JP2018180422A - 撮像装置 - Google Patents

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恭子 飯島
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Abstract

【課題】小型でありながら、広い撮影範囲を高い解像度で撮影が可能な撮像装置を提供すること。
【解決手段】撮像装置は、明るさ絞りと、複数のレンズ成分と、を有する結像光学系と、結像光学系に向けて凹状に湾曲した非平面の受光面を有する撮像部と、を有し、レンズ成分は、光軸上にて空気に接触する面が物体側面と像側面の2面のみのレンズであり、結像光学系は、物体側から像側に順に、負の屈折力を有する第1レンズ成分と、正の屈折力を有する第2レンズ成分と、正の屈折力を有する第3レンズ成分と、からなり、第1レンズ成分の形状は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状であり、第3レンズ成分の形状は、両凸形状であり、以下の条件式(1)、(2)を満足する。
0.7<|PS×Rimg|<1.5 (1)
0.7<|θout90/θimg90|<1.5 (2)
【選択図】図1

Description

本発明は、撮像装置に関するものである。
広い画角を有し、湾曲した像を形成する光学系が、特許文献1と特許文献2に開示されている。
特許文献1と特許文献2には、負の屈折力を有する第1レンズ成分と、正の屈折力を有する第2レンズ成分と、正の屈折力を有する第3レンズ成分からなる光学系が開示されている。この光学系では、像面は湾曲している。
特開2013−025202号公報(実施例6) 国際公開第2012/090729号(実施例4)
特許文献1の光学系と特許文献2の光学系は、画角が十分に広いとは言い難い。よって、これらの光学系を用いた撮像装置では、装置を小型化することや、広い撮影範囲を高い解像度で撮影することは難しい。
また、特許文献2の光学系は、Fナンバーが大きい。そのため、分解能の高い像を得ることが困難である。この場合、画素ピッチが狭い撮像素子で像の撮像を行っても、高い解像度の画像を取得できない。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、小型でありながら、広い撮影範囲を高い解像度で撮影が可能な撮像装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る撮像装置は、
軸上光束を決める明るさ絞りと、複数のレンズ成分と、を有する結像光学系と、
結像光学系の像側に配置され、結像光学系に向けて凹状に湾曲した非平面の受光面を有する撮像部と、を有し、
レンズ成分は、光軸上にて空気に接触する面が物体側面と像側面の2面のみのレンズであり、
結像光学系は、物体側から像側に順に、負の屈折力を有する第1レンズ成分と、正の屈折力を有する第2レンズ成分と、正の屈折力を有する第3レンズ成分と、からなり、
第1レンズ成分の形状は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状であり、
第3レンズ成分の形状は、両凸形状であり、
以下の条件式(1)、(2)を満足することを特徴とする。
0.7<|PS×Rimg|<1.5 (1)
0.7<|θout90/θimg90|<1.5 (2)
ここで、
PSは、結像光学系のペッツバール和であり、
ペッツバール和PSは、以下の式で表され、
Figure 2018180422
ここで、
iは、結像光学系中の各レンズ成分の物体側からの順番、
kは、結像光学系中のレンズ成分の総数、
は、i番目のレンズ成分のd線での屈折率、
は、i番目のレンズ成分のd線での焦点距離、
Rimgは、光軸と受光面とが交わる点を面頂点とし、面頂点と、結像光学系に最大画角で入射する主光線と受光面とが交わる点と、を含む仮想球面の曲率半径、
θout90は、第3レンズ成分の像側面から射出した所定の主光線と光軸とのなす角度、
θimg90は、所定の2点を通過する直線と光軸とのなす角度、
所定の主光線は、第1レンズ成分の物体側の空間において、光軸とのなす角度が90°となる主光線、
所定の2点は、第3レンズ成分の像側面から射出した所定の主光線と仮想球面との交点と、仮想球面の曲率中心、
である。
本発明によれば、小型でありながら、広い撮影範囲を高い解像度で撮影が可能な撮像装置を提供することができる。
実施例1に係る結像光学系の断面図と収差図である。 実施例2に係る結像光学系の断面図と収差図である。 実施例3に係る結像光学系の断面図と収差図である。 実施例4に係る結像光学系の断面図と収差図である。 実施例5に係る結像光学系の断面図である。 カプセル内視鏡の概略構成を示す図である。 車載カメラを示す図である。 内視鏡システムの概略構成を示す図である。 内視鏡の光学系の構成を示す図である。
実施例の説明に先立ち、本発明のある態様にかかる実施形態の作用効果を説明する。なお、本実施形態の作用効果を具体的に説明するに際しては、具体的な例を示して説明することになる。しかし、後述する実施例の場合と同様に、それらの例示される態様はあくまでも本発明に含まれる態様のうちの一部に過ぎず、その態様には数多くのバリエーションが存在する。したがって、本発明は例示される態様に限定されるものではない。
本実施形態の撮像装置は、軸上光束を決める明るさ絞りと、複数のレンズ成分と、を有する結像光学系と、結像光学系の像側に配置され、結像光学系に向けて凹状に湾曲した非平面の受光面を有する撮像部と、を有し、レンズ成分は、光軸上にて空気に接触する面が物体側面と像側面の2面のみのレンズであり、結像光学系は、物体側から像側に順に、負の屈折力を有する第1レンズ成分と、正の屈折力を有する第2レンズ成分と、正の屈折力を有する第3レンズ成分と、からなり、第1レンズ成分の形状は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状であり、第3レンズ成分の形状は、両凸形状であり、以下の条件式(1)、(2)を満足することを特徴とする。
0.7<|PS×Rimg|<1.5 (1)
0.7<|θout90/θimg90|<1.5 (2)
ここで、
PSは、結像光学系のペッツバール和であり、
ペッツバール和PSは、以下の式で表され、
Figure 2018180422
ここで、
iは、結像光学系中の各レンズ成分の物体側からの順番、
kは、結像光学系中のレンズ成分の総数、
は、i番目のレンズ成分のd線での屈折率、
は、i番目のレンズ成分のd線での焦点距離、
Rimgは、光軸と受光面とが交わる点を面頂点とし、面頂点と、結像光学系に最大画角で入射する主光線と受光面とが交わる点と、を含む仮想球面の曲率半径、
θout90は、第3レンズ成分の像側面から射出した所定の主光線と光軸とのなす角度、
θimg90は、所定の2点を通過する直線と光軸とのなす角度、
所定の主光線は、第1レンズ成分の物体側の空間において、光軸とのなす角度が90°となる主光線、
所定の2点は、第3レンズ成分の像側面から射出した所定の主光線と仮想球面との交点と、仮想球面の曲率中心、
である。
本実施形態の撮像装置は、小型でありながら、広い撮影範囲を高い解像度で撮影することができる。そのために、本実施形態の撮像装置では、撮像装置に用いられる結像光学系を、小型でありながら、広い画角と小さいFナンバーを有すると共に、良好な像が結像できるようにしている。良好な像とは、中心部から周辺部まで収差が良好に補正された光学像のことである。
本実施形態の撮像装置では、結像光学系は、明るさ絞りと、複数のレンズ成分と、を有する。明るさ絞りは、軸上光束を決める絞りである。レンズ成分は、光軸上にて空気に接触する面が物体側面と像側面の2面のみのレンズである。
上述のように、レンズ成分は、空気に接触する面として、物体側面と像側面を有する。以下の説明では、空気に接触する2つの面のうちの物体側面を、物体側のレンズ面としている。物体側のレンズ面は、レンズ成分において最も物体側に位置している。また、空気に接触する2つの面のうちの像側面を、像側のレンズ面としている。像側のレンズ面は、レンズ成分において最も像側に位置している。
結像光学系の像側には、撮像部が配置されている。撮像部は、結像光学系に向けて凹状に湾曲した非平面の受光面を有する。受光面に形成される像は、物体側に凹状に湾曲している。
全体的に又は部分的に物体側に凹状に湾曲した像(以下、「湾曲像」という)を形成する光学系では、像面湾曲の発生をある程度許容できる。よって、湾曲像を形成する光学系では、平坦な像を形成する光学系に比べて、収差補正の負担が軽減される。
例えば、湾曲像を形成する光学系では、ペッツバール和を補正するためのレンズを削減できる。そのため、光学系を小型化できる。
また、平坦な像を形成する光学系では、像面湾曲を良好に補正するために、明るさ絞りから離れた位置に補正用のレンズを配置する必要がある。但し、補正用のレンズを配置すると、光学系の外径が大きくなり、さらにレンズ成分の数が増える。このように、補正用のレンズは、光学系の外径を大きくする要因の一つである。
これに対して、湾曲像を形成する光学系では、補正用のレンズを配置する必要が無くなる。よって、湾曲像を形成する光学系では、光学系の外径を小さくすることができる。
また、周辺光量比、すなわち、中心領域の光量に対する周辺領域の光量の比については、比率の低下が抑制される。また、ディストーションについては、更なる発生が抑制される。
更には、湾曲した撮像面をもつ撮像素子で光学系の像を受光する場合には、撮像面へ入射する光線をほぼ垂直にするためにテレセントリックな光学系としなくてもよい。よって、湾曲像を形成する光学系では、小型化と光学性能の両立のための設計の自由度が広がる。
本実施形態の撮像装置における結像光学系も、湾曲像を形成する光学系である。よって、レンズ成分の数を減らし、光学系を小型化することができる。更に、設計の自由度が広がるため、広い画角、例えば、180度以上の画角を確保しつつ、高い結像性能を有する光学系を実現することができる。
本実施形態の撮像装置では、結像光学系は、物体側から像側に順に、負の屈折力を有する第1レンズ成分と、正の屈折力を有する第2レンズ成分と、正の屈折力を有する第3レンズ成分と、からなる。このようにすることで、広い画角と小さいFナンバーを有する結像光学系であっても、良好な結像性能を確保することができる。また、結像光学系が小型になるので、撮像装置を小型化することができる。
第1レンズ成分は負の屈折力を有する。このようにすることで、例えば、画角が180度以上であっても、撮像範囲の中心部から周辺部まで良好な結像性能を確保することができる。
第1レンズ成分の形状は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状になっている。これにより、物体側のレンズ面へ入射する光線とレンズ面の法線とのなす角を、小さくすることができる。その結果、コマ収差の発生、非点収差の発生及び歪曲収差の発生を抑えることができる。
第3レンズ成分に入射した光は、第3レンズ成分で屈折される。このとき、光が発散する方向に屈折すると、球面収差やコマ収差が、より発生しやすくなる。
第3レンズ成分は、正の屈折力を有している。また、第3レンズ成分の形状は、両凸形状になっている。このようにすることで、第3レンズ成分に入射した光を、収斂する方向に屈折させることができる。その結果、球面収差の発生やコマ収差の発生を抑えることができる。
このように、本実施形態の撮像装置における結像光学系では、負の屈折力を有する第1レンズ成分に、物体側に凸面を向けたメニスカス形状のレンズ成分が用いられ、正の屈折力を有する第3レンズ成分に、両凸形状のレンズ成分が用いられている。そのため、結像光学系を広画角で明るい光学系にしても、撮像範囲の中心部から周辺部まで良好な結像性能を確保することができる。広画角で明るい光学系とは、広い画角と小さいFナンバーを有する光学系であって、例えば、Fナンバーが3.5以下で、且つ、全画角が180度以上の光学系である。
条件式(1)を満足するように結像光学系を構成することで、結像光学系で発生する像面湾曲の湾曲量を、受光面の湾曲量とほぼ同じにすることができる。そのため、像面湾曲の影響を抑えることができる。その結果、撮像装置の結像光学系を、広画角で明るい光学系にすることができる。また、小型で、且つ、高画質な画像を取得できる撮像装置を実現することができる。
条件式(1)を満足しない場合、結像光学系で発生する像面湾曲の湾曲量と受光面の湾曲量との差が、大きくなり過ぎてしまう。そのため、像面湾曲の影響が大きくなる。その結果、撮像で取得した画像で、画質劣化が発生する。
像面湾曲の影響を抑えるためには、例えば、レンズの枚数を増やす必要がある。この場合、広画角で明るい光学系を3つのレンズ成分で構成することが困難になる。
条件式(2)を満足するように結像光学系を構成することで、各像高の主光線において、メリジオナル方向の曲率とサジタル方向の曲率とをほぼ一致させることができる。そのため、非点収差の発生を抑えることができる。その結果、撮像装置の結像光学系を、広画角で明るい光学系にすることができる。また、小型で、且つ、高画質な画像を取得できる撮像装置を実現することができる。
条件式(2)を満足しない場合、各像高の主光線において、メリジオナル方向の曲率とサジタル方向の曲率との差が大きくなり過ぎてしまう。そのため、非点収差の発生量が大きくなる。
条件式(1)に代えて、以下の条件式(1−1)を満足することが好ましい。
0.8<|PS×Rimg|<1.4 (1−1)
条件式(2)に代えて、以下の条件式(2−1)を満足することが好ましい。
0.75<|θout90/θimg90|<1.3 (2−1)
θimg90の値は、以下の式で求めることができる。
θimg90=arcsin(IM90/Rimg)
ここで、
IM90は、第3レンズ成分の像側面から射出した所定の主光線と仮想球面との交点から光軸までの最短距離、
である。
上述のように、レンズ成分は、空気に接触する面として、物体側面と像側面を有する。レンズ成分の具体例としては、単レンズや接合レンズがある。接合レンズには、2つのタイプがある。1つ目のタイプの接合レンズでは、複数のレンズが接着剤で接合されている。2つ目のタイプの接合レンズでは、接着剤は使用されずにレンズ同士が直接接触している。
本実施形態の撮像装置では、明るさ絞りは、第2レンズ成分の最も像側のレンズ面から、第3レンズ成分の最も物体側のレンズ面までの間に配置されていることが好ましい。
明るさ絞りを配置する場所としては、第2レンズ成分の最も像側のレンズ面から、第3レンズ成分の最も物体側のレンズ面までの間(以下、「所定の場所」という)と、所定の場所以外の場所(以下「他の場所」という)が考えられる。他の場所としては、例えば、第1レンズ成分の最も像側のレンズ面から、第2レンズ成分の最も物体側のレンズ面までの間がある。
所定の場所に明るさ絞りを配置すると、明るさ絞りの物体側と像側に、各々、正の屈折力のレンズ成分が配置されることになる。すなわち、結像光学系が、屈折力の並びが明るさ絞りを挟んで対称になる部分を持つことになる。この場合、他の場所に明るさ絞りが配置される場合と比べると、明るさ絞りの近傍における屈折力のバランスが相対的に良くなる。その結果、軸外収差の発生、特に倍率色収差の発生を抑えることができる。
明るさ絞りを通過した光が発散する方向に屈折すると、球面収差やコマ収差が、より発生しやすくなる。明るさ絞りの像側には、第3レンズ成分が位置している。上述のように、第3レンズ成分は正の屈折力を有している。そのため、第3レンズ成分で、明るさ絞りを通過した光線を収斂する方向に屈折させることができる。その結果、球面収差の発生やコマ収差の発生を抑えることができる。
明るさ絞りの位置は、第2レンズ成分の最も像側のレンズ面上であっても、第3レンズ成分の最も物体側のレンズ面上であっても良い。
本実施形態の撮像装置は、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
0.5<fL3/fL<3.4 (3)
ここで、
fL3は、第3レンズ成分の焦点距離、
fLは、結像光学系の焦点距離、
である。
上述のように、第3レンズ成分では、屈折力は正の屈折力で、形状は両凸形状になっている。このような屈折力と形状を持つ第3レンズ成分において条件式(3)を満足することで、結像光学系を広画角で明るい光学系にしても、良好な像を結像させることができる。
条件式(3)の下限値を下回らないようにすることで、球面収差の発生量やコマ収差の発生量を抑えつつ、光学系の明るさを十分に確保することができる。光学系の明るさを十分に確保するとは、光学系のFナンバーを十分に小さくすることができる、という意味である。
条件式(3)の上限値を上回らないようにすることで、画角が小さくなり過ぎないようにすることができる。
条件式(3)に代えて、以下の条件式(3−1)を満足することが好ましい。
0.5<fL3/fL<3 (3−1)
本実施形態の撮像装置は、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
1<(R1L+R1R)/(R1L−R1R)<2.5 (4)
ここで、
R1Lは、第1レンズ成分の最も物体側のレンズ面の近軸曲率半径、
R1Rは、第1レンズ成分の最も像側のレンズ面の近軸曲率半径、
である。
上述のように、第1レンズ成分では、屈折力は負の屈折力で、形状は物体側に凸面を向けたメニスカス形状になっている。このような屈折力と形状を持つ第1レンズ成分において条件式(4)を満足することで、結像光学系を広画角で明るい光学系にしても、良好な像を結像させることができる。
条件式(4)を満足しない場合、第1レンズ成分における負の屈折力が、小さくなり過ぎてしまう。そのため、広い画角、例えば、全画角が180度以上では、良好な像を結像させることが困難になる。
条件式(4)に代えて、以下の条件式(4−1)を満足することが好ましい。
1<(R1L+R1R)/(R1L−R1R)<1.75 (4−1)
本実施形態の撮像装置は、以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
−2<(R2L+R2R)/(R2L−R2R)<0 (5)
ここで、
R2Lは、第2レンズ成分の最も物体側のレンズ面の近軸曲率半径、
R2Rは、第2レンズ成分の最も像側のレンズ面の近軸曲率半径、
である。
第2レンズ成分の最も物体側のレンズ面の形状を、物体側に凸面を向けた形状にすると、非点収差の発生を抑制することができる。第2レンズ成分の最も像側のレンズ面を、物体側に凸面を向けた形状にすると、非点収差の発生を抑制することができる。第2レンズ成分の最も像側のレンズ面を、像側に凸面を向けた形状にすると、球面収差の発生やコマ収差の発生を抑制することができる。
このように、第2レンズ成分の最も物体側のレンズ面と、第2レンズ成分の最も像側のレンズ面は、球面収差の発生、コマ収差の発生及び非点収差の発生に関与している。
条件式(5)を満足することで、第2レンズ成分の最も像側のレンズ面の曲率半径の方が、第2レンズ成分の最も物体側のレンズ面の曲率半径よりも大きくなる。その結果、球面収差の発生、コマ収差の発生及び非点収差の発生を、バランスよく抑えることができる。曲率半径の比較は、絶対値での比較である。
特に、第2レンズ成分では、屈折力は正の屈折力になっている。このような屈折力を持つ第2レンズ成分において条件式(5)を満足することで、球面収差の発生、コマ収差の発生及び非点収差の発生を抑えることができる。
条件式(5)を満足しない場合、絶対値で比較すると、第2レンズ成分の最も像側のレンズ面の曲率半径が小さくなり過ぎてしまう。そのため、球面収差の発生、コマ収差の発生及び非点収差の発生を、バランスよく抑えるのが困難になる。
上述のように、明るさ絞りは、第2レンズ成分の最も像側のレンズ面上、又は、第3レンズ成分の最も物体側のレンズ面上に位置させることができる。このようにした状態で条件式(5)を満足すると、球面収差の発生、コマ収差の発生及び非点収差の発生を、より効果的に抑えることができる。
条件式(5)に代えて、以下の条件式(5−1)を満足することが好ましい。
−1.5<(R2L+R2R)/(R2L−R2R)<−0.7 (5−1)
本実施形態の撮像装置は、以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
2.5<fL2/fL<8 (6)
ここで、
fL2は、第2レンズ成分の焦点距離、
fLは、結像光学系の焦点距離、
である。
第2レンズ成分の屈折力が大きくなり過ぎると、広い画角を確保することが困難になる。条件式(6)を満足することで、結像光学系を広画角で明るい光学系にしても、良好な像を結像させることができる。
条件式(6)の下限値を下回らないようにすることで、広い画角を確保することができ、また、コマ収差や非点収差が補正過剰にならないようにすることができる。条件式(6)の上限値を上回らないようにすることで、コマ収差や非点収差が補正不足にならないようにすることができる。
条件式(6)に代えて、以下の条件式(6−1)を満足することが好ましい。
3.5<fL2/fL<6.5 (6−1)
本実施形態の撮像装置では、第2レンズ成分及び第3レンズ成分は、各々、非球面を有することが好ましい。
第2レンズ成分と第3レンズ成分では、最も物体側のレンズ面を非球面にするか、最も像側のレンズ面を非球面にするか、又は両面を非球面にすることが好ましい。
このようにすることで、球面収差の発生、コマ収差の発生及び非点収差の発生を抑えることができる。
第1レンズ成分では、両面を球面にすることができる。但し、第1レンズ成分に非球面を用いても良い。この場合、第1レンズ成分の最も物体側のレンズ面を球面とし、第1レンズ成分の最も像側のレンズ面を非球面にすることが好ましい。第1レンズ成分の最も物体側のレンズ面も、非球面にすることができる。
本実施形態の撮像装置では、第1レンズ成分、第2レンズ成分及び第3レンズ成分は、いずれも単レンズであることが好ましい。
このようにすることで、光学系をより小型化することができる。
本実施形態の撮像装置では、更に、照明部と、結像光学系の物体側に配置されたカバー部と、を有することが好ましい。
カバー部を配置することで、被写体と結像光学系との距離が近づきすぎないように構成でき、被写体を被写界深度内とすることに有利となる。照明部を有することで、夜間撮影や、空洞内撮影にも有利となる。
本実施形態の撮像装置では、カバー部が、結像光学系と照明部の双方の物体側を覆うドーム状のカバー部であることが好ましい。
このようにすることで、被写体と照明部との距離が近づき過ぎないように構成でき、撮影画像の白とびを軽減できる。
本実施形態の撮像装置は、上記の撮像装置と、照明部と、結像光学系及び照明部の物体側に配置されたドーム状カバー部と、を有することが好ましい。
各実施形態の撮像装置は小型化に有利である。そのため、撮像装置に照明部とドーム状のカバー部を持たせることで、撮像装置をカプセル内視鏡として使用することができる。
以下に、撮像装置に用いられる結像光学系(以下、「結像光学系」という)の実施例や撮像装置の実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
断面図について説明する。図1〜4において、(a)はレンズ断面を示している。
収差図について説明する。図1〜4において、(b)は球面収差(SA)、(c)は非点収差(AS)、(d)は歪曲収差(DT)、(e)は倍率色収差(CC)を示している。非点収差(AS)は、湾曲した受光面(撮像面)からの収差量を示している。
歪曲収差については、立体射影方式を用いて算出している。立体射影方式では、理想像高Yは、以下の式(A)で表される。
Y=2×f×tan(ω/2) (A)
ここで、
Yは、立体射影方式における理想像高、
fは、焦点距離、
ωは、半画角、
である。
よって、歪曲収差は、理想像高Yと実像高yを用いて、以下の式(B)から求めることができる。
DT(%)=(y−Y)/Y×100 (B)
実施例1の結像光学系は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、両凸正レンズL2と、両凸正レンズL3と、で構成されている。
明るさ絞りSは、両凸正レンズL2と両凸正レンズL3との間に配置されている。
非球面は、両凸正レンズL2の両側面と、両凸正レンズL3の両側面と、の合計4面に設けられている。
実施例2の結像光学系は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、両凸正レンズL2と、両凸正レンズL3と、で構成されている。
明るさ絞りSは、両凸正レンズL2と両凸正レンズL3との間に配置されている。
非球面は、両凸正レンズL2の両側面と、両凸正レンズL3の両側面と、の合計4面に設けられている。
実施例3の結像光学系は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL2と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL3と、両凸正レンズL4と、で構成されている。ここで、負メニスカスレンズL3と両凸正レンズL4とが接合されている。
明るさ絞りSは、正メニスカスレンズL2と負メニスカスレンズL3との間に配置されている。
非球面は、正メニスカスレンズL2の両側面と、負メニスカスレンズL3の物体側面と、両凸正レンズL4の像側面と、の合計4面に設けられている。
実施例4の結像光学系は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、両凸正レンズL2と、両凸正レンズL3と、で構成されている。
明るさ絞りSは、両凸正レンズL2と両凸正レンズL3との間に配置されている。
非球面は、負メニスカスレンズL1の像側面と、両凸正レンズL2の両側面と、両凸正レンズL3の両側面と、の合計5面に設けられている。
実施例5の結像光学系は、図5に示すように、物体側から順に、光学部材CGと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、両凸正レンズL2と、両凸正レンズL3と、で構成されている。負メニスカスレンズL1、両凸正レンズL2、明るさ絞りS及び両凸正レンズL3で構成される光学系は、実施例1の結像光学系と同じである。
図5は、光学部材CGが配置できることを例示する概略図である。そのため、レンズの大きさや位置に対して、光学部材CGの大きさや位置は正確に描かれているわけではない。
光学部材CGは板状の部材で、物体側面と像側面は共に曲面になっている。図5では、物体側面と像側面は共に球面になっているので、光学部材CGの全体形状は、半球になっている。実施例5では、光学部材CGの肉厚、すなわち、物体側面と像側面との間隔は一定になっている。しかしながら、光学部材CGの肉厚は一定でなくても良い。
また、後述のように、光学部材CGは、負メニスカスレンズL1の物体側面から物体側に6.0mmだけ離れた位置に配置されている。しかしながら、光学部材CGは、この位置から前後にずらした位置に配置しても良い。また、光学部材CGの曲率半径及び肉厚は一例であるので、この限りではない。
光学部材CGには、光を透過する材質が用いられている。よって、被写体からの光は光学部材CGを通過して、負メニスカスレンズL1に入射する。光学部材CGは、像側面の曲率中心が入射瞳の位置と略一致するように配置されている。よって、光学部材CGによる新たな収差は、ほとんど発生しない。すなわち、実施例5の結像光学系の結像性能は、実施例1の結像光学系の結像性能と変わらない。
光学部材CGは、カバーガラスとして機能する。この場合、光学部材CGは、例えば、カプセル内視鏡の外装部に設けられた観察窓に該当する。よって、実施例5の結像光学系は、カプセル内視鏡の光学系に用いることができる。実施例1〜4の結像光学系もカプセル内視鏡の光学系に用いることができる。
以下に、上記各実施例の数値データを示す。面データにおいて、rは各レンズ面の曲率半径、dは各レンズ面間の間隔、ndは各レンズのd線の屈折率、νdは各レンズのアッベ数、*印は非球面、絞りは明るさ絞りである。
また、各種データにおいて、fは全系の焦点距離、FNO.はFナンバー、ωは半画角、IHは像高、LTLは光学系の全長である。全長は、最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの距離にバックフォーカスを加えたものである。
また、実施例5は、実施例1の結像光学系の物体側に光学部材CGを配置したものである。実施例5の面データにおいて、C1は光学部材CGの物体側面、C2は光学部材CGの像側面を示す。また、実施例5の非球面データと各種データは、実施例1の非球面データや各種データと同じであるので記載は省略する。
また、非球面形状は、光軸方向をz、光軸に直交する方向をyにとり、円錐係数をk、非球面係数をA4、A6、A8、A10、A12…としたとき、次の式で表される。
z=(y2/r)/[1+{1−(1+k)(y/r)21/2
+A4y4+A6y6+A8y8+A10y10+A12y12+…
また、非球面係数において、「e−n」(nは整数)は、10のn乗を示している。なお、これら諸元値の記号は後述の実施例の数値データにおいても共通である。
数値実施例1
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 12.000 0.30 1.88300 40.76
2 1.727 1.13
3* 2.028 2.21 1.61441 25.11
4* -21.498 0.71
5(絞り) ∞ 0.10
6* 0.797 1.10 1.52550 55.20
7* -0.656 0.05
8 ∞ 0.30 1.51633 64.14
9 ∞ 0.20
10(像面) -1.419

非球面データ
第3面
k=0.000
A4=1.23130e-02,A6=-1.91427e-02,A8=1.49350e-03
第4面
k=0.000
A4=-6.38357e-02,A6=1.53933e-02
第6面
k=0.000
A4=-4.10690e-01,A6=5.39893e-01
第7面
k=0.000
A4=2.18638e+00,A6=-7.75462e+00,A8=1.82742e+01

各種データ
f 0.65
FNO. 3.03
2ω 190.00
IH 0.73
LTL (in air) 6.10
数値実施例2
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 9.457 0.30 1.88300 40.76
2 1.812 1.34
3* 2.076 2.02 1.61441 25.11
4* -45.362 0.69
5(絞り) ∞ 0.10
6* 0.810 1.10 1.52550 55.20
7* -0.676 0.05
8 ∞ 0.30 1.51633 64.14
9 ∞ 0.20
10(像面) -1.433

非球面データ
第3面
k=0.000
A4=9.81846e-03,A6=-2.04754e-02,A8=-2.01513e-03
第4面
k=0.000
A4=-9.55477e-02,A6=2.17816e-02
第6面
k=0.000
A4=-4.10206e-01,A6=5.88124e-01
第7面
k=0.000
A4=2.22004e+00,A6=-8.19123e+00,A8=1.70592e+01

各種データ
f 0.67
FNO. 3.06
2ω 210.00
IH 0.73
LTL (in air) 6.10
数値実施例3
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 8.900 0.30 1.88300 40.76
2 1.805 1.33
3* 2.059 2.06 1.61441 25.11
4* 15.195 0.51
5(絞り) ∞ 0.10
6* 0.894 0.30 1.68948 31.02
7 0.650 0.80 1.59201 67.02
8* -0.675 0.05
9 ∞ 0.30 1.51633 64.14
10 ∞ 0.23
11(像面) -1.426

非球面データ
第3面
k=0.000
A4=1.56977e-02,A6=-2.42074e-02,A8=-1.25273e-03
第4面
k=0.000
A4=-1.60890e-01,A6=6.00386e-02
第6面
k=0.000
A4=-1.76167e-01,A6=7.56171e-02
第8面
k=0.000
A4=2.01450e+00,A6=-7.30124e+00,A8=1.51490e+01

各種データ
f 0.63
FNO. 2.96
2ω 210.00
IH 0.73
LTL (in air) 5.98
数値実施例4
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 8.610 0.30 1.88300 40.76
2* 1.722 1.37
3* 2.034 2.00 1.61441 25.11
4* -66.148 0.69
5(絞り) ∞ 0.10
6* 0.804 1.10 1.52542 55.78
7* -0.680 0.05
8 ∞ 0.30 1.51633 64.14
9 ∞ 0.20
10(像面) -1.509

非球面データ
第2面
k=0.061
A4=-4.38879e-03,A6=2.15203e-03
第3面
k=0.000
A4=1.14398e-02,A6=-1.99268e-02,A8=-1.87863e-03
第4面
k=0.000
A4=-9.72838e-02,A6=2.19605e-02
第6面
k=0.000
A4=-3.77500e-01,A6=3.96953e-01
第7面
k=0.000
A4=2.23131e+00,A6=-8.18718e+00,A8=1.70915e+01

各種データ
f 0.66
FNO. 3.06
2ω 210.00
IH 0.73
LTL (in air) 6.10
立体射影方式を用いて算出した歪曲収差量を以下に示す。
実施例1
Figure 2018180422
実施例2
Figure 2018180422
実施例3
Figure 2018180422
実施例4
Figure 2018180422
次に、各実施例における条件式の値を以下に掲げる。
条件式 実施例1 実施例2
(1)|PS×Rimg| 1.32 1.32
(2)|θout90/θimg90| 0.86 0.83
(3)fL3/fL 1.43 1.40
(4)(R1L+R1R)/(R1L-R1R) 1.34 1.47
(5)(R2L+R2R)/(R2L-R2R) -0.83 -0.91
(6)fL2/fL 4.80 4.86

条件式 実施例3 実施例4
(1)|PS×Rimg| 1.29 1.38
(2)|θout90/θimg90| 0.79 0.88
(3)fL3/fL 1.41 1.43
(4)(R1L+R1R)/(R1L-R1R) 1.51 1.50
(5)(R2L+R2R)/(R2L-R2R) -1.31 -0.94
(6)fL2/fL 5.72 4.90
図6は、撮像装置の例である。この例では、撮像装置はカプセル内視鏡である。カプセル内視鏡100は、カプセルカバー101と透明カバー102とを有する。カプセルカバー101と透明カバー102とによって、カプセル内視鏡100の外装部が構成されている。
カプセルカバー101は、略円筒形状の中央部と、略椀形状の底部と、で構成されている。透明カバー102は、中央部を挟んで、底部と対向する位置に配置されている。透明カバー102は、略椀形状の透明部材によって構成されている。カプセルカバー101と透明カバー102とは、互いに水密的に連設されている。
カプセル内視鏡100の内部には、結像光学系103と、照明部104と、撮像素子105と、駆動制御部106と、信号処理部107と、を備えている。なお、図示しないが、カプセル内視鏡100の内部には、受電手段と送信手段が設けられている。
照明部104からは、照明光が出射する。照明光は透明カバー102を通過して、被写体に照射される。被写体からの光は、結像光学系103に入射する。結像光学系103によって、像位置に被写体の光学像が形成される。
光学像は、撮像素子105で撮像される。撮像素子105の駆動と制御は、駆動制御部106で行われる。また、撮像素子105からの出力信号は、必要に応じて、信号処理部107で処理される。
ここで、結像光学系103には、例えば、上述の実施例1の結像光学系が用いられている。このように、結像光学系103は、小型でありながら、広い画角と小さいFナンバーを有する。よって、結像光学系103では、高い解像度を有する広角な光学像が得られる。
また、カプセル内視鏡100は、小型でありながら、広い画角と小さいFナンバーを有し、良好な像が結像できる光学系を備えている。よって、カプセル内視鏡100では、小型でありながら、高解像な画像が得られる。
なお、ここでは撮像素子が湾曲した受光面を有しているが、撮像素子の受光面は平坦であっても、像を受ける面が湾曲していれば、その面を湾曲した受光面ということができる。このような例として、平坦な受光面を持つ撮像素子の受光面上にファイバ束を配置して、その一端面を湾曲した形状に加工し、その湾曲した端面で物体像を受ける構成が考えられる。
図7は、撮像装置の別の例である。この例では、撮像装置は車載カメラである。図7(a)は車外に車載カメラを搭載した例を示す図である。図7(b)は、車内に車載カメラを搭載した例を示す図である。
図7(a)に示すように、車載カメラ201は、自動車200のフロントグリルに設けられている。車載カメラ201は、結像光学系と撮像素子を備えている。車載カメラ201の結像光学系には、例えば、上述の実施例1の結像光学系が用いられている。よって、良好な光学像が形成される。
図7(b)に示すように、車載カメラ201は、自動車200の天井近傍に設けられている。車載カメラ201の作用効果は、既に説明したとおりである。車載カメラ201では、小型でありながら、高解像な画像が得られる。
図8は、撮像装置の別の例である。この例では、撮像装置は内視鏡システムである。図8は、内視鏡システムの概略構成を示す図である。
内視鏡システム300は、電子内視鏡を用いた観察システムである。内視鏡システム300は、電子内視鏡310と画像処理装置320とから構成されている。電子内視鏡310は、スコープ部310aと接続コード部310bとを備えている。また、画像処理装置320には、表示ユニット330が接続されている。
スコープ部310aは、操作部340と挿入部341に大別される。挿入部341は、細長で患者の体腔内へ挿入可能になっている。また、挿入部341は、可撓性を有する部
材で構成されている。観察者は、操作部340に設けられているアングルノブ等により、諸操作を行うことができる。
また、操作部340からは、接続コード部310bが延設されている。接続コード部310bは、ユニバーサルコード350を備えている。ユニバーサルコード350は、コネクタ360を介して画像処理装置320に接続されている。
ユニバーサルコード350は、各種の信号等の送受信に用いられる。各種の信号としては、電源電圧信号及びCCD駆動信号等がある。これらの信号は、電源装置やビデオプロセッサからスコープ部310aに送信される。また、各種の信号として映像信号がある。この信号は、スコープ部310aからビデオプロセッサに送信される。
なお、画像処理装置320内のビデオプロセッサには、図示しないVTRデッキ、ビデオプリンタ等の周辺機器が接続可能である。ビデオプロセッサは、スコープ部310aからの映像信号に対して信号処理を施す。映像信号に基づいて、表示ユニット330の表示画面上に内視鏡画像が表示される。
挿入部341の先端部342には、光学系が配置されている。図9は、内視鏡の光学系の構成を示す図である。光学系400は、照明部と観察部とを有する。
照明部は、ライトガイド401と照明レンズ402とを有する。ライトガイド401は、照明光を挿入部341の先端部342に伝送する。伝送された照明光は、ライトガイド401の先端面から出射する。
先端部342には、照明レンズ402が配置されている。照明レンズ402は、ライトガイド401の先端面と対向する位置に配置されている。照明光は照明レンズ402を通過し、照明窓403から出射する。これにより、被検体内部の観察対象部位(以下、「観察部位404」という)が照明される。
先端部342には、観察窓405が、照明窓403の隣に設けられている。観察部位404からの光は、観察窓405を通過して、先端部342内に入射する。観察窓405の後方には、観察部が設けられている。
観察部は、結像光学系406と撮像素子407とを有する。結像光学系406に、例えば、実施例1の結像光学系が用いられている。
観察部位404からの反射光は、結像光学系406を通過して撮像素子407に入射する。撮像素子407の撮像面には、観察部位404の像(光学像)が形成される。観察部位404の像は撮像素子407によって光電変換され、これにより観察部位404の画像が得られる。観察部位404の画像は表示ユニット330に表示される。このようにして、観察者は、観察部位404の画像を観察できる。
結像光学系406では、像面は湾曲形状になっている。撮像素子407は、像面の形状と同じ湾曲形状の受光面(撮像面)を有している。撮像素子407を用いることで、撮影画像の画質を向上することができる。
以上のように、本発明は、小型でありながら、広い撮影範囲を高い解像度で撮影する撮像装置に適している。また、本発明は、小型でありながら、広い画角と小さいFナンバーを有すると共に、良好な像を結像できる結像光学系を備えた撮像装置に適している。
L1、L2、L3、L4 レンズ
S 明るさ絞り
I 像面
C カバーガラス
CG 光学部材
100 カプセル内視鏡
101 カプセルカバー
102 透明カバー
103 結像光学系
104 照明部
105 撮像素子
106 駆動制御部
107 信号処理部
200 自動車
201 車載カメラ
300 内視鏡システム
310 電子内視鏡
310a スコープ部
310b 接続コード部
320 画像処理装置
330 表示ユニット
340 操作部
341 挿入部
342 先端部
350 ユニバーサルコード
360 コネクタ
400 光学系
401 ライトガイド
402 照明レンズ
403 照明窓
404 観察部位
405 観察窓
406 結像光学系
407 撮像素子

Claims (8)

  1. 軸上光束を決める明るさ絞りと、複数のレンズ成分と、を有する結像光学系と、
    前記結像光学系の像側に配置され、前記結像光学系に向けて凹状に湾曲した非平面の受光面を有する撮像部と、を有し、
    前記レンズ成分は、光軸上にて空気に接触する面が物体側面と像側面の2面のみのレンズであり、
    前記結像光学系は、物体側から像側に順に、負の屈折力を有する第1レンズ成分と、正の屈折力を有する第2レンズ成分と、正の屈折力を有する第3レンズ成分と、からなり、
    前記第1レンズ成分の形状は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状であり、
    前記第3レンズ成分の形状は、両凸形状であり、
    以下の条件式(1)、(2)を満足することを特徴とする撮像装置。
    0.7<|PS×Rimg|<1.5 (1)
    0.7<|θout90/θimg90|<1.5 (2)
    ここで、
    PSは、前記結像光学系のペッツバール和であり、
    前記ペッツバール和PSは、以下の式で表され、
    Figure 2018180422
    ここで、
    iは、前記結像光学系中の各レンズ成分の物体側からの順番、
    kは、前記結像光学系中のレンズ成分の総数、
    は、i番目のレンズ成分のd線での屈折率、
    は、i番目のレンズ成分のd線での焦点距離、
    Rimgは、前記光軸と前記受光面とが交わる点を面頂点とし、前記面頂点と、前記結像光学系に最大画角で入射する主光線と前記受光面とが交わる点と、を含む仮想球面の曲率半径、
    θout90は、前記第3レンズ成分の像側面から射出した所定の主光線と前記光軸とのなす角度、
    θimg90は、所定の2点を通過する直線と前記光軸とのなす角度、
    前記所定の主光線は、前記第1レンズ成分の物体側の空間において、前記光軸とのなす角度が90°となる主光線、
    前記所定の2点は、前記第3レンズ成分の前記像側面から射出した前記所定の主光線と前記仮想球面との交点と、前記仮想球面の曲率中心、
    である。
  2. 前記明るさ絞りは、前記第2レンズ成分の最も像側のレンズ面から、前記第3レンズ成分の最も物体側のレンズ面までの間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 以下の条件式(3)を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
    0.5<fL3/fL<3.4 (3)
    ここで、
    fL3は、前記第3レンズ成分の焦点距離、
    fLは、前記結像光学系の焦点距離、
    である。
  4. 以下の条件式(4)を満足することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の撮像装置。
    1<(R1L+R1R)/(R1L−R1R)<2.5 (4)
    ここで、
    R1Lは、前記第1レンズ成分の最も物体側のレンズ面の近軸曲率半径、
    R1Rは、前記第1レンズ成分の最も像側のレンズ面の近軸曲率半径、
    である。
  5. 以下の条件式(5)を満足することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の撮像装置。
    −2<(R2L+R2R)/(R2L−R2R)<0 (5)
    ここで、
    R2Lは、前記第2レンズ成分の最も物体側のレンズ面の近軸曲率半径、
    R2Rは、前記第2レンズ成分の最も像側のレンズ面の近軸曲率半径、
    である。
  6. 以下の条件式(6)を満足することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の撮像装置。
    2.5<fL2/fL<8 (6)
    ここで、
    fL2は、前記第2レンズ成分の焦点距離、
    fLは、前記結像光学系の焦点距離、
    である。
  7. 前記第2レンズ成分及び前記第3レンズ成分は、各々、非球面を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の撮像装置。
  8. 前記第1レンズ成分、前記第2レンズ成分及び前記第3レンズ成分は、いずれも単レンズであることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の撮像装置。
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