JP2018184482A - 固形医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】オンジエキスの保存における経時的な変色を抑制し、保存安定性に優れたオンジエキス含有固形医薬組成物を提供する。【解決手段】(A)オンジエキス、及び、(B)含水ニ酸化ケイ素及び軽質無水ケイ酸からなる群から選択される少なくとも一種のケイ酸化合物を含有する固形医薬組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、オンジエキスを含有する固形医薬組成物に関する。
オンジ(遠志)は、イトヒメハギ(Polygala tenuifolia Wilf
enow)の根であり、中国北部、シベリア、朝鮮半島北部に分布するヒメハギ科の多年
草である。「遠志」は「志が遠大になる」からと言われ、不眠症、健忘症などの精神・神
経疾患にも用いられている。このようなオンジが有する精神、神経疾患に対する効果に着
目して、オンジの様々な薬効が報告されている。具体的には、記憶学習障害に関する改善
作用や、アルツハイマー病などにおける痴呆症状を改善できる可能性(非特許文献1)、
鎮静作用、抗痴呆作用、抗潰瘍作用、去痰作用、抗アレルギー作用、抗ウイルス作用等の
様々な薬効が報告されている。
医薬品などの原料としてオンジを使用する場合、オンジの抽出物であるオンジエキスを用
いることが出来る。通常、オンジエキスの形態としては、オンジを濃縮、乾燥し、粉末化
して得られるオンジエキス末などを使用することができる。しかし、オンジエキスは吸湿
または酸化されやすく、オンジエキスを含む組成物は保存中に吸湿や酸化による変色が生
じるという問題がある。
このようなエキスの変色を抑制する方法として、例えば特許文献1では漢方エキスにポリ
酢酸ビニルを配合した固形製剤が紹介されている。しかし、この方法で変色抑制効果を得
るためには、ポリ酢酸ビニルを漢方エキスに噴霧して混合(コーティング)する工程が必
要となる。また、包装形態で変色を抑制する方法としては、乾燥剤と一緒に保存する方法
等が紹介されている(非特許文献3)。しかし、このような方法では包装形態に制限が生
じ、乾燥剤等の余分な包材コストがかかるという問題がある。このため、上記のような新
たな製造工程が発生したり、また余分な包材コストがかからない、一層簡便な方法が求め
られていた。
特開2014−166994号公報
JIM 14巻 5号 p443−445 「遠志と神経」(2004) 月刊 漢方研究 2005年9月号 p35−42 「生薬の薬効・薬理シリーズ86 オンジ(遠志)」 臨床と薬物治療 69号 p278−282 「特集 エキス剤を活用した漢方の使い方〈総論〉エキス製剤の保管について 」(1992)
本発明の課題は、調製工程または保存における変色を抑制し、安定性に優れたオンジエキ
スを含有する固形医薬組成物を提供することにある。また、本発明の課題は、新たな製造
工程や包材コストを増やすことなく、上記特性を有する固形医薬組成物を提供することで
ある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、オンジエキスに含水ニ酸化
ケイ素及び軽質無水ケイ酸からなる群から選択される少なくとも一種のケイ酸化合物を配
合し、固形形状に調製することにより、オンジエキスの安定性が高まり、変色が効果的に
抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は以下の固形医薬組成物等を提供するものである。
項1:(A)オンジエキス、及び、(B)含水ニ酸化ケイ素及び軽質無水ケイ酸からなる
群から選択される少なくとも一種のケイ酸化合物を含有する固形医薬組成物。
項2:さらに(C)セルロース化合物を含有する、項1に記載の固形医薬組成物。
項3:前記(C)成分が、カルメロースカルシウムである、項2に記載の固形医薬組成物
項4:(A)成分が40〜80重量%、(B)成分が1〜20重量%、(C)成分が1〜
20重量%である、項2または3に記載の固形医薬組成物。
項5:錠剤である、項1〜4のいずれかに記載の固形医薬組成物。
項6:(A)成分100重量部に対して、(B)成分が1〜40重量部である、項1〜5
のいずれかに記載の固形医薬組成物。
項7.(A)オンジエキスに(B)含水ニ酸化ケイ素及び軽質無水ケイ酸からなる群から
選択される少なくとも一種のケイ酸化合物を配合して固形形態に成型することを特徴とす
る、(A)オンジエキスを含有する医薬組成物の変色抑制方法。
項8:さらに(C)セルロース化合物を配合する、項7に記載の変色抑制方法。
項9:前記(C)成分が、カルメロースカルシウムである、項8に記載の変色抑制方法。
項10:最終医薬組成物100重量%中の割合が、(A)成分が40〜80重量%、(B
)成分が1〜20重量%、(C)成分が1〜20重量%である、項8または9に記載の変
色抑制方法。
項11:固形形態が錠剤である、項7〜10のいずれかに記載の変色抑制方法。
項12:(A)成分100重量部に対して、(B)成分が1〜40重量部である、項7〜
11のいずれかに記載の変色抑制方法。
本発明の固形医薬組成物によれば、オンジエキスと、含水ニ酸化ケイ素及び軽質無水ケイ
酸の少なくとも一種を含有することで安定性が向上しており、経時的に生じ得る変色を有
意に抑制することができる。こうした本発明の効果は、オンジエキスと、含水ニ酸化ケイ
素及び軽質無水ケイ酸の少なくとも一種を含有することのみで得られるので、従来の方法
のように、新たにエキスをコーティングする工程を増やしたり、余分な包材コストをかけ
たりする必要がない。
本発明の固形医薬組成物は、オンジエキス((A))成分と表記することもある)、及び
、含水ニ酸化ケイ素及び軽質無水ケイ酸の少なくとも一種((B)成分と表記することも
ある)を含有することを特徴とする。さらに、セルロース化合物((C)成分と表記する
こともある)を含有することで、変色抑制効果がより一層向上することを特徴とする。以
下、本発明の固形医薬組成物について記述する。
(A)オンジエキス
本発明の固形医薬組成物は、オンジエキス((A)成分)を含有する。
本発明で用いる(A)成分の形態は、オンジのエキス(抽出物)であれば特に制限されず
、当該オンジエキスの濃縮物(軟エキスや流エキスなどの濃縮エキス形態)の形態であっ
ても、また乾燥物(エキス末などの乾燥エキス形態)の形態であってもよい。通常、好ま
しくはエキス末などの乾燥末形態が使用される。
かかるオンジエキスは生薬原料であるオンジから抽出し加工(濃縮、乾燥)することによ
って調製することができる。抽出及び加工の方法については、特に限定されず、当該技術
分野で一般的に採用される方法を用いることができる。抽出方法としては、好ましくは下
記に説明するような溶媒を用いた加熱抽出方法を挙げることができ、また加工方法として
は、下記に説明する濃縮、及び乾燥方法が用いられる。
生薬原料であるオンジからオンジエキスを抽出する方法としては、制限されないものの、
具体的には、オンジの重量の1〜25倍量、好ましくは5〜15倍量の抽出溶媒を加え、
70〜100℃程度で0.5〜2時間抽出し、必要に応じて遠心分離及び/またはろ過し
て抽出液を得る方法が挙げられる。抽出溶媒は特に制限されないが、例えば水、エタノー
ル、酢酸及びこれらの混合液などが挙げられる。
また、オンジエキスの濃縮物は、上記で得られた抽出液を例えば減圧下で濃縮することに
より製造できる。このとき、得られたオンジエキスの濃縮物に吸着剤を加えることによっ
て、吸着エキスの形態としても良い。吸着剤としては、薬学的に許容されるものである限
り特に制限されず、例えば、デキストリン、デンプン、ゼラチン及びケイ酸カルシウム等
が挙げられる。これらの吸着剤は、1種単独で使用しても良く、また2種以上を組み合わ
せて使用しても良い。吸着剤の量も制限されず、最終的に得られるオンジエキス(乾燥物
)100重量部あたり、20〜50重量部、好ましくは30〜40重量部が例示される。
また、オンジエキスの乾燥物は、オンジエキスやオンジエキスの濃縮物を乾燥させること
により製造できる。乾燥方法は特に制限されず、例えばスプレードライ、減圧濃縮乾燥、
凍結乾燥等が挙げられ、好ましくはスプレードライが挙げられる。オンジエキスやオンジ
エキスの濃縮物を乾燥処理に供する場合、吸着剤を添加しても良い。吸着剤を添加するこ
とにより、乾燥の時間を短縮し、得られるエキスの乾燥物の吸湿性を低減させることが可
能となり、乾燥物の最終的な収率を向上させることも可能となる。添加剤としては前述と
同様に、例えば、デキストリン、デンプン、ゼラチン及びケイ酸カルシウム等が挙げられ
、これらは、1種単独で使用しても良く、また2種以上を組み合わせて使用しても良い。
吸着剤の量も制限されず、最終的に得られるオンジエキスの乾燥物100重量部あたり、
20〜50重量部、好ましくは30〜40重量部が例示される。
本発明の固形医薬組成物における(A)成分の含有量については、特に制限されないが、
例えば40〜80重量%、好ましくは50〜70重量%が挙げられる。
(B)含水ニ酸化ケイ素、及び軽質無水ケイ酸
本発明の固形医薬組成物は、含水ニ酸化ケイ素及び軽質無水ケイ酸の少なくとも一種含有
する。後述する実施例に示すように、含水ニ酸化ケイ素及び軽質無水ケイ酸の少なくとも
一種を含有することによってオンジエキスの変色を抑制することが可能となる。
本発明で用いられる含水ニ酸化ケイ素及び軽質無水ケイ酸は、ケイ酸化合物の一種である
。その他のケイ酸化合物としては、例えば、重質無水ケイ酸、無水ケイ酸水加物、合成ケ
イ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ
酸アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムア
ルミニウム等が挙げられる。しかし、意外なことに、ケイ酸化合物のうち含水ニ酸化ケイ
素と軽質無水ケイ酸にはオンジエキスの変色抑制効果が確認されたが、その他のケイ酸化
合物では同様の変色抑制効果は確認できなかった。
含水ニ酸化ケイ素及び軽質無水ケイ酸は、1種単独で上記(A)成分と併用することがで
きるし、また両者を組み合わせて(A)成分と併用することもできる。なお、本発明の効
果が妨げられないことを限度として、含水ニ酸化ケイ素及び軽質無水ケイ酸はいずれも、
上記するその他のケイ酸化合物と組み合わせて用いることができ、それを制限するもので
はない。
本発明の固形医薬組成物における(B)成分の含有量については、特に制限されないが、
例えば1〜20重量%、好ましくは1〜15重量%が挙げられる。また、固形医薬組成物
を錠剤として調製する場合は、(A)成分を100重量部としたときの(B)成分の含有
割合は1〜40重量部であることが特に好ましい。
(C)セルロース化合物
本発明の固形医薬組成物は、(A)オンジエキス、(B)含水ニ酸化ケイ素及び軽質無水
ケイ酸の少なくとも一種に加えて、(C)セルロース化合物、を含有しても良い。(C)
成分を含有することによって、(B)成分のみを含有する場合よりも一層(A)成分の変
色を抑制することが可能となる。
本発明で用いられる(C)成分の種類については、例えば、カルメロース(カルボキシメ
チルセルロース)、クロスカルメロースナトリウム(架橋カルメロースナトリウム)、カ
ルメロースカルシウム(カルボキシメチルセルロースカルシウム)、及びカルメロースカ
リウム(カルボキシメチルセルロースカリウム)等が挙げられる。これらは1種単独で上
記(A)成分及び(B)成分と併用することができるし、また2種以上を任意に組み合わ
せて(A)成分及び(B)成分と併用することもできる。変色を抑制するという観点から
は、カルメロースカルシウムが特に好ましい。
本発明の固形医薬組成物における(C)成分の含有量については、特に制限されないが、
例えば1〜20重量%、好ましくは5〜15重量%が挙げられる。
その他成分
本発明の固形医薬組成物は、必要に応じ、従来公知の賦形剤(例えば、結晶セルロース、
トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、乳糖など)、結合剤(例えば、ヒドロキシ
プロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポビドンなど)、崩壊剤(例えば、寒天、
低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなど)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシ
ウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、タルクなど)、着色剤(例えば
、カラメル、クチナシ色素、酸化チタン、酸化鉄など)、保存剤(例えば、L-アスコルビ
ン酸など)、防腐剤(例えば、安息香酸など)、pH調整剤(例えば、炭酸カリウム、炭
酸水素ナトリウムなど)、界面活性剤(例えば、サポニン、レシチン、ショ糖脂肪酸エス
テルなど)、コーティング剤(例えば、シェラック、ヒプロメロース、マクロゴール、カ
ルナバロウ、ヒドロキシプロピルセルロースなど)などの成分を含有して調製することも
できる。
本発明の固形医薬組成物は、固形製剤であれば限定されず、錠剤、丸剤、散剤、細粒剤、
顆粒剤、カプセル剤等の固形製剤のいずれでもよい。
本発明の固形医薬組成物は好ましくは錠剤として調製される。錠剤の調製は、本発明の属
する技術分野において周知の方法、例えば、打錠機を用いての圧縮成型法により行うこと
ができる。打錠は、混合した成分をそのまま打錠してもよく、または混合した成分を造粒
工程に付し、得られる顆粒を打錠してもよい。1つの態様において、本発明の錠剤は、各
成分を処方に従って添加し、混合、造粒、乾燥、整粒および混合を行い、得られた調製混
合物を打錠することによって調製することができる。また、錠剤の成形後に、コーティン
グ剤を用いてコーティング錠剤にしてもよい。本発明の固形医薬組成物としては、コーテ
ィングを施していない錠剤(裸錠)においても、特に変色抑制効果を発揮できることを特
徴としている。
本発明の固形医薬組成物は顆粒として調製してもよい。顆粒の調製は、本発明の属する技
術分野において周知の方法、例えば、転動造粒法、流動層造粒法、圧縮造粒法、押出造粒
法、攪拌造粒法などにより行うことができる。当該顆粒の製造は、例えば、結合水などを
使用する湿式造粒、または乾式造粒により行ってもよい。当該顆粒をカプセルに充填する
ことにより、カプセル剤とすることもできる。
本発明の固形医薬組成物の1日あたりの摂取量は、対象の体型、年齢、体調などにより、
適宜調整することができる。例えば、大人(15歳以上)が摂取する1日量としては、オ
ンジエキスの乾燥物として、通常500mg〜2500mg程度である。本発明の医薬組
成物は通常、1日1〜3回に分けて経口投与の形態で食前又は食間に服用する。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるもので
はない。
1.オンジエキスの乾燥物の製造方法
本試験例では、以下のようにして取得したオンジエキスの乾燥物を用いた。
5〜10mm程度に裁断されたオンジの根の乾燥物2kgに、95℃の水を30kg加え
、60分間攪拌抽出した。次いで固液分離し得られた抽出液を、ロータリーエバポレータ
ーを用いて60℃以下で減圧濃縮し、濃縮液をスプレードライすることでオンジエキスの
乾燥物500(g)を得た。
2.固形医薬組成物の製造方法
前述の通り得られたオンジエキスの乾燥物、ケイ酸化合物(含水ニ酸化ケイ素:「カープ
レックス#80」(DSLジャパン株式会社製)、軽質無水ケイ酸:「アドソリダー10
1」(フロイント産業株式会社製)、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム:「ノイシリン
」(富士化学工業株式会社製))、セルロース化合物(カルメロースカルシウム:「EC
G505」(ニチリン化学工業社製)、結晶セルロース:「セオラスPH−101」(旭
化成株式会社製))、及びステアリン酸マグネシウム:「ステアリン酸マグネシウム 植
物性」(太平化学産業株式会社製)を後述する表1に従って秤量後に混合し、卓上型標準
プレス機(エヌピーシーシステム株式会社製)とそれに対応した臼と杵を用いて5kNの
圧力で圧縮成型し、直径9mm、重量300mgの錠剤(比較例1〜3、実施例1〜5)
を得た。以上のように得られた錠剤形態の組成物を以下の試験に供した。表中の各成分の
含有量の単位は重量(mg)である。
3.試験方法
前記の通りに調製した錠剤形態の組成物(各製剤について6錠ずつ、1錠300mg)を、
スクリュー管(「硼珪酸ガラス(褐色 NO.6)」日本電気硝子製)に充填・密閉して
、温度50℃・湿度60%の環境下に1週間保存し、保存前後で錠剤の変色具合を確認し
た。変色具合の評価は、製造直後(保存前)の錠剤と、保存後の錠剤の色差を測定するこ
とにより実施した。色差(ΔE*ab)は、コニカミノルタ製の分光測色計CM−700
dを用いて測定した。色差の数値が小さいほど、保存後の錠剤と保存前の錠剤の色の差が
少ないことを示し、変色抑制効果が高いことを意味する。評価結果を表1に示す。
Figure 2018184482

表1に示されるように、オンジエキスを含む錠剤において、含水ニ酸化ケイ素または軽質
無水ケイ酸を含まない場合には著しく変色したが(比較例1〜3)、含水ニ酸化ケイ素を
含む場合には変色が顕著に抑制されていた(実施例1〜3)。さらに、含水ニ酸化ケイ素
に加えてカルメロースカルシウムを含有させた場合(実施例4)には、カルメロースカル
シウムを含有しない場合(実施例1)に比べて変色が一層抑制された。また、実施例2の
含水ニ酸化ケイ素を、軽質無水ケイ酸に置き換えた場合においてもオンジエキスの変色が
有意に抑制された(実施例5)。一方、意外なことに、同じケイ酸化合物であっても、含
水ニ酸化ケイ素に代えてメタケイ酸アルミン酸マグネシウムを用いた場合は、オンジエキ
スの変色に対する抑制効果は確認されなかった(比較例3)。
処方例1〜9
前述の通り得られたオンジエキスの乾燥物を用いて、表2に示す処方に従い、下記の各成
分を混合し、卓上型標準プレス機(エヌピーシーシステム株式会社製)とそれに対応した
臼と杵を用いて5kNの圧力で圧縮成型し、直径9mm、重量300mgの錠剤(処方例
1〜9)を得た。含水ニ酸化ケイ素:「カープレックス#80」(DSLジャパン株式会社
製)、軽質無水ケイ酸:「アドソリダー101」(フロイント産業株式会社製)、カルメ
ロースカルシウム:「ECG505」(ニチリン化学工業株式会社製)、クロスカルメロー
スナトリウム:「キッコレートND−200」(ニチリン化学工業株式会社製)、結晶セ
ルロース:「セオラスPH−101」(旭化成株式会社製)、トウモロコシデンプン:「トウ
モロコシデンプンST−C」(日澱化学株式会社社製)、ステアリン酸マグネシウム:「ス
テアリン酸マグネシウム 植物性」(太平化学産業株式会社製)、タルク:「タルク原末
「マルイシ」」(丸石製薬株会社製)。得られた医薬組成物は、いずれも前述の実施例と
同様に変色の抑制効果に優れていた。表中の各成分の含有量の単位は重量(mg)である
Figure 2018184482
[項目1]
(A)オンジエキス、及び、(B)含水ニ酸化ケイ素及び軽質無水ケイ酸からなる群から選択される少なくとも一種のケイ酸化合物を含有する固形医薬組成物。
[項目2]
さらに(C)セルロース化合物を含有する、項目1に記載の固形医薬組成物。
[項目3]
前記(C)成分が、カルメロースカルシウムである、項目2に記載の固形医薬組成物。
[項目4]
(A)成分が40〜80重量%、(B)成分が1〜20重量%、(C)成分が1〜20重量%である、項目2または3に記載の固形医薬組成物。
[項目5]
錠剤である、項目1〜4のいずれかに記載の固形医薬組成物。
[項目6]
(A)成分100重量部に対して、(B)成分が1〜40重量部である、項目1〜5のいずれかに記載の固形医薬組成物。
[項目7]
(A)オンジエキスに(B)含水ニ酸化ケイ素及び軽質無水ケイ酸からなる群から選択される少なくとも一緒のケイ酸化合物を配合して固形形態に成型することを特徴とする、(A)オンジエキスを含有する医薬組成物の変色抑制方法。
[項目8]
さらに(C)セルロース化合物を配合する、項目7に記載の変色抑制方法。

Claims (3)

  1. (A)オンジエキス、
    (B)含水ニ酸化ケイ素及び軽質無水ケイ酸からなる群から選択される少なくとも一種のケイ酸化合物、及び
    (C)セルロース化合物(カルメロース(カルボキシメチルセルロース)、クロスカルメロースナトリウム(架橋カルメロースナトリウム)、カルメロースカルシウム(カルボキシメチルセルロースカルシウム)、及びカルメロースカリウム(カルボキシメチルセルロースカリウム)から選択されるセルロース化合物を除く)
    を含有する、生薬成分として、オンジエキスのみを含む固形医薬組成物。
  2. (A)オンジエキス1000重量部に対して(B)ケイ酸化合物を18重量部以上配合する、請求項1に記載の固形医薬組成物。
  3. 錠剤、丸剤または顆粒剤である、請求項1または2に記載の固形医薬組成物。
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