JP2013077398A - 非水電解質二次電池用負極および非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用負極および非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】低コストで且つ容量が大きく、電池内部圧力の増加を抑制できる非水電解質二次電池用負極を提供する。
【解決手段】本発明の非水電解質二次電池用負極は、負極集電体23と、負極集電体の表面に支持された負極活物質を含む負極層とを備え、負極層は、負極層の表面に存する第1層22と、第1層と負極集電体との間に存する第2層21とを少なくとも備えており、第1層は、負極活物質としてリチウムチタン複合酸化物を主として含んでおり、第2層は、負極活物質として炭素材料とSiOx(0<x<2)とを含んでいる。
【選択図】図2

Description

本発明は、非水電解質二次電池用負極および非水電解質二次電池に関するものである。
近年、携帯型の電子機器、通信機器等の著しい発展に伴い、経済性と機器の小型化、軽量化の観点から、高エネルギー密度の二次電池が強く要望されている。
従来、この種の二次電池の高容量化策として、例えば、負極材料にV、Si、B、Zr、Snなどの酸化物及びそれらの複合酸化物を用いる方法、溶融急冷した金属酸化物を負極材として適用する方法、負極材料に酸化珪素を用いる方法、負極材料にSiO及びGeOを用いる方法等が知られている。また、負極材に導電性を付与する目的として、SiOを黒鉛とメカニカルアロイング後、炭化処理する方法、Si粒子表面に化学蒸着法により炭素層を被覆する方法、酸化珪素粒子表面に化学蒸着法により炭素層を被覆する方法など、多数の方法が検討されてきた(例えば、特許文献1,2)。
特開平6−325765号公報 特開2004−47404号公報 特開2010−537389号公報 特開2010−97720号公報
けれども、上記従来の方法では、充放電容量が上がり、エネルギー密度が高くなるものの、サイクル性が不十分であったり、市場の要求特性には未だ不十分であったりし、必ずしも満足でき得るものではなく、更なるエネルギー密度の向上が望まれていた。
特に、特許文献1では、酸化珪素をリチウムイオン二次電池負極材として用い、高容量の電極を得ているが、特許文献1に開示されている通りの方法だけでは、未だ初回充放電時における不可逆容量が大きかったり、サイクル性が実用レベルに達していなかったりしていた。
すなわちリチウムイオン二次電池用負極活物質として珪素及び無定形である酸化珪素(SiOx)はその容量が大きいということで大きな関心を持たれているが、繰り返し充放電をしたときの劣化が大きい、つまりサイクル性に劣ること、また、特に初期効率が低いことから、ごく一部のものを除き実用化には至っていないのが現状であった。
また特許文献2には、サイクル性及び初期効率の改善を目標に検討した結果、酸化珪素粉末にCVD(即ち、化学蒸着)処理を施すことによって、従来のものと比較して格段にその性能が向上することを見出し、さらに、表面の少なくとも一部に導電性を賦与するための炭素を融着させることによって、リチウムイオン二次電池負極活物質として安定して大容量の充放電容量を有し、かつ充放電のサイクル性及び効率を大幅に向上させることが出来得ると記載されている。
しかしながら、特許文献2に開示された技術では、珪素の微結晶が珪素酸化物に分散した構造を有する表面を炭素でコーティングした特殊な物質を負極活物質に用いるので、コストが増大してしまい、コストの増大する割には電池特性の向上度合いはそれほど大きくないという問題があった。また、充放電を何度も繰り返すとガスが発生して電池内部の圧力が増大していくという問題も発生した。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、低コストで且つ容量が大きく、電池内部圧力の増加を抑制できる非水電解質二次電池用負極を提供することにある。
本発明の非水電解質二次電池用負極は、負極集電体と、前記負極集電体の表面に支持された負極活物質を含む負極層とを備え、前記負極層は、該負極層の表面に存する第1層と、該第1層と前記負極集電体との間に存する第2層とを少なくとも備えており、前記第1層は、負極活物質としてリチウムチタン複合酸化物を主として含んでおり、前記第2層は、負極活物質として炭素材料とSiOx(0<x<2)とを含んでいる構成である。ここで、第1層が、負極活物質としてリチウムチタン複合酸化物を主として含んでいるというのは、第1層に含まれている負極活物質の50%以上はリチウムチタン複合酸化物ということである。
前記第2層の層厚みは、前記第1層の層厚みの6倍以上25倍以下であることが好ましい。
前記第1層に含まれている前記リチウムチタン複合酸化物のBET比表面積は、0.3m/g以上10m/g以下であることが好ましい。
前記第1層には導電材が含まれており、前記導電材は、前記第1層に含まれている前記リチウムチタン複合酸化物に対して、1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
前記第2層に含まれている前記SiOxは、前記第2層に含まれている前記炭素材料に対して1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池は、上記の非水電解質二次電池用負極と、正極と、セパレータと、非水電解質とを備えている。
本発明の負極は、表面の第1層にリチウムチタン複合酸化物を主として含み、その下の第2層に炭素材料と酸化珪素とを含んでいるので、高い電池容量であって且つ電池内部圧力の増加を抑制することができる。
実施形態に係る非水電解質二次電池の模式的な断面図である。 実施形態に係る負極の模式的な断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の図面においては、説明の簡潔化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。
(実施形態1)
<電池>
図1は、実施形態1における電池100の構成を模式的に示した断面図である。
本実施形態の電池100は、図1に示すように円柱形の二次電池であり、具体的にはリチウムイオン二次電池である。このリチウムイオン二次電池は、内部短絡等の発生により電池内の圧力が上昇したとき、ガスを電池外に放出する安全機構を備えている。以下、図1を参照しながら、本実施形態の電池100の具体的な構成を説明する。
図1に示すように、電池100においては、正極(正極板)2と負極(負極板)1とがセパレータ3を介して捲回された極板群4が、非水電解質の液とともに、有底円筒形の電池ケース7に収容されている。なお非水電解質の大半は極板群4にしみ込んでいる状態であるため、図示を省略している。正極2は、シート状の正極集電体の表面に正極層を載せた構成を有しており、正極層には正極活物質が含まれている。負極1は、シート状の負極集電体の表面に負極層を載せた構成を有しており、負極層には負極活物質が含まれている。そしてセパレータ3は多孔質絶縁体からなっている。
電極群4の上下には、絶縁板9、10が配され、正極2は、正極リード5を介してフィルタ12に接合され、負極1は、負極リード6を介して負極端子を兼ねる電池ケース7の底部に接合されている。
フィルタ12は、インナーキャップ13に接続され、インナーキャップ13の突起部は、金属製の弁板14に接合されている。さらに、弁板14は、正極端子を兼ねる端子板8に接続されている。そして、端子板8、弁板14、インナーキャップ13、及びフィルタ12が一体となって、ガスケット11を介して、電池ケース7の開口部を封口している。図1においては、円筒形の上面側に正極端子が、下面側に負極端子が配置されている。
電池100内部において何らかの原因でガスが発生して、電池100内の圧力が上昇すると、弁体14が端子板8に向かって膨れ、インナーキャップ13と弁体14との接合がはずれると、電流経路が遮断される。さらに電池100内の圧力が上昇すると、弁体14が破断する。これによって、電池100内に発生したガスは、フィルタ12の貫通孔12a、インナーキャップ13の貫通孔13a、弁体14の裂け目、そして、端子板8の開放部8aを介して、外部へ排出される。
なお、電池100内に発生したガスを外部に排出する安全機構は、図1に示した構造に限定されず、他の構造のものであってもよい。
<負極>
図2は本実施形態の負極1の模式的な断面図である。負極1は、シート状の負極集電体23と、負極集電体23の上に形成された第2の負極活物質を含む第2層21と、第2層21の上に形成された第1の負極活物質を含む第1層22とからなっており、第1層22と第2層21とを合わせて負極層となっている。
負極層は、第2の負極活物質、第2の結着材、必要に応じて用いられる第2の導電材、増粘剤等の添加剤を溶媒の存在下で所定の配合比で混合することにより得られる第2の負極合剤ペーストを負極集電体の表面に対して塗布することにより塗膜を形成して乾燥させて第2層21を形成し、その後、第1の負極活物質、第1の結着材、第1の導電材、必要に応じて用いられる増粘剤等の添加剤を溶媒の存在下で所定の配合比で混合することにより得られる第1の負極合剤ペーストを第2層21の表面に塗布することにより塗膜を形成して乾燥させて第1層22を形成し、さらに圧延することにより形成される。
負極層の最表層である第1層22は負極活物質(第1の負極活物質)としてリチウムチタン複合酸化物であるLiTi12を含み、導電材としてカーボンブラックを、結着材としてポリテトラフルオロエチレンを含んでいる。なお、第1層22に含まれる負極活物質(第1の負極活物質)はリチウムチタン複合酸化物のみとしている。
第2層21は、負極活物質(第2の負極活物質)として炭素材料である黒鉛と、酸化珪素:SiOx(0<x<2)とを含んでいる。
第2層21に含まれる酸化珪素は黒鉛に比べて単位重量当たりのリチウムイオンの吸蔵及び放出量が大きくため、酸化珪素を負極活物質として使用すると充放電容量が大きくなる。しかしながら酸化珪素は繰り返し充放電を行うと、リチウムイオンの吸脱着時の膨張・収縮が大きいことにより割れてしまい微細化するため、酸化珪素を負極とするとサイクル特性が劣ってしまう。従って実用的には炭素系材料と酸化珪素とを混合して負極とすることが好ましいが、この場合でもやはり酸化珪素が微細化してしまい、表面積が大きくなった酸化珪素が非水電解質を分解してしまう。この分解物が正極においてCOガスとなるため、充放電を繰り返すと電池内圧が大きくなってしまう。
電池内圧が大きくなってもガスを外部に排出する安全機構を上述の通り電池100が備えているため、電池の破裂などには至らないが、寿命の短い電池となってしまう。
本願発明者らはこの問題を解決すべく様々検討を行ったところ、負極を複層構成にして最表層は負極活物質としてリチウムチタン複合酸化物を主として含む層とし、黒鉛と酸化珪素との混合物を負極活物質とする層を下側に配置させるとガスの発生が抑制されて電池寿命が延びることを見出した。
本実施形態の構成によりガスの発生が抑制されて電池寿命が延びる理由は、いくつか推定できる。まず、正極において発生するCOガスをリチウムチタン複合酸化物が吸着するため、電池内圧の上昇が抑制されることを本願発明者らは見出した。このことは従来知られておらず、本願発明者らがはじめて見出したことである。そして、負極の最表層がリチウムチタン複合酸化物を主として含む層であることでCOガスの吸着が速やかに行われるというメリットがある。また、吸着されたCOガスは炭酸リチウムになると考えられるので、COガスの吸着によってリチウムチタン複合酸化物の負極活物質としての機能は劣化しないと考えられる。
また、最表層をリチウムチタン複合酸化物を主として含む層とすることにより、表面に黒鉛と酸化珪素の層が剥き出しになっている場合に比べて、非水電解質の酸化珪素に接触する量が少なくなることが考えられる。このため本実施形態の構成では、表面に黒鉛と酸化珪素の層が剥き出しになっている場合に比べて、非水電解質が分解される量が減少し、結果としてガスの発生が少なくなると推定される。リチウムチタン複合酸化物はリチウムイオンの吸脱着が起こっても膨張・収縮の量が少ないため、充放電を繰り返してもひび割れ等の新生面の発生が生じにくい。このことも、非水電解質が酸化珪素に接触する量が少なくなることに寄与している。
なお、ガスの発生を抑制して電池寿命を延ばすために負極の最表層をリチウムチタン複合酸化物を主として含む層としているが、リチウムチタン複合酸化物は負極活物質でもあるので、電池容量を犠牲にすることなく上記課題を解決することができる。
第2層21の層厚みは、第1層22の層厚みの6倍以上25倍以下であることが好ましい。6倍未満であると電池容量を十分に確保することが困難になるおそれがあり、25倍を超えるとCOガスの吸着を十分に行えないおそれがある。電池容量とCOガスの吸着との実用的なバランスを考えると、8倍以上20倍以下がより好ましい。
第2層21に含まれる酸化珪素は、炭素材料に対して1質量%以上10質量%以下が好ましい。1質量%未満であると電池容量の増加にほとんど寄与せず、10質量%を越えるとリチウムイオン吸着時に負極層が膨張しすぎるおそれがある。実用的には3質量%以上9質量%以下であるとより好ましい。
第1の負極活物質であるリチウムチタン複合酸化物は、リチウム元素、チタン元素、及び酸素元素を含むいかなる化合物であってもよく、例えば化学式がLi3+3xTi6−3x−3y12であるリチウムとチタンとを含む複合酸化物である。ここで、xとyとはモル比を表し、0≦x≦1/3、0≦y≦0.25であり、MはFe、Al、Ca、Co、B、Cr、Ni、Mg、Zr、Ga、V、Mn及びZnからなる群より選択される一つ以上の元素である。なお、第1層22にはリチウムチタン複合酸化物以外の負極活物質が混合されていてもよいが、第1層22に含まれる負極活物質のうちリチウムチタン複合酸化物以外の負極活物質は50質量%未満である。第1層22に含まれる負極活物質のうち、リチウムチタン複合酸化物は90質量%以上であることが好ましい。
また、第1層22に含まれるリチウムチタン複合酸化物のBET比表面積は、0.3m/g以上10m/g以下であることが好ましい。0.3m/g未満であるとCOガスの吸収が不十分となるおそれがあり、10m/gを越えると電極製作が困難となるおそれがある。
第2の負極活物質としては、上述のように炭素材料と酸化珪素SiOx(0<x<2)との混合物が用いられる。炭素材料は、天然黒鉛(鱗片状黒鉛など)や人造黒鉛などの黒鉛系材料、アセチレンブラック,ケッチェンブラック,チャンネルブラック,ファーネスブラック,ランプブラック,及びサーマルブラックなどのカーボンブラック、炭素繊維等を挙げることができる。また、更に別の負極活物質、例えば金属リチウム、リチウム合金、金属間化合物、有機化合物、無機化合物、金属錯体、有機高分子化合物などを40質量%以下の割合で混合してもよい。SiOx(0<x<2)は、SiとSiOとを混合し、昇華させることで合成する。xは0.05よりも大きく1よりも小さいことが好ましい。この酸化珪素は平均粒径が1μm以上20μm以下の粒子であることが好ましく、さらに炭素材料(天然黒鉛(鱗片状黒鉛など)や人造黒鉛などの黒鉛系材料、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック及びサーマルブラックなどのカーボンブラック、炭素繊維など)を被覆したものを用いてもよい。
負極集電体の材料としては、従来からリチウムイオン電池の集電体として用いられているものを用いることができる。具体例としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、銅、チタン、またはそれらを主成分とする合金などからなる箔やシートが挙げられるが、負極集電体としては銅または銅系合金が好ましく用いられる。
負極活物質の配合割合としては、負極層の全体に対して、50〜99.5質量%、さらには80〜99質量%、とくには、90〜99質量%の範囲であることが好ましい。
負極の結着材としては、リチウムイオン二次電池の負極の結着材として用いられている公知の材料を用いることができる。具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、変性スチレン−ブタジエンゴム等が挙げられるが、本実施形態ではポリテトラフルオロエチレンを用いている。
負極の結着材の配合割合としては、負極層の全体に対して、1〜10質量%、さらには1〜7質量%、とくには、1〜5質量%の範囲であることが好ましい。
必要に応じて用いられる導電材としては、天然黒鉛(鱗片状黒鉛など)、人造黒鉛などの黒鉛類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類、炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維類、アルミニウム等の金属粉末類、酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー類、酸化チタンなどの導電性金属酸化物、ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料、フッ化カーボンなどが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。導電材の配合割合は、負極層の全体に含有される負極活物質の量に対して、0〜25質量%、さらには、0〜10質量%、とくには、0〜5質量%の範囲であることが好ましい。特に第1層22では導電材の配合割合は、第1層22に含まれるリチウムチタン複合酸化物に対して1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。1質量%未満では第1層22の導電性が不十分となるおそれがあり、10質量%以上ではCOガスの吸着が不十分となるおそれがある。
<負極以外の構成材料>
正極集電体の材料としては、従来からリチウムイオン電池の集電体として用いられているものを用いることができる。具体例としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、銅、チタン、またはそれらを主成分とする合金などからなる箔やシートが挙げられる。なかでも、アルミニウムまたはアルミニウム系合金が好ましく用いられる。
正極層は、例えば、正極活物質、導電材、結着材、必要に応じて用いられる増粘剤等の添加剤を溶媒の存在下で所定の配合比で混合することにより得られる正極合剤ペーストを正極集電体の表面に塗布することにより塗膜を形成し、塗膜を加熱乾燥及び圧延することにより形成される。
正極活物質としては、リチウムイオン二次電池の正極活物質として公知である材料を用いることができる。具体例としては、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウムのようなリチウム含有遷移金属複合酸化物、LiFePOのようなオリビン型リチウム塩、二硫化チタン、二硫化モリブデンのようなカルコゲン化合物、二酸化マンガンなどが挙げられる。リチウム含有遷移金属複合酸化物は、リチウムと遷移金属とを含む金属複合酸化物または該金属複合酸化物中の遷移金属の一部が異種元素によって置換された金属酸化物である。ここで、異種元素としては、たとえば、Na、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、Sb、Bなどが挙げられ、Mn、Al、Co、Ni、Mgなどが好ましい。異種元素は1種でもよくまたは2種以上でもよい。
正極活物質の配合割合は、正極層の全体に対して、50〜99.5質量%、さらには80〜99質量%、とくには、90〜99質量%の範囲であることが好ましい。
導電材としては、リチウムイオン二次電池の導電材として用いられている公知の材料を用いることができる。具体例としては、天然黒鉛(鱗片状黒鉛など)、人造黒鉛などの黒鉛類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類、炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維類、アルミニウム等の金属粉末類、酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー類、酸化チタンなどの導電性金属酸化物、ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料、フッ化カーボンなどが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電材の配合割合は、正極層の全体に含有される正極活物質の量に対して、1〜50質量%、さらには、1〜30質量%、とくには、2〜15質量%の範囲であることが好ましい。
正極の結着材としては、リチウムイオン二次電池の正極の結着材として用いられている公知の材料を用いることができる。具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂、等が挙げられる。フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
結着材の配合割合は、正極層の全体に対して、1〜10質量%、さらには1〜7質量%、とくには、1〜5質量%の範囲であることが好ましい。
また、必要に応じて用いられる増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリエチレンオキシド、可溶性変性アクリロニトリルゴム(日本ゼオン(株)製の「BM−720H(商品名)」など)等が挙げられる。
溶媒の具体例としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、エタノール、メタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、脱イオン水、などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
正極合剤ペーストは、上記各成分を混合した後、公知の混練方法により混練することにより調製される。
電池ケース7としては、例えば、アルミニウム製のケース、内面がニッケルメッキされた鉄製のケース等を用いることができるが、強度とコストとを考えると鉄製のケースが好ましく、本実施形態では鉄製のケースとしている。本実施形態では電池ケース7は有底円筒形であるが、電池ケースの形状は円筒型、角柱型など、筒型であればいずれの形状であってもよい。極板群の横断面は、電池ケースの形状にあわせて、円形、楕円形等の形状が選択される。
非水電解質の液としては、リチウム塩を溶解した非水溶媒が好ましく用いられる。非水溶媒の具体例としては、エチレンカーボネ−ト(EC)、プロピレンカ−ボネ−ト(PC)、ブチレンカーボネート(BC)などの環状カーボネート類;ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)などの鎖状カーボネート類;ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン類;1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,2−ジエトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)等の鎖状エーテル類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル類;ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
非水溶媒に溶解するリチウム塩の具体例としては、LiClO、LiBF、LiPF、LiAlCl、LiSbF、LiSCN、LiCl、LiCFSO、LiCFCO、Li(CFSO、LiAsF、LiN(CFSO、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウム、リチウムイミド塩等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。リチウム塩の非水溶媒に対する溶解量は、特に限定されないが、0.2〜2mol/L、さらには、0.5〜1.5mol/Lであることが好ましい。
また、非水電解質の液には、電池の充放電特性を改良する目的で、種々の添加剤をさらに添加してもよい。このような添加剤の具体例としては、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、フォスファゼンおよびフルオロベンゼン、トリエチルフォスファイト、トリエタノールアミン、環状エーテル、エチレンジアミン、n−グライム、ピリジン、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン誘導体、クラウンエーテル類、第四級アンモニウム塩、エチレングリコールジアルキルエーテル等が挙げられる。これらの添加剤は、非水電解液の0.5〜10質量%程度配合されることが好ましい。
セパレータとしては、リチウムイオン二次電池に用いられている公知の絶縁性の微多孔性シートを用いることができる。微多孔性薄膜は、一定温度以上で孔を閉塞し、抵抗を上昇させる機能を持つことが好ましい。微多孔性薄膜の材質は、耐有機溶剤性に優れ、疎水性を有するポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィンが好ましく用いられる。また、ガラス繊維などから作製されたシート、不織布、織布なども用いることができる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態は本願発明の例示であって、本願発明はこれらの例に限定されず、これらの例に周知技術や慣用技術、公知技術を組み合わせたり、一部置き換えたりしてもよい。また当業者であれば容易に思いつく改変発明も本願発明に含まれる。
電池の形状は円柱形に限らない。角柱型や、プラスチックフィルムにラミネートされた不定形の電池であってもよい。
負極は3層以上からなっていてもよい。また負極層の作成では、第1層と第2層とを別々に塗布してもよいし、同時に塗布してもよい。
以上説明したように、本発明に係る負極は、電池の長寿命化の効果を有し、非水電解質二次電池用等として有用である。
1 負極
2 正極
3 セパレータ
21 第2層
22 第1層
23 負極集電体

Claims (6)

  1. 負極集電体と、前記負極集電体の表面に支持された負極活物質を含む負極層とを備え、
    前記負極層は、該負極層の表面に存する第1層と、該第1層と前記負極集電体との間に存する第2層とを少なくとも備えており、
    前記第1層は、負極活物質としてリチウムチタン複合酸化物を主として含んでおり、
    前記第2層は、負極活物質として炭素材料とSiOx(0<x<2)とを含んでいる、非水電解質二次電池用負極。
  2. 前記第2層の層厚みは、前記第1層の層厚みの6倍以上25倍以下である、請求項1に記載されている非水電解質二次電池用負極。
  3. 前記第1層に含まれている前記リチウムチタン複合酸化物のBET比表面積は、0.3m/g以上10m/g以下である、請求項2に記載されている非水電解質二次電池用負極。
  4. 前記第1層には導電材が含まれており、
    前記導電材は、前記第1層に含まれている前記リチウムチタン複合酸化物に対して、1質量%以上10質量%以下である、請求項3に記載されている非水電解質二次電池用負極。
  5. 前記第2層に含まれている前記SiOxは、前記第2層に含まれている前記炭素材料に対して1質量%以上10質量%以下である、請求項4に記載されている非水電解質二次電池用負極。
  6. 請求項1から5のいずれか一つに記載されている非水電解質二次電池用負極と、正極と、セパレータと、非水電解質とを備えた、非水電解質二次電池。
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