。
×: ひび割れが見られ、下地の露出が目立つ。
評価サンプル用記録物中の第2の付着工程により形成した記録領域のL*値を、測色器(Gretag Macbeth Spectrolino、X−RITE社製)を用いてした。得られたL*値に基づいて画像の隠蔽性を以下の評価基準で評価した。
○:L*値が90以上である。
△:L*値が70以上90未満である。
×:L*値が70未満である。
エプソン製インクジェットプリンターSC−S30650にインク組成物をそれぞれ充填し、全ノズルが正常に吐出することを確認してからヘッドをキャップし25℃で1週間静止した後、ノズル検査を行い、全360個のノズルのうち不吐出ノズルとなったノズル数を確認した。
○:不吐出ノズル数が3個以内であった。
△:不吐出ノズル数が4個以上であった。
インク組成物調製直後のインク組成物の粘度と、インク組成物をガラス容器に入れ密封し40℃で7日間保管した後のインク組成物の粘度を、25℃において、粘弾性試験機MCR−30(Pysica社製)を用いて測定した。保管前の粘度に対する、保管後の粘度と保管前の粘度との差から粘度上昇率を算出し、保存安定性を以下の基準で評価した。
○:粘度上昇率が3%以下であった。
△:粘度上昇率が3%超であった。
第2の付着工程で得られたパターンについて、ただし実施例11〜14の場合は第3の付着工程により形成したパターンについて、記録物の摩擦堅牢性試験を、JIS L0849摩擦試験機II型に準じ、学振式AB−301(テスター産業社製)により実施した(荷重200g、100往復)摩擦布は黒色綿ブロード(綿100%)を用いた。摩擦後のパターンの表面を目視で観察した。
○:パターンのインクが剥げて下地が見える箇所が見られない。
△:パターンのインクが剥げて下地が見える箇所が見られる。
Claims (14)
- インク組成物を、付着量が10〜30mg/inch2となるように布帛へ付着させる第1の付着工程と、
前記インク組成物を、付着量が90〜250mg/inch2となるように布帛へ付着させる第2の付着工程と、を有し、
前記インク組成物が顔料と樹脂分散体を含み、前記樹脂分散体に含まれる樹脂の含有量が、前記顔料1質量部に対して、0.5〜2.5質量部である、
インクジェット記録方法。 - 前記顔料が、金属無機微粒子を含み、
前記顔料の含有量が、前記インク組成物の総量に対して、5〜15質量%である、請求項1に記載のインクジェット記録方法。 - 前記樹脂分散体に含まれる樹脂が、−45〜0℃のガラス移転点を有する樹脂を含む、請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
- 前記樹脂分散体が、アクリル樹脂及びウレタン樹脂からなる群より選ばれる1種以上を含み、
前記樹脂分散体に含まれる樹脂の含有量が、前記インク組成物の総量に対して、3.5〜30質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。 - 前記樹脂分散体に含まれる樹脂の含有量が、前記顔料1質量部に対して、1.0〜2.5質量部である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記インク組成物が、沸点250℃以上の有機溶剤をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記付着工程及び前記第2の付着工程のいずれか一方の前に、
前記布帛の少なくとも前記インク組成物を付着させる領域に反応液を付着させる反応液付着工程をさらに有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。 - 前記第1の付着工程及び前記第2の付着工程は、前記反応液付着工程後、布帛の反応液を付着させた領域の単位面積当たりに付着させた反応液に含まれていた揮発成分の総量に対して、当該単位面積当たりに残存する反応液の揮発成分の残存量が30質量%以下となってから、行う、請求項7に記載のインクジェット記録方法。
- 前記反応液は、多価金属塩及び有機酸からなる群より選ばれる1種以上の凝集剤を含む、請求項7又は8に記載のインクジェット記録方法。
- 前記第1の付着工程及び前記第2の付着工程のいずれか一方の後に、
前記布帛を加熱乾燥する加熱乾燥工程をさらに有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。 - 前記インク組成物を第1のインク組成物とし、前記第2の付着工程において前記第1のインク組成物を付着させた前記布帛の領域の少なくとも一部に対し、カラー顔料及びブラック顔料からなる群より選ばれる1種以上の顔料を含む第2のインク組成物を付着させる第3の付着工程を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記第2の付着工程を行い前記第3の付着工程を行わない付着工程(1)と、前記第2の付着工程及び前記第3の付着工程を行う付着工程(2)を有し、付着工程(1)の第2の付着工程で用いた前記第1のインク組成物の布帛に対する付着量が、付着工程(2)の第2の付着工程で用いた記第1のインク組成物の布帛に対する付着量よりも多い、請求項11に記載のインクジェット記録方法。
- 前記第1のインク組成物は、前記顔料として金属無機微粒子と、沸点250℃以上の有機溶剤と、を含み、
前記第2のインク組成物は、沸点250℃以上の有機溶剤をさらに含む、請求項11又は12に記載のインクジェット記録方法。 - 請求項1〜13のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法により記録を行う、インクジェット記録装置。
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