JP2018183067A - 発泡性添加物、及び、餡食品 - Google Patents

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Hiroshi Matsubara
宏 松原
松原 秀樹
Hideki Matsubara
秀樹 松原
未帆 久保
miho Kubo
未帆 久保
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Nao Yasui
奈緒 安井
徳光 松井
Tokumitsu Matsui
徳光 松井
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Abstract

【課題】 食品等の被添加物に使用することで当該食品にシュワシュワとした食感を付与することができるとともに、食品本来の風味や食感をほとんど損なうことがない発泡性添加物、及び、当該発泡性添加物を用いた餡食品を提供する。【解決手段】 被添加物に発泡感を付与するために用いられる添加物であって、炭酸塩と有機酸と含む発泡性成分と、糖質とを含有することを特徴とする発泡性添加物、及び、練り餡と上記発泡性添加物とを含む餡を有することを特徴とする餡食品。【選択図】なし

Description

本発明は、発泡性添加物、及び、この発泡性添加物を含む餡食品に関する。
古くから、餡は、和菓子素材などとして広く利用されている。
しかし、従来の餡及び餡を用いた食品は食感が重く、また風味・食感が画一的なものであった。
一方、消費者に好まれる食感の一つにシュワシュワとした食感(発泡感)がある。食品に発泡感を付与する方法としては、例えば、食品中に発泡成性分として炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩とクエン酸等の有機酸とを含有させる手法が良く知られている。この手法によれば、食品中の炭酸水素ナトリウム及びクエン酸に唾液等の水分が加わると、炭酸ガスの生成反応(発泡)が生じるため、消費者は、喫食時に発泡感を感じることができる。
しかしながら、食品中に単に炭酸水素ナトリウムとクエン酸とを含有させた場合、食品の製造時や保存時に、食品中に含まれる水分や空気中の水分により炭酸ガスの生成反応が進行してしまい、喫食時には発泡感が低下・消失していることがあった。
また、餡食品は、通常、10〜20重量%程度の水分を含有する比較的含水率の高い餡を有する食品であり、餡食品中に含まれる水分によって炭酸水素ナトリウムとクエン酸との反応が進行しやすいと考えられるためか、これまで、シュワシュワとした食感を付与した餡食品は提案されていなかった。
食品中に含有させた発泡性成分による発泡性を長期間持続させる方法として、食品の保存時における炭酸塩と有機酸との反応を抑制する方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、容器と、当該容器の内側の底部に配置した、有機酸を含むゲル状食品と、当該ゲル状食品の上面を層状に覆う固形油脂含有油脂食品と、当該固形油脂食品の上部に配置した、炭酸塩を含むクリームと、を備えた容器入りデザートが記載されている。
また、特許文献2では、下記のA成分及びB成分を含有し、かつ該A成分の外部に該B成分が存在する発泡性食品が記載されている。
A成分:炭酸塩及び/又は炭酸水素塩を芯物質として含有し、かつ膜形成物質が水溶性高分子ゲル化剤である多芯型マイクロカプセル。
B成分:有機酸。
これらの発明では、有機酸と炭酸塩とが喫食時まで物理的に隔離されているため、製造時や保存時に有機酸と炭酸塩との反応が進行することを抑制することができる。
特開2013−51933号公報 特開2014−171461号公報
しかしながら、上述した特許文献1、2に記載された方法では、炭酸塩と有機酸とを隔離するために、固形油脂含有油脂食品やマイクロカプセルを用いる必要があり、製造工程数が増えてしまうこととなる。
また、対象となる食品の種類によっては、固形油脂含有油脂食品やマイクロカプセルによって食品本来の風味や食感が損なわれてしまうことがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、食品等に使用することで当該食品の喫食時にシュワシュワとした食感(発泡感)を楽しむことができ、食品本来の風味や食感を損なうことがない発泡性添加物、特に餡食品に発泡感を付与するのに適した発泡性添加物を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記発泡性添加物を含む餡食品を提供することも目的とする。
本発明の発泡性添加物は、被添加物に発泡感を付与するために用いられる添加物であって、炭酸塩と有機酸と含む発泡性成分と、糖質とを含有することを特徴とする。
本発明の発泡性添加物は、炭酸塩と有機酸と含む発泡性成分とともに、糖質を含有しているため、糖質によって炭酸塩及び有機酸が水分から保護される。そのため、上記発泡性添加物が添加された被添加物、例えば食品では、食品に含まれる水分や、空気中の水分によって炭酸塩と有機酸との反応が進行することを抑制することができ、上記発泡性添加物を含有する食品の喫食者は、当該食品の喫食時にシュワシュワとした食感(発泡感)を感じることができる。
また、上記発泡性添加物は、発泡性成分と糖質とを、必要に応じて加熱しながら混合するだけで製造することができるため、容易に製造することができる。
上記発泡性添加物において、上記糖質は糖類であることが好ましく、砂糖及び/又はグラニュー糖であることがより好ましい。
上記糖質として糖類を用いた場合、他の糖質を用いた場合に比べて、炭酸塩と有機酸との反応の進行をより抑制しやすくなる。
また、糖類、特に砂糖及び/又はグラニュー糖は多くの食品において甘味料として使用されているため、上記発泡性添加物が食品に用いられた場合には、当該食品が本来有する風味や食感をほとんど損なうことがない。
更に、砂糖及び/又はグラニュー糖で保護された発泡性成分は、唾液によって容易に発泡するため、上記発泡性添加物が食品に用いられた場合、当該食品の喫食者はシュワシュワとした食感を効果的に楽しむことができる。加えて、上記糖類として砂糖及び/又はグラニュー糖を用いた上記発泡性添加物は安価で提供することができる。
上記発泡性添加物において、上記糖質の含有量は、上記発泡性成分100重量部に対して20〜240重量部であることが好ましい。
上記糖質の含有量が上記範囲にある場合、発泡感を確保し、かつ持続させるのに適している。
上記発泡性添加物が用いられる被添加物は、餡食品に含まれる餡であることが好ましい。
また、本発明の餡食品は、練り餡と上記発泡性添加物とを含む餡を有することを特徴とする。
餡食品において、練り餡と上記発泡性添加物を含む餡を用いた場合、喫食者は、シュワシュワとした食感(発泡感)というこれまでの餡食品になかった食感を楽しむことができる。また、上記発泡性添加物は、発泡性成分の反応を抑制するための保護成分として糖質を用いているため、上記発泡性添加物を含有する餡食品では、練り餡の本来の風味が損なわれにくい。
また、上記発泡性添加物は、特許文献1、2に記載の発明のように炭酸塩と有機酸とがマイクロカプセル等によって物理的に隔離されているわけではない。そのため、炭酸塩と有機酸とが物理的に隔離されている場合に比べると、炭酸塩と有機酸との反応を抑制しにくい傾向にはある。
一方、餡食品は、使用している練り餡の種類等にもよるが、餡食品を製造した後、美味しく食することができる期間(又は賞味期間)は、通常、1週間以内程度のものが多い。
そのため、上記発泡性添加物は、炭酸塩と有機酸とが物理的に隔離されている場合に比べると、炭酸塩と有機酸との反応を抑制しにくい傾向にあるとしても、餡食品のような比較的賞味期間の短い食品に使用する場合には、充分に炭酸塩と有機酸との反応を抑制して喫食時まで発泡感を維持することができる。
この点からも、上記発泡性添加物は餡食品に好適に使用することができる。
上記餡食品において、上記発泡性添加物の含有量は、上記練り餡100重量部に対して6〜60重量部であることが好ましい。
上記発泡性添加物の含有量が上記範囲にある場合、餡食品の本来の風味や食感をほとんど損なうことなく、発泡感を確保するのに適している。
本発明によれば、例えば、食品等の被添加物に使用することで当該食品にシュワシュワとした食感(発泡感)を付与することができるとともに、食品本来の風味や食感をほとんど損なうことがない発泡性添加物を提供することができる。
また、上記発泡性添加物を餡食品に用いることにより、これまでになかった食感の餡食品を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(発泡性添加物)
本発明の実施形態に係る発泡性添加物は、炭酸塩と有機酸と含む発泡性成分と、糖質とを含有する。上記発泡性添加物は、食品等の被添加物に発泡感を付与するために用いられる。
上記発泡性成分は、炭酸塩と有機酸とを含み、水の存在下で反応して炭酸ガスを発生する。
上記炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
これらの炭酸塩は、単独で用いても良いし、2種以上併用しても良い。
上記炭酸塩は、食品に使用するのに適している点で、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムが好ましい。
上記有機酸としては、例えば、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、コハク酸、マロン酸、酢酸、アジピン酸、グルコン酸等が挙げられる。
これらの有機酸は、単独で用いても良いし、2種以上併用しても良い。
上記有機酸は、食品に使用するのに適している点から、クエン酸、酒石酸が好ましい。
より好ましいのは、クエン酸であり、特に好ましいのは、クエン酸の無水物である。
クエン酸の無水物を用いることにより、非水条件下では、炭酸塩との反応がより進行しにくくなる。
上記炭酸塩と上記有機酸との配合比は特に限定されないが、上記炭酸塩1モルに対して、炭酸塩と過不足なく反応するモル量、又は、このモル量の2〜3000%のモル量の上記有機酸を配合することが好ましい。
上記炭酸塩が炭酸水素ナトリウムであり、上記有機酸がクエン酸の場合には、炭酸水素ナトリウム1モルに対して、1/150〜10モルのクエン酸を配合することが好ましく、1/30〜3モルのクエン酸を配合することがより好ましい。
なお、1モルの炭酸水素ナトリウムと過不足なく反応するクエン酸のモル量は1/3モルである。
上記発泡性添加物は、上記発泡性成分とともに糖質を含有する。上記糖質は、上記発泡性成分の反応を抑制する保護成分として機能する。
上記糖質としては、例えば、単糖類、二糖類(本件では、両者を合わせて糖類ともいう)、糖アルコール、でんぷん等の多糖類等が挙げられる。
上記単糖類としては、例えば、グルコース(ブドウ糖)、ガラクトース、マンノース、フルクトース(果糖)等が挙げられる。
上記二糖類としては、例えば、マルトース(麦芽糖)、スクロース(ショ糖)、ラクトース(乳糖)、トレハロース等が挙げられる。
上記糖アルコールとしては、例えば、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。
上記でんぷんとしては、例えば、米粉等が挙げられる。
これらは単独で用いても良いし、二種以上併用しても良い。
上記糖質としては、糖類(単糖類及び二糖類)が好ましく、二糖類がより好ましい。上記二糖類としては、スクロースを主成分とする砂糖及びグラニュー糖が好ましい。
炭酸塩と有機酸との反応を抑制することができるとともに、入手が容易である。また、上記発泡性添加物が用いられる被添加物が食品の場合、当該食品の風味や食感をより損ないにくいからである。
上記糖質として砂糖及びグラニュー糖を用いることは、上記発泡性添加物を餡食品に用いる場合に特に適している。
上記発泡性添加物において、上記糖質の含有量は、上記発泡性成分100重量部に対して、20〜240重量部であることが好ましい。
上記糖質の含有量が20重量部未満では、被添加物の種類によっては(例えば、被添加物が餡の場合等)、上記発泡性成分における炭酸塩と有機酸との反応の進行を充分に抑制することができないことがある。また、発泡性添加物がしょっぱくて辛いため、上記発泡性添加物の使用対象(被添加物の種類)が制限されることがある。
一方、上記糖質の含有量が240重量部を超えると、糖質の量が多くなることで発泡性添加物が甘くなりすぎてしまうことがあり、その結果、上記発泡性添加物の使用対象(被添加物の種類)が制限されることがある。
また、上記糖質が糖類であり、かつ上記発泡性添加物が練り餡と一体化されて餡食品に使用される場合、上記糖質の含有量は、上記発泡性成分100重量部に対して、80〜240重量部が好ましい。発泡感を確保しつつ、適度な甘さを練り餡に付与することができるからである。
上記発泡性添加物は、上記発泡性成分及び上記糖質以外に、例えば、固形油脂を含有していても良い。これにより炭酸塩と有機酸との反応をより抑制しやすくなる。
このような効果は、糖質として米粉等のでんぷんを使用した場合に、より顕著になる。
また、二糖類(スクロース等)及び固形油脂を併用した場合と、単糖類(グルコース等)及び固形油脂を併用した場合とを比較すると、二糖類と固形油脂との組み合わせの方が好ましい。本発明者らが確認したところによれば、上記発泡性添加物を真空(又は減圧下)で保管した際に、二糖類と固形油脂との組み合わせの方が炭酸ガスを発生する炭酸塩と有機酸との反応がより進行しにくいからである。
上記固形油脂としては、例えば、ショートニング、マーガリン等が挙げられる。
これらのなかでは、ショートニングが好ましい。ショートニングは水分を全く含まないか、ほとんど含まないため、固形油脂中に含まれる水分によって炭酸塩と有機酸との反応が進行してしまうことを回避することができるからである。
上記発泡性添加物が上記固形油脂を含有している場合、上記固形油脂の含有量は特に限定されないが、上記固形油脂の含有量の上限は、上記発泡性成分と上記糖質との合計量100重量部に対して、30重量部が好ましい。上記固形油脂の含有量が多いと、上記発泡性添加物を食品に添加した場合、その食品の風味や食感を損なうことがある。より好ましい上限は、20重量部である。
一方、上記固形油脂の含有量の好ましい下限は、上記発泡性成分と上記糖質との合計量100重量部に対して1重量部であり、より好ましい下限は5重量部である。
また、上記二糖類と上記ショートニングとを併用する場合、上記ショートニングの含有量は、上記発泡性成分と上記二糖類との合計量100重量部に対して5〜20重量部が好ましい。
なお、上記発泡性添加物が添加される食品の種類によっては、上記固形油脂を含有しないほうが好ましいこともある。
上記発泡性添加物は、上記発泡性添加物の機能を損なわない範囲で更に他の添加剤を含有していても良い。
上記他の添加剤としては、例えば、食塩、グルタミン酸ソーダ、イノシン酸ソーダ、グアニル酸ソーダ等の調味料、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンK等のビタミン類、グルコン酸亜鉛、硫酸亜鉛、グルコン酸銅、硫酸銅等のミネラル類、香料、色素、食物繊維等が挙げられる。一方、含水性の添加剤は含有しないことが好ましい。
上記発泡性添加物は、水分を含有しないことが好ましい。上記発泡性添加物の含水率は、1重量%以下とすることが好ましい。
上記発泡性添加物は、下記の方法により製造することができる。
まず、炭酸塩と有機酸とを撹拌混合し、発泡性成分を調製する。このとき、両者の混合は可能な限り水分のない条件下で行うことが好ましい。
次に、炭酸塩と有機酸との混合物(発泡性成分)を糖類等の糖質とを混合し、更に得られた混合物を撹拌しながら必要に応じて加熱する。
具体的には、例えば、発泡性成分と糖質との混合物をフライパンに入れ、弱火〜中火(加熱温度は、40〜90℃程度、好ましくは60〜75℃程度)で、1〜4分間程度加熱すればよい。
これにより、発泡性成分や糖質に含まれていた水分が除去された発泡性添加物を製造することができる。このように、上記発泡性添加物は、その製造が容易である。
また、上記発泡性添加物に固形油脂を含有させる場合、別途、湯煎で溶かした固形油脂を上記発泡性成分及び上記糖質に混合する。
このとき、上記湯煎で溶かした固形油脂を添加するタイミングとしては特に限定されないが、例えば、発泡性成分と糖類との混合物に添加する場合は、発泡性成分と糖類とを混合した後に添加することが好ましく、発泡性成分とでんぷんとの混合物に添加する場合は、発泡性成分と湯煎で溶かした固形油脂とを混合した後、でんぷんを添加することが好ましい。これらの場合、上記発泡性成分を外部の水分から保護するのにより適している。
上記発泡性添加物は、例えば、各種食品を被添加物とすることができる。上記発泡性添加物を各種食品に用いることにより、上記発泡性添加物が添加された食品にシュワシュワとした食感(発泡感)を付与することができる。
上記食品の具体例としては、例えば、あんパン、饅頭、大福、あんみつ、三笠、羊羹などの餡食品、ケーキ、フィナンシェ、マドレーヌ、チョコレート、アイスクリーム、パン、ぜリー、ガム、ラムネ菓子、アメ(キャンディー)、ジャム、スナック菓子、カップ麺等が挙げられる。
また、上記発泡性添加物は、食品以外の被添加物にも用いることができる。
上記食品以外の被添加物としては、例えば、歯磨き粉、うがい薬、シャンプー、洗顔料、入浴剤、石鹸、洗剤等が挙げられる。これらの各種被添加物に上記発泡性添加物を添加した場合には、使用者はシュワシュワとした爽快な感覚(発泡感)を感じることができる。
上記発泡性添加物が添加される被添加物としては食品が好ましい。また、食品のなかでも、上記餡食品の餡を被添加物とすることが特に好ましい。
(餡食品)
本発明の実施形態に係る餡食品では、練り餡と上記発泡性添加物とを含む餡が、餡食品に餡として用いられている。
上記練り餡としては特に限定されず、例えば、粒餡、こし餡、白餡、うぐいす餡、更には、芋餡、栗餡、ゴマ餡、柚子餡、イチゴ餡、リンゴ餡、レモン餡、みかん餡、ラムネ餡、チョコ餡などの加合餡等、種々の練り餡を用いることができる。
これらは単独で用いても良いし、2種以上併用しても良い。
上記練り餡は常法に準じて生餡と砂糖とを練るとともに、必要に応じて果肉ペースト等を配合することにより調製することができる。また、練り餡は市販されており、市販品を使用することもできる。
上記練り餡は、通常、10〜20重量%程度、例えば、15重量%程度の水分を含有している。
上記練り餡には、所望により種々の慣用の添加物が配合されていても良い。
上記添加物としては、例えば、食塩、砂糖、スィートオリゴ、オリゴ糖蜜液等の調味料、クエン酸、リンゴ酸等の酸味剤、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンK等のビタミン類、ミネラル類、トレハロース、ソルビトール、グリセリン等の保湿剤、餡の種類に応じた各種香料、色素、食物繊維等が挙げられる。
上記餡食品において、上記発泡性添加物は、例えば、上記練り餡に混ぜ込まれていても良いし、成形された練り餡に上記発泡性添加物の層が積層されていても良い。即ち、上記餡食品では、練り餡と発泡性添加物とが同時に食される状態で一体化されていれば良い。
従って、上記餡食品を製造する際には、練り餡と発泡性添加物とを別々に製造した後、両者を任意の方法で一体化すればよい。
上記餡食品において、上記発泡性添加物の添加量(含有量)は特に限定されないが、上記練り餡100重量部に対して、6〜60重量部が好ましい。
上記発泡性添加物の添加量が6重量部未満では、餡食品に発泡感を付与することができない場合がある。一方、上記発泡性添加物の添加量が60重量部を超えると、餡食品の本来の風味や食感が損なわれてしまうことがある。
より好ましい上記発泡性添加物の添加量(含有量)は、上記練り餡100重量部に対して、24〜50重量部である。
このような餡食品が有する餡では、練り餡と上記発泡性添加物とが一体化されているため、上記餡食品を喫食した喫食者は、シュワシュワとした食感を有するこれまでにない餡食品を楽しむことができる。
また、上記餡食品において、上記発泡性成分の反応を抑制するための成分として糖類を含有する発泡性添加物を用いた場合、糖類は、通常餡に含まれている。そのため、餡に上記発泡性添加物を用いることによって練り餡本来の風味や食感がほとんど損なわれることがない。
以下、実施例によって本発明の実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ここでは、発泡性添加物A〜Hを調製し、それぞれを試食して味と食感とを評価した。
具体的には、
(1)炭酸水素ナトリウム48.15gとクエン酸(無水物)36.1gとを撹拌混合して発泡性成分を調製した。
(2)(1)で得た発泡性成分1に対して重量比0.05〜3.2のグラニュー糖を撹拌混合し、得られた混合物をフライパンに入れ、弱火〜中火(約60〜75℃)で2〜4分間、加熱しながら撹拌混合して、発泡性添加物A〜Hを得た。
(3)各発泡性添加物A〜Hをラップに包んだ後、室温(30℃)、大気雰囲気中で1日間放置し、その後、試食した(発泡性添加物の評価(1))。結果を表1に示した。
(実施例2)
実施例1と同様の方法で作製した発泡性添加物F(炭酸水素ナトリウム48.15g、クエン酸(無水物)36.1g及びグラニュー糖135gの混合物)100g秤量してビニール袋に入れ、そこに別途湯煎で溶かしておいたショートニング(日本珈琲貿易株式会社より購入、(商品名)ショートニング、溶解温度44℃)10gを加えた。その後、ビニール袋内の混合物を麺棒で薄く伸ばして発泡性添加物Iを得た。
(比較例1)
実施例1の工程(1)で調製した発泡性成分を発泡性添加物Jとした。
発泡性添加物の評価(2)
(1)発泡性添加物F、I及びJをそれぞれ、室温(30℃)、大気雰囲気中で2日間放置した後、試食した。
その結果、発泡性添加物F及びIは、シュワシュワとした食感(発泡感)を感じることができたのに対し、発泡性添加物Jでは、シュワシュワとした食感を感じることができなかった。
発泡性添加物の評価(3)
発泡性添加物F、I及びJ(各10g)をそれぞれ、白餡(松原製餡所製)100gに練りこみ、発泡性添加物を含有する白餡を製造した。
製造直後の白餡を観察したところ、発泡性添加物Fを練り込んだ白餡及び発泡性添加物Iを練り込んだ白餡は、発泡が観察されなかったのに対し、発泡性添加物Jを練り込んだ白餡は、発泡していることが目視で観察された。
更に、発泡性添加物F、I及びJをそれぞれ練り込んだ3種類の白餡を、室温(30℃)、大気雰囲気中で2日間放置した後、試食した。その結果、発泡性添加物Fを練り込んだ白餡及び発泡性添加物Iを練り込んだ白餡は、シュワシュワとした食感(発泡感)を感じることができたのに対し、発泡性添加物Jを練り込んだ白餡は、シュワシュワとした食感を感じることができなかった。
発泡性添加物の評価(4)
ラムネ餡(松原製餡所製)110gをボールに入れ表面を滑らかにした。
これとは別に、発泡性添加物F30gをサランラップ(登録商標)に挟んだ状態で麺棒により薄く延ばした。
その後、薄い層状の発泡性添加物Fをラムネ餡の上にのせ、発泡性添加物Fをラムネ餡に、密着させた。
この状態で、室温(30℃)、大気雰囲気中で保管し、1日1回試食した(24時毎に試食した)。その結果、6日間亘ってシュワシュワ感を感じることができた。一方、7日目にはシュワシュワ感がほぼ消失した。
発泡性添加物の評価(5)
白餡(松原製餡所製)100gで、発泡性添加物I(2〜70g)で包み込み、発泡性添加物を含有する白餡を製造した。得られた餡を試食し、食感(発泡感)等を評価した。
結果を表2に示した。
練り餡100重量部に対する好ましい発泡性添加物の量は6〜60重量部であることが明らかとなった。

Claims (7)

  1. 被添加物に発泡感を付与するために用いられる添加物であって、
    炭酸塩と有機酸と含む発泡性成分と、糖質とを含有することを特徴とする発泡性添加物。
  2. 前記糖質は、糖類である請求項1に記載の発泡性添加物。
  3. 前記糖類は、砂糖及び/又はグラニュー糖である請求項2に記載の発泡性添加物。
  4. 前記糖質の含有量は、前記発泡性成分100重量部に対して20〜240重量部である請求項1〜3のいずれかに記載の発泡性添加物。
  5. 前記被添加物は、餡食品に含まれる餡である請求項1〜4のいずれかに記載の発泡性添加物。
  6. 練り餡と、請求項1〜5のいずれかに記載の発泡性添加物とを含む餡を有することを特徴とする餡食品。
  7. 前記餡において、前記発泡性添加物の含有量は、前記練り餡100重量部に対して6〜60重量部である請求項6に記載に餡食品。
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