JP2018181543A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久特性とハイレート特性とに優れるリチウムイオン二次電池を提供する。【解決手段】本発明により、所定の幅Lの正極合材層14を備える正極10と、正極合材層14よりも広い幅Laの負極合材層24を備える負極20と、を備えるリチウムイオン二次電池が提供される。正極合材層14は、中央領域A1と、一対の端部領域A2と、を有する。中央領域A1は、平均一次粒子径がd1の第1正極活物質を含む。端部領域A2は、平均一次粒子径がd2の第2正極活物質を含む。一対の端部領域A2の幅をそれぞれL2としたときに、上記d1と上記d2と上記Lと上記L2とは、以下の条件:d1<d2;1.5μm≦d2;(2×L2)≦(L/3);を満たす。【選択図】図2

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に関する。
特許文献1には、一次粒子径の異なる正極活物質、例えば、一次粒子径が0.5〜1μmの小粒子と、一次粒子径が2〜3μmの大粒子とを正極全体に混在させたリチウムイオン二次電池が開示されている。特許文献1の技術では、小粒子によって電極反応面積を増大させて内部抵抗を低減すると共に、大粒子によって粒子間結合力を増大させて構成元素の溶出を抑制し、高出力化と長寿命化との両立を図っている。
特開2002−373654号公報 特開2005−190913号公報
しかしながら、本発明者らの検討によれば、正極合材層の幅よりも負極合材層の幅が大きい場合、上記技術をもってしても、広範な温度環境下において耐久特性とハイレート特性とを両立することが困難だった。
すなわち従来、負極における金属リチウム析出を防止する観点等から、負極合材層の幅を正極合材層の幅よりも大きく形成する場合がある(特許文献2参照)。しかし、負極合材層の端部に正極合材層と対向しない非対向部がある場合、充電時に正極合材層から放出されたリチウムイオンが、負極合材層の対向部のみならず非対向部へも拡散される。このため、正極合材層の端部は、中央部に比べて充電時のリチウムイオンの放出量が多くなる。その結果、正極の端部は、充放電時の膨張収縮量が大きくなり、正極活物質が割れやすくなる。このとき、例えば特許文献1に記載された小粒子のように正極活物質の一次粒子径が小さいと、充放電に伴う膨張収縮によって正極活物質(二次粒子)に割れが生じた場合に、正極の端部で導電パスが途切れてしまう。その結果、電池容量が低下して耐久特性が得られ難い。また一方で、一次粒子径の大きな正極活物質の含有量が多すぎる場合には、電極反応面積が狭くなって内部抵抗が増大してしまう。その結果、ハイレート特性が得られ難い。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐久特性とハイレート特性とに優れるリチウムイオン二次電池を提供することにある。
本発明により、正極集電体と、上記正極集電体の表面に所定の幅Lで固着された正極合材層と、を備える正極と、負極集電体と、上記負極集電体の表面に上記正極合材層よりも広い幅で固着された負極合材層と、を備える負極と、非水電解質と、を備えるリチウムイオン二次電池が提供される。上記正極合材層は、幅方向の中心を含む中央領域と、幅方向の両端部を含む一対の端部領域と、を有する。上記中央領域は、第1正極活物質と、導電材と、を含む。上記端部領域は、第2正極活物質と、導電材と、を含む。ここで、上記第1正極活物質の平均一次粒子径をd1(μm)とし、上記第2正極活物質の平均一次粒子径をd2(μm)とし、上記一対の端部領域の幅をそれぞれL2としたときに、上記d1と上記d2と上記Lと上記L2とは、以下の条件:d1<d2;1.5μm≦d2;(2×L2)≦(L/3);を満たす。
端部領域に平均一次粒子径の大きな粒子を配置することで、正極活物質(二次粒子)に割れが生じた場合にも、周囲の導電材によって導電パスを確保することができる。そのため、充放電サイクル後も電池容量の低下を抑制することができる。また、端部領域の幅を、正極合材層の全幅の1/3以下とし、かつ、中央領域に平均一次粒子径の小さな粒子を配置することで、電極反応面積を好適に確保することができる。そのため、抵抗の上昇を抑制することができる。以上の効果によって、上記リチウムイオン二次電池では、優れた耐久特性とハイレート特性とを兼ね備えることができる。
なお、正極活物質の平均一次粒子径は、以下の方法で測定することができる。例えば、正極活物質粉末のSEM(Scanning Electron Microscope)観察画像から、ランダムに20個の一次粒子を選択し、定方向最大径(クラムバイン径)の平均値を算出することによって、一次粒子の平均粒子径を把握することができる。また、イオンミリングによるクロスセクションポリッシャ加工で正極活物質粒子を切断し、その断面の観察画像を基に一次粒子の平均粒子径を把握することもできる。
一実施形態に係る捲回電極体の構成を示す模式図である。 図1の捲回電極体の部分断面を示す模式図である。 一実施形態に係る正極活物質の周辺を示す模式図である。 従来技術に係る正極活物質の周辺を示す模式図である。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
また、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は必ずしも実際の寸法関係を反映するものではない。
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、扁平な捲回電極体と非水電解質とが電池ケースに収容されて構成されている。
図1は、捲回電極体40の構成を示す模式図である。図2は、捲回電極体40の部分断面構造を示す模式図である。捲回電極体40は、帯状の正極10と、帯状の負極20と、帯状のセパレータ30とを有している。捲回電極体40は、正極10と負極20とがセパレータ30を介して重ねられ、長手方向に捲回されて構成されている。捲回電極体40は扁平形状であり、長手方向に直交する幅方向Wの断面において楕円形状を有している。
正極10は、帯状の正極集電体12と、その表面に固着された正極合材層14とを備えている。正極集電体12としては、例えばアルミニウム等の金属箔が好適である。正極合材層14は、正極集電体12の表面に、長手方向に沿って所定の幅L(mm)で形成されている。正極集電体12の幅方向Wの一方(図1、2の左側)の端部には、正極合材層14の形成されていない正極合材層非形成部分12nが設けられている。正極10は、正極合材層非形成部分12nに設けられた正極集電板(図示せず)を介して、外部接続用の正極端子と電気的に接続されている。
正極合材層14は、幅方向Wの中心を含む中央領域A1と、幅方向Wの端部Eを含む一対の端部領域A2と、を有している。中央領域A1は、幅方向Wに直交する長手方向に向かって帯状に延びている。一対の端部領域A2は、それぞれ、中央領域A1よりも幅方向Wの外側に位置している。一対の端部領域A2は、それぞれ、幅長L2(mm)を有し、幅方向Wに直交する長手方向に向かって帯状に延びている。
本実施形態において、端部領域A2の幅長L2は、正極合材層14の幅方向Wの全長(全幅)Lに対して、次の式:(2×L2)≦(L/3);を満たしている。これにより、電極反応面積を好適に確保して、抵抗を低減することができる。したがって、優れたハイレート特性を実現することができる。幅長L2は、次の式:2mm≦L2≦(L/6);を満たすことが好ましい。幅長L2を所定値以上とすることで、ここに開示される技術の効果をより良く発揮することができる。また、幅長L2を所定値以下とすることで、低温環境下におけるハイレート特性をより良く向上することができる。
中央領域A1は、リチウムイオンを可逆的に吸蔵及び放出可能な第1正極活物質と、導電材と、を含んでいる。第1正極活物質の種類は特に限定されない。第1正極活物質の好適例としては、例えば、リチウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。なかでも、次の式(1):LiNi1−x(ただし、xは、0.3≦x≦1を満たす実数であり、x<1の場合、Mは、Co、Mn、Al、Mg、Ca、Ba、Zr、V、Ti、Fe、K、Ga、In、W、Mo、Nb、Taのうちの1種または2種以上である。);で表されるリチウムニッケル含有複合酸化物が好ましい。0.3≦x(例えば0.5≦x)とすることで、高容量かつ低コストを好適に実現することができる。また、熱安定性を向上する等の観点からは、x<1、かつ、M元素としてMnを含むことが好ましく、なかでもLi以外の金属元素の合計を100mol%としたときに、Mnが10mol%以上であることが好ましい。
第1正極活物質の平均一次粒子径は、d1(μm)である。平均一次粒子径d1は、後述する第2活物質の平均一次粒子径d2よりも小さい。つまり、d1<d2である。これにより、充放電サイクル後も電池容量の低下を抑制して、耐久特性を向上することができる。一好適例では、平均一次粒子径d1を、概ね0.1〜2μm、例えば0.5〜1μm程度とし得る。
第1正極活物質では、一次粒子が凝集して二次粒子を形成している。第1正極活物質の平均二次粒子径D1(μm)は特に限定されないが、好ましくは、5μm≦D1≦25μm、より好ましくは、7μm≦D1≦18μmである。平均二次粒子径D1を所定値以上とすることで、比表面積が大きくなり過ぎることを抑えて、優れた高温保存特性を実現することができる。また、平均二次粒子径D1を所定値以下とすることで、一定以上の比表面積を確保することができ、一層優れたハイレート特性を実現することができる。
なお、本明細書において「平均二次粒子径」とは、レーザー回折散乱式の粒度分布測定装置で測定される体積基準の平均粒子径D50をいう。
中央領域A1に含まれる導電材としては、例えば、アセチレンブラックやケッチェンブラック等のカーボンブラック、活性炭、黒鉛等の炭素材料が例示される。
中央領域A1は、正極活物質と導電材以外の任意成分(例えばバインダ等)を含んでもよい。バインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のハロゲン化ビニル樹脂が例示される。
中央領域A1の全体を100質量%としたときに、正極活物質の占める割合は、概ね50質量%以上、典型的には80質量%以上、例えば85〜98質量%とし得る。導電材の占める割合は、典型的には1〜10質量%、例えば1〜5質量%とし得る。
端部領域A2は、リチウムイオンを可逆的に吸蔵及び放出可能な第2正極活物質と、導電材と、を含んでいる。第2正極活物質の種類は特に限定されない。第2正極活物質は、第1正極活物質と同じ種類(組成)であってもよいし、異なる種類(組成)であってもよい。第2正極活物質の好適例としては、例えば、リチウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。なかでも、上記式(1)で表されるリチウムニッケル含有複合酸化物が好ましい。好適な一態様では、第1正極活物質と第2正極活物質とが同一の組成である。これにより、ここに開示される技術の効果をより高いレベルで発揮することができる。
第2正極活物質の平均一次粒子径は、d2(μm)である。本実施形態において、平均一次粒子径d2は、1.5μm以上である。つまり、1.5μm≦d2である。一好適例では、平均一次粒子径d2を、概ね1.5〜5μm、例えば2〜4μm程度とし得る。この効果について、図3,4を参照しながら説明する。
図3は、本実施形態に係る第2正極活物質の周辺を示す模式図である。図4は、従来技術に係る正極活物質の周辺を示す模式図である。図3,4に示すように、1つの正極活物質粒子(二次粒子)は、複数の一次粒子が寄り集まって形成されている。二次粒子の周囲には、導電材が配置されている。
ここで、図4の従来例に示すように、一次粒子の平均粒子径が1.5μm未満と小さい場合、充放電サイクルによって二次粒子に割れが生じると、一次粒子の一部が導電材と接触しない孤立粒子が発生してしまう。そのため、サイクル耐久後に端部領域A2で導電パスが途切れて、電池容量の低下につながってしまう。
これに対して、図3に示すように、一次粒子の平均粒子径が1.5μm以上と大きい場合は、充放電サイクルによって二次粒子に割れが生じても、周囲の導電材との接触が保たれ、導電が維持される。そのため、サイクル耐久後も端部領域A2で導電パスを確保することができる。これにより、電池容量の低下を抑制することができる。
第2正極活物質の平均二次粒子径D2(μm)は特に限定されないが、上記した第1正極活物質と同様の理由から、好ましくは、5μm≦D2≦25μm、より好ましくは、7μm≦D2≦18μmである。
好適な一態様では、平均二次粒子径D1と平均二次粒子径D2とが、次の式:0.77≦(D2/D1)≦1.3;を満たしている。なかでも、平均二次粒子径D1と平均二次粒子径D2とが、実質的に同じ(例えば±1μm以内)であることが好ましい。これにより、中央領域A1と端部領域A2とで充填圧縮性の差を小さくすることができ、正極10を効率的かつ安定的に作製することができる。
端部領域A2に含まれる導電材としては、例えば、中央領域A1の導電材として例示した炭素材料が挙げられる。端部領域A2は、中央領域A1と同様に、正極活物質と導電材以外の任意成分(例えばバインダ等)を含んでもよい。また、端部領域A2に占める正極活物質や導電材の割合は、例えば中央領域A1と同様とすることができる。
正極10は、例えば、(ステップ1)第2正極活物質を含む端部領域形成用の第2組成物を調製すること;(ステップ2)正極集電体12の幅方向Wの中央をあけて両端の部分に第2組成物を塗布、乾燥すること、;(ステップ3)第1正極活物質を含む中央領域形成用の第1組成物を調製すること;(ステップ4)正極集電体12の幅方向Wの中央部分に第1組成物を塗布、乾燥すること;(ステップ5)正極集電体12に固着された第1組成物および第2組成物をプレスして、均質な厚みとすること;によって作製し得る。
負極20は、帯状の負極集電体22と、その表面に固着された負極合材層24とを備えている。負極集電体22としては、例えば銅等の金属箔が好適である。負極合材層24は、負極集電体22の表面に、長手方向に沿って所定の幅Laで形成されている。負極集電体22の幅方向Wの一方(図1、2の右側)の端部には、負極合材層24の形成されていない負極合材層非形成部分22nが設けられている。負極20は、負極合材層非形成部分22nに設けられた負極集電板(図示せず)を介して、外部接続用の負極端子と電気的に接続されている。
負極合材層24は、リチウムイオンを可逆的に吸蔵及び放出可能な負極活物質を含んでいる。負極活物質の好適例としては、例えば、黒鉛等の炭素材料が挙げられる。負極合材層は、負極活物質以外の任意成分(例えばバインダや増粘剤等)を含んでもよい。バインダとしては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)が例示される。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)が例示される。
非水電解質は、典型的には非水電解液であり、非水溶媒とリチウム塩とを含んでいる。非水溶媒としては、例えば、カーボネート類、エステル類、エーテル類等の非プロトン性溶媒が例示される。カーボネート類の一具体例として、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等が挙げられる。リチウム塩は、非水溶媒中で解離してリチウムイオンを生成する。リチウム塩としては、例えば、LiPF、LiBFが例示される。
本実施形態のリチウムイオン二次電池は各種用途に利用可能であるが、従来品に比べて耐久特性やハイレート特性に優れるため、例えば、プラグインハイブリッド自動車、ハイブリッド自動車、電気自動車等のモータ駆動用バッテリー(駆動用電源)として好適に用いることができる。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
[リチウムイオン二次電池の構築]
<例1>
まず、第1正極活物質と第2正極活物質とを作製した。
具体的には、まず、ニッケル源(NiSO)と、マンガン源(MnSO)とコバルト源(CoSO)とを水に溶解させ、水酸化ナトリウムで中和しながら撹拌することにより、原料水酸化物を得た。この原料水酸化物を炭酸リチウムと混合し、大気雰囲気下において、900℃または1010℃でそれぞれ10時間焼成した。そして、ピンミルで粉砕した後に分級することにより、平均二次粒子径D50がいずれも11μmである2種類のリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物(LiNi0.5Mn0.3Co0.2)を得た。
上記得られた2種類の正極活物質について、各20個の一次粒子について3000倍の倍率でSEM観察を行い、定方向最大径(クラムバイン径)の平均値から平均一次粒子径を求めた。その結果、焼成温度を900℃としたものは、平均一次粒子径が0.5μmであり、焼成温度を1010℃としたものは、平均一次粒子径が2.8μmであった。
次に、上記得られた2種類の正極活物質を用いて、正極を作製した。
具体的には、まず、正極集電体12として、平均厚みが15μmである帯状のアルミニウム箔を用意した。次に、平均一次粒子径d2が2.8μmの第2正極活物質と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、94:3:3の質量比で混合して、第2組成物を調製した。次に、上記調製した第2組成物を、アルミニウム箔の表面に、2本の帯状に塗布して乾燥した。このとき、2本の帯状の塗布部分は、幅方向Wに各40mmの長さとし、かつ、2本の帯状の塗布部分の間には、幅方向Wに50mmの間隔をあけた。これにより、一対の端部領域A2を形成した。
次に、平均一次粒子径d1が0.5μmの第1正極活物質を用いたこと以外は上記第2組成物と同様にして、第1組成物を調製した。次に、幅方向Wに50mmの間隔をあけておいた部分に、上記調製した第1組成物を帯状に塗布して乾燥した。これにより、中央領域A1を形成した。次に、第1組成物と第2組成物とを塗布した正極集電体12をプレスし、中央領域A1を中心に54mmの幅でスリット加工することにより、中央領域A1と一対の端部領域A2とからなる正極合材層14を備えた正極10を作製した。なお、正極合材層14の全幅は54mmであり、中央領域A1の幅は50mmであり、端部領域A2の幅L2は両端からそれぞれ2mmである。
次に、負極20を作製した。
具体的には、まず、負極集電体22として、平均厚みが10μmである帯状の銅箔を用意した。次に、負極活物質としての黒鉛と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、99:0.5:0.5の質量比で混合して、負極組成物を調製した。次に、調製した負極組成物を、銅箔の表面に帯状に塗布して乾燥した。次に、これをプレスし、負極合材層24を備えた負極20を作製した。なお、負極合材層24の全幅は、正極合材層の全幅よりも長い58mmである。
次に、正極10と負極20とを、セパレータ30を介して長手方向に重ね合わせ、円筒状の捲回電極体を作製した。なお、セパレータ30としてはポリエチレン(PE)の両面にポリプロピレン(PP)が積層されたPP/PE/PPの3層構造のものを用いた。
次に、上記作製した捲回電極体40と非水電解質とを円筒型の電池ケース内に収容した。なお、非水電解質としては、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを3:3:4の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1mol/Lの濃度で溶解させたものを用いた。
これにより、18650型のリチウムイオン二次電池(例1、設計容量1Ah)を構築した。
<例2〜5>
端部領域A2の幅L2を両端からそれぞれ5mmとしたこと以外は、上記例1と同様にしてリチウムイオン二次電池(例2)を構築した。
端部領域A2の幅L2を両端からそれぞれ9mmとしたこと以外は、上記例1と同様にしてリチウムイオン二次電池(例3)を構築した。
第2活物質として平均一次粒子径d2が1.5μmのリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物を用いたこと以外は、上記例2と同様にしてリチウムイオン二次電池(例4)を構築した。
第2活物質として平均一次粒子径d2が1.5μmのリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物を用いたこと以外は、上記例1と同様にしてリチウムイオン二次電池(例5)を構築した。
<比較例1〜3>
中央領域A1の幅を54mmとして、端部領域A2を有しない正極を作製したこと以外は、上記例1と同様にしてリチウムイオン二次電池(比較例1)を構築した。
端部領域A2の幅L2を両端からそれぞれ20mmとしたこと以外は、上記例1と同様にしてリチウムイオン二次電池(比較例2)を構築した。
第2活物質として平均一次粒子径が0.8μmのリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物を用いたこと以外は、上記例2と同様にしてリチウムイオン二次電池(比較例3)を構築した。
<初期容量の確認>
上記構築したリチウムイオン二次電池に対して、25℃の温度環境下で、活性化処理を行った後、初期容量を確認した。具体的には、まず、1Cの充電レート(1Aの電流)で4.2Vまで定電流充電した後、10分間休止し、2.5Vまで定電流放電した。次に、1Cの充電レートで4.2Vまで定電流充電を行い、続いて同電圧で電流が0.01Cとなるまで定電圧充電した。そして、1Cの放電レートで2.5Vまで定電流放電(CC放電)を行い、続いて同電圧で電流が0.01Cとなるまで定電圧放電(CV放電)し、このときのCCCV放電容量を初期容量とした。
<容量維持率の測定>
上記初期容量確認後の電池を60℃の恒温槽に移した。そして、2Cの充電レート(2Aの電流)で4.2Vまで定電流充電を行い、続いて同電圧で電流が0.01Cとなるまで定電圧充電した後、10分間休止し、2Cの充電レートで2.5Vまで定電流放電を行い、続いて同電圧で電流が0.01Cとなるまで定電圧放電する充放電操作を1サイクルとして、これを500サイクル繰り返した。500サイクル充放電後の電池容量を、上記初期容量と同様に測定し、サイクル前後の電池容量の比較から、容量維持率を算出した。結果を表1に示す。
<IV抵抗の測定>
25℃の温度環境下で、上記初期容量確認後の電池を3.7Vまで充電して、SOCを調整した。この電池を0℃の恒温槽に移し、5Cの放電レート(5Aの電流)で10秒間放電させた。そして、10秒間の電圧降下量から、オームの法則に基づいてIV抵抗を算出した。結果を表1に示す。なお、表1には、比較例1のIV抵抗値を基準(100%)とした相対値を示している。
Figure 2018181543
表1に示すように、端部領域A2を有しない比較例1は、相対的に容量維持率が最も低かった。また、端部領域A2の合計幅を40mmとした比較例2の電池では、容量維持率は良好であったが、IV抵抗が著しく増加していた。また、端部領域A2の平均一次粒子径d2を0.8μmとした比較例3では、IV抵抗は比較例1と同等であったが、容量維持率の向上幅が小さかった。
これらの比較例に対して、端部領域A2における活物質の平均一次粒子径d2が中央領域A1における活物質の平均一次粒子径d1よりも大きく、平均一次粒子径d2が1.5μm以上であり、かつ、端部領域A2の幅が正極合材層の全幅の1/3以下である実施例1〜5では、IV抵抗が比較例1と同等であると共に、容量維持率が比較例1〜3に対して大幅に向上していた。言い換えれば、高温環境下での耐久特性と低温環境下でのハイレート特性とが高いレベルで両立されていた。これらの結果は、ここに開示される技術の意義を裏付けるものである。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態および実施例は例示にすぎず、ここで開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
10 正極
12 正極集電体
14 正極合材層
A1 中央領域
A2 端部領域

Claims (1)

  1. 正極集電体と、前記正極集電体の表面に所定の幅Lで固着された正極合材層と、を備える正極と、
    負極集電体と、前記負極集電体の表面に前記正極合材層よりも広い幅で固着された負極合材層と、を備える負極と、
    非水電解質と、
    を備え、
    前記正極合材層は、幅方向の中心を含む中央領域と、幅方向の両端部を含む一対の端部領域と、を有し、
    前記中央領域は、第1正極活物質と、導電材と、を含み、
    前記端部領域は、第2正極活物質と、導電材と、を含み、
    ここで、
    前記第1正極活物質の平均一次粒子径をd1(μm)とし、
    前記第2正極活物質の平均一次粒子径をd2(μm)とし、
    前記一対の端部領域の幅をそれぞれL2としたときに、
    前記d1と前記d2と前記Lと前記L2とは、以下の条件:
    ・d1<d2;
    ・1.5μm≦d2;
    ・(2×L2)≦(L/3);
    を満たす、リチウムイオン二次電池。
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