以下、本発明に係る手術器材管理サーバ、手術器材管理端末、これらに関するプログラムおよび手術器材管理システムの第一実施形態について図面を用いて説明する。
本第一実施形態の手術器材管理システム1は、図1に示すように、手術器材管理サーバ2Aと、この手術器材管理サーバ2Aにインターネット回線を介して接続された複数台の手術器材管理端末3Aとから構成されている。以下、各構成について詳細に説明する。なお、本第一実施形態の手術器材管理システム1は、手術器材の運用サイクル全般において使用されるものであるが、ここでは主に、セット組立工程に関する構成について説明する。
本第一実施形態の手術器材管理サーバ2Aは、手術に使用される手術器材の管理に用いられるサーバであり、図2に示すように、主に、手術器材管理プログラム2aおよび手術器材を管理する上で使用する各種データを記憶するサーバ記憶手段21と、このサーバ記憶手段21および手術器材管理端末3Aから各種データを取得して演算処理を実行するサーバ演算処理手段22とを有する。
サーバ記憶手段21は、ROM、RAM、ハードディスク、フラッシュメモリ等によって構成されており、各種のデータを記憶するとともに、サーバ演算処理手段22が演算を実行する際のワーキングエリアとして機能するものである。図2に示すように、本第一実施形態におけるサーバ記憶手段21は、主に、手術器材管理プログラム2aを記憶するプログラム記憶部211とともに、ID記憶部212、マスター情報記憶部213、セット組立テンプレート記憶部214、セットリスト記憶部215、組立器材テーブル記憶部216、セットID記憶部217、およびログ情報記憶部218を有する。
プログラム記憶部211には、本第一実施形態の手術器材管理プログラム2aがインストールされている。そして、サーバ演算処理手段22が、前記手術器材管理プログラム2aを実行し、後述する各構成部として機能させることにより、コンピュータを手術器材管理サーバ2Aとして機能させるようになっている。
なお、手術器材管理プログラム2aの利用形態は、上記構成に限られるものではない。例えば、CD−ROMやUSBメモリ等のように、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体に手術器材管理プログラム2aを記憶させておき、この記録媒体から直接読み出して実行してもよい。また、外部サーバ等からクラウドコンピューティング方式やASP(application service provider)方式等で利用してもよい。
ID記憶部212は、図3に示すように、各手術器材に付された識別コードまたは各コンテナに付された識別コードとともに、これらの識別コードに対応する器材IDまたはコンテナID、器材種別、器材状況、セットIDを記憶している。
識別コードは、個々の手術器材およびコンテナを識別するために付された固有のコードであり、2つとして同じ識別コードを有するものはない。よって、ID記憶部212には、管理を行う手術器材およびコンテナの合計数量に相当する識別コードが記憶されている。本第一実施形態における識別コードは、RFID(radio frequency identifier)、一次元シンボル、二次元シンボルおよびカラーバーコード等により管理される任意の文字および数字の組合せからなる。
ここで、本第一実施形態における識別コードの装着形態について説明する。各手術器材には、主にRFIDが直接的に装着されている。また、RFIDを装着できない手術器材には、一次元シンボル、二次元シンボルまたはカラーバーコードが、インクによりプリントされているかまたはレーザー、ドットピン、エッチングまたはサンドブラスト等により刻み込まれている。また、コンテナはコンテナ本体に着脱可能なタグが取り付けられている。そして、前記タグは、RFIDとともに一次元シンボルをプリントした用紙を備えており、手術器材管理端末3Aの識別コード読取手段33であるRFIDリーダーおよびバーコードスキャナのいずれでも読み取りされるようになっている。
なお、本第一実施形態では、ID記憶部212において識別コードを管理しているが、これに限定されるものではなく、ID記憶部212とは別にID記憶部212のID番号に対応付けて識別コードを管理する識別コード管理記憶部を備えていてもよい。このようにID記憶部212と識別コードを別に管理することにより、RFIDが故障した場合または二次元シンボル等が摩耗により読み取り不可になった場合に、識別コード管理記憶部において、故障したRFIDまたは摩耗した二次元シンボルの識別コードを、新たなRFIDまたは新たな二次元シンボルの識別コードに変更することだけで、他の記憶部の情報を変更する必要がなく便利である。
器材IDは、手術器材の種別毎に割り当てられたIDである。つまり、同じ種別の手術器材には同じ器材IDが割り当てられている。本第一実施形態では、図4に示すように、例えば、ベックマン氏剪刀に対しては器材IDとして「1」が割り当てられている。なお、器材IDに対応する手術器材の名称の情報は、図4に示すマスター情報記憶部213に記憶されており、ID記憶部212では器材IDのみが記憶されている。
コンテナIDは、組立セット毎に割り当てられたIDである。組立セットとは、手術に使用される各種の手術器材のセットである。前記コンテナIDは、手術器材と同様に、同じ内容の組立セットには同じコンテナIDが割り当てられる。例えば、図4に示すように、整形外科セットに対してはコンテナIDとして「100」が割り当てられている。なお、コンテナIDに対応する組立セット名称は、器材IDと同様、図4に示すマスター情報記憶部213に記憶されており、ID記憶部212ではコンテナIDのみが記憶されている。
器材種別は、識別コードに対応する種別が手術器材かコンテナかを区別する情報である。例えば手術器材には「0」が割り当てられており、コンテナには「1」が割り当てられている。
器材状況は、手術器材およびコンテナが現在、運用サイクルのどの工程にあるのかに関する情報である。本第一実施形態では、洗浄工程後の場合には「0」が割り当てられ、セット組立工程後の場合には「1」が割り当てられ、滅菌工程後の場合には「2」が割り当てられ、取揃え工程後の場合には「3」が割り当てられ、、手術後チェック工程後の場合には「4」が割り当てられている。これらの器材状況は、運用サイクルの各工程が終了するごとに後述する器材状況更新部232によって適宜書き換えられる。
セットIDは、組み立てられた組立セットの手術器材と、前記組立セットを収容したコンテナとを紐付けるために割り当てられるIDである。本第一実施形態では、セット組立工程が終了した際に、実際にセットされている手術器材およびコンテナの識別コードに対して同じ番号のセットIDが割り当てられる。また、セット組立される前の手術器材およびコンテナの識別コードに対しては「−1」が割り当てられている。
次に、マスター情報記憶部213について説明する。マスター情報記憶部213は、器材IDまたはコンテナIDに対応付けられたマスター情報を記憶するものであり、本第一実施形態では、図4に示すように、器材IDまたはコンテナIDに対応付けてその器材名称または組立セット名称、および器材種別を記憶している。器材名称は器材IDに対応した手術器材の名称であり、組立セット名称はコンテナIDに対応した組立セットの名称である。これらの名称は、初期設定時に任意に設定することができる。また、器材種別は、ID記憶部212における器材種別と同じものであり、手術器材には「0」が割り当てられており、コンテナには「1」が割り当てられている。
セット組立テンプレート記憶部214は、組立セットリストを取得するための情報を記憶しており、本第一実施形態では、図5に示すように、コンテナIDに対応付けて組立セットを構成する器材IDおよびその数量と、手術器材管理端末3Aにおいて組立セットリストを表示手段31に表示させるときの並び順とを記憶している。このセット組立テンプレート記憶部214は、書き換え可能な情報であり、後述する登録処理において適宜更新することで、前記コンテナIDに対応する今回の組立セットの構成を、次回以降のセット組立工程における組立セットリストとして反映させることができる。
セットリスト記憶部215は、後述するセットリスト取得部225がセット組立テンプレート記憶部214から取得した組立セットリストを記憶するものであり、本第一実施形態では、図6に示すように、器材IDに対応付けて器材名称、数量、取得数量、並び順および数量固定フラグを記憶している。ここで器材名称はセットリスト取得部225によってマスター情報記憶部213から取得されたものであり、数量および並び順はセットリスト取得部225によってセット組立テンプレートから取得されたものである。また、取得数量は、後述するID取得部221によって器材IDが取得されることにより後述する組立セット更新部228によりインクリメントされる数値であり、前記器材IDの取得回数をカウントしたものである。
また、数量固定フラグは、手術器材管理端末3Aから登録指示を受信したときに、追加更新された器材IDまたは数量が変更された器材IDに対応する取得数量を、次回以降のセット組立工程における組立セットリストを構成する器材IDまたは器材IDの数量に反映させるか否かを判別するためのフラグであり、本実施形態では、固定状態のフラグと非固定状態のフラグとからなる。器材IDに対する数量固定フラグが固定状態の場合は、後述するテンプレート更新部230が、器材IDの追加更新または器材IDの数量変更を今回のセット組立工程のみの変更であるとして、次回以降のセット組立工程における組立セットリストには反映させないものと判別する。一方、器材IDに対する数量固定フラグが非固定状態の場合には、テンプレート更新部230が、器材IDの追加更新または器材IDの数量変更をを次回以降のセット組立工程における組立セットリストを構成する器材IDまたは器材IDの数量に反映させるものと判別する。つまり、本実施形態では、器材IDごとに前記数量固定フラグを固定状態または非固定状態に設定することで、器材IDの追加更新または器材IDの数量変更があった場合に、今回のセット組立工程のみ変更する器材IDと、次回以降のセット組立工程にもその変更を反映させる器材IDとを器材IDごとに管理することができる。
本第一実施形態における数量固定フラグには、組立セットリストを構成する器材IDまたは器材IDの数量を固定する固定状態に対して「0」が割り当てられており、数量を変更可能にする非固定状態に対して「1」が割り当てられている。この数量固定フラグは、数量固定フラグ変更部229がセット組立工程において組立セットリストを構成する器材IDの追加更新がされる場合に、または、照合された前記器材IDが前記組立セットリストを構成する器材IDのいずれかと一致しかつその取得数量が前記組立セットリストの前記器材IDの数量を超える場合に、手術器材管理端末3Aからの指示に応じて適宜変更できるようになっている。
組立器材テーブル記憶部216は、手術器材管理端末3Aから登録指示があったときに、セットリスト記憶部215の組立セットリストに記憶されている器材IDおよびその取得数量をセットIDに対応付けて記憶するものである。本第一実施形態における組立器材テーブル記憶部216は、図7に示すように、セットIDに対応付けて、器材ID、取得数量、数量、並び順および数量固定フラグを記憶している。ここで、セットIDは、セット組立工程において手術器材管理端末3Aから登録指示があった時に適宜割り当てられるようになっている。
セットID記憶部217は、セットIDに対応付けて識別コードを記憶するものである。本第一実施形態におけるセットID記憶部217は、図8に示すように、セットIDに対応付けて、識別コードに対応したID番号ととともに手術IDを記憶している。手術IDは、手術患者に対して割り当てられたIDであり、取揃え工程においてコンテナIDに対応するコンテナが取揃えられた際に前記手術患者に対して割り当てられた手術IDに書き換えられるようになっている。
ログ情報記憶部218は、識別コード毎に各工程において処理された情報をログ情報として記憶するものであり、本第一実施形態では、図9に示すように、主にID記憶部212に記憶されている情報とともに、更新日時、登録者および登録端末を記憶している。
次に、サーバ演算処理手段22について説明する。サーバ演算処理手段22は、CPU(Central Processing Unit)等から構成されており、サーバ記憶手段21にインストールされた手術器材管理プログラム2aを実行させることにより、図2に示すように、手術器材管理サーバ2Aとしてのコンピュータを、ID取得部221、器材種別判別部222、先行取得器材判別部223、先行取得コンテナ判別部224、セットリスト取得部225、セットリスト送信部226、器材ID照合部227、組立セット更新部228、数量固定フラグ変更部229、テンプレート更新部230、組立セット確定部231、器材状況更新部232およびログ情報管理部233として機能させるようになっている。
ID取得部221は、ID記憶部212から識別コードに対応する器材IDおよびコンテナIDを取得するものである。本第一実施形態におけるID取得部221は、手術器材管理端末3Aから送信された識別コードとID記憶部212に記憶された識別コードとを照合し、一致する前記識別コードに対応付けられている器材IDまたはコンテナIDを取得する。
器材種別判別部222は、手術器材管理端末3Aによって読み取られた識別コードが手術器材に付された識別コードか、それともコンテナに付された識別コードかを判別するものである。本第一実施形態における器材種別判別部222は、ID記憶部212において識別コードに対応付けられた器材種別の情報が「0」か「1」かを判別し、「0」である場合には識別コードに係る器材種別が手術器材であると判別し、「1」である場合には識別コードに係る器材種別がコンテナであると判別する。
先行取得器材判別部223は、手術器材管理端末3Aによって読み取られた識別コードの器材種別がコンテナであった場合に、このコンテナに係る識別コードを取得するよりも先行して取得された手術器材に対応する識別コードの取得があったか否かを判別するものである。本第一実施形態における先行取得器材判別部223は、セットリスト記憶部215に組立セットリストを記憶させる以前に記憶された器材IDに係る情報があるか否かを判別する。
先行取得コンテナ判別部224は、先行取得器材判別部223とは逆に、手術器材管理端末3Aによって読み取られた識別コードの器材種別が手術器材であった場合に、この手術器材に係る識別コードを取得するよりも先行して取得されたコンテナに対応する識別コードの取得があったか否かを判別するものである。本第一実施形態における先行取得コンテナ判別部224は、セットリスト記憶部215に組立セットリストが記憶されているか否かを判別する。
セットリスト取得部225は、前記コンテナIDに対応付けられた器材IDおよびその数量から構成される組立セットリストを取得するものである。本第一実施形態におけるセットリスト取得部225は、セット組立テンプレート記憶部214からID取得部221により取得されたコンテナIDに対応付けられた器材IDおよびその数量を取得し、組立セットリストとしてセットリスト記憶部215に記憶させる。
セットリスト送信部226は、取得された組立セットリストまたは取得された手術器材の情報を手術器材管理端末3Aに送信するものである。本第一実施形態におけるセットリスト送信部226は、セットリスト記憶部215の更新がなされるごとに送信する。これにより、手術器材管理端末3Aでは、組立セットリストまたは取得された手術器材の情報を受信し、その情報を表示手段31に表示させるようになっている。
器材ID照合部227は、取得した器材IDと組立セットリストを構成する器材IDとを照合するものである。本第一実施形態における器材ID照合部227は、ID取得部221により取得した器材IDと、セットリスト取得部225により取得した組立セットリストとを照合し、前記組立セットリストを構成するいずれかの器材IDと一致するか否かを判別するとともに、もし前記組立セットリストを構成する器材IDのいずれかと一致していた場合にはさらにその取得数量が前記組立セットリストの前記器材IDの数量を超えるか否かを判別する。
組立セット更新部228は、ID取得部221により取得された器材IDに応じて組立セットリストを更新するものである。例えば、組立セット更新部228は、器材ID照合部227によって照合された器材IDが組立セットリストを構成する器材IDの全てと一致しない場合には、手術器材管理端末3Aからの指示に応じて前記器材IDを前記組立セットリストに追加更新するとともに、組立セットリストを構成する器材IDと一致した場合には前記器材IDに係る取得数量をインクリメントする。
数量固定フラグ変更部229は、数量固定フラグを手術器材管理端末3Aからの指示に応じて固定状態または非固定状態に変更するものである。本第一実施形態における数量固定フラグ変更部229は、器材ID照合部227によって照合された器材IDが組立セットリストを構成する器材IDの全てと一致しない場合、前記器材IDが前記組立セットリストを構成する器材IDのいずれかと一致しかつその取得数量が前記組立セットリストの前記器材IDの数量を超える場合、および手術器材管理端末3Aによる任意のタイミングにおいて、手術器材管理端末3Aからの指示があった場合に、その指示に応じて固定状態を非固定状態に変更する、または非固定状態を固定状態に変更する。
テンプレート更新部230は、セットリスト記憶部215に記憶されている組立セットリストの器材IDごとに数量固定フラグが固定状態か非固定状態かを判別し、非固定状態である器材IDについては、前記組立セットリストに記憶されている前記器材IDおよびその取得数量をセット組立テンプレート記憶部214においてコンテナIDに対応付けて記憶される前記器材IDおよびその数量に更新する。
組立セット確定部231は、手術器材管理端末3Aからの登録指示に応じて、今回のセット組立工程においてコンテナに組み立てられた手術器材を確定するものであり、セットリスト記憶部215に記憶された組立セットリストの器材IDとその取得数量をセットIDに対応付けて組立器材テーブル記憶部216に記憶させる。
器材状況更新部232は、各工程終了時に識別コードに対応したID記憶部212の器材状況を更新するものである。具体的には、前記器材状況更新部232が、識別コードに対応したID記憶部212の器材状況を洗浄工程終了時には「0」に更新し、セット組立工程終了時には「1」に更新し、滅菌工程終了時には「2」に更新し、取揃え工程終了時には「3」に更新し、手術後チェック工程終了時には「4」に更新する。
ログ情報管理部233は、各工程終了時に工程に用いられ識別コード毎のログ情報をログ情報記憶部218に記憶させるものである。本第一実施形態におけるログ情報管理部233は、ID記憶部212から識別コードに対応した情報を取得し、更新日時、登録者および登録端末の情報とともにログ情報記憶部218に記憶させる。
次に、本第一実施形態の手術器材管理端末3Aについて説明する。本第一実施形態の手術器材管理端末3Aは、手術に使用される手術器材の管理に用いられる端末であり、図10に示すように、主に、組立セットリスト等を表示する表示手段31と、この表示手段31と一体的に構成されたタッチパネル式の入力手段32と、識別コードを読み取る識別コード読取手段33と、手術器材管理端末用プログラム3aおよび前記識別コード読取手段33により読み取られた識別コードを記憶する端末記憶手段34と、さらに前記識別コード読取手段33、前記入力手段32および手術器材管理サーバ2Aから各種データを取得して演算処理を実行する端末演算処理手段35とを有する。
表示手段31は、各工程において組立セットリストおよび手術器材に関する各種情報を表示させるものである。本第一実施形態における表示手段31は、タッチパネル式の液晶ディスプレイによって構成されており、入力手段32を兼ねている。
入力手段32は、手術器材管理端末3Aを操作するユーザインターフェースであり、本第一実施形態では、上述のとおり、表示手段31の画面部分と一体的に構成されたタッチパネルからなる。なお、入力手段32は、タッチパネルに限定されるものではなく、キーボード、マウス等によって構成されていてもよい。
識別コード読取手段33は、RFID、一次元シンボル、二次元シンボルおよびカラーバーコードを読み取ることができるものであり、RFIDを読み取るRFIDリーダー、一次元シンボルを読み取るバーコードスキャナ、二次元シンボルおよびカラーバーコードを読み取るカメラにより構成される。本第一実施形態では、パーソナルコンピュータからなる据置型の手術器材管理端末3Aにおいては識別コード読取手段33としてRFIDリーダーを備えており、小型コンピュータからなる携帯型の手術器材管理端末3Aにおいては識別コード読取手段33としてバーコードスキャナおよびカメラを備えている。なお、手術器材およびコンテナに識別コードを付することができない場合は、入力手段32により直接、文字および数字を入力して識別コードを取得することもできる。
次に、端末記憶手段34は、手術器材管理サーバ2Aのサーバ記憶手段21と同様に、ROM、RAM、ハードディスク、フラッシュメモリ等によって構成されており、各種のデータを記憶するとともに、端末演算処理手段35が演算を実行する際のワーキングエリアとして機能するものである。本第一実施形態における端末記憶手段34は、主に、手術器材管理端末用プログラム3aを記憶するプログラム記憶部341と、識別コード読取手段33によって読み取られた識別コードを記憶する識別コード記憶部342とを有する。
プログラム記憶部341には、本第一実施形態の手術器材管理端末用プログラム3aがインストールされている。そして、端末演算処理手段35が、前記手術器材管理端末用プログラム3aを実行し、後述する各構成部として機能させることにより、コンピュータを手術器材管理端末3Aとして機能させるようになっている。
なお、手術器材管理端末用プログラム3aの利用形態は、上記構成に限られるものではない。例えば、CD−ROMやUSBメモリ等のように、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体に手術器材管理端末用プログラム3aを記憶させておき、この記録媒体から直接読み出して実行してもよい。また、外部サーバ等からクラウドコンピューティング方式やASP方式等で利用してもよい。
識別コード記憶部342は、識別コード読取手段33によって読み取られた識別コードを記憶するものであり、本第一実施形態では、器材IDごとに、後述する識別コード取得部351により前記識別コード読取手段33を介して取得された前記識別コードを記憶する。つまり、識別コード記憶部342は、複数の器材IDと、当該器材IDに対応した複数の識別コードとからなる二次元配列で記憶される。
次に、端末演算処理手段35は、手術器材管理サーバ2Aのサーバ演算処理手段22と同様に、CPU等から構成されており、プログラム記憶部341にインストールされた手術器材管理端末用プログラム3aを実行させることにより、図10に示すように、手術器材管理端末3Aとしてのコンピュータを、識別コード取得部351、識別コード送信部352、表示制御部353および登録指示送信部354として機能させるようになっている。
識別コード取得部351は、識別コード読取手段33または入力手段32を介して手術器材またはコンテナに付された識別コードを取得するものである。つまり、識別コード取得部351は、手術器材またはコンテナに装着されたRFIDにより記憶された識別コードのテキストデータ、一次元シンボル、二次元シンボルまたはカラーバーコードのルールに従ったテキストデータを取得し、識別コード記憶部342に記憶させる。
識別コード送信部352は、識別コード取得部351によって取得された識別コードを手術器材管理サーバ2Aに送信するものである。本第一実施形態では、後述するように、識別コード送信部352が、手術器材管理サーバ2Aに識別コードを送信することで、手術器材管理サーバ2Aでは組立処理が実行される。
表示制御部353は、手術器材管理サーバ2Aから送信された組立セットリストまたは手術器材の情報を表示手段31に表示させるものである。本第一実施形態における表示制御部353は、組立セットリストまたは手術器材の情報とともにセット組立の終了を指示する登録ボタンを表示し、かつ、組立セットリストを表示する際には、テンキーを表示画面の右側に表示させる右利き表示モードと、前記テンキーを表示画面の左側に表示させる左利き表示モードとを切り換えるための表示切換ボタン4を表示させ、前記表示切換ボタン4による指示に応じて前記テンキーを表示画面に表示させる。
登録指示送信部354は、セット組立が終了したときに手術器材管理サーバ2Aに対して組立セットを登録する指示を送信するものであり、本第一実施形態では、表示制御部353によって表示手段31に表示された登録ボタンが押されることにより登録指示の情報を前記手術器材管理サーバ2Aに送信する。
つぎに、本第一実施形態の手術器材管理システム1における各構成の作用について説明する。
本第一実施形態におけるセット組立工程では、図11に示すように、まず、手術器材管理端末3Aによる識別コード取得ループが実行される(ステップS1〜ステップS1’)。具体的には、識別コード取得部351が、識別コード読取手段33を介して手術器材またはコンテナに装着された識別コードを取得する(ステップS2)。
次に、手術器材管理端末3Aでは、識別コード送信部352が識別コードを手術器材管理サーバ2Aに送信する(ステップS3)。
手術器材管理サーバ2Aでは、手術器材管理端末3Aから識別コードが送信されたのを契機として、前記手術器材管理端末3Aから受信した識別コードに基づき組立処理を実行する。具体的には、図12に示すように、ID取得部221が、手術器材管理端末3Aから送信された識別コードを受信する(ステップSA1)。次に、ID取得部221が、ID記憶部212から前記識別コードと一致するものを検索する(ステップSA2)。そして、ID取得部221が、検索された識別コードに対応して記憶されている器材IDまたはコンテナIDを取得する(ステップSA3)。例えば、受信した識別コードが、図3に示すID記憶部212に記憶された「E00401503D4C9BA5」であった場合(ID番号が「1」の場合)には、対応する器材ID・コンテナIDに記憶された「1」を器材IDまたはコンテナIDとして取得する。同様に、受信した識別コードが、ID記憶部212に記憶された「E0040100574F797D」であった場合(ID番号が「5」の場合)には、対応する器材ID・コンテナIDに記憶された「100」を器材IDまたはコンテナIDとして取得する。
そして、ID取得部221は、マスター情報記憶部213から取得した器材IDまたはコンテナIDに対応する名称を取得する(ステップSA4)。例えば、器材IDまたはコンテナIDが「1」の場合には、図4に示すマスター情報記憶部213において器材ID・コンテナID「1」に対応して記憶されている名称である「ベックマン氏剪刀」を取得する。また、器材IDまたはコンテナIDが「100」の場合には、マスター情報記憶部213において器材ID・コンテナID「100」に対応して記憶されている名称である「整形外科セット」を取得する。
なお、この時点(ステップSA1〜ステップSA4)において、手術器材管理端末3Aから受信した識別コードが手術器材に対応するものか、それともコンテナに対応するものかが不明である。
そこで、次のステップSA5において、器材種別判別部222が、受信した識別コードに係る器材種別が器材IDに対応するものか、それともコンテナIDに対応するものか判別する。本第一実施形態では、器材種別判別部222が、識別コードに対応したID記憶部212における器材種別が「1」かそれとも「0」かによってその器材種別を判別する。例えば、器材種別判別部222は、識別コードに対応した器材種別が「1」の場合には(ステップSA5:1)、前記識別コードに対応する器材種別がコンテナであると判別してコンテナID処理に進む。一方、器材種別判別部222は、識別コードに対応した器材種別が「0」である場合には(ステップSA5:0)、前記識別コードに対応する器材種別が手術器材であると判別して器材ID処理に進む。
次に、コンテナID処理について説明する。コンテナID処理では、図13に示すように、セットリスト取得部225が、セット組立テンプレート記憶部214からコンテナIDに対応する器材IDとその数量を取得する(ステップSB1)。例えば、コンテナIDが「100」の場合は、図5に示すセット組立テンプレート記憶部214からコンテナIDが「100」に対応する全てのものを検索する。そしてセットリスト取得部225は、組立セットリストとしてコンテナID「100」に対応する器材ID「1」とその数量「1」、器材ID「2」とその数量「3」、器材ID「3」とその数量「2」をそれぞれ取得する。また、セットリスト取得部225は、器材IDとその数量とともに、セット組立テンプレートに記憶された表示手段31に表示させる並び順に係る情報も合わせて取得する。そして、セットリスト取得部225は、図6に示すように、マスター情報記憶部213に記憶されている器材IDに対応した名称とともに、セット組立テンプレート記憶部214から取得した器材IDとその数量を組立セットリストとしてセットリスト記憶部215に記憶させる(ステップSB2)。
次に、先行取得器材判別部223が、先に取得された器材IDがあるか否かを判別する(ステップSB3)。具体的には、先行取得器材判別部223が、セットリスト記憶部215に組立セットリストを記憶させる以前に記憶された器材IDに係る情報があるか否かを判別する。そして、先行取得器材判別部223が、先に取得された器材IDがないと判別した場合には(ステップSB4においてNO)、セットリスト送信部226がセットリスト記憶部215に記憶されている組立セットリストを手術器材管理端末3Aに送信する(ステップSB4)。
手術器材管理端末3Aでは、図14に示すように、表示制御部353が受信した組立セットリストを表示手段31に表示させる。また、前記表示制御部353は、このときテンキーとともに前記テンキーを表示画面の右側に表示させる右利き表示モードと、前記テンキーを表示画面の左側に表示させる左利き表示モードとを切り換えるための表示切換ボタン4を表示させる。本第一実施形態では、表示画面の右上に表示される右利き表示モード用のRボタンと左利き表示モード用のLボタンを表示させる。そして、手術器材管理端末3Aによって前記表示切換ボタン4の切換操作が行われることで、利き腕に応じて使いやすい位置にテンキーを表示させることができる。例えば、図14に示すように、Lボタンが選択された場合には、テンキーを表示画面における組立セットリストよりも右側に表示させ、一方、図15に示すように、Rボタンが選択された場合には、テンキーを表示画面における組立セットリストよりも左側に表示させる。これにより、利き手でテンキーを操作する場合、表示画面における組立セットリストの表示を自身の利き手で隠すことなくテンキー操作を行うことができる。
ところで、セット組立工程では、通常、手術器材管理端末3Aによってコンテナに係る識別コードを先に読み取り、コンテナID処理によって組立セットリストを手術器材管理端末3Aの表示手段31に表示させてから、前記組立セットリストに応じた手術器材の識別コードの読み取りを行うのが一般的である。しかし、本第一実施形態では、先行取得器材判別部223により先に取得された器材IDがあるか否かの判別結果に応じた処理を行うため、手術器材の識別コードを先に読み取ることも可能とした。
そこで、ステップSB3に戻って、先行取得器材判別部223が、先に取得された器材IDがあると判別した場合について説明する。先行取得器材判別部223が、先に取得された器材IDがあると判別した場合には(ステップSB3:YES)、先に取得された手術器材の組立処理を行う。具体的には、器材ID照合部227が、セットリスト記憶部215から組立セットリストと、この組立セットリストを記憶させる以前に記憶された器材IDおよびその取得数量とを取得する(ステップSB5)。次に、器材ID照合部227が、前記組立セットリストと以前に記憶された前記器材IDとを照合し、前記器材IDが前記組立セットリストを構成する器材IDか否かを判別する(ステップSB6)。ここで器材ID照合部227が、前記器材IDが前記組立セットリストを構成する器材IDの全てと一致しないと判別した場合は(ステップSB6:NO)、組立セット更新部228が組立セットリストと一致しない器材IDに係る手術器材が追加された旨の情報を手術器材管理端末3Aに送信する(ステップSB7)。これに対し、手術器材管理端末3Aでは、表示制御部353が受信した手術器材の追加情報に基づき前記手術器材が追加されたメッセージを表示手段31に表示させる。
また、組立セット更新部228は、セットリスト記憶部215の組立セットリストに先に取得された前記器材IDおよびその取得数量を追加更新する(ステップSB8)。例えば、取得された前記器材IDが「4」、その名称が「クーパー」、その取得数量が「1」の場合では、図16に示すように、セットリスト記憶部215の組立セットリストに前記器材ID「4」に対応する情報が追加される。
一方、ステップSB6に戻って、器材ID照合部227が、先に取得された前記器材IDが前記組立セットリストを構成する器材IDと一致すると判別した場合には(ステップSB6:YES)、さらに器材ID照合部227が、前記器材IDに係る組立セットリストの数量と先に取得された器材IDの取得数量とを比較し、前記器材IDの取得数量が前記組立セットリストの前記器材IDに係る数量を超えるか否かを判別する(ステップSB9)。ここで器材ID照合部227が、数量を超えていないと判別した場合には(ステップSB9:NO)、組立セット更新部228がセットリスト記憶部215に記憶されている組立セットリストの前記器材IDに係る取得数量を先に取得された器材IDの取得数量に更新する(ステップSB10)。例えば、取得された前記器材IDが「3」、その名称が「メス10番」、その取得数量が「2」の場合では、図17に示すように、セットリスト記憶部215の組立セットリストの前記器材ID「3」に対応する取得数量を「2」に更新する。
一方、器材ID照合部227が、数量を超えたと判別した場合には(ステップSB9:YES)、組立セット更新部228は、器材IDに係る取得数量が組立セットリストの数量を超えた情報を手術器材管理端末3Aに送信する(ステップSB11)。手術器材管理端末3Aでは、表示制御部353は、前記器材IDに係る取得数量が組立セットリストの数量を超えた情報を受信し、この情報を表示手段31に表示させる。また、組立セット更新部228が、セットリスト記憶部215に記憶されている組立セットリストの前記器材IDに係る取得数量を先に取得された数量に更新する(ステップSB10)。
そして、セットリスト送信部226がセットリスト記憶部215に記憶されている組立セットリストを手術器材管理端末3Aに送信する(ステップSB4)。手術器材管理端末3Aでは、表示制御部353が受信した組立セットリストを表示手段31に表示させる。
以上で、コンテナID処理が終了し、図12に示すように、取得した識別コードに係る組立処理も終了する。そして、図11に示すように、識別コード取得ループ(ステップS1〜ステップS1’)に戻る。
次に、器材ID処理について説明する。器材ID処理では、図18に示すように、まず、先行取得コンテナ判別部224が、先にコンテナIDが取得されているか否かを判別する(ステップSC1)。具体的には、先行取得コンテナ判別部224がセットリスト記憶部215に組立セットリストが記憶されているか否かを判別する。
先行取得コンテナ判別部224が、セットリスト記憶部215に組立セットリストが記憶されておらず、先にコンテナIDが取得されていないと判別した場合には(ステップSC1:NO)、組立セット更新部228がセットリスト記憶部215に器材IDに係る情報を追加し、その取得数量をインクリメントする、または、セットリスト記憶部215に器材IDに係る情報がある場合には前記器材IDに対応する取得数量をインクリメントする(ステップSC2)。そして、セットリスト送信部226が、セットリスト記憶部215に記憶された器材IDおよびその取得数量を手術器材管理端末3Aに送信する(ステップSC3)。手術器材管理端末3Aでは、表示制御部353が、受信した識別コードに係る手術器材およびその取得数量を表示手段31に表示させる。
これに対し、先行取得コンテナ判別部224が、先にコンテナIDが取得されていると判別した場合には(ステップSC1:YES)、器材ID照合部227は、組立処理中の器材IDが組立セットリストを構成する器材IDと一致するか否かを判別する(ステップSC4)。ここで器材ID照合部227が、組立セットリストを構成する器材IDの全てに一致しないと判別した場合には(ステップSC4:NO)、組立セット更新部228は、新たな手術器材が追加された情報を手術器材管理端末3Aに送信する(ステップSC5)。
手術器材管理端末3Aでは、新たな手術器材が追加された情報を受信すると、表示制御部353が追加確認メッセージとともに「YES」ボタンおよび「NO」ボタンを表示手段31に表示させる(ステップSC6)。手術器材管理端末3Aにおいて「NO」ボタンが入力手段を介したユーザーからの入力指示により選択された場合には(ステップSC7:NO)、手術器材管理サーバ2Aでは組立セットリストの更新を行わずに器材ID処理を終了する。
これに対し、手術器材管理端末3Aにおいて「YES」ボタンが選択された場合には(ステップSC7:YES)、手術器材管理サーバ2Aにおいて識別コードに係る手術器材の追加が今回の運用サイクルにおけるセット組立のみならず、次回以降のセット組立におけるコンテナIDに対応する組立セットリストにも追加するものとして処理する。具体的には、まず組立セット更新部228がセットリスト記憶部215に記憶されている組立セットリストに前記識別コードに対応した器材IDに関する情報を追加更新する(ステップSC8)。例えば、取得された前記器材IDが「4」、その名称が「クーパー」の場合は、図16に示すように、セットリスト記憶部215の組立セットリストに前記器材ID「4」に対応する情報が追加される。
さらに、数量固定フラグ変更部229が、セットリスト記憶部215の組立セットリストに追加した器材IDに対応した数量固定フラグを固定状態に割り当てられた「0」から非固定状態に割り当てられた「1」に変更する(ステップSC9)。これにより、後述する登録処理において、前記器材IDに係る取得数量を次回以降の組立セットリストの数量に反映することができるようになる。
そして、組立セット更新部228が、組立セットリストに追加した器材IDに対応する取得数量をインクリメントする(ステップSC2)。また、セットリスト送信部226は、識別コードに係る器材IDが追加更新された前記セットリスト記憶部215の組立セットリストを手術器材管理端末3Aに送信する(ステップSC3)。
また、ステップSC4に戻って、器材ID照合部227が、先に取得された前記器材IDが前記組立セットリストを構成する器材IDと一致すると判別した場合には(ステップSC4:YES)、さらに器材ID照合部227が前記器材IDに係る組立セットリストの数量と器材IDの取得数量とを比較し、前記器材IDの取得数量が前記組立セットリストの前記器材IDに係る数量を超えるか否かを判別する(ステップSC10)。器材ID照合部227が、数量を超えていないと判別した場合には(ステップSC10:NO)、組立セット更新部228がセットリスト記憶部215に記憶されている組立セットリストの前記器材IDに係る取得数量をインクリメントする(ステップSC2)。そして、セットリスト送信部226が、前記セットリスト記憶部215の組立セットリストを手術器材管理端末3Aに送信する(ステップSC3)。
一方、器材ID照合部227が、前記器材IDの取得数量が前記組立セットリストの前記器材IDに係る数量を超えていると判別した場合には(ステップSC10:YES)、組立セット更新部228は、識別コードに対応する器材IDの取得数量が組立セットリストの数量を超えた情報を手術器材管理端末3Aに送信する(ステップSC11)。
これに対し、手術器材管理端末3Aでは、表示制御部353が数量を超えた情報を受信すると数量確認メッセージとともに、「今回のみ」ボタン、「定数を更新」ボタンおよび「キャンセル」ボタンを表示手段31に表示させる(ステップSC12)。ここで手術器材管理端末3Aにおいて入力手段を介したユーザーからの入力指示により「キャンセル」ボタンが選択された場合には(ステップSC13:キャンセル)、前記手術器材管理サーバ2Aでは組立セットリストの更新を行わずに器材ID処理を終了する。
これに対し、手術器材管理端末3Aにおいて「今回のみ」ボタンが選択された場合には(ステップSC13:今回のみ)、手術器材管理サーバ2Aにおいて識別コードに係る手術器材が今回のみ増加されたものとして次に進み、組立セット更新部228がセットリスト記憶部215に記憶されている組立セットリストにおける器材IDの取得数量をインクリメントする(ステップSC2)。そして、セットリスト送信部226は、識別コードに係る器材IDに対応する取得数量がインクリメントされた前記セットリスト記憶部215の組立セットリストを手術器材管理端末3Aに送信する(ステップSC3)。
一方、手術器材管理端末3Aにおいて「定数を更新」ボタンが選択された場合には(ステップSC13:定数の更新)、手術器材管理サーバ2Aにおいて識別コードに係る手術器材の数量の増加が今回のセット組立のみならず、次回以降のセット組立におけるコンテナIDに対応する組立セットリストにも反映させるものとして処理する。具体的には、数量固定フラグ変更部229が、セットリスト記憶部215に記憶されている前記器材IDに対応した数量固定フラグを固定状態に割り当てられた「0」から非固定状態に割り当てられた「1」に変更する(ステップSC14)。その後は、「今回のみ」ボタンが選択された場合と同様、組立セット更新部228がセットリスト記憶部215に記憶されている組立セットリストに前記識別コードに対応した器材IDの取得数量をインクリメントする(ステップSC2)。そして、セットリスト送信部226が、識別コードに係る器材IDの取得数量をインクリメントした前記セットリスト記憶部215の組立セットリストを手術器材管理端末3Aに送信する(ステップSC3)。
以上で、器材ID処理が終了し、図12に示すように、取得した識別コードに係る組立処理も終了する。そして、図11に示すように、識別コード取得ループ(ステップS1〜ステップS1’)に戻る。
次に、手術器材管理端末3Aでは、図11に示すように、登録ボタンが選択されることにより識別コード取得ループが終了する(ステップS1’)。そして、登録指示送信部354が手術器材管理サーバ2Aに対して登録処理の指示情報を送信する(ステップS5)。
これに対し、手術器材管理サーバ2Aでは、手術器材管理端末3Aから登録処理の指示情報を受信すると登録処理を実行する。登録処理では、図19に示すように、まず組立セット確定部231が、セットリスト記憶部215に記憶されている器材IDに対応付けられた数量、取得数量および数量固定フラグをセットIDに対応付けて組立器材テーブル記憶部216に記憶させる(ステップSD1)。これにより、今回のセット組立で組み立てられたコンテナIDに対応する組立セットを、セット組立工程以降の取揃え工程および手術後チェック工程において前記セットIDにより管理できるようになる。
次に、テンプレート更新部230が、数量固定フラグの状態を判別して、セットリスト記憶部215に記憶されている器材IDに対応付けられた取得数量を次回以降においてコンテナIDに対応付けられた組立セットリストに反映させる(ステップSD2〜ステップSD7)。具体的には、まずテンプレート更新部230が、セットリスト記憶部215に記憶されている組立セットリストの並び順に基づき器材ID数を取得し、これを終了時の処理回数iとする(ステップSD2)。次に、実行中の処理回数kの初期化を行う(ステップSD3)。次に、実行中の処理回数kのカウントを開始する(ステップSD4)。そして、テンプレート更新部230が、組立セットリストにおけるk番目の器材IDに対応した数量固定フラグに応じて固定状態か非固定状態かを判別する(ステップSD5)。ここで、テンプレート更新部230が、数量固定フラグを固定状態に割り当てられた「0」と判別した場合には(ステップSD5:NO)、k番目の前記器材IDに関するセット組立テンプレート記憶部214の更新は行わない。一方、テンプレート更新部230が数量固定フラグを非固定状態に割り当てられた「1」と判別した場合には(ステップSD5:YES)、テンプレート更新部230が、セット組立テンプレート記憶部214においてコンテナIDに対応するk番目の器材IDの数量を取得数量に更新する(ステップSD6)。そして、テンプレート更新部230は、実行中の処理回数kが終了時の処理回数iとなるまで処理を繰り返す(ステップSD7:NO)。
一方、実行中の処理回数kが終了時の処理回数iになった場合には(ステップSD7:YES)、次のステップSD8に進む。
ステップSD8では、組立セット確定部231が、登録処理時の全ての識別コードに対応するID記憶部212のセットIDに、ステップSD1において組立セットに対応付けたセットIDと共通するIDを記憶させる。また、組立セット確定部231が、セットID記憶部217にセットIDを対応付けて全ての識別コードに対応するID記憶部212のID番号を記憶させる(ステップSD9)。これらにより、識別コードと、セットIDとが対応付けられ、例えば、手術後チェック工程において、手術器材の紛失があった場合に、どの種別の手術器材が紛失したかのみならず、どの識別コードが付された手術器材が紛失したかを個別に管理できるようになる。
そして、器材状況更新部232が、手術器材およびコンテナがセット組立工程を終了したものとして、ID記憶部212の器材状況をセット組立終了に割り当てられた「1」に更新する(ステップSD10)。
最後に、ログ情報管理部233が、ログ情報記憶部218に識別コードのログ情報を記憶させる(ステップSD11)。以上により、登録処理が終了する。
以上が、セット組立工程における組立処理に関する説明であるが、本第一実施形態の手術器材管理システム1を用いれば、病院内の専門スタッフまたは専門に取り扱う業者に依頼することなく、コンテナIDに対応する器材IDの初期設定を行うことができる。以下、本第一実施形態の手術器材管理システム1を用いたコンテナIDに対応する器材IDの初期設定について説明する。
まず、図11に示すように、セット組立処理と同様に、手術器材管理端末3Aにより初期設定を行うコンテナに付された識別コードを取得する(ステップS2)。なお、本第一実施形態の手術器材管理システム1では、上述のとおり、手術器材に付された識別コードから読み取ることが可能であり、初期設定を行う場合でも同様に可能であるが、主な処理のフローはセット組立処理と共通のため説明を省略する。
次に、手術器材管理端末3Aの識別コード送信部352は、手術器材管理サーバ2Aに対して初期設定を行うコンテナに付された識別コードを送信する(ステップS3)。
手術器材管理サーバ2Aでは、図12に示すように、手術器材管理端末3Aから受信した識別コードに対応するコンテナIDおよび当該コンテナIDに対応する名称を取得する(ステップSA1〜ステップSA4)。そして、ステップSA5に進み、器材種別判別部222が、識別コードに係る器材種別がコンテナIDであると判別し(ステップSA5:1)、コンテナID処理に進む。
コンテナID処理では、図13に示すように、セットリスト取得部225がセット組立テンプレート記憶部214からコンテナIDに対応する器材IDとその数量を取得する(ステップSB1)。しかし、セット組立テンプレート記憶部214には、前記コンテナIDに対応する器材IDとその数量はまだ記憶されていない。そのため、セットリスト取得部225がセットリスト記憶部215に記憶させる組立セットリストは器材IDに関する情報のない空っぽの状態であり、セットリスト送信部226はこの器材IDに関する情報のない組立セットリストを手術器材管理端末3Aに送信する(ステップSB2〜ステップSB4)。ここで、従来の手術器材を管理するシステムにおいては、データベース等に組立セットに関する情報が記憶されていない場合はエラーとなり、それ以上処理を進めることができないが、本第一実施形態の手術器材管理システム1では、セット組立時において器材IDの追加、減少等を自由に登録することが可能であるため、初めて取得されたコンテナIDであって、組立セットリストに関する情報が記憶されていない場合であってもエラーにならずに、登録処理を進めることができる。
次に、図11に示すように、識別コード取得ループ(ステップS1〜ステップS1’)に戻って、手術器材管理端末3Aにより、コンテナIDに対応付ける手術器材に係る識別コードを取得する(ステップS2)。そして、手術器材管理端末3Aの識別コード送信部352は、手術器材管理サーバ2Aに対して手術器材に係る前記識別コードを送信する(ステップS3)。
手術器材管理サーバ2Aでは、図12に示すように、手術器材管理端末3Aから受信した識別にコード対応する器材IDおよび当該器材IDに対応する名称を取得する(ステップSA1〜ステップSA4)。そして、ステップSA5に進み、器材種別判別部222が、識別コードに係る器材種別が器材IDであると判別し(ステップSA5:0)、器材ID処理に進む。
器材ID処理では、図18に示すように、器材ID情報のない空っぽの状態ではあるが組立セットリストは取得しているので、先行取得コンテナ判別部224は、先にコンテナIDが取得されていると判別する(ステップSC1:YES)。
次に、器材ID照合部227が、組立処理中の器材IDが組立セットリストを構成する器材IDと一致するか否かを判別する(ステップSC4)。ここで、上述のとおり組立セットリストには器材IDに関する情報がないため、器材ID照合部227は組立セットリストを構成する器材IDと一致しないと判別する(ステップSC4:NO)。そして、組立セット更新部228が新たな手術器材が追加された情報を手術器材管理端末3Aに送信する(ステップSC5)。
手術器材管理端末3Aでは、表示制御部353が、新たな手術器材が追加された情報を受信すると追加確認メッセージとともに「YES」ボタンおよび「NO」ボタンを表示手段31に表示させる(ステップSC6)。ここで、初期設定の場合は、手術器材管理端末3Aにおいて「YES」ボタンを選択する(ステップSC7:YES)。そして、組立セット更新部228がセットリスト記憶部215に記憶されている組立セットリストに前記識別コードに対応した器材IDを追加更新する(ステップSC8)。これにより、器材ID情報のない空っぽの状態であった組立セットリストに器材IDが追加される。
そして、数量固定フラグ変更部229が、セットリスト記憶部215の組立セットリストに追加した器材IDに対応した数量固定フラグを固定状態に割り当てられた「0」から非固定状態に割り当てられた「1」に変更する(ステップSC9)。
以降、ステップS1に戻り、図11に示すように、コンテナIDに対応付ける器材IDに係る識別コードの取得を続ける。これにより、器材ID処理では、常に数量固定フラグを非固定状態にしながら器材IDの追加更新または数量を超えたことによる取得数量のインクリメントを行うことができる。
その後、コンテナIDに対応付ける手術器材について全ての識別コードの取得が終了すると、手術器材管理端末3Aにおいて登録ボタンを選択する。これにより、登録指示送信部354から手術器材管理サーバ2Aに登録指示が送信される(ステップS5)。
手術器材管理サーバ2Aでは、図19に示すように。テンプレート更新部230が組立セットリストの数量固定フラグを判別してセット組立テンプレート記憶部214の更新を行う(ステップSD2〜ステップSD7)。具体的には、今回のような初期設定では、全ての器材IDに対応する数量固定フラグが非固定状態であることから、テンプレート更新部230は、組立セットリストにある全ての器材IDおよびその取得数量をコンテナIDに対応付けた器材IDおよびその数量としてセット組立テンプレート記憶部214に追加更新する。
以上により、セット組立テンプレート記憶部214には新たなコンテナIDに対応した器材IDおよびその数量が記憶され、初期設定が完了する。
以上のような本第一実施形態の手術器材管理サーバ2A、手術器材管理プログラム2a、手術器材管理端末3A、手術器材端末用プログラム3aおよび手術器材管理システム1によれば、以下の効果を奏することができる。
1.セット組立工程において、病院内の専門スタッフまたは専門に取り扱う業者に依頼してデータベースを再構築させることなく、現場のニーズに応じて迅速かつ柔軟に組立セットの内容を変更することができる。
2.今回のセット組立工程において、組立セットに新たな手術器材の追加または前記組立セットに係る手術器材の数量を増加させた場合、その構成を器材IDごとに次回以降のセット組立工程に反映させるか否かを任意に選択して設定することができる。
3.次回のセット組立における組立セットリストとは別に、今回のセット組立限りのセットとして管理することもできるため便利である。
4.手術器材管理端末3Aにおいて、表示画面上のテンキーを用いたセット組立において、ユーザの利き手に応じてテンキー入力の表示画面を左右いずれかに表示変更することができる。
5.コンテナIDに対する器材IDの初期設定が簡単な作業で行えるため、多くの診療科や担当医師の要望に応じて迅速かつ柔軟に組立セットを設定することができ、極めて安価な費用で手術器材の管理運用システムを構築することができる。
次に、本発明に係る手術器材管理サーバ、手術器材管理端末、これらに関するプログラムおよび手術器材管理システムの第二実施形態について図面を用いて説明する。なお、本第二実施形態の手術器材管理サーバ2Bおよび手術器材管理端末3Bのうち、上述した第一実施形態の構成と同一または相当する構成については、再度の説明を省略する。
本第二実施形態の手術器材管理システム1は、第一実施形態において手術器材管理サーバ2B側で実行している組立処理を、手術器材管理端末3B側で実行するものである。
本第二実施形態の手術器材管理サーバ2Bは、第一実施形態と同様に、サーバ記憶手段21と、サーバ演算処理手段22とを有する。
サーバ記憶手段21は、図20に示すように、プログラム記憶部211、ID記憶部212、マスター情報記憶部213、セット組立テンプレート記憶部214、組立器材テーブル記憶部216、セットID記憶部217、およびログ情報記憶部218を有する。つまり、本第二実施形態におけるサーバ記憶手段21は、第一実施形態とは異なり、セットリスト記憶部215を有しておらず、後述するように、前記セットリスト記憶部215は手術器材管理端末3Bの端末記憶手段34が有している。
第二実施形態におけるサーバ演算処理手段22は、サーバ記憶手段21にインストールされた手術器材管理プログラム2aを実行させることにより、図20に示すように、手術器材管理サーバ2Bとしてのコンピュータを、ID取得部221、器材種別判別部222、セットリスト取得部225、セットリスト送信部226、テンプレート更新部230、組立セット確定部231、器材状況更新部232およびログ情報管理部233として機能させるようになっている。つまり、本第二実施形態におけるサーバ演算処理手段22は、第一実施形態とは異なり、先行取得器材判別部223、先行取得コンテナ判別部224、器材ID照合部227、組立セット更新部228、数量固定フラグ変更部229を有しておらず、後述するように、これらは手術器材管理端末3Bの端末演算処理手段35が有している。
次に、本第二実施形態の手術器材管理端末3Bについて説明する。本第二実施形態の手術器材管理端末3Bは、第一実施形態と同様に、主に、表示手段31と、入力手段32と、識別コード読取手段33と、端末記憶手段34と、端末演算処理手段35とを有する。
本第二実施形態における端末記憶手段34は、図21に示すように、プログラム記憶部341と、識別コード記憶部342と、セットリスト記憶部215とを有する。
本第二実施形態におけるセットリスト記憶部215は、第一実施形態におけるセットリスト記憶部215と同様に組立セットリストを記憶するものであり、後述するセットリスト記憶処理部355が手術器材管理サーバ2Bから受信した識別コードに対応する組立セットリストを記憶するようになっている。なお、本第二実施形態では、識別コード記憶部342と、セットリスト記憶部215とを別構成としているが、これらを一つの記憶部として構成してもよい。
次に、本第二実施形態における端末演算処理手段35は、プログラム記憶部341にインストールされた手術器材管理端末用プログラム3aを実行させることにより、図21に示すように、手術器材管理端末3Bとしてのコンピュータを、識別コード取得部351、識別コード送信部352、表示制御部353、登録指示送信部354、セットリスト記憶処理部355、器材種別判別部222、先行取得器材判別部223、先行取得コンテナ判別部224、器材ID照合部227、組立セット更新部228および数量固定フラグ変更部229として機能させるようになっている。
本第二実施形態における登録指示送信部354は、表示制御部353によって表示手段31に表示された登録ボタンが押されることにより登録指示の情報とともに、セットリスト記憶部215に記憶されている組立セットリストを前記手術器材管理サーバ2Bに送信するようになっている。
また、セットリスト記憶処理部355は、手術器材管理サーバ3から受信した識別コードに対応した組立セットリストをセットリスト記憶部215に記憶させるものである。本第二実施形態におけるセットリスト記憶処理部355は、手術器材管理サーバ3から受信した器材IDがコンテナIDよりも先に受信した場合、当該器材IDとその取得数量をセットリスト記憶部に一時的に記憶させておき、その後に組立セットリストを受信したときに前記組立セットリストを記憶させるようになっている。
つぎに、本第二実施形態の手術器材管理システム1における各構成の作用について説明する。
本第二実施形態におけるセット組立工程では、図22に示すように、第一実施形態と同様に、手術器材管理端末3Bによる識別コード取得ループが実行される(ステップSE1〜ステップSE1’)。具体的には、第一実施形態と同様に、識別コード取得部351が識別コードを取得し(ステップSE2)、識別コード送信部352が識別コードを手術器材管理サーバ2Bに送信する(ステップSE3)。
一方、本第二実施形態における手術器材管理サーバ2Bでは、図23に示すように、組立処理は実行せずに、手術器材管理端末3Bから受信した識別コードに対応した器材IDまたはコンテナIDを含む組立セットリストを前記手術器材管理端末3Bに送信する送信処理を実行する。ここで、ステップSF1からステップSF5までは、図12および図23に示すように、第一実施形態のステップSA1からステップSA5と同じ処理である。
次に、ステップSF5において、手術器材管理サーバ2Bの器材種別判別部222が前記識別コードに対応する器材種別がコンテナであると判別した場合には(ステップSF5:1)、第一実施形態とは異なり、コンテナID処理は実行せずに、セットリスト取得部225が、セット組立テンプレート記憶部214からコンテナIDに対応する組立セットリストを取得する(ステップSF6)。そして、セットリスト送信部226が、ステップSF3およびステップSF4で取得したコンテナIDおよび組立セット名称、ステップSF6で取得した前記組立セットリストを手術器材管理端末3Bに送信する(ステップSF7)。
また、ステップSF5に戻って、器材種別判別部222が前記識別コードに対応する器材種別が手術器材であると判別した場合には(ステップSF5:0)、第一実施形態とは異なり、器材ID処理は実行せずに、セットリスト送信部226がステップSF3およびステップSF4で取得した器材IDおよび当該器材IDに対応した器材名を手術器材管理端末3Bに送信する(ステップSF7)。
一方、手術器材管理端末3Bでは、図22に示すように、手術器材管理サーバ2Bから受信した組立セットリスト等に基づき組立処理を実行する(ステップSE4)。具体的には、以下の通りである。
まず、図24に示すように、セットリスト記憶処理部355が、手術器材管理サーバ3から受信した識別コードに対応する器材IDまたは組立セットリストをセットリスト記憶部215に記憶させる(ステップSG1)。そして、手術器材管理端末3Bの器材種別判別部222が受信した識別コードに係る器材種別が器材IDに対応するものか、それともコンテナIDに対応するものか判別する(ステップSG2)。ここで、前記識別コードに対応する器材種別がコンテナであると判別した場合には(ステップSG2:1)、コンテナID処理に進む。一方、前記識別コードに対応する器材種別が手術器材であると判別した場合には(ステップSG2:0)、器材ID処理に進む。
次に、本第二実施形態において手術器材管理端末3Bで実行されるコンテナID処理について説明する。
本第二実施形態におけるコンテナID処理は、図25に示すように、ステップSH1からステップSH9からなり、各ステップは、図13に示すように、本第一実施形態におけるステップSB3からステップSB10に対応する。ただし、本第二実施形態では、ステップSH2において、手術器材管理端末3Bがセットリスト記憶部215を有しているため、第一実施形態のように組立セットリストの送信は行わずに、表示制御部353がセットリスト記憶部215に記憶されている組立セットリストを取得して表示手段に表示する。
また、ステップSH4では、手術器材管理端末3Bにおける器材ID照合部227が、手術器材管理サーバ2Bから受信した器材IDが組立セットリストを構成する器材IDと一致するか否かを判別する。そして、前記器材ID照合部227が、前記器材IDが前記組立セットリストを構成する器材IDの全てと一致しないと判別した場合は(ステップSH4:NO)、第一実施形態のように器材IDに係る手術器材が追加された旨の情報の送信は行わずに、表示制御部353が手術器材が追加されたメッセージを表示手段に表示する。
同様に、ステップSH7において、手術器材管理端末3Bにおける器材ID照合部227が、数量を超えたと判別した場合には(ステップSH7:YES)、第一実施形態のように器材IDに係る取得数量が組立セットリストの数量を超えた情報の送信は行わずに、表示制御部353が取得数量が組立セットリストの数量を超えたメッセージを表示手段に表示する。
そして、本第二実施形態の手術器材管理端末3B側のコンテナID処理が終了すると、図24に示すように、取得した識別コードに係る組立処理も終了し、図22に示すように、識別コード取得ループ(ステップSE1〜ステップSE1’)に戻る。
次に、本第二実施形態における手術器材管理端末3Bで実行される器材ID処理について説明する。
本第二実施形態における器材ID処理は、図26に示すように、ステップSI1からステップSI12からなり、各ステップは、図18に示すように、本第一実施形態におけるステップSC1からステップSC14に対応する。ただし、本第二実施形態では、ステップSI3において、第一実施形態のように組立セットリストの送信は行わずに、表示制御部353がセットリスト記憶部215に記憶されている組立セットリストを表示手段に表示する。
また、ステップSI4では、手術器材管理端末3Bにおける器材ID照合部227が、手術器材管理サーバ2Bから受信した器材IDが組立セットリストを構成する器材IDと一致するか否かを判別する。そして、前記器材ID照合部227が、器材IDが組立セットリストを構成する器材IDの全てと一致しないと判別した場合は(ステップSI4:NO)、第一実施形態のように手術器材が追加された旨の情報の送信は行わずに、表示制御部353が追加確認メッセージとともに、「YES」ボタンおよび「NO」ボタンを表示手段31に表示させる。
同様に、ステップSI9において、手術器材管理端末3Bにおける器材ID照合部227が、数量を超えたと判別した場合には(ステップSI9:YES)、第一実施形態のように器材IDに係る取得数量が組立セットリストの数量を超えた情報の送信は行わずに、表示制御部353が数量を超えた情報を受信すると数量確認メッセージとともに、「今回のみ」ボタン、「定数を更新」ボタンおよび「キャンセル」ボタンを表示手段31に表示させる。
そして、本第二実施形態の手術器材管理端末3B側の器材ID処理が終了すると、図24に示すように、取得した識別コードに係る組立処理も終了し、図22に示すように、識別コード取得ループ(ステップSE1〜ステップSE1’)に戻る。
次に、手術器材管理端末3Bでは、図22に示すように、登録ボタンが選択されることにより識別コード取得ループが終了する(ステップSE1’)。そして、登録指示送信部354が手術器材管理サーバ2Bに対して登録処理の指示情報とともに、セットリスト記憶部215に記憶されている組立セットリストを送信する(ステップSE5)。
これに対し、手術器材管理サーバ2Bでは、手術器材管理端末3Bから受信した登録処理の指示情報および組立セットリストに基づき登録処理を実行する。本第二実施形態における登録処理は、図27に示すように、ステップSJ1からステップSJ11からなり、各ステップは、図19に示すように、本第一実施形態におけるステップSD1からステップSD11に対応する。ただし、ステップSJ1において、組立セット確定部231は、セットリスト記憶部215を手術器材管理端サーバ3側で有していないため、手術器材管理端末3Bから受信した組立セットリストをセットIDに対応付けて組立器材テーブル記憶部216に記憶させる。
以降の処理は第一実施形態と同じであり、最後に、手術器材管理サーバ2Bのログ情報管理部233が、ログ情報記憶部218に識別コードのログ情報を記憶させる(ステップSJ11)ことにより、登録処理が終了する。
以上のような本第二実施形態の手術器材管理サーバ2B、手術器材管理プログラム2a、手術器材管理端末3B、手術器材端末用プログラム3aおよび手術器材管理システム1によれば、組立処理を手術器材管理端末3B側で実行しても、上述した第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明に係る手術器材管理サーバ、手術器材管理端末、これらに関するプログラムおよび手術器材管理システムは、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。例えば、数量固定フラグ更新部は、数量固定フラグを手術器材の追加または増加のタイミングのみならず、表示手段31に表示された組立セットリストや手術器材の情報を、ユーザインターフェースを介して所定の選択動作により選択する等して、任意のタイミングで固定状態と非固定状態とを変更できるようにしてもよい。