JP2018181539A - リチウムイオン二次電池用負極 - Google Patents

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Abstract

【課題】負極に酸化珪素を含むリチウムイオン二次電池のサイクル耐久性の低下および電池抵抗の増加を抑制すること。【解決手段】リチウムイオン二次電池用負極20は、集電箔22と負極合材層21とを備える。負極合材層21は、第1負極合材層23および第2負極合材層24を含む。第1負極合材層23は、集電箔22上に配置され、第2負極合材層24は第1負極合材層23上に配置されている。第1負極合材層23は、黒鉛25、酸化珪素26およびポリアクリル酸27を含む。第2負極合材層24は、黒鉛25を含むが、酸化珪素26およびポリアクリル酸27を含まない。【選択図】図1

Description

本開示は、リチウムイオン二次電池用負極に関する。
国際公開第2016/121322号(特許文献1)は、炭素材料および酸化珪素を含む負極活物質と、カルボキシメチルセルロース(CMC)と、部分中和されたポリアクリル酸(以下、「PAA」と略記される場合がある)とを含む、非水電解質二次電池用負極を開示している。
国際公開第2016/121322号
特許文献1において、負極活物質として酸化珪素が用いられる理由は、酸化珪素が大きな充放電容量を有するためである。酸化珪素の採用により、非水電解質二次電池の高容量化が期待される。
しかしながら、酸化珪素は炭素材料よりも充放電時の膨張率および収縮率が大きい。そのため、充放電時における酸化珪素の膨張および収縮に対して、炭素材料の追従が不十分となり、負極合材層中の酸化珪素が孤立して、電池のサイクル耐久性が低下するおそれがある。また酸化珪素は、電子導電性が低い。酸化珪素の電子導電性の低さも、サイクル耐久性を低下させる要因と考えられる。なお、本明細書において「サイクル耐久性」とは、充電と放電(充放電)を1サイクルとし、サイクル回数が増加した際における、電池の放電容量の低下に対する耐性を意味する。すなわち、サイクル回数が増加した際において、電池の初期状態(たとえば、電池の製造直後の状態)と比較して電池の放電容量の低下が少ない場合、サイクル耐久性が高いことを意味する。
特許文献1では、負極合材層が1層構造であるため、酸化珪素およびPAAは負極合材層全体に存在する。そのため、負極合材層中において酸化珪素とPAAとが離間して存在している可能性がある。したがって、酸化珪素が孤立することを十分に抑制できないものと考えられる。更には、PAAは電池抵抗を増加させる。すなわち、特許文献1において開示される非水電解質二次電池用負極においては、サイクル耐久性の低下について、改善の余地がある。
本開示の目的は、負極に酸化珪素を含むリチウムイオン二次電池(以下、「電池」と略記される場合がある)において、サイクル耐久性の低下を抑制することにある。
以下、本開示の技術的構成および作用効果が説明される。ただし本開示の作用メカニズムは推定を含んでいる。作用メカニズムの正否により、本開示の範囲が限定されるべきではない。
リチウムイオン二次電池用負極は、集電箔と負極合材層とを備える。負極合材層は、第1負極合材層および第2負極合材層を含む。第1負極合材層は集電箔上に配置され、第2負極合材層は第1負極合材層上に配置される。第1負極合材層は、黒鉛、酸化珪素およびポリアクリル酸を含む。第2負極合材層は、黒鉛を含み、かつ酸化珪素およびポリアクリル酸を含まない。
本開示の負極合材層では、酸化珪素およびPAAが局在している。すなわち第1負極合材層は酸化珪素およびPAAを含むが、第2負極合材層は酸化珪素およびPAAを含まない。ここで、PAAは強い結着力を有する。そのため、第1負極合材層内において酸化珪素とPAAとは結着していると考えられる。PAAは強い結着力を有するため、酸化珪素が膨張収縮した際においても、酸化珪素とPAAとは結着した状態が保たれると考えられる。これにより、負極合材層において酸化珪素が孤立することが防止されると考えられる。
黒鉛を含み、かつ酸化珪素およびPAAを含まない第2負極合材層は、電子導電性が良好である。負極合材層に第2負極合材層が含まれていることにより、第1負極合材層に酸化珪素およびPAAが含まれることによる電気導電性の低下、言い換えれば電池抵抗の増加が抑制されると考えられる。以上の作用が相乗することにより、電池のサイクル耐久性の低下が抑制されることが期待される。
図1は、本開示の実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極の構成を示す断面概念図である。 図2は、電極群の構成を示す概略図である。 図3は、リチウムイオン二次電池の構成を示す概略図である。
以下、本開示の実施形態(以下「本実施形態」とも記される)が説明される。ただし、以下の説明は、本開示の範囲を限定するものではない。
<リチウムイオン二次電池用負極>
図1は、本開示の実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極の構成を示す断面概念図である。負極20は、集電箔22および負極合材層21を含む。
《集電箔》
集電箔22は、たとえば銅(Cu)箔等であってもよい。Cu箔は、純Cu箔であってもよいし、Cu合金箔であってもよい。集電箔22は、たとえば5〜30μmの厚さを有してもよい。
《負極合材層》
負極合材層21は、集電箔22上に配置されている。負極合材層21は、少なくとも2層構造を含む。すなわち負極合材層21は、第1負極合材層23および第2負極合材層24を含む。第1負極合材層23および第2負極合材層24は、この順番で集電箔22上に積層されている。すなわち第1負極合材層23は集電箔22上に配置され、第2負極合材層24は第1負極合材層23上に配置されている。負極合材層21は、たとえば10〜150μmの厚さを有してもよい。
《第1負極合材層》
第1負極合材層23は、負極活物質である黒鉛25および酸化珪素26と、結着材であるPAA27とを含む。すなわち、第1負極合材層23は、黒鉛25、酸化珪素26およびPAA27を含む。酸化珪素26は、黒鉛25よりも大きな充放電容量を有し、PAA27は強い結着力を有する。
(黒鉛)
黒鉛25は、負極活物質として機能する。黒鉛25は、たとえば1〜30μmの平均粒径を有してもよい。本明細書の「平均粒径」は、レーザ回折散乱法によって測定される体積基準の粒度分布において微粒側から累積50%の粒径を示す。なお、黒鉛25は、天然黒鉛であってもよいし、人造黒鉛であってもよい。黒鉛25の形状は特に限定されず、球形状であってもよいし、鱗片状であってもよいし、鱗状であってもよいし、フレーク状であってもよいし、その他の形状であってもよい。黒鉛25の含有量は、負極合材層21全体に含まれる黒鉛25および酸化珪素26の合計100重量部に対して、たとえば90重量部以上99重量部以下としてもよい。
(酸化珪素)
酸化珪素26は、負極活物質として機能し、黒鉛25よりも大きな充放電容量を有する。したがって、第1負極合材層23が負極活物質として酸化珪素26を含むことにより、電池の充放電容量の増加が期待される。酸化珪素26は、珪素(Si)および酸素(O)を含む。酸化珪素26は、従来公知のあらゆる原子比を有することができる。酸化珪素26は、たとえば組成式SiOx(ただし式中xは0.5≦x≦1.5を満たす)により表されるものであってもよい。酸化珪素26は、たとえば0.1〜30μmの平均粒径を有してもよい。
酸化珪素26の含有量は、負極合材層21全体に含まれる黒鉛25および酸化珪素26の合計100重量部に対して、1重量部以上10重量部以下であることが望ましい。酸化珪素26の含有量が1重量部未満の場合、電池の充放電容量の増加が望まれない場合がある。酸化珪素26の含有量が10重量部を超える場合、電池のサイクル耐久性低下の抑制が困難になる傾向にある。
(PAA)
PAA27は、強い結着力を有している。ここで、前述の酸化珪素26は、充放電時の膨張率および収縮率が大きいという性質を有している。本実施形態では、酸化珪素26が膨張した際においても、PAA27と酸化珪素26とが結着した状態が保たれると考えられる。第1負極合材層23がPAA27を含むことにより、負極合材層21において、酸化珪素26が孤立することを抑制することができると考えられる。なお、PAA27の重量平均分子量は、たとえば5000以上100万以下であってもよい。
PAA27の含有量は、負極合材層21全体に含まれる黒鉛25および酸化珪素26の合計100重量部に対して、2重量部以上12重量部以下であることが望ましい。PAA27の含有量が2重量部未満の場合、第1負極合材層23に含有されるPAA27の絶対量が少ないため、PAA27と酸化珪素26との結着力が不十分となり、負極合材層21において酸化珪素26が孤立する可能性がある。PAA27の含有量が12重量部を超える場合、電池抵抗が増加する傾向にある。
(その他の成分)
第1負極合材層23は、黒鉛25、酸化珪素26およびPAA27に加えて、導電材や結着材を含んでもよい。導電材は特に限定されるべきではない。導電材は、たとえばアセチレンブラック(AB)、鱗片状黒鉛、サーマルブラック、ファーネスブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)、グラフェンフレーク等であってもよい。導電材の含有量は、負極合材層21全体に含まれる黒鉛25および酸化珪素26の合計100重量部に対して、たとえば3重量部以上7重量部以下であってもよい。結着材も特に限定されるべきではない。結着材は、たとえばCMC、スチレンブタジエンゴム(SBR)等であってもよい。結着材の含有量は、負極合材層21全体に含まれる黒鉛25および酸化珪素26の合計100重量部に対して、たとえば0.3重量部以上1重量部以下であってもよい。上記導電材および結着材は、それぞれ、1種単独で使用されてもよいし、2種以上が組み合わされて使用されてもよい。
《第2負極合材層》
第2負極合材層24は、負極活物質である黒鉛25を含むが、負極活物質である酸化珪素26および、結着材であるPAA27を含まない。すなわち、第2負極合材層24は、黒鉛25を含み、かつ酸化珪素26およびPAA27を含まない。黒鉛25は、たとえば1〜30μmの平均粒径を有してもよい。なお、黒鉛25は、天然黒鉛であってもよいし、人造黒鉛であってもよい。黒鉛25の形状は特に限定されず、球形状であってもよいし、鱗片状であってもよいし、鱗状であってもよいし、その他の形状であってもよい。また、第2負極合材層24に含まれる黒鉛25は、第1負極合材層23に含まれる黒鉛25と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第2負極合材層24は、黒鉛25に加えて結着材を含んでもよい。結着材としては、第1負極合材層23で説明された結着材を同様に使用することができる。結着材の含有量は、負極合材層21全体に含まれる黒鉛25および酸化珪素26の合計100重量部に対して、たとえば0.5重量部以上3重量部以下であってもよい。
第2負極合材層24の厚さは、第1負極合材層23の厚さと同じであってもよいし、異なっていてもよい。第2負極合材層24は、第1負極合材層23より厚くてもよい。たとえば、第1負極合材層23の厚さに対する第2負極合材層24の厚さの比は、1以上4以下であってもよいし、1.8以上4以下であってもよいし、2以上4以下であってもよいし、2.33以上4以下であってもよい。
なお、第2負極合材層24は酸化珪素26およびPAA27を含まないが、マイグレーションが発生した結果、第1負極合材層23に含まれる酸化珪素26またはPAA27の一部(たとえば10%程度)が、第2負極合材層24に含まれる可能性がある。仮にマイグレーションにより第2負極合材層24に微量の酸化珪素26またはPAA27が含まれたとしても、本開示の範囲に含まれるものとする。
<正極>
正極は、正極集電体と、正極集電体の主面上に形成された正極合材層とを含む。正極集電体は、たとえばアルミニウム(Al)箔等であってもよい。Al箔は、純Al箔であってもよいし、Al合金箔であってもよい。正極集電体は、たとえば10〜30μmの厚さを有してもよい。
《正極合材層》
正極合材層は、正極活物質、導電材およびバインダを含む。正極合材層は、たとえば80〜98重量%の正極活物質、1〜15重量%以下の導電材および1〜5重量%以下のバインダを含んでもよい。正極合材層は、たとえば100〜200μmの厚さを有してもよい。
(正極活物質、導電材およびバインダ)
正極活物質、導電材およびバインダは特に限定されるべきではない。正極活物質は、たとえばLiCoO、LiNiO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3(NCM)、LiMnO、LiMn、LiFePO等であってもよい。導電材は、たとえばアセチレンブラック(AB)、ファーネスブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)、黒鉛等であってもよい。バインダは、たとえばPVdF、PTFE等であってもよい。
<セパレータ>
セパレータは、電気絶縁性の多孔質膜である。セパレータは、正極と負極とを電気的に隔離する。セパレータは、たとえば5〜30μmの厚さを有してもよい。セパレータは、たとえば多孔質ポリエチレン(PE)膜、多孔質ポリプロピレン(PP)膜等により構成され得る。セパレータは、多層構造を含んでもよい。たとえばセパレータは、多孔質PP膜、多孔質PE膜、および多孔質PP膜がこの順序で積層されることにより構成されていてもよい。セパレータは、その表面に耐熱層を含んでいてもよい。耐熱層は、耐熱材料を含む。耐熱材料としては、たとえばアルミナ等の金属酸化物粒子、ポリイミド等の高融点樹脂等が挙げられる。
<電解液>
電解液は、リチウム塩および溶媒を含む。溶媒は非プロトン性である。溶媒は、たとえば環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合物でよい。環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合比は、体積比で、たとえば環状カーボネート:鎖状カーボネート=1:9〜5:5でよい。環状カーボネートとしては、たとえばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)等であってもよい。鎖状カーボネートは、たとえばジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等であってもよい。電解液は、たとえば0.5〜2.0mоl/Lのリチウム塩を含む。リチウム塩は、たとえばLiPF、LiBF、Li[N(FSO]、Li[N(CFSO]等であってもよい。
<電池ケース>
電池ケースは、たとえば角形(扁平直方体)であってもよいし、円筒形であってもよいし、袋状であってもよい。たとえばアルミニウム(Al)、Al合金等の金属が電池ケースを構成する。ただし、電池ケースが所定の密閉性を有する限り、たとえば金属および樹脂の複合材が電池ケースを構成してもよい。金属および樹脂の複合材としては、たとえばアルミラミネートフィルム等が挙げられる。電池ケースは、外部端子、注液孔、ガス排出弁、電流遮断機構(CID)等を備えていてもよい。
<リチウムイオン二次電池>
リチウムイオン二次電池は、正極と、負極と、正極と負極との間に配置されたセパレータとを有する電極体を備え、この電極体が電解液とともに電池ケースに配置されて構成されている。電極体は、セパレータを挟んで正極と負極とが巻回または積層されて構成されている。
以下、実施例が説明される。ただし、以下の例は本開示の範囲を限定するものではない。
<実施例1>
1.負極の製造
以下の材料が準備された。
負極活物質:黒鉛、酸化珪素
結着材:PAA、CMC、SBR
導電材:鱗片状黒鉛
溶媒:水
集電箔:Cu箔(厚さ=10μm)
プラネタリミキサにより、黒鉛25重量部、酸化珪素5重量部、CMC0.45重量部、PAA10.5重量部、鱗片状黒鉛5重量部(鱗片状黒鉛は導電材であるため、重量部計算の基準とされる黒鉛には含まれない)および水が混合された。これにより、ペースト状の第1負極合材(以下、「第1負極合材ペースト」と記載する)が調製された。
プラネタリミキサにより、黒鉛70重量部、CMC1.05重量部、SBR0.7重量部および水が混合された。これにより、ペースト状の第2負極合材(以下、「第2負極合材ペースト」と記載する)が調製された。
ダイコータにより、第1負極合材ペーストが集電箔22の表面(表裏両面)に塗布され、乾燥された。これにより集電箔22上に第1負極合材層23が配置された。ダイコータにより、第2負極合材ペーストが第1負極合材層23の表面に塗布され、乾燥された後、プレスされた。これにより第1負極合材層23上に第2負極合材層24が配置され、負極合材層21が形成された。
ロール圧延機により、負極合材層21が圧縮された。これにより負極20が製造された。第1負極合材層と第2負極合材層との厚さの比は3:7とされた(すなわち、第1負極合材層の厚さに対する第2負極合材層の厚さの比は、2.33である)。負極20が所定寸法に裁断された。負極20の構成は以下のとおりである。
負極合材層の幅:122mm
負極合材層の長さ:5835mm
負極の厚さ:144μm
2.正極の製造
以下の材料が準備された
正極活物質:LiNi1/3Co1/3Mn1/3(NCM)
導電材:AB
結着材:PVdF
溶媒:N−メチル−2−ピロリドン
集電箔:アルミニウム(Al)箔(厚さ=15μm)
プラネタリミキサにより、NCM93重量部、AB4重量部、PVdF3重量部およびN−メチル−2−ピロリドンが混合された。これによりペースト状の正極合材(以下、「正極合材ペースト」と記載する)が調製された。ダイコータにより、正極合材ペーストが集電箔の表面(表裏両面)に塗布され、乾燥された。これにより正極合材層が形成された。ロール圧延機により、正極合材層が圧縮された。これにより正極が製造された。正極が所定寸法に裁断された。正極の構成は以下のとおりである。
正極合材層の幅:117mm
正極合材層の長さ:5681mm
正極の厚さ:142μm
3.組み立て
20μmの厚さを有するセパレータが準備された。セパレータは、ポリプロピレン多孔質膜、ポリエチレン多孔質膜、およびポリプロピレン多孔質膜がこの順序で積層されることにより構成されるものである。
図2は、電極群の構成を示す概略図である。セパレータ30を挟んで、正極10と負極20とが互いに対向するように、正極10、セパレータ30、負極20およびセパレータ30が積層され、さらに渦巻状に巻回された。これにより円筒状の電極群が構成された。平板プレスにより、円筒状の電極群が扁平状に成形された。成形圧は4kN/cmとされた。成形時間は2分とされた。これにより電極群50が製造された。
図3は、リチウムイオン二次電池の構成を示す概略図である。電池ケース80が準備された。電池ケース80は角形である。電池ケース80はAl合金製である。電極群50が電池ケース80に収納された。電極群50に外部端子が接続された。120mlの電解液が電池ケース80に注入された。電解液は以下の組成を有するものである。
溶質:LiPF(1.0mоl/l)
溶媒:[EC:DMC:EMC=3:4:3(体積比)]
ECはエチレンカーボネートを示し、DMCはジメチルカーボネートを示し、EMCはエチルメチルカーボネートを示す。
電池ケース80が密閉された。以上より電池100が製造された。電池100は、3.0〜4.1Vの電圧範囲において、35Ahの定格容量を有するように設計されている。以上により、表1に記載の実施例1に係る電池を得た。
<実施例2〜4>
下記表1に示すように、第1負極合材層に含まれるPAAの含有量を変更したことを除いては、実施例1と同じ製造方法により負極が製造され、電池が製造された。
<比較例1>
プラネタリミキサにより、黒鉛95重量部、酸化珪素5重量部、CMC1.50重量部、SBR1重量部および水が混合された。これによりペーストが調製された。ダイコータにより、当該ペーストが集電箔の表面に塗布され、乾燥された。これにより、単層の負極合材層が形成された。これを除いては、実施例1と同じ製造方法により、負極が製造され、電池が製造された。
<比較例2>
プラネタリミキサにより、黒鉛95重量部、酸化珪素5重量部、CMC1.50重量部、SBR0.7重量部、PAA10.5重量部および水が混合された。これによりペーストが調製された。ダイコータにより、当該ペーストが集電箔の表面に塗布され、乾燥された。これにより、単層の負極合材層が形成された。これを除いては、実施例1と同じ製造方法により、負極が製造され、電池が製造された。
<比較例3>
プラネタリミキサにより、黒鉛95重量部、酸化珪素5重量部、CMC1.50重量部、SBR0.7重量部、PAA10.5重量部、鱗片状黒鉛5重量部および水が混合された。これによりペーストが調製された。ダイコータにより、当該ペーストが集電箔の表面に塗布され、乾燥された。これにより、単層の負極合材層が形成された。これを除いては、実施例1と同じ製造方法により、負極が製造され、電池が製造された。
<比較例4>
プラネタリミキサにより、黒鉛95重量部、酸化珪素5重量部、CMC1重量部、PAA5重量部および水が混合された。これによりペーストが調製された。ダイコータにより、当該ペーストが集電箔の表面に塗布され、乾燥された。これにより、単層の負極合材層が形成された。これを除いては、実施例1と同じ製造方法により、負極が製造され、電池が製造された。
<サイクル耐久性の評価>
以下の定電流充電および定電流放電の一巡が1サイクルとされ、500サイクルが実施された。
定電流充電:電流=2C、終止電圧=4.1V
定電流放電:電流=2C、終止電圧=2.5V
なお、1Cの電流とは、電池の充電状態が100%に調整された電池を放電して、ちょうど1時間で放電終了となる一定の電流である。
500サイクル後の放電容量が初回の放電容量で除されることにより、容量維持率が算出された。結果は下記表1に示されている。下記表1中、「サイクル耐久性」の欄に示される値は、各例の容量維持率が比較例1の容量維持率で除された値である。値が大きい程、サイクル耐久性の低下が抑制されていることを示している。
<初期IV抵抗測定試験>
初期状態の各実施例および比較例に係る電池に対して、IV抵抗測定試験を行った。初期状態の各実施例および比較例に係る電池を温度25℃の環境下で充電を行い、SOC50%の充電状態に調整した。その後、25℃において5Cの電流で10秒間のパルス放電を行い、放電開始から10秒後の電圧降下量からIV抵抗値(mΩ)が算出された。結果は下記表1に示されている。下記表1中、「初期IV抵抗」の欄に示される値は、各例のIV抵抗値が比較例1のIV抵抗値で除された値である。値が小さい程、抵抗が小さいことを示している。
Figure 2018181539
<結果>
上記表1に示されるように、実施例1〜4は比較例1〜4と比較して、サイクル耐久性の低下が抑制されている。実施例1〜4においては酸化珪素とPAAとが第1負極合材層に局在しているため、酸化珪素とPAAとが局在していない比較例1〜4と比べて、負極合材層内で多くの酸化珪素とPAAとが結着したものと考えられる。したがって、サイクル耐久性の低下が抑制された、負極に酸化珪素を含む電池が提供されることが期待される。
比較例1は、サイクル耐久性が低い。比較例1では、負極合材層が単層であり、PAAが含まれていない。そのため、酸化珪素の膨張収縮により酸化珪素が孤立し、結果としてサイクル耐久性が悪化したものと考えられる。
実施例1と比較例2および3とは、同量の酸化珪素およびPAAが負極合材層に含まれているが、実施例1のサイクル耐久性が顕著に優れていた。実施例1においては、酸化珪素とPAAは第1負極合材層のみに含まれている。ここで、第1負極合材層は負極合材層全体と比較して30%の厚みしか有さない。したがって、第1負極合材層内において酸化珪素とPAAとが近接して存在しており、多くの酸化珪素とPAAとが結着したものと考えられる。対して実施例2および3においては、酸化珪素とPAAは単層の負極合材層全体に含まれているため、酸化珪素とPAAとが実施例1と比較して離間して存在していたものと考えられる。そのため、PAAと結着しなかった酸化珪素が孤立し、実施例1と比較してサイクル耐久性が劣ったものと考えられる。
実施例2は、酸化珪素5重量部に対してPAAを2.5重量部しか含まないが、酸化珪素5重量部に対してPAAを10.5重量部含む比較例2および3よりもサイクル耐久性の低下が抑制されていた。この結果から、酸化珪素およびPAAを局在させることにより、酸化珪素に対するPAAの絶対量が少なくても、充放電時における酸化珪素の膨張および収縮に対してPAAが追従し、サイクル耐久性の低下が抑制されることが期待される。
比較例4は、PAAが負極合材層に含まれているため比較例1と比べてサイクル耐久性は改善しているものの、比較例1と比べて初期IV抵抗値が増加した。
実施例1〜3は比較例1と比較して、初期IV抵抗が優れていた。実施例4についても、第1負極合材層におけるPAAの含有量が13.5重量部であるにも関わらず、PAAを含有しない比較例1と遜色がない初期抵抗を有することが示された。黒鉛を含み、かつ酸化珪素およびPAAを含まない第2負極合材層が負極合材層に含まれることにより、電池抵抗の増加が抑制されたと考えられる。
上記の実施形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記の説明ではなくて、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 正極、20 負極、21 負極合材層、 22 集電箔、23 第1負極合材層、24 第2負極合材層、25 黒鉛、26 酸化珪素、27 PAA(ポリアクリル酸)、30 セパレータ、50 電極群、80 電池ケース、100 電池。

Claims (1)

  1. 集電箔と、
    負極合材層とを備え、
    前記負極合材層は、第1負極合材層および第2負極合材層を含み、
    前記第1負極合材層は、前記集電箔上に配置され、
    前記第2負極合材層は、前記第1負極合材層上に配置され、
    前記第1負極合材層は、黒鉛、酸化珪素およびポリアクリル酸を含み、
    前記第2負極合材層は、黒鉛を含み、かつ酸化珪素およびポリアクリル酸を含まない、
    リチウムイオン二次電池用負極。
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