JP2018180151A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱処理後のアウトガスの発生を低減し得る耐熱性に優れた感光性樹脂組成物を提供する。【解決手段】(A)アルカリ可溶性樹脂、及び(B)キノンジアジド化合物を含有し、(A)アルカリ可溶性樹脂が、RAFT剤を用いて重合させたことを特徴とする感光性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性の感光性樹脂組成物、及び該組成物を用いた有機EL表示素子の隔壁又は絶縁膜に関する。
例えば、有機ELディスプレイ等の表示装置においては、表示特性向上のために、表示領域内の着色パターンの間隔部又は表示領域周辺部分の縁等に隔壁材が用いられている。有機EL表示装置の製造では、有機物質の画素が互いに接触しないようにするため、まず隔壁が形成され、その隔壁の間に有機物質の画素が形成される。この隔壁は一般に、感光性樹脂組成物を用いるフォトリソグラフィによって形成され、絶縁性を有する。詳しくは、塗布装置を用いて感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、揮発成分を加熱等の手段で除去したのち、マスクを介して露光し、次いでネガ型の場合は未露光部分を、ポジ型の場合は露光部分をアルカリ水溶液等の現像液で除去することによって現像し、得られたパターンを加熱処理して、隔壁を形成する。次いでインクジェット法等によって、赤、緑、青の3色の光を発する有機物質を隔壁の間に成膜して、有機EL表示装置の画素を形成する。
該分野では近年、表示装置の小型化、及び表示するコンテンツが多様化したことにより、画素の高性能化又は高精細化が要求されている。例えば、隔壁の形成時に加熱処理工程を経ることから、周辺部材に影響を及ぼさないよう、耐熱性に優れることが求められる。
例えば特許文献1では、高解像度であり、かつ露光後の加熱処理により高い遮光性を発現させる感放射線性樹脂組成物として、アルカリ可溶性樹脂とキノンジアジド化合物とを含むポジ型感放射線性樹脂組成物にチタンブラックを添加した組成物が提案されている。
特開2001−281440号公報
特許文献1に記載される組成物は感度及び遮光性は十分であるものの、遮光性を高めるために空気下において高温で加熱しており、樹脂を酸化劣化させることになる。これでは樹脂の劣化によるアウトガスが増加するため耐熱性に劣り、有機EL表示装置の製造及び安定駆動には適していない。
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、加熱処理を経てもアウトガスの発生を低減し得る耐熱性に優れた感光性樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討の結果、アルカリ可溶性樹脂、及びキノンジアジド化合物を含有し、かつ、アルカリ可溶性樹脂が特定の構造を有する、感光性樹脂組成物が、加熱処理を経てもアウトガスの発生を低減し得ることを見出した。
すなわち、本発明は次の態様を含む。
[項目1]
(A)アルカリ可溶性樹脂、及び(B)キノンジアジド化合物を含有する感光性樹脂組成物であって、前記(A)アルカリ可溶性樹脂が、
分子鎖の少なくとも一方の末端に下記式(I)で表される構造、及び
分子内に下記式(II)で表される構造の少なくとも一方と、下記式(III)で表される構造を有する重合体であるアルカリ可溶性樹脂(a1)を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
Figure 2018180151
Figure 2018180151
(式中、Zは水素原子、塩素原子、カルボキシル基、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数8〜20の1価の芳香族炭化水素基、炭素原子とヘテロ原子との合計原子数3〜20の1価の複素環式基、−OR、−N(R)2、−OC(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R)2、−P(=O)(OR)2、−P(=O)(R)2から選ばれる少なくとも一種を示し、各Rは相互に独立に炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、炭素原子数6〜18の1価の芳香族炭化水素基又は炭素原子とヘテロ原子との合計原子数3〜18の1価の複素環式基を示し、*は重合体との結合部を示す。)
Figure 2018180151
(式中、Raは電子求引基であり、Rb及びRcは炭素原子数1〜5のアルキル基であり、*は重合体との結合部である。)
[項目2]
前記Raが、−COOH、−CN、−COOCH、又は
Figure 2018180151
である、項目1に記載の感光性樹脂組成物。
[項目3]
前記式(I)〜式(III)で表される構造が、下記式(IV−1)〜(IV−8)で表される群より選ばれる少なくとも1種の化合物に由来する構造である、項目1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
Figure 2018180151
Figure 2018180151
Figure 2018180151
Figure 2018180151
Figure 2018180151
Figure 2018180151
Figure 2018180151
Figure 2018180151
(式中、Zは水素原子、塩素原子、カルボキシル基、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数8〜20の1価の芳香族炭化水素基、炭素原子とヘテロ原子との合計原子数3〜20の1価の複素環式基、−OR、−N(R)2、−OC(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R)2、−P(=O)(OR)2、−P(=O)(R)2から選ばれる少なくとも一種を示し、各Rは相互に独立に炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、炭素原子数6〜18の1価の芳香族炭化水素基又は炭素原子とヘテロ原子との合計原子数3〜18の1価の複素環式基を示し、Rb及びRcは炭素原子数1〜5のアルキル基であり、Rdは炭素原子数1〜20のアルキル基である。)
[項目4]
前記アルカリ可溶性樹脂(a1)の重量平均分子量が5,000〜80,000である、項目1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
[項目5]
(C)黒色着色剤をさらに含有する、項目1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
[項目6]
(A)アルカリ可溶性樹脂の総量100質量部に対して、(B)キノンジアジド化合物の含有量が10〜100質量部、及び存在する場合は(C)黒色着色剤の含有量が10〜100質量部である、項目1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
[項目7]
前記アルカリ可溶性樹脂(a1)が、アルカリ可溶性基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体の共重合体である、項目1〜6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[項目8]
前記アルカリ可溶性基がカルボキシル基、フェノール性水酸基、及び酸無水物基からなる群より選ばれる少なくとも一種である、項目7に記載の感光性樹脂組成物。
[項目9]
前記アルカリ可溶性樹脂(a1)が下記式(V)
Figure 2018180151
(式中、R1は水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、rは1〜5の整数を表す。)
で表されるモノマー単位を有する、項目7又は8に記載の感光性樹脂組成物。
[項目10]
前記アルカリ可溶性樹脂(a1)が下記式(VI)
Figure 2018180151
(式中、R2、R3は、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、完全若しくは部分的にフッ素化された炭素原子数1〜3のアルキル基、又はハロゲン原子を表し、R4は、水素原子、炭素原子数1〜6の直鎖あるいは環状アルキル基、フェニル基、又は、ヒドロキシ基、炭素原子数1〜6のアルキル基及び炭素原子数1〜6のアルコキシ基からなる群より選ばれた少なくとも一種で置換されたフェニル基を表す。)
で表されるモノマー単位を有する、項目7〜9のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
[項目11]
(A)アルカリ可溶性樹脂が、エポキシ基とフェノール性水酸基とを有するアルカリ可溶性樹脂(a2)をさらに含有する、項目1〜10のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
[項目12]
重合性単量体の総量100質量部に対して、式(I)又は(II)の構造、及び式(III)の構造を付与し得るRAFT剤0.01〜10質量部の存在下で重合性単量体を重合し、アルカリ可溶性樹脂(a1)を含有する(A)アルカリ可溶性樹脂を製造する工程と、
前記(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)キノンジアジド化合物、及び任意に(C)黒色着色剤を混合して樹脂組成物を製造する工程と
を含む、項目1〜11のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
[項目13]
項目1〜11のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物からなる有機EL素子の隔壁又は絶縁膜。
[項目14]
項目1〜11のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物を含む有機EL素子。
[項目15]
(1)項目1〜11のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を溶媒に溶かし、これを基材に塗布する塗布工程、
(2)塗布された感光性樹脂組成物中の溶媒を除去する乾燥工程、
(3)放射線をフォトマスク越しに照射する露光工程、
(4)アルカリ現像によりパターン形成する現像工程、及び
(5)100〜350℃の温度で加熱する加熱処理工程
を含む放射線リソグラフィー構造物の製造方法。
本発明によれば、アウトガスを低減し得る耐熱性に優れた感光性樹脂組成物を提供できる。
以下に本発明について詳細に説明する。
(A)アルカリ可溶性樹脂
本発明の(A)アルカリ可溶性樹脂は、下記アルカリ可溶性樹脂(a1)を必須とするが、その他にエポキシ基とフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂(a2)(「成分(a2)」ともいう)や、その他のアルカリ可溶性樹脂(a3)(「成分(a3)」ともいう)を含んでいても良い。なお、本発明においてアルカリ可溶性とは、アルカリ溶液、例えば、2.38質量%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液に溶解可能であることを意味する。
<アルカリ可溶性樹脂(a1)>
アルカリ可溶性樹脂(a1)としては、分子鎖の少なくとも一方の末端に下記式(I)で表される構造、及び分子内に下記式(II)で表される構造の少なくとも一方と、下記式(III)で表される構造を有し、アルカリ可溶性の重合体であれば特に制限されるものではない。例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂等、ラジカル重合で製造できる樹脂にアルカリ可溶性基が付加したもの等が挙げられる。これらは単独で、又は2種類以上の樹脂を組み合わせて用いることができる。
Figure 2018180151
Figure 2018180151
(式中、Zは水素原子、塩素原子、カルボキシル基、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数8〜20の1価の芳香族炭化水素基、炭素原子とヘテロ原子との合計原子数3〜20の1価の複素環式基、−OR、−N(R)2、−OC(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R)2、−P(=O)(OR)2、−P(=O)(R)2から選ばれる少なくとも一種を示し、各Rは相互に独立に炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、炭素原子数6〜18の1価の芳香族炭化水素基又は炭素原子とヘテロ原子との合計原子数3〜18の1価の複素環式基を示し、*は重合体との結合部を示す。)
Figure 2018180151
(式中、Raは電子求引基であり、Rb及びRcは炭素原子数1〜5のアルキル基であり、*は重合体との結合部である。)
ここで、式(I)〜式(III)の構造は、以下に示すRAFT剤(Reversible Addition Fragmentation Transfer;可逆的付加開裂連鎖移動剤)の存在下でラジカル重合性モノマーを重合(RAFT重合)することによって重合体に導入することができる。即ち、RAFT重合により以下に示すRAFT剤の断片である式(I)〜式(III)の構造が重合体に付加されたものとなる。或いは、式(I)〜式(III)の構造の基を重合体に別途付加したものであってもよい。
上記の式(I)〜式(III)の構造を重合体に付与し得るRAFT剤(可逆的付加開裂連鎖移動剤)としては、特に限定されないが、例えば、
Figure 2018180151
で表わされる群から選択される少なくとも1種などを使用することができる。中でも、
Figure 2018180151
この構造のRAFT剤はアウトガスの低減効果により優れるため好ましい。
ここで、式中、Zは水素原子、塩素原子、カルボキシル基、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数8〜20の1価の芳香族炭化水素基、炭素原子とヘテロ原子との合計原子数3〜20の1価の複素環式基、−OR、−N(R)、−OC(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R)、−P(=O)(OR)、−P(=O)(R)から選ばれる少なくとも一種を示し、各Rは相互に独立に炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、炭素原子数6〜18の1価の芳香族炭化水素基又は炭素原子とヘテロ原子との合計原子数3〜18の1価の複素環式基を示す。Raは電子求引基であり、Rb及びRcは炭素原子数1〜5のアルキル基であり、Rdは炭素原子数1〜20のアルキル基である。
式中のZの炭素原子数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、1,1−ジメチル−3,3−ジメチルブチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、n−エイコシル基等を挙げることができる。Zのアルキル基としてより好ましい炭素原子数は1〜15であり、さらに好ましくは1〜10である。
Zの炭素原子数8〜20の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、9−アントラセニル基、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、フェネチル基等を挙げることができる。この1価の芳香族炭化水素基における炭素原子数は、9〜20が好ましく、10〜20であることがより好ましい。
Zの炭素原子とヘテロ原子との合計原子数3〜20の1価の複素環式基において、好ましいヘテロ原子は酸素原子及び窒素原子であり、より好ましくは窒素原子である。Zの炭素原子とヘテロ原子との合計原子数3〜20の1価の複素環式基としては、例えば、オキシラニル基、アジリジニル基、2−フラニル基、3−フラニル基、2−テトラヒドロフラニル基、3−テトラヒドロフラニル基、1−ピロール基、2−ピロール基、3−ピロール基、1−ピロリジニル基、2−ピロリジニル基、3−ピロリジニル基、1−ピラゾール基、2−ピラゾール基、3−ピラゾール基、2−テトラヒドロピラニル基、3−テトラヒドロピラニル基、4−テトラヒドロピラニル基、2−チアニル基、3−チアニル基、4−チアニル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、2−ピペリジニル基、3−ピペリジニル基、4−ピペリジニル基、2−モルホリニル基、3−モルホリニル基等を挙げることができる。
Zの−OR、−N(R)、−OC(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R)、−P(=O)(OR)及びP(=O)(R)におけるRの炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数6〜18の1価の芳香族炭化水素基又は炭素原子とヘテロ原子との合計原子数3〜18の1価の複素環式基としては、例えば、Zについて例示した炭素原子数1〜20のアルキル基、又は炭素原子とヘテロ原子との合計原子数3〜20の1価の複素環式基のうち、炭素原子数ないし合計原子数が18以下の基を挙げることができ、炭素原子数6〜18の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、9−アントラセニル基、ベンジル基、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、フェネチル基等を挙げることができる。中でも好ましくはフェニル基、ベンジル基、メチルベンジル基であり、より好ましくはフェニル基である。
Rの炭素原子数2〜18のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基等を挙げることができる。中でも好ましくはビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基であり、より好ましくはビニル基である。
式中のRの電子求引基としては、次のものに限定されないが、例えば、−COOH、−CN、−CHO、−COOR(Rはアルキル基、好ましくは炭素原子数1〜3のアルキル基)、
Figure 2018180151
−NO、−Br、−Cl、−I、−F等を挙げることができる。中でも、アウトガスの低減効果を考慮した場合、−COOH、−CN、−COOCH、又は
Figure 2018180151
が好ましい。
式中のRb及びRcは炭素原子数1〜5のアルキル基であり、Rdは炭素原子数1〜20のアルキル基であれば特に限定されない。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、1,1−ジメチル−3,3−ジメチルブチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、n−エイコシル基等を挙げることができ、炭素原子数に応じて、Rb、Rc及びRdを選択することができる。中でも、アウトガスの低減効果を考慮した場合、Rb及びRcとしては、メチル基が好ましく、Rdとしては、炭素原子数が4以上、8以上又は10以上のアルキル基であることが好ましく、n−ドデシル基が好ましい。
<アルカリ可溶性樹脂(a1)の部分構造>
本発明のアルカリ可溶性樹脂(a1)は上記例示のRAFT剤を連鎖移動剤として用い、重合性単量体をラジカル重合(特にこの場合はRAFT重合)することにより、得ることができる。アルカリ可溶性基はアルカリ可溶性基(例えばカルボキシル基)を有する重合性単量体との共重合により導入しても良いし、重合後にアルカリ可溶性を導入しても良い。
アルカリ可溶性樹脂(a1)は、前記のRAFT重合により、下記に例示するRAFT剤に由来する構造がその骨格に導入される。
Figure 2018180151
Figure 2018180151
Figure 2018180151
Figure 2018180151
Figure 2018180151
Figure 2018180151
Figure 2018180151
Figure 2018180151
例えばRAFT剤として
Figure 2018180151
(式中、Ra〜Rは前述と同じである。)
を用いてラジカル重合を行うと、生成する重合体には以下のような反応により
Figure 2018180151
(II)及び(III)の構造が導入される(構造式(ア))。ただし、P、Pは重合体、P・、P・等は生成重合体ラジカルを示す。なお、RAFT重合により構造式(ア)で示される重合体の他、構造式(イ)及び(ウ)で示される重合体等も生成するが、生成物が取り得る全ての構造式を示すのは非実際的である。RAFT剤として(IV−5)〜(IV−8)を用いれば、上記スキームと同様にして(I)の構造も重合体に導入される。
本発明者らは、感光性樹脂組成物のアルカリ可溶性樹脂(A)としてアルカリ可溶性樹脂(a1)(「成分(a1)」ともいう)を採用することによって、感光性樹脂組成物を加熱した際に発生するアウトガスを低減し得ることを見いだした。本発明の成分(a1)の使用は、残留モノマーに基づくアウトガスの低減効果に加え、残留モノマー以外のアウトガスの低減に対しても効果を発揮し得ると考えられる。これは、成分(a1)を含まないアルカリ可溶性樹脂の場合、該樹脂を再沈殿処理して残留モノマーを除去したとしてもアウトガスが生じる一方で、前記成分(a1)を含むアルカリ可溶性樹脂の場合では、再沈殿処理後、前記成分(a1)を含まないアルカリ可溶性樹脂に比べ、アウトガスの発生が低減されるためである。このアウトガスの低減効果は、いかなる理論に拘束されるわけではないが、上述したRAFT剤由来の構造、即ち、上記の式(I)又は式(II)の構造、及び式(III)の構造が、重合体の骨格内に形成されたことが一因であると考えられる。本発明の感光性樹脂組成物は、以下の実施例に記載される加熱試験における重量減少率を5%以下にすることができる。
<アルカリ可溶性樹脂(a1)の製造>
アルカリ可溶性樹脂(a1)は、アルカリ可溶性基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体を、RAFT剤(連鎖移動剤)を用いてラジカル重合させることにより製造することができる。アルカリ可溶性基としては、カルボキシル基、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基、スルホ基、リン酸基、酸無水物基等を挙げることができる。あるいは、RAFT重合にて共重合体を合成した後に、アルカリ可溶性基を付加したものであってもよい。重合性単量体が有する重合性基としては、ラジカル重合性炭素−炭素不飽和基を挙げることができる。具体的には、CH=CH−、CH=C(CH)−、CH=CHCO−、CH=C(CH)CO−、−OC−CH=CH−CO−などを例示できる。アルカリ可溶性基を有する重合性単量体としては、例えば、4−ヒドロキシスチレン、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル、フマル酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸、4−ヒドロキシフェニルメタクリレート、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジルアクリルアミド、4−ヒドロキシフェニルアクリルアミド、4−ヒドロキシフェニルマレイミド、3−マレイミドプロピオン酸、4−マレイミド酪酸、6−マレイミドヘキサン酸等が挙げられる。
その他の重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン等の重合可能なスチレン誘導体、アクリルアミド、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエーテル類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル等の(メタ)アクリル酸エステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、マレイン酸無水物、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミドが挙げられる。ここで、「(メタ)アクリル」は「アクリル」及び「メタクリル」を示す。中でも、耐熱性等の観点から、成分(a1)は、脂環式構造、芳香族構造、多環式構造、無機環式構造、複素環式構造等の1種又は複数種の環式構造を有することが好ましい。
さらにアルカリ可溶性基を有する重合性単量体としては、下記式(V)
Figure 2018180151
(式中、R1は水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、rは1〜5の整数を表す。)で表されるモノマー単位を形成し得るものが好ましい。該モノマー単位を形成し得るアルカリ可溶性基を有する重合性単量体としては、4−ヒドロキシフェニルメタクリレートが特に好ましい。
その他の重合性単量体は、下記式(VI)
Figure 2018180151
(式中、R2及びR3は、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、完全若しくは部分的にフッ素化された炭素原子数1〜3のアルキル基、又はハロゲン原子を表し、R4は、水素原子、炭素原子数1〜6の直鎖若しくは環状アルキル基、フェニル基、又はヒドロキシ基、炭素原子数1〜6のアルキル基及び炭素原子数1〜6のアルコキシ基からなる群より選ばれた少なくとも一種で置換されたフェニル基を表す。)で表されるモノマー単位を形成し得るものが好ましい。該モノマー単位を形成し得るその他の重合性単量体としては、フェニルマレイミド及びシクロヘキシルマレイミドが特に好ましい。
アルカリ可溶性基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体の共重合体をラジカル重合によって製造する際の重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(AVN)などのアゾ重合開始剤、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の10時間半減期温度が100〜170℃の過酸化物重合開始剤、或いは過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、1,1’−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルペルオキシピバレートなどの過酸化物重合開始剤を用いることができる。重合開始剤の使用量は、重合性単量体の混合物100質量部に対して、一般に0.01質量部以上、0.05質量部以上又は0.5質量部以上、40質量部以下、20質量部以下又は15質量部以下であることが好ましい。
RAFT剤は、重合性単量体の総量100質量部に対して、0.005〜20質量部の範囲の範囲で使用することができ、0.01〜10質量部の範囲で使用することが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物のアルカリ可溶性樹脂(a1)の重量平均分子量(Mw)は、5,000〜80,000であり、6,000〜70,000であることが好ましく、7,000〜60,000であることがより好ましい。数平均分子量(Mn)は1000〜30000の範囲であり、3000〜25,000範囲であることが好ましく、5,000〜20,000であることがより好ましい。多分散度(Mw/Mn)は、1.0〜3.0であり、1.1〜2.8であることが好ましく、1.2〜2.5であることがより好ましい。重量平均分子量、数平均分子量及び多分散度がこの範囲であると、アルカリ溶解性、現像性に優れる。
これらの重合性単量体をラジカル重合させた重合体を用いることにより、形状維持性、現像性を向上させるとともにアウトガスの低減にも寄与することができる。
本発明の感光性樹脂組成物のアルカリ可溶性樹脂(a1)の製造における反応温度及び反応時間に特に制限は無いが、重合温度は50〜150℃が好ましく、より好ましくは60〜130℃であり、さらに好ましくは70〜120℃である。重合時間は2〜24時間が好ましく、より好ましくは3〜12時間であり、さらに好ましくは4〜8時間である。また、製造時は窒素ガス雰囲気下が好ましい。
本発明のアルカリ可溶性樹脂(A)は、上述した成分(a1)以外に、以下(a2)エポキシ基とフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂(「成分(a2)」ともいう)及びその他のアルカリ可溶性樹脂(a3)(「成分(a3)」ともいう)を含むことができる。
(a2)エポキシ基とフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂
成分(a2)のアルカリ可溶性樹脂は、例えば、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(以下、「エポキシ化合物」と表記することがある。)のエポキシ基と、ヒドロキシ安息香酸類のカルボキシル基を反応させることで得ることができる。ただし、エポキシ基が残るように反応率を調整する。本発明の感光性樹脂組成物において、前記アルカリ可溶性樹脂(a2)がエポキシ基を有することで、加熱時にフェノール性水酸基と反応して架橋し耐薬品性、耐熱性などが向上するという利点があり、フェノール性水酸基を有することでアルカリ水溶液に可溶になるという利点がある。
前記エポキシ化合物が有するエポキシ基の1つと、ヒドロキシ安息香酸類のカルボキシル基とが反応し、フェノール性水酸基を有する化合物となる反応の例を次の反応式1に示す。
Figure 2018180151
1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物としては、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらのエポキシ化合物は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有していればよく、1種類のみで用いることもできるが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、これらの化合物は熱硬化型であるため、当業者の常識として、エポキシ基の有無、官能基の種類、重合度などの違いから一義的に記載することができない。ノボラック型エポキシ樹脂の構造の一例を式(1)に示す。なお、式(1)中のRは水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表わし、nは0〜50の整数を表わす。
Figure 2018180151
フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、例えばEPICLON(登録商標)N−770(DIC株式会社製)、jER(登録商標)−152(三菱化学株式会社製)等が挙げられる。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、例えばEPICLON(登録商標)N−695(DIC株式会社製)、EOCN(登録商標)−102S(日本化薬株式会社製)等が挙げられる。
ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えばjER(登録商標)828、jER(登録商標)1001(三菱化学株式会社製)、YD−128(商品名、新日鉄住金化学株式会社製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、jER(登録商標)806(三菱化学株式会社製)、YDF−170(商品名、新日鉄住金化学株式会社製)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂等が挙げられる。
ビフェノール型エポキシ樹脂としては、例えばjER(登録商標)YX−4000、jER(登録商標)YL−6121H(三菱化学株式会社製)等が挙げられる。
ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂としては、例えばNC−7000(商品名、日本化薬株式会社製)、EXA−4750(商品名、DIC株式会社製)等が挙げられる。
脂環式エポキシ樹脂としては、例えばEHPE(登録商標)−3150(ダイセル化学工業株式会社製)等が挙げられる。
複素環式エポキシ樹脂としては、例えばTEPIC(登録商標)、TEPIC−L、TEPIC−H、TEPIC−S(日産化学工業株式会社製)等が挙げられる。
「ヒドロキシ安息香酸類」とは、安息香酸の2〜6位の少なくとも1つが水酸基で置換された化合物のことをいい、例えばサリチル酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−ニトロ安息香酸、3−ヒドロキシ−4−ニトロ安息香酸、4−ヒドロキシ−3−ニトロ安息香酸等が挙げられるが、アルカリ現像性を高める点でジヒドロキシ安息香酸類が好ましい。これらヒドロキシ安息香酸類は、1種類のみで用いることもできるが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記のエポキシ化合物とヒドロキシ安息香酸類からアルカリ可溶性のフェノール性水酸基を有する化合物を得る方法は、エポキシ化合物のエポキシ基1当量に対して、ヒドロキシ安息香酸類を好ましくは0.20〜0.90当量、より好ましくは0.25〜0.85当量、さらに好ましくは0.30〜0.80当量使用する。ヒドロキシ安息香酸類が0.2当量以上であれば十分なアルカリ溶解性が発現し、0.9当量以下であれば副反応による分子量増加が抑制できる。
反応を促進させるために触媒を使用してもよい。触媒の使用量は、エポキシ化合物とヒドロキシ安息香酸類からなる反応原料混合物100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。反応温度は60〜150℃、反応時間は3〜30時間が好ましい。この反応で使用する触媒としては、例えばトリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムアイオダイド、トリフェニルホスフィン、オクタン酸クロム、オクタン酸ジルコニウム等が挙げられる。
前記エポキシ基とフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂(a2)の数平均分子量は、500〜8000の範囲が好ましく、1000〜6000の範囲であることがより好ましく、1500〜4000の範囲であることがさらに好ましい。分子量が500以上であれば、アルカリ水溶液への溶解性が適切なため感光性材料の樹脂として良好であり、分子量が8000以下であれば、塗布性及び現像性が良好である。
(a3)その他のアルカリ可溶性樹脂
その他のアルカリ可溶性樹脂(a3)としては、例えばポリアルケニルフェノール樹脂が挙げられる。ポリアルケニルフェノール樹脂は、公知のフェノール樹脂の水酸基をアルケニルエーテル化し、さらにアルケニルエーテル基をクライゼン転位することにより得られる。ポリアルケニルフェノール樹脂は、式(2)の構造を有することが好ましい。このような樹脂を含有することにより、得られる感光性樹脂組成物の現像特性を向上させるとともに、アウトガスの低減にも寄与することができる。
Figure 2018180151
(式(2)において、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、式(3)
Figure 2018180151
(式(3)において、R11、R12、R13、R14及びR15はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数3〜10のシクロアルキル基又は炭素原子数6〜12のアリール基を表す。式(3)の*は、芳香環を構成する炭素原子との結合部を表す。)で表されるアルケニル基、炭素原子数1〜2のアルコキシ基又は水酸基を表し、かつR、R及びRの少なくとも1つは式(3)で表されるアルケニル基である。Qは式−CR10−で表されるアルキレン基、炭素原子数5〜10のシクロアルキレン基、芳香環を有する二価の有機基、脂環式縮合環を有する二価の有機基又はこれらを組み合わせた二価基であり、R及びR10はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基又は炭素原子数6〜12のアリール基を表す。式(2)の構造が1分子中に2つ以上存在するときは、それぞれの式(2)の構造は同一でも異なってもよい。
なお、成分(a1)がエポキシ基とフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂(a2)にも該当する場合は、成分(a1)として扱うものとする。成分(a2)がポリアルケニルフェノール樹脂等のその他のアルカリ可溶性樹脂(a3)にも該当する場合は、成分(a2)として扱うものとする。すなわち、エポキシ基とフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂(a2)及びその他のアルカリ可溶性樹脂(a3)は、成分(a1)に該当するものを除くものとする。
アルカリ可溶性樹脂(A)は、1種類の樹脂を単独で用いてもよいし、2種類以上の樹脂を併用してもよい。アルカリ可溶性樹脂(A)100質量部中、成分(a2)及び成分(a3)で表わされる群から選択される少なくとも1種の合計の成分量は、0〜80質量%が好ましく、より好ましくは10〜75質量%であり、さらに好ましくは20〜70質量%である。この範囲で成分(a2)、成分(a3)が含まれている場合には、感光性樹脂組成物の耐熱性は良好である。
(B)キノンジアジド化合物
本発明の感光性樹脂組成物は、感放射線化合物としてキノンジアジド化合物を含有する。キノンジアジド化合物としては、ポリヒドロキシ化合物にスルホ基を有するキノンジアジド化合物がエステルで結合したもの等が挙げられる。露光部と未露光部のコントラストの観点から、これらポリヒドロキシ化合物やポリアミノ化合物の官能基全体の50モル%以上20モル%以上がキノンジアジドで置換されていることが好ましい。このようなキノンジアジド化合物を用いることで、一般的な紫外線である水銀灯のi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)に感光するポジ型の感光性樹脂組成物を得ることができる。
ポリヒドロキシ化合物としては、Bis−Z、BisP−EZ、TekP−4HBPA、TrisP−HAP、TrisP−PA、TrisP−SA、TrisOCR−PA、BisOCHP−Z、BisP−MZ、BisP−PZ、BisP−IPZ、BisOCP−IPZ、BisP−CP、BisRS−2P、BisRS−3P、BisP−OCHP、メチレントリス−FR−CR、BisRS−26X、DML−MBPC、DML−MBOC、DML−OCHP、DML−PCHP、DML−PC、DML−PTBP、DML−34X、DML−EP、DML−POP、ジメチロール−BisOC−P、DML−PFP、DML−PSBP、DML−MTrisPC、TriML−P、TriML−35XL、TML−BP、TML−HQ、TML−pp−BPF、TML−BPA、TMOM−BP、HML−TPPHBA、HML−TPHAP(以上、商品名、本州化学工業株式会社製)、BIR−OC、BIP−PC、BIR−PC、BIR−PTBP、BIR−PCHP、BIP−BIOC−F、4PC、BIR−BIPC−F、TEP−BIP−A、46DMOC、46DMOEP、TM−BIP−A(以上、商品名、旭有機材工業株式会社製)、2,6−ジメトキシメチル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジメトキシメチル−p−クレゾール、2,6−ジアセトキシメチル−p−クレゾール、ナフトール、テトラヒドロキシベンゾフェノン、没食子酸メチルエステル、ビスフェノールA、ビスフェノールE、メチレンビスフェノール、BisP−AP(商品名、本州化学工業株式会社製)等が挙げられるが、これらに限定されない。
キノンジアジド化合物の具体例としては、上記ポリヒドロキシ化合物の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル又は1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルが挙げられる。
キノンジアジド化合物は紫外光等が露光されると下記反応式2に示された反応を経てカルボキシル基を生成することが知られている。カルボキシル基が生成することにより、露光された部分(皮膜)がアルカリ溶液に対して溶解できるようになり、アルカリ現像性が発現する。
Figure 2018180151
本発明における感光性樹脂組成物中のキノンジアジド化合物(B)の含有量は、使用するキノンジアジド化合物により異なるが、アルカリ可溶性樹脂(A)100質量部を基準として、10〜100質量部が好ましく、より好ましくは15〜90質量部、さらに好ましくは20〜80質量部である。アルカリ可溶性樹脂(A)100質量部を基準として、10質量部以上であるとアルカリ現像性が良好である。100質量部以下であれば300℃以上での加熱減少率が大きくなりにくい。
(任意成分)
本発明の感光性樹脂組成物は、任意成分として、黒色着色剤、分散剤、その他の着色剤、熱硬化剤、界面活性剤、溶媒等を添加することができる。なお、任意成分は(A)及び(B)のいずれにも当てはまらないものと定義する。
(C)黒色着色剤
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに任意成分として、例えば、隔壁材に遮光性を持たせるために、黒色着色剤を含有することができる。このような黒色着色剤としては、例えば、ソルベントブラック27〜47のカラーインデックス(C.I.)で規定される黒色染料(c1)を使用することができる。黒色染料は、好ましくは、ソルベントブラック27、29又は34のC.I.で規定されるものである。ソルベントブラック27〜47のC.I.で規定される染料のうち少なくとも1種類を黒色染料として用いた場合、焼成後の感光性樹脂組成物の膜の厚さ1μm当たりの光学濃度(OD値)を0.1〜3.0にすることができ、より黒色に近い色を保つことができる。膜の厚さ1μm当たりの光学濃度(OD値)は、透過濃度計及び膜厚測定装置を用いて測定可能である。この利点から本発明の感光性樹脂組成物を有機ELディスプレイ等の表示装置の隔壁材として使用した場合、表示装置の視認性を向上させることができる。
本発明における感光性樹脂組成物中の黒色着色剤(C)の含有量は、アルカリ可溶性樹脂(A)100質量部を基準として、10〜100質量部が好ましく、より好ましくは20〜90質量部、さらに好ましくは30〜80質量部である。黒色染料(c1)の含有量も黒色着色剤(C)の含有量と同一の範囲にすることができる。黒色染料(c1)の含有量が10質量部以上であると、焼成後の硬化膜の厚さ1μm当たりのOD値を0.1〜3.0の範囲にすることができ、加熱しても黒色を保持することができる。100質量部以下であると、残膜率、耐熱性、感度等が良好である。
本発明の黒色着色剤として、黒色顔料(c2)を使用することもできる。黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、アセチレンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック、チタンブラック等の黒色顔料を挙げることができる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせても構わない。黒色顔料は分散液の形態で使用することができる。黒色顔料として好ましくは、チタンブラック、カーボンブラック等であり、より好ましくはチタンブラックである。
本発明に使用するチタンブラックとしては、次のものに限定されないが、二酸化チタンと金属チタンの混合体を還元雰囲気で加熱し還元する方法(特開昭49−5432号公報)、四塩化チタンの高温加水分解で得られた超微細二酸化チタンを水素を含む還元雰囲気中で還元する方法(特開昭57−205322号公報)、二酸化チタン又は水酸化チタンをアンモニア存在下で高温還元する方法(特開昭60−65069号公報、特開昭61−201610号公報)、二酸化チタン又は水酸化チタンにバナジウム化合物を付着させ、アンモニア存在下で高温還元する方法(特開昭61−201610号公報)等で製造されたものを使用できる。チタンブラックの市販品の例としては、三菱マテリアル株式会社製のチタンブラック10S、12S、13R、13M、13M−C、13−MT、16M、UF−8、赤穂化成株式会社製のTilack Dなどが挙げられる。これらのチタンブラックは1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
チタンブラックは、アルカリ可溶性樹脂(A)100質量部を基準として、3〜30質量部が好ましく、より好ましくは5〜20質量部であり、さらに好ましくは8〜15質量部である。チタンブラックの含有量がアルカリ可溶性樹脂(A)100質量部を基準として3〜30質量部であれば、目的のOD値(光学濃度)が得られる。
分散液中のチタンブラックの平均粒子径D50(体積基準)は、5〜100nmが好ましい。平均粒子径D50が5〜100nmであれば、高い遮光性が得られる。平均粒子径D50は、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置Microtrac wave(日機装株式会社)を用いて測定できる。
黒色着色剤(C)として、ソルベントブラック27〜47のカラーインデックス(C.I.)で規定される黒色染料、チタンブラックを採用した場合には特に耐熱性に優れるため、200℃以上の高温処理後でも、該黒色着色剤を含む感光性樹脂組成物は黒色を保ち高い遮光性を維持できる。
(D)分散剤
チタンブラック等の顔料を分散させるために、分散剤を使用することも可能である。分散剤としては、例えば、商品名DISPERBYK−110、DISPERBYK−111(ビックケミー・ジャパン株式会社製)等、商品名ディスパロン(登録商標)PW−36、ディスパロン(登録商標)DA−375(楠本化成株式会社製)等のリン酸エステル類、ポリリン酸エステル類、リン酸ポリエステル類、ポリエーテルリン酸エステル類等のリン酸分散剤、商品名フローレンG−700、フローレンG−900、フローレンGW−1500(共栄社化学株式会社製)等のカルボキシル基含有ポリマー分散剤、商品名アジスパー(登録商標)PN411、アジスパー(登録商標)PA111(味の素ファインテクノ株式会社製)等の高級脂肪酸エステル分散剤が挙げられる。中でも骨格にグラフト鎖を有しない分散剤、例えば商品名DISPERBYK−110、DISPERBYK−111(ビックケミー・ジャパン株式会社製)等が好ましく用いられる。
分散剤は黒色顔料(c2)100質量部に対して1〜40質量部含むことが好ましく、より好ましくは2〜30質量部、さらに好ましくは3〜20質量部である。分散剤が黒色顔料(c2)100質量部に対して1〜40質量部であれば、粒子を良好に分散することができる。
(E)その他の着色剤
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに任意成分として、その他の着色剤を含有することができる。このような着色剤は、染料、有機顔料、無機顔料が挙げられるが、目的に合わせて用いることができる。
染料の具体例としてはアゾ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、シアニン染料、スクアリリウム染料、クロコニウム染料、メロシアニン染料、スチルベン染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、フルオラン染料、スピロピラン染料、フタロシアニン染料、インジゴ染料、フルギド染料、ニッケル錯体染料、及びアズレン染料等が挙げられる。
顔料としてはC.I.ピグメントイエロー20,24,86,93,109,110,117,125,137,138,147,148,153,154,166、C.I.ピグメントオレンジ36,43,51,55,59,61、C.I.ピグメントレッド9,97,122,123,149,168,177,180,192,215,216,217,220,223,224,226,227,228,240、C.I.ピグメントバイオレット19,23,29,30,37,40,50、C.I.ピグメントブルー15,15:1,15:4,22,60,64、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブラウン23,25,26等を挙げることができる。
(F)熱硬化剤
本発明の感光性樹脂組成物に熱硬化剤を含有することが、加熱により組成物を硬化させることができるため好ましい。熱硬化剤としては、熱ラジカル発生剤を使用することができる。好ましい熱ラジカル発生剤としては、有機過酸化物を挙げることができ、具体的にはジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の10時間半減期温度が100〜170℃の有機過酸化物等を挙げることができる。熱硬化剤の含有量は、アルカリ可溶性樹脂(A)100質量部に対して5質量部以下が好ましく、より好ましくは4質量部以下であり、さらに好ましくは3質量部以下である。
(G)界面活性剤
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに任意成分として、例えば塗布性を向上させるため、あるいは塗膜の現像性を向上させるために、界面活性剤を含有することができる。このような界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアリールエーテル類;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレート等のポリオキシエチレンジアルキルエステル類等のノニオン界面活性剤;メガファック(登録商標)F−251、同F−281、同F−430、同F−444、同R−40、同F−553、同F−554、同F−555、同F−556、同F−557、同F−558、同F−559(以上、商品名、DIC株式会社製)、サーフロン(登録商標)S−242、同S−243、同S−385、同S−386、同S−420、同S−611(以上、商品名、ACGセイミケミカル株式会社製)等のフッ素系界面活性剤;オルガノシロキサンポリマーKP323、KP326、KP341(以上、商品名、信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上用いることもできる。このような界面活性剤は、アルカリ可溶性樹脂(A)100質量部を基準として、好ましくは2質量部以下、より好ましくは1質量部以下、さらに好ましくは0.5質量部以下の量で配合される。
(H)溶媒
本発明の感光性樹脂組成物は、溶媒に溶解されて溶液状態で用いられることが、基材への塗布性の面で好ましい。本発明の感光性樹脂組成物は溶媒量によって種々の塗布方法に適した粘度に調整可能である。使用目的により、適宜の固形分濃度を採用することができるが、例えば、固形分濃度1〜60質量%、好ましくは3〜50質量%、さらに好ましくは5〜40質量%とすることができる。
溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール類、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類を使用することができる。これらの溶媒は単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせても構わない。
[感光性樹脂組成物の調製方法]
本発明の感光性樹脂組成物は、前記のアルカリ可溶性樹脂(A)、キノンジアジド化合物(B)、及び必要に応じて任意成分を前記の溶媒に溶解又は分散して混合することにより調製することができる。使用目的により、適宜の固形分濃度を採用することができるが、例えば、固形分濃度10〜60質量%とすることができる。調製された組成物の溶液は、通常、使用前にろ過される。ろ過の手段としては、例えば孔径0.05〜1.0μmのメンブレンフィルター等が挙げられる。このように調製された本発明の感光性樹脂組成物は、長期間の貯蔵安定性にも優れている。
[顔料分散液の製造方法]
顔料を混合する際は、前記のアルカリ可溶性樹脂(A)及びキノンジアジド化合物(B)と混合する前に顔料を溶媒に分散させておくことが好ましい。顔料分散液は、顔料、溶媒、及び必要に応じて分散剤を混合することで製造できる。例えばチタンブラックを使用する場合、チタンブラックと、γ−ブチロラクトンと、DISPERBYK−111(ビックケミー・ジャパン株式会社製)とを混合することで分散液を得ることができる。顔料を解砕、分散する際の分散機としては特に限定されるものではなく、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、ペイントシェーカー、ロッキングミルなどのボール型、ニーダー、パドルミキサー、プラネタリミキサー、ヘンシェルミキサーなどのブレード型、3本ロールミキサーなどのロール型、その他として擂潰(ライカイ)機、コロイドミル、超音波、ホモジナイザー、自転・公転ミキサーなどが挙げられる。この中でも、安定して短時間で微分散が可能なボール型が好ましい。このボール型に使用するボールの材質としては、ガラス、窒化珪素、アルミナ、ジルコン、ジルコニア、スチールなどが挙げられる。ビーズ径としては、直径0.03〜25mmの一般的な形状のものが使用できるが、微細化の観点からは直径5mm以下の小径が好ましい。
ビーズミルを用いて分散液を調製する際の添加順序は特に限定されるものではないが、良好な分散液を得るためには以下の順番が望ましい。
まず、溶媒に分散剤を均一に分散させる。溶媒に分散剤を予め均一に分散させない場合には、部分的に分散剤濃度の高いエリアが生じて粒子の凝集など不具合となり易い。次いで必要量の顔料を先に調製した溶液に入れて、最後にビーズを入れる。顔料に凝集が見られる場合には、予備的な分散を行ってもよい。樹脂との相溶性、顔料の再凝集抑制を目的にバインダー樹脂又はその他の樹脂成分を用いてもよい。
顔料分散液とアルカリ可溶性樹脂、キノンジアジド化合物、及び任意成分を混合する際の順序に特に制限は無いが、例えば、アルカリ可溶性樹脂を溶媒に溶解し、この溶液に、キノンジアジド化合物、顔料分散液、必要に応じて熱硬化剤、界面活性剤等の添加剤を所定の割合で混合することにより、溶液状態の感光性樹脂組成物を調製することができる。
顔料分散液とアルカリ可溶性樹脂、キノンジアジド化合物、及び任意成分を混合する際の撹拌機としては特に限定されるものではなく、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、ペイントシェーカー、ロッキングミルなどのボール型、ニーダー、パドルミキサー、プラネタリミキサー、ヘンシェルミキサーなどのブレード型、3本ロールミキサーなどのロール型、その他として擂潰(ライカイ)機、コロイドミル、超音波、ホモジナイザー、自転・公転ミキサー、メカニカルスターラーなどが挙げられる。ラボレベルで用いる場合は、メカニカルスターラーが安定して短時間で混合可能なため好ましい。撹拌時に使用する撹拌翼は、ファン、プロペラ、十字、タービン、トンボ型などから適宜選択できる。顔料分散液やアルカリ可溶性樹脂溶液などを混合し、室温で1〜10分間、回転数10〜1000rpmで撹拌することによって樹脂組成物を得ることができる。調製された組成物液は、使用前にろ過することが好ましい。ろ過の手段としては、例えば孔径0.05〜1.0μmのメンブレンフィルター等が挙げられる。このように調製された本発明の感光性樹脂組成物は、長期間の貯蔵安定性にも優れている。
[パターン形成・硬化方法]
本発明の感光性樹脂組成物を放射線リソグラフィー用に使用する場合、まず、本発明の感光性樹脂組成物を基板表面に塗布し、加熱等の手段により溶媒を除去して、塗膜を形成することができる。基板表面への感光性樹脂組成物の塗布方法は特に限定されず、例えばスプレー法、ロールコート法、スリット法、回転塗布法等の各種の方法を採用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物を基板表面に塗布した後、通常、加熱(プリベーク)により溶媒を乾燥して塗膜とする。加熱条件は各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、通常70〜130℃で、所定時間、例えばホットプレート上なら1〜20分間、オーブン中では3〜60分間加熱処理をすることによって塗膜を得ることができる。
次にプリベークされた塗膜に所定パターンのマスクを介して放射線(例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線等)等を照射(露光工程)した後、現像液により現像し、不要な部分を除去して所定パターン状塗膜を形成する(現像工程)。ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルをポジ型感光性化合物として使用する場合、好ましい放射線は、250〜450nmの波長を有する紫外線〜可視光線である。
現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類;エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一級アミン類;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の第二級アミン類;トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三級アミン類;ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第四級アンモニウム塩;ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノナン等の環状アミン類等のアルカリ類の水溶液を用いることができる。濃度に特に制限は無いが、0.5〜5.0質量%が好ましい。上記アルカリ水溶液に、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒、界面活性剤等を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。現像時間は通常30〜180秒間であり、現像の方法は液盛り法、シャワー法、ディッピング法等のいずれでもよい。現像後、流水洗浄を30〜90秒間行い、不要な部分を除去し、圧縮空気や圧縮窒素で風乾させることによって、パターンが形成される。その後このパターンを、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により、所定温度例えば120〜350℃で、20〜200分間加熱処理をすることによって塗膜を得ることができるが、温度を段階的に上げてもよい(加熱処理工程)。
本発明は、(1)前記の感光性樹脂組成物を溶媒に溶かし、これを基材に塗布する塗布工程、(2)塗布された感光性樹脂組成物中の溶媒を除去する乾燥工程、(3)放射線をフォトマスク越しに照射する露光工程、(4)アルカリ現像によりパターン形成する現像工程、及び(5)100〜350℃の温度で加熱する加熱処理工程を含む放射線リソグラフィー構造物の製造方法を採用することができる。この方法は、例えば、有機EL素子の隔壁及び絶縁膜の形成に用いることができる。
本発明は、前記感光性樹脂組成物の硬化物からなる有機EL素子の隔壁を得ることができる。
本発明は、前記感光性樹脂組成物の硬化物からなる有機EL素子の絶縁膜を得ることができる。
本発明は、前記感光性樹脂組成物の硬化物を含む有機EL素子を得ることができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されない。
(1)成分(a):アルカリ可溶性樹脂溶液の製造及び評価
[製造例1]
300mLの3つ口型フラスコに溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート170gを入れ、窒素ガス雰囲気下で85℃に昇温したところへ、アルカリ可溶性基を有する重合性単量体として4−ヒドロキシフェニルメタクリレート(昭和電工株式会社製「PQMA」)73g、その他の重合性単量体としてN−シクロヘキシルマレイミド(株式会社日本触媒製)27g、重合開始剤としてアゾビスイソ酪酸ジメチル(和光純薬工業株式会社製「V−601」)1.7g、RAFT剤として下記式(r1)で表される化合物(シグマアルドリッチ製「723010」)1.8gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート170gに完全溶解させた溶液を2時間かけて滴下し、さらに85℃で4時間反応させた。室温まで冷却した反応溶液を2000gのトルエン中に滴下し、重合体を沈殿させた。沈殿した重合体をろ過により回収し、90℃で10時間真空乾燥し乳白色の粉体を回収した。これをγ−ブチロラクトンに溶解し、固形分20質量%の樹脂液を得た(樹脂液A1−1)。この重合体の数平均分子量は12400、重量平均分子量は21100であった。
[製造例2〜9及び比較製造例1〜3]
製造例1と同様の方法によって、表1に示す組成に従って製造した。なお、表1中に記載の製造例及び比較製造例の各成分の数字の単位は「g」である。製造例1〜9で使用したRAFT剤の構造は下記式(r2)〜(r5)に示すとおりである。製造例2〜9で調製した樹脂液を、それぞれ樹脂液A2〜A9とし、比較製造例1〜3で調製した樹脂液を、それぞれ樹脂液X1〜X3とした。製造例2〜9及び比較製造例1〜3で得られた重合体の数平均分子量及び重量平均分子量はそれぞれ表1に示すとおりであった。
Figure 2018180151
Figure 2018180151
Figure 2018180151
Figure 2018180151
Figure 2018180151
各製造例及び各比較製造例で調製した樹脂液について、重量減少率(アウトガス)の評価を行った。結果を表1に示す。評価方法は下記の通りである。
[重量平均分子量及び数平均分子量]
以下の測定条件で、ポリスチレンの標準物質を使用して作成した検量線を用いて数平均分子量、重量平均分子量を算出した。
装置名:Shodex(登録商標)GPC−101
カラム:Shodex(登録商標)LF−804
移動相:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/min
検出器:Shodex(登録商標)RI−71
温度:40℃
[重量減少率]
製造例1〜9、比較製造例1〜3の樹脂液を窒素ガス雰囲気下250℃で60分間加熱して溶媒を乾燥した後、示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA7200、株式会社日立ハイテクサイエンス製)で窒素ガス雰囲気下、300℃、90分加熱時の樹脂成分の重量減少率を測定した。重量減少率が5%未満のものを「良好」とし、重量減少率が5%以上のものを「不良」として評価を行った。
Figure 2018180151
表1の製造例1〜9より、上記の式(I)及び(II)で表わされる構造のうち少なくとも一種及び式(III)で表される構造を有する重合体は、重量減少率が5%未満と低く、アウトガスの低減効果に優れていた。一方、比較製造例1〜3より、式(I)及び(II)で表わされる構造のうち少なくとも一種及び式(III)で表わされる構造を含まない重合体は、重量減少率が5%を超えておりアウトガスが顕著に発生しており、高温処理を伴う隔壁材等への適用が難しいことがわかった。
(2)成分(a2):エポキシ基とフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂溶液の製造
[樹脂液A2−1の製造]
300mLの3つ口型フラスコに溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(株式会社ダイセル製)170g、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物としてEPICLON(登録商標)N−695(DIC株式会社製クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量215)を43g仕込み、窒素雰囲気下、60℃で溶解させた。そこへヒドロキシ安息香酸類として3,5−ジヒドロキシ安息香酸(和光純薬工業株式会社製)を20g(エポキシ化合物のエポキシ基1当量に対して0.7当量)、反応触媒としてトリフェニルホスフィン(北興化学工業株式会社製)を0.2g追加し、110℃で12時間反応させた。反応溶液を室温に戻し、γ−ブチロラクトンで固形分20質量%に希釈した溶液をろ過回収した(樹脂液A2−1)。得られた反応物の数平均分子量は3200、重量平均分子量は7000であった。分子量の測定法は樹脂液A1−1と同様である。
[樹脂液A2−2の製造]
300mLの3つ口型フラスコに溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(株式会社ダイセル製)170g、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物としてEPICLON(登録商標)N−695(DIC株式会社製クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量215)を43g仕込み、窒素ガス雰囲気下、60℃で溶解させた。そこへヒドロキシ安息香酸類として3,5−ジヒドロキシ安息香酸(和光純薬工業株式会社製)を15g(エポキシ化合物のエポキシ基1当量に対して0.53当量)、反応触媒としてトリフェニルホスフィン(北興化学工業株式会社製)を0.2g追加し、110℃で12時間反応させた。反応溶液を室温に戻し、γ−ブチロラクトンで固形分20質量%に希釈した溶液をろ過回収した(樹脂液A2−2)。得られた反応物の数平均分子量は2800、重量平均分子量は6200であった。
(3)感光性樹脂組成物の調製及び評価
[実施例1]
(B)キノンジアジド化合物としてTS−100G(東洋合成工業株式会社製、α,α,α−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼンの1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル)をγ−ブチロラクトンに溶解し、固形分20質量%の樹脂液を得た(樹脂液B)。黒色染料としてソルベントブラック34とアミン類の混合物であるVALIFAST(登録商標) BLACK 3804(オリエント化学工業株式会社製)をγ−ブチロラクトンに溶解し、固形分10質量%の樹脂液を得た(樹脂液C)。レベリング剤としてサーフロンS−386(AGCセイミケミカル製)をγ−ブチロラクトンに溶解し、固形分1質量%の樹脂液を得た(樹脂液D)。
製造例1にて得られた樹脂液A1−1を50g、樹脂液A1−2を100g、樹脂液A2−1を200g、樹脂液Bを150g(なお、A1−1の樹脂固形分+A2−1の樹脂固形分+Bの樹脂分固形を100重量部とする。)、樹脂液Cを430g、樹脂液Dを22g混合して溶解させた。溶解を目視で確認した後、孔径0.22μmのメンブレンフィルターで濾過し、感光性樹脂組成物を調製した。
[実施例2〜4、比較例1〜2]
実施例1と同様の方法によって、表2に示す配合組成に従って配合した。なお、表2中に記載の実施例の各成分の数字の単位は「g」であり、()内は固形分の質量部である。
各実施例で調製した感光性樹脂組成物について、アルカリ現像性、パターン形成性、パターン直線性、形状維持性、光学濃度及び重量減少率の評価を行った。結果を表2に示す。評価方法は下記の通りである。
[アルカリ現像性、パターン形成性、パターン直線性]
ガラス基板(大きさ70mm×70mm×0.7mm)に実施例1〜4、比較例1〜2の感光性樹脂組成物を乾燥膜厚が約2μmになるようにバーコートし、120℃で80秒溶剤を乾燥した。さらに超高圧水銀ランプを組み込んだ露光装置(商品名マルチライトML−251A/B、ウシオ電機株式会社製)で石英製のフォトマスクを介して100mJ/cm露光した。露光量は紫外線積算光量計(商品名UIT−150 受光部 UVD−S365、ウシオ電機株式会社製)を用いて測定した。露光した塗膜は、スピン現像装置(AD−1200、滝沢産業株式会社製)を用い2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液で60秒間アルカリ現像を行ない、アルカリ現像性の評価を行った。光学顕微鏡(VH−Z250、株式会社キーエンス製)を用いた観察で、アルカリ現像後の残渣がない場合を「良好」、残渣があった場合を「不良」として判定した。
パターン形成性の評価は、アルカリ現像後のパターンの線幅測定により行った。光学顕微鏡(VH−Z250、株式会社キーエンス製)を用い、フォトマスクのライン&スペースのパターンの線幅がそれぞれ10μmである箇所を確認することにより行った。アルカリ現像後のパターンのライン&スペースのパターンの線幅が1:1となっていれば「良好」、ライン部の線幅が±10%以内で「良好」以外のものを「可」、それ以外を「不可」としてパターン形成性の評価を行った。
パターンの直線性の評価は、パターンがほぼ直線状となっているものを「良好」、やや波打っているものを「可」、それ以外を「不可」とした。
[形状維持性]
上記と同様にパターンを形成後、ガラス基板を150℃に温めたホットプレート上に置いて30分経過後、パターン形状と線幅の変化を触針式段差計(SURFCOM130A、株式会社東京精密製)を用いて評価した。加熱によりどちらも変化のないものを「良好」、パターン形状が丸みを帯びるものを「可」、それ以外を「不可」として判定した。
[光学濃度]
ガラス基板(大きさ70mm×70mm×0.7mm)に実施例1〜4、比較例1〜2の感光性樹脂組成物を乾燥膜厚が約1μmになるようにバーコートし、120℃で80秒乾燥した。さらに窒素ガス雰囲気下60℃で30分加熱後、窒素ガス雰囲気下250℃で60分間加熱することで硬化した。その塗膜を用い、膜厚測定装置(F20−NIR、フィルメトリクス株式会社製)で膜厚を測定し、透過濃度計(BMT−1、サカタインクスエンジニアリング株式会社製)で光学濃度を測定した。表2には、塗膜の厚さ1μm当たりの光学濃度値(OD値)を示す。
[重量減少率]
実施例1〜4、比較例1〜2の感光性樹脂組成物を窒素ガス雰囲気下250℃で60分間加熱して溶媒を乾燥した後、示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA7200、株式会社日立ハイテクサイエンス製)で窒素ガス雰囲気下、300℃、90分加熱時の樹脂成分の重量減少率を測定した。重量減少率が7.5%未満のものを「良好」とし、重量減少率が7.5%以上のものを「不良」として評価を行った。
Figure 2018180151
表2の実施例1〜4より、本発明の感光性樹脂組成物は、アルカリ現像性、パターン形成性、パターン直線性、形状維持性、光学濃度、アウトガスの低減効果の全ての点がバランス良く優れていることが分かった。一方、比較例1〜2は、アウトガスの点から高温処理を伴う隔壁材等への適用が難しいことがわかった。
本発明の感光性樹脂組成物はアウトガスの発生を低減することができるため、ポジ型放射線リソグラフィー及び加熱処理を経る有機EL素子の隔壁、絶縁膜等の形成に好適に利用することができる。

Claims (15)

  1. (A)アルカリ可溶性樹脂、及び(B)キノンジアジド化合物を含有する感光性樹脂組成物であって、前記(A)アルカリ可溶性樹脂が、
    分子鎖の少なくとも一方の末端に下記式(I)で表される構造、及び
    分子内に下記式(II)で表される構造の少なくとも一方と、下記式(III)で表される構造を有する重合体であるアルカリ可溶性樹脂(a1)を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
    Figure 2018180151
    Figure 2018180151
    (式中、Zは水素原子、塩素原子、カルボキシル基、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数8〜20の1価の芳香族炭化水素基、炭素原子とヘテロ原子との合計原子数3〜20の1価の複素環式基、−OR、−N(R)、−OC(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R)、−P(=O)(OR)、−P(=O)(R)から選ばれる少なくとも一種を示し、各Rは相互に独立に炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、炭素原子数6〜18の1価の芳香族炭化水素基又は炭素原子とヘテロ原子との合計原子数3〜18の1価の複素環式基を示し、*は重合体との結合部を示す。)
    Figure 2018180151
    (式中、Raは電子求引基であり、Rb及びRcは炭素原子数1〜5のアルキル基であり、*は重合体との結合部である。)
  2. 前記Raが、−COOH、−CN、−COOCH、又は
    Figure 2018180151
    である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記式(I)〜式(III)で表される構造が、下記式(IV−1)〜(IV−8)で表される群より選ばれる少なくとも1種の化合物に由来する構造である、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2018180151
    Figure 2018180151
    Figure 2018180151
    Figure 2018180151
    Figure 2018180151
    Figure 2018180151
    Figure 2018180151
    Figure 2018180151
    (式中、Zは水素原子、塩素原子、カルボキシル基、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数8〜20の1価の芳香族炭化水素基、炭素原子とヘテロ原子との合計原子数3〜20の1価の複素環式基、−OR、−N(R)2、−OC(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R)2、−P(=O)(OR)2、−P(=O)(R)2から選ばれる少なくとも一種を示し、各Rは相互に独立に炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、炭素原子数6〜18の1価の芳香族炭化水素基又は炭素原子とヘテロ原子との合計原子数3〜18の1価の複素環式基を示し、Rb及びRcは炭素原子数1〜5のアルキル基であり、Rdは炭素原子数1〜20のアルキル基である。)
  4. 前記アルカリ可溶性樹脂(a1)の重量平均分子量が5,000〜80,000である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. (C)黒色着色剤をさらに含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. (A)アルカリ可溶性樹脂の総量100質量部に対して、(B)キノンジアジド化合物の含有量が10〜100質量部、及び存在する場合は(C)黒色着色剤の含有量が10〜100質量部である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 前記アルカリ可溶性樹脂(a1)が、アルカリ可溶性基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体の共重合体である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 前記アルカリ可溶性基がカルボキシル基、フェノール性水酸基、及び酸無水物基からなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項7に記載の感光性樹脂組成物。
  9. 前記アルカリ可溶性樹脂(a1)が下記式(V)
    Figure 2018180151
    (式中、R1は水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、rは1〜5の整数を表す。)
    で表されるモノマー単位を有する、請求項7又は8に記載の感光性樹脂組成物。
  10. 前記アルカリ可溶性樹脂(a1)が下記式(VI)
    Figure 2018180151
    (式中、R2及びR3は、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、完全若しくは部分的にフッ素化された炭素原子数1〜3のアルキル基、又はハロゲン原子を表し、R4は、水素原子、炭素原子数1〜6の直鎖あるいは環状アルキル基、フェニル基、又はヒドロキシ基、炭素原子数1〜6のアルキル基及び炭素原子数1〜6のアルコキシ基からなる群より選ばれた少なくとも一種で置換されたフェニル基を表す。)
    で表されるモノマー単位を有する、請求項7〜9のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  11. (A)アルカリ可溶性樹脂が、エポキシ基とフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂(a2)をさらに含有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  12. 重合性単量体の総量100質量部に対して、式(I)又は(II)の構造、及び式(III)の構造を付与し得るRAFT剤0.01〜10質量部の存在下で重合性単量体を重合して得られる、アルカリ可溶性樹脂(a1)を含有する(A)アルカリ可溶性樹脂を製造する工程と、
    前記(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)キノンジアジド化合物、及び任意に(C)黒色着色剤を混合して樹脂組成物を製造する工程と
    を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
  13. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物からなる有機EL素子の隔壁又は絶縁膜。
  14. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物を含む有機EL素子。
  15. (1)請求項1〜11のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を溶媒に溶かし、これを基材に塗布する塗布工程、
    (2)塗布された感光性樹脂組成物中の溶媒を除去する乾燥工程、
    (3)放射線をフォトマスク越しに照射する露光工程、
    (4)アルカリ現像によりパターン形成する現像工程、及び
    (5)100〜350℃の温度で加熱する加熱処理工程
    を含む放射線リソグラフィー構造物の製造方法。
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