JP2018181917A - 炭化珪素半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】逆回復時のサージを抑制することが可能で、かつ、オン抵抗の悪化を抑制できるJBSを有するSiC半導体装置を提供する。【解決手段】ショットキー電極4とp型層11やn-型エピタキシャル層2とのコンタクトについて、SBD10でのオン抵抗Ron(SBD)とPNダイオードでのオン抵抗Ron(PND)とが、Ron(SBD)×105<Ron(PND)の関係を満たすようにする。また、p型層11の表面とショットキー電極4とのコンタクトが絶縁状態にならないようにする。【選択図】図1

Description

本発明は、ショットキーバリアダイオード(以下、SBDという)にPNダイオードを加えたジャンクションバリアショットキーダイオード(以下、JBSという)を有する炭化珪素(以下、SiCという)半導体装置に関する。
従来、特許文献1において、SBDに更にPNダイオードを加えたJBSを有するSiC半導体装置が提案されている。このSiC半導体装置では、SiCにて構成されたn-型エピタキシャル層の表面にショットキー電極を形成することでSBDを構成している。また、n-型エピタキシャル層の表層部にp型層を形成すると共にp型層の表面にショットキー電極をオーミック接触させることでPNダイオードを構成している。このような構造により、SBDに更にPNダイオードを加えたJBSを有するSiC半導体装置が構成されている。このような構成とすることで、PNダイオードを構成するPN接合部にて形成される空乏層により、逆方向リーク電流を抑え、高耐圧が得られるようにしている。そして、SBDを順方向動作させる際には、ショットキー電極に対してオーミック接触させられたp型層を通じてPNダイオードも順方向動作が行われるようにしている。
また、従来、JBSを有するSiC半導体装置において、PNダイオードを構成するp型層をショットキー電極に対して絶縁状態で接触させる構造も提案されている。このSiC半導体装置では、ショットキー電極に対して絶縁状態で接触させるp型層に結晶欠陥が含まれるようにしている。このようにp型層をショットキー電極に対して絶縁状態で接触させるようにしつつ結晶欠陥がp型層に含まれるようにすることで、結晶欠陥の影響を抑制でき、SiC半導体装置の特性を良好にすることが可能になる。
特開2010−50267号公報
しかしながら、PNダイオードを構成するためのp型層をショットキー電極に対してオーミック接触させている場合、PNダイオードがバイポーラデバイスであるために、逆回復時に急激なホール欠乏が生じる。これにより、リカバリ電流の立ち上がりが急峻になり、リカバリ電流の変化量dir/dtが大きくなる。このため、回路全体のリアクタンスLとリカバリ電流の変化量dir/dtの積によって決まるサージ電圧ΔV(=L・dir/dt)が大きくなり、逆回復時に大きなサージを発生させることになる。
また、ショットキー電極に対してp型層を絶縁状態で接触させる構造の場合、逆バイアス時にp型層の周囲に広がった空乏層が戻らず、オン抵抗の悪化を招く。
本発明は上記点に鑑みて、逆回復時のサージを抑制することが可能で、かつ、オン抵抗の悪化を抑制できるJBSを有するSiC半導体装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、主表面(1a)および裏面(1b)を有する炭化珪素からなる第1導電型の基板(1)と、主表面上に形成され、基板よりも低不純物濃度とされた第1導電型の炭化珪素からなるドリフト層(2)と、ドリフト層の上に配置され、セル部が開口部(3a)とされた絶縁膜(3)と、セル部に形成され、絶縁膜の開口部を通じて、ドリフト層の表面とショットキー接触させられたショットキー電極(4)と、基板の裏面に形成されたオーミック電極(5)と、ドリフト層の表層部に形成されると共にショットキー電極と接触させられ、かつ、互いに離れて配置された複数の第2導電型層(11)と、を備え、ショットキー電極とドリフト層と基板およびオーミック電極とを有してSBD(10)が構成されていると共に、複数の第2導電型層とドリフト層とによりPNダイオードが構成されることで、JBSが構成されている。このような構成において、SBDのオン抵抗Ron(SBD)とPNダイオードのオン抵抗Ron(PND)とが、Ron(SBD)×105<Ron(PND)の関係を満たすようにする。
このように、Ron(SBD)×105<Ron(PND)の関係を満たすようにしていることから、リカバリ電流の立ち上がりを緩やかにでき、リカバリ電流の変化量dir/dtを小さくできる。このため、逆回復時のサージの発生が抑制されるという効果が得られる。
また、請求項2に記載の発明では、第2導電型層の比抵抗を1Ωcm以下としている。このように、第2導電型層の比抵抗を1Ωcm以下にすると、第2導電型層の表面とショットキー電極とのコンタクトが絶縁状態にならないようにできる。これにより、逆バイアス時に広がった空乏層が戻って縮小されるようにでき、オン抵抗の悪化が抑制されるという効果が得られる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態にかかるJBSを備えたSiC半導体装置の断面図である。 図1に示すSiC半導体装置の上面レイアウト図である。 SiC半導体装置の動作シミュレーションに用いたモデルの回路図である。 SW1、SW2のオンオフの切り替えを行ったときのSW1、SW2もしくはこれらに並列接続されたJBSの両端間の電圧および電流の変化を示した図である。 PNダイオード中のキャリアの状態を示した断面図である。 PNダイオード中のキャリアの状態を示した断面図である。 PNダイオード中のキャリアの状態を示した断面図である。 PNダイオード中のキャリアの状態を示した断面図である。 JBSに順方向電流が流れるときの電圧[V]に対する電流[A]の波形を示した図である。 p型層が絶縁状態となる場合における逆バイアス時に広がった空乏層の状態を示した断面図である。 p型層が絶縁状態とならない場合における逆バイアス時に広がった空乏層の状態を示した断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。まず、本実施形態にかかるSiC半導体装置の構造について、図1〜図2を参照して説明する。なお、図1は、図2および図2のI−I断面図に相当している。また、図2は断面図ではないが、図を見易くするために部分的にハッチングを示してある。
図1に示すように、SiC半導体装置は、SiCからなるn+型基板1を用いて形成されている。n+型基板1は、例えば2×1018〜1×1021cm-3程度の不純物濃度とされている。このn+型基板1の上面を主表面1a、主表面1aの反対面である下面を裏面1bとすると、主表面1a上には、n+型基板1よりも低いドーパント濃度のSiCで構成されたドリフト層に相当するn-型エピタキシャル層2が積層されている。n-型エピタキシャル層2は、例えば1×1014〜1×1017cm-3程度の不純物濃度とされている。これらn+型基板1およびn-型エピタキシャル層2によって構成されたSiC半導体基板のセル部にSBD10およびPNダイオードを有するJBSが形成されていると共に、その外周領域に終端構造が形成されることでSiC半導体装置が構成されている。
具体的には、n+型基板1として、主表面1aが例えば(0001)面に対してオフ角を有するSiC基板を用いている。本実施形態の場合、図2に示すようにオフ方向が(11−20)方向とされ、例えば4°のオフ角を有するSiC基板をn+型基板1として用いている。そして、その上にエピタキシャル成長によりn-型エピタキシャル層2が形成させられており、n-型エピタキシャル層2についても、(11−20)方向がオフ方向とされた結晶となっている。
このn-型エピタキシャル層2の表面には、例えばシリコン酸化膜などで構成された絶縁膜3が形成されている。絶縁膜3には、セル部において部分的に開口部3aが形成されており、この絶縁膜3の開口部3aにおいてn-型エピタキシャル層2と接触させられたショットキー電極4が形成されている。ショットキー電極4は、n-型エピタキシャル層2に対してショットキー接触し、後述するPNダイオードを構成するp型層11とのコンタクトが絶縁状態にはならない金属材料を用いて構成されている。ここでは、ショットキー電極4を例えばMo(モリブデン)によって構成している。
また、n+型基板1の裏面と接触するように、オーミック電極5が形成されている。オーミック電極5も、複数層の積層構造によって形成されており、例えばn+型基板1側から順にNiシリサイド層、Ti層、Ni層、Au層によって構成されている。
これにより、SBD10のうちのセル構造が構成されている。SBD10の上面レイアウトはどのようなものであっても良いが、本実施形態では、図2に示すように各角部が丸められた正方形状となるようにしてある。
また、SBD10の外周領域に形成された終端構造として、ショットキー電極4の外縁部におけるn-型エピタキシャル層2の表層部に、ショットキー電極4と接するように、p型リサーフ層6が形成されている。また、p型リサーフ層6の外周をさらに囲むように複数個のp型ガードリング層7等が配置されている。これらp型リサーフ層6およびp型ガードリング層7等により、終端構造が構成されている。p型リサーフ層6やp型ガードリング層7は、例えばAlを不純物として用いて構成されたものであり、例えば、5×1016〜1×1019cm-3程度の不純物濃度で構成されている。これらp型リサーフ層6やp型ガードリング層7を配置することにより、SBD10の外周において電界が広範囲に延びるようにでき、電界集中を緩和できる。このため、耐圧を向上させることができる。このような構造により、SBD10が構成されている。
なお、ショットキー電極4の表面に、バリア層となる接合用電極8aや外部接続用の表面電極8bおよびメッキ層8c等を順に積層した表面電極構造8を構成している。例えば、接合用電極8aをTi(チタン)、表面電極8bをAl−Si/TiN(アルシリ/チタンナイトライド)、メッキ層8cをNi(ニッケル)層の上にAu(金)層を積層した膜とすることによって表面電極構造8を構成している。このような表面電極構造8を形成することで、良好にボンディングワイヤ等と接続することが可能となり、SBD10と外部との電気的接続を図ることができる。また、表面電極構造8の周囲を囲むようにPIQ(ポリイミド)などで構成される保護膜9を備えることで、SBD10の表面保護を行ってある。
さらに、終端構造を構成する部分のうち最もセル部側に位置しているp型リサーフ層6の内側の端部よりもさらに内側において、n-型エピタキシャル層2の表層部に形成されると共にショットキー電極4と接触するように構成されたp型層11が形成されている。p型層11は、図2に示すように、オフ方向と同方向を長手方向とする短冊状のものが(1−100)方向に複数本並べられたストライプ状とされている。各p型層11は、図1に示すように、セル部の中心に対して対称的に配置されるように、各p型層11が等しい間隔だけ空けた配置とされ、かつ、各p型層11の幅も等しくされた構造とされている。このようなp型層11は、例えば、比抵抗が1Ωcm以下となる不純物濃度で構成されている。各p型層11の間隔は、例えば2.0±1.0μmとされている。各p型層11の幅は、例えば0.1μm以上3μm以下とされている。また、各p型層11の深さは、例えば0.3μm以上1.0μm以下とされている。
このように構成されるp型層11により、n-型エピタキシャル層2との間においてPNダイオードが構成される。p型層11の表面とショットキー電極4とのコンタクトについては、p型層11の比抵抗の調整に基づいて絶縁状態にならないようにしている。また、ショットキー電極4とp型層11やn-型エピタキシャル層2とのコンタクトは、SBD10でのオン抵抗Ron(SBD)とPNダイオードでのオン抵抗Ron(PND)とが、Ron(SBD)×105<Ron(PND)の関係を満たす設定とされている。例えば、ショットキー電極4の材料の選定、p型層11の不純物濃度に基づく比抵抗の調整、さらにはショットキー電極4との接触箇所におけるp型層11とn-型エピタキシャル層2との面積比などに基づいて、上記関係を満たすようにしている。
このようにして、SBD10に加えてPNダイオードが備えられたJBSが構成されている。このような構造のJBSを備えたSiC半導体装置では、ショットキー電極4をアノード、オーミック電極5をカソードとして機能する。具体的には、ショットキー電極4に対してショットキー障壁を超える電圧を印加することにより、ショットキー電極4とオーミック電極5との間に電流を流す。また、外周部領域に関しては、p型リサーフ層6やp型ガードリング層7を備えてあるため、等電位線が偏り無く広範囲で延びるようにすることができる。これにより、高耐圧素子とすることが可能となる。
そして、上記したように、Ron(SBD)×105<Ron(PND)の関係を満たすようにしている。このため、リカバリ電流の立ち上がりを緩やかにでき、リカバリ電流の変化量dir/dtを小さくできて、逆回復時のサージの発生が抑制されるという効果が得られる(以下、効果1という)。また、p型層11の表面とショットキー電極4とのコンタクトが絶縁状態にならないようにされている。このため、逆バイアス時に広がった空乏層が戻って縮小されるようにでき、オン抵抗の悪化が抑制されるという効果が得られる(以下、効果2という)。以下、これら効果1、2が得られる理由について、図を参照して説明する。
まず、効果1が得られる理由について、図3〜図6を参照して説明する。
上記の構造のJBSを備えたSiC半導体装置をブリッジ回路に適用したときのシミュレーションモデルを用いて、SiC半導体装置の動作シミュレーションを行った。図3は、そのシミュレーションに用いたモデルの回路図である。この図に示されるように、上アームと下アームそれぞれに備えられたSW1、SW2を構成するMOSFETに対して並列に本実施形態のJBSを接続したモデルを用いている。このモデルを用いて、SW1、SW2のオンオフを交互に切替え、そのときのSW1、SW2もしくはこれらに並列接続されたJBSの両端間の電圧および電流の変化を調べた。図4は、その結果を示している。また、図5は、SW1をオフ、SW2をオンに切替えたときのSW1に並列接続されたJBSにおけるPNダイオードの様子を示している。
図3に示すモデルにおいて、SW1がオンされている状態からオフへ、これと同時にSW2をオフされている状態からオンへ、それぞれ切替えるとする。この場合、SW1、SW2もしくはこれらに並列接続されたJBSの両端間の電圧および電流は、図4中の期間t1および期間t2のように変化する。なお、図4に示した電圧、電流の極性については、図3中に示したようにSW1、SW2の中間位置をプラスとしている。
SW2がオンになると、SW2を構成するMOSFETに徐々に電流が流れ込むことになり、電流が徐々に増加していく。
一方、SW1については、オン中には電流が流れ、SW1の電圧はSW1のオン抵抗に応じた電圧降下分の低い電圧値となる。この領域は図3中に示したように順方向損失が生じる領域となる。そして、SW1がオンからオフに切り替わると、SW1に並列接続されたJBSのPNダイオードで逆回復が発生する。
具体的には、順バイアスで定常に通電していた状態においては、図5(a)に示すように、負極からN型半導体となるn-型エピタキシャル層2に電子が供給され、正極からはP型半導体となるp型層11にホールが供給された状態となっている。さらに、電源20からのバイアスによる電界によって電子とホールが移動し、n-型エピタキシャル層2およびp型層11にキャリアが満たされている状態になっている。この状態からSW1がオフに切替えられることで逆バイアスが与えられるため、図5(b)に示すように、各キャリアが順バイアス時に移動していた方向とは反対方向に逆流させられる。このため、図4の期間t2、つまりSW1においてはターンオフ期間中にPNダイオードに逆方向の電流が流れることになり、大きなサージとなってSW1の電圧が逆方向に突出した形になる。この領域においてリカバリ損失が生じる。
この後、負極や正極からのキャリアの供給がなく、また、ホールが負極へ引き寄せられ、電子が正極に引き寄せられるため、図5(c)に示すように、PN接合部近傍にキャリア濃度が低くなって空乏化した空乏層が形成されていく。そして、キャリアの逆流が収まると、図5(d)に示すように、PN接合部近傍に形成された空乏層により、ダイオードが通電しない状態になる。
そして、この逆回復時間中に、SW2を構成するMOSFETに突入電流が流れる。これがターンオン損失となる。また、電圧はSW2のオン抵抗に応じた電圧降下分の低い電圧値となり、SW2がオンした後にはオン定常損失が発生するだけとなる。
このような動作を行うに際し、SW1に並列接続されたSiC半導体装置のPNダイオードに、逆回復時のリカバリ電流の変化量dir/dt、すなわちリカバリ電流がピークに達してから0になるまでの変化勾配が急峻な程、大きなサージが発生する。このため、変化量dir/dtを小さくすることがサージの抑制に重要である。
これに対して、本実施形態の場合、Ron(SBD)×105<Ron(PND)の関係を満たすようにしている。すなわち、p型層11とショットキー電極4とが高いコンタクト抵抗で接続されるようにしている。このようにすることで、p型層11からのホールの注入が抑制され、順方向動作が抑制される。そして、ホールの注入が少ないために、リカバリ動作が少なくなり、リカバリ電流の立ち上がりを緩やかにできる。したがって、リカバリ電流の変化量dir/dtを小さくでき、逆回復時のサージの発生が抑制されるという効果1が得られる。
ここで、ホールの注入量については、基本的にはSBD10のオン抵抗Ron(SBD)とPNダイオードのオン抵抗Ron(PND)とによって決まる。シミュレーションでは、少なくともRon(SBD)×105<Ron(PND)の関係を満たす範囲内において、良好に効果1が得られるという結果が得られている。このため、Ron(SBD)×105<Ron(PND)の関係を満たすように、ショットキー電極4とp型層11とのコンタクトを設定している。
具体的には、ショットキー電極4とp型層11とのコンタクト抵抗が大きいほど、PNダイオードのオン抵抗Ron(PND)は大きくなる。また、ショットキー電極4とp型層11との接触面積が小さいほど、PNダイオードのオン抵抗Ron(PND)は大きくなる。これらに基づいて、上記関係を満たすように、例えばp型層11の接触面積が大きいほどホール注入をより抑えられるようにコンタクト抵抗を大きくしている。
なお、JBSを備えたSiC半導体装置では、JBSに順方向電流が流れるときの電圧[V]に対する電流[A]の波形が図6に示される波形となる。この波形の傾きがSBD10については1/Ron(SBD)となり、PNダイオードについては1/Ron(PND)となる。このため、順方向電流が流れるときの特性に基づいて、各オン抵抗Ron(SBD)、Ron(PND)を求めることができる。
次に、効果2が得られる理由について、図7を参照して説明する。
上記したように、p型層11の表面とショットキー電極4とのコンタクトが絶縁状態にならないようにされている。p型層11の表面とショットキー電極4とのコンタクトが絶縁状態になっている場合、図7(a)に示すように、逆バイアス時に広がった空乏層が戻らずに、広範囲に空乏層が残ったままの状態になる。このため、空乏層によって電流通路が狭められ、SBD10のオン抵抗Ron(SBD)を増加させることになる。
これに対して、本実施形態のようにp型層11の表面とショットキー電極4とのコンタクトが絶縁状態になっている場合、図7(b)に示すように、逆バイアス時に広がった空乏層が戻って縮小される。このため、空乏層によって電流通路が狭められる範囲が少なくなり、SBD10のオン抵抗Ron(SBD)の増加が抑えられ、オン抵抗の悪化が抑制されるという効果2が得られる。
以上説明したように、本実施形態のJBSを有するSiC半導体装置では、Ron(SBD)×105<Ron(PND)の関係を満たすようにしていることから、リカバリ電流の立ち上がりを緩やかにでき、リカバリ電流の変化量dir/dtを小さくできる。このため、逆回復時のサージの発生が抑制されるという効果1を得ることができる。また、p型層11の表面とショットキー電極4とのコンタクトが絶縁状態にならないようにされているため、逆バイアス時に広がった空乏層が戻って縮小されるようにでき、オン抵抗の悪化が抑制されるという効果2を得ることができる。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
例えば、上記実施形態で説明したp型層11のレイアウトについては任意であり、他のレイアウト、例えばセル部の中心位置に円形状のp型層11を配置し、さらにそれを中心として複数本のp型層11を同心円状に配置した構造等であっても良い。
また、上記実施形態では、第1導電型をn型、第2導電型をp型とする場合について説明したが、各導電型が逆となる関係のSiC半導体装置としても構わない。
なお、結晶の方位を示す場合、本来ならば所望の数字の上にバー(−)を付すべきであるが、電子出願に基づく表現上の制限が存在するため、本明細書においては、所望の数字の前にバーを付すものとする。
1 n+型基板
2 n-型エピタキシャル層
4 ショットキー電極
5 オーミック電極
8 表面電極構造
10 SBD
11 p型層

Claims (2)

  1. ジャンクションバリアショットキーダイオードが形成されたセル部を有する炭化珪素半導体装置であって、
    主表面(1a)および裏面(1b)を有する炭化珪素からなる第1導電型の基板(1)と、
    前記主表面上に形成され、前記基板よりも低不純物濃度とされた第1導電型の炭化珪素からなるドリフト層(2)と、
    前記ドリフト層の上に配置され、前記セル部が開口部(3a)とされた絶縁膜(3)と、
    前記セル部に形成され、前記絶縁膜の開口部を通じて、前記ドリフト層の表面とショットキー接触させられたショットキー電極(4)と、
    前記基板の裏面に形成されたオーミック電極(5)と、
    前記ドリフト層の表層部に形成されると共に前記ショットキー電極と接触させられ、かつ、互いに離れて配置された複数の第2導電型層(11)と、を備え、
    前記ショットキー電極と前記ドリフト層と前記基板および前記オーミック電極とを有してショットキーバリアダイオード(10)が構成されていると共に、前記複数の第2導電型層と前記ドリフト層とによりPNダイオードが構成されることで、前記ジャンクションバリアショットキーダイオードが構成され、
    前記ショットキーバリアダイオードのオン抵抗Ron(SBD)と前記PNダイオードのオン抵抗Ron(PND)とが、Ron(SBD)×105<Ron(PND)の関係を満たしている炭化珪素半導体装置。
  2. 前記第2導電型層の比抵抗が1Ωcm以下となっている請求項1に記載の炭化珪素半導体装置。
JP2017074624A 2017-04-04 2017-04-04 炭化珪素半導体装置 Pending JP2018181917A (ja)

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