JP2018179689A - 電流センサおよび測定装置 - Google Patents

電流センサおよび測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018179689A
JP2018179689A JP2017077900A JP2017077900A JP2018179689A JP 2018179689 A JP2018179689 A JP 2018179689A JP 2017077900 A JP2017077900 A JP 2017077900A JP 2017077900 A JP2017077900 A JP 2017077900A JP 2018179689 A JP2018179689 A JP 2018179689A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
current
operational amplifier
excitation
core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017077900A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6829139B2 (ja
Inventor
憲一 関
Kenichi Seki
憲一 関
和延 林
Kazunobu Hayashi
和延 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hioki EE Corp
Original Assignee
Hioki EE Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hioki EE Corp filed Critical Hioki EE Corp
Priority to JP2017077900A priority Critical patent/JP6829139B2/ja
Publication of JP2018179689A publication Critical patent/JP2018179689A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6829139B2 publication Critical patent/JP6829139B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】2つの励磁コイルを演算増幅器の作動電圧とほぼ同じ電圧値まで駆動可能としつつ、2つの励磁コイルに供給する励磁電流の調整作業を不要にする。【解決手段】測定対象電流Iobによる磁界内に配設されるコア2,3、コア2,3に巻回された励磁コイル4,5、励磁コイル4が反転入力端子と出力端子との間に接続され、非反転入力端子に交流励磁電圧Vexが供給される演算増幅器6、励磁コイル5が反転入力端子と出力端子との間に接続され、非反転入力端子がグランド電位Gに規定された演算増幅器7、および演算増幅器6,7の各反転入力端子間に接続された第1抵抗8を備え、交流励磁電圧Vexを第1抵抗8の抵抗値で除算して求められる電流値の交流励磁電流Iを、励磁コイル4に対しては演算増幅器6が供給し、励磁コイル5に対してはコア3に生じる交流磁束の向きとコア2に生じる交流磁束の向きとが逆になるように演算増幅器7が供給する。【選択図】図1

Description

本発明は、フラックスゲート型電流センサ、特に、測定対象電流が流れる測定対象導体が挿通される2つのコアと、各コアに巻回された2つの励磁コイルと、各コア内に生じる磁束の向きが互いに逆方向となるように各励磁コイルに交流励磁電流を供給する励磁部とを備えたフラックスゲート型電流センサ、およびこのフラックスゲート型電流センサを備えた測定装置に関するものである。
この種のフラックスゲート型電流センサとして、下記の特許文献1に開示された電流センサが知られている。この種のフラックスゲート型電流センサでは、2つの励磁コイルに流れる励磁電流を一致させる必要があることから、この特許文献1に開示された電流センサでは、2つの励磁コイルに流れる励磁電流の電流値を調整して一致させるための可変抵抗器が設けられている。
また、本願出願人は、この励磁電流の調整を不要にすべく、図4に示すフラックスゲート型電流センサ50を下記の非特許文献1において開示している。このフラックスゲート型電流センサ50は、測定対象導体100が挿通される2つのコア51,52に巻回された2つの励磁コイル53,54を1つの演算増幅器55の反転入力端子と出力端子との間(帰還路)に直列に接続する構成を採用している。また、このフラックスゲート型電流センサ50では、演算増幅器55の反転入力端子に入力抵抗56を介して交流励磁電圧Vexを印加すると共に、この演算増幅器55の後段に、入力抵抗57が反転入力端子に接続され、かつこの入力抵抗57と同じ抵抗値の帰還抵抗58が反転入力端子と出力端子との間に接続された演算増幅器59を配置する。また、入力抵抗57を介して演算増幅器55の出力端子と演算増幅器59の反転入力端子とを接続すると共に、演算増幅器59の非反転入力端子に励磁コイル53,54の接続点を接続する。
これにより、フラックスゲート型電流センサ50では、入力抵抗57および帰還抵抗58の抵抗値をRとしたときに、入力抵抗57には、励磁コイル54の誘起電圧V2と等しい電圧が印加されることから、電流I1(=V2/R)が流れ、また、この電流I1は帰還抵抗58にも流れて、この帰還抵抗58での電圧降下は、誘起電圧V2と等しい電圧となる。また、演算増幅器59の反転入力端子の電圧は、演算増幅器59の反転入力端子と非反転入力端子とのバーチャルショートにより、非反転入力端子の電圧(電圧V1)と等しくなる。この構成により、演算増幅器59は、励磁コイル53の誘起電圧V1と励磁コイル54の誘起電圧V2との差電圧(V1−V2)を出力する。
この差電圧(V1−V2)は、交流励磁電圧Vexの2倍の周波数で、かつ測定対象導体100に流れる測定対象電流Iobの振幅で振幅変調された電圧信号である。したがって、図示はしないが、差電圧(V1−V2)を例えばバンドバスフィルタを通過させることで交流励磁電圧Vexの2倍の周波数成分以外のノイズ成分を除去し、さらにこのノイズ成分が除去された信号を交流励磁電圧Vexの2倍の周波数の同期信号で同期検波することにより、測定対象電流Iobを示す信号が検出される。
特開2001−228181号公報(第2−4頁、第1,4図)
日置技報 VOL.27 2006 NO.1に記載の製品名「9709AC/DCカレントセンサ」 インターネット<https://www.hioki.co.jp/hd_technicalData/repor1327982427_1.pdf>
ところが、上記した非特許文献1に開示のフラックスゲート型電流センサには、以下のような改善すべき課題が存在している。すなわち、この電流センサでは、1つの演算増幅器55の反転入力端子と出力端子との間に2つの励磁コイル53,54を配置したことにより、2つの励磁コイル53,54に供給される励磁電流Iを調整することなく同一にすることができるものの、この励磁電流Iを供給するために2つの励磁コイル53,54にそれぞれ印加される最大電圧は、演算増幅器55の出力電圧の1/2の電圧値(つまり、演算増幅器55の作動電圧のほぼ1/2の電圧値)となっている。このため、励磁コイル53,54については変更せずに、励磁電流Iをより高周波化した場合には、各励磁コイル53,54のインピーダンスがより大きな値となることから、演算増幅器55の作動電圧の1/2の電圧値では各励磁コイル53,54を十分に駆動できなくなるおそれがあり、これを改善すべきとの課題が存在している。
本発明は、かかる課題を改善するためになされたものであり、2つの励磁コイルを演算増幅器の作動電圧とほぼ同じ電圧値まで駆動可能としつつ、2つの励磁コイルに対して電流値の調整作業を行うことなく同じ電流値の励磁電流を供給し得るフラックスゲート型電流センサ、およびこのフラックスゲート型電流センサを備えた測定装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載のフラックスゲート型電流センサは、測定対象電流が流れることによって発生する磁界内に配設される第1コアおよび第2コアと、前記第1コアに巻回された第1励磁コイルと、前記第2コアに巻回された第2励磁コイルと、前記第1励磁コイルが反転入力端子と出力端子との間に接続されると共に、非反転入力端子に交流励磁電圧が供給される第1演算増幅器と、前記第2励磁コイルが反転入力端子と出力端子との間に接続されると共に、非反転入力端子が基準電位に規定された第2演算増幅器と、前記第1演算増幅器の前記反転入力端子と前記第2演算増幅器の前記反転入力端子との間に接続された第1抵抗とを備え、前記交流励磁電圧の電圧値を前記第1抵抗の抵抗値で除算して求められる電流値の交流励磁電流を、前記第1励磁コイルに対しては前記第1演算増幅器が供給し、かつ前記第2励磁コイルに対しては前記第2コアに生じる交流磁束の向きと前記第1コアに生じる交流磁束の向きとが逆になるように前記第2演算増幅器が供給する。
請求項2記載のフラックスゲート型電流センサは、請求項1記載のフラックスゲート型電流センサにおいて、前記第2励磁コイルと直列に接続された状態で前記第2演算増幅器の前記反転入力端子と前記出力端子との間に接続されると共に前記第1抵抗と同じ抵抗値に規定された第2抵抗と、前記第1演算増幅器の前記出力端子から出力される第1出力電圧と前記第2演算増幅器の前記出力端子から出力される第2出力電圧とを加算して、前記第1励磁コイルに生じる第1誘起電圧と前記第2励磁コイルに生じる第2誘起電圧との差を示す差電圧を出力する加算部とを備えている。
請求項3記載のフラックスゲート型電流センサは、請求項1記載のフラックスゲート型電流センサにおいて、前記第1コアおよび前記第2コアに巻回されて、前記第1励磁コイルに生じる第1誘起電圧と前記第2励磁コイルに生じる第2誘起電圧との差を示す差電圧を発生させる検出コイルを備えている。
請求項4記載の測定装置は、前記交流励磁電圧に同期した当該交流励磁電圧の2倍の周波数の同期信号で前記差電圧を同期検波することにより、前記測定対象電流の電流値に比例して電圧値が変化する検出信号を出力する検波部を備えている請求項2または3記載のフラックスゲート型電流センサと、前記検出信号に基づいて前記測定対象電流を測定する電流測定部とを備えている。
請求項1記載のフラックスゲート型電流センサおよび請求項4記載の測定装置では、第1演算増幅器の反転入力端子と出力端子との間に第1コアに巻回された第1励磁コイルが接続され、第2演算増幅器の反転入力端子と出力端子との間に第2コアに巻回された第2励磁コイルが接続され、第1演算増幅器の反転入力端子と第2演算増幅器の反転入力端子との間に第1抵抗が接続され、かつ第2演算増幅器の非反転入力端子が基準電位に規定された状態で、第1演算増幅器の非反転入力端子に交流励磁電圧が供給される。
したがって、このフラックスゲート型電流センサおよびこの測定装置によれば、電流値を規定する第1抵抗、第1励磁コイルおよび第2励磁コイルを直列の状態で含む1つの電流経路にこの電流値の交流励磁電流を供給する構成にできるため、第1励磁コイルおよび第2励磁コイルに流れる交流励磁電流を常に同じ電流値にすることができる。これにより、このフラックスゲート型電流センサおよび測定装置では、第1励磁コイルおよび第2励磁コイルに流れる交流励磁電流を同じ電流値に調整する作業を不要にすることができる。
また、このフラックスゲート型電流センサおよび測定装置によれば、第1演算増幅器から第1励磁コイルに印加する出力電圧や第2演算増幅器から第2励磁コイルに印加する出力電圧を、第1演算増幅器および第2演算増幅器の作動電圧である正電圧や負電圧に近い電圧値(ほぼ同じ電圧値)まで大きくすることができる(第1励磁コイルおよび第2励磁コイルを作動電圧とほぼ同じ電圧値まで駆動可能にできる)。したがって、このフラックスゲート型電流センサおよび測定装置によれば、背景技術において説明したフラックスゲート型電流センサ(直列接続された2つの励磁コイルを1つの演算増幅器で駆動する構成の電流センサ)とは異なり、第1励磁コイルおよび第2励磁コイルを駆動する電圧(各出力電圧)が正電圧や負電圧の1/2に制限されることがないことから、交流励磁電圧の電圧値を大きくして、交流励磁電流の電流値を増加させることができるため、各励磁コイルを十分に駆動することができ、またフラックスゲート型電流センサのダイナミックレンジを十分に広くすることができる。
請求項2記載のフラックスゲート型電流センサおよび請求項4記載の測定装置では、第2励磁コイルと直列に接続された状態で第2演算増幅器の反転入力端子と出力端子との間に第1抵抗と同じ抵抗値の第2抵抗を接続し、第1演算増幅器の第1出力電圧と第2演算増幅器の第2出力電圧とを加算部で加算して、第1誘起電圧と第2誘起電圧との差電圧を出力する。したがって、このフラックスゲート型電流センサおよび測定装置によれば、第1コアおよび第2コアに検出コイルを形成する必要が無いため、手間のかかる巻線作業を大幅に簡略化することができる。
請求項3記載のフラックスゲート型電流センサおよび請求項4記載の測定装置によれば、検出コイルを設ける必要があるものの、第1抵抗の抵抗値と同じ抵抗値の第2抵抗を用意する手間を省くことができる。
フラックスゲート型電流センサ1a、およびこれを備えた測定装置MDの構成図である。 他のフラックスゲート型電流センサ1bの構成図である。 他のフラックスゲート型電流センサ1cの要部を示す構成図である。 他のフラックスゲート型電流センサ1d、およびこれを備えた測定装置MDの構成図である。 本願出願人が開示したフラックスゲート型電流センサ50の構成図である。
以下、フラックスゲート型電流センサおよび測定装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、フラックスゲート型電流センサとしてのフラックスゲート型電流センサ1a(以下、単に電流センサ1aともいう)と、この電流センサ1aを備えた測定装置としての測定装置MDの構成について、図1を参照して説明する。
まず、電流センサ1aは、測定対象導体100が挿通される2つのコア(第1コア2,第2コア3)と、第1コア2に巻回された第1励磁コイル4と、第2コア3に巻回された第2励磁コイル5と、第1演算増幅器6と、第2演算増幅器7と、第1抵抗8と、第1抵抗8の抵抗値Rと同じ抵抗値の第2抵抗9とを備えている。さらに、電流センサ1aは、周波数fの交流励磁電圧Vexを出力する励磁部10、加算部11、フィルタ12および検波部13を備えている。この構成の電流センサ1aは、測定対象導体100に流れる測定対象電流Iobの電流値(以下では、理解の容易のため、測定対象電流Iobと同じ符号Iobを付して、電流値Iobと表記するものとする)に比例して電圧値が変化する検出信号Vdを出力する。
この場合、第1コア2および第2コア3は、同じ磁性材料を用いて同じ形状(本例では一例として、環状(円環状やロ字状など))に形成されている。また、この電流センサ1aでは、第1コア2および第2コア3は、上記したように測定対象導体100が挿通されることで、測定対象電流Iobが流れることによって測定対象導体100の周囲に発生する不図示の磁界内に配設される。また、第1励磁コイル4および第2励磁コイル5は、同じ線材を用いて同じ巻回数に規定されている。
第1演算増幅器6は、非反転入力端子に励磁部10から交流励磁電圧Vexが供給(印加)される。また、第1演算増幅器6の反転入力端子と出力端子に第1励磁コイル4の端子4a,4bが接続されて、第1演算増幅器6では、第1励磁コイル4によって負帰還路が構成されている。
第2演算増幅器7は、非反転入力端子が基準電位に接続されている。本例では、第1演算増幅器6および第2演算増幅器7は、絶対値が同じ正電圧V+と負電圧V−とを作動電圧として作動するため、基準電位は正電圧V+と負電圧V−の中間電位(ゼロボルトであるグランド電位G)に規定されている。また、第2演算増幅器7では、反転入力端子と出力端子との間に、負帰還路を構成する第2励磁コイル5と第2抵抗9の直列回路が接続されている。本例では一例として、第2励磁コイル5の各端子5a,5bのうちの端子5bと第2抵抗9の一端が接続されることで、第2励磁コイル5と第2抵抗9とが直列接続され、第2励磁コイル5の端子5aが第2演算増幅器7の反転入力端子に接続され、かつ第2抵抗の他端が第2演算増幅器7の出力端子に接続されている。この場合、図示はしないが、直列接続された第2励磁コイル5および第2抵抗9のうちの第2抵抗9が第2演算増幅器7の反転入力端子に接続され、かつ第2励磁コイル5が第2演算増幅器7の出力端子に接続される構成とすることもできる。
第1抵抗8は、第1演算増幅器6の反転入力端子と第2演算増幅器7の反転入力端子との間に接続されている。以上の構成において、第1演算増幅器6および第2演算増幅器7が正常に負帰還動作しているときには、第1抵抗8の一端が接続されている第1演算増幅器6の反転入力端子は、バーチャルショートにより、第1演算増幅器6の非反転入力端子の電圧、つまり、交流励磁電圧Vexの電圧値(以下では、理解の容易のため、交流励磁電圧Vexと同じ符号Vexを付して、電圧値Vexと表記するものとする)に規定される。また、第1抵抗8の他端が接続されている第2演算増幅器7の反転入力端子は、バーチャルショートにより、第2演算増幅器7の非反転入力端子の電圧、つまり、基準電位(ゼロボルト)に規定される。これにより、第1抵抗8には、電流値(Vex/R)の交流電流Iが流れる。
つまり、この電流値(Vex/R)の交流電流Iは、この第1抵抗8を含む電流経路、すなわち、第1演算増幅器6の出力端子から、第1励磁コイル4、第1抵抗8、第2励磁コイル5および第2抵抗9の直列回路を経由して、第2演算増幅器7の出力端子に至る1つの電流経路に流れる。したがって、この電流センサ1aでは、第1励磁コイル4および第2励磁コイル5に流れる交流電流I(つまり、交流励磁電流I)は、常に同じ電流値(Vex/R)に規定される。このため、交流励磁電流Iによって第1励磁コイル4の内部(つまり第1コア2)に生じる交流磁束Φ1と、交流励磁電流Iによって第2励磁コイル5の内部(つまり第2コア3)に生じる交流磁束Φ2の大きさは同一(|Φ1|=|Φ2|)となっている。また、電流センサ1aでは、交流磁束Φ1の向きと交流磁束Φ2の向きとが図1に示すように逆向きとなるように、第1励磁コイル4および第2励磁コイル5の巻回方向、または第1励磁コイル4および第2励磁コイル5への交流励磁電流Iの供給方向が規定されている。
また、この状態での第1演算増幅器6の第1出力電圧Vo1は、基準電位(ゼロボルト)に規定されている第2演算増幅器7の反転入力端子の電位を基準としたときに、第1抵抗8に電流Iが流れることによる第1抵抗8での電圧降下分に第1励磁コイル4での誘起電圧V1を加算した電圧(Vex/R×R+V1=Vex+V1)となっている。また、第2演算増幅器7の第2出力電圧Vo2は、第2演算増幅器7の反転入力端子の電位(基準電位)を基準としたときに、第2抵抗9に電流Iが流れることによる第2抵抗9での電圧降下分に第2励磁コイル5での誘起電圧V2を加算した電圧(−(Vex/R×R+V2)=−(Vex+V2))となっている。
励磁部10は、上記のように周波数fの交流励磁電圧Vexを出力すると共に、この交流励磁電圧Vexに同期した周波数2f(周波数fの2倍の周波数)の同期信号Vsyを出力する。
加算部11は、第1演算増幅器6から出力される第1出力電圧Vo1と第2演算増幅器7から出力される第2出力電圧Vo2とを入力して、これらを加算することにより、各誘起電圧V1,V2の差電圧である加算信号Vadd(=Vex+V1−(Vex+V2)=V1−V2)を出力する。この場合、測定対象導体100に測定対象電流Iobが流れているときには、測定対象導体100の周囲に発生している磁界に起因した磁束Φ0が各コア2,3内に同じ向きで発生する。このため、各コア2,3内の磁束は、この磁束Φ0の影響を受けて変化する。例えば、図1に示す向きで磁束Φ0および上記の各交流磁束Φ1,Φ2が発生しているときには、第1コア2では、交流磁束Φ1と磁束Φ0の向きが逆になることから、内部に発生している磁束は(Φ1−Φ0)となり、第2コア3では、交流磁束Φ2と磁束Φ0の向きが同じになることから、内部に発生している磁束は、交流磁束Φ1の向きを基準とすると、−(Φ2+Φ0)となる。また、このように各コア2,3内の磁束が変化することにより、各励磁コイル4,5に生じる誘起電圧V1,V2の振幅も変化する。このため、誘起電圧V1,V2の差分電圧である加算信号Vadd(=V1−V2)は、交流励磁電圧Vexの周波数f(交流励磁電流Iの周波数でもある)の2倍の周波数(2f)の信号成分が測定対象電流Iobの振幅によって変調された振幅変調信号となっている。
フィルタ12は、例えば、通過帯域が周波数2fを含む狭帯域に規定されたバンドパスフィルタで構成されて、加算信号Vaddに含まれている周波数2fを選択的に通過させることで、抽出信号Vf(この抽出信号Vfもまた各誘起電圧V1,V2の差電圧である)を出力する。これにより、抽出信号Vfは、加算信号Vaddに含まれている外来ノイズなどに起因したノイズ成分(周波数2f以外の周波数成分)が除去されて、主として周波数2fの周波数成分で構成される信号となっている。なお、この種のノイズ成分の加算信号Vaddへの混入が極めて小さく、ノイズ成分の影響を無視し得る場合には、フィルタ12を省くことも可能である。
検波部13は、抽出信号Vfを、励磁部10から出力される同期信号Vsyで同期検波することにより、測定対象導体100に流れる測定対象電流Iobの電流値Iobに比例して電圧値が変化する検出信号Vdを出力する。以上が電流センサ1aについての構成である。
次に、電流センサ1aを備えた測定装置MDの構成について説明する。測定装置MDは、図1に示すように、電流センサ1a、処理部14および出力部15を備えて、電流測定装置として構成されている。
処理部14は、例えば、A/D変換器、CPUおよびメモリを含んで構成されて、検波部13から出力される上記の検出信号Vdを入力して、その瞬時値を示す波形データに変換する。また、処理部14は、この変換した波形データに基づいて測定対象電流Iobの波形データ(電流波形データ)を算出してメモリに記憶する。また、処理部14は、メモリに記憶した電流波形データに基づいて、測定対象電流Iobの電流値Iob(例えば、平均値や実効値など)を算出してメモリに記憶する。このように、処理部14は、電流測定部として機能して、測定対象電流Iobの電流値Iobを測定する。また、処理部14は、測定(算出)した電流値Iobや、電流波形データに基づく測定対象電流Iobの波形を出力部15に出力する。
出力部15は、一例として、LCDなどのディスプレイ装置で構成されて、処理部14から出力された電流値Iobや測定対象電流Iobの波形を表示画面上に表示する。なお、出力部15は、ディスプレイ装置に代えて、種々のインターフェース回路で構成してもよく、例えば、メディアインターフェース回路としてリムーバブルメディアに電流値Iobや電流波形データを記憶させたり、ネットワークインターフェース回路としてネットワーク経由で外部装置に電流値Iobや電流波形データを伝送させたりする構成を採用することもできる。
続いて、電流センサ1aおよび測定装置MDの動作について説明する。なお、第1コア2および第2コア3には、図1に示す状態で、測定対象電流Iobが流れている測定対象導体100が挿通されているものとする。
電流センサ1aでは、上記したように、励磁部10が、第1演算増幅器6に対して周波数fの交流励磁電圧Vexを出力すると共に、検波部13に対して周波数2fの同期信号Vsyを出力する。
この状態において、第1演算増幅器6は、負帰還動作して第1出力電圧Vo1を交流励磁電圧Vexの電圧値Vexに応じて変化させることで、交流励磁電圧Vexの電圧値Vexに応じた電流値(Vex/R)の交流励磁電流Iを第1励磁コイル4に供給する(流す)。また、第2演算増幅器7は、負帰還動作して第2出力電圧Vo2を交流励磁電圧Vexの電圧値Vexに応じて変化させることで、交流励磁電圧Vexの電圧値Vexに応じた電流値(Vex/R)の交流励磁電流Iを第2励磁コイル5に、第2コア3に生じる交流磁束Φ2の向きが第1コア2に生じる交流磁束Φ1の向きと逆になるように供給する(流す)。
この場合、電流センサ1aでは、交流励磁電流Iは、上記したように、電流値(Vex/R)を規定する第1抵抗8、第1励磁コイル4および第2励磁コイル5を直列の状態で含む1つの電流経路に流れる構成となっている。このため、この電流センサ1aでは、第1励磁コイル4および第2励磁コイル5に流れる交流励磁電流Iは、常に同じ電流値(Vex/R)に規定される。したがって、電流センサ1aでは、第1励磁コイル4および第2励磁コイル5に流れる交流励磁電流Iを同じ電流値に調整する作業は不要となっている。
また、電流センサ1aでは、第1励磁コイル4については、第1演算増幅器6が交流励磁電圧Vexの電圧値Vexに応じて第1出力電圧Vo1を変化させることで交流励磁電流Iを供給し、また、第2励磁コイル5については、第2演算増幅器7が交流励磁電圧Vexの電圧値Vexに応じて第2出力電圧Vo2を変化させることで交流励磁電流Iを供給する構成となっている。これにより、電流センサ1aでは、第1励磁コイル4に印加する第1出力電圧Vo1や第2励磁コイル5に印加する第2出力電圧Vo2を、各抵抗8,9での電圧降下分は少なくなるものの、第1演算増幅器6および第2演算増幅器7の作動電圧である正電圧V+や負電圧V−に近い電圧値(ほぼ同じ電圧値)まで大きくすることができる(第1励磁コイル4および第2励磁コイル5を作動電圧とほぼ同じ電圧値まで駆動可能にできる)。このため、この電流センサ1aでは、背景技術において説明したフラックスゲート型電流センサ50(直列接続された2つの励磁コイルを1つの演算増幅器で駆動する構成の電流センサ)とは異なり、第1励磁コイル4および第2励磁コイル5を駆動する電圧(各出力電圧Vo1,Vo2)が正電圧V+や負電圧V−の1/2に制限されることがないことから、交流励磁電圧Vexの電圧値Vexを大きくして、交流励磁電流Iの電流値(Vex/R)を増加させることが可能となっている。つまり、各励磁コイル4,5を十分に駆動することができるため、電流センサ1aのダイナミックレンジを広く(フラックスゲート型電流センサ50の約2倍に)することが可能となっている。
このように、第1励磁コイル4および第2励磁コイル5に同じ電流値(Vex/R)の交流励磁電流Iが供給されている状態においては、上記したように、測定対象導体100に流れている測定対象電流Iobに起因して各コア2,3内に同じ向きで発生する磁束Φ0の影響を受けて、各コア2,3内に発生している磁束が変化することにより、各励磁コイル4,5に生じる誘起電圧V1,V2の振幅も変化する。
加算部11は、誘起電圧V1を含む第1出力電圧Vo1(=Vex+V1)と、誘起電圧V2を含む第2出力電圧Vo2(=−(Vex+V2))とを加算することで、誘起電圧V1,V2の差分電圧であって、交流励磁電圧Vexの周波数f(交流励磁電流Iの周波数)の2倍の周波数(2f)の信号成分で構成される加算信号Vadd(=V1−V2)を出力する。次いで、フィルタ12が、この加算信号Vaddに含まれているノイズ成分を除去して抽出信号Vfとして出力し、検波部13が、この抽出信号Vfを同期信号Vsyで同期検波することにより、測定対象導体100に流れる測定対象電流Iobの電流値Iobに比例して電圧値が変化する検出信号Vdを出力する。
測定装置MDでは、このようにして電流センサ1aから出力される検出信号Vdを処理部14が入力して、その瞬時値を示す波形データに変換し、さらにこの変換した波形データに基づいて測定対象電流Iobの波形データ(電流波形データ)を算出してメモリに記憶する。また、処理部14は、メモリに記憶した電流波形データに基づいて、測定対象電流Iobの電流値Iobを算出してメモリに記憶する。また、処理部14は、算出した電流値Iobや、電流波形データに基づく測定対象電流Iobの波形を出力部15に出力する。また、ディスプレイ装置で構成された出力部15は、処理部14から出力された電流値Iobや測定対象電流Iobの波形を表示画面上に表示する。これにより、電流センサ1aを備えた測定装置MDによる測定対象電流Iobの測定が完了する。
このように、この電流センサ1aおよび測定装置MDでは、第1演算増幅器6の反転入力端子と出力端子との間に第1コア2に巻回された第1励磁コイル4が接続され、第2演算増幅器7の反転入力端子と出力端子との間に第2コア3に巻回された第2励磁コイル5と第2抵抗9の直列回路が接続され、第1演算増幅器6の反転入力端子と第2演算増幅器7の反転入力端子との間に第1抵抗8が接続され、かつ第2演算増幅器7の非反転入力端子が基準電位(ゼロボルト)に規定された状態で、第1演算増幅器6の非反転入力端子に交流励磁電圧Vexが供給される。
したがって、この電流センサ1aおよび測定装置MDによれば、電流値(Vex/R)を規定する第1抵抗8、第1励磁コイル4および第2励磁コイル5を直列の状態で含む1つの電流経路にこの電流値(Vex/R)の交流励磁電流Iを供給する構成にできるため、第1励磁コイル4および第2励磁コイル5に流れる交流励磁電流Iを常に同じ電流値(Vex/R)にすることができる。これにより、電流センサ1aおよび測定装置MDでは、第1励磁コイル4および第2励磁コイル5に流れる交流励磁電流Iを同じ電流値に調整する作業を不要にすることができる。
また、この電流センサ1aおよび測定装置MDによれば、第1励磁コイル4に印加する第1出力電圧Vo1や第2励磁コイル5に印加する第2出力電圧Vo2を、第1演算増幅器6および第2演算増幅器7の作動電圧である正電圧V+や負電圧V−に近い電圧値(ほぼ同じ電圧値)まで大きくすることができる(第1励磁コイル4および第2励磁コイル5を作動電圧とほぼ同じ電圧値まで駆動可能にできる)。したがって、この電流センサ1aおよび測定装置MDによれば、背景技術において説明したフラックスゲート型電流センサ50(直列接続された2つの励磁コイルを1つの演算増幅器で駆動する構成の電流センサ)とは異なり、第1励磁コイル4および第2励磁コイル5を駆動する電圧(各出力電圧Vo1,Vo2)が正電圧V+や負電圧V−の1/2に制限されることがないことから、交流励磁電圧Vexの電圧値Vexを大きくして、交流励磁電流Iの電流値(Vex/R)を増加させることができる。このため、各励磁コイル4,5を十分に駆動することができ、電流センサ1aのダイナミックレンジを十分に広くすることができる。
また、この電流センサ1aおよび測定装置MDでは、第2励磁コイル5と直列に接続された状態で第2演算増幅器7の反転入力端子と出力端子との間に第1抵抗8と同じ抵抗値の第2抵抗9を接続し、第1演算増幅器6の第1出力電圧Vo1と第2演算増幅器7の第2出力電圧Vo2とを加算部11で加算して、第1誘起電圧V1と第2誘起電圧V2との差電圧である加算信号Vadd(=V1−V2)を出力する。したがって、この電流センサ1aおよび測定装置MDによれば、後述する電流センサ1bとは異なり、第1コア2および第2コア3に検出コイルを形成する必要が無いため、手間のかかる巻線作業を大幅に簡略化することができる。
なお、上記の電流センサ1aでは、第1演算増幅器6から出力される第1出力電圧Vo1と第2演算増幅器7から出力される第2出力電圧Voに基づき、各誘起電圧V1,V2の差電圧(上記の例では加算信号Vadd(=V1−V2))を出力する構成を採用したが、この構成に限定されるものではない。例えば、図2に示す電流センサ1bのように検出コイル21を使用して、差電圧(V1−V2)を出力する構成を採用することもできる。以下、この電流センサ1bについて説明する。なお、電流センサ1aと同一の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略し、相違する構成について主として説明する。
電流センサ1bは、図2に示すように、第1コア2、第2コア3、第1励磁コイル4、第2励磁コイル5、検出コイル21、第1演算増幅器6、第2演算増幅器7、第1抵抗8、励磁部10、増幅部22、フィルタ12および検波部13を備えて、測定対象導体100に流れる測定対象電流Iobの電流値Iobに比例して電圧値が変化する検出信号Vdを出力する。
この場合、第2演算増幅器7は、非反転入力端子が基準電位に接続されると共に、反転入力端子と出力端子との間に負帰還路を構成する第2励磁コイル5が接続されている。検出コイル21は、第1コア2および第2コア3に亘って所定の巻回数で巻回されている。この構成により、検出コイル21は、その端子21a,21b間に、誘起電圧V1,V2の差電圧となる誘起電圧V3を発生させる。増幅部22は、この誘起電圧V3を所定のレベルに増幅して、差電圧としての増幅信号Vap(=V1−V2)を出力する。
フィルタ12は、増幅信号Vapに含まれている周波数2fを選択的に通過させることで、抽出信号Vf(この抽出信号Vfもまた各誘起電圧V1,V2の差電圧である)を出力する。検波部13は、抽出信号Vfを、励磁部10から出力される同期信号Vsyで同期検波することにより、測定対象導体100に流れる測定対象電流Iobの電流値Iobに比例して電圧値が変化する検出信号Vdを出力する。
この電流センサ1b、およびこの電流センサ1bを備えた測定装置MDにおいても、上記した電流センサ1aおよびこの電流センサ1aを備えた測定装置MDと同様にして、電流値(Vex/R)を規定する第1抵抗8、第1励磁コイル4および第2励磁コイル5を直列の状態で含む1つの電流経路にこの電流値(Vex/R)の交流励磁電流Iを供給する構成にできるため、第1励磁コイル4および第2励磁コイル5に流れる交流励磁電流Iを常に同じ電流値(Vex/R)にすることができる。したがって、電流センサ1b、およびこの電流センサ1bを備えた測定装置MDによっても、第1励磁コイル4および第2励磁コイル5に流れる交流励磁電流Iを同じ電流値に調整する作業を不要にすることができる。
また、この電流センサ1bおよび測定装置MDにおいても、第1励磁コイル4に印加する第1出力電圧Vo1や第2励磁コイル5に印加する第2出力電圧Vo2を、第1演算増幅器6および第2演算増幅器7の作動電圧である正電圧V+や負電圧V−に近い電圧値(ほぼ同じ電圧値)まで大きくすることができる(第1励磁コイル4および第2励磁コイル5を作動電圧とほぼ同じ電圧値まで駆動可能にできる)。したがって、この電流センサ1bおよび測定装置MDによっても、第1励磁コイル4および第2励磁コイル5を駆動する電圧(各出力電圧Vo1,Vo2)が正電圧V+や負電圧V−の1/2に制限されることがないことから、交流励磁電圧Vexの電圧値Vexを大きくして、交流励磁電流Iの電流値(Vex/R)を増加させることができる。このため、各励磁コイル4,5を十分に駆動することができ、電流センサ1aのダイナミックレンジを広くすることができる。また、この電流センサ1bおよび測定装置MDでは、第2抵抗9を不要にできるため、抵抗値の揃った2つの抵抗(抵抗8,9)を用意する手間を省くことができる。
また、この電流センサ1b、およびこの電流センサ1bを備えた測定装置MDによれば、上記の電流センサ1a、およびこの電流センサ1aを備えた測定装置MDとは異なり、検出コイル21を設ける必要があるものの、第1抵抗8の抵抗値Rと同じ抵抗値の第2抵抗9を用意する手間を省くことができる。
また、上記の電流センサ1a,1bでは、第1コア2および第2コア3は、測定対象導体100が挿通される形態で、測定対象電流Iobが流れることによって測定対象導体100の周囲に発生する不図示の磁界内に配設される構成であるが、この構成に限定されるものではない。例えば、図3に示す電流センサ1cのように、第1コア2および第2コア3とは異なるコア31(一部にギャップGPが形成されているコア)を別途設けて、第1励磁コイル4が巻回された第1コア2、および第2励磁コイル5が巻回された第2コア3をこのギャップGP内に配設する構成を採用することもできる。なお、本例では、各コア2,3の形状を、電流センサ1a,1bでの環状に代えて、柱状としているが、環状としてもよいのは勿論である。また、図3に示すように、第1コア2および第2コア3を同じ1つのギャップGP内に配設する構成でもよいし、コア31にギャップを2つ形成して、第1コア2および第2コア3を別々のギャップ内に配設する構成でもよい。
この電流センサ1cでは、図3に示すように、コア31に測定対象導体100が挿通される。この構成により、測定対象電流Iobが流れることによって測定対象導体100の周囲に発生する不図示の磁界内にコア31が配設され、この磁界に起因してコア31内に磁束が生じる。この磁束はギャップGPも通過することから、このギャップGP内に配設された第1コア2および第2コア3は、測定対象導体100が第1コア2および第2コア3に挿通されない形態であっても、測定対象電流Iobが流れることによって測定対象導体100の周囲に発生する不図示の磁界内に配設される構成となっている。
また、電流センサ1cは、ギャップGP内に第1コア2および第2コア3が配設されたコア31に測定対象導体100を挿通させる構成以外の構成要素については、上記した電流センサ1a,1bのうちのいずれか一方の各構成要素と同一である。このため、図3においては、この同一の構成要素については図示せず、また説明についても省略する。
したがって、図1に示す第1コア2、第2コア3、第1励磁コイル4および第2励磁コイル5に代えて、図3に示すコア31、第1コア2、第2コア3、第1励磁コイル4および第2励磁コイル5を備えて構成された電流センサ1cや、図2に示す第1コア2、第2コア3、第1励磁コイル4および第2励磁コイル5に代えて、図3に示すコア31、第1コア2、第2コア3、第1励磁コイル4および第2励磁コイル5を備えて構成された電流センサ1cによっても、またこの電流センサ1cを備えた測定装置MDによっても、上記した電流センサ1a,1b、または電流センサ1a,1bのいずれかを備えた測定装置MDと同様の効果を奏することができる。
また、上記した電流センサ1a,1b,1cは、ゼロフラックス型の電流センサとして構成することもできる。以下、一例として電流センサ1aを図4に示すようなゼロフラックス型の電流センサ1dとして構成して測定装置MDとした例について説明する。なお、電流センサ1a、およびこの電流センサ1aを備えた測定装置MDと同一の構成要素については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
電流センサ1dは、電流センサ1aの構成に加えて、一対のメインコア41,42、帰還巻線43、駆動部44、検出抵抗45および増幅部46を備えている。メインコア41,42は、断面凹字形を呈し、かつ平面視形状が同一の環状体にそれぞれ磁性材料を用いて形成されている。この構成により、メインコア41,42は、互いに凹部同士が対向する状態で付き合わされた状態において、環状の中空部(図示せず)が内部に形成された1つの環状コアに構成されている。また、この中空部内には、第1励磁コイル4が巻回された第1コア2と、第2励磁コイル5が巻回された第2コア3とが重ねられた状態で収容されている。
帰還巻線43は、メインコア41,42で構成された環状コアの外周面に巻回されている。駆動部44は、検波部13から出力される検出信号Vdに基づいて駆動電流Idを生成して帰還巻線43の一端に供給する。また、駆動部44は、駆動電流Idが帰還巻線43を流れることによってメインコア41,42で構成される環状コアに発生する磁束で、測定対象導体100に測定対象電流Iobが流れることによってこの環状コアに発生する磁束を打ち消すように、つまり、検波部13から出力される検出信号Vdの振幅を低下させる(ゼロに近づける)ように、駆動電流Idの振幅を制御する。
検出抵抗45は、帰還巻線43の他端とグランド電位Gとの間に配設されて、駆動電流Idを電圧信号Vd1に変換する。増幅部46は、この電圧信号Vd1を電圧信号Vd2に増幅して処理部14に出力する。この場合、電圧信号Vd2は、測定対象導体100に流れる測定対象電流Iobの電流値Iobに比例して電圧値が変化する信号である。
この測定装置MDでは、このようにして電流センサ1dから出力される電圧信号Vd2を、電流センサ1a,1b,1cのいずれかを備えた上記の測定装置MDでの検出信号Vdと同様にして処理部14が入力して、その瞬時値を示す波形データに変換し、さらにこの変換した波形データに基づいて測定対象電流Iobの波形データ(電流波形データ)を算出してメモリに記憶する。また、処理部14は、メモリに記憶した電流波形データに基づいて、測定対象電流Iobの電流値Iobを算出してメモリに記憶する。また、処理部14は、算出した電流値Iobや、電流波形データに基づく測定対象電流Iobの波形を出力部15に出力して、電流値Iobや測定対象電流Iobの波形を表示画面上に表示させる。これにより、電流センサ1dを備えた測定装置MDによる測定対象電流Iobの測定が完了する。
したがって、この電流センサ1dによっても、またこの電流センサ1dを備えた測定装置MDによっても、上記した電流センサ1a,1b,1c、または電流センサ1a,1b,1cのいずれかを備えた測定装置MDと同様の効果を奏することができる。さらに、この電流センサ1d、および電流センサ1dを備えた測定装置MDによれば、メインコア41,42で構成される環状コア内に生じる磁束をほぼゼロに維持できることから、電流値の大きな測定対象電流Iobについても、磁気飽和を回避しつつ測定することができる。
また、上記の電流センサ1a,1b,1dでは、加算信号Vaddや増幅信号Vapに含まれる周波数2fの信号成分のみを正確に抽出し得るより好ましい構成として、フィルタ12および検波部13を併用する構成を採用しているが、上記したように、検波部13だけの構成とすることもできるし、フィルタ12だけで十分なときには検波部13を省いてフィルタ12だけの構成とすることもできる。また、電流センサ1a,1b,1c,1dを備えた測定装置MDとして、電流測定装置を例に挙げて説明したが、電力測定装置とすることもできる。
1a,1b,1c,1d 電流センサ
2 第1コア
3 第2コア
4 第1励磁コイル
5 第2励磁コイル
6 第1演算増幅器
7 第2演算増幅器
8 第1抵抗
9 第2抵抗
11 加算部
13 検波部
14 処理部
21 検出コイル
31 コア
MD 測定装置

Claims (4)

  1. 測定対象電流が流れることによって発生する磁界内に配設される第1コアおよび第2コアと、
    前記第1コアに巻回された第1励磁コイルと、
    前記第2コアに巻回された第2励磁コイルと、
    前記第1励磁コイルが反転入力端子と出力端子との間に接続されると共に、非反転入力端子に交流励磁電圧が供給される第1演算増幅器と、
    前記第2励磁コイルが反転入力端子と出力端子との間に接続されると共に、非反転入力端子が基準電位に規定された第2演算増幅器と、
    前記第1演算増幅器の前記反転入力端子と前記第2演算増幅器の前記反転入力端子との間に接続された第1抵抗とを備え、
    前記交流励磁電圧の電圧値を前記第1抵抗の抵抗値で除算して求められる電流値の交流励磁電流を、前記第1励磁コイルに対しては前記第1演算増幅器が供給し、かつ前記第2励磁コイルに対しては前記第2コアに生じる交流磁束の向きと前記第1コアに生じる交流磁束の向きとが逆になるように前記第2演算増幅器が供給するフラックスゲート型電流センサ。
  2. 前記第2励磁コイルと直列に接続された状態で前記第2演算増幅器の前記反転入力端子と前記出力端子との間に接続されると共に前記第1抵抗と同じ抵抗値に規定された第2抵抗と、
    前記第1演算増幅器の前記出力端子から出力される第1出力電圧と前記第2演算増幅器の前記出力端子から出力される第2出力電圧とを加算して、前記第1励磁コイルに生じる第1誘起電圧と前記第2励磁コイルに生じる第2誘起電圧との差を示す差電圧を出力する加算部とを備えている請求項1記載のフラックスゲート型電流センサ。
  3. 前記第1コアおよび前記第2コアに巻回されて、前記第1励磁コイルに生じる第1誘起電圧と前記第2励磁コイルに生じる第2誘起電圧との差を示す差電圧を発生させる検出コイルを備えている請求項1記載のフラックスゲート型電流センサ。
  4. 前記交流励磁電圧に同期した当該交流励磁電圧の2倍の周波数の同期信号で前記差電圧を同期検波することにより、前記測定対象電流の電流値に比例して電圧値が変化する検出信号を出力する検波部を備えている請求項2または3記載のフラックスゲート型電流センサと、
    前記検出信号に基づいて前記測定対象電流を測定する電流測定部とを備えている測定装置。
JP2017077900A 2017-04-11 2017-04-11 電流センサおよび測定装置 Active JP6829139B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017077900A JP6829139B2 (ja) 2017-04-11 2017-04-11 電流センサおよび測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017077900A JP6829139B2 (ja) 2017-04-11 2017-04-11 電流センサおよび測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018179689A true JP2018179689A (ja) 2018-11-15
JP6829139B2 JP6829139B2 (ja) 2021-02-10

Family

ID=64275030

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017077900A Active JP6829139B2 (ja) 2017-04-11 2017-04-11 電流センサおよび測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6829139B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110244106A (zh) * 2019-06-23 2019-09-17 上海千贯节能科技有限公司 一种非侵入式计量电流和电压的设备
CN111913028A (zh) * 2020-08-18 2020-11-10 宁波中车时代传感技术有限公司 基于芯片型线圈的磁通门电流传感器
WO2023157902A1 (ja) * 2022-02-18 2023-08-24 日置電機株式会社 励磁回路、電流センサ及び測定装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4616174A (en) * 1983-09-15 1986-10-07 Danfysik A/S Detector circuit for current measurements
JP2001228181A (ja) * 2000-02-17 2001-08-24 Mitsubishi Electric Corp 電流センサー
JP2008519269A (ja) * 2004-11-05 2008-06-05 ダンフィシク アクティーゼルスカブ 電流測定のための検出回路
JP2011017618A (ja) * 2009-07-09 2011-01-27 Tamura Seisakusho Co Ltd 電流センサ
JP2014122879A (ja) * 2012-11-21 2014-07-03 Panasonic Corp 電流検出装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4616174A (en) * 1983-09-15 1986-10-07 Danfysik A/S Detector circuit for current measurements
JP2001228181A (ja) * 2000-02-17 2001-08-24 Mitsubishi Electric Corp 電流センサー
JP2008519269A (ja) * 2004-11-05 2008-06-05 ダンフィシク アクティーゼルスカブ 電流測定のための検出回路
JP2011017618A (ja) * 2009-07-09 2011-01-27 Tamura Seisakusho Co Ltd 電流センサ
JP2014122879A (ja) * 2012-11-21 2014-07-03 Panasonic Corp 電流検出装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110244106A (zh) * 2019-06-23 2019-09-17 上海千贯节能科技有限公司 一种非侵入式计量电流和电压的设备
CN111913028A (zh) * 2020-08-18 2020-11-10 宁波中车时代传感技术有限公司 基于芯片型线圈的磁通门电流传感器
WO2023157902A1 (ja) * 2022-02-18 2023-08-24 日置電機株式会社 励磁回路、電流センサ及び測定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6829139B2 (ja) 2021-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6625395B2 (ja) 電流センサおよび測定装置
EP2871485B1 (en) Current detection device
JP2018179689A (ja) 電流センサおよび測定装置
EP3121609A1 (en) Direct-current residual-current detecting device
CN108732404B (zh) 一种电流传感器及其多磁通平衡控制电路
WO2013088766A1 (ja) 電流センサ
CN107102187B (zh) 一种用于交直流大电流测量的零磁通磁通门电流传感器
JP2012154786A (ja) フラックスゲートセンサおよびフラックスゲート式磁界検出方法
JP2022162171A (ja) 電流検出装置および測定装置
US20170176567A1 (en) On-line calibration and compensation of a current transformer
WO2016158096A1 (ja) 差動型磁気センサ
CN104374981A (zh) 磁调制系统及其过流保护方法
JP2009139206A (ja) 絶縁抵抗計
JP2008002816A (ja) 電流センサ
JP2020204524A (ja) 電流センサ及び測定装置
JP2005172826A (ja) 磁気誘導式流量測定装置および磁気誘導式流量測定装置のための測定方法
JP2016194483A (ja) 電流検知装置
WO2023157902A1 (ja) 励磁回路、電流センサ及び測定装置
JP2016050921A (ja) 電流検知装置
JP4884384B2 (ja) 広帯域型電流検出器
JP2013096848A (ja) 電流センサ
JP5839387B2 (ja) 磁界検出装置
JP5758229B2 (ja) 磁界検出装置
JP5274920B2 (ja) 抵抗測定装置
KR102039268B1 (ko) 교류 및 직류 전류 감지 회로

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210121

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6829139

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250